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糖尿病は前立腺がんの死亡リスクを2割以上増加させる

 2型糖尿病が前立腺がんによる死亡と全死因死亡のリスク増加に関連していることが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のLeah Bensimon氏らの大規模コホート研究で示唆された。著者らは、さらに「高インスリン血症などの糖尿病関連の代謝障害が、がんの悪性度と関連しているかもしれない」としている。Cancer causes & control誌オンライン版2014年1月3日号に掲載。 この研究は、英国における4つのデータベース(the National Cancer Data Repository、the Clinical Practice Research Datalink、the Hospital Episodes Statistics database、the Office for National Statistics database)を結合して実施した。1998年4月1日~2009年12月31日に新たに非転移性前立腺がんと診断された男性を2012年10月1日まで追跡した。2型糖尿病患者とそれ以外の患者を比較し、前立腺がんによる死亡および全死因死亡の調整ハザード比と95%信頼区間(CI)をCox比例ハザードモデルにて算出した。すべてのモデルを過度の飲酒、喫煙、合併症、前立腺がん関連変数を含む、多くの潜在的な交絡因子で調整した。 主な結果は以下のとおり。・コホートは1万1,920例で、そのうち当初から2型糖尿病であった患者は1,132例(9.5%)であった。・平均追跡期間4.7年(SD:3.0年)の間の死亡例は3,605例(6.4%/年)であり、そのうち前立腺がんによる死亡が1,792例(3.3%/年)であった。・2型糖尿病は、前立腺がんによる死亡リスクにおける23%の増加(HR:1.23、95%CI:1.04~1.46)、全死因死亡リスクにおける25%の増加(HR:1.25、95%CI:1.11~1.40)と関連していた。

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歯周炎治療によってHbA1cは改善するか/JAMA

 慢性歯周炎を有する2型糖尿病患者について、慢性歯周炎の非外科的治療を行っても、HbA1c値の改善は認められないことが、米国・ニューヨーク大学歯学部のSteven P. Engebretson氏らが、患者500例超について行った無作為化比較試験の結果、明らかにされた。慢性歯周炎は糖尿病患者において広く認められる。これまで限定的ではあるが、歯周炎を治療することで血糖コントロールが改善する可能性があることが示唆されていた。JAMA誌2013年12月18日号掲載の報告より。歯石取りやルートプレーニングなどを行い、非治療群と比較 Engebretson氏らは2009年11月~2012年3月にかけて、慢性歯周炎が認められるが未治療であり、HbA1c値が7%以上9%未満の2型糖尿病患者、合わせて514例について試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方の群(257例)にはベースライン時に歯石取りとルートプレーニング、抗菌薬(クロルヘキシジン含嗽剤)による洗口を行い、その後3、6ヵ月時点で歯周治療支持療法(SPT)を行った。もう一方の群(257例)は対照群として歯周病の治療は行わなかった。 主要アウトカムは、6ヵ月後のHbA1c値の変化だった。副次的アウトカムは、歯周ポケットの深さやアタッチメントロス(歯肉上皮とセメント質の付着喪失)などだった。6ヵ月後のHbA1c値は両群で有意差なし その結果、6ヵ月後のHbA1c値は治療群が平均0.17%増加(標準偏差:1.0)、非治療群は同0.11%増加(同:1.0)と、線形回帰モデルによる補正後、両群で有意な格差は認められなかった(格差平均:-0.05%、95%信頼区間:-0.23~0.12、p=0.55)。そのため試験は、予定より早期に中止となった。 一方、歯周炎に関する臨床的測定値は、治療群が非治療群に比べ有意に改善した。両群格差の平均値は、歯周ポケットの深さが0.28mm(同:0.18~0.37)、アタッチメントロスは0.25mm(同:0.14~0.36)、プロービング時の出血は13.1%(同:8.1~18.1%)、歯肉炎指数は0.27(同:0.17~0.37)だった(いずれもp<0.001)。 著者は、非外科的歯周炎治療は、2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善しなかったものの、歯周炎の進行を抑制したと述べ、「糖尿病患者において、HbA1c値低下を目的とした非外科的歯周炎治療は支持しない」と結論している。

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歩数を2,000歩/日増加させれば心血管リスク8%低下/Lancet

