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アトピー性皮膚炎とHBV感染は逆相関する

 韓国・カトリック大学のHee Yeon Kim氏らは、韓国国民健康栄養調査のデータを解析し、B型肝炎抗原(HBs抗原)陽性とアトピー性皮膚炎との間に有意な逆相関があることを報告した。これまで、アトピー性皮膚炎とB型肝炎ウイルス(HBV)感染との関連は明らかになっていない。ある研究ではHBV保有者でアトピー性皮膚炎のリスク増加が報告され、他の研究ではHBV血清陽性はアレルギー疾患と逆の関連があることが示されている。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌オンライン版2017年6月24日号掲載の報告。 研究グループは、全国規模、人口ベースの横断調査である韓国国民健康栄養調査(Korea National Health and Nutrition Examination Survey)のデータを用い、アトピー性皮膚炎とHBs抗原陽性との間の関連を評価した。 解析対象は19歳超の1万4,776例で、多重ロジスティック回帰分析により、アトピー性皮膚炎ならびに喘息とHBs抗原陽性の関連についてオッズ比を求めた。 主な結果は以下のとおり。・HBs抗原陽性率(平均±SE)は、アトピー性皮膚炎ありで0.7±0.4%、なしで3.7±0.2%と、アトピー性皮膚炎ありで有意に低かった(p=0.001)。・一方、喘息ありでは2.8±0.8%、喘息なしでは3.7±0.2%であり、HBs抗原陽性率と喘息との間に有意な関連は認められなかった(p=0.2844)。・HBs抗原陽性者で、アトピー性皮膚炎のリスクが有意に低かった(オッズ比:0.223、95%信頼区間:0.069~0.72)。

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デグルデクvs.グラルギン、2型糖尿病低血糖リスクに違い/JAMA

 2型糖尿病患者において、基礎インスリン デグルデク(以下、デグルデク)はインスリン グラルギンU100(以下、グラルギン)と比較して、低血糖発現頻度の低下と関連することが示された。米国・ワシントン大学のCarol Wysham氏らによる無作為化試験「SWITCH 2」の結果で、JAMA誌2017年7月4日号で発表された。インスリン治療を受ける2型糖尿病患者において、低血糖は重大なリスクであり血糖コントロールに負の影響を及ぼす。デグルデク→グラルギン投与またはグラルギン→デグルデク投与に1対1の割合で割り付け SWITCH 2試験は2014年1月~2015年12月に、米国152施設において、2×32週間の治療期間(それぞれ、至適用量調整期16週+維持期16週)で実施された二重盲検無作為化クロスオーバーtreat-to-target試験。被験者は、低血糖リスクを1つ以上有する基礎インスリン治療を受ける2型糖尿病患者で、経口血糖降下薬の服用の有無は問わなかった。 被験者は721例で、デグルデク→グラルギン投与(361例)またはグラルギン→デグルデク投与(360例)に1対1の割合で、およびそれぞれ投与時期を朝1回投与または夕方1回投与に1対1の割合で、無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、維持期におけるすべての重大な(米国糖尿病学会の定義に基づく)、または血糖値(<56mg/dL)で確定した、症候性低血糖の発現頻度(件/曝露患者年[patient-years of exposure:PYE])。副次評価項目は、夜間の症候性低血糖(0:01 am~5:59 amに発現した重大なまたは血糖値確定症候性低血糖)の発現頻度、維持期に重大な低血糖を発現した患者の割合などであった。デグルデクのほうがグラルギンより症候性低血糖の発現頻度が低い 無作為化された721例(平均年齢61.4[SD 10.5]歳、男性53.1%)のうち、580例(80.4%)が試験を完遂した。 維持期におけるすべての症候性低血糖の発現頻度は、デグルデク群185.6件/100PYE、グラルギン群265.4件/100PYEで、デグルデク群が有意に低かった(率比[RR]:0.70[95%信頼区間[CI]:0.61~0.80]、p<0.001、差:-23.66件/100PYE[95%CI:-33.98~-13.33])。同エピソードを発現した患者の割合は、デグルデク群22.5%、グラルギン群31.6%であった(差:-9.1%、95%CI:-13.1~-5.0)。 夜間の症候性低血糖の発現頻度は、デグルデク群55.2件/100PYE、グラルギン群93.6件/100PYEで、デグルデク群が有意に低かった(RR:0.58[95%CI:0.46~0.74]、p<0.001、差:-7.41件/100PYE[95%CI:-11.98~-2.85])。同エピソードを発現した患者の割合は、デグルデク群9.7%、グラルギン群14.7%であった(差:-5.1%、95%CI:-8.1~-2.0)。 維持期において重大な低血糖を発現した患者の割合は、デグルデク群1.6%(95%CI:0.6~2.7)、グラルギン群2.4%(95%CI:1.1~3.7)であった(McNemar検定のp=0.35、リスク差:-0.8%[95%CI:-2.2~0.5])。 なお、全治療期間においても、すべてのおよび夜間の症候性低血糖の発現頻度について、デグルデク群がグラルギン群よりも有意に低かったことが認められた。

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【JSMO2017見どころ】プレナリーセッション、免疫・細胞療法

