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進行卵巣がんの維持療法、オラパリブ+ベバシズマブが有効/NEJM

 1次治療のプラチナ製剤+タキサン系薬+ベバシズマブが奏効した進行卵巣がん患者において、維持療法はベバシズマブにオラパリブを追加することで、無増悪生存(PFS)期間が有意に延長することが認められた。この有効性はBRCA遺伝子変異のない相同組み換え修復異常(HRD)陽性患者で大きかった。フランス・クロード・ベルナール・リヨン第1大学のIsabelle Ray-Coquard氏らが、11ヵ国で実施された第III相の国際共同無作為化二重盲検試験「PAOLA-1試験」の結果を報告した。オラパリブは、新たに診断されたBRCA変異陽性の進行卵巣がん患者に対する維持療法として、大きな臨床的有益性をもたらすことが示唆されていたが、BRCA変異の有無にかかわらずオラパリブ+ベバシズマブ併用による維持療法が有効かどうかは不明であった。NEJM誌2019年12月19日号掲載の報告。進行卵巣がんの1次治療奏効806例でオラパリブ+ベバシズマブvs.プラセボ+ベバシズマブ 研究グループは2015年7月~2017年9月の間に、新たに診断を受けた高悪性度の進行卵巣がんで1次治療のプラチナ製剤+タキサン系薬+ベバシズマブが奏効した患者(手術アウトカムまたはBRCA変異の有無は問わず)806例を対象とした。 被験者を無作為に2対1の割合で、オラパリブ(300mgを1日2回)+ベバシズマブ(15mg/kg)群(オラパリブ併用群、537例)と、プラセボ+ベバシズマブ群(ベバシズマブ単独群、269例)に割り付け、オラパリブは最長24ヵ月間、ベバシズマブは3週ごとに最長15ヵ月間投与した。 主要評価項目は、治験担当医の評価によるPFS期間(無作為化から病勢進行または死亡までの期間と定義)。有効性はintention-to-treat解析を行い評価した。オラパリブ+ベバシズマブ群で進行卵巣がん患者のPFSが有意に延長 追跡期間中央値22.9ヵ月時点で、進行卵巣がん患者のPFS中央値はオラパリブ併用群が22.1ヵ月、ベバシズマブ単独群が16.6ヵ月であった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p<0.001)。 オラパリブ併用群vs.ベバシズマブ単独群の進行卵巣がんの病勢進行または死亡のHRは、BRCA変異陽性HRD陽性患者では0.33(95%CI:0.25~0.45)(PFS中央値 37.2ヵ月vs.17.7ヵ月)、BRCA変異陰性HRD陽性患者では0.43(0.28~0.66)(28.1ヵ月vs.16.6ヵ月)であった。 有害事象は、オラパリブとベバシズマブでそれぞれ確立されている安全性プロファイルと一致した。 なお著者は、比較対照としてオラパリブ単独群が欠けていることを研究の限界として挙げており、PFSの有益性がオラパリブの追加によるものが大きいのか、オラパリブとベバシズマブの相乗効果なのかについて結論付けるのは困難であるとまとめている。

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頸動脈狭窄症への経頸動脈血行再建、経大腿動脈と比較/JAMA

 頸動脈狭窄症の治療において、経頸動脈血行再建術(transcarotid artery revascularization:TCAR)は経大腿動脈アプローチによるステント留置術と比較し、脳卒中または死亡のリスクが有意に低いことが示された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのMarc L. Schermerhorn氏らが、TCARと経大腿動脈ステント術の転帰を傾向スコアマッチング法により比較した解析結果を報告した。従来の経大腿動脈アプローチによる頸動脈ステント術は、頸動脈内膜剥離術と比較して周術期脳卒中の発生率が高いことがいくつかの試験で観察されていた。一方、TCARは2015年に開発されたリバースフローシステムによる新しい頸動脈ステント術で、経大腿動脈アプローチとは対照的に、頸動脈に直接アクセスすることによって大動脈弓でのカテーテル操作を回避し、標的病変操作前の頸動脈から大腿静脈への体外動静脈シャントによって脳を保護する。TCARは経大腿動脈アプローチによる脳卒中リスクを減少させるために開発されたが、経大腿動脈ステント術と比較した場合のアウトカムはよくわかっていなかった。JAMA誌2019年12月17日号掲載の報告。傾向スコアマッチング法でTCARと経大腿動脈ステント術のアウトカムを比較 研究グループは、2016年9月~2019年4月に米国およびカナダでTCARまたは経大腿動脈ステント術を受けた無症候性/症候性の頸動脈狭窄症患者を前向きに登録したVascular Quality Initiative Transcarotid Artery Surveillance ProjectおよびCarotid Stent Registryのデータ(追跡期間終了日2019年5月29日)を用い、傾向スコアマッチング解析を実施した。 主要評価項目は、院内脳卒中(同側または反対側、皮質または椎骨脳底、虚血性または出血性脳卒中と定義)/死亡、脳卒中、死亡(全死因死亡)、心筋梗塞、ならびに1年時点の同側脳卒中または死亡の複合エンドポイントであった。 研究期間中の登録患者はTCARが5,251例、経大腿動脈ステント術が6,640例で、傾向スコアマッチングにより抽出されたそれぞれ3,286例が解析対象となった。TCAR群は平均(±SD)年齢71.7±9.8歳、女性35.7%、経大腿動脈ステント術群は同71.6±9.3歳、女性35.1%であった。院内脳卒中/死亡、脳卒中および死亡のリスクはTCARが有意に低い 院内脳卒中/死亡はTCAR群1.6%vs.経大腿動脈ステント術群3.1%で、絶対差は-1.52%(95%信頼区間[CI]:-2.29~-0.75)、相対リスク(RR)は0.51(95%CI:0.37~0.72)(p<0.001)であった。脳卒中は1.3% vs.2.4%(絶対差:-1.10%[95%CI:-1.79~-0.41]、RR:0.54[95%CI:0.38~0.79]、p=0.001)、死亡は0.4% vs.1.0%(-0.55%[-0.98~-0.11]、0.44[0.23~0.82]、p=0.008)で、いずれもTCAR群で有意にリスクが低下した。 周術期心筋梗塞については、両群間で統計学的有意差は確認されなかった(0.2% vs.0.3%、絶対差:-0.09%[95%CI:-0.37~0.19]、RR:0.70[0.27~1.84]、p=0.47)。Kaplan-Meier法による1年時点の同側脳卒中または死亡は、TCARで有意にリスクが低下した(5.1% vs.9.6%、ハザード比:0.52[95%CI:0.41~0.66]、p<0.001)。 TCARでは、治療を要するアクセス部位合併症のリスクが高かったが(1.3% vs.0.8%、絶対差:0.52%[95%CI:-0.01~1.04]、RR:1.63[95%CI:1.02~2.61]、p=0.04)、術中放射線照射時間(中央値5分[IQR:3~7]vs.16分[11~23]、p<0.001)は短く、造影剤使用量(中央値30mL[IQR:20~45]vs.80 mL[55~122]、p<0.001)は少なかった。

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日本人トリプルネガティブ乳がんのMSI-H頻度は?

