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第2世代抗精神病薬の評価試験実施は不十分

 米国・ペンシルベニア大学のGregory Kruse氏らは、医療技術評価(HTA)機関を支援するため、統合失調症患者に対し第2世代抗精神病薬の有用性を検討した試験のシステマティックレビューを行った。その結果、試験のタイプ、試験方法、アウトカムに大きなばらつきがあるうえ、HTAが好ましいとする試験のタイプは少なく、かつそれら試験は実施されていたとしてもバイアスリスクが高いことを報告した。PharmacoEconomics誌オンライン版2015年5月12日号の掲載報告。 HTA機関を支援するための効果比較の試みは、統合失調症治療に対する抗精神病薬の選択において重要な事項である。研究グループは、HTA機関の支援に向け、新規抗精神病薬の効果比較に関する疑問に対処するため、公表文献に報告されている試験方法とアウトカムの評価、ならびにエビデンスの妥当性と可能性を評価した。 2009年1月1日~2013年9月30日までのPubMed databaseを用いて系統的検索を行い、新規非定型抗精神病薬の効果比較について報告している研究を特定した。統合失調症患者を対象とした研究で、少なくとも2種類以上の薬剤の比較が行われており、少なくとも1群は第2世代抗精神病薬(リスペリドン、オランザピン、アリピプラゾール、パリペリドン、アセナピン、イロペリドン、ルラシドン、クエチアピンのいずれか)が投与されている試験についてシステマティックレビューを行った。また、陽性陰性症状評価尺度(PANSS)のスコア、体重増加、資源活用あるいはコストといった有効性、安全性、経済的アウトカムが含まれていることも試験の選択基準とした。 2人のレビュワーが独立して組み入れ基準を評価。意見が一致しなかった場合は、原著を検索してコンセンサスを得たうえで解決した。各試験から方法とアウトカムに関する情報を収集し、試験には薬剤の直接比較、患者集団、試験方法、統計解析法、アウトカムの報告、試験のサポート、掲載誌の種類などが記載されていることとした。 主な結果は以下のとおり。 ・電子検索により、合計198件の試験が特定された。・最も多かった試験のタイプは無作為化対照試験(RCT、73件、36.9%)で、その多くは規定のエンドポイントで直接比較されていた。・HTAが要望するコホート研究(53件、26.8%)、メタ解析(32件、16.2%)、経済性の研究(14件、7.1%)、および横断研究(13件、6.6%)は少数であった。・HTAが選択した直接比較の薬剤はオランザピンとリスペリドンが大勢を占め、それぞれ149試験(75.3%)、119試験(60.1%)であった。・規制当局に提出される資料として主要な試験のタイプであるRCTにおいて、バイアスはみられなかったが、HTAが要望した試験は同じようにして(バイアスがない状態で)実施されなかった。・コホート研究には、比較群における選択バイアスの問題、交絡因子の調整の欠如、脱落率の相違などの問題がみられた。・横断研究のグループではバイアススコアが十分に得られず、代表的なサンプルを特定できなかった。 ・経済性の研究では高い変数バイアスがみられ、有効性データ、妥当性が検証されていない仮説モデル、感度解析の欠如といった点においてバイアスがみられた。・なお本システマティックレビューは、2009~2013年までの研究のみを対象としたものであり、第1世代抗精神病薬の検討を含む初期の比較研究を除外したレビューという点で限界があった。関連医療ニュース 抗精神病薬の切り替えエビデンス、どう評価すべきか 第二世代抗精神病薬、QT延長に及ぼす影響:新潟大学 プロラクチン上昇リスクの低い第二世代抗精神病薬はどれか

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糖尿病合併CKD、降圧薬治療は有益か/Lancet

 糖尿病合併慢性腎臓病(CKD)患者に対する降圧薬治療について、生存を延長するとのエビデンスがあるレジメンはないことが、ニュージーランド・オタゴ大学のSuetonia C Palmer氏らによるネットワークメタ解析の結果、明らかにされた。また、ACE阻害薬とARBの単独または2剤併用療法は、末期腎不全に対して最も効果的な治療戦略であること、一方でACE阻害薬とARBの併用療法は、レジメンの中で高カリウム血症や急性腎不全を増大する傾向が最も高いことも示され、著者は「リスクベネフィットを考慮して用いる必要がある」と報告している。糖尿病合併CKD患者への、降圧薬治療の有効性と安全性については議論の余地が残されたままで、研究グループは、同患者への降圧薬治療の有益性と有害性を明らかにするため本検討を行った。Lancet誌2015年5月23日号掲載の報告より。すべての降圧薬治療戦略とプラセボをSUCRAでランク付け 解析は、世界各地で行われた18歳以上の糖尿病とCKDを有する患者が参加した経口降圧薬治療に関する無作為化試験を対象に、2014年1月時点で電子データベース(Cochrane Collaboration、Medline、Embase)を系統的に検索して行われた。 主要アウトカムは、全死因死亡および末期腎不全。副次アウトカムとして安全性および心血管アウトカムについても評価した。 主要および副次アウトカムに関する推定値を入手し、ランダム効果ネットワークメタ解析を行い、オッズ比または標準化平均差を95%信頼区間[CI]値と共に算出した。surface under the cumulative ranking(SUCRA)を用いて、すべての降圧薬治療戦略とプラセボの効果を比較し、ランク付けした。ACE+ARB併用は、末期腎不全を減少するがリスク増大も ネットワークメタ解析には、157試験、4万3,256例のデータが組み込まれた。被験者の大半は、2型糖尿病合併CKD患者で、平均年齢は52.5歳(SD 12.0)であった。 結果、各レジメンの全死因死亡のオッズ比は、0.36(ACE阻害薬+Ca拮抗薬)から5.13(βブロッカー)にわたってランク付けされたが、抑制効果についてプラセボより有意に良好なレジメンはなかった。 しかしながら末期腎不全については、ARB+ACE阻害薬の併用療法(オッズ比:0.62、95%信頼区間[CI]:0.43~0.90)と、ARB単独療法(同:0.77、0.65~0.92)において、プラセボと比較した有意な抑制効果が認められた。 高カリウム血症または急性腎不全を有意に増大したレジメンはなかったが、その中でランク付けにおいて、ARB+ACE阻害薬併用の推定リスクが最も高かった。(高カリウム血症のオッズ比:2.69、95%CI:0.97~7.47、急性腎不全:2.69、0.98~7.38)。

