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医療施設向け地デジ対応11.0型アーム式液晶TV 来年2月発売へ

株式会社ナナオは16日、ワイドパネルを採用した地上デジタルチューナー内蔵の11.0 型アーム式液晶TV EIZO FlexView 115A(オープン価格)を2010年2月1日より発売すると発表した。FlexView 115Aは、2011年のアナログ放送停波以降もテレビ視聴が安心して行えるよう地上デジタルチューナーを内蔵した、医療施設のベッドサイド向け液晶テレビ。FlexView現行モデルではインターフェースユニットに内蔵している地上デジタルチューナーを、FlexView 115Aではモニター背面部に内蔵している。これによりインターフェースユニットを設置するスペースを確保する必要がなく、容易に、かつすっきりと設置できるという。透析室では、透析コンソールの設置などによりベッド周りが狭くなる。アームを専用取り付け金具で固定するFlexView 115Aの場合、オーバーテーブルなどのテレビ本体を置くスペースが開放され、ベッドサイドを広く使うことができる。詳細はプレスリリースへ(PDF)http://www.eizo.co.jp/company/news/2009/files/NR09-027.pdf

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人工透析患者の死亡リスクは8倍強、心血管疾患死以外も増加の傾向

人工透析患者の死亡リスクは、心血管疾患死に限らず、透析を受けていない人の8倍強に上ることが明らかにされた。オランダLeiden大学のDinanda J. de Jager氏らが、12万人超の透析患者について調べた結果で、JAMA誌2009年10月28日号で発表した。これまで、人工透析を受けている患者は心血管疾患死のリスクが、10~20倍に増大することは報告されていたが、それ以外の死亡リスクの増大については明らかではなかった。総死亡率は一般12人/1,000人・年に対し、透析患者は192人/1,000人・年Jager氏らは、1994年1月1日~2007年1月1日に、ヨーロッパで透析を受けていた成人患者12万3407人について、平均1.8年(標準偏差1.1年)追跡調査(ERA-EDTA)を行い、その死亡率について、ヨーロッパ一般人口集団(Eurostat)の統計と比較した。その結果、総死亡率は一般群12.055人/1,000人・年(95%信頼区間:12.05~12.06)だったのに対し、透析患者群では192人/1,000人・年(同:190~193)と大幅に高かった。死亡原因が明らかだったのは、一般群99%、透析患者群で90%だった。原因別に死亡率を比較すると、一般群ではその40%が心血管疾患死で、58%が非心血管疾患死だった。一方透析患者群では、同率はそれぞれ39%と51%だった。心血管疾患以外の死亡原因による死亡率も増加透析患者群の心血管疾患による死亡率は、一般群に比べ38.1人/1,000人・年(95%信頼区間:37.2~39.0)高く、非心血管疾患による死亡率は50.1人/1,000人・年(同:48.9~51.2)高かった。透析患者群の心血管疾患による標準化死亡率は、一般群に比べ約8.8倍(95%信頼区間:8.6~9.0)、非心血管疾患の同率は約8.1倍(同:7.9~8.3)だった。透析患者群の死亡率増加に関して、その原因が心血管疾患の場合、非心血管疾患の場合に対しての割合は、1.09(同:1.06~1.12)だった。ただしこの割合は、死亡原因が不明だった被験者について、死亡原因を心血管疾患と仮定した場合は0.90に、非心血管疾患と仮定した場合には1.39と変化した。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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重症急性腎障害患者への透析療法、強度を変えても90日死亡率は44.7%

米国から最近報告された急性腎障害(AKI)患者に有効とされる透析療法の強度について、オーストラリアとニュージーランドの共同研究グループ(RENAL Replacement Therapy Study)が、高低2つの強度による多施設共同無作為化試験を行い検証した。強度を高めたほうが有益ではないかとの仮説を立てての試験だったが、主要評価項目の90日死亡率に、強度による差はなかったと報告している。NEJM誌2009年10月22日号掲載より。40mL/kg体重/時と25mL/kg体重/時とで比較試験は、2005年12月30日~2008年11月28日の間に、オーストラリアとニュージーランドの35施設のICUから、18歳以上の重症のAKI患者(6時間で尿100mL未満、血清カリウム濃度6.5mmol/L超、pH 7.2未満、プラズマ尿素窒素レベル70mg/dL超、血清クレアチニン値3.4mg/dL超、肺水腫等の所見、のいずれかを満たす)が登録され行われた。被験者(1,508例)は、後希釈の持続的静静脈血液濾過透析を、高強度で受ける群(40mL/kg体重/時、747例)と、低強度で受ける群(25mL/kg体重/時、761例)に、無作為に割り付けられ追跡された。主要評価項目は、無作為化後90日以内の死亡とした。90日死亡率、両群ともに44.7%主要評価項目に関するデータは、高強度群721例、低強度群743例、計1,464例(97.1%)から得られた。両群の基線時の特徴は同様で、平均治療期間は高強度群6.3日、低強度群5.9日(P = 0.35)。無作為化後90日以内の死亡は、高強度群322例、低強度群332例で、両群とも死亡率は44.7%で差はなかった(オッズ比:1.00、95%信頼区間:0.81~1.23、P = 0.99)。一方で、90日時点で生存していた人のうち透析療法を継続していたのは、高強度群6.8%(27/399例)だったのに対し、低強度群は4.4%(18/411例)だった(オッズ比:1.59、95%信頼区間:0.86~2.92、P = 0.14)。低リン酸血症は、高強度群のほうが低強度群に比べて、より多く見られた(65%対54%、P

