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コロナ禍の献血不足を救う?自己血輸血の効果を検証

 新型コロナウイルス感染症の影響はさまざまな側面で現れているが、献血の減少もその1つに挙げられる。保存血液の使用機会の多い外科領域では、現状に鑑みた効率的な保存血液の使用を検討する必要がある。欧米では、血液製剤の使用を減らすために希釈式自己血輸血が活用されている。京都大学の今中 雄一氏ら研究グループは、国内で手術を受けた患者の保存血液使用率について、希釈式自己血輸血を受けた患者と受けていない患者とで比較したところ、自己血輸血を受けている患者では赤血球製剤使用率が約2割少ないことがわかった。本結果は、PLOS ONE誌オンライン版2021年3月10日号に掲載された。 本研究では、日本の行政データベースを基に、2016~2019年に心臓手術(3万2,433例)および大動脈手術(4,267例)を受けた患者を登録し、保存血液使用率と使用量について、希釈式自己血輸血を受けた患者(自己血輸血群)と受けていない患者(コホート群)で比較した。病院情報と患者情報を調整するため、解析には多段階傾向スコアマッチングを用いた。 主な結果は以下のとおり。・保存血液の中で最もよく使われる赤血球製剤について、心臓手術における自己血輸血群では使用率38.4%(vs.コホート群:60.6%、p<0.001)、使用量は3.5単位(同:5.9単位、p<0.001)と減少効果を認めた。・同じく、心臓血管手術における自己血輸血群では使用率83.8%(vs.コホート群:91.4%、p=0.037)、使用量は7.9単位(同:11.9単位、p<0.001)と減少効果を認めた。・副次的転帰である輸血関連有害事象の発生や、術後ICU滞在期間は、両群間に差は認められなかった。 著者らによると、欧米では800mL以上の血液を採取して自己血輸血することが推奨されているが、欧米人に比して体格が小柄な日本人では、そのような大量の採血を行うのは容易ではなく、推奨量も不明であるという。加えて、国内における希釈式自己血輸血の保険適応は2016年で、現段階では十分に浸透しておらず、日本人における効果検証が十分に行われていないのが現状だという。 希釈式自己血輸血は、人工心肺開始前に採取した自己血を室温で保存し、術中に使用するため、凝固関連因子を不活性化することなく正常範囲内で迅速に提供でき、術中の輸血戦略には大きなメリットである。著者らは、「新型コロナウイルスの影響から献血の減少が深刻になっている地域もあり、効率的な保存血液の使用を検討する必要がある。血液が足りない患者に迅速かつ確実に保存血液を送るためにも、希釈式自己血輸血は重要な技術だ」と述べている。

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先天性腎性尿崩症〔Congenital nephrogenic diabetes insipidus〕

1 疾患概要■ 概念・定義腎性尿崩症(Nephrogenic Diabetes Insipidus:NDI)は、腎尿細管におけるAVP(Arginine Vasopressin)の作用不足のために尿濃縮障害を呈し、そのために多尿(尿の過剰産生)と多飲(過度の口渇)を呈する疾患群である。NDIは、成因により先天性と二次性に分けられる。先天性NDIは、AVPのV2受容体やAVP依存性水チャンネルのアクアポリン-2の遺伝子異常などにより発症する。二次性NDIは、低カリウム血症、高カルシウム血症、腎泌尿器疾患、薬剤(炭酸リチウムほか)、アミロイドーシスなどに伴って発症する。先天性NDIは難病指定を受けている。本稿では主に先天性NDIについて述べる。■ 疫学わが国の関連学会会員を対象とした全国規模の腎性尿崩症の頻度調査(2009~2010年)では、173例のNDIが確認され、そのうち15例はリチウム製剤に起因する二次性NDIであった1)。■ 病因と分類NDIの原因は、先天性と二次性に大別されるが、二次性はさらに、薬剤性、腎泌尿器疾患によるもの、その他、などに区分される(表12))。表1 腎性尿崩症の原因2)1.先天性1)X連鎖潜性遺伝(劣性遺伝)性 AVPR22)常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)性 AQP23)常染色体顕性遺伝(優性遺伝)性 AQP24)その他2.電解質異常1)高カルシウム血症2)低カリウム血症3.薬剤性リチウム、デメクロサイクリン、アンホテリシン B、アミノグリコシド系薬剤、メトキシフルレンなど4.腎泌尿器疾患1)慢性腎不全2)逆流性腎症、間質性腎炎3)異形成腎、髄質嚢胞性腎疾患、ネフロン癆4)ファンコニー症候群(シスチン蓄積症、他)、バーター症候群5)尿路閉塞5.その他1)サルコイドーシス2)アミロイドーシス3)シェーグレン症候群4)鎌状赤血球症5)浸透圧利尿(糖、マンニトール、ナトリウム)6)ACEI/ARB fetopathy**は著者改変1)AVPによる集合管における尿濃縮の機序V2受容体は7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体で、腎集合管主細胞の血管膜側細胞膜に発現している。AVPがV2受容体に結合するとGタンパクとアデニル酸シクラーゼの活性化を生じ、cAMPが産生される。cAMPはプロテインキナーゼA(PKA)を介して、輸送小胞膜上にホモ4量体で水チャンネルを形成しているアクアポリン-2をリン酸化する。リン酸化されたアクアポリン-2を載せた小胞は管腔側細胞膜へ移動し、エクソサイトーシスにより細胞膜と融合することで管腔と主細胞間に水チャンネルが開通する。主細胞の血管側細胞膜上でアクアポリン-3、4により恒常的に開通している水チャンネルの作用と併せて、管腔側から血管側へ水が再吸収されて尿が濃縮される(図)。図 腎尿細管主細胞におけるV2受容体とアクアポリンによる水の再吸収(著者作成)画像を拡大する2)先天性NDI(a)遺伝形式と発症機序先天性NDIの90%以上はX連鎖潜性遺伝(劣性遺伝)である。約9%の患者は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)であり、1%は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)である。X連鎖潜性遺伝(劣性遺伝)NDIの95%にはAVPのV2受容体遺伝子AVPR2に病的バリアントを認め、常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)NDIの約95%にはアクアポリン-2遺伝子AQP2に病的バリアントを認める。軽症または部分型の先天性NDIは、AVPR2遺伝子異常に報告されることが多いが、顕性遺伝(優性遺伝)形式をとるAQP2遺伝子異常によるものも報告されている。(b)AVPR2の遺伝子異常AVPのV2受容体遺伝子AVPR2はヒトではX染色体上に位置していて、3つのエクソンからなる。この遺伝子の病的バリアントによるNDIの発症は、男性100万人に4人程度の発症率で認められている。報告されている200種以上のバリアントには特定の集積部位は認められない。機能解析がなされているミスセンス例の多くは、misfoldingによるtrafficking障害によりバリアントタンパクが膜に到達できないことによる。バリアントの種類によっては、部分的にAVP作用が保たれる例も存在する。2012年の厚生労働省研究班の全国調査では、遺伝子解析が実施された62例のうち、AVPR2異常が43例を占めた1)。(c)AQP2の遺伝子異常アクアポリン-2の遺伝子AQP2はヒトでは12q13に位置し、4つのエクソンよりなる。常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式と常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式の双方が報告されている。2012年の厚生労働省研究班の全国調査では、遺伝子解析が実施された62例のうち、AQP2異常が5例を占めた1)。(d)ACEI/ARB fetopathy遺伝性ではないが先天性NDIが、妊娠中に降圧薬ACEI/ARBを内服した母体から出生した児に発生することが報告されている3)。薬剤による影響がその原因であるので二次性でもある。3)二次性 NDI以下の原疾患・原因により引き起こされるNDIであり、主に、年長児や成人に発症する。(a)腎泌尿器疾患慢性腎不全、間質性腎炎、慢性尿路閉塞などの腎尿細管機能低下を招来する腎泌尿器疾患は尿濃縮力を低下させ、NDIを呈する。(b)電解質異常高カルシウム血症,低カリウム血症に伴う尿濃縮障害によるNDIが知られている。(c)薬剤性 NDI躁状態治療薬(炭酸リチウム)、抗リウマチ薬(ロベンザリット二ナトリウム)、抗 HIV 薬(フマル酸テノホビルジソプロキシル)、抗菌薬(イミペネム・シラスタチンナトリウム、アムホテリシン、塩酸デメクロサイクリン)、抗ウイルス薬(ホスカルネットナトリウム水和物)などによるNDIが知られている。リチウムについては、glycogen synthase kinase 3(GSK3)を抑制することにより、AVP感受性アデニル酸シクラーゼ活性が低下して細胞内cAMP産生が低下し、AVP作用が減弱するとされている。(d)その他頻度は低いがアミロイドーシス,サルコイドーシスなどの全身疾患もNDIの原因となる。■ 症状多尿が共通した症状であるが、患者の年齢により徴候が異なる。先天性NDIの徴候を述べる。(1)胎児期:母体の羊水過多。(2)新生児期:生後数日頃から、原因不明の発熱およびけいれんを来す。高浸透圧血症、高ナトリウム血症を呈す。(3)幼児期~成人:多尿(3~20L/日、乳幼児では体表面積あたりの尿量が2,500mL/m2以上)とそれに伴う多飲を呈す。軽症例では、心因性多飲として経過観察されていたり、多尿に気付かれず夜尿のみを訴えることもある。体重増加不良、便秘を呈すこともある。■ 予後1)中枢神経系口渇に対して自らの意思で飲水できない新生児、乳幼児や意識障害を伴う例では、特に診断前には高張性脱水(高ナトリウム血症)を来し、中枢神経系の不可逆的な障害を残すことが多い。新生児では初発症状が高ナトリウム血症による痙攣のこともある。2012年の厚生労働省研究班による全国調査では、先天性NDIの約1割に精神発達遅滞を認めた。乳幼児期を過ぎれば自律的に水分摂取が可能となるので、意識障害時を除いて高張性脱水による中枢神経合併症を生じることはないとされる。2)腎泌尿器系現在のところ、NDIの多尿を適切に改善させる治療法がないので、長期間の多尿による腎泌尿器系の合併症が約半数の患者にみられる。水尿管を含む水腎症、膀胱尿管逆流症の併発により腎機能低下を招来する。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)先天性腎性尿崩症の診断基準は、主要症状である多尿、検査所見として尿浸透圧の低値とAVPへの無反応/反応低下、鑑別診断と遺伝学的検査よりなっている(表24))。これには軽症または部分型NDIを診断するための重症度分類も含まれている1)。先天性NDIの診断年齢は、1歳未満が半数以上を占めているが、1~4歳で診断される例も1~2割を占める。表2 先天性腎性尿崩症の診断基準4)と重症度分類1)画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)多尿に見合う適切な量の水分摂取、腎への溶質負荷を軽減するための塩分・蛋白質の摂取制限、サイアザイド系利尿薬や非ステロイド系抗炎症薬の投与が行われる。小児期には、まず塩分制限を行い、効果が不十分な場合に蛋白制限を追加するが、成長障害に十分な注意を払わなければならない。サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロサイアザイドで2~4 mg/kg/日)は、利尿により生じる軽度の体液量減少がレニン・アルドステロン・アンギオテンシン系や交感神経系を賦活して近位尿細管におけるNaと水の再吸収を促進することで、結果的にAVPの作用部位である集合管への水・電解質の負荷を軽減し、逆説的に尿量減少効果を呈すると考えられている。サイアザイド系利尿薬の投与により、尿量は、1/2~1/3程度に減少する。効果が不十分な場合、AVPR2遺伝子異常によるNDIではインドメタシンや選択的COX-2 阻害薬が有効とされるが、近年、長期の選択的COX-2阻害剤投与が心臓の副作用を招くことが明らかにされた。部分的NDIではAVPへの反応性が残存しているので、高容量のDDAVPとサイアザイドの併用による治療が可能な場合がある。4 今後の展望AVPR2バリアントやAQP2バリアントでは、タンパクの細胞質移送が障害されていることが明らかになっているので、種々の薬剤のシャペロン作用により、バリアント蛋白の細胞質内での滞留を解除する試みがなされているが、実用には至っていない5)。5 主たる診療科新生児科、小児科、内科、泌尿器科、腎臓内科、神経内科、神経小児科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 先天性腎性尿崩症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報腎性尿崩症 友の会(患者とその家族および支援者の会)1)腎性尿崩症の実態把握と診断・治療指針作成に関する研究(研究代表者 神崎 晋). 平成21~23年度総合研究報告書. 2012.2)根東義明. 日腎会誌. 2011;53:177-180.3)Miura K,et al. Pediatric Nephrology.2009;24:1235–1238.4)先天性腎性尿崩症.難病医学研究財団 難病情報センター.(2021年3月1日閲覧)5)Bernier V, et al. J Am Soc Nephrol.2006;17:232-243.公開履歴初回2021年04月13日

