サイト内検索|page:201

検索結果 合計:4899件 表示位置:4001 - 4020

4001.

37)HbA1c値と1日の平均血糖値の関係を説明する【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者HbA1cが7%といわれてもピンとこないんです。 医師確かにそうですね。 患者血糖でいうと、どのくらいになるんですか? 医師平均すると、だいたい150mg/dLになると思いますよ。 患者150mg/dLくらいですか。 医師空腹時だと110~130mg/dL、食後は200mg/dL近くになっているかもしれませんね。 患者なるほど。 医師血糖値が170mg/dLを超えると、尿に糖が降りるといわれていますので、食べすぎた日の翌日には、尿に糖が降りているかもしれません。一度、尿の試験紙でチェックしてみてもいいですね。 患者わかりました。チェックしてみます。●ポイントHbA1cと平均血糖の関係を理解してもらい、療養指導につなげます●資料 1) Nathan DM, et al. Diabetes Care. 2008; 31: 1473-1478.

4002.

膵炎リスク、インクレチン関連薬vs. SU薬/BMJ

 2型糖尿病患者における急性膵炎リスクについて、インクレチン関連薬使用者はSU薬使用者と比較して、同リスク増大と関連していなかったことが、カナダ・ジューイッシュ総合病院のJean-Luc Faillie氏らによるコホート研究の結果、報告された。2型糖尿病患者における急性膵炎の発症とインクレチン関連薬の使用については、相反する報告が、前臨床の動物試験、臨床試験、有害イベントデータベース、そして観察試験において報告されている。研究グループは、同関連を明らかにするため観察試験を行った。BMJ誌オンライン版2014年4月24日号掲載の報告より。英国GP関与データベースを用いて分析 試験は、英国内680人の一般医が関与しているClinical Practice Research Datalinkを用いて行われた。 2007年1月1日~2012年3月31日の間の、インクレチン関連薬の新規使用患者2万748例と、SU薬新規使用者5万1,712例を特定し、2013年3月31日まで追跡した。 主要評価項目は、各使用者における急性膵炎発生で、Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出して評価した。モデルは、10分位範囲の高次元傾向スコア(hdPS)を用いて補正された。両薬の急性膵炎発生との関連は同程度 急性膵炎の粗罹患率は、1,000患者年当たり、インクレチン関連薬新規使用群が1.45(95%CI:0.99~2.11)、SU薬新規使用群が1.47(同:1.23~1.76)だった。 急性膵炎発生とインクレチン関連薬使用との関連は、SU薬使用者と比較して増大はみられなかった(hdPS補正後HR:1.00、95%CI:0.59~1.70)。 しかし今回の結果に関して著者は、「今回の結果は安心できるものであったが、リスクが完全に排除されたわけではない。さらなる大規模ベースの試験により、この所見について確認する必要がある」と述べている。

4005.