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末期腎疾患高齢患者への透析導入はADLの持続的な低下と強く関連

末期腎疾患高齢患者への透析導入は、日常生活動作を障害してしまうことが報告された。スタンフォード大学腎臓学部門のManjula Kurella Tamura氏らが、アメリカで末期腎疾患(ESRD)の高齢患者で透析導入が増えていることを受け、有益性を調べるために行った調査で明らかになった。透析開始後1年死亡率は、70歳以上では35%超、80歳以上では50%超とされる一方、延命効果やQOLへの効果は不確かなままであることが調査の背景にあった。NEJM誌2009年10月15日号より。ナーシングホーム入所者の透析導入患者3,702人を調査Tamura氏らは、全米ナーシングホーム入所者登録データとリンクした全米透析患者登録システム(USRDS)から、1998年6月~2000年10月の間に透析治療を開始し、透析開始前の機能状態が1つ以上測定できた被験者3,702人(年齢73.4±10.9歳、女性60%、白人64%)を選定し追跡調査を行った。指標となった機能状態とは、7つの日常生活動作(食事、着替え、排泄、保清、歩行、椅子からの立ち上がり、ベッドでの体位変換)で、MDS-ADLスコアを用いて評価が行われた(評価スコア:0~28、スコアが高いほど機能低下が大きい)。導入後3ヵ月も機能維持は39%、1年後には13%に低下、1年死亡率58%MDS-ADLスコアは、透析導入前3ヵ月間は12点だった。しかし導入後3ヵ月間では16点になっていた。また、導入前の機能状態が維持されていた人は、導入後3ヵ月間では39%に減り、12ヵ月間では13%にまで減っていた。一方で導入後12ヵ月間で58%が死亡していた。変量効果モデルで、透析導入は急激な機能低下と関連していること、MDS-ADLスコアは2.8点増大(95%信頼区間:25.~3.0点)したことが示された。これらは、年齢、性、人種、透析導入前の機能状態から予測される軌跡と独立していた。機能低下は、導入前3ヵ月間に加速度的な機能低下があったか否かで補正しても、透析導入との関連は強いままだった(1.7ポイント、95%信頼区間:1.4~2.1)。Tamura氏は、「ESRDのナーシングホーム入所者への透析導入は、機能低下と強く関連しており、持続的な機能低下をもたらすものである」とまとめている。(医療ライター:朝田哲明)

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メルクメジンの使用成績調査を発表

マイラン製薬株式会社は9月30日、慢性腎不全用剤「メルクメジン」(球形吸着炭製剤)の使用成績調査を実施し、その調査結果を発表した。同剤は、2004年7月から製造販売されている、慢性腎不全(進行性)における尿毒症症状の改善および透析導入の遅延を目的とした医療用医薬品。同社では、2006年4月から2009年3月にかけて、有効性及び安全性に関するエビデンスの取得を目的として、自主的に使用成績調査を実施し、36都道府県96施設における287症例について、長期(24週)の使用実態下における同剤の有効性及び安全性に関する情報を収集した。長期の使用実態下における使用成績調査の結果、同剤はその有効性が認められ、安全性において問題は認められなかったとのこと。詳細はプレスリリースへhttp://www.mylan.co.jp/press_j/detail.php?language=JP&contentsseq=0000268&recordseq=0000001&before=top

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腎移植前脳死ドナーへの低用量ドーパミン投与で、移植後の透析回数が減少

