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主治医と連携した、抗がん剤治療の中止【非専門医のための緩和ケアTips】第131回

主治医と連携した、抗がん剤治療の中止進行がんの診療をしていると、必ず遭遇する難しい状況があります。それが「がん治療を中止・終了する場面」です。皆さんは経験があるでしょうか?今日の質問基幹病院と2人主治医制で担当する進行がんの患者がいます。病状が徐々に進行し、通院も難しくなりそうで、抗がん剤治療の中止を話し合う必要がありそうです。患者はがん治療の主治医を信頼しているようですが、抗がん剤治療についてどのような話をしているかはわかりません。このような場合、どう対応するとよいでしょうか?「抗がん剤治療の中止」は、患者が強いつらさを感じることの多い場面であり、医療者としては丁寧に対応したいものです。最初に、一般論として、こうした場面で必要なことを考えてみましょう。患者によっては、「抗がん剤を中止するということは、自分の命を諦めることだ。医師からも見捨てられたのだ」と捉えることがあります。病状の進行などにより、抗がん剤治療を継続するデメリットがメリットを上回る状況では、治療中止は本人にとって良い面もあるはずですが、それは医療者側の発想でしょう。一方、「中止を提案すると患者を傷つけるから、継続する」というのも良い状況とは言えないでしょう。病状が進行するなかで無益な治療を継続し、将来への備えをする機会が失われる、というのはよく見る光景です。誤解のないよう補足すると、そうした状況を否定しているわけでもありません。さまざまな背景があるなかで、本人、家族、医療者が選択した結果について、当事者以外が批評的に見ることはできないと感じます。そのうえで今回の質問のような状況であれば、私が在宅医療の医師の立場だったら取り組むことが2つあります。1つは、患者に「抗がん剤治療と自身の病状について、今、どのように捉えていますか」と尋ねることです。「抗がん剤治療の中止」という重要な話を「誰から聞くか」という点は重要です。今回であれば、がん治療医から話してもらうことが一般的かと思います。患者はがん治療医と関係を築いてきたでしょうが、そのためにかえって尋ねにくいことがあるかもしれません。もう1人の主治医の立場から、今後についての不安やどのようなサポートを求めているかを探ってみます。もう1つは、患者から了承を得たうえで、患者の考えや意向をがん治療医と共有します。基幹病院の外来は多忙で、診療時間も限られることが多いでしょう。もう1人の医師の立場から患者の考えや意向を確認し、それをがん治療医と共有することで、役割分担しながら「抗がん剤治療の中止」という大切な話し合いを支えます。医師同士が直接やり取りできれば理想ですが、タイミングが合わないことも多いので、外来看護師に伝える、診療情報提供書を作成するなどの工夫も必要でしょう。緩和ケアを実践するうえでは、がん患者にとって重要な場面に必ず直面することになります。すべてに自分で取り組むことは難しいですが、関係者と協力しながら、患者と家族を支援できればと思います。今日のTips今日のTips「抗がん剤治療の中止」はがん治療における大切な局面。関係者間で連携しながら取り組みましょう。

2.

新規汎RAS阻害薬daraxonrasib、NSCLCへの有用性は?/NEJM

 プラチナ製剤併用化学療法および抗PD-1/PD-L1抗体で病勢進行が認められたRAS変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者は、治療選択肢が限られている。また、RAS遺伝子ファミリー(KRAS、HRAS、NRASを含む)の変異は、NSCLCにおいて最も頻度の高いがんドライバー遺伝子で、NSCLC患者の約30%に認められる。しかし、その大部分には承認された標的治療薬が存在しない。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのKathryn C. Arbour氏らRMC-6236-001 Investigatorsは、第I/II相用量設定試験「RMC-6236-001試験」において、RAS変異を有する固形腫瘍患者に対する経口RAS(ON)マルチ選択的阻害薬daraxonrasib(RMC-6236)の安全性と有効性を評価した。daraxonrasibは、変異型・野生型を問わず、活性型のGTP結合RASタンパク質を標的とする薬剤である。daraxonrasib 300mg以下を投与された既治療RAS変異NSCLC患者において、Grade3以上の有害事象の発現率は54%であり、奏効率(ORR)は30%超であった。NEJM誌2026年9月3日号掲載の報告。第I/II相試験、1日1回10~400mg用量で21日を1サイクルとして経口投与 第I/II相のRMC-6236-001試験は多施設共同試験として、非盲検下にて2つのパート(用量漸増と用量拡大)で構成された。 研究グループは、18歳以上の既治療進行RAS変異NSCLC患者を登録し、daraxonrasibを1日1回10~400mgの用量で、21日を1サイクルとして経口投与した。 主要評価項目は安全性とし、副次評価項目は治験担当医師評価によるORR(RECIST ver1.1に基づく完全奏効または部分奏効)、奏効期間などとした。第III相試験では200mgを選択 2025年7月21日のデータカットオフ時点で、136例の被験者が300mg以下の用量でdaraxonrasibによる治療を受け(120mg以下群26例、160~220mg群59例、300mg群51例)、安全性と有効性が評価された。 300mg以下群において、試験治療下における有害事象は99%の患者で報告され、主な有害事象(30%以上に発現)は発疹、下痢、悪心、嘔吐、口内炎であった。 Grade3以上の有害事象は、73例(54%)で報告され、そのうち発現頻度が5%以上の有害事象は肺炎(10%)、下痢(9%)、発疹(8%)、貧血(5%)であった。Grade5の有害事象は4例に発現した(160~220mg群で呼吸困難、肺炎、心筋梗塞、300mg群で末梢血管障害)。ただし、いずれも治療関連とは判断されなかった。 ORRは、120mg以下群で31%、160~220mg群で34%、300mg群で37%であった。 著者らは、「本試験結果を踏まえて、進行NSCLC患者におけるdaraxonrasib単独療法の第III相試験では、200mgが選択された」と報告している。

3.

肺がんにおけるADCの肺関連有害事象の発現率~メタ解析/JTO

 抗体薬物複合体(ADC)は、小細胞肺がん(SCLC)および非小細胞肺がん(NSCLC)に対する使用が増えている。一方で、臨床的に重要な肺関連有害事象(肺AE)が報告されているものの、肺がん領域における発現頻度や毒性プロファイルは十分にわかっていない。今回、米国・Icahn School of Medicine at Mount SinaiのRodrigo Paredes de la Fuente氏らが、SCLCまたはNSCLC患者に対するADC治療に伴う肺AEの発現頻度と重症度を系統的レビューおよびメタ解析で検討したところ、全Gradeの肺AEが約3割、肺臓炎/間質性肺疾患(ILD)は8%に認められた。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2026年8月31日号に掲載。 本研究は、PRISMAに基づく系統的レビューおよびメタ解析で、MEDLINE(Ovid)、Embase(Ovid)、Cochrane CENTRALを用い、2025年1月2日までに発表された研究を検索した。適格研究は、SCLCまたはNSCLC患者を対象にADCを評価した無作為化比較試験および前向き単群試験とした。主要評価項目は、ランダム効果モデルを用いた肺AEの統合発現率であり、肺AEの重症度、肺臓炎/ILD、肺毒性による治療中止、肺AE関連死亡、腫瘍サブタイプ別の差などを評価した。 主な結果は以下のとおり。・組み入れられた研究は24件で、対象患者は4,048例であった。そのうち、ADC治療を受けた患者は2,855例であった。・肺AEの統合発現率は、全Gradeで30.9%(95%信頼区間:21.5~42.3)、Grade3以上では6.9%(同:4.6~10.3)であった。・肺臓炎/ILDの発現率は全体で8.0%であり、Grade3以上は2.8%であった。・肺毒性による治療中止は6.2%、肺AE関連死亡率は1.96%であった。・全Gradeの肺AEは、SCLC(52.1%)がNSCLC(22.5%)より高頻度であった(p=0.005)。・一方、肺臓炎はNSCLC(12.1%)でSCLC(2.8%)より高頻度であった(p<0.001)。 著者らはこの結果について、「ADC治療を受ける肺がん患者では肺AEが高頻度にみられ、臨床的に意味のある毒性である。肺臓炎/ILDはとくに対応が必要な毒性であり、そのリスクは腫瘍サブタイプと薬剤特性に左右される」とまとめた。

4.

胃がん手術、低CXIは予後不良・再発リスクと関連

 「がん悪液質」は、筋肉量の減少や低栄養、全身性炎症などを特徴とし、患者の予後に影響を及ぼすことが知られている。今回、これらを統合的に評価するCachexia Index(CXI)が、胃がん手術患者の予後や再発リスクを予測する指標として有用である可能性が示された。研究は、東京大学医学部附属病院胃食道外科の小島晴樹氏、菅原弘太郎氏らによるもので、詳細は7月13日付の「Surgery Today」に掲載された。 胃がんの予後は病期が最も重要な決定因子とされる一方、患者の全身状態も術後の生存に影響することが知られている。そのため、近年では、がん悪液質を総合的に評価する指標であるCXIが注目されている。肺がんや胆管がん、肝細胞がんでは、CXI低値が予後不良と関連することが報告されている。一方、胃がんではCXIの有用性を示唆する報告はあるものの、病期別の予後や再発パターンとの関連については十分に検討されていなかった。そこで著者らは、胃がん手術患者を対象に、CXIと術後の全生存期間、無病生存期間、再発パターンとの関連を検討した。 著者らは、東京大学医学部附属病院で胃がんの根治切除を受けた1,166人を対象に後ろ向き解析を実施した。術前CT画像から評価した骨格筋量や血清アルブミン値、好中球リンパ球比を基にCXIを算出し、男女別の下位4分の1を低CXI群、それ以外を高CXI群に分類した。約7年間の追跡データを用いて、全生存期間、無病生存期間、再発パターンとの関連を検討した。 生存者の追跡期間中央値は83.9カ月だった。低CXI群は高CXI群と比べて年齢中央値が高く(70歳 vs. 65歳)、併存疾患を有する患者や進行病期の患者の割合も高かった。また、術後合併症の発生率も低CXI群で高かった(25.7% vs. 20.5%、P=0.04)。 5年生存率は、低CXI群で63.4%と、高CXI群の78.5%を有意に下回った(P<0.001)。この傾向は病期I~IIIのいずれでも認められ、低CXI群では一貫して予後が不良だった。また、5年無病生存率も低CXI群で61.0%と、高CXI群の76.7%より有意に低かった(P<0.001)。 さらに、再発リスクが低い病期Iを除いた病期II/IIIの患者では、低CXI群で再発率が高かった(35.4% vs. 24.9%、P=0.023)。特に、血行性再発(血流を介した遠隔転移)は低CXI群で13.6%と、高CXI群の6.9%より有意に多かった(P=0.026)。一方、局所再発、リンパ節再発、腹膜再発の発生率には有意差は認められなかった。 多変量解析では、低CXIは全生存期間の独立した予後不良因子であり(ハザード比〔HR〕1.58、95%信頼区間〔CI〕1.20~2.07、P<0.001)、無病生存期間についても独立した予後不良因子であることが示された(HR 1.60、95%CI 1.24~2.07、P<0.001)。 著者らは、CXIは胃がん手術患者の予後を予測する簡便な指標となる可能性があると指摘。CXIは筋肉量や栄養状態、炎症状態を反映することで、患者の身体的脆弱性と腫瘍の悪性度の双方を捉えている可能性があるとした。また、術前にCXIを評価することで、術後合併症や再発リスクが高い患者を特定し、栄養療法やリハビリテーションなどの介入につなげられる可能性があるとしている。 なお、本研究の限界として、単施設の後ろ向き研究であることに加え、CXIの最適なカットオフ値がまだ確立されていない点を挙げている。著者らは、今後は他施設での検証に加え、低CXI患者に対する栄養介入やリハビリテーションなどの有用性を検討する研究が必要だとしている。

