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妊娠糖尿病の治療にはインスリンよりメトホルミンが有利

妊娠糖尿病の女性に対するメトホルミン投与はロジカルな治療だが、その有効性と安全性を評価する無作為試験はない。ニュージーランド・オークランド市National Women's Health, Auckland City HospitalのJanet A. Rowan氏らは、妊娠糖尿病の女性を対象にメトホルミンとインスリンの比較試験を実施。周産期合併症の発生率では両者に差はないが、インスリン注射より経口のメトホルミンによる治療のほうが、患者には好まれると報告している。NEJM誌2008年5月8日号より。妊娠20~33週の女性751例と新生児を調査試験は、妊娠20~33週の妊娠糖尿病の女性751例を、メトホルミン(必要ならインスリンを追加)またはインスリンの治療に無作為に割り付けて行われた非盲検試験。主要転帰は、新生児低血糖、呼吸困難、光線療法の必要性、分娩時外傷、5分後アプガースコアが7点未満、未熟児とする複合転帰とした。副次的転帰は、新生児の身体測定値、母体の血糖コントロール、母体の高血圧合併症、分娩後耐糖能および治療許容性とした。メトホルミン群363例のうち92.6%は分娩までメトホルミン投与を受け続け、46.3%はインスリン追加投与を受けた。周産期合併症に差はなく、妊婦は「次回もメトホルミン」主要複合転帰の発生率はメトホルミン群32.0%、インスリン群32.2%で両者に差はなかった(相対リスク:1.00、95%信頼区間:0.90~1.10)。しかしメトホルミン群はインスリン群より多数の女性が、次の妊娠時にも今回自分たちが割り付けられた治療を選択すると答えた(76.6%対27.2%、P

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ARBは心筋梗塞の発症抑制についてACE阻害薬より劣るのか? -ARB史上最大規模の試験「ONTARGET試験」は何をもたらしたか(2)-

 “ARBは心筋梗塞の発症リスクを増加させるのか?”、“ARBの心筋梗塞発症抑制はACE阻害薬より劣るのか?”-これらの疑問に対する答えを一身に背負わされてきた試験が先ごろ発表された。冠動脈疾患ハイリスク例に対してACE阻害薬とARB テルミサルタン、そしてその2剤併用療法を比較したONTARGET試験1)だ。ARBは心筋梗塞の発症リスクを増加させる!? この疑問について注目を集めるきっかけを2004年に発表されたVALUE試験2)にまで遡ってみた。ハイリスク高血圧患者に対して、バルサルタンを投与した場合、アムロジピンより心筋梗塞の発症率が有意に高かったのである。VALUE試験において心筋梗塞の発症は二次評価項目ではあったが、このような結果が発表前に誰が予想しただろうか。 その年の11月、米国トロント総合病院心臓外科のVerma氏は、この結果を受け、「Angiotensin receptor blockers and myocardial infarction –These drugs may increase myocardial infarction and patients may need to be told」というタイトルの論文をBMJ誌に発表した3)。ここでは前述のVALUE試験以外にもCHARM-Alternative試験などの結果からARBは心筋梗塞の発症リスクを増加させる可能性があり、ONTARGET試験の結果が発表されるまで、「ARBが咳の出ないACE阻害薬」と考えることに慎重になる必要があると言及した。そしてこの論争を投げかけたVerma氏も結論をONTARGET試験に委ねたのであった。ARBは心筋梗塞の発症リスクを高めない! その半年後、2005年夏にはARBの有用性を検証した無作為化比較試験のメタアナリシスが2報発表された4,5)。いずれの論文においても「ARBは心筋梗塞の発症リスクを有意に高めない」という結論に達し、Verma氏の仮説を支持するものとはならなかった。そしてここでもONTARGET試験がこの問題を解決する結果を導いてくれるものだと、ONTARGET試験に期待が寄せられた。ACE阻害薬は降圧効果と独立した冠動脈疾患発症抑制作用が認められる 一方、降圧薬の違いによるのアウトカムの格差に関するいくつかのメタアナリシスを発表してきたBlood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration (BPLTTC)は、2007年にACE阻害薬とARBのメタアナリシスを発表した6)。これによると5mmHgの降圧に対して冠動脈疾患の発症リスクをACE阻害薬は16%、ARBは17%減少させると推算されている。一方、降圧効果と独立した冠動脈疾患発症抑制作用はACE阻害薬だけに認められることを示した。 しかし、BPLTTCのメタアナリシスにおいては解析対象となった26の比較試験のうち、ACE阻害薬とARBをhead-to-headで比較した試験はわずか3つしか含まれていなかった。ELITEII7)(慢性心不全3,152例、カプトプリル vsロサルタン)、OPTIMAAL8)(急性心筋梗塞5,477例、カプトプリル vsロサルタン)、VALIANT9)(急性心筋梗塞9,818例、カプトプリル vsバルサルタン)の3つだ。これら個々の比較試験における心筋梗塞発症率や、これら3試験のメタアナリシス6)における冠動脈疾患発症率においてはACE阻害薬カプトプリルとARBの間には有意な差を認めてない。この有名なメタアナリシスもまた「ACE阻害薬とARBを直接比較した非常に大規模な比較試験であるONTARGET試験がこの疑問に対して何らかの重要な情報を与えてくれる」だろうとONTARGET試験への期待を抱かせたのであった。 「ARBは心筋梗塞の発症リスクを増加させる」のではと懸念される中、慢性心不全例へのARBカンデサルタンの有用性を検証したCHARM試験のOverall解析においてカンデサルタンの投与によって慢性心不全例の心筋梗塞の発症率が有意に抑制されたとの報告10)もあったことは押さえておきたい。 ARBと心筋梗塞発症の議論を一身に背負わされたONTARGET試験 このようにONTARGET試験は「脳心血管イベントの高リスク患者におけるARBテルミサルタンのACE阻害薬に対する非劣性を検証する」といった主要目的とは別のところで、「心筋梗塞の発症抑制に関してARBがACE阻害薬より劣るか否か(もしかすると優るのか)」も明らかしてくれるのではないかと期待された試験でもあった。 そして2008年春、ONTARGET試験は発表された1)。この試験では〈1〉冠動脈疾患、〈2〉末梢動脈疾患、〈3〉脳血管疾患、〈4〉臓器障害を伴う糖尿病の4つのうちいずれかを有する55歳以上の者を対象として、〈1〉ARBテルミサルタン、〈2〉ACE阻害薬ラミプリル、〈3〉その併用の3群のうちいずれかの治療が施され、〈1〉心血管死、〈2〉非致死的心筋梗塞、〈3〉非致死的脳卒中、〈4〉うっ血性心不全による入院のいずれかが発症率が主要評価項目として検証された。中央値56ヵ月、すなわち4年と8ヵ月において主要評価項目はテルミサルタン群とラミプリル群でそれぞれ16.7%、16.5%発症し、テルミサルタンのラミプリルに対する非劣性が証明された。 一方、主要評価項目の構成要素の1つとされた「非致死的心筋梗塞」は25,620例中1,291例(5.0%)に発症した。治療群別に見ると、ラミプリル群で4.8%、テルミサルタン群で5.2%であり、テルミサルタンによる治療を受けた場合、5年弱の間に心筋梗塞を発症する危険性はラミプリルと差がないという結果となった(相対リスク1.07、95%信頼区間:0.94-1.22)。すなわち、心筋梗塞発症抑制効果はテルミサルタンとラミプリルで同程度であり、Verma氏の論説から始まった「ARB投与、少なくともテルミサルタン投与の懸念」を払拭するものとなったとみている。1) ONTARGET Investigators:N Engl J Med. 2008;358:1547-15592) Julius S et al.: Lancet. 2004;363:2022-20313) Verma S et al:BMJ. 2004 ;329:1248-12494) McDonald MA et al.: BMJ. 2005;331:873.5) Verdecchia P et al:Eur Heart J. 2005;26:2381-2386.6) Blood Pressure Lowering Treatment Trialists' Collaboration:J Hypertens. 2007;25:951-9587) Pitt B et al:Lancet. 2000;355:1582-1587.8) Dickstein K et al:Lancet. 2002;360:752-760.9) Pitt B et al:N Engl J Med. 2003;348:1309-1321.10) Demers C et al:JAMA. 2005;294:1794-1798.