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うつ病と双極性障害、脳の感情調節メカニズムが異なる

 うつ病および双極性障害は、抑うつ期あるいは寛解期において臨床的な鑑別が困難である。この2つの気分障害は感情調節障害により特徴付けられるが、それぞれの感情制御の相違に関してはほとんど知られていない。オランダ・アムステルダム大学のMaria M. Rive氏らは、うつ病および双極性障害患者の抑うつ期および寛解期における感情調節の相違について、核磁気共鳴画像(MRI)を用いて検討した。その結果、抑うつ期と寛解期のいずれにおいても、happyあるいはsadという感情を調節している際の脳活性が両疾患の間で異なることを報告した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2015年5月6日号の掲載報告。 うつ病と双極性障害の感情制御の理解は、障害に特異的な病態生理メカニズムに基づいて両疾患を区別する助けになると思われる。これまでの研究では、薬剤の使用が認められているものが多く、また一般化可能性と妥当性に限界のあるものが多かった。また、気分の状態が両疾患の相違に影響を及ぼすと考えられるが、うつ病および双極性障害患者の大半が寛解期ではなく抑うつ期に比較検討されていた。 研究グループは、薬物治療を実施していないうつ病および双極性障害患者について、抑うつ期と寛解期の2つの気分状態におけるポジティブおよびネガティブな感情調節について検討した。2009年5月~2013年8月までに横断的研究を実施。オランダ全土の複数の精神科施設から登録された、向精神薬の投与を受けていないうつ病患者42例、双極性障害患者35例、健常対照(HC)36例を対象とし、行動的および機能的MRIによる感情調節データを比較した。MRIでは、ポジティブ・ネガティブピクチャーを使用し、自主的感情調節の機能的MRIタスクを評価した。主要アウトカムは、血中酸素濃度による感情調節反応とした。 主な結果は以下のとおり。・寛解期において、双極性障害患者のみが感情調節障害を示し(t=3.39、p<0.001、Cohen d =0.70)、感情のタイプにかかわらず、うつ病患者および健常対照と比較し背外側前頭前皮質活性の増加を認めた(p=0.008)。・抑うつ期において、うつ病患者と双極性障害患者で幸福感(happy)と悲嘆(sad)の感情調節に相違が認められ(t=4.19、p<0.001、Cohen d=1.66)、前帯状回吻側における活性に差異がみられた(p<0.001)。・うつ病患者は双極性障害患者および健常対照に比べて幸福感と悲嘆の感情調節が不十分であったが、これら2つの感情間に前帯状回吻側における活性の差異は示されなかった。・一方、双極性障害患者はうつ病患者に比べて悲嘆の感情調節が不良であったが、幸福感の感情調節は正常であり、悲嘆と比べ幸福感の感情調節が行われている間は、前帯状回吻側における活性が有意に低かった。・薬物治療を受けていないうつ病患者と双極性障害患者の比較により、抑うつ期と寛解期のいずれにおいても、感情調節を行っている際の脳活性がうつ病と双極性障害で異なることがわかった。うつ病と双極性障害間で異なる神経学的な病態生理メカニズムは、診断ツールの開発に有効な可能性があった。関連医療ニュース うつ病と双極性障害を見分けるポイントは うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は 重症うつ病と双極性障害の関係:徳島大  担当者へのご意見箱はこちら

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Dr.山田のゆるい糖質制限 -医学的根拠と実践方法-

第1回 いま、糖質制限食が必要です 第2回 すでに効果と安全性は認められています第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています 第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません第6回 糖質制限はこうして実践できます 糖尿病食事療法の新たな選択肢として脚光を浴びる糖質制限。まだ一部には、腎機能への悪影響などを危惧する懐疑的な意見があるのも事実です。この番組では北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生が最新のエビデンスを科学的に分析し、糖質制限に対するさまざまな危惧を払拭。さらに、実際の治療に取り入れる際のポイント、成功に導くテクニックも公開します。自信を持って糖質制限を勧められる知識とノウハウを詰め込みました!第1回 いま、糖質制限食が必要です糖尿病治療の新たな選択肢として注目を集める糖質制限。アメリカではすでに食事療法の一つとして認められているのです!第1回は、 山田悟先生が提唱する「ゆるい」糖質制限の定義、そしてなぜ糖質制限が糖尿病大国アメリカで認められているのかを学会提言の変遷とともに解説します。糖質を減らした分、脂質が増えていいの?といった疑問にも脂質を摂取することが動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下させる…そんな研究結果を数多く引用し不安を払拭していきます。第2回 すでに効果と安全性は認められています今回は3つの大きな臨床研究を例に、糖質制限の効果と安全性に迫ります。4種類の食事療法での減量効果を調べたATOZ試験。糖質制限食・脂質制限食・高脂質食それぞれの減量効果や血糖値、脂質、血圧などに与える影響を調べたDIRECT試験とそのサブ解析。そして日本人の糖尿病患者での効果を検討した北里研究所病院試験。高脂質食や糖質制限食による脂質プロファイルの改善、また腎症3期でのeGFRの変化などを見ると、腎機能への影響や動脈硬化のリスクも杞憂だったと感じるはず。第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています日本糖尿病学会は糖質制限を否定している?それは誤解だと山田先生は言い切ります。昔も今も、否定されているのは「極端な」糖質制限のみであり、「ゆるい」糖質制限は許容されているのです。そのことを理解するには、食品交換表、また日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインについて注意深く読み解くことが必要。そこで今回は、食品交換表の変遷を解説し、糖尿病診療ガイドラインの参考文献を丁寧に検証していきます。情報を自分で精査するための知識として、観察研究と無作為比較試験の違いにも言及。実践可能な食事療法として、「ゆるい」糖質制限が存在することをぜひ番組で体感してください。第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません「炭水化物は総カロリーの50~60%摂取すべき」という定説、その根拠をひも解いてみると、実は明確なエビデンスがあるとは言い切れないということが今回のレクチャーでわかります。糖質摂取量を減らすことで懸念される血管内皮機能の低下や筋肉量の減少など、様々ある言説が誤解であるということもエビデンスに基づいて解説します!第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません糖質制限で動脈硬化になる?心血管疾患のリスクが高まる?いずれも過去の言説になりつつあります。一概に蛋白といっても、その質によって動脈へ与える影響が異なることや、欧米人と東アジア人では糖質摂取量による心血管リスクが異なることを最新のエビデンスを用いて解説します。第6回 糖質制限はこうして実践できます糖質制限レクチャー最終回は、導入方法をお教えします。糖質制限を実際に導入するときに気を付けることは?糖質制限をしてはいけない症例は?薬との併用はどう考えればいい?食事以外に変更すべきことはある?など糖質制限の導入にあたっての疑問に山田先生がお答えします。糖質制限の特徴と注意点を押さえて、日常診療に役立ててください!

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スマホアプリで日焼け予防!?

