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デュラグルチドが2型DMの腎アウトカム改善/Lancet

 デュラグルチド(商品名:トルリシティ)は、Stage3/4の慢性腎臓病患者において、1年後の推算糸球体濾過量(eGFR)の低下を軽減することが報告されている。カナダ・マックマスター大学のHertzel C. Gerstein氏らREWIND試験の研究グループは、今回、同試験の探索的解析として、デュラグルチドの長期使用による2型糖尿病患者の腎アウトカムへの影響を検討し、プラセボと比較して有意な改善効果が得られることを示した。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。本試験では、既存の血糖降下レジメンへのデュラグルチドの追加により、2型糖尿病患者の心血管イベントのリスクが低減することが確認されている。デュラグルチドによる腎アウトカムへの影響を評価 本研究は、心血管リスク因子を有し、HbA1cが広範囲にわたる2型糖尿病の中年~高齢患者の血糖コントロールにおけるデュラグルチドの有用性を検討する、二重盲検プラセボ対照無作為化試験「REWIND試験」の探索的解析である(Eli Lilly and Companyの助成による)。 対象は、年齢50歳以上、BMI≧23で、2剤以内の安定用量の経口血糖降下薬を服用している2型糖尿病(HbA1c≦9.5%、下限値は設けない)で、心血管イベントの既往または心血管リスク因子を有する患者であった。 被験者は、デュラグルチド(1.5mg)またはプラセボを毎週1回皮下注射する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。少なくとも6ヵ月ごとに、アウトカムの評価のためのフォローアップが行われた。また、12ヵ月ごとに、尿検査と血清学的検査を実施し、尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)およびeGFRを推算した。 探索的解析として、細小血管症の複合アウトカムのうち腎関連項目(新規の顕性アルブミン尿[UACR>33.9mg/mmol]の初回発現、eGFRのベースラインから30%以上の持続的低下、持続的腎代替療法[透析、腎移植])の評価を行った。デュラグルチド群の腎アウトカム:17.1% vs.19.6%(p=0.0004) 2011年8月~2013年8月の期間に24ヵ国371施設で9,901例が登録され、デュラグルチド群に4,949例(平均年齢66.2歳(SD 6.5)、女性46.6%、平均HbA1c 7.3%[SD 1.1])、プラセボ群には4,952例(66.2歳(SD 6.5)、46.1%、7.4%[1.1])が割り付けられた。ベースライン時に、791例(7.9%)が顕性アルブミン尿を発症しており、平均eGFR値は76.9(SD 22.7)mL/分/1.73m2であった。 フォローアップ期間中央値5.4年(IQR:5.1~5.9)の時点(5万1,820人年)で、腎アウトカムはデュラグルチド群が848例(17.1%、3.5件/100人年)で発現したのに対し、プラセボ群は970例(19.6%、4.1件/100人年)と、デュラグルチド群が15%有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.77~0.93、p=0.0004)。 最も明確なデュラグルチドの効果を認めたのは、顕性アルブミン尿の抑制効果(HR:0.77、95%CI:0.68~0.87、p<0.0001)であり、eGFRの30%以上の持続的低下(0.89、0.78~1.01、p=0.066)と持続的腎代替療法(0.75、0.39~1.44、p=0.39)には有意差はみられなかった。 重篤な腎有害事象の発現率は、両群間に有意差を認めなかった(デュラグルチド群1.7% vs.プラセボ群1.9%、HR:0.90、95%CI:0.67~1.20、p=0.46)。 著者は、「今後、ベースライン時に腎機能が保持された患者や低下した患者において、デュラグルチドの腎機能への影響の特性をさらに明らかにするために、大規模な前向き試験を行う必要がある」としている。■「デュラグルチド」関連記事デュラグルチドのREWIND試験は1次予防の壁を越えるか

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日本人非扁平上皮NSCLCへの維持療法、Bev対Bev+Pem(COMPASS)/ASCO2019

 日本人進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者における、カルボプラチン+ペメトレキセド+ベバシズマブ後の維持療法として、ベバシズマブとベバシズマブ・ペメトレキセド併用を比較した第III相COMPASS試験の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、九州がんセンターの瀬戸 貴司氏が発表した。・対象:化学療法歴のない、Stage IIIB~IV、EGFR野生型または不明の非扁平上皮NSCLC患者(被験者は、カルボプラチン・ペメトレキセド・ベバシズマブ併用3週ごと4サイクルの導入療法実施後、維持療法として、ベバシズマブ群とベバシズマブ・ペメトレキセド併用群に無作為に割り付けられた)・試験群:(維持療法)ベバシズマブ+ペメトレキセド3週ごとPDまで(Bev+Pem群)・対照群:(維持療法)ベバシズマブ3週ごとPDまで(Bev群)・評価項目:[主要評価項目]無作為化後の全生存期間(OS)[副次評価項目]無作為化後の無増悪生存期間(PFS)、1次登録(導入療法開始前)時からのOSとPFS、安全性 1次登録での主な結果は以下のとおり。・2010年9月~2015年9月に、71施設から907例が1次登録され、導入療法が実施された。1次登録からの追跡期間中央値は63.3ヵ月。・1次登録におけるPFS中央値は7.1ヵ月、OS中央値は21.1ヵ月であった。 無作為化後の主な結果は以下のとおり。・導入療法後、599例がBev群とBev+Pem群に無作為に割り付けられ、うち維持療法評価に登録された患者は594例(Bev群295例、Bev+Pem群299例)であった。無作為化後の追跡期間中央値は59.9ヵ月。・無作為化後のOS中央値は、Bev群19.6ヵ月に対しBev+Pem群23.3ヵ月であった(HR:0.87、95%CI:0.73~1.05、p=0.069)。・無作為化後のPFS中央値は、Bev群4.0ヵ月に対しBev+Pem群5.7ヵ月と、Bev+Pem群で有意に改善した(HR:0.67、95%CI:0.57~0.79、p<0.001)。・無作為化後のOSについてサブグループ解析の結果、70歳未満(Bev群19.7ヵ月対Bev+Pem群23.7ヵ月、HR:0.79、95%CI:0.64~0.98、p=0.03)ならびにEGFR野生型(Bev群18.8ヵ月対Bev+Pem群23.3ヵ月、HR:0.82、95%CI:0.68~0.99、p=0.041)において、Bev+Pem群でより改善した。・維持療法におけるGrade3以上の有害事象のうち、Bev+Pem群で多くみられたのは好中球数減少(1.0%対14.0%)、白血球数減少(0.0%対5.4%)であった。高血圧については、Bev群16.6%、Bev+Pem群11.7%であった。新たな有害事象のプロファイルはみられなかった。 Bev+Pemによる維持療法は、Bev単剤に比べPFSを延長し、また、70歳未満およびEGFR野生型患者においてはOSを有意に改善した。瀬戸氏は、カルボプラチン・ペメトレキセドベースの1次治療において、ペメトレキセドによる継続維持療法は外せないと結論付けている。

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メトホルミン、軽度~中等度腎機能障害にも処方可-使用上の注意改訂

 2型糖尿病治療薬のメトホルミン含有製剤の添付文書について、2019年6月18日、厚生労働省より使用上の注意改訂指示が発出された。「腎機能障害」、重度のみが禁忌 これまで、メトホルミン含有製剤は軽度~中等度腎機能障害の患者も禁忌とされてきたが、今回の改訂でeGFR(推算糸球体濾過量)30未満の重度の腎機能障害患者のみを禁忌とすることになった。これに伴い、腎機能障害患者に対する1日最高用量については、eGFRに基づいた目安が記載される。また、経口摂取が困難な場合などの脱水リスクや過度のアルコール摂取、そのほか乳酸アシドーシスに関連する注意が整理されたが、製剤ごとに改訂内容の記載に違いがあるため、それぞれの添付文書を確認する必要がある。 改訂指示のある対象製剤は以下の通り。<対象製剤>・1日最高投与量が2,250mgである製剤(商品名:メトグルコ錠250mg、同500mg[大日本住友製薬]ほか)・1日最高投与量が750mgである製剤(商品名:グリコラン錠250mg[日本新薬]ほか)・メトアナ配合錠(アナグリプチン・メトホルミン塩酸塩配合剤:三和化学研究所)・イニシンク配合錠(アログリプチン安息香酸塩・メトホルミン塩酸塩配合剤:武田薬品工業)・メタクト配合錠(ピオグリタゾン塩酸塩・メトホルミン塩酸塩配合剤:武田薬品工業)・エクメット配合錠LD/HD(ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩配合剤:ノバルティスファーマ)なぜ今、改訂されるのか? これまで乳酸アシドーシスのリスクを最小限にとどめるため、1970年代から国内の添付文書に使用患者や投与量などを記載し制限してきた。とくに腎機能障害患者ではメトホルミンの排泄が遅延し血中濃度が上昇するため、1977年5月に「軽度を含む腎機能障害患者」も禁忌へ追加。それ以降、腎機能障害患者に対する使用制限がより厳格なものとなっていた。 ところが近年、海外では腎機能障害患者におけるメトホルミンの安全性に関する最新の科学的知見に基づき、腎機能障害患者に対する使用制限が見直されてきた。2016年4月には米国食品医薬品局(FDA)が、同年10月には欧州医薬品庁(EMA)がそれぞれ、公表文献などをレビュー。その結果、軽度から中等度の腎機能障害患者へのメトホルミン使用は可能であると結論付け、禁忌をeGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者に限定するとともに、軽度から中等度の腎機能障害患者へ使用する際の注意を追加するための添付文書の改訂を行う旨を公表した。 これに伴い、2019年5月31日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会による話し合いの結果、国内においても海外同様の対応を行うことが決定された。

