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ミノサイクリン、腰椎ヘルニア術後疼痛を改善せず

 腰椎椎間板切除の周術期におけるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)8日間投与の術後疼痛の軽減効果について検討したフランス・INSERMのValeria Martinez氏らによる無作為化二重盲検比較試験の結果、有効性は認められなかったことが報告された。ミノサイクリンは、慢性疼痛の主な発症機序である中枢性感作に関与するミクログリアの活性化を強く阻害することから、腰椎椎間板切除後の持続性疼痛を軽減することが期待されていた。Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年3月27日号)の掲載報告。 対象は、腰椎椎間板切除術実施予定患者100例で、プラセボ群とミノサイクリン群に無作為に割り付け、ミノサイクリン群には同薬剤100mgを1日2回、手術前夜から8日間経口投与した。 主要評価項目は、ベースライン時から3ヵ月後における下肢安静時疼痛強度の変化であった。副次的評価項目は、同じく3ヵ月後における動作時疼痛強度、持続痛と慢性神経障害性疼痛の頻度、安静時および動作時の腰痛強度、神経障害性疼痛重症度(NPSI)スコア、簡易疼痛質問票(BPI)スコアおよびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアの変化であった。 主な結果は以下のとおり。・下肢疼痛強度の減少は、プラセボ群とミノサイクリン群とで同程度であった(安静時:-1.7±1.6 vs. -2.3±2.4、動作時:-2.5±2.1 vs. -3.4±2.9)。・神経障害性疼痛の頻度、強度および機能スコアは、プラセボ群とミノサイクリン群とで差はなかった。・探索的分析の結果、ミノサイクリンはベースライン時において主に深部自発痛を有する患者に対しては有効である可能性が示唆された。■関連記事無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?ミノサイクリンの投与は統合失調症に本当に有用か:藤田保健衛生大学

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高齢の腰痛患者における特徴は?

 腰痛は高齢者に多いが、プライマリ・ケアにおけるこのような患者の特徴に関する情報は限られている。オランダ・エラスムス大学医療センターのJantine Scheele氏らは、前向きコホート研究(BACE研究)において、プライマリ・ケアを受診する高齢の腰痛患者は、より多くの障害や併存疾患を有していることを明らかにした。しかし、そのことが腰痛の経過と臨床的にどう関連しているかについては今後の研究課題であるとまとめている。European Journal of Pain誌オンライン版2013年7月19日号の掲載報告。 対象は、新たに腰痛を発症しプライマリ・ケアを受診した55歳超の患者675例(年齢中央値:65歳、四分位範囲:60~71歳)であった。 ベースライン時の患者背景、症状の特徴および理学的所見について、55~74歳の患者群と75歳以上の患者群とで比較した。 主な結果は以下のとおり。・ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコア平均値(標準偏差:SD)は55~74歳群で9.4(SD 5.8)、75歳以上群で12.1(SD 5.5)であった(p≦0.01)。・75歳以上群では、55~74歳群より、筋骨格系障害の併存が多く骨質が低下していた(踵部超音波測定に基づく)。・腰痛の前週からの平均重症度は、年齢群間で有意差は認められなかった(p=0.11)。しかし、アンケート記入時の重症度は75歳以上群でより高かった(p=0.03)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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メタボは上肢痛のリスク因子か

 内臓脂肪は上肢痛のリスク因子であるようだ。フィンランド労働衛生研究所のTapio Vehmas氏らが、コホート研究の結果、報告した。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究にて、そのメカニズムを解明し、減量が疼痛管理に有用かどうかを明らかにすることが必要だ」とまとめている。Pain Medicine誌2013年7月号(オンライン版2013年5月3日号)の掲載報告。 研究グループは、代謝障害、とくに内臓肥満の徴候が上肢痛と関連があるかどうかを評価することを目的としたコホート研究を行った。 対象は、上肢障害のため産業保健サービスで医師の診察を受けている労働者177例であった(女性154人、男性23人、年齢20~64歳、平均年齢45歳)。 対象者について、体重、身長、ウエスト周囲径、ヒップ周囲径を計測し、内臓脂肪量、肝臓脂肪量ならびに頸動脈内膜中膜複合体厚(IMT)を超音波測定するとともに、調査開始時、2、8、12、52および104週後に、疼痛強度と疼痛による睡眠障害度を視覚的アナログスケールで評価した。 主な結果は以下のとおり。・すべての肥満に関する指標が、疼痛強度ならびに疼痛による睡眠障害度の両方と関連していた。・内臓脂肪の厚さは、疼痛強度および疼痛の睡眠妨害度の最も強い予測因子であった。・IMTは、疼痛強度および疼痛の睡眠妨害度のどちらとも関連していなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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線維筋痛症は治療継続が難しい