 スマートフォンではアプリケーション(スマホアプリ)を利用し、ユーザーに応じた健康情報を提供することができる。米国・Klein Buendel社のDavid B. Buller氏らは、リアルタイムで日焼け防止のアドバイスを配信するスマホアプリの有用性を評価する無作為化臨床試験を行った。その結果、スマホアプリの使用する人が予想より低かったものの日焼け防止策を実践する人は増えたことを報告した。著者は「太陽下にいる時間と場所に応じて個人的にアドバイスを提供することは、日光曝露の減少に役立つだろう」とまとめている。JAMA Dermatology誌2015年5月号の掲載報告。 研究グループは、2012年7月に米国住民から成るオンライン調査パネル(Knowledge Panel)を用いて、試験に参加するAndroidスマートフォン所有者(非ヒスパニック系およびヒスパニック系の18歳以上の成人)を募集し、スマホアプリの情報を配信する介入群と配信しない対照群に無作為化した。 スマホアプリで配信したのは、1時間ごとのUV指数予測値、スマホの位置・時間情報、およびユーザー個人の情報に基づいて、日焼け防止のアドバイスや警告(日焼けのリスク、日焼け防止策実践の推奨、日焼け止め再塗布までの時間、日陰に入ることなど)だった。 評価項目は、過去3ヵ月における日焼け止め使用日数の割合、日中(午前10時から午後4時)に屋外で過ごした時間および日焼け回数などであった。主な結果は以下のとおり。・無作為化後の最終的な試験参加者は、計604例であった。・介入群は対照群と比較して、屋外における日陰の利用が多かった(日中、屋外で日陰にいた日の割合;41.0% vs. 33.7%、p=0.03)。しかし、日焼け止めの使用は少なかった(使用した日の割合;28.6% vs. 34.5%、p=0.048)。・介入群と対照群とで、過去3ヵ月に日焼けした回数に差はなかった(0.60 vs. 0.62、p=0.87)。・介入群で、アプリを実際に使用した人は使用しなかった人に比べ、太陽下にいる時間が短く(太陽下にいる時間を最小にした日の割合:60.4% vs. 49.3%、p=0.04)、日焼け防止策を実践することが多かった(すべての日焼け防止策を行った日の割合;39.4% vs. 33.8%、p=0.04)

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拒食に対する抗精神病薬増強療法の効果は

 神経性やせ症は生命に危険を及ぼすことがあり、あらゆる精神障害のうち最も死亡率が高く、治療が難しい精神疾患である。イタリア・トリノ大学のEnrica Marzola氏らは、神経性やせ症入院患者のカルテを後ろ向きに評価し、非定型抗精神病薬による増強療法について、アリピプラゾールが有望であることを報告した。今回の所見について、著者らは「無作為化試験での確認に値する有望な知見であった」と述べている。PLoS One誌オンライン版2015年4月29日号の掲載報告。 研究グループは、神経性やせ症の成人患者におけるSSRIへの増強療法として、オランザピンとアリピプラゾールの実臨床での使用について予備データを得るため、2012~2014年に入院した患者のカルテを後ろ向きに評価した。入院時、退院時における摂食症状、ならびに精神病理全般・摂食病理について、ハミルトン不安評価尺度、ハミルトンうつ病評価尺度、Yale-Brown-Cornell摂食障害尺度を用いて調べた。 主な結果は以下のとおり。・患者75例の医療記録が検討に含まれた。患者検体は、等しくSSRI投与を受けており、またSSRIに加えてアリピプラゾールもしくはオランザピンの投与を受けていた。・ベースラインで臨床的な差がいくつかみられたが、退院時には全員、すべての評価尺度において有意な改善が認められた。・とくに、アリピプラゾール投与群では、摂食関連への傾倒(preoccupation)や儀式(ritual)を減らす最も大きな効果が、かなり大きなエフェクトサイズとともに示された。・神経性やせ症における薬物治療のエビデンスは見通しの暗い状況にある。増強療法は、さまざまな精神障害の確立したアプローチであり、患者への日常診療でもしばしば使用されているが、これまでに本件に関して利用可能なデータはほとんどない。・本検討では、アリピプラゾールの増強療法が摂食関連の強迫観念や衝動を減ずるのに有望であるとの結果が得られた。関連医療ニュース 難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 摂食障害、成人期と思春期でセロトニン作動系の特徴が異なる 拒食に抗精神病薬、その是非は  担当者へのご意見箱はこちら

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1型糖尿病患者における強化療法と眼科手術(解説:住谷 哲 氏)-363

 糖尿病診断直後からの数年にわたる厳格な血糖管理が、その後の患者の予後に大きく影響することは、1型糖尿病(T1DM)においてはmetabolic memory(高血糖の記憶)、2型糖尿病(T2DM)においてはlegacy effect(遺産効果)として広く知られている。T1DMにおける糖尿病性腎症、心血管イベントおよび総死亡に対するmetabolic memoryの存在がすでに報告されていたが、本論文により眼科手術に対しても同様にmetabolic memoryの存在が明らかにされた。 糖尿病網膜症を有する患者においては、高血糖の急速な改善により網膜症の増悪を来すことがあるため注意が必要である、といわれているがエビデンスははっきりしない。本論文の基になっているDCCT試験1)において、血糖正常化を目指した強化療法群では介入開始1年後に、2次介入群(secondary-intervention cohort:軽度から中等度の非増殖性網膜症を有する患者群)では網膜症の増悪・進展を認めているが、3年後からは逆に強化療法群で増悪・進展が抑制されていた。6.5年後の試験終了時には、強化療法により1次予防群(primary-prevention cohort:網膜症なしの患者群)において、網膜症の新規発症が76%、2次介入群では網膜症の進展が54%、増殖性網膜症または高度の非増殖性網膜症の発症が47%とそれぞれ抑制されていた。したがって、T1DM患者においては、中等度の非増殖性網膜症までの段階であれば厳格に血糖管理を行うことで、一過性に網膜症の増悪を認めることもあるが、長期的には網膜症の新規発症、増悪、進展を抑制できる、とのエビデンスをわれわれは持っていたことになる。 本論文ではDCCT試験終了から23年後、試験開始から30年後における、通常療法群と強化療法群との眼科手術の頻度と、眼科手術にかかるコストとが評価された。結果は予想どおり、眼科手術の頻度とコストとの両者共に強化療法群において有意に減少していた。しかしながら、失明した患者数については記載がない。著者らの結論は眼科手術とコストとの両者においてもmetabolic memoryの存在が証明された、となっているが、すでに腎症、心血管イベントにおいてmetabolic memoryの存在が証明されており、当然のような気がしないでもない。 Discussionにおいて、強化療法によるベネフィットのほとんどはHbA1cの低下によって説明され、血圧の関与は有意ではなかったとある。この解釈には少し注意が必要であろう。2型糖尿病患者における血圧管理の重要性を初めて明らかにしたUKPDS 362)においては、cataract extraction(白内障摘出術)を除いたすべてのエンドポイントが降圧により減少した。他の2つの眼科関連エンドポイントであるvitrectomy(硝子体切除術)、retinal photocoagulation(網膜光凝固術)も降圧により有意に減少している。本論文においては眼科手術の多くがcataract extractionであり、全体の結果がこれに引きずられた可能性が否定できない。血圧管理は1型、2型を問わず糖尿病合併症予防においてきわめて重要であり、厳格な血糖管理のみに注目するのではなく、血圧、脂質も含めた包括的な管理を心がける必要があろう。

