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癌治療学会にて「精巣腫瘍患者会創設」キックオフイベントを開催 キャンサーネットジャパン

NPO法人キャンサーネットジャパンは、精巣腫瘍サバイバーである小嶋修一氏、改發厚氏、京都府立医科大学泌尿器外科学の三木恒治教授を発起人とし、日本初の精巣腫瘍患者会を創設する。これまで個人のホームページやブログにて個別に発信されているカバーしきれない情報を、科学的根拠に基づき、集約的に、組織的に情報提供しようというもの。創設に伴い、10月30日(土)の日本癌治療学術集会にて、精巣腫瘍患者会の創設キックオフイベントを開催する。同イベントには、患者、家族だけでなく医療者の出席も歓迎とのこと。「精巣腫瘍患者会創設!」キックオフイベント ●概要:精巣腫瘍患者会創設に際して、患者会の趣旨や取り組みを紹介するとともに、出席者の交流を深める ●日時:平成22年10月30日(土)18時00分~ ●会場:〔メイン会場〕グランドプリンスホテル京都:地下1階 ローズルーム、〔サブ会場〕TBS放送センター ●出席者:三木 恒治(京都府立医科大学大学院医学研究科泌尿器外科学 教授)・小嶋 修一(TBSテレビ報道局解説室・精巣腫瘍経験者)・改發厚(精巣腫瘍経験者)・賛同者他 ●申し込み:10月28日(木)17時までに下記メールアドレスへE-mail: j_tag@cancernet.jp 当日は、USTREAMによるライブ映像配信を行うhttp://www.cancernet.jp/j-tag/ 詳しくはこちら http://www.cancernet.jp/eve/101030JTAG.pdf

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クロピドグレル治療中の虚血イベント再発リスクが高い患者とは?

ABCB1遺伝子3435TTホモ接合体を持つ者は抗血小板能が低下しており、特に経皮的インターベンションを施行された急性冠症候群(ACS)患者ではクロピドグレル(商品名:プラビックス)治療中の虚血イベントの再発リスクが高いことが、米国ブリガム&ウィメンズ病院循環器科のJessica L Mega氏らが実施したTRITON-TIMI 38試験の薬理遺伝学的解析で示された。クロピドグレルおよびprasugrelはP糖蛋白(P-gp)を介して細胞外に排出される。P-gpはABCB1遺伝子(MDR1遺伝子とも呼ばれる)によってコードされ、ABCB1遺伝子多型(特に3435C→T)は薬剤の輸送や効果に影響を及ぼす可能性があるという。Lancet誌2010年10月16日号(オンライン版2010年8月29日号)掲載の報告。TRITON-TIMI 38試験のACS患者と他の7試験に参加した健常者を評価TRITON-TIMI 38試験の研究グループは、クロピドグレルあるいはprasugrelによる治療を受けた患者の心血管アウトカムに及ぼすABCB1遺伝子多型およびCYP2C19遺伝子変異の影響を評価した。また、健常者を対象に、これらの薬剤の薬力学/薬物動態学的(PK/PD)特性に及ぼす遺伝子型の影響について検討した。TRITON-TIMI 38試験で経皮的インターベンションを施行され、クロピドグレル(1,471例)あるいはprasugrel(1,461例)による治療を受けた急性冠症候群(ACS)患者2,932例についてABCB1遺伝子型の解析を行った。ABCB1遺伝子の3435C→T多型と治療15ヵ月までの効果に関する主要エンドポイント(心血管死、心筋梗塞、脳卒中)の発現率の関連を解析し、ABCB1遺伝子3435C→T多型とCYP2C19機能低下型対立遺伝子の複合的な影響について評価した。さらに、他の7試験に参加した健常者321人の遺伝子型を解析し、遺伝子変異と最大血小板凝集率の関連および薬剤の活性代謝産物の血漿濃度を測定した。約半数が、クロピドグレル治療中に心血管系の有害事象の発現リスクが高いクロピドグレル群のうち、ABCB1遺伝子3435C→T多型の患者は心血管死、心筋梗塞、脳卒中のリスクが有意に高かった(p=0.0064)。Kaplan-Meier 法で算出した主要エンドポイントのイベント発生率は、3435C→T多型がTTホモ接合体の患者が12.9%(52/414例)と、3435CT/CCの患者の7.8%(80/1,057例)に比べリスクが有意に高かった(ハザード比:1.72、95%信頼区間:1.22~2.44、p=0.002)。ABCB1遺伝子3435C→T多型かつCYP2C19遺伝子のキャリアであることは、主要エンドポイント発現の独立の予測因子であり、クロピドグレルを投与されたCYP2C19機能低下型対立遺伝子、ABCB1遺伝子3435TTホモ接合体あるいはその両方を持つ患者1,454例のうち681例(47%)においてリスクが有意に上昇していた(ハザード比:1.97、95%信頼区間:1.38~2.82、p=0.0002)。健常者の検討では、3435TTホモ接合体の者は3435CT/CCの者に比べクロピドグレル投与による最大血小板凝集率の絶対低下率が7.3%劣っていた(p=0.0127)。prasugrelを投与されたACS患者および健常者では、ABCB1遺伝子型と臨床的および薬理学的なアウトカムに有意な相関は認めなかった。著者は、「ABCB1遺伝子3435TTホモ接合体を持つ者は抗血小板能が低下しており、クロピドグレル治療中の虚血イベントの再発リスクが高い」と結論し、「ABCB1遺伝子およびCYP2C19遺伝子の双方を考慮すると、経皮的インターベンションを施行されたACS患者の約半数は、標準用量のクロピドグレル治療中に心血管系の重篤な有害事象を発現するリスクの高い遺伝子型を有すると考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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ACSに対するticagrelor、遺伝子型を問わずクロピドグレルよりも有効:PLATO試験サブ解析

