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CKM症候群の初期進行でも死亡リスク上昇と関連

 心血管・腎・代謝(CKM)症候群のステージの変化と将来の死亡リスクとの関連を調査した観察研究の結果、ステージ0(CKM関連リスクがない状態)から1(過剰な脂肪蓄積/機能不全の脂肪組織が出現)という初期の進行であっても死亡リスクの上昇と関連し、ステージがより進行するにつれて段階的にリスクが上昇することを、韓国・ソウル大学病院のSehoon Park氏らが示した。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年6月12日号掲載の報告。 CKM症候群は、心血管疾患、慢性腎臓病、代謝機能障害が相互に関連しながら進行し、死亡率の上昇につながる恐れのある病態である。CKMステージを評価することで高リスク者を特定し、初期段階から介入することで早期死亡や多臓器不全、医療費増加などを抑制できる可能性がある。そこで研究チームは、韓国の全国規模の住民コホートにおいて、CKM症候群のステージの変化がその後の全死因死亡率とどのように関連するかを調査した。 対象は、4年間隔で2回の健康診断を受けた20歳以上の成人281万2,170人であった。CKMステージの変化を「改善」「維持」「進行(悪化)」に分類し、その後6.4年間追跡して全死因死亡との関連を調査した。評価には、臨床背景因子を調整した多変量解析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・CKMステージが進行したのは24%(67万4,465例)、維持したのは64%(180万2,489例)、改善したのは12%(33万5,216例)であった。・CKMステージが進行した群では全死因死亡リスクの有意な上昇が認められた(調整ハザード比[aHR]:1.38、95%信頼区間[CI]:1.36~1.41)。一方、改善した群ではリスクの低下が認められた(aHR:0.93、95%CI:0.90~0.95)。・ステージ0からステージ1という初期段階の進行であっても、死亡リスクの上昇と関連しており(aHR:1.08、95%CI:1.01~1.15)、CKMステージが進行するにつれて段階的にリスクが上昇した。・CKMステージ進行による死亡リスクの上昇は、とくに高齢者で顕著であった。 研究グループは、「これらの結果は、長期的な死亡リスクを低減するために、CKMステージの全段階にわたってモニタリングと介入を行うことの重要性を裏付けている」とまとめた。

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座位時間が長い妊婦で妊娠合併症リスクが上昇

 かつて妊婦は安静に過ごすよう勧められることが多かった。しかし新たな研究で、日常生活の中に軽度であっても身体活動を取り入れている女性と比べて、座位で過ごす時間が長い女性では妊娠合併症のリスクが高いことが明らかになった。米ウェストバージニア大学公衆衛生大学院疫学・生物統計学部門長のBethany Barone Gibbs氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に5月27日掲載された。 この研究では、ウェストバージニア州、ペンシルベニア州、およびアイオワ州在住の妊娠13週未満の妊婦470人(平均年齢30.7歳)を対象に、座位行動(sedentary behavior;SED)、軽度の身体活動(light-intensity physical activity;LPA)、および1日の歩数と妊娠転帰(妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、早産、在胎週数に比べて小さい〔SGA〕児)との関連を検討した。参加者は、身体活動量計を1日24時間、7日間連続で大腿部に装着して身体活動と歩数を測定した。このデータを基に、SED時間、LPA時間、および1日の歩数について参加者をそれぞれグループ分けした。 平均すると参加者の1日当たりのSED時間は10.1時間、LPA時間は4.6時間、歩数は6,783歩であった。妊娠合併症の発生率は、SEDが低い群(7.3時間/日)で19.0%、SEDが高い群(10.4時間/日)で42.3%、SEDが非常に高い群(11.8時間/日)で41.6%であった。解析の結果、SEDが低い群と比べてSEDが高い群および非常に高い群では妊娠合併症リスクがいずれも2倍以上高かった(調整相対リスク〔調整RR〕はそれぞれ、2.22、2.19)。一方、LPA量が低い群(3.0時間/日)と比べて、LPA量が非常に高い群(7.3時間/日)では、妊娠合併症リスクがほぼ半減していた(調整RR 0.52)。さらに、歩数が少ない群(平均3,918歩)と比べて、歩数が多い群(8,519歩)および非常に多い群(1万1,863歩)では妊娠合併症リスクが有意に低かった(調整RR=0.67、0.60)。 Gibbs氏はニュースリリースで、「妊娠中のSED時間が長いことは健康に好ましくないだろうと予想してはいたが、追加的なリスクの大きさは想定以上であった。この研究は、長時間座り続けることの多い生活パターンは、妊娠中には避けるべきだという考えを支持するものだ」と話している。 研究グループは、今回の結果から、座位時間を減らして体を動かす時間を増やすことが、健康な妊娠を維持するための重要な鍵となる可能性が示されたとの見方を示している。Gibbs氏は、「今回の知見は、必ずしも運動である必要はなく、単に立ち上がって体を動かす機会を増やすだけでも、こうした妊娠合併症を回避する助けになる可能性があることを示唆している」と述べている。 Gibbs氏はまた、妊婦に対し、歩数を記録し、定期的に立ち上がるよう促してくれるウェアラブルデバイスの活用を検討することも提案している。同氏は、「こうしたデバイスの多くは、1時間座り続けると『立ち上がって少し歩くなど、体を動かす時間です』と通知してくれる」と説明している。また、「ウェアラブルデバイスを利用できない場合は、スマートフォンやパソコンにリマインダーを設定し、血流を促すために立ち上がって体を動かす時間であることを知らせるよう設定するとよい。妊婦への指導では『自分の身体の声を聞くこと』も伝えている。長時間座り続けて腰痛や不快感が生じた場合は、立ち上がって体を動かすべきサインである」と述べている。

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断食模倣食、歯周病患者の炎症マーカー低下と関連

 断食を模倣した食事スタイルを短期間実施することで、歯周病に伴う炎症が軽減されるとする、英キングス・カレッジ・ロンドン(KCL)のGiuseppe Mainas氏らによる論文が6月10日、「Journal of Clinical Periodontology」に掲載された。論文の筆頭著者である同氏は、「本研究結果は歯周病の治療において、適切な歯磨きに加えて生活習慣の改善も重要であることを示唆している」と述べている。 歯周病対策として多くの歯科医は、歯の周囲の感染部位の清掃に重点を置いている。一方で、食生活が歯周病に何らかの影響を及ぼす可能性について検討している研究者もいる。 Mainas氏らの研究は、スペインで実施された。歯周病患者28人を募集し、無作為に2群に分けて、1群を短期間の断食模倣食を実施する断食群、他の1群を通常の食事を続ける対照群とした。断食群では6カ月の間に3回にわたり、5日間の断食模倣食を実施した。5日間のうち初日の摂取量は約1,100kcalとし、2~5日目は1日当たり約750kcalとして、6日目は普段の食事への移行日、7日目からは通常の食事とした。 6カ月間に複数回にわたり、血液と歯肉溝滲出液(歯と歯茎の間の小さな隙間からにじみ出ている液体)を採取して、炎症に関わるマーカーを測定した。その結果、断食群に割り当てられていた患者では、血液と歯肉溝滲出液の双方で炎症マーカーの低下が認められた。 論文の上席著者であるKCLのLuigi Nibali氏は、「断食が歯茎の健康に良い影響を与えるメカニズムとして、いくつかの要因が考えられる」とし、以下のような解説を加えている。 まず断食は、細胞やDNAにダメージを与え得る「炎症」の主要な原因である、体内の酸化ストレスを軽減するという。また、ケーキやビスケットのような高カロリー食品や精製された炭水化物の摂取も炎症を引き起こす可能性があることから、断食によってそれらの食品の摂取が減ることも、体内の酸化ストレス軽減につながる、としている。 Nibali氏はまた、体内の健康維持に有用なマイクロバイオームに対して、断食が有益な効果をもたらす可能性もあるとしている。ただし、「この関係性を確認するには、さらなる研究が求められる」という。 Mainas氏らは、今回の研究結果を今後の歯周病治療に反映させるよりも先に、より大規模な研究を行う必要があると考えている。「糖尿病患者など、食事制限の実施が危険なケースもあるため、断食模倣食は対象患者を慎重に選んで推奨すべきだろう。われわれは現在、断食模倣食の実施が困難な高リスク者に対して、明らかにされたメリットをどのような形で適用可能かを検討している」と同氏は述べている。

