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KRASG12C阻害薬ソトラシブ、KRAS G12C陽性肺がんに国内申請

 アムジェンは、2021年4月28日、KRAS G12C阻害薬ソトラシブについて、KRASG12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)を予定の効能又は効果として、日本国内で製造販売承認申請を行った。 KRAS G12C変異は、米国では肺腺がんの約13%、日本人では非扁平上皮がんの4.5%に認められると報告されている。しかし、KRASG12C変異を有するNSCLCに対する治療薬は承認されておらず、また既存の2次治療における転帰も不良である。 ソトラシブの日本における製造販売承認申請は、KRASG12C変異を有する進行NSCLC患者を対象とした、第I/II相多施設共同単群非盲検試験(CodeBreaK 100試験)から得られた結果に基づき行った。同試験では、ソトラシブ単独療法時の有効性および安全性を評価し、臨床的意義のある有効性並びに良好な忍容性が認められた。 ソトラシブは、2021年3月11日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品指定を受けている。

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肺癌取扱い規約 第8版補訂版

肺癌手術記載・病理診断・肺がん検診の手引きをアップデート!主な改訂内容:1)肺癌手術記載;病理所見の記載を削除して簡潔化し、さまざまなリンパ節郭清のパターンに応じた記述法を新たに定義し、中葉・舌区についての系統的リンパ節郭清の定義変更を行った。2)病理診断;微少浸潤性腺癌非粘液性のICD-Oコードの変更を行った。また細部に実務上必要な補足を加えた。3)肺がん検診の手引き;加熱式タバコの取り扱い、読影医の条件などについて新たに説明を加えた。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    肺癌取扱い規約 第8版補訂版定価7,370円(税込)判型B5判頁数236頁・カラー図数:291枚発行2021年4月編集日本肺癌学会

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ALK陽性肺がん、第2世代ALK-TKI後のロルラチニブの頭蓋内・外有効性/Ann Oncol

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)は中枢神経系への転移が多い。それはALK-TKIの出現で予後が著しく改善した現在でも依然として問題である。 第3世代ALK/ROS1-TKIのロルラチニブは脳内移行が高く、ALK陽性のNSCLCに対して良好な抗腫瘍活性を示す。第2世代ALK-TKIで進行したALK陽性NSCLCにおけるロルラチニブの全体的、頭蓋内、頭蓋外の有効性を評価した第II相試験の結果が発表された。 この進行中の第II相試験(NCT01970865)では、第2世代ALK-TKI±化学療法の治療歴を有するALK陽性進行NSCLC患者が、治療歴別に拡大コホート(EXP)に登録された。・対象:第2世代ALK-TKI±化学療法の治療歴を有するALK陽性進行NSCLC・介入:ロルラチニブ100mg/日 3週ごと 進行または忍容できない毒性が発現するまで投与・評価項目:独立中央放射線委員会(ICR)評価の頭蓋内(IC-ORR)、頭蓋外(EC-ORR)および全奏効率(ORR)・拡大コホート:  第2世代ALK-TKI ±化学療法歴1回(EXP3B)  第2世代ALK-TKI ±化学療法歴2回(EXP4)  第2世代ALK-TKI ±化学療法歴3回(EXP5) 主な結果は以下のとおり。・EXP3B~5の患者139例のうち、EXP3Bは28例、EXP4は65例、EXP5は46例であった。・EXP3B~5のORRは39.6%、IC-ORRは56.1%、EC-ORRは36.7%であった。・EXP3B~5の奏効期間中央値(DoR)は9.6ヵ月であった。IC-DoRは12.4ヵ月、EC-DoRは9.7ヵ月であった・EXP3B~5の無増悪生存期間中央値は6.6ヵ月、全生存期間中央値は20.7ヵ月であった。・EXP3BのORRは42.9%、IC-ORRは66.7%、EC-ORRは32.1%であった。・EXP4およびEXP5のORRは38.7%、IC-ORRは54.2%、EC-ORRは37.8%であった。 ロルラチニブは、第2世代のALK-TKI治療後の集団において、臨床的に意味のある頭蓋内および頭蓋外抗腫瘍活性を示した。

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全がん・がん種別の10年生存率を初集計/国立がん研究センター

