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好酸球数高値COPD、メポリズマブで中等度/重度の増悪低減/NEJM

 インターロイキン-5(IL-5)は好酸球性炎症において中心的な役割を担うサイトカインであり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の20~40%に好酸球性炎症を認める。メポリズマブはIL-5を標的とするヒト化モノクローナル抗体である。米国・ピッツバーグ大学のFrank C. Sciurba氏らMATINEE Study Investigatorsは、「MATINEE試験」において、好酸球数が高値のCOPD患者では、3剤併用吸入療法による基礎治療にプラセボを併用した場合と比較してメポリズマブの追加は、中等度または重度の増悪の年間発生率を有意に低下させ、増悪発生までの期間が長く、有害事象の発現率は同程度であることを示した。研究の成果は、NEJM誌2025年5月1日号に掲載された。25ヵ国の無作為化プラセボ対照第III相試験 MATINEE試験は、血中好酸球数が高値で、増悪リスクのあるCOPD患者における3剤吸入療法へのメポリズマブ追加の有効性と安全性の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2019年10月~2023年8月に25ヵ国344施設で患者を募集した(新型コロナウイルス感染症のため2020年3月23日~6月9日まで募集を中断)(GSKの助成を受けた)。 スクリーニング時に年齢40歳以上で、少なくとも1年前にCOPDの診断を受け、増悪の既往歴を有し、3剤吸入療法(吸入ステロイド薬、長時間作用型β2刺激薬、長時間作用型抗コリン薬)を3ヵ月以上受け、血中好酸球数≧300/μLの患者804例(平均[±SD]年齢66.2[±8.0]歳、女性31%)を修正ITT集団として登録した。 被験者を、4週ごとにメポリズマブ(100mg)を皮下投与する群(403例)、またはプラセボ群(401例)に無作為に割り付け、52~104週間投与した。 主要エンドポイントは、中等度または重度の増悪の年間発生率であった。治療への反応性には差がない 重度増悪の既往歴はメポリズマブ群で22%、プラセボ群で19%の患者に認めた。全体の25%の患者が過去または現在、心疾患の診断を受けており、72%が心血管疾患のリスク因子を有していた。平均曝露期間は両群とも約15ヵ月だった。 中等度または重度の増悪の年間発生率は、プラセボ群が1.01件/年であったのに対し、メポリズマブ群は0.80件/年と有意に低かった(率比:0.79[95%信頼区間[CI]:0.66~0.94]、p=0.01)。 また、副次エンドポイントである中等度または重度の増悪の初回発生までの期間中央値(Kaplan-Meier法)は、プラセボ群の321日と比較して、メポリズマブ群は419日であり有意に長かった(ハザード比:0.77[95%CI:0.64~0.93]、p=0.009)。 治療への反応性(QOLの指標としてのCOPDアセスメントテスト[CAT:0~40点、高スコアほど健康状態が不良であることを示す]のスコアが、ベースラインから52週目までに2点以上低下した場合)を認めた患者の割合は、メポリズマブ群が41%、プラセボ群は46%であり(オッズ比:0.81[95%CI:0.60~1.09])、両群間に有意な差はなかったため、階層的検定に基づきこれ以降の副次エンドポイントの評価に関して統計学的検定を行わなかった。MACEは両群とも3例に発現 投与期間中およびその後に発現した有害事象の割合は、メポリズマブ群で75%、プラセボ群で77%であった。投与期間中に発生した重篤な有害事象・死亡の割合はそれぞれの群で25%および28%であり、投与期間中およびその後の死亡の割合は両群とも11%(3例)だった。投与期間中およびその後に発生した主要有害心血管イベント(MACE:心血管死、非致死性の心筋梗塞・脳卒中、致死性または非致死性の心筋梗塞・脳卒中)は、両群とも11%(3例)に認めた。 著者は、「これらの知見は、ガイドラインに基づく維持療法のみを受けている患者に対して、メポリズマブ治療は付加的な有益性をもたらすことを示している」「先行研究と本試験の結果を統合すると、選択されたCOPD患者における2型炎症を標的とする個別化治療の妥当性が支持される」「増悪関連のエンドポイントはメポリズマブ群で良好であったが、CAT、St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)、Evaluating Respiratory Symptoms in COPD(E-RS-COPD)、気管支拡張薬投与前のFEV1検査で評価した治療反応性は両群間に実質的な差を認めなかったことから、これらの原因を解明するための調査を要する」としている。

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【GET!ザ・トレンド】重症COPDの新治療「気管支バルブ治療」病診連携で普及を