 日本人のトリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度は高くはないものの、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)のターゲットとなる患者が存在することが示唆された。九州大学の倉田 加奈子氏らによる、Breast Cancer誌オンライン版2020年1月6日号掲載の報告より。 本邦では、MSI-HまたはdMMRを有する進行固形がんに対しペムブロリズマブが承認されている。また、ゲノム不安定性を有する腫瘍はPD-1 / PD-L1阻害に良好な反応を示し、難治性乳がんの有望なターゲットとなりうることが示唆されている。しかし、日本人のトリプルネガティブ乳がんにおけるMSI-H頻度は明らかになっていない。トリプルネガティブ乳がんでMSI-Hの場合、Ki-67高値など予後不良とされる特徴 本研究では、2004年1月から2014年12月の間に、国内3施設で術前化学療法なしで切除を実施した女性トリプルネガティブ乳がん患者228例を対象に、MSI-H頻度を後ろ向きに評価した。MSI解析には、5種類のマイクロサテライトマーカー(BAT-26、NR-21、BAT-25、MONO-27、NR-24)によるMSI Analysis System Version 1.2(Promega)を使用している。 トリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度を評価した主な結果は以下のとおり。・トリプルネガティブ乳がんの228検体のうち、222検体(97.4%)がマイクロサテライト安定性、4検体(1.7%)がMSI-L(いずれか1種類のマーカーで不安定性を示す)、2検体(0.9%)がMSI-H (2種類以上のマーカーで不安定性を示す)であった。・MSI-Hの2検体では、ともにBAT-26、NR21およびBAT-25の3つのマーカーで不安定性を示した。これらの腫瘍はそれぞれT1N0およびT2N0であり、NG3およびKi-67高値(>30%)といった予後不良とされる特徴を有し、基底細胞様、non-BRCAnessに分類された。1検体でのみPD-L1発現が確認され、2検体でTIL低値およびCD8陰性であった。・MSI-Lの4検体では、不安定性を示したマーカーはそれぞれ異なり、4検体が基底細胞様、2検体のみnon-BRCAnessに分類された。また、1検体のみPD-L1発現がありTIL高値、そのほか3検体はTIL低値であった。 著者らは、日本人のトリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度はまれではあるものの、ICIの潜在的なターゲットとなる患者は存在し、包括的なゲノムプロファイリングのプラットフォームを使用してピックアップしていく必要があると結論付けている。

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BRCA変異陽性膵臓がんにオラパリブを承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2019年12月27日、プラチナベースの1次治療化学療法レジメンで16週間以上疾患が進行しなかった生殖細胞系列BRCA(gBRCA)変異陽性の転移を有する膵臓がんの成人患者の維持療法として、オラパリブ(商品名:リムパーザ)を承認した。オラパリブのPFS中央値は7.4ヵ月、プラセボは3.8ヵ月 FDAはまた、コンパニオン診断として、BRACAnalysis CDxテスト(Myriad Genetic Laboratories、Inc.)も承認した。 オラパリブの有効性は、転移を有するgBRCA変異膵腺がん患者154例においてオラパリブとプラセボを比較した多施設二重盲検無作為化プラセボ対照試験POLOで検討された。 主要有効性評価項目は、盲検独立中央委員会による無増悪生存期間(PFS)、追加の有効性評価項目は、全生存期間(OS)および全奏効率(ORR)であった。 PFS中央値は、オラパリブ投与患者7.4ヵ月、プラセボ投与患者では3.8ヵ月であった(HR:0.53、95%CI:0.35~0.81、p=0.0035)。OS中央値は、オラパリブおよびプラセボで18.9ヵ月および18.1ヵ月であった(HR:0.91、95%CI:0.56~1.46、p=0.683)。ORRは23%および12%であった。 POLO試験で観察されたオラパリブの一般的な副作用は既報のものと一致していた。10%以上の項目は、悪心、疲労、嘔吐、腹痛、貧血、下痢、めまい、好中球減少症、白血球減少症、鼻咽頭炎/上気道感染症/インフルエンザ、気道感染症、関節痛/筋肉痛、味覚障害、頭痛、消化不良、食欲減退、便秘、口内炎、呼吸困難、血小板減少であった。

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わが国における脳血管疾患発症率の動向

 日本人の主な死因である脳血管疾患の近年の発症率は不明である。今回、岩手医科大学の大間々 真一氏らが、高齢者の多い岩手県において過去10年間のデータを調査した結果、脳血管疾患の発症率と発症数が減少していることがわかった。今後も減少することが予測されるが、85歳以上では増加することが示唆された。Journal of stroke and cerebrovascular diseases誌オンライン版2019年12月23日号に掲載。 著者らは、2008~17年のIwate Stroke Registry(岩手県全体のデータ)を用いた後ろ向き調査を実施し、発症率の変化率と日本の地域別将来推計人口から今後の発症率を予測した。 主な結果は以下のとおり。・日本の標準的な集団における脳血管疾患の10万人年当たり年齢調整発症率は、10年間で、男性で212.1から176.8に、女性で123.1から97.0に減少した。・55歳未満の年齢別発症率と発症数はわずかしか減少しなかったが、55歳以上では減少した。・2040年の全体の発症数は2015年の3分の2に減少するが、85歳以上の発症数は2040年まで増加することが予測された。

