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115)健康的な朝食で糖尿病を予防【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者先日、通天閣がブルーになっていましたけど、あれは何ですか?医師あれは、年に1回の「世界糖尿病デー」です。日本だけでなく、全世界でブルーサークルで糖尿病を予防しようという取り組みです。患者なるほど!?医師今年のテーマは朝食でブルーを実行しよう(Go Blue For Breakfast)です。健康的な朝食をとることは糖尿病の予防につながりますからね。患者確かに。医師朝食は和食ですか? それとも洋食ですか?患者パンとコーヒーだけのことが多いです。たまに、寝坊して忘れることもあるんですが・・・。医師そうですか。健康的な朝食にするには何が加わるといいですか?患者卵焼きとサラダですかね。それに、牛乳と果物かな。医師朝食は1日の始めですので、豪華なものでも大丈夫です。患者はい。わかりました。●ポイント世界糖尿病デー関連づけ、健康的な朝食について患者さんと一緒に考えます。 1) Reutrakul S, et al. Chronobiol Int. 2014; 31: 64-71. 2) 香川靖雄. 科学が証明する朝食のすすめ. 女子栄養大学出版部: 2002.

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糖尿病患者へのインフルエンザ予防接種、HbA1c値は抗体保有に影響するのか

 インフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンは、1回の接種で、糖尿病患者の免疫力を十分なレベルまで高めることができ、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが、大阪市立大学の江川 裕美氏らによる研究で明らかになった。ただし、高齢者やBMIが低い患者では、免疫応答が低下する可能性があるという。Human vaccines & immunotherapeutics誌2014年5月号の報告。 糖尿病患者は、インフルエンザの感染やインフルエンザに関連する合併症のリスクが高いと考えられている。そのため、著者らは、糖尿病患者におけるインフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンの免疫原性を評価するために、前向きコホート研究を行った。 糖尿病患者49例にインフルエンザA(H1N1)pdm09ワクチンを接種し、ベースライン時と接種後3週後に赤血球凝集抑制抗体価を測定した。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン接種による重篤な有害事象は認められなかった。・感染症が疑われた1例を除き、48例について分析を行った。・赤血球凝集抑制抗体価は、ワクチン接種により、幾何平均抗体価の約9倍上昇した。・抗体応答割合は79%であった。・抗体保有割合は73%であった。・免疫応答は、より高齢の患者、BMIがより低値の患者ほど低い傾向を示した。・多変量解析の結果、HbA1c値は抗体保有割合に悪影響を及ぼさないことが示された。

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NASHへのオベチコール酸、組織所見は改善するが…/Lancet