急性冠症候群(ACS)患者の抗血栓療法では、CYP2C19遺伝子およびABCB1遺伝子の遺伝子型にかかわらず、ticagrelorがクロピドグレル(商品名:プラビックス)よりも有効なことが、スウェーデン・ウプサラ大学のLars Wallentin氏らが行ったPLATO試験の遺伝子解析で明らかとなった。本試験では、ticagrelorの高い効果とともに冠動脈バイパス術(CABG)非施行例では大出血が増加することが確認されている。一方、CYP2C19遺伝子、ABCB1遺伝子の遺伝子型がクロピドグレルの効果に影響を及ぼすことが知られているが、ticagrelorのアウトカムへの影響は解明されていなかった。Lancet誌2010年10月16日号(オンライン版2010年8月29日号)掲載の報告。遺伝子型と治療アウトカムの関連を評価PLATO試験の研究グループは、ACS患者のCYP2C19遺伝子およびABCB1遺伝子の遺伝子型が、ticagrelorとクロピドグレルのアウトカムの差や各治療群内のアウトカムの違いに及ぼす影響を検討するサブ解析を行った。PLATO試験に参加したACS患者から得られたDNAサンプルを用いて、CYP2C19機能喪失型対立遺伝子(*2、*3、*4、*5、*6、*7、*8)、機能亢進型対立遺伝子*17およびABCB1遺伝子の一塩基多型(SNP)3435C→Tの解析を行った。CYP2C19遺伝子型は機能喪失型対立遺伝子の有無で、ABCB1遺伝子型は予測される遺伝子発現の程度(高発現、中発現、低発現)で層別化した。効果に関する主要評価項目は、最長12ヵ月のticagrelorおよびクロピドグレル治療後の心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合エンドポイントとした。ticagrelorを使用すれば事前の遺伝子検査は不要に遺伝子解析には1万285例がサンプルを提供した。主要評価項目の発現率は、CYP2C19遺伝子型の有無にかかわらずticagrelor群がクロピドグレル群よりも低かった。すなわち、いずれかの機能喪失型対立遺伝子を有する患者の主要評価項目発現率はticagrelor群8.6%、クロピドグレル群11.2%(ハザード比:0.77、95%信頼区間:0.60~0.99、p=0.0380)、機能喪失型対立遺伝子を持たない場合はそれぞれ8.8%、10.0%(同:0.86、0.74~1.01、p=0.0608)であった(相互作用のp値=0.46)。ABCB1遺伝子についても、主要評価項目の発現率はすべての遺伝子型でticagrelor群がクロピドグレル群よりも低かった(高発現群との相互作用のp値=0.39、8.8% vs. 11.9%、ハザード比:0.71、95%信頼区間:0.55~0.92)。クロピドグレル群では、治療30日の主要評価項目の発現率はいずれかのCYP2C19機能喪失型対立遺伝子を有する患者が、どの機能喪失型対立遺伝子も持たない患者に比べて高く(5.7% vs. 3.8%、p=0.028)、機能喪失型対立遺伝子を持つ患者のイベント発現率は、治療早期からticagrelor群がクロピドグレル群よりも大差をもって低かった。CYP2C19機能亢進型対立遺伝子を有するクロピドグレル群の患者は、これを持たない患者や機能喪失型対立遺伝子を持つ患者に比べ、大出血の頻度が有意に高かった(11.9% vs. 9.5%、p=0.022)が、薬剤の種類と個々の遺伝子型の相互作用による大出血の程度には差を認めなかった。著者は、「ACS患者の抗血栓療法では、CYP2C19遺伝子およびABCB1遺伝子の遺伝子型にかかわらず、ticagrelorがクロピドグレルよりも有効なことが示された」と結論し、「クロピドグレルの代わりにticagrelorを使用すれば、現在の2剤併用抗血小板療法の前に行うことを推奨されている遺伝子検査は不要となる」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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CABG周術期の輸血実施率、病院間で85%差以上と大幅なバラつき:米国

米国で冠動脈バイパス術(CABG)の術中・術後の輸血率は、医療機関によって85%差以上の大幅な格差があることが明らかになった。またその原因が、患者の年齢、性別、症状の程度といったケース・ミックスにあると説明できるのは、約2割程度だったという。周術期の輸血はコスト高の割に安全面に不安があり、実施を減らそうとの動きがある。しかし実施の現状については明らかになっていなかった。そこで米国Duke大学医療センター周術期臨床研究部門のElliott Bennett-Guerrero氏らが、10万人超のCABGを実施した患者について観察コホート試験を実行。JAMA誌2010年10月13日号で発表した。米国内798ヵ所、10万2,470人についてCABG周術期輸血率を調査研究グループは、2008年に全米798ヵ所の医療機関で、一つの血管に対する初回CABGを受けた人10万2,470人について調査を行った。主要評価項目は、術中・術後の赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸血、血小板輸血のいずれかの実施率だった。被験者のデータは、Society of Thoracic Surgeons Adult Cardiac Surgeryデータベースに集積した。赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸血、血小板輸血いずれの実施率も大幅格差結果、2008年に人工心肺使用心停止下CABGを100回以上実施した408施設における、合わせて8万2,446人について見てみたところ、赤血球輸血実施率は7.8~92.8%、新鮮凍結血漿輸血率は0~97.5%、血小板輸血率は0.4~90.4%だった。被験者全体について多変量解析を行った結果、患者個人のリスク補正後、輸血率は医療施設の場所(p=0.007)、教育病院か否か(p=0.03)、病院規模(p

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がんスクリーニング、進行がん患者へのベネフィットは疑問なのに相当割合で続行

がんスクリーニングがルーチンのプライマリ・ケアに組み込まれているが、余命が限られている進行がん患者に対してはベネフィットに疑問があるものの、相当割合で実施されていることが調査により明らかになった。米国Sloan-Kettering記念がんセンターのCamelia S. Sima氏らが、約9万人の進行がん患者と、その対照群について調べた結果によるもので、JAMA誌2010年10月13日号で発表した。進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がん患者と対照群を追跡同氏らは、1998~2005年にかけて、米国高齢者向け公的医療保険メディケアの65歳以上加入者で、進行期の肺・大腸・膵臓・胃食道・乳がんのいずれかと診断された8万7,736人について追跡調査を行った。対照群として、メディケア加入者でがんの診断を受けていない、年齢や性別、人種などをマッチングした8万7,307人を抽出し追跡した。追跡期間は、2007年末または患者が死亡するまでのいずれかの早い方とした。がん診断前にスクリーニング歴ある人の方が継続して受けている割合が高い結果、女性被験者で、追跡期間中に1回以上のマンモグラフィを受けた人は、進行がん群8.9%、対照群22.0%だった。子宮頸がん検査の実施率はそれぞれ、5.8%と12.5%だった。男性被験者で、前立腺特異抗原(PSA)検査を受けたのは、進行がん群15.0%、対照群27.2%だった。男性・女性被験者で、下部消化管内視鏡検査の実施率は、進行がん群1.7%、対照群4.7%だった。また、実施率は、進行がんの診断を受ける以前12~24ヵ月の間に、同種のがんスクリーニング歴のある人の方がない人より高かった。ある人とない人のマンモグラフィ実施率は16.2%対5.7%、子宮頸がん検査は14.7%対4.0%、PSA試験は23.3%対10.3%、下部消化管内視鏡検査は6.1%対1.5%だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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ショ糖は、痛みを伴う処置を受ける新生児の疼痛緩和に有効か