腎移植前に、脳死状態のドナーに対し低用量ドーパミンを投与することで、レシピエントの腎移植後の透析必要回数が減少する。これは、ドイツMannheim大学のPeter Schnuelle氏らが、264人のドナーについて行った、多施設共同無作為化オープンラベル試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年9月9日号で発表した。海外では腎移植は、脳死状態のドナーから行われる場合が一般的だが、そのため、腎移植片が移植前に多くの損傷を受けてしまうという問題があった。移植後1週間の複数透析リスク、ドーパミン群で有意に減少試験は、2004年3月~2008年12月にかけて、ヨーロッパの60ヵ所の医療機関で行われた。研究グループは、脳死状態で心拍動のあるドナー264人を無作為に2群に分け、一方には低用量ドーパミン(4μg/kg/min)を移植前に投与し、もう一方には投与しなかった。ドーパミン注入時間の中央値は、344分(四分位範囲:215分)。注入後、レシピエント487人について、移植後1週間の透析必要回数を調べた。その結果、ドーパミン非投与のドナーから移植を受けたレシピエントで、複数回透析を受けたのは、35.4%(260人中92人、95%信頼区間:29.5%~41.2%)だったのに対し、ドーパミンを投与したドナーからのレシピエントは、同割合が24.7%(227人中56人、同:19.0%~30.3%)で、後者のほうが有意に低率だった(p=0.01)。複数回透析を受けた人、3年以降の同種移植片不全リスクが3.61倍にまた、複数回にわたり透析が必要だったレシピエントは、必要としなかったレシピエントに比べ、移植後3年以降に、同種移植片不全を起こすリスクが、3.61倍(ハザード比:3.61、95%信頼区間:2.39~5.45、p

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NIMSと旭化成クラレメディカルが、血液浄化用医療用フィルターなどの共同開発に着手

独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)と旭化成クラレメディカル株式会社は、両社が血液浄化用医療用フィルターならびにバイオ医薬品プロセス用分離デバイスの共同開発に着手することに合意したと発表した。今回の合意では、NIMSのナノ有機センターの研究グループが開発した水処理用ナノ膜の技術を血液浄化システム等に応用するために、ナノ膜の分離性能の最適化や安全性の向上を目指すとのこと。NIMSでは、有機分子を高速濾過する多孔性ナノシートを開発しており、同様な分画分子量(濾過される分子の大きさ)をもつ市販の水処理膜と比較して、約1000倍の処理速度を実現している。また、高分子やタンパク質を除去するナノ膜の製造において、独自の技術を開発してきた。一方、旭化成クラレメディカルは、血液透析で使用される人工透析膜(ダイアライザー)の市場において、国内1位、世界シェア2位を競うメーカーである。ダイアライザーの需要は、経済成長が著しい中国やインドなどで増加しており、市場が急速に拡大することが見込まれている。また旭化成クラレメディカルは、血液浄化療法(アフェレシス)用、バイオ医薬品向けのウイルス除去用のデバイスなども手がけている。詳細はプレスリリースへhttp://www.nims.go.jp/news/press/2009/08/p200908180.html

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世界の医療用メンブレン(分離膜)装置市場は2014年に25億米ドルへ

米国の調査会社BCC Researchが発行した技術市場調査報告書「MEDICAL MEMBRANE DEVICES: MARKET AND TECHNOLOGIES」によると、世界の医療用メンブレン装置市場は2009年に20億米ドルとなる予測であることがわかった。また、今後5年間は年複利成長率(CAGR)の4.6%で成長し、2014年には25億米ドルに達する見込みだという。株式会社グローバル インフォメーションが発表し、販売を開始した。報告書によると、透析器、血液酸素発生器およびIVフィルターの売上が市場主導型となっているのに対し、血液/血液成分分離フィルターおよび診断装置の売上は、技術主導型となっているという。市場主導型装置の総売上額はCAGR2.5%の7億1400万米ドルとなっているとのこと。同報告書は、医療用メンブレン装置産業について分析し、著しい発展と予測、重要な動向、多様な市場セクターの定量化、これらの分野における企業活動のプロファイルを調査したもの。詳細はプレスリリースへhttp://www.infoshop-japan.com/press/bc94133.shtml

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エポジン注の原薬製法、製剤処方に関する承認事項の一部変更承認取得