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認知症患者さんのワクチン接種【コロナ時代の認知症診療】第2回

ワクチンによる副反応と予防効果、まず整理しておきたいこと新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2回目の緊急事態宣言が終了したものの、リバウンド現象かと、第4波の始まりを危惧する声も出てきた。昨年2月頃から本格化したこのCOVID-19を抑える術は、現時点(2021年4月)では、予防ワクチン投与しかないとも考えられている。しかしワクチンで本当に予防できるのか? 安全なのか? さらには集団免疫を形成する上で有用なのか等と慎重論、反対意見も強い。医療関係のマスコミなどでもいくつかアンケート調査が行われている。直近ではだいぶ接種に前向きな人が増えてきた印象だが、自分自身が予防注射を、受けたい、受けたくない、どちらともいえない、への回答は見事に3分されていると筆者はみてきた。健常者でも、副反応の危険性が怖いのは当然だが、いわゆる基礎疾患ゆえに、高齢者、とくに認知症があればその恐さは倍増する。ワクチンの国内接種は今年の2月に始まり、1ヵ月余りが経過した。厚労省からこの中間集計が報告されている1)。注目すべきは、アナフラキシーショックもさることながら、一般的な副反応がどのようなもので、どの程度かという点であろう。その結果、発熱・だるさは1回目の投与ではさほどでもないが、2回目に注意が必要だとされる。例えば、37.5度以上の発熱は、1回目は3%、2回目では36%になる。だるさは23%から67%に上がる。インフルエンザワクチンでは、発熱3%、だるさ9%に過ぎないとされる。このような高率はCOVID-19 ワクチンでは、1回目で基礎的な免疫ができ、2回目ではより強い免疫反応が働くからと説明される。なおこうした症状は1週間近く続くようだ。ところでワクチンの予防効果については、筆者もこれまで、相当高いと思ってきた。たとえば国民の6割が接種を受けたイスラエルでは、年齢によらず9割以上の発症予防効果があったとされる2)。だがこの効果の正しい理解には注意がいる。と言うのは、「ワクチンを接種すると90%以上が発症しない」ということではない。例えばワクチン群とプラセボ群、各々1,000名に接種した後、プラセボ群で10例が、ワクチン群で1例が発症すれば、効果(有効性)は90%になる。だから90%がどこまでの効力かについては、インフルエンザ予防注射と同じで、接種されても発病する人もままあると考えるべきだろう。それぞれの“理解ストライクゾーン”を探して、伝え方の工夫認知症患者さんのワクチン接種を考える時、最も注意すべきは、副反応の問題だろう。最近ノルウェーで高齢者における23例の死亡が報告され話題になっている3)。けれどもこの報告は、ワクチンが直接死因となったと述べているわけではない。むしろ副反応としてありがちな発熱や悪心・嘔吐がしばらく続くことで、基礎疾患に更なるダメージが加わって死に至らしめるのではと考察している。それだけに、基礎疾患があり衰弱した高齢者や認知症患者では、接種に慎重さが求められる。つまりワクチンは、発症や重症化を防ぐと期待される反面、こうした危険性またアナフラキシーのような直の危険性もあるという認識が不可欠になる。話が複雑になるだけに、高齢者、とくに認知症のある方にとって受ける、受けない、の決断は難しい。もちろん認知症だから意思決定能力がないわけではない。認知症の程度によっては、十分な意思決定能力を有する人もいる。だが筆者が認知症の人の意思決定において最も危惧することがある。と言うのは、認知症の人は話す日時によって、また相手によって、など状況が異なれば、簡単に意見が変わることがある。次の機会は正反対の発言であることも珍しくない。まず周囲の人が、ワクチン接種の意思を問う際には、上記したようなメリットとデメリットを述べる必要がある。けれどもうこうしたCOVID-19の概況が理解できない場合も少なくはない。認知症の人の意思決定に関しては、「意思決定支援ガイドライン」4)があり、基本原則が挙げられている。最重要なのがご本人の意思尊重であることは言うまでもない。また「認知症の程度にかかわらず、本人には意思があり、意思決定能力があることを前提」、また「意思能力は固定的でない、本人の保たれている認知能力等を向上させる働きかけ」がポイントだろう。これを実際的に述べるならば、「難しいから答えられないだろうと諦めてはいけない。話す状況や話し方を変えるなど工夫をして、その人の理解ストライクゾーンにくるまで何度でも説明しようということ」になる。具体的には、コロナウイルスなどと言わないで「特別怖いインフルエンザ」、副反応やアナフラキシーではなく「ワクチンには毒もある」、さらにクラスターではなく「おじいちゃんがかかれば、家族みんながかかる可能性が大きい」などの表現だろうか。なおこうした話がまったく理解できないケースも想定される、こうした方では、これまでのインフルエンザの予防接種歴やこれに関する過去の発言や態度、さらに終末期医療など死生観に関わる意見などが参考になるかもしれない。参考文献・参考情報1)第54回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和2年度第14回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催), 資料2 新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)-健康観察日誌集計の中間報告(2)2)Dagan N, et al. N Engl J Med. 2021 Feb 24. [Epub ahead of print]3)Torjesen I.et al. BMJ.2021 Jan 15;372:n149.4)厚生労働省, 認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン

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COVID-19ワクチン(2021年3月現在)【今、知っておきたいワクチンの話】各論 第8回

