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アトピー性皮膚炎にtapinarofクリームは有効

 アトピー性皮膚炎(AD)に対する安全かつ有効な局所治療が必要とされている。米国・PRA Health SciencesのJohnny Peppers氏らは、青年期および成人のADに対しtapinarof(GSK2894512 cream)は有効で忍容性が良好であることを、第II相無作為化用量設定試験で明らかにした。著者は、「大規模な臨床試験で確認する必要がある」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2019年1月号(オンライン版2018年7月3日号)掲載の報告。 研究グループはADに対し、tapinarofクリームの安全性と有効性を評価する目的で、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。対象は、ベースライン時に体表面積の5~35%において、医師による全般評価(IGA)スコアが3以上(中等度~重度)のAD病変を有する12~65歳の患者であった。患者は無作為化され、tapinarof 0.5%濃度、tapinarof 1%濃度、プラセボをそれぞれ1日1回もしくは2回投与する6群に均等に割り付けられた。 主要評価項目は、投与12週時のIGAスコアが0または1(皮膚病変が消失またはほぼ消失)および2段階以上改善(治療成功)した患者の割合とした。副次評価項目は、Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアが75%以上改善した患者の割合、痒みに対するnumeric rating scale(NRS)スコアのベースラインからの減少などであった。 主な結果は以下のとおり。・12週時の治療成功率は、tapinarof 1%群では53%(1日2回投与)および46%(1日1回投与)、tapinarof 0.5%群では37%および34%、プラセボ群では24%および28%であった。・1日2回投与集団の治療成功率は、tapinarof 1%群(53%)がプラセボ投与群(24%)より統計学的に有意に高かった。・治療が成功した患者では、tapinarofの投与終了後、4週間にわたって改善状態が持続した。・治療下で発現した有害事象は、プラセボ群(41%、34/82例)よりtapinarof群(56%、93/165例)で多かった。有害事象の程度は、いずれも軽度~中等度であった。

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SGLT2阻害薬は動脈硬化性疾患を合併した2型糖尿病には有用かもしれないが日本人では?(解説:桑島巖氏)-988

 今、2型糖尿病の新規治療薬SGLT2阻害薬の評価が医師の間で大きく分かれている。一方は積極的に処方すべしという循環器科医師たち、もう一方は慎重であるべきという糖尿病治療の専門医師たちである。 自らの専門の立場によって分かれる理由は、このレビューを読み込むとよくわかる。そして一般臨床医は個々の症例にどのように処方すべきか、あるいは処方すべきでないかが理解できる内容である。 このレビューはSGLT2阻害薬に関して、これまでに発表された3つの大規模臨床試験、EMPA-REG、CANVAS Program、DECLARE-TIMI58を結果について独立した立場から俯瞰し、レビューした論文である。 総じて、SGLT2阻害薬は動脈硬化疾患既往例における心血管イベント抑制には効果が期待でき、とくに心不全や腎疾患例では動脈硬化疾患の有無にかかわらず、再入院予防や末期腎不全への進展予防に有用である可能性が示されている。 しかし半面、脳卒中や心筋梗塞など動脈硬化性疾患の既往のない例では、心血管イベントや心血管死の予防には有用性が認められないことも明らかにしている。 3つのトライアルには、以下のような違いがある。1.EMPA-REG試験は動脈硬化性疾患(脳卒中や虚血性心疾患)既往例が100%を占めているのに対して、DECLAREは40.6%にすぎない。このバックグラウンドの違いは結果に大きく影響している。2.そして、EMPA-REG試験では動脈硬化性疾患既往での心不全入院、心血管死予防における効果がDECLARE試験よりも2倍も大きい。3.EMPA-REG試験とCANVAS試験では動脈硬化疾患既往例のMACE(心筋梗塞、脳卒中、心血管死)予防効果は認められたのに対して、DECLARE試験では認められなかった。 上記3項目は各々の試験の対象バックグラウンドの違いと、後で述べる用量の違い*がこの結果に影響していると思われる。4.心不全入院、心血管死予防効果は、EMPA-REG試験では、心不全既往のない例で顕著だったが、心不全既往例では認められなかった。一方、DECLARE試験では心不全既往のあるなしにかかわらず予防効果はあってもわずかである。5.腎機能障害例での心不全入院予防効果はEMPA-REG試験とCANVAS試験では認められたが、DECLARE試験ではみられなかった。6.AMPUTATIONと骨折のリスク増加はCANVAS(カナグリフロジン)のみにみられ、他の2剤ではみられなかった。共通点1.動脈硬化疾患既往を有さない2型糖尿病では、いずれの薬剤もMACEの予防効果や心不全入院、心血管死の抑制効果はなかった。つまり再発予防にのみ有用であって、脳卒中や心筋梗塞既往のない例でのMACE予防にはあまり効果は期待できない。2.動脈硬化疾患既往例での腎機能悪化予防と腎臓死抑制効果は3剤とも非常に大きい。心不全入院予防と腎不全悪化予防効果は、心不全や腎不全の既往にかかわらず3剤とも認められる傾向がある。3.心不全入院、腎不全の悪化予防効果の機序としては、HbA1c低下作用は、いずれのSGLT2阻害薬もプラセボ群との間の差が0.4~0.6%にすぎないことから、血糖抑制作用よりも、SGLT2阻害薬が有するナトリウム利尿作用が大きく関与していると思われる。まとめ SGLT2阻害薬は動脈硬化性疾患既往例では、心不全入院と心血管死の予防効果とMACEの発症予防に対して有用性は期待できるが、すべての試験が日本での適用用量でのエビデンスではない。 動脈硬化性疾患既往のない高リスクだけの2型糖尿病例では、有用性は期待できない。このことは、動脈硬化性疾患既往歴が半数以下しか含まれていないDECLARE試験では、MACE予防効果は認められず、心不全入院や心血管死の予防効果も軽度にとどまることから明らかである。*用量についての補足説明 CANVAS試験で用いられた薬剤用量が、わが国の最大適用用量をかなり上回っていることは注意すべきである。すなわち、CANVAS試験ではカナグリフロジン300mg/日まで用いられており、日本で保険収載の最大用量(100mg)を大幅に超えている。

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仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連

 ストレスを伴う仕事とベンゾジアゼピン長期使用との関連について、フランス・パリ第5大学のGuillaume Airagnes氏らが調査を行った。American Journal of Public Health誌オンライン版2018年11月29日号の報告。 フランスの人口ベースCONSTANCESコホートへ2012~16年に参加した男性1万3,934例、女性1万9,261例を対象に、日々の仕事を調査し、ストレス頻度の評価を行った。ベンゾジアゼピン長期使用は、drug reimbursement administrativeレジストリを用いて検討を行った。ベンゾジアゼピン長期使用のオッズ比(OR)の算出には、性別で層別化し、年齢、教育、地理的剥奪指標(area deprivation index)で調整し、ロジスティック回帰を行った。職業グレード、職場ストレス、うつ病、健康状態自己評価、アルコール使用障害を、追加の層別化変数とした。 主な結果は以下のとおり。・ベンゾジアゼピン長期使用は、ストレス曝露と正の相関が認められた。高ストレス群(しばしば/いつも)vs.低ストレス群(まれに/まったく)のORは、男性で2.2(95%信頼区間[CI]:1.8~2.8)、女性で1.6(95%CI:1.4~1.9)であり、用量依存性が認められた(傾向p<0.001)。・調整後や他の個人的または環境的脆弱性因子を有さないサブグループ解析においても、同様の結果が得られた。 著者らは「ストレスの多い仕事は、ベンゾジアゼピン長期使用リスクを高める。ベンゾジアゼピン長期使用による負荷の低減を目的とした予防プログラムは、このような特定集団において有益であろう」としている。■関連記事ベンゾジアゼピン系薬の中止戦略、ベストな方法は重度のストレスやうつ病からの復職に効果的なリハビリはストレスやうつ病に対する朝食の質の重要性