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肺がん患者の7割が合併。食欲不振など悪液質の実態

 がん悪液質は、がん克服の重要な課題の1つとされており、肺がんでは死亡率上昇との関連も指摘されている。悪液質の定義と分類については2011年に、主に体重減少、サルコペニア(骨格筋量減少)、炎症および食欲不振に基づくものとの国際的なコンセンサスが発表されているが、フランス・パリ・サクレー大学のSami Antoun氏らは、非小細胞肺がん患者について初となるFearon基準に基づく分類を試みた。その結果、Fearon悪液質ステージ分類と、QOLの機能尺度および身体活動レベルはリンクしており、早期の悪液質を臨床的に検出するのに役立つ可能性が示されたという。Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle誌オンライン版2019年4月1日号掲載の報告。非小細胞肺がん患者がFAACT質問票の食欲不振/悪液質サブスケールに回答 研究グループは、Fearonらの基準と定量化パラメータを用い、非小細胞肺がん患者の悪液質のステージ分類を行う目的で、横断的な非介入の多施設共同研究を行った。非小細胞肺がん患者集団における悪液質の分布と、非小細胞肺がんの分子異常と悪液質の関連を示す初の研究である。 L3のCTスキャンにて骨格筋量を評価するとともに、患者にFAACT(Functional Assessment of Anorexia/Cachexia Therapy)質問票の食欲不振/悪液質サブスケール、EORTC QLQ-C30、および国際標準化身体活動質問票(International Physical Activity Questionnaire:IPAQ)に回答してもらい、分析評価した。 非小細胞肺がん患者の食欲不振など悪液質を調査した主な結果は以下のとおり。・56施設から非小細胞肺がん患者531例が登録され、312例が骨格筋量の測定を受けた。・非小細胞肺がん患者背景は、男性が66.5%で、平均年齢は65.2、79.9%がPS 0~1で、StageIIIB/IVが87.3%と大半を占めた。・非小細胞肺がん患者の38.7%が悪液質、33.8%が前悪液質、0.9%が不応性悪液質であった。・腫瘍の分子プロファイルは、悪液質の存在と有意に関連した。・EGFR、ALK、ROS1、BRAFまたはHER2陽性患者では悪液質の併存が23.9%であったが、K-RAS陽性では41.4%、分子異常のない患者では43.2%であった(p=0.003)。・悪液質のステージが進行しているほど、QOL(p<0.001)とIPAQ(p<0.001)の機能尺度が低下した。・サルコペニアは、悪液質の66.7%、および前悪液質患者の68.5%にみられた。・前悪液質の非小細胞肺がん患者の43.8%は、わずかな体重減少(2%以下)を伴うサルコペニアのみで、食欲不振はなかった。

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ペメトレキセド+シスプラチンのNSCLC術後アジュバントにおける可能性(JIPANG)/ASCO2019

 非小細胞肺がん(NCSLC)の術後アジュバントのプラチナベース化学療法においては、どの組み合わせが最も効果的かは明らかではない。静岡県立静岡がんセンターの釼持 広知氏らは、完全切除非扁平上皮NSCLCの術後補助療法において、ペメトレキセド+シスプラチン(CDDP)とビノレルビン(VNR)+CDDPを比較する無作為化第III相JIPANG Studyを実施。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)のOral Sessionにおいて、その結果を発表した。・対象:StageII~IIIAの完全切除非扁平上皮NSCLC患者・試験薬:ペメトレキセド+CDDP 3週ごと4サイクルまで・対照群:VNR+CDDP 3週ごと4サイクルまで・評価項目:[主要評価項目]無再発生存期間(RFS)、目標HRは0.775[副次評価項目]全生存期間(OS)、治療完遂率、毒性ペメトレキセド+CDDPによる非扁平上皮NSCLCの術後補助療法について検討した主な結果は以下のとおり。・2012年3月~2016年8月に812例が登録され、804例がVNR+CDDP群(402例)とペメトレキセド+CDDP群(402例)に無作為に割り付けられた。・RFS中央値はVNR+CDDPが37.3ヵ月、ペメトレキセド+CDDP群が38.9ヵ月。36ヵ月RFSはVNR群50.2%に対しペメトレキセド+CDDP群51.1%で、生存曲線はほぼ同様であった(HR:0.98、95%CI:0.81~1.20、片側p=0.474)。HRは目標に届かず、ペメトレキセド+CDDP群は主要評価項目を達成しなかった。・EGFR遺伝子変異有無別のRFSをみると、EGFR野生型ではVNR+CDDP群39.9ヵ月に対しペメトレキセド+CDDP群65.2ヵ月と、統計学的に有意ではないがペメトレキセド+CDDP群で良好な傾向であった(HR:087)、一方、EGFR変異型ではVNR+CDDP群30.4ヵ月に対しペメトレキセド+CDDP群24.1ヵ月と、統計学的に有意ではないがVNR+CDDP群が良好な傾向であった(HR:1.38)。・OSは未達であるが、24ヵ月OSはVNR+CDDP群91.8%、ペメトレキセド+CDDP群92.5%、36ヵ月OSはVNR+CDDP群83.5%、ペメトレキセド+CDDP群87.2%であった。・治療完遂率(4サイクル)はVNR+CDDP群72.7%、ペメトレキセド+CDDP群87.9%と、ペメトレキセド+CDDP群で有意に良好であった(p<0.001)。・Grade3以上の血液学的毒性発現はVNR+CDDP群89.4%に対し、ペメトレキセド+CDDP群47.4%と、ペメトレキセド+CDDP群で少なかった。 結語として、ペメトレキセド+CDDP群の優越性は証明されなかったが、その効果はVNR+CDDPと同程度であり、安全性プロファイルも良好なことから、今後ペメトレキセド+CDDPが非扁平上皮NSCLCの術後補助療法の選択肢になり得ることを示唆するとしている。発表者静岡県立静岡がんセンター釼持氏との1問1答この試験を行った背景は? ペメトレキセド+CDDPは進行肺がんでは実績のあるレジメンですが、ペメトレキセドは日本においては術後補助療法としての適応はありません。一方、CDDP+VNRは術後補助療法のスタンダードですが、副作用への配慮が必要です。経験も多く、医師として使いやすいペメトレキセド+CDDPを術後補助療法の選択肢に加えられないかと考えました。非扁平上皮NSCLCのアジュバントでペメトレキセド+CDDPを使うメリットは? 血液毒性が軽いということだと思います。結果はネガティブでしたが、今後は適応拡大の可能性について検討していこうと考えています。EGFR変異の有無で両レジメンの効果の違いが出ていますが、どのようにお考えですか? まだ違いがあるとも言えない状態です。なぜ違いが出たのかバックグラウンドが明らかではありません。現在バイオマーカー研究が進行中であり、その結果が待たれます。※ペメトレキセドは当該術後補助療法として効能・効果の適応がなく、保険診療として適用されないのでご注意ください。

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日本人肺がんのオシメルチニブ1次治療耐性を探る/ASCO2019

