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4461.

国内最大級の糖尿病患者データベースを使った「糖尿病バロメーター」を発表

3月11日、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社と有限責任中間法人糖尿病データマネジメント研究会は、糖尿病ケアの指標を示す「糖尿病バロメーター」プロジェクトを共同で開始することを発表した。「糖尿病バロメーター」プロジェクトとは、糖尿病患者の大規模実態調査をもとに、日本の糖尿病治療の現状を把握しようという試みで、主要指標としてグリコヘモグロビンA1C(HbA1c)平均値を用いて数値のモニタリングと改善を行うプロジェクト。糖尿病データマネジメント研究会が管理している国内最大級の糖尿病患者データベースから数値を導き出し、日本糖尿病学会が設定した目標値との比較において状況を評価する、という。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_08_02.asp

4462.

下肢血管形成術でパクリタキセル・コーティング・バルーン使用は再狭窄を有意に減少

薬剤溶出ステントは冠動脈の再狭窄を減少させるものの、末梢動脈での有効性は臨床試験では証明されていなかった。そのため下肢血管形成術における、パクリタキセルでコーティングされた血管形成術用バルーンと、血管造影剤に溶解したパクリタキセルの効用について調査が、エーベルハルト・カール大学(ドイツ)Gunnar Tepe氏らによって行われた。NEJM誌2008年2月14日号より。大腿膝下動脈で遠隔期損失径を比較調査は、大腿膝窩動脈の狭窄、または閉塞を伴う患者154例を、パクリタキセルでコーティングされた標準的バルーンカテーテルによる治療群、コーティングなしのバルーン+造影剤に溶解したパクリタキセル治療群、コーティング・バルーンも含有造影剤もなしの群(対照群)にランダムに割り付け、小規模の多施設共同試験を行った。主要評価項目は6ヵ月後の遠隔期損失径。患者の平均年齢(±SD)は68歳(±8)、喫煙者が24%、そして糖尿病が49%だった。病変の27%は完全閉塞、36%は再狭窄であった。平均の病変長は7.4±6.5 cmで、治療群間のベースライン特性には有意差がなかった。パクリタキセル・コーティングに起因する有害事象は認められなかった。パクリタキセル・コーティング・バルーンで有意な効果6ヵ月後の対照群の遠隔期損失径の平均値は1.7±1.8mm、一方、パクリタキセル・コーティング・バルーンによる治療群は0.4±1.2mm(P

4463.

多因子介入が2型糖尿病の死亡率に与える影響

厳密な血糖コントロール、レニン-アンジオテンシン系遮断薬、アスピリン、脂質降下薬による集中的な多因子介入が、2型糖尿病でミクロアルブミン尿症を合併した患者の非致死性心血管疾患リスクを減少させることが明らかとなっている。この多因子介入が全原因死亡率と心血管系の原因による死亡率に影響を与えるかどうかについて、ステノ2研究(Steno-2 Study)の追跡調査結果が報告された。NEJM誌2008年2月7日号より。リスクのある2型糖尿病患者を平均13.3年にわたって追跡調査ステノ2研究は北欧で行われている多施設共同研究。2型糖尿病と持続的なミクロアルブミン尿症を併発する患者160例に、強化治療か通常治療かのいずれかをランダムに割り当て行われた。平均治療期間は7.8年。患者はその後2006年12月31日まで平均5.5年間、引き続き観察された。追跡調査13.3年の主要エンドポイントは全死因死亡までの年月とした。全死因死亡率、心血管系死亡率とも強化治療群で低下強化治療を受けた群では24例が死亡したのに対し、通常治療を受けた群の死亡は40例だった(ハザード比0.54、95%信頼区間:0.32~0.89、P=0.02)。強化治療は心血管系の原因による死亡リスクの低下と相関し(同0.43、0.19~0.94、P=0.04)、心血管イベントも同様だった(同0.41、0.25~0.67、P

4464.

適応外使用にはベアメタルステントよりは薬剤溶出性ステント

最近、薬剤溶出性ステントの適応外使用と有害事象発生率増加の関係を示唆する報告が見られたが、従来のベアメタルステントとの比較はなかった。そこでピッツバーグ大学心臓血管学部門のOscar C. Marroquin氏らは、ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントの適応外使用を受けた患者の1年後を比較。死亡または心筋梗塞のリスクに差はないが、血行再建術の再施行率は有意に低いとして、適応外使用には薬剤溶出性ステントを使うことを支持すると結論付けている。NEJM誌2008年1月24日号より。患者6,551例の心血管イベント・死亡発生率を1年間追跡米国国立心肺血液研究所の大規模動態登録に参加している患者6,551例を用い、薬剤溶出性ステント治療群とベアメタルステント治療群とに割り付け、それぞれ標準的使用だったか適応外使用だったかを分析した。適応外使用の定義は、再狭窄病変、バイパス移植の病変、左冠動脈主幹部疾患または動脈口部・分岐部・完全閉塞部の各病変に対する使用とし、さらに基準血管の直径が2.5mm未満か3.75mm超だったり、病変部の長さが30mm超の患者に対する使用も加えた。その後、心血管イベントの発生と死亡発生率を1年間にわたり追跡した。死亡、心筋梗塞再発は同等、血行再建術再施行リスクで有意差適応外使用だった患者は、ベアメタルステント群54.7%、薬剤溶出性ステント群48.7%だった。薬剤溶出性ステント群はベアメタルステント群より、糖尿病、高血圧、腎疾患、経皮冠動脈インターベンションと冠状動脈バイパス術の施行歴、多枝冠動脈疾患の有病率が高かった。しかし薬剤溶出性ステント群はより困難な病歴の患者が多いにもかかわらず、介入1年後の時点ではベアメタルステント群と比べて、死亡または心筋梗塞の補正リスクに有意な差はなかったものの、血行再建術を再施行するリスクについては、薬剤溶出性ステント群のほうが有意に低かった。このため「適応外使用には薬剤溶出性ステントが支持される」としている。(朝田哲明:医療ライター)