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高齢者のポリファーマシー対策啓発資材が完成/厚労省

 さまざまな疾患を併存していることが多い高齢の患者では、処方された治療薬の副作用や相互作用などが大きなリスクとなるケースもある。そこで、厚生労働省では2018年に『高齢者の医薬品適正使用の指針』を公開し、いわゆる「ポリファーマシー対策」を示した。今回、高齢者のポリファーマシー対策を進めるための医療従事者向けの普及啓発資材が完成。厚労省は6月24日より公開、配信を行っている。処方の一元管理がポリファーマシー対策の鍵 ポリファーマシー啓発資材の利用対象者は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師などの多職種を対象とするもので理解しやすいように図表やイラストが多用されている。 主な目次と内容は以下のとおり。【1.ポリファーマシーの概念】 「ポリファーマシーの概念」として「多剤服用の中でも害をなすものをとくにポリファーマシーと呼び、本指針でも両者を使い分けた。ポリファーマシーは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下などの問題につながる状態」と定義し、服用薬剤数が6種類以上で発生が多いことが示されている。【2.多剤服用の現状】 高齢になるに伴い服用薬剤数が多くなる傾向があること、有害事象が発生しやすくなることが示されている。また、処方が一元管理されていないとポリファーマシーが形成されやすいことが示されている。【3.薬剤見直しの基本的な考え方およびフローチャート】 処方見直しのフローチャートを示し、実施する際の考え方やポイント、注意点、他職種との連携の重要性などが記載されている。【4.多剤服用時に注意する有害事象と診断、処方見直しのきっかけ】 有害事象として、「ふらつき・転倒」「せん妄」「食欲低下」「排尿障害・尿失禁」「記憶障害」「抑うつ」「便秘」が示されている。【5.多剤服用の対策としての高齢者への薬物投与の留意事項】 多剤服用の対策では、加齢による腎機能などの低下を考慮し、「少量開始」「徐々に増量」などの注意が記載され、相互作用の影響や重複処方への注意、OTC医薬品などとの併用への注意、急性期・療養期・慢性期での見直しが示されている。【6.服薬支援】 服薬アドヒアランス低下の要因として「視力低下」「認知機能の低下」「独居」などの例示とともに、処方や服薬支援の工夫が記載されている。【7.多職種・医療機関および地域での協働】 多職種連携の重要性だけでなく、地域の薬局、介護サービスとの協働の必要性が示されている。【8.国民的理解の醸成】 薬剤の適正な使用法の啓発について記載されている。【9.参考資料】 薬剤別の高齢者で汎用される薬剤の基本的な留意の詳細、とくに慎重な投与を要する薬物のリスト、加齢に伴う薬物動態および薬力学の変化などが詳細に記載されている。

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第321回 糖尿病予防ワクチンの開発支援は患者の寄付、国はどう見る?

INDEX患者団体から大学への寄付IDDMの原因と研究背景佐賀大学での研究成果と日本IDDMネットワークの思い患者が身銭を切る現実、医療者は、政府はどう感じるか患者団体から大学への寄付世の中とはまだまだ知らないことにあふれている。最近、そう思わされることがあった。それはネットで流れてきた「糖尿病予防ワクチン開発へ1,000万円助成 佐賀大学が2029年完成目指し研究」というニュースだ。関係者には申し訳ないが、最初はネットニュースなどでありがちなin vitroのデータを基に「〇〇が××に効く」的に大げさに報じられたレベルのニュースかと思ったが、よく記事を読み、その内容を調べてみると、なかなかに面白い。糖尿病専門医ならばもはや周知のことなのかもしれないが、私自身は初耳だった。ニュースの概略は、1型糖尿病(IDDM)の発症に関与する可能性があるウイルスの感染を予防するワクチン研究に取り組んでいる佐賀大学の研究に対し、IDDMの患者団体である認定NPO法人・日本IDDMネットワークが1,000万円の研究助成金を提供したというものだ。患者団体が研究機関や研究者を支援するために、寄付を行うことは日本でも珍しいとまでは言えないが、私が知る範囲では、寄付金額は高くとも百万円単位。ちなみに寄付文化が日本より盛んな欧米などでは、患者団体が億単位の研究助成金を提供することもある。その意味では今回のケースは珍しい部類に入るだろう。IDDMの原因と研究背景さてIDDMとウイルス感染との関連だが、その端緒は半世紀以上前の1969年、英国からの研究報告1)である。余談ながら、同年は私が生まれた年である。この研究は、0~19歳のIDDMの新規発症が夏から秋・冬にかけて増加し、10月頃に緩やかなピークを迎えた後、翌夏にかけて減少していくパターンを示し、四半期単位でみると、統計学的に有意な変動があったというもの。研究者側は発症に季節性がある疾患は感染症に起因することが多いとの仮説に基づき、IDDM新規発症数の季節変動・年次推移と当時の英国公衆衛生研究所(現・英国健康安全保障庁)のウイルスの流行データを調べ、コクサッキーB群ウイルス(B1〜B5型)のB4型ウイルスの流行と若年のIDDMの年間新規発症数との間に有意な正の相関が認められたと報告した。もっともこの時点で論文に記述された結論は「私たちは、今回の結果が感染症と若年性糖尿病との関連性を示すさらなる証拠を提供するものであると結論付けるが、これらの知見の病因論的な(因果関係における)重要性については、いまだ不確実なままである」というものだった。そして同じ研究者が1973年に発表した研究2)はさらに一歩進んでおり、IDDM新規発症患者と非糖尿病かつ直近でウイルス感染症に罹患歴がない対照群との比較で、IDDM患者ではコクサッキーB4型ウイルスに対する中和抗体値が有意に高いと報告した。この件がより確信度が高くなったのは、さらに6年後の1979年に米国からもたらされた報告である。これは糖尿病性ケトアシドーシスで亡くなった10歳男児の膵臓ホモジネートを培養細胞に接種したところ、細胞へのウイルス感染が確認され、解析結果からそのウイルスがコクサッキーB4型ウイルスだと判明したとの症例報告である。コクサッキーB4型ウイルスが膵臓に感染している事実が判明したということだ。これが1症例の報告にもかかわらず、NEJM誌に掲載された3)という事実からも、その衝撃度は当時としても相当なものだったことが窺い知れる。その後、小児を対象にした複数の前向きコホート研究からコクサッキーB群ウイルスによる感染が、IDDMの発症に関与する自己抗体の陽性化に先行して起こることも確認された。後に、とくに発症への関与度が強いのは「コクサッキーB1型ウイルス」であることも判明している。佐賀大学での研究成果と日本IDDMネットワークの思いこうしたさまざまな研究から、現在推定されているコクサッキーB群ウイルスによるIDDM発症の機序は、ヒトに感染したコクサッキーB群ウイルスが膵β細胞に感染・増殖すると、β細胞で炎症が起き、β細胞のタンパク質が免疫細胞に提示され、自己反応性T細胞が活性化することで自己免疫反応が慢性化して発症に至るというものである。もっとも、現状でもコクサッキーB群ウイルスは、IDDMの原因と証明されたわけではなく、有力な環境因子ということでコンセンサスを得ている。そこで、今回の本丸である「日本IDDMネットワークが研究助成金を提供した研究」だが、佐賀大学医学部肝臓・糖尿病・内分泌内科特任教授(九州大学名誉教授)の永淵 正法氏らが取り組んでいるものである。永淵氏らは、ヒトのコクサッキーB群ウイルスが感染できる特殊な遺伝子改変マウスの作製に成功した。また、前述のようにコクサッキーB群ウイルスは、あくまで有力な環境因子という位置付けだが、永淵氏らはコクサッキーB群ウイルス感染でIDDMを発症しやすいのは、ウイルス感染時に感染拡大を食い止めるインターフェロンにかかわるインターフェロン受容体関連シグナル伝達分子のチロシンキナーゼ2遺伝子(TYK2)に変異がある場合であることを突き止めている。今後はコクサッキーB群ウイルス内でさらに糖尿病発症に関与度が高いウイルスの特定やワクチンデザインと動物実験での効果検証を経て臨床試験開始を目指しているという。そしてさらに驚いたのが、日本IDDMネットワークがこの研究に助成したのは、これが9回目で、提供した研究助成金は累計1億770万円。それほどまでに患者の期待は高いということだ。患者が身銭を切る現実、医療者は、政府はどう感じるか今回、この件で私がふと思い出したのが、記者になりたての1990年代後半、ある新聞で読んだ海外の糖尿病患者団体トップのインタビューである。記事でこのトップが語っていた「私たちが本当に望んでいるのは、良好なコントロールが得られることではなく治癒」という言葉に私は相当な衝撃を受けた。当時の私は、周囲の人間より医学知識が増えていたがゆえに、どこか得意になっていたところがある。たとえば、医学的な知識に乏しい人々が「〇〇の水を飲んだら、がんが消えたらしい」という話などをしていると、「がんが水ごときで治るはずはないだろう」と得意げに反論していた。当時、同じようなケースを糖尿病患者で目の当たりにしていれば、「糖尿病は一生治らないよ」と上から目線で話していたに違いない。前述の糖尿病患者団体トップの記事はそんな自分の慢心に冷や水を浴びせたものだった。たとえ医学的に不可能と言われようと、患者とは常に治癒を願うもの。以来、それを前提にどう報じるかが自分のミッションだと考えてきた。しかしだ、冒頭の書き出しを読めばわかる通り、私は再びそのことを忘れかけていたようである。そのうえであえて不遜な物言いをすれば、これは医療者にも少なからず共通することとは言えないだろうか?一方、今回の件を通じてもう1つ考えさせられたのは、一日千秋の思いで、より良い治療を待つ患者が身銭を切って研究者を支える現実である。本来これは公がやるべきことではないだろうか? 幸い(?)にも首相の高市 早苗氏は「責任ある積極財政」「先端技術を花開かせる成長投資を大胆かつ戦略的に進める」「攻めの予防医療」などを政権公約に掲げている。この言葉通りなら、ぜひとも全国津々浦々で行われている今回のような地道な研究にも目を向け、支援をしてもらいたいものである。参考1)Gamble DR, et al. Br Med J. 1969;3:631-633.2)Gamble DR, et al. Br Med J. 1973;4:260-262.3)Yoon JW, et al. N Engl J Med. 1979;300:1173-1179.