 耐糖能異常がある人は歩行活動を増すことにより、心血管リスクが低下することが、9,000例超を対象に行った前向きコホート試験の結果、明らかになった。ベースライン時の歩数が1日2,000歩増加することで、心血管イベントリスクは約1割減少するという。英国・レスター大学のThomas Yates氏らが行った「NAVIGATOR」試験からの報告で、Lancet誌オンライン版2013年12月19日号で発表された。心血管リスクが高い9,306例を平均6年間追跡 研究グループは2002年1月~2004年1月にかけて、40ヵ国の医療機関を通じ耐糖能異常患者9,306例について前向きコホート試験を行い、歩行活動と心血管イベントリスクとの関連を分析した。被験者には、心血管疾患(50歳以上の場合)または1つ以上の心血管リスク因子(55歳以上の場合)が認められた。 心血管イベントは、心血管死、非致死の脳卒中または心筋梗塞と定義した。追跡期間平均6年間で、歩数計によりベースライン時と12ヵ月後に歩行活動の測定を行った。ベースライン時から1年後に2,000歩/日増加で心血管リスクは8%減少 延べ追跡期間4万5,211人年の間に発生した心血管疾患イベントは531件だった。ベースライン時の歩行計による歩数と12ヵ月時の歩数変化には、いずれも心血管疾患イベントリスクと逆相関が認められた。 具体的には、ベースライン時の歩数が1日2,000歩増加することにより、心血管イベント発生リスクは約10%低下した(2,000歩/日増加によるハザード比:0.90、95%信頼区間:0.84~0.96)。また、ベースライン時から12ヵ月後に、歩行活動が1日2,000歩増加または減少することにより、同リスクはそれぞれ8%減少または増大した(2,000歩/日の変化によるハザード比:0.92、同:0.86~0.99)。

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うつ病と糖尿病の合併患者、臨床像は発症時期により異なる

 うつ病と2型糖尿病併存の臨床像は、うつ病が糖尿病より先行しているか、糖尿病発症後にうつ病を発症したかによって、大きく異なることが明らかにされた。オーストラリア・西オーストラリア大学のDavid G. Bruce氏らが、Fremantle Diabetes Study Phase IIの被験者について、分析を行い報告した。結果を踏まえて著者は、「時間的パターンに留意することで、2型糖尿病患者におけるうつ病の、病因、診断や治療の研究を前進させることに結びつくだろう」と結論している。PLoS One誌2013年12月号の掲載報告。 研究グループは、住民ベースの観察研究Fremantle Diabetes Study Phase IIの2型糖尿病患者を対象とした。被験者は、うつ病(lifetime depression)の評価をBrief Lifetime Depression Scale(本研究のために開発・検証したスケール)を用いて受けており、最近のうつ症状(Patient Health Questionnaire-9;PHQ-9)と抗うつ薬の使用に関する情報も補足して分析した。 主な結果は以下のとおり。・評価は、患者1,391例(平均年齢65.7±11.6歳、男性51.9%)を4群に層別化して行った。第1群「非うつ病群」58.7%、第2群「糖尿病診断前にうつ病を診断されていた群」20.8%、第3群「うつ病と糖尿病を2年以内に診断されていた群」6.0%、第4群「糖尿病診断後にうつ病を診断された群」14.5%であった。・第2群「糖尿病診断前うつ病診断群」のうつ病診断時期は、中央値15.6年前で発症時の年齢は37.2±14.7歳であった。・この第2群の患者の臨床的特徴は、セルフケア行動の減退、症候性末梢動脈疾患が多くみられることを除いて、非うつ病患者と類似していた。・第4群「糖尿病診断後うつ病診断群」のうつ病診断時期は、中央値9.9年後で発症時の年齢は59.8±13.0歳であった。・この第4群の患者の糖尿病罹患期間は長く、血糖コントロールが不良で、より強化された治療を受けており、糖尿病性合併症を多く有していた。・また第4群は第2群患者よりも現在うつ病を有している患者が多く、しかし抗うつ薬を投与されている患者は少ない傾向がみられた。・以上のように、うつ病と2型糖尿病の臨床像は、それらの時間的関係性によってさまざまであることが示された。これらの知見は、糖尿病患者におけるうつ病の発症には複数のパターンがあり、それが診断と治療において重要な意味を持つことが示唆された。関連医療ニュース SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 「糖尿病+うつ病」に対する抗うつ薬の有効性は“中程度” 抗精神病薬性の糖尿病、その機序とは

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06)身近なものに例える空腹時血糖値の正常範囲の覚え方【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者空腹時血糖の正常範囲はどれくらいですか?医師コンビニの名前で覚えておくといいですよ。患者コンビニの名前?医師近くに、セブン・イレブンがありますよね。空腹時の血糖の正常範囲は70~110mg/dLですから、セブン・イレブンで覚えておくといいですよ。患者セブン・イレブン、いい気分ですね。これなら覚えられそうです。医師それから低血糖になるとよくないので、「低いのは損(ローソン)」も覚えておいてくださいね。患者ハハハ、それなら私にも覚えられそうです。●ポイント身近な例(コンビニ名)を出すことで、記憶に残ります

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造血細胞移植後の重大な心血管疾患リスクを減らすには?