4465.

rosiglitazoneが心血管リスクの増加に関連

2型糖尿病の治療に用いられるインスリン抵抗性改善薬であるチアゾリジン系薬剤(TZDs)は、一方でうっ血性心不全、あるいは急性心筋梗塞のリスクとの関連が指摘される。本報告は、「コホートレベルで関連を調べた研究は少ない」としてTZDsとリスクの関連について後ろ向きコホート研究を行った、カナダ・オンタリオ州Institute for Clinical Evaluative Sciences のLorraine L. Lipscombe氏らによる研究報告。JAMA誌12月12日号掲載より。66歳以上16万の糖尿病患者コホートを解析TZDと他の経口血糖降下薬治療との比較で、うっ血性心不全との間の関連、急性心筋梗塞と死亡率を調査することを目的とする本研究は、カナダ・オンタリの保健データベースを利用し行われた。解析はネステッド・ケースコントロールにて実施。対象は2002年から2005年にかけて、少なくとも1つの経口血糖降下薬の投与を受けた66歳以上の糖尿病患者(N=159,026)で、2006年3月31日まで追跡した。主要評価項目は、うっ血性心不全による救急来院または入院、副次評価項目は急性心筋梗塞による救急来院と全原因死亡率とした。これらイベントのリスク因子を特定するため、TZDs(rosiglitazoneとピオグリタゾン)単独療法を受けた患者と、他の経口血糖降下薬の併用療法を受けた患者とを調整後に比較した。TZD単独療法は有意に心血管リスクを増加追跡期間中央値3.8年の間に12,491例(7.9%)がうっ血性心不全で病院を受診、12,578例(7.9%)が急性心筋梗塞、30,265例(19%)が死亡した。一般に行われるTZD単独療法は他の経口血糖降下薬併用療法(うっ血性心不全3,478例、急性心筋梗塞3,695例、死亡5,529例)と比較して、うっ血性心不全(78例、調整リスク比:1.60、 95%信頼区間:1.21-2.10、P<0.001)、急性心筋梗塞(65例、同1.40、1.05-1.6、P=0.02)、死亡(102例、同1.29、1.02-1.62、P=0.03)で、有意なリスク増大と関連していた。TZD使用に関連したうっ血性心不全、急性心筋梗塞ならびに死亡率のリスク増はrosiglitazoneだけにみられた。研究者らは、このコホート研究によって、高齢糖尿病患者に対する主にrosiglitazoneによるTZD療法は他の経口血糖降下薬併用療法と比較して、うっ血性心不全、急性心筋梗塞、死亡率のリスク増加と関連していたと結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

4466.

