サイト内検索|page:300

検索結果 合計:10324件 表示位置:5981 - 6000

5981.

30歳未満で原発不明の悪性黒色腫が増加

 原発不明悪性黒色腫(MUP)の疫学はよくわかっていない。米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学附属病院のJeffrey F. Scott氏らは、米国の地域がん登録を用いて解析を行い、StageIV MUPの発生率が増加しており、その予後因子は年齢や外科治療など、原発既知のStageIV悪性黒色腫(MKP)と類似していることを明らかにした。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年3月23日号掲載の報告。 研究グループは、住民ベースのがん登録においてStageIV MUPの特徴を明らかにするため解析を行った。Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)プログラムのSEER-18(1973~2014年)を用い、StageIV MUP例を確認するための新しい検索アルゴリズムを開発し、StageIV MUPとStageIV MKPについて、年齢標準化発生率、人口統計学的特性、補正後疾患特異的生存率(DSS)およびハザード比などを算出した。 主な結果は以下のとおり。・SEER-18で1973~2014年の間に、StageIV MUP患者322例、StageIV MKP患者1万2,796例が確認された。・StageIV MUPの発生率は、とくに30歳未満で増加していた。・多変量解析の結果、StageIV MUPの負の予後因子として、50歳以上、外科治療なしが示された。・MKPと比較しStageIV MUPでは、相対生存率は高かった。しかし、5年補正後DSSについては、その高さは示されなかった。

5982.

非喫煙者の非扁平上皮肺がん、遺伝的寄与が大

 肺がんの発症には環境的因子や遺伝的因子の影響が強いが、組織型別の遺伝的寄与は不明である。メリーランド大学のShamus R. Carr氏らが喫煙者と非喫煙者における組織型への寄与を調査したところ、非喫煙者の非扁平上皮がんの発症における遺伝的素質を支持する結果が得られた。Journal of thoracic oncology誌オンライン版2018年4月4日号に掲載。 著者らは、喫煙者(1,751例)と非喫煙者(818例)における肺がんの組織型への遺伝的寄与を評価するために、州のがんレジストリの肺がん症例(5,408例)にリンクした、集団ベースのコンピューター化された家系図リソースを分析した。肺がん症例における有意な過剰の関連性を調べるために統計的手法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・小細胞肺がんのサブセット(p=0.213)を除いて、分析したすべての肺がんの組織型によるサブグループで有意な過剰の関連性がみられた。・肺がんの喫煙者および非喫煙者の組織型によるサブセットを検討すると、過剰な関連性は、非喫煙者の非小細胞肺がんでみられ(653例、p=0.026)、とくに、非喫煙者の非扁平上皮がんでみられた(561例、p=0.036)。・非喫煙者の非扁平上皮がんの有意な過剰リスクを示した61家系が同定され、これらの高リスク家系の症例は女性のほうが多かった。

5983.