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加齢黄斑変性、酸化LDLと関連なし

 血清中の酸化低密度リポタンパク質(酸化LDL)は、加齢黄斑変性(AMD)の発症または悪化において統計学的に有意な関連は認められないことが示された。米国・ウィスコンシン大学マディソン校のRonald Klein氏らが、ビーバーダム眼研究(BDES:Beaver Dam Eye Study)のデータを解析、報告した。Ophthalmology誌オンライン版2018年12月17日号掲載の報告。 BDESは、1988年にウィスコンシン州ビーバーダム市在住の43~84歳の住民を対象とする前向き観察研究として開始された。研究グループは、血清中の酸化LDLとAMDとの関連を調べる目的で、BDESにおいて1988~2016年に約5年間隔で行われた6回の調査期のうち1回以上の調査期に診察を受けた4,972例から、50%(2,468例)を無作為に抽出し、各調査期に保管された凍結検体についてELISA法を用いて酸化LDLを測定した。1人が複数回の調査期に診察を受けているため、合計6,586件の結果が含まれている。 AMDはWisconsin Age-related Maculopathy Grading Systemにより評価し、重症度を5段階に分類して調査した。あらゆるAMDや後期AMDの発生率、および25年にわたるAMDの悪化・改善など、AMDの推移と酸化LDLとの関連を、Multi-State Markov(MSM)modelを用いて同時解析した。 主な結果は以下のとおり。・ベースラインにおける酸化LDL値(平均±SD)は、75.3±23.1U/Lであった。・年齢、性別、ARMS2と補体H因子(CFH)の対立遺伝子、および調査期で補正すると、調査期間初期の酸化LDLは、あらゆるAMDの発生率において統計学的に有意な関連は認められなかった(酸化LDL 10U/L当たりのハザード比[HR]:1.03、95%信頼区間[CI]:0.98~1.09)。・酸化LDLは単独で、AMD重症度の悪化や、後期AMDの発生率とも関連を認めなかった。・スタチン使用歴、喫煙状況、BMIおよび心血管疾患既往歴に関して補正後も、酸化LDLは、あらゆるAMDの発生率あるいはAMDの悪化と関連を認めないままだった。

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肥大型閉塞性心筋症へのアルコール中隔アブレーションの長期成績【Dr.河田pick up】

アルコールによる中隔アブレーションは安全か? 症候性の肥大型閉塞性心筋症(HOCM)患者に対する非薬物療法としては、外科的中隔心筋切除術とアルコールによる中隔アブレーション(経皮的中隔心筋焼灼術;PTSMA)が挙げられる。外科的中隔心筋切除術はPTSMAに比べて成功率が高く、効果が現れるのも早い。一方PTSMAは開心術に比べると低侵襲ではあるが、冠動脈解離、房室ブロックや心室性不整脈を起こす可能性があり、若年者では外科的中隔心筋切除術のほうが好まれる。しかしながら、PTSMA後の長期的な効果や成績に関する報告は少ない。症例数が豊富なドイツのグループから、PTSMA後の長期成績が報告された。Angelika Batzner氏らによるJournal of American College of Cardiology誌12月号掲載の報告。 HOCM患者において、アルコールによる中隔心筋の梗塞が、心疾患による死亡を増やすのではないかと議論されてきた。この研究は、HOCM患者に対してエコーガイド下で行われたPTSMAの長期成績を明らかにする目的で行われた。対象は952例のHOCM患者、大半がNYHAクラスIII~IV 2000年5月から2017年6月までに952例の患者(55.7±14.9歳、男性:59.2%、NYHAクラス III~IV:73.3%、失神:50.3%、突然死の家族歴:10.3%)に対してPTSMAが行われた。臨床症状のフォローが全症例で行われ、平均フォローアップ期間は6.0±5.0年であった。5年後の生存率95.8%、心臓関連イベント非発生率は98.9% 平均で2.1±0.4ccのアルコールが注入され、クレアチニンキナーゼ(CK)の最高値は872±489U/Lであった。2例(0.2%)が術後3日後と33日後に死亡した。100例(10.5%)の患者でペースメーカーが植め込まれた。急性期エコーでの圧格差は、安静時で63.9±38.2 mmHgから33.6±29.8mmHgに減少し、バルサルバ法施行時には104.6±44.0mmHgから56.5±41.0mmHgへ減少した(いずれもp

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脳梗塞/TIAへのクロピドグレル併用、ベストな投与期間は/BMJ

 高リスク一過性脳虚血発作(TIA)または軽症虚血性脳卒中の発症後24時間以内のクロピドグレル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法は、1,000人当たりおよそ20人の脳卒中再発を予防できることが示された。また、2剤併用投与の中断は、21日以内に行い、できれば10日以内に行うのが、最大のベネフィットを享受かつ有害性を最小とできることも示唆されたという。中国・四川大学のQiukui Hao氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で、BMJ誌2018年12月18日号で発表された。最新のシステマティックレビューとメタ解析で検討 急性虚血性脳卒中およびTIAに対して、現行ガイドラインでは抗血小板療法が推奨されているが、同時にそれらのガイドラインでは概して単剤療法(最も多いのがアスピリン)が強く推奨されている。研究グループは、無作為化プラセボ対照試験のシステマティックレビューとメタ解析のアップデートを行い、クロピドグレル+アスピリンの抗血小板薬2剤併用療法の血栓症および出血の再発予防に関する有効性および安全性を、アスピリン単剤療法と比較評価した。 Medline、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trials、Cochrane Library、ClinicalTrials.gov、WHO website、PsycINFOおよび灰色文献(grey literature)を、2018年7月4日時点で検索。2人のレビュワーがそれぞれ、事前規定の選択基準に従い適格試験をスクリーニングし、修正版Cochrane risk of bias toolを用いてバイアスリスクを評価した。また、第三者チームメンバーが、すべての最終判断をレビューし、意見の相違点は話し合いにより解決した。試験報告で重要と思われたデータが省略されていた場合は、著者に問い合わせて説明と追加情報の提供を受けた。解析にはReview Manager 5.3を、エビデンスの質の評価にはGRADE法をベースとするMAGICappを用いた。脳卒中再発は治療開始後10日以内、21日以降の投与にベネフィットなし 検索により、3試験(参加者1万447例)が特定された。 症状発症後24時間以内に開始した抗血小板薬2剤併用療法は、アスピリン単剤療法と比較して、非致死的脳卒中の再発が減少し(相対リスク:0.70、95%信頼区間[CI]:0.61~0.80、I2=0%、絶対リスク減少:1.9%、エビデンスの質は高)、全死因死亡への明らかな影響は認められなかったが(1.27、0.73~2.23、I2=0%、エビデンスの質は中)、中等度~重度の頭蓋外出血は増大する恐れがあった(1.71、0.92~3.20、I2=32%、絶対リスク増加:0.2%、エビデンスの質は中)。 脳卒中イベントの発生曲線(incidence curve)の評価から、大半のイベントは無作為化後10日以内に発生しており、その間に両療法間の発生率の乖離が認められるも、21日以降は発生率に変化はなく、あらゆるベネフィットが得られそうもなかった。