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インドの急性冠症候群はSTEMIが多く、貧困層の30日死亡率が高い

インドの急性冠症候群(ACS)患者は先進国に比べST上昇心筋梗塞(STEMI)の割合が高く、貧困層はエビデンスに基づく治療を受けにくいために30日死亡率が高いことが、インドSt John's医科大学のDenis Xavier氏が実施したCREATE registryにより明らかとなった。2001年には世界で710万人が虚血性心疾患で死亡したが、そのうち570万人(80%)が低所得国の症例であった。インドは世界でACSによる負担がもっとも大きい国であるが、その治療およびアウトカムの実態はほとんど知られていない。Lancet誌2008年4月26日号掲載の報告。心筋梗塞疑い例を対象としたレジストリー研究CREATE registryは、インドの50都市89施設で実施されたプロスペクティブなレジストリー研究である。対象は、明確な心電図上の変化(STEMI、非STEMI、不安定狭心症)が見られ急性心筋梗塞(MI)が疑われる症例、あるいは心電図上の変化は見られないが虚血性心疾患の既往を有しMIが疑われる症例とした。臨床的アウトカムおよび30日全原因死亡率の評価を行った。70%以上が貧困層~中間所得下位層2002~2005年の間に2万937例が登録され、明確な心電図上の変化により診断がなされた2万468例のうち1万2,405例(60.6%)がSTEMIであった。全体の平均年齢は57.5歳であり、非STEMI例/不安定狭心症(59.3歳)よりもSTEMI例(56.3歳)のほうが若年であった。1万737例(52.5%)が中間所得層の下位層であり、3,999例(19.6%)が貧困層であった。症状発現から来院までの所要時間中央値は360分、来院から血栓溶解療法開始までの時間は50分。糖尿病が6,226例(30.4%)、高血圧が7,720例(37.7%)、喫煙者は8,242例(40.2%)であった。30日死亡率はSTEMI例および貧困層で有意に高いSTEMI例は非STEMI例よりも血栓溶解薬(96.3%がストレプトキナーゼ)(58.5% vs 3.4%)、抗血小板薬(98.2% vs 97.4%)、ACE阻害薬/アンジオテンシン受容体遮断薬(ARB)(60.5% vs 51.2%)、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)(8.0% vs 6.7%)の施行率が有意に高かった(いずれもp<0.0001)。逆に、STEMI例は非STEMI例/不安定狭心症に比べβ遮断薬(57.5% vs 61.9%)、脂質低下薬(50.8% vs 53.9%)、冠動脈バイパス移植術(CABG)(1.9% vs 4.4%)の施行率が有意に低かった(いずれもp<0.0001)。STEMI例の30日アウトカムが死亡8.6%、再梗塞2.3%、心停止3.4%、脳卒中0.7%であったのに対し、非STEMI例/不安定狭心症ではそれぞれ3.7%、1.2%、1.2%、0.3%と有意に良好であった(いずれもp<0.0001)。富裕層は貧困層に比べ血栓溶解療法(60.6% vs 52.3%)、β遮断薬(58.8% vs 49.6%)、脂質低下薬(61.2% vs 36.0%)、ACE阻害薬/ARB(63.2% vs 54.1%)、PCI(15.3% vs 2.0%)、CABG(7.5% vs 0.7%)の施行率が有意に高かった(いずれもp<0.0001)。貧困層の30日死亡率は富裕層よりも有意に高かった(8.2% vs 5.5%、p<0.0001)。治療法で補正するとこの差は消失したが、リスク因子およびベースライン時の患者背景で補正した場合は維持された。Xavier氏は、「インドのACSは先進国に比べSTEMI例が多かった。これらの患者の多くは貧困層であり、それゆえにエビデンスに基づく治療を受けにくく、30日死亡率が高かった」と結論し、「貧困層における病院へのアクセスの遅れを解消し、高額すぎない治療法を提供できれば、罹患率および死亡率が低減する可能性がある」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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40歳以上男性の2人に1人、女性は5人に1人がメタボリック