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制吐目的のオランザピン、糖尿病患者にも厳格管理下で投与可能へ/日本癌治療学会

 2026年8月25日、日本癌治療学会制吐薬適正使用ガイドライン改訂ワーキンググループ(以下、WG)は、「制吐目的としてのオランザピン投与時の血糖管理」について、ガイドライン速報版として公開した。同日に厚生労働省から添付文書の改訂指示が発出され、経口薬のオランザピンについては、警告が新設されると同時に禁忌の項が改訂された。 同ワーキンググループの安部 正和氏(浜松医科大学医学部産婦人科)は、本公表に至る経緯や臨床現場への期待について、以下のように本稿へコメントを寄せている。  「私と国立がん研究センター中央病院薬剤部の橋本 浩伸先生、矢内 貴子先生が中心となってシスプラチンレジメンを対象に行ったJ-FORCE試験、乳がんのAC療法を対象に日本で行われたJTOP-B試験、米国で行われたALLIANCE試験の3試験によって、オランザピンを含む4剤併用療法は、日本・米国・欧州のガイドラインにて、高度催吐性化学療法に対する標準制吐療法になりました。これまで日本でのみ糖尿病患者への投与が禁忌であったことから、国内の糖尿病患者さんだけがオランザピンを含む制吐療法を受けることができませんでした。  この臨床課題について、私と橋本先生は2年前に、日本がんサポーティブケア学会のCINV部会のミッションとしてオランザピンの糖尿病患者への投与禁忌解除を掲げ、活動を開始しました。CINV部会および制吐薬適正使用ガイドラインの関係者からの協力もいただき、オランザピンの治験データ、国内で行われたオランザピン5mgを含む制吐療法を検証した第III相試験の血糖値データ、オランザピンを使用した国内外のランダム化比較試験の文献、海外のオランザピンの添付文書、教科書的記載などを調査し、厚生労働省医薬局医薬安全対策課と医薬品医療機器総合機構(PMDA)の方と安全な使用条件について検討を重ね、ようやく今回の添付文書に至りました。  抗がん剤に伴う悪心・嘔吐は患者さんがつらいだけではなく、コントロールが悪いと生命予後が短くなることが示されています。日本の糖尿病患者さんの制吐療法においてオランザピンが使用できることになったことは非常に喜ばしいことである一方で、安全に使用できることが非常に重要です。がん治療に関わる医療者の皆さまにおかれましては、WGが発出したガイドライン速報版の内容を十分確認の上、安全かつ適正な使用をお願いいたします」添付文書の改訂点【警告】<抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)>糖尿病又はその既往のある患者へ本剤を投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は投与しないこと。また、本剤投与前及び投与期間中は、毎日頻回に血糖値のモニタリングの管理を行い、本剤投与後も血糖値が安定するまではモニタリングを継続するなど患者の状態を継続的に観察するとともに、投与期間を通じて、緊急時に十分に対応できる体制を整えた上で投与すること。【禁忌】糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者↓<統合失調症、双極性障害における躁症状及びうつ症状の改善>糖尿病の患者、糖尿病の既往歴のある患者厳格な血糖管理と入院管理の徹底 今回示された臨床管理の主なポイントは以下のとおり。・入院治療の適応:糖尿病またはその既往のある患者に制吐目的でオランザピンを投与する場合、血糖コントロールが安定していることを確認のうえ、入院管理で化学療法を行う。外来治療が可能な化学療法(AC療法や中等度催吐性化学療法など)であっても、高度催吐性リスクであるシスプラチンを含む化学療法と同様に入院管理で実施する。・事前コンサルト:化学療法前の検査で糖尿病が判明した場合や血糖コントロール不良例では、あらかじめ内分泌内科・糖尿病内科へコンサルトを行い、十分なコントロールを得た上で治療を開始する。・血糖管理:日常臨床で行われているスライディングスケール(毎食前±眠前の1日3〜4回の血糖測定)を用いた厳格な血糖管理を行う。・入院(投与)期間と退院基準:標準制吐療法のオランザピン投与日数(1〜4日目の4日間)を遵守し、追加投与が必要な場合も入院管理を継続して必要最低限にとどめる。オランザピンおよび併用するデキサメタゾンの投与期間・投与量に留意し、食前血糖値200mg/dL未満など血糖値が安定した状態を確認して退院を計画する。・退院後の外来管理・緊急対応:自己血糖測定(SMBG)患者での食前血糖値200mg/dL以上の継続・300mg/dL以上の高血糖時、SMBGが保険診療上できない患者での口渇・多尿・倦怠感などの発現時には、夜間・休日を問わず受診している医療機関に連絡・受診するよう指導を徹底する。カルテへの明確な記載や院内マニュアルを整備し、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の安全管理体制と同様に、多科・多職種による安全管理体制の構築を推奨する。禁忌解除の要望が実現 多元受容体拮抗薬(MARTA)で非定型抗精神病薬のオランザピンは、発売開始後の公知申請によって、2017年に抗悪性腫瘍剤(シスプラチンなど)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)に対する効果的な制吐薬として承認されている。また、2023年10月に改訂された『制吐薬適正使用ガイドライン第3版』では急性期・遅発期ともに有効な新たな制吐薬として使用可能になった点などが反映されたことで、現在では臨床で広く浸透している。その一方で、重大な副作用として著しい血糖値の上昇や糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等が報告されていたことから、「糖尿病またはその既往のある患者には投与禁忌」とされ、糖尿病歴のある患者が化学療法を行う際に、制吐対策が限定される状況であった。しかし、これまで報告されている本薬の有効性を検証した臨床試験において、「重篤な高血糖関連事象は報告されていない」「本薬を含む4剤併用の制吐療法は、国内外のガイドラインにおいて高度催吐性リスクの化学療法に対する標準制吐療法になっているが、本邦のみ本薬が糖尿病患者に対して禁忌」であることを踏まえ、WGにより禁忌解除の要望書を2026年4月9日付けで厚生労働省に提出。医薬品医療機器総合機構(PMDA)の評価でも支持を受け、今回、「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」の効能に対しては、禁忌を解除し、慎重投与可能と判断されるに至った。 今回の速報版は、ガイドライン上の既存の推奨内容を変更するものではないが、糖尿病またはその既往のある患者であっても、適切な厳格管理体制を整えることでオランザピンを制吐目的で安全に投与・活用できるようにするための具体的な管理手順および留意点を取りまとめたものである。薬物動態と臨床試験データ さらに速報版では、制吐目的での短期投与に関する薬理学的データや臨床試験成績も提示されている。オランザピンの半減期は約33時間であり、定常状態に達するには約1週間(約163時間)を要するため、標準的な4〜6日間の連続投与時点では血中濃度が上がり切っていない状態にある。また、日本国内で実施された各種ランダム化比較試験(J-FORCE試験、JTOP-B試験、肺がんカルボプラチン試験など)のデータにおいて、制吐薬としてオランザピンを短期間併用した群と対照群との間で、Grade3〜4の重篤な高血糖発現率に大きな差は認められていない。 制吐目的での短期投与における高血糖関連有害事象のエビデンスがまだ十分に集積されていない現状を踏まえ、本速報版では臨床現場でより安全にオランザピンを使用するための慎重なリスク管理体制が提示された形だ。

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TP53変異を伴うEGFR陽性NSCLC、オシメルチニブ+化学療法が有効(TOP)/JAMA

 上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に有望な治療法として併用療法が注目されているが、最も大きな恩恵を受ける可能性が高い患者の特定が未解決の臨床的課題とされる。中国・Guangdong Provincial Clinical Research Center for CancerのTing Zhou氏らは、TP53遺伝子変異を伴うEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者の1次治療では、オシメルチニブと化学療法の併用療法はオシメルチニブ単独と比較して、無増悪生存期間(PFS)を有意に延長し、Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)の頻度が高いものの新たな安全性シグナルは認められないことを示した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年8月10日号に掲載された。中国の無作為化第III相試験 本研究は、中国の17施設で実施した非盲検無作為化第III相試験であり、2021年3月~2024年7月に、年齢18歳以上、EGFR遺伝子の感受性変異(Ex19delまたはL858R変異)とともにTP53遺伝子変異を有する未治療のStageIVまたは再発の非扁平上皮NSCLC患者を登録した(AstraZenecaの助成を受けた)。 被験者294例(年齢中央値57歳[範囲:26~79]、女性159例[54.1%])を、オシメルチニブ+化学療法(ペメトレキセド-カルボプラチン療法を4サイクル[1サイクル3週間])を施行後に維持療法としてオシメルチニブ+ペメトレキセドの投与を受ける群(146例)、またはオシメルチニブのみの投与を受ける群(148例)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、試験担当医師判定によるPFSであった。副次評価項目は、全生存期間(OS)、奏効期間、安全性およびQOLなどであった。PFSは34.0ヵ月vs.15.6ヵ月、奏効期間は約2倍に ベースラインにおいて全体の48.6%が脳転移を有していた。データカットオフ日(2025年11月11日)の時点で、追跡期間中央値は化学療法併用群が25.1ヵ月、オシメルチニブ単独群は26.1ヵ月だった。 PFS中央値は、化学療法併用群34.0ヵ月、オシメルチニブ単独群15.6ヵ月であった(群間差:18.4ヵ月[95%信頼区間[CI]:9.9~22.3]、ハザード比[HR]:0.44[95%CI:0.32~0.60]、p<0.001)。 化学療法併用群におけるPFSの有益性は、脳転移を有する患者やL858R変異を有する患者を含む事前に規定されたサブグループ全体で一貫して認められた。 OSのデータは十分でなかった(データ成熟度30.6%)が、化学療法併用群で有益性が高い傾向がみられた(OS中央値:化学療法併用群48.4ヵ月[95%CI:42.7~評価不能]vs.オシメルチニブ単独群36.5ヵ月[95%CI:28.1~評価不能]、HR:0.57[95%CI:0.38~0.88])。 奏効率は、化学療法併用群が82.9%(すべて部分奏効)、オシメルチニブ単独群は71.6%(同)であった。また、奏効期間中央値は、化学療法併用群がオシメルチニブ単独群の約2倍だった(32.7ヵ月vs.15.3ヵ月)。病勢コントロール率は両群で同程度だった(91.8%vs.84.5%)。Grade3以上のTRAEは併用群で高い、新たな安全性シグナルはなし Grade3以上のTRAEの発生率は化学療法併用群で高かった(62.4%vs.14.9%)。なかでも、好中球数減少(38.3%vs.4.1%)、白血球数減少(24.1%vs.0%)、血小板数減少(23.4%vs.0%)、貧血(9.2%vs.0.7%)の頻度が高かった。 重篤なTRAEの頻度も化学療法併用群で高かった(10.6%vs.1.4%)。化学療法併用群の1例が、肺出血に至った治療関連の重度の血小板減少で死亡した。また、とくに注目すべき有害事象として、間質性肺疾患または肺臓炎が化学療法併用群の7例(5.0%)、オシメルチニブ単独群の10例(6.8%)に、心不全がそれぞれ3例(2.1%)、1例(0.7%)に発現した。 化学療法併用群では、TRAEによる試験薬の中断が58例(41.1%)、減量が28例(19.9%)、中止が37例(26.2%)で発生し、オシメルチニブの中断は44例(31.2%)、減量は1例(0.7%)、中止は4例(2.8%)でみられた。オシメルチニブ単独群では、それぞれ13例(8.8%)、0%、2例(1.4%)であった。また、新たな安全性シグナルは確認されなかった。 著者は、「これらの知見は、EGFR変異を有する進行NSCLCに対する、分子リスクに基づく併用療法による個別化治療戦略を支持する重要なエビデンスをもたらす」としている。