 造血細胞移植後の心血管疾患リスクに対する生活習慣の影響について、米国フレッドハッチンソンがん研究センターのEric J. Chow氏らが検討した。その結果、医師が心血管リスク因子と生活習慣に注意を払うことにより、造血細胞移植後の重大な心血管疾患の罹患率を減少させる可能性が示唆された。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2013年12月2日号に掲載。 著者らは、1970年~2010年に1年以上治療を受けた造血細胞移植後の生存者(n=3,833)について、2010年~2011年に、心血管の状態およびそれに関連する生活習慣因子(喫煙、食事、レクリエーション的な身体活動)を調査した。データが得られた生存者(n=2,362)を、マッチングさせた一般集団サンプル(国民健康栄養調査:n=1,192)と比較した。 主な結果は以下のとおり。・造血細胞移植後生存者(年齢中央値:55.9歳、移植後期間中央値:10.8年、同種移植の割合:71.3%)は、国民健康栄養調査参加者と比べ、心筋症(4.0% vs 2.6%)、脳卒中(4.8% vs 3.3%)、脂質異常症(33.9% vs 22.3%)、糖尿病(14.3% vs 11.7%)で高い割合を示した(すべてp<0.05)。高血圧の有病率は同等(27.9% vs 30.0%)であり、虚血性心疾患は造血細胞移植生存者のほうが低かった(6.1% vs 8.9%、p<0.01)。・造血細胞移植後生存者において、高血圧、脂質異常症および糖尿病は、虚血性心疾患や心筋症における独立した危険因子であり、喫煙は、虚血性心疾患と糖尿病と関連していた(オッズ比[OR]:1.8~2.1、p=0.02)。肥満は、移植後高血圧、脂質異常症および糖尿病の危険因子であった(OR:≧2.0、p<0.001)。一方、果物や野菜の低摂取は、脂質異常症および糖尿病の高リスクに関連し(OR:1.4~1.8、p≦0.01)、低レベルの身体活動は、高血圧や糖尿病の高リスクに関連していた(OR:1.4~1.5、p<0.05)。・造血細胞移植後生存者において、健康的な生活習慣は、調査したすべての心血管関連リスクを減弱させた。

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太り過ぎのリスクは、血圧、脂質、血糖のコントロールによってかなり解消できる/Lancet

 高BMIにより冠動脈心疾患や脳卒中のリスクが増大した集団では、血圧、コレステロール、血糖を低下させることで、リスクの増分が大幅に減少することが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のGoodarz Danaei氏らGlobal Burden of Metabolic Risk Factors for Chronic Diseases Collaboration(BMI Mediated Effects)の調査で示された。この30年間で、世界的にBMIが上昇し糖尿病罹患者数が増加しているのに対し、全体的な平均血圧やコレステロールは低下または横ばいの状況だという。これら3つのメタボリック・リスク因子を改善することで、高BMIによる有害な作用をどの程度軽減できるかは、重要な臨床的かつ公衆衛生学的な課題であった。Lancet誌オンライン版2013年11月22日号掲載の報告。総計約1,800万人、冠動脈心疾患5万7,000件、脳卒中3万1,000件につき解析 研究グループは、冠動脈心疾患や脳卒中の発症に及ぼすBMIの影響が、どの程度血圧やコレステロール値、血糖値に依存しているかを定量化し、これらの因子の依存度を評価する調査を行った。 1948~2005年までに発表された97件(東・東南アジア33件、西ヨーロッパ32件、北米15件、オーストラリア・ニュージーランド10件、南米・中央/東ヨーロッパ・北アフリカ・中東7件)の前向きコホート試験(総参加者数約1,800万人)のデータをプールした。イベント発生数は、冠動脈心疾患が5万7,161件、脳卒中は3万1,093件だった。個々のコホートから、18歳未満、BMI値20未満の参加者、および冠動脈心疾患、脳卒中の既往歴のある参加者を除外した。 BMIの冠動脈心疾患および脳卒中に対するハザード比(HR)を、血圧、コレステロール値、血糖値のすべての組み合わせで調整した場合としない場合に分けて推算。ランダム効果モデルを用いてHRをプールし、3つのメディエーターで調整後の増分リスクの減少を算出した。冠動脈心疾患の増分リスクの約3分の1、脳卒中の約3分の2を血圧が占める BMI値が5増加するごとに、交絡因子調整済みのHRが冠動脈心疾患で1.27(95%信頼区間[CI]:1.23~1.31)、脳卒中で1.18(同:1.14~1.22)に上昇した。 3つのメタボリック・リスク因子で調整したところ、HRは冠動脈心疾患が1.15(95%CI:1.12~1.18)へ、脳卒中は1.04(同:1.01~1.08)へと低下し、BMIによる冠動脈心疾患の増分リスクの46%(同:42~50)、また脳卒中の増分リスクの76%(同:65~91)が、高血圧や高血糖、高コレステロールによって誘導されることが示唆された。 血圧が最も重要なメディエーターであり、BMIによる冠動脈心疾患のリスクの増分の31%(95%CI:28~35)、脳卒中の場合はその65%(同:56~75)を占めた。これら3つのメディエーターによって誘導されるリスクの増分の割合は、アジアと西欧(北米、西ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランド)との間で差は認めなかった。 正常体重(BMI:20~25未満)に比べ、過体重(同:25~30未満)および肥満(同:30以上)によって冠動脈心疾患および脳卒中のリスクが有意に増大し、3つのメディエーターによって誘導された過体重によるリスクの増分は50%(95%CI:44~58)、肥満による増分は44%(同:41~48)だった。脳卒中の発症に占める過体重のリスクは98%(同:69~155)、肥満のリスクは69%(64~77)だった。 著者は、「血圧、コレステロール、血糖を低下させる介入により、高BMIによる冠動脈心疾患の増分リスクが約半分に減少し、脳卒中の増分リスクは約4分の3にまで低下した。肥満よりも過体重でリスクが大きかった」とまとめ、「3つのメディエーターを低下させる介入により、高BMIが心血管疾患に及ぼす影響のかなりの部分が解消される可能性がある。すべてのベネフィットを達成するには最適な体重の維持が必要である」と指摘している。