ワクチンの特徴(種類と製法)新型コロナワクチンは2020年12月に相次いで3製剤(Pfizer/BioNTech製、Moderna製、AstraZeneca/Oxford製)が治験を終え、米国および英国をはじめ各国で承認され接種が始まった。その後も複数の新規ワクチンが米国、中国、ロシアなどで順次承認され使用されている。わが国では2021年3月現在、Pfizer/BioNTech製の「コミナティ筋注」(以下、「コミナティ」)のみが承認され、医療従事者から順次接種が始まっている。早ければ4月中旬には地域の高齢者にも接種が始まる見込みである。Moderna製、AstraZeneca/Oxford製はいずれも承認申請済みであるものの現在審査中であり、具体的な承認時期は不明である。以下、コミナティに限定して解説する。コミナティの特徴コミナティはメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンである。新型コロナウイルスが持つ構造蛋白のうちヒト細胞への侵入のカギとなるのは、スパイク蛋白である。このワクチンは、ウイルス遺伝子からスパイク蛋白の配列部分だけを切り出し、安定化のためにリポ脂質で包んだもの(物質名「トジナメラン」1) )を主成分としている。コロナウイルスは1本鎖プラス鎖RNAウイルスであるため、切り出したウイルス遺伝子がそのままmRNAとして機能する。これを筋肉内に接種すると、ヒト筋細胞はmRNAを読み取って細胞質内でウイルスのスパイク蛋白を大量に生成し、細胞外に放出する。放出されたスパイク蛋白を免疫細胞が認識することで、スパイク蛋白に対する免疫を獲得するという仕組みである2)。mRNAワクチンがヒトで実用化されたのは今回が初めてである。ではなぜ、不活化や弱毒性などの既存製法ではなく、mRNAだったのか? 答えは開発速度にある。不活化や弱毒性その他の既存製法は基本的に、ウイルスそのものを原材料として大量に必要とする。そのためウイルスの適切な培養系の確立が必須となるが、通常は年単位を要する開発作業である。それに対してmRNAは、ウイルスの遺伝子配列さえ既知であれば、遺伝子工学によって迅速に原材料を大量生産できる。実際、Pfizer/BioNTech社は、2020年1月10日に中国保健当局が新型コロナウイルスの全遺伝子配列を発表したその日から開発に着手したとphase 3論文で明言している3)。全世界を覆う未曾有のパンデミックにおいて迅速なワクチン開発は決定的に重要であった。遺伝子工学による新技術がコロナ禍に迅速に希望をもたらしたのである。ウイルス遺伝子を接種することに漠然とした不安があるようだが、杞憂である。分子生物学のセントラルドグマに従い、ワクチンのmRNAがヒトDNAへと逆転写されることはけっして起きない。そもそも一般にウイルス感染のたびにヒト細胞は大量のウイルス遺伝子に晒されるが、レトロウイルスのようなごく一部のウイルスを除いて、ウイルス遺伝子がヒトDNAに直接影響を及ぼすことはないのだ。インフルエンザウイルスに感染しても新型コロナウイルスに感染しても、ヒトDNA自体が変化を受けることはない。よって、ワクチンとして接種した新型コロナウイルス・スパイク蛋白のmRNAが、ヒトDNAに影響を与えることも子孫に継代されることもあり得ないのである。コミナティの効果Phase 3論文で示された効果は、2回目接種完了後7日後以降におけるCOVID発症(発熱などで発症しPCR検査で陽性と確定される患者)が、プラセボ群に比べて95.0%(95%信頼区間90.3-97.6)減少するという驚異的数字であった。発症の減少に伴い、重症COVIDも88.9%(同20.1-99.7)と著しく減少した。世界で最も早く市民への接種が進んだイスラエルにおけるヒストリカルコホート研究4)でも、COVID発症が94%(同87-98)、重症COVIDが92%(同75-100)それぞれ減少した。これらはphase 3とほとんど同等の結果であり、治験内容が裏付けられた。さらに、同研究では無症候性感染に相当するPCR陽性者も90%(同83-94)減少したことも観察され、コミナティが発症のみならず感染自体も予防することが示唆された。一方で、コミナティ接種によって他者への感染伝播を減少するか、すなわち集団免疫の形成に寄与するかは、本稿執筆時点でpeer-reviewed journalに掲載された質の高い研究では示されていない。今後の報告が待たれる。ワクチンの副反応・有害事象懸念された副反応については、治験においては通常のワクチン反応性症状(発熱、倦怠感、接種部位疼痛、腫脹など)しか検出されなかった。これは人体が免疫獲得する際に生ずる自然な炎症反応の現れであり、何ら後遺症を残すことなく1日~数日で自然消失する。ただし、既知のワクチンに比べると頻度は高く、自覚症状も強めのようである。接種翌日には欠勤など、接種しやすくする配慮が望ましいであろう。アナフィラキシーについては、治験では検出されなかったが、市中接種開始後に報告され始めた。米国のワクチン有害事象報告システム(VAERS)に集積された報告の解析によると5)、コミナティは994万接種中47件のアナフィラキシー(ブライトン分類1~3)が生じ、100万接種あたり4.7件の頻度であった。接種から発症までの時間の中央値は10分であり、94%が女性であった。同じ米国VAERSに報告された既存ワクチンによるアナフィラキシーが100万接種あたり1.31件とされている6)のに比べても、極端に高い数字とは言えない。ただし、女性がほとんどを占めていることには注意を要する。もともとアナフィラキシーは女性に多いと報告されており7)、局所麻酔薬アナフィラキシーでも女性が多かったという報告もある8)。一方で、コミナティではmRNAを包むリポ脂質がポリエチレングリコール(PEG)で構成されているが、PEGはアナフィラキシー原因物質として知られる9)と同時に、多くの化粧品に含まれている。コミナティで女性にアナフィラキシーが多いのは化粧品にPEGが含まれていることと関係があるかもしれないが、現時点で詳細はわかっていない。上記以外には、副反応の可能性がある有害事象の報告は現時点ではなく、極めて安全なワクチンと言ってよい。コミナティは3月上旬時点ですでに世界で1億回以上接種されたと見込まれている。仮に100万接種分の1の極めてまれな頻度で生ずる重篤な副反応があったとしても、1億回接種してそれが1件も発生しない確率は、と、あり得ないほど小さな確率である。すなわち、1億回以上接種されたにもかかわらず新しい副反応報告がない時点で、確率100万分の1のような極めてまれな副反応も観察されていないと言ってよい。ただし、特定の人口集団(特定の年齢、特定の疾患患者など)に限定的な副反応は今後発見される可能性が残っている。たとえば、コミナティではなくAstraZeneca製のウイルスベクターワクチンではあるが、55歳以下の若年世代で接種によって血栓症(播種性血管内凝固症候群および脳静脈洞血栓症)が増える可能性が示唆されている10)。ただし、COVID-19感染そのものによって血栓症リスクが明らかに増大するため、接種による感染予防は接種による血栓症リスクを上回ると欧州医薬品局は判断している。ワクチンの保管と輸送の注意点、留意点mRNAは不安定な物質であるため、長期にはマイナス70℃前後の超低温保存が必要である。ただし2021年3月1日付で添付文書が改訂され、最長14日間までならマイナス20℃前後でも保存可能となった11)。解凍からシリンジ分注までは、冷蔵温度(プラス2~8℃)の場合は5日以内に、直接室温に出す場合は2時間以内に行わねばならない。1バイアルを溶解するとちょうど1.8mLとなり、1人分が0.3mLであることから、死腔の少ないシリンジで適切な手技にて吸引すれば1バイアル6人分採取が可能である。何らかの理由で6人分採取できない場合は残量を破棄する。シリンジに分注後は6時間以内に接種せねばならず、それ以上経過した場合は破棄する。またすべての過程において、十分に遮光し続けねばならない。図も参照いただきたい。図 コミナティの取扱い画像を拡大するmRNAが物質として不安定であることから、輸送時には振動を避けることとされている。オートバイのような輸送手段は不適切とされるが、乗用車の座席で丁寧に輸送する程度なら問題はないようだ。被接種者への説明のポイント筆者が確認している限りでは、コミナティその他新型コロナワクチンを不用意に危険と煽るような報道は幸いほとんど目にしていない。しかし、SNSや口コミでさまざまな否定的意見やデマの類が広まっているようである。医療従事者が、被接種者や患者から不安げに質問されたり、限られた情報だけに基づく否定意見を投げられたりするかもしれない。日頃の医療従事者-被接種者(患者)関係に基づいて、丁寧なコミュニケーションを是非ともお願いしたいところである。コミュニケーションのポイントは、下記のように整理できるだろう。効果として、発症、感染を共に90%以上予防できる、優れたワクチンであること。副反応は、世界で1億人以上が接種した時点で、一過性の発熱や痛みとごくまれなアナフィラキシーしか報告されていない、かなり安全なワクチンでもあること。遺伝子工学の発展のお陰で極めて短期間で開発できたが、治験の手順は一切省略されず丁寧に行われ、さらに市中接種開始後も効果と安全性を検証する研究が多数進行中であること。ウイルス遺伝子を体に注入することは自分や子孫の遺伝子に何ら悪影響はないこと。接種によって他人にも感染させないようになる(いわゆる「集団免疫」が付く)のかはまだわかっていないが、少なくとも接種した本人が極めて高い確率で感染から守られるのは確実であること。参考となるサイト(公的助成情報、主要研究グループ、参考となるサイト)新型コロナワクチンについては下記の各サイトも是非参照いただきたい。新型コロナウイルス感染症 診療所・病院におけるプライマリ・ケアのための情報サイト(日本プライマリ・ケア連合学会)こどもとおとなのワクチンサイト(日本プライマリ・ケア連合学会)新型コロナワクチンについて(厚生労働省)新型コロナワクチンについて(首相官邸)これでわかる!新型コロナワクチン情報(新型コロナワクチン公共情報タスクフォース)こびナビ(保健医療リテラシー推進社中)コロワくんサポーターズ(コロワくんサポーターズ)また、筆者自身もコロナワクチンの医療従事者向け情報を下記サイトで整理している。併せてご参考になれば幸いである。Vaccipediaワクチペディア プライマリケアのためのワクチンリソース1)コミナティ筋注添付文書.2)Pardi N, et al. Nat Rev Drug Discov. 2018;17:261-279.3)Polack FP, et al. N Engl J Med. 2020;383:2603-2615.4)Dagan N, et al. N Engl J Med. Published online 2021.doi:10.1056/NEJMoa21017655)Shimabukuro TT, et al. Jama. 2021;325:2020-2021.6)McNeil MM, et al. J Allergy Clin Immunol. 2016;137:868-878.7)Jensen-Jarolim E, et al. Allergy. 2008;63:610-615.8)Fuzier R, et al. Pharmacoepidemiol Drug Saf. 2009;18:595-601.9)Stone Jr. CA, et al. J Allergy Clin Immunol Pr. 2019;7:1533-1540.10)EuropeanMedicalAgency. COVID-19 Vaccine AstraZeneca: benefits still outweigh the risks despite possible link to rare blood clots with low blood platelets. 18 March. Published 2021. (2021年3月1日閲覧)11)ファイザー株式会社. COVID-19ワクチン『コミナティ筋注』の日本における添付文書改訂について.(2021年3月1日閲覧) 講師紹介

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ミドリムシ摂取でコロナ禍の不安疲労が解消する?

 コロナ自粛により自律神経が乱れ、多くの日本国民が不安や疲労に苛まれている。これを打破するために、一躍ブームとなったミドリムシが改めて見直されるかもしれないー。3月17日、『コロナ禍における新たな社会課題「不安疲労」の実態と「腸ツボ」刺激によるアプローチ~多糖成分パラミロン最新研究報告~』(主催:パラミロン研究会)が開催。久保 明氏(東海大学医学部客員教授/内分泌・糖尿病専門医)と内藤 裕二氏(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学 准教授)らが登壇し、ミドリムシの生成物がいかに現代社会に必要か解説した。ミドリムシが生成するパラミロンとは パラミロンとはユーグレナ(和名:ミドリムシ)だけが生成する細胞内に貯蔵される多糖体で、摂取すると腸に直接作用し、便中から未分解、無傷の状態で検出される成分である。これまでの臨床試験では、身体的・精神的疲労感軽減をはじめ、血糖値の上昇抑制やLDLコレステロールの低下のような代謝機能改善に対する有効性が報告されている。パラミロンの中でもEOD-1株が有用だが、機能性についてはまだ解明途中であり、現在、免疫系や消化器系をはじめとするさまざまな領域の研究者が探求している。コロナ禍、4人に1人が不調を感じている その研究者の1人で、コロナ禍で顕在化した新しいタイプの疲労を『不安疲労』として提唱する久保氏は「不安疲労とは、“なんとなくだるい”という身体的疲労感と“やる気が出ない”、“不安だ”という精神的疲労感が結びついたもの」と解説し、「Twitter上でも長引くコロナ禍で多くの人がこの不安疲労を抱えていることが如実に表れている。実際に本研究会が行った実態調査(n=1,200)でも52.7%が不安疲労を感じることが増えたと回答した」と説明し、「なかでも若い世代の女性は社会的サポートの不足や女性特有の体調変化に悩み、さらには女性ホルモンのエストロゲンの分泌不足により自律神経の機能低下が生じて不安疲労に陥りやすい」とも話した。また、この状態が続くと、うつ病だけではなく、活性酸素とともに動脈硬化の進展など老化を加速させる可能性があるが、「パラミロンを含んだ食品を摂取した群では早期に副交感神経活動が優位になり、身体的・精神的いずれの疲労感も軽減したことから、自律神経の乱れを整えるために姿勢を正したウォーキングなどを行うとともにパラミロン摂取が対策の一助になる」と説明した。パラミロンが腸の感覚受容体を刺激 続いて、内藤氏がパラミロンによる腸管の乱れ解消法について説明した。消化管は脳腸相関で相互に密接に影響し合っているため、ストレスがかかると腹痛が生じ下痢や便秘などの消化・吸収機能に影響が出る。一方、消化管にはさまざまな化学的・物理的刺激を感受するセンサーが備わっており、温度感受性Transient Receptor Potential(TRP)チャネルや甘味を感知する味覚受容体T1R2、嗅覚受容体はその代表例だ。つまり、味は舌の味蕾だけではなく胃や小腸で、匂いは鼻以外に大腸でも感じている。この腸管粘膜にある受容体などのセンサー(腸ツボ)を同氏は整体のつぼ押しに例え“腸ツボ”と称し、「腸管粘膜の細胞に点在する腸ツボを刺激することで神経系・免疫系・内分泌系の細胞が活性化することが解明されてきた。その物理的な刺激を担うのがパラミロンである」と解説した。 今回のコロナ禍の事例として、同氏は大島 忠之氏らの論文1)を紹介。それによると消化器症状の悪化を訴えたのは健康成人で6%程度に対し、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群を罹患している方では40%に上った。この状況を踏まえ、「これらの症状もパラミロンによって腸内細菌叢を改善させることで良い方向に向けることができるのかもしれない」と締めくくった。

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ファイザー社ワクチン6ヵ月後も有効、南ア変異株にも

 米国・Pfizer社は4月1日付のプレスリリースで、同社とBioNTech(ドイツ)が開発した新型コロナウイルスワクチン(BNT162b2、商品名:コミナティ筋注)について、第III相臨床試験で観察されたワクチンの有効性に関する最新の分析結果を発表した。それによると、2回目のワクチン接種から6ヵ月後までの有効性は91.3%であり、南アフリカにおいて流行が確認されている変異株B.1.351系統のCOVID-19症例の予防に対しても有効性を示したという。 発表によると、第III相臨床試験には4万6,307例が参加。2回目のワクチン接種後7日から6ヵ月までのCOVID-19罹患状況を調べたところ、927例が確認された。このうち77例がBNT162b2群(ワクチン接種)、850例がプラセボ群(ワクチン未接種)で、ワクチンの有効性は91.3%であった(95%信頼区間[CI]:89.0~93.2)。 また、SARS-CoV-2変異株B.1.351系統が流行している南アフリカの参加者800例では9例のCOVID-19が確認されたが、いずれもプラセボ群であり、ワクチン有効性は100%を示した(95%CI:53.5~100.0)。探索的分析では、9例中6例がB.1.351系統(南アフリカ変異株)であり、本データは、BNT162b2が南アフリカ変異株に対する強い中和抗体応答を誘導したことを実証した従来の試験結果を、引き続き支持するものであった。 2回目の投与から6ヵ月までの試験参加者については、深刻な安全上の懸念は認められなかった。副作用は、一般的に以前に報告された結果と一致していた。ワクチンの安全性については、現在16歳以上の4万4,000例以上の参加者で評価され、1万2,000例以上の予防接種参加者が2回目の接種後少なくとも6ヵ月のフォローアップを受けており、さらなる長期的なフォローアップと分析が進められる見通しだ。

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第50回 今日から高齢者ワクチン接種、医師・看護師不足は解消される?