 オシメルチニブはEGFR変異非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において重要な選択肢である。しかし、同薬の耐性機構に対する報告は少ない。近畿中央呼吸器センターの田宮 朗裕氏らは、日本人NSCLC患者におけるオシメルチニブ1次治療の耐性機構を明らかにするため前向き観察研究を開始する。試験の概要を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)にて発表した。 対象は1次治療としてオシメルチニブ投与を予定している非扁平上皮NSCLC患者で、予定症例数は180例。被験者からはオシメルチニブ投与前に血液、組織サンプルを採取する。血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた超高感度次世代シークエンス(NGS)を、治療前、治療3ヵ月後、12ヵ月後、PD後に実施してオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異を分析する。主要評価項目・オシメルチニブ治療前とPD時のオシメルチニブ耐性関連遺伝子変異の発現および発現率(ctDNAを用いた超高感度NGSによる)副次評価項目・組織DNAを用いたNGSによるオシメルチニブ耐性遺伝子の発現および発現率(組織サンプルがある場合)・超高感度NGSによるctDNA中のオシメルチニブ耐性関連遺伝子の量を検知する方法の分析・超高感度NGSによる、オシメルチニブ投与3ヵ月後と12ヵ月後の耐性関連遺伝子の発現および発現率・ctDNAを用いた超高感度NGSおよび組織DNAを用いたNGSの感度と特異度・オシメルチニブ治療後3ヵ月、12ヵ月における耐性関連遺伝子の背景、疾患増悪に影響する因子の分析筆頭著者 近畿中央呼吸器センター 田宮 朗裕氏へのインタビューこの試験の背景と概要について教えていただけますか。 オシメルチニブはEGFR変異陽性NSCLCの1次治療のスタンダードですが、その耐性についての知見は少なく、昨年のESMO2018でのFLAURA試験の結果くらいしか報告がないと思います。われわれは、日本国立病院機構の前向き観察研究としてこの研究を開始しました。前向き研究として結果がでるようにサンプルサイズを180例に設定し、本年(2019年)5月から登録を開始しています。 遺伝子解析はEGFR、ALK、BRAFといったメジャーな変異に加え、180のマイナー変異についても行います。また、組織DNAを採取しているケースではctDNAとのconcordanceも検証します。さらに、可能であれば治療後3ヵ月、12ヵ月、PD後のデータから、早期に起こる耐性と後から起こる耐性の違いも調べてみたいと思っています。

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エルロチニブ+ラムシルマブ、EGFR陽性NSCLCの新オプションに?(RELAY)/ASCO2019

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、EGFR-TKIエルロチニブと抗VEGF-R2抗体ラムシルマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を大きく延長した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、第III相RELAY試験の中間解析結果を、近畿大学の中川 和彦氏が発表した。 エルロチニブを含む第1~第2世代TKIによる治療後、30~60%でT790M変異が発現する。第3世代TKIのオシメルチニブはT790M変異に対して有効だが、1次治療でオシメルチニブを投与した場合、その後の治療選択肢は限られる。 RELAY試験は、活性型EGFR変異(Exon19delまたはExon21 L858R)を有し、CNS転移のない、未治療の進行NSCLC患者を対象とした第III相国際共同二重盲検無作為化試験。登録患者はラムシルマブ(10mg/kg、2週ごと投与)+エルロチニブ(150mg/日)群と、プラセボ+エルロチニブ(150mg/日)群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。また、患者は性別、地域(東アジア vs.その他)、EGFR変異ステータス(Ex19del vs.L858R)、EGFR変異検査法(Therascreen/Cobas vs.その他)で層別化された。 主要評価項目は治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効持続期間(DoR)、PFS2(無作為化から2度目の病勢進行あるいは全死因死亡のいずれかの発生までの期間)、全生存期間(OS)、血漿T790M変異、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・13ヵ国100施設から449例が登録され、ラムシルマブ併用群に224例、プラセボ群に225例が割り付けられた。女性は両群で63%、アジア人は両群で77%、年齢中央値は65歳/64歳、Ex19delは55%/54%であった。・データベースロックは2019年2月14日、追跡期間中央値は20.7ヵ月。・主要評価項目であるPFS中央値は、併用群が19.4ヵ月、プラセボ群で12.4ヵ月と、併用群で有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.591、95%信頼区間[CI]:0.461~0.760、p<0.0001)。・EGFR変異のステータス別でも、併用群でPFS中央値を有意に延長していた:Ex19delを有する患者で19.6ヵ月 vs. 12.5ヵ月(HR:0.651、95%CI:0.469~0.903)、L858Rを有する患者で19.4ヵ月 vs. 11.2ヵ月(HR:0.618、95%CI:0.437~0.874)。・ORRは76.3% vs.74.7%と差がみられなかったが、DoR中央値は18.0ヵ月 vs.11.1ヵ月と、併用群で有意に延長した(HR:0.619、95%CI:0.477~0.805、p=0.0003)。・PFS2中央値は両群ともに未到達、併用群で有意に延長した(HR:0.690、95%CI:0.490~0.972、p=0.0325)。・中間解析時点でのOS中央値は両群ともに未到達、HR:0.832、95%CI:0.532~1.303、p=0.4209となっている。・ベースライン時にT790M変異陽性の患者はいなかったが、病勢進行30日後の測定では、併用群43%、プラセボ群47%で発現しており、両群に差はみられなかった(p=0.849)。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は併用群で72%、プラセボ群で54%の患者に発現した。しかし、TRAEによる治療中止は併用群が13%、プラセボ群が11%と同等であった。・併用群では高血圧(45% vs.12%)が多く発現したが、Grade4の症例はなかった。また、ALT(43% vs.31%)、AST(42% vs.26%)、出血性イベント(55% vs.26%)も併用群で多い傾向がみられたが、多くがGrade1~2であった。

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5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」【下平博士のDIノート】第26回

5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」今回は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)「ダコミチニブ水和物(商品名:ビジンプロ錠15mg/45mg)」を紹介します。本剤は、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(HER)2および4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。<効能・効果>本剤は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月1日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはダコミチニブとして1日1回45mgを経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量し、副作用が現れた場合には、添付文書に記載されている基準を考慮して休薬、減量または中止します。本剤とCYP2D6基質の薬剤(デキストロメトルファンなど)を併用すると併用薬の血中濃度が上昇する恐れがあり、また、PPIなどの胃内pHを上昇させる薬剤を併用すると本剤の血中濃度が低下して有効性が減弱する可能性があるため、それぞれ併用注意となっています。<副作用>化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC患者を対象とした非盲検無作為化国際共同第III相試験において、本剤が投与された227例(日本人患者40例を含む)中220例(96.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、下痢193例(85.0%)、爪囲炎140例(61.7%)、口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍など)135例(59.5%)、ざ瘡様皮膚炎111例(48.9%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹など82例(36.1%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として間質性肺疾患(2.2%)、重度の下痢(8.4%)、重度の皮膚障害(31.7%)、肝機能障害(28.6%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、EGFRというタンパク質などの働きを抑えることで、がん細胞の増殖を抑えます。2.空咳、発熱など風邪のような症状が現れ、息切れや息苦しさを感じた場合には使用を中止し、すぐに受診してください。3.飲み始めに下痢が生じることが多いので、下痢止め薬が処方されている場合は持ち歩くようにしてください。脱水予防のため、水、白湯、お茶、スポーツドリンクなどでこまめに水分を補給しましょう。4.バランスのよい食事を心掛け、調理をする際は消化をよくするように工夫してください。乳製品、繊維質や脂質が多い食品、香辛料やコーヒー、アルコールなどの刺激物はなるべく控えましょう。5.薬を飲み続けていると、爪周囲や口腔内の赤み、腫れ、痛みなどが生じることがあります。患部は清潔に保ち、日常生活に支障がある場合はご相談ください。6.吹き出物や発疹などの皮膚症状が生じることがあります。症状の予防や軽減のため、低刺激の保湿剤によるスキンケアをこまめに行い、外出時は紫外線対策をしましょう。<Shimo's eyes>NSCLCは肺がん症例の約85%とされており、日本人のNSCLC患者の30~40%にEGFR遺伝子変異があるといわれています。本剤は、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)、エルロチニブ(同:タルセバ)、アファチニブ(同:ジオトリフ)、オシメルチニブ(同:タグリッソ)に続く、国内で5剤目のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)です。優先審査品目に指定され、申請から7ヵ月での承認となりました。本剤は、EGFRやHER2、HER4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することにより、EGFR遺伝子変異陽性のがん細胞の増殖を抑制すると考えられています。本剤で治療を行うためには、既存のEGFR-TKIと同様にEGFR遺伝子変異検査を実施する必要があります。臨床試験では副作用が高頻度で認められたため、患者さんには事前に発現率が高い副作用の好発時期を知らせておくことが重要です。個人差はありますが、投与を開始してから副作用が発現するまでの時期として、下痢は2ヵ月程度(中央値6日)、ざ瘡などの皮膚障害は4ヵ月程度(中央値9日)、口内炎や爪囲炎は6ヵ月間程度(それぞれの中央値9日、29日)が目安となります。投与初期から発現する可能性が高いので、それぞれの副作用への対策法も伝えるように心掛けましょう。NSCLCは分子標的薬の登場により着実に予後が改善しています。治療選択肢となる分子標的薬も増えたため、それぞれの薬剤の副作用プロファイルや用法を確認し、患者さんが安心して治療に専念できるように積極的にフォローしましょう。

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リキッドバイオプシーの次なる展開は?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第7回