全身性エリテマトーデス〔SLE:Systemic Lupus Erythematosus〕

1 疾患概要■ 概念・定義全身性エリテマトーデス(Systemic Lupus Erythematosus:SLE)は、自己免疫異常を基盤として発症し、多彩な自己抗体の産生により多臓器に障害を来す全身性炎症性疾患で、再燃と寛解を繰り返しながら病像が完成される。全身に多彩な病変を呈しうるが、個々人によって障害臓器やその程度が異なるため、それぞれに応じた管理と治療が必要となる。■ 疫学本疾患は指定難病に指定されており、令和元年(2019年)度末の特定医療費(指定難病)受給者証所持者数は6万1,835件であり、計算上の有病率は10万人中50人である。男女比は1対9で女性に多く、発症年齢は10~30代で大半を占める。■ 病因発症要因として、遺伝的背景要因に加えて、感染症や紫外線などの環境要因が引き金となり、発症することが考えられているが、不明点が多い。その病態は、抗dsDNA抗体を主体とする多彩な自己抗体の出現に加え、多岐にわたる免疫異常によって形成される。自然免疫と獲得免疫それぞれの段階で異常が指摘されており、樹状細胞・マクロファージを含めた貪食能を持つ抗原提示細胞、各種T細胞、B細胞、サイトカインなどの異常が病態に関与している。体内の細胞は常に破壊と産生を繰り返しているが、前述の引き金などを契機に体内の核酸物質が蓄積することで、異常な免疫反応が惹起され、自己抗体が産生され免疫複合体が形成される。そして、それらが各臓器に蓄積し、さらなる炎症・自己免疫を引き起こし、病態が形成されていく。■ 症状障害臓器に応じた症状が、同時もしくは経過中に異なる時期に出現しうる。初発症状として最も頻度が高いものは、発熱、関節症状、皮膚粘膜症状である。全身倦怠感やリンパ節腫脹を伴う。関節痛(関節炎)は通常骨破壊を伴わない。皮膚粘膜症状として、日光過敏症や露光部に一致した頬部紅斑のほかに、手指や四肢体幹部に多彩な皮疹を呈し、脱毛、口腔内潰瘍などを呈する。その他、レイノー現象、腎炎に関連した浮腫、肺病変や血管病変と関連した労作時呼吸困難、肺胞出血に伴う血痰、漿膜炎と関連した胸痛・腹痛、神経精神症状など、さまざまな症状を呈しうる。■ 分類SLEは障害臓器と重症度により治療内容が異なる。とくに重要臓器として、腎臓、中枢神経、肺を侵すものが挙げられ、生命および機能予後が著しく障害される可能性が高い障害である。ループス腎炎は組織学的に分類されており、International Society of Nephrology/Renal Pathology Society(ISN/RPS)分類が用いられている。神経精神ループス(Neuropsychiatric SLE:NPSLE)では大きく中枢神経病変と末梢神経病変に分類され、それぞれの中でさらに詳細な臨床分類がなされる。■ 予後生命予後は、1950年代は5年生存率がおよそ50%であったが、2007年のわが国の報告では10年生存率がおよそ90%、20年生存率はおよそ75%である1)。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)検査所見として、抗核抗体、抗(ds)DNA抗体、抗Sm抗体、抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、β2GPⅠ依存性抗カルジオリピン抗体など)が陽性となる。また、血清補体低値、免疫複合体高値、白血球減少(リンパ球減少)、血小板減少、溶血性貧血、直接クームス陽性を呈する。ループス腎炎合併の場合はeGFR低下、蛋白尿、赤血球尿、白血球尿、細胞性円柱が出現しうる。SLEの診断では1997年の米国リウマチ学会分類基準2)および2012年のSystemic Lupus International Collaborating Clinics(SLICC)分類基準3)を参考に、他疾患との鑑別を行い、総合的に判断する(表1、2)。2019年に欧州リウマチ学会と米国リウマチ学会が合同で作成した新しい分類基準4)が提唱された。今後はわが国においても本基準の検証を元に診療に用いられることが考えられる。画像を拡大する表2 Systemic Lupus International Collaborating Clinics 2012分類基準画像を拡大するループス腎炎が疑われる場合は、積極的に腎生検を行い、ISN/RPS分類による病型分類を行う。50~60%のNPSLEはSLE診断時か1年以内に発症する。感染症、代謝性疾患、薬剤性を除外する必要がある。髄液細胞数、蛋白の増加、糖の低下、髄液IL-6濃度高値であることがある。MRI、脳血流シンチ、脳波で鑑別を進める。貧血の進行を伴う呼吸困難、両側肺びまん性浸潤影あるいは斑状陰影を認めた場合は肺胞出血を考慮する。全身症状、リンパ節腫脹、関節炎を呈する鑑別疾患は、パルボウイルス、EBV、HIVを含むウイルス感染症、結核、悪性リンパ腫、血管炎症候群、他の膠原病および類縁疾患が挙がるが、感染症を契機に発症や再燃をすることや、他の膠原病を合併することもしばしばある。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)SLEの基本的な治療薬はステロイド、免疫抑制薬、抗マラリア薬であるが、近年は生物学的製剤が承認され、複数の分子標的治療が世界的に試みられている。ステロイドおよび免疫抑制薬の選択と使用量については、障害臓器の種類と重症度(疾患活動性)、病型分類、合併症の有無によって異なる。治療の際には、(1)SLEのどの障害臓器を標的として治療をするのか、(2)何を治療指標として経過をみるのか、(3)出現しうる合併症は何かを明確にしながら進めていくことが重要である。SLEの治療選択については、『全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019』の記載にある通り、重要臓器障害があり、生命や機能的予後を脅かす場合は、ステロイド大量投与に加えて免疫抑制薬の併用が基本となる5)(図)。ステロイドは強力かつ有効な免疫抑制薬でありSLE治療の中心となっているが、免疫抑制薬と併用することで予後が改善される。ステロイドの使用量は治療標的臓器と重症度による。ステロイドパルス療法とは、メチルプレドニゾロン(商品名:ソル・メドロール)250~1,000mg/日を3日間点滴投与、大量ステロイドとはプレドニゾロン換算で30~100mg/日を点滴もしくは経口投与、中等量とは同じく7.5~30mg/日、少量とは7.5mg/日以下が目安となるが、体重により異なる6)(表3)。ステロイドの副作用はさまざまなものがあり、投与量と投与期間に依存して必発である。したがって、副作用予防と管理を適切に行う必要がある。また、大量のステロイドを長期に投与することは副作用の観点から行わず、再燃に注意しながら漸減する必要がある。画像を拡大する画像を拡大する寛解導入療法として用いられる免疫抑制薬は、シクロホスファミド(同:エンドキサン)とミコフェノール酸モフェチル(同:セルセプト)が主体となる(ループス腎炎の治療については別項参照)。治療抵抗性の場合、免疫抑制薬を変更するなど治療標的を変更しながら進めていく。病態や障害臓器の程度により、カルシニューリン阻害薬のシクロスポリン(同:サンディミュン、ネオーラル)、タクロリムス(同:プログラフ)やアザチオプリン(同:イムラン、アザニン)も用いられる。症例に応じてそれぞれの有効性と副作用の特徴を考慮しながら選択する(表4)。画像を拡大するリツキシマブは、米国リウマチ学会(American College of Rheumatology:ACR)および欧州リウマチ学会(European League Against Rheumatism:EULAR)/欧州腎臓学会-欧州透析移植学会(European Renal Association – European Dialysis and Transplant Association:ERA-EDTA)の推奨7,8)においては、既存の治療に抵抗性の場合に選択肢となりうるが、重症感染症や進行性多巣性白質脳症の注意は必要と考えられる。わが国ではネフローゼ症候群に対しては保険承認されているが、SLEそのものに対する保険適用はない。可溶型Bリンパ球刺激因子(B Lymphocyte Stimulator:BLyS)を中和する完全ヒト型モノクローナル抗体であるベリムマブ(同:ベンリスタ)は、既存治療で効果不十分のSLEに対する治療薬として、2017年にわが国で保険承認され、治療選択肢の1つとなっている9)。本稿執筆時点では、筋骨格系や皮膚病変にとくに有効であり、ステロイド減量効果、再燃抑制、障害蓄積の抑制に有効と考えられている。ループス腎炎に対しては一定の有効性を示す報告10)が出てきており、適切な症例選択が望まれる。NPSLEでの有効性はわかっていない。ヒドロキシクロロキン(同:プラケニル)は海外では古くから使用されていたが、わが国では2015年7月に適用承認された。全身症状、皮疹、関節炎などにとくに有効であり、SLEの予後改善、腎炎の再燃予防を示唆する報告がある。短期的には薬疹、長期的には網膜症などの副作用に注意を要し、治療開始前と開始後の定期的な眼科受診が必要である。アニフロルマブ(同:サフネロー)はSLE病態に関与しているI型インターフェロンα受容体のサブユニット1に対する抗体製剤であり、2021年9月にわが国でSLEの適応が承認された。臨床症状の改善、ステロイド減量効果が示された。一方で、アニフロルマブはウイルス感染制御に関与するインターフェロンシグナル伝達を阻害するため、感染症の発現リスクが増加する可能性が考えられている。執筆時点では全例市販後調査が行われており、日本リウマチ学会より適正使用の手引きが公開されている。実臨床での有効性と安全性が今後検証される。SLEの病態は複雑であり、臨床所見も多岐にわたるため、複数の診療科との連携を図りながら各々の臓器障害に対する治療および合併症に対して、妊娠や出産、授乳に対する配慮を含めて、個々に応じた管理が必要である。4 今後の展望本稿執筆時点では、世界でおよそ30種類もの新規治療薬の第II/III相臨床試験が進行中である。とくにB細胞、T細胞、共刺激経路、サイトカイン、細胞内シグナル伝達経路を標的とした分子標的治療薬が評価中である。また、異なる作用機序の薬剤を組み合わせる試みもなされている。SLEは集団としてヘテロであることから、適切な評価のためのアウトカムの設定方法や薬剤ごとのバイオマーカーの探索が同時に行われている。5 主たる診療科リウマチ・膠原病内科、皮膚科、腎臓内科、その他、障害臓器や治療合併症に応じて多くの診療科との連携が必要となる。※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 全身性エリテマトーデス(公費対象)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国膠原病友の会(膠原病患者とその家族の会)1)Funauchi M, et al. Rheumatol Int. 2007;27:243-249.2)Hochberg MC, et al. Arthritis Rheum. 1997;40:1725.3)Petri M, et al. Arthritis Rheum. 2012;64:2677-2686.4)Aringer M, et al. Ann Rheum Dis. 2019;78:1151-1159.5)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究(自己免疫班),日本リウマチ学会(編):全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019.南山堂,2019.6)Buttgereit F, et al. Ann Rheum Dis. 2002;61:718-722.7)Hahn BH, et al. Arthritis Care Res (Hoboken). 2012;64:797-808.8)Bertsias GK, et al. Ann Rheum Dis. 2012;71:1771-1782.9)Furie R, et al. Arthritis Rheum. 2011;63:3918-3930.10)Furie R, et al. N Engl J Med. 2020;383:1117-1128.公開履歴初回2018年04月10日更新2022年02月25日

5984.