フェノフィブラート長期投与で糖尿病性網膜症の進行が遅延:FIELD試験サブ解析

FIELD試験は、2型糖尿病に対するフェノフィブラートを用いた長期的な脂質低下療法の、大血管障害および細小血管障害に対する抑制効果を検討する国際的な大規模無作為化臨床試験である。2005年にLancet誌に掲載された観察期間5年の報告では、レーザー治療を要する糖尿病性網膜症の発症率が有意に低下していた。レーザー治療は視野狭窄などの副作用を伴うことが知られている。 そこで、A. C. Keech氏(オーストラリア、シドニー大学NHMRC臨床試験センター)らFIELD試験の研究グループは、フェノフィブラートの糖尿病性網膜症に対する進行遅延効果およびそのメカニズムを検討するサブ解析を実施。今回その結果がLancet誌上(11月7日付オンライン版、11月17日付本誌)で報告された。網膜写真で糖尿病性網膜症の重症度を判定FIELD試験には50~75歳の2型糖尿病患者9,795例が登録され、フェノフィブラート群(4,895例)とプラセボ群(4,900例)に無作為に割り付けられた。患者の来院時に、糖尿病性網膜症のレーザー治療に関する情報が収集され、治療群への割り付けを伏せられた眼科医が、黄斑浮腫、増殖性網膜症、その他の眼疾患に対するレーザー治療の適用を判定した。1,012例を対象としたサブ解析[フェノフィブラート群512例(網膜症24例、非網膜症488例)、プラセボ群500例(網膜症22例、非網膜症478例)]では、標準化された網膜写真を撮影し、Early Treatment Diabetic Retinopathy Study (ETDRS)の基準を用いて重症度を判定、糖尿病性網膜症の累積発症率とその構成病変が確定された。初回レーザー治療患者が、フェノフィブラート群で31%低下レーザー治療を要する患者は、血糖および血圧のコントロールが良好な症例よりも不良な症例で多く、臨床的な細小血管障害が重度な症例で多かったが、血漿脂質濃度との関連は認めなかった。 初回レーザー治療を要する患者は、フェノフィブラート群がプラセボ群に比し有意に低下した(3.4 vs. 4.9%、ハザード比:0.69、p=0.0002、絶対リスク低下率:1.5%)。眼科領域のサブ解析では、主要エンドポイントである網膜症重症度の2段階進行について両群間に有意な差は認めなかった(9.6 vs. 12.3%、p=0.19)。また、試験開始時に網膜症がみられなかった症例に限っても有意差はなかった(11.4 vs. 11.7%、p=0.87)。試験開始時に網膜症がみられた症例では、フェノフィブラート群がプラセボ群に比し網膜症重症度の2段階進行が有意に少なかった(3.1 vs. 14.6%、p=0.004)。探索的な複合エンドポイント(網膜症重症度の2段階進行、黄斑浮腫、レーザー治療)は、フェノフィブラート群がプラセボ群に比し有意に改善した(ハザード比:0.66、p=0.022)。糖尿病性網膜症の改善効果のメカニズムは不明Keech氏は、「フェノフィブラート治療を受けた2型糖尿病患者では、レーザー治療を要する糖尿病性網膜症の発生頻度が低下した」と結論している。また、「フェノフィブラートによる糖尿病性網膜症の改善効果のメカニズムは不明だが、血漿脂質濃度とは関連がない」とし、「この実質的な有効性は、厳格な血糖および血圧のコントロールから得られるベネフィットを前提とし、これに付加的にもたらされる可能性がある」と推察している。(菅野 守:医学ライター)

4467.

心血管系リスクは「妊娠中毒症」のリスク

Pre-eclampsia(妊娠高血圧症候群:PIH、旧「妊娠中毒症」)患者における心血管系リスク増悪はこれまでも報告されてきたが、このたび、妊娠前・妊娠時の心血管系リスクがPIHのリスクであるとの報告がなされた。Norwegian University of Science and Technology(ノルウェー)のElisabeth Balstad Magnussen氏らが明らかにしたもので、11月1日付けBMJホームページにて早期公開、同誌11月10日号に掲載された。地域住民女性3,500名で検討検討対象となったのは住民研究Nord Tr〓ndelangヘルス・スタディ(〓:Oの中に/、以下同じ)に参加し、出生届が確認された3,494名。Nord Tr〓ndelangヘルス・スタディには、1995~1997年に20歳以上だった全地域女性に登録を呼びかけていた。出生は22週以降の分娩とし、新生児の体重500g以上で9ヵ月以上生存した場合を検討対象とした。母体の健康状態は、Nord Tr〓ndelangヘルス・スタディにおける問診と出生届記載の情報を参照した。PIH例では代償機転が必要以上に大きく作用?3,494名中、133例(3.8%)がPIHだった。PIH群では背景因子中に心血管系リスクが多く認められた。すなわち、出産時母体年齢、妊娠期間、PIH既往と喫煙で補正後、PIHオッズ比は、収縮期血圧、拡張期血圧、総コレステロール値、LDLコレステロール値、非HDLコレステロール値──が上昇するに従い有意に増加していた。また、BMI、腹囲径の上昇もPIHオッズ比を増加させる有意な傾向が認められた。また両親いずれかの既往症との関係では、高血圧と糖尿病がPIHリスクを有意に増加させていたが、虚血性心疾患、また(これまで相関が報告されている)脳卒中とは有意な相関がなかった。Magnussen氏らは「妊娠前・妊娠時の心血管系リスクはPIH発症リスクと相関している」と結論すると同時に、正常な妊婦でもインスリン抵抗性の軽度上昇や軽度の脂質代謝異常は認められるため、PIH例ではこれらの妊娠に対する代償機転が必要以上に大きく作用しているのではないかと考察している。(宇津貴史:医学レポーター)

4468.