重症COPDに気管支鏡的肺容量減量術(Bronchoscopic Lung Volume Reduction、BLVR)という新たな治療法が2023年12月に保険適用になった。重症COPD患者に希望をもたらす治療として注目される。市販後調査として実際にBLVRを施行しているNHO近畿中央呼吸器センターの田宮朗裕氏に聞いた。水面下に潜んでいる「症状緩和・機能改善が行えない重症COPD患者」COPDは世界の死因の第3位で年間323万人が死亡する1)。日本では40歳以上の8.6%、530万人以上がCOPDと推定されている2)。そのうち、きわめて高度な気流閉塞を有する患者(GOLD IV期)は11%、自覚症状が多く急性増悪のリスクが高い患者(GroupD)は10%との報告がある3)。重症COPDに対しては薬物療法、呼吸リハビリテーション、必要に応じた在宅酸素療法(HOT)、さらに肺容量減量手術、肺移植が治療選択肢となる。ただし、肺容量減量手術、肺移植については現在、日本ではほとんど行われていない。つまり、HOTなどの対症療法をしているものの、十分な症状緩和・機能改善が行えない重症COPD(根治的治療がCOPDにほぼないため)が水面下に潜んでいることになる。重症COPDの新治療BLVRとは?田宮氏によれば、重症COPDでは「家での軽い労作でも動けず買い物にも出られない方、ある程度呼吸機能はあっても非常に強い息切れによる生活への支障を訴える方」も少なくないという。さらに「肺機能が悪いとCOPDの急性増悪が非常に厳しくなる」と付け加える。そのような中、2023年12月に重症COPDに対する初のBLVRとして、Zephyr気管支バルブシステムが国内承認された。気管支バルブ治療は、気管支鏡を用いて一方弁の気管支バルブを治療対象の肺葉につながる気管支に留置して、肺葉を無気肺にさせ、肺の過膨張が原因で平坦化していた横隔膜運動を適正化させ呼吸機能を改善させる治療法だ。内科的治療では症状改善がみられない重症COPDに症状の改善をもたらす初の気管支内視鏡治療として注目されている。「体に傷を入れることなく、綺麗な部位を残すことで重症COPDの呼吸機能が改善している。非常に小さなサイズの中にシンプルな一方弁機能を実現した技術は素晴らしい」と田宮氏は評価する。Zephyr気管支バルブは25ヵ国以上で発売され、4万人超の治療患者に留置された実績を持つ。欧州では2003年に、米国ではブレークスルーデバイスに指定され2018年に発売されている。長年の海外での使用実績をもとに的確な患者選択や側副換気の評価によって、より効果を示す可能性のある患者を抽出できるようになった。また、気胸の発生に注意が置かれるようになり、発生時に迅速に対応できるよう準備が変わった。「全世界の開発者と医療者がさまざまな工夫を重ねた中の最終形で日本に来ている。美味しいところ取りしているようだ」と田宮氏は言う。多数のエビデンスが証明するZephyr気管支バルブの有効性Zephyr気管支バルブは重症COPDに対する複数の無作為化比較試験で標準治療単独と比べ、呼吸機能(FEV1)、運動機能(6分間歩行)、症状、QOL(St.George's Respiratory Questionnaire, SGRQ)、慢性COPDの生存期間予測指標であるBODE指数*について有意な改善を認めている。代表的な試験は不均一な肺気腫患者を対象としたLIBERATE試験4)と均一な肺気腫患者を対象としたIMPACT試験5)であり、両試験とも主要評価項目を有意に改善した。いずれも高度な気流閉塞(%FEV1 15~45%)を有するCOPD患者が対象である。「不均一な肺気腫でも均一な肺気腫でもしっかり結果が出た。これらの結果から肺容量を減量して残された肺がしっかり伸縮できるようになると、呼吸機能もQOLも改善することが確信できた。動いたあと“はあはあ”しているのに、息が吐けずに空気が溜まっていく一方という状態は非常に辛いもの。それが緩和されることはすばらしい」、さらに「片肺の過膨張を改善することで、もう一方の肺にも余裕ができる可能性もある」と評価する。また、LIBERATE試験の主要評価項目である「ベースラインからFEV1(L)が15%以上改善した患者」がZephyr気管支バルブ群で有意に多かった(群間差31%)という結果について「全体集団の差が30%を超えるのは素晴らしい。しかし、全ての患者に効くというわけではない。逆に考えれば、効く人には非常に高い効果が期待できるということ。患者の選定は重要なポイント」と述べた。Zephyr気管支バルブは日本での市販後調査による140例の症例収集が課せられている。現在は15施設だが、将来的には20施設まで増やす予定である。* BODE指数:Body mass index(BMI)、airflow Obstruction(気道閉塞度)、Dyspnea(呼吸困難)、Exercise capacity(運動能力)により算出され、慢性COPDの生存期間予測に用いられる指数。事前準備から術後フォローまで入念に設計された手技工程Zephyr気管支バルブによるBLVRを実施するには、外科治療を除く全ての治療法が実施されていることを確認し、術前にボディボックス、スパイロメーターによる呼吸機能精査を行い、6分間歩行距離、呼吸困難を評価する。さらに、CT解析システムによる気腫病変、肺葉間裂の確認、治療対象となる肺葉の選定を行う6)。施術当日も専用のChartis肺機能評価システムで留置部位の側副換気(肺葉間裂の完全性確認)を再確認する。そして、全身麻酔またはセデーション下で(NHO近畿中央呼吸器センターはセデーション)、専用のローディングシステムとデリバリーカテーテルで気管支鏡を用いてターゲットとなる気管支にバルブを留置する。「デバイスが精巧にできているので手技自体はシンプルだが、気管支の位置によって難易度が高くなる。研修による技術習得は欠かせない」と田宮氏は言う。合併症として気胸、COPDの増悪、感染症などのリスクがあるので、気管支バルブ留置後も呼吸器内科、呼吸器外科が協力して診療にあたる。気胸の8割が術後4日以内に起こることもあり、術後は手術日を含め4日入院し、術直後と24時間毎に退院まで検査する。退院後も45日、3、6、12ヵ月後の定期検査が設定されている。なお、Zephyr気管支バルブは抜去・交換が可能で、術後の位置ずれが起きた場合も修正できる。画像を拡大するZephyr気管支バルブの径は4.0mmと5.5mmの2種類。それぞれレギュラーとショートタイプがあり、計4種類のバルブで異なる気管支形状に対応画像提供:パルモニクスジャパン(株)画像を拡大する専用デリバリーカテーテルで気管支鏡を用いてターゲットとなる気管支にバルブを留置する画像提供:パルモニクスジャパン(株)画像を拡大する画像を拡大する病診連携で重症COPD患者をレスキュー薬物療法、呼吸リハビリテーション、HOTを行いながらも手の施しようがない重症COPDは相当数いるのではないかと田宮氏は言う。高度な呼吸機能検査ができない施設では、mMRC質問票のGrade2以上、スパイロメーターで1秒率45%以下がBLVR適用の目安である。「BLVRは酸素を吸ってもどうにもならないという状態になる前にレスキューできる治療法。この治療に適用があるかはスクリーニングしてみないとわからない。(mMRC2以上の)症状があってこの治療に興味を示す患者さんがいれば、どんどん紹介していただきたい。ボディボックスなど精密な検査、治療、術後定期検査は当方で行った上で、吸入薬、HOTの管理などはかかりつけの先生にお任せしたい」と田宮氏はいう。治療方法が見つからない重症COPD患者に希望をもたらす新たな治療BLVRが普及していくには、専門施設とかかりつけ医の協同が欠かせないようだ。参考1)日本WHO協会2)NICE study3)Oishi K et, al. Int J Chron Obstruct Pulmon Dis. 2018:13:3901-3907.4)Criner GA et,al.Am J Respir Crit Care Med.2018;198:1151-1164.5)Valipour A et, al.Am J Respir Crit Care Med.2016;194:1073-1082.6)呼吸器学会 重症COPDに使用する気管支バルブの適正使用指針気管支バルブ治療情報サイト(pulmonx社)Zephyr気管支バルブ製品ページ(pulmonx社)(ケアネット 細田 雅之)

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症例発見法によるCOPD・喘息の早期診断、医療利用の低減に/NEJM