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日本初のMASH治療薬、MASLD/MASH診療は新たな局面に/ノボ

 代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD)および代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の診療は、近年病名変更や非侵襲的診断法(NIT)の進歩によって様変わりした。一方で、肝線維化の進展を抑制する薬物療法は長らく存在せず、生活習慣改善が治療の中心であった。そのような中、2026年6月、すでに肥満症治療薬として広く用いられているGLP-1受容体作動薬セマグルチド(商品名:ウゴービ)が、日本で初めてMASHを適応症とする追加承認を取得し、国内のMASLD/MASH診療は新たな局面を迎えた。 ノボ ノルディスク ファーマは6月30日にプレスセミナーを開催し、国際医療福祉大学 消化器内科統括教授の中島 淳氏が「日本初MASH治療薬がもたらす未来」をテーマに講演を行った。同氏は「これまでMASH患者が肝硬変や肝細胞がんへ進展していくのをみているしかなかったが、ようやく治療薬を手にすることができた」と述べた。「脂肪量」ではなく「線維化」が予後を決める MASLDは、かつてNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)と呼ばれていた疾患概念で、2023年に国際的なコンセンサスを得て名称が変更された。現在では代謝異常を背景とする脂肪性肝疾患として位置付けられ、その中で肝炎を伴う病態がMASHと定義されている。 日本ではMASLD患者は約2,500万例に達すると推定され、MASH患者も100万例規模に上ると考えられている。健康診断データでは脂肪肝の有病率は25.8%と4人に1人を超え、さらに進行線維化が疑われる症例も約1%存在するなど、肝疾患の中で患者数が最も多い疾患となっている。 MASLDは自覚症状に乏しい「サイレントキラー」である。線維化はF0からF4(肝硬変)へと数十年かけて進行するが、その速度は線維化の進展とともに加速する。F0~F1から肝硬変までは30年以上を要する一方、F2では約20年、F3では約6年で肝硬変に至るとされる。さらに肝硬変へ進展すると肝細胞がんや非代償性肝硬変のリスクが急激に高まる。 中島氏は、「疾患が悪化するかは脂肪肝であること自体ではなく、線維化がどこまで進んでいるかによるところが大きい」と説明した。実際、約9,700例を20年間追跡した解析では、脂肪量や炎症よりも線維化の有無が無イベント生存期間を最も強く規定する因子であることが示されている。 また、日本人MASLD患者を対象としたCLIONE試験では、線維化ステージの進展に伴い全死亡、肝関連イベント、肝細胞がんの発症率が段階的に上昇することも報告されている。死亡原因は肝疾患だけでなく、心血管疾患や他臓器がんも多く認められ、MASLDが全身性疾患であることも改めて示されている。診療のカギはF2以上のハイリスク患者をいかに拾い上げるか 一方で、近年は診断法も大きく進歩した。従来の肝生検に代わり、FIB-4 indexやM2BPGi、ELFスコアなどの血液バイオマーカーに加え、VCTE(FibroScan)やMRエラストグラフィなど非侵襲的検査が普及している。 2026年4月に改訂された「MASLD診療ガイドライン」では、FIB-4 indexを用いた1次リスク評価を起点とし、中間・高リスク例ではエラストグラフィや線維化マーカーを組み合わせて評価する診療アルゴリズムが推奨された。中島氏は、「最も重要なのはF2以上の患者を早期に見つけることであり、かかりつけ医と肝臓専門医との連携が不可欠になる」と述べた。 さらに同氏は、近年の肝細胞がんの原因も大きく変化していると指摘した。C型肝炎に対する直接作用型抗ウイルス薬の普及によりC型肝炎由来の肝細胞がんは減少した一方、MASLD/MASH由来の肝細胞がんは増加を続けている。「都市部では肝切除症例の大部分がMASLD由来となっている」と述べ、今後の肝臓診療ではMASLD対策が重要課題になるとの認識を示した。ESSENCE試験で2つの主要評価項目を達成 今回の適応追加の根拠となったのは、F2またはF3線維化を有するMASH患者800例(日本人116例を含む)を対象とした国際共同第III相ESSENCE試験である。 被験者は標準治療+セマグルチド2.4mgまたはプラセボに2対1で無作為化され、72週時点で肝生検による組織学的評価が行われた。主要評価項目は、「線維化悪化を伴わないMASH消失」と「MASH悪化を伴わない線維化改善」の2項目であった。 その結果、「線維化悪化を伴わないMASH消失」はセマグルチド群62.9%、プラセボ群34.3%で達成され、「MASH悪化を伴わない線維化改善」もそれぞれ36.8%、22.4%となり、いずれも統計学的有意差を示した。 また、副次評価項目ではALT、AST、γ-GTPの改善に加え、CAPによる肝脂肪量、VCTEによる肝硬度、線維化関連バイオマーカーの改善も確認された。組織学的にも脂肪化や炎症、肝細胞風船様変性の改善が認められ、線維化改善を示唆する結果となった。 安全性については、新たな重大な懸念は認められなかったものの、悪心、下痢、便秘などGLP-1受容体作動薬に特徴的な消化器症状はプラセボ群より高頻度で認められた。実臨床では漸増投与や副作用マネジメントが重要となる。早期診断・早期介入の時代へ 中島氏は、「これまでは薬がなかったため、糖尿病医やかかりつけ医から専門医へ紹介されない患者も多く、腹水や巨大肝がんを契機に初めて紹介されるケースも少なくなかった」と振り返る。その上で、「今後はF2~F3の段階で患者を拾い上げ、治療介入することで、肝硬変や肝細胞がんへの進展を防げる可能性がある」と述べ、今回の適応追加を「MASLD/MASH診療におけるゲームチェンジャー」と位置付けた。 薬物療法の選択肢が加わったことで、MASLD診療は「経過観察」から「積極的治療」へと大きく転換しつつある。今後はFIB-4 indexをはじめとする非侵襲的評価を活用したハイリスク患者の早期抽出と、適切な専門医紹介、薬物療法を含めた包括的な管理体制の構築が、国内のMASH診療における重要な課題となりそうだ。【最適使用推進ガイドライン抜粋】・適応:「肝硬変を伴わないMASH。ただし、中等度又は高度の線維化を有する場合に限る」→肝線維化ステージがF2又はF3に線維化が進行した患者であることを、生検によって確認すること。なお、「肝生検ガイダンス」(日本肝臓学会編)19の禁忌の項を参考に、生検の実施が適切ではないと判断された場合には、非侵襲的検査(NIT)に基づき判定すること。・用法及び用量:成人には0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射。その後は4週間の間隔で、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg及び2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。・施設要件:消化器内科、肝臓内科、内科のいずれかを標榜している保険医療機関・医師要件: MASH又はNASHの診療を5年以上行っていること

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一般的な降圧薬、2型糖尿病患者の腎障害リスク上昇と関連

 高血圧に対して広く処方されている降圧薬が、2型糖尿病患者の腎障害リスクを高める可能性を示唆するデータが報告された。ジヒドロピリジン系カルシウムチャネル拮抗薬(DCCB)が処方されている患者では、腎障害の発生リスクが、同薬が処方されていない患者に比べて33%高いという。ラビン医療センター(イスラエル)のTimna Agur氏らが、第63回欧州腎臓学会学術集会(63rd ERA Congress、6月3~6日、英・グラスゴー)で発表した。 DCCBに該当する具体的な薬剤名としては、アムロジピンやニフェジピンなどが挙げられる。研究者らによると、これらの薬剤は血管を弛緩させることで血圧を低下させるように作用し、糖尿病性腎臓病(DKD)患者に対する追加の降圧治療薬として広く処方されている。しかしAgur氏らの研究から、DCCBが処方されている患者では、腎臓保護作用のあるほかの薬剤を服用していても腎障害リスクが高まることが示唆された。同氏は、「われわれの研究結果は、最新の腎保護療法をすでに受けている患者にとって、DCCBの併用が常に最良の選択肢なのかという、重要な疑問を提起するものだ」と述べている。 今回、Agur氏らは、2016~2021年に収集された成人2型糖尿病患者3万1,031人のデータを解析した。全ての患者に、レニン・アンジオテンシン系阻害薬(RAS阻害薬)とナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2-i)という、DKDの治療を大きく進歩させた2種類の薬剤が処方されていた。1万2,172人(39.2%)にはさらにDCCBが処方され、1万8,859人(60.8%)にはDCCB以外の降圧薬が処方されていた。 約3年半(中央値)追跡し、主要腎イベント(推定糸球体濾過量〔eGFR〕が40%以上低下、または透析や移植を要する末期腎不全への進行)の発生リスクをDCCB処方の有無で比較した。結果に影響を及ぼし得る交絡因子を調整後、DCCBが処方されていた患者は主要腎イベントの発生リスクが33%高いことが明らかになった(ハザード比 1.33、95%信頼区間 1.03~1.73)。 研究者らによると、DCCBは腎臓に血液を送り込む血管を拡張させる一方、腎臓から血液を送り出す血管の拡張作用は弱く、その結果として糸球体内圧が上昇し、腎障害につながる可能性があるという。Agur氏は「データを解析する前は、SGLT2-iなどの腎保護効果がDCCBの潜在的な悪影響を相殺するのではないかと考えていた。しかし、そのような保護効果によってもリスク上昇は打ち消されないことが示された」と語っている。 ただし同氏らは、「今回の研究は観察研究であり、直接的な因果関係は検証できない」と解釈に注意を促しながらも、「DCCBがこの患者集団で非常に広く処方されていることを踏まえると、今回の結果は臨床的に重要な意味を持つ」としている。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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糖尿病者、生活習慣改善やメトホルミンは多疾患併存リスクを軽減するか/JAMA