リピトール投与により脳卒中既往例の腎機能が改善または、悪化が抑制された

アステラス製薬およびファイザーは、脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往例に対するアトルバスタチン(リピトール)80mgの投与により、腎機能の有意な改善、または悪化の抑制が認められたと発表した。これはSPARCL(Stroke Prevention by Aggressive Reduction of Cholesterol Lowering)の事後解析により認められた結果である。脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)の既往患者に対するリピトール80mgの投与により、慢性腎臓病の有無に関わらず、そして、メタボリックシンドローム合併の患者において腎機能が有意に改善した。2型糖尿病合併患者では、プラセボ群で腎機能が低下したのに対し、リピトール群では、腎機能の低下が抑制された。なお、この結果は先日の米国心臓協会(AHA)の年次学術集会にて発表されている。近年増加している脳卒中慢性期の患者は、心血管イベントの発症リスクが高いため、より強力にその発症を抑制する必要がある。最近、腎機能低下がイベント発症の危険因子であると明らかになったことを鑑みると、今回の発表により、脳卒中既往例に対するリピトール投与は、腎機能の改善、または悪化抑制という面からも、イベントの発症を抑制すると期待される。(ケアネット 鈴木 渉)

4469.

BMI値と死因死亡率との関連について

本報告を行った米国保健統計センター/疾病予防管理センターのKatherine M. Flegal氏らは2000年時点の検討報告として以前に、低体重、過体重、肥満それぞれの全死因死亡率との関連について報告を行っている。すなわち正常体重群と比べて、低体重群と肥満群では全死因死亡率の有意な増加との関連が認められたが、過体重群では有意な減少が認められたとするものだった。 本報告では、BMI値と全原因死亡率との関連(2004年時点における)を調査。JAMA誌11月7日号で掲載された。各BMI値カテゴリーと、心血管疾患・癌・その他疾患との関連を調査低体重(BMI <18.5)、過体重(BMI 25~30)、肥満(BMI >30)とし、心血管疾患、癌、その他(癌、心血管疾患以外)疾患それぞれを死因とする死亡率との関連性が調べられた本研究は、全米対象の国民健康栄養調査(NHANES)の調査期間I(1971~1975年)、II(1976~1980年)、III(1988~1994年)の参加者571,042人年が対象。2000年までの死亡率追跡調査、1999~2002年期間調査からBMI値等のデータ、2004年人口動態統計データの25歳以上230万人の死因情報を加味して検討された。BMI値と各死因死亡率とには特異的関連がある?その結果低体重群では、癌と心血管疾患を除くその他疾患を死因とする死亡率で有意な増加(超過死亡:23,455例)が、過体重群ではこの点に関して有意な減少(超過死亡:-69,299例)が認められ、また肥満群では心血管疾患を死因とする死亡率に関してのみ有意な増加(超過死亡:112,159例)が認められた。より詳細な解析結果からは、過体重+肥満は、糖尿病、腎疾患で死亡率の増加(超過死亡:61,248例)が認められた一方、癌と心血管疾患を除くその他疾患については減少(超過死亡:-105,572例)していることが認められたと報告。また肥満群では、肥満との関連が指摘される癌の死亡率の増加(超過死亡:13,839例)が認められた一方で、それ以外の癌死亡との関連は認められなかったという結果も得た。調査期間間の死亡率の比較からは、肥満と心血管疾患との関連は経時的減少傾向にあるという示唆が得られたとも報告。Flegal氏らは、「今回の結果は、BMI値と全死因死亡率との関連性を明らかにすることに結びつくだろう」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

4470.

米国心臓学会において「HIJ-CREATE」の成績が発表

 11月7日(米国時間)、フロリダ州・オーランドで開催されている第80回米国心臓学会 (AHA: the American Heart Association's Scientific Sessions 2007) のlate-breaking clinical trials sessionにおいて、高血圧症治療薬ブロプレス(一般名:カンデサルタン シレキセチル)の大規模臨床試験「HIJ-CREATE」の成績が発表された。HIJ-CREATE試験は2001年6月から実施されたもので、日本の14施設が参加、高血圧症を有する日本人の冠動脈疾患患者2,049例を対象に、アンジオテンシン・受容体拮抗薬(ARB)ブロプレスを基礎治療にした薬剤群(ブロプレス群)とARBを使用しない標準治療薬剤群(標準治療群)について、心血管系イベントの発症を指標として比較。 今回の発表では、以下の点が明らかになった。1.ブロプレス群は標準治療群と比較して、心血管系イベントの発症リスクを11%抑制したものの統計的な有意差は得られなかった(p=0.194)。<主要評価項目> 2.糖尿病の新規発症率は、ブロプレス群1.1%、標準治療群2.9%であり、ブロプレス群は糖尿病の発症を抑制した(p=0.027)。<副次評価項目>3.腎機能の低下した患者においてブロプレス群は標準治療群と比較して、心血管系イベントの発症リスクを21%抑制した(p=0.039)。

4471.

インスリン療法の追加はどのタイプが適切なのか?