分化型甲状腺がんに新たな治療オプション/Lancet

 進行性放射性ヨウ素治療抵抗性の分化型甲状腺がんに対するソラフェニブ(商品名:ネクサバール)治療は、無増悪生存期間を有意に改善することが明らかにされた。米国・ペンシルベニア大学アブラムソンがんセンターのMarcia S Brose氏らによる第III相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「DECISION」の結果で、有害事象はソラフェニブの既知の安全性プロファイルと一致していた。放射性ヨウ素131治療抵抗性の局所進行または転移性の分化型甲状腺がんを有する患者には、現時点では効果的な治療オプションがなく予後は不良とされる。著者は、「今回の結果は、ソラフェニブが同患者への新たな治療選択肢であることを支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年4月24日号掲載の報告より。18ヵ国77施設で経口ソラフェニブの有効性と安全性について検討 試験は、経口ソラフェニブ投与(400mgを1日2回)の有効性と安全性を評価することを目的とし、18ヵ国77施設から被験者を登録して行われた。被験者の適格基準は、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)評価で直近14ヵ月以内の増悪が認められた18歳以上の成人患者であること、CTまたはMRIにより1つ以上の病変が認められること(RECIST基準による)、全身状態はECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)基準で0~2、骨髄機能・肝機能・腎機能は保持、血清甲状腺刺激ホルモン値0.5mIU/L超などであった。 主要エンドポイントは無増悪生存で、中央の独立レビュワーにより8週ごとに評価が行われた。なおプラセボ群の患者は、増悪したときはオープンラベルでソラフェニブに切り替えることが可能であった。 また、腫瘍組織検体についてBRAFおよびRAS遺伝子の突然変異がないかが調べられ、ベースライン時と各受診時には血清チログロブリン値の測定が行われた。無増悪生存期間の中央値、ソラフェニブ群10.8ヵ月とプラセボと比べ有意に延長 2009年11月5日~2011年8月29日に、419例が1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要エンドポイントのintention-to-treat解析には、割り付けに不備があった2例を除く、ソラフェニブ群207例、プラセボ群210例の計417例が組み込まれた。 結果、無増悪生存期間の中央値は、ソラフェニブ群は10.8ヵ月でプラセボ群5.8ヵ月と比べて有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.45~0.76、p<0.0001)。 無増悪生存期間の改善は、事前規定のすべての臨床的および遺伝子バイオマーカーのサブグループ、また突然変異の有無にかかわらず認められた。全生存率は、両群間で有意差はみられなかったが(HR:0.80、p=0.14)、解析時点(2012年8月31日)で全生存期間の中央値は達成されていなかった。またプラセボ群でソラフェニブに切り替えが行われた被験者は150例(71.4%)だった。試験後もソラフェニブ群では20.3%が引き続き抗がん剤治療を受けていた(プラセボ群は8.6%)。奏効率はソラフェニブ群が12.2%、プラセボ群が0.5%であった(p<0.0001)。 安全性の解析には、プラセボ群で投与に不備があった1例を除く、416例が組み込まれた。 有害事象は、ソラフェニブ群98.6%(204/207例)、プラセボ群87.6%(183/209例)で発生が報告されたが、大部分は、グレード1または2の事象であった。ソラフェニブ群で最も発現頻度が高かった治療に関連する有害事象は、手足皮膚反応(76.3%)で、次いで下痢(68.6%)、脱毛(67.1%)そして皮疹/落屑(50.2%)だった。

4006.

初発の心血管疾患を予測する指標としてHbA1cの有用性は高くない…(コメンテーター:吉岡 成人 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(197)より-

