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子供の眼に刺さったものランキング【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第188回

子供の眼に刺さったものランキングpixabayより使用もう救急現場からは遠のいてしまいましたが、研修医のとき眼外傷ほどこわいものはありませんでした。研修病院は、高速道路のインターチェンジの真横にあったので、たまに交通事故外傷が搬送されて来るんですが、私が人生で最初にみた高エネルギー外傷は、右腕がグニャグニャになったトラックの運転手でした。その人が「思ったほど痛くないッス」と私に話しかけてくれたのですが、その眼球に割れたミラーがブスっと刺さっていて、いまだに夢に出てきます……(ちなみに彼は元気に退院しました)。さて今日紹介するのは、子供の眼外傷に関する論文です。Guo Y, et al.Characteristics of paediatric patients hospitalised for eye trauma in 2007-2015 and factors related to their visual outcomesEye (Lond) . 2020 Jun 9. doi: 10.1038/s41433-020-1002-1.上海の単施設において、2007年1月~2015年12月の間に、眼外傷の治療を受けた16歳未満の子供の入院患者の診療録が収集されました。年齢、性別、外傷の種類、原因、合併症、入退院時の視力について調べました。合計2,211人の患児、合計2,231眼が登録されました。73.7%が男児で、61.2%が0〜6歳の子供でした。機械的な眼外傷は75.3%に見られ、なんと穿通性の損傷が59.8%に見られました。眼外傷の原因となったものは、はさみ(16.3%)、爆竹(8%)、鉛筆(4.9%)という結果でした。爆竹がランクインされるあたり、中国らしいなと思いますが、2倍以上の大差をつけて1位がはさみというのが怖いですね……。鉛筆もそうですが、そのままダイレクトに眼球に刺さるのを想像するだけでちょっと体が震えてしまいます。虹彩脱出、網膜剥離、眼内炎を起こしたケースでは、視力障害の予後不良と有意に関連していました。とにかく、はさみや鉛筆など、子供が触りそうなものには注意が必要です。今は「子供用」のはさみがあるので、日本では眼外傷は少ないと思いますが、鉛筆やペンなどの尖ったものは持たせないよう注意する必要があります。

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第24回 高齢糖尿病患者のサルコペニア、介入タイミングと方法は?【高齢者糖尿病診療のコツ】

第24回 高齢糖尿病患者のサルコペニア、介入タイミングと方法は?Q1 評価法と介入の判断、目標設定の考え方について教えてください2019年にアジアのワーキンググループにおいて、サルコペニアの診断基準の変更がありました1)。これによると、一般の診療所におけるサルコペニアの簡単なスクリーニングと評価法が示されています。すなわち、下腿周囲長が短いもの、SARC-Fと呼ばれる簡単な10点満点の質問で4点以上のもの、あるいはその両者をあわせたSARC-Calfと呼ばれるスコアが高値のものは評価の対象となります。評価としては握力または5回椅子立ち上がりテストを行い、前者では男性<28kg、女性<18kg、後者では12秒以上かかるものはサルコペニアの可能性ありとして介入をはじめてよいとされています。本来サルコペニアの確定診断には筋量測定が必要ですが、これにはDXA法やバイオインピーダンス法といった特殊な装置が必要であり一般診療所では行いにくいこと、さらに身体機能として示されてきた歩行速度も実地では実施が困難であるため、より簡便な握力と椅子立ち上がりで評価できるようになりました。なお、近年筋量より筋力のほうが予後をよく反映するとする報告がみられています。これらの指標(下腿周囲長、握力、椅子立ち上がり)の維持・向上を目標とするわけですが、筋量の増加は効果が認めにくい一方で、筋力や身体機能の改善はその後の機能予後の改善やフレイルの予防に重要です。さらに、トレーニングの内容にもよりますが、握力よりも下肢筋力や下肢運動機能のほうが効果が出やすいようです2)。したがって、クリニックにおいては、椅子立ち上がりテストを定期的に行って、時間の短縮を確認することが治療効果の評価に有効ではないかと思います。改善が認められたら努力を賞賛し、さらに0.5~1秒短い目標時間を設定する、とすればモチベーションも維持できるのではないかと思います。Q2 食事療法・タンパク質量の設定について、具体的な考え方は?日本人の食事摂取基準(2020年版)では、フレイルおよびサルコペニアの発症予防を目的とした場合、65 歳以上では少なくとも1.0g/kg体重/日以上のタンパク質を摂取することを推奨していますので3)、1日およそ60g以上, 1食当たり20g以上となります。低栄養が疑われるものではさらに多くの摂取が推奨されます。魚、鶏ささみ肉、牛赤身肉など油脂が少ない肉は100g当たり約20gのタンパク質を含みますが、バラ肉などの油脂が多い肉や加工肉では含量が少なくなるため注意が必要です(表)。画像を拡大するタンパク質を十分摂取するには、まず3食食べ欠食しないこと、それぞれにタンパク質を含む主菜をとることが重要です。主食を増やさず油脂の多い肉を避けるよう指導すれば体重はさほど増加しないと考えられますし、多少の増加は許容しています。肉がとりにくい人は、大豆製品や乳製品を利用しますが、20gのタンパク質を豆腐からとるには300g(1丁)が必要であり、やはり肉、魚の摂取を勧めたいところです。また単品料理よりもグラタン、クリームシチュー、ピカタなどにすることで乳製品や卵のタンパク質を追加したり、みそ汁に豆腐や油揚げを入れるなどの工夫も有効ですが、脂質や塩分の増加には注意します。麺類をとる時などは、卵、ツナ缶、納豆などをトッピングしたり、冷奴など一品追加するようにします。ビタミンDもタンパク質合成に重要ですが、きのこ類の他、イワシ、サンマ、サケなどの魚類に豊富に含まれるため、魚を1日1食とるように勧めます。腎機能低下例にもタンパク質摂取を勧めるべきかには議論があります。慢性腎臓病(CKD)ではタンパク制限が末期腎不全への進行を防止するとするエビデンスがある一方、サルコペニアを合併した高齢者では死亡リスクが高いが高齢CKDではタンパク制限が死亡率上昇につながることも報告されています。したがって、2019年に日本腎臓学会が公表した「サルコペニア・フレイルを合併した 保存期 CKD の食事療法の提言」では、末期腎不全への進行予防を重視するか、死亡リスクを重視するかで摂取量を柔軟に設定することとしています5)。すなわち死亡リスクが高いと考えられる例、サルコペニアが重度と考えられる例ではタンパク質の摂取制限を緩めることを考えますが、それでもCKD4-5期ではタンパク0.8g/kg体重/日を上限とするとしています。Q3 運動療法・筋肉量を増やすための指導法についてサルコペニアの予防・治療にはレジスタンス運動を含む運動が重要です。強度については、高齢者においては、低強度であっても反復して行うことによって筋力や筋量の向上が期待できるという報告があります6)。実際に高齢者が定期的にジム通いして高強度の運動を継続することは難しく、自宅で自重や簡単な器具(ゴムチューブ)などを用いた運動が適当であり、継続もしやすいと考えられます。たとえば中腰のスクワットや座位でのももあげ、つまさきあげ、かかとあげだけなどでも効果が期待できます。そのうえで、本人が「楽」と感じるレベルから「ややきつい」レベルにあげていくとよいでしょう。歩行などの有酸素運動やバランス運動、柔軟性運動を組み合わせた多要素の運動も勧められますが(図)、バランス運動の施行時には転倒に注意が必要です。また当然ながら十分なタンパク質摂取をあわせて指導することが重要です。画像を拡大する運動には継続も必要ですが、意欲を保つのは容易ではありません。運動を開始、継続してもらうには具体的な目標を設定することと、毎日記録をつけてもらうことが大切です。歩数計をもたせて目標を設定し記録してもらいます。また、たとえばいくつかの運動の画を書いた簡単なカードを作成して渡し(Webにもいろいろヒントがあります)、行ったらマルをつけて提出してもらいます。それに対し必ずコメントをし(がんばりました、もう一息など)新しい記録紙を渡して、少し高い目標を患者さんと一緒に設定します。昔ラジオ体操のカードにはんこを押してもらった、あの感覚です。どうしても意欲が乏しいときは、場合によってはご家族も巻き込んで一緒に運動するようお願いしています。また、前述のようにたびたび椅子立ち上がりや握力などの検査を行い、結果をフィードバックして効果を実感してもらうことがモチベーション維持に大切であると考えます。Q4 サルコペニア傾向ないしやせ型の高齢糖尿病患者さんにSGLT2阻害薬を使ってよいでしょうか?最近日本人2型糖尿病患者へのSGLT2阻害薬の投与の体組成への影響の違いを検討した研究の65~74歳のサブ解析において、SGLT2阻害薬はメトホルミンと比較して筋量や筋力の低下をきたさなかったと報告されましたが7)、BMI≧22、平均BMI 27とやや肥満で筋量や筋力も保たれているものを対象としており、75歳以上の患者ややせた患者の筋量や筋力への影響は明らかではありません。日本糖尿病学会が策定・公表している「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」でも、75歳以上の高齢者あるいは65歳から74歳でサルコペニアなどの老年症候群のある場合の投与は注意して慎重に行う、とされており8)、やはりこれらの患者ではなるべく使用を避け、使用する場合はタンパク質摂取と運動が十分に行われていることを確認することが重要です。さらに定期的に体重、筋力や運動機能をフォローし、明らかな低下がみられた時には中止を検討すべきと考えられます。1)Chen LK, et al, J Am Med Dir Assoc 2020 ;21: 300-307.2)Makizako H et al, J. Clin. Med. 2020, 9, 1386.3)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) 」4)文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂) 」5)日本腎臓学会「サルコペニア・フレイルを合併した 保存期 CKD の食事療法の提言」6)山田実. 日老医誌 2019;56:217-226.7)Koshizaka M, et al, Diabetes Ther 2021; 12: 183-196.8)日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関する Recommendation」2020