 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の治療において、オベチコール酸による組織所見の改善率はプラセボの約2倍に達するが、その効果はNASH診断例を減少させるには十分でないことが、米国セントルイス大学のBrent A Neuschwander-Tetri氏らNASH Clinical Research Networkが行ったFLINT試験で示された。ファルネソイドX受容体は肝臓の脂肪や線維化を抑制することが、脂肪性肝疾患の動物モデルで確認されている。胆汁酸誘導体で、ファルネソイドX受容体のリガンドである6-エチルケノデオキシコール酸(オベチコール酸)は、この受容体のアクチベータである可能性が示唆されている。Lancet誌オンライン版2014年11月7日号掲載の報告。72週投与の有効性を無作為化試験で評価 FLINT試験は、NASHに対するオベチコール酸の有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験。対象は、年齢18歳以上、肝硬変がなく、肝生検で組織学的にNASHが確認され、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の活動性の3項目(脂肪化:0~3点、肝細胞風船様腫大:0~2点、肝葉炎症:0~3点)のスコアがいずれも1点以上で総スコアが4点以上の患者であった。 被験者は、オベチコール酸25mg/日を経口投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられ、72週の治療が行われた。主要評価項目は、線維化の増悪のない、NAFLD活動性スコアのベースラインから治療終了時までの2点以上の減少(組織学的改善)とし、中央判定が行われた。 2011年3月16日~2012年12月3日までに、米国の8施設に283例が登録され、オベチコール酸群に141例、プラセボ群には142例が割り付けられた。ベースラインの平均年齢はオベチコール酸群が52歳、プラセボ群は51歳、男性がそれぞれ30%、37%で、BMI値は35、34であり、脂質異常症が62%、61%、高血圧が62%、60%、糖尿病が53%、52%、脂肪性肝炎が81%、79%に認められ、総NAFLD活動性スコアは5.3点、5.1点であった。組織学的改善率:45 vs. 21%、NASH消散率:22 vs. 13% 治療終了時の肝生検が不適と判定された64例を除く219例(オベチコール酸群:110例、プラセボ群109例)がITT解析の対象となった。この中には、生検の適応と判定されたが施行されなかった19例(8例、11例)が非改善例として含まれた。 肝の組織学的改善率は、オベチコール酸群が45%(50/110例)であり、プラセボ群の21%(23/109例)に比べ有意に高かった(相対リスク[RR]:1.9、95%信頼区間[CI]:1.3~2.8、p=0.0002)。 また、治療終了時に肝生検が行われた200例(102例、98例)では、線維化(35 vs. 19%、p=0.004)、肝細胞風船様腫大(46 vs. 31%、p=0.03)、脂肪化(61 vs. 38%、p=0.001)、肝葉炎症(53 vs. 35%、p=0.006)の改善率は、いずれもオベチコール酸群が有意に優れていた。 一方、NASH消散(治療終了時の肝生検で非NAFLDまたはNAFLDだが非NASH)と判定された患者の割合は、オベチコール酸群が22%(22/102例)、プラセボ群は13%(13/98例)であり、有意差はみられなかった(RR:1.5、95%CI:0.9~2.6、p=0.08)。 オベチコール酸群の検査所見(プラセボ群との比較)として、ALT(p<0.0001)、AST(p=0.0001)、γ-GTP(p<0.0001)、総ビリルビン(p=0.002)が有意に低下し、ALP(p<0.0001)が有意に上昇した。また、総コレステロール(p=0.0009)、LDLコレステロール(p<0.0001)が有意に上昇し、HDLコレステロール(p=0.01)が有意に低下した。さらに、インスリン(p=0.02)、HOMA-IR(p=0.01)が有意に上昇し、体重(p=0.008)が有意に減少した。 オベチコール酸群で、そう痒感の頻度が有意に高かった(23 vs. 6%、p<0.0001)が、他の有害事象の発現状況は両群で類似しており、全般に軽度~中等度であった。 著者は、「線維化などNASHの主要所見の改善がみられたものの、NASH診断例数を減らすには十分ではなかった」とし、「NASHに対するオベチコール酸のベネフィットを確証し、ファルネソイドX受容体リガンドによって誘導される血中脂質の変化の臨床的関連を確定するには、さらに長期の試験を要する」としている。

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65)腎機能低下患者さんへの日常生活でのアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、腎機能の検査結果はどうですか? 医師前回とほぼ同じくらいの値です。 患者腎機能が悪くなっていないか心配で・・・。 医師確かに、そうですね。腎臓に関しては、どんなことに、気をつけておられますか? 患者減塩にはかなり気をつけています。それに、なるべくたんぱく質はとらないようにしているんですが、なかなかできない時もあって・・・。 医師そうですか。減塩の方はきちんとできているようですね。あと、気をつけて欲しいのは、生活リズムの改善です。 患者生活リズムの改善!? 医師そうです。十分な睡眠時間をとってください。特に、5時間未満は寝不足です。もちろん、9時間以上の寝過ぎも良くないのですが・・・。 患者はい。わかりました。早めに寝て、睡眠時間を確保するようにします。●ポイント減塩やたんぱく質制限に加え、生活リズムの改善をわかりやすく説明します 1) Ohkuma T, et al. Plos One. 2013; 8: e78968.