 線維筋痛症は、原因不明の慢性疼痛疾患で決定的治療法はなく、症状軽減にしばしば抗うつ薬や抗てんかん薬が用いられている。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のSeoyoung C. Kim氏らのコホート研究において、線維筋痛症で一般的な薬剤により治療を開始した患者は、いずれの場合も治療薬の増量はほとんどなされておらず、しかも治療期間が短期間にとどまっていたことを明らかにした。Arthritis Care & Research誌オンライン版2013年7月16日の掲載報告。 米国の医療利用データを用い、線維筋痛症と診断され、アミトリプチリン(商品名:トリプタノールほか)、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)またはプレガバリン(同:リリカ)を新規処方された患者について、臨床的特徴と投薬状況を調査した。(わが国で線維筋痛症に承認されている薬剤はプレガバリンのみ) アミトリプチリンで治療を開始した患者は1万3,404例、同じくデュロキセチン1万8,420例、ガバペンチン2万3,268例、プレガバリン1万9,286例であった(平均年齢48〜51歳、女性72%~84%)。 主な結果は以下のとおり。・合併症は、4群すべてにおいて腰痛症が最も頻度が高かった(48~64%)。・そのほかの合併症として、高血圧、頭痛、うつ病、睡眠障害などもみられた。・追跡開始時の1日投与量中央値は、アミトリプチリン25mg、デュロキセチン60mg、ガバペンチン300mg、プレガバリン75mgであった。・患者の60%以上は、追跡期間中に投与量が変更されていなかった。・1年以上治療を継続した患者は、5分の1にとどまっていた。 ・治療開始時の他の併用薬の数は、平均8~10剤であった。・患者の50%超がオピオイドを使用しており、3分の1がベンゾジアゼピン、睡眠障害治療薬、筋弛緩薬を投与されていた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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椎間板性腰痛、パルス高周波療法は有効

 椎間板に起因する疼痛は腰痛の重大な原因であるが、近年開発された治療法として、椎間板に高周波電流を適用するパルス高周波療法(PRF)がある。滋賀医科大学医学部附属病院ペインクリニック科の福井 聖氏らは、慢性椎間板性腰痛患者を対象に前向き研究を行い、椎間板内PRFは疼痛緩和および障害軽減に有効であることを示した。比較的少数例で薬物療法や心理的影響などを評価しておらず研究に限界があるものの、本療法は安全で侵襲性の少ない治療法と考えられる、とまとめている。同院ペインクリニック科は、国公立大学病院では日本で初めてのペインクリニック単独での診療科として開設された。Pain Physician誌2013年7-8月号の掲載報告。 対象は、椎間板ブロックによって慢性椎間板性腰痛と診断され保存的治療の効果がない患者23例であった(平均年齢35.3±9.86歳)。 Diskit II針(長さ15cm、先端20mm露出の20G)を椎間板の中央に設置し、PRF(5×5ms/s、60V)を15分間適用した。 治療前および治療1、3、6および12ヵ月後に、疼痛の数値的評価スケール(NRS、0~10で数値化)およびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアを測定した。 主な結果は以下のとおり。・NRSスコア平均値は、治療前の7.47±0.85から治療12ヵ月後には3.13±2.58に有意に改善した(p<0.01)。・RMDQスコアも、治療前の11.4±1.57から治療12ヵ月後には2.90±2.97に有意に改善した(p<0.01)。・治療12ヵ月後において、23例中19例(82.6%)はNRSスコアが2以上改善し、15例(65.2%)は疼痛が50%以上減少した。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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腰椎手術では減圧術より固定術で心イベントの発現率が高い