 2017年7月27日(木)から3日間にわたって、第15回日本臨床腫瘍学会学術集会が開催される。これに先立ち先月、日本臨床腫瘍学会(JSMO)のプレスセミナーが開かれ、プレナリーセッションをはじめ、「免疫・細胞療法」「Precision medicine」「AYA世代のがん治療」「緩和・支持療法」の4つのテーマにおける注目トピックが紹介された。 はじめに、本学術集会会長の谷本 光音氏(岡山大学大学院 血液・腫瘍・呼吸器内科学講座)より、未発表の結果が発表されるプレナリーセッション3題の紹介がなされた。プレナリーセッション日時:7月28日(金)15:30~17:00場所:Room1(ポートピアホール)※Room 10(神戸際会議場メインホール)にて中継(1)「切除不能大腸癌に対するmFOLFOX6/CapeOX+BmabとS-1/CPT-11+Bmabとの第3相試験:TRICOLORE試験」蒲生 真紀夫(大崎市民病院 腫瘍内科)(2)「全身化学療法治療歴のない切除不能な肝細胞がん患者を対象としたレンバチニブの臨床第Ⅲ相試験の日本人部分集団解析」池田 公史(国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科)(3)「PD-L1高発現の未治療非小細胞肺癌に対するペムブロリズマブの国際共同ランダム化第Ⅲ相試験(KEYNOTE-024)の日本人集団解析」里内 美弥子(兵庫県立がんセンター 呼吸器内科) 続いて、「免疫・細胞療法」分野の最新動向・注目演題について前田 嘉信氏(岡山大学病院 血液・腫瘍内科 講師)が登壇した。以下、前田氏のコメントと注目演題を紹介する。【前田 嘉信氏コメント】 免疫・細胞療法は、手術療法、放射線療法、化学(薬物)療法に続く第4の治療法として近年大きな注目を集めている。とくに免疫チェックポイント阻害薬は、2014年に進行悪性黒色腫に対して抗PD-1抗体が国内承認を得て臨床応用されて以来、非小細胞肺がん、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、頭頸部がん、大腸がんなどに次々に応用されている。 最も広く用いられている肺がんに関しては、インターナショナルシンポジウムをはじめ、免疫療法に関する一般口演の大半を占めるほど多くの発表が予定されている。免疫チェックポイント阻害薬に関する最新情報は教育講演で、また、免疫チェックポイント療法を最適化するための大きなテーマとして、副作用の対策がシンポジウムで取り上げられている。ここでは、各分野からの副作用対策が提案され、議論される。さらに、最適化のために効果を予測するバイオマーカーの研究や免疫チェックポイントの基礎的研究がインターナショナルシンポジウムで討論される予定となっている。 免疫チェックポイント療法を超えて免疫・細胞療法の今後の展開を考えるうえで、「免疫制御とがん治療」と題した特別講演と、インターナショナルシンポジウム「Cancer Immunotherapy -What's the next?」が予定されている。【注目演題】シンポジウム「免疫チェックポイント阻害薬の副作用とその対策」日時:7月27日(木)9:00~11:00場所:Room1(神戸ポートピアホテル南館1F ポートピアホール)International Symposium「Immunotherapy for head and neck cancer: Future direction」日時:7月27日(木)14:30~16:30場所:Room 11(神戸国際会議場3F 国際会議室)「Emerging evidence of immunocheckpoint inhibitors in non-small cell lung cancer」日時:7月28日(金)8:20~10:20場所:Room 2(神戸国際展示場2号館1F コンベンションホール南)「The future of immune checkpoint therapy」日時:7月28日(金)17:00~19:00場所:Room 2(神戸国際展示場2号館1F コンベンションホール南)「Cancer Immunotherapy -What's the next?」日時:7月29日(土)8:20~10:30場所:Room 1(神戸ポートピアホテル南館1F ポートピアホール)一般口演「免疫療法 1」日時:7月28日(金)8:20~9:20 場所:Room 11(神戸国際会議場3F 国際会議室)「免疫療法 2(非小細胞肺がん)」日時:7月28日(金)9:20~10:20 場所:Room 11(神戸国際会議場3F 国際会議室)「免疫療法 3(有害事象)」日時:7月28日(金)10:20~11:20 場所:Room 11(神戸国際会議場3F 国際会議室)「呼吸器 4(免疫療法)」日時:7月29日(土)8:20~9:20場所:Room 5(神戸国際展示場1 号館2F Hall B)教育講演「免疫チェックポイント阻害剤最新情報」日時:7月29日(土)16:30~17:00場所:Room 1(神戸ポートピアホテル南館1F ポートピアホール)特別講演「免疫制御とがん治療」日時:7月29日(土)15:00~16:00場所:Room 1(神戸ポートピアホテル南館1F ポートピアホール)【第15回日本臨床腫瘍学会学術集会】■会期:2017年7月27日(木)~29日(土)■会場:神戸コンベンションセンター、Junko Fukutake Hall(岡山大学鹿田キャンパス)■会長:谷本 光音氏(岡山大学大学院 血液・腫瘍・呼吸器内科学講座)■テーマ:最適のがん医療— いつでも、何処でも、誰にでも —第15回日本臨床腫瘍学会学術集会ホームページはこちら

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抗うつ薬の皮膚疾患に関連する抗炎症作用

 モノアミン作動性抗うつ薬の臨床的に関連する抗炎症作用についてのエビデンスが増加している。ノルウェー・オスロ大学のShirin Eskeland氏らは、慢性蕁麻疹、乾癬、アトピー性皮膚炎、他の湿疹、円形脱毛症の5つの一般的な炎症性皮膚疾患と関連した抗うつ薬の使用および有効性について、PubMedおよびOvidデータベースをシステマティックに検索した。Acta dermato-venereologica誌オンライン版2017年5月17日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・1984年1月~2016年6月に報告された臨床試験または症例報告28件より、皮膚疾患患者1,252例が抽出された。・これらの患者において、抗うつ薬治療に関連した皮膚症状の明確な軽減が報告されていた。・新規抗うつ薬の研究は通常オープンラベルであった一方、第1世代抗うつ薬でのいくつかは無作為化比較試験であった。 著者らは「全体的にポジティブな結果は、抗うつ薬使用が、併存する精神疾患を治療するだけでなく、皮膚疾患に対する根拠を示している可能性がある。SSRIやミルタザピンおよびbupropionを含む新規抗うつ薬に関するさらなる研究が必要とされる」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能抗炎症薬の抗うつ効果を検証皮膚がんとの関連研究で判明!アルツハイマー病に特異的な神経保護作用

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老人性紫斑

老人性紫斑【皮膚疾患】◆病状腕(とくに手首と肘の間)、手の甲、前胸部などにできる暗い赤紫色の斑です。通常は痛みはありませんが、時には痛いこともあります。◆原因軽くぶつけたり、掻いたりすることで毛細血管が破れ、出血することで起こります。老化で血管がもろくなることが主な原因ですが、抗凝固薬の服用、糖尿病などの要因があると起きやすいです。◆治療と予防・数週間で消えますので特別な治療は不要ですが、褐色・黄色の跡が残る場合があります。・内服薬が影響している場合、薬の変更など主治医と相談が必要です。●一言アドバイス他の病気と鑑別するため、出血傾向の有無の検査が必要となる場合があります。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.袋 秀平氏

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フィジカルの祭典 JPC2017開催

 全国から約120名の医師・医学生が奄美大島に集結したJapan Physical Club 2015。満を持して2017年9月、このフィジカルの祭典が同じ奄美大島で開催される。 「フィジカルが苦手なんて もう、言わせない!」を合言葉に、日本をリードする講師陣と身体診察について体を動かしながら学び、島民との対話を通して「医の心」を学ぶ2泊3日の合宿企画。 この時間と空間を共有することで、生涯で得難い臨床知識と経験を得ることができるかもしれない。 詳細については、次のとおり。■開催概要 日時:2017年9月16日(土)・17日(日)・18日(月・祝)(16日17時開始、17日23時終了予定)※主なプログラムは16日・17日 会場:鹿児島県奄美大島・リゾートホテルコーラルパームス、奄美パーク 参加資格:医師、看護師、医学生 参加費・宿泊費:20,000円(原則、会場であるホテルに宿泊) 定員:150名 予定プログラム:  1) 全国で活躍する豪華講師陣との身体診察ワークショップ  2) 地域住民参加型シンポジウム■参考詳細・お申し込みは、JPC2017のサイトまでhttps://jpc2017.themedia.jp/■関連記事Japan Physical Club 2015(前回JPC2015のアーカイブ)Dr.平島のフィジカル教育回診