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アリスミアのツボ Q15

Q15新規抗凝固薬が3種類もあるのですが、同じでしょうか? 異なるならどのような考え方で臨めばよいのでしょうか?私は、「同じではない。異なる」と思っています。※当該質問は2014年8月にいただいたものです。現在の状況とは異なりますのでご了承ください。添付文書をみても大きく異なるARBなどのように「クラス」といわれる薬物があります。小さな違いはあるにせよ、大きな違いがないからそのように呼ばれるのでしょう。新規抗凝固薬は「NOAC」と呼ばれるので、あたかもクラスのようです。しかし、それぞれの添付文書をみてみましょう。禁忌も異なれば、用法用量も異なれば、用量選択も異なれば、慎重投与対象や薬物相互作用も異なっています。各新規抗凝固薬を用いた大規模臨床試験の結果も異質性があるのですが、そんなことを考えなくても添付文書がこれらの薬物は明らかに大きく異なることを教えてくれています。大規模臨床試験の結果をつぶさにみても迷路にはまる異なるのであれば、どれがベストの薬かと考えたくなり、臨床効果を検討した大規模臨床試験の成績をみて、対照薬であるワルファリン群との優越性や非劣性に注目したくなります。私もそのような時期がありましたが、結局迷路にはまるだけでした。ワルファリン群というのが曲者で、それぞれの試験で微妙に目標となるPT-INRが異なったり、コントロールの質が異なったり・・・。ワルファリン群というと1つの群のようですが実に種々雑多なものの寄せ集めです。寄せ集めを標準として、間接的にNOAC同士を比較してもナンセンスでしょう。そもそも、ベストなNOACというものはないのですから・・・。重要なのは「価値観」と「薬物の強み」それ以来開き直りました。患者が何を望んでいるか、自分が患者に何をしてあげたいかから出発することにしました。それが価値観です。患者によって異なるはずですが、NOACを用いる際の価値観は、「脳梗塞をできるだけ少なくしたい」、「大出血をできるだけ少なくしたい」、「薬物アドヒアランスをできるだけ上げたい」、「患者が支払う窓口コストをできるだけ下げたい」の4つぐらいでしょう。そして、この4つをすべて満たす薬物はないのですから、どれが最も重要かという点で、患者と医師が価値観の共有をすべきだと思います。患者が「先生にお任せします」という場合は、自分が最も重要だと思うところを伝え共有してもらうのです。価値観が決まれば薬の選択は容易もちろん、患者の背景因子(たとえば腎機能)によって、使える薬が限定されてしまう場合がありますが、そのときはそれを使うしかありません。しかし、そのような限定条件がないのであれば・・・、価値観が薬物を決定してくれると思います。「脳梗塞をできるだけ少なく・・・」ダビガトラン 150 mg 1日2回「大出血をできるだけ少なく・・・」腎機能低下例ではアピキサバン(用量は添付文書に沿う)腎機能良好例では ダビガトラン 110 mg1日2回「服薬アドヒアランスをできるだけ高く・・・」リバーロキサバン(用量は添付文書に沿う)「窓口コストをできるだけ低く・・・」ワルファリン異論や反論はもちろんあるでしょう。あくまでも、私はこう考え、こうしているということを紹介しました。そして、このように考えるようになってから、患者の価値観は実に人によってさまざまであるということも知りました。

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新世代ステント、ベアメタルに比べリスクを3~6割減少/BMJ

 エベロリムス溶出性コバルトクロムステントは、ベアメタルステントに比べ、心臓死や心筋梗塞、ステント血栓症などの発生リスクを約3~6割超減少することが明らかにされた。オランダ・エラスムス大学医療センターのMarco Valgimigli氏らが、5件の無作為化比較試験、被験者総数4,896例を組み込んだ患者レベルのメタ解析の結果、報告した。これまでの試験結果では、新世代の薬剤溶出ステントと第一世代溶出ステントを比較したものが大部分で、ベアメタルステントとの比較試験は少なく、両者のアウトカム比較は十分ではなかったという。BMJ誌オンライン版2014年11月4日号掲載の報告より。心臓死率を主要評価項目に検討 研究グループは、Medline、Embase、コクラン比較試験レジストリ(Cochrane Central Register of Controlled Trials)を検索し、エベロリムス溶出性コバルトクロムステントとベアメタルステントについて行った無作為化比較試験について、患者レベルでのメタ解析を行った。 主要評価項目は、心臓死率だった。副次評価項目は、心筋梗塞、確定ステント血栓症、確定または可能性の高いステント血栓症、標的血管再血行再建術、全死因死亡の発生率だった。心臓死リスクは0.67倍、心筋梗塞リスクは0.71倍に 5件の無作為化比較試験、被験者総数4,896例についてメタ解析を行った。追跡期間の中央値は、720日だった。 その結果、エベロリムス溶出性コバルトクロムステントの心臓死リスクは、ベアメタルステント群に比べて約0.67倍に減少した(ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間:0.49~0.91、p=0.01)。 また副次評価項目についても、心筋梗塞(HR:0.71、p=0.01)、確定ステント血栓症(同:0.41、p=0.005)、確定または可能性の高いステント血栓症(同:0.48、p<0.001)、標的血管再血行再建術(同:0.29、p<0.001)のいずれの項目でも、リスクが有意に減少した。なお、全死因死亡の発生率については有意差はみられなかった(同:0.83、p=0.14)。 これらの所見は、臨床的にみられた症状(急性冠症候群vs. 安定冠動脈疾患)や糖尿病、性別(女性)、GP IIb/IIIa受容体拮抗薬、および抗血小板療法期間(1年vs. 長期)で補正後の多変量回帰分析でも変わらなかった。

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女性は男性より有害な心血管代謝プロファイルを示す―日本の糖尿病患者