2006年度「国民健康・栄養調査」によると、40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームが強く疑われる又は予備群と考えられることがわかった。強く疑われる者(該当者)の比率は、男性24.4%、女性12.1%、予備群と考えられる者の比率は、男性27.1%、女性8.2%だった。該当者は約960万人、予備軍は約980万人、合わせて約1,940万人に上る。そのほか、糖尿病が強く疑われる人は約820万人。糖尿病の可能性が否定できない人は約1,050万人、合わせて約1,870万人と推定。また、高血圧症有病者は約3,970万人。正常高値血圧者は約1,520万人、合わせて約5,490万人と推定されている。詳細は「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)へhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/04/h0430-2.html

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経口2型糖尿病治療薬「ビルダグリプチン」国内で承認申請

 ノバルティス ファーマ株式会社は、4月23日、経口2型糖尿病治療薬「ビルダグリプチン(一般名)」(開発コード:LAF237)について、製造販売承認の申請を行ったと発表した。 ビルダグリプチンは、Galvusの製品名で欧州連合(EU)をはじめ世界39カ国で承認されている(2008年2月14日現在)。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080424.html

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ARBとACE阻害薬の有効性は同等:ONTARGET試験結果

 本論は、心血管イベントハイリスク患者に対するアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)テルミサルタン(国内商品名:ミカルディス)の生命予後改善効果を検討する大規模臨床試験「ONTARGET」の結果。第57回米国心臓病学会(ACC)にて発表された同日(2008年3月31日)、NEJMオンライン版にて公表され、本誌では2008年4月10日号で掲載された。25,620例対象に単独、併用を比較 ONTARGET試験は、血管疾患患者およびハイリスクの糖尿病患者(ともに心不全なし)を対象に、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬ramipril単独投与、ARBテルミサルタン単独投与、および両剤併用療法を二重盲検無作為化にて比較。 世界40ヵ国730施設から登録された25,620例の対象は、3週間の試験導入期間後(単純盲検法にて)、ACE阻害薬単独投与群(ramipril 10mg/日、8,576例)、ARB単独投与群(テルミサルタン 80mg/日、8,542例)、両剤併用群(8,502例)に割り付けられた。主要評価項目は、心血管系に起因する死亡、心筋梗塞、脳卒中、心不全による入院。両剤併用は有害事象増加 結果、平均血圧はACE阻害薬群に比べて、ARB群は0.9/0.6mmHg、併用群は2.4/1.4mmHg上回って低下していた。 追跡間中央値56ヵ月時点で主要評価項目が観察されたのは、ACE阻害薬群は1,412例(16.5%)、ARB群は1,423例(16.7%)(相対リスク:1.01、95%信頼区間:0.94~1.09)。 ACE阻害薬群に比べてARB群は、咳嗽(1.1% 対 4.2%、P<0.001)、血管性浮腫(0.1% 対 0.3%、P=0.01)の発生率が低かったが、低血圧(2.7% 対 1.7%、P<0.001)の発生率が高かった。失神は同等(0.2%)。 また併用療法群で主要評価項目が観察されたのは 1,386 例(16.3%、相対リスク:0.99、95%信頼区間:0.92~1.07)。ACE阻害薬群に比べてリスクが高かったのは、低血圧(4.8% 対 1.7%、P<0.001)、失神(0.3% 対 0.2%、P=0.03)、腎機能障害(13.5% 対 10.2%,P<0.001)だった。 「血管疾患患者またはハイリスク糖尿病患者において、ARBはACE阻害薬と同等の有効性を有し、血管性浮腫がより少ないことと関連していた。両剤併用は有害事象の増加と関連し、さらなるベネフィットは得られなかった」と結論づけた。