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「Frailだから無理」と諦めない高齢者の放射線治療~がん腫・病期×全身状態でみつける、最適アプローチ【高齢者がん治療 虎の巻】第12回

講師紹介<今回のPoint>有害事象の発生や重症度は、照射部位、照射法、照射野の大きさに依存する高齢者では、放射線治療による有害事象の発生頻度、重症度が高くなる可能性がある線量集中性の高い強度変調放射線治療(IMRT)や定位照射などの高精度放射線治療は、高齢者に対しても有用である放射線治療施行の絶対条件は、照射体位を15分以上保持できることである(照射法により異なる)放射線治療の目的および照射法放射線治療の目的は、根治から緩和まで多岐にわたります。一般的に緩和照射で必要となる線量は根治照射よりも低く、有害事象も軽微なことが多いです(図1)。(図1)放射線治療の目的画像を拡大する従来は、三次元のCT情報に基づき多方向から照射する「三次元原体照射(3DCRT、図2a)」が主に行われていました。しかし、一方向からのビームに強弱をつけられないため、病巣周囲の正常臓器に対する線量低減には限界がありました。一方、強度を変調した線束を用いて多方向から集光的に照射する「強度変調放射線治療(IMRT、図2b)」では、病巣への線量を担保しつつ正常臓器への線量を低減可能です。また「定位照射(図2c)」は、小さな領域に対し細いビームを用いてピンポイントに集中的な照射を行うため、高い局所制御率と低い有害事象頻度が得られます。IMRTや定位照射は「高精度放射線治療」に分類され臨床的な有用性が認められていますが、3DCRT(照射時間:約10~20分)と比較して厳密な位置精度が求められるため、照射時間が長くなる点に注意が必要です(IMRT:約20~30分、定位照射:約30分~1時間)。(図2)照射法画像を拡大する放射線治療を施行する上での絶対条件放射線治療室は漏洩防止のため、迷路構造(図3a)や厚い金属扉(図3b)で遮蔽されており、照射時には寝台が1.0~1.5mの高さまで上昇します(図3c)。そのため、モニターなどで患者の異変や危険を察知してからスタッフが駆け付けるまでに数十秒を要し、万が一の転落時には重症化リスクが高まります。したがって、放射線治療を安全に施行するための絶対条件は「寝台上で一定時間の安静を保持できること」です(基本的には安定性の高い仰臥位で照射しますが、有害事象対策や疼痛・呼吸苦などに配慮してほかの体位を選択することもあります)。(図3)放射線治療室の構造画像を拡大する高齢がん患者における放射線治療の適応標準治療は主に健常成人を対象に確立されています。これまでさまざまながん腫における(化学)放射線治療の有効性を検証した臨床試験のサブグループ解析では、「若年者と比べ高齢者で生存効果が劣る」とする報告1,2)と「同等である」とする報告3,4)があり、一貫した見解は得られていません。そのため、高齢患者に対して標準治療を選択すべきか否かは、個々の症例に応じた検討が必要です。放射線治療の有害事象は、照射部位・照射野の広さ・総線量に依存しますが、糖尿病や動脈硬化、感染症などの併存疾患が存在すると、発生頻度の上昇や重症化を招くおそれがあります5,6)。加えて高齢がん患者では、健常成人と比べ、有害事象の(1)発生頻度が高まる、(2)重症化しやすいという特徴があります。したがって、標準治療に伴うリスクを患者ごとに想定した上で、忍容性を判断しなければなりません。たとえば、直腸がんに対する術前化学放射線療法を検証した臨床試験において、70歳以上の高齢者では若年者と比較して、治療の中断率(4.2% vs.1.4%、p=0.03)およびGrade3~4の非血液毒性発生率(21.1% vs.13.6%、p=0.03)が有意に高く、手術施行率も有意に低い結果でした(95.8% vs.99.0%、p=0.008)7)。また、本邦の多施設試験においても、患者背景から治療強度の減弱を選択した症例の89%で併用化学療法の変更(減量・中止)がなされており、放射線治療の変更(照射野縮小や線量低減など)は少数であったものの、予定された放射線治療自体の完遂率は98%と良好でした8)。一般に放射線治療単独と比べ、化学放射線療法では有害事象が発生しやすくなるため、化学療法を併用することのベネフィットとリスクのバランスを見極めることが重要です。高齢がん患者に対する放射線治療の実際線量集中性に優れた定位照射や粒子線治療について、高齢がん患者に対する有効性を後方視的に検討した報告では、良好な成績が示されています。原発性肺・肝がんを有する高齢者への定位照射では、9割程度の局所制御率を得ながら、Grade3以上の有害事象は0~4.7%程度と報告されており、高い有効性と安全性が示されています9-11)。また転移性脳腫瘍患者を対象に「全脳照射+定位照射」と「定位照射単独」を比較した臨床試験では、全生存に有意差はないものの定位照射単独群のほうが照射3ヵ月後の認知機能低下が有意に少なく、年齢層別解析でも一貫した結果が得られました12)。同様に、高齢の肝細胞がん・食道がん・原発性肺がんに対する粒子線治療でも、低い有害事象頻度と高い局所制御率が報告されています13-15)。さらに後方視的解析ではありますが、高齢膀胱がんに対する根治的放射線治療において3DCRTとIMRTを比較した結果、照射法による全生存や局所再発に有意差はないもののIMRT群で急性期有害事象が有意に減少しました(22% vs.2%、p=0.02)16)。高齢がん患者において3DCRTとIMRTを直接比較したランダム化比較試験は限られているものの、「有害事象が発生しやすく重症化しやすい」という高齢者の特性を踏まえると、正常組織への影響を低減できる高精度放射線治療の有用性は若年者と同様に高いと考えられます。高齢がん患者の治療選択においては、照射時間中の安静保持を含めた忍容性や、選択する治療法の損益など、多角的な視点からアプローチを検討することが望まれます。最後に脆弱性を有する高齢がん患者において、重篤な有害事象の発生により、治療効果が打ち消される治療法の選択は回避しなければなりません。しかし、放射線治療の目的は緩和から根治までと幅が広く、患者への負担および有害事象の発生頻度や重症度は照射部位や照射法、総線量などに依存します。そのため、Frailな高齢がん患者に対して、根治的放射線治療の適応がない場合にも緩和照射を行うことは日常臨床において多く経験します。また、定位照射などを用いた根治照射を安全に施行できることもあります。「Frailだから放射線治療は無理」と考えてしまうと、本来受けるべき放射線治療による恩恵を逃してしまう可能性があります。日常臨床で治療選択に悩まれたら、ぜひ放射線治療医にご相談ください。1)Kish JA, et al. J Geritr Oncol. 2021;12:937-944.2)Stinchcombe TE, et al. Cancer. 2019;125:382-390. 3)Pignon T, et al. Eur J Cancer. 1996;32A:2075-2081.4)Schild SE, et al. J Clin Oncol. 2003;21:3201-3206.5)Darby SC, et al. N Eng J Med. 2013;368:987-998.6)Johnson S, et al. Rep Pract Oncol Radiother. 2026;31:175-185.7)François E, et al. Radiother Oncol. 2014;110:144-149. 8)Murofushi KN, et al. Clin Oncol. 2025;45:103894.9)Cassidy RJ, et al. Clin Lung Cancer. 2017;18:551-558.10)Tamura Y, et al. Cancers (Basel). 2026;18:1809. 11)Watanabe K, et al. Radiat Oncol. 2021;16:39. 12)Brown PD, et al. JAMA. 2016;316:401-409.13)Hata M, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2007;69:805-812.14)Ono T, et al. Thorac Cancer. 2020;11:2170-2177.15)Ohnishi K, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2020;106:82-89.16)Lutkenhaus LJ, et al. Radiat Oncol. 2016;11:45.

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在宅患者からの電話対応――電話トリアージのコツ【非専門医のための緩和ケアTips】第130回

在宅患者からの電話対応――電話トリアージのコツ在宅緩和ケアでは、患者や家族からの電話からその後の対応を判断する場面があります。でも、医療者間の相談ですら電話でのやりとりは難しい場面が多いのに、患者や家族からであればなおさらですよね。どういった工夫ができるのでしょうか?今日の質問在宅緩和ケアをやっていて難しいと感じるのが、患者や家族からの電話連絡への対応です。当院では最初に看護師が受けるのですが、往診したほうがよいかなどの判断に苦慮しているようです。電話でのやりとりは在宅緩和ケアで非常に重要なので、何か工夫できることがあれば知りたいです。患者や家族からの電話連絡をもとに緊急性を判断し、適切にアクションを取る訪問看護師には本当に頭が下がりますし、質問くださった先生がその苦労を慮っているのも素晴らしいですね。こういった電話をもとに対応を判断することを「電話トリアージ」と呼びます。救急領域では公的サービスの「#7119」をはじめとした相談窓口があり、症状を伝えて救急車を呼んだほうがよいかなどを相談するシステムがありますが、同じような発想です。さて、在宅緩和ケア領域における「電話トリアージ」はどのようにすればよいのでしょうか? 私の経験上、在宅医療の場合、患者はもちろん、家族も高齢の方が多く、電話で詳細な情報を説明させることは難しい場合があります。患者・家族に話させるよりは心配を受け止めつつ、医療者側から判断に必要な情報を聞き出すほうが実際的です。つまり、確認すべき事項をまとめてマニュアル化し、看護師に渡しておくことが現実的な対応策であり、こうした準備はスタッフのスキルアップの観点からも重要です。具体的には以下のような項目でしょう。(1)状況いつから/どのくらい悪い/今どこにいる/誰がそばにいる(2)呼吸話せるか/横になれるか/喘鳴はあるか/SpO2が測れるなら数値(3)意識普段と比べてどうか/せん妄らしいか(注意障害・見当識)(4)痛み急に強くなったか/動くと悪化するか/部位はどこか(5)出血・嘔吐・下痢などあれば量と回数(多い・少ないといった主観でOK)(6)内服・頓用どの薬剤をいつ使ったか・効果があったか/副作用は(7)介護力今夜を乗り切れるか(家族の疲労・限界度合いも重要な情報)普段から訪問診療をしている患者であれば、医療者側の事前知識もあるため、詳細に聞かなくてもよい項目もあるでしょう。電話口でこうした情報を引き出しながら、対応を判断します。さて、「電話トリアージ」のマニュアルを整備するうえで、私が重要と考えることを紹介します。●患者や家族が話していることが正しいとは限らない電話で「息苦しさはないですか?」と聞いて「大丈夫です」と回答があっても、実際には言いにくかった、気付けていなかった、といったことがあります。重要なことは、直接確認をしないと危ないケースもあるでしょう。●尋問にならないように留意するもう1つは、電話でさまざまなことを確認するのは大切である一方、患者や家族が尋問されているような気持ちにさせないことが重要です。医療者としては必要なことを聞いているだけのつもりでも、相手はいろいろ聞かれたけれどうまく答えられなかった、というネガティブな経験になってしまうこともよく聞きます。一定時間をかけてうまく情報を収集できなければ、「よくわかりました。少し心配な点もあるので、お伺いしてもよろしいですか?」と切り替える、ということを自分用のマニュアルに加えてもよいでしょう。「電話トリアージ」は有効であるものの、限界もあります。そこをよく理解して、有効な場面で使いこなしながら、電話だけでは対応が難しい場面では無理をせず直接診察する、というのは大切な態度だと思います。いかがでしょうか? 皆様の工夫もぜひ教えてください。今日のTips今日のTips電話トリアージの有効性と限界を理解して、うまく活用しよう。