 日本人の糖尿病患者は、男性よりも女性のほうが有害な心血管代謝プロファイルを示すことが、兵庫医科大学の若林 一郎氏による研究で明らかになった。日本の糖尿病女性は、男性よりも腹部肥満、高脈圧、高LDLコレステロール血症、低HDLコレステロール血症、メタボリックシンドロームの有病率が高いという。Journal of women's health誌オンライン版2014年11月14日号の報告。 糖尿病患者の心血管疾患リスクの性差に関する研究は、主に欧米で行われており、日本人を含むアジア人を対象とした報告は限られている。 そのため、本研究では、日本の地域住民の健康診断データベースから糖尿病患者1,707例を抽出して横断研究を行い、心血管代謝リスク因子を男女で比較した。男性1,138例、女性569例で男女比を2:1とし、年齢を一致させて検討を行った(男女とも53.8±7.4歳)。 主な結果は以下のとおり。・女性のウエスト・身長比は男性と比較し、有意に高かった。・BMIは男女で有意な差を認めなかった。・女性の拡張期血圧は、男性と比較し、有意に低かった。・女性の脈圧は、男性と比較し、有意に高かった。・収縮期血圧は、男女で有意な差を認めなかった。・女性のLDLコレステロールは、男性と比較し、有意に高かった。・女性のトリグリセリド(対数変換)は、男性と比較し、有意に低かった。・女性の脂肪蓄積量(対数変換)は、男性と比較し、有意に高かった。・女性の腹部肥満のオッズ比は2.00 であった(vs 男性、95%CI: 1.48~2.69)。・女性の高脈圧のオッズ比は1.48であった(vs 男性、95%CI: 1.15~1.91)。・女性の高LDLコレステロール血症のオッズ比は、1.48であった(vs 男性、95%CI: 1.13~1.92)。・女性の低HDLコレステロール血症のオッズ比は、1.77であった(vs 男性、95% CI: 1.32~2.37)。・女性のメタボリックシンドローム(IDF基準)のオッズ比は、1.68であった(vs 男性、95%CI: 1.28~2.21)。

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RA系阻害薬服用高齢者、ST合剤併用で突然死リスク1.38倍/BMJ

 ACE阻害薬またはARBのRA系阻害薬服用中の高齢患者では、経口ST合剤(トリメトプリム+スルファメトキサゾール)は突然死のリスクを増大することが、カナダ・トロント大学のMichael Fralick氏らによる住民ベースのコホート内症例対照研究の結果、明らかにされた。著者らは、同リスクの増大は、ST合剤により誘発された高カリウム血症によるものと推測され、高カリウム血症リスクの重大性を認識していなかったことに起因する可能性を指摘した。所見を踏まえて著者は「ACE阻害薬やARB服用中の患者が抗菌薬投与を必要とする際、担当医師は、トリメトプリムを含有しない抗菌薬を選択するか、トリメトプリムベースの治療を続けるにしても用量や投与期間を制限するとともに血清カリウム値のモニタリングを密に行うべきである」と提言している。BMJ誌オンライン版2014年10月30日号掲載の報告より。66歳以上のACE阻害薬、ARB服用者の抗菌薬投与後突然死を調査 ACE阻害薬またはARB服用中のST合剤投与は、アモキシシリンが関連した高カリウム血症による入院リスクが7倍と増大することが知られていた。研究グループは、それらの知見を踏まえて突然死との関連を明らかにする検討を行った。 1994年4月1日~2012年1月1日に、カナダ・オンタリオ州の住民でACE阻害薬またはARB治療を受けている66歳以上の高齢者を対象に行われた。外来で、ST合剤、アモキシシリン(商品名:サワシリンほか)、シプロフロキサシン(同:シプロキサンほか)、ノルフロキサシン(同:バクシダールほか)、ニトロフラントイン(国内未発売)のうちいずれか1つの処方を受けており、その直後に死亡していた人を症例群とし、各症例について、年齢、性別、慢性腎臓病、糖尿病に関する適合を行った(最大4項目)。 主要評価項目は、突然死と各抗菌薬曝露との関連についてのオッズ比(OR)で、アモキシシリンを参照値とし、疾患リスク指数別の突然死予測で補正後に算出し評価した。ST合剤服用後の突然死リスク、最大値は14日時点で1.54倍 対象期間中に、3万9,879例の突然死が報告されており、そのうち、抗菌薬曝露後7日以内の突然死の発生は1,027例であった。 適合対照群3,733例との検討において、アモキシシリンと比べて、補正後ORが最大であったのは、ST合剤で1.38(95%信頼区間[CI]:1.09~1.76)であった。同投与によるリスクは14日時点が最も高く、補正後ORは1.54(同:1.29~1.84)。すなわち、ST合剤を1,000例処方するごとに、14日以内の突然死が3例発生することが示唆された。 次いでシプロフロキサシンの7日以内突然死の補正後ORも1.29(同:1.03~1.62)とリスク増大が示されたが、ノルフロキサシン(OR:0.74)、ニトロフラントイン(OR:0.64)ではリスクの増大は認められなかった。