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高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランス

 うつ病は高齢者において多く認められ、その治療にあたっては、抗うつ薬が一般的に使用される。オランダ・フローニンゲン大学のFloor Holvast氏らは、プライマリケアでの高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランスについて調査を行った。Family Practice誌オンライン版2018年11月5日号の報告。 オランダの保健サービス研究機関(Netherlands Institute for Health Services Research:NIVEL)プライマリケアデータベースより、2012年のうつ病と診断された60歳以上の患者を抽出した。初回投与から14日以内に服薬していない場合を「非開始(non-initiation)」、投与量のカバー率が80%未満の場合を「投与量非遵守(suboptimal implementation)」、初回投与から294日以内に中止していた場合を「非持続(non-persistence)」と定義した。初めに、抗うつ薬の非開始、投与量非遵守、非持続の割合を調査した。次いで、共存疾患および慢性的な薬物使用がノンアドヒアランスと関連しているかを、非開始および投与量非遵守を従属変数とした混合効果ロジスティック回帰分析、時間と非持続についてのクラスターCox回帰分析で検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・それぞれの割合は、非開始が13.5%、投与量非遵守が15.2%、非持続が37.1%であった。・慢性的に使用されている薬剤数が増加すると、投与量非遵守(オッズ比:0.89、95%信頼区間[CI]:0.83~0.95)および非持続(ハザード比:0.87、95%CI:0.82~0.92)の割合が減少した。 著者らは「プライマリケアでの高齢うつ病患者における抗うつ薬の服薬アドヒアランスは、低いことが確認された。患者が多くの薬剤を服薬することに慣れている場合には、服薬アドヒアランスは良好であったが、これは部分的な影響であり、あくまで服薬アドヒアランスが低いことに注意を払う必要がある。抗うつ薬による最適な治療期間の遵守が重要であることを強調することが、アドヒアランスを改善するための第1歩かもしれない」としている。■関連記事高齢者うつ病に対する薬物療法の進歩抗精神病薬の種類や剤形はアドヒアランスに影響するのか錠剤埋め込み型服薬管理システムは、安全なのか

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地域別の脳卒中生涯リスク、東アジアで39%/NEJM

 2016年において世界全体の25歳以降の脳卒中生涯リスクは、男女ともに約25%であり、同リスクは地理的ばらつきがみられ、東アジア、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパで高率であった。米国・ワシントン大学のGregory A. Roth氏らGBD 2016 Lifetime Risk of Stroke Collaboratorsが、1990年と2016年の脳卒中生涯リスクについて調べ明らかにした。脳卒中生涯リスクは、限られた選択的集団で算出されているが、研究グループは、主要疾患有病率の包括的な研究データを用いて、地域別、国別、および世界全体レベルでの推算を行った。NEJM誌2018年12月20日号掲載の報告。GBD研究2016を用いて、25歳以上成人の累積生涯リスクを算出 研究グループは、世界の疾病負担(GBD)研究2016の脳卒中発症率の推定値と、脳卒中以外の全死因死亡の競合リスクを用いて、25歳以上成人における初発の脳卒中・虚血性脳卒中・出血性脳卒中の累積生涯リスクを算出した。 1990年と2016年の生涯リスクの推定値を比較し、また、GBD研究で使用されていた社会人口学的指標(SDI)の五分位分類に基づき各国をグループ分けし、グループごとのリスクを比較した。比較には、点推定値と不確定区間(推定値の2.5パーセンタイルから97.5パーセンタイルまで)を用いた。地域分類では東アジア(38.8%)が最も高率 2016年における世界全体の25歳以降の脳卒中推定生涯リスクは、24.9%(95%不確定区間[UI]:23.5~26.2)であった。男性は24.7%(同:23.3~26.0)、女性は25.1%(同:23.7~26.5)であった。 虚血性脳卒中リスクは18.3%、出血性脳卒中は8.2%であった。 高SDI国、高~中SDI国、低SDI国の脳卒中推定生涯リスクはそれぞれ23.5%、31.1%、13.2%で、高~中SDI国で最も高く、低SDI国で最も低かった。95%UIの重複は、これらのグループ間ではなかった。 GBDの地域分類で脳卒中推定生涯リスクが最も高かったのは、東アジア(38.8%)、中央ヨーロッパ(31.7%)、東ヨーロッパ(31.6%)であった。最も低かったのは、サハラ以南のアフリカ地域(11.8%)であった。 世界全体の脳卒中平均生涯リスクは、1990年は22.8%であったが、2016年は24.9%へと上昇し、相対的な上昇率は8.9%(95%UI:6.2~11.5)であった(脳卒中以外の全死因死亡の競合リスクを考慮して算出)。

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電子レンジ熱傷の原因となる食材は!?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第130回

電子レンジ熱傷の原因となる食材は!? いらすとやより使用 皆さんは、電子レンジで熱傷を起こして救急部を受診した人がいるとすると、どの食材を頭に思い浮かべますか? みそ汁? カレー? ふっふっふ、ハズレだ! 違う! Bagirathan S, et al.Facial burns from exploding microwaved foods: Case series and review.Burns. 2016;42:e9-e12.さて、「電子レンジ熱傷」の定義ですが、基本的に電子レンジで加熱した食材が爆発して熱傷を負ったものとします。電子レンジ自体の不具合で、機械そのものが爆発したものは含まれません。まぁ、どうでもいい定義ですが…。「電子レンジ熱傷」自体が非常にまれなので、過去の文献を探してみても、症例報告かケースシリーズのいずれかです。今回は、電子レンジ熱傷の世界では最も新しいと思われる、2016年に報告されたケースシリーズを紹介しましょう。これは、英国の熱傷センターで後ろ向きに「電子レンジ熱傷」を集めたものです。6年間で、たった8例しか見つかりませんでした。とはいえ、「電子レンジ熱傷」界では8例でも十分過ぎるほど大規模な報告なのであります!8人のうち、4人がジャガイモ、4人がたまごでした。すごい! 引き分け! 基本的に熱傷面積は体表の2%未満と狭いエリアで、受傷者の平均年齢は41歳でした。6人(75%)に眼外傷がみられました。爆発した食材が眼に飛んできたのです。1人は永続的な視力障害を残してしまったそうです。さて、「ジャガイモvs.たまご」で考えたとき、どちらの文献的報告が多いでしょうか。実は、これはたまごなんです。いや、たぶん。調べた感じでは、たまごの報告のほうが多いです1-4)。よくテレビでも「ゆでたまごを電子レンジでチンするな」と紹介されていると思うので、皆さんも注意してくださいね。1)Godwin Y. Burns. 1998;24:585-586.2)Wolf Y, et al. Burns. 2001;27:853-855.3)Gagnon MR, et al. Eye Contact Lens. 2005;31:109-110.4)Offer GJ, et al. J Accid Emerg Med. 1995;12:216-217.