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出生地が双極性障害発症時期に影響

 出生直後の環境条件は、概日システムの刷り込みや、その後の環境応答に影響するかもしれない。ドイツ・カールグスタフ・カールス大学病院のMichael Bauer氏らは以前、とくに気分障害の家族歴を持つ人において、春の日射量の増加が双極性障害の発症年齢と関連することを報告していた。本研究では、出生地の日照時間がこの関連に影響を与えているかどうかを検討した。Journal of psychiatric research誌2015年5月号(オンライン版2015年3月27日号)の報告。 以前収集した23ヵ国、36施設のデータから、双極I型障害患者3,896例のデータが得られた。患者の出生地は、北緯1.4度から70.7度および南緯1.2度から41.3度の範囲であった。出生地の日照時間の変数をベースモデルに追加し、発症年齢と日射との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・乳児期の出生地のより多い日照時間は、より高齢での発症と関連していた。このことは、発症地での春の日射の増加が、将来の概日リズムに対する脆弱性を低下することを示唆していた。・出生後最初の3ヵ月における、平均月間日照量の最小値を変数に加えることでベースモデルが改善し、発症年齢と正の相関がみられた。・その他すべての変数における係数は安定、重大かつベースモデルと一致した。 結果を踏まえ、著者らは「出生後早期の光曝露は、とくに冬場の自然光が少ない緯度地域の、双極性障害を発症しやすい人に重要な影響を与える。出生後早期の光曝露は、その後の概日リズム応答のための長期的な適応性に影響を与える可能性がある」とまとめている。関連医療ニュース 双極性障害ラピッドサイクラーの特徴は 小児・思春期の双極性障害に対する非定型抗精神病薬vs気分安定薬 冬季うつ病、注意が必要な地域は  担当者へのご意見箱はこちら

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爪真菌症に有用なホウ素含有の新規抗真菌薬

 爪真菌症は生活の質に影響を与える。ホウ素を含有する新しいクラスの抗真菌薬タバボロール(tavaborole、国内未承認)は、足の爪真菌症に対して優れた臨床効果を発揮するとともに安全性プロファイルは良好であることが、米国・アラバマ大学バーミンガム校のBoni E. Elewski氏らによる2件の第III相試験の結果、確認された。タバボロールは爪真菌症に対する新たな治療選択肢として期待される。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2015年5月5日号の掲載報告。 第1趾爪(対象爪)の20~60%が感染している遠位爪甲下爪真菌症の成人患者を、タバボロール群または基剤群に2対1で無作為に割り付け、1日1回48週間投与した。  主要評価項目は、52週目の完全治癒率(完全に透明な爪かつ真菌学的治癒の割合)であった。副次的評価項目は、完全またはほぼ完全に透明な爪を有する患者の割合、真菌学的治癒率、完全またはほぼ完全な治癒率(完全にまたはほぼ完全に透明な爪かつ真菌学的治癒の割合)、および安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・完全治癒率(タバボロール群/試験1:6.5%、試験2:9.1% vs. 基剤群/それぞれ0.5%、1.5%)および真菌学的治癒率(同様に31.1%、35.9% vs. 7.2%、12.2%)は、タバボロール群が基剤群より有意に優れていた(p<0.001)。・完全またはほぼ透明な爪を有する患者の割合も、タバボロール群が基剤群より有意に高かった(26.1%、27.5% vs. 9.3%、14.6%:p<0.001)。・完全またはほぼ完全な治癒率も、タバボロール群が基剤群より有意に高率であった(15.3%、17.9% vs. 1.5%、3.9%:p<0.001)。・タバボロールの適用部位にみられた主な有害事象は、皮膚剥脱(2.7%)、紅斑(1.6%)および皮膚炎(1.3%)であった。

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海藻摂取と甲状腺がん発症に関連認めず

 ヨウ素の過剰摂取は甲状腺がんのリスク因子と考えられている。わが国では主に海藻からヨウ素を摂取し、その量は世界的にみても多い。国内のこれまでの疫学的研究では、海藻を毎日摂取すると閉経後女性で甲状腺がんリスクが4倍高くなり、それ以外では関連がなかったと報告している。今回、JACC研究(the Japan collaborative cohort study)※グループは、1988~2009年に追跡したJACC研究で、日本女性の海藻摂取頻度と甲状腺がんリスクとの関連を調査した。その結果、閉経前後にかかわらず、海藻摂取と甲状腺がん発症率との関連は認められなかった。European journal of cancer prevention誌オンライン版2015年5月14日号に掲載。 研究グループでは、ベースライン時に自己管理質問票で海藻摂取とその他の生活関連情報を収集し、海藻摂取頻度は、「1~2回/週以下」「3~4回/週」「ほぼ毎日」に分類した。海藻摂取頻度による甲状腺がん発症のハザード比と95%信頼区間(CI)はCox比例ハザード回帰を用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・3万5,687人をフォローアップした44万7,876人年の間に、甲状腺がんが新規に94例確認された。・粗罹患率は10万人年当たり20.9であった。・毎日海藻を摂取した女性における甲状腺がんのハザード比は、1~2回/週以下の女性と比べ、1.15(95%CI:0.69~1.90、傾向のp=0.59)であった。・統計的な潜在的交絡変数調整によっても、閉経状況での層別化によっても、海藻摂取と甲状腺がんリスクの関連は認められなかった。※JACC Study最近の日本人の生活習慣ががんとどのように関連しているかを明らかにするために、文部科学省(当時文部省)の科学研究費の助成を受け、1988年に多施設が協力して開始された大規模なコホート研究。

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Borrelia miyamotoiに気を付けろッ! その2【新興再興感染症に気を付けろッ!】