第7回 リキッドバイオプシーの次なる展開は?1)Rothwell DG, et al. Utility of ctDNA to support patient selection for early phase clinical trials: the TARGET study. Nat Med. 2019;25:738-743.その他、参考文献としてLeighl NB, et al. Clinical Utility of Comprehensive Cell-free DNA Analysis to Identify Genomic Biomarkers in Patients with Newly Diagnosed Metastatic Non-small Cell Lung Cancer. Clin Cancer Res. 2019 Apr 15. [Epub ahead of print]Akamatsu H, et al. Clinical significance of monitoring EGFR mutation in plasma using multiplexed digital PCR in EGFR mutated patients treated with afatinib (West Japan Oncology Group 8114LTR study). Lung Cancer. 2019;131:128-133.Lin CC, et al. Outcomes in patients with non-small-cell lung cancer and acquired Thr790Met mutation treated with osimertinib: a genomic study. Lancet Respir Med. 2018;6:107-116.Blakely CM, et al. Evolution and clinical impact of co-occurring genetic alterations in advanced-stage EGFR-mutant lung cancers. Nat Genet. 2017;49:1693-1704.Chae YK, et al. Detection of Minimal Residual Disease Using ctDNA in Lung Cancer: Current Evidence and Future Directions. J Thorac Oncol. 2019;14:16-24.Bettegowda C, et al. Detection of circulating tumor DNA in early- and late-stage human malignancies. Sci Transl Med. 2014;19;6:224ra24.肺がん領域ではEGFR-TKI耐性例におけるT790M変異検出目的で広く浸透したリキッドバイオプシー。最近では毎月のように論文発表がなされているが、今後どのような方向性が検討されているのか。最近の研究を基に解説する。1)について英国での前向き研究。2つのパートからなり、今回はリキッドバイオプシーの忍容性を組織診断と比較したパートA部分(100例)が報告された。他の検討項目として、cell-free DNA(以下、cfDNA)解析結果の信頼性、結果報告までの日数、臨床応用の可能性、費用が挙げられている。対象は進行期悪性腫瘍で、患者数の多い順に大腸がん、乳がん、非小細胞肺がん、原発不明がんとなっている(これらの合計が67例)。過去の化学療法歴の中央値は2であった。がん関連遺伝子641個を収載したパネルを用い、cfDNA検体の解析成功率は99%、組織検体の成功率は95%であった(late lineの患者が多く含まれていることもあり、組織検体の採取時期がやや古い:2/3の患者で1年以上前、36%の患者で3年以上前)。結果報告までの日数中央値は、cfDNAで33日(範囲20~80日)、組織検体で30日と、かなり遅い印象である。組織検体と血液検体の一致率(変異陰性例も含む)は74.5%。約2割では組織で検出された変異が血液では確認できなかった。何らかの変異が確認されたのは41例。乳がん、原発不明がん、小細胞肺がんでは80%以上の症例で変異陽性とされたが、まったく変異が陰性のがん腫もあり、がん種による陽性率の差が示唆されている。変異陽性例では対応する阻害剤の第I相試験に参加可能であったが、確認された41例のうち参加者は11例にとどまった(17例では施設で該当治験がなかったことが不参加の理由)。11例の奏効率は36%。非小細胞肺がん患者では13例中9例(69%)で何らかの変異が検出され、4例がEGFR阻害剤、1例がMEK阻害剤を投与された。解説多くのドライバー変異が同定され、それぞれに対応する分子標的薬がすでに保険承認されている肺がんと異なり、他がん腫ではバイオマーカーの同定、薬剤開発に苦労しているものもある。そのような状況において、低侵襲に広範囲な変異を確認できるリキッドバイオプシーの実用可能性を示したのが本論文である。ただし現場ではHER2/HER3変異陽性例に対するneratinibのバスケット試験(Hyman DM. Nature. 2018.)のように、cfDNAの結果のみでも参加可能な試験が増えており、診断精度という観点ではそれほど新規性が高いわけではない。ただし肺がんにおいてもオシメルチニブやALK阻害剤の多彩な耐性機序などが昨今明らかになっており、リキッドバイオプシーを用いた臨床研究の実現可能性や介入の対象などはより多くの議論が交わされていくと思われる。臨床への応用という観点で、本論文における1ヵ月という結果報告までの時間(turn-around time:TAT)はとても厳しいと思われるが、Guardant360を用いたLeighlらの最近の報告(Leighl NB. Clin Cancer Res. 2019.)では導入が進むにつれTATが短縮し、最終的な中央値は9日とされている。「近い将来、どのような対象について介入が必要か」であるが、昨今注目されている話題の1つは慢性骨髄性白血病(CML)など血液腫瘍で実地応用されている治療早期のmolecular responseが長期予後を予測するという知見であり、肺がんでも国内外を問わず、すでに多数の報告が出そろっている(Akamatsu H, Lung Cancer. 2019.、Lin CC, Lancet Respir Med. 2018.)。また早期症例も含め、リキッドバイオプシーを用いた再発予測が画像より早期に可能ではないか、という指摘も多くなされており(Blakely CM, Nat Genet. 2017.)、これらに対する介入が検討されている(ChaeYK, J Thorac Oncol. 2018.)。一方で、cfDNAの陽性率が進行期においても腫瘍量に比例することはかなり前から示されており(Bettegowda C, Sci Transl Med. 2014.)、本研究でも2割では組織検体でのみ変異が検出されていることに注意は必要である。リキッドバイオプシーは測定・結果返却のシステムさえ整えば、(費用は別として)臨床でのハードルが高くないため、今後はより多数例の大規模な解析が報告されると思われる。本論文の後半で示されているが、彼らはそうした情報をwebで共有する計画を進めており(eTARGET)、将来的にこうしたデータベースを基にした研究・臨床への応用が準備されているようである。適切なバイオマーカーを有する患者に対する分子標的薬の効果の高さは皆が認めるところであり、本邦でも早急にこのような試みが検討されるべきであろう。

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IV期NSCLCに対するEGFR-TKIと放射線療法の併用

 EGFR変異を有するIV期の非小細胞肺がん(NSCLC)における1次治療として、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と胸部放射線療法を組み合わせた有効性と安全性が、前向き研究により検討された。 今回、中国・Xinqiao Hospitalがん研究所のLinPeng Zheng氏らが行った研究結果は、The oncologist誌オンライン版2019年4月30日号に掲載された。末期NSCLCにおける1次治療としてのEGFR-TKIと胸部放射線療法の併用は、原発性肺病変の長期管理を可能にするかもしれない。EGFR-TKIと胸部放射線療法の併用による客観的奏効率は50% 本試験は、当該施設において2015年1月~2018年3月までに401例の患者がスクリーニングされ、そこから抽出された10例の患者(男女各5例)を対象に行われた単群第II相臨床試験。 各患者は、EGFR-TKI療法の開始から2週間以内にEGFR-TKI(エルロチニブ150mg/日またはゲフィチニブ250mg/日)と胸部放射線療法(54~60Gy/27~30F/5.5~6週間)を受け、疾患の進行または治療継続が困難な有害事象のいずれかが現れるまで治療が続けられた。 IV期のNSCLC治療におけるEGFR-TKIと胸部放射線療法の併用を評価した主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は55歳(40〜75歳)、追跡期間の中央値は19.8ヵ月(5.8〜34ヵ月)だった。・1年間の無増悪生存率は57.1%、PFS中央値は13ヵ月、照射病変の進行までの期間中央値は20.5ヵ月だった。・客観的奏効率は50%であり、疾病コントロール率は100%だった。・Grade3以上の有害事象は、放射線肺臓炎(20%)および発疹(10%)だった。そのうち1例が肺炎の治療を拒否した後死亡したが、他の患者たちの肺臓炎は良好に管理され、再発しなかった。

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第10回 高齢者糖尿病の薬物療法(メトホルミン、SGLT2阻害薬)【高齢者糖尿病診療のコツ】