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職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか

 「職場ストレイン」は、職場での高い仕事の要求度と低いコントロールの組み合わせで表される。その職場ストレインにより特徴付けられる、心理社会学的に好ましくない職場環境は、従業員の抑うつ症状リスクの上昇と関連しているが、臨床的にうつ病と診断されたエビデンスは少ない。デンマーク・National Research Centre for the Working EnvironmentのI. E. H. Madsen氏らは、職場ストレインと臨床的なうつ病のリスク因子との関連を検討した。Psychological medicine誌2017年6月号の報告。 PubMed、PsycNETよりシステマティックに文献を検索し、公表されているコホート研究を特定した。また、IPD-Work(Individual-Participant-Data Meta-analysis in Working Populations)コンソーシアムより、未公表の個々レベルのデータを用いた14のコホート研究を抽出した。関連のサマリ推定値は、ランダム効果モデルを用いて算出した。個々レベルのデータ分析は、事前に公表された研究プロトコルに基づいて行った。 主な結果は以下のとおり。・公表済みの6つのコホート研究より、合計2万7,461例の対象と臨床的なうつ病患者914例が抽出された。・未公表のデータセットより、12万221例の対象と病院で治療されたファーストエピソードの臨床的なうつ病患者982例が抽出された。・公表(RR:1.77、95%CI:1.47~2.13)および未公表(RR:1.27、95%CI:1.04~1.55)のデータセット両方において、職場ストレインが臨床的なうつ病のリスク上昇と関連していた。・個々の対象の分析では、社会人口学的サブグループおよびベースライン時の身体疾患を有する対象を除外した後、同様の関連が認められた。・ベースライン時に抑うつ症状を有していた場合には、この関連に変化は認められなかったが、連続的な抑うつ症状スコアで調整すると減弱した。 著者らは「職場ストレインは、従業員の臨床的なうつ病を引き起こす可能性がある。職場ストレインがうつ病の修正可能なリスク因子であるかについて、将来の介入研究で検証する必要がある」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大職業性ストレス対策、自身の気質認識がポイント:大阪市立大

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多くのがん種で開発中、ペムブロリズマブの最新トピックス

 2017年7月4日、MSD株式会社はメディアラウンドテーブルを開催し、同社グローバル研究開発本部オンコロジーサイエンスユニット統括部長の嶋本 隆司氏が、ASCO2017の発表データを中心にキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の最新トピックスを解説するとともに、併用療法を含めた今後の開発戦略について語った。 本邦において、ペムブロリズマブは2016年に「根治切除不能な悪性黒色腫」および「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する適応を取得。2015年に「治癒切除不能な進行・再発の胃がん」に対して「先駆け審査指定品目」の指定を受けているほか、現在は「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」および「局所進行性または転移性の尿路上皮がん(優先審査対象)」が承認申請中、13がん種以上で後期臨床開発プログラムが進んでいる。米国でNSCLCは適応拡大、尿路上皮がんとMSI-H/dMMR固形がんで承認取得 ASCO2017では、ペムブロリズマブについて16のがん種に対する50以上のデータが発表された。肺がん領域は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2016)の続報が中心となった。初回治療でEGFRまたはALK変異がなく、かつPD-L1発現不問の進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、化学療法との併用を評価したKEYNOTE-021試験(コホートG)では、統計学的な有意差は得られなかったものの、長期フォローアップで全生存期間(OS)の延長傾向が示された。米国ではすでにPD-L1発現を問わず、化学療法との併用でNSCLCの1次治療に適応が拡大され、現在、日本も参加して第III相試験(KEYNOTE-189試験)を実施中という。 米国で2017年5月に相次いで承認された、尿路上皮がん(1次治療、2次治療)、高度マイクロサテライト不安定(MSI-H)またはミスマッチ修復欠損(dMMR)を示す進行固形がんに対する試験結果も発表された。がん種によらない、バイオマーカーに対する初の薬剤承認として注目されたMSI-H/dMMR固形がん患者に対する単剤療法を評価した試験としては、1レジメン以上の治療歴のある大腸がん以外の進行固形がん患者対象のKEYNOTE-158試験、2レジメン以上の治療歴のある進行大腸がん患者対象のKEYNOTE-164試験の結果が発表され、それぞれ全奏効率(ORR)が38%(29/77例)、28%(17/61例)、病勢コントロール率が58%(45/77例)、51%(31/61例)という結果が得られている。進行胃がん、トリプルネガティブ乳がんでも有望な結果 2ライン以上の治療歴のある進行胃がん患者(259例)を対象に単剤療法を評価したKEYNOTE-059試験(コホート1)では、42.4%の患者で何らかの腫瘍縮小効果がみられ、ORRは11.6%であった。この結果を基に、米国では優先審査の対象に指定され承認審査が進んでいる。嶋本氏は「ORRだけをみると目を見張るような結果ではないが、治療の選択肢がすでに非常に限られた対象であること、多くの患者で腫瘍縮小効果がみられたことが評価され、優先審査につながったと考えている」と話した。 また、トリプルネガティブ乳がん患者を対象に、術前化学療法との併用を評価したKEYNOTE-173試験では、病理学的完全奏効率(pCR)がコホートA(ペムブロリズマブ+パクリタキセル→ペムブロリズマブ+ドキソルビシン/シクロホスファミド[AC])で50~60%、コホートB(ペムブロリズマブ+パクリタキセル+カルボプラチン→ペムブロリズマブ+AC)で80%という結果が得られた。「従来の術前化学療法のpCRは20~30%であることから、ペムブロリズマブの乳がんに対する効果を示す有望な予備データといえる」と嶋本氏。同じく術前化学療法との併用を評価したI-SPY2試験では、トリプルネガティブ乳がん患者において、ペムブロリズマブ群(ペムブロリズマブ+パクリタキセル→AC)の推定pCRがコントロール群(パクリタキセル→AC)の3倍となるという結果が得られている。この結果を受け、現在、日本も参加して第III相試験が進行中という。IDO阻害薬との併用、単剤よりも高い奏効率 IDO(indoleamine 2,3-dioxygenase)阻害薬epacadostatとの併用を評価したECHO-202試験の結果も発表されている。本試験は複数のがん種に対して行われているが、そのうちNSCLC、転移性または再発性の扁平上皮頭頸部がん(SCCHN)、進行性尿路上皮膀胱がん(UC)、進行性腎細胞がん(RCC)の結果が紹介された。NSCLCでORRが35%(14/40例)、SCCHNで34%(13/38例)、UCで35%(14/40例)、RCCで33%(10/30例)と、いずれもペムブロリズマブ単剤よりも高い奏効率が得られている。日本人を含む第III相試験が進行中または準備を進めている段階で、早期の承認取得を目指すという。安全性については、本試験の安全性解析対象集団である進行がん患者294例を対象としたプール解析の結果、Grade 3以上の有害事象は患者の18%に認められ、最も高頻度のものはリパーゼ上昇(無症候性)4%、次いで発疹3%であった。この結果について嶋本氏は、「単剤と比較して大きく毒性が増すものではないとみられる」と話した。 IDO阻害薬のほか、化学療法や分子標的治療薬、新規ワクチンなどとの併用療法について、現在300以上の臨床試験が進行中だという。嶋本氏は、「がん種ごと、さらには肺がんのように多様性のあるがん種では患者背景ごとにアプローチしていくことも視野に入れて、ペムブロリズマブを核に、それぞれ適切な併用薬を検証していく」と結んだ。■関連記事ペムブロリズマブ、尿路上皮がんの優先審査対象に指定:MSDNSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果/ASCO2017尿路上皮がんにペムブロリズマブを承認:FDAペムブロリズマブ、臓器横断的ながんの適応取得:FDA進行胃がん、ペムブロリズマブの治療効果は?KEYNOTE-059/ASCO2017早期乳がんにおける免疫療法の役割の可能性