 未診断の慢性閉塞性肺疾患(COPD)または喘息の成人を特定するための症例発見法(case-finding method)によって呼吸器専門医の指示による治療を受けた患者は、通常治療の患者と比較して、その後の呼吸器疾患による医療利用が少なくなることが、カナダ・オタワ大学のShawn D. Aaron氏らUCAP Investigatorsが実施した「UCAP試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年5月19日号に掲載された。カナダ17施設の無作為化対照比較試験 研究グループは、未診断のCOPDまたは喘息を有する患者では、症例発見法を用いた早期の診断と治療により、呼吸器疾患に対する医療利用が低減し、健康アウトカムが改善するかを検証する目的で無作為化対照比較試験を実施し、2017年6月~2023年1月にカナダの17施設で参加者を登録した(カナダ保健研究機構[CIHR]の助成を受けた)。 症例発見法により、肺疾患の診断を受けていないが呼吸器症状を呈する成人を特定した。被験者を、ガイドラインに基づく治療を開始するよう指示された呼吸器専門医と喘息/COPD指導員による評価を受ける群(介入群)、またはプライマリケア医による通常治療を受ける群(通常治療群)に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、呼吸器疾患に対する参加者の自主的な医療利用の年間発生率とした。SGRQ、CAT、FEV1も良好 受診した3万8,353例中595例で未診断のCOPDまたは喘息を発見し、このうち508例を無作為化の対象とした。253例が介入群(平均年齢63.4[SD 13.4]歳、男性64%)、255例が通常治療群(62.8[13.6]歳、58%)に割り付けられた。 主要アウトカムのイベントの年間発生率は、通常治療群に比べ介入群で有意に低かった(0.53件vs.1.12件/人年、発生率比:0.48、95%信頼区間[CI]:0.36~0.63、p<0.001)。 St. George Respiratory Questionnaire(SGRQ、0~100点、点数が低いほど健康状態が良好)で評価した疾患特異的QOLは、通常治療群ではベースラインから6.8点低下したのに対し、介入群では10.2点の低下と良好であった(群間差:-3.5点、95%CI:-6.0~-0.9)。 COPD評価テスト(CAT、0~40点、点数が低いほど健康状態が良好)で評価した症状負担は、通常治療群ではベースラインから2.6点低下したのに比べ、介入群では3.8点低下し良好であった(群間差:-1.3点、95%CI:-2.4~-0.1)。 また、1秒量(FEV1)は、通常治療群ではベースラインから22mL増加したのに対し、介入群では119mLの増加であった(群間差:94mL、95%CI:50~138)。有害事象は両群で同程度 有害事象の発生は両群で同程度であり、介入群では21例に24件、通常治療群では14例に16件発生した。めまいや失神(スパイロメトリー検査による)、筋肉のけいれん(処方された呼吸器疾患治療薬による可能性がある)に関連するものが多かった。入院に至る重篤な有害事象は、介入群で5件、通常治療群で7件報告された。12ヵ月の追跡期間中に、介入群で2例(心停止、肺がん)、通常治療群で2例(心停止、肝不全)の死亡が発生した。 著者は、「この症例発見法は、多くの医療システムに導入可能であり、未診断のCOPDまたは喘息患者における診断と治療の改善に寄与する可能性がある」としている。

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デュピルマブ追加で、COPDの増悪が減少、肺機能改善/NEJM

 血中好酸球数の増加に基づく2型炎症を呈する慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の治療において、標準治療へのヒト型抗ヒトインターロイキン(IL)-4/13受容体モノクローナル抗体デュピルマブの上乗せはプラセボと比較して、COPD増悪の年間発生率を有意に減少させ、肺機能の改善をもたらすことが、米国・アラバマ大学バーミンガム校のSurya P. Bhatt氏らNOTUS Study Investigatorsが実施した「NOTUS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年5月20日号に掲載された。29ヵ国の無作為化プラセボ対照第III相試験 NOTUS試験は、29ヵ国329施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2020年7月~2023年5月に参加者の無作為化を行った(サノフィとリジェネロン・ファーマシューティカルズの助成を受けた)。 年齢40~85歳、10pack-years以上の喫煙歴のある現または元喫煙者で、2型炎症(血中好酸球数300/μL以上)を呈する中等症または重症のCOPD患者935例を登録し、デュピルマブ300mgを2週ごとに皮下投与する群に470例、プラセボ群に465例を無作為に割り付けた。全例が基礎治療として標準的な吸入薬の投与を受けた。 全体の平均(±SD)年齢は65.0(±8.3)歳、67.6%が男性で、29.5%が現喫煙者、98.8%が3種の吸入薬(糖質コルチコイド+長時間作用型抗コリン薬[LAMA]+長時間作用型β2刺激薬[LABA])による基礎治療を受けていた。ベースラインの血中好酸球数の平均値は407±336/μLだった。12週、52週までの1秒量も良好、SGRQスコアには差がない 52週の試験期間におけるCOPDの中等度または重度増悪の年間発生率(主要エンドポイント)は、プラセボ群が1.30(95%信頼区間[CI]:1.05~1.60)であったのに対し、デュピルマブ群は0.86(0.70~1.06)であり、プラセボ群に対する率比は0.66(95%CI:0.54~0.82)とデュピルマブ群で有意に優れた(p<0.001)。 気管支拡張薬吸入前の1秒量(FEV1)のベースラインから12週までの最小二乗平均変化量は、プラセボ群が0.057L(95%CI:0.023~0.091)増加したのに対し、デュピルマブ群は0.139L(0.105~0.173)の増加であり、両群の最小二乗平均差は0.082L(95%CI:0.040~0.124)とデュピルマブ群で有意に良好であった(p<0.001)。52週までの変化量も、デュピルマブ群で有意に優れた(最小二乗平均差:0.062L、95%CI:0.011~0.113、p=0.02)。 一方、ベースラインから52週までのSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)スコア(0~100点、点数が低いほどQOLが良好)の変化には、両群間に有意な差を認めなかった。安全性プロファイルは確立されたものと一致 有害事象の発現率は両群で同程度であり(デュピルマブ群66.7%、プラセボ群65.9%)、デュピルマブの安全性プロファイルは確立されたものと一致していた。最も頻度の高かった有害事象は、新型コロナウイルス感染症(9.4% vs.8.2%)、鼻咽頭炎(6.2% vs.5.2%)、頭痛(7.5% vs.6.5%)、COPD(4.9% vs.7.8%)であった。重篤な有害事象は、それぞれ13.0%および15.9%、死亡の原因となった有害事象は2.6%および1.5%で認めた。 著者は、「これらの結果は、COPD患者のサブグループの病理生物学的な疾患メカニズムにおける2型炎症の役割と、この別個のCOPDエンドタイプの治療におけるデュピルマブの役割をさらに強固なものにする」と述べ、「本試験と先行研究であるBOREAS試験の知見を統合すると、COPDの治療における、2型炎症の促進因子としてのIL-4とIL-13を標的とすることの重要性が浮き彫りとなった」としている。

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トリプル療法で効果不十分のCOPD、テゼペルマブの有用性は?/ATS2024