 国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院等から収集した院内がん登録情報を用いて、2008年に診断された患者の10年生存率を発表した。がん診療連携拠点病院等をはじめとする国内240施設約24万例の登録データを集計したもので、10年生存率が発表されるのは初、既存の10年生存率集計としては最大規模となる。 がん種別には、胃がん、大腸がん、肝細胞がん・肝内胆管がん、小細胞肺がん・非小細胞肺がん、女性乳がん、食道がん、膵臓がん、前立腺がん、子宮頸がん・子宮内膜がん、膀胱がん。肺がんや子宮がんをさらに分類した上で、Stage別のデータも集計された。 全がんの10年相対生存率は59.4%、がん種別で最も10年生存率が高かったのは前立腺がん(98.7%)、女性の乳がん(87.5%)、子宮内膜がん(83.0%)が続いた。最も低かったのは膵臓がん(6.5%)、続いて小細胞肺がん(9.1%)、肝内胆管がん(10.9%)となった。 リリースでは、これまで治癒の目安として5年生存率が用いられることが多かったが、肝細胞がんなど、がんによっては5年以降も長期的にフォローアップしていくことが必要、としている。誰もが使える「がん登録生存率集計結果閲覧システム」を公開 あわせて、3年・5年生存率データを簡易に検索できる「院内がん登録生存率集計結果閲覧システム」が公開された。 このシステムでは、胃がん、大腸がん、結腸がん、直腸がん、肝がん(肝細胞がん・肝内胆管癌)、肺がん(小細胞肺がん・非小細胞肺がん)、乳がん、食道がん、膵臓がん、前立腺がん、子宮頸がん、子宮内膜がん、膀胱がん、甲状腺乳頭・濾胞がん、甲状腺未分化がん、甲状腺髄様がん、胆嚢がん、喉頭がん、腎がん、腎盂尿管がん、卵巣がんについてがん種類の生存率を検索できる。さらに詳細条件として性別、Stage(全体or Ⅳ期)、年齢、手術の有無の条件を設定したうえで、細かく調べることもできる。

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“看取り”に関わらないからといって、“緩和ケア”に関わらないわけではない!【非専門医のための緩和ケアTips】第2回

第2回 “看取り”に関わらないからといって、“緩和ケア”に関わらないわけではない!前回からスタートした「非専門医のための、明日から使える緩和ケアTips」です。「緩和ケア」というと、「緩和ケア病棟のような、専門病棟に入院する患者に提供される濃密なケア」というイメージを抱く方が多いようです。ですが、がん患者に限ってみても、緩和ケア病棟で亡くなるのは全体の12%程度です。では、残りの9割近くの方は、どこで人生の最終段階を過ごしているのでしょうか? そう、緩和ケア病棟以外の一般病床や施設、そしてご自宅です。つまり、緩和ケア病棟だけでなく、患者さんが過ごすさまざまな場で「緩和ケア」を提供する必要があるのです。「さまざまな場で緩和ケアを必要とする人に最適なケアを届けるため、緩和ケアを専門とする私や仲間たちが学び、使っているノウハウを共有しよう!」というのが、この連載のテーマです。今日の質問通院が困難となり、訪問診療をしている高齢患者さん。ご家族から、「最後まで自宅で過ごさせたいけれど、可能でしょうか?」と相談を受けました。今後どのような話し合いをするとよいでしょうか?皆さんは診療時に、どのように緩和ケアに取り組んでいますか? こんな風に聞くと、「いやいや、うちは訪問診療をしてはいるけど、看取りは対応していないので」なんて声も聞こえてきそうです。もちろん、看取りを視野に入れたケアは、比較的短期間に集中的な介入やコミュニケーションが要求される、緩和ケアにおけるメジャーな分野です。でも、緩和ケアはそこだけにとどまらず、普段外来に来ている患者さんに対しても意識することで、実践できることはたくさんあります。というか、そういった時期にこそ緊急性がない分、落ち着いた取り組みができるはずです。最近は、人生の最終段階に備えて、意向を共有しておくプロセスの重要性が増しているといわれています。いわゆる「アドバンス・ケア・プランニング(ACP:Advance Care Planning)」というやつですね。ACPのような取り組みも、病状が穏やかで、切迫した意思決定が必要ないときのほうが本質的な話ができます。病状が進行してからの話し合いでは、どうしても急いで決めないといけない重要なことに目が向いてしまいます。そうなると、ACPの重要なコンセプトである「前もって」「意向や価値観の共有」という2点が損なわれ、具体的な医療行為の決定のみに走る傾向になります。ここを何とかできるのが、普段の診療をしている医療者、主に開業医の先生方なのです。ここは急性期病院に勤める私としては、うらやましい限りです。とはいえ、実際に診療で何をするかとなると、「?」となる方がほとんどだと思います。「すべての医療現場に緩和ケアを」というコンセプトには賛同できても、具体的にどのように取り組めばよいかがわからない、というのも当然です。そのあたりをこの連載で順次お話しできればと思いますが、今回はまず、「“看取り”に関わらないからといって、“緩和ケア”に関わらないわけではない」ということを、ご理解いただければと思います。ここで1つ、コツを紹介です。患者さんと病気以外のことを話している瞬間ってありますよね? 私は高齢の方を診ることが多いので、これまで経験した職業や育った地域のことなど、雑談っぽく聞いています。実はこれ、その人の物語的(ナラティブ)なエピソードを理解するという点で、緩和ケア的なアプローチなんです。こういった話をすると、「診療時は時間がないから無理」なんて声も聞こえてきそうです。決して1人で取り組む必要はないですし、看護師さんの力を借りるのも有効かもしれません。こんなふうに「緩和ケア」を広く捉えていただくことが、緩和ケアを皆さんの診療に加えていく最初の一歩になります。次回以降、物語的(ナラティブ)な対話について、具体的にどのように取り組んでいるかを紹介しながら「時間がない」問題について考えていきましょう。今回のTips