<先週の動き>1.今日から高齢者ワクチン接種、医師・看護師不足は解消される?2.医療者・高齢者のワクチン供給に目途、6月末までに3.75歳以上の自己負担2割に引き上げ、衆議院にて審議開始4.新型コロナの影響は周産期医療にも、出生数激減5.相次ぐジェネリック問題、信頼回復に向けた取り組みを1.今日から高齢者ワクチン接種、医師・看護師不足は解消される?65歳以上の高齢者3,600万人を対象とする新型コロナワクチン接種が本日(12日)開始される。政令指定都市と東京都特別区の計43市区を対象とした日本経済新聞の調査によると、6割の自治体が高齢者向けワクチン接種のピーク時に必要な医師・看護師の確保が間に合っていない。全国知事会では、新型コロナウイルス緊急対策本部会議を4日に開催し、厚生労働省に対して緊急提言を行った。離島やへき地での接種に必要な医療従事者の確保に向け、潜在看護師の掘り起こしや各団体に派遣の働きかけ、僻地や離島以外でも医師や看護師の派遣を可能とするなど、国に必要な支援を求めている。看護師不足に対して、厚労省は4月1日付で、へき地の医療機関への看護師派遣を解禁しており、僻地以外への全国的な看護師派遣の解禁についても労働政策審議会へ提案している。(参考)高齢者ワクチン接種、主要都市6割で医師不足の懸念(日経新聞)第4波の到来を受けた今後の新型コロナウイルス感染症対策についての緊急提言(全国知事会)ワクチン接種の特設会場、2割が「看護師不足」…厚労省が派遣解禁を提案(読売新聞)2.医療者・高齢者のワクチン供給に目途、6月末までに新型コロナワクチン接種について、9日の閣議後の記者会見で、河野 太郎規制改革相が、6月末までに1億580万回分のワクチンを供給できる見通しを明らかにした。現在実施している医療従事者480万人と高齢者3,600万人のワクチンは、6月末までに全国に配送を完了し、一部は持病のある患者に対しても供給が可能になる見込み。欧州連合からのワクチン輸出承認を前提としながらも、供給体制は整ってきたことを説明した。未定の自治体もある一般向けの接種開始時期を明確にできるような供給体制が引き続き求められる。(参考)6月中、確保見通し 高齢者のコロナワクチン 河野担当相(朝日新聞)河野氏「高齢者へのワクチン供給にメド」…6月中に4,500万回分確保の見通し(読売新聞)3.75歳以上の自己負担2割に引き上げ、衆議院にて審議開始8日、年収200万円以上の後期高齢者の医療費の窓口負担割合を1割から2割に引き上げる医療制度改革関連法案が衆議院本会議にて審議開始された。一方、7日に開催された財務省の財政制度分科会では、悪化した国の財政健全化に向けた意見を取りまとめるため、今後の社会保障費の伸びをどう抑制していくかなどについて議論している。今後、保険料の引き上げなど持続可能な制度設計を行うとみられ、国民の負担感が増す中で、実効性のある対策の検討が望まれる。(参考)医療費2割負担法案が審議入り 首相「能力応じ負担を」衆院本会議(日経新聞)社保費抑制へ議論開始 財制審、75歳以上の急増が課題(同)財政制度分科会(令和3年4月7日開催)資料一覧(財務省)4.新型コロナの影響は周産期医療にも、出生数激減新型コロナ感染拡大の影響が周産期医療に影響を及ぼしていることが明らかとなった。厚労省がまとめた人口動態統計速報によれば、今年1月の出生数は前年同月に比べ、14.6%減の6万3,742人であり、死亡者数は前年に比べ6.2%増の14万844人と、人口7万7,102人の純減となっている。なお、妊娠届の件数は昨年の5月から減少している。東京都でも5年連続で出生数が減少し、歯止めがかからないため、産後ケア事業など子育て支援の充実を急いでいる。(参考)人口動態統計速報(令和3年1月分)1月の出生数急落、14%減 コロナ禍で出産控え加速(朝日新聞)都内の出生数10万人割れ寸前 自治体、育児支援手厚く(日経新聞)5.相次ぐジェネリック問題、信頼回復に向けた取り組みを最近、ジェネリック医薬品の回収や出荷停止が立て続けに発生しており、後発品への信頼性を揺るがす事態が生じている。厚労省の林経済課長は、これまで医療費削減のため、後発品の安定供給に主軸を置いてきたが、質確保への転換が必要としている。調剤薬局では、他社製品への切り替えや、患者側から先発品への変更希望を受けるなどの対応事例が続いている。今後、厚労省は後発品メーカーに対する指導を強化し、供給と品質の改善を求め、信頼回復を働きかけていくことになる。(参考)「日医工から他社へ」8割 都内の薬局、強い不信感(朝日新聞)厚労省・林経済課長「後発医薬品の安心を取り戻すことが振興策」 今夏にも流通改善GL見直しに着手(ミクスOnline)

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第52回 40~50代は必見!ワクチンオタクの筆者が薦める新型コロナ以外のワクチン4選

コロナ禍の影響で私自身が週刊誌などから新型コロナウイルス感染症(COVID-19、以下、新型コロナ)について取材を受ける機会が増えている。もちろん週刊誌なども最初はいわゆる「大御所」の医師にあの手この手でコンタクトを取ろうとするのだが、こうした医師たちは多忙なことに加え、取材を受ける場合でも新聞、テレビなどの大手メディアに予定を押さえられていることが多く、捕まえにくい。そんなことで第2候補、第3候補としてコロナ禍でのさまざまなテーマで取材依頼が舞い込んでくる。まあ、同じメディアに身を置くゆえに頼みやすいことも影響しているのだろう。先日もある取材依頼があったのだが、それは珍しく直接的にコロナに関連するものではなかった。たまたま、SNSのFacebookに書いた私の投稿に知人の編集者が目を止めて、取材をさせてほしいと連絡があったのだ。その投稿とは私のワクチン接種歴である。3月半ば、私は国立国際医療研究センターで国内未承認のダニ脳炎ウイルスに対する3回目のワクチン接種を完了。これにより過去約2年で20種類のワクチン接種を終了した。以下はこの間に私がワクチン接種を完了した感染症である。A型肝炎B型肝炎麻疹風疹ポリオジフテリア破傷風百日咳おたふく風邪帯状疱疹腸チフス狂犬病コレラヒトパピローマウイルス髄膜炎(B群も含む)インフルエンザダニ脳炎黄熱病肺炎球菌日本脳炎現在私は51歳。この年齢と照らし合わせておやっと思うものもあるだろう。たぶん、その筆頭は麻疹・風疹ではないだろうか。私の場合、どちらも罹患歴もなく、これまでワクチン接種歴もなかった。風疹に関しては男子がワクチン接種対象となっていなかった年代、なおかつたまたま罹患したことがなかった。麻疹は私の世代でも1歳時にワクチン接種を受けるはずだが、ある事情によりワクチン接種をスキップしてしまった。それは生後3ヵ月の頃、当時4歳だった姉が麻疹を発症、姉か私のいずれかを隔離するわけにもいかず、かかりつけ医が私に免疫グロブリンを注射。当時こうしたケースは1歳時点でのワクチン接種で抗体が作られにくいと考えられ、通常の接種をスキップされてしまっていたのである。また、学生時代にバックパッカーだったこともあり、当時は抗体価持続期間10年と言われていた黄熱病ワクチンを接種したことがある。現在では抗体持続期間は生涯とされている。しかし、当時のイエローカードは10年経過した段階で無効と思い廃棄してしまっていた。そんなこんなで再接種した次第である。そもそも、なぜこんなにワクチンを打ったのか? きっかけは2つある。最初のきっかけは2018年2月4日にさかのぼる。この日は語呂合わせで「風疹の日」で、たびたび流行していた風疹のワクチン接種を呼びかけるイベントが成田空港で行われていた。その取材に赴き、妊娠中に風疹に感染し、先天性風疹症候群の娘さんを出産した「風疹をなくそうの会『hand in hand』」共同代表の可児 佳代氏の講演を聞いた。可児氏の娘・妙子(たえこ)さんは先天性風疹症候群により生まれつき目、耳、心臓に重い障害を持ち、闘病の末に18歳で短い命を終えていた。妙子さんの写真を手に話す可児氏の姿に衝撃を受け、その後しばらくぼーっとしたまま空港内を徘徊したのを覚えている。この時のイベントで実施していた無料抗体検査を受け、後日郵送で届いた結果で私にはやはり抗体がないことが判明した。そこで知人の医師に相談し、麻疹・風疹混合ワクチンを接種した。多くの方がご存じのように、かつては麻疹も風疹もワクチン接種は1回のみだったが、その後ワクチン接種での抗体獲得状況に関する研究が進み、2回接種で抗体獲得がほぼ確実になることが分かった。今では麻疹、風疹ともワクチン接種は2回が原則となっている。この時は知人の医師と2回目をどうしようか話し合ったが、医師からは「流行地域に行くならばまた来月接種するというのもありかもしれないが、そうでなければ1~2年後でいいのではないか?」と提案され、そのようにすることになった。そうこうするうちに2019年に家族と南アジアのブータンを旅行することになったのが第2のきっかけだ。このとき渡航前に調べたところ、現地では狂犬病、腸チフス、日本脳炎、コレラといった感染症のリスクがあることが分かった。たまたま前述の知人の医師のところでは国内未承認のものも含め、これらのワクチンがすべて接種できることがわかり、早速接種することにした。その際に知人医師のところではかなり数多くのワクチンを接種できることが分かった。経歴にもある通り、私は災害現場や海外の紛争地の取材などもする。その意味では数多くのワクチンを接種しておいて損はない。ということで、次々に接種し始めたのである。知人医師のところで接種できなかったダニ脳炎、髄膜炎B群、帯状疱疹(シングリックス)は国立国際医療研究センターのトラベルクリニックで接種した。ちなみにこのうちヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関しては、接種を申し出た際に知人医師からは「もういいんじゃないの?」と笑われた。そりゃ50代の不活発なおじさんにはほぼ不要である。ただ、ご存じのようにHPVワクチンに関してはさまざまな問題が噴出している。その報道にかかわる際にこのワクチンに懐疑的な人たちから「じゃあ、あなたは接種したんですか?」と問われて、接種していないと答えればそれだけで揚げ足を取られかねない。ということで、少しでも説得力を付けるために接種したというのが実際だ。さて前置きが長くなったが、ではどんな取材を受けたかというと、端的に言えば「新型コロナをきっかけにワクチンに関する関心が高まっている今、一般の人に接種をお薦めするワクチンを教えて欲しい」というテーマだった。ちなみに取材依頼元の週刊誌のメイン購読層は40~50代の男性である。そこで私がお薦めしたのが麻疹・風疹ワクチン、HPVワクチン、おたふく風邪ワクチン、破傷風ワクチンである。麻疹・風疹ワクチンを薦めたのは、私のような公的に風疹ワクチンを接種する機会がなかった1962年4月2日~1979年4月1日に生まれた男性は、近年の風疹流行の媒介者であることが明らかなため、国が2019年~2022年3月末までの3年間は無料で抗体検査と予防接種を受けられるクーポンを発行しており、一部の男性にとっては確実にお得だからだ。しかも、このクーポンで抗体がないと判定されてワクチンが接種される際は、基本的に麻疹・風疹混合ワクチンが選択される。つまり、主に空気感染し一度流行すると厄介な麻疹の阻止にもつながるという接種者個人はもちろん、社会全体にとっても「2度おいしい」のである。HPVに関しては、ご存じのように性感染症であり、男性ではオーラルセックスなどをきっかけに中咽頭がんに罹患するおそれがある。中咽頭がんは胃がんや大腸がんのように定期健診もなく、見つかった段階でかなり進行しているケースも少なくない。そして手術や化学放射線療法の合併症である発声困難や味覚障害でQOLが著しく低下するケースもあるほか、最悪は死に至る。それがワクチン接種で大幅にリスクを低下させることができる。おたふく風邪ワクチンは睾丸炎による男性不妊の予防、破傷風ワクチンは災害ボランティア活動などで比較的感染の機会が多いというのが推奨理由である。まあ、この辺は本サイトの読者である医療者の方々からは異論があるかもしれないが、少なくとも個人的には大きく外れてはいないと思っている。ちなみにこれまでこの接種にかかった費用は約40万円。もはや趣味の域であると言っても差し支えなく、私自身も最近では「趣味はワクチン接種」と公言している。実際、趣味の域を極めるべく、将来的には国内で接種が不可能なEU承認のエボラワクチン、中国のみで承認のE型肝炎ワクチン、アメリカのみで承認の炭疽菌ワクチンもコロナ禍終息後に機会があれば接種してみたいところ。これは冗談ではなく真面目な話。もちろん飛行機に乗って接種しに行きますので、何らかの情報や伝手がある方は編集部にご一報ください(笑)。ちなみにどの雑誌に掲載されるかというと、一部では男性でも購入しにくいと言われる数少ないカタカナ名の男性週刊誌である。まあ、どんな反応があるか、それともまったく反応がないのか、個人的にもちょっと興味がある。