中外製薬株式会社は22日、遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤「エポジン注シリンジ」「エポジン注アンプル」(以下、「エポジン注」)について、4月21日に厚生労働省より原薬製法ならびに製剤処方に関する承認事項の一部変更承認を取得したと発表した。同社は、エポジン注の原薬の製造工程においてウシ血清由来成分を用いない製造方法の開発ならびに皮下投与時の注射部位の痛みを軽減する新処方の開発に取り組み、厚生労働省へ承認申請を行っていた。また、今回の承認にあわせて、識別性・視認性の高い製品パッケージデザインへ変更するという。エポジン注は、1990年の発売以来、透析施行中ならびに透析導入前の腎性貧血、未熟児貧血、自己血貯血*の適応を取得し、広く臨床現場で使用されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.chugai-pharm.co.jp/generalPortal/pages/detailTypeHeader.jsp;jsessionid=XINZYIASM4124CSSUIHSFEQ?documentId=doc_13653&lang=ja

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血液透析患者に対するロスバスタチン、心血管イベントの発症抑制効果なし

透析患者にロスバスタチン(商品名:クレストール)を投与しても心血管イベント発症の抑制効果はないことが、AURORA試験から報告された。LDL-Cは低下するも、主要複合エンドポイント(心血管系の原因による死亡、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中)に有意な効果は認められなかったという。NEJM誌2009年4月2日号で発表されている。主要複合エンドポイント、全死亡への効果も認められずAURORA試験は、血液透析治療を開始し3ヵ月以上が経っている50~80歳の患者2,776例が、25ヵ国280施設から参加し行われた大規模な多国間多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験。患者は、ロスバスタチン10mg/日投与群とプラセボ群とに無作為に割り付けられ、中央値3.8年追跡された。LDL-Cは、3ヵ月で、ベースライン時平均100mg/dL(2.6mmol/L)から平均43%低下した。追跡期間中の主要複合エンドポイントは、ロスバスタチン群396人(9.2イベント/100患者・年)、プラセボ群408人(9.5イベント/100患者・年)で、ハザード比は0.96(P=0.59)でロスバスタチンによる効果は認められなかった。主要エンドポイントの各項目別に見ても、心血管系の原因による死亡(1.00)、非致死的心筋梗塞(0.84)、非致死的脳卒中(1.17)と効果は認められなかった。また、副次エンドポイントとした全死因による死亡についても、ロスバスタチン群636人(13.5イベント/100患者・年)、プラセボ群660人(14.0イベント/100患者・年)で、ハザード比は0.96(P=0.51)と有意な効果は認められなかった。(武藤まき:医療ライター)

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降圧療法は透析患者の心血管リスクを改善する

透析患者では心血管疾患への罹患および心血管死のリスクが実質的に増大しているが、降圧薬による治療でこのリスクが有意に改善することが、オーストラリアSydney大学George国際健康研究所のHiddo J Lambers Heerspinkらが実施したメタ解析で判明した。一般人口では降圧療法が心血管疾患に関してベネフィットをもたらすことが示されているが、透析患者に対する降圧療法の有効性や耐用性は明らかにされていなかったという。Lancet誌2009年3月21日号(オンライン版2009年2月26日号)掲載の報告。無作為化対照比較試験の系統的レビューとメタ解析を実施研究グループは、透析患者に対する降圧療法の効果を評価する目的で系統的レビューとメタ解析を行った。論文の言語に制限を設けずに、1950~2008年までのMedline、Embase、Cochrane Libraryのデータベースを検索した。透析患者を対象に降圧療法が心血管の予後に及ぼす影響について検討した無作為化対照比較試験から、標準化されたデータセットを抽出した。メタ解析には変量効果モデルを用いた。心血管イベント、全死亡、心血管死のリスクが有意に低減8つの関連試験を同定し、1,679例に関する495のイベントのデータを得た。対照群に比べ、降圧療法群では平均収縮期血圧が4.5mmHg低下し、拡張期血圧は2.3mmHg低下していた。降圧療法群は、対照群に比べ心血管イベント(リスク比:0.71、p=0.009)、全死亡(リスク比:0.80、p=0.014)、心血管死(リスク比:0.71、p=0.044)のリスクが有意に低減していた。これらの効果は広範な患者層に一貫してみられた。著者は、「降圧薬を用いた治療は、透析患者で増大している心血管疾患への罹患および心血管死のリスクを低減させることから、これらの患者に対するルーチンな治療法とすべきである」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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経口そう痒症改善剤「レミッチ カプセル2.5μg」新発売