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アナモレリン、がん悪液質に新たな治療選択肢/小野薬品

 小野薬品工業は、2021年4月21日、グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)について、「悪性腫瘍(非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌)におけるがん悪液質」の効能又は効果で国内において新発売した。アナモレリンの効果はがん悪液質患者の体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加 がん悪液質は、がんに伴う体重減少(特に筋肉量の減少)や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群であり、がん患者の生活の質(QOL)や予後に顕著な影響を及ぼすことが分かってきているが、これまでに国内でがん悪液質の治療薬として承認された薬剤はなかった。 グレリンは、主に胃から分泌される内在性ペプチドである。グレリンがその受容体に結合すると、体重、筋肉量、食欲および代謝を調節する複数の経路を刺激する。アナモレリンはグレリン様作用で、がん悪液質患者における体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加効果を示している。アナモレリンの製品概要エドルミズ錠50mgの概要・製品名:エドルミズ®錠 50mg・一般名:アナモレリン塩酸塩・効能又は効果:下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質        非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌・用法及び用量:通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100 mgを1日1回、空腹時に経口投与する。・製造販売承認日:2021年1月22日・薬価基準収載日:2021年4月21日・薬価:246.40円/錠・製造販売:小野薬品工業株式会社

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日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg」【下平博士のDIノート】第72回