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オランザピンの治療反応に対する喫煙やコーヒーの影響

 統合失調症患者におけるオランザピン治療の有効性および安全性に対して、喫煙や大量のコーヒー摂取が及ぼす影響を、セルビア・クラグイェヴァツ大学のNatasa Djordjevic氏らが、遺伝子多型との関連で評価した。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2018年12月4日号の報告。 対象は、30日間オランザピン投与を行った統合失調症患者120例。治療の有効性は、3つの異なる精神医学的尺度を用いて評価し、安全性については、代謝性副作用および錐体外路症状の評価を行った。遺伝子型の判定には、CYP1A2*1C、CYP1A2*1F、CYP1A1/1A2の遺伝子多型、CYP2D6*3、CYP2D6*4、CYP2D6*6を含んだ。 主な結果は以下のとおり。・喫煙や大量のコーヒー摂取は、オランザピン治療の有効性を低下させ、安全性を向上させた(p<0.001)。・この影響は、CYP1A2*1F対立遺伝子のキャリアのみで認められたが、共変量解析により、CYP1A2遺伝子型とは独立していることが明らかとなった。・オランザピンの用量は、薬剤効果(p≦0.002)およびLDLレベル(p=0.004)と逆相関が認められた。・女性および高齢者に対する治療反応は良好であったが(p<0.026)、有害事象がより多かった(p≦0.049)。・他の関連因子をコントロールしたとき、CYP2D6代謝物の状態がオランザピン治療の有効性に影響を及ぼしていた(p=0.032)。 著者らは「喫煙や大量のコーヒー摂取が、オランザピンの有効性および安全性に影響を及ぼすことが確認された。CYP1A2遺伝子型との関連性は、さらなる調査が必要である。また、オランザピンの治療反応は、用量、性別、年齢、CYP2D6代謝物の状態により影響を受ける」としている。■関連記事統合失調症のカフェイン依存、喫煙との関連に注意日本人統合失調症患者の喫煙率に関する大規模コホートメタ解析オランザピンの代謝異常、原因が明らかに:京都大学

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非がん性慢性疼痛へのオピオイド、有益性と有害性/JAMA

 非がん性慢性疼痛に対するオピオイド使用は、プラセボとの比較において疼痛および身体機能の改善は統計学的に有意ではあるがわずかであり、嘔吐リスクは増大することが示された。また、オピオイド使用と非オピオイド使用の比較では、低~中程度のエビデンスであるが、疼痛、身体機能に関するベネフィットは同程度であった。カナダ・マックマスター大学のJason W. Busse氏らが、非がん性慢性疼痛のオピオイド使用に関する無作為化試験(RCT)のシステマティックレビューとメタ解析の結果、明らかにした。非がん性慢性疼痛に対するオピオイドの有害性および有益性は、不明なままであった。JAMA誌2018年12月18日号掲載の報告。システマティックレビューとメタ解析で、疼痛、身体機能、嘔吐について評価 研究グループは、CENTRAL、CINAHL、EMBASE、MEDLINE、AMED、PsycINFOのデータベースをそれぞれ創刊~2018年4月の間検索し、非がん性慢性疼痛に対するオピオイドとあらゆる非オピオイドを比較したRCTを特定した。2人のレビュアーがそれぞれデータを抽出。ランダム効果モデルおよびエビデンスの質評価のためにGrading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation(GRADE)を用いて評価した。 主要評価項目は、疼痛強度(スコア範囲は疼痛視覚アナログスケールで0~10cm、低値ほど良好であり、最小重要差[MID]は1cm)、身体機能(スコア範囲はSF-36の身体項目スコア[PCS]で0~100点、高値ほど良好であり、MIDは5点)、嘔吐の発生であった。疼痛は軽減、身体機能は改善も差はわずか 解析には、参加者2万6,169例を含む96件のRCTが包含された。参加者は、女性が61%、年齢中央値58歳(四分位範囲:51~61)で、RCTは25件が神経障害性疼痛、32件が侵害受容性疼痛、33件は中枢性感作(組織損傷を伴わない疼痛)、6件は混合性疼痛の試験であった。 プラセボと比較してオピオイド使用は、疼痛の軽減と関連していた(10cm疼痛視覚アナログスケールでの加重平均差[WMD]:-0.69cm[95%信頼区間[CI]:-0.82~-0.56]。MID達成に関するモデル化リスク差:11.9%[95%CI:9.7~14.1])。 また、オピオイド使用は、身体機能の改善と関連していた(WMD:100点SF-36 PCSのWMD:2.04点[95%CI:1.41~2.68]、MID達成に関するモデル化リスク差:8.5%[95%CI:5.9~11.2])。 一方で、嘔吐の増加とも関連していた(run-in期間中に有害事象を呈した患者を除外した試験についてオピオイド群5.9 vs.プラセボ群2.3%)。 オピオイドの疼痛および身体機能の改善との関連性について、エビデンスは低~中程度であるが、非ステロイド性抗炎症薬と比較して(疼痛のWMD:-0.60cm[95%CI:-1.54~0.34]、身体機能のWMD:-0.90点[95%CI:-2.69~0.89])、また三環系抗うつ薬と比較して(疼痛のWMD:-0.13cm[95%CI:-0.99~0.74]、身体機能のWMD:-5.31点[95%CI:-13.77~3.14])、および抗痙攣薬と比較して(疼痛WMD:-0.90cm[95%CI:-1.65~-0.14]、身体機能のWMD:0.45点[95%CI:-5.77~6.66])、いずれも同程度であることが示唆された。

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脳梗塞後に抗うつ薬を内服しても機能向上は得られない、うつにはならない、骨折は増える(解説:岡村毅氏)-984