 脊椎手術における周術期死亡の主たる原因は、心イベントである。米国・ラッシュ大学メディカルセンターのSteven J. Fineberg氏らは、大規模データベースを用いたレトロスペクティブ研究により、腰椎手術後の心合併症の発現頻度を調べた。その結果、心イベントの頻度は1,000例当たり6.7件であり、減圧術より固定術施行例において高く、リスク因子は「高齢」であることを明らかにした。これらの結果を踏まえて著者は、「心イベントは入院期間、医療費および死亡率の増加と関連していることから、リスク因子を有する患者では周術期の厳密なモニタリングと治療の最適化が重要である」とまとめている。Spine誌2013年7月15日号の掲載報告。 研究グループは、腰椎手術における心イベントの発現頻度、死亡率および危険因子について調査するため、米国の入院患者データベース(Nationwide Inpatient Sample)を用いて、2002~2009年の間に、退行性疾患のため腰椎減圧術または腰椎固定術が施行された患者57万8,457例を同定し、患者背景、心合併症、併存疾患および死亡を評価した。 主な結果は以下のとおり。・心合併症の発現頻度は、6.7件/1,000例であった。・心イベントの発現頻度は、腰椎固定術群9.3件/1,000例、減圧術群4.0件/1,000例で、前者が有意に高頻度であった(p<0.0005)。・心イベント発症例は、非発症例より、9.4歳有意に高齢であった(p<0.0005)。・心合併症発症例では心イベント発症により、入院期間、医療費および死亡率が有意に増加した(p<0.0005)。・心イベントの独立した予測因子は、年齢が65歳以上、急性失血性貧血や、いくつかの合併症などであった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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慢性腰痛に対するタネズマブの有効性および安全性

 神経成長因子(NGF)を阻害するヒト化モノクローナル抗体であるタネズマブ(tanezumab、国内未発売)について、慢性腰痛に対する有効性と安全性をプラセボおよびナプロキセンと比較した後期第II相臨床試験の結果が発表された。米国・アルトゥーナクリニカルリサーチセンターのAlan J. Kivitz氏らによる報告で、タネズマブはプラセボおよびナプロキセンと比較して、疼痛、機能および全般評価を有意に改善したという。Pain誌2013年7月号(オンライン版2013年3月14日号)の掲載報告。 慢性腰痛患者1,347例を対象に、タネズマブ(5、10または20mgを8週ごとに1回)、ナプロキセン(500mgを1日2回)、またはプラセボを静脈内投与した。  有効性の主要評価項目は、腰痛強度のベースラインからの変化量(16週目までの平均値)であった。副次的評価項目は、ローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアならびに患者による全般評価(PGA)スコアのベースラインからの変化量(16週目までの平均値)であった。 主な結果は以下のとおり。・タネズマブ10mg群と20mg群の有効性は類似しており、プラセボ群およびナプロキセン群と比較して、腰痛強度、RMDQスコアおよびPGAスコアが有意に改善した(p≦0.05)。・タネズマブ5mg群は、プラセボ群に比べ、PGAスコアが有意に改善した(p≦0.05)。・ナプロキセン群は、プラセボ群に比べ、腰痛強度が有意に改善した(p≦0.05)。・有害事象の発現率は、タネズマブの各投与量群間で同程度であったが、プラセボ群、ナプロキセン群より高かった。・タネズマブ群で最もよくみられた有害事象は、関節痛、四肢痛、頭痛および感覚異常であった。・タネズマブの投与中止に至った有害事象で最もよくみられたのは、関節痛および感覚異常であり、20mg群において高頻度であった(いずれも1.4%)。・重篤な有害事象の発現率は、治療群間で類似していた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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有痛性の糖尿病性神経障害の医療費低減の鍵はプレガバリンと服薬アドヒアランスの向上