日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg」今回は、グレリン様作用薬「アナモレリン塩酸塩錠(商品名:エドルミズ錠50mg、製造販売元:小野薬品工業)」を紹介します。本剤は、国内初のがん悪液質の治療薬であり、食欲増進や筋肉増強、体重増加作用によって患者QOLや薬物療法の忍容性が向上することが期待されています。<効能・効果>本剤は、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質の適応で、2021年1月22日に承認され、4月21日に薬価収載されています。なお、切除不能な進行・再発の適応がん、栄養療法などで効果不十分、6ヵ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、かつ以下の(1)〜(3)のうち2つ以上を認める患者に使用することとされています。(1)疲労または倦怠感(2)全身の筋力低下(3)CRP値0.5mg/dL超、ヘモグロビン値12g/dL未満またはアルブミン値3.2g/dL未満のいずれか1つ以上食事の経口摂取が困難または消化吸収不良の患者には使用できません。<用法・用量>通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100mg(2錠)を1日1回、空腹時に経口投与します。本剤は食事の影響を受けるため、服用後1時間は食事摂取を控えます。本剤投与により体重増加または食欲改善が認められない場合は、投与開始3週後をめどに原則中止します。なお、12週間を超える本剤の投与経験はなく、体重や問診により食欲を確認するなど、定期的に投与継続の必要性を検討します。<安全性>国内第II相試験および第III相試験(ONO-7643-03、04、05試験)の安全性評価対象187例中84例(44.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、γ-GTP増加12例(6.4%)、グリコヘモグロビン増加11例(5.9%)でした(承認時)。重大な副作用として、刺激伝導系抑制(10.7%)、高血糖(4.3%)、糖尿病の悪化(4.3%)、肝機能障害(6.4%)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、がんによる食欲不振や体重減少などの症状を改善します。脳の視床下部に作用して食欲を増進させ、脳下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を高めることで筋肉がつくられ、体重が増加します。2.本剤は空腹時に服用し、服用後1時間は食事をしないでください。食後服用では効果が低下することがあります。3.服用中に検査で心電図の異常がみられた場合や、めまい、気を失う、立ちくらみ、脈が遅くなる、息切れなどが現れた場合は、すぐに主治医に相談してください。4.糖尿病の悪化や高血糖を引き起こすことがあります。体がだるい、体重が減る、喉が渇く、水を多く飲む、尿量が増えるなどの症状が現れた場合は、速やかに病院か薬局に連絡してください。<Shimo's eyes>日本初の「がん悪液質」に対する治療薬が誕生しました。がん悪液質とは、がんに伴う代謝異常により、食欲低下と骨格筋の持続的な減少を認める多因子性の症候群です。がん患者のQOLを低下させ、予後を悪化させる因子であると考えられていますが、これまで有効な治療方法は確立されていませんでした。本剤は、食欲を制御する体内ペプチドホルモンの一種であるグレリンと同様の働きをする経口低分子のグレリン様作用薬です。食欲中枢へ作用して食欲を増進させるとともに、分泌された成長ホルモンが肝臓に働くことでインスリン様成長因子-1が放出され、筋タンパク合成を促進して体重を増加させます。使用に当たってまず注意すべきは、すべてのがん種が適応ではなく、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんに限られている点です。また、がん悪液質は「前悪液質」「悪液質」「不応性悪液質」の3つのステージに分類されますが、前悪液質は本剤による治療の対象からは除外されます。本剤は、食事の影響を受けるため、服用時間の指導が重要ですが、アドヒアランスが低下しないように患者の生活リズムに合わせた服用タイミングのアドバイスを行いましょう。一方で、経口の食事摂取が困難または消化吸収不良の患者には使用できない点にも注意が必要です。服薬後のフォローアップとしては、治療開始3週後をめどに効果が認められない場合は、原則投与を中止します。患者向け資材の中に「効果と副作用のチェックシート」があるので、こちらも活用しましょう。重大な副作用として「刺激伝導系抑制」が現れる恐れがあるため、うっ血性心不全、高度の刺激伝導系障害がある患者には禁忌です。中等度以上の肝機能障害のある患者や、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾールなどを服用中の患者にも禁忌となっています。なお、警告として、「本剤はがん悪液質の診断および治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、患者またはその家族に本剤のベネフィットおよびリスクを十分説明し、理解したことを確認したうえで投与を開始すること」とされています。現時点ではがん悪液質に関する明確な基準や共通認識が確立されているとは言えないため、しっかりと患者さんの状態をフォローしましょう。参考1)PMDA 添付文書 エドルミズ錠50mg

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ニボルマブ+化学療法の肺がん術前補助療法、pCRを改善(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年4月10日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と化学療法を3サイクル投与する併用療法が、化学療法と比較して、切除可能なStage1b〜3aの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法として、病理学的完全奏効(pCR)を有意に改善したと発表。 これは、切除可能なNSCLC患者の術前補助療法として、ニボルマブ(またはイピリムマブ)と化学療法の併用を化学療法単独と比較した第III相CheckMate-816試験の結果で、米国がん学会(AACR 2021)で発表されたもの(抄録番号:#5218)。 同試験におけるpCR率は、ニボルマブと化学療法の併用療法群では24%、化学療法群では2.2%であった(OR:13.94、99% CI:3.49〜55.75、p<0.0001)。ニボルマブと化学療法の併用療法の忍容性は良好であり、PD-L1発現レベル、組織型または病期にかかわらず一貫したpCRの改善を示した。

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高齢日本人EGFR陽性肺がんを対象としたアファチニブ1次治療(NEJ027)/BMC Cancer