 脳梗塞後にはうつを発症しやすく(脳梗塞ではない同等の身体機能障害と比較しても多い)、脳梗塞後うつ(post-stroke depression)と言われるが、リハビリを阻害したり、自傷・自殺の原因となることもある重大な病態である。 これとは別に、脳梗塞後に抗うつ薬を内服すると、その神経保護作用から運動機能の向上がみられるという報告もある。 こういった問題に対して大規模研究で果敢に挑んだのが今回のFOCUS研究である。使用された抗うつ薬はSSRIの1つfluoxetineである。勘の鋭い人はおわかりかもしれないが、fluoxetineは海外における抗うつ薬の乱用や病気喧伝(なんでも病気のせいにして薬を売ろうとすること)の文脈で批判にさらされている現代文明を象徴する薬剤の1つである。商品名はプロザックといい、『Prozac Nation』という本も有名だ。なお、わが国では販売されていない。とはいえ、多く使われるのには理由があり、はっきり言って効果も有害事象も弱いため、このような対照研究で使われるのは合理的だろう。 3,000例以上の対象者を抗うつ薬内服と偽薬の2群に分けて6ヵ月以上みたが、残念ながらmodified Rankin Scaleにて測定した機能においては2群に差はない。 一方で、当たり前と言えば当たり前だが、脳梗塞後うつの発症は少ない。神経作用薬を投与する際に気を付けるべき痙攣や出血などは両群で差がない。さらに投与群では骨折が多いのだが、おそらく活動的になってリハビリに精を出したからかもしれない。SSRIによるふらつきのせいだ、あるいは骨が弱くなるんじゃないか、などという可能性だってゼロではないが、他の神経症状や転倒で差がないとなると、私ならリハビリが進んだためと考えるが…読者諸兄はいかがであろうか。 本論文を素直に読めば「抗うつ薬を内服しても生活機能面での効果はないのだから、予防的抗うつ薬投与は過剰だ」というものだ。一方で「脳梗塞後うつは生活の質に直結する重大な病態であり、予防できるのであれば内服しておけば安心だ」も理論上は残される。おそらく臨床現場では全例投与なんてことはありえないので、脳梗塞後うつの重大さを鑑みると少しでも兆候があれば早めに専門家にコンサルトする、あるいは治療を開始する、という文脈に依存した考え方をするべきだろう。

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Resolute Onyx対Orsiro、優れているのはどっち?(解説:上田恭敬氏)-987

 Onyx stent(Medtronic; Santa Rosa, CA, USA)とOrsiro stent(Biotronik; Bulach, Switzerland)を比較した単盲検(assessor-blinded and patient-blinded)国際多施設無作為化非劣性試験の結果である。1,243症例がOnyx群に1,245症例がOrsiro群に割り付けられ、主要評価項目を1年でのtarget vessel failure(TVF:a composite of cardiac death, target-vessel-related myocardial infarction, and target vessel revascularisation)として、ほとんど除外基準のないall-comerデザインで検討された。 1年でのTVFは4.5% vs.4.7%(Onyx群vs.Orsiro群)で非劣性が証明された。また、ステント血栓症(definite or probable)は、0.1% vs.0.7%(Onyx群vs.Orsiro群)と、Onyx群で有意(p=0.0112)に少なかった。 よって、1年までの臨床成績はOnyx stentとOrsiro stentで同等ということになる。ステント血栓症がOnyx群で少なかった結果については、今後新たに臨床試験を実施して検討しなければ、現時点では確定的なものとは言えない。 このような非劣性試験が次々に報告されるが、1年の成績によってその後の長期成績は予測できず、1年の成績には単なる経過報告の価値しかないだろう。容認できないほどの重篤なイベントがいずれかの群で有意に多いのでなければ、5~10年の長期成績が出て初めて、どちらのステントを使うべきかを考える判断材料となりうると考える。それよりも、画像診断や病理所見からいずれかのステントにおいて、将来問題となる可能性のある所見が認められないか、ステント血栓症が真にOrsiro群で多いとすればどのような機序によるものなのか、といった詳細な検討を行うことが重要であろう。 また、IVUSガイドによる至適拡張が大きく結果を向上させるというエビデンスが出ている現在において、IVUS/OCTの使用率が1.0%であるこの試験の結果が、IVUS/OCTの使用率が100%に近い日本でのPCIにも該当するかどうかは不明である。

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アテゾリズマブ、NSCLCの4剤併用、小細胞がんの1次治療【侍オンコロジスト奮闘記】第69回

第69回:アテゾリズマブ、NSCLCの4剤併用、小細胞がんの1次治療キーワードIMpower133IMpower150アテゾリズマブ動画書き起こしはこちら音声だけをお聞きになりたい方はこちら //playstopmutemax volumeUpdate RequiredTo play the media you will need to either update your browser to a recent version or update your Flash plugin.こんにちは。ダートマス大学腫瘍内科の白井敬祐です。こちら、今年は11月の中旬ぐらいから雪が降って、かなり寒くなりました(このビデオは2018年12月に収録されたものです)。華氏で2度ですから、摂氏にするとマイナス10度以下、もう12月に入って早々にそういう時期があって、相変わらずフロントガラスの内側に張ってる氷を削って帰るとようなことをしています。IMpower、アテゾリズマブのグループで、カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ+アテゾリズマブが、12月6日、FDAで認可になりました(わが国でも2018年12月に承認となりました)。4剤併用でしかもタキソールはまだ3時間かけての点滴がスタンダードになっているので、かなり長時間になると思うんですけども、1つオプションができたかと。どういうときに使えるのか考えたんですけど、例えば腎機能が悪くてペメトレキセドが使えないとか、そういう方には使える可能性があると思います。あと、パクリタキセルは薬自体が安いので、4剤になるといくらなのか計算したことないのですが、そういう方にもオプションはあるのかなと思いました。この4剤はサブセット解析でEGFR陽性あるいはALK陽性肺がんで2ndラインに使ったときにアテゾリズマブを加えた群の方が、加えない群よりも差があったということが報告されたんですけど、EGFR陽性群あるいはALK陽性群に、どのような形でチェックポイントインヒビターが使えるかというのは、今後も興味があるところです。頻度は低いですけれども、効く人もいるので、その効く方をどのようにして選択しいくかというのが課題になると思います。小細胞がんの話題なんですけども、プラチナとエトポシドの組み合わせが、長い間スタンダードになっていたんですが、プラチナ+エトポシド+アテゾリズマブですね、抗PD-L1抗体であるアテゾリズマブを加えた群がOverall Survivalを有意に延長するということが、ニューイングランドジャーナルに報告になりました。Overall Survivalは、12.3ヵ月vs.10.3ヵ月と比較的メリットになる期間は短めなんですけれども、ここ20~30年で初めてSmall Cellの1stラインの治療が変わるかもしれないということで、非常に注目を集めています。興味のあるところは、効いた患者さんが、どの程度効果が持続するのか、チェックポイントインヒビターのSustainabilityに興味がありますが、まだ長期の結果は報告されていないようです。いずれにしても10ヵ月から12.3ヵ月になったというのは、画期的なことです。僕は使ったことはないんですけれども、ほかの大きながんセンターの友人に聞くと、1stラインで使いだした、と言っていました。また実際使った時の経験なども報告できれば良いかなと思っています。Socinski MA, et al. Atezolizumab for First-Line Treatment of Metastatic Nonsquamous NSCLC.N Engl J Med. 2018;378:2288-2301.FDA approves atezolizumab with chemotherapy and bevacizumab for first-line treatment of metastatic non-squamous NSCLCアテゾリズマブ、NSCLCへの1次治療に国内承認Leora Horn, et al.First-Line Atezolizumab plus Chemotherapy in Extensive-Stage Small-Cell Lung Cancer.N Engl J Med.2018;379:2220-2229.vvvv

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第8回 冬の救急編:心筋梗塞はいつ疑う!?【救急診療の基礎知識】