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統合失調症に対するメマンチン補助療法に関するメタ解析

 NMDA受容体機能不全は、統合失調症の病態生理に関与する。中国・The Affiliated Brain Hospital of Guangzhou Medical UniversityのW. Zheng氏らは、統合失調症治療における非競合的NMDA受容体アンタゴニストであるメマンチンの有効性、安全性を調査するため、ランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年5月22日号の報告。 標準化平均差(SMD)、加重平均差(WMD)、リスク比(RR)、95%信頼区間(CI)を算出し、分析した。 主な結果は以下のとおり。・11.5±2.6週間の8つのRCT(452例)より、メマンチン群(20mg/日)229例、プラセボ群223例が抽出された。・メマンチン群は、プラセボ群と比較し、PANSSおよびBPRSの陰性症状尺度の測定において優れていたが(SMD:-0.63、95%CI:-1.10~-0.16、p=0.009、I2=77%)、総スコアおよび陽性症状尺度、総合精神病理尺度(SMD:-0.46~-0.08、95%CI:-0.93~0.22、p=0.06~0.60、I2=0~74%)またはCGI-S(WMD:0.04、95%CI:-0.24~0.32、p=0.78)では認められなかった。・陰性症状は、1つのかけ離れたRCTを除外したのちでも有意なままであった(SMD:-0.41、95%CI:-0.72~-0.11、p=0.008、I2=47%)。・メマンチン群は、プラセボ群と比較し、MMSEを用いた認知機能の有意な改善と関連していた(WMD:3.09、95%CI:1.77~4.42、p<0.00001、I2=22%)。・両群間の中止率(RR:1.34、95%CI:0.76~2.37、p=0.31、I2=0%)と有害事象に有意な差は認められなかった。 著者らは「メマンチン補助療法は、統合失調症の陰性症状および認知機能を改善させるために有効かつ安全な治療であると考えられる。これらの結果を確認するためにも、より大きなサンプルサイズによる質の高いRCTが必要である」としている。■関連記事統合失調症へのメマンチン追加療法のメタ解析:藤田保健衛生大慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法統合失調症の陰性症状に対し、抗うつ薬の有用性は示されるのか

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コントロール不良の喘息にあの抗菌薬が有用?/Lancet

 中~高用量の吸入ステロイド+長時間作用型気管支拡張薬服用ではコントロール不良の喘息成人患者に対し、マクロライド系抗菌薬の経口アジスロマイシンの追加投与は、喘息増悪リスクを約4割減少し、喘息関連QOLも改善することが示された。オーストラリア・Hunter Medical Research InstituteのPeter G. Gibson氏らが、420例を対象に行った48週間にわたる無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、著者は「アジスロマイシンは喘息コントロールの追加療法として有用と思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2017年7月4日号掲載の報告。アジスロマイシン500mg、週3回48週間投与 研究グループは2009年6月12日~2015年1月31日にかけて、吸入ステロイドや長時間作用型気管支拡張薬の服用にもかかわらず喘息症状が認められる、18歳以上の患者420例を対象に、経口アジスロマイシンの追加で喘息増悪の頻度が減少可能かを調べる試験を行った。被験者は、聴覚障害や補正QT間隔延長が認められない場合を適格とした。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはアジスロマイシン500mgを(213例)、もう一方にはプラセボを(207例)、それぞれ週3回48週間投与した。試験を行った医療センターと喫煙歴について、層別化も行った。 主要評価項目は、48週間の中等度~重度の喘息増悪の頻度、および喘息症状関連の生活の質(QOL)で、intention-to-treatにてデータを分析・評価した。喘息増悪1回以上の発症率も減少 喘息増悪の発現頻度は、プラセボ群が1.86/人年だったのに対し、アジスロマイシン群は1.07/人年と、約4割低かった(罹患率比:0.59、95%信頼区間[CI]:0.47~0.74、p<0.0001)。 また、試験期間中に1回以上の増悪が発現した患者の割合も、アジスロマイシン群で有意に低率で、プラセボ群61%(207例中127例)だったのに対し、アジスロマイシン群は44%(213例中94例)だった(p<0.0001)。さらに、アジスロマイシン群はプラセボ群に比べ、喘息関連QOLも有意に改善し、喘息QOL質問票(AQLQ)スコアの補正後平均値格差は0.36(95%CI:0.21~0.52、p=0.001)だった。 なお、下痢の発症がプラセボ群19%に対し、アジスロマイシン群で34%と有意に高率に認められた(p=0.001)。

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PD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017