 肺がんは高齢者の頻度が高い。しかし、高齢者肺がんに対する研究結果は十分ではない。未治療の高齢日本人EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、アファチニブの1次治療の抗腫瘍活性と安全性を調査した多施設単群第II相NEJ027試験の結果が発表された。・対象:75歳以上の未治療の進行EGFR変異陽性(Del19またはL858R)のNSCLC・介入:アファチニブ40mg/日 疾患進行または許容できない毒性が発現するまで投与・主要評価項目:中央委員会評価による客観的奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・38例の患者がアファチニブの投与を受け、37人が有効性評価可能であった。・年齢の中央値は77.5歳、ECOG PS0〜1、60.5%がDel19陽性であった。・追跡期間中央値は838日であった。 ・ORRは75.7%(CR2例、PR26例)であった。・無増悪生存期間中央値は14.2ヵ月。全生存期間(OS)中央値は35.2ヵ月で、 2年OS率は78.3%であった。・一般的なGrade3/4の治療関連有害事象(TRAE)は、下痢(28.9%)、爪囲炎(23.7%)、発疹/ざ瘡(15.8%)であった。 ・TRAEによる減量は78.9%、TRAEによる中止は21.1%(8例)で、治療関連死は認められなかった。 この研究ではアファチニブの用量調整が比較的一般的に認められた。しかし、75歳以上のいおいても中止頻度は少なく、ほとんどの患者は1年以上治療を続けることができた、としている。

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ICIによる早期肺がんアジュバントへの期待(IMpower010)【侍オンコロジスト奮闘記】第111回

第111回:ICIによる早期肺がんアジュバントへの期待(IMpower010)参考Pivotal Phase III study shows Roche’s Tecentriq helped people with early lung cancer live longer without their disease returning早期肺がん、アテゾリズマブの補助療法が主要評価項目を達成(IMpower010)/Genentech

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「緩和ケア」について、全医療者が知っておいたほうがいい理由【非専門医のための緩和ケアTips】第1回

第1回 「緩和ケア」について、全医療者が知っておいたほうがいい理由はじめまして。飯塚病院 連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行と申します。初回なのでちょっとだけ自己紹介をしておくと、初期研修を終えた後、総合診療科で後期研修を行い、その後ずっと緩和ケアの仕事を中心に活動してきました。現在は、緩和ケア領域の診療と併せて、部門の運営や教育、学会関連の活動もしています。この原稿を書いている時点で39歳、もうすぐ医師になって15年目になろうというところです。最近でこそ、緩和ケア領域に若手の医師が増えてきましたが、私が緩和ケアの道に進んだころは、まだまだマイナーなキャリアでした。なぜこんなキャリアになったのか、というのは、いろいろなきっかけがあったのですが、それはまた機会があればお話ししましょう。さて、今回から始まったこの連載ですが、「非専門医のための緩和ケアTips」というタイトル。「緩和ケア!? うちは普通のクリニックだぞ!」と思った方も多いと思います。「高齢多死社会」なんて言葉は、きのこ農家であるうちの親でも知っている時代になりました。そうなると、当面は治癒が困難な病気と共にある方や、亡くなる方が増えていきます。つまり、社会全体の緩和ケアニーズが増えていくのですね。そんな今の時代を共に生きる皆さまからいただいた、緩和ケアに関連する質問に対し、明日の臨床に役立つ「緩和ケアTips」を提供していけたらと思います。今日の質問緩和ケアって終末期のがん患者へのケアですよね? そういう患者は緩和ケア病棟に紹介すればよいのではないでしょうか? 当院は入院病床を持っていないので、緩和ケアの実践は難しいと思います…。確かに、日本の緩和ケアの制度は、診療報酬上の対象を「悪性疾患」として整備されてきた経緯があります。そのため、がん拠点病院を中心として緩和ケアの提供体制が整備された背景があるのです。しかし、時代は変わり、これからは医療者であれば誰もが基本的な緩和ケアを提供する必要があります。なぜならば、がん以外の疾患も含め、緩和ケアをしっかり提供していきましょう、という世の中になるからです。そうなると、かかりつけ医機能や訪問診療に取り組んだり、診療所でも緩和ケアに取り組んだりしなければなりません。緩和ケアは、緩和ケア病棟でのみ提供されるものではないのです!それでは、どうすればいいのでしょう?「現状でさえ忙しいのに、何か新しいことを取り組むなんて、とても無理!」なんて声も聞こえてきそうです。もしかしたら、「緩和ケアって患者の話を1時間とか聞くやつでしょ? 外来の合間にやるなんてとても無理ですよ」なんて感じている方もいるかもしれません。そうなんです、緩和ケアの大切さを100回唱えるだけでは何も解決はせず、医療現場でどうやって緩和ケアを実践するか、というところに目を向け、試行錯誤することが重要なのです。だって、われわれが診療する現場は、必ずしも緩和ケアを実践しやすい環境ばかりではないはずです。それでも、「必要な方に緩和ケアを提供していく、気軽に活用できるコツを共有したい!」、そんなテーマで書きつづっていくつもりです。残念ながら、「日本中どこでも通用する、共通した緩和ケアの提供モデル」なんて、すてきなものがあるわけではありません。それぞれの状況に最適化された提供モデルを、考え続けることが大切なのだと思います。私自身がもがいてきたこと、そして現在も取り組んでいる中で見えてきたことを順次お伝えしていけたらと思っています。それでは、今後ともよろしくお願いします。今回のTips