12月も終盤。最近では都内も一気に冷え込んできました。毎朝布団から出るのが億劫になってきた今日この頃です。救急外来では急性冠症候群や脳卒中の患者数が上昇しているのではないでしょうか?ということで、今回は冬に多い疾患にフォーカスを当てようと思います。脳卒中は第5回までの症例で述べたため、今回は急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)に関して、初療の時点でいかにして疑うかを中心に考えていきましょう。●今回のPoint1)胸痛を認めないからといって、安易に否定してはいけない!?2)急性冠症候群?と思ったら、常に大動脈解離の可能性も意識して対応を!?3)帯状疱疹を見逃すな! 必ず病変部を目視し、背部の観察も忘れるな!?はじめに急性冠症候群は、冠動脈粥腫の破綻、血栓形成を基盤として心筋虚血を呈する症候群であり、典型例は胸痛で発症し、心電図においてST上昇を認めます(ST-elevation myocardial infarction:STEMI)。典型例であれば誰もが疑い、診断は容易ですが、そればかりではないのが現実です。高感度トロポニンなどのバイオマーカーの上昇を認めるものの、ST変化が認められない非ST上昇型心筋梗塞(non-ST elevation myocardial infarction:NSTEMI)、バイオマーカーの上昇も伴わない不安定狭心症(unstable angina pectoris:UAP)の診断を限られた時間内で行うことは難しいものです。さらに、胸痛が主訴であれば誰もがACSを疑うとは思いますが、そうではない主訴であった場合には、みなさんは疑うことができるでしょうか。STEMI患者であれば、発症から再灌流までの時間を可能な限り短くする必要があります。そのためには、より早期に疑い対応できるか、具体的にはいかにして疑い心電図をとることができるかがポイントとなります。今回はその辺を中心に一緒に考えていきましょう。急性冠症候群はいつ疑うべきなのか?胸痛を認める場合「胸痛を認めていれば10分以内に心電図を確認する」。これは救急外来など初療に携わる人にとって今や常識ですね。痛みの程度がたいしたことがなくても、「ACSっぽくないなぁ」と思っても、まずは1枚心電図検査を施行することをお勧めします。何でもかんでもというのは、かっこ悪いかもしれませんが、非侵襲的かつ短時間で終わる検査でもあり、行うことのメリットが大きいと考えます。胸痛を認めACSを疑う患者においては、やはり大動脈解離か否かの鑑別は非常に重要となります。頻度は圧倒的にACSの方が多いですが、忘れた頃に解離はやってきます。まずはシンプルに理解しておきましょう。突然発症(sudden onset)であった場合には、大動脈解離をまず考えておいたほうがよいでしょう。ACSも急性の胸痛を自覚することが多いですが、大動脈解離はそれ以上に瞬間的に痛みがピークに達するのが一般的です。数秒内か数分内かといった感じです。「なんだか痛いな、いよいよ痛いな」というのがACS、「うわぁ!痛い!」というのが解離、そんな感じでしょうか。皮膚所見は必ず確認ACSを数時間の診療内にカテーテル検査を行わずに否定することは意外と難しく、HEART score(表1)1)などリスクを見積もるスコアリングシステムは存在しますが、低リスクであってもどうしても数%の患者を拾いあげることは難しいのが現状です。しかし、胸痛の原因となる疾患がACS以外に確定できれば、過度にACSを心配する必要はありません。画像を拡大する画像を拡大する高齢者の胸痛の原因として比較的頻度が高く、発症時に見逃されやすい疾患が帯状疱疹です。帯状疱疹は年齢と共に増加し、高齢者では非常に頻度の高い疾患です。痛みと皮疹のタイムラグが数日存在(長ければ1週間程度)するため、発症時には皮疹を認めないことも多く診断では悩まされます。胸痛患者では心電図は必須であるため、胸部誘導のV6あたりまでは皮膚所見が勝手に目に入ってくるとは思いますが、背部の観察もきちんと行っているでしょうか。観察を怠り、ACSの可能性を考えカテーテル検査が行われた症例を実際に耳にします。皮疹がまったくない状態でリスクが高い症例であれば、カテーテル検査を行う状況もあるかもしれませんが、明らかな皮疹が支配領域に認められれば、帯状疱疹を積極的に疑い、無駄な検査や患者の不安は回避できますよね。疼痛部位に加えて、神経支配領域(胸痛であれば背部、腹痛であれば背部に加え臀部)は必ず確認する癖をもっておくとよいでしょう。胸痛を認めない場合ACSを疑うことができなければ、心電図をオーダーしないでしょう。いくら高感度トロポニンなど有効なバイオマーカーが存在していても、フットワークが軽い循環器医がいても、残念ながら目の前の患者さんを適切にマネジメントできないのです。胸痛を認めない患者とは(1)高齢、(2)女性、(3)糖尿病、これが胸痛を認めない心筋梗塞患者の3つの代表的な要素です。2型糖尿病治療中の80歳女性の約半数は痛みを認めないのです2,3)。これがわずか数%であれば、胸痛がないことを理由にACSを否定することが可能かもしれませんが、2人に1人となればそうはいきません。3大要素以外には、心不全や脳卒中の既往症がある場合には、痛みを認めないことが多いですが、これらは普段のADLの低下や訴えが乏しいことが理由でしょう。既往症から心血管系イベントのリスクが高い患者ということが認識できれば、虚血性病変を疑い対応することが必要になります。胸痛以外の症状無痛性心筋梗塞患者の入口はどのようなものでしょうか。言い換えれば、胸痛以外のどのような症状を患者が訴えていたら疑うべきなのでしょうか。代表的な症状は表2のとおりです。これらの症状を訴えて来院した患者において、症状を説明しうる原因が同定できない場合には、ACSを考え対応する必要があります。65歳以上の高齢者では後述するcoronary risk factorが存在しなくても心筋梗塞は起こりえます。年齢が最大のリスクであり、高齢者ではとくに注意するようにしましょう。画像を拡大するたとえば、80歳の女性が嘔気・嘔吐を主訴に来院したとしましょう。バイタルサインは意識も清明でおおむね安定しています。高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、骨粗鬆症の指摘を受け内服加療中です。さぁどのように対応するべきでしょうか。そうです、病歴や身体所見はもちろんとりますが、それと同時に心電図は一度確認しておきましょう。症状が数日持続している、食欲は通常どおりあるなど、ACSらしくないなと思ってもまずは1枚心電図を確認しておくのです。入口を広げると、胸痛ではなく失神や脱力、冷や汗などを認める患者においても「ACSかも!?」と思えるようになり、「胸痛はありませんか?」とこちらから問診できるようになります。患者は最もつらい症状を訴えるのです。胸痛よりも嘔気・嘔吐、脱力や倦怠感が強ければ、聞かなければ胸痛を訴えないものなのです。Coronary risk factorACSを疑った際にリスクを見積もる必要があります。冠動脈疾患の家族歴、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙者、慢性腎臓病などはリスクであり、必ず確認すると思いますが、これらをすべて満たさない場合にはACSは否定してよいのでしょうか。答えは「No」です。 年齢が最大のリスクであり、65歳以上の高齢者では、前述したリスクファクターのどれも該当しなくても否定してはいけません。逆に40~50代で該当しなければ、可能性はきわめて低くなります。ちなみに家族歴はどのように確認していますか? 「ご家族の中で心筋梗塞や狭心症などを患った方はいますか?」と聞いてはいませんか。この問いに対して、「私の父が80歳で心筋梗塞にかかった」という返答があった場合に、それは意味があるでしょうか。わが国における心筋梗塞の平均発症年齢は、男性65歳、女性75歳程度です。ですから年齢を考慮すると心筋梗塞にかかってもおかしくはないなという、少なくともそれによって診療の方針が変わるような答えは得られませんね。ポイントは「若くして」です。先ほどの問いに対して「私の父は50歳で心臓の病気で亡くなりました」や、「私の兄弟が43歳で数年前に突然死して、不整脈が原因と言われました」といった返答があれば、今目の前にいる患者さんがたとえ若くても、家族歴ありと判断し、慎重に対応する必要があるのです。さいごに胸痛を認めればACSを疑い、対応することは誰もができるでしょう。しかし、そもそも疑うことができず、診断が遅れてしまうことも一定数存在するはずです。高齢者では(とくに女性、糖尿病あり)、入口を広げること、そして帯状疱疹に代表される心筋梗塞以外の胸痛疾患もきちんと鑑別に挙げ、対応することを意識してください。次回は、意識障害のピットフォールに戻り、アルコールによる典型的な意識障害のケースを学びましょう。1)Poldervaart JM, et al. Ann Intern Med. 2017;166:689-697.2)Canto JG, et al. JAMA. 2000;283:3223-3229.3)Bayer AJ, et al. J Am Geriatr Soc.1986;34:263-266.