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アリスミアのツボ Q14

Q14上室頻拍はすべてカテーテルアブレーションすべきでしょうか?循環器内科医としてはすべてアブレーションの適応と答えたいのですが・・・。ほとんどすべての上室頻拍がアブレーションで根治できるいまださまざまな議論のある心房細動に比べて、ほぼすべての上室頻拍がアブレーションで根治可能な時代となっています。それを知っているので、すべての上室頻拍はアブレーションで治してしまったほうがよいと、循環器内科医の私は思います。患者はさまざまとはいっても、上室頻拍の生命予後は良好です。したがって、上室頻拍治療の目的は、患者が将来上室頻拍のため日常生活で困らないようにしてあげることです。そして、患者はさまざまなのです。上室頻拍の頻度もさまざま、上室頻拍の持続時間もさまざま、その際の症状もさまざま、カテーテルアブレーションという治療行為に対する印象もさまざまです。一生に数度しか上室頻拍発作がなくてもそのたび病院を救急受診して薬物で止めてもらうということを経験した患者は、もうなんとかこの発作から解放されたいと願うでしょう。あるいは、救急受診するにしても10年に1、2度だからそれでいいと考える患者もいるでしょう。カテーテルアブレーションという医療行為が怖くて仕方がないという患者もいるでしょう。根治療法があることを伝える私は内心カテーテルアブレーションしたらいいのにと思いながらも、そのような根治療法があり、いつでもそれを受けることができるという説明にまず留めています。すぐに「カテーテルアブレーションを受けたいので、予定を・・・」という患者もいれば、「家に帰って一度考えてみます」という患者もいれば、「今のところはまだ薬の頓服でいいです」という患者もいれば、その対応は本当にさまざまです。私は、「患者の望むように」というスタンスです。最終的にはいずれカテーテルアブレーションを行うことになると感じているのですが、そのタイミングは医師が強制するものではなく、患者に決めてもらってよいのではないでしょうか。

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コーヒーをよく飲む糖尿病者はうつが少ない

 糖尿病患者では、非糖尿病者よりもうつ病の頻度が高いとの報告がある。うつ病と糖尿病には因果関係や双方向の関連性がみられるが、これまで糖尿病患者の食品摂取頻度が抑うつ症状に及ぼす影響について、十分に検討されていなかった。長崎県立大学の大曲 勝久氏らは、糖尿病患者における食品摂取頻度を調査し、コーヒー摂取が非抑うつ状態の独立した予測因子であることを明らかにした。Journal of clinical biochemistry and nutrition誌2014年9月号(オンライン版7月31日号)の掲載報告。 本検討は日本人2型糖尿病患者89例(年齢62.8±7.8歳)を対象とした横断研究。自記式質問票を用いて、食品摂取頻度、糖尿病の変数、身体活動、抑うつ状態(HADSの抑うつ・不安項目)を調査した。抑うつ状態は、HADSの総スコアが10超の場合を うつ病“definite”(確実)例、8~10を“probable”(ほぼ確実)例と定義した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病“definite”例(以下、うつ病群)は、16.9%であった。・うつ病群と非うつ病群において、糖尿病罹患期間、HbA1c値、糖尿病性細血管合併症、身体活動レベルは同程度であった。・うつ病群の患者は、非うつ病群と比べて、総脂質量、n-6系多価不飽和脂肪酸、脂質エネルギー比率が有意に低く、炭水化物エネルギー比率は有意に高かった。・コーヒー摂取は抑うつ症状と逆相関の関係にあったが、紅茶や緑茶と抑うつ症状との間に有意な関連は認められなかった。・ロジスティック回帰分析の結果、糖尿病患者において、コーヒー摂取は非抑うつ状態の独立した予測因子であった。これは、コーヒーに含まれるカフェイン以外の生物活性化合物の働きによると考えられる。