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05)「運動はいつするの? 今でしょう!」2013年の流行語も登場【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者夏は暑いし、冬は寒いのでなかなか外へ歩きにいけませんし、運動ができません。医師確かに。外で歩くのは気候に左右されるから大変ですよね。患者そうなんですよ。医師それなら、いい方法がありますよ。患者それは、何ですか?(興味津々)医師家の中で、身体を動かしたらいいんですよ。患者なるほど。どんなことをしたらいいですか?医師朝なら、テレビ体操がお勧めですね。患者それなら、みたことがあります。医師そして、運動は「いつやるか」、ということが大切です。患者もちろん、「今でしょ」医師そうです。テレビをみながら、いま(居間)でお願いします。患者ハハハ、頑張ってやってみます。●ポイントダジャレも交えながらの説明で、患者さんの理解度が深まります

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抗精神病薬治療は予後にどのような影響を及ぼすのか

 抗精神病薬治療中の患者では、いくつかの心血管リスク因子(糖尿病、肥満、喫煙、脂質異常症)を有する割合が高く、脳卒中の有病率が有意に高いことなどが明らかにされた。これには、服用する抗精神病薬が定型あるいは非定型かによる違いはみられなかったという。スペイン・Institut Catala de la SalutのX Mundet-Tuduri氏らがバルセロナで行った断面調査の結果、報告した。Revista de Neurologia誌2013年12月号の掲載報告。 研究グループは、プライマリ・ケアでの長期の抗精神病薬治療における心血管リスク因子(CVRF)および血管イベントについて明らかにするため断面調査を行い、抗精神病薬の治療を受けている患者と受けていない患者とを比較した。対象は、2008~2010年にバルセロナのプライマリ・ヘルスケアセンターを受診した患者。身体測定、臨床検査値、CVRFを評価し、また被験者を成人/ 高齢者、服用している抗精神病薬(定型/ 非定型)でそれぞれ層別化し評価した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、抗精神病薬を処方されていた1万4,087例(治療群)と、受けていなかった1万3,724例(処方を受けていた患者と同一の年齢・性別:非治療群)の合計2万7,811例であった。・治療群の患者のうち、非定型薬を処方されていたのは63.4%であり、リスペリドンの処方が最も多かった。・治療群は、肥満(16.9% vs. 11.9%)、喫煙(22.2% vs. 11.1%)、糖尿病(16% vs. 11.9%)、脂質異常症(32.8% vs. 25.8%)の有病率が非治療群よりも有意に高かった(p<0.001)。・また、治療群では脳卒中の有病率が、成人患者群(オッズ比[OR]:2.33)、高齢者群(同:1.64)のいずれにおいても、非治療群より有意に高かった。冠動脈性心疾患(CHD)の有病率は、両群で同程度であった(OR:0.97)。・治療群の患者において、抗精神病薬の定型または非定型の違いによる差はみられなかった。関連医療ニュース 抗精神病薬の高用量投与で心血管イベントリスク上昇:横浜市立大 非定型うつ病ではメタボ合併頻度が高い:帝京大学 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査

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Vol. 2 No. 1 これからの血管内治療(EVT)、そして薬物療法