糖尿病は心血管疾患(cardiovascular disease: CVD)の発症・進展に関連したリスク因子であり、糖代謝に関わる臨床指標がCVDの発症と密接に関連しているという結果を示す疫学データは多い。2010年のACC(American College of Cardiology foundation)/AHA(American Heart Association)のガイドラインでは、糖尿病患者ではなくとも、狭心症の症状がない成人におけるCVDのリスクアセスメントにHbA1cの測定は有用ではなかろうかと結論付けられていた。しかし、糖尿病患者におけるHbA1cの測定には臨床的な意味があるが、非糖尿病者ではその有用性がないのではないかという意見もあり、2013年に改訂されたガイドラインでは、HbA1cの測定は推奨されていない。 このような背景のもとに、73件の前向き試験から、糖尿病やCVDの既往がない29万4,998人を抽出して、従来リスク因子(年齢、性別、喫煙状況、収縮期血圧値、総コレステロール値、HDLコレステロール値など)とHbA1cなどの血糖値に関連した代謝指標に関する情報を加えた場合のCVDリスク予測モデルを新たに作成し、アウトカムのリスク層別化(C統計値)、10年リスク予測(低:5%未満、中:5~7.5%未満、高:7.5%以上)の再分類(ネット再分類改善)について検討したEmerging Risk Factors Collaborationのデータが本論文である。  今回の検討では、血糖値に関連した代謝指標として、HbA1c値(<4.5、4.5~<5、5~<5.5、5.5~<6、6~<6.5、≧6.5%)のみならず、空腹時血糖値、随時血糖値、経口ブドウ糖負荷後の血糖値のデータの有用性も検討されている。 検討の対象となった者の登録時における平均年齢は58歳、男女比はほぼ1:1で、86%がヨーロッパまたは北米民族、HbA1c 5.37±0.54%であり、追跡期間は中央値で9.9年、経過中の致死的・非致死的CVDの発生は、2万840例(冠動脈心疾患1万3,237例、脳卒中7,603例)であった。 従来の心血管リスク因子を補正した後の分析において、HbA1c値とCVDリスクとの関連性はJ-カーブを示し、HbA1c値が4.5~5.5%の群におけるハザード比を1とするとそれ以下の群ではハザード比が1.2、HbA1cが6.5%を超える群では1.5となっていた。CVDリスクと血糖値の指標がJ-カーブを示す傾向は、空腹時血糖値、随時血糖値、負荷後血糖値でも同様であった。HbA1c値とCVDのリスクに関しての関連性は、総コレステロール、トリグリセリド、またはeGFR値で補正した場合に相関がわずかに高まったものの、HDLコレステロール、CRPでの補正後には関連性が減弱した。 CVDリスク予測モデルのC統計値(リスクスコアの低い症例のほうが生存期間は長いことを、実際のデータでどのくらいの確率で正しいかを示す値、0.5~1で示される。将来の予測をする時間軸を加味した値)は、従来の心血管リスク因子のみでは0.7434(95%信頼区間[CI]:0.7350~0.7517)。HbA1cに関する情報を追加した場合のC統計値の変化は0.0018(95%CI:0.0003~0.0033)で、10年リスク予測分類のネット再分類改善値は0.42(-0.63~1.48)と報告されている。 75g糖負荷試験における2時間値とCVDの関連が示唆される疫学成績がある一方で、糖尿病患者の食後血糖値に介入して、CVDの発症リスクを軽減できたとする臨床成績はない。一般に、糖尿病ではなくとも食後高血糖や糖負荷後の高血糖を示す場合には、CVDの発症リスクが高まるのではないかと考えられている。しかし、今回の検討からは、非糖尿病患者において、高血糖のマーカーとしてのHbA1cを従来のCVDリスク因子に追加して検討を行っても、CVDの新規発症に関する予測精度が高まるわけではないことが再確認されたといえる。

4007.

36)テレビをみながら、ゴロゴロしている患者さんへのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話医師普段は家で何をされていますか?患者テレビをみながら、ゴロゴロしていることが多いです。医師そうですか。テレビの視聴時間が長い人ほど太りやすいというデータがありますよ。患者本当ですか?医師本当ですよ。3つの理由が考えられています。患者それは何ですか?医師1つ目はテレビをみながらゴロゴロしている。患者動かないですからね。医師2つ目はテレビをみながら、「ながら食い」をしている、です。患者それ私ですね。3つ目は何ですか?医師料理番組やドラマで料理が出てくると、食欲が出てきて食べたくなったりします。患者なるほど。みないときはテレビは、消しておいた方がいいですね。●ポイントテレビの視聴時間は身体不活動時間と比例しています。3つの理由を解説することで、テレビによる体重増加を予防できるかもしれません

4009.