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64)患者さんにインスリン分泌能を聞かれた時の回答法【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者先生、私頑張っているのに、以前のようになかなか血糖値が下がらなくて・・・。 医師それでは、一度、身体の中から血糖値を下げるインスリンというホルモンが、どのくらい出ているかを計算してみましょう。 患者よろしくお願いします。 医師正常な人の平均を100とすると、半分くらい(50~60%)になった時点で糖尿病と診断され、15%くらいになるとインスリン療法が必要となったという報告があります。 患者なるほど。私は何%くらいですか? 医師最初は50%近くあったんですが、今は25%前後ですね。 患者なるほど。前よりも頑張っているのに、血糖値が上がるわけですね。 医師頑張っておられるので、薬も少なめでコントロールできています。この調子でお願いします。 患者はい。わかりました(嬉しそうな顔)。●ポイントインスリン分泌能と血糖コントロールの関係を、上手に説明できるといいですね●解説2型糖尿病を対象に行われた英国のUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)によると、糖尿病と診断された時点ですでにインスリン分泌能の50%前後、年間で約4%の割合で減少し、15%前後となった時点でインスリン治療が必要となったという経過が報告されています。これはC-ペプチドからSUITO指数も算出できます。・HOMA-β指数=[(空腹時インスリン(U/mL)/(空腹時血糖(mg/dL)-63)×360]・SUITO指数=[(空腹時C-ペプチド(ng/mL)/(空腹時血糖(mg/dL)-63)×1,500] 1) Tabak AG, et al. Lancet. 2006; 373: 2215-2221. 2) U.K.prospective study 16. Diabetes. 1995; 44: 1249-1258. 3) Matsumoto S, et al. Transplant Proc. 2011; 43: 3246-3249.

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アリスミアのツボ Q13

Q13たまたま見つかった無症候性の発作性心房細動はどう対処するべきでしょうか?脳梗塞予防のみを行い、心房細動はまずその行方を観察するに留めておきます。最近よく見かけるたまたま健診で捕まった発作性心房細動社会の高齢化のためでしょうか、最近よく出会うのが・・・、健康診断の心電図で偶然見つかった心房細動で受診を促されたものの、受診時には洞調律だったという例です。自然に洞調律に復しているので、発作性心房細動です。しかし、本人につぶさに問診しても、まったく症状らしきものがなく(健康診断を受けたぐらいですから、そうでしょう)、定義上「無症候性発作性心房細動」で、私の前にいるときは洞調律という患者です。まずは脳梗塞リスクを考える発作性心房細動でも、持続性・永続性と同じように脳梗塞が生じることが知られています。だから、まず、脳梗塞予防を脳梗塞リスクに応じて行うことが基本となります。なんとなく、一度健康診断だけで偶然見つかった無症候性発作なのに、脳梗塞予防まで必要?と感じてしまうのですが・・・。心臓血管研究所では、無症候性発作性心房細動の行方を追ってみたことがあります。このような無症候性発作性心房細動は、症状のある発作性心房細動よりもむしろ速いスピードで持続性心房細動に移行していたのです。「たまたま見つかった」無症候の発作性心房細動だからといって、症状のある発作性心房細動となんら大きな違いはありません。実際、脳梗塞の発症リスクは、無症候性と有症候性で違いはありませんでした。見つかったときが脳梗塞リスクを患者に伝えるチャンスなのです。その心房細動の行方は・・・無症候ですから、発作の頻度や持続時間はとうてい知ることができません。状況がわからないのに、心房細動の治療を行ったとしても、その治療効果の判定ができません。判定できないからこそ、心房細動自身に対する治療は行わず、経過観察することにしています。やがて、いつの日か持続性心房細動に移行するでしょう。そのときが治療のチャンスです。少し遅れ気味になってしまいますが、治療の効果も判定することが初めてできるようになります。私は、持続性心房細動に移行して1年以内が、カテーテルアブレーションという治療を行う価値のある最初のそして最後の猶予期間だと患者に伝えています。 