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臨床論文、男性はポジティブに書く傾向/BMJ

 医療やライフサイエンス部門における女性の活躍がいまだ目立たないのは、臨床研究の自己表現力(self presentation)において性差が存在しているせいではないのか。ドイツ・マンハイム大学のMarc J. Lerchenmueller氏らが、臨床試験論文約10万件、一般生命科学論文約620万件を対象に調査した結果、臨床試験論文で筆頭および末尾の著者のいずれか、もしくは両方が男性の場合、いずれも女性の場合に比べてタイトルやアブストラクト内に、「novel」や「excellent」といった用語を用いて研究結果を肯定的に発表する傾向が強いことが判明したという。とくにその傾向は、影響力が強い臨床ジャーナルで最も大きく、さらにそうした肯定的表現が、論文の引用率の高さとも関連していたという。BMJ誌2019年12月16日号クリスマス特集号の「Sweet Little Lies」より。「novel」「excellent」など25の肯定表現の使用を調査 研究グループは、2002~17年に発表されPubMedに登録された臨床試験論文10万1,720件と、一般生命科学論文約620万件について、そのタイトルとアブストラクトを後ろ向き観察研究にて調べた。 タイトルおよびアブストラクトを解析して、「novel」(新奇な)、「excellent」(卓越した、素晴らしい)といった用語を用いて研究結果を肯定的にみせる違いが男女間に存在するかどうかを検証。科学ジャーナル、刊行年、ジャーナルの影響力、科学分野で補正を行ったうえで、25の肯定的用語について、筆頭および末尾の著者の性機能としての「ポジティブ・フレーミング」の相対的蓋然性を推算・評価した。ポジティブ・フレーミング、筆頭・末尾著者が女性では10.9%、男性では12.2% 論文の筆頭・末尾の両著者が女性の場合、25の肯定的用語が1つでも用いられていたのは10.9%だったのに対し、一方もしくは両著者が男性の場合は12.2%で、相対格差は12.3%(95%信頼区間[CI]:5.7~18.9)だった。 肯定的表現の性差は、影響力の強い臨床ジャーナル(Journal Citation Reportでインパクトファクター10超)で最も大きく、女性著者は男性著者に比べ、試験結果を肯定的に表現する傾向が21.4%低かった。 すべての臨床ジャーナルにおいて、肯定的表現のある論文の引用率は9.4%(95%CI:6.6~12.2)と高く、影響力が強い臨床ジャーナルでは13.0%(同:9.5~16.5)だった。この結果は、PubMedに登録された一般生命科学論文に調査対象を広げた場合でも同様に認められ、肯定的な単語の使用の性差は、幅広いサンプルで一般化されることが示唆された。

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第22回 コンビニ食材でミートファースト実践【実践型!食事指導スライド】

第22回 コンビニ食材でミートファースト実践医療者向けワンポイント解説食事の最初に野菜を食べることを「ベジファースト」と言います。この方法は血糖値の上昇を緩やかにし、余分な脂質の吸収を阻害する働きが期待できるとして、多くの方が実践している方法です。また、「最初に野菜を食べる」という意識を持つことで、不足しがちな野菜の摂取量を増やし、満腹感を高めることで食べ過ぎの予防、また栄養バランスを整える働きがあります。この血糖値の上昇を緩やかにする目的の「●●ファースト」という方法には、ほかにも「ミートファースト」「ソイファースト」などがあります。実際、ミート(肉類)を最初に食べることで、肉類に含まれるタンパク質や脂質によりインクレチンと総称される消化管ホルモンの分泌応答が増強され、食後の血糖値上昇が抑制されることが明らかになっています。インクレチンはインスリン分泌を促進するホルモンで、GIPやGLP-1があります。GLP-1は、グルカゴンの分泌抑制、胃内容物の排出遅延の働きがあり、食後の血糖値上昇を抑制します。つまり、インクレチンを分泌させることは、食後の血糖値を抑えるのに大きな効果があると言えます。関西電力医学研究所糖尿病研究センターの桑田 仁司氏らによる研究1)では、2型糖尿病患者および健常者に対してクロスオーバー試験を行い、サバの水煮や牛肉の網焼き(エネルギーと栄養素比率は、サバの水煮と同等)を米飯に先んじて摂取することが、食後の血糖値上昇を等しく抑制することを明確にしました。ベジファーストは、食物繊維が消化管からの糖の吸収を緩やかにして、食後血糖値の上昇を抑制しますが、ミートファーストはインクレチンの分泌を促すことでの効果も期待できるため、両食事法を合わせて実行することがお薦めです。コンビニで手軽に食べられるミート(ここではくくりを大きくし、タンパク質も含めました)を探してみました。冷蔵品として挙げられるのは、ゆで卵、豆腐、納豆、サラダチキンなどがあります。中でも、ゆで卵、豆腐、納豆は比較的価格も安価で、常備・実践しやすい食材です。コンビニのレジ周りにある食品は、ローストチキンや焼き鳥など種類が増えており、ミートファーストが手軽に実践できる食品が多くあります。唐揚げなどの揚げ物では、脂質過多が気になりますが、脂質の少ないささみなどを使った焼き鳥などの商品は、低脂肪、高タンパク質の摂取が期待できます。お菓子やつまみでもミートファースト(正確には魚や乳製品、卵などタンパク質が多く含まれる食品)が実践できます。おつまみコーナーにあるイカの燻製や食べる小魚、うずらの卵、ヨーグルト、牛乳や豆乳、チーズを選択することも良いでしょう。ミートファーストだからと、肉や魚を余分に摂取するのではなく、食事の一部として考えることが大切です。また、ミート(肉類など)を最初に食べた後は、ベジタブル(野菜)を食べることで、さらに血糖値上昇の抑制効果が期待できます。年明けの体重が増加しやすい時期、まずは実践しやすい食事療法として、ミートファースト、セカンドベジを試してもらうのはいかがでしょうか?1)Kuwata H, et al, Diabetologia. 2015 Dec 24.[Epub ahead of print]

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アトピー性皮膚炎患者の全がんリスクは?