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2型糖尿病患者への積極的治療は動脈硬化を退縮するが…

心血管疾患(CVD)リスクの高い2型糖尿病患者の、リスク因子コントロールの目標値について、MedStar Research Institute(米国)のBarbara V. Howard氏らの検証結果が発表された。JAMA誌2008年4月9日号より。動脈硬化進行を「積極的治療群」と「標準治療群」とで比較本研究は2型糖尿病を有する40歳以上の米国原住民(American Indians)男女が対象。「SANDS」(Stop Atheroschlerosis in Native Diabetics Study)と呼ばれる。CVD履歴のない参加者499例をLDLコレステロールと収縮期血圧(SBP)の目標値をそれぞれ、「70mg/dL以下」「115mmHg以下」に定めた「積極的治療群」(n=252)と、「100mg/dL以下」「130mmHg以下」に定めた「標準目標治療群」(n=247)とに無作為に割り付け、無症状アテローム性動脈硬化症の進行が比較された。実施場所はオクラホマ州1、アリゾナ州2、サウスダコタ州1の計4つのクリニカルセンター。追跡期間は2003年4月~2007年7月にわたる間の3年。主要エンドポイントは総頸動脈内膜中膜厚(IMT)により評価されるアテローム性動脈硬化の変化。副次エンドポイントは、他の頸動脈、心臓超音波検査、CVDイベント発生とされた。介入後のLDL・SBPの平均値(最低12カ月間)は、「積極的治療群」では72mg/dL・117mmHg(95%信頼区間:69~75、115~118)、「標準目標治療群」は104mg/dL・129mm Hg(101~106、128~130)で、両群とも治療目標値はほぼ達成維持された。CVDイベント発生に有意差なし、「積極群」の降圧薬に関する有害事象多しで…「積極的治療群」ではIMTの退縮(-0.012mm)が認められた。一方の「標準目標治療群」は進行(0.038mm)していた(P

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2型糖尿病患者の冠動脈硬化症にはグリメピリドよりピオグリタゾン

経口糖尿病治療薬であるインスリン抵抗性改善薬のピオグリタゾン(国内商品名:アクトス)とグリメピリド(SU剤)について、2型糖尿病患者の冠動脈硬化症に対する進行抑制効果を比較した臨床試験「PERISCOPE」の結果が2008年3月31日、米国の心臓学会で発表。クリーブランド・クリニック(米国)のSteven E. Nissen氏らは、「ピオグリタゾンのほうが動脈硬化進展の抑制効果が高い」と報告した。報告は同日のJAMA誌オンライン版で公表された(本誌2008年4月2日収載)。南北アメリカの97施設が協力「PERISCOPE」には、南北アメリカ大陸の大学および地域医療機関97施設が参加。2003年8月から2006年3月の間に登録された冠動脈疾患と2型糖尿病を有する患者543例を対象に、二重盲検無作為多施設共同試験を行った。患者には冠動脈の血管内超音波検査が行われ、18ヵ月にわたってグリメピリド1~4mgまたはピオグリタゾン15~45mgが無作為に投与された。ベースラインからのアテローム量変化率(PAV)を主要評価項目とした結果、研究完了時点で360例にアテローム性動脈硬化症の進行が認められた。PAV、HbA1cとも低下、HDLは上昇PAVは、グリメピリド群が0.73%上昇(95%信頼区間:0.33%~1.12%)したのに対し、ピオグリタゾン群では0.16%低下(95%CI:-0.57%~0.25%)した(P=0.002)。HbA1cのベースライン平均値(SD)は両群とも7.4%(1.0%)で、ピオグリタゾンによる処置の間は平均0.55%(95%信頼区間:-0.68%~-0.42%)低下したが、グリメピリドの場合は同0.36%(-0.48%~-0.24%)低下にとどまった(群間差 P=0.03)。高密度リポ蛋白質(HDL)値も、ピオグリタゾン群が5.7mg/dL(95%信頼区間:4.4~7.0mg/dL、16.0%)で、グリメピリド群の0.9mg/dL(0.3~2.1mg/dL、4.1%)より高かった。逆に中性脂肪は、ピオグリタゾン群では16.3mg/dL(-27.7~-11.0 mg/dL、15.3%)低下したが、グリメピリド群は3.3mg/dL(-10.7~11.7mg/dL、0.6%)上昇した(群間差 P<0.001)。空腹時のインスリン濃度の中央値はピオグリタゾン群で低下、グリメピリド群で上昇した(P<0.001)。低血糖症はグリメピリド群のほうが頻度が高く、浮腫と骨折、ヘモグロビン・レベルの低下は、ピオグリタゾン群でより多く起こった。以上の結果を踏まえNissen氏らは「2型糖尿病患者では、ピオグリタゾンのほうがグリメピリドより、冠動脈硬化症の進展を有意に抑制できる」と結論している。(朝田哲明:医療ライター)