安すぎる名著【Dr.倉原の“俺の本棚”】第4回

【第4回】安すぎる名著こんにちは倉原です。チャラ書評、ウザ書評という新しい分野を開拓している最近です。「倉原先生、 “この先生の本だったら読んでみたい!”っていうドクターいませんか?」と聞かれて、一時期「萩野先生ですね」とルーチンで返していた時期があります。そんな私の迷惑発言と関係しているのかどうかは不明ですが、Dr.ハギーこと萩野 昇先生の本が刊行されました。ちなみに萩野先生の名前を“荻”野先生と間違うと、漏れなくFacebookにアップされるのでみなさん注意してください。『ロジックで進めるリウマチ・膠原病診療』萩野 昇/著. 医学書院. 2018通読した感想を述べましょう。あまりにも、安すぎる。何考えてんだ、医学書院! (←冗談なので怒らないでくださいね)この本は、リウマトロジストのための専門書というよりも、広く内科を診る医師向けに書かれたものです。しかし、その内容は恐ろしいほど濃厚です。内科医にとっては、「ステロイドの使い方」は必読の章。プレドニゾロンが増量されるに連れ、どういう作用が台頭してくるのか、なぜステロイドパルス療法がメチルプレドニゾロンなのか、などが解説されています。この本を読んで、ちょっと自身のプラクティスを見直そうかと思いました。私は「勉強になったなぁ」と思うところに蛍光ペンでマーカーを付けるのですが、1ページの半分以上がマーカーになってしまっていることに気付き、この本のヤバさに気が付きました。このままでは、この本だけで蛍光ペンのインクがなくなってしまう!この本の至る所に注釈が加えられているですが、その多くは「Huggy’s Memo」というミニコラムです。1つだけ紹介しましょう。プロフェッショナルのリウマトロジストが書いた、こんなよもやま話がほぼ全ページにびっしり書き込まれているんですよ。Huggy’s Memo※“palpable purpura”を「Lは舌先を硬口蓋につけて、Rは舌先を歯根部に近づけるが接しない」ことを意識して発音すると、舌が痙攣しそうになる。私、研修医のときpalpable purpuraの症例をローレンス・ティアニー先生の前で発表したことがあるのですが、関根 勤さんのジャイアント馬場のモノマネみたいな発音を20回くらい修正されたのを思い出します。萩野先生には、お互い仮面ライダービルドファンとしてFacebookで絡んでいただいているのですが、毎度毎度、選ぶ言葉のセンスに心動かされています。あの先生が医学書を書いたら、とんでもない出来になるんだろうなぁと思っていたら、予想を超える逸品が出てきました。膠原病の分野は、出版医学書が多くありません。そのため、その初動に悩んでいる医師も多くいると思います。この本、2倍の値段の7,600円でも買いですよ。『ロジックで進めるリウマチ・膠原病診療』萩野 昇/著出版社名医学書院定価本体3,800円+税サイズB5版刊行年2018年 関連番組のご紹介( CareNeTV )Dr.ハギーの関節リウマチ手とり足とり~まずは触ってみる~早期介入編Dr.ハギーの関節リウマチ 手とり足とり~もっと工夫してみる~ 長期罹患編※視聴には有料の会員登録が必要です。

5985.

アルコール以外の飲料摂取とうつ病リスク

 最近の疫学研究では、アルコール以外のさまざまな種類の飲料の消費とうつ病リスクとの関連が検討されているが、その関連性は矛盾した結果として報告されている。韓国・慶煕大学校のDami Kang氏らは、この関連性についての定量的な評価を行うため、観察研究のシステマティックレビューおよびメタ解析を行った。European journal of clinical nutrition誌オンライン版2018年3月2日号の報告。 PubMedおよびWeb of Scienceのデータベースより、2017年2月までの適格な研究を検索し、それらの参考文献リストを調査した。重要な交絡因子を調整した後、プールされた相対リスク比(RR)と95%信頼区間(CI)を算出するため、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・飲料消費とうつ病との関連を研究した15件の観察研究(横断研究:9件、プロスペクティブ研究:6件)より、2万572例のうつ病患者を含む34万7,691例が抽出された。・コーヒーの消費に関して、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、0.73(95%CI:0.59~0.90)であった。・紅茶の消費に関して、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、0.71(95%CI:0.55~0.91)であった。・しかし、ソフトドリンクの消費に関しては、高消費群vs.低消費群のプールされたRRは、1.36(95%CI:1.24~1.50)であった。・これらの関連性では、性別、国、高消費のカテゴリおよび、アルコールや喫煙、身体活動といった調整因子による変化は認められなかった。 著者らは「コーヒーや紅茶の摂取が多いほど、うつ病リスクは低下し、ソフトドリンクの摂取が多いほど、うつ病リスクは上昇することが示唆された。今後、うつ病リスクに対するさまざまな種類の飲料の影響を明らかにし、決定的なエビデンスを提供するためには、よく設計された大規模な研究が必要である」としている。■関連記事アルツハイマーやうつ病の予防、コーヒーに期待してよいのか1日1杯のワインがうつ病を予防とくに女性は要注意!コーヒーの飲み過ぎでうつ病に

5986.

アテゾリズマブと化学療法の併用、扁平上皮肺がん1次治療でPFS延長(IMpower131)

 ロシュ社は2018年3月20日、第III相臨床試験であるIMpower131試験において、2つの主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)について、アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)と化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)の併用療法により、化学療法単独と比較して、進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療における病勢進行または死亡リスクが低下(PFS延長)したことを発表した。アテゾリズマブと化学療法の併用における安全性は、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、新たな安全性のシグナルは確認されなかった。今回の中間解析の時点では、統計学的に有意な全生存期間(OS)の延長は観察されておらず、試験は計画どおり継続する。これらの成績は、今後開催されるがん関連学会で発表される予定。 IMpower131試験は、化学療法未実施のStage IVの扁平上皮NSCLCを対象とし、アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセル、またはアテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用療法と、化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用)単独の有効性および安全性を比較検討するオープンラベル多施設共同無作為化第III相臨床試験である。本試験には、下記の3群に1:1:1に無作為割り付けた1,021例が登録された。・A群:アテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用・B群:アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用・C群(対照群):カルボプラチン+nab-パクリタキセル2つの主要評価項目は、治験参加医師がRECIST v1.1を用いて評価したITT集団におけるPFS(B群対C群)およびITT集団におけるOS(B群対C群)である。 IMpower131試験の統計解析計画では、C群(カルボプラチン+nab-パクリタキセルの)に対するB群(アテゾリズマブとカルボプラチン+nab-パクリタキセルの併用)の統計学的に有意なOSの延長が認められた場合に、C群に対するA群(アテゾリズマブとカルボプラチン+パクリタキセルの併用)の解析(PFSおよびOS)を実施することがあらかじめ計画されている。 現在、ロシュ社はアテゾリズマブ単独または他剤との併用において、肺がんを対象とした8つの第III相臨床試験を実施しており、そのうちの5つの試験成績について本年発表する予定である。■参考IMpower131試験(Clinical Trials.gov)■「アテゾリズマブ」関連記事アテゾリズマブ、小細胞肺がんのOS、PFS改善(IMpower133)/NEJM

5987.