ショ糖の経口投与は、痛みを伴う処置を受けた新生児の脳および脊髄の侵害反射回路の反応に影響を及ぼさず、鎮痛薬としては有効ではないことが、イギリス・オックスフォード大学のRebeccah Slater氏らが行った無作為化試験で示唆された。多くの新生児が、繰り返し施行される侵襲的処置を受けるために入院するが、これらの処置による疼痛が神経発達に及ぼす短期的、長期的な有害作用のエビデンスが蓄積されている。ショ糖の行動的および生理的な疼痛スコアの改善効果を根拠に、新生児の処置痛の軽減にその経口投与が推奨されているが、これらの疼痛スコアの改善は必ずしも新生児の疼痛除去に関連しない可能性があるという。Lancet誌2010年10月9日号(オンライン版2010年9月1日号)掲載の報告。ショ糖と滅菌水で、脳、脊髄の疼痛反応を比較研究グループは、新生児に対する痛みを伴う処置がもたらす脳および脊髄の疼痛反応を、ショ糖の経口投与が軽減するか否かを検討する二重盲検無作為化対照比較試験を行った。2009年2月~2010年3月までに、ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ病院で誕生した新生児59人が登録された。これらの新生児が、痛みを伴う処置として、臨床的に必要とされる血液サンプルの採取を目的に踵を穿刺された。この処置に先立ち、新生児は、24%ショ糖液0.5mLあるいは滅菌水0.5mLを1mL注射器で舌前面に直接に滴下する群のいずれかに無作為に割り付けられた。研究者、担当医、両親には投与された溶液の情報は知らされなかった。主要評価項目は、1回の穿刺で引き起こされた脳の疼痛反応(脳波検査のデータを記録し、主成分分析で判定)とし、副次評価項目は行動的(顔の表情の変化など)、生理的(脳波、パルス酸素濃度測定など)指標や観察的疼痛スコア[新生児の疼痛評価の指標である未熟児疼痛プロファイル(PIPP)]による評価、および脊髄侵害反射離脱反応とした。観察的疼痛スコアは改善したが、脳、脊髄の疼痛反応に差はないショ糖群に29人が、滅菌水群は30人の新生児が割り付けられ、主要評価項目の解析はそれぞれ20人、24人で可能であった。穿刺後の脳の疼痛反応の平均値は、ショ糖群が0.10(95%信頼区間:0.04~0.16)、滅菌水群は0.08(同:0.04~0.12)であり、両群間に差を認めなかった(p=0.46)。刺激を受けた足の大腿二頭筋から得られた脊髄侵害反射離脱の程度および反応潜時には、両群間で有意な差はみられなかった。平均PIPPスコアは、ショ糖群が5.8(95%信頼区間:3.7~7.8)と、滅菌水群の8.5(同:7.3~9.8)に比べ有意に低く(p=0.02)、投与後に表情の変化がみられない新生児の割合もショ糖群で多かった[35%(7/20人)vs. 0%(0/24人)、p<0.0001]。著者は、「これらのデータは、ショ糖の経口投与は新生児の脳および脊髄の侵害反射回路の反応には影響を及ぼさないことを示唆するため、鎮痛薬としては有効でない可能性がある」と結論し、「ショ糖の投与により、痛みを伴う処置後の新生児の臨床的な観察的疼痛スコアが改善されても、それを疼痛の除去と解釈すべきではない」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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新規抗がん剤cabazitaxel、進行性前立腺がん患者の全生存率を延長

ドセタキセル(商品名:タキソテール)ベースの治療後も病勢が進行した、転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者に対し、cabazitaxel+プレドニゾン併用療法が、ミトキサントロン(商品名:ノバントロン)+プレドニゾン併用療法に比べ、有意に全生存率を改善したことが、オープンラベル無作為化第III相試験「TROPIC」の結果、報告された。イギリス・王立マースデンNHSトラストがん研究所のJohann Sebastian de Bono氏らによる。cabazitaxelは、ドセタキセル治療後も病勢が進行した症例で抗腫瘍活性が認められた、タキサン系の新規開発薬である。Lancet誌2010年10月2日号掲載より。経口プレドニゾン+cabazitaxel群または+ミトキサントロン群に無作為化試験は、ドセタキセル治療後も病勢が進行した転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者における、cabazitaxel+プレドニゾン併用療法とミトキサントロン+プレドニゾン併用療法との、有効性および安全性を比較検討することを目的に行われた。26ヵ国146施設から登録された被験者755例は全員、経口プレドニゾン10mg/日を投与されるとともに、無作為に3週ごとに、cabazitaxel 25 mg/m2を静注(1時間かけて)投与される群(378例)かミトキサントロン12mg/m2を静注(15~30分かけて)投与される群(377例)に割り付けられた。無作為割付はコンピュータで行われ、患者と治療者は割り付け治療をマスキングされなかったが、解析を行った試験チームに対してはデータがマスキングされた。主要エンドポイントは全生存率、副次エンドポイントは無増悪生存期間と安全性で、intention-to-treat解析にて検討が行われた。cabazitaxel群の死亡リスク、ミトキサントロン群に比べ30%低下解析データ受付が締め切られた2009年9月25日時点で、生存期間の中央値は、cabazitaxel群が15.1ヵ月(95%信頼区間:14.1~16.3)、ミトキサントロン群が12.7ヵ月(同:11.6~13.7)で、cabazitaxel群の死亡リスクはミトキサントロン群に比べ30%低下した(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.59~0.83、p<0.0001)。無増悪生存期間の中央値は、cabazitaxel群が2.8ヵ月(同:2.4~3.0)、ミトキサントロン群が1.4ヵ月(同:1.4~1.7)だった(ミトキサントロン群のcabazitaxel群に対するハザード比:0.74、0.64~0.86、p<0.0001)。最も一般的にみられたグレード3以上の有意な臨床有害事象は、好中球減少[cabazitaxel群303例(82%)vsミトキサントロン群215例(58%)]、下痢[同:23例(6%)vs1例(1%)]で、発熱性好中球減少はcabazitaxel群では28例(8%)、ミトキサントロン群では5例(1%未満)だった。試験グループは、「cabazitaxel+プレドニゾン併用療法は、ドセタキセル治療後も病勢が進行した転移性ホルモン治療抵抗性前立腺がん患者に対し、臨床的に有力な抗腫瘍活性を有し全生存率を改善した」と結論している。

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CA125濃度上昇を指標とした再発卵巣がんへの早期治療介入にベネフィット認められず

CA125濃度上昇を指標とした再発卵巣がんへの早期治療介入に、生存期間延長の効果は認められなかったことが、イギリス・マウントバーノンがんセンターのGordon J S Rustin氏らMRC OV05/EORTC 55955共同研究グループによる無作為化対照試験の結果、報告された。卵巣がんでは再発症状が認められる数ヵ月前に、CA125濃度の上昇がよくみられることから、研究グループは、これを指標とした早期治療介入が、再発症状の発現を基点に治療を開始することよりも有益であることを立証することを目的に試験を行った。Lancet誌2010年10月2日号掲載より。CA125濃度が標準値2倍超時点で被験者を早期治療群か治療遅延群に無作為化試験には、プラチナ製剤ベースのファーストライン治療後に完全寛解が認められ、CA125濃度が標準値だった女性1,442例が登録された。登録後、3ヵ月ごとに臨床検査とCA125測定が行われ、測定値が被験者および試験研究者にはマスキングされる一方、コーディングセンターでモニタリングされ、CA125濃度が標準値の2倍超となった場合、被験者は早期に化学療法を受ける群か症状発現まで遅延し化学療法を受ける群かに1対1の割合で無作為に割り付けられた。患者と試験協力施設には、早期に化学療法を受ける場合は知らせがあり、CA125濃度2倍超上昇が認められてから28日以内に治療が開始された。なお被験者は全員、標準治療を受けた。主要エンドポイントは全生存率で、intention-to-treat解析にて検討が行われた。治療を遅延した群の方が生存期間長期に無作為化されたのは529例(早期治療群265例、治療遅延群264例)、無作為化後の追跡期間中央値は56.9ヵ月(IQR:37.4~81.8)だった。その間の死亡は370例で、内訳は早期治療群186例、治療遅延群184例で、全生存率について両群間に差異があることは立証されなかった(ハザード比:0.98、95%信頼区間:0.80~1.20、P=0.85)。無作為化後の生存期間の中央値は、早期治療群が25.7ヵ月(95%信頼区間:23.0~27.9)、治療遅延群は27.1ヵ月(同:22.8~30.9)だった。