中村 正人 氏東邦大学医療センター大橋病院循環器内科はじめに冠動脈インターベンションの歴史はデバイスの開発と経験の蓄積の反映であるが、末梢血管の血管内治療(endovascular treatment: EVT)も同じ道を歩んでいる。対象となる血管が異なるため、冠動脈とは解剖学的、生理学的な血管特性は異なるが、問題点を解決するための戦略の模索は極めて類似している。本稿では、末梢血管に対するインターベンションの現況を総括しながら、今後登場してくるnew deviceや末梢閉塞性動脈硬化症に対する薬物療法について展望する。EVTの現況EVTの成績は治療部位によって大きく異なり、大動脈―腸骨動脈領域、大腿動脈領域、膝下血管病変の3区域に分割される。個々の領域における治療方針の指標としてはTASCIIが汎用されている。1.大動脈―大腿動脈 この領域の長期成績は良好である。TASCⅡにおけるC、Dは外科治療が優先される病変形態であるが、外科治療との比較検討試験で2次開存率は外科手術と同様の成績が得られることが示されている1)。解剖学的外科的バイパス術は侵襲性が高いこともあり、経験のある施設では腹部大動脈瘤の合併例、総大腿動脈まで連続する閉塞病変などを除き、複雑病変であってもEVTが優先されている(図1、2)。従って、完全閉塞性病変をいかに合併症なく初期成功を得るかが治療の鍵であり、いったん初期成績が得られると長期成績はある程度担保される。図1 腸骨動脈閉塞による重症虚血肢画像を拡大するDistal bypass術により救肢を得た透析例が数年後、膝部の難治性潰瘍で来院。腸骨動脈から大腿動脈に及ぶ完全閉塞を認めた(a)。ガイドワイヤーは静脈bypass graftにクロスし(b)、腸骨動脈はステント留置、総大腿動脈はバルーンによる拡張術を行った。Distal bypass graftの開存(黒矢印)と大腿深動脈の血流(白矢印)が確認された(c)図2 腸骨動脈閉塞による重症虚血肢(つづき)画像を拡大する2.大腿動脈領域 下肢の閉塞性動脈硬化症の中で最も治療対象となる頻度が高い領域である。このため、関心も高く、各種デバイスが考案されている。大腿動脈は運動によって複雑な影響を受けるため、EVTの成績は不良であると考えられてきた。しかし、ナイチノールステントが登場し、EVTの成績は大きく改善し適応は拡大した。EVTの成績を左右する最も強い因子は病変長であり、バルーンによる拡張術とステントの治療の比較検討試験の成績を鑑み、病変長によって治療戦略は大別することができる。(1)5cm未満の病変に対する治療ではバルーンによる拡張術とステント治療では開存性に差はなく、バルーンによる拡張を基本とし、不成功例にベイルアウトでステントを留置する。(2)病変長が5cm以上になると病変長が長いほどバルーンの成績は不良となるが、ステントを用いた拡張術では病変長によらず一定の成績が得られる。このためステントの治療を優先させる。(3)ステントによる治療も15cm以上になると成績が不良となりEVTの成績は外科的バイパス術に比し満足できるものではない2)。開存性に影響する他の因子には糖尿病、女性、透析例、distal run off、重症虚血肢、血管径などが挙げられる。また、ステント留置後の再狭窄パターンが2次開存率に影響することが報告されている3)。3.膝下動脈 この領域は、長期開存性が得難いため跛行肢は適応とはならない。現状、重症虚血肢のみが適応となる。本邦では、糖尿病、透析例が経年的に増加してきており、高齢化と相まって重症虚血肢の頻度は増加している。重症虚血肢の血管病変は複数の領域にわたり、完全閉塞病変、長区域の病変が複数併存する。本邦におけるOLIVE Registryでも浅大腿動脈(SFA)単独病変による重症虚血肢症は17%にとどまり、膝下レベルの血管病変が関与していた(本誌p.24図3を参照)4)。この領域はバルーンによる拡張術が基本であり、本邦では他のデバイスは承認されていない。治療戦略で考慮すべきポイントを示す。(1)in flowの血流改善を優先させる。(2)潰瘍部位支配血管すなわちangiosomeの概念に合わせて血流改善を図る。(3)末梢の血流改善を創傷部への血流像(blush score)、または皮膚灌流圧などで評価する。従来、straight lineの確保がEVTのエンドポイントであったが、さらに末梢below the ankleの治療が必要な症例が散見されるようになっている(図4)。創傷治癒とEVT後の血管開存性には解離があることが報告されているが5)、治癒を得るためには複数回の治療を要するのが現状である。この観点からもnew deviceが有用と期待されている。治癒後はフットケアなど再発予防管理が主体となる。図4 足背動脈の血行再建を行った後に切断を行った、重症虚血肢の高齢男性画像を拡大する画像を拡大する新たな展開薬剤溶出性ステントやdrug coated balloon(DCB)の展開に注目が集まっており、すでに承認されたものや承認に向け進行中のデバイスが目白押しである。いずれのデバイスも現在の問題点を解決または改善するためのものであり、治療戦略、適応を大きく変える可能性を秘めている。1.stent 従来のステントの問題点をクリアするため、柔軟性に富みステント断裂リスクが低いステントが開発されている。代表はLIFE STENTである。ステントはヘリカル構造であり、RESILIENT試験の3年後の成績を見ると、再血行再建回避率は75.5%と従来のステントに比し良好であった6)。リムス系の薬剤を用いた薬剤溶出性ステントの成績は通常のベアステントと差異を認めなかったが、パクリタキセル溶出ステントはベアメタルステントよりも有意に良好であることが示されている7)。Zilver PTXの比較検討試験における病変長は平均7cm程度に限られていたが、実臨床のレジストリーでも再血行再建回避率は84.3%と比較検討試験と遜色ない成績が示されている8)。Zilver PTXは昨年に承認を得、市販後調査が進行中である。内腔がヘパリンコートされているePTFEによるカバードステントVIABAHNは柔軟性が向上し、蛇行領域をステントで横断が可能である。このため、関節区域や長区域の病変に有効と期待されている9)。これらのステントの成績により、大腿動脈領域治療の適応は大きく変化すると予想される。膝下の血管に対しては、薬剤溶出性ステントの有効性が報告されている10)。開存性の改善により、創傷治癒期間の短縮、再治療の必要性の減少が期待される。2.debulking device 各種デバイスが考案されている。本邦で使用できるものはないが、石灰化、ステント再狭窄、血栓性病変に対する治療成績を改善し、non stenting zoneにおける治療手段になり得るものと考えられている。3.drug coated balloon(DCB) パクリタキセルをコーティングしたバルーンであり、数種類が海外では販売されている。ステント再狭窄のみでなく、新規病変に対しバルーン拡張後に、またステント留置の前拡張に用いられる可能性がある。膝下の血管病変は血管径が小さく長区域の病変でステント治療に不向きである上に開存性が低いためDCBに大きな期待が寄せられている。このデバイスも開存性を向上させるデバイスである。成績次第ではEVTの主流になり得ると推測されている。4.re-entry device このデバイスは治療戦略を変える可能性を秘めている。現在、完全閉塞病変に対してはbi-directional approachが多用されているが、順行性アプローチのみで手技が完結できる可能性が高くなる。薬物療法の今後の展開薬物療法は心血管イベント防止のための全身管理と跛行に対する薬物療法に分類されるが、全身管理における治療が不十分であると指摘されている。また、至適な服薬治療が重要ポイントとなっている。1.治療が不十分である 本疾患の生命予後は不良であり、5年の死亡率は15~30%に及ぶと報告され、その75%は心血管死である。このことは全身管理の重要性を示唆している。しかし、2008年と2011年に、有効性が期待できるスタチン、抗血小板薬、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)の投薬が、虚血性心疾患の症例に比し末梢動脈閉塞性症の症例では有意に低率であると米国から相次いで報告された11, 12)。この報告によると、虚血性心疾患を合併しているとわかっている末梢閉塞性動脈硬化症ではスタチンの無投薬率が42.5%であったのに対し、虚血の合併が不明の末梢閉塞性動脈硬化症では81.7%が無投薬であった12)。本邦においても同様の傾向と推察される。本疾患の無症候例も症候を有する症例と同様に生命予後が不良であるため、喫煙を含めた全身管理の重要性についての啓発が必要である。2.いかに管理すべきか? PADを対照に薬物療法による予後改善を検討した研究は少なくサブ解析が主体であるが、スタチンは26%、アスピリンは13%、クロピドグレルは28%、ACE阻害薬は33%リスクを軽減すると報告されている13)。さらに、これら有効性の高い薬剤を併用するとリスクがさらに低減されることも示されている12)。