侍オンコロジスト奮闘記~Dr.白井 in USA~ 第56回

第56回:腎がんのゲームチェンジャーキーワード腎細胞がんメラノーマ動画書き起こしはこちら音声だけをお聞きになりたい方はこちら //playstopmutemax volumeUpdate RequiredTo play the media you will need to either update your browser to a recent version or update your Flash plugin.こんにちは。ダートマス大学腫瘍内科の白井敬祐です。3月末、こちらではまだ雪がふったり、朝晩は氷点下になることがあったんですが、やっと雪が少しずつ融けてきて、春らしい雰囲気になってきました。ただ、油断はできないようで、来週もまだ朝晩は氷点下になるときがあるようなので、タイヤの交換は、もうちょっと待とうかなと思っています。(このビデオは3月間末に収録したものです)今日お話ししたいのは、腎がんですね。腎がんで、立て続けに、確実にPractice Changingになると思われる発表が出たので、報告したいと思います。またまた、Immune Checkpoint阻害薬の話になってしまいます。サンフランシスコで開かれたASCO-GUで発表されたのがMotzer先生(Sloan-Kettering Cancer Centerの先生ですけれども)のアテゾリズマブとベバシズマブ(アバスチン)を組み合わせた1st lineのPhaseIIIトライアルです。現在の標準治療とされるスニチニブと比べた試験なのですけれども、そこでOverall Response Rateが43%対35%で、Progression Free Survivalが11ヵ月と7ヵ月、Hazard Ratioが0.74(だったと思うんですけども)、と大きな差が認められました。副作用もアテゾリズマブとアバスチンのほうが少なかった、ということで、非常に大きく取り上げられています。腎がんは、ソラフェニブやスニチニブが出てから、かなり長い間1st lineは、それだったのですけど、大きく変わる可能性が出てきました。その発表の一週間後ぐらい、3月21日付けのNew England Journalに、これも1st authorはMotzer先生なんですけれども、イピリムマブとニボルマブのコンビネーション(アメリカではメラノーマに認可されているのですが)対スニチニブのPhaseIII試験、これも1st lineでの試験の結果がNEJMに掲載されました。注意しないといけないのは、今現在アメリカでメラノーマに認可されているイピリムマブ(の用量)は3g/kg、ニボルマブが1mg/㎏、3週おきなんですけれども、この臨床試験では、イピリムマブは1mg/kgでニボルマブは3mg/kgです。これは、腎がんのPhaseIで効果に差がなく、しかも副作用が少なかった、ということで採用されたようです。メラノーマに関してもPhaseIIIで、イピ3・ニボ1 versus イピ1・ニボ3の試験が、登録はすべて終わっています。結果発表待ちですが、副作用が低くて同じだけの効果がみられれば、メラノーマのほうも投与量が変わってくるかもしれません。(この試験での)Response Rateは42%対27%、スニチニブが27%ですね。特筆すべきなのは、Complete Responseがイピ・ニボのコンビネーション群で9%にみられたということです。従来、腎がんとかメラノーマでは、High Doseインターロイキン2療法でComplete Responseがみられることがあるというのは、よく知られた事実なのですが、それよりもさらに高いCR rate(メラノーマでもここまで高いCR rateはなかったと思うんですけど)が報告されています。非常に画期的な点だと思います。うちの腎がんの同僚からも、「ケイスケ、これから副作用についていろいろ聞くと思うから、よろしく頼む」ということを言われました。イピリムマブ、ニボルマブの組み合わせは、腎がんでは認可されてないのですけども、いずれも実際の臨床で使える薬なので、これだけPhaseIIIではっきりした結果が出ると、保険会社にこのNEJMのペーパーを付けて申請をすれば、認可される可能性もあります。もちろんNCCNガイドライン、あるいはNCCNのConpendium(便覧)に、この療法が掲載されると、多くの保険会社はFDAの認可の前に、許可をすることがあります。この辺が、ちょっと面白いところではあります。Atezolizumab Plus Bevacizumab Improves Progression-Free Survival in First-Line Treatment of Advanced Renal Cell Carcinoma進行性腎細胞がんの1次治療、ニボルマブとイピリムマブ併用が有効/NEJMMotzer RJ, et al. N Engl J Med. 2018 Mar 21. [Epub ahead of print]

5988.

市中肺炎の高齢者、再入院しやすい患者は?

 市中肺炎(CAP)で入院した患者では、複数の併存疾患を有する高齢者において再入院が多く、臨床的および経済的負担が生じる。スペインのProject FIS PI12/02079 Working Groupが横断研究を行ったところ、65歳以上のCAP患者の11.39%が退院後30日以内に再入院し、その関連因子として「15歳未満の同居者あり」「発症前90日に病院受診が3回以上」「慢性呼吸不全」「心不全」「慢性肝疾患」「退院先が在宅医療サービスのある自宅」が挙げられた。BMJ open誌2018年3月30日号に掲載。 本研究は、2回のインフルエンザシーズン(2013~14年および2014~15年)にスペインの7地域20病院の入院患者において実施した。対象は、CAPと診断され救急部から入院した65歳以上の患者で、初回入院時に死亡した患者と30日以上入院した患者は除外した。最終的に1,756例のCAP症例が含まれ、これらのうち200例(11.39%)が再入院した。主要アウトカムは退院後30日以内の再入院とした。 主な結果は以下のとおり。・退院後30日以内の再入院に関連した因子の調整オッズ比(95%信頼区間)  15歳未満の同居者あり:2.10(1.01~4.41)  発症前90日に病院受診が3回以上:1.53(1.01~2.34)  慢性呼吸不全:1.74(1.24~2.45)  心不全:1.69(1.21~2.35)  慢性肝疾患:2.27(1.20~4.31)  退院先が在宅医療サービスのある自宅:5.61(1.70~18.50)・年齢、性別、入院前5年間での肺炎球菌ワクチン接種、入院前3シーズンでの季節性インフルエンザワクチン接種との関連はみられなかった。

5989.