東レ株式会社と日本たばこ産業株式会社および鳥居薬品株式会社は、3社で共同開発し、東レが2009年1月21日に国内における製造販売承認を取得した血液透析患者における経口そう痒症改善剤「レミッチカプセル2.5μg」(一般名:ナルフラフィン塩酸塩)について、3月24日より鳥居薬品が販売を開始すると発表した。血液透析患者におけるそう痒症は炎症などを伴わない全身性の強い痒みで、はっきりとした原因は不明。従来の止痒薬(抗ヒスタミン薬など)では十分に抑えられないこともあった。「レミッチカプセル2.5μg」は、血液透析患者の既存治療抵抗性の痒みを抑える世界初の選択的オピオイドκ(カッパ)受容体作動薬となる。詳細はプレスリリースへhttp://www.torii.co.jp/release/2009/090323.html

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高リン血症治療薬ホスレノール チュアブル錠発売

バイエル薬品株式会社は11日、高リン血症治療薬「ホスレノール チュアブル錠」(一般名:炭酸ランタン水和物〔以下:ホスレノール〕)を発売した。現在の高リン血症治療における第一選択薬はカルシウム製剤であるが、ホスレノールは、カルシウムを含まないリン吸着剤であり、腸管内において食物中のリン酸と結合し、リン酸ランタンを形成する。リン酸ランタンは消化管で吸収されずに排泄されるため、腸管からのリン吸収が抑制され、効果的に血清リン濃度を下げることができるという。また、服薬時にほとんど水を必要としないチュアブル錠であるため、水分の摂取が制限されている透析患者に合っている。また、ホスレノールは、すでに米国、ドイツ、イギリス、フランスなど、世界32ヵ国でシャイア社により発売されている。日本では、同社がホスレノールの開発、製造および販売の権利をシャイア社から2003年12月に取得し、第II相および第III相臨床試験を実施した。日本の透析患者数は全国で27万人以上といわれ、毎年1万人のペースで増加しているなか、ホスレノールが多くの患者にとって、高リン血症治療における新しい選択肢になることが期待されるという。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2009%2Fnews2009-03-11.html

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高地居住ほど、透析患者の死亡率は低下

住む地域の標高が高いほど、透析患者の原因を問わない死亡率が低下することが、80万人超を対象にした調査で明らかになった。標高1,828mを超える地域に住む透析患者は、標高76m未満に住む患者に比べ、総死亡率は約15%低下するという。この原因は、高地に住むことによる低酸素状態によるもののようだ。これまでの研究から、高地に住む透析患者は、エリスロポエチンの投与量が低いにもかかわらず、血中ヘモグロビン濃度が高いことはわかっていた。米国Harvard大学のWolfgang C. Winkelmayer氏らの研究で明らかになったもので、JAMA誌2009年2月4日号で発表されている。80万超の患者を中央値1.78年追跡Wolfgang C. Winkelmayer氏らは、1995~2004年にかけて透析治療を開始した、80万4,812人について、後ろ向きに調査を行った。追跡期間の中央値は、1.78年だった。 その結果、補正前の原因を問わない死亡率は、標高76m未満に住む群では220.1/千人・年、標高76~609m群では221.2/千人・年、標高610~1,218m群では214.6/千人・年、標高1,219~1,828m群では184.9/千人・年、標高1,828mを超える群では177.2/千人・年だった。補正後の総死亡率は標高が高いほど有意に低下年齢や性別、人種、検査値などを補正した後の総死亡率もまた、住んでいる地域の標高が高いほど、低かった。標高76m未満の地域に住む人に対する相対死亡率は、標高76~609m群が0.97(95%信頼区間:0.96~0.98)、標高610~1,218m群が0.93(0.91~0.95)、標高1,219~1,828m群が0.88(0.84~0.91)、標高1,828mを超える群は0.85(0.79~0.92)だった。なお、年齢・性別補正後の全米標準死亡率について見てみると、住んでいる地域の標高が高くなるにつれて、死亡率が低下していた。だが、透析患者のデータと比較すると、透析患者のほうがその傾向が大きかった。標高76m未満群と標高1,828m超群を比較した場合、一般の死亡率の低下幅は7%だったのに対し、透析患者はその2倍以上の15%だったという。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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汚染ヘパリン問題を裏付ける全米疫学調査報告