 PD-L1高発現(TPS50%以上)SageIV非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、ペムブロリズマブ単剤と化学療法を比較したKEYNOTE-024試験。初回解析で、無増悪生存期間(PFS)のハザードレシオ(HR)は0.50(p<0.001)、全生存期間(OS)のHRは0.60(p=0.005)と、ペムブロリズマブの優越性が示された。ASCO2017では、その後の追跡によるPFS2と、アップデートされたOSについて、米国The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie Brahmer氏が発表した。 PFS2の定義は、無作為化から2次治療のPD、または死亡、いずれかが最初に生じるまでの期間とした。なお、初回治療が化学療法の患者はPD後のペムブロリズマブへのクロスオーバーが許容された。追跡期間の中央値は19.1ヵ月であった(データカットオフ2017年1月5日)。 結果、1次治療の中断は、ペムブロリズマブ群では154例中107例、化学療法群では151例中120例であった。中断後に2次治療に移行した患者は、ペムブロリズマブ群で48例(31.2%)、化学療法群では97例(64.2%)と、ペムブロリズマブ群で少なかった。ペムブロリズマブ群の後治療の内訳をみると、プラチナダブレットが48例中42例と多くを占め、なかでもカルボプラチン+ペメトレキセド±ベバシズマブが最多であった。化学療法群の後治療は、ペムブロリズマブへのクロスオーバーが97例中79例、クロスオーバー外での抗PD-1療法が97例中12例(うちペムブロリズマブが3例)を占めた。 PFS2は、ペムブロリズマブ群で18.3ヵ月(12.7~NE)、化学療法群で8.4ヵ月(6.8~9.8)と、ペムブロリズマブ群で有意に長かった(HR:0.54、95%CI:0.40~0.72、p<0.001)。アップデートOSは、ペムブロリズマブ群では未達(19.4~NE)、化学療法群では14.5ヵ月(9.8~19.6)と、ペムブロリズマブ群で有意に改善した(HR:0.63、95%CI:0.46~0.88、p=0.003)。化学療法からの高いクロスオーバー率にもかかわらず、ペムブロリズマブ群が一貫した優越性を維持した。PD-L1高発現NSCLCにおける初回治療は、ペムブロリズマブから行うことで、化学療法に比べ生命予後の改善がみられた。■参考ASCO2017AbstractKEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ペムブロリズマブ単剤で肺がん1次治療に有効/NEJMペムブロリズマブ、非小細胞肺がん(PD-L1高発現)1次治療に承認:FDAペムブロリズマブ、肺がん1次治療でQOLを改善肺がん特集

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統合失調症患者のワーキングメモリ改善のために

 口頭による指示に従う能力は、日々の機能において重要であるが、統合失調症患者ではほとんど研究されていない。最近の研究によると、行動ベースのプロセスは、主にワーキングメモリに依存する指示に従う能力を促進する可能性が示唆されている。中国・Castle Peak HospitalのSimon S. Y. Lui氏らは、統合失調症患者が指示に従うことで行動ベースの利点を得るかを検証した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2017年5月22日号の報告。 臨床的に安定した統合失調症患者48例と背景およびIQの一致した対照群48例を対象に、さまざまなエンコードとリコール条件を伴う口頭による指示のスパン課題を実施した。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、口頭による指示に従う能力が全体的に損なわれていたが、これはワーキングメモリの障害に起因する可能性が示唆された。・さらに重要な点として、統合失調症患者は、エンコードと修正ステージの両方において、対照群と同程度の行動ベースの利点を示した。・具体的には、対照群と統合失調症患者の両方において、行動を追加的に行うことで記憶能力が改善され、エンコードステージで単に口頭による指示を聞いていたほうと比較し、行動を実行した対象者で観察された。・修正ステージでは、口頭による指示の繰り返しと比較して、身体的な演習で指示を思い出すと記憶が改善された。 著者らは「本研究は、統合失調症患者における指示に従う能力の障害に関する初めての経験的なエビデンスである。エンコードおよび修正ステージで行動ベースのプロセスを行うことは、指示の記憶を容易にし、ワーキングメモリに利点を示すことが、統合失調症患者においても証明された。これらの知見は、統合失調症患者のための臨床的介入および認知機能の改善に有用な情報である」としている。■関連記事統合失調症の認知機能に関連する独立因子:産業医大安定期統合失調症、抗精神病薬は中止したほうが良いのか統合失調症の社会参加に影響する症状は何か

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BRCA1変異女性の乳がんリスク、80歳で72%/JAMA

 BRCA1またはBRCA2遺伝子変異の保因状況は、乳がん、卵巣がん、対側乳がんのリスクを予測し、リスク評価では家族歴および変異位置が重要となる可能性があることが、英国・ケンブリッジ大学のKaroline B. Kuchenbaecker氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年6月20日号に掲載された。これまでに行われた後ろ向き研究では、BRCA1変異保因女性が70歳までに乳がんを発症するリスクは40~87%、BRCA2変異保因女性は27~84%であり、卵巣がんのリスクはそれぞれ16~68%、11~30%と報告されている。このような大きなばらつきが生じる原因として、サンプリング法、対象集団や遺伝子変異の特性、分析法の違いなどが挙げられ、後ろ向き研究におけるバイアスの可能性が指摘されており、これらの問題を回避する前向き研究の実施が望まれてきた。変異保因者のリスクを前向きコホート研究で検証 研究グループは、BRCA1/BRCA2変異保因者における乳がん、卵巣がん、対側乳がんの年齢別のリスクを予測し、家族歴や変異位置のリスクへの影響を評価する前向きコホート研究を行った(英国がん研究所などの助成による)。 対象は、3つのコンソーシアム(International BRCA1/2 Carrier Cohort Study[IBCCS]、Breast Cancer Family Registry[BCFR]、Kathleen Cuningham Foundation Consortium for Research into Familial Breast Cancer[kConFab])の参加者(1997~2011年)から選出したBRCA1変異陽性女性6,036例、BRCA2変異陽性女性3,820例であった。 ベースライン時に、4,810例が乳がん、卵巣がんまたは双方に罹患しており、5,046例は罹患していなかった。フォローアップは2013年12月に終了し、フォローアップ期間中央値は5年だった。乳がん、卵巣がん、対側乳がんの年間発生率、標準化罹患比(SIR)、累積リスクの評価を行った。個別カウンセリングに家族歴と変異位置を含めるべき 乳がんの解析の対象となった女性は3,886例(年齢中央値:38歳、IQR:30~46歳)、卵巣がんは5,066例(38歳、31~47歳)、対側乳がんは2,213例(47歳、40~55歳)であった。フォローアップ期間中に、426例が乳がん、109例が卵巣がん、245例が対側乳がんと診断された。 80歳時の累積乳がんリスクは、BRCA1変異保因者が72%(95%信頼区間[CI]:65~79)、BRCA2変異保因者は69%(95%CI:61~77)であった。乳がん罹患率は、BRCA1変異保因者では30~40歳までに、BRCA2変異保因者では40~50歳までに急速に上昇し、いずれの保因者もその後80歳まで一定の割合(20~30/1,000人年)で徐々に増加し続けた。 80歳時の累積卵巣がんリスクは、BRCA1変異保因者が44%(95%CI:36~53)、BRCA2変異保因者は17%(95%CI:11~25)であった。 乳がん診断後20年時の累積対側乳がんリスクは、BRCA1変異保因者が40%(95%CI:35~45)と、BRCA2変異保因者の26%(95%CI:20~33)と比較して有意に高かった(ハザード比[HR]:0.62、95%CI:0.47~0.82、p=0.001)。 乳がんリスクは、第1~2度近親のBRCA1変異保因者0人に対する2人以上の場合のHRは1.99(95%CI:1.41~2.82、傾向検定:p<0.001)、同様にBRCA2変異のHRは1.91(1.08~3.37、p=0.02)であり、いずれも保因者数が多くなるほど有意に増加した。 また、乳がんリスクは、BRCA1変異では変異の位置がc.2282~c.4071の領域外にある場合に高く(HR:1.46、95%CI:1.11~1.93、p=0.007)、BRCA2変異ではc.2831~c.6401の領域外で高かった(HR:1.93、95%CI:1.36~2.74、p<0.001)。 著者は、「個別の患者のカウンセリングには、家族歴と変異位置を含めるべきと考えられる」としている。

