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新しい血糖コントロール目標値を発表! 第56回日本糖尿病学会年次集会を開催

5月16日より3日間、熊本市で開催された第56回日本糖尿病学会年次学術集会(会長:荒木栄一氏/熊本大学大学院 生命科学研究部代謝内科学分野 教授)において、新しい血糖コントロールの目標値(以下「新目標値」と略す)が発表された。新目標値は、HbA1cに集約され、次の3段階とされる。HbA1c 8%未満→治療強化が困難な際の目標HbA1c 7%未満→合併症予防のための目標HbA1c 6%未満→血糖正常化を目指す際の目標図1 「血糖コントロール目標値」改訂図画像を拡大する図2 2型糖尿病治療の目標と指針画像を拡大する新しい評価分類の策定にあたっては、従来の5段階分類が複雑な目標設定であること、EBMの理念にそぐわない「不可」などの否定的な言葉が使われていること、「優」という呼称にはリスクを考慮せずにHbA1cを下げるべきとの誤解を生む恐れがあることなどを鑑み、学会内で検討が行われた。さらに、近年発表されたACCORD、ADVANCEなどの大規模臨床試験に基づき「低血糖を起こさない血糖管理」を考慮した内容も加味され、策定されたものである。その中には、新目標値を患者と医療者が共に目指す糖尿病治療の目標とすること、HbA1cの国際標準化との整合性、非専門医にも理解・活用しやすいようにできる限り簡素化することというコンセプトが込められている。新目標値は6月1日より運用開始となる。会長の荒木氏は「早期から治療を開始し、HbA1c値7%未満を目指してほしい」と期待を語った。DPP-4阻害薬投与時は、体重増加に注意「低血糖を起こさない血糖管理」といえば、DPP-4阻害薬がすでに欠かせない存在だ。本学会でも多くの使用経験が発表され、効果的な併用薬や症例像が明らかになった。「相性の良い併用薬」への関心も高い。シンポジウム14「インクレチン関連薬の長期展望」では、BG、α-GIとの併用がSU薬と比較して血糖改善効果が高いことなどが報告された。「レスポンダー/ノンレスポンダー」という観点では、シタグリプチンの2年間の追跡調査から血糖コントロール不良群で体重が増加していたことが明らかになった。DPP-4阻害薬の治療効果を得るには、体重増加を来さないことが重要であり、体重増加が認められた際には、速やかな食事指導が有効といえそうだ。DPP-4阻害薬+インスリンで、一定の治療効果同様に、DPP-4阻害薬とインスリンの併用に関する検討結果も発表され、一定の治療効果が報告された。強化インスリン療法、混合製剤2回注射、BOT(Basal Oral Therapy)のいずれのインスリンレジメンにおいても、DPP-4阻害薬であるシタグリプチンの上乗せによりHbA1c値低下効果やCPI改善効果が高まるとの報告も挙がった。ただし、DPP-4 阻害薬がどのインスリンレジメンと相性が良いかに関してはさらなる検討が必要とされた。インスリンからの切り替えカットオフ値は?また、インスリンからGLP-1受容体作動薬リラグルチド(商品名:ビクトーザ)への切り替え試験の結果から、効果不十分な場合の主な原因として内因性インスリン分泌能低下が推測されることが明らかになった。同試験においてデルタC-ペプチド値 1.34ng/mLがカットオフ値として算出されており、今後も継続した検討が期待される。なお、会期中にGLP-1受容体作動薬のエキセナチド(同:バイエッタ)の週1回製剤「ビデュリオン」が発売となった。代表的な副作用である「嘔気・嘔吐」の発現率はバイエッタと比べて少ないとの報告も挙がっており、週1回投与によるアドヒアランス改善とともに臨床での活用が期待される。新薬も期待!SGLT2阻害薬、GPR40作動薬、GK活性化薬このほか、新規作用機序をもった薬剤も次々と登場予定だ。シンポジウム2「今後期待される新規糖尿病治療薬」においても複数の新薬が取り上げられた。原尿からのブドウ糖再吸収を減らし、ブドウ糖を尿から排泄させる、「SGLT2選択的阻害薬」は、国内申請中のイプラグリフロジン(アステラス製薬/寿製薬)、ルセオグリフロジン(大正富山)を筆頭に6品目が後期開発段階にある。その後に続く薬剤としてGPR40作動薬にも注目が集まる。G蛋白質共役型受容体(GPCR)の一つであるGPR40に作用し、グルコース濃度に依存してインスリン分泌を促す特性をもつ薬剤である。GPR40作動薬は低血糖の誘発リスクが低いインスリン分泌促進薬として期待されており、現在開発中の薬剤にTAK-875(武田)がある。そのほか、膵β細胞でのインスリン分泌能増強作用と肝での糖利用亢進作用を有するGK(グルコキナーゼ)活性化薬も研究が進んでいる。編集後記インクレチン関連薬の発売、ACCORDの結果などを経て、「低血糖を来さない糖尿病治療」の重要性は臨床現場でも一般化した。今回発表されたHbA1cの新目標値も、この考えに基づいている。すでに、血糖値はひたすら下げるものではなくなった。今後は、患者さん一人ひとりに合った治療目標を設定し、薬剤を効果的に使いながら血糖をコントロールしていく必要がある。会長の荒木氏は、「あなたとあなたの大切な人のために~Keep your A1c below 7%~」を合言葉に糖尿病の予防と治療の向上に取り組む、とする「熊本宣言2013」を発表した。われわれも、医療情報メディアの一端を担う者として、最新かつ適切な情報伝達を通じ、糖尿病治療の発展に貢献していくことをあらためて宣言したい。(ケアネット 佐藤 寿美/稲川 進)