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中国のコロナワクチン2種、初の第III相試験中間解析/JAMA

 中国で開発された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)不活化ワクチン2種の、第III相二重盲検無作為化試験の事前規定中間解析の結果が、アラブ首長国連邦・Abu Dhabi Health Services CompanyのNawal Al Kaabi氏らによって発表された。試験は中国Sinopharmの子会社であるChina National Biotec Group(CNBG)に属する武漢生物製品研究所と北京生物製品研究所がデザインし、中東4ヵ国で被験者を集めて行われた。中間解析にはうち2ヵ国(アラブ首長国連邦とバーレーン)の被験者4万例超のデータが包含された。ワクチンの症候性COVID-19に対する予防効果はプラセボ接種の対照群と比較し72.8~78.1%であり、重篤な有害事象発生率は0.4~0.5%で対照群と同等だったという。JAMA誌オンライン版2021年5月26日号掲載の報告。SARS-CoV-2・WIV04株/HB02株からの不活化ワクチンを投与 試験に用いられたワクチンは、中国・武漢の金銀潭医院(Jinyintan Hospital)の2人の患者からそれぞれ採取されたSARS-CoV-2分離株(WIV04株とHB02株)を基に開発されたものである。 研究グループは、SARS-CoV-2等への感染歴がない18歳以上を無作為に3群に分け、WIV04株から作った不活化ワクチン(5μg/回)、HB02株から作った不活化ワクチン(4μg/回)、および水酸化アルミニウム(対照群)を、それぞれ2回、21日間隔で投与した。 主要アウトカムは、無作為化時にSARS-CoV-2感染が認められなかった被験者における、ワクチン2回投与から14日以降の症候性COVID-19(検査により確認)に対する有効性だった。副次アウトカムは、重症COVID-19に対する有効性とした。 有害事象・副反応に関するデータは、1回以上投与した被験者を対象に集計した。重症COVID-19、対照群で2人に対しワクチン群では0人 ワクチンまたはプラセボ1回以上投与を受けたアラブ首長国連邦とバーレーンの被験者は計4万382例(WIV04群1万3,459例、HB02群1万3,465例、対照群1万3,458例)で、平均年齢は36.1歳、男性が84.4%だった。このうち2回投与を受け、2回投与後14日以降に1回以上のフォローアップを実施し、また試験開始時に、RT-PCR検査でSARS-CoV-2感染が陰性だった3万8,206例(94.6%)を対象に分析を行った。 追跡期間中央値77日(範囲:1~121)において、症候性COVID-19が確認されたのは、WIV04群26例(12.1/1,000人年)、HB02群21例(9.8/1,000人年)であり、対照群は95例(44.7/1,000人年)だった。対照群と比較したワクチンの有効性は、WIV04群72.8%(95%信頼区間[CI]:58.1~82.4)、HB02群78.1%(64.8~86.3)だった(いずれもp<0.001)。 重症COVID-19の発生は、対照群で2例報告されたが、不活化ワクチン群では発生しなかった。 接種後7日間の副反応の報告は、WIV04群44.2%、HB02群41.7%、対照群46.5%だった。重篤な有害事象はまれで、WIV04群64例(0.5%)、HB02群59例(0.4%)、対照群78例(0.6%)と3群で同等だった。 なお、最終解析では、さらにエジプトとヨルダンの被験者データも包含して分析する予定となっているが、両国からの被験者数が3,469例であったことから結果が大幅に変わる可能性は低いなどとして、最終解析のためのデータ収集については未確定だとしている。