肝硬変患者の経過観察を十分に行わず肝細胞がんを発見できなかったケース

消化器最終判決判例タイムズ 783号180-190頁概要12年以上にわたって開業医のもとに通院し、糖尿病、肝硬変などの治療を受けていた55歳の男性。ここ1年近く、特段の訴えや所見もないために肝機能検査および腫瘍マーカーのチェックはしていなかった。ところが久しぶりに施行した肝機能検査・腫瘍マーカーが異常高値を示し、CT検査を受けたところ肝左葉全体を埋め尽くす肝細胞がんが発見された。急遽入院治療を受けたが、異常に気づいてから3ヵ月後に死亡した。詳細な経過患者情報55歳男性経過1973年 糖尿病にて総合病院に45日間入院。9月3日当該診療所初診。診断は糖尿病、肝不全。1982年5月26日全身倦怠感、体重減少(61→51kg)を主訴に総合病院外来受診。6月1日精査治療目的で入院となり、肝シンチ、腹部エコー、上部消化管造影、血液検査、尿検査などの結果、糖尿病、胆石症、肝硬変、慢性膵炎と診断された。7月10日肝臓の腹腔鏡検査を予定したが、度々無断外出したり、窃盗容疑で逮捕されるなどの問題があり、強制退院となった。9月6日診療所の通院を月1~4回の割合で再開。その間ほぼ継続してキシリトール(商品名:キシリット)、肝庇護薬グリチルリチン・グリシン・システイン(同:ケベラS)、ビタミン複合剤(同:ネオラミン3B)、ビタミンB12などの点滴とフルスルチアミン(同:アリナミンF)、血糖降下薬ゴンダフォン®、ビタミンB12(同:メチコバール、バンコミン)などの投薬を続ける。食事指導(お酒飲んだら命ないで)や生活指導を実施。ただし、肝細胞がんと診断されるまでのカルテには、検査指示および処方の記載のみで、診察内容(腹水の有無、肝臓触知の結果など)の記載はほとんどなく、1982年9月6日から1986年2月19日までの3年5ヵ月にわたって腹部超音波、腹部CT、肝シンチなどの検査は1回も実施せず。1982年~1984年肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)、AFP測定を不定期に行う。1984年9月4日AFP(-):異常高値となるまでの最終検査。1985年 高血糖(379-473)、貧血(Hb 10.5)がみられたが、特段治療せず。1986年2月15日γ-GTP 414と高値を示したため、肝細胞がんをはじめて疑う。2月19日1年5ヵ月ぶりで行ったAFP測定にて638と異常高値のため、総合病院にCT撮影を依頼。腹水があり、肝左葉はほぼ全体が肝細胞がんに置き変わっていた。門脈左枝から本幹に腫瘍血栓があり、予後は非常に不良であるとの所見であった。2月21日家族に対し、「肝細胞がんに罹患しており、長くもっても7ヵ月、早ければ3ヵ月の余命である」ことを告知し、同日以降、抗がん剤であるリフリール®やウロキナーゼを点滴で投与した。2月25日当該診療所を離れ総合病院に入院し、肝細胞がんの治療を受けた。5月17日肝硬変症を原因とする肝細胞がんにより死亡。当事者の主張患者側(原告)の主張1.早期発見義務違反1982年9月6日から肝硬変の診断のもとに通院を再開し、肝細胞がん併発の危険性が大きかったのに、1986年2月まで長期間検査をしなかった2.説明義務違反1986年に手遅れとなるまで、肝臓の障害について説明せず、適切な治療を受ける機会を喪失させた3.全身状態管理義務違反1985年中の出血を疑わせる兆候や高血糖状態があったのに、これらを看過したこのような義務違反がなければ、死亡することはなかったか、仮に死を免れなかったとしても少なくとも5年間の延命の可能性があった。病院側(被告)の主張過重な仕事と不規則な生活を続け、入院勧告にも応じなかったことが問題である。1985年中に肝細胞がんを発見できたとしても、もはや切除は不可能であったから、死亡は不可避であった。裁判所の判断説明義務違反医師は肝硬変に罹患していたことを説明し、安静を指示していたことが認められるため、その違反はないとした。全身状態管理違反血糖値の変化は生活の乱れによる可能性も高く、必ずしも投薬によって対処しなければならない状況にあったか否かは明らかではないし、出血の点についても、肝硬変の悪化にどのような影響を与えたのか不明であるため、その違反があるとは認められない。早期発見義務肝硬変があり肝細胞がんに移行する可能性の高い症例では、平均的開業医として6ヵ月に1回程度は肝機能検査、AFP検査、腹部超音波検査を実施するべきであったのに、これを怠った早期発見義務違反がある。しかし、肝細胞がんが半年早く発見され、その時点でとりうる治療手段が講じられたとしても、生存可能期間は1~2年程度であったため、医師が検査を怠ったことと死亡との間には因果関係はない。つまり、検査義務違反がなく早期に肝細胞がんに対する治療が実施されていれば、実際の死期よりもさらに相当期間、生命を保持し得たものと推認することができるため、延命利益が侵害されたと判断された。1,000万円の請求に対し、240万円の支払命令考察今回のケースでは、12年以上にわたってある開業医のところへ定期的に通院していた患者さんが、必要な検査が行われず肝細胞がんの発見が遅れたために、「延命利益を侵害された」と判断されました。今までの裁判では、医師の注意義務違反と患者との死亡との因果関係があるような場合に損害賠償(医療過誤)として支払いが命じられていましたが、最近になって、死亡に対して明確に因果関係がないと判断されても、医師の注意義務違反が原因で延命が侵害されたことを理由として、慰謝料という形で医師に支払いを命じるケースが増加しています。本件でも、「平均的開業医」として当然行うべき種々の検査を実施しなかったことによって、肝細胞がんの発見が遅れたことは認めたものの、肝細胞がんという病気の性質上、根治は難しいと判断され、たとえきちんと検査を実施していても死亡は避けられなかったと判断しています。つまり、適切な時期に適切な検査を定期的に実施し、患者の容態を把握しているかという点が問題視されました。肝細胞がんは年々増加してきており、臓器別死亡数でみると男性で第3位、女性で第4位となっています。なかでも肝細胞がんの約93%が肝炎ウイルス(HCV抗体陽性、HBs抗原陽性)を成因としています。また、原発性肝がんの剖検例611例中、84%が肝硬変症を合併していたという報告もあり、肝硬変患者を外来で経過観察する時には、肝細胞がんの発症を常に念頭におきながら、診察、検査を進めなくてはいけません。消化器