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コリンエステラーゼ阻害薬を使用した新規認知症患者における抗コリン作用の影響

 臨床試験において、コリンエステラーゼ阻害薬開始後の抗コリン作用性負荷と治療変容との関連を評価した研究は、ほとんどない。韓国・嶺南大学校のYoung-Mi Ah氏らは、認知症治療の変容、せん妄、死亡率に対する抗コリン作用性負荷の影響を評価するため、検討を行った。Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology誌オンライン版2018年12月3日号の報告。 韓国の国民健康保険サービスの高齢者コホートデータベース(Korean National Health Insurance Service Senior Cohort Database)より、2003~11年にコリンエステラーゼ阻害薬を開始した高齢者2万5,825例をレトロスペクティブに分析した。最初の3ヵ月間のAnticholinergic Cognitive Burden(ACB)の1日平均スコアが3超を、抗コリン作用性高負荷と定義した。治療変容、せん妄、死亡に対する抗コリン作用性高負荷の影響について、傾向マッチコホート7,438例におけるACB負荷最小群(ACBスコア1以下)との比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・抗コリン作用性高負荷は、治療開始から最初の3ヵ月間で、認知症患者の約6.0%に認められた。・抗コリン作用性高負荷群は対照群と比較し、治療変容(34.9% vs.32.1%)、せん妄(5.6% vs.3.6%)、死亡(16.8% vs.14.1%)の割合が有意に高かった。・多変量Cox比例ハザード回帰分析では、最初の3ヵ月間でACB平均スコアが3超の集団には、治療変容リスク(ハザード比[HR]:1.12、95%信頼区間[CI]:1.02~1.24)、せん妄リスク(HR:1.52、95%CI:1.17~1.96)、死亡リスク(HR:1.23、95%CI:1.06~1.41)の有意な増加が認められた。 著者らは「抗コリン作用性高負荷は、コリンエステラーゼ阻害薬に対する治療反応に負の影響を及ぼし、ACB平均スコア3超が、認知症患者のせん妄および死亡の独立した予後因子であることが示唆された」としている。■関連記事認知症における抗コリン薬負荷と脳卒中や死亡リスクとの関連注意が必要、高齢者への抗コリン作用男性医師と女性医師によるコリンエステラーゼ阻害薬の処方実態比較コリンエステラーゼ阻害薬の副作用、全世界の報告を分析

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飲酒運転、基準値下げても交通事故は減少せず/Lancet

 交通事故は世界中で公衆衛生上の大きな問題である。そのリスク因子として重要なのが死傷事故原因の大半を占める飲酒運転で、各国および司法権が及ぶ地域ではドライバーの血中アルコール濃度の規制が行われている。スコットランドでは、2014年12月5日に基準値が0.08g/dLから0.05g/dLへ引き下げられた。しかし、英国・グラスゴー大学のHoura Haghpanahan氏らが行った自然実験(natural experiment)の結果、規制変更によって、on-trade酒類(バーやレストランなどの飲食店)からの1人当たりのアルコール消費量はわずかに減少したが、交通事故減少は認められなかったという。著者は、「取り締まり(検問による呼気検査など)が不十分であったことが1つ考えられるが、ドライバーの血中アルコール濃度を厳しく規制するのみでは、交通事故は減少しないことが示唆された」と指摘し、「今回の結果は、同様にドライバーへの規制強化を考える国々にとって重要な政策的意義を持つものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2018年12月12日号掲載の報告。基準値引き下げのスコットランドvs.未変更のイングランド・ウェールズ 研究グループは、スコットランドと、イングランドおよびウェールズ(対照群)の交通事故とアルコール消費量に関するデータを用い、分割時系列デザインによる観察比較研究を行った。警察の事故記録からの週間交通事故数を収集し、自動交通量計数装置からのデータを分母として交通事故率を算出するとともに、市場調査データからoff-trade(スーパーやコンビニなどの小売店)での1週間のアルコール消費量とon-tradeでの4週間のアルコール消費量を推定した。 主要評価項目は、スコットランドと対照群における週間交通事故発生率とした。2013年1月1日~2016年12月31日の期間で、1週間の交通事故発生率とアルコール消費量を評価した。血中アルコール濃度基準値の引き下げ前後で、交通事故発生率に変化なし スコットランドで血中アルコール濃度の規制が厳しくなった2014年12月5日の前と後で、週間交通事故発生率の有意な変化は、季節および時間的傾向で補正後(率比:1.01、95%信頼区間[CI]:0.94~1.08、p=0.77)も、季節、時間的傾向およびドライバーの年齢・性別・社会経済的貧困の補正後(率比:1.00、95%CI:0.96~1.06、p=0.73)も、確認されなかった。 ドライバーの血中アルコール濃度の規制が変更されていない対照群の週間交通事故発生率と比較し、スコットランドでの規制変更後の週間交通事故発生率は7%増加した(率比:1.07、95%CI:1.02~1.13、完全補正後モデルのp=0.007)。重大事故または死亡事故と、夜間の単一車両事故でも同様の結果が認められた。 スコットランドにおける規制変更と、客単価から換算した1人当たりのoff-tradeアルコール消費量(率比:-0.3%、95%CI:-1.7~1.1、p=0.71)との関連は確認されなかったが、on-tradeアルコール消費量は0.7%有意な減少が認められた(率比:-0.7%、95%CI:-0.8~-0.5、p<0.0001)。