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「ワクチン・パスポート」、制度導入にあたっての論点/NEJM

 世界中で新型コロナウイルス感染症ワクチンの接種が進むにつれ、ワクチン接種済みの証明書を発行し、国内外の移動やイベント参加時などに提出を義務付ける制度、いわゆる「ワクチン・パスポート」に関する議論が生じている。現時点で考えられる論点が、NEJM誌オンライン版2021年3月31日号Perspectiveに掲載された。 ワクチン・パスポートは、既に米国、英国、EUが導入を検討しているほか、オーストラリア、デンマーク、スウェーデンが導入を表明しており、国民1人当たりのワクチン接種数で世界トップのイスラエルでは、すでにワクチン接種を受けた住民に「グリーンパス」を発行し、ホテル、ジム、レストラン、劇場、音楽会場など、入場制限が行われている場への立ち入りを許可する際に使われている。ニューヨーク州が発行する電子ワクチン・パスポート「エクセルシオール・パス」は劇場、イベント会場、大規模な結婚式などへの参加を許可する際に使われている。 これらのプログラムの基本的な考え方は、自由や社会的価値のある活動を限定する公衆衛生上の制限は、検証可能なリスクに合わせて調整されるべき、というものだ。 しかし、COVID-19のワクチン・パスポートによる制限調整には、いくつかの重大な懸念事項に基づく反対意見がある。それは以下のようなものだ。1)ワクチン供給に制限がある時期に、早期にワクチン接種を受けた幸運な人を優遇にするのは、道徳的に問題がある。2)ワクチン供給の制限が緩和されても、人種的マイノリティや低所得者層の接種率は不均衡に低いままだと考えられる。3)ワクチンの有効率、特に新たな変異株に対する有効性はまだ十分に検証されておらず、ワクチン接種者の再感染の可能性を否定できない。4)ワクチン接種者を優遇することは、宗教的または哲学的理由からワクチン接種に反対する人にペナルティを与えることになる。5)ワクチン接種を正確に証明するためのコンセンサスが得られていない。 国民の間でもワクチン・パスポート導入は賛否が分かれ、政府の公式な政策として採用するのは早いだろう。一方、私たちは提起された異論は、ワクチン・パスポートを一切禁止することを正当化するには至らない、と考える。ワクチン接種数は急増しており、不利な立場にある人々の接種に対しても特別な努力が払われている。ワクチン接種の正確な証明手段については主要テクノロジー企業が開発に取り組んでおり、ワクチン接種を拒否する人々に何らかの負担をしてもらうことは、集団免疫に与える影響から見て一定の公平性があると思われる。 重要な出発点は、ワクチン・パスポートと義務化を区別することだ。政府が、ワクチン・パスポートを仕事や教育などの重要な活動への参加条件とするならば、それは本質的にワクチン接種の義務化となる。 「パスポート」の概念が最も現れるのは旅行だ。現在、連邦および州当局は、州または国境を越える人に隔離を強制しており、ほとんどの場合にはワクチン接種者も例外ではない。しかし、いくつかの州では例外にすることを検討しており、米国疾病予防管理センター(CDC)はワクチン接種者に対する隔離の除外と、既感染者の入国制限解除を承認している。ワクチン・パスポート保有者にも同様の方針が適用されるのは時間の問題だろう。 ワクチンの渡航政策を主導するには、政府はまず予防接種を受けたことを確実に証明する基準づくりからはじめるべきだろう。このような基準づくりは、旅行業界との官民連携によって比較的スムーズにでき、その後はイベント等の他領域に拡大するだろう。こうしたケースは政府による管理の必要性は低く、スポーツ試合、コンサート会場、クラブ、レストラン・バーなどで、顧客のワクチン接種状況に応じて入場可否を決定することは合理的であり、ワクチン接種の促進にも役立つだろう。 政府には、ワクチン・パスポートを使った違法な差別を含む、民間に対する基準づくりと、ワクチン接種プログラムの推進が求められる。とくに、ワクチン・パスポートが雇用に影響を与える場合、規制は重要となる。宗教上の理由でワクチンを受けない人や障害者への差別にあたらないよう、雇用主のワクチン接種への方針は、労働者や顧客の健康に対する実際のリスクに基づく必要がある。 政府のもう一つの重要な役割は、ワクチン・パスポート制度の設計者が、ワクチンの有効性と限界に関する最新情報に容易にアクセスできるようにすることだ。そして、柔軟な適応が重要となる。過去1年間の経験から、ある月には賢明な感染対策も1ヵ月後には再考する必要があることがわかっている。合理的かつ倫理的なワクチン・パスポート制度は、ワクチンの入手可能性が高まり、集団免疫獲得が近づき、ワクチンの有効性や限界に関する科学的証拠が増えるにつれ、定期的に変更される可能性がある。

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認知症、脳・心血管疾患、1型糖尿病などがCOVID-19重症化リスクに追加/CDC

 米国疾病予防管理センター(CDC)は、3月29日、成人において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスクとなる病状リストにいくつかの新しい項目を追加した。以前から可能性が指摘されていた、「1型糖尿病(2型糖尿病に追加)」「中等度~重度の喘息」「肝疾患」「認知症またはその他の神経学的疾患」「脳卒中・脳血管疾患」「HIV感染症」「嚢胞性線維症」「過体重(肥満に追加)」のほか、新しく「薬物依存症」がリストアップされた。新しいリストでは、特定のカテゴリごとに病状が記載されている。COVID-19重症化リスクとなる成人の病状リスト(アルファベット順)・がん・慢性腎臓病・慢性肺疾患:慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息(中等度~重度)、間質性肺疾患、嚢胞性線維症、肺高血圧症など・認知症またはその他の神経学的疾患・糖尿病(1型または2型)・ダウン症・心臓病(心不全、冠状動脈疾患、心筋症、高血圧など)・HIV感染・免疫不全状態(免疫力の低下)・慢性肝疾患:アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患[NAFLD]、とくに肝硬変、肝線維化など・過体重と肥満:BMI>25(過体重)、BMI>30(肥満)、BMI>40(重度の肥満)・妊娠・鎌状赤血球症またはサラセミアなどの異常ヘモグロビン症・喫煙(現在または以前)・臓器または造血幹細胞の移植・脳卒中または脳血管障害・薬物依存症(アルコール、オピオイド、コカインの中毒など) CDCは、これらの病状がある人は、周りの人の協力を得ながら注意深く安全に管理することが重要だとし、「現在の処方・治療計画の継続」「(病状に対応できる)常温保存食品の用意」「病状悪化のトリガーを避ける」「ストレスへの対処」「異変があった場合の迅速な救急要請」などを呼び掛けている。

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良い睡眠には就寝環境も関係する/アイスタット

 世界的にみてもわが国の睡眠時間、睡眠の質は低いといわれている。そして、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)禍の中で、私たちの睡眠環境に変化はあったのであろうか。 3月19日の「春の睡眠の日」に合わせ、「睡眠が快適な人とそうでない人は何が違うのか」また「昼間の眠気は、睡眠事情が関係しているものなのか」を知る目的で、株式会社アイスタットは睡眠に関するアンケートの調査を行った。 アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員20~59歳の有職者300人が対象。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2021年3月16日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~59歳/全国地域/有職者)を対象アンケート結果の概要・最近1ヵ月間の睡眠状況が快適な人は34%。若い世代ほど快適が多い・平日の平均睡眠時間は5~6時間未満(35%)が最多。対象が有職者のため短い傾向・睡眠時間数が満足の割合は約30%で、睡眠時間が長い人ほど満足の人が多くなる傾向・睡眠が快適・そうでない人の違いは、睡眠時間が6時間以上で満足、6時間未満で満足ではない・日中の睡魔、居眠り、昼寝は、「たまにある(50%)」が最多。睡眠時間数が長い人ほど「ほとんどない」が多く、短い人ほど「頻繁にある」傾向・日中の睡魔・居眠り・昼寝が頻繁・たまにある人とほとんどない人の違いは、睡眠時間が6時間以上か未満・調査結果から、健康推進のためにいかに快適な睡眠をとることが大切か示唆された健康のために確保したい7時間の睡眠時間 「最近1ヵ月間の睡眠状況は、快適(ぐっすり眠れている、睡眠で身体の休養がとれるなど)かどうか」を聞いたところ、「非常に」「やや」を足し合わせた「快適」は34.0%、「あまり」「まったく」を足し合わせた「快適でない」は37.0%で「快適」が下回る結果となった。年代別では、「快適」と回答した人は「20・30代」(38.9%)で最も多く、年代が高くなるにつれ、快適の割合が低くなる傾向だった。また、睡眠時間別では、「快適」と回答した人は「7時間以上」(54.2%)が最も多く、睡眠時間が短くなるほど、快適の割合が低くなる傾向だった。 「最近1ヵ月間の平日の平均睡眠時間」について聞いたところ、最近1ヵ月間の平日の平均睡眠時間では、「5~6時間未満」(35.0%)が最も多く、次に「6~7時間未満」(29.0%)と続いた。回答者が有職者対象のため、睡眠時間数が短い傾向がうかがえた。年代別では、「5時間未満」と回答した人は「50代」(24.1%)で最も多く、「5~6時間未満」では「40代」(38.1%)、「6~7時間未満」では「20・30代」(33.3%)、「7時間以上」では「20・30代」(20.4%)で最も多かった。 先の質問と関連し、「睡眠時間数の満足度について」聞いたところ、「非常に満足」「やや満足」を足し合わせた「満足」は29.3%、「やや睡眠不足」「非常に睡眠不足」を足し合わせた「睡眠不足」は43.3%で、「睡眠不足」と回答した人の方が多かった。年代別では、「満足」と回答した人は「20・30代」(35.2%)で最も多く、「睡眠不足」と回答した人は「50代」(47.5%)で最も多い結果だった。また、睡眠時間別でみると、「満足」と回答した人は「7時間以上」(58.3%)だった。 「休日以外の日中で、睡魔に襲われる、居眠り、昼寝をすることがあるか」と聞いたところ、「たまにある」(50%)が最も多く、次に「ほとんどない」(35%)、「頻繁にある」(15%)と続いた。年代別では、「頻繁にある」と回答した人は「50代」(17.0%)で最も多く、「たまにある」と回答した人は「20・30代」(57.4%)で、「ほとんどない」と回答した人は「40代」(37.1%)で最も多い結果となった。睡眠時間別では「頻繁にある」と回答した人の睡眠は「5時間未満」(35%)で最も多く、「ほとんどない」と回答した人の睡眠は「7時間以上」(56.3%)で最も多い結果だった。睡眠時間の長短だけでなく、中年期以降では睡眠時無呼吸症候群などの慢性疾患も併存している可能もあり、必要によっては治療の必要性も示唆される結果となった。 「最近1ヵ月間の起床の仕方について(平均して最も多い起床の仕方なども含む)」を聞いたところ、「自然に目が覚める(体内時計)」が35.7%で最も多く、次に「携帯電話や目覚まし時計などのアラーム1回で起きる」の33.3%が続いた。年代別では「自然に目が覚める」は「50代」(39.7%)で最も多く、「携帯電話アラーム1回」は「20・30代」(35.2%)で最も多い結果だった。 「最近1ヵ月間の睡眠について、11個の選択肢であてはまるもの」を聞いたところ、第1位は「トイレで起きることがある」(47.3%)、第2位は「眠りが浅い」(26.7%)、第3位は「朝起きても眠気を感じる、毎朝スッキリしない」(26.0%)だった。年代別では、睡眠にマイナスと思われる選択肢11個のうち、50代は「トイレで起きることがある」「眠りが浅い」「寝ているのに疲れが残っていてだるい」「寝付きが悪い」「朝早くに目覚めてしまう」「いびきをかいているとよく言われる」「睡眠導入剤や快眠サプリメントを服用している」「寝相が悪い」の8個が最も多かった。 「就寝する部屋の状況」について7個の選択肢からあてはまるものを聞いたところ、「部屋は一人で寝ている」が44.7%で最も多く、次に「ベッドや布団の周りには物があまりなく、整理整頓されている」が33.7%と続いた。年代別では、睡眠にプラス的と思われる選択肢7個のうち、50代は「部屋は一人で寝ている」「外部の騒音など気にならない・静かである」「日当たりが良い部屋である」「部屋は日々、掃除機をかけたり、換気をしてキレイである」「就寝前、就寝中の部屋の温度、湿度は常に快適である」の5個が最も多く、快眠のための工夫がされている傾向がうかがえた。 「最近1ヵ月間の日々の生活状況」について15個の選択肢からあてはまることを聞いたところ、「ストレスがある」(36.7%)が最も多かった。睡眠時間別では、「ストレスがある」「仕事が忙しい」「コロナ禍により、収入面・雇用面・生活面で大きなダメージを受けている」「肥満傾向である」「栄養バランスの良い食事を摂取していない」「規則正しい生活を送っていない」「持病がある」と回答した人の睡眠時間は、「5時間未満」が最も多かった。一方、「どれもあてはまらない」と回答した人は「7時間以上(35.4%)」が最も多い結果だった。睡眠時間の長さが、ストレスの軽減に役立つことが示唆された。