 有痛性糖尿病性末梢神経障害(pDPN)の治療において、高齢で服薬アドヒアランスが高く維持されている患者の場合で医療コストを比較した結果、プレガバリン(商品名:リリカ)の服用患者で総医療費が低いことが明らかになった。米国・ファイザー社のMargarita Udall氏らが、保険データベースのデータを用いて、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)、アミトリプチリン(同:トリプタノールほか)服用と比較解析した結果で、同患者で薬剤経済学的なメリットを得るには、プレガバリンと服薬アドヒアランスの向上が鍵となることが示唆されたとまとめている。Pain Practice誌7月号(オンライン版2012年11月14日)の掲載報告。 保険請求データベースMarketScanを用い、2008年にプレガバリン、デュロキセチン、ガバペンチンまたはアミトリプチリンが処方され、処方開始日から60日以内に1回以上pDPN診断の請求があり、処方開始日の前後各1年連続して保険に加入していた患者を特定し、傾向スコアがマッチした患者群を解析対象とした。 解析対象は、プレガバリンが処方された987例のうち、デュロキセチンとの比較が349例、同様にガバペンチンが987例、アミトリプチリンが276例であった。 平均治療日数カバー比率(PDC)が80%以上および65歳以上の患者について、処方開始日前後の医療費の変化を比較した。 主な結果は以下のとおり。・全体コホートでみた処方前後の総医療費の変化は、同程度であった。  プレガバリンvs. デュロキセチン:3,272ドルvs. 2,290ドル(p=0.5280)  プレガバリンvs. アミトリプチリン:3,687ドルvs. 5,498ドル(p=0.5863)  プレガバリンvs. ガバペンチン:3,869ドルvs. 4,106ドル(p=0.8303)・しかし、高PDCおよび高齢の患者集団における処方前後の総医療費の変化は、プレガバリンが他の群と比較していずれも有意に低かった(p<0.001)。  プレガバリンvs. デュロキセチン:3,573ドルvs. 8,288ドル  プレガバリンvs. アミトリプチリン:2,285ドルvs. 6,160ドル  プレガバリンvs. ガバペンチン:1,423ドルvs 3,167ドル~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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ビスホスホネート関連大腿骨不完全骨折には外科的治療が有効

 ビスホスホネート系薬剤が誘発する大腿骨不完全骨折の予後に関するレトロスペクティブな調査の結果、外科的治療のほうが保存的治療と比較し、より早く症状を消失させるとともに治癒に至らせる割合が高いことが報告された。調査を行った米国・ニューヨーク大学関節疾患病院のKenneth A. Egol氏らは、外科的治療はビスホスホネート関連大腿骨不完全骨折の症状緩和に有効であり、患者に対し予防的手術の効果の可能性について助言すべきである、とまとめている。Journal of Orthopaedic Trauma誌2013年6月27日号の掲載報告。 対象は、難治性の症状を有するかまたはX線所見にて骨折線の進行が認められたビスホスホネート関連大腿骨不完全骨折患者31例(不完全骨折43件)で、不完全骨折に対し保存的治療または外科的治療が行われた。 対象者は、全例女性で、平均年齢69.2歳(範囲:46~92歳)、ビスホスホネート治療の平均期間は9.1年(範囲:5~20年)だった。 X線所見とShort Musculoskeletal Functional Assessment(SMFA)により、予後を評価した。 主な結果は以下のとおり。・不完全骨折の49%(21/43件)は、切迫骨折や保存的治療無効のため最終的に外科的治療を行った。・外科的治療群では、81%で疼痛が消失し、100%でX線所見上治癒が確認された。治癒までの平均期間は7.1ヵ月(範囲1.5~12ヵ月)であった。 ・保存的治療群で疼痛消失が得られたのは64%であり、平均11ヵ月でX線所見上治癒が確認されたのはわずか18%であった。・SMFA機能障害指数は、外科的治療群のほうが保存的治療群より良好であった(保存的治療群 19.7 vs外科的治療群 25.7、p=0.0017)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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強直性脊椎炎に対する治療効果の評価には腰痛や疲労も重要

 強直性脊椎炎(AS)患者を対象としたエタネルセプト(商品名:エンブレル)とスルファサラジン(サラゾスルファピリジン、商品名:アザルフィジンほか)またはプラセボとを比較した臨床試験4件の解析から、夜間腰痛の軽減が疲労の改善につながることが示唆された。カタール・ハマド医療法人のMohammed Hammoudeh氏らは、治療反応性の評価にあたり、腰痛や疲労のような患者報告アウトカムを調べることなくC反応性蛋白(CRP)のみで評価することは誤解を招くおそれがある、とまとめている。Journal of International Medical Research誌オンライン版2013年6月26日の掲載報告。 ASにおける炎症、夜間腰痛および疲労と治療(12週間)との関連を調べるため、エタネルセプト、スルファサラジンまたはプラセボのいずれかを1回以上投与され、試験開始後に1回以上評価されたAS患者のデータが含まれる4件の臨床試験データを併合解析した(解析対象計1,283例/エタネルセプト群867例、スルファサラジン群187例、プラセボ群229例)。 炎症はCRP、夜間腰痛は視覚的アナログスケール(VAS)、疲労は強直性脊椎炎疾患活動性指標(BASDAI)にて評価し、線形回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・夜間腰痛の改善は疲労の改善の有意な予測因子であり、夜間腰痛と疲労との間には有意な相関が認められた。しかし、CRPとの相関はみられなかった。・エタネルセプトはスルファサラジンまたはプラセボと比較して、夜間腰痛および疲労を有意に改善した。・夜間腰痛の改善あるいは疲労の改善とCRPの改善との関連は弱かった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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高温多湿の国における腰痛の疫学