ケアネットをご覧の皆さま、こんにちは。国立国際医療研究センター 国際感染症センターの忽那です。このタイトルの連載は「新興再興感染症の気を付け方」についてまったりと、そしてときにまったりと、つまり一貫してまったりと学んでいくコーナーです。前回はBorrelia miyamotoiの微生物学的な特徴、国外での疫学についてご紹介いたしましたが、今回は日本国内の疫学、臨床像、治療、そして気を付け方についてご紹介したいと思います。Borrelia miyamotoiの日本国内の疫学2011年からBorrelia miyamotoiによる感染症が海外でも報告され、日本でもそのうち感染例が出るのではないかと、まことしやかにささやかれ始めました。そもそも日本で最初に見つかった微生物ですからね。そして、ついに日本国内からもBorrelia miyamotoi感染症が報告される日が来ました。Borrelia miyamotoiは、ライム病グループのボレリア属と同じマダニに媒介されるという特徴や、海外ではライム病との共感染が示唆される事例が相次いでいたことから、わが国でも疑い例を含むライム病患者408例の血清でBorrelia miyamotoiのPCRが行われたところ、2例でBorrelia miyamotoi遺伝子が検出されたことから、ライム病との共感染のBorrelia miyamotoi感染症と考えられました1)。この2例はどちらも北海道在住の方で、発症2週間以内にマダニに咬まれていました。日本でも……日本でも回帰熱に感染するのですッ! このうち1例はより詳細な症例報告があります2)。この方は、北海道の山中で仕事をしている際に前胸部をマダニに咬まれており、その12日後、マダニ刺咬部前胸部に、遊走性紅斑が出現したため病院へ受診しています。ライム病に典型的な遊走性紅斑であったことから、当初ライム病と診断されセフトリアキソン1g/日を7日間投与され症状は消失しています。ボレリア抗体が陽性ということで、ライム病として届出が行われましたが、後日PCR法でBorrelia miyamotoi の遺伝子が検出されたことから、回帰熱としても届出が行われました。やはりライム病との共感染の頻度が高いようです。北海道ではマダニの調査も行われており、マダニの種類によって異なるものの、シュルツェマダニなどのマダニが数%の頻度でBorrelia miyamotoiを保有していることが明らかになっています3)。ライム病は北海道以外にも長野県などで報告があること、またシュルツェマダニは北海道だけでなく、全国に分布していることから北海道以外の地域でもBorrelia miyamotoiに感染する可能性はあると考えられます。Borrelia miyamotoiの臨床像、治療、そして気を付け方Borrelia miyamotoi感染症は、まだ報告例が少ないことから臨床像についてもまだ未知な部分が多いのですが、ロシアで報告された46例では高熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛といった非特異的な症状の頻度が高かったようです4)。46例中9例で遊走性紅斑が認められていますが、これはおそらくライム病との共感染と考えられます。Borrelia miyamotoi感染症は回帰熱グループなんですが、このロシアの報告でも5例だけで繰り返す発熱エピソードが観察されており、他の回帰熱グループと比べるとそんなに発熱は回帰しないんじゃないかと考えられています。ちょっとテンション下がりますね。また、免疫不全者では、慢性髄膜炎の原因にもなるようです5)。治療についても未知な部分は多いのですが、元々ボレリア属はいろんな抗菌薬が効きまくる微生物であり、これまでにペニシリンGやセフトリアキソン、ドキシサイクリンで治療されています。おそらくライム病と同じように、これらの抗菌薬が有効と考えられます。治療期間は2週間というものが多いようですが、適切な治療期間については不明です。 また、治療の際に注意すべき点として、スピロヘータ特有の問題であるJarisch-Herxheimer反応があります5)。治療開始後に発熱やショック状態を呈することがあり、治療を開始したら、しばらくは慎重に経過観察をしましょう。最後に、Borrelia miyamotoi感染症の気を付け方ですが、これまでに明らかになっている疫学や臨床像から、ライム病を疑った患者ではBorrelia miyamotoiの共感染も考えるシュルツェマダニなどの生息する地域でマダニに曝露して10~14日後に高熱を伴う非特異的症状を呈した患者で、原因がわからないもの(とくに回帰性発熱を呈する患者)ではBorrelia miyamotoi感染症を考えるあたりが落としどころになるかと思います。これからマダニの季節がやってきます。読者の皆さまもときどきBorrelia miyamotoiについて、思いを馳せてみてください……。次回は、日本上陸間近と懸念されている「チクングニア熱」の気を付け方に迫りたいと思います!1)Sato K, et al. Emerg Infect Dis. 2014;20:1391-1393.2)兼古稔. 日臨救医誌. 2015;18:63-67.3)Takano A, et al. PLoS One. 2014;9:e104532.4) Platonov AE, et al. Emerg Infect Dis. 2011;17:1816-1823.5) Gugliotta JL, et al. N Engl J Med. 2013;368:240-245.

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第20回

第20回:大腸がんのスクリーニングとその後のフォロー監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 近年、わが国の大腸がん死亡率および罹患率は著しく増加しています。2013 年の人口動態統計によれば、女性の大腸がん死亡は全悪性新生物による死亡の中で最多であり、男性では肺がん、胃がんに次いで多く、過去 50 年間でおよそ 10倍となっています1)。 大腸がんは、早期であればほぼ100%近く治すことができますが、一般的には早期の段階では自覚症状はありません。したがって、無症状の時期に発見することが重要となります。今回の記事で大腸がんのスクリーニングとその後のフォローについて確認してみましょう。また日本では、これを参考にした大腸がんの検診ガイドライン2)も出されていますので、一度目を通してみるとよいかもしれません。 なお、日本の『大腸ESD・EMRガイドライン』では、径6mm以上の腺腫(一定の担がん率・SMがんも存在することから表面陥凹型腫瘍は径5mm以下でも)切除が勧められています。遠位大腸に存在する径5mm以下の典型的な過形成性ポリープは放置可能(エビデンスⅣb・推奨度B)3)など対応に違いがあります。 タイトル:大腸がんのスクリーニングおよびサーベイランスColorectal Cancer Screening and Surveillance以下、American Family Physician 2015年1月15日号4)より◆疫学~スクリーニング(USPSTF;米国予防サービスタスクフォースの推奨)大腸がんは男女ともに3番目に頻度の多いがんである。早期発見/治療により過去20年間で発生率と死亡率は減少している。平均的な大腸がんリスクのある人には、50歳でスクリーニングを開始すべきである。75歳以上へのルーチンスクリーニングは個別の判断を推奨している。(リスクとがん死亡を比較してスクリーニングの有用性が上回る場合、患者と医師で相談して決定する)【無症状、平均リスクの成人に対するスクリーニングの推奨】下記はどれも同等の推奨度。年に1回の高感度便潜血検査5年ごとの軟性S状結腸鏡検査と3年ごとの高感度便潜血検査10年ごとの大腸内視鏡検査【リスクを持つ成人の大腸内視鏡スクリーニング】60歳以上で大腸がんもしくは高度異型腺腫※と診断を受けた1親等の親族が1人いる場合→50歳で全大腸内視鏡検査スクリーニング開始、10年ごとに施行60歳未満で大腸がんもしくは高度異型腺腫と診断を受けた1親等の親族が1人いる場合→40歳もしくは親族が診断を受けた年齢より10年若いときに全大腸内視鏡検査スクリーニング開始、5年ごとに施行どの年齢でも大腸がんもしくは高度異型腺腫と診断を受けた1親等の親族が2人いる場合→40歳もしくは親族のうちより若年で診断を受けたその年齢より10年若いときに全大腸内視鏡検査スクリーニング開始、5年ごとに施行※高度異型腺腫=10mm以上の腺腫で絨毛要素を持ち、高度異型性であるものをいう。【大腸内視鏡検査フォローアップ期間】2012年に出されたU.S.Multi-Society Task Force on Colorectal Cancerからのサーベイランスガイドライン異常なし(ポリープなし、もしくは生検で異常なし ) →10年ごと過形成性ポリープ直腸もしくはS状結腸に10mm未満の過形成性ポリープ →10年ごと低リスクポリープ10mm未満の管状腺腫が1、2個 →5~10年ごと異型性のない10mm未満の小無茎性鋸歯状ポリープ →5年ごと高リスクポリープ →3年ごと3~10個の管状腺腫10mm以上の管状腺腫もしくは鋸歯状ポリープ絨毛もしくは高度異形成を持つ腺腫細胞学的異形成との固着性鋸歯状ポリープ古典的鋸歯状腺腫他の事情10個以上の腺腫 → 3年ごと鋸歯状ポリープ症候群 →1年ごと※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 国立がん研究センターがん対策情報センター. 人口動態統計によるがん死亡データ(1958年~2013年). http://ganjoho.jp/professional/statistics/statistics.html (参照 2015.5.25) 2) 平成16年度厚生労働省がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」班. 有効性評価に基づくがん検診ガイドライン. 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター. http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/daicyougan.html (参照 2015.5.25) 3) 田中信治ほか. 日本消化器内視鏡学会誌. 2014;56:1598-1617. 4) Short MW, et al. Am Fam Physician. 2015;91:93-100.