 前糖尿病の成人において、生活習慣の改善は多疾患併存の負担軽減と関連するが、メトホルミン介入ではそのような関連は示されなかった。米国国立老化研究所のMarcel E. Salive氏らDPP Research Groupによる、無作為化試験の被験者を長期にわたって追跡評価した観察コホート研究で示された。個別疾患のみならず多疾患併存の予防や発症遅延についての研究は、公衆衛生上きわめて重要であるが、長期的な追跡調査で有効性が実証された介入方法はほとんどない。今回の結果について著者は、「生活習慣改善プログラムは、慢性疾患の発症を長期にわたって抑制する可能性がある」とまとめている。JAMA誌オンライン版2026年6月15日号掲載の報告。無作為化試験に参加した前糖尿病患者を、試験後21年間にわたり追跡 研究グループは、前糖尿病の成人における多疾患併存の発症との関連性について、生活習慣への介入またはメトホルミンによる介入とプラセボを比較する検討を、1996年6月1日~2021年12月31日に米国27施設で実施した。1996年6月1日~1999年5月28日の3年間にわたるDiabetes Prevention Program(DPP)に、2型糖尿病リスクの高い成人3,234例が登録され、これらの被験者はその後にDPP Outcomes Study(DPPOS)に登録された。本コホートのうち、2021年までのCenters for Medicare & Medicaid Services疾患データが入手可能であり、同意が得られた1,173例のデータについて、2024年6月5日~2025年11月7日に解析を行った。 DPPにおいて被験者は、生活習慣改善群、メトホルミン群、プラセボ群に無作為化された。DPPOSにおいては、プラセボ投与が中止され薬物治療が非盲検化された。メトホルミン治療は継続された。 生活習慣改善群には年2回の集団介入が提供され、また全被験者について2014年までに年4回、生活習慣改善の介入が提供された。 主要アウトカムは多疾患併存の発症で、Medicare支払いデータベースで定義される15の主要な慢性疾患のうち2つ以上の発症が認められる場合と定義した。 Cox比例ハザードモデルを用いて、各治療群のアウトカム発症リスクを推定した。対プラセボの多疾患併存リスク、生活習慣改善群は低下、メトホルミン群は差異なし 1,173例(年齢中央値74歳[四分位範囲[IQR]:70~80]、795例[68%]が女性)のうち、993例(85%)で2つ以上(中央値5[IQR:3~7])の疾患の併存が、フォローアップ終了時点までに認められた(生活習慣改善群316/385例[82%]、メトホルミン群327/385例[85%]、プラセボ群350/403例[87%])。 多疾患併存のリスクは関連する共変量補正後、生活習慣改善群がプラセボ群と比較して低下した(ハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.68~0.93)。メトホルミン群とプラセボ群では有意差がみられなかった(HR:0.91、95%CI:0.78~1.07)。 これらの関連性は、多疾患併存の定義から糖尿病を除外した場合も維持されていた。また、最も医療費が高い疾患の組み合わせに限定した場合、生活習慣改善群とプラセボ群を比較した関連性のHRは0.57(95%CI:0.38~0.85)であった。

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第323回 財務省、「春の建議」で「医学部・歯学部・薬学部の大胆な定員削減」「医療法人の業務範囲の拡大」を提言

財源問題先送りの骨太原案に市場が動揺こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。6月30日に政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)の原案(あくまでもまだ原案)がまとまりましたが、昨年まで明記されていた「財政健全化」の文言が消えたことで、債券市場が大きく動揺、長期金利も約30年振りの高水準となっています。高市政権下での積極財政による財政悪化リスクを懸念して債券売りが広がっているのです。消費税の減税分を何で賄うかの問題も解決していません。戦略17分野への官民投資など、一見華々しい“成長戦略”をぶち上げる一方で、財源問題を先送りする高市政権、結局最後に割を食うのは社会保障費ということにならなければいいのですが……。70歳以上の患者自己負担割合については、「可及的速やかに現役世代と同様に原則3割とすべき」ということで、まだ原案段階の「骨太」の前に、今回は「建議」について書いてみたいと思います。財務省の財政制度等審議会は6月26日、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に向けた「春の建議」を取りまとめ、片山 さつき財務相に提出しました。「人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営」と題された建議の「III.社会保障」の項では、社会保障負担率(国民所得に対する社会保険料負担の割合)を指標として、「具体的な数値目標と年限を明確に掲げるとともに、その達成に向けた社会保障改革の具体的な改革項目について、工程表を改めて作成すべき」と提言。そのうえで、ロードマップに沿った社会保障制度改革の着実な実施を通じ、家計可処分所得の持続的な増加につなげる必要性を指摘しました。中でも70歳以上の患者自己負担割合については、「可及的速やかに現役世代と同様に原則3割とすべき」「その実現に向けた具体的な道筋を明確に示すべき」としました。現行の患者自己負担割合は70歳未満は3割、70~74歳は2割、75歳以上は1割が原則となっています。財制審は患者自己負担割合を収入などの支払い能力ではなく年齢で決めるのは「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心の構造の象徴だ」と指摘、まず70~74歳を原則3割に引き上げ、75歳以上も経過措置を許容しつつ3割にすべきだと訴えました。70歳以上の患者自己負担割合については、自民党と日本維新の会も社会保障改革の論点の1つとして挙げており、維新は70歳以上を原則3割とするよう訴え、自民は慎重姿勢を示しています。ちなみに、6月30日にまとめられた骨太の方針の原案には、高齢者の患者自己負担については「原則3割負担」とは明記されておらず、「高齢者の受診行動や所得状況等を踏まえた窓口負担の見直しについて、令和9年度(2027年度)予算編成過程で結論を得る」とマイルドな表現になっています。「理系分野の高等教育を受ける人材配分の在り方として課題がないか、社会経済全体の発展・成長に向け検証が加えられるべき」「春の建議」には「秋の建議」と同様、財務省がその時点で考える医療制度のさまざまな改革案が盛り込まれます。時にはややエッジの効いた政策(診療報酬の地域別単価など)が記されることもあります。今回も、なかなか興味深い提案がいくつかありましたので、そのいくつかを紹介しておきましょう。「II.人口減少と不確実性の時代における総合的な国力の強化」の項では、「医学部・歯学部・薬学部の定員数の削減」を提言しています。建議は、「最新の医師需給推計によれば、2029年から2032年の間で需給が均衡することが見込まれており、医学部は6年制であることを踏まえると、現在の定員水準を維持した場合、医師数が過剰となることは既に確定的であり、医学部定員を計画的に削減していく必要がある」としています。そして、「歯科医師・薬剤師についても、2012年以降、国家試験の合格者数が平均で定員数の8割程度となっており、既に定員数が過剰な状況にある。歯科医師・薬剤師を更に増加させる必要性は乏しい」と断じ、「理系の学問分野間の人材配分の適正化の観点からも、医学部・歯学部・薬学部の大胆な定員削減に踏み切るべき」としています。建議ではまた、「医療分野への人材配分及び専門人材の効率的活用」も提言、理系の優秀な人材が医療分野に集中していることを、「人口減少が続く中で、特定の業種・分野に人材が偏ることは、他の業種・分野への専門人材の供給に影響を及ぼしていることが懸念される」と問題視しています。とくに医学部について、「足もとの医学部定員が今後も維持された場合、2050年には約85人に1人(1970年における割合の約5倍)が医学部に進学する見込みとされている。こうした状況について、理系分野の高等教育を受ける人材配分の在り方として課題がないか、社会経済全体の発展・成長に向け、希少な人材を最大限に有効活用する観点から検証が加えられるべきである」と、需給とは別の観点からも医学部・歯学部・薬学部の定員削減の必要性を説いています。「MCDBの報告項目の精緻化」は財務省が日本医師会と対峙していくための武器の強化「III.社会保障」の項では、「医療機関の経営情報の更なる『見える化』」を提言、とくに「MCDBの報告項目の精緻化」と「職種別給与の見える化」について言及しています。MCDBとは、「医療法人の経営情報のデータベース」のことです。建議では、2026年度診療報酬改定の検討においてMCDBが活用され、医療機関の施設類型ごとの費用構造や経営実態についてのデータ分析に基づき、きめ細やかな対応が実施されたことを評価、その上で、「次期改定において更に精緻な対応を行うためには、MCDBにおける必須報告項目の追加や細分化が必要である。また、医療機関の経営実態をより正確に分析する観点から、経営上特別な利害関係にある法人との取引についても把握することができるよう検討を行う必要がある」としています。一方、「職種別給与の見える化」については、医療機関の経営情報の「見える化」のコアとも言うべき、職員の職種別の給与・人数が現状、任意提出項目となっていることを問題視、「保険料・税を財源に運営される医療提供施設としての説明責任を果たすため、職種別の給与・人数の提出の義務化は必須である。このことは、今後、時代の要請である賃上げをよりきめ細かく科学的に行っていくのに必須であり、職種別の給与水準をより精緻に把握する観点から、記載対象項目の追加の検討も求められる」としています。財務省は、2026年度改定に向けた財政制度等審議会の議論で、MCDBのデータを活用し医療機関の経営実態を踏まえた改定の方向性を検討、「病院は経営がかなり厳しく、診療所は相対的に余裕があるところがある」という結論を導き出し、日本医師会を焦らせました(第293回 佳境迎える診療報酬改定議論、「本体」引き上げはほぼ既定路線も、最大の焦点は病院と診療所間の「メリハリ」参照)。「MCDBの報告項目の精緻化」は、財務省が日本医師会と対峙していくための“武器”をより強化するための方策という見方もできるでしょう。「医療法人の業務範囲の拡大」に日医は慎重姿勢このほか、「III.社会保障」の項では「医療法人の業務範囲の拡大」も提言しています。建議は、「医療は公的財源で支えられており、効率的な医療提供には、地域や機能によっては『競争より協調』、『拡大より撤退』が求められる場面もあるため、医療法人の非営利性は担保されるべき」としつつも、「同時に、経営基盤強化の観点からも、医療法人による業務範囲の拡大は検討の余地がある。例えば、社会医療法人の認定要件の緩和や医療法人の収益事業を条件付きで可能とするなどの方策が考えられる」として、その検討を進めるべきだとしています。現状、社会医療法人には認められている収益事業を医療法人にも拡大していこうという案ですが、こうした収益事業への取り組みについて、日本医師会は「公益性の高い医療法人が収益拡大を優先すると、医療の公共性が薄れかねない」といった理由から慎重な姿勢をみせています。ただ、医業がさまざまな要因からこれだけ追い込まれている状況では、業務範囲を拡大して収益の幅を広げる分には歓迎すべきことだと思うのですが……。実際、かつて日本医師会の常任理事を務めていた関東地方のある医療法人理事長は、「医療法人の業務範囲を拡大してほしい」とよくこぼしていました。日医の慎重姿勢は医療の公共性への危惧というより、地方で限られた有力な医療法人だけが勢いづき、成長することへの恐怖からなのかもしれません。