 アトピー性皮膚炎(AD)とがんの関連性についてはさまざまな見解がある。カナダ・トロント大学のLily Wang氏らは、一般集団と比較したAD患者のがんリスクを明らかにするシステマティックレビューとメタ解析を行った。観察的エビデンスとして、ADはケラチノサイトがんおよび腎がんのリスク増大と関連する可能性がある一方、肺・呼吸器系がんとの関連性は低い可能性が示されたという。結果を踏まえて著者は「さらなる研究を行い、現行エビデンスの不均一性と限界に焦点を当て、ADとがんリスクの関連性の基礎を成すメカニズムを解明する必要がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年12月11日号掲載の報告。 研究グループは、一般集団と比較したAD患者の非皮膚・皮膚がんのリスクを評価した。MEDLINE(1946年~)、Embase(1980年~)を2019年1月3日時点で検索し、「NEOPLASMS」「neoplas」「tumo」「cancer」「malignanc」および「Dermatitis, Atopic」「dermatit」「neurodermatit」「eczema」「disseminated」「neurodermatit」などの単語を含む論文を特定。観察試験(コホートおよびケースコントロール)でAD患者のがん推定リスクを対照(一般市民または非AD患者)と比較して報告していた論文を適格とし、包含した。 2人のレビュアーがそれぞれデータを抽出し、ROBINS-I評価ツールを用いて観察曝露試験を修正し、バイアスリスクを評価した。抽出したデータはランダム効果モデルを用いてプールし、標準化罹患率比(SIR)またはオッズ比(OR)を95%信頼区間(CI)値とともに算出した。不均一性についてCochrane Q統計およびI2統計を用いて評価した。 本研究の主なアウトカムは、SIRまたはORで評価したがんリスクとした。 主な結果は以下のとおり。・システマティックレビューとメタ解析には、住民ベースコホート試験8(572万6,692例)とケースコントロール試験48(11万4,136例)が包含された。・コホート試験間で、ADとケラチノサイトがん(5試験、pooled SIR:1.46、95%CI:1.20~1.77)、腎がん(2試験、1.86、1.14~3.04)、中枢神経系がん(2試験、1.81、1.22~2.70)、膵がん(1試験、1.90、1.03~3.50)に統計的に有意な関連が認められた。・48のケースコントロール試験間において、AD患者の中枢神経系がん(15試験、pooled OR:0.76、95%CI:0.70~0.82)、膵がん(5試験、0.81、0.66~0.98)のORは、コホート試験で高い発生率が認められたにもかかわらず、統計的に有意に低かった。・ケースコントロール試験では、肺・呼吸器系がんのORも低いことが示された(4試験、pooled OR:0.61、95%CI:0.45~0.82)。・ADとその他のがん(メラノーマを含む)の関連性を認めるエビデンスは見いだせなかった。・なお、その他多くのがんの試験では、データのプールの妨げとなるかなりの不均一性があり、包含試験間には中等度~重度のバイアスリスクが存在した。

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日本人統合失調症患者における1年間の禁煙変化

 岡山県・たいようの丘ホスピタルの樋口 裕二氏らは、日本人の統合失調症患者の喫煙者における禁煙への意欲や行動に関するフォローアップ調査を実施した。BMC Psychiatry誌2019年11月21日号の報告。 参加者は、2016年4月1日時点で1年以上通院しており、過去6ヵ月以内に2回以上受診していた20~69歳の統合失調症外来患者。2016年にプールされた患者680例よりランダムに抽出した420例を対象にベースライン調査を行い、現在の喫煙状況や禁煙段階を含む喫煙行動に関して2017年までフォローアップ調査を実施した。禁煙段階の分布と変化、1年後の喫煙者および非喫煙者数、自然主義的な1年間の禁煙フォローアップによる禁煙率を算出した。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン調査の回答者350例中、現喫煙者は113例、元喫煙者は68例であった。・現喫煙者113例中、104例(92.0%)が1年間フォローアップされた。禁煙に関心があった患者は79例(70.0%)であったが、ベースライン時に禁煙治療を受けた患者は7例のみであった。・フォローアップされた104例中、1年後に禁煙を達成していた患者は6例(5.8%)のみであった。・ベースライン時に6ヵ月以内に禁煙する意向を示した患者25例中、1年間禁煙を継続する意向を維持した患者は6例(24.0%)、禁煙の意向を維持できなかった患者は16例(64.0%)であった。 著者らは「統合失調症患者の喫煙者の多くは、禁煙に関心を持っているが、治療を受け、実際に禁煙できる患者はほとんどいないことが明らかとなった。統合失調症患者の喫煙者には禁煙治療のオプションを含め、適時の介入が必要とされる」としている。

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患者団体と製薬企業とのつながりとは/BMJ

 オーストラリア・シドニー大学のLisa Parker氏らは、患者団体と製薬企業の間の相互作用を調べる質的研究を行った。疾患別に存在する患者団体の多くが、製薬企業から資金提供を受けているが、患者団体は、患者および介護者に対する支援やアドボカシー、情報提供において重要な役割を担っている。また、医療および製薬の政策において影響力のあるアドボケイト(代弁者)としての地位を増しており、研究グループは、両者間の相互作用の解明を試みた。その結果、相互作用としての「asset exchange(資産交換)」の問題が明確になったという。BMJ誌2019年12月12日号掲載の報告。質的研究で、患者団体と製薬企業との関係性を調査 検討は、患者団体の代表者の観点から製薬企業のスポンサーシップをどのように見ているのか、また相互作用がどのように、なぜ、いつ発生するのかを調べることで、相互作用の質を理解し報告することを目的とした。 研究には、製薬企業と多様なレベルの資金提供でつながりのある、オーストラリアの23の患者団体から27人が参加。患者団体は、一般的な医療消費問題や疾患別の話題にフォーカスしている、地域または全国規模の団体であった。 調査は、倫理学の理論(グラウンデッドセオリー)で知られている経験的・質的インタビュー研究法を用い、インタビューでの聞き取りをデータカテゴリーにコード化して分析した。調査結果は、データを描出し解き明かすために新しい概念カテゴリーに編成され、また引用符でサポートされた。資金提供を受ければ、何らかの見返りを求められることに留意すべき 患者団体と製薬企業の関係性のタイプとして、製薬企業のスポンサーシップに対する姿勢の違いによる4つのタイプが特定された。 支配的な関係性(dominant relationship)のタイプは、ビジネスパートナーシップとして成功したタイプといえ、患者団体は企業の人間と密接な協力関係を築いていることが示された。このタイプの患者団体は、企業の悪影響の可能性を認識しつつ、企業の影響を回避する戦略があるとの自信を示していた。 その他の患者団体は、不十分(unsatisfactory)または未発達(undeveloped)な関係性であることが示され、いくつかの患者団体(すべて一般医療消費団体)は、製薬企業とは基本的な関心事が対立しており、自分たちのミッションと相いれないものであることを示した。 患者団体は、自分たちと製薬企業の間の相互作用は、団体のメンバーが興味を示す可能性がある新薬を会社が手にしたときにより多く発生していると報告した。 また、企業の資金提供を受け入れた患者団体は、企業と“asset”(資産)の交換に関わっていることが明らかになった。患者団体は、金銭、情報、アドバイスを受け取るのと引き換えに、企業にマーケティングや主要なオピニオンリーダーとの関係構築の機会を与えることや、医薬品の入手や助成金に関する企業のロビー活動に協力したり、治験への参加者集めを支援したり、企業の信頼性を強化することに関与していた。 著者は、「製薬企業のスポンサーシップについての患者団体の幅広い見方について理解することは、両者間のあらゆる倫理的懸念を特定し統制しようとする患者団体にとって役立つものとなるだろう」と述べるとともに、「製薬企業から金銭を受け取っている患者団体は、“返礼”として特定の資産を要求される可能性があることを想定しておくべきである」と指摘。続けて「活発にマーケティングを行う機会があると見なした患者団体への製薬企業による選択的な資金提供は、患者団体本来の活動を製薬企業の関心事にねじ曲げて向かわせる可能性があり、企業の代理人としてアドボカシーを発揮し、医療政策にも影響を及ぼす可能性がある」と警鐘を鳴らした。