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精神疾患ドライバー、疾患による特徴の違い

 米国・バージニア大学のPaula A. Aduen氏らは、注意欠如・多動症(ADHD)、うつ病を有するドライバーと、精神疾患のないドライバーを比較し、衝突事故等との関連を調べた。結果、ADHDドライバーとうつ病ドライバーでは交通違反や衝突事故リスクが異なり、ADHDは多様な衝突事故や違反、衝突関連の障害と特異的に関連している一方、うつ病は自己報告による衝突後の受傷と関連していると思われる所見が示されたという。Psychiatric Research誌2015年5月号の掲載報告。 臨床においてほとんど議論にならないが、自動車運転は、複雑で多岐にわたる動作努力を要し、瞬間的な不注意が壊滅的な結果を招く。先行研究において、ADHDのような罹病率の高い精神障害は、過度の衝突率に関連し、種々の有害な社会的、経済的、健康、死亡そして法的なアウトカムの前兆となることが示唆されていたが、自己バイアスや精神疾患の比較群の欠落により、所見は限定的なものにとどまっていた。 研究グループはそうした限界に焦点を当て、ADHD、うつ病と、有害運転アウトカム、自己バイアスのない選択、運転曝露および紹介バイアスとの特徴的な関連を調べるStrategic Highway Research Program(SHRP-2)Naturalistic Driving Studyを行った。試験には、確率抽出法に基づくサンプリングにより6地域から米国ドライバーが参加し、Barkley ADHD評価、精神科診断質問票によって、ADHD群(275例)、うつ病群(251例)、健康対照(1,828例)にグループ分けされた。主要アウトカムは、自己報告による衝突事故、走行中の交通違反、衝突に関連した受傷および障害(過去3年間における)が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・ADHDは、多様な違反(OR:2.3)や衝突(同:2.2)、また衝突関連の障害(同2.1)のリスク増大要因となることが、統計学的差をもって示された。うつ病についてはいずれも認められなかった。・一方、ADHDにはなくうつ病がリスク増大要因となることがみられたのは、自己報告による衝突後の受傷であった(OR:2.4)。 結果を踏まえ、著者らは「こうしたリスクの特異的な基礎メカニズムを明らかにすることが重要であり、高罹病率の精神障害を有するドライバーについて長期的な機能改善を図る効果的な研究を考案することが求められる」とまとめている。関連医療ニュース 認知症ドライバーの運転能力、どう判断すべきか 成人ADHDをどう見極める うつになったら、休むべきか働き続けるべきか  担当者へのご意見箱はこちら

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肛門性器疣贅、高用量の酸性化亜硝酸塩クリームで改善

 肛門性器疣贅は、肉体的・精神的な苦痛と医療費を患者に強いる疾患である。英国スコットランド・アバディーン大学のAnthony D. Ormerod氏らは、亜硝酸塩の酸性化による局所への一酸化窒素送達の有効性を検討する目的でプラセボ対照無作為化試験を行い、肛門性器疣贅の治療において亜硝酸ナトリウム6%+クエン酸9%クリーム1日2回塗布はプラセボより有効であることを明らかにした。主な有害事象は局所刺激性であった。JAMA Dermatology誌オンライン版2015年4月29日号の掲載報告。 研究グループは、2001年12月20日~2003年1月14日に、欧州の泌尿器・生殖器内科クリニック40施設にて無作為化用量設定試験を行った。 対象は2~50個の肛門性器疣贅を有する18歳以上の男女計299例で、プラセボ群と治療群に無作為化し、被験薬を1日2回12週間局所塗布した後、12週間追跡した。治療群は低用量群(亜硝酸ナトリウム3%+クエン酸4.5%クリームを1日2回塗布)、中用量群(プラセボを朝1回塗布、亜硝酸ナトリウム6%+クエン酸9%クリームを夜1回塗布)、高用量群(亜硝酸ナトリウム6%+クエン酸9%クリームを1日2回塗布)の3群。 主要評価項目は標的疣贅の完全消失率、副次的評価項目は標的疣贅領域の減少および安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・12週後の標的疣贅完全消失率は、プラセボ群が74例中10例14%(95%信頼区間[CI]:6~21%)、低用量群が72例中11例15%(95%CI:7~24%)、中用量群が74例中17例23%(95%CI:13~33%)、高用量群が70例中22例31%(95% CI:21~42%)(p=0.01)であった。・標的疣贅領域の減少、消失までの期間、および患者/研究者の評価は、高用量群がプラセボ群より優れていることが示された。・治療に関連する全身性または重篤な有害事象はみられなかったが、治療群では用量増加に関連した肛門性器皮膚のそう痒、疼痛、浮腫および変色が認められた。・治療群全体で21例が有害事象のため脱落したが、プラセボ群ではいなかった。

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禁煙プログラム、成功報酬型が効果的/NEJM

 禁煙継続のためのインセンティブプログラムは、デポジット方式(預託金+報酬型)よりもリワード方式(成功報酬型)のほうが多くの人に受け入れられ、禁煙継続率が高い。また、集団指導のほうが個人指導よりも禁煙率は高率であったが有意な差はなかったことが、米国・ペンシルベニア大学のScott D. Halpern氏らによる無作為化試験の結果、報告された。インセンティブプログラムは、種々の健康行動を促進するために取り入れられているが、効果的な方法については明らかにされていない。禁煙プログラムについては、これまでデポジット方式とリワード方式を比較したことがなく、また集団指導のほうが競争心をあおり効果的だと考えられてきたという。NEJM誌オンライン版2015年5月13日号掲載の報告より。リワードvs. デポジッド受け取り方式、集団vs. 個人指導の介入について無作為化試験 研究グループは、通常の禁煙セッションと4タイプの報酬プログラムを比較検討する無作為化試験を行った。被験者は、米国薬局チェーンのCVSケアマーク社の従業員とその関係者・友人で、(1)通常ケアのみ、(2)個人指導・リワード方式、(3)集団指導・リワード方式、(4)個人指導・デポジッド方式、(5)集団指導・デポジッド方式の5群に無作為に割り付けられた。集団指導は6人制であった。  4群とも支払スケジュール(禁煙開始14日、30日、6ヵ月のタイムポイント時に支払われる)とボーナスがあることは同一だったが、報酬受取の誘因や受け取り方法が異なっていた。たとえば個人・リワード方式群は、禁煙開始後14日、30日、6ヵ月に生化学的検査で禁煙が確認されればそれぞれ200ドルずつがもらえ、6ヵ月間の禁煙継続者にはボーナス200ドルが受け取れた。デポジット方式群は預託金として150ドルを拠出し、タイムポイントでの禁煙継続有無等によってその預託金150ドル+650ドルの報酬を受け取る仕組みになっていた。集団と個人は同等、リワード方式のプログラムのほうが禁煙継続に優れる? 試験には合計2,538例が登録され、そのうち報酬プログラム4群の被験者は計2,070例であった。 2つのリワード方式のプログラムに割り付けられた被験者のほうが、2つのデポジット方式のプログラムに割り付けられた被験者より割り付け介入を受け入れた割合が有意に高率であった(90.0% vs. 13.7%、p<0.001)。 intention-to-treat解析の結果、6ヵ月間の禁煙継続率は、通常ケア群(6%)よりも4つの介入群のほうが高率(範囲:9.4~16.0%)だった(すべての比較のp<0.05)。またリワード方式のプログラムのほうが、12ヵ月間の禁煙継続が優れていた。 集団指導と個人指導のプログラム間の、6ヵ月間の禁煙率は同等であった(13.7% vs. 12.1%、p=0.29)。 また、リワード方式のほうが、デポジット方式のプログラムよりも禁煙率が高率であった(15.7% vs. 10.2%、p<0.001)が、実際の介入を受けた割合の違いを反映し、介入を受けた被験者を両群とも13.7%と推定して行った操作変数解析においては、リワード方式群よりもデポジット方式群のほうが、6ヵ月時点の禁煙率は13.2ポイント(95%信頼区間:3.1~22.8ポイント)高率であった。