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講師 斎藤充先生の答え

ビスフォスフォネートの耐性獲得についてこの度は突然の御質問、恐縮です。骨塩定量でYAMの80%ぎりぎりで、現状はまだ椎体骨折の所見もなく、ただ、家族歴で円背のひどい母を持つ、60歳前後の女性に対してのビスフォスフォネート投与の是非についてご教授頂ければと存じます。現在は家族歴をそれ程重視する事無く、YAMと圧迫骨折像が全ての様にされていますが、種々の患者さんを診ていると、やはり背中の曲がった母を持つ女性は徐々に円背が出現するように感じています。その様な患者さんの場合、ビスフォスフォネートを処方して円背の予防に努めるべきか(円背によるADL低下、逆流性食道炎、将来の誤嚥の増加など、円背も頚部骨折と同じ位大事な病態と思っております)、円背が出現してからの治療介入とすべきか、またはカルシウム製剤+Vit.K製剤でお茶を濁すか、悩ましく思っておりました。最近、ビスフォスフォネート製剤の耐性が数年で出る、とのデータもあり、余計に予防的介入は悩ましいところです。とりとめのない御質問で申し訳御座いません、よろしくお願い致します。家族歴は重要です.ビスフォスフォネート剤の耐性が数年で出るというのは,骨密度の上昇は数年で頭打ちになるということかと思いますが,骨折防止効果は,例えBMD上昇が頭打ちとなっても継続されます.投与中止により,時間依存性に骨リモデリングは亢進し,骨折リスクが上昇します.骨吸収マーカーの高値は,将来の骨密度低下,骨折リスク上昇の危険因子ですので,この患者さんの吸収マーカーの高値があれば,BP剤でも良いと思います.しかし,椎体骨折防止効果は,ラロキシフェンにもエビデンスがありますので,椎体骨折の防止をエンドポイントに考えるのであればラロキシフェンでも良いと思います. 透析患者にも当てはまるでしょうか腎性骨異栄養症を有する透析患者にも骨質マーカーの概念は当てはまるでしょうか。 当てはまります.CKD stageが上がるほど,酸化ストレスが上昇し,AGEs(Advanced glycation end products)の産生が亢進します.ホモシステインも上昇します.骨折リスクとリンクします.ストレス骨折と骨質マーカー骨質マーカー、はじめて知りました。素晴しい記事ありがとうございます。骨粗鬆症の治療といえば、ビスフォスフォネート系が有効と思っていたら、最近、逆に骨折がおきることもある(ストレス骨折?)とききました。骨質マーカーから、ビスフォスフォネートを投与したほうがメリット大の場合と、投与しない方がよい場合、といった判断はできるのでしょうか?この点は,十分なエビデンスはありませんが,我々の経験した症例では,治療開始時の骨質マーカーが高値でした.もともと骨質劣化が強い方は,BP剤による代謝抑制により,古いコラーゲンが蓄積が上乗せされて骨が脆弱になる可能性はロジカルにはあり得ると思います.健診で骨密度がひっかかった場合次にスクリーニングする場合、骨吸収マーカー、形成マーカー、ホモシステイン、ペントシジンは必須項目でしょうか?ホモシステイン、ペントシジンの基準値の目安はありますでしょうか?骨質改善で効果のある種々の薬のランク付けはどうなっていますか?よろしくお願いします。骨折リスクとしての値の目安ですが,ホモシステイン>15(高ホモシステイン血症などの病名でしか保険適応ありません).血中ペントシジン>0.05(腎機能低下の病名でしか保険適応がありません)です.骨質劣化(骨コラーゲンのAGEs悪玉架橋ペントシジン増加型)には,抗酸化作用,ホモシステイン低下作用のあるラロキシフェンなどが良い適応です.また,PTH製剤テリパラチドは,骨量,骨質を同時に改善する薬剤です.これらは,2010年のOsteoporosis Internationalに2つの論文で報告してます.慢性腎不全での骨質マーカーについて血液透析患者での骨粗鬆症はよく知られた事実で骨密度については多くの報告があります。しかし、骨質マーカーについて余りなく先生の言われるトータルでの骨評価をしたく考えています。ホモシステインやペントシジンの濃度測定のみで評価できるのでしょうか。また、全く別の話題として副甲状腺ホルモンのない環境下(副甲状腺摘出後)での骨生成に関して(骨生検では明らかにされている)その機序を考える上で何かsuggestionがあればご教授下さい。当てはまります.CKD stageが上がるほど,酸化ストレスが上昇し,AGEs(Advanced glycation end products)の産生が亢進します.ホモシステインも上昇します.骨折リスクとリンクすることは良くご存知かと思います.腎不全症例(2PTH),CKD stage2~4までのヒト骨生検の結果では,腎機能低下の程度に依存して,骨質劣化(酵素依存性の善玉架橋の低下,AGEs架橋の過形成)が生じていました.(論文revise中)PTHの高低に関わらず骨コラーゲン中のAGEs架橋の過形成は共通した所見です.これは,代謝回転に関係なく,生まれたばかりのコラーゲンでも,高酸化ストレス,高カルボニルストレス環境にさらされて,あっという間にAGEs化が起こると考えられます.骨の評価したが、治療で薬が多すぎ骨代謝に興味もっていますが、マーカーや薬が臨床で使えるようになって、逆にこまっています。3つの型に分けるのはいいとしても、骨粗鬆の薬物が多すぎで3-5種類ものませなければいけない場合があり、骨折予防として大量の薬が必要なのか、疑問です。ターゲットをしぼった治療はできないでしょうか。骨折が予知される患者群、効果が確信できる群は明確にわかるのでしょうか。 ビスフォスフォネートであれ,ラロキシフェンであれ,ひとまず1年投与すれば,骨折防止効果は,単剤でも50%発現します.めんどうであれば,これらのみの投与を先ず行って頂ければ良いと思います.その後,患者さん毎に,骨密度が増えても新規骨折をおこすなど,多様な患者集団に対応することを考えていくのが良いと個人的には思っています.英語論文の作成ノウハウについて世界に通じる成果を挙げていらっしゃるのに、海外留学のご経験がないことに驚きました。私も海外留学の経験はなく、英語も苦手です。しかし上を目指す以上は英語論文を書く必要があり困っています。先生も最初はご苦労されたと思いますが、その中で得たノウハウというかTipsのようなものがあれば是非参考にさせて欲しいです。会話の英語と,論文英語は異なります.英語論文を読んでいると同じような言い回しがたくさん出ているのに気が付かれると思います.自分で2-3本英文を書くと,そのパターンが見えてきます.そうなると,しめたもので,相手の質問の内容さえ聞き取れれば,英語論文で出てくるような言い回しで,答えていけます.海外の研究者は例えたどたどしい英語でも,そんなことは気にしません.ヒアリングを鍛えることが大事です.慈恵大での研修について慈恵に在学中の学生です。スポーツ・ウェルネスクリニックに興味があり、そこで整形外科医としてやっていきたいと考えているところです。差し支えなければ、斎藤先生が感じる、慈恵の整形外科の良いところ悪いところ、これから改善していかないといけないと思ってらっしゃることを教えていただけないでしょうか?話すと長くなるので,いつでも,私のラボに訪ねてきて下さい,いつでもお話します.超きさくですので,遠慮無くどうぞ.私なりに考える慈恵整形のあるべき姿を,先生のようなパッションのある若手と造り上げたいと思っていますので,おいで下さい,勧誘ではありません.整形外科に限らず全科に共通して言えることですので,語り合いましょう.学外からの選択実習について記事と関係ない質問で申し訳ないのですが、慈恵さんのホームページに「夏休みなどを利用して、選択実習期間外で数日間の実習や一日だけの見学を行うのも大歓迎」とあります。具体的にどのような実習を行えるのでしょうか?またはこれまでどのような実習を行ってきたのでしょうか?数日という短い期間でどのようなことを経験できのか大変興味があります。宜しくお願いします。外来,病棟,手術の助手など,実地の病院臨床に短期間でも濃密に経験してもらいます.またスポーツ整形外科を希望されるかたは,スポーツウェルネスクリニックを中心に回ることもできます.ご本人の希望を重視して,決めることにしています.超アットホームですので,是非,ホームページにある医局長,鈴木先生,もしくは私に連絡下さい.詳しく説明します.1日の見学の学生さんもいますし,数日の方も多くいらっしゃいます.AGEs蓄積による骨質低下に関してはじめまして。AGEsの生成抑制(抗糖化)に関心がある外科医師です。先生は以前、ためしてガッテンやたけしの家庭の医学で、ペントシジンによるコラーゲンの悪玉架橋をご紹介になられました。ペントシジンの測定は血液を用いて行われていると存じますが、蛍光性を有する物質ですので、皮膚のAGEsを紫外線励起によって測定するAGE Readerという機器で皮膚AGEsを測定した場合にも、その値が高値を呈する場合は「骨質劣化」のリスクが高いと考えてよろしいでしょうか?よろしくご教授下さい。すでに整形外科手術症例,150名から,皮膚,骨,靭帯,血液,尿を手術時に同時に採取し,ペントシジン測定とSkin AGEsリーダーによる測定を行い,生体内の相関性を学会報告し,論文作成しています.詳しいデータはお話できませんが,先生のおっしゃる通りと思います. 総括多くのご質問を頂きありがとうございます.これまで,長い研究生活で質問を無数に受けてきました.質問は私を育ててくれました.「私のプレゼンでは,これも伝えられていなかったのか...」と反省し,次回のプレゼンには改善するようにしています.このため私の講演などは,同じスライドをいつもだらだら話すことはしません.講師 斎藤充先生「骨粗鬆症治療「50%の壁」を打破する「骨質マーカー」」