2型糖尿病患者で経口糖尿病薬による血糖コントロールが不十分になると、インスリンが追加されることは一般的である。しかし、どのようなインスリン療法が適切なのか、これまで大規模な調査は行われておらずエビデンスに限界があった。 そこでオックスフォード大学(英国)チャーチル病院糖尿病センターのRury R. Holman氏ら4T(Treating to Target in Type 2 Diabetes)研究グループが、多施設共同非盲検対照試験を実施。NEJM誌オンライン版9月21日付、本誌10月25日号で結果が掲載された。「二相性」「食前」「持効型」を比較対照患者は、メトホルミンおよびSU剤の最大許容量投与ではグリコヘモグロビン値が至適とならない(7.0~10.0%)708例で、「二相性インスリン(1日2回投与)」「食前インスリン(1日3回投与)」「持効型インスリン(インスリンデテミル:1日1回投与;必要に応じて2回投与)」のいずれかに無作為に割り付けられた。転帰評価項目は1年時点での平均グリコヘモグロビン値、およびグリコヘモグロビン値が6.5%以下になった患者の割合、低血糖発生率、体重増加。その結果、平均グリコヘモグロビン値は、「二相性投与群」と「食前投与群」ではそれぞれ7.3%、7.2%と同等だったが(P=0.08)、「持効型投与群」は7.6%で、より高かった(両群との比較に対するP

4472.

COPD――多彩な併存症を持つ全身性疾患

2007年10月23日、COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬スピリーバ(販売:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社/ファイザー株式会社)承認取得3周年記念記者会見で、日本医科大学呼吸器内科教授、同大学呼吸ケアクリニック所長の木田厚瑞氏はCOPDの多彩な併存症について講演を行った。COPDは虚血性心疾患、肺がん、骨粗鬆症、糖尿病、うつなど多彩な併存症をもつことで注目を浴びています。木田氏が以前、解剖になった4,552名の患者を対象に、COPDの主要病態である肺気腫の合併疾患の頻度を調べたところ、脳血管障害70.9%、肺炎61.0%、胃潰瘍43.9%、肺結核24.1%、肺がん21.5%が認められ、いずれも肺気腫なしの患者より有意に高かった。また、COPD患者の死因の35%は肺炎、27%は心血管疾患、21%はがんであった(*1)。COPD患者は、呼吸機能の低下に従って、骨粗鬆症の発生頻度が大幅に増加することが知られている(*2)。COPDにおける骨粗鬆症のリスクファクターとしては、喫煙、活動量の低下、体重減少と筋肉量の減少、およびステロイド治療などが考えられている(*3)。また、COPD患者の41%にうつがあり、死亡率が高いとの報告がある(*4)。一方、COPD患者の13~17%に貧血が起こり、貧血が併存する場合、運動機能が落ち、生存率も下がる(*5,6)。このように、COPDの併存症は、多彩であるため、プライマリ・ケアと専門性の高い医療機関との連携(紹介・逆紹介)が望ましいと木田氏が強調した。一方、木田氏は、併存症を治療すると同時に、COPDに対し、効果の乏しい不適切な薬物処方をやめ、適切な治療を行うことで、患者QOLの向上、医療費の抑制につながると話した。【文献】*1 Rabe KF. N Engl J Med 2007; 356: 851.*2 Bolton CE. Am J Respir Crit Care Med 2004; 170:1286.*3 lonescu AA. Eur Respir J 2003; 22(suppl 46): 64s.*4 Fan VS, et al. Gender, depression, and risk of hospitalization and mortality in COPD*5 John M, et al. Chest 2005; 127: 825-829.*6 Cote C, et al. Eur Respir J 2007; 29: 923-929.(ケアネット 呉 晨)

4473.

グリタゾン系薬により心不全増加するも心血管系死亡率は不変:メタ解析

AHA・ADAによるコンセンサスガイドライン(2003年)では、「インスリン療法例」と「多リスクファクター例」以外では「心不全発症リスクが極めて低い」とされたグリタゾン系薬剤だが、約20,000例を対象としたメタ解析の結果、プラセボ・他剤に比べ心不全発症リスクの有意な増加が確認された。ただし心血管系死亡の有意な増加は認められていない。Lancet誌9月29日号に米国Lahey Clinic Medical CenterのRodrigo M Lago氏らが報告した。心不全発症は有意に増加対象となったのは前糖尿病・2型糖尿病患者においてグリタゾン系薬剤が検討された無作為化二重盲検試験。7試験、20,191例(rosiglitazone:5試験、14,491例、ピオグリタゾン:2試験、5,700例)で解析が行われた。平均29.7ヵ月の追跡期間中、360例の心不全発症が報告されており、グリタゾン系群における発症リスクは対照群の1.72(95%信頼区間:1.21-2.42)倍と有意に増加していた。Rosiglitazone群、ピオグリタゾン群に分けて解析しても同様で、心不全発症リスクの増加は有意だった。心血管系死亡は減少傾向しかし心血管系死亡のリスクはrosiglitazone、ピオグリタゾン群いずれも、対照群に比べ低下傾向を示していた。このため筆者らは「グリタゾン系により増加する心不全が左室リモデリングを伴う通常の心不全と異なる可能性」を示唆するとともに「心不全から死に至るには追跡期間が短すぎる」点も認めている。なお現在、rosiglitazoneによる心血管系イベントへの影響を検討する大規模試験RECORDが進行中である。(宇津貴史:医学レポーター)

4474.