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がんの既往歴/家族歴のある女性、原発性肺がんリスク高い

 喫煙歴にかかわらず、がんの既往歴や家族歴を有する成人女性では、新規に原発性肺がんを発症するリスクが有意に高まることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)East BayのCarissa A. Villanueva氏らによる大規模後ろ向き研究で明らかになった。JTCVS Open誌2026年8月号に掲載。 本研究は、Kaiser Permanente Northern Californiaの2010年1月1日〜2022年12月31日の電子健康記録データを用いた。研究開始時点で肺がんの既往がない18歳以上の成人女性で、期間中に1年以上の加入歴を有する約280万例を抽出。喫煙状況、人種/民族、年齢、Charlson併存疾患指数、近隣困窮指数で調整したターゲット最大尤度推定法を用い、がん既往歴または家族歴を有する患者における新規原発性肺がんの有病率比(PR)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たした成人女性280万例が解析に組み入れられた。・何らかのがん既往歴がある女性では、原発性肺がんの有病率が88%増加した(PR:1.88、95%信頼区間[CI]:1.84〜1.92)。・がんの家族歴がある女性においても、原発性肺がんの有病率増加が認められた(PR:1.23、95%CI:1.20〜1.26)。・とくに、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの既往歴がある女性において、その後の原発性肺がん有病率増加と有意な関連が示された。 著者らは、「がんの既往歴および家族歴は、将来の原発性肺がん発症リスク上昇と強い関連を示したことから、今回の対象集団においては、喫煙歴だけでは新規原発性肺がんの臨床的疑いを判断するには不十分であることが示唆される。肺がんスクリーニングツールの適用に関するガイドラインの再評価および拡充が賢明だろう」と提言している。

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大量出血への備え【非専門医のための緩和ケアTips】第129回

大量出血への備え大量出血という状況は、頻度こそ高くはない一方で、発生したときの本人・家族の恐怖はとてつもなく、医療者にとってもつらい経験となることが多いでしょう。私も10年余りの緩和ケア実践の中で、何人かの患者を大量出血で亡くしています。今日の質問終末期の喉頭がんで在宅で過ごしている患者さんがいます。頸部の腫瘤が増大傾向で、頸動脈周囲にも浸潤しているため、大量出血をするのではないかと懸念しています。事前にどのような準備ができるでしょうか?質問者の方が指摘するとおり、頭頸部がんでは頸動脈穿破が大量出血の原因となることがあり、発生すれば数分で死亡するケースが大半です。私もそうした経過の患者を担当したことがあり、出血し始めてからの経過は非常に速く、手の打ちようがなかったことを覚えています。このような出血は1回生じると救命は非常に難しくなるため、事前の心構えと準備が大切です。質問者の方の素晴らしいところは、大量出血のリスク見積もりにきちんと取り組んでいる点です。頭頸部がんや食道・肺がんのように腫瘍が血管に近い部位にできるもの、腫瘍の露出や潰瘍化などを伴うものは要注意です。さらに放射線治療や抗凝固薬・抗血小板薬の使用もリスクを高めます。少量の出血を繰り返すこともリスクの高いサインです。大量出血のリスクを確認したら、次のアクションはリスクを医療チーム内で共有することです。ハイリスクであれば、それをどのように患者本人、家族と共有するかを検討します。私の場合、いたずらに不安をあおらないよう、「大量出血は必ず生じるものではありませんが、可能性はあるので、万一に備えておきましょう」といったように共有します。家族への説明については、具体的な行動と心構えを伝えることが重要です。今回のケースは自宅で過ごしているため、最初にその場に居合わせるのは家族である可能性が高いでしょう。そのため、大量出血が起きた際は命に関わること、たとえどのような状況であっても落ち着いて訪問看護ステーションに連絡すればよい旨を説明します。もし家族が慌ててしまいそうといった懸念があれば、連絡先や伝えるべきことをメモにして渡し、決められたところに貼るなど、より実務的な工夫も検討します。物品としては、黒や紺色といった濃い色のタオルを準備しておきます。大量出血の見た目は恐怖を増幅させるので、濃い色のタオルで覆って視覚刺激を減らすだけでも家族の動揺が軽減します。そのほか、手袋や替えのシーツ類も備えておくと対処しやすいでしょう。医療者側は、大量出血の連絡があった際の動きを共有しておきます。分単位で死亡に至ることが多く、混乱した家族への対応が求められる可能性が高いことも共有しておきましょう。医療者が救命できる状況ではないかもしれませんが、少なくともつらい経験をした家族と共にあることが大切です。ここまで、大量出血に対する対応を考えてみました。医療者にとっても忘れられない強烈な経験になることが多いでしょう。ぜひ医療チーム全体で話し合いながら対応してください。そして、実際に大量出血が起きた患者のケアをした場合は、関わったスタッフのケアを目的としたミーティングも開催しましょう。そのくらいショックを受けるスタッフも多いケースですので、お互いをケアし合うことを忘れず、チームの経験としていきましょう。今日のTips今日のTips大量出血のリスクを把握し、スタッフ、家族と共有することが大切です。

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進行扁平上皮肺がんにおける免疫チェックポイント阻害薬+血管新生阻害薬の二重特異性抗体ivonescimabの効果(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

 非小細胞肺がん(NSCLC)の約25~30%を占める扁平上皮がんは、腺がんと比較して治療選択肢が限定的であり、肺がん領域の大きな課題である。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)により予後は改善したものの、長期生存を期待できる症例は依然として限られている。 腺がんにおいて抗腫瘍効果を発揮してきたベバシズマブなど血管新生阻害薬の併用は、扁平上皮がんにおいては中枢型病変や空洞形成、大血管侵襲に伴う致死的な出血リスクとなっている。 このような背景の中、注目されているのがPD-1とVEGFの両方を標的とする二重特異性抗体(bispecific antibody)ivonescimabである。ivonescimabは、PD-1とVEGFの両方が存在する腫瘍微小環境において結合親和性が飛躍的に高まる協調的結合(cooperative binding)という特殊な構造特性を有する。全身性のVEGF阻害による毒性を抑えつつ、腫瘍局所で強力な免疫活性化と血管正常化を同時に引き起こす設計となっている。 本稿で取り上げるHARMONi-6試験は、未治療の進行扁平上皮NSCLCを対象にivonescimab+カルボプラチン+パクリタキセルの有効性と安全性を、対照群であるチスレリズマブ(PD-1阻害薬)+カルボプラチン+パクリタキセルと比較検討した第III相試験である。すでに無増悪生存期間(PFS)の延長が報告されているが、今回全生存期間(OS)の中間解析結果が公表された。結果として、中国における既存の標準治療を対照群として死亡リスクを34%低減させ、OS中央値27.9ヵ月という数字のインパクトはきわめて大きい。 さらに注目すべきは、PD-L1陰性例においてもハザード比(HR)0.64とOS延長効果が示された点である。PD-L1陰性群では従来のICI療法の効果を認めにくいが、VEGF阻害による抗腫瘍免疫の誘導・血管正常化とPD-1阻害が抵抗性を克服したものと考える。 扁平上皮がんに対するベバシズマブ投与は、致死的出血のリスクから実臨床では避けられていた。本試験において、ivonescimab群のGrade3以上の出血発生率は3%(対照群は1%)であった。適応基準では「明らかな腫瘍壊死・空洞形成があり大出血リスクが高いと判断された症例」や「大血管侵襲例」は除外されているが、ベースラインで空洞を認めた症例(ivonescimab群24例)においても、認められた気道出血はすべてGrade1~2の軽度なものであったと報告されている。筆者らは扁平上皮がんに対しても血管新生阻害薬を安心して届けられるといったメッセージを残しているが、その出血の頻度から日本の実臨床で投与するには一抹の不安が残る。 ivonescimabのメリットを考えると、サブグループ解析において、PD-L1 TPS<1%(HR:0.64)や転移部位数3ヵ所以上(HR:0.47)の患者群できわめて良好な傾向がみられた。PD-L1陰性で腫瘍量が多く、複数臓器に転移を認める扁平上皮がんに遭遇した際、従来治療では効果を期待できずに頭を悩ませていたことだろう。このような「ICI単独/併用では不十分な群」に対して、ivonescimab+化学療法は強力な第1選択となる可能性がある。 注意が必要なのは、本試験では登録患者の93%が男性であり、女性の割合がきわめて低い点や、75歳以上の高齢者やPSが2以上のフレイル症例は除外されている点などである。また中国の50施設で実施された地域限定の試験であり、日本の肺がん症例にそのまま当てはめることは難しく、現在進行中のグローバル第III相試験「HARMONi-3試験」の成果が待たれる。 もう1つ注意が必要なのは、対照群として選択されているチスレリズマブである。同薬は中国や欧州で承認されている抗PD-1抗体であるが、日本や米国で最も広く使われている標準治療はKEYNOTE-407に基づくペムブロリズマブである。チスレリズマブ+化学療法群のOS中央値23.7ヵ月は良好な成績ではあるが、本邦の標準治療に対する直接的な比較ではない点は差し引いて考えるべきである。

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EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ、変異の種類でCNS進行は異なる?

 脳転移を伴うEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、オシメルチニブによる1次治療を受けた場合の中枢神経系(CNS)進行が、EGFR遺伝子変異の種類別に比較された。その結果、EGFR遺伝子変異の種類によりCNS進行は異なり、atypical変異、L858R変異はCNS進行リスクが高かった。本研究結果は、Emily Miao氏(米国・メモリアルスローンケタリングがんセンター)らによって、Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2026年7月28日号で報告された。主要評価項目はCNS進行までの期間 本研究は、脳転移を伴うEGFR遺伝子変異陽性NSCLCで、1次治療としてオシメルチニブを投与された患者を対象とした多施設共同後ろ向き研究である。対象患者をEGFR遺伝子変異の種類(exon19欠失変異、L858R変異、atypical変異)で分類し、定位放射線手術(SRS)の有無でも分類した。主要評価項目はCNS進行までの期間とした。atypical変異、L858R変異でCNS進行高リスク 2016~24年に治療を受けた470例が抽出された。EGFR遺伝子変異の内訳は、exon19欠失変異が57%(268例)、L858R変異が33%(155例)、atypical変異が9.6%(45例)であった。 主要評価項目のCNS進行の24ヵ月累積発生率は、exon19欠失変異群30%、L858R変異群47%、atypical変異群76%であり、3群間に有意差が認められた(p<0.001)。 多変量解析ではexon19欠失変異と比較して、atypical変異(ハザード比:4.33、95%信頼区間:2.72~6.91)、L858R変異(同:1.68、1.27~2.23)のいずれもCNS進行リスクが高かった。 初回治療としてのSRSは良好なCNS転帰と関連し、とくにatypical変異を有する患者集団で、ベネフィットが大きい傾向にあった。CNS管理の個別化にEGFR変異情報が有用か 著者らは、atypical変異やL858R変異を有する患者は、exon19欠失変異を有する患者と比較してCNS転帰が不良であり、EGFR遺伝子変異の種類の同定が、SRSによるベネフィットを得られる患者の選択に役立つ可能性が示唆されると結論付けた。

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関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座【大学医局紹介~がん診療編】