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第14回 妊娠中のカフェインはコーヒー何杯までなら許容範囲?【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶、コーラ、エナジードリンク、チョコレートなど多くの飲食物に含まれている、とても身近な食品成分です。しかし、カフェインには胎盤通過性と母乳移行性があることが知られていて、摂取により子供に重大な転機を招かないか不安に思われる方も多くいらっしゃいます。WHOのホームページを参照すると、300mg/日を超えるカフェインを摂取している妊婦に対しては、妊娠損失(流産、死産、子宮外妊娠、奇胎妊娠など)や低体重出生リスクを減らすため、摂取量を減らすことが推奨されています1)。同ページでいくつかそのエビデンスが紹介されていますが、その中にコクランのシステマティックレビューがあります2)。このレビューには、カフェイン摂取の有無が妊娠転帰に及ぼす影響を調べた2つのランダム化比較試験が組み入れられています。まず、妊娠20週未満の女性を、カフェイン入りインスタントコーヒーを1日当たり3杯以上(1杯当たりのカフェインは85~110mgと想定)飲む群(カフェイン群、568例)と、カフェイン非含有インスタントコーヒーを飲む群(デカフェ群、629例)に無作為に割り付け、カフェイン群では妊娠中期~後期にカフェイン摂取量を平均182mg/日に減らしています。その結果、平均出生体重はカフェイン群3,539g、デカフェ群3,519g(p=0.48)で、相対効果は20.0g(95%信頼区間[CI]:-48.68~88.68)と、出生児の体重へ有意な影響はないという結果でした。早産のアウトカムについて見てみると、カフェイン群4.2%(23/552例)、デカフェ群5.2%(31/601例)で、リスク比は0.81(95%CI:0.48~1.37)となっています。子宮内の胎児発育不全はカフェイン群4.5%(25/552例)、デカフェ群4.7%(28/598例)で、リスク比は0.97(95%CI:0.57~1.64)であり、いずれも300mg/日程度のカフェイン摂取では有意差はないという結果でした。カフェイン摂取量が100mg/日増えるごとに妊娠損失リスクが7%増一方で、高用量カフェインの摂取による児へのリスクを示唆する研究もあります。妊娠期における酒、タバコ、アルコール、カフェインなどの嗜好品摂取と児の致命的転機の関係について検討したシステマティックレビュー3)の中の、カフェインに関する5つの観察研究のメタ解析では、妊娠前のカフェイン摂取量が300mg/日(一般的なコーヒー500mL相当)超の群は、150mg/日未満の群と比較して、妊娠損失のリスク比が1.31(95%CI:1.08~1.58)でした。さらに高用量による観察研究がそれぞれ1件ずつ同レビューに入っており、リスク比はそれぞれ420mg/日超で6.11(95%CI:5.12~7.29)、900mg/日超で1.72(95%CI:1.00~2.96)でした。2016年に発表された妊娠中のカフェイン摂取について検討した14の研究(参加総数13万3,885例)を含むシステマティックレビュー4)でも、高用量のカフェイン摂取(350~699mg/日)で妊娠損失が増えています。まったくあるいはほとんどカフェインの摂取がない群に比べて、高用量摂取群では妊娠損失が40%増加(リスク比:1.4、95%CI:1.16~1.68)し、超高用量摂取群(700mg/日以上)では72%増加(リスク比:1.72、95%CI:1.40~2.13)していました。これは、カフェイン摂取量が100mg/日増えるごとに妊娠損失リスクが7%増えるという計算になります。カフェイン摂取量の推定が不正確だったり、リコールバイアスや発表バイアスが入っていたりする可能性はありますが、妊婦に対する調査での介入研究は倫理的な問題が生じやすいですし、方法論的に限界があるのはやむを得ないでしょう。いずれにしても妊娠中の高用量カフェイン摂取を踏みとどまらせるインパクトはあります。妊婦のカフェイン摂取目安はコーヒー3~4杯/日まで「カフェインを何mg」と言われてもイメージが湧きにくいですが、厚生労働省の『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』では下表のようになっています5)。妊娠中に摂取できるカフェイン量の目安は国によって異なりますが、200~300mg/日以下を目安としている国が多いです。玉露などカフェイン含有量が多い飲料なら200mL/日弱でも上限に達しますが、コーヒーであれば500mL/日までなら許容範囲内であり、WHOの妊婦に悪影響のないコーヒーの最大摂取量はマグカップ3~4杯までとなっています。他のカフェインを含む飲食物との兼ね合いもありますが、目安として知っておくとよさそうです。1)WHO Restricting caffeine intake during pregnancy2)Jahanfar S, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2015;6:CD006965.3)Lassi ZS, et al. Reprod Health. 2014;11 Suppl 3:S6. 4)Chen LW, et al. Public Health Nutr. 2016;19:1233-1244.5)厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

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うつ病による自殺のリスク因子

 うつ病における自殺のリスク因子および自殺方法の性差について、フィンランド・ヘルシンキ大学のKari I. Aaltonn氏らが縦断的な検討を行った。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2018年11月27日号の報告。 フィンランドの病院退院レジストリ、フィンランド国勢調査レジストリ、死亡原因に関するフィンランドの統計レジストリのデータを結びつけ、1991~2011年にフィンランドで初回入院したうつ病性障害の主要診断を有する患者5万6,826例(男性:2万5,188例、女性:3万1,638例)を抽出した。フォローアップ調査は、患者の死亡(自殺者:2,587例)または2014年末まで行われた(最大24ヵ月)。 主な結果は以下のとおり。・初回入院時の自殺による死亡の長期予測因子は、重症うつ病(調整ハザード比[aHR]:1.19、95%信頼区間[CI]:1.08~1.30)、精神病性うつ病(aHR:1.45、95%CI:1.30~1.62)、アルコール依存症併発(aHR:1.26、95%CI:1.13~1.41)、男性(aHR:2.07、95%CI:1.91~2.24)、社会経済的地位の高さ、独居であった。・最も高リスクな因子は、自殺企図歴であった(男性累積率:15.4%[13.7~17.3%]、女性累積率:8.5%[7.3~9.7%])。・リスク因子の性差は軽微であったが、自殺方法では顕著な差が認められた。 著者らは「初回入院時の社会人口学的および臨床的特徴は、長期的な自殺の予測因子であり、自殺企図歴を有する入院患者のリスクは高かった。男女のリスクの違いは、自殺方法の性差により説明可能かもしれない」としている。■関連記事うつ病成人の自殺傾向に対するSSRIの影響治療抵抗性うつ病と自殺率自殺予防の介入効果はどの程度あるのか

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NSCLCにおけるPD-1阻害薬の潜在的バイオマーカー【肺がんインタビュー】 第22回

第22回 NSCLCにおけるPD-1阻害薬の潜在的バイオマーカー(Investigatorインタビュー)出演:神奈川県立がんセンター臨床研究所 がん免疫療法研究開発学部 部長 笹田 哲朗氏NSCLCにおけるPD-1阻害薬治療前後のCXCL2とMMP2の変化は、治療効果の予測因子となる可能性が示唆された。この研究について、神奈川県立がんセンター笹田哲朗氏に聞いた。Matsuo N, et al. Association between soluble immune mediators and tumor responses in patients with non-small cell lung cancer treated with anti-PD-1 inhibitor. Int J Cancer.2018 Oct 11.[Epub ahead of print]

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