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SGLT2阻害薬「イプラグリフロジン」の、BG薬併用下での安全性は?

 2型糖尿病患者に対する、SGLT2選択的阻害薬「イプラグリフロジン」のメトホルミン(商品名:メトグルコなど)併用下での安全性データが発表された。Veltkamp SA氏らによるClin Ther誌オンライン版2012年7月13日付での報告。 この結果、イプラグリフロジンとメトホルミンの14日間併用投与は、低血糖の発現なく、良好な忍容性を示し、イプラグリフロジンの併用は、メトホルミンの薬物動態(PK)特性には、臨床的変化はもたらさないことが明らかになった。 イプラグリフロジン(ASP1941)は、2012年7月現在、国内において臨床開発段階にある。 本試験の主要評価項目は、メトホルミン併用下におけるイプラグリフロジンの安全性プロファイルおよび忍容性。副次評価項目は、メトホルミンのPK特性に対するイプラグリフロジンの影響であった。 対象は、メトホルミン投与中(850mg、1,000mg、または1,500 mgを1日2回服用)の2型糖尿病患者36例。対象者は、イプラグリフロジン投与群(n=18、300mg/日)、またはプラセボ投与群[メトホルミン単独群](n=18)に二重盲検法で無作為化割り付けされ、それぞれ14日間投与された。 試験期間を通じて、低血糖イベント、試験治療下における有害事象(TEAEs)、実験室測定、バイタルサインを含めた安全性プロファイルが評価された。 また、最大血中濃度およびAUC(0-10)の幾何平均比と90%CIは、メトホルミン+ イプラグリフロジン群(14日目) vs メトホルミン単独群(1日目)で算出された。 薬力学的特性は、24時間尿糖排泄(UGE(0-24))測定によって評価された。 主な結果は以下のとおり。 ・すべてのTEAEsは、1例を除き軽度であった。・TEAEsは、イプラグリフロジン併用群で15回(7例/18例 [38.9%])、プラセボ群で19回(8例/18例 [44.4%])観察された。・治療関連のTEAEsは、イプラグリフロジン併用群で18例中3例(16.7%)、プラセボ群では18例中5例(27.8%)で報告された。・低血糖イベント(血糖値