倉田 宝保 氏(主任教授)池田 慧 氏(准教授)吉田 清里 氏(病院助教)講座の基本情報医局独自の取り組み・特徴関西医科大学呼吸器腫瘍内科学講座は、肺がんを中心とする胸部腫瘍に対する診療・研究を行う、呼吸器腫瘍内科学を冠した大学講座として全国で初めて設立された講座です。私たちは「優れた呼吸器内科医であり、かつ優れた腫瘍内科医であること」を人材育成の基本理念とし、肺がん薬物療法のみならず、呼吸器感染症や間質性肺疾患など呼吸器内科全般、内科学全般の診療能力を兼ね備えた医師の育成を目指しています。当講座の特徴は、日常診療から生まれた課題を研究へ発展させ、その成果を患者さんへ還元する「臨床重視」の姿勢にあります。若手医師も早期から診療・研究に主体的に参加し、多施設共同臨床研究や治験などに携わる機会が豊富にあります。また、関連病院への出向においては、1人ひとりのキャリアプランを尊重し、できる限り本人の希望に沿った施設で経験を積めるよう配慮しています。大学病院での高度ながん診療から地域医療まで幅広く経験できる環境も当講座の強みです。今後は、地域のがん診療を支える中核講座として、診療・研究・教育をさらに発展させるとともに、患者さんに寄り添いながら新しい医療を創造できる人材を育成していきます。呼吸器内科医として、そして腫瘍内科医として成長したい若手医師の皆さんを心より歓迎します。力を入れている治療/研究テーマ当科は西日本随一の症例数を誇り、日々の診療から多様な経験を積むことが可能です。各種ガイドラインや臨床研究グループへ委員を多数輩出しており、豊富な企業治験から当科主導の医師主導臨床研究まで、日本の最先端の肺がん診療をじかに体感できる刺激的な環境が整っています。また、指導医層の充実も大きな魅力です。日本の肺がん領域における若手リーダーの1人である山中 雄太講師、国立がん研究センターから帰任し臨床とアカデミックな研究を牽引する竹安 優貴助教、がんリハビリの第一人者としてフレイル外来を立ち上げた勝島 詩恵診療講師など、それぞれ独自の特色や得意分野を持つエキスパートが揃っています。医局の雰囲気、魅力私自身、1年前に赴任してまいりましたが、手前味噌ながら医局員は皆人柄がよく、非常によい雰囲気だと実感しています。学ぶ意欲を持つ若い先生を大切にし、時に優しく、時に厳しく育むための最高の土壌がここにはあります。最先端の環境と温かい仲間に囲まれ、共に高め合える方をお待ちしています。同医局を選んだ理由私が当医局を選んだ理由は、医局全体の雰囲気がよく相談しやすい環境が整っていると感じたからです。上級医の先生方も気軽に相談に乗ってくださり、日々安心して診療に取り組むことができています。また、女性医師も多く活躍しており、子育てをしながら働く先生もいらっしゃるため、私自身も育児と仕事を両立しながら安心してキャリアを続けられる環境であることも大きな魅力です。現在学んでいること現在は肺がん診療を中心に研修を行っており、診断から薬物療法、治療効果や有害事象の評価まで専門的な知識と経験を積んでいます。一方で、呼吸器疾患に限らず、併存疾患を含めた内科的な全身管理についても幅広く学ぶことができる点が大きな特徴だと感じています。また、積極的な治療だけでなく、患者さん1人ひとりの価値観や生活背景に寄り添った緩和医療についても学ぶ機会が多く、日々多くのことを吸収しています。専門性と総合的な診療能力の両方を高められる環境で、充実した研修を送っています。関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座住所〒573-1010 大阪府枚方市新町2丁目5番1号問い合わせ先koshunai@kmu.ac.jp医局ホームページ関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座専門医取得実績のある学会日本内科学会日本呼吸器学会日本臨床腫瘍学会日本呼吸器内視鏡学会研修プログラムの特徴(1)個々人のキャリアプランに合わせた柔軟なプログラム画一的な研修ではなく、1人ひとりの目標や希望を尊重し、個別のキャリアプランに合わせた柔軟な研修プランを提供して個人の成長をサポートします。(2)経験豊富なスタッフによる手厚い指導体制それぞれの得意分野を持つエキスパートが揃っており、複雑な症例や研究に関しても、先輩医師からじかに丁寧なアドバイスを受けられる体制が整っています。(3)互いに助け合い、高め合える良好な医局環境医局員同士の仲がよく、風通しのよい雰囲気が特徴です。気軽に相談し互いにサポートし合う環境が、日々の質の高い診療や優れた研究成果に直結しています。詳細はこちら

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緩和ケアでパニック症状を見逃さない【非専門医のための緩和ケアTips】第128回

緩和ケアでパニック症状を見逃さない進行がん患者が突然の不安と息苦しさを訴え、「このまま死ぬのではないか」と取り乱す……、緩和ケアの現場では時々経験することです。医療者としては難しい対応を迫られ、緊急性も高いので、私の経験を共有したいと思います。今日の質問先日、訪問診療をしていた肺がん患者さんなのですが、呼吸困難が強くなり、パニック発作のような様子になってしまいました。在宅での対応が困難と判断し、もともと通院していた基幹病院に救急搬送としました。緩和ケアでもパニック発作の対応はあるのでしょうか?前提として、私自身は精神科的なパニック発作の診断には習熟していません。精神科的な診断および治療としての厳密さを欠いた部分もあるかと思いますが、その点をご了承ください。今回は緩和ケアの現場で遭遇する、患者がパニック発作様の苦痛を訴える状況を、便宜的に「パニック発作」として扱います。救急診療でしばしば遭遇するパニック発作では、身体的に重篤な疾患はない患者が多いでしょう。そのため、患者が「このまま死ぬのでは」と取り乱していても、「命に関わる状況ではないので、安心してください。呼吸を整えることで苦しさも和らぎますよ」といった声掛けをして対応すると思います。ただし、緩和ケアの臨床で遭遇するパニック発作は救急搬送におけるパニック発作とは明確に異なります。なぜなら、緩和ケアを提供している時点で身体症状の原因となる身体疾患があるからです。そう考えると、救急で遭遇する典型的なパニック発作と同じ対応のみで済ませるのは危険です。実際に病状が悪化したり、新たな病態が生じたり、症状が悪化したりすることが契機となって起こったパニック発作の可能性が高いためです。緩和ケアにおいてパニック発作を来しやすい状況としては、気道閉塞やがん性リンパ管症など、急に悪化する呼吸困難が生じるものが挙げられます。こうした病態は致命的となることがあり、症状の程度によっては緩和的鎮静を検討することもあります。声掛けやオピオイドの調整だけでは症状が和らがない可能性があることを理解しておきましょう。急激な病状悪化や、時間単位で死亡が予測されるような状況であれば緩和的鎮静の対応になることが多いでしょうが、もう少し軽い症状でもパニック発作を経験する場合があります。たとえば、慢性的な呼吸困難がある中で、体動時の呼吸困難が強いときにはパニック発作のように恐怖感が強くなってしまう、といったイメージです。そうした場合は、予防と発作時の対応法の準備が有効です。予防に関しては、患者と家族に対して「呼吸困難は恐怖感も強くなるので、パニックのようになりやすい症状である」と疾病理解を促し、具体的に対応法を打ち合わせます。たとえば、「呼吸困難が強くなりにくい立ち上がり動作」など、日常生活の中での工夫を指導します。状況に応じて、抗不安作用を有するベンゾジアゼピン系薬を頓用または定期投与で使用することもあります。SSRIなどの抗うつ薬の適応については、必要に応じて精神科専門医への相談を検討します。対応策を多く準備しておくこと自体が患者の安心感につながるため、薬剤とそれ以外の非薬物的なアプローチを関係者と一緒に検討します。今日のTips今日のTips緩和ケアにおけるパニック様症状では、精神症状への対応だけでなく、身体症状の悪化や新たな病態も評価することが大切です。

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StageIV肺限局型NSCLCへの肺移植、1年OS率100%/JAMA

 内科的治療に抵抗性の病変が肺に限局したStageIVの非小細胞肺がん(NSCLC)で、呼吸不全を呈する患者において、内科的治療単独と比較して肺移植を受けた患者の早期生存成績は良好であることが、米国・ノースウェスタン大学のAnkit Bharat氏らによる前向き単施設レジストリ研究の結果で示された。移植群の推定1年全生存(OS)率は100%であったのに対し、内科的治療単独群は40.8%であった。著者は、「長期の追跡評価および生活の質(QOL)の評価が求められる」とまとめている。両肺移植は、肉眼的に確認できる病変をすべて切除可能であるが、肺がんについては過去の肺移植成績が不良であったことから適応にならないとされている。JAMA誌オンライン版2026年7月8日号掲載の報告。肺移植vs.内科的治療単独、NSCLC肺移植vs.非がん肺移植患者を評価 研究グループは本検討で、肺移植を受けた患者の転帰を詳述するとともに、肺移植群と内科的治療単独群の生存率を比較した。 レジストリには、2021年9月1日~2025年6月30日に肺移植適応評価が行われた成人404例(3コホート)が含まれていた。そのうち98例が、内科的治療(推奨される全身性の標準療法)に抵抗性で病変進行が認められ、病変が肺に限局したStageIVのNSCLCであった。17例が肺移植を受け(コホート1)、81例は移植適応基準を満たしたが非生物学的障壁により内科的治療のみが行われた(コホート2)。コホート3は、末期肺疾患で肺移植を受けた患者306例で、これらの患者も評価の対象とした。コホート1、3の全例が呼吸不全を呈していた。 肺移植は、最新の病期分類で病期を評価したうえで、腫瘍播種を最小化する手技を用いて行われた。 主要評価項目は、肺移植を受けたNSCLC患者(コホート1)と内科的治療のみを受けたNSCLC患者(コホート2)における、適格評価完了時点からのOSであった。副次評価項目は、肺移植を受けたNSCLC患者(コホート1)と肺移植を受けた非がん患者(コホート3)を比較した移植後1年生存率とした。肺移植を受けたNSCLC患者の早期生存成績は良好 追跡期間(適格評価完了時点から2025年6月30日まで)の中央値は、肺移植を受けたNSCLC患者(年齢中央値61.0歳[四分位範囲[IQR]:48.0~64.0]、女性10例[59%])が343日(IQR:191~768)、内科的治療のみを受けたNSCLC患者(年齢中央値63.4歳[IQR:56.7~68.1]、女性42例[52%])は221日(IQR:68~386)であった。肺移植を受けた非がん患者(年齢中央値63.0歳[IQR:55.0~68.8]、女性112例[37%])の移植日からの追跡期間中央値は200日(IQR:126~496)であった。 Kaplan-Meier法で推定した1年OS率は、肺移植を受けたNSCLC患者が100.0%(95%信頼区間[CI]:63.1~100.0)(死亡0例)であったのに対し、内科的治療のみを受けたNSCLC患者は40.8%(95%CI:29.6~53.1)(死亡52例)であった(絶対群間差:59.2%ポイント、95%CI:46.2~71.7)。 移植後1年生存率は、肺移植を受けたNSCLC患者が100%(95%CI:63.1~100)であったのに対し、肺移植を受けた非がん患者は88.1%(95%CI:83.7~91.4)であった(絶対群間差:11.9%ポイント、90%CI:9.1~15.5)。 延長追跡評価時点(2026年1月31日)で報告された、肺移植を受けたNSCLC患者の死亡は2例であった。

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若年発症がんの増加、背景に生物学的老化の加速?