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療において、吸入ステロイド薬(ICS)・長時間作用性β2刺激薬(LABA)・長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の3剤を1つの吸入器で吸入可能なトリプル製剤が使用可能となっているが、トリプル療法を用いてもCOPD増悪や入院に至る患者が存在する。COPD増悪はQOLを低下させるだけでなく、呼吸機能の低下や死亡リスクの上昇とも関連することが知られており、新たな治療法が求められている。 そこで、さまざまな分子に対する分子標的薬の開発が進められている。その候補分子の1つにTSLPがある。TSLPは、感染や汚染物質・アレルギー物質への曝露などにより気道上皮細胞から分泌され、炎症を惹起する。TSLPはタイプ2炎症と非タイプ2炎症の双方に関与しているとされており、TSLPの阻害はCOPDの幅広い病態に対してベネフィットをもたらす可能性がある。そのような背景から、すでに重症喘息に用いられているヒト抗TSLPモノクローナル抗体テゼペルマブのCOPDに対する有用性が検討されている。米国胸部学会国際会議(ATS2024 International Conference)において、英国・マンチェスター大学のDave Singh氏が海外第IIa相試験「COURSE試験」の結果を発表した。試験デザイン:海外第IIa相無作為化比較試験対象:トリプル療法を用いているにもかかわらず、過去12ヵ月以内に中等度または重度のCOPD増悪が2回以上発現した40~80歳のCOPD患者333例(喘息患者および喘息の既往歴のある患者は除外)試験群(テゼペルマブ群):テゼペルマブ(420mg、4週ごと皮下注射)+トリプル療法を52週間(165例)対照群(プラセボ群):プラセボ+トリプル療法を52週間(168例)評価項目:[主要評価項目]中等度または重度のCOPD増悪の年間発現回数[副次評価項目]気管支拡張薬吸入前の1秒量(FEV1)、QOL、安全性など 主な結果は以下のとおり。・対象患者のうち、過去12ヵ月以内に中等度または重度のCOPD増悪が3回以上発現した患者が41.1%(137例)を占め、血中好酸球数300cells/μL以上の患者は16.8%(56例)にとどまっていた。・主要評価項目の中等度または重度のCOPD増悪の年間発現回数は、テゼペルマブ群がプラセボ群と比較して数値的に17%低下したが、統計学的有意差は認められなかった(90%信頼区間[CI]:-6~36、片側p=0.1042)。・サブグループ解析において、血中好酸球数が多い集団でテゼペルマブ群の中等度または重度のCOPD増悪の年間発現回数が少ない傾向にあった。血中好酸球数(cells/μL)別のレート比および95%CIは以下のとおり。 150未満:1.19、0.75~1.90 150以上:0.63、0.43~0.93(post hoc解析) 150以上300未満:0.66、0.42~1.04 300以上:0.54、0.25~1.15・52週時における気管支拡張薬吸入前のFEV1のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、テゼペルマブ群26mL、プラセボ群-29mLであり、テゼペルマブ群が改善する傾向にあった(群間差:55mL、95%CI:14~96)。・52週時におけるSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、テゼペルマブ群-4.80、プラセボ群-1.86であり、テゼペルマブ群が改善する傾向にあった(群間差:-2.93、95%CI:-6.23~0.36)。・52週時におけるCOPDアセスメントテスト(CAT)スコアのベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、テゼペルマブ群-3.04、プラセボ群-1.18であり、テゼペルマブ群が改善する傾向にあった(群間差:-1.86、95%CI:-3.31~-0.40)。・有害事象はテゼペルマブ群80.6%、プラセボ群75.0%に発現したが、新たな安全性シグナルはみられなかった。 Singh氏は、全体集団では主要評価項目を達成できなかったものの、血中好酸球数が多い集団でテゼペルマブの有効性が高かったことを指摘し、血中好酸球数150cells/μL以上の集団がテゼペルマブによるベネフィットを得られる集団となる可能性があると考察した。

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日本のCOPD患者、残存する症状への治療強化の少なさが課題?/AZ

 アストラゼネカは2024年4月8日付のプレスリリースにて、多施設共同前向き観察研究「EBISU study」および後ろ向き観察研究「REMIND study」の2つの結果を2024年4月5~7日に開催された第64回日本呼吸器学会学術講演会で報告したことを発表した。 日本の多施設共同前向き観察研究であるEBISU studyにおいて、慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療配合剤であるビレーズトリエアロスフィア(一般名:ブデソニド/グリコピロニウム臭化物/ホルモテロールフマル酸塩水和物の3剤配合剤、以下「ビレーズトリ」)が、喘息合併あるいは喘息既往のないCOPD患者の症状やQOLを12週間で改善させたという結果が示された。ビレーズトリ投与開始前(ベースライン)から12週間のCAT※1スコアの平均変化量は-2.9であり、有意な改善が認められた。この値は、臨床的意義のある最小変化量である2を上回っていた。同様に、疾患特異的QOLを評価するSGRQ※2スコアにおいても、ベースラインから12週間の平均変化量は-2.7であり、有意な改善が認められた。また、両スコアは共に4週後および12週後においても有意に改善した。 日本の多施設共同前向き観察研究COPDコホートで取得したデータを二次利用した後ろ向き観察研究REMIND studyでは、COPD患者における吸入薬治療別のCATを用いた患者報告アウトカムと治療変更の実態が日本で初めて示された。コホート組み入れ時に長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、LAMA+長時間作用性β2刺激薬(LABA)、吸入ステロイド(ICS)+LABAのいずれかで治療中の患者において、CATスコアが10ポイント以上(CAT≧10)の症状が残存している割合はそれぞれ32.9%、55.0%、50.0%であることが示された。また、コホート組み入れ時にLAMA、LAMA+LABA、ICS+LABAで治療中のCAT≧10の患者において、1年後に治療をステップアップした患者の割合はそれぞれ12.0%、10.5%、5.3%であり、治療を変更していない患者の割合は76.0%、81.8%、84.2%であった。さらに、組み入れ時に症状の残存がCAT≧10であった患者のうち、1年後の時点でも変わらずCAT≧10であった患者の割合はそれぞれ84.2%、73.6%、66.7%であることが明らかとなった。※1 CAT(COPD assessment test):COPDが健康と日常生活にどのような影響を与えているか、COPD患者と主治医が知り共有する質問票であり、CATスコアが10点以上は症状が強く、治療介入あるいは治療強化が必要とされている。※2 SGRQ(St. George’s Respiratory Questionnaire):COPDにおける疾患特異的な健康関連QOL評価尺度であり、症状、活動、影響の3領域、計50項目の質問から構成される。0から100のスケールでスコア化され、100は最も悪い状況を示す。

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タイプ2炎症を有するCOPDにデュピルマブが有効か/NEJM