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AZ製ワクチン、英国型変異株に有効率70.4%/Lancet

 新型コロナワクチンChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)について、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の新たな変異株であるB.1.1.7系統への中和活性は同系統以外の変異株との比較において低いことがin vitroにおいて示されたが、変異株B.1.1.7に対する臨床的有効率は70.4%で有効であることが示された。なお、同系統以外のウイルスに対する有効性は81.5%だった。英国・オックスフォード大学のKatherine R. W. Emary氏らが同国で行った、約8,500例を対象とした第II/III相無作為化試験の事後解析の結果で、Lancet誌オンライン版2021年3月30日号で発表した。変異株B.1.1.7は2020年11月以降、英国における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の主因を占めるようになっていた。NAAT陽性サンプルをシークエンシング 試験は18歳以上のボランティアを登録して行われた。被験者は無作為に2群に割り付けられ、一方にはChAdOx1 nCoV-19ワクチンが、もう一方の対照群には髄膜炎菌結合型ワクチン(MenACWY)が投与され、上気道スワブ検査を毎週実施、または咳や37.8度以上の発熱といったCOVID-19症状を呈した際にも実施された。 採取したスワブについては、SARS-CoV-2に関する核酸増幅検査(NAAT)を行い、陽性サンプルは、COVID-19ゲノム英国コンソーシアムでシークエンシングを行った。生ウイルス・マイクロ中和抗体測定法によりB.1.1.7系統ウイルスに対する中和抗体反応と、標準的な非B.1.1.7系統ウイルス(Victoria)に対する中和抗体反応を測定した。 有効性の解析では、血清反応陰性でNAAT陽性者の、ワクチン2回目接種後14日以降の症候性COVID-19などが評価された。被験者が接種を受けたワクチン別の解析も実施。ワクチン有効性については、ポアソン回帰モデルを用いて算出した1-相対リスク(ChAdOx1 nCoV-19群vs.MenACWY群)で評価した。実験室でのウイルス中和活性、B.1.1.7系統は非B.1.1.7系統より低値 有効性コホートの被験者は2020年5月31日~11月13日に集められ、同年8月3日~12月30日に2回目のワクチン接種を受けていた。主要有効性コホートの被験者数は8,534例で、うち6,636例(78%)が18~55歳、5,065例(59%)が女性だった。 2020年10月1日~2021年1月14日に、520例がSARS-CoV-2感染を呈した。これら感染者から1,466個のNAAT陽性スワブが採取され、401個のスワブ(311例)について、シークエンシングに成功した。 実験室でのワクチン誘導抗体に対するウイルス中和活性は、Victoria系統よりもB.1.1.7系統は低値だった(幾何平均値の比:8.9、95%信頼区間[CI]:7.2~11.0)。 症候性NAAT陽性感染者に対する臨床的ワクチン有効性は、B.1.1.7系統で70.4%(95%CI:43.6~84.5)、非B.1.1.7系統では81.5%(67.9~89.4)だった。

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新型コロナウイルスの血栓対策(解説:後藤信哉氏)-1374

 当初肺炎が主病態と考えられた新型コロナウイルス感染症であるが、症例が蓄積されるとともに主な病態は血管系におけるimmunothrombosisであることがわかってきた。結果として静脈血栓症、脳梗塞などの典型的な血栓症の病態を呈することもあるが、血栓形成の開始機序は明確に異なる。成長メカニズムには相同性と特殊性があると想定される。静脈血栓症、心筋梗塞などの動脈血栓症を標的として抗血小板薬、抗凝固薬が開発されてきたが、新型コロナウイルス感染に対する至適抗血栓療法は現時点では未知である。 欧米では静脈血栓リスクが一般に高いためICUに入る症例では全例抗凝固療法を受けるのが普通であった。静脈血栓予防と治療では用量が異なる。血栓治療量は血栓症に対して使用される。新型コロナウイルス感染では、一般的な静脈血栓の有無の判定に用いるD-dimerが陽性のことが多い。ならば血栓予防量と治療量のランダム化比較試験を企画しても倫理的問題は起こらない。本研究では新型コロナウイルス感染にてICUに入院した症例における予防量と治療量の抗凝固療法が比較された。 新型コロナウイルスの血栓形成メカニズムはわからない。動脈硬化も経過の長いimmunothrombosisと考えれば、心筋梗塞などの動脈硬化・血栓性疾患の発症予防・治療に有効なスタチンも新型コロナウイルス感染のimmunothrombosisに有効かもしれない。このスタチンの有効性も探索的に検討された。 日本以外の諸国では静脈血栓症予防・治療の標準治療として低分子ヘパリンが確立されている。低分子ヘパリンのうち、エノキサパリンを1日40mgの固定用量として使用する群と、体重1kg当たり1mgにて使用する群にランダムに振り分けた。有効性の1次エンドポイントとして静脈あるいは動脈血栓症・ECMO使用・死亡の複合エンドポイントを用いた。ICUに入院する新型コロナウイルス感染は怖い。30日以内の1次エンドポイント発現率は予防量低分子ヘパリン群にて44.1%、用量を増やしても発現率は45.7%であった。圧倒的多数の有効性1次エンドポイントは死亡に直結した。心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓が多いわけではない。病態の主因がimmunothrombosisであっても、現在われわれがもっている抗凝固介入では予後を大きく改善できない。 遠回りかもしれないが、新型コロナウイルス感染によるimmunothrombosisのメカニズムを解明し、予後不良に寄与する因子を解明し、その因子に対する選択的治療薬の開発が必要である。抗血栓薬開発は既存の心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓に対しては出揃った感があるが、新型コロナウイルスに対しては基本に立ち返って革新的創薬が必須であることを本研究は示したことになる。

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がん関連3学会、がん患者への新型コロナワクチン接種のQ&A公開

 2021年3月29日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A―患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版―」を公開した。昨年に公開された新型コロナとがん診療に関するQ&Aに付随した「ワクチン版」となる。 「Q1:がん患者はワクチンを受けた方がよいのですか」 「A:前向きに検討しましょう。ベネフィットとリスクを理解し、主治医の先生と相談して判断することが大切です」 ワクチン開発段階の臨床試験では、がん患者が対象に組み入れられることは少なかったが、世界各国で接種が進み、がん患者に関するエビデンスが集まりつつある現状を紹介。現状国内で承認された唯一のワクチンであるファイザー製のワクチン(BNT162b2)について、「イスラエルで実際に多くの人にBNT162b2が接種され、60万人と非接種者60万人と比較し報告されていますが、両群にはがん患者さんが2%、約12,000人が含まれています1)。全体として90%以上の発症予防効果示され、併存疾患に関する検討では、がん患者さんだけのデータは示されていませんが、3つ以上の併存疾患を有する場合の予防効果は86~89%でありその差はごくわずかです」と解説している。 「COVID-19ワクチンには予防効果というベネフィットと様々な副反応が生じるかもしれないというリスクがあります。がん患者さんのワクチン接種のベネフィットとして、発症や重症化の予防、検査やがん治療を遅滞なくより安全に進められることがあります」としたうえで、「がん患者さんにおける副反応についての調査や報告はありませんが、がん患者さんにおける重症化の可能性を考慮すると、ベネフィットがリスクを上回ると思われ接種が推奨されます。がん患者さん一人一人がそのベネフィットとリスクを正しく理解して、主治医の先生と相談して、接種するかどうかを自分で判断することが必要です」としている。 その他、放射線や薬物など治療ごとに考慮すべき点や、接種後の注意点などがまとめられている。

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子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーする「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」【下平博士のDIノート】第71回