 近年、若い世代でのがん発症リスクが増加していることが示されているが、それを説明し得る要因が新たな研究によって浮かび上がった。この研究を実施した米セントルイス・ワシントン大学医学部准教授のYin Cao氏らによると、若い世代に見られる生物学的老化の加速が、がんに対処する体の仕組みに影響を及ぼしている可能性があるという。詳細は、「Nature Medicine」に6月22日掲載された。 研究グループの説明によると、50歳未満または55歳未満で診断される若年発症がんは、1990年から2019年にかけて世界全体で24%増加し、現在も増加し続けている。また、米国、英国、カナダ、オーストラリアでは、1990年代生まれの人は1960年代生まれの人と比べて若年発症大腸がんリスクが少なくとも4倍高いという。 研究グループによると、なぜ若い世代でがんリスクが高まっているのかについては明らかになっていない。一般的に、がんは加齢に伴う疾患と見なされている。高齢者でがんリスクが高いのは、がんの発生につながる細胞損傷が長年にわたって蓄積しているためと考えられている。このことから研究グループは、生物学的老化の加速が若い世代のがんリスクの上昇に関与しているのではないかと考えた。生物学的老化とは、出生からの経過年数を表す暦年齢とは異なり、日々の生活の中で生じる身体の摩耗や損傷の蓄積を反映した生物学的年齢に基づく老化を指す。 今回の研究では、英国の大規模なヘルスリサーチ・プロジェクトであるUKバイオバンクの参加者である15万4,169人(女性55%、白人92%)の若年成人と、米国の同様の研究プロジェクト(All of Us Research Program)参加者1万262人(女性69%、非ヒスパニック系白人54%)のデータを解析した。参加者ごとに、血液検査の測定値に基づく全身の生物学的年齢(PhenoAge、Klemera−Doubal Method〔KDM〕年齢)と、メタボロミクス解析に基づく生物学的年齢を推定し、出生コホート(世代)による違いと若年発症がんとの関連を検討した。さらに、生体内に存在する全てのタンパク質(プロテオーム)を解析するプロテオミクス解析により臓器ごとの生物学的年齢を推定し、臓器別老化と若年発症がんリスクとの関連を検討した。 その結果、若い世代ほど生物学的老化が加速している可能性が示され、生物学的年齢が暦年齢より高いほど、がんリスクも高まることが示された。例えば英国では、暦年齢で調整後の解析でも、1950~1954年生まれの人と比べて1965~1975年生まれの人では、標準化したPhenoAgeに基づく年齢差(生物学的年齢−暦年齢)が23%大きかった。この生物学的老化の加速は、若年発症固形がんリスクの8%の上昇と関連していた。さらに、参加者を生物学的老化の加速の程度に基づき分類すると、生物学的老化が最も加速していた群では、加速の程度が最も低かった群と比較して、若年発症固形がんリスクが15%高かった。米国でも同様に、1965~1969年生まれの人と比べて1990~1999年生まれの人では標準化したPhenoAgeに基づく年齢差が平均で92%大きかった。 さらに、生物学的老化の加速は、若年者における特定の臓器のがんのリスク上昇にも関連していた。例えば、免疫系の老化が進んでいることは若年発症肺がんのリスク上昇に関連していた一方、脂肪組織の老化が進んでいることは若年発症大腸がんのリスク上昇に関連していた。 研究グループによると、生物学的老化が加速する原因はまだ明らかになっていないが、環境要因、生活習慣、社会的要因などが若い世代の体に長期的な影響を及ぼし、老化を加速させている可能性は考えられるという。Cao氏は、「われわれの最終的な目標は、現代の環境がどのように生物学的な変化として体内に組み込まれ、がんリスクを高めるのかを解明し、がん予防を幅広い対象者への推奨から個別化された介入へと転換させることだ。これによって、より早期段階でリスクを特定し、個々人の生物学的特性に合わせた予防戦略を開発することに一歩近付くことができる」と話している。

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IB~IIIB期ALK陽性NSCLC、完全切除後ensartinibが有効/NEJM

 完全切除されたIB~IIIB期のALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法において、経口投与が可能で強力なALK阻害薬であるensartinibはプラセボと比較して、24ヵ月の時点で生存かつ無病状態(非再発)を維持していた患者の割合が有意に高く、新たな安全性シグナルを認めないことが、中国・Tianjin Medical University Institute and HospitalのDongsheng Yue氏らELEVATE Study Groupが実施した「ELEVATE試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2026年7月9日号に掲載された。無病生存を無作為化第III相試験で評価 ELEVATE試験は、IB~IIIB期ALK陽性NSCLC患者における完全切除術後のensartinib補助療法の安全性と有効性の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験(Betta Pharmaceuticalsの助成を受けた)。 2022年7月~2024年7月に、年齢18歳以上、全身状態の指標であるECOG PSが0または1で、完全切除されたIB、II、IIIA、IIIB期のNSCLCであり、ALK陽性の患者を登録した。IIB~IIIB期の患者は術後補助化学療法を受けることが求められた。 被験者274例を、完全切除および予定された術後化学療法の終了後に、ensartinib(225mg、1日1回)の経口投与を受ける群(137例、年齢中央値55歳、女性91例[66.4%])、またはプラセボ群(137例、年齢中央値54歳、女性84例[61.3%])に無作為に割り付けた。投与期間は最長24ヵ月であった。 主要評価項目は、II~IIIB期のNSCLC患者における無病生存(無作為化から再発または全死因死亡までの期間)とした。全患者でもII~IIIB期と同等に、無病生存率が改善 IIB~IIIB期の患者の89.1%(172/193例)と、IBまたはIIA期の患者の23.5%(19/81例)が、白金製剤ベースの術後補助化学療法を受けた。ensartinib群では94例(68.6%)、プラセボ群では97例(70.8%)が受けていた。 24ヵ月時点で、II~IIIB期の患者における生存かつ無病状態の患者の割合は、プラセボ群が53.5%であったのに対し、ensartinib群は86.4%と有意に優れた(再発または死亡のハザード比[HR]:0.20、95%信頼区間[CI]:0.11~0.38、p<0.001)。 また、24ヵ月時の全患者(IB~IIIB期)における生存かつ無病状態の患者の割合は、プラセボ群の57.2%に対しensartinib群は87.3%であり、有意に高かった(HR:0.20、95%CI:0.10~0.37、p<0.001)。 ほぼすべてのサブグループにおいて、ensartinib群で一貫して良好な無病生存の有益性を認めた。 最も多い再発部位は脳であった(ensartinib群5/137例[3.6%]、プラセボ群17/137例[12.4%])。中枢神経系(CNS)の再発または死亡のリスクはensartinib群で低かった(HR:0.22、95%CI:0.08~0.60)。全生存のデータは未確定であった。Grade3以上・重篤な有害事象が多い ensartinib群の安全性プロファイルは、以前の進行病変に関する報告と一致しており、新たな安全性シグナルは認めなかった。 Grade3以上の有害事象は、ensartinib群の49例(35.8%)およびプラセボ群の25例(18.2%)で発現した。Grade3以上の治療関連有害事象は、それぞれ27.0%および6.6%に認められた。重篤な有害事象は、それぞれ25例(18.2%)および14例(10.2%)で報告された。ensartinibに関連すると判定された重篤な有害事象はすべて解消した。 有害事象による投与中断、減量、治療中止は、ensartinib群でそれぞれ48例(35.0%)、41例(29.9%)、3例(2.2%)、プラセボ群ではそれぞれ20例(14.6%)、2例(1.5%)、2例(1.5%)で発生した。 著者は、「ensartinibによる補助療法は、ALK陽性NSCLCで完全切除を受けた患者にとって、有効な新たな治療戦略となる」としている。 また、「補助療法としてのALK阻害が、治癒した患者の割合を増加させるのか、それとも主に疾患の再発を遅らせるのかについては、現時点では決定的な判断を下せない」「最新の知見によると、ALK変異は早期NSCLC患者において、脳再発の素因となる可能性が示唆され、CNS限局病変は積極的な局所療法で治療可能であることから、無症状のCNS再発を早期に検出することが重要である」「ALK阻害薬の今後の検討事項として、術前補助療法が挙げられる」と指摘している。

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患者説明に使う資料や情報源は?~がん専門医500人に聞く

 情報過多の現代、医療情報も多種多様なレベルのものが世の中にあふれている。数十年前と比べ医師と患者の立場がフラットになりつつある昨今、患者自身の学習意欲もあいまって、診療時間中のコミュニケーションに費やす時間は増加傾向にある。診療の効率化が求められる中でも、医師にとっては患者に対し、患者自身の疾患に関する正しい知識を端的に提供したいというニーズは根強いのではないだろうか。 患者の視点に立った情報発信については、若尾 文彦氏(国立がん研究センターがん対策情報センター本部)率いる研究班*や「がん情報の均てん化を目指す会」**をはじめとする多くの団体が検証を重ねている。後者の団体が2024年11月5日に公表したディスカッション・ペーパー『がん情報の均てん化に向けて~がん患者がオンライン上でがん情報を入手・活用する際の課題と提言~』では、がん患者がオンライン上で情報を入手・活用する際の課題が示された。とくに注目すべきは、患者が情報を入手・精査する際の相談先として、8割が「主治医」を挙げていた点である。*「厚生労働科学研究費補助金 がん対策推進総合研究事業 _科学的根拠に基づくがん情報の提供及び均てん化に向けた 体制整備に資する研究」**がん患者が適切なタイミングで適切な情報にアクセスすることで、治療や周辺情報に関する知識を高め、適切に治療を受け、がんと共生できる環境を目指すことを目的に2024年4月に発足 そこでCareNet.comでは、患者から相談を受ける医師側が、日常診療でどのような情報源を案内しているかを明らかにするため、日常診療でがん患者の診察を行っている200床以上の施設に勤務する会員医師501人(呼吸器科、消化器科、外科、乳腺外科、血液内科、泌尿器科、腫瘍科)に対し、「医師のがん患者への情報提供方法」に関するアンケートを実施。患者への情報提供資料やその情報源、および活用理由について調査した。告知時の相談内容と使用媒体 まず、回答者の「勤務先施設の区分」(Q1)について、「地域がん診療連携拠点病院」所属の医師が最も多く、「都道府県がん診療連携拠点病院」「いずれも該当しない」と続いた。また、年代別では30~50代が多く、30~40代では「都道府県がん診療連携拠点病院」、その他の年代では「地域がん診療連携拠点病院」に所属する医師の割合が高かった。 「患者や家族への告知時、またはその後の診察で受けることが多い質問・相談」(Q2)については、「病気に関する情報」「病期と治療の選択肢」「予後・余命」が上位を占め、次いで「副作用や対処法」「検査・診断方法」となった。これらは施設区分による大きな差異はみられなかった。なお、前述のディスカッション・ペーパーにおいても、患者側が「十分な情報があった」と回答した項目とほぼ一致しており、患者自身の検索行動だけでなく、医師からの情報提供が一定の影響を与えている可能性が示唆される。 これらの相談に対し「利用する媒体やツール」(Q3)を尋ねたところ、「製薬企業が作成している患者向け資料説明」「自施設で作成している患者向け説明資料」「各学会発行のガイドライン(患者向け含む)」の利用率が高かった。一方で、回答者の約1/3が「手書きの図やメモ」を用いた説明を行っていると回答し、Web媒体系資料の活用頻度は総じて低い傾向にあった。診療科別では、血液内科において製薬企業作成資料の利用が突出しているほか、外科ではガイドラインの利用率が高いという特徴がみられた。 なお、Q3で「患者向けWeb媒体の資料」と回答した医師が利用するサイト(Q4)については、国立がん研究センターの「がん情報サービス」が最多であり、厚生労働省のホームページ、がん関連学会のサイトがそれに続いた。患者の情報収集への意識、医師による「相談支援センター」の活用実態 「病態や治療内容を調べる方法について患者から尋ねられた経験」(Q5)については、全体の60%が「ある」と回答しており、患者側から能動的に調べ方を問うケースは、やはり一定数存在することが伺える。 一方、無料・匿名で利用できる「がん相談支援センターの認知と活用」(Q6)については、ギャップが生じる結果となった。半数以上の医師が存在を認知しているものの、実際に自ら活用を促したことがある医師は2割弱にとどまった。この傾向は診療科や年代によってばらつきがみられ、とくに若年発症が多くサバイバー層も厚い血液内科において、医師からの利用勧奨が少ない結果となっている。これについては、医師による直接の勧奨ではなく、院内の医療連携を通じて看護師やメディカルソーシャルワーカーらが役割を担っている背景も推測される。また年代別では、20〜30代の若手医師の間で認知が浸透している一方、40代以降ではやや認知度が下がる傾向が確認された。 今回の調査では、このほかに自由記入として「患者への説明時に不安を感じること」「説明時に困っていること」「説明時に意識していること」についても回答を得ている。臨床現場におけるコミュニケーションの標準化やリソースの最適化に向け、示唆に富む具体的な声が集まったため、詳細はぜひアンケート結果のデータを参照されたい。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。がん患者への情報提供方法