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オマリズマブ、免疫チェックポイント阻害薬および抗HER2薬のそう痒症を改善/Ann Oncol

 IgE阻害薬オマリズマブ(商品名:ゾレア)はアトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのそう痒症に有効である。がん領域におけるそう痒関連皮膚有害事象(paCAE)は、免疫チェックポイント阻害薬や抗HER2薬で多くみられる。これらの薬剤による難治性paCAEを伴うがん患者に対してオマリズマブを評価する多施設後ろ向き研究の結果が発表された。・対象:免疫チェックポイント阻害薬または抗HER2薬によるGrade2〜3の掻痒を有し、局所ステロイドと1つ以上の全身療法に抵抗性の患者・介入:オマリズマブを月1回投与・主要評価項目:paCAEのGrade0〜1への改善 主な結果は以下のとおり。・34例(女性50%、年齢中央値67.5歳)、がん治療関連paCAE(免疫チェックポイント阻害薬71%、抗HER2薬29%)に対するオマリズマブ投与を受けた。・対象は、すべて固形腫瘍(乳房29%、泌尿生殖器29%、肺15%、その他26%)で、64%に蕁麻疹が認められた。 ・オマリズマブの奏効は34例中28例(82%)に認められた。 ・paCAEの支持療法として経口コルチコステロイドを投与された患者の割合は、50%から9%に減少した(P

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オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI【肺がんインタビュー】 第62回

第62回 オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI出演:Karmanos Cancer Institute Department of Oncology 長阪 美沙子氏EGFR変異陽性非小細胞肺がんにおいて、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブは、すでに1次治療のスタンダードであるが、実はそれ以外にも多くの第3世代EGFR-TKIが開発中である。昨年(2020年)末のJournal of Thoracic Oncology誌に同薬のレビューを発表した米国Karmanos Cancer Instituteの長阪 美沙子氏に解説いただいた。参考Nagasaka M, et al. Beyond osimertinib: The development of 3 rd-generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitors. J Thorac Oncol. 2020 Dec 15

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がん関連3学会、がん患者への新型コロナワクチン接種のQ&A公開

 2021年3月29日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A―患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版―」を公開した。昨年に公開された新型コロナとがん診療に関するQ&Aに付随した「ワクチン版」となる。 「Q1:がん患者はワクチンを受けた方がよいのですか」 「A:前向きに検討しましょう。ベネフィットとリスクを理解し、主治医の先生と相談して判断することが大切です」 ワクチン開発段階の臨床試験では、がん患者が対象に組み入れられることは少なかったが、世界各国で接種が進み、がん患者に関するエビデンスが集まりつつある現状を紹介。現状国内で承認された唯一のワクチンであるファイザー製のワクチン(BNT162b2)について、「イスラエルで実際に多くの人にBNT162b2が接種され、60万人と非接種者60万人と比較し報告されていますが、両群にはがん患者さんが2%、約12,000人が含まれています1)。全体として90%以上の発症予防効果示され、併存疾患に関する検討では、がん患者さんだけのデータは示されていませんが、3つ以上の併存疾患を有する場合の予防効果は86~89%でありその差はごくわずかです」と解説している。 「COVID-19ワクチンには予防効果というベネフィットと様々な副反応が生じるかもしれないというリスクがあります。がん患者さんのワクチン接種のベネフィットとして、発症や重症化の予防、検査やがん治療を遅滞なくより安全に進められることがあります」としたうえで、「がん患者さんにおける副反応についての調査や報告はありませんが、がん患者さんにおける重症化の可能性を考慮すると、ベネフィットがリスクを上回ると思われ接種が推奨されます。がん患者さん一人一人がそのベネフィットとリスクを正しく理解して、主治医の先生と相談して、接種するかどうかを自分で判断することが必要です」としている。 その他、放射線や薬物など治療ごとに考慮すべき点や、接種後の注意点などがまとめられている。