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お酒はうつ病リスク増加にも関連

 うつ病の発症率に対するリスクファクターの変化による影響を調査した研究はほとんどない。カナダ・マギル大学のXiangfei Meng氏らは、大規模縦断的集団ベース研究におけるうつ病の心理社会的リスクファクターおよびうつ病発症に対するリスクファクター改善による影響を定量化するため検討を行った。BMJ open誌2017年6月10日号の報告。 Montreal Longitudinal Catchment Area studyからのデータを使用した(2,433例)。相対リスク(RR)の推定には、多変量ポアソン回帰を用いた。うつ病発症に対するリスクファクター改善による潜在的な影響を推定するため、人口寄与割合(Population attributable fraction)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・うつ病の累積発症率は、2年間のフォローアップで4.8%、4年間のフォローアップで6.6%であった。・うつ病発症リスクの上昇と関連していたのは、より若い年齢、女性、未亡人、別居または離婚、白人、貧困、時々の飲酒、精神保健問題の家族歴、教育の不足、失業率の高い地域および白人以外の率が高い地域での居住、より文化的なコミュニティセンターやコミュニティ組織であった。・2年間のフォローアップ時、時々の飲酒(対禁酒)に起因する可能性があったうつ病発症は5.1%のみであったが、4年間のフォローアップ時には倍増した。・集団における飲酒率を10%低下させると、半分は発症を予防できる可能性があることが示唆された。 著者らは「個人および社会の両方で改善可能なリスクファクターは、公的うつ病予防プログラムのターゲットとなる可能性がある。これらのプログラムは、男女異なるリスクファクターが特定されているため、性別固有のものでなければならない。個人レベルでの予防に関しては、うつ病の約5~10%が関連する時々の飲酒のより良い管理に焦点を当てることができる。近隣の特性もまた、公的予防プログラムの対象となる可能性があるが、非常に困難かもしれない。これらは、さまざまな予防努力のコスト効果分析により正当化されている」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病の再発を予測する3つの残存症状:慶應義塾大うつ病、男女間で異なる特徴とは

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褥瘡(床ずれ)

褥瘡(床ずれ)【皮膚疾患】◆病状主に寝具があたる腰、かかとなどの皮膚が壊死して潰瘍となる疾患です。寝たきりの高齢者に多く、できた傷の深さや色合いなどでさまざまに分類されます。◆原因長時間の同じ姿勢による外力(圧迫やずれなど)による血流障害が原因です。とくに高齢者では、低栄養状態も原因となります。◆治療と予防・状況に応じて外用治療、切開、外科的治療を選択します。・リスクアセスメントを行い、体圧分散マットの使用や家族・介護者による早期発見が重要です。●一言アドバイス褥瘡治療は長期戦です。ご家族も含めて、ケアのチームを作りましょう。監修:ふくろ皮膚科クリニック 院長Copyright © 2017 CareNet,Inc. All rights reserved.袋 秀平氏

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マスクをつけると魅力が低下する【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第94回

マスクをつけると魅力が低下する いらすとやより使用 「マスク美人」なんていう言葉があるくらいですから、マスクをつけると基本的には女性は美しく見えると考えられているはずです。しかし、装着しているほうが顔のパーツが見えにくくなり魅力を損なう可能性があるのではという意見もあり、「マスク美人」論争には長らく決着がついていませんでした。 Miyazaki Y, et al.The Sanitary-Mask Effect on Perceived Facial Attractiveness.Japanese Psychological Research. 2016;58:261-272.この論文は、中京大学心理学部心理学科の宮崎由樹助教(当時)と北海道大学大学院文学研究科の河原純一郎特任准教授が共同で、マスクの装着が魅力に与える効果を調べたものです。白いマスクをつけた20~30歳の顔写真(男女合計132人)をコンピュータ画面上に1枚ずつ呈示して、18歳以上の男女合計210人の評価者が画像1枚ごとに外見的魅力・健康さを100点満点で評価しました。その結果、マスクをつけた人物の性別や評価者の性別とは関係なく、マスクをつけている顔のほうがマスクをつけていない顔よりも外見的な魅力が低く評価されたのです。マスク美人、ここに敗れたり!とくにこのマスクによる影響は、もともと魅力の高い顔の場合に強くみられたそうです。つまり、美男美女はマスクをつけるとダメだよ、ということです。マスク美人なんてのはなかったのか…、と思う人もいるかもしれませんが、実際にマスクを装着している人を見ると美男美女に見える効果は、私はあると思っています。これは病院職員という特殊性もあるのかもしれませんが。この論文で完全にマスク美人説が論破されたわけではありません。これからのマスク美人論文の登場を待ちましょう。

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前治療歴のあるC型慢性肝炎に対するsofosbuvir、velpatasvir、およびvoxilaprevir療法の検討(解説:中村 郁夫 氏)-697