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、悪性胸膜中皮腫に適応拡大/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2021年5月27日、ニボルマブ(商品名:オプジーボとイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法について、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 今回の承認は、未治療の切除不能な悪性胸膜中皮腫患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を標準治療の化学療法(ペメトレキセドとシスプラチンまたはカルボプラチンの併用療法)と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-743試験)であらかじめ計画されていた中間解析の結果に基づいたもの。 同解析において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、主要評価項目である全生存期間の有意な延長を達成した。また、本試験で認められたニボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、本併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。 悪性胸膜中皮腫に対する標準治療としては、ペメトレキセドとシスプラチンの併用療法が行われているが、今回の承認により、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が悪性胸膜中皮腫患者にとって新たな治療選択肢になるものと期待されている。

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BNT162b2(コミナティ筋注)のReal-World Settingにおける予防効果はなぜ国/地域によって異なるのか?(解説:山口佳寿博氏)-1400

 mRNAワクチンであるBNT162b2(以下、ワクチン)の第III相試験が終了した後、real-world settingでの実際の予防効果が、ワクチン接種が早期に開始された中東諸国(イスラエル、カタール)、英国、米国などから相次いで報告されている。各国で報告された予防効果は、必ずしも一致せず背景因子に何らかの差が存在するものと考えられる。本論評では、Angel氏らの論文(Angel Y, et al. JAMA. 2021 May 6. [Epub ahead of print])を基礎としながら、なぜ、各国からの報告でワクチンの予防効果に差を認めたのか、その原因について考察する。Angel氏らは、2020年12月20日~2021年2月25日の2ヵ月の間にワクチンを2回接種したイスラエルの医療従事者を対象(接種者:5,517人、非接種者:757人)として2回目ワクチン接種後7日以上経過した時点での有症候性感染、無症候性感染に対するワクチンの予防効果を検討した。その結果、有症候性感染に対する予防効果は97%、無症候性感染に対する予防効果は86%であることが示された。一方、Dagan氏らは、ほぼ同じ時期(2020年12月20日~2021年2月1日)にワクチンを接種したイスラエルの一般住民を対象(接種者と非接種は同数で各59万6,681人、総数はイスラエルの総人口の13%に相当)とした解析で、2回目のワクチン接種後7日以上経過した時点での有症候性感染に対する予防効果が94%、無症候性感染を含む感染全体に対する予防効果が92%、入院予防効果が87%、重症化予防効果が92%であると報告した(Dagan N, et al. N Engl J Med. 2021;384:1412-1423.)。対象者数、従事する仕事の内容に差を認める両解析ではあるが、最も信頼できる有症候性感染予防効果に関しては2つの論文でほぼ同じ値が報告された。この時期のイスラエルでは、従来株(D614G株)から英国株(B.1.1.7)に蔓延ウイルスの置換が進んでいた時期で、上記の2つの論文は、従来株と英国株が混在した状況下でのワクチンの有効性を示したものだと判断できる。この予防効果は、従来株が主流を占めた2020年の夏から秋にかけて施行されたワクチンの第III相試験によって示された予防効果(95%)とほぼ同じであり(Polack FP, et al. N Engl J Med. 2020;383:2603-2615.)、英国株に対するワクチンの予防効果は従来株に対するそれと同等であると結論できる。 英国株が主体を占めた英国からの報告では、80歳以上の高齢者にあって、有症候性感染に対するワクチン2回接種後の予防効果は89%であり、年齢と無関係にワクチンの予防効果はほぼ維持されることが判明した(Bernal JL, et al. BMJ. 2021;373:n1088.)。 カタールでは、2021年3月31日までに26万5,410人が2回目のワクチン接種を終了した。この時期、カタールを席巻していたウイルスは、44.5%が英国株、50%が南アフリカ株(B.1.351)であり、同じ中東のイスラエルとは異なったウイルス分布を示していた。このような状況下で、Abu-Raddad氏らは英国株、南アフリカ株に対するワクチンの予防効果を検証した(Abu-Raddad LJ, et al. N Engl J Med. 2021 May 5. [Epub ahead of print])。ワクチン2回接種後14日以上経過した時点での英国株の有症候性感染に対する予防効果は89.5%、南アフリカ株の有症候性感染に対する予防効果は75%で、南アフリカ株に対するワクチンの予防効果は英国株に対する予防効果より14.5ポイント低いことが示された。この結果は、南アフリカ株が液性免疫回避変異を有し(山口. J-CLEAR論評-1381, 2021 April 28)、ワクチン接種後のウイルス中和作用を抑制したことが原因の一つであることを示唆する。 2020年12月17日~2021年3月20日の間に米国で施行されたワクチン予防効果に関する検討では(2回接種:2,776人、1回接種:3,052人、非接種:2,165人)、有症候性感染に対する予防効果が84%、無症候性感染に対する予防効果が72%であることが示された(Tang L, et al. JAMA. 2021 May 6. [Epub ahead of print])。これらの値はAngel氏らがイスラエルから報告した値に比べ13~14ポイント低い。米国において蔓延しているウイルスの種類は複雑で、米国CDCは、2021年4月30日現在、米国全土で英国株、米国株(B.1.427/429)、ブラジル株(P.1)、南アフリカ株と多数の変異ウイルスが混在して流布していると報告した(CDC COVID-19 Vaccine Breakthrough Case Investigations Team. MMWR; Vol. 70, 2021 May 25)。これらの変異ウイルスの多くは、ワクチン接種によって形成される中和抗体に対して抵抗性を有し、ワクチンの予防効果を低下させる(山口. 日本医事新報 2021;5053:32-38)。 以上のように、ワクチンの予防効果は国によって異なり、その地域に流布しているウイルスの種類が主たる規定因子として作用する。それ故、いかなるウイルスが蔓延しているかを念頭に置いて各国から報告された予防効果に関するデータを読み解く必要がある。

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キャリアを進める上で不可欠な推薦状、米国人の評価は日本よりシビア?【臨床留学通信 from NY】第21回