第10回 高齢者糖尿病の薬物療法(メトホルミン、SGLT2阻害薬)Q1 腎機能低下を考慮した薬剤選択・切り替え(とくにメトホルミンの使用法)について教えてくださいeGFR 30mL/分/1.73m2未満の腎機能低下例では、メトホルミン、SU薬、SGLT2阻害薬は使用しないようにします。腎機能の指標としては血清クレアチニン値を用いたeGFRcreがよく用いられますが、筋肉量の影響を受けやすく、やせた高齢者では過大評価されてしまうことに注意が必要です。このため、われわれは筋肉量の影響を受けにくいシスタチンC (cys)を用いたeGFRcysにより評価するようにしています。メトホルミンの重大な副作用として乳酸アシドーシスが知られており、eGFR 30mL/分/1.73m2未満でその頻度が増えることが報告されています1)。したがって、本邦を含めた各国のガイドラインでは、eGFR 30未満でメトホルミンは禁忌となっています。しかし30以上であれば、高齢者でも定期的に腎機能を正確に評価しながら投与することで、安全に使用できると考えています。各腎機能別のメトホルミンの具体的な使用量は、eGFR 60以上であれば常用量を投与可能、eGFR 45~60では500mgより開始・漸増し最大1,000mg/日、eGFR 30~45では最大500mg/日とし、eGFR 30未満では投与禁忌としています。なお、重篤な肝機能障害の患者への使用は避け、手術前後やヨード造影剤検査前後の使用も中止するようにします。心不全に関しては、メトホルミン使用の患者では死亡のリスクが減少することが報告されており、FDAでは禁忌ではなくなっています。ただし、本邦ではまだ禁忌となっているので注意する必要があります。また腎機能は定期的にモニターし、eGFRが低下するような場合には、上記の原則に従って減量する必要があります。また経口摂取不良、嘔気嘔吐など脱水のリスクがある場合(シックデイ時)には投与中止するようにあらかじめ指導しておくことが重要です2)。SGLT2阻害薬については、次のQ2で解説します。Q2 高齢者でのSGLT2阻害薬の適否の考え方は?近年、心血管リスクの高い糖尿病患者に対する、SGLT2阻害薬の心血管イベント抑制作用や腎保護作用が相次いで報告されています。SGLT2阻害薬は腎機能が高度に低下しておらず(eGFR≧30 mL/分/1.73m2が目安)、肥満・インスリン抵抗性が疑われる患者には適しており、これらの患者には、メトホルミンと同様に治療早期から使用しているケースも多いです。ただし、下記に挙げるさまざまな注意点があり、通常は75歳まで、最高でも80歳前後までの患者への投与を原則とし、80歳以上の患者にはとくに慎重に投与しています。75歳未満の患者では下記に留意し、対象患者を定めています:1.脱水や脳梗塞のリスクがあるため、認知機能やADLが保たれており飲水が自主的に十分できる患者かどうか(利尿薬投与中の患者ではとくに注意が必要)2.性器・尿路感染のリスクがあるため、これらの明らかな既往がないかどうか3.明らかなエビデンスはないが、筋肉量減少の懸念があるため、サルコペニアが否定的で定期的な運動を行えるかどうかそのほか、メトホルミンと同様に、シックデイ時には投与中止するようにあらかじめ指導しておくことが非常に重要です3)。Q3 認知症で服薬アドヒアランスが低下、投薬の工夫があれば教えてください認知症患者の服薬管理においては、認知機能の評価とともに、社会サポートがあるかどうかの確認が重要です。家族のサポートが得られるか、介護保険の申請はしてあるか、要支援・要介護認定を受けているかを確認し、服薬管理のために利用できるサービスを検討します。実際の投薬の工夫としては、以下に示すような方法があります。1.服薬回数を減らし、タイミングをそろえるたとえば食前内服のグリニド薬やαグルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)にあわせて、他の薬剤も食直前にまとめる方法がありますが、そもそも1日3回投与薬の管理が難しい場合は、1日1回にそろえてしまうことも考えます。最近、DPP-4阻害薬で週1回投与薬が登場しており、単独で投与する患者にはとくに有用ですが、他疾患の薬剤も併用している場合にはむしろ服薬忘れの原因となることもあるので、注意が必要です。なお、最近ではGLP-1受容体作動薬の週1回製剤も利用できますが、これはDPP-4阻害薬よりも血糖降下作用が強く、さらに訪問や施設看護師による注射が可能なため、われわれは認知症患者に積極的に使用しています。2.配合薬を利用するDPP-4阻害薬とメトホルミンなど、複数の成分をまとめた薬剤が次々登場しています。配合薬は、服薬錠数を減らし、服用間違いや負担感を減らすと考えられますが、たとえば経口摂取不能時や脱水時などシックデイの状態のときにSU薬やメトホルミンなど特定の薬剤だけを減量・中止したいときに扱いづらいという欠点があり、リスクの高い患者にはあえて使用しないこともあります。3.一包化する服薬タイミングごとの一包化も服薬忘れの軽減に有用ですが、配合薬と同様、シックデイ時にSU薬などを減量・中止することが難しくなるため、リスクの高い患者には当該薬剤だけを別包にするケースもあります。2、3ともに、シックデイ時にどの薬剤を減量・中止するのか、医療機関に連絡させ受診させるのか、という点について、介護者を含めて事前に話し合い、伝えておくことが重要です。4.配薬、服薬確認の方法を工夫するカレンダーや服薬ボックスにセットする方法が一般的であり、家族のほか、訪問看護師や訪問薬剤師にセットを依頼することもあります。しかしセットしても患者が飲むことを忘れてしまっては意味がありません。内服タイミングに連日家族に電話をしてもらい服薬を促す方法もありますが、それでも難しい場合、たとえば連日デイサービスに行く方であれば、昼1回に服薬をそろえて、平日は施設看護師に確認してもらい、休日のみ家族にきてもらって投薬するという方法も考えられます。 1)Lazarus B et al. JAMA Intern Med. 2018; 178:903-910.2)日本糖尿病学会.メトホルミンの適正使用に関する Recommendation(2016年改訂)3)日本糖尿病学会.SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation(2016年改訂)

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第9回 高齢者糖尿病の薬物療法(総論、SU薬)【高齢者糖尿病診療のコツ】

第9回 高齢者糖尿病の薬物療法(総論、SU薬)Q1 低血糖リスクを考慮した薬剤選択の原則について教えてください高齢者の糖尿病治療では、まずは患者ごとに適正な血糖コントロール目標値を設定することが重要です(第4回参照)。そのうえで、低血糖リスクを考慮しつつ各薬剤をどのように使い分けるか、考え方を以下にご紹介します。DPP-4阻害薬は、単独では低血糖リスクがきわめて低く、腎障害があっても使用できる薬剤があります。またSU薬に加えることで、SU薬の減薬や中止をする際に非常に有用です。また、同じインクレチン関連薬であるGLP-1受容体作動薬の使用も考慮されることがあります。フレイルの高齢者で、SU薬以外の内服薬±GLP-1受容体作動薬が、SU薬やインスリンを中心とした場合に比べ低血糖の発症が1/5になったというデータもあります(図)1)。画像を拡大するメトホルミンは高齢者で唯一投与できるビグアナイド薬です。高齢者でもメトホルミンの使用は心血管疾患、死亡のリスクを減らし、サルコペニア、フレイルなどへの好影響を及ぼすという報告があります。したがって、海外のガイドラインでは高齢者でもメトホルミンは第一選択薬とされており、低血糖リスクを考慮すると、DPP-4阻害薬とともに高齢者でまず選択すべき薬剤の1つとなります。メトホルミンはeGFR 30mL/分/1.73m2以上を確認して使用します(第10回、Q1で詳述)。DPP-4阻害薬、メトホルミンでも血糖コントロールが不良の場合には、少量のSU薬、SGLT2阻害薬、グリニド薬、αグルコシダーゼ阻害薬(α‐GI)、チアゾリジン薬のいずれかを選択します。SU薬は高用量で投与すると低血糖の重大なリスクとなるため、SU薬使用者では血糖コントロール目標値に下限値が設けられています(第6回参照)。したがって、SU薬はなるべく使わず、使用したとしても少量の使用にとどめることにしています。グリクラジドで20mg(できれば10mg)/日、グリメピリドで0.5mg(できれば0.25mg)/日以下にとどめます。肥満がなくインスリン分泌が軽度低下している場合、少量のSU薬が血糖コントロールに有用なケースもあります。この場合の投与量は空腹時血糖が低血糖にならないレベルに設定するべきであり、可能であればCGM(Continuous Glucose Monitoring)を行って、夜間・空腹時低血糖がないことを確認することが望まれます。なお、グリニド薬はSU薬に比べ重症低血糖のリスクは少ないものの、やはり注意が必要です。α‐GIは腸閉塞など腹部症状のリスクがあり、開腹歴のある患者では使用を控えます。チアゾリジン薬は浮腫・心不全、またとくに女性において骨折のリスクが知られており、心不全患者には投与しないようにします。女性では少量(たとえば7.5 mg)から開始し、慎重に投与します。Q2 SU薬の減量と他剤への切り替えのポイントは?SU薬は腎排泄なので、腎機能低下例(eGFR<45mL/分/1.73m2)では減量、 eGFR<30では原則中止して、DPP-4阻害薬などの他剤へ切り替えます。しかし、SU薬をDPP-4阻害薬にいきなり切り替えると高血糖になることが少なくありません。そのため、まずはSU薬の用量を半分に減らし、DPP-4阻害薬を追加することをおすすめします。さらに、腎機能低下が軽度にとどまる場合は、メトホルミン、また肥満・インスリン抵抗性が疑われる場合はSGLT2阻害薬へ切り替えるケースもありますが、それぞれ第10回で後述する注意点があります。このほか、グリニド薬、α‐GI、チアゾリジン薬などのいずれかを追加することで、徐々にSU薬を減らしていくといいと思います。しかし、これらの薬剤のアドヒアランス低下がある場合や使用できない場合は、DPP-4阻害薬をGLP-1受容体作動薬に変更するとうまくいく場合があります(第10回、Q3)。食事量にムラがある場合は、インスリン分泌に影響のある薬剤を投与すると低血糖を起こしやすいため、やはりDPP-4阻害薬を中心としたレジメンとなります。また、中等度以上の認知症で食事量が不規則な場合、体重減少が著しい場合、HbA1c値が目標下限値を下回った場合(たとえばHbA1c 6.0%未満または6.5%未満)には低血糖リスクが高い薬剤から減薬を試みます。1)Heller SR, et al. Diabetes Obes Metab. 2018;20:148-156.