急性骨髄性白血病、微小残存病変が再発の予測因子に/NEJM

 急性骨髄性白血病(AML)では、完全寛解中の分子レベルでの微小残存病変の検出が、再発率や生存率に関して、高度な独立の予後因子としての意義を持つことが、オランダ・エラスムス大学のMojca Jongen-Lavrencic氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年3月29日号に掲載された。AML患者は完全寛解に到達することが比較的多いが、再発率が依然として高い。次世代シークエンシングにより、ほぼすべての患者で分子レベルの微小残存病変の検出が可能となったが、再発の予測における臨床的な意義は確立されていないという。再発、生存の予測に臨床的な意義を付加するかを検証 研究グループは、次世代シークエンシングを用いた標的分子のモニタリングが、白血病の再発の予測に臨床的な意義を付加するかを検証する大規模なコホート研究を実施した(オランダがん協会のQueen Wilhelmina基金などの助成による)。 2001~13年の期間に新規に診断された、年齢18~65歳のAML患者を対象とした。診断時および寛解導入療法後の完全寛解時に、ターゲット次世代シークエンシングを用いて遺伝子変異の評価を行った。 エンドポイントは、4年時の再発率、無再発生存率、全生存率であった。加齢に伴うクローン性造血には、再発リスクとの関連はない 482例のAML患者が登録され、平均2.9ヵ所の遺伝子変異が検出された。1つ以上の変異が検出された430例(89.2%)の年齢中央値は51歳(範囲:18~66)で、216例が男性であった。診断時に検出された変異のうち頻度が高かったのは、NPM1(39%)、DNMT3A(33%)、FLT3(33%)などであった。 このうち51.4%で完全寛解中も変異が持続し、変異のアレル頻度にはばらつきがみられた(範囲:0.02~47%)。また、加齢に伴うクローン性造血を有する人に比較的多く発現する持続的なDTA変異(DNMT3A、TET2、ASXL1の変異)の検出は、再発率の上昇とは関連がなかった。 持続的なDTA変異を除くと、分子レベルの微小残存病変の検出は、検出されない場合に比べて、4年時の再発率が有意に高く(55.4 vs.31.9%、ハザード比[HR]:2.14、p<0.001)、無再発生存率が低く(36.6 vs.58.1%、再発または死亡のHR:1.92、p<0.001)、全生存率が低かった(41.9 vs.66.1%、死亡のHR:2.06、p<0.001)。 多変量解析では、完全寛解中のDTA以外の遺伝子変異の持続的な検出は、再発率(HR:1.89、p<0.001)、無再発生存率(再発または死亡のHR:1.64、p=0.001)、全生存率(死亡のHR:1.64、p=0.003)に関し、高度な独立の予後因子としての意義をもたらすことが確認された。 また、残存病変の検出におけるシークエンシングとフローサイトメトリーの比較では、シークエンシングは付加的な予後因子としての意義を有することが示された。 著者は、「DTA変異の持続は再発リスクの増加とは関連しなかったことから、再発を予防するためにこれらの残存細胞を除去する必要はないと考えられるが、さらに長期のフォローアップを行った場合に再発リスクが増加する可能性は排除されない」と指摘している。

5990.

民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1

第1回 腎臓 第2回 代謝 第3回 内分泌 第4回 血液 内科系試験に対応した全3巻の基本講座の第1巻です。試験内容が異なる認定内科医と総合内科専門医試験ですが、学生の頃に学んだことを復習するというスタートラインは同じ。全13領域で出題頻度の高いテーマを、わかりやすいシェーマと明快な講義で総復習しましょう。題名の「CUE」は放送業界用語の「キュー」、『臨床的有用性』(Clinical Utility)、そしてパーキンソン病医療における「CUE」から来ています。つまり、「動こうとしてもはじめの一歩が踏み出せない状態」に対して、このレクチャーが試験勉強を始める一歩を踏み出すきっかけになってほしいという思いです。講師の民谷先生の実臨床経験を組み込んだクリアな解説は、とても役に立ちます。専門外や苦手科目からチェックして、次のステップへ進んでください。第1回 腎臓 疾患をしっかり区別するためには解剖生理が非常に重要です。とくに腎の場合は、どこの部位で起こる障害かということをしっかり整理する必要があります。民谷式オリジナルのアニメーションでは腎疾患を大きく3つに分類。疾患を振り分けるコツをしっかりとレクチャーします。第2回 代謝 代謝のセクションではまず、物質が体内に入って分解・合成される流れをしっかりとおさらいします。物質の流れをもう一度理解すると、機能低下している箇所に必要な治療や薬剤といった知識がすんなりと頭に入ります。民谷式オリジナルのシェーマを参考に、代謝領域攻略のポイントをしっかりとつかんでください。第3回 内分泌 内分泌領域ではまず、それぞれの臓器の解剖生理をしっかり覚えることが、試験攻略の近道です。民谷式オリジナルのシェーマはわかりやすく簡略化してあるので、物質の流れが阻害されるとどんな病態になりどんな症状になるのか、すんなりと頭に入ります。第4回 血液 血液分野では、どこでなにが起こっているのかを考えるのが、頭を整理するうえで非常に大切です。また、日常診療では、骨髄標本と血液標本を間違えることはありませんが、ペーパーテストでは起こり得ることです。必ず、何を見ているかを確認する癖をつけましょう。

5991.

民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2

第5回 膠原病/アレルギー 第6回 神経 第7回 循環器1 第8回 循環器2  内科系試験に対応した全3巻の基本講座の第2巻です。試験内容が異なる認定内科医と総合内科専門医試験ですが、学生の頃に学んだことを復習するというスタートラインは同じ。全13領域で出題頻度の高いテーマを、わかりやすいシェーマと明快な講義で総復習しましょう。題名の「CUE」は放送業界用語の「キュー」、『臨床的有用性』(Clinical Utility)、そしてパーキンソン病医療における「CUE」から来ています。つまり、「動こうとしてもはじめの一歩が踏み出せない状態」に対して、このレクチャーが試験勉強を始める一歩を踏み出すきっかけになってほしいという思いです。講師の民谷先生の実臨床経験を組み込んだクリアな解説は、とても役に立ちます。専門外や苦手科目からチェックして、次のステップへ進んでください。第5回 膠原病/アレルギー 膠原病の領域は、類縁疾患を含めると疾患が非常に多く、症状が多彩なのが特徴です。民谷式では疾患を大きく3つに分類し、それぞれの特徴をオリジナルのシェーマと症例問題をもとに解説していきます。第6回 神経 神経の疾患は非常に多岐にわたりますが、どこが障害してどんな症状が出るかを理解するためには、まずは正常な状態を理解するのが得策。わかりやすく簡略化してある民谷式のオリジナルシェーマで重要疾患の病態生理を再整理してください。第7回 循環器1 出題範囲が広い循環器領域で、まず押さえるべき疾患は虚血性心疾患と心不全。狭心症と心筋梗塞の病態の違いや心電図の見方、エコーの基本となる解剖生理など、基礎をしっかりと復習します。第8回 循環器2 出題範囲が広い循環器領域。循環器の後半は弁膜症と心筋症、そして不整脈について復習します。心臓で起こったことが、心電図ではどう見えるのか?民谷式のシェーマを用いてわかりやすく解説しているので、知識の整理に役立ちます。

5992.