子宮頸がんの原因となるHPV型の約90%をカバーする「シルガード9水性懸濁筋注シリンジ」今回は、「組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス(HPV)様粒子ワクチン(商品名:シルガード9水性懸濁筋注シリンジ、製造販売元:MSD)」を紹介します。本剤は、子宮頸がんなどの原因となる7つのHPV型と、尖圭コンジローマなどの原因となる2つのHPV型の感染を予防する9価のHPVワクチンです。<効能・効果>本剤は、HPV6、11、16、18、31、33、45、52および58型の感染に起因する以下の疾患の予防の適応で、2020年7月21日に承認され、2021年2月24日より発売されています。なお、本剤の予防効果の持続期間は確立していません。子宮頸がん(扁平上皮細胞がんおよび腺がん)およびその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍[CIN]1、2および3ならびに上皮内腺がん[AIS])外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2および3ならびに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2および3尖圭コンジローマ<用法・用量>9歳以上の女性に、1回0.5mLを合計3回(2回目は初回接種の2ヵ月後、3回目は6ヵ月後)、筋肉内に注射します。1年以内に3回の接種を終了することが望ましいですが、2回目は初回から少なくとも1ヵ月以上、3回目は2回目から少なくとも3ヵ月以上の間隔を置いて接種することとされています。9歳以上15歳未満の女性は、初回接種から6~12ヵ月の間隔をおいた合計2回の接種とすることができます(2023年3月改訂)。9歳以上15歳未満の女性に合計2回の接種をする場合、13ヵ月後までに接種することが望ましいとされています。なお、医師が必要と認めた場合には、他ワクチンと同時に接種することができますが、本剤と他ワクチンを混合して接種することはできません。<安全性>日本人を含む後期第II相/第III相国際共同試験(001試験)において、注射部位の副反応は、本剤接種後5日間で7,071例中6,414例(90.7%)に認められ、主なものは疼痛6,356例(89.9%)、腫脹2,830例(40.0%)、紅斑2,407例(34.0%)、そう痒感388例(5.5%)、内出血137例(1.9%)、腫瘤90例(1.3%)、出血69例(1.0%)でした。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間で7,071例中2,090例(29.6%)に認められ、主なものは頭痛1,033例(14.6%)、発熱357例(5.0%)、悪心312例(4.4%)、浮動性めまい211例(3.0%)、疲労166例(2.3%)、下痢87例(1.2%)、口腔咽頭痛73例(1.0%)、筋肉痛69例(1.0%)でした。日本人を対象とした国内第III相臨床試験(008試験)では、注射部位の副反応は、本剤接種後5日間で100例中95例(95.0%)に認められ、主なものは疼痛93例(93.0%)、腫脹42例(42.0%)、紅斑33例(33.0%)、そう痒感4例(4.0%)、出血3例(3.0%)、熱感3例(3.0%)でした。また、全身性の副反応は、本剤接種後15日間で100例中14例(14.0%)に認められ、主なものは発熱3例(3.0%)、頭痛2例(2.0%)、悪心2例(2.0%)、感覚鈍麻2例(2.0%)、腹痛2例(2.0%)でした。なお、重大な副作用として、過敏症反応(アナフィラキシー、気管支痙攣、蕁麻疹)、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)(いずれも頻度不明)が設定されています。国内外の臨床試験における安全性検討対象1万3,408例では、過敏症3例および蕁麻疹20例が副反応として報告されています。ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病およびADEMは臨床試験において認められていませんが、本剤と同一の有効成分を含むワクチン(商品名:ガーダシル)と同様に設定されました。<患者さんへの指導例>1.ワクチン接種により、子宮頸がんや尖圭コンジローマなどの原因となる9つのHPV型に対する抗体ができ、今後の感染を予防します。2.接種後に血管迷走神経反射として失神が現れることがあります。接種後30分程度は、背もたれや肘掛けのある安全ないすに座っていてください。3.本剤接種後に、注射部位だけでなくほかの部位に激しい痛み(筋肉痛、関節痛、皮膚の痛みなど)やしびれ、脱力などが現れて長時間持続する場合は、速やかに医師に相談してください。4.十分な予防効果を得るために、必ず本剤を3回接種してください。通常の接種スケジュールは、初回接種の2ヵ月後に2回目、初回接種の6ヵ月後に3回目となります。<Shimo's eyes>わが国において、年間約1万人が子宮頸がんに罹患し、毎年約2,900人が死亡しています。患者数・死亡者数ともに近年増加傾向にあり、子宮頸がん発症のピークが出産年齢と重なることが問題となっています。子宮頸がんの95%以上はHPV感染が原因で、感染経路は主に性的接触です。性交渉の経験がある女性のうち、50~80%が生涯で一度以上の感染を経験すると推計されていて、そのうちの一部が将来的に高度前がん病変や子宮頸がんを発症します。本剤は、わが国で3番目に発売されたHPVワクチンです。いずれの製剤も筋肉内注射で、計3回接種が必要です。既存薬の1つである2価ワクチン(商品名:サーバリックス)は、子宮頸がんの主な原因となるHPV16型と18型の感染を予防します。もう1つの既存薬である4価ワクチン(同:ガーダシル)は、上記に加えて尖圭コンジローマなどの原因となる6型と11型の感染も予防します。4価ワクチンは、2020年12月に男性も接種が可能となりました(公費助成の対象外)。本剤は、2021年2月に発売された9価ワクチンで、前述の4つのHPV型に加えて、31型・33型・45型・52型・58型の5つのHPV型のウイルス様粒子も含有することで、約90%の子宮頸がんを予防することが期待されています。既存2剤は定期接種の対象で、小学6年生~高校1年生相当の女子は公費助成によって無料で接種を受けることができます。発売当初は本剤は任意接種でしたが、2023年4月から本剤についても定期接種の対象となりました。HPVワクチンは、今後のHPVの感染を予防するものであり、すでにHPVに感染している細胞からのウイルス排除や進行抑制には効果はありません。したがって、性交渉を経験する前に接種することが最も効果的ですが、性交渉の経験があっても、予防対象のHPV型に感染していなければ効果が期待できます。HPVワクチンについては、過去に疼痛や運動障害などの副反応が大きく報道され、2013年6月に厚生労働省より「積極的な勧奨の一時差し控え」が発表されました。世界では接種完遂率が80%を超える国もある中、わが国の接種率は0.3%と非常に低い水準にとどまっています。一方で、2017年11月に、厚生労働省専門部会は、HPVワクチン接種後に報告された多様な症状とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されていないと発表しています。近年、国が地方自治体に定期接種対象者への周知を徹底するよう求めるなど、接種率向上に向けた動きがみられています。※2023年8月、厚生労働省の情報などをもとに、一部内容の修正を行いました。参考1)PMDA 添付文書 シルガード9水性懸濁筋注シリンジ2)子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために(日本産科婦人科学会)3)海外のHPVワクチンの現状(MSD)

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ワクチン接種で役立つ筋肉注射の手技とコツ【今、知っておきたいワクチンの話】特別編

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種が、3月より医療者から始まり、4月からは高齢者、基礎疾患のある方、一般の方へと開始される予定です。現在、承認され接種可能なワクチンはファイザーの「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注)のみであり筋肉注射となっております。今後追加承認が予想されるモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチンも筋肉注射による接種となっています。その理由として、「不活化ワクチンによる局所反応は、皮下注射より筋肉注射の方が腫れにくいこと」、「皮下注射よりも筋肉注射の方が痛みが少ないこと」、「皮下注射より血流が豊富な筋肉注射の方が免疫が付きやすいこと」などがあげられています。そこで、本稿では、日本プライマリ・ケア連合学会 予防医療・健康増進委員会ワクチンチームの協力により、同委員会の中山 久仁子氏の解説でこれから実際に臨床現場で接種する際の筋肉注射の手技について、その手順を動画で説明します。また、新型コロナワクチンでは、接種後に懸念されているアナフィラキシーショックでのアドレナリン注射の対応を説明いただきます。筋肉注射は、今回のCOVID-19ワクチンなど特別なものではなく、HPVワクチン、帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチンなどでも行われるものです。この機会に手技に慣れていただき、経験を深めてください。筋肉注射の接種方法のコツ筋肉注射の部位などについて部位:上腕三角筋(1)肩峰から下ろした線(2)前後の腋窩線の頂点を結んだ線(1)と(2)が交わる点または肩峰から3横指下針の長さ:長さ25mmの針を基本的に根元まで刺して注入する痩せ形の体形:ゆっくりと針を進め、確実に筋肉内に注入、または長さ16mmの針に付け替えて根元まで刺して注入高度肥満:長さ38mmの針に付け替えて根元まで刺して注入針の角度:90度、垂直吸引確認:不要筋肉注射の穿刺部位画像を拡大する筋肉注射の手順※接種では、接種者・被接種者ともに座位で行う1)シリンジにワクチンを入れ、溶液に異常がないか目視2)手を下に下ろしていただく(リラックス)3)三角筋の位置を確認する4)三角筋の辺縁を触って確認する注:筋肉をつままない5)アルコールで接種する部位を消毒する6)注射針を皮膚面に対して垂直(直角)に刺入する7)内筒を押しワクチン溶液を全量注入する注:内筒を引かない8)針を抜き、軽く圧迫する。揉まない注:抗凝固薬・抗血小板薬内服中の方は2分間圧迫対象者に痛みを感じさせない接種のために1)筋注は筋肉内に打つ(一般的に不活化ワクチンを皮下に打つと痛い)2)内筒(プランジャー)を引かない(逆血確認不要)3)ワクチンを素早く注入し、刺入中は針の先を動かさない4)接種後に接種部位を圧迫する5)気を紛らわせるように話しかけたり、演技する。接種者は笑顔で!アナフィラキシーショックでの対応:アドレナリン注射(商品名:エピペンなど)の使い方【注射部位】アドレナリンの筋肉注射は患者を横臥位で施行アドレナリンの筋肉注射の部位は大腿中央前外側【エピペン筋肉注射の手順】1)カバーキャップを指で押し開け、注射器を取り出す2)ニードルカバー(オレンジ色)を下に向け、注射器の真ん中を片手で保持、もう片方の手で青色の安全キャップを外し、ロックを解除3)注射器を太ももの前外側に垂直になるようにし、ニードルカバーの先端を「カチッ」と音がするまで強く押し付ける4)太ももに押し付けたまま、5まで数を数える5)注射器を太ももから抜き取る6)注射後、ニードルカバーが伸びているかどうか確認。ニードルカバーが伸びていれば注射は完了アドレナリン注射での注意1)アドレナリンの筋肉注射については、下記の厚生労働省の通知をご参照ください。「予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について」「予防接種会場での救急対応に用いるアドレナリン製剤の供給等について(その2)」2)エピペンの処方または使用する医師はマイランEPD合同会社が提供するエピペン登録医講習の受講が必要です。詳しくは「エピペンサイト」をご参照ください。使用に関して動画の解説もあります。参考となるサイト「新型コロナワクチン 今わかっていること まだわからないこと」(日本プライマリ・ケア連合学会 ワクチンチーム制作)同講演 解説資料(PDF)「新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ 2021年3月版」(日本プライマリ・ケア連合学会 ワクチンチーム監修)新型コロナワクチン 筋肉注射の方法とコツ 2021年3月版 ダイジェスト版」(日本プライマリ・ケア連合学会 ワクチンチーム監修)講師紹介

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第54回 AZ社COVID-19ワクチン後の普通じゃない血栓症はヘパリン起因性血小板減少症に類似