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抗精神病薬は静脈血栓塞栓症リスクを増大

抗精神病薬の中には静脈血栓塞栓症リスクを高めるものがあることが知られているが、新しいタイプの非定型抗精神病薬についてのリスクは明らかになっていない。イギリス・ハックネル医療センターのChris Parker氏らの研究グループが、大規模なプライマリ・ケア集団ベースで、抗精神病薬と静脈血栓塞栓症リスク増加との関連を評価するとともに、抗精神病薬の種類、効力、投与量との関連を調査した結果、リスク関連が認められ、リスク増加は、新規服薬者、非定型抗精神病薬服用者で特徴的だったと報告した。BMJ誌2010年9月25日(オンライン版2010年9月21日号)掲載より。2万5,532例を対象に症例対照研究を実施Parker氏らは、イギリスの「UK QResearch primary care database」を利用し、抗精神病薬と静脈血栓塞栓症との関連について、ネステッド・ケースコントロール研究を行った。対象となったのは、1996年1月1日~2007年7月1日に初発の静脈血栓塞栓症の記録があった患者(症例群)で、年齢、病歴、性、治療内容により1:4でマッチングを図った対照群とで検討した。症例群の適格症例は2万5,532例(深部静脈血栓症15,975例、肺動脈塞栓症9,557例)、対照群はスタディ母集団726万7,673例から8万9,491例が同定された。主要評価項目は、共存症(併用薬に伴う症状)補正後の、抗精神病薬の静脈血栓塞栓症に対するオッズ比とした。3ヵ月以内新規服薬者のリスクは約2倍に試験前24ヵ月以内に抗精神病薬を処方された人は、可能性があるリスク因子補正にもかかわらず、静脈血栓塞栓症のリスクが非服用者より32%高かった(オッズ比:1.32、95%信頼区間:1.23~1.42)。また、試験前3ヵ月に新たに処方された患者は、リスクが約2倍だった(同:1.97、1.66~2.33)。薬剤の種類別にみた結果は、非定型タイプのリスクが、従来タイプよりも、より大きかった。非定型タイプの補正オッズ比は1.73(95%信頼区間:1.37~2.17)、従来タイプは同1.28(1.18~1.38)だった。効力の違いでは、低いタイプの方が、強いタイプのものよりもリスクが大きい傾向が認められた。オッズ比は、低いタイプが1.99(1.52~2.62)、高いタイプが1.28(1.18~1.38)だった。1年以上治療を続けた患者1万例につき静脈血栓塞栓症の余剰症例数は全年齢を通して4例(95%信頼区間:3~5)、65歳以上で10例(7~13)と推定された。これらの結果から研究グループは、「抗精神病薬服用と静脈血栓塞栓症リスクとの関連が大規模なプライマリ・ケア集団で確認できた。また、リスク増加は『新規服薬者』『非定型抗精神病薬を処方された患者』で特徴づけられた」と結論している。

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下肢表在性静脈血栓症にフォンダパリヌクスが有効

深部静脈血栓症や肺動脈塞栓症を併発していない、急性の症候性下肢表在性静脈血栓症患者への、抗凝固薬治療の有効性と安全性は確立していない。フランスINSERMのHerve Decousus氏ら研究グループは、フォンダパリヌクス(商品名:アリクストラ)の有効性と安全性について、約3,000例を対象とするプラセボ対照無作為化二重盲検試験「CALISTO」を行った。結果、1日1回2.5mg、45日間投与の有効性および安全性が認められたと報告している。NEJM誌2010年9月23日号より。3,002例をフォンダパリヌクス群とプラセボ群に無作為に割り付けCALISTO(Comparison of Arixtra in Lower Limb Superficial Vein Thrombosis with Placebo)試験では、3,002例の患者(18歳以上、所見5cm以上)を対象に、フォンダパリヌクス2.5mgを1日1回皮下注、もしくはプラセボを、45日間投与するよう無作為に割り付け行われた。主要有効性アウトカムは、47日時点での複合アウトカム(全死因死亡・症候性肺動脈塞栓症・症候性深部静脈血栓症・症候性大伏在静脈-大腿静脈接合部への進展・症候性表在性静脈血栓症の再発)で、また主要な安全性アウトカムは、大出血とし検討された。被験者は、77日目まで追跡された。死亡率以外はフォンダパリヌクス群で有意に減少主要有効性アウトカムの発生は、フォンダパリヌクス群(1,502例)13例(0.9%)、プラセボ群(1500例)88例(5.9%)で、フォンダパリヌクス群の相対リスク減少率は85%(95%信頼区間:74~92、P