全米で昨年大きな問題となったいわゆる汚染ヘパリン問題に関して、米国疾病対策予防センター(CDC)の感染情報サービスプログラムに所属するDavid B. Blossom氏らが行った疫学調査報告が、NEJM誌2008年12月18日号(オンライン版2008年12月3日号)で公表された。この問題は、ミズーリ州の1小児病院で集団発生した透析受療患児の重度の有害反応(顔面浮腫、頻脈、低血圧症、蕁麻疹、悪心)の発生が、2008年1月7日にCDCに報告されたことに端を発する。すぐに調査を開始したCDCは、類似報告が全米で起きていること、いずれもバクスターヘルスケア社のヘパリンを用いた患者であったことから、同17日に同製品の自主回収開始、2月には全面回収措置が取られ、3月に入ると米食品医薬品局(FDA)から、有害反応は同社製ヘパリンが過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS)によって汚染されていることが原因であると発表された。2ヵ月半で152件の有害反応が起きていた 本報告は、2007年11月1日以降、ミズーリ州で集団発生したアレルギー反応と一致する徴候および症状を呈した患者の臨床情報を集約したもので、施設レベルでの危険因子を同定するため、有害反応が報告された21施設と、報告がなかった23施設から情報が集められた。併せて、有害反応報告施設から未開封のヘパリンバイアルを入手し、汚染物質検査も実施された。2007年11月19日~2008年1月31日に、ヘパリンと関連する有害反応が確認されたのは13州にわたる患者113人、152件(血液透析患者100人130件、心臓病受療患者6人8件、フォトフェレシス受療患者7人14件)。血液透析患者の有害反応までの時間は平均5.1分、低血圧症(50.0%)の頻度が最も高く、悪心(48.7%)、呼吸困難(37.5%)と続いた。顔面腫脹は23.7%、最初の施設で報告された蕁麻疹は全体では3.3%と稀だった。問題ヘパリンと重度の有害反応との関連は100%有害反応との関連因子について、ヘパリン液ほか透析機器やダイアライザーなどを含め、製造会社別に調べた結果、最も強い関連因子は「バクスターヘルスケア社製ヘパリン使用」だった(有害反応報告施設で100%使用 vs. 未報告施設では4.3%使用、P

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透析歴が短いほど食生活にストレスを感じる!? バイエル社が「透析と食」に関する調査結果を発表

バイエル薬品株式会社は11月7日、社団法人全国腎臓病協議会(全腎協)の協力の下、透析患者を対象に「透析と食」について意識調査を実施し、その結果を発表した。この調査の結果から、一定の食事制限を必要とされている透析患者にとって、食事は大きな楽しみでありながら、難しさやストレスを感じつつ食事の管理に取り組んでいることがわかったという。特にリンやカリウム、また水分などの栄養管理には多くの人が難しさを感じており、それらの栄養素を気にせずに食事がしたいという回答も多くみられたという。しかし、透析歴が長くなるほど、難しさやストレスが軽減されることも明らかとなり、透析生活の中で食事の知識や経験を増やしながら、習慣にしていくことが重要であることが示唆されている。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-11-07.html

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造影剤腎症予防に対する炭酸水素ナトリウムvs塩化ナトリウム

造影剤腎症(CIN)の有望な予防戦略として、炭酸水素ナトリウムの造影前投与による水分補給が示唆されている。CINは一般に長期入院、保険医療費の増加、高い有病率と死亡率の原因となる。コロンビア大学医療センターのSomjot S. Brar氏らの研究グループは、炭酸水素ナトリウムのほうが塩化ナトリウムより、CINを抑える効果が優れているかどうかを判定するため、中等度から重度の慢性腎臓病(CKD)で、冠動脈造影を受ける患者を対象に臨床試験を行った。JAMA誌2008年9月3日号より。冠動脈造影を受けたCKD患者353例を2群に割り付け試験は2006年1月2日から2007年1月31日にかけて、無作為対照1重盲検法で行われた。対象患者は、米国の1ヵ所のセンターで冠動脈造影を受けた、安定期にあるCKD登録患者353例。18歳以上、推算糸球体濾過率(eGFR)60mL/分/1.73m2体表面積以下のCKD患者で、同時に真性糖尿病、鬱血性心不全、高血圧のうち1つ以上がある患者、あるいは75歳以上の患者が含まれた。患者は塩化ナトリウム投与群(n=178)と炭酸水素ナトリウム投与群(n=175)にランダムに割り付けられ、冠動脈造影の1時間前に13mL/kg、手技の間は毎時1.5mL/kgに減少し、造影手技は4時間で完了するよう管理された。主要評価項目は、コントラスト曝露後1~4日のeGFR 25%以上の低下とした。患者年齢の中央値は71歳(四分位間範囲65~76歳)で、45%に真性糖尿病がみられた。炭酸水素ナトリウムと塩化ナトリウムで有意差なし主要評価項目は、炭酸水素ナトリウム群が13.3%、塩化ナトリウム群が14.6%だった(相対リスク:0.94、95%信頼区間:0.55~1.60、P=0.82)。「炭酸水素ナトリウム投与群」対「塩化ナトリウム投与群」患者の死亡率は1.7%対1.7%、透析導入率は0.6%対1.1%、心筋梗塞イベント発生率は0.6%対0%、脳血管イベント発生率は0%対2.2%)だった(すべて投与30日後)。30日~6ヵ月後ではそれぞれ0.6%対2.3%、0.6%対1.1%、0.6%対2.3%、そして0.6%対1.7%で有意差は認められなかった(すべてP>0.10)。以上の結果から研究グループは、炭酸水素ナトリウムの術前投与のほうが塩化ナトリウムよりCINの予防効果が優れていることを示すデータは得られなかったと結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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テルミサルタン+ラミプリル併用で腎機能はむしろ低下:ONTARGET試験