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ASCO2026 レポート 肺がん

レポーター紹介ASCO2026は、プレナリーセッションに肺がんの演題が2演題選ばれるなど、肺がん領域におけるインパクトが大きい大会となった。とくに、ivonescimabとチスレリズマブを比較したHARMONi-6試験の全生存期間(OS)解析がプレナリーセッションに選出され、これは中国発の治験薬がASCOの60年以上の歴史でプレナリーセッションに選ばれた初めての事例だと思われる。同じくプレナリーセッションでは、RET融合陽性早期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術後補助療法としてのセルペルカチニブの有効性を示したLIBRETTO-432試験の結果も発表され、EGFR、ALKに続きRETでも術後補助療法における分子標的治療のエビデンスが確立した。周術期領域では、ALK融合陽性のStageIII NSCLCに対する周術期ロルラチニブの試験であるLORIN試験が、化学療法や免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に匹敵する、あるいはそれを上回る高い病理学的奏効を報告し話題となった。転移・進行期領域では、EGFR exon20挿入変異陽性NSCLCの1次治療におけるsunvozertinib単剤の優越性を示したWU-KONG28試験、PD-L1陽性NSCLCの1次治療としてTROP2標的抗体薬物複合体(ADC)とペムブロリズマブの併用療法の有効性を示したOptiTROP-Lung05試験など、新規の分子標的薬と抗体医薬品を軸とした新たな治療選択肢の広がりが続いた。ALK陽性NSCLCでは、CROWN試験の7年フォローアップにより、ロルラチニブの長期的ベネフィットが改めて示された。さらに、オシメルチニブなど第3世代EGFR-TKI耐性後の中心的な耐性機序であるC797X変異を克服しうる第4世代EGFR-TKIの開発が世界各地で進み、DZD6008、BH-30643、BDTX-1535 (silevertinib)、VRN110755など複数の候補薬の初期臨床データが報告された年でもあった。[目次]WU-KONG28試験OptiTROP-Lung05試験LORIN試験LIBRETTO-432試験HARMONi-6試験CROWN試験第4世代EGFR-TKI(DZD6008、BH-30643、BDTX-1535、VRN110755)さいごにWU-KONG28試験EGFR exon20挿入変異陽性の進行NSCLCに対する1次治療として、次世代EGFR-TKIであるsunvozertinib単剤とプラチナ併用化学療法を比較する国際多施設共同ランダム化第III相試験がWU-KONG28試験である。本試験は、未治療の進行NSCLC患者324例を、sunvozertinib単剤の1日1回投与群、またはカルボプラチン+ペメトレキセド併用後にペメトレキセド維持療法を行う化学療法群に無作為に割り付けた国際共同試験であり、化学療法群では病勢進行後にsunvozertinibへのクロスオーバーが許容された。主要評価項目は独立中央画像判定(BICR)による無増悪生存期間(PFS)であった。PFS中央値はsunvozertinib群で10.3ヵ月、化学療法群で7.5ヵ月であり、ハザード比(HR)は0.65(95%CI:0.50~0.85、p<0.001)と統計学的に有意な結果であった。奏効割合(ORR)はsunvozertinib群で58.9%、化学療法群で31.1%、奏効期間(DoR)の中央値はそれぞれ11.2ヵ月、7.1ヵ月であった。安全性プロファイルは既報と一致し、新規の安全性シグナルは認められなかった。本試験の結果はNew England Journal of Medicine誌に同時掲載された。EGFR exon20挿入変異陽性NSCLCの1次治療は、既に抗体医薬品であるアミバンタマブと化学療法の併用療法(PAPILLON試験)が導入されつつある領域であり、sunvozertinibは経口薬としての利便性を武器に一定の地位を確立する可能性がある。さらに、中枢神経系(CNS)における効果、至適用量、非アジア人集団における有効性、near-loop型とfar-loop型の挿入変異による効果の違い、そしてアミバンタマブを中心とした治療戦略との最適なシークエンスなど、今後検討すべき課題も多く残されている。目次に戻るOptiTROP-Lung05試験PD-L1陽性進行NSCLCの1次治療として、TROP2を標的とした抗体薬物複合体であるsacituzumab tirumotecan(sac-TMT)とペムブロリズマブの併用療法の意義を検証した国際多施設共同非盲検ランダム化第III相試験がOptiTROP-Lung05試験である。本試験は、EGFR・ALK遺伝子異常を有さず、PD-L1 TPS 1%以上の未治療の局所進行・転移性NSCLC患者413例を対象とし、sac-TMT(4mg/kgを2週ごと)とペムブロリズマブ(400mgを6週ごと)の併用群、またはペムブロリズマブ単独群に1:1の割合で無作為に割り付けた。主要評価項目は独立中央判定によるPFSであった。PFS中央値は併用群で未到達、ペムブロリズマブ単独群で5.7ヵ月であり、HRは0.35(95%CI:0.26~0.47、p<0.0001)と大きな差が認められた。12ヵ月時点のPFS率は62.4%と29.0%であった。ORRは併用群70.2%、単独群42.0%であり、50%以上の深い奏効を示した割合も49.0%と25.9%であった。OSは未成熟であったが、12ヵ月OS率は併用群80.4%、単独群68.9%と良好な傾向を示した。Grade3以上の治療関連有害事象は併用群55.3%、単独群31.4%であり、好中球減少、貧血、口内炎などが主な事象であった。本試験は、ADCとICIの併用療法がPD-L1陽性進行NSCLCの1次治療においてPFSの統計学的に有意な改善を示した初めての第III相試験であり、結果はLancet誌に同時掲載された。一方で、対照群がペムブロリズマブ単独である点は解釈上の限界であり、とくにPD-L1 TPS 1~49%の集団では化学療法併用が国際的な標準治療とされているため、単独群との比較で得られた効果の大きさをそのまま評価してよいかは慎重な検討を要する。CNSにおける効果や成熟したOSデータ、グローバルでの検証が今後の焦点となる。目次に戻るLORIN試験ALK融合遺伝子陽性のStageIII NSCLCに対する周術期治療として、ロルラチニブの術前投与とその後の手術、術後継続投与の有効性・安全性を検討した中国発の多施設共同単群第II相試験がLORIN試験である。本試験では、切除可能または境界切除可能なStageIIIのALK融合陽性NSCLC患者を対象に、術前ロルラチニブ投与後に手術を行い、可能な症例では術後もロルラチニブを継続する治療戦略が検討された。主要評価項目である病理学的完全奏効割合(pCR)は46.9%、副次評価項目のMajor Pathologic Response(MPR)は81.3%であり、神経療法やICIを含む従来の周術期治療と比較しても高い病理学的奏効が報告された。当初手術不能と判断されていた24例のうち18例(75.0%)は集学的な再評価を経てconversion surgeryに至り、残る症例もTKIの継続投与や放射線治療などが選択された。追跡期間中央値13ヵ月の時点で、1年無イベント生存(EFS)率は97.1%(95%CI:91.5~100)であり、OSイベントは認められなかった。局所再発は3例のみで、いずれも初診時N3の症例であり、術後補助療法としてのロルラチニブは投与されていなかった。EGFR遺伝子変異陽性肺がんに対するNeoADAURA試験やこれまでのオシメルチニブによる術前治療の病理学的完全奏効割合がおおむね10%未満にとどまっていたことと比較すると、ロルラチニブによる病理学的奏効の高さは際立っている。ただし本試験は単群かつ中国単独の小規模な検討であり、EFS・OSのデータも未成熟である。目次に戻るLIBRETTO-432試験RET融合遺伝子陽性の早期NSCLCに対する術後補助療法として、選択的RET阻害薬であるセルペルカチニブの有効性・安全性を検討したプラセボ対照二重盲検ランダム化第III相試験がLIBRETTO-432試験であり、本年のプレナリーセッションで発表された。本試験は、根治的な手術または放射線治療を受けたStageIB~IIIAのRET融合陽性NSCLC患者を対象に、22か国から151例を登録し、セルペルカチニブ群(75例)またはプラセボ群(76例)に1:1の割合で無作為に割り付けた。主要な解析対象集団であるStageII~IIIAの患者において、EFSのHRは0.172(95%CI:0.058~0.509、p=0.0003)であり、2年EFS率はセルペルカチニブ群91.5%、プラセボ群61.1%であった。全体集団(151例)においても、EFSのHRは0.165(95%CI:0.056~0.485、p=0.0002)、2年EFS率は92%と61%であり、両群ともEFS中央値は未到達であった。死亡は3例のみで、いずれもプラセボ群における原疾患による死亡であり、割り付けられた治療期間中の死亡はなかった。有害事象はALT・AST上昇を中心に、進行期での既報プロファイルと一致していた。本試験は、早期RET融合陽性NSCLCに対するRET阻害薬の術後補助療法としての有効性を検証した初めての第III相試験であり、結果はNew England Journal of Medicine誌に同時掲載された。EGFR遺伝子変異陽性肺がんにおけるオシメルチニブ、ALK融合遺伝子陽性肺がんにおけるアレクチニブに続き、RET融合陽性肺がんにおいても術後補助療法としての分子標的治療のエビデンスが確立したことになる。RET融合陽性NSCLCは全体の1~2%程度とまれな分子サブグループであるが、3,446例をスクリーニングして151例を組み入れたという実施体制は、稀少なバイオマーカーに基づく術後補助療法試験の実施可能性を示した点でも意義深い。また、EGFR、ALKに続いて、シングルプレックスの遺伝子検査が存在しないRET融合遺伝子についても術後療法のエビデンスが創出されたことにより、周術期のバイオマーカー検査へのアクセスのさらなる拡大が期待される。目次に戻るHARMONi-6試験未治療進行扁平上皮NSCLCの一次治療として、PD-1/VEGF二重特異性抗体であるivonescimabと化学療法の併用療法と、抗PD-1抗体であるチスレリズマブと化学療法の併用療法を比較した中国発の国際共同ランダム化第III相試験がHARMONi-6試験であり、本年のプレナリーセッションで発表された。本試験は、未治療のStageIII~IVの扁平上皮NSCLC患者532例を、ivonescimab+化学療法群、またはチスレリズマブ+化学療法群に1:1(各266例)の割合で無作為に割り付けた。既報のPFS解析では、PFS中央値は11.1ヵ月と6.9ヵ月、ハザード比0.60(p<0.0001)と統計学的に有意な結果が示されていたが、本年は副次評価項目であるOSの事前規定の中間解析結果が報告された。データカットオフ日(2026年2月27日)時点で、追跡期間中央値21.36ヵ月において、OS中央値はivonescimab群27.89ヵ月、チスレリズマブ群23.69ヵ月であり、HRは0.66(95%CI:0.50~0.87、片側p=0.0017)と、事前に規定された有意性の境界(片側p<0.0049)を上回る統計学的に有意な結果であった。24ヵ月OS率は64.7%と48.6%であった。PD-L1 TPS1%未満の集団においてもOS中央値は未到達と18.6ヵ月であり、ハザード比0.64と一貫したベネフィットが認められた。本試験は、中国発の治験薬としてASCOの61年の歴史で初めてプレナリーセッションに選出された演題であり、結果はLancet誌に同時掲載された。一方で、対照群であるチスレリズマブ+化学療法群のOSが、既存の欧米標準治療であるペムブロリズマブ+化学療法(KEYNOTE-407試験)の成績を上回っている点は、対照群自体の成績が良好であるがゆえに、相対的な効果が過大評価されている可能性を示唆するとの指摘もあり、今後グローバルな集団における検証(HARMONi-3試験等)が焦点となる。目次に戻るCROWN試験未治療進行ALK融合遺伝子陽性NSCLCに対する1次治療として、ロルラチニブとクリゾチニブを比較した国際共同ランダム化第III相試験であるCROWN試験は、すでに実臨床に導入された標準治療の1つであるが、本年のASCOでは登録された296例(ロルラチニブ群149例、クリゾチニブ群147例)を対象とした7年フォローアップの結果が報告された。追跡期間中央値はロルラチニブ群83.0ヵ月、クリゾチニブ群77.2ヵ月であり、投与者評価によるPFS中央値はロルラチニブ群で未到達、クリゾチニブ群で9.1ヵ月、HRは0.19(95%CI:0.13~0.26)であった。7年時点でのPFS率はロルラチニブ群55%(95%CI:46~63)、クリゾチニブ群3%(95%CI:1~8)であり、24ヵ月の時点でPFSイベントを認めなかった患者が7年時点まで無増悪でいられる確率は79%であった。頭蓋内病勢進行までの期間中央値はロルラチニブ群で未到達、クリゾチニブ群で16.4ヵ月であり、HRは0.06(95%CI:0.03~0.12)、ロルラチニブ群では投与開始後30ヵ月以降に新規の頭蓋内進行イベントは認められなかった。安全性プロファイルは5年時点の解析から大きな変化はなく、データカットオフ時点でロルラチニブ群の44%が投与を継続していた(クリゾチニブ群は3%)。CROWN試験は、固形がん全体を通じても単剤の分子標的治療としては過去最長級のPFSを更新し続けており、ALK融合遺伝子陽性肺がんの1次治療におけるロルラチニブの位置付けを改めて強固なものとした。一方で、高脂血症、体重増加、浮腫、末梢神経障害、認知機能への影響など、長期間にわたる投与に伴う有害事象については、早期からの積極的なマネジメントと必要に応じた減量が実臨床上の重要な課題であり続けている。目次に戻る第4世代EGFR-TKI(DZD6008、BH-30643、BDTX-1535、VRN110755)オシメルチニブに代表される第3世代EGFR-TKI耐性後の中心的な耐性機序の1つであるEGFR C797X変異は、既存の薬剤では標的化することができず、これを克服しうる第4世代EGFR-TKIの開発が世界各地で進められている。本年のASCOでは、中国・米国・韓国発の複数の候補薬について初期臨床データが報告された。DZD6008は、EGFR exon19del/L858Rに加え、T790MやC797Xを含む二重・三重変異にも活性を有し、血液脳関門透過性に優れた第4世代EGFR-TKIである。第3世代EGFR-TKI後に増悪したEGFR C797X陽性NSCLC患者24例(評価可能例)を対象とした、TIAN-SHAN1・TIAN-SHAN2試験(第I/II相)では、20/40/60mgの用量でDZD6008が1日1回投与され、全体でのORRは41.7%、腫瘍縮小を認めた割合は75%であった。推奨第II相用量における解析では、40mg群(13例)でORR 23.1%、60mg群(10例)でORR 60.0%であった。DoR・PFSはいずれも未到達で、9ヵ月PFS率はそれぞれ54.5%、64.8%であった。頭蓋内活性も確認され、Grade3以上の治療関連有害事象はリンパ球数減少(8.3%)などにとどまり、用量制限毒性は認めなかった。BH-30643は、Macrocyclic構造を持つ非共有結合型・変異選択的な「OMNI-EGFR」阻害剤であり、T790MやC797Sの有無にかかわらず活性を維持することが前臨床で示されている。この薬剤を創薬したのは、ロルラチニブやレポトレクチニブなどのMacrocyclic阻害薬の創薬でも有名なJean Cui博士である。第I相のSOLARA試験では、EGFR・HER2変異陽性NSCLC患者72例(前治療ライン数中央値3、脳転移65%)が登録され、画像評価可能な17例中10例(59%)に部分奏効を認め、奏効割合はT790M陽性例(50%)と陰性例(66%)で同程度であった。とくにC797S陽性28例のうち画像評価可能な17例中10例(59%)が奏効し、ctDNA上でもC797S陽性例9例中7例でvariant allele frequencyの99%を超える減少が確認された。安全性についてはビリルビン上昇(36%)がGrade3の治療関連有害事象の主体であるが臨床的にはマネジメント可能で、間質性肺疾患は認められなかった。BDTX-1535(silevertinib)は、古典的変異に加え非典型的(non-classical/PACC)変異やC797S変異を標的とする、脳移行性の高い第4世代の共有結合型EGFR-TKIである。今回ポスターで発表されたのは、第3世代EGFR-TKI(主にオシメルチニブ)による治療歴を有し、非典型的変異またはC797S変異を有するNSCLC患者を対象とした第II相試験であり、前治療は2ライン以内、EGFR-TKIの投与歴は1剤に限定された集団が組み入れられた。200mg1日1回投与において、非典型的変異コホート(30例)のORRは16.7%(PACC変異に限定した解析[23例]ではORR 21.7%)、C797S変異コホート(33例)のORRは36.4%であり、治療期間中央値は4.8~5.0ヵ月であった。脳転移合併率はそれぞれ49%、31%であった。安全性はEGFR-TKI様のプロファイルであり、重篤な治療関連有害事象は11%、治療関連有害事象による投与中止は8%、Grade3の主な事象は発疹(13%)、下痢(8%)であった。同時期に別セッションで発表された未治療例におけるORR 60%というデータと比較すると、既治療・耐性獲得後の集団におけるベネフィットはより限定的であることが示唆される。VRN110755は、韓国のバイオベンチャーであるVoronoi社が開発する変異選択的かつ脳移行性の高い第4世代EGFR-TKIである。既治療のEGFR変異陽性NSCLC患者を対象とした第I/II相試験(REACH-EGFR)において、160mg以上の用量群で画像評価可能な21例中4例に部分奏効、16例に病勢安定が認められ、病勢コントロール率は95.2%であった。忍容性は良好であり、Grade3以上の治療関連有害事象や用量制限毒性は認められず、既存のEGFR-TKIと比較して下痢の頻度が低く、間質性肺疾患やQTc延長も認めなかった点が特徴として報告されている。C797S変異陽性例を含む前治療の進んだ集団においても一定の抗腫瘍活性が確認されており、今後の用量最適化および拡大コホートでの検証が注目される。以上のように、各薬剤ともまだ単群・少数例による初期段階のデータではあるが、C797X耐性を克服しうる経口の第4世代EGFR-TKIとして、抗体医薬品を中心としたアプローチ(アミバンタマブなど)とは異なる選択肢としての開発が進んでいる。今後は奏効の持続性(DoR・PFS)、頭蓋内活性、そして肝機能検査値異常や皮膚障害を中心とした忍容性の観点から、各剤の位置付けと差別化が焦点となっていくものと考えられる。目次に戻るさいごに2026年のASCOはHARMONi-6、LIBRETTO-432に代表される大型の第III相試験の結果に加え、周術期領域でのLORIN試験、進行期1次治療でのWU-KONG28試験・OptiTROP-Lung05試験、そして長期フォローアップデータとしてのCROWN試験7年成績など、肺がん治療のあらゆる場面において着実な進展がみられた。さらに、第4世代EGFR-TKIをめぐる複数の候補薬の初期データが報告されたことは、オシメルチニブ耐性後という長らく有効な標的治療の乏しかった領域に、新たな選択肢が生まれつつあることを示している。周術期ICIや抗体薬物複合体の開発とあわせ、肺がんの治療開発が実に幅広い領域で同時並行的に展開している状況は今後も続くと考えられる。目次に戻る