血糖値自己測定を活かすには医療従事者の協力が必要

BMJ誌では7月にDiGEMスタディを掲載し、2型糖尿病患者による血糖値自己測定の有用性に疑問を呈したが、今回はその背景にある患者心理を調査した Aston University(英国)のElizabeth Peel氏らによる研究結果で、8月30日付けHPにて早期公開された(その後本誌では9月8日号にて掲載)。患者は自己測定の結果をどう利用するかを十分に教育されていないようである。自己測定経験者を聞き取り調査Peel氏らは2002年から3年の間に2型糖尿病と診断されて6ヵ月以内の18例を対象に、2006年までに4回の聞き取り調査を行った。これら18例は全例、血糖値自己測定を行った経験があるが、試験参加時に測定していたのは7例のみだった。1年後には16例まで増加していたが、最終的には10例に減っていた。何故、自己測定をやめてしまったのか──。医療従事者の態度や患者教育に改善の余地あり聞き取り調査から明らかになった第一点は、医療従事者が自己測定値にさほど興味を示さないため、患者が自己測定を無駄だと考えるようになるという傾向である。治療歴が長くなるとHbA1cの方が重要らしいと知り、血糖値測定を軽視するようになるケースが多いようだが、「測定して行っても誰も数値を見てくれなかった」という例まであった。また自己測定した値を自分で見ても、何をすべきか教わっていない──という問題点も浮き上がってきた。その結果、自己測定値が高値の際、その旨を医療従事者に告げるのではなく、絶食・摂食制限など、短期的に血糖値を低下させる行動に走る傾向があり、運動や服薬には意識が回らないのが一般的だった。医療従事者の態度が血糖値自己測定に与える影響や、好ましい自己測定のあり方などをさらに検討する必要があると筆者らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

4475.

グリタゾン系薬剤は糖尿病合併心不全患者の予後増悪?:体系的レビュー

慢性心不全患者ではHbA1c低値が予後増悪の予知因子と報告されているが、予後を増悪させているのはチアゾリジン誘導体(グリタゾン系薬剤)で、メトホルミンではそのようなおそれが少ないことが示唆された。Institute of Health Economics(カナダ)のDean T. Eurich氏らがBMJ誌8月30日付けHPにて早期公開論文として報告した(その後本誌では9月8日号にて掲載)。メトホルミンでは増悪認めずEurich氏らは、血糖低下薬と死亡・入院の関係を糖尿病合併心不全患者で検討しており、チェックリストにより一定の質が認められた8試験(13論文)のデータを体系的にレビューした。その結果、まずインスリンは心不全患者の総死亡を増加させていた可能性が示唆された。SU剤も同様の可能性が示された。一方メトホルミンは、SU剤などと比較した2試験15,763例をプール解析したところ、「全入院」のリスクが有意に低下していた(オッズ比:0.85、95%信頼区間:0.76~0.95)。一方、グリタゾン系薬剤をSU剤などと比較したプール解析(4試験、22,476例)では、「全入院」のリスクがグリタゾン系薬剤群で有意に増加していた(オッズ比:1.13、95%信頼区間:1.04~1.22)。Eurich氏らは、ロシグリタゾンによる心不全増加が近年示唆されている点などを指摘しながら、「現状では心不全患者の予後を増悪させない唯一の血糖降下薬はメトホルミンである」と結論している。なお、米国医師会雑誌(JAMA)9月12月号に掲載されたWake Forest University(米国)のCurt Furberg氏らによるメタ解析は、当初Cleveland Clinic(米国)のSteven Nissen氏らによるメタ解析が見いだしたロシグリタゾンによる心イベント増加を否定している。Eurich氏らも述べているが、メトホルミンとグリタゾン系薬剤の直接比較が必要であろう。(宇津貴史:医学レポーター)

4476.