第21回:キャリアを進める上で不可欠な推薦状、米国人の評価は日本よりシビア?こちらニューヨーク州では、コロナ陽性者が1日5,000人くらいであった1ヵ月前に比べ、2,000人台まで減少してきました。そして5月16日現在、12歳までワクチン接種が可能になっていますが、打ちたがらない人も少なくないようで、接種率は思うように上がっていないのが実情です。そのため、ワクチン接種者に対し、ハンバーガーショップShake Shackのフリーポテトサービスや、Krispy Kreme Doughnutsのフリードーナッツサービスなど、あの手この手の優遇施策が取られているようです。さて、こうした状況下ですが、今年のフェロー候補者は現在、7月中旬までに出さなければならないアプリケーションの書類整理に追われています。私もコロナ禍の中、去年同じプロセスを経験しました。フェローのマッチングの書類は基本的にはレジデントの時と同じです。重要なのは推薦状4通で、そのほかにもCurriculum Vitae(履歴書)の充実、そしてPersonal Statement(なぜ自分がその道のフェローになりたいか、その後目指すゴールは、など)の作成があります。レジデントのマッチングにおいては、日本国内で働いていると、どうしても米国からの推薦状を得にくいことが不利になります。あらゆる手段で米国の病院の指導医からオブザーバーシップ等で推薦状を作ってもらうほか、海軍病院に勤務して推薦状をもらうなどの方法があります。ただ、いったんレジデントに入ってしまうとその先の心配はありません。大事なのは、どのような内容を誰からもらうかです。スケジュールとしては、レジデント3年目早々にアプリケーションを揃えなければいけないため、実質2年しか準備期間がありません。まず、内科のプログラムディレクター(PD)に作成してもらう書類ですが、このPDレターをいかに良い内容にしてもらうかが最も重要です。例えば普段の病棟業務も、指導医からの評価、インターン(1年目)であれば、2年目もしくは3年目のレジデントとの相互評価になります。日本と違ってweb basedの指導医からは実名ですが、レジデント同士は匿名の評価なので、悪いことを書かれると、おのずとPDからのレターのレベルも下がってしまいます。しかし、そこは日本人の勤勉さで日々真面目に働いていれば、とくに問題になることはありません。また年に1度、7~8時間ほど掛けてACP(American College of Physicians)の模試を受けるのですが、この点数も良いに越したことはないので、試験直前はMKSAP18で勉強しておきました。これは内科専門医試験の勉強にも使える教材ですが、内容は日本の専門医試験より格段に難しいです。私自身としては、真面目に働いてきたつもりで、模試の点数も悪くはなかったので、PDレターはStrongという評価だったようです(候補者には非公開で推薦者がウェブ上にアップロードするので、最後までレターの内容はわからない仕組みです)。参考1)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33987794/2)https://www.kinpodo-pub.co.jp/book/1806-8/Column画像を拡大するCOVID-19患者約9,500例の患者のデータを使用し、回復期血漿についてRで解析した論文が先日オンラインとなりました1)。結果はeven、RCTの結果に沿う形となりました。昨年は入院時の血清antibodyが陰性なら全員に使用していましたが、現在、私の病院では、high titerを免疫不全の場合のみ、と限定されています。今回2,000万行を超えるデータを扱う解析のためにRを一から勉強したのですが、この本2)が大変参考になりました。お勧めです。

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日本の小児期自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に対するアリピプラゾールの52週間市販後調査結果

 大塚製薬のYuna Sugimoto氏らは、日本の実臨床現場における小児自閉スペクトラム症(ASD)患者の易刺激性に対するアリピプラゾールの安全性および有効性について、市販後調査のデータを用いて評価した。BMC Psychiatry誌2021年4月22日号の報告。 本市販後調査は、52週間の多施設プロスペクティブ非介入観察研究として実施された。6~17歳のASD患者に対し、実臨床下でアリピプラゾール1~15mg/日を投与した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者510例におけるアリピプラゾールの治療継続率は、168日(24週)目で84.6%、364日(52週)目で78.1%であった。・副作用が認められた患者は、116例(22.7%)であり、主な副作用は、傾眠(9.4%)、体重増加(3.3%)であった。・4週目における異常行動チェックリスト日本語版(ABC-J)の過敏症サブスケールスコアのベースラインからの変化量は-5.7±6.8(288例)であった。・重回帰分析では、注意欠如多動症の症状を併発した患者においても、エンドポイントのABC-J過敏症サブスケールスコアに影響は認められなかった。・24週目における子供の強さと困難さアンケート(Strengths and Difficulties Questionnaire:SDQ)の総合的困難さスコアのベースラインからの変化量は-3.3±4.9(215例)、SDQの向社会的な行動スコアのベースラインからの変化量は0.6±1.7(217例)であった。 著者らは「実臨床下において、日本人小児ASD患者の易刺激性に対するアリピプラゾール治療は、長期的に忍容性が高く、有効な治療法であることが示唆された」としている。

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皮膚がん再発率、広範囲切除術vs.モース手術vs.段階的切除術

 頭頸部皮膚がんの再発率について、術式による違いはあるのか。米国・インディアナ大学のPeter G. Bittar氏らはシステマティックレビューとメタ解析により、広範切除術(WLE)とモース顕微鏡手術(MMS)または段階的切除術の術後再発率を調べた結果、MMSまたは段階的切除術のほうがWLEと比べて再発率が低いことが示された。これまでに、異なる術式を比較した前向き試験は行われておらず、研究グループは各術式後の局所再発率を明らかにする目的で本検討を行った。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2021年5月4日号掲載の報告。 研究グループは、PubMed、EMBASE、Web of Scienceを用いてシステマティックレビューを行い、頭頸部皮膚がんの手術後の局所再発率を報告しているあらゆる英語論文のケースシリーズ、コホート研究および無作為化試験を特定した。 メタ解析はランダム効果モデルを用い、各種の手術手技について、およびMMSと段階的切除のサブグループについて、加重局所再発率と信頼区間(CI)を算出し評価した。 主な結果は以下のとおり。・検索により、100本の論文原稿、1万3,998例の頭頸部皮膚がんを特定した。・1万3,998例のうち、WLEによる治療例が51.0%(7,138例)、MMSが34.5%(4,826例)、また段階的切除術は14.5%(2,034例)であった。・局所再発率は、MMSが最も低く0.61%(95%CI:0.1~1.4)であった。・次いで、段階的切除術が1.8%(95%CI:0.1~2.9)と続き、WLEは7.8%(6.4~9.3)であった。

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FDA、infigratinibを胆管がんに迅速承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年5月28日、FGFR2融合または他のFGFR2遺伝子再構成を有する既治療の局所進行または転移のある切除不能胆管がんにFGFR阻害薬infigratinibを迅速承認。FDAは同時にFoundation One CDxをinfigratinibのコンパニオン診断薬として承認した。 infigratinibの有効性は上記患者108例に対する多施設オープンラベル単群試験CBGJ398X2204試験で示された。患者はinfigratinib125mg/日を3週投与1週休薬の4週間サイクルで、疾患進行あるいは許容できない毒性の発現まで投与された。 主要有効性評価項目である全奏効率は23%(CR1例、PR24例)、奏効期間中央値は5ヵ月であった。一般的な有害事象は高リン血症、クレアチニン上昇、爪毒性、口内炎、ドライアイ、疲労、脱毛症、手掌・足底感覚異常症候群、関節痛、味覚障害、便秘、腹痛、口渇、まつげの変化、下痢、皮膚乾燥、食欲減退、視界のぼやけ、嘔吐などであった。

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第62回 UberがCOVID-19ワクチン接種送迎を支援