 血中好酸球数の上昇で示唆されるタイプ2炎症を有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者において、抗インターロイキン(IL)-4/13受容体抗体デュピルマブ(本邦ではCOPDは未適応)を投与された患者はプラセボ投与患者と比べて、増悪が少なく、肺機能と生活の質(QOL)が改善され、呼吸器症状の重症度も低下したことが、米国・アラバマ大学のSurya P. Bhatt氏らが行った、第III相無作為化二重盲検試験「BOREAS試験」の結果において示された。NEJM誌オンライン版2023年5月21日号掲載の報告。中等度~重度増悪の年間発生率、気管支拡張薬使用前FEV1値の変化量などを比較 BOREAS試験は、24ヵ国275試験地で、標準的トリプル療法実施後も血中好酸球数が300/μL以上で増悪リスクが高いCOPD患者を対象に行われた。研究グループは被験者を1対1の割合で無作為に2群に割り付け、一方にはデュピルマブ(300mg)を、もう一方にはプラセボを、いずれも2週に1回皮下投与した。試験薬の投与期間は52週で、その後に患者は12週の安全性追跡評価を受けた。 主要エンドポイントは、COPDの中等度~重度増悪の年間発生率。多重性補正後の主な副次エンドポイントおよびその他のエンドポイントは、気管支拡張薬使用前FEV1値、St.George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)スコア(範囲:0~100、低スコアほどQOLが良好)、COPDにおける呼吸器症状評価(E-RS-COPD)のスコア(範囲:0~40、低スコアほど症状が軽度)の各変化量とした。エンドポイントはいずれもデュピルマブ群でより改善 2019年5月~2022年2月に、計939例が無作為化を受けた(デュピルマブ群468例、プラセボ群471例)。デュピルマブ群の95.1%、プラセボ群の93.4%が52週の試験期間を完了した。両群被験者のベースライン特性のバランスは取れており、平均年齢は65.1(SD 8.1)歳、現喫煙者は30.0%、また27.4%が高用量ステロイド吸入薬を投与されていた。 COPDの中等度~重度増悪の年間発生率は、デュピルマブ群は0.78(95%信頼区間[CI]:0.64~0.93)、プラセボ群1.10(0.93~1.30)だった(率比:0.70、95%CI:0.58~0.86、p<0.001)。 気管支拡張薬使用前FEV1値の、ベースラインから12週時までの最小二乗(LS)平均増大値は、デュピルマブ群160mL(95%CI:126~195)、プラセボ群77mL(42~112)で(LS平均群間差:83mL、95%CI:42~125、p<0.001)、両群差は52週時点まで保持された。 52週時点で、SGRQスコアのLS平均改善値は、デュピルマブ群-9.7(95%CI:-11.3~-8.1)、プラセボ群-6.4(同:-8.0~-4.8)だった(LS平均群間差:-3.4、95%CI:-5.5~-1.3、p=0.002)。同様にE-RS-COPDスコア改善値も、デュピルマブ群-2.7(95%CI:-3.2~-2.2)、プラセボ群-1.6(同:-2.1~-1.1)だった(LS平均群間差:-1.1、95%CI:-1.8~-0.4、p=0.001)。 投薬中止につながる有害事象や重篤な有害事象および死に結びつく有害事象が認められた患者数は、両群で均衡していた。

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IPF標準治療へのziritaxestat追加、努力肺活量への影響は?/JAMA

 特発性肺線維症(IPF)でピルフェニドンまたはニンテダニブの標準治療を受けている患者、あるいは標準治療を受けていない患者において、開発中の新規オートタキシン阻害薬ziritaxestatの追加は、プラセボとの比較で臨床アウトカムを改善しなかったことが、2つの第III相無作為化試験で示された。米国・南カリフォルニア大学のToby M.Maher氏らが26ヵ国で行った「ISABELA 1試験」と「ISABELA 2試験」の結果で、両試験ともにデータ・安全性委員会の判定で早期に終了となった。IPFについては効果的で忍容性良好な治療の開発が待ち望まれている。JAMA誌2023年5月9日号掲載の報告。26ヵ国で約1,300例を対象に試験 2試験はアフリカ、アジア太平洋地域、欧州、中南米、中東および北米の26ヵ国で、IPF患者1,306例(ISABELA 1試験:106施設525例、ISABELA 2試験:121施設781例)を対象に、同一の試験デザインにて行われた。 研究グループは被験者を無作為に1対1対1の3群に分け、ziritaxestat(経口)600mg、ziritaxestat(経口)200mg、プラセボをいずれも1日1回、試験地域の標準治療(ピルフェニドン、ニンテダニブ、または何も投与せず)に追加して少なくとも52週間投与した。 主要アウトカムは、52週時点の努力肺活量(FVC)の年間減少率だった。主な副次アウトカムは、病勢進行、呼吸器関連の初回入院までの期間、SGRQ(St. George's Respiratory Questionnaire)総スコア(範囲:0~100、高スコアほど健康関連QOLが不良であることを示す)のベースラインからの変化だった。 2018年11月に試験登録が開始され、ISABELA 1試験は2021年4月に、ISABELA 2試験は2021年3月に終了となったため、いずれもフォローアップは早期に完了となった。FVCの年間減少率、両試験いずれの用量でも効果が認められず 試験終了時点で、ISABELA 1試験の被験者数は525例(平均年齢70.0歳[SD 7.2]、男性82.4%)、ISABELA 2試験の被験者数は781例(69.8歳[7.1]、81.2%)だった。独立したデータ・安全性委員会が、ziritaxestatのリスク対効果プロファイルが試験継続を支持しないものであると結論付けたため、両試験は早期に終了した。 両試験において、ziritaxestatはプラセボとの比較で、FVCの年間減少率を改善しなかった。ISABELA 1試験では、FVCの最小二乗平均年間減少率は、ziritaxestat 600mg群が-124.6mL(95%信頼区間[CI]:-178.0~-71.2)に対しプラセボ群は-147.3mL(-199.8~-94.7)であり(群間差:22.7mL、95%CI:-52.3~97.6)、同200mg群では-173.9mL(-225.7~-122.2)であった(プラセボとの群間差:-26.7mL、95%CI:-100.5~47.1)。 ISABELA 2試験でも、FVCの最小二乗平均年間減少率は、ziritaxestat 600mg群が-173.8mL(95%CI:-209.2~-138.4)に対しプラセボ群は-176.6mL(-211.4~-141.8)であり(群間差:2.8mL、95%CI:-46.9~52.4)、同200mg群では-174.9mL(-209.5~-140.2)であった(プラセボとの群間差:1.7mL、95%CI:-47.4~50.8)。 主な副次アウトカムについても、ziritaxestat群のプラセボ群に対するベネフィットは認められなかった。 全死因死亡率が、ISABELA 1試験ではziritaxestat 600mg群8.0%、同200mg群4.6%、プラセボ群6.3%、ISABELA 2試験ではそれぞれ、9.3%、8.5%、4.7%報告された。