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SGLT2阻害薬カナグリフロジンの腎保護作用がRAS抑制薬以来初めて示される:実臨床にどう生かす?(解説:栗山哲氏)-1039

オリジナルニュースSGLT2阻害薬カナグリフロジンの腎保護作用が示される:CREDENCE試験/国際腎臓学会(2019/04/17掲載)本研究の概要 SGLT2阻害薬の腎保護作用を明らかにしたCREDENCE研究結果がNEJM誌に掲載された。この内容は、本年4月15日(メルボルン時間)にオーストラリアでの国際腎臓学会(ISN-WCN 2019)において発表された。これまでにSGLT2阻害薬の心血管イベントに対する有効性や副次的解析による腎保護作用は、EMPA-REG OUTCOME、CANVAS Program、DECLARE-TIMI 58の3つの大規模研究で示されてきた。本試験は、顕性腎症を有する糖尿病性腎臓病(Diabetic Kidney Disease:DKD)の症例に対して腎アウトカムを主要評価項目とし、その有効性を明らかにした大規模研究である。 対象としたDKD患者背景は67%が白人で、平均年齢は63.0歳、平均HbA1c 8.3%、平均BMI 31%、平均eGFR 56.2mL/min/1.73m2、また尿アルブミン・クレアチニン比(UACR)の中央値は927mg/gCrの顕性腎症を呈するDKD例であった。併用薬は、99.9%にRAS抑制薬、69%にスタチンが投与されていた。対象の4,401例はカナグリフロジン100mg/日群(2,202例)とプラセボ群(2,199例)にランダム化され、二重盲検法で追跡された。主要評価項目は「末期腎不全・血清クレアチニン(Cr)倍増・腎/心血管系死亡」の腎・心イベントである。2018年7月、中間解析の結果、主要評価項目発生数が事前に設定された基準に達したため、試験は早期中止となった。その結果、追跡期間中央値は2.62年(0.02~4.53年)である。主要評価項目発生率は、カナグリフロジン群:43.2/1,000例・年、プラセボ群:61.2/1,000例・年となり、カナグリフロジン群におけるハザード比(HR)は、0.70(95%信頼区間[CI]:0.59~0.82)の有意低値となった。カナグリフロジン群における主要評価項目抑制作用は、「年齢」、「性別」、「人種」に有意な影響を受けず、また試験開始時の「BMI」、「HbA1c」、「収縮期血圧」の高低にも影響は受けていなかった。「糖尿病罹患期間の長短」、「CV疾患」や「心不全既往」の有無も同様だった。副次評価項目の1つである腎イベントのみに限った「末期腎不全・血清Cr倍増・腎死」も、カナグリフロジン群における発生率は27.0/1,000例・年であり、40.4/1,000例・年のプラセボ群に比べ、HRは0.66の有意低値だった(95%CI:0.53~0.81)。また、サブグループ別解析では、HRはeGFRの低い群(30 to <60mL/min/1.73m2、全体の59%)、尿ACRの多い群(>1,000、全体の46%)であり、進展したDKDでリスクが低値であった(Forest plotで有意差はなし)。同様に副次評価項目の1つである「CV死亡・心筋梗塞・脳卒中」(CVイベント)も、カナグリフロジン群におけるHRは0.80(95%CI:0.67~0.95)となり、プラセボ群よりも有意に低かった。なお、総死亡、あるいはCV死亡のリスクは、両群間に有意差を認めなかった。 有害事象のリスクに関しても、プラセボ群と比較した「全有害事象」のHRは0.87(95%CI:0.82~0.93)であり、「重篤な有害事象」に限っても、0.87(95%CI:0.79~0.97)とカナグリフロジン群で有意に低かった。また、「下肢切断」のリスクに関しては、発生率はカナグリフロジン群:12.3/1,000例・年で、プラセボ群:11.2/1,000例・年との間に有意なリスク差は認めなかった(HR:1.11、95%CI:0.79~1.56)。また、「骨折」の発生リスクにも、両群間に有意差はなかった。CREDENCE:何が新しいか? SGLT2阻害薬が心血管イベントを減少させるだけではなく、腎保護作用があることは、EMPA-REG OUTCOME、CANVAS Program、DECLARE-TIMI 58においても、すでに明らかにされている。本試験の新規性は、「中等度に腎機能低下した顕性腎症を呈するDKD患者においてもSGLT2阻害薬の腎保護が確認された」との点に集約される。たとえば、EMPA-REG OUTCOME試験においてはeGFRが60mL/min/1.73m2以下の症例は26%でRAS抑制薬は81%に使用されていたが、CREDENCEにおいては59%の症例がeGFR 60mL/min/1.73m2と腎機能低下例が多い背景であった。従来、SGLT2阻害薬は、eGFRを急激に低下させるため腎機能悪化に注意する、eGFR低下例では尿糖排泄も減少するため使用の意義は低い、とされてきた。CREDENCEの結果は、DKDで腎機能が中等度に低下し慢性腎不全と診断される症例において早めにSGLT2阻害薬を開始すると長期予後改善が期待される、と解釈される。CREDENCEの結果を実臨床にどう生かす SGLT2阻害薬が登場する前には、腎保護作用のエビデンスが知られる唯一の薬剤は、RAS抑制薬であるACE阻害薬(Lewis研究)とARB(RENAAL研究とIDNT研究)であった。CREDENCEの結果から、糖尿病治療薬では初めてSGLT2阻害薬が腎機能低下例においても腎機能保護作用が期待されることが示唆された。 SGLT2阻害薬の薬理学的作用機序は、腎尿細管のSGLT2輸送系の抑制によるNa利尿と尿糖排泄である。本剤は、DKDに対してのTubulo-glomerular Feedback改善作用や腎間質うっ血の改善効果は、他の糖尿病薬や利尿薬とはまったく異質のものであり、Glomerulopathy(糸球体障害)のみならずTubulopathy(尿細管障害)やVasculopathy(血管障害)の改善などで複合的に腎保護に寄与すると考えられる。 さて、CREDENCEの結果を受け、実臨床において、腎機能が低下したDKDにおいてSGLT2阻害薬を使用する医家が増えるものと予想される。しかし、現状では腎機能低下例での安全性が完全に払拭されているわけではない。本研究の患者背景は、大多数が60代、白人優位、高度肥満者、腎機能は約半数でeGFRが60mL/min/1.73m2以上に保たれている患者での成績であり、中等度以上の腎機能低下例や高齢者ではやはり十分な配慮が必要となる。一般に、SGLT2阻害薬有効例は、食塩感受性やインスリン感受性の高い患者群と想定される。わが国に多い2型糖尿病患者群は、中高年、肥満傾向、比較的良好な腎機能、食塩摂取過剰、などの傾向があることから、本剤に対する効果は大いに期待される。一方、現時点ではCREDENCEの結果をDKD患者に普遍的に適応するのは、いまだ議論が必要である。日本糖尿病学会の「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」(2016年)においては、同剤の適正使用に対して慎重になるべきとの警鐘を鳴らしている。とくに75歳以上の高齢者においては、脱水、腎機能悪化、血圧低下、低血糖、尿路感染、また、利尿薬併用例、ケトアシドーシス、シックデイ、などに注意して慎重に薬剤選択することが肝要であるとしている。結局、本邦においてSGLT2阻害薬の腎機能低下例における今後の評価は、各医家の実臨床における経験に裏付けされることが必要と思われる。

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EGFR陽性MET増幅NSCLCに対するオシメルチニブとsavolitinib併用(TATTON)/AACR2019

 MET増幅は、EGRF変異陽性進行NSCLCのEGFR-TKIの獲得耐性の1つとして注目されている。savolitinibは高い親和性を持つ経口MET-TKIとして開発中の薬剤である。進行NSCLCを対象にした第Ib相オープンラベル多施設共同試験TATTONの中間解析として、EGFR変異陽性MET増幅患者に対するオシメルチニブとsavolitinibの併用治療の結果米国がん研究会議年次集会(AACR2019)で報告された。 オシメルチニブとsavolitinib併用のコホートは2つ。コホート1では第1世代または第2世代EGFR-TKI治療での進行患者が、コホート2では第3世代EGFR-TKI治療での進行患者がそれぞれ登録された。対象患者にはオシメルチニブ80mg/日とsavolitinib600mg/日が投与された。[コホート1]・46例が登録され、患者の年齢中央値は59歳、女性67%、アジア人80%であった。・頻度の高い(20%以上)有害事象(AE)は、悪心、下痢、疲労、食欲減退28%、発熱であった。Grade3以上のAE発現は43%であった。・客観的奏効率(ORR)は52%(すべてPR)。奏効持続期間(DoR)は7.1ヵ月であった。[コホート2]・48例の患者が登録され、患者の年齢中央値は59歳、男性56%、アジア人77%であった。・頻度の高い(20%以上)AEは、悪心、嘔吐、下痢、疲労、食欲不振、発熱。Grade3以上のAE発現は23%であった。・ORR)は28%(すべてPR)。奏効持続期間(DoR)は9.7ヵ月であった。■参考AACR 2019. Abstract(CT032)AACR 2019. Abstract(CT033)■関連記事EGFR-TKI耐性のNSCLCにおけるオシメルチニブ+savolitinibの成績:TATTON/WCLC2017