来月の独立記念日7月4日までに米国成人の70%が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種を少なくとも1回目は済ませるというバイデン大統領の目標達成に配車や食事配達で知られるUber(ウーバー)やそのライバル企業Lyftが協力しています1,2)。ワクチン接種を予約した人はワクチン接種会場への送迎の配車をUberのスマートフォンアプリを使って頼むことができ、先週の月曜日5月24日から7月4日までは片道の費用が25ドル以下であれば無料、それを超える場合は片道当たり25ドルの値引きを受けることができます。米国で利用可能な3つのCOVID-19ワクチンのうち2つは2回の接種が必要なことから、1人当たり最大100ドル(25ドル×4回)の値引きを受けることができます。ライバル会社のLyftは片道当たり15ドルの値引きを提供します。1人当たりの値引き最大額は30ドルです。乗客は無料か定価より安い値段になりますが、ドライバーはタダ働きするわけではなく満額の報酬を得ることができます。また、利用者は感謝の意を込めてドライバーに心付け(チップ)を払うことも可能とUberは言っています。米国疾病管理センター(CDC)のCOVID-19情報提供サイトによると米国成人のおよそ63%が少なくとも1回のワクチン接種を済ませています3)。日本と同様に米国でのCOVID-19ワクチン接種も無料です。Uberは薬局チェーンWalgreenと協力して配車をするドライバーのワクチンも助けています。カリフォルニア、イリノイ、バージニア、ニュージャージーなどの幾つかの州の24万人を超えるドライバーはUberから提供された整理番号を使ってWalgreenでのワクチン接種を予約できるようにしました4)。COVID-19流行の自粛を背景にしてUberの去年2020年の売り上げはその前年2019年に比べて16%低下しました5)。ドライバーや乗客の往来を回復させて売り上げを増やすことを目指すUberはワクチン接種送迎支援を好機の一つと捉えたことでしょう。参考1)Uber, Lyft launch U.S. vaccine rides program in White House partnership/Reuters 2)The Road to 70 Percent: Free Vaccination Rides Begin Today/Uber3)COVID Data Tracker/CDC 4)Uber, Lyft use rides to vaccines to get drivers, customers back on the platform/Reuters5)Uber Announces Results for Fourth Quarter and Full Year 2020/Uber

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COVID-19 デスクワーカーへの影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による社会的活動の制限は、デスクワーカーたちの日常生活、ライフスタイルおよびウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態を示す概念)に多大な悪影響を与えていることが、米国・ピッツバーグ大学のB Barone Gibbs氏らが実施した縦断研究によって裏付けられた。これらを改善するためには、雇用主はリモートワークの実施状況にかかわらず、すべての従業員に対して支援を考慮する必要があるという。Occupational Medicine誌2021年4月9日号の報告。 COVID-19の流行とそれに関連する社会的活動の制限は、人々のライフスタイルやメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが報告されている。これらの結果を裏付けるため、本研究では、外出禁止令発令中におけるデスクワーカーの労働慣行、ライフスタイルおよびウェルビーイングに対するCOVID-19の長期的な影響を調査した。 座位行動、身体活動、睡眠、食事、気分、生活の質、および仕事関連の健康を長期的に評価するため、デスクワーカーを母集団とする臨床試験の完了後に、検証済みの質問票と調査によるフォローアップを追加した(参加者112人、女性69%、平均年齢45.4[SD 12.3]歳、追跡期間13.5[SD 6.8]ヵ月)。得られた結果を、COVID-19による外出禁止令の発令前と発令中とで比較した。また、リモートワークの実施状況(常にリモート、リモートに切り替え、リモートなし)によって変化が異なるかどうか、共分散分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・参加者の72%がリモートワークに変更するなど、労働慣行に大幅な変更があった。・外出禁止令の発令前から発令中にかけて、以下の有害な変化がみられた。 非就業日における座位行動:1.3(SD 3.5)時間増加 睡眠の質:0.7(SD 2.8)ポイント悪化 気分障害:8.5(SD 21.2)ポイント増加 生活の質を評価する指標:8項目中、5つが減少 仕事関連の健康:0.5(SD 1.1)ポイント低下(p<0.05)・一方、食事、身体活動および就業日における座位行動などの結果は、変わらなかった(p≧0.05)。・常にリモートワークをしている人々は、非就業日の座位行動とストレスが大幅に増加し、身体機能が大幅に低下した。・全体の起床時間は、41(SD 61)分遅くなった。

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産後うつ病の有病率と環境要因~IGEDEPPコホート研究

 IGEDEPP(Interaction of Gene and Environment of Depression during PostPartum)研究とは、2011~16年に出産した白人女性3,310人を対象とし、産後1年目までフォローアップを行ったプロスペクティブコホート研究である。フランス・パリ大学のSarah Tebeka氏らは、IGEDEPP研究における早期および遅発性の産後うつ病の有病率および累積発症率の推定を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2021年4月16日号の報告。 ベースラインにおける社会人口統計データ、個人および家族の精神疾患歴、小児期および妊娠期のストレスの多いライフイベントを評価した。早期および遅発性の産後うつ病は、DSM-5基準を用いて、それぞれ産後8週間、1年間で評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・産後うつ病の有病率は、それぞれ以下のとおりであった。 ●早期産後うつ病:8.3%(95%CI:7.3~9.3) ●遅発性産後うつ病:12.9%(95%CI:11.5~14.2)・産後うつ病の累積発症率は、それぞれ以下のとおりであった。 ●早期産後うつ病(8週間):8.5%(95%CI:7.4~9.6) ●遅発性産後うつ病(1年間):18.1%(95%CI:17.1~19.2)・コホートの約半数にあたる1,571人(47.5%)は、1つ以上の精神疾患または嗜癖性障害を有していた。主な病歴は、うつ病性障害であった(35%)。・約300人(9.0%)において、小児期のトラウマが報告された。・妊娠女性の47.7%は、ストレスの多いイベントを経験しており、その割合は、産後8週間で30.2%、産後8週~1年で43.9%であった。・5人に1人の女性は、産後8週間以内に1つ以上のストレスの多いイベントを経験していた。 著者らは「うつ病エピソードは、産後1年間で5人に1人の女性に影響を及ぼしていた。多くの女性は、周産期にストレスの多いイベントを経験していた。今後のIGEDEPP研究において、産後の精神疾患に対する小児期および妊娠関連のストレスの多いイベントの影響を検討する予定である」としている。

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ziltivekimab、中等~重度CKDでhs-CRP値を抑制/Lancet