 本論文は、direct-acting antiviral agents(DAA)を含む治療を受けたことのあるC型慢性肝炎の患者を対象として行った2種類の第III相試験(POLARIS-1、POLARIS-4)の結果の報告である。POLARIS-4では、NS5A阻害薬を含まない治療を受けたことのある、遺伝子型1型、2型、3型のHCV患者を対象とし、sofosbuvir(核酸型ポリメラーゼ阻害薬)・velpatasvir(NS5A阻害薬)・voxilaprevir(プロテアーゼ阻害薬)の3剤併用群とsofosbuvir・velpatasvirの2剤併用群に、無作為に1:1に割り付けたうえで、遺伝子型4型の19例を3剤併用群に加えた。その結果、sustained virologic response(SVR)を達成した率は3剤併用群では98%、2剤併用群では90%であった。 日本においても、前治療無効例に対するDAA併用療法の効果が、薬剤耐性変異との関連性を含めて検討されている。また、本論文で用いられた3剤のうちのsofosbuvir、velpatasvirの2剤にribavirinを加えた併用療法の治験が現在進められている。日本では、有害事象の観点からDAAの2剤併用が主流であったが、現在では、3剤併用療法も用いられ始めている。また、従来のDAA併用療法は、1種類の遺伝子型のHCVに対するものであったが、今後は、本研究でのsofosbuvir・velpatasvir・voxilaprevirの3剤併用療法のように、いわゆる「pangenomic」:複数のHCV遺伝子型に効果のある治療法が日本においても登場する予定であり、その候補のひとつとして、pibrentasvirとglecaprevirの併用療法がある。この観点からも、本研究は興味深いものであると考える。

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カナグリフロジンによる心血管・腎イベントの抑制と下肢切断、骨折の増加(解説:吉岡 成人 氏)-694

SGLT2阻害薬による心血管イベント抑制 SGLT2阻害薬であるエンパグリフロジンが、心血管イベントの既往がある2型糖尿病患者において心血管死、総死亡、さらに腎イベント(顕性腎症の発症、血清クレアチニン値の倍増、腎代替療法の導入、腎疾患による死亡)を抑制するとEMPA-REG OUTCOME試験およびそのサブ解析で示されて以降、カナダ糖尿病学会、米国糖尿病学会の提唱するガイドラインでは、心血管リスクの高い患者におけるSGLT2阻害薬の使用を推奨している。 心血管イベント、腎イベントの抑制の機序に関しては、SGLT2阻害薬の利尿作用、腎における腎尿細管糸球体フィードバック機構への影響のみならず、血中ケトン体が増加することによる心筋や腎におけるエネルギー代謝の変化、ヘマトクリットの増加による腎への酸素供給の増加などの、一般の臨床医が想像しなかったようなメカニズムが提唱されている。このような背景をもとに、エンパグリフロジン以外のSGLT2阻害薬でも同様な臨床効果が期待されるのかどうか、カナグリフロジンを用いたCANVAS(Canagliflozin Cardiovascular Assessment Study)プログラムの結果に大きな興味が持たれていた。CANVASプログラムとCANVAS試験、CANVAS-R試験 CANVASプログラムはカナグリフロジンの第III相試験として2009年に開始されたCANVAS試験と、米国でのカナグリフロジン発売後に開始されたCANVAS-R試験によって構成されている。CANVAS試験のみでは心血管安全性を評価するための追跡人・年が不足するためにCANVAS-Rが追加試験として2014年に開始され、アルブミン尿の進展抑制を主要評価項目とし、心血管安全性を副次評価項目としている。 今回の心血管安全性の評価では、CANVASとCANVAS-Rを統合して解析がなされている。対象は心血管疾患リスクが高い2型糖尿病10,142例。標準的な薬物療法にカナグリフロジンないしはプラセボを追加する無作為化二重盲検試験で、追跡期間は平均3.6年であった。主要評価項目は心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合イベントの発生率であり、カナグリフロジン投与によりこれらの心血管リスクが有意に低下(カナグリフロジン群:26.9/1,000人年、プラセボ群:31.5/1,000人年、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.75~0.97、p=0.02)しており、非劣性のみならず優越性が示された。さらに、カナグリフロジン群ではアルブミン尿の進展が27%抑制され、腎複合エンドポイント(eGFR低下、腎代替療法の開始、腎疾患による死亡)において40%の抑制が認められた。下肢切断と骨折のリスク 心血管イベントや腎リスクの低下は確認されたものの、カナグリフロジン群で下肢切断のリスクが約2倍に増加していた(カナグリフロジン群:6.30/1,000人年、プラセボ群:3.37/1,000人年、ハザード比:1.97、95%信頼区間:1.41~2.75)。足趾、中足骨レベルでの切断のみならず、足関節、膝下、膝上のレベルでの切断の総計も2.03倍増加している(カナグリフロジン群:1.82/1,000人年、プラセボ群:0.93/1,000人年、ハザード比:2.03、95%信頼区間:1.08~3.82)。さらに、骨折についても転倒骨折の頻度がCANVAS試験単独で1.56倍(カナグリフロジン群:12.98/1,000人年、プラセボ群:8.31/1,000人年、ハザード比:1.56、95%信頼区間:1.18~2.06)増加しており、全骨折の頻度もCANVAS試験単独で1.55倍、CANVASプログラムとして1.26倍に増加している。 平均年齢63.3歳、女性比率35.5%という対象において、下肢切断の頻度、骨折の頻度は日本人よりもはるかに高い。足病変の進展については体内の水分量の減少に伴う下肢末梢における血圧や血液循環の低下、骨折については、Ca利尿の増加、血中リン濃度やPTHの上昇による骨塩量の減少などが原因として推定されるが結論は得られていない。米国保健局(FDA)からは、2015年9月、2016年5月にカナグリフロジンと骨折、下肢切断に関する安全性情報がすでに報告されており、今回さらにリスクが強調される結果となった。カナグリフロジンの投与量と国内における情報提供 CANVASプログラムはカナグリフロジン100mg、300mg、プラセボ群がそれぞれ1:1:1の割合で、CANVAS-Rでは、100mgから開始され300mgまで増量が可能な群とプラセボ群が1:1の割合で構成されている。日本国内におけるカナグリフロジンの投与量は100mgであり、国内で認められている用量を超えた試験であるため、CANVASプログラムについて製薬メーカーが国内でプロモーションを行うことが規制されている。「ディオバン事件」の影響かと思われるものの、事実を歪曲した広告は厳に慎むべきではあるが、過剰とも思われる規制もいかがなものであろうか。

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NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ+化学療法の追跡結果/ASCO2017