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日本男性の勃起硬度はアレと関連していた

 日本人男性7,710人を対象としたWEBベースの断面全国調査において、1日2箱以上の喫煙、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病の既往は、勃起の硬さスケール(EHS: Erection Hardness Score)※の低さと有意な関連を認めることが、東邦大学の木村 将貴氏らによる研究で明らかになった。EHSは、加齢、性行為、性的自信、勃起不全(ED)関連のリスク因子などさまざまな要素と相関が認められた。また、EHSは、EDのモニタリングや治療において有益であり、男性とそのパートナーの性生活の質を改善するための貴重なツールとなりうると考えられる。Sexual medicine誌2013年12月号の報告。 勃起の硬さは、男性の性生活の質を測る要素の一つであり、EHSによって簡単に測定することができる。しかし、日本においては、EHSに関することや、EHSと老化、男性の性的行動、性的自信、リスク因子との関連についての報告は少ない。 そのため、本研究では、日本人におけるEHSと老化、性行動、性的自信、リスク因子との関連について、2009年3~5月にWEBベースの断面全国調査を行った。主要評価項目は、EHS、ライフスタイル因子、併存疾患、健康状態、性的自信、性行為の頻度、EDの治療に対する姿勢であった。 主な結果は以下のとおり。・男性7,710人(平均39.3±13.0歳)が調査に参加した。・ホスホジエステラーゼ5阻害薬を使用していたのは6,528人であった。・EHS 3以下は3,540人(54.2%)、2以下は1,196人(18.3%)であった。・EHS、性的満足、性行為の頻度の減少は、年齢依存性の有意な関連を認めた。・性的な自信は、EHSの高さと強い関連を認めただけでなく、より高齢のグループ、子孫の存在、健康に対する意識がより高いこと、性行為がより高頻度であることとも関連していた。・多変量ロジスティック回帰分析の結果、年齢で調整後のEHS 2以下のリスク因子は、1日2箱以上の喫煙(オッズ比1.7)、メタボリックシンドローム(オッズ比1.4)、高血圧(オッズ比1.2)、糖尿病(オッズ比 1.4)の既往であった。 ※勃起の硬さスケール(EHS):患者自身がED を簡単にチェックできる評価スケール(EHSの結果だけではEDの診断はできない)グレード0:陰茎は大きくならない。グレード1:陰茎は大きくなるが、硬くはない。グレード2:陰茎は硬いが、挿入に十分なほどではない。グレード3:陰茎は挿入には十分硬いが、完全には硬くはない。グレード4:陰茎は完全に硬く、硬直している。

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医薬品企業、医療機器企業が共同で糖尿病啓発

 2014年11月6日、田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:三津家 正之)とジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニー(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:日色 保)は、共同で日本の糖尿病患者の良好な血糖コントロールを支援する啓発活動を推進すると発表した。 田辺三菱製薬は2型糖尿病治療剤(選択的DPP-4阻害剤「テネリア錠20mg」、SGLT2阻害剤「カナグル錠100mg」)の製造販売元、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニーは自己検査用グルコース測定器 (ワンタッチウルトラビュー他)を販売している。 今回の取り組みは、血糖変動パターンを捉えて血糖コントロールを実現していくことの重要性を普及・啓発するもの。医薬品企業と医療機器企業の双方が連携し、患者向け小冊子の配布、医療従事者向けセミナーや講演会での情報提供などを協力して行う。 従来、患者啓発は医薬品企業、医療機器企業が別途に行っていたが、全国規模で両者が連携しての活動は新たな取り組みといえる。田辺三菱製薬プレスリリースジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニープレスリリース

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CareNet座談会 「高齢者の肺炎診療 ~新しい肺炎球菌ワクチンで変わる高齢者肺炎予防~」