 残存炎症リスクを有する中等度~重度の慢性腎臓病(CKD)の患者において、インターロイキン(IL)-6リガンドを標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体ziltivekimabはプラセボと比較して、炎症マーカーである高感度C反応性蛋白(hs-CRP)値を有意に抑制することが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M. Ridker氏らが実施した「RESCUE試験」で示された。Lancet誌オンライン版2021年5月17日号掲載の報告。3つの用量を評価する無作為化プラセボ対照第II相試験 本研究は、米国の40施設が参加した二重盲検無作為化プラセボ対照第II相試験であり、2019年6月~2020年1月の期間に患者登録が行われた(Novo Nordiskの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、中等度~重度(ステージ3~5)のCKD(CKD-EPI式による推算糸球体濾過量[eGFR]>10~<60mL/分/1.73m2)で、残存炎症リスク(hs-CRP≧2mg/L)を有する患者であった。 被験者は、ziltivekimab 7.5mg、同15mg、同30mgまたはプラセボを皮下投与する群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、24週の投与が行われた。 主要アウトカムは、hs-CRPのベースラインから12週までの変化率とされた。主解析はintention-to-treat集団で行われた。忍容性も良好 264例が登録され、4つの群に66例ずつが割り付けられた。全体の年齢中央値は68歳(IQR:60.0~74.5)で、49%が女性であった。ベースライン時のCKDのステージは、3aが29%、3bが41%、4が23%、5が6%であった。hs-CRP中央値は5.75mg/L、IL-6中央値は5.55pg/mL、eGFR中央値は36.83mL/分/1.73m2だった。 12週時のhs-CRP中央値は、ziltivekimab 7.5mg群で77%、15mg群で88%、30mg群で92%それぞれ低下したのに対し、プラセボ群では4%の低下であった。ziltivekimab群とプラセボ群のhs-CRP変化率の群間差中央値は、7.5mg群が-66.2%、15mg群が-77.7%、30mg群が-87.8%であり、いずれも有意な差が認められた(すべてp<0.0001)。これらのziltivekimabの効果は、24週の投与期間を通じて安定していた。 また、ziltivekimab群では、ベースラインから12週までの期間に、フィブリノゲン、血清アミロイドA、ハプトグロビン、分泌型ホスホリパーゼA2、リポ蛋白(a)が、用量依存性に低下した。 ziltivekimab群は忍容性も良好であり、総コレステロール/HDLコレステロール比に影響を及ぼさず、重篤な注射部位反応や、持続性のGrade3/4の好中球減少、血小板減少は発現しなかった。 著者は、「将来のアテローム性動脈硬化症の治療では、積極的な脂質低下に加え、自然免疫のIL-1~IL-6経路を阻害する標的化抗炎症療法が取り入れられる可能性がある。今回の第II相試験の有効性と安全性のデータに基づき、CKD、CRP上昇、心血管疾患の患者を対象に、心血管アウトカムに関するziltivekimabの大規模臨床試験を行う予定である」としている。

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リサーチ・クエスチョンのブラッシュアップー関連研究レビュー 文献管理 その2【「実践的」臨床研究入門】第8回

「Key論文」の選定前回は関連研究レビューの際に有用な文献管理ソフトについて、EndNote®の使用方法を例に挙げ説明しました。今回は、作成した文献情報(ライブラリ)の関連研究レビューにおける活用方法について解説します。収集した関連研究論文を文献管理ソフトに取り込んだら、まずは論文のタイトルとアブストラクトを読んでみましょう。筆者はこの段階で、個々の文献情報(レコード)と自身のリサーチ・クエスチョン(RQ)との関連や重要性の程度を暫定的にRating(評点付け)します。EndNote®では、レコード毎に重要度を5段階(★)でRatingし、一覧化した文献情報(ライブラリ)内でレコードをRatingでソート(並び替え)することができます。高いRatingを付けたレコードは「Key論文」候補として読み込みます。ここで言う、「Key論文」とは自身の臨床研究論文の“Introduction”や“Discussion”などで引用する可能性のある先行研究論文、とします。EndNote®には、レコードごとにResearch Note(研究メモ)という自由に書き込めるフィールドがあります。筆者は、先行研究論文を読み込む際に、以下のポイントについてまとめて、Research Noteに記載するようにしています。Design(研究デザイン)Setting(セッテイング)Patients(対象)Exposure(曝露要因)もしくはIntervention(介入)Comparison(比較対照)Outcome(アウトカム)Result(研究結果)Interpretation(結果の解釈)D(研究デザイン)は、連載第6回で少し触れました「介入研究」と「観察研究」に大別される臨床研究の「型」です。「介入研究」の代表的な「型」がランダム化比較試験(RCT:randomized controlled trial)です。「観察研究」はC(比較対照)を置くかどうかによって、Cのない記述的研究と、Cのある分析的観察研究に分類されます。分析的観察研究には、E(曝露要因)とO(アウトカム)を一時点で観察し測定する横断研究と、EとOを縦断的に観察、測定する縦断研究に分かれます。コホート研究は縦断的研究であり時間の流れに沿ってまずEを測定し、その後の時点でのアウトカムを観察、測定しますが、分析的観察研究の「王道」とも言える臨床研究の「型」です。また、これらの一次研究で発表済みの論文データを対象としてまとめた二次研究がシステマティックレビューです。メタアナリシスとは個々の論文の研究結果を定量的に統合する際に用いられる解析手法です。システマティックレビューとメタアナリシスはほぼ同義に使われることもありますが、定量的統合(メタアナリシス)を行わない(行えない)定性的なシステマティックレビューもあります。S(セッティング)とは、研究の行われた場、言い換えると、P(対象)のサンプリングが行われた場のことです。筆者は、R(研究結果)は用いられた統計解析手法を含めて図表を中心に、とくに自身の臨床研究と関連するような知見を主にまとめています。さらに、I(結果の解釈)についても、その研究の長所や限界を踏まえて付記するようにしています。関連先行研究論文引用の要点実際の臨床研究論文では関連する先行研究論文を羅列して多く引用すれば良いというものではありません。引用できる文献数は専門雑誌ごとに違いますが、一般的に30本から多くても50本程度に制限されています。したがって、自身の研究との関連性や重要度を勘案して引用する先行研究を厳選する必要があります。先行研究の内容を長々と解説する必要もありません。できるだけ簡潔に、関連する先行研究論文で得られている知見を記述することが重要です。その際に、前述したResearch Noteでまとめた先行研究のポイントの記載が活かせます。引用した先行研究の内容を短くまとめて記述するのですが、そのD(研究デザイン)、S(セッティング) やP(対象)なども示すことで、伝えられる情報量が豊富になります。その上で、自身の臨床研究の新規性や得られた結果と先行研究の知見との相違(もしくは一致)を論文で議論するのです。 次回は、関連先行研究論文引用の実際について実例をいくつか紹介し、解説したいと思います。1)福原俊一. 臨床研究の道標 第2版. 健康医療評価研究機構;2017.2)木原雅子ほか訳. 医学的研究のデザイン 第4版. メディカル・サイエンス・インターナショナル;2014.3)矢野 栄二ほか訳. ロスマンの疫学 第2版. 篠原出版新社;2013.4)中村 好一. 基礎から学ぶ楽しい疫学 第4版. 医学書院;2020.5)片岡 裕貴. 日常診療で臨床疑問に出会ったときに何をすべきかがわかる本 第1版.中外医学社;2019.