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幼少期の逆境体験が多いほど肥満リスク上昇、支える大人が保護因子の可能性

 幼少期の逆境体験が多いほど、小児期の肥満リスクが高いという関連が報告された。米ロサンゼルス小児病院のVictoria Goldman氏、米ジョージア大学のShana Adise氏らの研究の結果であり、詳細は「JAMA Network Open」に12月4日掲載され、2月17日にジョージア大学からリリースが発行された。 この研究では、幼少期に経験した虐待や両親の離婚、貧困、ネグレクト、いじめなどの逆境的小児期体験(adverse childhood experiences;ACEs)が多いほど、BMIが有意に高いという関連性が示された。ただし、子どもの周囲に支えとなる大人が存在していれば、この関連性が薄れる可能性があるという。論文の筆頭著者であるGoldman氏は、「支えとなる存在は必ずしも家族である必要はない。教師やコーチ、あるいはほかの誰であれ、少なくとも1人の支えとなる大人がそばにいるだけで、子どもの成長に非常に大きな影響を与える可能性がある」と、大学発のリリースの中で語っている。 Goldman氏らは、米国で行われている小児の成長・発達に関する研究(Adolescent Brain and Cognitive Development〔ABCD〕Study:ABCD研究)のデータを用いて、ACEとBMIの関連を横断的に解析した。解析対象者数は5,435人で、女子が48.5%、平均月齢143.1±7.6月(約12歳)であり、過体重または肥満(BMIが85パーセンタイル以上)が34.4%だった。4人に3人(74.6%)が少なくとも1つのACEを経験しており、体験したACEの種類の数を意味するACEスコアは、平均1.8±1.7だった。なお、先行研究では、ラテン系やヒスパニック系の子どもではACEの多いことが報告されているが、本研究でも同様の傾向が認められた。ラテン系やヒスパニック系の子ども(全体の21.0%)のACEスコアは2.1±1.7であり、その他の子ども(79.0%)のスコア(1.7±1.7)より有意に高かった(P<0.01)。 BMIに影響を及ぼし得る因子(年齢、性別、保護者の教育歴など)を調整後、体験したACEが2種類増えるごとにBMIが約0.5高くなるという関連が認められた。より詳しくは、ACEスコアが1標準偏差に当たる1.7ポイント高くなるごとに、BMIが0.43(95%信頼区間0.30~0.57)増加した(P<0.001)。ただし、ラテン系やヒスパニック系の子どもの中で、「日常生活において、思いやりのある大人がそばに1人はいる」と答えた子どもたちは、たとえACEスコアが高くても、BMIが比較的低い傾向が観察された。この傾向は、解析対象全体では認められなかった。 研究者らは一連の結果を、「子どもたちのACEをスクリーニングして、必要なケアとサポートを提供する必要性が示された」と総括している。また論文の上席著者であるAdise氏も、「幼少期に体験したことに関連する健康課題を抱えたまま、子どもが成長していくことを、われわれは望んでいない。臨床でのスクリーニングは、それを防ぐための貴重な機会である」と強調。さらに、「子どもの支えとなる大人がそばにいるか否かという違いが、逆境体験のある子どもの健康に大きな影響を及ぼし得る」と付け加えている。

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第326回 GLP-1放出を促す食品添加物を欧州が許可

GLP-1などの食欲/摂食抑制ホルモンの放出を促す食品添加物を欧州連合(EU)が承認しました1-3)。食べても安全と判断されて承認されたのは、英国の研究チームが考案した食物繊維の類いのイヌリン-プロピオン酸エステル(IPE)です。EUの新規食品一覧(list of novel food)に加わり、販売できるようになりました。IPEは大腸の細菌の発酵作用で生じる短鎖脂肪酸(SCFA)のプロピオン酸と主に果糖でできた天然ポリマーのイヌリンのエステル結合で作られます。イヌリンは多くの植物に含まれ、サプリメントとして広く使用されてもいます。食物繊維を多くとることは体重が増えにくいことと関連します。食物繊維の多くは小腸では消化されず、大腸の細菌がそれらを発酵してSCFAを生み出します。SCFAは遊離脂肪酸受容体(FFAR)を活性化し、大腸のL細胞からのGLP-1ともう1つの食欲抑制ホルモンであるペプチドYY(PYY)の放出を促します。加えて、SCFAは脂肪細胞からのレプチン放出も後押しします。レプチンもGLP-1やPYYと同様に食欲抑制を担います。マウスでの検討でSCFAの1つのプロピオン酸が多いことと体脂肪量が少ないことの関連が示されています4)。プロピオン酸は細菌代謝/発酵の最終産物でほかのSCFAに変わってしまうことがなく、FFARのエネルギー消費促進や抗肥満作用に関わるFFAR受容体の1つのGPR41にSCFAの中で最も親和性が高いことがマウスでの検討で示されています5)。実際、プロピオン酸の投与はマウスのエネルギー消費を促進しました。ゆえに大腸のプロピオン酸を増やすことは食欲制御手段となりそうですが、単にプロピオン酸を摂取しただけではその効果は得られそうにありません。というのもSCFAは大腸のL細胞に届く前に小腸にやすやすと吸収されてしまうからです。そこで考案されたのがプロピオン酸と食物繊維のイヌリンを繋いだIPEです。IPEのプロピオン酸の大部分は大腸の細菌がイヌリン部分を発酵することで放出されます。その仕組みによりプロピオン酸を大腸に限って供給できるというわけです。40~65歳の過体重の60例の無作為化試験でIPEの目当ての効果が示されています。1日当たり10gのIPE摂取が血中のGLP-1やPYYを増やし、少食にし、体重増加を抑えました6)。ベースラインに比べて5%以上の体重増加は6ヵ月のIPE投与では一例もいませんでしたが(0/25例)、ただのイヌリン投与では2割弱の17%(4/24例)にみられました。より若い20~40歳の過体重の270例が参加した別の無作為化試験では、IPE摂取とただのイヌリン摂取の1年間の体重増加にあいにく有意差はありませんでしたが、IPE群では除脂肪体重が若干増えていました7)。中高齢者と若者の効果の違いは新たに取り組むべき課題であり、除脂肪体重を増やす効果はさらなる検討の価値があるだろうと臨床試験を担った英国のグラスゴー大学のDouglas Morrison氏は言っています8)。今のところIPEの製造は試行段階で1度に作れるのは数百kgほどです。研究チームが立ち上げたSatisfed社がIPEの開発を手掛けており2,9)、企業と提携して数千トン単位でIPEが製造できるようにすることを目指しています。Morrison氏とその同僚のImperial College LondonのGary Frost氏は、IPE入りのスムージー、シリアル、パンなどの食品の発売に向けて企業に話を持ちかけています。IPE入りの食品が間違いなく向こう1年以内にEUの市場にお目見えするだろうとMorrison氏は言っています3)。 参考 1) Commission Implementing Regulation (EU) 2026/1219 of 9 June 2026 authorising the placing on the market of inulin-propionate ester as a novel food and amending Implementing Regulation (EU) 2017/2470 / European Union 2) Special food additive that helps prevent weight gain is approved / University of Glasgow 3) A type of fibre that stimulates GLP-1 release approved for use in food / NewScientist 4) Ridaura VR, et al. Science. 2013;341:1241214. 5) Kimura I, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 2011;108:8030-8035. 6) Chambers ES, et al. Gut. 2015;64:1744-1754. 7) Pugh JE, et al. EClinicalMedicine. 2024;76:102844. 8) New study questions effectiveness of novel ingredient for preventing weight gain / Imperial College London 9) Imperial opens for business with investors from across the UK and Europe