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心拍数を下げて心臓の負担を減らす慢性心不全治療薬「コララン錠2.5mg/5mg/7.5mg」【下平博士のDIノート】第40回

心拍数を下げて心臓の負担を減らす慢性心不全治療薬「コララン錠2.5mg/5mg/7.5mg」今回は、HCN(hyperpolarization-activated cyclic nucleotide-gated)チャネル遮断薬「イバブラジン塩酸塩錠」(商品名:コララン錠2.5mg/5mg/7.5mg、小野薬品工業)を紹介します。本剤は、心臓の伝導性、収縮性、再分極および血圧に影響を与えず、心拍数を減少させる新規慢性心不全治療薬として期待されています。<効能・効果>本剤は、洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全(β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)の適応で、2019年9月20日に承認され、2019年11月19日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはイバブラジンとして1回2.5mgを1日2回食後経口投与します。1回投与量は2.5mg、5mg、7.5mgのいずれかとし、増量する際は2週間以上の間隔を空けて段階的に調節します。目標とする安静時心拍数は50~60回/分とし、目標値を超える場合は段階的な増量、下回るまたは徐脈関連症状(めまい、倦怠感、低血圧など)が認められた場合は段階的な減量が必要です。なお、本剤は次のいずれかの患者に対して投与を検討します。β遮断薬の最大忍容量を投与されても安静時心拍数が75回/分以上の患者β遮断薬に対する忍容性がない、もしくは禁忌など、β遮断薬を使用できない患者<副作用>国内第III相試験(ONO-1162-03試験)および海外第III相試験(SHIFT試験)において、本剤が投与された安全性評価対象3,359例のうち、636例(18.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、徐脈122例(3.6%)、光視症95例(2.8%)、胃腸障害47例(1.4%)、心不全27例(0.8%)、霧視15例(0.4%)でした。なお、心拍数減少を含む徐脈(8.0%)、光視症(同上)、霧視(同上)、房室ブロック(0.6%)、心房細動(0.3%)、心電図QT延長(0.2%)が、重大な副作用として報告されています(承認時)。<患者さんへの指導例>1.この薬は、心臓の過剰な働きを緩やかにすることで、心臓の負担を軽減して心不全の悪化を防ぎます。2.暗い部屋で突然稲妻のような光が見えたり、目がチカチカしたり、視界がかすんで見えたりするような症状が生じることがあります。これらの症状が認められた場合は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないでください。3.めまい、立ちくらみ、息切れ、脈が飛ぶ、動悸などの症状が現れたら、すぐに医師に連絡してください。4.このお薬は、妊娠・授乳している女性には使うことができません。妊娠を希望する場合は主治医に相談してください。<Shimo's eyes>慢性心不全の患者さんでは、十分な血液量を拍出できない心臓の働きを補うために、心拍数が高くなることがあります。それが長期間継続すると、日常生活に支障が生じるのみならず、予後にまで悪影響を及ぼすことが知られています。本剤は、心臓の洞結節に発現するHCNチャネルを阻害することで、心臓のペースメーカー電流を抑制して心拍数を減少させます。対象となる患者さんは、β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けていて、安静時心拍数が75回/分を上回る方に限定されますが、副作用や禁忌によってβ遮断薬が使用できない場合も可能です。本剤の効果が期待できるのは、心臓が正常なリズムを示す洞調律を保った患者さんであり、洞不全症候群や洞房ブロックなどの患者さんは禁忌です。また、収縮期血圧が90mmHg未満または拡張期血圧が50mmHg未満の低血圧、重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)の患者さんにも使用できません。本剤はCYP3Aの基質であるため、強力なCYP3A阻害作用を持つイトラコナゾール、クラリスロマイシンなどのほかにも、中等度のCYP3A阻害作用に加えて心拍数減少作用を持つベラパミル、ジルチアゼムとは併用禁忌です。副作用の眼症状発現について、本剤は洞結節のHCN4チャネルに加えて、視細胞のHCN1チャネルを阻害することが原因の1つと考えられています。光視症、霧視を認めた場合は、本剤の減量や投与中止を含めた対応を提案しましょう。なお、2019年9月現在、本剤は「慢性心不全」に関連する効能・効果について、100以上の国または地域で承認されています。参考1)PMDA コララン錠2.5mg/5mg/7.5mg

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一般市民によるAED、不成功でも神経学的転帰改善/Lancet