冠動脈プラークの退縮試験の成績は末梢閉塞性動脈硬化症を合併すると退縮率が不良であるが、厳格にLDLを70mg/dL以下に管理すると退縮が得られると報告されており14)、PADでは厳格な脂質管理が望ましい。 抗血小板薬に関しては、最近のメタ解析の結果によると、アスピリンは偽薬に比しPAD症例で有効性が認められなかった15)。一方、CAPRIE試験のサブ解析では、PAD症例に対しクロピドグレルはアスピリンに比しリスク軽減効果が高いことが示されている16)。今後、新たなチエノピリジン系薬剤も登場してくるが、これら新たな抗血小板薬のPADにおける有効性は明らかでなく、今後の検討課題である。また、本邦で実施されたJELIS試験のサブ解析では、PADにおけるn-3系脂肪酸の有効性が示されている17)。 このように、サブ解析では多くの薬剤が心血管事故防止における有効性が示唆されているが、単独試験で有効性が実証されたものはない。さらには、本邦における有効性の検証が必要になってこよう。3.再狭窄防止の薬物療法 シロスタゾールが大腿動脈領域における従来のステント留置例の治療成績を改善する。New deviceにおける有用性などが今後検証されていくことであろう。おわりにNew deviceでEVTの適応は大きく変わり、EVTの役割は今後ますます大きくなっていくものと推測される。一方、リスク因子に関しては、目標値のみでなくリスクの質的な管理が求められることになっていくであろう。文献1)Kashyap VS et al. The management of severe aortoiliac occlusive disease Endovascular therapy rivals open reconstruction. J Vasc Surg 2008; 48: 1451-1457.2)Soga Y et al. Utility of new classification based on clinical and lesional factors after self-expandable nitinol stenting in the superficial femoral artery. J Vasc Surg 2011; 54: 1058-1066.3)Tosaka A et al. Classification and clinical impact of restenosis after femoropopliteal stenting. J Am Coll Cardiol 2012; 59: 16-23.4)Iida O et al. Endovascular Treatment for Infrainguinal Vessels in Patients with Critical Limb Ischemia: OLIVE Registry, a Prospective, Multicenter Study in Japan with 12-month Followup. Circulation Cardiovasc Interv 2013, in press.5)Romiti M et al. Mata-analysis of infrapopliteal angioplasty for chronic critical limb ischemia. J Vasc Surg 2008; 47: 975-981.6)Laird JR et al. Nitinol stent implantation vs balloon angioplasty for lesions in the superficial femoral and proximal popliteal arteries of patients with claudication: Three-year follow-up from RESILIENT randomized trial. J Endvasc Ther 2012; 19: 1-9.7)Dake MD et al. Paclitaxel-eluting stents show superiority to balloon angioplasty and bare metal stents in femoropopliteal disease. Twelve-month Zilver PTX Randomized study results. Circ Cardiovasc Interv 2011; 4: 495-504.8)Dake MD et al. Nitinol stents with polymer-free paclitaxel coating for lesions in the superficial femoral and popliteal arteries above the knee; Twelve month safety and effectiveness results from the Zilver PTX single-arm clinical study. J Endvasc Therapy 2011; 18: 613-623.9)Bosiers M et al. Randomized comparison of evelolimus-eluting versus bare-metal stents in patients with critical limb ischemia and infrapopliteal arterial occlusive disease. J Vasc Surg 2012; 55: 390-398.10)Saxon RR et al. Randomized, multicenter study comparing expanded polytetrafluoroethylene covered endoprosthesis placement with percutaneous transluminal angioplasty in the treatment of superficial femoral artery occlusive disease. J Vasc Interv Radiol 2008; 19: 823-832.11)Welten GMJM et al. Long-term prognosis of patients with peripheral artery disease. A comparison in patients with coronary artert disease. JACC 2008; 51: 1588-1596.12)Pande RL et al. Secondary prevention and mortality in peripheral artery disease: national health and nutrition exsamination study, 1999 to 2004. Circulation 2011; 124: 17-23.13)Sigvant B et al. Asymptomatic peripheral arterial disease; is pharmacological prevention of cardiovascular risk cost-effective? European J of cardiovasc prevent & rehabilitation 2011; 18: 254-261.14)Hussein AA et al. Peripheral arterial disease and progression atherosclerosis. J Am Coll Cardiol 2011; 57: 1220-1225.15)Berger JS et al. Aspirin for the prevention of cardiovascular events in patients with peripheral artery disease. A mata-analysis of randomized trials. JAMA 2009; 301: 1909-1919.16)CAPRIE Steering Committee. A randomized, blinded, trial of clopidogrel versus aspirin in patients at risk of ischemic events(CAPRIE). Lancet 1996; 348: 1329-1339.17)Ishikawa Y et al. Preventive effects of eicosapentaenoic acid on coronary artery disease in patients with peripheral artery disease-subanalysis of the JELIS trial-. Circ J 2010; 74: 1451-1457.