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TEX11変異、減数分裂停止のある無精子症の原因に/NEJM

 遺伝子変異は、減数分裂停止のある無精子症の原因であることが報告された。米国ピッツバーグ大学医学部のAlexander N. Yatsenko氏らが、289例の無精子症の男性とその対照群についてスクリーニング試験を行い明らかにした。非閉塞性無精子症の遺伝的要因はこれまで明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2015年5月13日号掲載の報告より。TEX11遺伝子について変異スクリーニング 研究グループは、まず無精子症患者15例を対象に、アレイ比較ゲノムハイブリダイゼーション試験を行い、変異遺伝子について調べた。 次に、無精子症患者289例とその対照群384例について、TEX11遺伝子に関して、直接サンガー法シークエンシングで変異スクリーニングを行った。減数分裂停止を伴う無精子症、TEX11変異発症率は15% その結果、3つのTEX11遺伝子の構造配列に関与する染色体Xq13.2上の99-kbヘミ接合損失が、無精子症患者2例で認められた。 変異スクリーニングでは、3つのスプライス部位変異と、2つのミスセンス変異が見つかった。 これら変異の発現率は、対照群では0%(0例)に対し無精子症群では2.4%(7例)と高率に認められた(p=0.003)。なかでも、減数分裂停止を伴う無精子症の患者では、TEX11変異が33例中5例(15%)と高い割合で認められた。また、これら患者にみられた減数分裂停止は、TEX11欠損雄マウスの表現型と類似していた。 免疫組織化学的分析の結果では、後期精母細胞ならびに円形・伸長の精子、健康成人の精巣で、特異的な細胞質型のTEX11発現がみられた。対照的に、TEX11変異を有する無精子症患者の検査では、減数分裂停止および欠損があるTEX11発現がみられた。

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治療抵抗性強迫症に抗精神病薬の増強療法は有効か

 強迫症(OCD)患者の多くがセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)に対する反応が十分ではなく、抗精神病薬による増強療法が行われることがある。こうした治療抵抗性例に対する抗精神病薬付加の有効性を評価する目的で、オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らが、検討を行った。無作為化二重盲検プラセボ対照試験のメタ解析の結果、SSRI治療抵抗性OCD患者には、抗精神病薬による治療が有効であることが示された。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年5月4日号の掲載報告。 研究グループは、SSRI治療抵抗性OCDを対象とした抗精神病薬の無作為化二重盲検プラセボ対照試験(RCT)について、2015年1月までに発表された論文をClinicalTrials.gov、Clinicaltrialsregister.eu、CENTRAL、EMBASE、PubMed/MEDLINEおよびPsycINFOを用いて検索した。主要評価項目は、Yale-Brown強迫尺度(Y-BOCS)総スコアの平均変化量、副次的評価項目は強迫観念、強迫行為、反応率および中断率で、データ収集は2名の研究者が独立して行い、Hedges’s gとリスク比を算出した。 結果は以下のとおり。・14件(491例)のRCTが組み込まれた:クエチアピン4件(142例)、リスペリドン4件(132例)、アリピプラゾール2件(79例)、オランザピン2件(70例)、パリペリドン1件(34例)、ハロペリドール1件(34例)。・抗精神病薬増強療法はプラセボより、Y-BOCS総スコアの減少が有意に大きく、有効性が示された(14件、478例;Hedges’s g=-0.64、95%信頼区間:-0.87〜-0.41、p<0.01)。・アリピプラゾール(Hedges’s g=-1.35)、ハロペリドール(Hedges’s g=-0.82)、リスペリドン(Hedges’s g=-0.59)は、プラセボより有意に優れていた。・強迫観念や強迫行為の改善および反応率は、抗精神病薬がプラセボより優れていた。・全中断率は、抗精神病薬とプラセボとの間に有意差はみられなかった。・なお抗精神病薬の用量やベースラインでの症状の重症度は、メタ解析の結果に影響しないことが示唆された。 結果を踏まえて著者は、「抗精神病薬の増強療法は、SSRI治療抵抗性OCDに対する根拠に基づいた治療である」と結論付けている。関連医療ニュース 難治性強迫性障害に有用な抗精神病薬は何か 難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 SSRIで著効しない強迫性障害、次の一手は  担当者へのご意見箱はこちら

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心房細動の有病率4倍に、転帰は改善~フラミンガム研究50年/Lancet