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経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)、全死因死亡率が有意に減少

大動脈弁置換術が適応とされない、重度大動脈弁狭窄症および合併症を有する患者に対する、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の、従来標準治療との転帰を比較した多施設共同無作為化比較試験「PARTNER」の結果、TAVI群の方が重大な脳卒中、重大な血管イベントの高率の発生にもかかわらず、全死因死亡率、複合エンドポイント(全死因死亡率・再入院率)が有意に低かったことが、NEJMオンライン版2010年9月22日号で発表された。報告は、米国コロンビア大学メディカルセンターのMartin B. Leon氏らによる。TAVIは、2002年に第1例が行われて以降、ハイリスクの大動脈弁狭窄症患者に対し、低侵襲医療をもたらす治療として注目されている。358例の重度大動脈弁狭窄症患者をTAVI群か標準治療群に無作為化TAVIで用いられるデバイスは、ウシ心嚢膜弁とバルーン拡張可能なステンレスフレームから成るデバイス「Edwards SAPIEN heart-valve system」。PARTNER(Placement of Aortic Transcatheter Valves)試験は、21施設(うち米国17施設)から358例の、手術不適応とみなされた重度大動脈弁狭窄症患者を登録し行われ、TAVI群(179例)もしくは標準治療(バルーン大動脈弁形成術を含む)群(179例)に無作為化し、全死因死亡率を主要エンドポイントに追跡された。1年時点の全死因死亡率のTAVI群ハザード比は0.55結果、1年時点の全死因死亡率(Kaplan-Meier解析による)は、TAVI群が30.7%、標準治療群50.7%で、TAVI群のハザード比は0.55(95%信頼区間:0.40~0.74、P<0.001)だった。複合エンドポイント(全死因死亡率・再入院率)の発生は、TAVI群が42.5%、標準治療群71.6%で、同ハザード比は0.46(同:0.35~0.59、P<0.001)だった。1年時点の生存者で、心症状(NYHA分類IIIまたはIV)を呈した患者の割合は、標準治療群に比べてTAVI群で有意に低かった(25.2%対58.0%、P<0.001)。一方30日時点で、TAVI群の方が標準治療群に比べて、重大脳卒中(5.0%対1.1%、P=0.06)、重大血管イベント(16.2%対1.1%、P<0.001)について高率の発生が認められた。なお1年時点までTAVI群において生体弁機能(心エコーで狭窄症または弁閉鎖不全を評価)悪化は認められなかった。(武藤まき:医療ライター)

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外来で心血管イベントハイリスク患者を見抜くには?:REACH試験

外来で様々な初期徴候を示す安定したアテローム血栓症患者のうち、心血管イベント発生リスクは、糖尿病があると約1.4倍、前年に虚血イベントがあった場合には約1.7倍に増大することが明らかにされた。多血管病(polyvascular disease)がある場合には、同リスクは約2倍になるという。米国VA Boston Healthcare SystemのDeepak L. Bhatt氏らが、臨床所見からハイリスク群を特定する簡便な方法について検討するため行った、約4万5,000人を4年間追跡した「Reduction of Atherothrombosis for Continued Health」(REACH)試験の結果、明らかにされたもので、JAMA誌2010年9月22/29日号で発表した。心血管イベント発生は5,481人REACHでは、2003~2004年にかけて、29ヵ国、3,647ヵ所の医療機関を通じて、冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患、アテローム血栓症の複数のリスク因子を持つ患者、合わせて4万5,227人について試験を開始し、2008年(最終データは2009年4月)まで4年にわたる追跡が行われた。主要評価項目は、心血管疾患死、心筋梗塞、脳卒中のいずれかだった。その結果、追跡期間中にいずれかのアウトカムに達した被験者は、5,481人だった。そのうち、心血管疾患死は2,315人、心筋梗塞は1,228人、脳卒中は1,898人で、40人は心筋梗塞と脳卒中を同日に発症した。心血管イベント発生ハザード、多血管病1.99、前年虚血イベント1.71、糖尿病1.44アテローム血栓症が認められた被験者のうち、同アウトカム発生リスクが最も高かったのは、試験開始時点で虚血イベントの既往歴があった人(2万1,890人)で、発生率は18.3%(95%信頼区間:17.4~19.1)だった。安定した冠動脈疾患、脳血管疾患、末梢動脈疾患の人(1万5,264人)は同発生リスクがより低く、12.2%(同:11.4~12.9)だった。また、アテローム血栓症は認められずリスク因子のみを有する人(8,073人)は同発生リスクが最も低く、9.1%(同:8.3~9.9)だった(それぞれの比較に関するp

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研修医時代の自己犠牲の思い出が、メーカーからの金品受理を寛容に

医師の、医薬品・医療機器業界からの金品受理に対する許容度は、研修医時代に費やした自己犠牲を思い出すと増大するという。この傾向は、自己犠牲について思い出させた上で、それが金品受理の根拠になるとの合理的理由を提示すると、さらに強まるという。米国Carnegie Mellon大学のSunita Sah氏らが、米国レジデント医約300人について行った無作為化比較対照試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2010年9月15日号で発表した。小児科医と家庭医のレジデントを3群に分け調査Sah氏らは、2009年3~7月にかけて、小児科と家庭医のレジデント医、合わせて301人を無作為に3群に分け、企業からの金品受理に関して調査を行った。一群には、研修医時代に払った自己犠牲を再確認してもらうような質問をした上で、企業からの金品受理に関する許容度の質問をした(自己犠牲群:120人)。別の一群には、同様に自己犠牲に関する質問をした上で、それが企業からの金品受理の合理的理由付けになると示唆する質問を行い、金品受理に関する許容度の質問をした(合理性群:121人)。さらに対照群として、企業からの金品受理に関する許容度の質問のみを行った(対照群:60人)。金品受理の寛容さ、自己犠牲再確認で1.8倍、合理性提示でさらに1.5倍にその結果、自己犠牲群では、企業からの金品を許容するとした医師の割合が47.5%(57人)と、対照群の21.7%(13人)に比べ有意に大きかった(オッズ比:1.81、95%信頼区間:1.27~2.58、p=0.001)。さらに金品受理の合理性を示した合理性群では、医師の多くが質問項目に示された合理性の理由には同意しなかったものの、自己犠牲群よりも金品を許容するとした割合は大きく、60.3%(73人)だった(自己犠牲群に対するオッズ比:1.45、同:1.22~1.72、p

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MCATスコアが低いほど、医師資格試験は初回不合格の確率大