血管リスクの高い集団の腎機能に及ぼすテルミサルタンの効果はラミプリルと同等であり、両薬剤を併用した場合は単剤投与に比べ蛋白尿は改善するものの腎機能はむしろ低下することが、ONTARGET試験の参加者を対象とした解析で明らかとなった。アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)とアンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害薬は蛋白尿を抑制することが確認されており、併用による腎機能の改善効果が期待されていた。ドイツLudwig Maximilians大学Schwabing総合病院のJohannes F E Mann氏が、Lancet誌2008年8月16日号で報告した。2万5,000例以上を対象とした国際的な無作為化試験の腎機能解析ONTARGET(ongoing telmisartan alone and in combination with ramipril global endpoint trial)試験の研究グループは、55歳以上のアテローム動脈硬化性血管疾患患者あるいは臓器障害を伴う糖尿病患者を対象に、ARBであるテルミサルタン、ACE阻害薬であるラミプリルおよびその併用投与が腎機能に及ぼす効果を比較検討した。試験期間は2001~2007年で、3週間のrun-in期間ののち2万5,620例がテルミサルタン群(80mg/日、8,542例)、ラミプリル群(10mg/日、8,576例)、併用群(それぞれ80mg/日+10mg/日、8,502例)に無作為に割り付けられ、腎機能の評価および蛋白尿の測定が行われた。フォローアップ期間(中央値)は56ヵ月であった。主要アウトカムは透析、血清クレアチニン値の倍化、死亡の複合発生率、副次アウトカムは透析、血清クレアチニン値の倍化の複合発生率とした。主要、副次アウトカムがともに併用群で有意に悪化試験期間中に低血圧症状で784例(テルミサルタン群229例、ラミプリル群149例、併用群406例)が治療を中止した。主要アウトカム(透析、血清クレアチニン値の倍化、死亡)の発生率は、テルミサルタン群(1,147件、13.4%)とラミプリル群(1,150件、13.5%)は同等であったが(ハザード比:1.00、95%信頼区間:0.92~1.09)、併用群(1,233件、14.5%)では有意に上昇した(1.09、1.01~1.18、p=0.037)。副次アウトカム(透析、血清クレアチニン値の倍化)の発生率も同様で、テルミサルタン群(189例、2.21%)とラミプリル群(174 例、2.03%)は同等であったが(1.09、0.89~1.34)、併用群(212例、2.49%)では有意に上昇した(1.24、1.01~1.51、p=0.038)。推定糸球体濾過率(eGFR)のベースラインからの低下は、テルミサルタン群(-4.12 mL/分/1.73m2)、併用群(-6.11 mL/分/1.73m2)に比べラミプリル群(-2.82 mL/分/1.73m2)で少なく、いずれも有意差を認めた(いずれもp<0.0001)。尿中アルブミン排泄の上昇は、ラミプリル群に比べテルミサルタン群(p=0.004)および併用群(p=0.001)で有意に少なかった。著者は、「血管リスクの高い集団では、テルミサルタンの腎機能に及ぼす効果はラミプリルと同等であり、両薬剤の併用投与はそれぞれの単剤投与に比べ蛋白尿は改善するものの腎機能はむしろ低下した」と結論し、「明確な蛋白尿が見られる腎疾患患者では、併用投与が腎不全の進行や透析の予防に有効な可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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急性腎障害に対して治療集中度では効果に差はない