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アロプリノールはCKDの進行を抑制するか?/NEJM

 進行リスクが高い慢性腎臓病(CKD)患者において、アロプリノールによる尿酸低下療法はプラセボと比較し、推定糸球体濾過量(eGFR)の低下を遅らせることはなかった。オーストラリア・St. George HospitalのSunil V. Badve氏らが、アロプリノールによる尿酸低下療法の有効性を検証した研究者主導の無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Controlled Trial of Slowing of Kidney Disease Progression from the Inhibition of Xanthine Oxidase:CKD-FIX」の結果を報告した。血清尿酸値の上昇はCKDの進行と関連している。しかし、アロプリノールを用いた尿酸低下療法が進行リスクの高いCKD患者のeGFR低下を抑制できるかどうかは不明であった。NEJM誌2020年6月25日号掲載の報告。2年間のeGFRの変化を、プラセボと比較し評価 研究グループは、2014年3月~2016年12月の期間に、オーストラリアおよびニュージーランドの31施設において、尿中アルブミン(mg)/クレアチニン(g)比が265以上または前年からのeGFR低下が3.0mL/分/1.73m2で、痛風の既往がない、ステージ3または4の成人CKD患者を、アロプリノール(100~300mg/日)群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、CKD-EPI(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration)式を用いて算出した、無作為化から104週(2年)までのeGFRの変化であった。eGFRの変化はプラセボと有意差なし 目標症例は620例であったが、登録の遅れのため369例(目標の60%)がアロプリノール群(185例)またはプラセボ群(184例)に割り付けられた時点で登録中止となった。無作為化直後に各群3例が同意を撤回し、363例が主要評価項目の解析対象となった。363例のベースラインにおけるeGFR平均値は31.7mL/分/1.73m2、尿中アルブミン/クレアチニン比の中央値は716.9、平均血清尿酸値は8.2mg/dLであった。 主要評価項目であるeGFR変化量は、アロプリノール群が-3.33mL/分/1.73m2/年(95%信頼区間[CI]:-4.11~-2.55)、プラセボ群が-3.23mL/分/1.73m2/年(95%CI:-3.98~-2.47)であり、両群に有意差は認められなかった(平均群間差:-0.10mL/分/1.73m2/年、95%CI:-1.18~0.97、p=0.85)。 重篤な有害事象は、アロプリノール群で182例中84例(46%)、プラセボ群で181例中79例(44%)に認められた。 なお、著者は、登録が完全ではなかったこと、治療を中断した患者の割合が高かったこと、代替エンドポイントを使用したことなどを研究の限界として挙げている。

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シルデナフィル併用で特発性肺線維症のQOLは改善するか/NEJM

 特発性肺線維症(IPF)の治療において、ニンテダニブにシルデナフィルを併用しても、ニンテダニブ単剤に比べて健康関連QOLは改善されないことが、カナダ・マックマスター大学のMartin Kolb氏らが行ったINSTAGE試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年9月15日号に掲載された。チロシンキナーゼ阻害薬ニンテダニブは、IPFの治療薬として承認されている。また、既報の試験のサブグループ解析により、ホスホジエステラーゼ5阻害薬シルデナフィルは、IPF患者の酸素化能、ガス交換機能(一酸化炭素の肺拡散能[DLCO]で評価)、症状、QOLに便益をもたらし、重度に障害されたDLCOを改善する可能性が示唆されている。SGRQの変化を無作為化試験で評価 本研究は、13ヵ国が参加した二重盲検無作為化試験である(Boehringer Ingelheimの助成による)。対象は、年齢40歳以上、2011年版の国際ガイドラインでIPFと診断され、DLCOが予測値の35%以下の患者であった。 被験者は、ニンテダニブ(150mg、1日2回)+シルデナフィル(20mg、1日3回)またはニンテダニブ(150mg、1日2回)+プラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられ、24週の治療が行われた。 主要エンドポイントは、ベースラインから12週時までの、St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)の総スコア(50項目、0~100点、点数が高いほど健康関連QOLが不良)の変化とした。副次エンドポイントには呼吸困難(University of California, San Diego, Shortness of Breath Questionnaire[UCSD-SOBQ]、24項目、0~120点、点数が高いほど息切れが重度)および安全性などが含まれた。 2016年7月~2017年9月の期間に273例が登録された。このうち、137例が1回以上のニンテダニブ+シルデナフィルの投与を受け、136例が1回以上のニンテダニブ+プラセボの投与を受けた。12、24週時のSGRQ、UCSD-SOBQ、EQ-5D VASに差はない ベースラインの平均年齢は、ニンテダニブ+シルデナフィル群が70.3±8.6歳、ニンテダニブ群は70.0±7.9歳であり、男性がそれぞれ80.3%、77.9%を占めた。平均DLCOは、25.8±6.8%、25.6±7.0%、SGRQの平均総スコアは56.7±18.5点、54.0±17.9点だった。 SGRQ総スコアのベースラインから12週時までの変化は、ニンテダニブ+シルデナフィル群が-1.28点、ニンテダニブ群は-0.77点であり、両群間に有意差は認めなかった(群間差:-0.52点、95%信頼区間[CI]:-3.33~2.30、p=0.72)。また、24週時までの変化は、それぞれ0.23点、2.42点と、有意な差はなかった(-2.19点、-5.40~1.02)。 UCSD-SOBQの変化は、12週時(ニンテダニブ+シルデナフィル群:1.46点vs.ニンテダニブ群:4.40点、群間差:-2.94点、95%CI:-7.27~1.39)および24週時(4.44 vs.6.85点、-2.41点、-7.39~2.58)のいずれにも、意味のある差はみられなかった。また、全般的な健康状態の指標であるEQ-5Dの視覚アナログスケール(0~100点、点数が高いほど健康状態が良好)にも、12週時(1.31 vs.-2.22点、3.54点、-0.02~7.09)、24週時(-1.48 vs.-2.98点、1.50点、-2.86~5.86)ともに有意な差はなかった。 酸素飽和度およびDLCOの12、24週時の変化にも両群間に差はなかった。また、急性増悪(7.3 vs.7.4%)、全死因死亡(10.2 vs.11.0%)の割合もほぼ同等であった。 安全性に関しては、既報の試験と比べて、新たな兆候は認めなかった。最も頻度の高い有害事象は下痢であり、ニンテダニブ+シルデナフィル群の57.7%、ニンテダニブ群の48.5%にみられた。重篤な有害事象の頻度は、それぞれ27.0%、32.4%であった。 著者は、「努力肺活量(FVC)の予測値の5%以上の低下または死亡の複合エンドポイントの発生率は、ニンテダニブ+シルデナフィル群のほうが有意に低かったが、この知見が偶然によるものか、真の治療効果かは不明である」としている。

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気管支内コイル治療は重症肺気腫患者の運動耐容能を改善させるのか?(解説:山本 寛 氏)-549