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2番目のKRAS G12C阻害薬adagrasib、非小細胞肺がんに有益性示す(KRYSTAL-1)/ELCC2021

 2つ目となるKRAS G12C阻害薬adagrasibの進行非小細胞肺がん(NSCLC)における試結果が、2021年3月25日、欧州肺癌学会(ELCC VIrtual2021)で発表された。  KRYSTAL-1は、KRAS G12C変異陽性の進行または転移のあるNSCLC79例を対象に、adagrasibを評価したマルチコホート第I/II相試験。 結果、患者の92%が化学療法およびPD-(L)1阻害薬の治療歴を有していた。有効性評価対象51例の45%がadagrasib治療により部分奏効(PR)を示し、26例(51%)が安定(SD)となった。 この試験結果は、もう1つのKRAS G12C阻害薬sortorasibの本年(2021年)世界肺がん学会での結果に匹敵するものだとしている。

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早期肺がん、アテゾリズマブの補助療法が主要評価項目を達成(IMpower010)/Genentech

 RocheグループのGenentechは、2021年3月21日、アテゾリズマブをベストサポーティブケア(BSC)と比較する第III相IMpower010試験の中間分析において、主要評価項目の無病生存期間(DFS)を達成したと発表。 IMpower010は、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、外科的切除とシスプラチンベースの補助療法(最大4サイクル)後のアジュバントにおけるアテゾリズマブの有効性と安全性をBSCと比較した国際第III非盲検試験。無作為割り付けは1,005例が対象となった。主要評価項目は、PD-L1陽性のStage II~IIIA、無作為化集団のStage II~IIIA、ITT集団のStage II~IIIAにおける、治験担当医判定のDFS。主な副次評価項目は、全体集団、ITT集団のStage IB~IIIAの全生存期間など。 この試験で、アテゾリズマブは手術および化学療法後の補助療法として、Stage II~IIIAのNSCLCにおいて統計学的に有意なDFSの改善を示した。DFSの改善は、PD-L1陽性集団で顕著であった。 Genentechは、IMpower010試験の結果を、今後の医学学会で発表し、米国食品医薬品局や欧州医薬品庁など世界の保健当局に提出するとしている。

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ニボルマブ+イピリムマブの肺がん術前治療、主要評価項目を達成(NEOSTAR)/Nat Med

 手術可能NSCLC患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブによる術前治療の有効性と安全性を評価する第II相NEOSTAR試験の追跡結果がNature Medicine誌に掲載された。・対象:切除可能Stage I~IIIA 非小細胞肺がん(Single N2)・arm A:ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(NI群)・arm B:ニボルマブ3mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(N群)・評価項目:[主要評価項目]N群とNI群のMPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下)[副次評価項目]毒性、周術期罹患率/死亡率、奏効率(ORR)、無再発生存期間、全生存期間など 主な結果は以下のとおり。・NI群のMPR率は38%(8/21例)で、事前に指定された主要評価項(21例中6例のMPR)を達成した。・NI群のMPR率は22%(5/23例)であった。・切除を行った37例におけるMPR率は、NI群50%(8/16例)、N群24%(5/21例)であった。・NI群ではN群に比較べ、高い病理学的完全奏効率を示し(10%対38%)、生存しうる腫瘍細胞(viable tumor)も少なかった(50%対9%)。・腸内ルミノコッカス属とアッケルマンシア属の増加が併用療法のMPRと関連していた。

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