重症の急性腎障害に対して、腎代替療法をどの程度行うべきかについては論議が続いている。米国退役軍人ヘルスケアシステムと国立衛生研究所(VA/NIH)の急性腎不全調査チームは比較検討を行い、「集中的な腎機能補助療法を行っても、効果に有意差は見られない」と報告した。NEJM誌2008年7月3日号(オンライン版2008年5月20日号)より。血液透析の頻度と血液濾過量の差で比較検討試験は、急性腎障害と、腎以外の臓器不全が1つ以上ある、もしくは敗血症を呈する重症患者1,124例を、集中的な腎代替療法(集中治療群)、あるいは集中度の低い腎代替療法(非集中治療群)のいずれかに無作為に割り付け行われた。両群患者のベースラインの特性は同じ。主要エンドポイントは、60日時点の全死因死亡とした。両群とも、血行動態が安定した患者には間欠的血液透析を行い、血行動態が不安定な患者には持続的静静脈血液濾過透析または持続的低効率透析を行った。集中的治療群は、間欠的血液透析と持続的低効率透析を週6回、および35mL/kg体重/時の持続的静静脈血液濾過透析が行われた。非集中治療群には、治療法は同様だが、頻度が週3回、20mL/kg体重/時で行われた。死亡率、治療期間、腎機能回復率などに有意差なしこの結果、60日時点の全死因死亡率は、集中治療群で53.6%、非集中治療群は51.5%だった(オッズ比:1.09、95%信頼区間:0.86~1.40、P=0.47)。両群間には、腎代替療法の施療期間、腎機能の回復率または腎以外の臓器不全の発生率に有意差はなかった。間欠的血液透析中に低血圧症が起きた頻度は、集中的治療群の患者のほうが多かったが、低血圧症が起きた血液透析の頻度自体は両群で同等だった。死亡率や腎機能、腎以外の臓器不全改善は、治療の集中度では有意差は認められなかったと結論している。(武藤まき:医療ライター)

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中国製原料使用のヘパリンが毒ヘパリンであるEBM

年明けの日本では毒ギョーザが話題となっていたが、米国では透析患者から相次いでいた静脈注射用ヘパリン投与後のアナフィラキシー様反応の報告が大きな関心事となっていた。死亡例も相次いだ本件に関して米国疾病管理センターは共通の症例報告からBaxter Healthcare社のヘパリン製剤を特定。1月17日にリコール開始、2月28日に回収を終了する。しかし3月6日、ドイツから他社製品での事例が報告。これを受け米食品医薬品局(FDA)はヘパリンの全製造業者に汚染物質混入の検査を命じた。そして混入が明らかになったのが、過硫酸化コンドロイチン硫酸(OSCS)。本論は、これまで立証されていなかったOSCSと臨床有害事象との生物学的関連を目的に、Momenta Pharmaceuticals社のTakashi Kei Kishimoto氏らが、FDAの協力を得て行った試験結果。NEJMオンライン版2008年4月23日に速報され、本誌では2008年6月5日号にて掲載された。ブタ体内で有害事象の再現実験試験はFDAから、有害事象との関連が疑われたヘパリン製剤ロットと比較対照用のロットの提供を受けて実施された。OSCSの有無、および汚染物質と観察された臨床有害事象(低血圧、顔面浮腫、頻脈、蕁麻疹、吐き気など)とを結び付ける可能性がある生物活性について盲検下でスクリーニング。in vitroで接触系活性化と補体カスケードを分析。さらにブタの生体内でOSCSが問題の臨床症状を再現するかどうかin vivoの試験も行われた。ブタもヒトもOSCSに同様の反応示す未分画へパリンの汚染ロットで見つかったOSCSは、標準試料の合成OSCSと同様に直接、ヒト血漿中のキニンカリクレイン経路を活性化したが、これは強力な血管作用を持つブラジキニン産生につながる可能性を示唆するものでもあった。加えてOSCSは、補体系タンパク由来の強力なアナフィラトキシンであるC3a、C5aの産生も誘導した。意外なことに、この2つの経路の活性化は連鎖しており、第XII因子の液相活性化に依存していた。また、さまざまな種の血漿サンプルのスクリーニングによって、ブタとヒトのOSCSの作用に対する感受性は同様なことがわかった。ブタの静脈に投与したOSCS汚染ヘパリンと合成OSCSは、いずれもカリクレイン活性化に関連する低血圧を引き起こした。これらからKishimoto氏は「本試験結果は、疑惑のヘパリン・ロットに混入しているOSCSが、観察された有害事象と生物学的な関連のあることを示す科学的根拠を提供するものだ」と結論。また、カリクレインのアミド溶解性の活性を評価する分析試験を行い、ヘパリンのOSCSや、その他の接触系を活性化する高度の過硫酸化多糖類の混入物質をスクリーニングすることで、ヘパリン供給経路を保護するための分析試験を補足できるとも報告した。(武藤まき:医療ライター)

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