 欧米では、人口の高齢化に伴い心房細動の増加が予測されているが、その傾向に関する包括的な長期データは十分でないという。米国国立心肺血液研究所(NHLBI)のRenate B Schnabel氏らは、フラミンガム心臓研究の50年の心房細動に関するデータを解析した。その結果、この50年間で心房細動の有病率は4倍以上に、罹患率は3倍以上に増加したが、発症後の脳卒中の発生率や死亡率は大きく改善していたという。Lancet誌オンライン版2015年5月7日掲載の報告。罹患率はルーチンの心電図検査では増加せず 研究グループは、1958~2007年にフラミンガム心臓研究に登録された9,511例を対象に、心房細動の罹患率、有病率、リスク因子を調査し、発症後の脳卒中や死亡との関連について解析した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 10年単位で5つの時期に分け(1958~67年、1968~77年、1978~87年、1988~97年、1998~2007年)、男女別の傾向を解析した。50年間(20万2,417人年)の観察期間中に、1,544例が新規に心房細動を発症した。このうち723例(47%)が女性であった。 心房細動の年齢調整有病率は、男性が1958~67年の20.4/1,000人年から、1998~2007年には96.2/1,000人年へ、女性は13.7/1,000人年から49.4/1,000人年へと、全体で約4倍にまで増加した(いずれも傾向のp<0.0001)。また、同時期の1,000人年当たりの年齢調整罹患率は、男性が3.7から13.4へ、女性は2.5から8.6へと有意に増加した(いずれも傾向のp<0.0001)。 一方、フラミンガム研究のルーチンの心電図検査に限定すると、心房細動の1,000人年当たりの年齢調整有病率は、男性が1958~67年の12.6から1998~2007年には25.7(傾向p=0.0007)へ、女性は8.1から11.8(傾向p=0.009)へと有意に増加した。これに対し、年齢調整罹患率は、男性が1.83から3.75(傾向p=0.06)、女性は1.31から1.58(p=0.13)と上昇したものの、有意な変化は認めなかった。 これらのデータからは、臨床症状がみられなくても、生命を脅かす疾患としての心房細動に対する認識の向上が影響している可能性が示唆される。50年で発症後の脳卒中が74%、死亡は25%減少 多くの心房細動のリスク因子(加齢、喫煙、アルコール摂取、BMI、収縮期血圧、高血圧治療、糖尿病など)の保有率は経時的に変動していたが、心房細動への影響はほとんどなかった。 また、多変量で補正後の比例ハザードモデルによる解析では、心房細動発症から20年後までの脳卒中の発症率は、1958~67年に比べ1998~2007年には74%減少した(1958~67年の1998~2007年に対するハザード比[HR]:3.77、95%信頼区間[CI]:1.98~7.20、傾向p=0.0001)。同様に、心房細動発症20年後の死亡率は25%低下した(1.34、0.97~1.86、傾向p=0.003)。 このような心房細動発症後の転帰の改善には、治療法の進歩のほか、認識の向上およびサーベイランスの強化に基づく続発症の早期発見が寄与している可能性がある。 著者は、「男女双方の有病率の増加は、発症後の生存期間の延長で説明可能であろう。これに対し、罹患率の増加には、過去50年間における心房細動に対する認識の向上や画一的な診断法の改善などの影響もあると考えられる」とし、「有病率を抑制するには、より効果的なスクリーニング法の研究を促進し、心房細動とその有害な転帰への予防的介入が必要である」と結論している。

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慢性疼痛は健康状態だけでなく経済的損失にも関与~日本人のデータ

 日本人の10~20%は慢性疼痛を有しており、慢性疼痛は健康状態の悪化と関連することが知られている。大阪大学大学院 医学系研究科医療経済産業政策学寄附講座 教授の田倉 智之氏らは、日本人において慢性疼痛が及ぼす経済的影響について調査した。結果、慢性疼痛は健康状態のみならず労働生産性、日常生活活動障害、医療資源の使用および経済的負担と有意に関連していることを明らかにし、「治療率の向上と集学的なアプローチが生活の質を改善し経済的負担を減らす可能性がある」と報告した。Journal of Orthopaedic Science誌オンライン版2015年5月12日号の掲載報告。 調査は、日本で行われた成人の横断的健康調査National Health and Wellness Survey(NHWS)のデータ(3万例)を使用して行われた。 SF-12v2を用いて健康状態を、仕事の生産性および活動障害に関する質問票(WPAI)を用いて間接費用を評価するとともに、回帰分析を用いて直接費用(医療費)への影響も検討した。 主な結果は以下のとおり。・慢性疼痛ありが785例、なしが2万9,215例であった。・慢性疼痛のタイプは、腰痛(72.10%)および肩痛・肩こり(54.90%)が多かった。・慢性疼痛あり群は、なし群と比較して患者背景や既往歴を調整後も、健康状態が有意に低く[精神的側面のQOLサマリースコア(44.26 vs. 51.14)、身体的側面のQOLサマリースコア(44.23 vs. 47.48)、いずれもp<0.05]、長期病欠(4.74 vs. 2.74%)、疾病就業(30.19 vs. 15.19%)、全労働障害(31.70 vs. 16.82%)、間接費用(148万8,385 vs. 80万4,634円)、日常生活活動障害(33.45 vs. 17.25%)、医師受診回数(9.31 vs. 4.08回)、救急外来利用回数(0.19 vs. 0.08回)および入院回数(0.71 vs. 0.34回)が有意に高かった(すべてp<0.05)。・慢性疼痛あり群の約60%は未治療であった。・直近1週間における疼痛重症度(0~11で評価)の平均スコアは5.26で、女性、高齢者、低所得、ならびに複数タイプの疼痛を有することが、重症度の高さと有意に関連しており(すべてp<0.05)、定期的な運動が疼痛重症度の低さと関連していた(p<0.05)。

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非定型抗精神病薬は認知症に有効なのか

 認知症によくみられる神経精神症状の治療に、さまざまな非定型抗精神病薬が広く用いられているが、これらの薬剤の有効性と安全性に関する無作為化比較試験では矛盾する結果が示されている。中国海洋大学のリン・タン氏らは、この問題に取り組むためシステマティックレビューを行った。結果、アリピプラゾールとリスペリドンは、平均12週で認知症の神経精神症状を改善し認知機能の低下を遅らせると結論付けた。ただし、著者は「認知症患者においては、重度の有害事象が非定型抗精神病薬の有効性を相殺する可能性がある」と指摘している。Alzheimer’s Research &Therapy誌オンライン版2015年4月20日号の掲載報告。 研究グループは、認知症患者の神経精神症状に対する非定型抗精神病薬の有効性と安全性を評価する目的で、PubMed、EMBASE、Cochrane Controlled Trials RegisterおよびCochrane Database of Systematic Reviewsを用い、2014年8月までに発表された論文で精神症状を有する認知症患者を対象とした非定型抗精神病薬(リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール、ジプラシドン、クロザピン)療法の無作為化比較試験を検索した。2人の研究者が独立して試験の質を評価し、情報を得た。 結果は以下のとおり。・検索により、23件の無作為化比較試験(合計5,819例)が確認された。・メタ解析において、非定型抗精神病薬はプラセボと比較して精神症状および認知機能に対する効果が有意に優れることが示された。・精神症状に関するスコアの変化量の加重平均差(WMD、対プラセボ)は、アリピプラゾールが-4.4(95%信頼区間[Cl]:-7.04~-1.77)、リスペリドンが-1.48(同:-2.35~-0.61)であった。・認知機能に関するスコア(Clinical Global Impression-Change:CGI-C)の変化は、アリピプラゾール、リスペリドン、オランザピン、クエチアピンにおいて有意な改善が認められ、変化量のWMDは、アリピプラゾールの-0.30(95%Cl:-0.59~-0.01)からリスペリドンの-0.43(95%Cl:-0.62~-0.25)にわたった。・非定型抗精神病薬治療群では、外傷または転倒のリスクに差はなかったが(p>0.05)、傾眠、尿路感染症、浮腫および歩行異常のリスクは有意に高かった(p<0.05)。・死亡に関して重要な所見は報告されなかった。関連医療ニュース 認知症への抗精神病薬、用量依存的に死亡リスクが増加 抗精神病薬は統合失調症患者の死亡率を上げているのか 脳血管性認知症患者に非定型抗精神病薬を使用すべきか  担当者へのご意見箱はこちら

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