 院外心停止(out-of-hospital cardiac arrest:OHCA)患者への自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)を用いた一般市民による除細動(public-access defibrillation:PAD)の実施は、AEDを使用しない場合に比べ、その場では自己心拍再開が達成されなかったとしても、その後の神経学的転帰を改善する可能性があることが、国立循環器病研究センターの中島 啓裕氏ら日本循環器学会蘇生科学研究グループの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌2019年12月21日号に掲載された。日本では、ショック適応リズムを伴うOHCA患者へのPADの80%以上は、救急隊(emergency medical service:EMS)の現地到着前に、持続的な自己心拍再開には至らないという。これら患者の神経学的および生存転帰は知られていなかった。PADを受けた患者と受けなかった患者を比較するコホート研究 研究グループは、OHCA患者を対象とする日本の全国的な地域住民ベースの前向きレジストリ(ウツタイン様式)のデータを後ろ向きに解析するコホート研究を実施した(特定の研究助成は受けていない)。 対象は、ショック適応リズムを伴うOHCAで、市民によって目撃され、バイスタンダー(救急の現場に居合わせた人)による心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation:CPR、胸骨圧迫、補助呼吸)を受けたが、EMSが現地に到着する前に自己心拍再開に至らず、医療機関に搬送された患者であった。これらの患者のうち、AEDによるPADを受けた患者と、これを受けなかった患者の予後を比較した。 主要評価項目はOHCAから30日時の良好な神経学的転帰、副次評価項目はOHCAから30日時の生存とした。良好な神経学的転帰は、脳機能カテゴリー(Cerebral Performance Category:CPC)のスコア1(機能良好)または2(中等度障害)と定義された。搬送遅延のリスクがあっても、市民によるCPR+PADを推進すべき 2005年1月1日~2015年12月31日の期間に、129万9,784例がOHCAと確定された。EMS到着前に、PADの有無にかかわらず自己心拍再開を達成した患者は除外された。最終的に、EMS到着前に、CPR+PADを受けたが自己心拍再開に至らなかった2,242例(8.0%、PAD群)と、CPRのみを受けたが自己心拍再開に至らなかった2万5,087例(89.5%、非PAD群)が解析に含まれた(合計2万7,329例)。 ベースラインの平均年齢は、PAD群60(SD 17)歳、非PAD群64(16)歳(p<0.0001)、男性がそれぞれ85%および79%(p<0.0001)を占めた。傾向スコアマッチングにより、PAD群の1,483例(66.1%)と、非PAD群の1,483例(5.9%)をマッチさせた(両群とも、平均年齢61[17]歳、男性84%)。 30日時に良好な神経学的転帰を達成した患者の割合は、未補正(PAD群845例[38%]vs.非PAD群5,676例[23%]、オッズ比[OR]:2.07、95%信頼区間[CI]:1.89~2.26、p<0.0001)および傾向スコアマッチング後(546例[37%]vs.425例[29%]、1.45、1.24~1.69、p<0.0001)のいずれにおいても、PAD群で有意に優れた。 また、30日時の患者の生存割合も同様に、未補正(PAD群987例[44%]vs.非PAD群7,976例[32%]、OR:1.69、95%CI:1.55~1.84、p<0.0001)および傾向スコアマッチング後(650例[44%]vs.553例[37%]、1.31、1.13~1.52、p<0.0001)の双方で、PAD群が有意に良好だった。 患者が倒れてから、バイスタンダーまたはEMSによって初回のショックが行われるまでの時間中央値は、PAD群が非PAD群よりも有意に短かった(未補正p<0.0001)が、バイスタンダーが救急通報をするまでの時間(同p<0.0001)および病院到着までの時間(同p<0.0001)はPAD群のほうが長かった。傾向スコアマッチング後も、ほぼ同様の結果だった。 救急通報を受けたEMSが現地に到着して患者への対応を開始するまでの時間別の良好な神経学的転帰の達成について解析したところ、6分未満(OR:1.41、95%CI:1.09~1.84)、6~10分(1.71、1.51~1.94)、10分以上(1.84、1.43~2.36)のいずれにおいても、PAD群が有意に優れた。 著者は、「この新たな知見は、たとえ病院到着時間の遅延のリスクがあっても、院外心停止患者に一般市民が心肺蘇生と除細動を積極的に行うことを推進するとともに、地域におけるPADプログラム導入のさらなる拡大を支持するもの」としている。

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FoundationOne CDx、エヌトレクチニブのROS1肺がんコンパニオン診断として承認/中外

 中外製薬は、2019年12月26日、遺伝子変異解析プログラム「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」に関し、現在承認申請中であるエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)のROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌に対するコンパニオン診断としての使用目的の追加について、厚生労働省より承認を取得したと発表。本プログラムは、ROS1融合遺伝子を検出することにより、ロズリートレクの非小細胞肺がんにおける適応判定を補助する。なお、ロズリートレクのROS1融合遺伝子陽性の局所進行又は転移性非小細胞肺癌の適応拡大については、2019年3月15日に承認申請を行っている。 本プログラムは、米国のFoundation Medicine, Inc.により開発された、次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。患者の固形がん組織から得られたDNAを用いて、324の遺伝子における置換、挿入、欠失、コピー数異常および再編成などの変異等の検出および解析、ならびにバイオマーカーとして、マイクロサテライト不安定性の判定や腫瘍の遺伝子変異量の算出を行う。また、国内既承認の複数の分子標的薬のコンパニオン診断として、適応判定の補助に用いることが可能である。

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閉経後ルミナールB乳がんへの術前療法、ribociclib+レトロゾール併用が有望(CORALLEEN)/SABCS2019