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GLP-1受容体作動薬、肥満関連がんの進行を抑制か

 新たな研究により、GLP-1受容体作動薬が一部の肥満関連がんの転移進行リスクを抑制する可能性が示された。GLP-1受容体作動薬はもともと糖尿病治療薬として開発されたが、現在は肥満症や心血管疾患の治療にも広く用いられている。米Taussig Cancer InstituteのMark David Orland氏らによるこの研究結果は、米国臨床腫瘍学会(ASCO 2026、5月29~6月2日、米シカゴ)で発表された。 米フォックス・チェイスがんセンターで支持療法腫瘍学・緩和ケアプログラム責任者を務めるMarcin Chwistek氏は、「GLP-1受容体作動薬は、これまでも単なる血糖降下薬ではなかった。その抗炎症作用および免疫調節作用から、以前より幅広い作用を持つことが示唆されている」と述べている。 今回の研究でOrland氏らは、TriNetXの国際的なリアルワールドデータネットワークを用いて、ステージ1~3のがんの診断を受け、診断後にGLP-1受容体作動薬による治療を開始した1万225人の健康データを解析した。対象としたがんは、乳がん、前立腺がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、大腸がん、肝細胞がん、腎細胞がん、膵臓がんの7種類とした。これらの患者と社会人口統計学的特徴やBMI、血糖関連因子などを一致させた、診断後にDPP-4阻害薬による治療を開始した患者を対照とし、ステージ4(転移がん)への進行リスクを比較した。 その結果、GLP-1受容体作動薬群では7種類中6種類のがんで転移がんへの進行リスクの低下が認められ、うち4種類(NSCLC、乳がん、大腸がん、肝細胞がん)での低下は統計学的に有意であった。進行リスクは、NSCLCで50%、乳がんで43%、大腸がんで31%、肝細胞がんで38%の低下であった。GLP-1受容体作動薬群において、新たな安全性シグナルや有害事象の増加は認められなかった。さらに、The Cancer Genome Atlas(TCGA)の遺伝子データを解析して、GLP-1受容体の発現と全生存期間との関連を検討した。その結果、腫瘍でのGLP-1受容体の発現が高い患者では、死亡リスクが33%低いことが示された。がん種ごとに検討すると、特に乳がんでのリスク低下は45%と顕著であった。 Orland氏らは、これらの結果は、GLP-1受容体作動薬の抗炎症作用および免疫調節作用により説明される可能性があるとしている。また、本研究は観察研究であり、因果関係を証明するものではないとして慎重な解釈を求める一方で、「将来、臨床試験を実施する上で十分な根拠となる有望な結果だ」との見方も示している。 なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。

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テゼペルマブで重症喘息患者のステロイド減量が可能に

 最近承認された喘息治療薬テゼペルマブ(商品名テゼスパイア)により、喘息コントロールを維持しながら経口ステロイドの使用量を減らせる可能性が、臨床試験で示された。テゼペルマブ群では、喘息コントロールを維持しつつ日常的なステロイド使用量をより大きく減らせるオッズがプラセボ群の約3倍であったという。米National Jewish HealthにあるCohen Family Asthma Institute所長であるMichael Wechsler氏らによるこの研究結果は、「The Lancet Respiratory Medicine」6月号に掲載された。Wechsler氏は、「長期的な経口コルチコステロイドの使用は、糖尿病、骨粗鬆症、心血管疾患などの健康被害をもたらす可能性があり、生活の質(QOL)にも重大な影響を与え得る」と述べている。 米食品医薬品局(FDA)は2021年に、重症喘息の維持療法としてテゼペルマブを承認した。喘息患者は本剤を月1回自己注射する。テゼペルマブは、炎症誘発性サイトカインの一種である胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を阻害することにより喘息発作を抑制する。 今回の第3相臨床試験は、12カ国、63施設で、18〜80歳の重症喘息患者122人を対象に実施された。対象者は、テゼペルマブ210mgを4週間ごとに28週間投与する群(83人)とプラセボを投与する群(39人)にランダムに割り付けられた。主要評価項目は、喘息コントロールを維持したまま、28週時点における経口ステロイド使用量のベースラインからの変化量であった。 最終的に、90人(74%)が治療を完了した。その結果、28週時点で、テゼペルマブ群では69%の患者がステロイドの使用量を半分以上減量できたのに対し、プラセボ群では44%にとどまっていた。また、ステロイドを90〜100%減量できたのは、テゼペルマブ群では36%(30人)、プラセボ群では21%(8人)であった。さらに解析の結果、喘息コントロールを維持しながら経口ステロイド使用量をより大きく減量できるオッズは、テゼペルマブ群でプラセボ群の約3倍(オッズ比2.93)であることが示された。 Wechsler氏は、「これらの知見は、テゼペルマブで治療された重症喘息患者が、喘息コントロールを維持しながら経口ステロイドへの依存を大幅に減らせる可能性を示す点で重要である」とニュースリリースで述べている。 ただし、本試験は登録の遅れにより予定していた参加者数(207例)に達せず、早期終了したと研究グループは説明している。その上で、「しかしながら、本試験は高い質で実施されており、ランダムに割り付けられた参加者のほぼ4分の3が試験を完了している。早期終了は、参加者の試験未完了の最も一般的な理由であった」と論文の中で述べている。 なお、本試験の資金は、テゼペルマブの開発・販売元であるアストラゼネカ社およびアムジェン社が提供した。

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survodutide、非糖尿病の肥満成人で顕著な体重減少/NEJM

 非糖尿病の肥満成人において、survodutideの週1回投与はプラセボと比較して、10%以上の体重減少とともに、ウエスト周囲長や糖化ヘモグロビン値、脂質値にも良好な影響を及ぼすことが、アイルランド・ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのCarel W. le Roux氏らSYNCHRONIZE-1 Investigatorsの「SYNCHRONIZE-1試験」において示された。survodutideは、グルカゴン受容体とGLP-1受容体の二重作動薬であり、非糖尿病の肥満成人を対象とした第II相試験で、大幅な体重減少をもたらしたと報告されている。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年6月7日号に掲載された。14ヵ国の無作為化プラセボ対照第III相試験 SYNCHRONIZE-1試験は、日本を含む14ヵ国116施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験(Boehringer Ingelheimの助成を受けた)。 2023年11月~2026年2月に、年齢18歳以上、BMI値≧30、または≧27かつ糖尿病を除く1つ以上の肥満関連合併症(高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症、心血管疾患、代謝機能障害関連脂肪肝炎[MASH])を有し、少なくとも1回の減量目的の食事療法に失敗した経験があると事前に申告した者を登録した。 被験者725例(平均年齢47.1歳、男性294例[40.6%]、アジア系22.3%)を、survodutide最大3.6mg(241例)、同6.0mg(242例)、プラセボ(242例)を週1回皮下投与する3群に無作為に割り付けた。すべての被験者が、生活習慣の是正のためのカウンセリングを受けた。 主要エンドポイントは2つで、ベースラインから76週時の体重の変化率と、5%以上の体重減少であった。体重の平均変化率、survodutide 3.6mg群-12.2%vs.6.0mg群-13.0%vs.プラセボ群-5.4% ベースラインの平均BMI値は37.9、平均体重は108.8kg、平均ウエスト周囲長は115.0cmであった。被験者の94.9%がBMI値≧30で、69.7%が1つ以上の肥満関連合併症を有しており、高血圧(40.1%)、脂質異常症(33.9%)、閉塞性睡眠時無呼吸症(18.3%)の頻度が高かった。 76週時点で、ベースラインからの体重の平均変化率は、survodutide 3.6mg群-12.2%(95%信頼区間[CI]:-13.6~-10.8)、6.0mg群-13.0%(95%CI:-14.4~-11.6)、プラセボ群-5.4%(95%CI:-6.9~-4.0)であった。プラセボ群との平均変化率の差は、survodutide 3.6mg群-6.8%ポイント(95%CI:-8.8~-4.8)、6.0mg群-7.5%ポイント(95%CI:-9.6~-5.5)と、いずれの用量群ともプラセボ群に比べ減量効果が有意に優れた(両比較ともp<0.001)。 この間の体重の平均絶対変化量は、survodutide 3.6mg群-13.1kg(95%CI:-14.7~-11.6)、6.0mg群-14.1kg(95%CI:-15.6~-12.6)、プラセボ群-5.9kg(95%CI:-7.5~-4.4)であった。 また、5%以上の体重減少を達成した被験者の割合は、survodutide 3.6mg群72.6%、6.0mg群71.9%、プラセボ群46.3%であり、プラセボ群との比較のオッズ比はsurvodutide 3.6mg群が3.1(95%CI:2.0~4.7)、6.0mg群は3.0(95%CI:2.0~4.4)と、いずれの用量群とも有意に高かった(両比較ともp<0.001)。 survodutideの2つの用量群で、ウエスト周囲長も有意に改善し、糖化ヘモグロビン値、空腹時血糖値、脂質値、肝機能マーカーにも全般的に良好な影響を認めた。胃腸症状が高頻度、重症低血糖の発現はない 最も頻度の高かった有害事象は胃腸症状であり、survodutide 3.6mg群80.9%、6.0mg群89.7%、プラセボ群47.9%に発現した。これらは、主に吐き気、嘔吐、下痢、便秘であり、重症度は多くが軽度~中等度で、各群の17.8%、20.2%、2.9%で試験薬の投与中止に至った。 重篤な有害事象は、survodutide 3.6mg群8.3%、6.0mg群8.3%、プラセボ群6.2%にみられた。高血糖や抑うつはsurvodutide群で頻度が低かった。重症低血糖や死亡例の報告はなかった。 著者は、「肥満治療薬の減量依存的な効果と非依存的な効果の両方が、肥満関連合併症の改善に寄与している可能性があり、われわれは、一部のアウトカムにおいては、減量達成のメカニズムが、減量の程度と同じくらい重要である可能性があるとの仮説を立てている」「本薬の安全性プロファイルは、GLP-1受容体作動活性を有する他の肥満治療薬と同様と考えられ、治療開始後早期に発現した消化器系の副作用は、緩徐で柔軟な用量漸増と対症療法などの対策で多くが軽減した」としている。