4010.

糖尿病患者への服薬リマインダーシステム、その効果は?

 ショート・メッセージ・サービス(SMS)を利用した経口糖尿病治療薬のアドヒアランス改善について、オランダ健康サービス研究所(NIVEL)のM Vervloet氏らが調査を行った。その結果、SMSリマインダーによって通知を受けた患者群のアドヒアランスは、短期・長期的な調査結果とも有意に向上していた。Diabetic Medicine誌オンライン版2014年3月19日号掲載。 Vervloet氏らはアドヒアランスがよいとはいえない2型糖尿病患者161例を、SMS群、非SMS群、コントロール群に振り分け、ランダム化比較試験を行った。6ヵ月間、SMS群(n=56)をモニタリングし、服薬を忘れた場合にSMSのリマインダーを受けさせた。また非SMS群(n=48)はモニタリングのみを行い、コントロール群(n=57)は、何の介入もしなかった。主要評価項目は、経口糖尿病治療薬のアドヒアランス向上であり、それぞれの群を1年および2年間追跡し、マルチレベル回帰分析によってアドヒアランスにおけるSMSの介入効果を調べた。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時では、どの群も同等のアドヒアランスであった。・1年後、SMS群のアドヒアランスは、コントロール群に比べ有意に高く(79.5% vs 64.5%、p<0.001)、ベースライン時からの有意な改善が認められた(+16.3%、p<0.001)。・非SMS群の平均アドヒアランスは73.1%に達したが(+7.3%、p<0.05)、コントロール群との有意差はなかった(p=0.06)。・2年後、SMS群のアドヒアランスは持続しており、コントロール群よりも有意に高いままであった(80.4% vs 68.4%、p<0.01)。対して非SMS群のアドヒアランスはベースライン時の値に戻ってしまった(65.5%)。 今回の結果により、SMSリマインダーの活用は、一時的ではなく長期的なアドヒアランスの向上に役立つことが示された。この新しい服薬リマインダーシステムは、糖尿病を持つ人々の自己管理を強化することができるとVervloet氏らは結論付けている。

4012.