 腰痛は、患者の受診理由のうち頻度の高い疾患の一つだが、カタール・ワイルコーネル医科大学のAbdulbari Bener氏らは、高温多湿の国カタールでのプライマリ・ケアにおける腰痛の疫学を調査した。その結果、有病率は男性よりも女性のほうが高く、高齢者および肥満者に多いことを報告した。Journal of Primary Care & Community Health誌2013年7月1日号(オンライン版2013年2月19日号)の掲載報告。 研究グループは、プライマリ・ケアにおける腰痛の疫学について、頻度、社会人口統計学的因子および生活習慣に対する腰痛の影響を重点的に調べる目的で横断研究を行った。  対象は、2012年3月~10月にプライマリ・ケアを受診した2,180例(男性52.9%、女性47.1%)の患者で、社会人口統計学的特性、生活習慣および治療の種類に関する質問票を用いて調査した。  主な結果は以下のとおり。・腰痛の有病率は59.2%であった。性別にみると、男性(51.6%)より女性(67.7%)に多かった。・年齢別では、有病率が最も高かったのは男女とも45~55歳であった(男性37.6%、女性36.4%)。・腰痛を有する患者のうち、男女とも約半数(男性45.7%、女性45.2%)は肥満であった(p<0.001)。・腰痛の女性の半数以上(50.4%)は、主婦であった。一方、腰痛の男性の36.8%は、事務職であった。・国籍(p<0.001)、BMI(p<0.001)および職業(p<0.001)において、男女間の有意差がみられた。・腰痛を有する男女を比較すると、長時間立位(男性41.2%対女性29.5%、p<0.001)とスポンジマットレスの使用(男性50.9%対女性45.8%、p=0.041)は男性患者で有意に高かった。 ・咳/くしゃみ/いきみは、女性より男性で腰痛のきっかけとなる頻度が高かった(男性9.7%対女性5.9%、p=0.01)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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複合性局所疼痛症候群患者では広範痛についても評価が必要

 複合性局所疼痛症候群(CRPS)患者では、10%を超える患者が広範痛(widespread pain)を有していることが明らかとなった。英国・エンツリー大学病院のThomas Birley氏らによる後ろ向き研究からの報告で、結果を踏まえて著者は、「CRPS患者の臨床評価においては日常的に、さらなる痛みについて問診をすることが支持される」とまとめている。Pain Practice誌オンライン版2013年6月24日号の掲載報告。 CRPS患者における広範痛の有病率を調べる目的で、2007年7月~2012年9月の間に第3次疼痛医療センターに紹介されブダペスト基準に従いCRPSと診断された連続症例について、紹介状や医療記録を後ろ向きに評価した。 対象は、CRPS患者190例(うち149例は女性)および特定不能のCRPS患者26例であった(平均年齢44歳、罹病期間中央値18ヵ月)。 主な結果は以下のとおり。・3分の1の患者は、CRPSに先行する事象が起こる前にすでに、現在CRPSに罹患した肢に日常的な痛みとは違う痛みを経験していた。・21例(11.1%)が広範痛の経験を有していたが、医療機関からの紹介状にはほとんど記載されていなかった。・CRPSの誘因となった外傷のタイプや、ブダペスト基準の他覚所見および自覚症状の頻度は、広範痛の有無による差がみられなかった。・すべての患者は広範痛を日常生活の質に影響を与える重要な要素と考えており、ほとんどの患者にとって広範痛の重症度はCRPSの痛みと同程度であった。・CRPSに併発する局所的な痛み(多くは頭痛/片頭痛、腰痛、過敏性腸症候群)を有する患者もいた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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変形性脊椎関節症による慢性腰痛に対するグルコサミンの効果は確立されていない