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糖尿病性腎臓病におけるエンパグリフロジンの複合腎・心血管アウトカム/国際腎臓学会

 SGLT2阻害薬エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)によるEMPA-REG OUTCOME試験における、ベースライン時の顕性アルブミン尿を伴う糖尿病性腎臓病(DKD)患者での複合腎・心血管アウトカムの結果が、4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019にて公表された。日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と日本イーライリリー株式会社が発表した。 EMPA-REG OUTCOME試験では、心血管イベントの発症リスクが高い2型糖尿病患者において、標準治療にエンパグリフロジンを上乗せ投与した結果、プラセボ群と比較して、主要評価項目である複合心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)のリスクが14%減少し、心血管死リスクが38%減少したことが報告されている。さらに同試験の副次評価項目では、腎症の初回発現もしくは悪化を評価した複合腎イベントの相対リスクが39%低下したことも示されている。 今回、EMPA-REG OUTCOME試験のさらなる解析として、腎イベントのリスクが高い、ベースライン時の顕性アルブミン尿を伴うDKD患者(30≦eGFR<90mL/分/1.73m2かつUACR>300mg/g)と、その他の患者(eGFR≧90mL/分/1.73m2またはUACR≦300mg/g)における複合腎・心血管アウトカム(末期腎不全[腎代替療法の開始またはeGFR<15 mL/分/1.73m2の持続]、血清クレアチニン値の倍加、腎疾患による死亡または心血管死のいずれかとして定義)の解析が行われた。また、その他の評価項目として、複合心血管アウトカム(心不全による入院または心血管死)、心血管死、複合腎アウトカム(末期腎不全、血清クレアチニン値の倍加、腎疾患による死亡)および全死亡について解析が行われた。 その結果、全体集団において、エンパグリフロジン群はプラセボ群と比較し、複合腎・心血管イベントリスクが43%低下した(ハザード比[HR]:0.57、95%信頼区間[CI]:0.46~0.70)。また、腎イベントリスクが高い集団であるベースライン時の顕性アルブミン尿を伴うDKD患者においては54%低下し(HR:0.46、95%CI:0.31~0.68)、その他の患者においても41%低下した(HR:0.59、95%CI:0.46~0.75)。 これらの複合腎・心血管イベントでの一貫した効果は、複合心血管イベント、心血管死、複合腎イベント、全死亡においても示された。

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がんゲノム解析と電カルの統合データが治療効果と関連/JAMA

 非小細胞肺がん(NSCLC)の患者を対象に、ルーチンの診療から得た電子健康記録(EHR)と網羅的ゲノム解析(CGP)をリンクしたデータが、治療選択などに有効であることが明らかにされた。遺伝子のドライバー変異と標的治療の有効性の関連や、遺伝子変異数(TMB)と抗PD-1/PD-L1療法反応性との関連などが確認されたという。米国企業Foundation MedicineのGaurav Singal氏らが、約2万9,000例のがん患者データベースの中から、NSCLC患者4,000例超について解析し明らかにしたもので、JAMA誌2019年4月9日号で発表した。今回の成果について著者は「ルーチンの診療に由来する臨床ゲノムデータベースの構築が可能であることを示すもので、オンコロジーにおけるこのようなアプローチを評価する、さらなる研究と発見があることを支持することが示された」とまとめている。 がんゲノミクスと患者の臨床アウトカムなどを探索的解析 研究グループは、米国内275ヵ所のがん診療外来患者2万8,998例について、EHR臨床データとCGPをリンクしたデータを基に試験を行った。2011年1月~2018年1月のデータが入手できたNSCLC患者4,064例のデータについて、がんゲノミクスと患者の臨床アウトカムを含む特徴との関連性を探索的に検証した。 具体的には、ドライバー変異を含む腫瘍CGP、TMB、EHRから得られた臨床的特徴と、全生存期間(OS)、治療を受けた期間、最大治療反応性(EHRの治療担当医による記録で確認)、治療の臨床的有効性(安定[SD]、部分奏効[PR]、完全奏効[CR]の患者割合)の関連を調べた。ドライバー変異、標的治療で生存期間7ヵ月超延長 NSCLC患者4,064例の年齢中央値は66.0歳、女性の割合は51.9%、喫煙歴ありは3,183例(78.3%)だった。3,153例(77.6%)が非扁平上皮NSCLCで、EGFR、ALK、ROS1に遺伝子変異が認められたのは、それぞれ701例(17.2%)、128例(3.1%)、42例(1.0%)だった。また、7年間で1,946例が死亡した。 ドライバー変異患者のうち、標的治療を受けた575例は受けなかった560例に比べ、OSが改善し、進行が診断されてからの生存期間中央値はそれぞれ18.6ヵ月(95%信頼区間[CI]:15.2~21.7)、11.4ヵ月(9.7~12.5)だった(p<0.001)。 TMBは、喫煙者が8.7(IQR:4.4~14.8)と、非喫煙者の2.6(1.7~5.2)より有意に高かった(p<0.001)。また遺伝子変異のある人が、ない人に比べ有意に低く、EGFRに関しては変異あり群3.5(1.76~6.1)vs.なし群7.8(3.5~13.9)(p<0.001)、ALKは同2.1(0.9~4.0)vs.7.0(3.5~13.0)(p<0.001)、RETは4.6(1.7~8.7)vs.7.0(2.6~13.0)(p=0.004)、ROS1は4.0(1.2~9.6)vs.7.0(2.6~13.0)(p=0.03)だった。 抗PD-1/PD-L1療法を行った1,290例(31.7%)についてみると、TMB値が20以上群は20/Mb未満群に比べOSが延長し(16.8ヵ月[95%CI:11.6~24.9]vs.8.5ヵ月[7.6~9.7]、p<0.001)、長期間治療を受けていた(7.8ヵ月[5.5~11.1]vs.3.3ヵ月[2.8~3.7]、p<0.001)。臨床的有効となった患者割合も高率だった(80.7% vs.56.7%、p<0.001)。

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エンドセリン受容体拮抗薬の糖尿病性腎症への効果は?:SONAR試験/国際腎臓学会

 2010年に報告されたASCEND試験1)において、糖尿病性腎症に対する腎保護作用を示しながら、心不全増加のため有用性を証明できなかったエンドセリン受容体拮抗薬だが、対象例を適切に絞り込めば有用であることが、ランダム化二重盲検試験“SONAR”の結果から明らかになった。本試験は、4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019のBreaking Clinical Trialsセッションにおいて、Dick de Zeeuw氏(オランダ・グローニンゲン大学)らが報告した。エンドセリン受容体拮抗薬の短期服用でUACRが低下する例に限定 SONAR試験の対象は、最大用量のレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬服用中の、慢性腎臓病(CKD)合併2型糖尿病例のうち、エンドセリン受容体拮抗薬atrasentan 0.75mg×2/日を6週間服用し(導入期間)、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が30%以上低下した例である。 「UACR低下率≧30%」を基準にした理由は、以下のとおり。 先述のASCEND試験において観察された心不全入院の増加は、エンドセリン受容体拮抗薬開始後に体重増加が大きい群で著明に高く2)、また別の臨床試験において、エンドセリン受容体拮抗薬による早期のUACR低下は、その後の体重と有意に逆相関していた3)。つまり、エンドセリン受容体拮抗薬の短期服用でUACRが低下する例に限定すれば、心不全発症高リスク例を除外できる可能性があると考えたわけである。無作為化されたのは適格例の約半数 適格例の5,630例が導入期間に入り、6週間後、52%に相当する2,648例で「UACR低下率≧30%」が認められた。 これら2,648例の、導入期間開始時における平均年齢は64.8歳、HbA1c平均値は7.8%だった。腎機能は、推算糸球体濾過率(eGFR)平均値が43.8mL/分/1.73m2、UACR平均値は約800mg/gであった。 治療薬としては、ほぼ全例がRAS阻害薬を服用、70%強がスタチンを服用していた。 これら2,648例は、atrasentan 0.75mg×2/日服用群(1,325例)とプラセボ群(1,323例)にランダム化され、二重盲検法にて2.2年間(中央値)追跡された。エンドセリン受容体拮抗薬で腎機能低下を抑制 その結果、主要評価項目である「血清クレアチニン(Cr)値倍増・末期腎不全への移行」の、atrasentan群における対プラセボ群ハザード比(HR)は、0.65(95%信頼区間 [CI]:0.49~0.88)の有意低値となった(atrasentan群:6.0% vs.プラセボ群:7.9%)。 内訳を見ると、atrasentan群で著明に減少していたのは「血清Cr値倍増」であり(HR:0.61、95%CI:0.43~0.87)、「末期腎不全への移行」には有意なリスク減少を認めなかった(HR:0.73、95%CI:0.53~1.01)。 またatrasentan群における主要評価項目抑制は、事前設定したすべてのサブグループにおいて一貫していた。エンドセリン受容体拮抗薬群の心不全リスクは高まらなかった 懸念される「心不全」(発症・増悪)は、atrasentan群で5.5%と、プラセボ群の3.9%よりも高値となったが、有意差には至らなかった(p=0.064)。一方、「貧血」はASCEND試験同様、エンドセリン受容体拮抗薬群で有意に多かった(18.5% vs.10.3%、p<0.001)。 また「重篤な有害事象」発現率も、atrasentan群で有意に高かった(36.3% vs.32.6%、p=0.049)。ただし「有害事象による脱落」は有意差とならなかった(10.4% vs. 9.2%、p=0.360)。 本研究は、報告と同時にLancet誌オンライン版で公開された。