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小児の糖尿病性腎症予防には血糖管理が最も重要

成人の糖尿病患者では腎症抑制には血糖管理と並び降圧が非常に重要だが、未成年では血糖コントロールこそが最重要のようだ。また成人と異なり、腎機能障害を来しやすいのは女性だという。Addenbrooke’s Hospital(米国)のRakesh Amin氏らによる研究がBMJ誌HPで2008年3月18日付早期公開された(本誌収載2008年3月29日号)。500例超をおよそ10年間観察本検討はOxford regional prospective studyのデータを用いて行われた。本スタディは、16歳未満で1型糖尿病の診断から3ヵ月以内の患者を前向きに観察している。1986年から1997年の間に527例が登録され、2005年まで年1回の健診を受けながら、平均9.8年間追跡された。微量アルブミン尿の定義は尿中アルブミン/クレアチニン比で定義され、男児では3.5~35mg/mmoL、女児では4.0~47mg/mmoLとされた。その結果、135例(26%)で微量アルブミン尿が認められた。微量アルブミン尿が陽性となった平均年齢は16.1歳だった。糖尿病罹患期間別に見ると、糖尿病と診断されてから10年後で25.7%(95%信頼区間:21.3~30.1%)、19年後では50.7%(95%信頼区間:40.5~60.9%)が微量アルブミン尿陽性となっていた。微量アルブミン尿陽性となる危険因子として、「HbA1c高値」「女児」「拡張期血圧高値」「若年での糖尿病診断」が挙げられたが、多変量で補正後は「HbA1c高値」と「女性」のみが、微量アルブミン尿陽性の有意な危険因子だった。「HbA1cの1%上昇」により「陽性」のハザード比は1.39倍と有意に増加し(95%信頼区間:1.27~1.52)、「女性」では男性に比べ1.43倍に増加していた(95%信頼区間:1.02~2.06)。成人とは異なり「女性」で腎障害進展リスクが高くなっている点にAmin氏らは注意を呼びかけている。いつから治療を開始するか微量アルブミン尿陽性となった135例中17例(13%)では、顕性蛋白尿までの進展が観察された。危険因子としては「HbA1c高値」「持続性微量アルブミン尿」「間欠性微量アルブミン尿」「収縮期血圧高値」が挙ったが、多変量解析後も有意だったのは「HbA1c高値」(1.42)、「持続性微量アルブミン尿」(27.72)、「間欠性微量アルブミン尿」(8.76)の3つのみだった(カッコ内はハザード比)。本試験では、18歳以上で「高血圧」あるいは「持続性微量アルブミン尿」のいずれかを認めた場合、ACE阻害薬またはβ遮断薬で治療することになっており、20例が服薬を開始したが、7例(35%)が顕性蛋白尿に移行した。例数が少ないため確証とはならないが、より早期からの介入が有用である可能性が示されたと言えよう。成人糖尿病患者では、2型糖尿病を対象とした検討だが、早期のACE阻害薬服用開始により微量アルブミン尿出現が遅延するというBENEDICT研究が報告されている。(宇津貴史:医学レポーター)

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アクトス、2型糖尿病患者における冠動脈血管内プラークの進展を抑制

武田薬品工業は、シカゴで開催されている第57回米国心臓病学会(ACC: American College of Cardiology Annual Scientific Session 2008)において、アクトス(塩酸ピオグリタゾン)が2型糖尿病患者を対象としたPERISCOPE試験の結果、冠動脈プラーク体積を減少し、冠動脈の動脈硬化進展を抑制することが明らかになったと発表した。PERISCOPE試験は、糖尿病治療薬として、初めて冠動脈における動脈硬化の進展抑制効果を血管内超音波法(IVUS:intravascular ultrasound)により評価した試験。543名の2型糖尿病患者を対象に、米国、カナダ、ラテンアメリカにおける97施設で実施された無作為二重盲検比較試験(アクトス群とスルフォニル尿素剤(SU剤)であるグリメピリド群の比較)。冠動脈プラークの変化率は、グリメピリド群では増加したが、アクトス群では減少し、アクトスはグリメピリドと比較して有意に動脈硬化の進展抑制効果を有することが認められた、という。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_26553.html

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PCI後のスタチン投与は、糖尿病例で、高い心血管イベント抑制率を示す

冠動脈インターベンション(PCI)後のスタチン投与が、心血管イベントの発症に与える影響を、糖尿病例と非糖尿病例のそれぞれに対し検討した試験の結果が、日本循環器学会総会・学術集会のLate Breakingにおいて発表された。発表者は、小島淳氏(熊本大学循環器病態学)。これまで、①糖尿病例に対するPCIは、非糖尿病例に比較し予後が悪いこと ②PCI施行後のスタチン投与は、フルバスタチンを用いたLIPSにより心血管イベントを抑制することが報告されていること ③糖尿病例へのスタチン投与は、アトルルバスタチンを用いたCARDSにより、心血管イベントの発症を抑制すること 等がわかっている。そこで、今回小島氏らは、PCI後のスタチン投与が、心血管イベントの発症に与える影響を、糖尿病例と非糖尿病例のそれぞれに対し検討した。試験で用いられたスタチンの用量は我が国の標準用量で、薬剤の内訳は、プラバスタチン約50%、アトルバスタチン約40%であった。試験終了時LDL-Cは100mg/dL未満に低下した。一次エンドポイントであった心血管イベント(MACCE)は、糖尿病例では、スタチン投与により相対リスクが66%減少し(p=0.002)、非糖尿病例では、24%減少したが、有意差は認められなかった。特に糖尿病例へのスタチン投与は、NNTが8となり、高い効果を示した。この試験により、正常なコレステロール値を持つ糖尿病患者に対し、PCI後に、我が国の標準用量のスタチンを処方することは、非糖尿病例に比較し、高い臨床的ベネフィットをもたらすことが示された。そして、小島氏は、糖尿病例と非糖尿病例の心血管イベント発症抑制作用の違いには、スタチンの糖尿病例へのPleiotropic effectがひとつの原因ではないか、と考察した。(ケアネット 鈴木 渉)

5372.