 変形性脊椎関節症による慢性腰痛患者の症状や機能に対する、グルコサミン経口投与の効果を確認するシステマティックレビューを、英国・イーストアングリア大学のReena Sodha氏らが行った。既存の報告は、データが不十分かつ研究の質が低いため、慢性腰痛患者に対し経口グルコサミンは臨床的に有用であるともないとも証明できなかった。BMJ Open誌オンライン版6月14日号の掲載報告。 Medline、AMED、CINHAL、Cochrane LibraryおよびEMBASEにて、2011年3月までに発表された無作為化比較試験の論文ならびに参考論文を検索した。灰色文献(the grey literature)についてもOpenSIGLEで検索した。 コクラン腰痛レビューグループの評価項目を1つ以上用いて評価した試験で、12週以上の腰痛を有する18歳以上の患者を対象とし、変形性脊椎関節症の画像所見の変化についても記載がある試験を適格とした。 検索にて同定された148件のうち、3件の無作為化比較試験(309例)がレビューに組み込まれた。 主な結果は以下のとおり。・3件すべての試験において、ローランド-・モリス障害質問票スコア(RMDQ)に変化はなく、機能に対するグルコサミンの効果は認められなかった。・バイアスリスクが高いと判定された1件の試験では、グルコサミン投与により疼痛スコアが有意に改善したが、2件の試験はグルコサミン投与群と対照群とで差はみられなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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自然災害後は精神的ストレスで腰痛を発症

 急性腰痛から慢性腰痛への移行は、身体的および心理的要因に影響される。大規模災害後において、これらの要因を同定することは、命に関わる腰痛を識別し、治療するうえで重要となる。イタリア・ラクイラ大学のChiara Angeletti氏らの調査によれば、自然災害によって誘発された精神的ストレスが交感神経活性を高め、末梢神経や中枢神経系を介してさらに痛覚が増幅され、非特異的腰痛を引き起こしたり、疼痛が慢性化する可能性があることが示唆された。Pain Practice誌オンライン版2013年6月14日号の掲載報告。 本研究は、地震発生後5週間以内の4ヵ所の高度医療施設(AMP)において、腰痛有病率ならびに鎮痛薬の使用頻度、薬の種類、その短期的効果を調査した。 疼痛の強さは口答法にて数値評価スケール(NRS)を用いて評価し、腰痛が原発性か二次性かの診断は臨床的特徴に基づいて行われた。 主な結果は以下のとおり。・AMP初回受診者958例において、急性腰痛の有病率は4.9%(95%信頼区間:3.7~6.4)であり、治療を受けた全疼痛患者の14.1%(95%信頼区間:10.8~18.3)を占めた。・慢性腰痛既往者の腰痛再発例が40%(19例)、初回腰痛発症例が60%(28例)であった。・疼痛治療は、短期的評価においては口答法によるNRSを有意に改善し、有効といえた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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腰部硬膜外ステロイド注射によって椎体骨折のリスクが増加

 腰部硬膜外ステロイド注射(LESI)は神経根障害や脊髄神経の圧迫から生じる神経性跛行の治療に用いられるが、副腎皮質ステロイドは骨形成を低下し骨吸収を促進することで骨強度に悪影響を及ぼすことが示唆されている。米国・ヘンリーフォード ウェストブルームフィールド病院のShlomo Mandel氏らは、後ろ向きコホート研究において、LESIが椎体骨折の増加と関連していることを明らかにした。LESIの使用はこれまで考えられていたより大きなリスクを伴う可能性があり、骨粗鬆症性骨折のリスクを有する患者には慎重に行わなければならないとまとめている。The Journal of Bone & Joint Surgery誌2013年6月5日の掲載報告。 本研究の目的は、LESIが、椎体骨折のリスクを増加するのかについて評価をすることであった。 ヘンリーフォード ウェストブルームフィールド病院のデータベースから、ICD-9診断コードを用いて、椎間板障害など脊椎に関連した疾患を有する患者計5万345例(うち1回以上のLESIを受けていた患者は3,415例)を特定した。 LESI施行例3,000例を無作為に抽出するとともに、傾向スコアマッチングによりLESI非施行例3,000例を選び出し、両群における椎体骨折の発生率を生存時間分析にて評価した。 主な結果は以下のとおり。・LESI施行群と非施行群で、年齢、傾向スコア、性別、人種、甲状腺機能亢進症、ステロイド使用に差はなかった。・生存時間分析の結果、注射回数の増加は骨折リスクの増加と関連していた。・注射が1回増えるごとに、骨折リスク(共変量調整後)は1.21倍(95%信頼区間:1.08~1.30)増加した(p=0.003)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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慢性疼痛に対し認知行動療法をベースにした疼痛自己管理プログラムが有効