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ニボルマブ・イピリムマブ併用の肺がん1次治療、ASCO2021で発表される2演題(CheckMate-9LA/227)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年5月19日、2021年米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2021)にて発表されるニボルマブ(商品名:オプジーボ)およびイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の2つの試験結果を発表した。 1つ目は、未治療の進行非小細胞肺がん(NSCLC)において化学療法2サイクルを追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法と4サイクルの化学療法を比較した第III相CheckMate-9LA試験の2年間追跡調査結果。CheckMate -9LA試験の2年全生存(OS)率は、同併用療法群で38%、化学療法群は26%あった。追加の追跡調査における同試験の主要評価項目であるOS中央値は、免疫療法薬の2剤併用療法群で15.8ヵ月、化学療法群では11.0ヵ月であった(HR:0.72、95%CI:0.61~0.86)。同併用療法の新たな安全性シグナルや治療に関連する死亡は認められなかった。 そのほかの結果は以下のとおり。・2年PFSにおいて、同併用療法はリスクを33%低減した(HR:0.67;95% CI:0.56 - 0.79)。・ORRは併用療法群38% vs.化学療法群25%であった。・DORは併用療法群13.0ヵ月、化学療法では5.6ヵ月であった。これらのデータは、ASCO2021にて、6月4日、午後1時~4時(米国東部夏時間)、口頭発表される(抄録番号#9000)。 2つ目は、未治療の進行NSCLCにおいてニボルマブを含むレジメンと化学療法を比較した第III相CheckMate -227試験Part1の4年(49.4ヵ月)の追跡調査結果。CheckMate -227試験Part1におけるPD-L1 1%以上の4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群29%、化学療法群は18%であった(HR:0.76、95%CI:0.65~0.90)。ニボルマブ・イピリムマブ併用療法の新たな安全性シグナルは認められなかった。 そのほかの結果は以下のとおり。・PD-L1 1%未満の探索的解析における4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群24%に対し、化学療法群10%であった(HR:0.64、95%CI:0.51~0.81)。・PD-L1高発現(50%以上)の4年OS率は、ニボルマブ・イピリムマブ併用群37%、ニボルマブ単剤群では26%であった。 完全なデータは、ASCO2021にて、同日午前9時(米国東部夏時間)にポスター・ディスカッション・セッションで発表される(抄録番号#9016)。

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腸内細菌叢から健康状態を測れるか

 健康的な食習慣に関連する腸内細菌群は、良好な心血管代謝および食後マーカーに関連する腸内細菌群と重なることが、イタリア・トレント大学のFrancesco Asnicar氏らによって示された。疾患を持たない個人では、健康レベルごとに腸内細菌叢を階層化できる可能性があるという。Nature Medicine誌2021年2月号の報告。 腸内細菌叢は食事によって形作られ、宿主の代謝に影響を与える。しかし、これらの関連性は複雑で、個人ごとに異なると考えられている。 したがって本研究では、Personalised Responses to Dietary Composition Trial(PREDICT 1)試験に登録された1,098人を対象に1,203の腸内細菌叢のメタゲノム解析を実施し、食習慣および、空腹時と食後の心血管代謝マーカーとの関連性を分析した。 主な結果は以下のとおり。・多くの微生物は、特定の栄養素や食品、食品群、普通食の指標との間に有意な関連性を示した。・微生物とこれらとの関連性は、植物由来の健康的な食品が複数種類含まれると、より強まった。・肥満の微生物バイオマーカーは、他のコホート研究の結果を再現しており、心血管疾患におけるリスク指標の血液循環代謝物と一致していた。・Prevotella copriやBlastocystis spp.などの一部の微生物は、良好な食後糖代謝の指標であることが示された。・腸内細菌叢全体の組成は、空腹時および食後血糖、高脂血症、炎症などの心血管代謝マーカーを包括的に予測していた。

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PCI後のDAPT終了後、クロピドグレル単剤が有効/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)として薬剤溶出ステント(DES)留置術を施行され、6~18ヵ月の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を受けた後、抗血小板薬単剤による長期の維持療法を要する患者において、クロピドグレルはアスピリンと比較して、死亡や血栓性疾患、出血を含む複合エンドポイントのリスクが低いことが、韓国・ソウル大学病院のBon-Kwon Koo氏らが実施した「HOST-EXAM試験」で示された。Lancet誌オンライン版2021年5月16日号掲載の報告。韓国37施設の非盲検無作為化試験 本研究は、韓国の37施設が参加した医師主導の非盲検無作為化試験であり、2014年3月~2018年5月の期間に患者登録が行われた(韓国・ChongKunDangなどの助成による)。 対象は、年齢20歳以上、DESによるPCI施行後に、臨床的イベントを発症することなく6~18ヵ月のDAPTを終了した患者であった。虚血性および大出血性の合併症を有する患者は除外された。 被験者は、長期維持療法期の抗血小板薬単剤療法として、クロピドグレル(75mg、1日1回)またはアスピリン(100mg、1日1回)の経口投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。投与期間は24ヵ月間であった。 主要エンドポイントは、全死因死亡、非致死的心筋梗塞、脳卒中、急性冠症候群(ACS)による再入院、BARC(Bleeding Academic Research Consortium)出血基準タイプ3以上の複合とされ、intention-to-treat解析が行われた。血栓関連エンドポイントや全出血も良好 5,530例が登録され、このうち5,438例(98.3%)が無作為化の対象となった。クロピドグレル群に2,710例(49.8%)、アスピリン群に2,728例(50.2%)が割り付けられた。主要エンドポイントの確認は5,338例(98.2%)で完了した。 全体の平均年齢は63.5(SD 10.7)歳で、74.5%が男性であった。PCI施行時の診断名の割合は、安定狭心症が25.5%、不安定狭心症が35.5%、非ST上昇型心筋梗塞が19.4%、ST上昇型心筋梗塞が17.2%だった。 24ヵ月の追跡期間における主要エンドポイントの発生は、クロピドグレル群が152例(5.7%)と、アスピリン群の207例(7.7%)に比べ有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.59~0.90、p=0.0035)。 血栓関連複合エンドポイント(心臓死、非致死的心筋梗塞、脳卒中、ACSによる再入院、ステント血栓症[definite/probable])の発生は、クロピドグレル群が99例(3.7%)、アスピリン群は146例(5.5%)で(HR:0.68、95%CI:0.52~0.87、p=0.0028)、全出血(BARCタイプ2以上)の発生は、それぞれ61例(2.3%)および87例(3.3%)であり(0.70、0.51~0.98、p=0.036)、いずれも有意な差が認められた。 著者は、「これまでの研究で、PCI施行後の長期維持療法期にどの抗血小板薬単剤療法が最良の臨床結果をもたらすかに関して重要な仮説が提起されてきたが、DESによるPCI施行後の安定した同質の患者集団を対象とした今回の研究により、大規模な無作為化試験で初めてこれらの知見を確認することができた」としている。

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第2世代抗精神病薬による統合失調症治療におけるMetSに関連する因子