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日本における統合失調症治療、最新の推奨事項〜エキスパートコンセンサス

 従来の統合失調症薬物治療ガイドラインは、日常診療における臨床的に重要な問題すべてに対して十分に対応できていなかった。関西医科大学の嶽北 佳輝氏らは、現在の臨床状況を反映させるため、日本臨床精神神経薬理学会(JSCNP)の2021年専門家コンセンサスを改訂することを目的とし、本研究を実施した。Schizophrenia誌オンライン版2026年6月2日号の報告。 JSCNPおよび日本神経精神薬理学会(JSNP)に所属する精神科専門医154人が、臨床的に関連性の高い21の状況における治療選択肢を9段階リッカート尺度(1=「強く反対」、9=「強く賛成」)を用いて評価した。 主な内容は以下のとおり。・回答率は44%であった。・主な症状別の推奨される第1選択薬は以下のとおりであった。【陽性症状】リスペリドン、ブレクスピプラゾール、オランザピン、パリペリドン、ブロナンセリン【陰性症状および認知機能低下】アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール【うつおよび不安】アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、ルラシドン、オランザピン、クエチアピン【滅裂思考】ブレクスピプラゾール、アリピプラゾール、オランザピン【興奮および攻撃性】オランザピン、リスペリドン【社会的統合】アリピプラゾール、ブレクスピプラゾール、ルラシドン【錐体外路系副作用または糖尿病の高リスク】ブレクスピプラゾール、クエチアピン、アリピプラゾール・遅発性ジスキネジアに対しては減量または薬剤変更を検討する。・再発を繰り返し、患者の要望、アドヒアランス不良の場合には、長時間作用型注射(LAI)抗精神病薬の導入適応となりうる。・治療抵抗性統合失調症に対してはクロザピンへの切り替えが第1選択となる。・副作用対策として、抗精神病薬の減量および単剤療法への簡略化の両方が最も重要な要因として挙げられた。・第2世代抗精神病薬は、ほとんどの場合第1選択薬または第2選択薬として評価された。一方、第1世代抗精神病薬は、おおむね第3選択薬として評価された。 著者らは「これらの推奨事項は、既存のエビデンスだけでは十分に対応できない臨床的に困難な状況における治療選択と共同意思決定(SDM)のための実践的な指針となる」としている。

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最も老化しにくい睡眠時間は?

 睡眠時間が短いことだけでなく、長すぎることも、多くの臓器の生物学的老化の加速指標と関連していることが報告された。生物学的老化の進行が最も緩やかな傾向は、1日の睡眠時間が6.4~7.8時間の人に見られるという。米コロンビア大学ヴァジェロス医学校のJunhao Wen氏らの研究によるもので、詳細は「Nature」に5月13日掲載された。 この研究では、英国で約50万人の一般住民を対象に行われている大規模疫学研究「UKバイオバンク」のデータを用いて、睡眠時間とさまざまな臓器の老化との関連性が検討された。睡眠時間は自己申告により評価された。一方、臓器の老化については、画像検査データ(in vivo imaging:生体内イメージング)、および、血漿中のタンパク質や代謝産物の網羅的なデータを機械学習により解析して、脳や心臓、肺、肝臓などの17の臓器・システムを含む23種類の「生物学的老化時計」を作成して評価した。 この研究手法について、論文の上席著者であるWen氏は、「例えば肝臓では、タンパク質、代謝産物、画像データなど複数の情報に基づく老化時計が構築されている。これらを活用することで、睡眠と老化時計との関連の有無を調べることができる」と解説している。 このような解析の結果、睡眠時間と多くの臓器の老化との間に、U字型の関連があることが明らかになった。一晩の睡眠時間が6時間未満の人や8時間以上の人は、指標上の生物学的老化が全身的に加速している傾向が見られた。最もリスクが低い老化パターンを示したのは、一晩に6.4~7.8時間の睡眠を取っていると報告した人たちだった。 また、睡眠不足は、うつ病、不安症、肥満、2型糖尿病、高血圧、心臓病など、多くの疾患のリスク上昇と関連していた。他方、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息などの肺疾患、および胃炎や逆流性食道炎などの消化器疾患は、睡眠時間が短すぎる場合と長すぎる場合のいずれにおいても、発症リスクの上昇と関連していることが判明した。 研究者らは、「今回の研究結果は睡眠が脳の健康だけでなく、全身の機能といかに深く結びついているかを浮き彫りにしている」と述べている。またWen氏は、「われわれの研究結果は、睡眠が脳や体全体の臓器の健康維持、代謝バランスや免疫システムの維持などにおいて、重要な役割を果たしているという考え方を裏付けるものだ」と総括。その上で、「今後の研究では、睡眠習慣の改善が、さまざまな臓器における生物学的老化を遅らせるのに役立つかどうかを検証していく」と付け加えている。

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実測GFRおよび推定GFRと、死亡・腎不全との関連/JAMA