 慢性疼痛に対してしばしば認知行動療法が行われているが、オーストラリア・シドニー大学のMichael K. Nicholas氏らは、認知行動療法をベースとした疼痛自己管理(pain self-management:PSM)プログラムが高齢の慢性疼痛患者において、少なくとも短期的には有効であることを無作為化試験により明らかにした。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年2月26日号)の掲載報告。 慢性疼痛を有する65歳超の高齢者141例を対象に、認知行動療法および運動を用いた外来患者用PSMプログラムの効果を、運動-注意制御(Exercise-Attention Control:EAC)群および通常ケア群と比較した。 評価には、ローランド-モリス障害質問票(RMDQ)、うつ病・不安ストレススケール(DASS)、運動恐怖に関する評価スケール(TSK)、痛み自己効力質問票(PSEQ)などを用いた。 主な結果は以下のとおり。・治療直後、PSM群ではEAC群と比較して苦痛、障害、気分、無用な痛み思考およびファンクショナルリーチが有意に改善した(効果量:平均値0.52、範囲0.44~0.68)。 ・1ヵ月後においても、PSM群ではEAC群に比べほとんどの評価項目が良好であった。・1ヵ月後、通常ケア群と比較し、PSM群では苦痛、障害および無用な痛み思考の有意な改善(効果量:平均値0.69、範囲0.56~0.83)を認めたが、EAC群ではすべての評価項目において有意差はみられなかった。・PSM群において、1ヵ月後に全評価項目が確実に改善した患者の割合が41%で、他の2群の約2倍にのぼり、統計学的に有意差が認められた。・同様に、疼痛障害に関して臨床的に重要な改善が得られた患者の割合は、PSM群44%、EAC群22%、通常ケア群20%で、PSM群が有意に高かった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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混合診療で人工膝関節全置換術の予後は変わるのか?

 シンガポールには、日本と似たような国民に公的医療の提供を保障する、強制加入と補助金で運営する国民皆保険制度がある。一方で、公立病院であっても、外科医の選択や個室など保険対象外のオプションを選択することも可能となっている。シンガポール総合病院のHamid Rahmatullah Bin Abd Razak氏らは、これまで同制度に関連した検討がなかった、人工膝関節全置換術(TKA)の予後に対する医療費補助の影響についてレトロスペクティブに検討した。Orthopedics誌2013年6月1日号の掲載報告。 本研究の目的は、従来法のTKAの予後について、医療費補助の利用者と非利用者とを比較することであった。 対象は2006~2010年にTKAを受けた369例で、医療費補助利用者群(274例)と非利用者群(95例)に分けて、術後6ヵ月および2年後の関節可動域、膝関節学会スコア(knee society score:KSS)より膝関節スコアおよび機能スコア、オックスフォード膝スコアおよびSF-36スコアについて比較した。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月後および2年後の関節可動域およびその他の評価項目は、KSS機能スコアを除き医療費補助利用者群と非利用者群で有意差は認められなかった。・KSS機能スコアは6ヵ月後および2年後共、利用者群より非利用者群が有意に高かった(p=0.019)。・以上から、KSS機能スコアを除けば従来法TKAを医療費補助の下で受けた患者の予後は良好であり、非利用者よりも状態が悪いということはなかった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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高齢者の腰痛、予後を予測する因子は?