インクレチン関連薬、膵炎リスクを増大しない/BMJ

 中国・四川大学のLing Li氏らが行ったメタ解析(60試験、被験者総数約35万例)の結果、インクレチン関連薬を服用している2型糖尿病患者における膵炎の発生率は低く、同薬は膵炎リスクを増大しないことが明らかにされた。これまで、インクレチン関連薬を服用する2型糖尿病患者の急性膵炎症例が数多く報告されているが、試験によって所見はさまざまだった。BMJ誌オンライン版2014年4月15日号掲載の報告より。55件の無作為化試験の結果、インクレチン関連薬による膵炎リスク増大はなし 研究グループは、インクレチン関連薬と膵炎リスクとの関連を明らかにするため、2型糖尿病の成人を対象に、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬またはジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害薬について行った、無作為・非無作為化比較試験、前向き・後ろ向きコホート試験、ケースコントロール試験について、システマティックレビューを行い、メタ解析を行った。 分析に組み込まれたのは60試験、被験者総数は35万3,639例だった。そのうち、無作為化試験は55件、観察試験は5件だった。 無作為化試験を基にした要約推定量では、インクレチン関連薬による膵炎リスクの増大は認められなかった(オッズ比:1.11、95%信頼区間:0.57~2.17)。1件のケースコントロール試験でエキセナチド・シタグリプチンによる膵炎リスクが2.1倍 インクレチン関連薬を種類別に検討しても、GLP-1受容体作動薬のコントロール群に対する膵炎発症に関するオッズ比は1.05(同:0.37~2.94)、DPP-4阻害薬の同オッズ比は1.06(同:0.46~2.45)と、いずれにおいても有意差はなかった。 また3件の後ろ向きコホート試験と1件のケースコントロール試験において、エキセナチド(商品名:バイエッタ、ビデュリオン)またはシタグリプチン(同:ジャヌビア、グラクティブ)による膵炎リスクの増加は認められなかった。 一方、もう1件のケースコントロール試験(ケース被験者数、対照被験者数ともに1,269例)では、エキセナチドまたはシタグリプチンの2年以内服用と急性膵炎リスク増大の有意な関連がみられた(補正後オッズ比:2.07、同:1.36~3.13)。 著者は今回の結果について「入手可能なエビデンスとしては、インクレチン関連薬服用患者における膵炎の発生率は低く、同薬は膵炎リスクを増大しないことが示された。しかし、現状のエビデンスは決定的なものではない。リスク増大の有無について根拠となる、より厳密にデザインされ実行された観察試験が求められる」とまとめている。

4013.

高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014) ~改訂のポイント~

欧州、米国でも改訂が相次ぐ中、2014年4月1日、遂に日本の『高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)』が公表されました。今回のライブセミナーでは、作成委員長の島本和明先生が、改訂の重要なポイントをわかりやすく解説します。本動画は、4月8日に実施されたライブ講演会のアーカイブ配信です。ご期待ください。1.ガイドラインの作成方針2.家庭血圧評価と降圧目標3.第一選択薬と併用4.脳・心・腎合併高血圧5.糖尿病合併高血圧6.高齢者・女性の高血圧7.質疑応答(1)8.質疑応答(2)9.質疑応答(3)

4015.