米国で医学部を卒業しながら医師資格試験に初回受験で不合格である確率は、「MCAT(Medical College Admission Test)スコアが低い」「白人に比べ非白人の方が」「学費の借金が5万ドル以上ある」で、増大する傾向があるという。米国ワシントン大学のDorothy A. Andriole氏らが、医学部に入学した10万人弱について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2010年9月15日号で発表した。卒業生の88.7%が初回で医師試験に合格、成績理由で退学は入学生の1.2%Andriole氏らは、1994~1999年にかけて米国の医学部に入学した9万7,445人について、2009年3月まで、後ろ向きに追跡調査を行った。その結果、データが得られた8万4,018人(86.2%)のうち、医学部を卒業したのは、96.7%にあたる8万1,237人で、成績が理由で医学部を退学したのは1,049人(1.2%)、成績以外の理由による退学は1,732人(2.1%)だった。卒業生のうち、初回受験で米国医師資格試験(ステップ1・2)に合格したのは7万4,494人(88.7%)で、不合格は6,743人(8.0%)だった。MCATスコアが18~20だと、初回不合格の確率13倍、成績不振で退学の確率11倍米国医科大学入学のための共通テスト「MCAT」のスコアと、初回受験で米国医師資格試験に不合格となる補正後オッズ比についてみたところ、同スコアが18~20(被験者の2.9%)の群では、同スコア29超の群に比べ、補正後オッズ比は13.06(95%信頼区間:11.56~14.76)だった。また、同スコアが21~23(5.6%)の同オッズ比は7.52(同:6.79~8.33)、24~26(13.9%)の同オッズ比は4.27(同:3.92~4.65)だった。MCATスコアと、成績理由による退学との関係は、同スコアが18~20の群では、29超の群に比べ、補正後オッズ比が11.08であり、同スコアが21~23の同オッズ比は5.97、24~26の同オッズ比は3.56だった。人種別では、アジア・環太平洋人の、白人に対する初回受験で米国医師資格試験に不合格となる補正後オッズ比は2.15、成績理由による退学に関する補正後オッズ比は1.69だった。また医学部進学のための借金が5万ドル以上ある場合も、同補正後オッズ比はそれぞれ1.68、2.33と高かった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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葉物野菜を摂るほど2型糖尿病リスクは有意に低下

世界の糖尿病有病率は現在、6.4%と推定されており、なかでも新規2型糖尿病患者はこの20年間で激増しているという。糖尿病において食事は、重要かつ潜在的に修正可能なリスク因子とされ、これまで炭水化物や食物繊維の役割に関する研究はされてきたが、果物や野菜の摂取量と2型糖尿病発症率との因果関係は十分には解明されていなかった。そこで、英国レスター大学のPatrice Carter氏らの研究グループは、システマティックレビューとメタ解析を行い両者の因果関係について検討した。BMJ誌2010年9月11日号(オンライン版2010年8月19日号)より。果物、野菜、果物+野菜の摂取量と2型糖尿病の発症率Carter氏らは、Medline、Embase、CINAHL、British Nursing Index(BNI)、コクラン・ライブラリをデータソースとして、「糖尿病」「糖尿病前症(prediabetes)」「果物」「野菜」を用いて論文タイトルおよびキーワード検索を行い、専門家による見解と、関連する論文の参照リストが調べられた。本研究の対象となったのは、「果物」「野菜」「果物と野菜」の摂取量と2型糖尿病の発症率に関して行われた前向きコホート研究が選択された。結果、検索ヒットした3,446研究のうち6つが本研究に適格と判断された。葉物野菜の摂取量増加が2型糖尿病リスクを低下6つの研究のうちの4つは、葉物野菜の摂取に関して個別に結果(キャベツ、レタス、ほうれんそう別になど)を提供するものだった。研究グループは、「果物」「野菜」「果物と野菜」「葉物野菜」のそれぞれの多量摂取群と少量摂取群に着目し分析を行った。結果、「葉物野菜」について、多量群の方が少量群に比べて2型糖尿病リスクが14%低下する関連が示された(ハザード比:0.86、95%信頼区間0.77~0.97、P=0.01)。「果物」「野菜」「果物と野菜」の摂取量と2型糖尿病の発症率低下については、有意な関連は認められず、多量に摂取することの有益性も有意ではなかった。これらの結果から研究グループは、「葉物野菜の1日の摂取量の増加は2型糖尿病のリスクを有意に低下させることができる。さらなる検討が必要だ」と結論している。

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結核菌とリファンピシン耐性菌が短時間で検出可能に?

スイス・ジュネーブにあるInnovative New Diagnostics基金のCatharina C. Boehme氏らは、ヒト型結核菌(MTB)感染とリファンピシン(RIF)耐性の有無を同時に検出する自動分子検査機器「Xpert MTB/RIF」の性能について検証した結果、「未処理の喀痰からでも、最短で2時間以内に感度の高い検出結果が得られる」ことを報告した。NEJM誌2010年9月9日号(オンライン版2010年9月1日号)掲載より。世界的な結核の制圧は、特に薬剤耐性菌株の出現と、HIV感染患者において喀痰塗抹検査では時間がかかる上、診断精度も低いことによって進んでいない。結核による死亡率を低下させ、伝播を防ぐには一刻も早い検出が必須だが、感度の高い検出法は複雑でインフラ整備も必要なため、普及と効果の享受には限界があるとされている。1,730例の患者でMTB/RIF法と他の検査法を比較「Xpert MTB/RIF」は、喀痰を採取し専用カートリッジに入れ機器にセットする以外は、完全に自動化された検体処理システムである。研究グループは、「Xpert MTB/RIF」の性能を検討するため、薬剤感受性の菌株か多剤耐性菌株が疑われる1,730例の患者を被験者に評価を行った。適格患者はペルー、アゼルバイジャン、南アフリカとインドで集められ、被験者は各々三つの喀痰検体を提供した。二つの検体は検査前にN-アセチル-L-システインと水酸化ナトリウムで処理された上で、顕微鏡検査と固体・液体培養法、MTB/RIF法検査に用いられ、残りの一つの検体は未処理のまま顕微鏡検査とMTB/RIF法検査に使われた。未処理検体でも2時間以内に検査可能培養検査陽性患者において、1回の直接MTB/RIF検査で結核陽性と同定されたのは561例中551例(98.2%)で、陰性と同定されたのは171例中124例(72.5%)だった。結核ではないと同定したのは609例中604例で、検査の特異度は99.2%だった。喀痰塗抹陰性、培養検査陽性患者において、追加MTB/RIF検査2回目で感度が12.6ポイント、3回目で5.1ポイント、トータルで90.2%まで高まった。表現型薬物感受性検査と比較して、MTB/RIF検査は、リファンピシン耐性菌を有する患者205例のうち200例(97.6%)を正確に同定し、リファンピシン感受性菌を有する患者は514例中504例(98.1%)を正確に同定した。塩基配列決定は二つの症例を除いてMTB/RIF分析を支持した。(朝田哲明:医療ライター)

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sibutramine長期投与の心血管転帰:SCOUT試験