高リスク糖尿病患者に対する積極的降圧療法の有用性が示される:ADVANCE試験

心血管系高リスクあるいは既往を認める糖尿病患者では、血圧に関わりなくACE阻害薬+利尿薬を用いた降圧により血管系イベントが減少することが、 Lancet誌9月8日号に掲載されたADVANCE試験の結果より明らかになった。本研究は論文掲載に先立ち、欧州心臓病学会(ESC)において報告されている。高リスク糖尿病を対象、血圧は不問本試験の対象は55歳以上の2型糖尿病患者11,140例だが、心血管系イベント既往あるいは心血管系リスクを有する「心血管系高リスク」患者だった。心血管系リスクとされたのは「細小血管症」、「糖尿病性眼症」、「喫煙」、「脂質異常症」、「微量アルブミン尿」、「糖尿病歴10年以上」か「65歳以上」 ──である。試験参加に関し、血圧値は問われなかった。これら11,140例はACE阻害薬ペリンドプリルと利尿薬インダパミドの合剤を服用する「降圧薬群」(5,569例)と「プラセボ群」(5,571群)に無作為割り付けされ、二重盲検法で追跡された。試験開始時の背景因子は、平均年齢66歳、2型糖尿病発症平均年齢が58歳、32%に心血管系イベント既往を認めた。また降圧治療を受けていたのは69%、血圧平均値は145/81mmHgだった。1次評価項目は9%有意に減少4.3年間の平均追跡期間の血圧平均値は、「降圧薬群」で5.6/2.2mmHg有意に低かった。特に収縮期血圧は「降圧薬群」では試験開始6ヵ月後以降135mmHg前後が保たれていたのに対し、プラセボ群では常に140mmHg前後だった。その結果、1次評価項目である「大血管症(心血管系イベント)+細小血管症」の発生率は「プラセボ群」16.8%に対し「降圧薬群」では15.5%で、相対的に9%の有意な減少となった(95%信頼区間:0-17%、p=0.041)。年齢、試験開始時高血圧の有無や血管症既往の有無などで分けて検討しても、「降圧薬群」で1次評価項目が増加傾向を示すサブグループはなかった。また1次評価項目を大血管症と細小血管症に分けて比較すると「降圧薬群」における減少は有意差ではなくなるが、「主要冠動脈イベント」と「その他の冠動脈イベント(血行再建術施行や無症候性心筋虚血、不安定狭心症による入院)」を併せた「全冠動脈イベント」のリスクは相対的に14%、「降圧薬群」で有意に低下していた。同様に、「微量アルブミン尿出現」も「降圧薬群」において相対的に21%、有意にリスクが低下していた。これらより報告者らは、「ペリンドプリルとインダパミド合剤は、血圧の高低にかかわらず2型糖尿病患者の大血管症+細小血管症を減少させるだろう」と結論している。なお同号に掲載された「論評」ではUniversity of Texas(米国)のNorman M. Kaplan氏が、プラセボ群の83%が何らかの降圧薬(55%はペリンドプリル)を服用していたにもかかわらず5.6/2.2mmHgの血圧差があった点など、いくつか考慮すべきポイントを指摘している。(宇津貴史:医学レポーター)

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うつ病は健康状態を悪化する一番の要因:WHO報告

うつ病は世界中で重要な公衆衛生問題であり主要な病因の1つとなっている。また他の慢性疾患との共存で健康状態を悪化させることは、少数ではあるが先行研究として伝えられてきた。 Lancet誌9月8日号に掲載された本報告は、世界保健機構(WHO)のSaba Moussavi氏らによる世界健康調査(World Health Survey:WHS)からの、うつ病の健康状態への影響を分析した結果。うつ病単独の有病率は3.2%WHSは18歳以上成人の健康状態および健康に関するデータ収集を目的とした調査で、世界60ヵ国、245,404例の参加者データから、うつ病と、ICD-10に基づく4つの慢性疾患(狭心症、関節炎、喘息、糖尿病)に関する有病率および健康スコアの分析が行われた。単独疾患の1年有病率は糖尿病が最も低く2.0%(95%信頼区間1.8-2.2)、次いで低かったのがうつ病で3.2%(同3.0-3.5)、その他は喘息3.3%(同2.9-3.6)、関節炎4.1%(同3.8-4.3)、狭心症4.5%(同4.3-4.8)だった。有病率9.3%~23.0%のうつ病+慢性疾患の状態が最も健康を悪化一方で、うつ病+4つの慢性疾患のうちのどれか1つ以上の有病率は、平均9.3%~23.0%までにわたっており(うつ病+糖尿病:9.3%、うつ病+狭心症:10.7%など)、前述のうつ病単独有病率よりも有意に高い(p<0.0001)。また社会経済的要因と健康状態を調整した後の健康スコアの比較からは、国や各人口統計学的特性を問わず、うつ病が健康スコアのマイナス要因として最も大きく影響していることが明らかとなった。Saba 氏らは、「うつ病が慢性疾患よりも健康状態を大きく減退させることが明らかとなった。特にうつ病+慢性疾患が共存する疾病状態は、うつ病単独よりも、慢性疾患単独よりも、また複数の慢性疾患共存状態よりも健康を悪化させる。うつ病対策に最優先で取り組なければならない」とまとめている。

4478.