 高齢者の腰痛の回復について、罹病期間、重症度、腰痛の既往歴、膝下への放散痛の有無、合併症の数、患者自身の回復予想、Timed Up and Go(TUG)テストの結果が予後因子となることが明らかになった。報告したオランダ・エラスムスMC大学医療センターのJantine Scheele氏らは、この情報は一般開業医が3ヵ月で回復する見込みのない高齢の腰痛患者を識別するのに役立つとまとめている。Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年3月14日号)の掲載報告。 研究グループは高齢者の腰痛の経過を調べ、3ヵ月では回復しない予後因子を同定する目的で前向きコホート研究(BACE研究)を実施した。 対象は、新たに腰痛を発症し一般開業医を受診した55歳超の腰痛患者675例(平均年齢66.4±7.6歳)であった。 6週後および3ヵ月後に、腰痛回復の自己評価、痛みの重症度、機能障害、鎮痛薬の使用について調査し、回復の予後因子について多変量ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・6週後、64%の患者は腰痛が回復しないと報告した。・3ヵ月後、依然として61%の患者は腰痛が回復しないと報告したが、これらの患者のうち再受診したのは26%であった。・長期間の腰痛、腰痛の重症度、腰痛の既往歴あり、膝下への放散痛なし、合併症の数、回復しないという患者自身による予想、TUGテストにかかる時間が長いことが、3ヵ月後における非回復と有意に関連していた。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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整形外科医はオピオイドの有効性に疑問を持っている可能性がある

 非がん性慢性疼痛へのオピオイド使用に対する考えは徐々に変化してきており、オピオイド処方の増加に伴い長期有効性および安全性が大きな問題となっている。米国・United BioSource CorporationのHilary D. Wilson氏らによるアンケート調査の結果、慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に関する考え方は、医師の専門分野によって違いがあることが明らかとなった。本研究は、慢性疼痛に対するオピオイド使用に関して臨床医の考えの心理測定法的特性を示しており、20年前に実施された類似の調査における知見を更新するものだという。The Journal of Pain誌2013年6月号(オンライン版2013年3月26日号)の掲載報告。 Wilson氏らは、オピオイドに対する考えや、慢性疼痛患者に対するオピオイド使用に関する信頼性および妥当性のある評価方法(Clinicians' Attitudes about Opioids Scale[CAOS])を開発し、調査した。 質問票は、まずフォーカスグループとコンテンツを開発して予備調査を行った後、修正した。その後、全米から抽出した医師を対象に正式調査(1,535例)と安定性評価(251例)を行った。 主な結果は以下のとおり。・結果に関して、地域間での有意な差はみられなかった。・一方で、医師の専門分野によっていくつかの違いがみられた。・整形外科医は、長期オピオイド使用に対する障壁や懸念が高く、オピオイドの有効性に対する確信が最も低かった。・疼痛専門医および理学療法/リハビリテーション専門医は、オピオイドの有効性に対する確信が最も高かった。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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手の手術後の複合性局所疼痛症候群(CRPS)が明らかに

 CRPSの研究は、利用可能な試験コホートにおける不均一性により難しいとされている。米国・スタンフォード大学のAlison Pepper氏らは、手の手術を受けた患者における、早期にみられる複合性局所疼痛症候群(CRPS)様症状の特色を特徴づけることを試みた。その結果、共通してみられることとして、点刺激や圧刺激、寒冷刺激に対する感度が高いことなどを明らかにした。The Journal of Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年2月28日号)の掲載報告。 研究グループは、手の外科クリニックにおいて選択的手術とキャスト固定法を受けた43例の患者を集めた。 キャスト除去日に、患者は定量的感覚テスト(quantitative sensory testing:QST)によって、血管運動、発汗促進、栄養変化および水腫、疼痛感度について評価を受けた。疼痛強度は、キャスト除去時とさらに1ヵ月後に評価を行った。Leeds Assessment of Neuropathic Symptoms and Signs(LANSS)スケールを用いて痛みの特徴を評価した。また、皮膚生検を行い、炎症性メディエーターの発現を分析した。 主な結果は以下のとおり。・大半の患者の手術を受けた手における、血管性および栄養的変化を同定した。・概して同様に、点状、圧、寒冷の刺激に対する感度の増大が観察された。・さらに、手術を受けた側の手の皮膚において、IL-6値、TNF-α、肥満細胞マーカーのトリプターゼの上昇が認められた。・中等度から重度の疼痛は、手術を受けた側の手についてはキャスト除去後1ヵ月時点においても持続していた。・探索的解析の結果、身体、QSTと遺伝子発現の変化および疼痛関連アウトカムの間における相互関係が示唆された。・本研究は、手術とその後に固定術を受けた患者の四肢におけるCRPS様症状の特色を同定した。今回の被験者を対象としたさらなる研究は、CRPSメカニズムの理解を深め、同状態における治療に役立つ可能性がある。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる

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