民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3

第9回  消化器(肝胆膵) 第10回 消化器(消化管) 第11回 感染症 第12回 呼吸器 内科系試験に対応した全3巻の基本講座の第3巻です。試験内容が異なる認定内科医と総合内科専門医試験ですが、学生の頃に学んだことを復習するというスタートラインは同じ。全13領域で出題頻度の高いテーマを、わかりやすいシェーマと明快な講義で総復習しましょう。題名の「CUE」は放送業界用語の「キュー」、『臨床的有用性』(Clinical Utility)、そしてパーキンソン病医療における「CUE」から来ています。つまり、「動こうとしてもはじめの一歩が踏み出せない状態」に対して、このレクチャーが試験勉強を始める一歩を踏み出すきっかけになってほしいという思いです。講師の民谷先生の実臨床経験を組み込んだクリアな解説は、とても役に立ちます。専門外や苦手科目からチェックして、次のステップへ進んでください。第9回 消化器(肝胆膵)出題数の多い消化器領域は、まずは民谷式の解剖図を用いて肝臓の病態や疾患を解説します。ミクロの視点で疾患を整理していくと、長い臨床問題を論理的な筋道を追いながらスムーズに解いていけるようになります。また、この領域でとくに出題が多いのはIgG関連疾患。試験に役立つポイントが丸わかりです。第10回 消化器(消化管) 出題数の多い消化器領域の消化管領域について取り上げます。まずは消化管の壁断面をおさらいしてから、それぞれの疾患について掘り下げていきます。クローン病と潰瘍性大腸炎、マロリー・ワイス症候群と特発性食道破裂。症状が似たの疾患の区別も、民谷式オリジナルシェーマを用いた解説ですんなりと頭に入ります。第11回 感染症 感染症の領域では、原因微生物・薬理学・臨床症状を総合して理解することが大切になります。民谷式でわかりやすくまとめた表で一つひとつ整理していくと、長い臨床問題を短い時間で解くためのポイントがわかっていきます。さらにどの抗菌薬がどこまでカバーしているかをまとめた表は、試験に必ず役に立ちます。第12回 呼吸器 呼吸器領域では、肺の疾患を中心におさらいしていきます。民谷式オリジナルの簡略化したシェーマでまずは全体の流れを掴みます。臨床問題では、低酸素血症と二酸化炭素が不足している状態をしっかり分けて考えることが、問題文を読み解くヒントになります。

5993.

学校の試験成績と双極性障害発症との関連

 これまでの研究で、ハイスクールとロースクール両方での成績が双極性障害(BD)の発症と関連していることが示唆されているが、これらの研究では、交絡因子と考えられる親の精神症状の既往歴による調整は行われていない。また、学校の成績と双極性I型障害(BD-I)との関連も研究されていない。デンマーク・オーフス大学病院のSteffie Damgaard Pedersen氏らは、親の精神症状の既往歴を調整しながら、学校の試験成績とBD、BD-Iとの関連について検討を行った。Acta neuropsychiatrica誌オンライン版2018年3月13日号の報告。 1987~95年にデンマークで生まれた50万5,688例をフォローした、レジストリベースの全国コホート研究を実施した。学校の試験成績とBDまたはBD-I発症との関連について、精神症状の家族歴および他の潜在的な交絡因子を調整したCoxモデルを用いて調査を行った。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中にBDと診断された患者は900例、BD-Iと診断された患者は277例であった。・BD(調整ハザード比[aHR]:1.71、95%CI:1.43~2.04)およびBD-I(aHR:1.57、95%CI:1.13~2.19)リスクは、期限内に試験を完了しなかった学生で有意に増加した。・数学の試験成績の低さが、BD(aHR:2.41、95%CI:1.27~4.59)およびBD-I(aHR:2.71、95%CI:1.41~5.21)リスクの増加と関連していた。・デンマーク語の試験成績が非常に高い(百分位数97.7超)女生徒は、BD-Iリスクが有意に高かった(aHR:2.49、95%CI:1.19~5.23)。 著者らは「BD発症の可能性は、BD診断前であっても学校の成績結果に否定的に影響すると考えられる」としている。■関連記事小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬小児双極I型障害に対するアリピプラゾールの効果は小児の双極性障害I型または統合失調症に対するアセナピン治療のレビュー

5994.

StageIII大腸がんの術後補助化学療法、短縮は可能か?/NEJM

 StageIII大腸がん患者において、FOLFOX療法またはCAPOX療法による術後補助化学療法の3ヵ月投与は、全体集団では6ヵ月投与に対する非劣性が確認されなかったものの、サブグループ解析の結果、CAPOX療法を受けた、とくに低リスク症例において、3ヵ月投与は6ヵ月投与と同程度に有効であることが示された。米国・メイヨー・クリニックのAxel Grothery氏らが、StageIII大腸がん患者を対象とした術後補助化学療法の無作為化第III相試験6件を前向きに統合解析する、International Duration Evaluation of Adjuvant Therapy(IDEA)collaborationの結果を報告した。2004年以降、StageIII大腸がんに対する術後補助化学療法は、オキサリプラチンとフルオロピリミジン系薬を6ヵ月間併用するレジメンが標準治療となっている。しかし、オキサリプラチンは神経毒性の蓄積と関連があるため、治療期間の短縮による毒性や医療費の軽減が期待されていた。NEJM誌2018年3月29日号掲載の報告。6試験を統合し術後補助化学療法の期間短縮について検討 研究グループは、FOLFOX療法(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン)、またはCAPOX療法(カペシタビン、オキサリプラチン)による術後補助化学療法の、6ヵ月投与に対する3ヵ月投与の非劣性を検証する目的で、同時に行った6件の無作為化第III相試験について、事前に計画された前向き統合解析を実施した。 6件の無作為化第III相試験の主要評価項目は無病生存期間(DFS)であり、本統合解析では3年DFSのハザード比(HR)の両側95%信頼区間(CI)の上限が1.12を超えない場合に、3ヵ月群の6ヵ月群に対する非劣性が示されたとした。CAPOX療法では、3ヵ月群が6ヵ月群に対し非劣性 解析対象は計1万2,834例で、疾患の再発/死亡が3,263件報告された。 観察期間中央値41.8ヵ月において、3ヵ月群の6ヵ月群に対する非劣性は、全集団では確認されなかったが(HR:1.07、95%CI:1.00~1.15)、レジメン別ではCAPOX療法(HR:0.95、95%CI:0.85~1.06)で非劣性が示され、FOLFOX療法(HR:1.16、95%CI:1.06~1.26)では示されなかった。 両レジメンを統合した探索的解析の結果、低リスク患者(TNM分類でT1、T2、T3かつN1)において、3ヵ月群の6ヵ月群に対する非劣性が示された(3年DFS:83.1% vs.83.3%、HR:1.01、95%CI:0.90~1.12)。一方、高リスク患者(T4、N2、T4N2)においては、6ヵ月群が3ヵ月群より優れていた(3年DFS:64.4% vs.62.7%、HR:1.12、95%CI:1.03~1.23、優越性のp=0.01)。 なお、著者は、6件の臨床試験が異なる国のさまざまな集団で実施されており、多様性についての補正なしにサブグループ解析が実施されていることなどを、研究の限界として挙げている。

5995.