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療における、化学療法+ペムブロリズマブ群と化学療法群を比較した第II相試験KEYNOTE-021コホートGの更新結果が、米国MD Anderson Cancer CenterのVassiliki Papadimitrakopoulou氏らによりASCO2017で発表された。 同試験では、Stage IIIB~IVで化学療法未治療の非扁平上皮NSCLC(EGFR変異またはALK転座を伴わない)123例を、カルボプラチン+ペメトレキセド(CP)群とペムブロリズマブ追加(pembro+CP)群に、無作為に割り付けて比較している。初回解析では、主要評価項目の客観的奏効率(ORR)(55%対29%、p=0.0016)、主たる副次評価項目の無増悪生存期間(PFS)(HR:0.53、p=0.0102)共に、pembro+CP群で有意に改善されている。全生存期間(OS)は、両群とも6ヵ月OSで92%と同等であった。 今回の発表は2016年12月31日時点でのもので、フォローアップ中央値は14.5ヵ月(0.8~24.0)である。ORRはpembro+CP群56.7%(43.2~69.4)、CP群30.2%(19.2~43.0)で、初回解析と同様にpembro+CP群で有意に高かった(p=0.0016)。 PFSはpembro+CP群は未達(9.7~NR)、CP群では8.9ヵ月(6.2~10.3)で、pembro+CP群で有意に長かった(HR:0.49、95%CI:0.2~0.83、p=0.0035)。OS については、CP群の75.0%がクロスオーバーしたという条件の下、12ヵ月推定値はpembro+CP群76.0%、CP群69.3%と、統計的有意ではないものの、pembro+CP群で高い傾向であった(HR:0.69、95%CI:0.36~1.31、p=0.13)。また、9ヵ月推定値のpembro+CP群84.6%、CP群82.3%と比較すると、OSの差は拡大傾向にあった。奏効期間は、pembro+CP群では中央値に達しておらず(1.4+〜18.6+)、CP群では16.2ヵ月(2.8〜20.7+)であった。■参考ASCO2017 AbstractKEYNOTE-021試験(Clinical Trials.gov)■関連記事ペムブロリズマブの追加が非小細胞肺がん1次治療の結果を改善:ESMOペムブロリズマブ、化学療法併用でPD-L1発現問わず肺がん1次治療に承認:FDA

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ニボルマブ、転移・再発NSCLCの1次治療で予後改善せず/NEJM

 未治療のStage IVおよび再発の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、抗PD-1抗体製剤ニボルマブは標準的な化学療法と比較して予後を改善しないことが、米国・オハイオ州立大学総合がんセンターのDavid P. Carbone氏らが行ったCheckMate 026試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年6月22日号に掲載された。ニボルマブは、既治療の転移のあるNSCLCの2つの第III相試験でドセタキセルよりも全生存(OS)期間が優れ、未治療のNSCLCの第I相試験では持続的奏効や良好な安全性プロファイルが報告されている。一方、PD-L1を超えるバイオマーカーの探索が進んでおり、腫瘍の遺伝子変異負荷(tumor-mutation burden:TMB)が高度な患者は、免疫療法からベネフィットを得る可能性が高いことが示唆されている。541例で有用性を直接比較する無作為化試験 本研究は、Stage IV・再発NSCLCの1次治療におけるニボルマブの安全性と有効性を評価する国際的な非盲検無作為化第III相試験である(Bristol-Myers Squibb社などの助成による)。 対象は、組織学的に扁平上皮がんまたは非扁平上皮がんが確認されたStage IV・再発NSCLCで、全身状態(ECOG PS)が0/1、登録前6ヵ月以内の生検で採取された検体のPD-L1発現が、中央判定で1%以上の患者であった。 被験者は、ニボルマブ3mg/kgを2週ごとに静脈内投与する群または担当医が選択したプラチナ製剤ベースの2剤併用化学療法を3週ごとに4~6サイクル施行する群に、1対1の割合でランダムに割り付けられた。化学療法群の患者は、病勢進行後、ニボルマブへのクロスオーバーが可能とされた。 主要評価項目はPD-L1の発現が≧5%の患者における無増悪生存(PFS)とし、評価は独立審査委員会によって盲検下の中央判定で行われた。また、探索的検討として、TMB別の有効性の解析も行った(全エクソームシーケンスで検出された腫瘍の体細胞ミスセンス変異数が0~99個の場合を低TMB、100~242個を中TMB、243個以上を高TMBと定義)。 2014年3月~2015年4月に1,325例が登録され、541例(41%)がランダム化の対象となった。ニボルマブ群に271例が、化学療法群には270例が割り付けられた。実際に治療を受けたのは530例(98%)だった。ベースラインの全体の年齢中央値は64歳(範囲:29~89歳)、女性が39%であった。Stage IVが92%、再発は8%だった。PFS期間中央値、ニボルマブ群4.2ヵ月、化学療法群5.9ヵ月  PD-L1≧5%の423例(ニボルマブ群:211例、化学療法群:212例)の解析では、PFS期間中央値はニボルマブ群が4.2ヵ月と、化学療法群の5.9ヵ月に比べむしろ短かった(ハザード比[HR]:1.15、95%信頼区間[CI]:0.91~1.45、p=0.25)。1年PFS率は、それぞれ24%、23%であった。 PD-L1≧5%の患者のOS期間中央値にも、有意な差は認めなかった(14.4 vs. 13.2ヵ月、HR:1.02、95%CI:0.80~1.30)。1年OS率は、それぞれ56%、54%だった。なお、化学療法群212例のうち128例(60%)が、後治療としてニボルマブの投与を受けていた。 PD-L1≧5%の患者の最良総合効果は、ニボルマブ群が26%(完全奏効[CR]:4例、部分奏効[PR]:51例)、化学療法群は33%(1例、70例)であった。奏効までの期間中央値は両群でほぼ同様であった(2.8 vs. 2.6ヵ月)のに対し、奏効期間中央値はニボルマブ群が2倍以上長かった(12.1 vs. 5.7ヵ月)。 TMB別の探索的解析では、高TMB例においてニボルマブ群が化学療法群に比べ奏効率(47 vs. 28%)、PFS期間中央値(9.7 vs. 5.8ヵ月)が良好であった。しかし、OS期間に差は認めなかった。 治療関連有害事象は、ニボルマブ群が71%、化学療法群は92%に発現した。このうちGrade 3/4は、それぞれ18%、51%であった。ニボルマブ群で最も頻度の高い有害事象は疲労(21%)であり、次いで下痢(14%)、食欲減退(12%)、悪心(12%)、皮疹(10%)の順であり、皮疹は免疫学的原因による可能性が示唆された。 著者は、「化学療法群は、患者の多くがニボルマブによる後治療を受け、ベースラインの背景因子のうちいくつかが良好な予後と関連した可能性が高い(わずかだが肝転移例が少なく、標的病変径和が小さく、女性が多い)が、ニボルマブ群は、ニボルマブ治療で予後が良好となる可能性が高い因子(PD-L1≧50%、高TMB)を持つ患者が少なかったことが、これらの結果に影響を及ぼした可能性がある」と考察している。

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