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SGLT2阻害薬カナグリフロジンの腎保護作用が示される:CREDENCE試験/国際腎臓学会

 2型糖尿病患者に対する心血管系(CV)イベントリスクの低下を検討したランダム化試験から、SGLT2阻害薬による腎保護作用が示唆された。しかし、あくまで副次的解析であり、対象は腎機能が比較的保たれた例に限られていた。4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019で報告されたCREDENCE試験では、SGLT2阻害薬カナグリフロジンが、慢性腎臓病(CKD)を合併した2型糖尿病患者の腎・心イベントを抑制することが明らかになった。Vlado Perkovic氏(オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学)が報告した。対象は全例、腎機能の低下した2型糖尿病患者 CREDENCE試験では、CKDを合併し、最大用量のレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬またはACE阻害薬を服用し、腎機能増悪高リスクの2型糖尿病患者4,401例が対象(日本からは110例)。CKDの基準は「eGFR:30~90mL/分/1.73m2」かつ「尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR):300~5,000mg/gCr」とした。 平均年齢は63歳でHbA1c平均値は8.3%。腎機能は、eGFR平均が56.2mL/分/1.73m2、UACR中央値が927mg/gCrだった。また99.9%がRAS阻害薬を服用し、加えて69%がスタチンを併用していた。カナグリフロジンは腎・心イベントを有意に抑制 これら4,401例は2週間のプラセボ服用期間後、カナグリフロジン100mg/日群(2,202例)とプラセボ群(2,199例)にランダム化され、二重盲検法で追跡された。主要評価項目は「末期腎不全・血清クレアチニン(Cr)倍増・腎/心血管系死亡」の腎・心イベントである。 2018年7月、中間解析の結果、主要評価項目発生数が事前に設定された基準に達したため、試験は早期中止となった。その結果、追跡期間中央値は2.62年(0.02~4.53年)である。 主要評価項目発生率は、カナグリフロジン群:43.2/1,000例・年、プラセボ群:61.2/1,000例・年となり、カナグリフロジン群におけるハザード比(HR)は、0.70(95%信頼区間[CI]:0.59~0.82)の有意低値となった。 カナグリフロジン群における主要評価項目抑制作用は、「年齢」、「性別」、「人種」に有意な影響を受けず、また試験開始時の「BMI」、「HbA1c」、「収縮期血圧」の高低にも影響は受けていなかった。「糖尿病罹患期間の長短」、「CV疾患」や「心不全既往」の有無も同様だった(いずれも、交互作用 p>0.05)。カナグリフロジン群は腎イベントのみで比較してもリスクが有意に低減 副次評価項目の1つである、腎イベントのみに限った「末期腎不全・血清Cr倍増・腎死」も、カナグリフロジン群における発生率は27.0/1.000例・年であり、40.4/1.000例・年のプラセボ群に比べ、HRは0.66の有意低値だった(95%CI:0.53~0.81)。 同様に副次評価項目の1つである「CV死亡・心筋梗塞・脳卒中」(CVイベント)も、カナグリフロジン群におけるHRは0.80(95%CI:0.67~0.95)となり、プラセボ群よりも有意に低かった。 なお、総死亡、あるいはCV死亡のリスクは、カナグリフロジン群とプラセボ群の間に有意差を認めていない。カナグリフロジン群とプラセボ群で下肢切断、骨折の有意差認めず 有害事象のリスクも、カナグリフロジン群で有意に低かった。 プラセボ群と比較した「全有害事象」のHRは0.87(95%CI:0.82~0.93)、「重篤な有害事象」に限っても、0.87(95%CI:0.79~0.97)である。 また「下肢切断」のリスクだが、発生率はカナグリフロジン群:12.3/1,000例・年で、プラセボ群:11.2/1,000例・年との間に、有意なリスクの差は認めなかった(HR:1.11、95%CI:0.79~1.56)。なお本試験はCANVAS Programの報告を受け、2016年に安全確保のためプロトコールを改訂。以降、全例で「受診時の下肢チェック」と「下肢切断リスク上昇可能性時の試験薬一時中止」が求められるようになった。 「骨折」の発生リスクにも、カナグリフロジン群とプラセボ群の間に有意差はなかった。 本試験は報告と同時に、NEJM誌でオンライン公開された。また、学会で掲出されたスライドは、The George Institute for Global HealthのHP からダウンロードが可能である。専門家はこう見る:CLEAR!ジャーナル四天王SGLT2阻害薬カナグリフロジンの腎保護作用がRAS抑制薬以来初めて示される(解説:栗山 哲 氏)-1039 コメンテーター : 栗山 哲( くりやま さとる ) 氏東京慈恵会医科大学客員教授

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EGFR変異肺がん1次治療におけるエルロチニブ+ベバシズマブの効果(NEJ026)/Lancet Oncol

 StageIVのEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)ではEGFR-TKIが標準療法であるが、1年程度で半数に耐性が起こる。そのため、さまざまな併用療法が試みられている。NEJ026はASCO2018で発表されたEGFR変異陽性NSCLCの1次治療に対するエルロチニブとベバシズマブの併用をエルロチニブ単剤と比較した第III相試験であるが、その中間解析の結果がLancet Oncology誌2019年4月8日号で発表された。・対象:化学療法歴のないStageIIIB~IVまたは再発のEGFR変異陽性NSCLC患者(PS 0~2)。・試験薬:ベバシズマブ3週ごと投与+エルロチニブ連日投与群(BE群)・対象薬:エルロチニブ単独連日投与群(E群)・主要評価項目:[主要評価項目]PFS、[副次評価項目]全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、奏効期間、安全性、QOLであった。 主な結果は以下のとおり。・228例の患者が登録され、BE群とE群に無作為に割り付けられた。(ともにn=114)。・追跡期間の中央値は12.4ヵ月であった。・主要評価項目であるPFS中央値は、BE群が16.9ヵ月(14.2~21.0ヵ月)、E群が13.3ヵ月(11.1~15.3ヵ月)で、BE群で有意な延長効果が確認された(HR:0.605、95%CI:0.417~0.877、p=0.016)。・副次評価項目のうち、ORRはBE群72%、E群66%、DCRはBE群95%、E群96%で両群間に有意差はなかった。・Grade3以上の有害事象発現率は、BE群88%、E群46%であった。■関連記事EGFR変異肺がんにおけるエルロチニブ・ベバシズマブ併用第III相試験(NEJ026)/ASCO2018

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ラムシルマブ+エルロチニブ、EGFR陽性NSCLCの1次治療で主要評価項目を達成/リリー

 イーライリリーアンドカンパニーは、2019年3月12日、ラムシルマブ(商品名:サイラムザ)の第III相試験(RELAY)で、サイラムザ+エルロチニブ併用療法がプラセボ+エルロチニブの併用に比べ、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に延長したことを発表。本試験は、転移のあるEGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療で、サイラムザ+エルロチニブの併用療法をプラセボ+エルロチニブの併用と比較したもの。 RELAY試験で認められたラムシルマブ+エルロチニブの併用療法の安全性のプロファイルは、これまでラムシルマブおよびエルロチニブにおいて報告されている安全性のプロファイルと同様であった。プラセボと比較してラムシルマブ群で5%以上高く発現したGrade3以上の主な副作用は、高血圧、ざ瘡様皮膚炎、下痢であった。 有効性及び安全性の結果の詳細は2019年の医学学会で発表予定。

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