ALK-TKIセリチニブの450mg食後投与を国内申請

 ALK-TKIセリチニブ(商品名:ジカディア)750mg空腹時投与は、未治療の進行ALK融合遺伝子陽性非小細がん(NSCLC)に優れた効果を示すものの、下痢、悪心嘔吐などの消化器症状が発現する。同患者に対し、セリチニブ450または600mgを低脂肪食と服用した群と、750mgの空腹時服用を比較した無作為化オープンラベル試験が行われた。第18回世界肺癌学会(WCLC)では、その中間解析が発表され、セリチニブ450mg+低脂肪食群は、750mg空腹時投与群と比べ、減量および中断が少なく治療強度が高く、また消化器有害事象も少ないという結果であった。 そのような中、ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:綱場 一成)は2018年3月29日、セリチニブについて、用法及び用量を「450mgの1日1回食後投与」に変更するための製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 セリチニブの用法・用量は現在、750mgの1日1回空腹時投与が承認されている。セリチニブの悪心、嘔吐、下痢といった消化器症状は制吐薬や止瀉薬といった対症療法により管理可能であるものの、治療継続の課題の1つになっている。ノバルティスでは、こうした患者の負担を軽減するために、有効性を保ちながら、消化器症状の発現の軽減により安全性プロファイルを改善できる用法及び用量を検討するための上記治験(CLDK378A2112試験)を実施。今回の承認申請は、この治験によるセリチニブの薬物動態、有効性および安全性の評価に基づいている。■参考CLDK378A2112試験(Clinical Trials.gov)■関連記事セリチニブ、食事との服用で有効性維持と毒性低減を両立(ASCEND-8)/WCLC2017CN

5996.

HeartMate 3、MOMENTUM 3 臨床試験の2年の治療成績(解説:許 俊鋭 氏)-836

 MOMENTUM 3の初期の分析でHeartMate 3(磁気浮上遠心ポンプ)はHeartMate II(機械的軸受軸流ポンプ)に比較して、進行した心不全患者に対する6ヵ月間の補助の比較で臨床転帰を改善することがすでに報告されている。今回、進行した心不全の患者におけるHeartMate 3(遠心ポンプ)とHeartMate II(軸流ポンプ)の無作為非劣性および優位性の比較試験でMOMENTUM 3の2年の治療成績が報告された。 複合プライマリエンドポイントは、後遺症を伴う脳卒中回避2年生存率および不具合によるポンプ交換・除去のための再手術回避2年生存率であった。リスク差(遠心ポンプ群から軸流ポンプ群を引いたもの)の非劣性マージンは−10%ポイントであった。 2年の治療成績比較の結果は、366例の患者のうち190例が遠心ポンプ群に割り当てられ、176例が軸流ポンプ群に割り当てられた。割り付けられた母集団において、遠心ポンプ群の151症例(79.5%)および軸流ポンプ群の106症例(60.2%)が主要エンドポイントに到達した(絶対差:19.2%ポイント、95%下側信頼限界:9.8%ポイント[非劣性についてp<0.001]、[優位性についてp<0.001])。ポンプの不具合による再手術は遠心ポンプ群で軸流ポンプ群よりも少なかった(3例[1.6%]対30例[17.0%]、p<0.001)。死亡率と後遺症を伴う脳卒中率は両群で同等であったが、脳卒中の総発生率は遠心ポンプ群で軸流ポンプ群よりも低かった(10.1%対19.2%、p=0.02)。 結論として、進行した心不全患者治療においてHeartMate 3(磁気浮上遠心ポンプ)はHeartMate II(機械的軸受軸流ポンプ)に比較して、後遺症を伴う脳卒中回避生存率および不具合によるポンプ交換・除去のための再手術回避生存率で優れていた。 HeartMate 3 CE Mark Clinical Investigation Plan(Netuka I , et al. J Am Coll Cardiol. 2015;66:2579–2589.)で優れた6ヵ月生存率(92%)を示し、ドイツで速やかにHeartMate IIにとって替わりHeartMate 3が普及した。米国ではMOMENTUM 3 (Multicenter Study of MagLev Technology in Patients Undergoing Mechanical Circulatory Support Therapy With HeartMate 3)の結果、2017年8月にHeartMate 3は短期補助LVAD(BTT・BTR適応)としてFDA承認を取得した。現在、MOMENTUM 3の2年の治療成績を待って長期補助LVAD(DT Device)として承認される見通しであるが、本論文で示されたように、後遺症を伴う脳卒中回避2年生存率および不具合によるポンプ交換・除去のための再手術回避2年生存率で優れていたことから、間もなくFDAの承認が得られるものと期待される。著者との個人的な意見交換では、米国でもNYのコロンビア大学をはじめ、かなりの施設ですでにHeartMate 3による長期補助が始まっているものと考えられる。

5997.

心不全を予防するために何をすべきか/日本循環器学会

 高齢者の増加と共に心不全患者数も増加し、わが国は、心不全パンデミック時代に直面しようとしている。そのような中、今後、心不全については治療だけでなく、予防という観点が重要となる。2018年3月23~25日に大阪で開催された、第82回日本循環器学会学術集会プレナリーセッションで、わが国の心不全予防について、佐賀大学 循環器内科 田中 敦史氏が講演した。バイオマーカーによるプレ・クリニカルからの先制医療 心不全の発症には、さまざまな要素が関連することから、患者それぞれのステージに合った、適切な介入が必要になってくる。田中氏はNT-proBNPの活用について紹介した。 久山町研究において、NT-proBNP値の上昇は、たとえ軽度でも、将来的な心血管疾患のリスク上昇に関連していることが報告されている。また、平成20~21年に佐賀県浦之崎病院(現:伊万里松浦病院)において実施した、就労世代におけるNT-proBNPと各検査項目との関連解析では、全体の20%がリスク群まで上昇していることが判明した。NT-proBNPはhs-トロポニンTなどの心筋障害マーカーとも相関する事から、一般就労世代のバイオマーカーとして、先制医療に活用可能であると考えられる。心不全予防に有望なSGLT2阻害薬 心不全予防では、基礎疾患管理も重要である。SGLT2阻害薬は今回改訂された心不全ガイドラインでもハイリスク糖尿病患者の心不全予防の第1選択の1つとして捉えられている。EMPA-REG試験、CANVAS試験、いずれにおいても心不全死または心不全入院を減少させている。さらに、現在、カナグリフロジンを用いて、慢性心不全を合併した2型糖尿病においてNT-proBNPの変化を評価するCANDLE研究が始まっている。再入院予防の戦略 心不全は、入院を繰り返すことで、悪化していく。心不全の再入院の頻度は退院後30日以内で25%に上る。カナダの研究では、心不全入院患者、心血管系のアウトカムに関しては、平均5~6日の入院期間が最も良好であった。限られた期間の中で、患者の医学的、社会的側面を含むさまざまな要素を評価すること。また、地域に戻った後のシームレスなケアが、心不全再入院予防の鍵となるであろうと田中氏は述べた。

5998.