 本研究は、肺気腫に対する気管支内コイル治療の効果と安全性を検討するため、2012年12月から2015年11月まで、北米21施設、欧州5施設が参加して315例を対象に行われた。患者は、ガイドラインに準拠した通常ケア(呼吸器リハビリテーション、気管支拡張薬の投与)のみを行う群(n=157)と、これに加えて両側気管支内にコイル治療を行う群(n=158)とに無作為に割り付けている。コイル治療群では、2回の治療を4ヵ月間隔で行い、1肺葉当たり10から14個のコイルを気管支鏡を用いて埋め込んだ。治療前と治療12ヵ月後の6分間歩行距離の変化を主要評価項目とし、6分間歩行距離の改善割合、SGRQ (St. George’s Respiratory Questionnaire)を用いたQOL(Quality of Life)の変化、そして1秒量の変化率がそれぞれ副次評価項目として設定されている。 その結果、6分間歩行距離の12ヵ月間での変化量はコイル治療群で+10.3m、通常ケア群で-7.6mであった。その群間差は14.6m(97.5%CI:0.4m~∞、片側p値:0.02)であり、有意にコイル治療群で優れていた。1秒量の変化率は中央値で7.0%(97.5%CI:3.4%~∞、片側p値0.01)であり、やはりコイル治療群で大きな改善が示された。SGRQスコアの群間差は-8.9ポイント(97.5%CI:-∞~-6.3ポイント、片側p値<0.001)で、コイル治療群において有意な改善が示された。 一方、コイル治療群において主要な合併症が34.8%も発生している。通常ケア群においては19.1%であり、コイル治療群では有意に合併症の頻度が高かった(p=0.002)。コイル治療群では、肺炎が20%(通常ケア群では4.5%)、気胸が9.7%(通常ケア群では0.6%)とそれぞれ有意に高頻度に認められた。 以上の結果から、肺気腫患者に対する気管支内コイル治療が、6分間歩行距離やQOL、肺機能の改善に有効であると結論することは早計である。主たる評価項目である6分間歩行距離の改善はわずかであり、設定されたMCID(minimal clinical important difference)=29mを超えるものではない。しかも、重大な合併症の頻度も高く、長期的な効果についても不明である。 しかし、本研究には残気量が予測値の225%以上という高度のair trappingを示す肺気腫症例が多く(235例)登録されている。探索的評価項目のうち、残気量と残気率に関しては、コイル治療を行うことによってそれぞれ0.31Lの減少、3.5%の減少が得られている。サブグループ解析の結果、air trappingが225%以上と高度で、heterogeneousな気腫症例においては、6分間歩行距離で+29.1m、1秒量で+12.3%、SGRQで-10.1ポイントと、臨床的にも意味のある効果が示されている。今後は、本治療法の長期効果についての追加報告がなされること、またheterogeneousな気腫分布を示す、air trappingが高度な肺気腫を調査対象としたランダム化比較試験が行われることが期待される。

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重症好酸球性喘息に新規抗IL-5抗体が有効/NEJM

 重篤な好酸球性喘息の治療において、メポリズマブ(国内未承認)は病態の増悪を有意に低減することが、グラクソ・スミスクライン社・米国Research Triangle ParkのHector G Ortega氏らが行ったMENSA試験で示された。重症喘息患者は、高用量吸入グルココルチコイドの継続治療を行っても、経口グルココルチコイドの併用の有無にかかわらず、持続性の好酸球性炎症によって頻繁に増悪を来す場合がある。メポリズマブはインターロイキン(IL)-5に対するヒト化モノクローナル抗体で、好酸球性炎症を選択的に阻害し、喀痰や血中の好酸球数を減少させることで、増悪の頻度を低下させるとともにグルココルチコイド全身投与の必要性を低減するという。NEJM誌オンライン版2014年9月8日号掲載の報告。増悪の抑制効果を無作為化試験で評価 MENSA試験は、重症好酸球性喘息に対するメポリズマブの有用性を評価する二重盲検ダブルダミー・プラセボ対照無作為化試験。対象は、年齢12~82歳、高用量吸入グルココルチコイド治療でも喘息の増悪を繰り返し、好酸球性炎症が確認された患者であった。 被験者は、メポリズマブ75mg(静脈内投与)、同100mg(皮下投与)またはプラセボを4週に1回投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は増悪の頻度で、増悪の定義は担当医がグルココルチコイド全身投与を3日以上行った場合や、患者が救急診療部を受診または入院した場合とした。 試験は、1~6週間の導入期間後に割り付けを行い、32週の治療期間後に主要評価項目を評価し、さらに8週のフォローアップを実施した。両投与法とも増悪の頻度がほぼ半減 2012年10月~2014年1月までに576例が登録され、静脈内投与群に191例(平均年齢50歳、女性55%)、皮下投与群に194例(51歳、60%)、プラセボ群には191例(49歳、56%)が割り付けられた。539例(94%、それぞれ175例、185例、179例)が治療を完遂した。 患者1例当たりの臨床的に重篤な増悪の年間発生率は、静脈内投与群が0.93、皮下投与群が0.81、プラセボ群は1.75であり、プラセボ群に比べ静脈内投与群は47%(95%信頼区間[CI]:29~61%)、皮下投与群は53%(37~65%)減少した(いずれも、p<0.001)。 入院または救急診療部の受診を要する増悪は、プラセボ群に比し静脈内投与群が32%(95%CI:-41~67%、p=0.30)、皮下投与群は61%(17~82%、p=0.02)低下し、入院を要する増悪はそれぞれ39%(-66~77%、p=0.33)、69%(9~89%、p=0.03)低下しており、いずれも皮下投与群で有意な改善効果が認められた。 1秒量(FEV1)のベースラインからの増加は、プラセボ群よりも静脈内投与群が100mL(p=0.02)、皮下投与群は98mL(p=0.03)高く、いずれも有意に改善した。 健康関連QOLの指標であるSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)スコア(0~100点、高いほど不良)のベースラインからの低下は、プラセボ群よりも静脈内投与群が6.4点(p<0.001)、皮下投与群は7.0点(p<0.001)大きく、いずれも有意に改善した。 また、喘息コントロールの指標である5-item Asthma Control Questionnaire(ACQ-5)スコア(0~6点、高いほど不良)のベースラインからの低下は、プラセボ群よりも静脈内投与群が0.42点(p<0.001)、皮下投与群は0.44点(p<0.001)大きく、いずれも有意な改善を示した。 治療期間中の有害事象は、静脈内投与群が84%、皮下投与群が78%、プラセボ群は83%に発現し、鼻咽頭炎(17~24%)と頭痛(17~24%)の頻度が最も高かった。このうち、担当医判定による治療関連有害事象は、それぞれ17%、20%、16%だった。 注射部位反応の発現率は、皮下投与群が9%であり、静脈内投与群の3%、プラセボ群の3%に比べ高かった。喘息関連イベントを含む重篤な有害事象は、静脈内投与群が7%、皮下投与群が8%、プラセボ群は14%に認められた。 著者は、「重症好酸球性という喘息のサブグループにおいて、メポリズマブは静脈内投与と皮下投与の双方で増悪の頻度を抑制するとともに、QOLや喘息コントロールを改善した」とまとめている。

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IPFの病勢進行を遅らせるNintedanib

 ドイツのベーリンガーインゲルハイムは2014年5月18日NEJMに発表された特発性肺線維症(IPF)を対象とした第3相臨床試験結果の内容を発表。Nintedanib(BIBF1120)が特発性肺線維症(IPF: Idiopathic Pulmonary Fibrosis)の病勢進行を遅らせることが明らかになったという。  New England Journal of Medicine誌のオンライン版に 5月18日に発表された第3相INPULSISTM試験の結果において、NintedanibがIPF患者病勢進行を有意に遅らせることが示された。1,066例が参加した2つの52週間にわたるINPULSISTM試験において、Nintedanibはプラセボと比較して、努力性肺活量(FVC)の年間減少率を約50%有意に抑制した。2つの試験におけるFVCの年間減少率は以下のとおり。・ INPULSISTM-1: -114.7mL(Nintedanib)vs. -239.9mL(プラセボ) ・ INPULSISTM-2: -113.6mL(Nintedanib)vs. -207.3mL(プラセボ)  INPULSISTM-1試験では、主要な副次評価項目においてNintedanibとプラセボ群に統計的有意な差はみられなかった。しかし、INPULSISTM-2試験ではプラセボと比較して、Nintedanibを服用した患者は、健康関連QOL(St.George's Respiratory Questionnaire)スコアが有意に低下し、初回の急性増悪のリスクも低下した。  Nintedanib群で最も頻度の高かった有害事象は下痢で、Nintedanib群、プラセボ群で62% vs. 19%(INPULSISTM-1試験)、63% vs. 18%(INPULSISTM-2試験)であった。Nintedanib群で下痢を理由に治療を中止した患者は5%未満であった.ベーリンガーインゲルハイムプレスリリースはこちら