 スウェーデンの成人において、実測糸球体濾過量(mGFR)が60mL/分/1.73m2の場合、90mL/分/1.73m2と比較して全死因死亡率および腎不全の発生率が高く、慢性腎臓病(CKD)の定義に用いられる現在の推定GFR(eGFR)の閾値60mL/分/1.73m2が支持されることが示された。また、mGFRと死亡との関連は、血清クレアチニン(cr)値と血清シスタチンC(cys)値に基づき算出したeGFR(すなわちeGFRcr-cys)で最もよく反映されていたが、cr値に基づくeGFRcrは死亡リスクを過小評価し、cys値に基づくeGFRcysは過大評価となることが示された。オランダ・ライデン大学医療センターのEdouard L. Fu氏らが、後ろ向き観察コホート研究の結果を報告した。eGFRの低下は死亡および腎・心血管イベントの発生増加と関連しているが、腎機能評価の精度はmGFRよりも低いとみなされている。一方でmGFRとアウトカムの関連も依然として明らかになっていない。JAMA誌オンライン版2026年6月4日号掲載の報告。死亡・腎不全との関連を、mGFRとeGFRcr・eGFRcys・eGFRcr-cysで比較 研究グループは、2011年1月1日~2021年12月31日に、スウェーデンのストックホルムにおいて専門医の判断によりmGFR検査が施行され、mGFR測定から30日以内に血清クレアチニン値および血清シスタチンC値の測定が行われた18歳以上の成人6,174例を対象とした。 一般的に、mGFR検査の適応となる患者は、薬剤投与量決定のために正確なGFRを必要とする患者(がん化学療法など)、肝硬変患者、腎移植のレシピエントまたは生体腎ドナー、およびeGFRcrとeGFRcysが不一致の患者などで、これらに該当する患者を適格とした。透析を受けている患者、またはmGFRが0mL/分/1.73m2未満もしくは150mL/分/1.73m2超の患者は除外された。 mGFRは、カロリンスカ大学病院臨床化学部門において、イオヘキソール静脈内投与後の単回採血検体を用い、Jacobsson式による血漿クリアランスに基づき算出された。eGFRについては、慢性腎臓病疫学共同研究(Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration:CKD-EPI)の2021年式を用いてeGFRcrおよびeGFRcr-cysを、2012年式を用いてeGFRcysを算出した。 主要アウトカムは、全死因死亡および腎代替療法(透析開始または腎移植と定義)を要する腎不全とし、各種GFR値とアウトカムとの関連を、年齢、性別、BMI値、既往歴、治療薬、および尿中アルブミン/クレアチニン比で補正したハザード比(HR)を用いて評価した。mGFRは死亡・腎不全の発生と有意に関連、mGFR評価とほぼ一致したのはeGFRcr-cys 解析対象6,174例の患者背景は、年齢中央値59歳(四分位範囲[IQR]:43~69)、男性3,686例(60%)、女性2,488例(40%)で、主な併存疾患は高血圧2,765例(45%)、がん1,998例(32%)、糖尿病1,244例(20%)、心不全651例(11%)であった。 追跡期間中央値5.9年(IQR:3.0~8.8)において、1,977例(32%)が死亡し、426例(6.9%)が腎代替療法を要する腎不全に至った。 全死因死亡率(1,000人年当たり)はベースラインのmGFR(mL/分/1.73m2)が90で22.4件に対し、60、45、30および15mL/分/1.73m2ではそれぞれ27.6件、32.5件、37.4件および42.7件、補正後HRはそれぞれ1.21(95%信頼区間[CI]:1.14~1.28)、1.41(95%CI:1.30~1.52)、1.62(95%CI:1.49~1.76)、1.85(95%CI:1.62~2.11)であり、mGFRの低下は全死因死亡の発生率の増加と有意に関連していた。 腎代替療法を要する腎不全についても同様で、mGFRの低下はその発生率の増加と関連しており、発生率(1,000人年当たり)はベースラインのmGFR(mL/分/1.73m2)90の0.4件に対して、60、45、30および15ではそれぞれ1.2件、3.6件、14.9件、72.2件へ増加し、補正後HRはそれぞれ2.85(95%CI:2.06~3.94)、8.77(95%CI:5.81~13.24)、38.5(95%CI:24.69~59.90)、200.3(95%CI:129.1~310.9)であった。 実測・推定GFR値が90mL/分/1.73m2未満の患者において、eGFRcrはmGFRと比較し死亡率との関連性を有意に過小評価していたのに対し(例:実測・推定GFR値60での死亡のハザード比の比[RHR]:0.87、95%CI:0.79~0.95)、eGFRcysはmGFRより死亡率との関連性を有意に過大評価していた(例:実測・推定GFR値60での死亡のRHR:1.17、95%CI:1.08~1.27)が、eGFRcr-cysはmGFRと差がなかった(例:実測・推定GFR値60でのRHR:1.03、95%CI:0.96~1.10など)。

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中等度~重度肥満者、週1回GLP-1/グルカゴン二重作動薬mazdutideの減量効果/JAMA

 中等度~重度の肥満を有する中国人成人において、GLP-1/グルカゴン受容体二重作動薬mazdutideの9mg週1回60週間皮下投与により、プラセボと比較して消化器系の有害事象が多かったものの、臨床的に意義のある体重減少が認められたことを、中国・Peking University People’s HospitalのLeili Gao氏らが、同国の27施設で実施した第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「GLORY-2試験」の結果で報告した。肥満は世界的な問題であり、中国においても公衆衛生上の大きな課題となっていた。JAMA誌オンライン版2026年6月7日号掲載の報告。2型糖尿病不問の肥満成人対象に、mazdutide 9mgの有効性と安全性をプラセボと比較 GLORY-2試験の対象は、BMI値30以上で、食事療法および運動療法のみによる減量に少なくとも1回失敗し(自己申告)、スクリーニング前3ヵ月間の体重が安定している(自己申告で変動が5%以下)、18歳以上の成人であった。 スクリーニングの3ヵ月以上前に2型糖尿病と診断され、スクリーニング時にHbA1cが7.0~10.0%、空腹時血糖値が11.1mmol/L以下で、スクリーニング前2ヵ月以上食事療法と運動療法のみ、または最大3種類の経口糖尿病治療薬(GLP-1受容体作動薬およびDPP-4阻害薬を除く)の安定用量で治療を受けていた場合は、組み入れ可能とした。 研究グループは、適格被験者をmazdutide 9mg群またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、食事療法(低カロリー食)および運動療法(150分/週の中強度の運動)の順守に加えて、それぞれ週1回60週間皮下投与した。 主要エンドポイントは2つで、ベースラインから60週時までの体重の変化率、5%以上体重減少を達成した被験者の割合であった。 有効性および安全性の解析は、主要解析集団(試験薬を少なくとも1回投与された、すべての無作為化された被験者)を対象とし、有効性のエンドポイントは、治療レジメン推定(治療順守不問で60週時におけるプラセボに対するmazdutideの平均治療効果を表す)、および有効性推定(試験薬投与を60週間完了した場合のプラセボに対するmazdutideの平均治療効果を表す)の2つの解析が行われた。60週時の体重変化率はmazdutide 9mg群-16.65%、プラセボ群-1.50% 2023年12月~2024年6月に593例がスクリーニングを受け、うち462例が登録・無作為化され、主要解析対象集団には試験薬を投与された461例(mazdutide群307例、プラセボ群154例)が組み入れられた。 461例の背景は、女性295例(64.0%)、平均年齢33.9歳(SD 8.4)、平均体重94.0kg(SD 13.8)、平均BMI値34.3(SD 3.2)で、74例(16.1%)が2型糖尿病を有しており、399例(86.6%)は2型糖尿病以外の体重関連合併症を1つ以上有する被験者であった。 ベースラインから60週時の体重の平均変化率は、治療レジメン推定値でmazdutide群-16.65%(95%信頼区間[CI]:-18.19~-15.12)、プラセボ群-1.50%(95%CI:-3.43~0.43)であり、群間差は-15.15%(95%CI:-17.22~-13.09、p<0.001)であった。 5%以上体重減少を達成した被験者の割合は、治療レジメン推定値でmazdutide群84.3%(95%CI:80.0~88.5)、プラセボ群33.1%(95%CI:25.5~40.6)であり、群間差は51.6%(95%CI:43.0~60.1、p<0.001)であった。 両主要エンドポイントの有効性推定値は、治療レジメン推定値と類似していた。 有害事象はmazdutide群で98.7%、プラセボ群で93.5%に発生した。主な試験治療下における有害事象は、嘔吐(mazdutide群53.1%、プラセボ群1.3%)、悪心(同46.9%、3.2%)、下痢(同39.4%、6.5%)で、ほとんどは軽度~中等度であった。試験中止に至った有害事象は、mazdutide群で2.9%に認められたが、プラセボ群では報告されなかった。

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統合失調症の肥満に関連するリスク因子が判明〜メタ解析

 中国・Chongqing Mental Health CenterのJianmei Long氏らは、統合失調症患者における肥満の発生率およびその影響因子を調査するため、メタ解析を実施した。Frontiers in Psychiatry誌2026年4月27日号の報告。 複数のデータベース(PubMed、Web of Science、Embase、Cochrane Library、CNKI、Wanfang Data、VIP Database、SinoMedを含む)より、包括的な文献検索を実施した。検索対象は、2025年5月26日までのすべての論文とした。メタ解析は、RevMan 5.4およびStata 18.0ソフトウェアを用いて実施した。 主な結果は以下のとおり。・18件の研究(統合失調症患者9,351例)が解析対象となった。・本メタ解析では、統合失調症患者における肥満の発生率は33.0%であった。・肥満リスク上昇と有意な関連(p<0.05)が認められた因子は次のとおりであった。【女性】オッズ比(OR):1.14、95%信頼区間(CI):1.10〜1.20【高血糖】OR:1.08、95%CI:1.04〜1.12【糖尿病】OR:2.36、95%CI:1.79〜3.10【高トリグリセライド血症】OR:1.13、95%CI:1.08〜1.18【高LDLコレステロール血症】OR:1.88、95%CI:1.45〜2.44【オランザピン使用】OR:7.40、95%CI:4.98〜11.00【抗精神病薬併用】OR:3.19、95%CI:2.31〜4.41【定型抗精神病薬使用】OR:1.46、95%CI:1.18〜1.82【非定型抗精神病薬使用】OR:1.70、95%CI:1.42〜2.03【赤血球増多】OR:2.80、95%CI:1.60〜4.90【低HDLコレステロール血症】OR:1.75、95%CI:1.41〜2.16 著者らは「現在のエビデンスによると、統合失調症患者における肥満の主なリスク因子は、女性、高血糖、糖尿病、高トリグリセライド血症、高LDLコレステロール血症、オランザピン使用、抗精神病薬併用、定型抗精神病薬使用、非定型抗精神病薬使用、赤血球増多、低HDLコレステロール血症であることが示唆された。臨床医は、統合失調症患者における肥満の発症を抑制し、生活の質を向上させるために、早期スクリーニングとターゲットを絞った介入を実施すべきである」と結論付けている。

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