高齢者の身体機能、社会経済学的地位により年単位の差/BMJ

 高齢者において、社会経済的地位と身体機能には独立した関連性が認められ、その強さおよび整合性は、非感染性疾患(糖尿病、アルコール多飲、高血圧、肥満、身体不活動、喫煙)のリスク因子と類似していることが明らかにされた。スイス・ローザンヌ大学病院のSilvia Stringhini氏らが、24ヵ国で行われたコホート試験を解析し明らかにした。これまでに、社会経済的地位が不良なことや非感染性疾患のリスク因子による、損失生存年数(years of life lost:YLL)については明らかにされているが、身体機能へどれほど影響するかについては明らかにされていなかった。BMJ誌2018年3月23日号掲載の報告。結果を踏まえて著者は、「これらすべてのリスク因子に取り組むことが、身体機能良好で余生を過ごせる時間を大幅に増やすことにつながることが示唆された」と述べている。身体機能について歩行速度の指標を用いて評価 研究グループは、ヨーロッパ、米国、ラテンアメリカ、アフリカ、アジアの世界保健機関(WHO)加盟国のうち24ヵ国で、1990~2017年に行われた37件のコホート試験について解析を行った。被験者は45~90歳の男女計10万9,107例だった。 身体機能の評価には、歩行速度検査の運動耐容能の指標(index of overall functional capacity)を用いた。社会経済的地位や非感染性疾患リスク因子に曝露された被験者と非曝露の被験者の、歩行速度の差を定量化し、損失身体機能年数を求めて評価した。社会経済的地位が低い60歳男性の身体機能、6.6年後退 混合モデルによる解析の結果、社会経済的地位が低い60歳男性の歩行速度は、社会経済的地位が高い66.6歳男性の歩行速度と同じだった(損失身体機能年数:6.6年、95%信頼区間[CI]:5.0~9.4)。同様に女性についてみると、社会経済的地位が低いことによる損失身体機能年数は4.6年(3.6~6.2)だった。 社会経済的地位が低いことによる損失身体機能年数差は、高所得国で低中所得国より大きく、高所得国では男性が8.0(5.7~13.1)年、女性が5.4(4.0~8.0)年に対し、低中所得国ではそれぞれ2.6(0.2~6.8)年、2.7(1.0~5.5)年だった。高所得国の中でも、米国はヨーロッパ諸国に比べて格差が大きかった。 その他のリスク因子についてみると、身体活動が不十分な人の60歳までの損失身体機能年数は、男性が5.7(4.4~8.1)年、女性が5.4(4.3~7.3)年。肥満による損失身体機能年数は、それぞれ5.1(3.9~7.0)年と7.5(6.1~9.5)年、高血圧症は2.3(1.6~3.4)年と3.0(2.3~4.0)年、糖尿病は5.6(4.2~8.0)年と6.3(4.9~8.4)年、喫煙は3.0(2.2~4.3)年と0.7(0.1~1.5)年だった。

5999.

新たなVEGF阻害薬fruquintinibによるNSCLC3次治療の評価/JCO

 進化が進む進行非小細胞肺がん(NSCLC)治療だが、3次以降の全身療法は、いまだ課題が残る。キナーゼ阻害薬fruquintinibは、VEGFを標的とした薬剤である。この新たなVEGF阻害薬fruquintinibの進行NSCLCの3次治療における効果と安全性を評価した、第II相試験の結果が、Journal of Clinical Oncology誌で発表された。 この試験は中国・上海交通大学による、多施設無作為化二重盲検試験。・12施設で登録された患者に、fruquintinib(5mg/日)またはプラセボを、ベストサポーティブケアと共に、4週間(3週投薬1週休薬)/サイクルで投与した。・主要評価項目は、盲検独立中央委員会(BICR)評価による無増悪生存期間(PFS)。副次評価項目は治験担当医評価によるPFS、奏効率(ORR)、病勢コントロール率(BCR)など。 主な結果は以下のとおり。・患者はfruquintinib群61例、プラセボ群30例に2対1で割り付けられた。・BICRと治験担当医評価によるfruquintinib群のPFS中央値は3.8ヵ月であった(HR:0,34、95%CI:0.20~0.57、p<0.001)。・3ヵ月生存(OS)率はfuquintinib群90.2%、プラセボ群73.3%。6ヵ月OS率はfuquintinib群67.2%、プラセボ群58.8%であった。・ORRはfuquintinib群13.1%、プラセボ群0%であった。・DCRはfuquintinib群60.7%、プラセボ群13.3%であった。・fuquintinibのGrade3以上の一般的な治療関連有害事象は、高血圧(8.2%)、手足症候群(4.9%)、蛋白尿(4.9%)であった。

6000.

ダプソン過敏性症候群、アジア人でHLA遺伝子型と関連

 ダプソン(ジアフェニルスルホン)過敏性症候群(DHS)は致命的な薬物有害反応で、疫学研究によれば、DHSではHLA遺伝子型が重要な役割を果たす可能性があることが知られている。タイ・ナレースワン大学のWimonchat Tangamornsuksan氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析により、ダプソン誘発皮膚薬物有害反応(cADR)がHLA-B*1301と関連していることを確認した。著者は、「患者の安全性のため、アジア人ではダプソン投与前にHLA-B*1301に関する遺伝子検査を行う必要がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2018年3月14日号掲載の報告。 研究グループは、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連を調べたヒトの研究について、PubMed、Human Genome Epidemiology NetworkおよびCochrane Libraryを用い、各データベースの開始から2017年9月12日までに発表された論文を、言語は問わずシステマティックに検索した。キーワードはHLA遺伝子型およびダプソンまたは同義語の組み合わせで、特定された論文の参照リストも調べた。 2人のレビュアーが、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連について調べた研究を特定した。選択基準は、症例患者および対照患者におけるHLA-B*1301キャリアの頻度を算出するのに十分なデータがあり、全患者がHLA-B*1301のスクリーニング前にダプソンを投与されていることとした。ランダム効果モデルを用い、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連について、オッズ比(OR)とその95%CIを算出し評価した。cADRのタイプ別のサブグループ分析も行った。 主な結果は以下のとおり。・最初の検索で論文391件が特定され、このうち選択基準を満たした3件(研究対象集団は、2件が中国人、1件はタイ人)から、ダプソン誘発cADR患者111例、ダプソンに忍容性のある患者1,165例、健常対照3,026例が本研究に組み込まれた。・平均年齢は、ダプソン誘発cADR患者39.7歳、ダプソン忍容患者32.2歳、健常対照39.5歳であった。・ダプソン忍容患者を対照とした研究において、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連が確認された(要約OR:43.0、95%CI:24.0~77.2)。・cADRタイプ別のサブグループ解析でも同様の結果であった。それぞれのORは、DHS群51.7(95%CI:16.9~158.5)、重篤なダプソン誘発cADR(スティーブンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症[SJS/TEN]、好酸球増加と全身症状を伴う薬疹[DRESS])群54.0(95%Cl:8.0~366.2)、ダプソン誘発SJS/TEN群40.5(95%CI:2.8~591.0)、ダプソン誘発DRESS群60.8(95%CI:7.4~496.2)。・異質性は認められなかった(I2=0%、p=0.38)。・健常者を対照とした研究においても、HLA-B*1301とダプソン誘発cADRとの関連が認められた。

検索結果 合計:10324件 表示位置:5981 - 6000