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「がんサバイバーの心臓をまもる」市民公開講座を開催/日本腫瘍循環器学会【ご案内】

 日本腫瘍循環器学会は、同学術集会(JOCS2026)開催期間中の2026年9月6日(日)、市民公開講座「がんサバイバーの心臓をまもる―がん罹患後の循環器疾患に対応するプライマリケア医を探せ―」を開催する。  近年、がん治療の進歩により多くのがんサバイバーの長期生存が可能になった一方で、治療後には心不全、不整脈、高血圧、血栓症といった循環器疾患に直面するケースも少なくない。本講座では、乳がんや血液がんなどの小児・AYA世代のがん経験者やその家族にとって関心の高いテーマである、「がん治療後に起こりうる心臓・血管の問題」「体調変化を感じたときの相談先」「かかりつけ医や地域医療との連携」などについて、医師、薬剤師、患者アドボケイトが共に考える内容となっている。  開催概要は以下のとおり。【日時】 2026年9月6日(日)10:00~12:00(開場9:30) 【会場】 順天堂大学 本郷・御茶ノ水キャンパス 国際教養学部 第3教育棟(〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1) 【対象】 患者、家族、友人、医療従事者など、どなたでも参加可能 【参加費】 無料(事前申込制・定員200名) 【申込締切】 2026年8月28日(金) 【プログラム】 【申込方法】WEB:https://jocs2026.umin.jp/FAX:03-5275-1192 【演者・パネリスト】座長:下村 昭彦氏(国立国際医療センター がん総合内科/乳腺・腫瘍内科) 向井 幹夫氏(大阪がん循環器病予防センター) ■10:00~10:10 座長スライド「最新のがん治療と合併症」 ■10:10~10:25 「がん罹患後に出現するがん治療関連心血管毒性~腫瘍循環器医の立場から~」向井 幹夫氏(大阪がん循環器病予防センター) ■10:25~10:40 「プライマリケア医ってどんな医師?~がん治療後の健康を支える身近なパートナー~」西 明博氏(水海道さくら病院 総合診療科) ■10:40~10:55 「がんとともに生きる時代の健康管理~かかりつけ医との連携が支える安心な暮らし~」桜井 なおみ氏(一般社団法人CSRプロジェクト) ■10:55~11:55 パネルディスカッション <パネリスト> 西 明博氏(水海道さくら病院 総合診療科) 渡邉 雅貴氏(医療法人社団みやび 理事長) 平出 誠氏(東京薬科大学 臨床評価学教室) 桜井 なおみ氏(一般社団法人CSRプロジェクト) 山崎 多賀子氏(NPO法人キャンサーリボンズ 美容ジャーナリスト) 岸田 徹氏(NPO法人がんノート) 河田 純一氏(CML患者・家族の会 いずみの会/東京大学医科学研究所)■12:00 閉会挨拶 佐瀬 一洋氏(JOCS2026大会長/順天堂大学 臨床薬理学) 【主催・後援】 主催:第9回日本腫瘍循環器学会学術集会 後援:一般社団法人 日本腫瘍循環器学会 詳細はこちら

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