糖尿病合併症、20年間で発生率が大幅に低下:米国/NEJM

 1990~2010年の20年間の糖尿病合併症について調べた結果、発生率が大幅に低下したことが明らかにされた。米国疾病管理予防センター(CDC)のEdward W. Gregg氏らによる報告で、最も低下が大きかったのは急性心筋梗塞で約7割、高血糖緊急症による死亡は6割強減少し、脳卒中、下肢切断もほぼ半減していた。しかし、一方で糖尿病の有病率は上昇を続けているため、著者は「糖尿病の疾病負担は大きいままである」と指摘している。NEJM誌2014年4月17日号掲載の報告より。米国調査データで、1990年と2010年の5つの合併症を比較 ここ数十年で糖尿病の予防ケアは大きく改善されている。著者らはその影響を調べるため、1990~2010年の糖尿病関連の合併症の発生率の傾向を分析した。 分析には、全米健康インタビュー調査、全米退院調査、米国腎臓データシステム、米国人口動態統計からのデータを用いた。2000年時点の米国人口で標準化した年齢で、1990年と2010年との下肢切断、末期腎不全(ESRD)、急性心筋梗塞、脳卒中、高血糖緊急症による死亡に関する発生を比較検討した。急性心筋梗塞の発生率は-67.8%、糖尿病患者 20年間で、検討した5項目すべての発生率が低下していた。最も大きく低下していたのは、急性心筋梗塞-67.8%(95%信頼区間[CI]:-76.2~-59.3%)で、高血糖緊急症による死亡が-64.4%(同:-68.0~-60.9%)、そして脳卒中-52.7%(同:-64.4~-40.9%)、下肢切断-51.4%(同:-68.2~-34.5%)と続いた。発生率の低下が最も小さかったのはESRDで-28.3%(同:-34.6~-21.6%)だった。 発生率の低下は、非糖尿病成人よりも糖尿病成人で大きかった(例:20年間の非糖尿病成人の急性心筋梗塞発生率の低下は-31.2%、脳卒中は-5.5%など)。そのため、糖尿病成人の非糖尿病成人に対する糖尿病関連の相対リスクは縮小していた。たとえば、急性心筋梗塞の1990年における両者間の相対リスクは3.8であったが、2010年には1.8となっていた。 全体集団でみると、有病率の変化が合併症の発生率に影響していることがみてとれた。急性心筋梗塞の発生率(1万人当たり-2.7例)、高血糖緊急症による死亡率(同-0.07例)は低下していたが、下肢切断(同-0.01例)、脳卒中(同0.3例)、ESRD(同1.0例)の発生率は低下していなかった。

4016.

35)妊娠糖尿病の診断基準の覚え方【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■自院の医療スタッフとの会話スタッフ妊娠糖尿病の診断基準が変わったんですよね。医師そうです。診断基準をきちんと覚えておいてくださいね。スタッフはい。どんな診断基準ですか?医師空腹時が92、1時間値が180、2時間値が153をどこか1点でも超えると妊娠糖尿病と診断されます。スタッフ数字が細かくて、覚えられそうにありません。医師いい語呂合わせがありますよ。スタッフどんな語呂合わせですか?医師「急に(92)血糖が高いといわれても、いいや(180)と放っておくと、いいこ(153)はさずかりませんよ!」というのはいかがでしょう。スタッフわかりました。頑張って妊娠糖尿病について勉強してみます。●ポイント語呂合わせで、妊娠糖尿病の診断基準が覚えやすくなります●資料妊娠糖尿病の定義および診断基準(日本糖尿病・妊娠学会 妊娠糖尿病診断基準検討委員会)妊娠糖尿病(GDM): 妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常である。あきらかな糖尿病は含めない。妊娠糖尿病の診断基準: 妊娠中に発見される耐糖能異常hyperglycemic disorders in pregnancyには、75gOGTTにおいて次の基準の1点以上を満たした場合に診断する。1.空腹時血糖値 ≧92mg/dL(5.1mmol/l)2.1時間値 ≧180mg/dL(10.0mmol/l)3.2時間値 ≧153mg/dL(8.5mmol/l)

4018.