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04)家 + ゴロゴロ = コロコロ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者中性脂肪が高いって言われて、頑張って、歩いているんですけど、なかなか痩せないですね。 医師なるほど。頑張って歩いておられるんですね。 患者そうなんです。 医師外で歩いた後、家ではどのようにされていますか? 患者運動した後は疲れて、テレビをみながら、ゴロゴロしています。 医師なるほど。実は、頑張って運動していてもなかなか効果が出ない人は、家でゴロゴロされている傾向があるそうですよ。 患者それ私ですね。せっかく運動したのに家でゴロゴロしてたらいけませんね(気づきの言葉)。 医師そうですね。ゴロゴロではなくて、コロコロしてくるかもしれませんね。 患者ハハハ。確かにそうですね。これから気をつけます。●ポイントユーモアを交えて、説明することで患者さんの理解度が深まります 1) Henson J, et al. Diabetologia. 2013; 56: 1012-1020.(座っている時間が長い人は中性脂肪やHDLなどの脂質異常がみられる)

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ナッツを毎日食べる人ほど健康長寿/NEJM

 ナッツ摂取頻度が多い人ほど、総死亡やがんなど特異的死亡リスクが低くなるという、逆相関の関連性が認められることが、大規模コホート試験で明らかになった。米国・ハーバードメディカルスクールのYing Bao氏らが、米国の看護師健康調査(1980~2010年)と医療従事者追跡調査(1986~2010年)の参加者約12万人について行った試験で明らかにしたもので、NEJM誌2013年11月21日号で発表した。先行研究で、ナッツ摂取量が多い人ほど、心血管疾患や2型糖尿病など主要な慢性疾患リスクが低くなることは知られていたが、死亡リスクとの関連は不明だった。ベースライン時、その後2~4年ごとにナッツ摂取頻度を評価しながら追跡 研究グループは、看護師健康調査参加者の女性7万6,464人と、医療従事者追跡調査参加者の男性4万2,498人を対象に、ナッツ摂取頻度と総死亡率と原因別死亡率の関連について分析を行った。 ナッツ摂取頻度については、ベースライン時、追跡期間中2~4年ごとに評価を行った。なお、がんや心臓病、脳卒中の病歴のある人は除外した。 延べ追跡期間は303万8,853人年だった。その間に死亡した女性は1万6,200人、男性は1万1,229人だった。死亡リスク、非摂取に比べ週7回摂取の人は約20%減 既知または疑われたリスク因子について補正を行った後、ナッツ摂取頻度と総死亡率には、男女共に、逆相関の関連性が認められた。 具体的には、ナッツ摂取の、非摂取に対する総死亡に関するプール多変量ハザード比(HR)は、週1回未満摂取が0.93(95%信頼区間:0.90~0.96)、週1回摂取が0.89(同:0.86~0.93)、週2~4回摂取が0.87(同:0.83~0.90)、週5~6回摂取が0.85(同:0.79~0.91)、週7回以上摂取が0.80(同:0.71~0.86)と、摂取頻度が高いほど同リスクが減少する傾向が認められた(傾向p<0.001)。 また、ナッツ摂取頻度とがん死亡(週1回未満摂取HR:0.93、週7回以上摂取HR:0.89、p=0.03)、心臓病死亡(同:0.84、0.75、p<0.001)、呼吸器疾患による死亡(同:0.95、0.76、p=0.005)についても、いずれも有意な逆相関の関連が認められた。