アトルバスタチンとピタバスタチンに、日本人のACS例におけるプラーク退縮作用が確認される(日本循環器学会)

3月28日、注目を集めていたJAPAN-ACSの結果が、木村剛氏(京都大学循環器内科学)により日本循環器学会総会・学術集会Late Breakingにおいて、発表された。JAPAN-ACSは、急性冠症候群(ACS)307例を対象にアトルバスタチン20mg(154例)、または、ピタバスタチン4mg群(153例)に無作為割付し、8~12ヵ月間の投与後、プラーク容積の変化を比較検討した試験である。これまでにも、ストロングスタチンによる積極的な脂質低下療法が、冠動脈疾患既往例の心血管イベントを抑制することや、プラークを退縮させることは発表されていた。そして、アトルバスタチンでは、ESTABLISH試験により、日本人のACS例におけるプラーク退縮作用も既に確認されている。しかし、その規模が少人数を対象とした試験で、一施設のデータであったことなどから、医師主導の大規模な多施設試験が行われた。JAPAN-ACSでは、8~12ヵ月の投与後いずれの脂質プロファイルにおいても、ピタバスタチン群とアトルバスタチン群で有意な差は認められなかった。一次エンドポイントであるプラーク容積は、ピタバスタチン群で、-16.9(±13.9)、アトルバスタチン群で、-18.1(±14.2)と、両群ともに、プラーク退縮が認められた。また、ピタバスタチンのアトルバスタチンに対する非劣性が認められた。さらに、安全性の面でも、両群間に有意差が認められなかった。JAPAN-ACSで、新たに興味深いデータとなったのは、LDL-Cの減少率と、プラーク退縮の間に相関関係が認められなかった点である。この点に注目し、多変量解析した結果、糖尿病の有無、ベースラインのプラーク容積、ベースラインのRLP-C(レムナント様タンパク)値に相関が認められた。特に、糖尿病例では、非糖尿病例に比べプラーク退縮率が約65%と低かった。今後、JAPAN-ACSの詳細なデータ解析が実施され、様々な報告が行われる予定である。(ケアネット 鈴木 渉)

5373.

「BMI」だけで心血管系リスクの予測は可能:NHEFS

心血管系リスクの評価にあたり「肥満」を評価項目にすれば、必ずしも「コレステロール値」を測定しなくとも心血管系リスクの予測ができる可能性が出てきた。採血のためだけに医療機関を訪れる必要が減るのであれば、患者サイドにとっては朗報だろう。Lancet誌2008年3月15日号でBrigham & Women’s Hospital(米国)のThomas A Gaziano氏らが報告した。「採血なし」のCHDリスク評価の正確性を検討Gaziano氏らが今回検討したのは「採血なしで心血管系リスクをどこまで正確に評価できるか」という点である。そのため、「性別」「年齢」「収縮期血圧」「糖尿病」「喫煙習慣の有無」「高血圧治療の有無」に加え「総コレステロール値」を組み込んだ心血管系リスク予測モデル(コレステロール・モデル)と、「総コレステロール値」を「BMI」で置き換えた「BMIモデル」による心血管系リスク予測の正確性を比較した。検討に用いられたコホートはNHEFS(NHANES I Epidemiologic Follow-up Study)、1971~75年にかけて実施された全国的調査NHANES Iの対象から当時25~74歳だった14,407例を前向きに追跡しているコホートである。今回はNHANES Iの時点で心血管系疾患既往を認めなかった6,186例が対象となった。  コレステロール値を用いなくともリスク予知の正確性は同等21年間の追跡期間中、1,529例に心血管イベントが発生し、うち578例が死亡した。「コレステロール・モデル」と「BMIモデル」のイベント予知正確性に差はなかった。すなわち、リスクモデルの正確性の指標であるc-statisticを比較すると、女性では「コレステロール・モデル:0.829」 vs. 「BMIモデル:0.831」(p=0.116)。男性では「コレステロール・モデル:0.784」 vs. 「BMIモデル:0.783」(p=0.457)だった。ROCカーブも両モデルは、ほぼ同一に重なっていた。WHO(世界保健機関)は心血管系リスク評価からコレステロール値をすでに取り除いているが、その正当性を強く示唆するデータであるとGaziano氏らは述べ、前向きコホート研究のデータを持つ国はすべて、このような検討を行う価値はあるとしている。わが国でも、医療経済的考察を含む検討は興味深いのではないだろうか。(宇津貴史:医学レポーター)

5374.

糖尿病患者教育プログラムの有用性が無作為化試験で証明される

「DESMONDプログラム」と名付けられた1回の糖尿病集団教育により、1年後の血糖値改善傾向、体重や喫煙習慣が有意に減少し、病態への漠然たる不安やうつ症状も軽減され得ることが英国における無作為化研究の結果明らかになり、BMJ誌HPにて早期公開された(2008年2月14日付、本誌には2008年3月1日号に収載)。筆頭筆者は University of LeicesterのMelanie J Davies氏。一方通行ではない、患者の主体性を引き出すプログラム本試験の対象は、207件の一般診療所で2型糖尿病と新規に診断された成人824例。診療所ごとに「DESMONDプログラム実施」群と行なわない「対照」群に無作為割り付けされた。実施群では診断から12週間以内にプログラムを受講させた。「プログラム」は集団教育の形をとり、所要時間は6時間。1日、ないし2回に分けて受講することとした。訓練された専門家2名により行われ、食品選択や身体活動、また心血管系リスクファクターに関する教育が行われた。この教育は講師からの一方通行ではなく、主として受講者とのやりとりにより進められた。このプログラムにより受講者は、自らのリスクファクターと、改善できそうな生活習慣を認識できるようになっている。 体重減少、メンタルも改善1年後、プログラム実施群では対照群に比べ、有意に「体重」が有減少し(-2.98kg vs. 1.86kg、p=0.027)、「非喫煙率」は増加した(オッズ比:3.56、p=0.033)。ただし、HbA1c低下は「実施群」で1.49%と対照群の1.21%よりも高値だったが、有意差には至らなかった。メンタルな側面を見ると、「何か非常に悪いことが起きている」との認識(illness belief)は「実施群」で有意(p=0.001)に軽くなり、抑うつの程度も有意(p=0.032)に改善されていた。また興味深いことに、「体重」と「自己責任感」の間に有意な正の相関が認められた。Davies氏らも述べているが、試験開始時に平均92kgだったこれらの患者において、抑うつをもたらさず体重を減少し得るという点が、このプログラムの最大のメリットだろう。(宇津貴史:医学レポーター)