 ホルモン受容体陽性/HER2陰性(HR+/HER2-)の閉経後乳がんに対する術前療法として、ribociclibとレトロゾールの併用投与が、術前化学療法と同様の効果を示す可能性があるとの試験結果が、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)で、スペインInstituto Valenciano de OncologiaのJoaquin Gavila氏より発表された。この結果はLancet Oncology誌オンライン版2019年12月11日号に同時掲載された。 本試験(CORELLEEN試験)は、2017年7月~2018年12月にスペイン国内(21施設)で実施された、オープンラベル無作為化比較の第II相試験である。・対象:Stage I~IIIAのHR+/HER2-ルミナールBタイプの閉経後乳がん患者(ルミナールBタイプは遺伝子発現プロファイル検査法PAM50で判定)・試験群:ribociclib+レトロゾール群(R群) 52例・対照群:ドキソルビシン+シクロホスファミド後にパクリタキセル逐次投与群(CT群) 54例・評価項目:[主要評価項目]手術時にPAM50によりROR(Risk Of Recurrence)-lowと判定される割合[副次評価項目]組織学奏効率(pCR)、残存腫瘍量(RCB)とPEPI(Preoperative Endocrine Prognostic Index)スコア、PAM50によるサブタイプ変化、奏効率、QOL、安全性、バイオマーカー検索など 両群共に6ヵ月の投薬期間後に手術を施行。ROR-Lowの判定は、リンパ節転移陰性(n0)の場合、RORスコア40以下、リンパ節転移1~3個(n1-3)の場合、15以下とした。同様にn0でRORスコアが41~60、n1~3で16~40をIntermediateとした。 主な結果は以下のとおり。・遺伝子検査の解析対象はR群49例、CT群51例であった。・手術時のROR-lowの割合は、R群46.9%(95%信頼区間[CI]:32.5~61.7)、CT群:46.1%(95%CI:32.9~61.5)であった。・RORスコアの中央値は、R群18、CT群25であった。中央判定によるKi67の中央値は、R群3、CT群10であった。・pCR率はR群0%(95%CI:0~7.2)、CT群5.8%(95%CI:1.4~16.6)、PEPIスコア0はR群22.4%(95%CI:11.7~36.6)、CT群17.3%(95%CI:8.6~31.4)であった。・手術時におけるサブタイプ変化は、R群の87.8%、CT群の82.7%がルミナールAとなっており、ルミナールBはR群で8.2%、CT群で15.4%であった。・ベースラインと薬剤投与15日目のRORの変化を見たところ、R群の1例以外はすべて減少しており、CT群に比べ大きなRORの低下がみられた。・Grade3以上の有害事象(AE)の発現率は、R群で56.9%、CT群で69.2%、重篤なAEはR群で3.9%、CT群で15.4%であった。また、AEによる投与中止はR群で15.7%、CT群で19.2%であった。Gavila氏はSABCSのプレスリリースで、「ハイリスクのルミナールB乳がん患者に対するribociclibとレトロゾールの併用による術前内分泌療法は有害事象も少なく、術前化学療法と同等の臨床的効果があり、今後は術前化学療法にとって代わる可能性がある」と述べている。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2019年12月25日、PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とCTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、化学療法未治療のStageⅣまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験(CheckMate-227試験)の Part1の結果などに基づいている。本結果において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目の1つであるPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間の有意な延長を達成している。

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TAVRのデバイス性能は製品によって差がある(解説:上妻謙氏)-1160

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、重症大動脈弁狭窄症に対する治療として数々の外科手術との無作為化比較臨床試験が行われてきて、すでに手術リスクの程度にかかわらず外科手術よりも安全であることが証明され、世界中で適応が拡大されてきている。しかし今までTAVRのデバイス同士の比較が行われた大規模研究は少なく、デバイスごとの成績の差違は明らかではなかった。 本SCOPE I試験は、現在のスタンダードデバイスであるSAPIEN 3と自己拡張型デバイスであるACURATE neoを1対1にランダマイズして比較したもので、75歳以上のSTSスコアの平均が3.5と中等度から低リスク患者を中心に739例がエントリーされた。プライマリーエンドポイントはVARC-2という弁膜症治療における有効性と安全性の30日成績で、具体的には全死亡、脳卒中、生命を脅かす出血、重大な血管合併症、PCIを要する冠動脈閉塞、急性腎障害、弁膜症症状または心不全による再入院、再治療を要する人工弁不全、中等度以上の弁逆流、あるいは狭窄の複合エンドポイントである。 結果はACURATE neo群24%、SAPIEN 3群16%で、非劣性は証明されず、SAPIEN 3のほうが有意に良好な成績であった。ただし死亡、脳卒中は差がなく、主に差があったのは急性腎障害と人工弁逆流の割合であった。人工弁逆流の差はSAPIEN 3に逆流防止のスカートが付いている効果と考えられ、腎障害の頻度の差はACURATE neo群で手技時間が長く造影剤使用量が多かったことによると考察されている。代わりにSAPIEN 3はACURATE neoに比べ残存圧較差が大きく、有効弁口面積が小さくなった。ACURATE neoは弁輪を拡張する力が弱く、ペースメーカーが必要になる症例が少ないといわれているが、ペースメーカー植え込み率も10%対9%と違いがなかった。 複合エンドポイントでの差で、ハードエンドポイントには差がなかったが、このようなデバイスによる成績の差がはっきりと示された臨床試験は近年では珍しい。実際に本研究も非劣性を検証するデザインであり、同等になるとの仮説であった。冠動脈の薬剤溶出ステント同士の比較試験で同等の成績ばかりが続いており、薬剤溶出ステントは成熟したデバイス市場であることが示されてきたが、TAVRのデバイスに関してはその製品差が大きいことをうかがわせる。しかしACURATE neoのシステムも今後逆流防止のスカートが付く予定で、手技時間が短縮するようなデバイスの改良が進めば、性能が追いつき、むしろ有効弁口面積を大きくとれるメリットも活かせる可能性があり、今後のデバイス進歩に有用な情報が得られたといえる。

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最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認【侍オンコロジスト奮闘記】第85回

第85回:最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認West H, et al. Atezolizumab in combination with carboplatin plus nab-paclitaxel chemotherapy compared with chemotherapy alone as first-line treatment for metastatic non-squamous non-small-cell lung cancer (IMpower130): a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial.Lancet Oncol. 2019;20:924-937.FDA、非扁平上皮NSCLCの初期治療にアテゾリズマブ+化学療法を承認/Roche

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統合失調症に対する長時間作用型持効性注射剤の無作為化試験のレビュー

 ドイツ・シャリテ医科大学のLuisa Peters氏らは、統合失調症に対する長時間作用型持効性注射剤抗精神病薬(LAI)について、2016年1月~2019年3月に公表されたランダム化比較試験(RCT)データのレビューを行った。Current Psychiatry Reports誌2019年11月19日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・RCT 31件(1次研究:7件、事後解析:24件)、4,738例が抽出された。内訳は、プラセボ対照研究は11件(1,875例)、経口抗精神病薬(OAP)との比較試験7件(658例)、LAI同士の比較試験13件(2,205例)であった。・LAIには、aripiprazole lauroxil nanocrystal dispersion、皮下注射可能なリスペリドン製剤、aripiprazole lauroxil、アリピプラゾール1ヵ月製剤、パリペリドン1ヵ月製剤、paliperidone 3ヵ月製剤、リスペリドンLAIが含まれていた。・再発および入院の予防に関して、LAIは、プラセボよりも有用であり、OAPより部分的に優れていた。また、LAI間で違いは認められなかった。・LAIは、すべての原因による中止、機能、QOL、忍容性に関して、OAPと同等であり、患者満足度およびサービスへの関与が高かった。 著者らは「最近のメタ解析では、さまざまな結果が得られていたが、LAIよりもOAPを優先すべきとの結果には至らなかった。RCTでは、LAIは、プラセボより優れ、OAPよりも部分的に優れていた。LAIとOAPの有効性比較については、さらなる研究が求められる」としている。