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うつ病はCOPD増悪・入院の独立した危険因子:久留米大学

 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者はうつ病や睡眠障害を合併することが多いと言われている。そして、合併することで健康関連QOL(HRQOL)に悪影響を及ぼす。久留米大学 伊藤氏らはCOPD患者におけるうつ病および睡眠障害の影響を検討した。Respirology誌2012年8月号の報告。 40歳以上のCOPD患者85名とコントロール群46名のうつ病および睡眠障害に関して12ヵ月間調査を行った。COPDの診断にはスパイロメトリー、動脈血ガス分析を実施。HRQOLの評価尺度であるSGRQ(St. George's Respiratory Questionnaire)、うつ病自己評価尺度(CES-D: Center for Epidemiologic Studies Depression)、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI:Pittsburgh Sleep Quality Index)により評価した。 主な結果は以下のとおり。・COPD患者ではコントロール群と比較し、うつ病および睡眠障害の有病率が有意に高く、相対リスクはうつ病で7.58(95%信頼区間:1.03~55.8)、睡眠障害で1.82(1.03~3.22)であった。・COPD患者ではCES-DとPSQIの間に相関関係があった。・うつ病および睡眠障害の発症率と有意に相関していた項目は、低BMI、重篤な呼吸困難、HRQOLの低さ、動脈血酸素分圧の低さ、動脈血二酸化炭素分圧の高さであった。・うつ病を伴うCOPD患者における症状増悪や入院に至る割合は、睡眠障害合併例やうつ病や睡眠障害を合併していない例と比較し有意に高かった。・うつ病はCOPD患者における症状増悪や入院の独立した危険因子であると考えられる。■関連記事ゲームのやり過ぎは「うつ病」発症の原因か?!気温31℃超で気分症状が再発!入院も増加なぜ、うつ病患者はアルツハイマー病リスクが高いのか?COPD増悪抑制、3剤併用と2剤併用を比較/Lancet

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日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は普及するか?

「日本語版COPDアセスメントテスト(CAT)は、高い信頼性と妥当性を有する、短く簡単な質問表として、COPD患者の健康状態を的確に評価するうえで役立つ可能性がある」と霧ヶ丘つだ病院の津田氏らが報告した。CATはCOPD患者の健康状態を評価したり、心理特性を確認するために用いられる質問票であり、近年、海外で普及が進んでいる。Respiratory investigation誌2012年6月号(オンライン版2012年6月19日号)掲載の報告。言語的検証を加えながら翻訳された日本語版のCATが、信頼性や妥当性を有するかを評価するため、40歳以上で喫煙歴を有する日本人のCOPD患者301例を対象にインターネットによる調査が行われた。 主な結果は以下の通り。 ・日本語版のCATは高い内部一貫性を示した(クロンバックのα信頼性係数:0.891)・COPDにおける疾患特異的な健康関連QOLの評価指標であるSGRQ(the COPD-specific St. George’s Respiratory Questionnaire)と高い相関関係がみられた(相関係数:0.820)。・日本で広く用いられている健康関連QOLの質問票であるSF-12v2との相関関係も認められた。 (ケアネット 鎌滝 真次)〔関連情報〕  呼吸器疾患治療を考える第2回(医師限定)

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COPDの悪液質患者のグレリン治療

 COPD(慢性閉塞性肺疾患)の悪液質患者にグレリンを投与することにより、症状や呼吸筋力が改善する可能性があることを国立病院機構 刀根山病院の三木 啓介氏らが報告した。肺の悪液質は、病態が進行したCOPDでは一般的な徴候であり、死亡の独立した危険因子である。グレリンは新たな成長ホルモン放出ペプチドであり、成長ホルモンの独立した効果を有している。 研究グループはCOPDの悪液質患者33例を対象にグレリン投与群とプラセボ投与群に割り当て、多施設共同無作為化二重盲検比較試験を行った。試験期間中、両群とも呼吸リハビリテーションが並行して行われた。 主要アウトカムは6分間歩行距離とSGRQ(St. George Respiratory Questionnair)であった。 主な結果は以下のとおり。・フォロー期間は7週間であった。・投与開始3週後(95%Cl: -37~48、p=0.81)、7週後(95%Cl:-15~73、p=0.19)ともに6分間歩行距離に両群間で有意差は認められなかった。・SGRQでは7週後の「症状項目」のみ、両群間で有意差が認められた(95%Cl:-29.5~2.1、p=0.026)。・副次アウトカムでは7週後のMRC息切れスケール(95%Cl: -1.4~-0.1、p=0.030)と最大呼気筋力(95%Cl: 4.1~35.6、p=0.015)で有意差が認められた。

17.

COPD治療薬チオトロピウムの長期臨床試験報告

慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬チオトロピウムが、COPD患者の複数のエンドポイントを改善することは先行研究で示されているが、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたプラセボ群を対照に、チオトロピウム治療の4年間にわたる長期的な効果を検証していた米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部のDonald P. Tashkin氏らが主要な治療指標であるFEV1低下率や肺機能、QOL、増悪について報告を行った。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年10月5日号)より。患者5,993例を4年間にわたり無作為化二重盲検プラセボ対照試験UPLIFT試験(Understanding Potential Long-Term Impacts on Function with Tiotropium)は無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたCOPD患者を対象に、チオトロピウムまたはプラセボに割り付け4年にわたって投与し比較された。対照患者は日本を含む37ヵ国から登録された、40歳以上、気管支拡張薬投与後のFEV1は70%以下、FVCに対するFEV1の比率は70%以下等の条件を満たした5,993例。主要エンドポイントは、試験開始30日時点で測定した気管支拡張薬投与前後のFEV1平均低下率。副次エンドポイントは、FVC測定値、QOL評価表のSGRQ(St. George's Respiratory Questionnaire)に対する回答の変化、COPDの増悪と死亡率を含めた。FEV1低下率、肺機能、QOLの改善効果は?対象患者5,993例(平均年齢65±8歳)は、気管支拡張薬投与後の平均FEV1が1.32±0.44 L(予測値の48%)で、このうち2,987例をチオトロピウム群、3,006例をプラセボ群に無作為に割り付けた。FEV1の絶対改善平均値は試験期間を通じて、チオトロピウム群のほうがプラセボ群より維持された(気管支拡張薬投与前87~103 mL、気管支拡張薬投与後47~65 mL、P

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