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質抗原を作るアデノウイルスを下地とするAstraZenecaのワクチンAZD1222を今年2月中頃に欧州で接種した49歳の健康な女性看護師が内臓・大動脈・脳静脈の血栓症や血小板減少を呈し、残念ながら治療の甲斐なく死亡しました。女性の治療にあたった医師らの病院で3月中旬までにさらに8人に同様の症状が認められ、AZD1222接種4~16日後に血栓症を呈し始めたそれらの9人の病態は血小板活性化抗体を原因とするヘパリン起因性血小板減少症(HIT)にはっきり似通っていました1)。HITは血小板第4因子(PF4)とヘパリンの複合体を認識する血小板活性化抗体によって生じる血栓促進性の血小板減少疾患です。9人のうち1人を除く8人は女性で、年齢は比較的若く22~49歳(中央値36歳)でした。7人は脳静脈血栓症、1人は肺塞栓症、最初の検出例である1人は上述の通り内臓や脳などの複数の組織に血栓症を呈し、9人中4人が亡くなりました。9人のうち4人の血清を調べたところどの人の血清もPF4存在下でヘパリンがなくとも血小板を強く活性化しました。誰も発症前にヘパリンを使っておらず、AZD1222接種者の血小板活性化抗体は複合体を形成していない単独のPF4にどうやら結合するようです。欧州医薬品庁(EMA)や世界保健機関(WHO)はAZD1222使用継続を支持していますが2,3)、欧州のいくつかの国やカナダでは血栓症の懸念を受けてその使用を控えています4,5)。9例の検討結果を今回報告した著者は、特に脳や腹部などでの“普通じゃない(unusual)”血栓症や血小板減少がワクチン接種からおよそ5~14日後に稀に生じることを知っておく必要があると言っています。また、その病態をvaccine induced prothrombotic immune thrombocytopenia(VIPIT) と呼ぶことを提案しています。いまのところAstraZenecaワクチンAZD1222でのみ認められているVIPITが生じたならリバーロキサバンやアピキサバンなどのヘパリン以外の抗凝固薬をまずは使ったらよさそうです1)。脳静脈洞血栓症(CVST)などの致死リスクがある血栓症に陥ったワクチン接種者には高用量免疫グロブリン静注が助けになりそうです。インフルエンザワクチンとナルコレプシーワクチンの稀な深刻な有害事象といえば10年以上前のH1N1(ブタ)インフルエンザワクチンPandemrix(AS03アジュバント添加)接種小児の慢性睡眠疾患・ナルコレプシー発現率上昇が思い出されます。発現率は投与1万8,400回あたり約1例と稀ですが、小児の発現がワクチン接種後にとくに増えました6)。AS03アジュバントとナルコレプシー発現率上昇の関連は否定されているものの7)10年以上経た今となってもPandemrixとナルコレプシーの関連性はいまだに結論がでていません8)。しかし疫学やワクチンの研究者などが集まってベルギーで3年前の2018年3月末に開催された検討会ではPandemrix接種後の一貫したナルコレプシーリスク上昇が認められていると結論され9)、同ワクチンとH1N1インフルエンザウイルスの相互作用に帰するナルコレプシーは恐らくあるようだと参加者は考えています8)。参考1)A Prothrombotic Thrombocytopenic Disorder Resembling Heparin-Induced Thrombocytopenia Following Coronavirus-19 Vaccination. Research Square. Posted 28 Mar, 20212)Statement of the WHO Global Advisory Committee on Vaccine Safety (GACVS) COVID-19 subcommittee on safety signals related to the AstraZeneca COVID-19 vaccine / WHO3)AstraZeneca COVID-19 vaccine: review of very rare cases of unusual blood clots continues / EMA4)AstraZeneca COVID Vaccine: Clotting Disorder Mechanism Revealed? / Medscape5)Germany suspends use of AstraZeneca’s Covid shot for the under-60s, dealing another blow to drugmaker / CNBC 6)Sarkanen TO, et al. Sleep Med Rev. 2018 Apr;38:177-186. 7)Weibel D, et al.Vaccine. 2018 Oct 1;36:6202-6211. 8)Why is it so hard to investigate the rare side effects of COVID vaccines? / Nature9)Edwards K, et al. Biologicals. 2019 Jul;60:1-7.

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ナノミセルを使った効率的なゲノム編集法の開発に成功

 公益財団法人川崎市産業振興財団 ナノ医療イノベーションセンター(iCONM)の副主幹研究員、内田 智士氏(京都府立医科大学准教授)らの研究グループは、ナノミセルを用いたCRISPR/Cas9の送達手法を開発し、世界で初めてRNAを基盤としたマウス脳内でのゲノム編集に成功したことを3月10日付けのプレスリリースで発表した。本研究の成果は2021年3月4日にJournal of Controlled Release誌に掲載された。 ゲノム編集技術は、遺伝子異常が原因の疾患に対して、ヒトの遺伝子を自由に改変することで異常が起こった遺伝子を修復し、永続的な効果が期待できる治療法である。その中でも2020年ノーベル化学賞を受賞したCRISPR/Cas9を用いた手法では、Cas9タンパク質とガイドRNA(sgRNA)を組み合わせることで、標的の遺伝子を認識し切断を行う。この手法では標的遺伝子ごとのタンパク質の設計は不要で、合成が容易なsgRNAの設計だけで切断箇所を自由に選択できるため、コストや手間を抑えることができる。 Cas9タンパク質とsgRNAの導入方法としては、アデノ随伴ウイルスを用いてCas9タンパク質とsgRNAを作る遺伝子を生体に送る方法やCas9タンパク質/sgRNA複合体をそのまま生体に送る方法がある。しかし、前者は搭載できる遺伝子のサイズの制限や非特異的な遺伝子の切断が課題となり、後者は経済的に高価な点や大量製造が困難な点が課題となる。 内田氏らの研究グループが開発した手法は、Cas9タンパク質のmRNAとsgRNAを1つのナノミセルに搭載して生体へ送るものである。mRNAをそのまま生体へ送ろうとすると細胞外で分解されてしまったり炎症反応を起こしてしまったりすることがあるため、ポリエチレングリコールとポリカチオンで構成されたナノミセルにmRNAとsgRNAを同時に搭載することで、安全かつ容易に生体に送達することができるようになったという。さらに、この手法では、搭載できる遺伝子サイズに制限がないほか、Cas9タンパク質の発現が一過性であるため非特異的切断も起こりにくいと考えられる。 今回の研究では、遺伝子編集が起こった場合にのみ特定の色の蛍光タンパク質が発現するような遺伝子改変マウスを用いて、脳内の遺伝子編集が起こったかどうかを蛍光観察によって評価した。その結果、Cas9タンパク質のmRNAとsgRNAを搭載したナノミセルをマウスの脳内に投与することで、神経細胞やアストロサイト、ミクログリアといった広範囲な細胞種で蛍光が確認され、遺伝子編集が行われたことが示された。本研究の成果について、内田氏は「今後はハンチントン病やアルツハイマー病といった神経系難治疾患への応用が期待される」と語った。

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新型コロナワクチン、予診票で確認すべきポイントは?/厚労省

 4月12日以降に予定されている高齢者への新型コロナワクチン接種開始を前に、厚生労働省は3月26日、新型コロナワクチン「予診票の確認のポイント」を公開した。予診票記載の14項目について接種前に確認すべき点がまとめられている。事務職員が確認可能な項目、最終的に医師の確認が必要な項目についても整理されている。既往症、現在の治療内容についての確認ポイント 予診票には、「現在何らかの病気にかかって治療(投薬など)を受けていますか」という問いが設けられ、抗凝固薬(血をサラサラにする薬と表記)の利用状況を問う項目が設けられている。確認ポイントとしては、とくに以下に該当するかに注意して接種の判断をするよう求めている:・基礎疾患の状態が悪化している場合や全身状態が悪い場合 体調が回復してから接種することが大切なため、体調が悪いときの接種は控える。体調がよくなった頃に、改めて次の接種を相談するよう説明する。接種後の軽度の副反応が重篤な転帰に繋がることのないよう、とくに慎重に予防接種の適否を判断する必要がある。・免疫不全、血が止まりにくい病気のある場合や、抗凝固薬を服用している場合 免疫不全のある方は、新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクが高いとされている。米国CDCの見解では、現時点で、有効性と安全性に関する確立されたデータはないが、他の接種不適当者の条件に該当しなければ、接種は可能としている。 血が止まりにくい病気のある方や、抗凝固薬を服用している方は、筋肉内出血のリスクがあるため、接種後2分以上、強めに接種部位を圧迫してもらう必要はあるが、接種は可能(なお、抗血小板薬を服用している方は、筋肉内出血のリスクではないとされているので、接種は可能。ただし、止血に時間がかかる可能性があることに留意が必要)※なお厚労省では、「血をサラサラにする薬を飲まれている方へ」と題した情報提供用資料も公開している。・アレルギー疾患のある方 アレルギー歴についての確認ポイントを参照。アレルギー歴についての確認ポイント 予診票には、「薬や食品などで、重いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがありますか」という問いが設けられ、「薬・食品など原因となったもの」が記載できる。ここでの確認のポイントとしては、下記のようにまとめられている:・接種するワクチンの成分に対し重度の過敏症の既往のある人は、接種不適当者に該当・1回目の接種でアナフィラキシーを起こした人は、2回目の接種はできない・食物アレルギー、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎(花粉症含む)、蕁麻疹、アレルギー体質等だけでは、接種不適当者にはならず、接種するワクチンの成分に関係のないものに対するアレルギーを持つ方も接種は可能・ただし、即時型のアレルギー反応の既往歴がある人は、接種要注意者として、接種後30分間の経過観察をする さらに、「接種するワクチンの成分」について、ファイザー社のワクチンに含まれるポリエチレングリコールや、交差反応性が懸念されているポリソルベートが含まれる製品例や、接種判断の考え方が解説されている。 今回発表された「予診票の確認のポイント」では、上記2項目を含め、下記の全14項目について、確認のポイントとその解説がまとめられている。1~4、13は事務職員等が確認可能とされ、その他の項目も、記入の有無などの確認は事務職員等が行うことができるとされている。5~12、14については、最終的に医師が確認した上で接種を判断する必要があるとしたうえで、これらの項目も、記載内容を医師以外の医療従事者があらかじめ確認することで、医師の予診の時間が短縮されると考えられるとしている。[確認のポイントが示された予診票記載の14項目]1.新型コロナワクチンの接種を初めて受けますか。2.現時点で住民票のある市町村と、クーポン券に記載されている市町村は同じですか。3.「新型コロナワクチンの説明書」を読んで、効果や副反応などについて理解しましたか。4.接種順位の上位となる対象グループに該当しますか。5.現在何らかの病気にかかって治療(投薬など)を受けていますか。6.その病気を診てもらっている医師に今日の予防接種を受けてよいと言われましたか。7.最近1か月以内に熱が出たり、病気にかかったりしましたか。8.今日、体に具合が悪いところがありますか。9.けいれん(ひきつけ)を起こしたことがありますか。10.薬や食品などで、重いアレルギー症状(アナフィラキシーなど)を起こしたことがありますか。11.これまでに予防接種を受けて具合が悪くなったことはありますか。12.現在妊娠している可能性(生理が予定より遅れているなど)はありますか。または、授乳中ですか。13.2週間以内に予防接種を受けましたか。14.今日の予防接種について質問がありますか。

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うつ病に対するプロバイオティクスの有効性、安全性

 プロバイオティクス(腸内細菌叢)は、脳腸軸の活性を通じて、気分障害や不安症に関連する症状を改善することが、多くの研究で報告されている。しかし、治療歴のないうつ病患者を対象としてプロバイオティクスの効果を検討した試験は行われていなかった。カナダ・クイーンズ大学のCaroline J. K. Wallace氏らは、治療歴のないうつ病患者10例を対象にプロバイオティクス投与前後の抑うつ症状の変化を調査するため、8週間オープンラベル試験を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2021年2月15日号の報告。 対象患者は、カナダ・オンタリオ州キングストンの住民より募集した。プロバイオティクス製剤(Cerebiome)を3×109CFUで1日1回、8週間投与した。うつ症状は、検証済みの臨床尺度と自己報告アンケート(CAN-BINDプロトコール)を用いて評価した。データは、ベースライン時、4、8週目に収集した。 主な結果は以下のとおり。・感情障害の改善は、投与4週目で観察され、8週目まで持続した。・主観的な睡眠の質の改善は、8週目までに認められた。・プロバイオティクスに関連した有害事象は認められなかった。 著者らは「本研究では、治療歴のない中等度のうつ病患者に対するプロバイオティクスの有効性および忍容性が示唆されが、さらに包括的な研究を通じて、結論を導き出す必要がある」としている。

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