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アナストロゾール5年投与の乳がん予防効果、11年後も(IBIS-II)/Lancet

 乳がん発症リスクが高い閉経後女性において、アナストロゾールの予防効果は投与終了後も長期にわたり維持されており、新たな遅発性の副作用は報告されなかったことが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のJack Cuzick氏らによる長期追跡試験「IBIS-II試験」で示された。「MAP.3」および「IBIS-II」の2件の大規模臨床試験において、アロマターゼ阻害薬投与後最初の5年間で高リスク女性の乳がん発症率が低下することが報告されていたが、アナストロゾール投与終了後の長期的な乳がん発症率についてはこれまで不明であった。Lancet誌オンライン版2019年12月12日号掲載の報告。また同日、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)にて発表された。アナストロゾール5年投与による乳がん発症率をプラセボと比較 IBIS-II試験(International Breast Cancer Intervention Study II)は、乳がん高リスク閉経後女性におけるアナストロゾールの乳がん(浸潤性乳がんまたは非浸潤性乳管がん)に対する発症予防効果および安全性を評価する、国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。 研究グループは、2003年2月2日~2012年1月31日の間に、40~70歳の乳がん発症高リスク閉経後女性(一般女性に対する乳がん相対リスクが40~44歳は4倍以上、45~60歳は2倍以上、60~70歳は1.5倍以上)3,864例を、アナストロゾール(1mgを1日1回経口投与)群(1,920例)またはプラセボ群(1,944例)に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ5年間投与した。 治療完遂後、年1回追跡調査を行い、乳がん発症、死亡、その他のがんの発症、主要有害事象(心血管イベントおよび骨折)に関するデータを収集した。主要評価項目は、すべての乳がん発症で、Cox比例ハザードモデルを用いてintention-to-treat解析を行った。アナストロゾール群で追跡期間約11年の乳がん発症率が49%低下 追跡期間中央値131ヵ月(IQR:105~156)において、乳がん発症率はアナストロゾール群で49%減少した(85例vs.165例、ハザード比[HR]:0.51、95%信頼区間[CI]:0.39~0.66、p<0.0001)。 アナストロゾール群の乳がん発症率の低下は、最初の5年間が大きかったが(35例vs.89例、HR:0.39、95%CI:0.27~0.58、p<0.0001)、5年以降も有意であり(新規発症例:50例vs.76例、HR:0.64、95%CI:0.45~0.91、p=0.014)、最初の5年間と5年以降とで有意差はなかった(p=0.087)。 エストロゲン受容体陽性浸潤性乳がんの発症率はアナストロゾール群で54%低下し(HR:0.46、95%CI:0.33~0.65、p<0.0001)、治療完遂後に有意な効果が持続した。非浸潤性乳管がんはアナストロゾール群で59%低下し(HR:0.41、95%CI:0.22~0.79、p=0.0081)、とくにエストロゲン受容体陽性で著しかった(HR:0.22、95%CI:0.78~0.65、p<0.0001)。 観察された全死亡(69例vs.70例、HR:0.96、95%CI:0.69~1.34、p=0.82)、または乳がん死亡(2例vs.3例)について、アナストロゾール群とプラセボ群で有意差は確認されなかった。非乳がんの発症率は、アナストロゾール群で有意な低下が確認され(147例vs.200例、オッズ比:0.72、95%CI:0.57~0.91、p=0.0042)、とくに非黒色腫皮膚がんの発症率低下が大きかった。 骨折または心血管疾患のリスク増加は確認されなかった。 結果を踏まえて著者は、「さらなるフォローアップを行い、乳がん死亡への効果を評価することが必要だ」と述べている。

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週7パック以上の納豆で骨粗鬆症性骨折リスクが半減?

 納豆摂取と骨密度との間の直接の関連は知られているが、骨粗鬆症性骨折との関連については報告されていない。今回、大阪医科大学/京都栄養医療専門学校の兒島 茜氏らの研究で、閉経後の日本人女性において習慣的な納豆摂取が骨密度とは関係なく骨粗鬆症性骨折のリスク低下と関連していることが示唆された。The Journal of Nutrition誌オンライン版2019年12月11日号に掲載。 本研究は、納豆の習慣的な摂取と骨粗鬆症性骨折リスクとの関連を調査した前向きコホート研究。対象は、1996、1999、2002、2006年にJapanese Population-based Osteoporosis(JPOS)研究に登録され、ベースライン時に45歳以上であった閉経後日本人女性1,417人。登録時に、納豆、豆腐、その他の大豆製品の摂取について食事摂取頻度調査票(FFQ)を使用して調査した。骨折は1999年、2002年、2006年、2011/2012年の追跡調査で確認した。主要アウトカムは骨粗鬆症性骨折で、医師がレントゲン写真で診断した、強い外力によらない臨床的骨折とした。Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・1万7,699人年の追跡期間中(中央値15.2年)、172人の女性に骨粗鬆症性骨折が確認された。・年齢、股関節の骨密度年齢について調整後、納豆摂取量が週当たり1パック(約40 g)未満に対するHRは、1~6パックで0.72(95%CI:0.52~0.98)、7パック以上で0.51(95%CI:0.30~0.87)であった。・さらに、BMI、骨粗鬆症性骨折の既往、心筋梗塞または脳卒中の既往、糖尿病、現在の喫煙、飲酒、豆腐および他の大豆製品の摂取頻度、食事性カルシウム摂取について調整すると、1パック未満に対するHRは1~6パックで0.79(95%CI:0.56~1.10)、7パック以上で0.56(95%CI:0.32~0.99)となった。・豆腐や他の大豆製品の摂取頻度は、骨粗鬆症性骨折のリスクと関連がなかった。

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