5375.

「空腹時血糖値≧126mg/dL」に合理性なし?

WHOならびにADAが採用している空腹時血糖値(FPG)正常上限「126mg/dL」は、これを超えると細小血管症のリスクが増加する値だとWHOでは解説している(WHO/NCD NCS/99.2) 。これに対しUniversity of MelbourneのTien Y Wong氏らは、Lancet 誌2008年3月1日号において、そのような閾値は存在しないと主張している。 3つの横断研究でFPGと網膜症の関係を検討同氏らが依って立つのは、大規模な横断的住民研究3件、Blue Mountains Eye(BME)研究(3,162例)、Australian Diabetes、Obesity and Lifestyle(ADOL)研究(2,182例)とMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA:6,079例)──である。これらのデータより糖尿病性網膜症の発症が増加するFPG閾値を求めたが、MESAでは明白な値が得られず、BMS研究では93.6mg/dL、ADOL研究では113.4mg/dLだった。モデルを変更して解析し直しても、閾値はやはり得られなかったという。また「FPG≧126mg/dL」の糖尿病性網膜症に対する感度は40%しかなかった。規準の見直しが必要だこれらよりWong氏らは、FPG規準の見直しが必要だと主張している。しかしWHOガイドラインが126mg/dLをFPG閾値としているのは糖負荷後2時間値の200mg/dLと相関するというのが主たる理由であり、細小血管症との相関は副次的な扱いとなっている。(宇津貴史:医学レポーター)

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国内最大級の糖尿病患者データベースを使った「糖尿病バロメーター」を発表

3月11日、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社と有限責任中間法人糖尿病データマネジメント研究会は、糖尿病ケアの指標を示す「糖尿病バロメーター」プロジェクトを共同で開始することを発表した。「糖尿病バロメーター」プロジェクトとは、糖尿病患者の大規模実態調査をもとに、日本の糖尿病治療の現状を把握しようという試みで、主要指標としてグリコヘモグロビンA1C(HbA1c)平均値を用いて数値のモニタリングと改善を行うプロジェクト。糖尿病データマネジメント研究会が管理している国内最大級の糖尿病患者データベースから数値を導き出し、日本糖尿病学会が設定した目標値との比較において状況を評価する、という。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_08_02.asp

5377.

下肢血管形成術でパクリタキセル・コーティング・バルーン使用は再狭窄を有意に減少

薬剤溶出ステントは冠動脈の再狭窄を減少させるものの、末梢動脈での有効性は臨床試験では証明されていなかった。そのため下肢血管形成術における、パクリタキセルでコーティングされた血管形成術用バルーンと、血管造影剤に溶解したパクリタキセルの効用について調査が、エーベルハルト・カール大学(ドイツ)Gunnar Tepe氏らによって行われた。NEJM誌2008年2月14日号より。大腿膝下動脈で遠隔期損失径を比較調査は、大腿膝窩動脈の狭窄、または閉塞を伴う患者154例を、パクリタキセルでコーティングされた標準的バルーンカテーテルによる治療群、コーティングなしのバルーン+造影剤に溶解したパクリタキセル治療群、コーティング・バルーンも含有造影剤もなしの群(対照群)にランダムに割り付け、小規模の多施設共同試験を行った。主要評価項目は6ヵ月後の遠隔期損失径。患者の平均年齢(±SD)は68歳(±8)、喫煙者が24%、そして糖尿病が49%だった。病変の27%は完全閉塞、36%は再狭窄であった。平均の病変長は7.4±6.5 cmで、治療群間のベースライン特性には有意差がなかった。パクリタキセル・コーティングに起因する有害事象は認められなかった。パクリタキセル・コーティング・バルーンで有意な効果6ヵ月後の対照群の遠隔期損失径の平均値は1.7±1.8mm、一方、パクリタキセル・コーティング・バルーンによる治療群は0.4±1.2mm(P

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多因子介入が2型糖尿病の死亡率に与える影響

厳密な血糖コントロール、レニン-アンジオテンシン系遮断薬、アスピリン、脂質降下薬による集中的な多因子介入が、2型糖尿病でミクロアルブミン尿症を合併した患者の非致死性心血管疾患リスクを減少させることが明らかとなっている。この多因子介入が全原因死亡率と心血管系の原因による死亡率に影響を与えるかどうかについて、ステノ2研究(Steno-2 Study)の追跡調査結果が報告された。NEJM誌2008年2月7日号より。リスクのある2型糖尿病患者を平均13.3年にわたって追跡調査ステノ2研究は北欧で行われている多施設共同研究。2型糖尿病と持続的なミクロアルブミン尿症を併発する患者160例に、強化治療か通常治療かのいずれかをランダムに割り当て行われた。平均治療期間は7.8年。患者はその後2006年12月31日まで平均5.5年間、引き続き観察された。追跡調査13.3年の主要エンドポイントは全死因死亡までの年月とした。全死因死亡率、心血管系死亡率とも強化治療群で低下強化治療を受けた群では24例が死亡したのに対し、通常治療を受けた群の死亡は40例だった(ハザード比0.54、95%信頼区間:0.32~0.89、P=0.02)。強化治療は心血管系の原因による死亡リスクの低下と相関し(同0.43、0.19~0.94、P=0.04)、心血管イベントも同様だった(同0.41、0.25~0.67、P

5379.