 重度の精神疾患を有する人は、一般の人と比較し、合併症の罹患や死亡率が増加する。体重増加を含む抗精神病薬の有害事象は、メタボリックシンドローム(MetS)の発症に影響を及ぼす可能性があり、これはすべての原因による死亡リスクや心血管疾患による死亡リスクの増加と関連している。オランダ・ユトレヒト大学のMarius H. Sneller氏らは、第2世代抗精神病薬(SGA)による治療を行った統合失調症スペクトラム障害患者におけるMetS関連の臨床的、生化学的、遺伝学的因子について、包括的なレビューを実施した。Frontiers in Psychiatry誌2021年3月29日号の報告。 SGA治療を行った統合失調症スペクトラム障害患者におけるMetSとの関連を調査したすべてのコホート研究、横断的研究、臨床試験を特定するため、PubMedおよびEmbaseより検索を行った。MetS関連の臨床的、生化学的、遺伝的因子を抽出した。MetSに関連する因子の定義は、2つ以上の研究で報告されている因子とした。 主な結果は以下のとおり。・58件(1万2,123例)の研究をレビューした。・MetSのリスク増加と関連している因子として、62因子が特定された。・58件中31件の研究で、2件以上の研究で報告されたMetSと関連する因子について調査されていた。・MetSと有意な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。 ●臨床的因子:性別、高齢、気分安定薬の併用、ベースライン時および現在のBMIの高さ、SGAの早期使用、高用量、治療期間の長さ、精神疾患、喫煙 ●生化学的因子:低アディポネクチン血症、C反応性蛋白(CRP)レベルの上昇、白血球(WBC)数高値 ●遺伝学的因子:HTR2C遺伝子のrs1414334 C対立遺伝子 著者らは「SGAで治療している患者におけるMetS発症リスクを予測するためには、これらの因子を段階的に適用する必要がある。臨床診療において、MetS発症リスクを判断するためには、今後の研究が求められる」としている。

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デジタル手術イラストの描き方(下書き~線画編)【誰も教えてくれない手術記録 】第3回

第3回 デジタル手術イラストの描き方(下書き~線画編)こんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。さて、今回からは2回に分けて、手術イラストの下書きから完成までの過程を順に解説します。皆さん、お手元にデジタルイラストレーションを描く準備はできていますでしょうか? まだの方は前回のコラムを参考にしてください。最近、自分の周りでも徐々に手術イラストをデジタルで作成する人が増えてきている印象です!まずは、基本的なレイヤーの使い方を覚えましょう描き始める前に、デジタルイラストで重要な「レイヤー機能」を押さえておきましょう。下に完成したイラストを提示しましたが、実はこのイラストは、右図のように複数の層(レイヤー)が重なってできています。画像を拡大する(左)完成図/レイヤーのイメージ(右)線画、着色、テキストなど、イラストを構成する要素がそれぞれ透明なシートに描かれていて、それらを重ねると1枚のイラストが出来上がって見えるというイメージでしょうか。このレイヤー機能を駆使すると、臓器の奥行きや前後関係などの表現、部分ごとの加筆修正などが容易となります。これを理解し使いこなすことが、デジタルイラストでの必須スキルです! 少しややこしいかもしれませんが、描いていくうちにわかってくると思います。ではここからは、実際にイラストを描く手順について、(1)下書き、(2)線画、(3)着色、(4)仕上げの4段階に分けて説明していきます。(1)下書き:後で調整できるので、大まかに描いていくまずは下書きから始めましょう。下書きには「鉛筆」のブラシを使用しています。細かい部分は後のステップで整えるので、ここは思うままにざっくりと描き上げます。描きたい場面が複数ある場合は、それぞれのイラストの配置や大きさなども考えながら、大まかに決めていきます。見本:下書きの完成図(2)線画:イラストの良しあしが決まるので、完成図をイメージして丁寧に下書きを描き終えたら、線画の作成(清書)に移ります。下書きレイヤーの「不透明度」を下げる(「透明度」を上げる)と、下書きが薄くなるので、線画がぐっと描きやすくなります。次に、下書きのレイヤーの上に線画用の「新規レイヤー」を作成し、描いていきましょう。画像を拡大する(左)不透明度の調整/下書きの上に新規レイヤーを作成(右)※iPadお絵描きアプリ「Procreate」を使用私は線画に「製図ペン」というブラシを愛用していますが、いろいろな種類のブラシがあるので、自分の使いやすいものを探してみてください。下書きよりもさらに正確できれいなイラストを描くことを心掛けて、丁寧に線を引いていきます。細かい部分を描き込む際には、拡大機能を活用しましょう。だいたいのアプリが、二本指のピンチアウト/ピンチインで拡大・縮小できると思います。私は、この線画がイラスト作成の全過程の中で一番重要だと考えています。線画でイラストの良しあしの大半が決まると言ってもよいかもしれません。手術イラストでは、臓器や膜構造の位置関係をできるだけ正確に記載すべきと考えていて、それらはすべて線画で決まります。ここは気合いを入れて取り組み、納得のいくイラストに仕上げていきましょう。画像を拡大する(左)下書き/線画の完成図(右)下書きのレイヤーを非表示にすると、このように描き上げた線画を確認できます。ここで完璧に仕上げなくても、後からいくらでも修正できるので大丈夫です。次の作業をまた別のレイヤーで行うことで、線画のレイヤーを選択するといつでも線画のみの修正ができるわけです。レイヤー、とっても便利な機能ですよね!次回は、(3)着色と(4)仕上げについて詳しく説明していきます。お楽しみに!

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双極性障害治療における非定型抗精神病薬使用~RCTのシステマティックレビュー

 双極性障害の治療では、非定型抗精神病薬の使用が増加している。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のKamyar Keramatian氏らは、最近発表された双極性障害に対する非定型抗精神病薬の有効性および安全性に関するランダム化比較試験(RCT)のシステマティックレビューを実施した。Current Psychiatry Reports誌2021年5月8日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・急性期双極I型および双極II型うつ病に対するクエチアピン治療の有効性は、いくつかの研究で支持されていた。・クエチアピン補助療法は、治療抵抗性双極性うつ病に対し、プラセボよりも優れた有効性が認められた。・双極I型うつ病に対しcariprazine1.5mgによる治療が有効であった。・月1回のアリピプラゾール持続性注射剤400mgによる治療は、代謝への影響を最小限にとどめたうえで、躁症状の予防に有効であった。・若年の双極性障害患者では、急性うつ病に対してルラシドンの有用性、忍容性が認められ、急性躁病および混合性エピソードに対してアセナピンの有効性が認められた。 著者らは「最近発表されたRCTでは、双極性障害のさまざまなステージにおける非定型抗精神病薬の有効性が支持されていた。今後の研究において、研究が不十分な小児期、老年期、双極II型障害などに焦点を当てるとともに、認知機能やQOLに注目した研究が求められる」としている。

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