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SGLT1/2阻害薬LX4211の有効性

新しい作用機序を持つ経口の2型糖尿病治療薬であるSGLT1/2阻害薬LX4211の試験結果が、B Zambrowicz氏らによりClinical Pharmacology & Therapeutics誌Early Online Publication 2012年6月27日付で報告された。この結果、LX4211はプラセボと比べて、消化器症状などの有害事象を増加させることなく、空腹時血糖値やHbA1c値を有意に改善させることが明らかになった。SGLT2は腎臓のグルコース再吸収に関与する輸送体である。SGLT2阻害による血糖コントロール改善が示されており、現在、複数のSGLT2選択的阻害薬が開発段階にある。SGLT1を介さず、SGLT2に選択性の高い阻害薬が多く開発されているのは、主に腸管のグルコース輸送体として存在するSGLT1の腎臓のグルコース再吸収への貢献がわずか10%であることや、SGLT1欠損患者ではグルコースとガラクトースの吸収不良に起因する重篤な消化器症状が示唆される等が理由とされていた。しかしRoux-en-Y法による肥満外科手術や難消化性でん粉摂取後は、遠位小腸および大腸へのグルコース輸送が増加しても、消化器症状を発現することなく耐糖能を改善できている。これは、GLP-1分泌によるものと考えられている。このことから、SGLT1/2阻害薬も、選択的SGLT2阻害薬同様に、消化器症状に影響を与えずに、腸管からのグルコース吸収を遅延させ血糖コントロールを改善できるのではないかと、今回検討が行われた。試験対象は、38歳~64歳の2型糖尿病患者36例。プラセボ群、LX4211の150mg投与群、同300 mg投与群、の3群に無作為に割り付け、1日1回経口投与を28日間継続した。主な結果は以下のとおり。 ・LX4211群はプラセボ群と比較して、28日後の空腹時血糖値、耐糖能、およびHbA1c値を含む血糖コントロール指標を有意に改善した。・24時間UGE値は1日後、14日後、28日後においてプラセボ群と比較し、LX4211群で有意に増加した。・LX4211群は、プラセボと比較して、血清トリグリセリド値を有意に低下させた。また、有意差は認められなかったが、体重と血圧は減少傾向、GLP-1濃度は増加傾向を認めた。・有害事象発現は3群間で同等であり、緊急性尿路感染症、性器感染症、低血糖などはみられず、重篤な有害事象の報告はなかった。心血管イベント発現、心電図所見の有意な変化も認められなかった。(ケアネット 佐藤 寿美)〔関連情報〕 動画による糖尿病セミナー (インスリンなど)

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新規SGLT2阻害薬dapagliflozin、血糖コントロールが不良な2型糖尿病に有効

メトホルミンだけでは十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者に対し、ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)の選択的阻害薬であるdapagliflozinを追加投与すると、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が有意に改善することが、英国Aston大学のClifford J Bailey氏らが行った無作為化試験で示された。高血糖の是正や糖毒性の発現予防は2型糖尿病の管理における重要な目標とされる。dapagliflozinは、SGLT2を選択的に阻害することで、インスリン非依存性に腎臓でのグルコースの再吸収を抑制するという。Lancet誌2010年6月26日号掲載の報告。dapagliflozinの有用性を評価する二重盲検プラセボ対照第III相試験研究グループは、メトホルミンだけでは血糖コントロールが不十分な患者においてdapagliflozinの有効性と安全性を評価する多施設共同二重盲検プラセボ対照第III相試験を実施した。メトホルミン≧1,500mg/日で十分な血糖コントロールが達成されない2型糖尿病患者546例が、3つの用量のdapagliflozin(2.5mg群:137例、5mg群:137例、10mg群:135例)あるいはプラセボ群(137例)に無作為に割り付けられた(いずれも1日1回経口投与)。メトホルミンは、試験開始前と同一の用量を継続投与した。主要評価項目は、24週におけるHbA1cのベースラインからの変化とした。二重盲検下で1回以上の投薬を受け、ベースラインとその後に少なくとも1回の検査を受けた全症例が解析の対象となった。用量依存性にHbA1cが有意に低下、ウエスト周囲長の短縮を伴う体重減少効果も主要評価項目の解析は、534例(dapagliflozin 2.5mg群:135例、5mg群:133例、10mg群:132例、プラセボ群:134例)で行われた。24週の時点で、プラセボ群の平均HbA1cが0.30%低下したのに対し、dapagliflozin 2.5mg群は0.67%(p=0.0002)、5mg群は0.70%(p<0.0001)、10mg群は0.84%(p<0.0001)と用量依存性に低下しており、いずれも有意差を認めた。dapagliflozin群では治療早期から体重減少を認め、この効果は治療期間を通じて持続した。24週には、プラセボ群の体重が平均0.9kg低下したのに対し、2.5mg群が2.2kg、5mg群が3.0kg、10mg群は2.9kg減少した(いずれも、p<0.0001)。ウエスト周囲長も、プラセボ群が平均1.3cm短縮したのに対し、2.5mg群が1.7cm、5mg群が2.7cm、10mg群は2.5cm減少していた。低血糖症状の発現率は、dapagliflozin群が2~4%、プラセボ群は3%と同等であった。性器感染を示唆する徴候、症状などの報告は、プラセボ群の5%(7例)に比べ、dapagliflozin 2.5mg群が8%(11例)、5mg群が13%(18例)、10mg群は9%(12例)と頻度が高い傾向がみられた。重篤な有害事象は17例(dapagliflozinの各用量群が4例ずつ、プラセボ群が5例)に認められた。著者は、「メトホルミン単剤では血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者の治療において、メトホルミンへのdapagliflozin追加療法は新たな選択肢となる」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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