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糖尿病患者の腎保護作用を期待できる降圧薬は?(コメンテーター:浦 信行 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(157)より-

まず、在来の臨床研究では尿蛋白低減効果をエンドポイントとしたものが多いが、このメタ解析のエンドポイントをハードエンドポイントである血清クレアチニン濃度の倍化、末期腎不全、死亡としたことに意義がある。われわれの最終目標は腎障害進展抑制、生命予後改善だからである。 結果は、クレアチニンの倍化に関しては、ACE阻害薬でのみ有意な抑制効果が認められた。また、有意とはならなかったものの、ACE阻害薬が他剤、とりわけARBよりも数字的には良好であったとのことである。ACE阻害薬の糖尿病性腎症に対する効果を改めて示したことには、大きな価値がある。 しかし、本来であればACE阻害薬とARB間でのhead to headの臨床研究で、血圧値をマッチさせた成績が最も価値がある。そのような研究で大規模なものが極めて少ないため、メタ解析で評価するのはやむを得ないが、限界があることを留意した解釈が必要である。著者も述べているように、メタ解析では同じクラスの薬剤でも種類が違い、使用量の違いがある。従来の報告では、同じARBの中での薬剤間の差を報告したものが複数で認められる。また、降圧度や血圧値の差も検討されていない。どのような薬剤で降圧しようが、腎保護作用はまず血圧値に依存する。少なくともRA阻害薬による降圧度は、RA系阻害の程度を表すものであるから、それに差があるとすれば正当な評価はできにくくなる。 したがって、著者らも結論で述べているように、今回のメタ解析では糖尿病における腎障害進展抑制効果はACE阻害薬で明らかであった。また、ARBに関してはACE阻害薬に対する優位性は認められなかった、ということで理解できると考えられる。

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HbA1cの改善に加え患者QOLも向上―DPP-4阻害薬へのグラルギンの併用エビデンス(ALOHA2)

サノフィ株式会社池田勧夫氏近年DPP-4阻害薬は日本で急速に普及してきたが、DPP-4 阻害薬を含む経口血糖降下薬(OHA)を服用しても良好な血糖コントロールが得られない場合がある。そこで、池田氏らは、DPP-4 阻害薬を含むOHAで血糖コントロールが目標に達していない日本人の2 型糖尿病患者を対象にインスリン グラルギン(以下、グラルギン)を追加し、24週間観察した前向き研究(ALOHA 2)を行った。その結果が国際糖尿病連合の世界糖尿病会議(12月2~6日、メルボルン)で発表され、グラルギンの追加でHbA1cが大きく低下するだけでなく、治療満足度が有意に改善することが明らかとなった。OHA2剤でグラルギンを始めるケースが最も多い本研究の対象となったのは、これまでOHAによる治療を受け、グラルギンを開始する4 週間前のHbA1c が6.5%以上だった20歳以上の2,602例。これまでインスリンによる治療を受けたことがなく、経口薬への追加でグラルギンを開始し、24週まで継続した症例をBOT 群とした。BOT 群は1,629 例。観察期間は24 週間。BOT群のベースラインの患者背景は年齢が61.8 歳、HbA1cは9.58%、FPGは2 0 4.6 mg/dL、2 時間P PGは272.8mg/dL。糖尿病罹患期間は10年未満が3 4.7%、10~15年が19.5%、15年以上が23.9%、併存疾患は糖尿病性神経障害が22.5%、糖尿病性網膜症が14.6%、糖尿病性神経障害が14.9 %、高血圧が47.8%、脂質異常症が51.9% など。またベースラインで使用されていたOHAの数は、1 種類が29.3%、2 種類が34.8%、3 種類が26.9%、4種類が9.1%であり、観察期間中に高頻度に併用されたOH Aはスルホニル尿素薬が71.5%、DPP-4 阻害薬が60.7%、ビグアナイド薬が4 8.6 %などであった(表1)。画像を拡大するHbA1cはベースラインから1.6%低下、空腹時血糖値だけでなく食後血糖値も大きく改善基礎インスリンとDPP-4 阻害薬の併用療法は、2 型糖尿病患者の空腹時血糖値(FPG)と食後血糖値(PPG)の両方を管理し、良好な血糖コントロールが得られる治療法として注目されているが、本研究ではグラルギンの追加によりHbA1cがベースラインから最終評価時までで1.61%有意に低下していた(p

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