適応外使用にはベアメタルステントよりは薬剤溶出性ステント

最近、薬剤溶出性ステントの適応外使用と有害事象発生率増加の関係を示唆する報告が見られたが、従来のベアメタルステントとの比較はなかった。そこでピッツバーグ大学心臓血管学部門のOscar C. Marroquin氏らは、ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントの適応外使用を受けた患者の1年後を比較。死亡または心筋梗塞のリスクに差はないが、血行再建術の再施行率は有意に低いとして、適応外使用には薬剤溶出性ステントを使うことを支持すると結論付けている。NEJM誌2008年1月24日号より。患者6,551例の心血管イベント・死亡発生率を1年間追跡米国国立心肺血液研究所の大規模動態登録に参加している患者6,551例を用い、薬剤溶出性ステント治療群とベアメタルステント治療群とに割り付け、それぞれ標準的使用だったか適応外使用だったかを分析した。適応外使用の定義は、再狭窄病変、バイパス移植の病変、左冠動脈主幹部疾患または動脈口部・分岐部・完全閉塞部の各病変に対する使用とし、さらに基準血管の直径が2.5mm未満か3.75mm超だったり、病変部の長さが30mm超の患者に対する使用も加えた。その後、心血管イベントの発生と死亡発生率を1年間にわたり追跡した。死亡、心筋梗塞再発は同等、血行再建術再施行リスクで有意差適応外使用だった患者は、ベアメタルステント群54.7%、薬剤溶出性ステント群48.7%だった。薬剤溶出性ステント群はベアメタルステント群より、糖尿病、高血圧、腎疾患、経皮冠動脈インターベンションと冠状動脈バイパス術の施行歴、多枝冠動脈疾患の有病率が高かった。しかし薬剤溶出性ステント群はより困難な病歴の患者が多いにもかかわらず、介入1年後の時点ではベアメタルステント群と比べて、死亡または心筋梗塞の補正リスクに有意な差はなかったものの、血行再建術を再施行するリスクについては、薬剤溶出性ステント群のほうが有意に低かった。このため「適応外使用には薬剤溶出性ステントが支持される」としている。(朝田哲明:医療ライター)

5380.

rosiglitazoneが心血管リスクの増加に関連

2型糖尿病の治療に用いられるインスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジン系薬剤(TZDs)は、一方でうっ血性心不全、あるいは急性心筋梗塞のリスクとの関連が指摘される。本報告は、「コホートレベルで関連を調べた研究は少ない」としてTZDsとリスクの関連について後ろ向きコホート研究を行った、カナダ・オンタリオ州Institute for Clinical Evaluative Sciences のLorraine L. Lipscombe氏らによる研究報告。JAMA誌12月12日号掲載より。66歳以上16万の糖尿病患者コホートを解析TZDと他の経口血糖降下薬治療との比較で、うっ血性心不全との間の関連、急性心筋梗塞と死亡率を調査することを目的とする本研究は、カナダ・オンタリの保健データベースを利用し行われた。解析はネステッド・ケースコントロールにて実施。対象は2002年から2005年にかけて、少なくとも1つの経口血糖降下薬の投与を受けた66歳以上の糖尿病患者(N=159,026)で、2006年3月31日まで追跡した。主要評価項目は、うっ血性心不全による救急来院または入院、副次評価項目は急性心筋梗塞による救急来院と全原因死亡率とした。これらイベントのリスク因子を特定するため、TZDs(rosiglitazoneとピオグリタゾン)単独療法を受けた患者と、他の経口血糖降下薬の併用療法を受けた患者とを調整後に比較した。TZD単独療法は有意に心血管リスクを増加追跡期間中央値3.8年の間に12,491例(7.9%)がうっ血性心不全で病院を受診、12,578例(7.9%)が急性心筋梗塞、30,265例(19%)が死亡した。一般に行われるTZD単独療法は他の経口血糖降下薬併用療法(うっ血性心不全3,478例、急性心筋梗塞3,695例、死亡5,529例)と比較して、うっ血性心不全(78例、調整リスク比:1.60、 95%信頼区間:1.21-2.10、P<0.001)、急性心筋梗塞(65例、同1.40、1.05-1.6、P=0.02)、死亡(102例、同1.29、1.02-1.62、P=0.03)で、有意なリスク増大と関連していた。TZD使用に関連したうっ血性心不全、急性心筋梗塞ならびに死亡率のリスク増はrosiglitazoneだけにみられた。研究者らは、このコホート研究によって、高齢糖尿病患者に対する主にrosiglitazoneによるTZD療法は他の経口血糖降下薬併用療法と比較して、うっ血性心不全、急性心筋梗塞、死亡率のリスク増加と関連していたと結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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