肥満治療薬として過去に日本でも上市が目指されたことのあるsibutramineの長期投与リスクに関する報告が、英国ロンドン大学のW. Philip T. James氏らSCOUT研究グループによって報告された。本報告は同薬の、心血管疾患を有する患者への長期投与を検討したもので、「非致死性心筋梗塞と非致死性脳卒中のリスクは増加したが、心血管死亡または全死因死亡は増加しなかった」と結論している。NEJM誌2010年9月2日号掲載より。6週間全例にsibutramine投与後、プラセボ対照化試験へSCOUT(Sibutramine Cardiovascular Outcomes)試験は、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、2003年1月~2009年3月にヨーロッパ、中南米、オーストラリアの16ヵ国298医療機関から被験者を募り行われた。55歳以上で心血管疾患の既往または2型糖尿病(もしくはその両方)を有する過体重・肥満被験者1万744例を登録し、心血管イベントリスクが高い被験者における心血管転帰を、体重管理に用いたsibutramineの有無別で評価した。導入期間の当初6週間は、全被験者がsibutramineを投与され、体重管理プログラムに参加した後、9,804例が二重盲検に移行し、sibutramine群(4,906例)、プラセボ群(4,898例)に無作為に割り付けられた。主要エンドポイントは、主要評価項目としたイベント(非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中、心停止後の救急蘇生または心血管死)の無作為化から初発までの期間とした。平均投与3.4年、非致死性イベントのリスクは増加したが死亡率での有意差は認められず平均投与期間は、3.4年だった。導入期間中の平均体重減少は2.6kgで、ランダム化後、被験者は、sibutramine群でさらなる減量(平均値、1.7kg)を達成し、維持した。平均血圧は両群で低下し、プラセボ群の方がsibutramine群より大きな減少を示した(平均差1.2/1.4mm Hg)。主要評価項目のイベントリスクは、プラセボ群の10.0%に対してsibutramine群は11.4%(ハザード比:1.16、95%信頼区間:1.03~1.31、P=0.02)だった。非致死性心筋梗塞の発生率は、sibutramine群4.1%、プラセボ群3.2%(ハザード比:1.28、95%信頼区間:1.04~1.57、P=0.02)、非致死性脳卒中の発生率は2.6%と1.9%(同:1.36、1.04~1.77、P=0.03)だった。ただし、心血管系および全死因死亡率の増加は認められなかった。(朝田哲明:医療ライター)

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降圧療法を強化してもCKD進行に影響は認められず:AASK試験

黒人CKD合併高血圧患者を対象に行われた、降圧療法の強化のCKD進展に対する影響を検討した試験の結果、130/80mmHg未満目標の強化血圧コントロールを行っても、腎疾患進行に与える影響は認められなかったことが報告された。ただし、基線での蛋白尿があるかないかで、効果に差がある可能性が示されたとも結論している。報告は、「AASK(African American Study of Kidney Disease and Hypertension)」共同研究グループによるもので、NEJM誌2010年9月2日号で掲載された。1,094例を130/80mmHg未満目標群か標準群かに無作為し追跡試験は、試験相(trial phase)期間に強化血圧コントロールか標準血圧コントロールを受けた1,094例のCKD合併高血圧の黒人患者を、無作為化し行われた。試験相(trial phase)期間を完了した被験者は、コホート相(cohort phase)への登録を促され、強化血圧コントロール群(130/80mmHg未満目標)か標準血圧コントロール群(140/90mmHg目標)に割り付けられ、血清クレアチニン値の倍増、末期腎不全診断、死亡を含むCKDの進行を主要臨床転帰とし追跡された。追跡期間は、8.8~12.2年にわたった。基線で蛋白/クレアチニン比が0.22超の患者にはベネフィットあり?試験相(trial phase)期間の被験者の平均血圧は、強化血圧コントロール群130/78mmHg、標準血圧コントロール群141/86mmHgだった。コホート相(cohort phase)期間の平均血圧は、強化血圧コントロール群131/78mmHg、標準血圧コントロール群134/78mmHgだった。両相の期間とも、群間で、主要臨床転帰リスクの有意差は認められなかった(強化血圧コントロール群のハザード比:0.91、P=0.27)。しかし、蛋白尿の基線値によって効果は異なり(相互作用のP=0.02)、蛋白/クレアチニン比が0.22超の患者にはベネフィットがある可能性が示された(ハザード比:0.73、P=0.01)。(武藤まき:医療ライター)

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遺伝子変異キャリアへの乳房切除術や卵管卵巣摘出術、がん発症・死亡率を大幅に減少

BRCA1遺伝子またはBRCA2遺伝子(以下、BRCA1/2遺伝子)変異キャリアに対する、がん発症リスク減少を目的とする乳房切除術の実施は乳がん発症を低下すること、同目的の卵管卵巣摘出術の実施は、卵巣がん、初発乳がん、全死亡、乳がん死亡、卵巣がん死亡のリスクを低下することが明らかにされた。米国ペンシルバニア大学医学部アブラムソンがんセンターのSusan M. Domchek氏らが、約2,500人のBRCA1/2遺伝子変異キャリアを対象に行った前向きコホート試験の結果明らかにしたもので、JAMA誌2010年9月1日号で発表した。乳房切除術群で乳がん発症はなし、非切除群では7%研究グループは、1974~2008年にかけて、ヨーロッパと北アメリカにある22ヵ所の臨床・研究遺伝子センターで、BRCA1/2遺伝子変異キャリアの診断を受けた女性2,482人について、2009年まで追跡を行った。主要アウトカムは、乳がん・卵巣がんの発症リスク、がん死亡率と全死亡率とした。追跡期間の平均値は、手術を行った群で3.65年、行わなかった群で4.29年だった。結果、がん発症リスク減少目的の乳房切除術を行った247人のうち、乳がんを発症した人はいなかったのに対し、行わなかった1,372人のうち乳がんを発症したのは98人(7%)いた。卵管卵巣摘出術の実施で、卵巣がん発症リスクは0.14倍にまた、がん発症リスク減少目的の卵管卵巣摘出術を行った群では、行わなかった群に比べ、同がん発症リスクが有意に減少した。乳がんの診断を受けた人で卵管卵巣摘出術を行った人の、卵巣がん発症率は1%だったのに対し、行わなかった人では6%だった(ハザード比:0.14、95%信頼区間:0.04~0.59)。また乳がんと診断されていなかった人で卵管卵巣摘出術を行った人の、同発症率は2%だったのに対し、行わなかった人では6%だった(ハザード比:0.28、同:0.12~0.69)。BRCA1遺伝子変異キャリアで卵管卵巣摘出術を行った人が、初発の乳がんを発症するリスクは14%だったのに対し、行わなかった人では20%だった(ハザード比:0.63)。BRCA2遺伝子変異キャリアでは、それぞれ7%と23%だった(ハザード比:0.36)。さらに、がん発症リスク減少目的の卵管卵巣摘出術を行った人は、行わなかった人に比べ、全死亡率、乳がん死亡率、卵巣がん死亡率いずれも、大幅に減少した(それぞれのハザード比:0.40、0.44、0.21)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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