1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第7回

第7回:末梢閉塞性動脈疾患:疑わしければABIを、治療は薬だけでなく運動も 欧米では末梢閉塞性動脈疾患 PAD(peripheral arterial disease)と閉塞性動脈硬化症 ASO(arteriosclerosis obliterans)とはほぼ同義とされますが、日本ではPAD=ASO+閉塞性血栓血管炎TAO(Thromboangiitis obliterans)として区別されてきました。その理由は、江戸時代以降1970年代頃まで日本では、TAOが慢性閉塞性動脈疾患の中心を占めていたためです。最近は高齢社会や食生活を含めた生活様式の変化を背景に、TAOが減少しASOが急増して、慢性動脈閉塞症の95%以上を占めるようになり、日本でもPADという表現をASOとほぼ同義に用いることが多くなりました。ASOは無症候性を含め50~80万人/1.3億(3/1000~5/1000)の患者数と推測され、決して少なくありません1)。 PADとは何か、アウトカムは何か、プライマリ・ケアではどのような状況で疑うか、疑ったとき何をするのか、診断後のケアとしてどのような方法があるかを知ることでケアの幅が広がるかもしれません。 以下、本文 American Family Physician 2013年9月1日号2)よりPAD(末梢閉塞性動脈疾患)1.概要PAD(末梢閉塞性動脈疾患)は大動脈弓以遠の狭小化に至る、動脈硬化性疾患である。重度の全身性動脈硬化を反映し、心血管リスク推定時には冠血管疾患と同等に考えるべき疾患である。間欠性跛行(最もよくある症状で、全患者の10%)・四肢虚血・心血管イベント、それによる死亡を引き起こす。2.診断PADリスクは糖尿病・喫煙のほかに、高血圧・脂質異常症・腎不全がある。複数のリスクまたは間欠性跛行がある患者で、病歴と身体所見は診断に有用である。間欠性跛行は脊柱管狭窄症、末梢神経障害、筋骨格疾患、外傷、深部静脈血栓症と鑑別しなければならない。PADの身体所見には皮膚冷感、四肢遠位脈拍触知不良、腸骨/大腿/膝窩動脈雑音聴取、毛細血管再充満時間の延長、非治癒性創傷、光沢のある皮膚、罹患部の無毛、挙上時の四肢蒼白がある。プライマリ・ケアでの診断においてABI(足関節上腕血圧比) は安価で性能のいい検査(感度 90%、特異度 98%)である。ABIで0.9以下の場合(正常範囲 1.0~1.4)、末梢閉塞性動脈疾患を疑う。MRIやCT血管造影検査は手術を検討するときに検討される。ルーチンのスクリーニングが心血管イベントや全死亡を減らすエビデンスがないことから、USPSTF(米国予防医療サービス専門作業部会)はI statement(エビデンスが欠如している、質が悪い、矛盾するエビデンスがある等の理由で、予防方法のメリットと害のバランスを決めるにはエビデンスが不足していると結論づけられる)にとどめている。しかし、ある高リスクの患者群には有用である可能性がある。米国糖尿病協会は50歳以上のすべての糖尿病患者と50歳未満の高リスク患者がスクリーニングされるべきとしている。3.治療治療は運動と薬物療法である。運動療法は、監督下の運動で歩行距離と時間を延ばす(ほとんどの研究で下肢の体操もしくはトレッドミル歩行で30分を2~3回/週)。薬物療法ではスタチンをLDL 100未満として投与すべき(CHD-equivalent)である。症候性のときには抗血小板薬は心筋梗塞や脳卒中や血管死を減らすため、アスピリンやクロピドレル等の処方が推奨される。ACEIに関してはラミプリルが機能障害治療において有用かもしれないが、咳嗽等で使用できないときに他のACEIへの切り替えでも有用かは、さらなる研究が必要である。外科コンサルトは、運動や薬物療法でも生活を制限するような間欠性跛行が改善しないときに行う。重篤な四肢虚血があるときは緊急コンサルテーションが必要である。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 日本循環器学会ほか.末梢閉塞性動脈疾患治療ガイドライン 2) Duane R, et al. Am Fam Physician. 2013;88:306-310.

検索結果 合計:4899件 表示位置:4001 - 4020