糖尿病患者の急性冠動脈症候群死亡リスク

糖尿病患者の主要な死因とされる心血管疾患だが、急性冠動脈症候群(ACS)後の死亡に関する糖尿病との関連については明確にされていない。そこで米国コーネル大学メディカルセンターのSean M. Donahoe氏らが、ACS後の糖尿病患者の死亡リスクについて検証した。JAMA誌8月15日号の報告から。ACS患者62,036例を検証対象としたのは、1997年~2006年の間にThrombolysis in Myocardial Infarction(TIMI)研究グループによって行われた11の無作為化臨床試験に登録されたACSを呈した患者62,036例。内訳はST上昇心筋梗塞患者46,577例(STEMI症例群)、不安定狭心症/非ST上昇心筋梗塞患者15,459例(UA/NSTEMI症例群)。また糖尿病患者は両群にわたって10,613例(17.1%)いた。主要評価項目は、糖尿病患者 vs 非糖尿病患者のACS後30日および1年死亡率。不安定狭心症/非ST上昇心筋梗塞後の死亡リスクが最も高い糖尿病患者 vs 非糖尿病患者の30日死亡率は、STEMI症例群では8.5% vs 5.4%(P<0.001)、UA/NSTEMI症例群では2.1% vs 1.1%(P<0.001)で、いずれも糖尿病患者で有意に高かった。また多変量モデリング(ACSイベントの基線特徴、所見、処置因子を調整)の結果、UA/NSTEMI症例群で糖尿病とのより高い関連が示された(STEMI vs UA/NSTEMIオッズ比;1.40 vs 1.78)。1年死亡率の対比でも、UA/NSTEMI症例群で糖尿病とのより高い関連が示された(STEMI vs UA/NSTEMIハザード比:1.22 vs 1.65)。なお、UA/NSTEMIを呈した糖尿病患者とSTEMIを呈した非糖尿病患者との1年死亡率の値が非常に接近していることが見て取れた(7.2% vs 8.1%)。Donahoe氏らは、「ACS治療の進展にもかかわらず、糖尿病は予後に悪影響を及ぼすことが明らかとなった。本研究の結果は、このハイリスク集団に対する虚血性心疾患マネジメントの積極的な戦略の重要性を強調するものだ」と結論付けた。(武藤まき:医療ライター)

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英国独自の心血管系リスクスコア・QRISKの有効性確認される

英国人のデータから作成された「10年間心血管系イベント率予測スコア」であるQRISKは、米国人データを基にしたFraminghamスコアに比べリスク予測がより正確であるとする論文がBMJ誌HPで早期公開された(オンライン版7月5日号、本誌7月21日号掲載)。英国University ParkのJulia Hippisley-Cox氏らによる研究だが、背景には「より適切なリスク評価による医療費削減」という狙いもあるという。「家族歴」だけでなく「貧富」もリスクにQRISKの基になったのはQRESEARCHと呼ばれる電子データベースである。17年間にわたり蓄積された英国529件の一般医を受診したおよそ1千万人のデータが蓄積されている。この中から初診時35~74歳で心血管系疾患と糖尿病を認めなかった約130万例を抽出し、その後10年間の心血管系イベント発生率とリスク因子を検討した。その結果QRISKでは、年齢、LDLコレステロール/総コレステロール比、喫煙、収縮期血圧(SBP)に加え、「降圧薬服用の有無」と「SBPと降圧治療の相互作用項」、さらに「家族歴」と「貧富」が有意な因子となっていた。後者4要因は、Framinghamリスクスコアでは評価されない。なおサッチャー政権以前は「ゆりかごから墓場まで」と言われていた英国において、現在では「貧富」が有意なリスクとなっている点も感慨深い。Framinghamリスクスコアよりも英国人には適している次にこのQRISKの妥当性をQSEARCH内61万例で検討したところ、QRISKによるイベント発生予測率は実際のイベント発生率を相対的に0.4%上回ったのみだった。一方Framinghamリスクスコアでは、実際のイベント発生リスクよりも相対的に35%の過大評価となった。またD statisticとR2 statisticを用いて検討したモデルの適合度も、Framinghamに比べQRISKで高かった。「治療方針の決定にあたりQRISKはより適したツールであろう」と筆者らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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インスリン不使用2型糖尿病患者では血糖値自己測定の有用性に疑問符

血糖値を自己測定しても血糖コントロールは改善されない可能性が示唆された。イギリス・オックスフォード大学のAndrew Farmer氏らが無作為化オープン試験であるDiGEM(Diabetes Glycemic Education and Monitoring)スタディの結果としてBMJのサイトにて早期公表した(6月25日付オンライン版、本誌掲載は7月21日号)。 血糖値の自己測定を推奨している米国糖尿病学会(ADA)による2007年ガイドラインなどを見直す必要性が示唆された形となった。1週間に2回血糖値を自己測定本スタディでは、インスリンを使用していない2型糖尿病患者を対象に、通常の血糖コントロール(通常治療群:152例)と、1週間に2日、3回/日(空腹時×1、食事2時間前・食後2時間値のいずれか×2)の血糖自己測定がHbA1cに及ぼす影響が比較された。血糖自己測定群はさらに、血糖測定後に低血糖または高血糖が認められた時に医師とコンタクトをとる「単純自己測定群」(150例)と、血糖値に応じた対処法を指導される「積極的自己測定群」(151例)に無作為化されている。対象患者の平均年齢は65.7歳、罹病期間中央値は3年間、HbA1c平均値は7.5%だった。1年後のHbA1cに有意差なし1次評価項目である1年後のHbA1c値は、しかし、3群間に有意差はなく、通常治療群7.49%、単純自己測定群7.28%、積極的自己測定群7.36%という結果だった(p=0.12)。試験開始時からの変化率で比較しても、3群間に有意差はなかった(p=0.38)。本試験の対象のように、すでにかなり良好な血糖コントロールが得られているインスリン不使用の2型糖尿病患者では、コスト等を考えるとルーチンな血糖自己測定は推奨できない──と筆者らは結論している。(宇津貴史:医学レポーター)

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