<座長><出席者>高齢者肺炎の現状と肺炎球菌ワクチンの重要性賀来(座長) 本日は、感染症の専門の先生方にお集まりいただき、高齢者の肺炎の現状と新しい肺炎球菌ワクチンについて伺います。私どもは東日本大震災後の感染症について解析しており、災害後の集団感染リスクから被災者を守る必要性を感じています。震災後に東北大学病院に入院した感染症患者は、高齢者の誤嚥性肺炎を含めた市中肺炎などの呼吸器感染症が67%を占め、肺炎の原因菌の25.8%が肺炎球菌であり(図1)1)、肺炎球菌ワクチン接種による肺炎発症予防の重要性を感じました。図1 東北大学病院における震災関連感染症の解析画像を拡大するはじめに、高齢者における肺炎球菌感染症対策の重要性について伺います。門田 肺炎はわが国の死因の第3位の疾患であり、死亡者の大半を高齢者が占める現状がありますが、なかでも肺炎球菌による肺炎が多く、65歳以上の市中肺炎入院患者を対象とした検討では肺炎球菌が約30%を占めることが報告されています2)。また、生命を脅かす重篤な疾患である髄膜炎や敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症も高齢者に多く起こりますので、肺炎球菌感染症の予防はきわめて重要です。三鴨 高齢者ではさまざまな基礎疾患を有することが多く、それらが肺炎リスクを高めていると考えられます。例えば、糖尿病患者では白血球の貪食能、殺菌能の低下により、感染症リスクが高まると考えられます。また、脳梗塞や一過性脳虚血発作の後遺症がある場合は、誤嚥が関連する肺炎のリスクが高いと考えられます。さらに、高齢者に対する治療を考えると、腎機能低下例が多いために抗菌薬療法を十分に行えない可能性があります。腎機能や肝機能に留意した治療が求められるのが高齢者の特徴です。賀来(座長) 誤嚥は肺炎の要因になりますが、そこでも原因菌として肺炎球菌は重要でしょうか。門田 誤嚥の疑いのある高齢者の肺炎において肺炎球菌が26%を占めていたという報告もあり3)、意外に多いことが明らかになりつつあります。三鴨 とくに不顕性誤嚥(睡眠中に無意識のうちに唾液などが気道に入る)があると誤嚥性肺炎のリスクが高まり、免疫機能の低下が加わることでさらにリスクが増加します。肺炎球菌が意外に多いことを考えると、やはり肺炎球菌ワクチンによる予防が重要となります。また、高齢者の基礎疾患と肺炎リスクは関連があると考えられますので、高齢者全員にワクチンを接種するユニバーサルワクチネーションの考え方が重要です。高齢者肺炎の診断と病態の特徴賀来(座長) 次に、高齢者肺炎の診断と病態の特徴について伺います。門田 高齢者肺炎において注意していただきたいのは、細菌性肺炎であっても白血球数が上昇しない場合があること、また、症状が潜在性の場合があることです。典型的な症状がなくとも、食欲減退・不活発・会話の欠如などがあり、肺炎が疑われる場合には早めに胸部画像検査をしていただきたいです。三鴨 高齢者の肺炎で、もう1つ臨床上重要な点は、不顕性誤嚥があると肺炎を繰り返す例が多いことです。門田 肺炎を繰り返すと、抗菌薬治療を繰り返すことで耐性菌が出現するリスクも高まります。三鴨 おっしゃるとおりです。そのため、私たちは高齢者の肺炎患者に対しては退院時に積極的に肺炎球菌ワクチンを接種するようにしています。新しい肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)のエビデンス賀来(座長) これまで高齢者に対しては肺炎球菌多糖体ワクチン(PPV)が用いられてきましたが、先頃、小児において使用実績の高い肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が成人(65歳以上)に対しても適応が認められ、選択肢が広がりました。この新しいワクチンの特徴と期待されるメリットについて伺います。門田 PPVは肺炎球菌の莢膜多糖体を抗原とするワクチンですが、PCV13は莢膜多糖体にキャリアタンパクを結合させたワクチンであり、免疫原性が高いことが特徴です(図2)。図2 多糖体ワクチンと結合型ワクチンにより誘導される免疫応答の概略画像を拡大するキャリアタンパクを結合することでB細胞のみならずT細胞を活性化することが可能であり、免疫応答の惹起に加え、メモリーB細胞を介した免疫記憶の確立が期待できます。賀来(座長) これらの特徴は臨床試験からも確認されているのでしょうか。三鴨 国内における第III相試験4)では、肺炎球菌ワクチン未接種の65歳以上の日本人高齢者764例を対象として、従来のPPVを対照群とする非劣性試験が実施されました。接種1ヵ月後のオプソニン化貪食活性(OPA)を比較した結果、両ワクチンに共通する12種類の血清型のいずれについてもPCV13はPPVに対して非劣性を示しました。このうち9血清型についてはPCV13におけるOPAの有意な上昇が認められ、PCV13の免疫原性が示されました(図3)。図3 ワクチン血清型別OPA*幾何平均力価比画像を拡大する一方、海外における第III相試験5)では、1回目にPCV13またはPPVを接種し、その3~4年後にPPVを再接種した場合のOPAの上がり方を検討しており、PCV13を接種した群における再接種時の免疫応答からPCV13による免疫記憶の確立が示されています(図4)。この結果から、1回目にPCV13を接種すると、PCV13に続いて2回目に接種されるワクチンの免疫応答も増大すると考えられ、今後、両ワクチンの特性を活かして接種スケジュールを検討する際の参考にできると思います。図4 肺炎球菌ワクチンの2回目接種前後のワクチン血清型別OPA画像を拡大する高齢者に対する肺炎球菌ワクチン接種の今後の展望賀来(座長) PCV13が高齢者にも使用可能になったことにより肺炎球菌感染症の予防にさらなる期待がもたれます。今後、高齢者へのワクチン接種をさらに普及させるうえでどのような方策が必要でしょうか。門田 日本呼吸器学会では「ストップ肺炎キャンペーン」を展開しており、一般向け・医療従事者向けの冊子をWebでも公開しています6)。今後、呼吸器科のみならず他科の先生方にも肺炎予防の重要性を周知し、他疾患領域の学会とも連携して取り組む必要があると思います。三鴨 糖尿病やリウマチでは、新薬の登場により治療成績が向上していますが、その一方で感染症リスクが高まる場合もあるため、高齢者の感染症予防に対する関心が高まっています。こうした面からも肺炎球菌ワクチン接種の意義を訴求していけると思います。また、ワクチンの普及には行政の役割も重要です。2014年10月から、65歳以上を対象に成人用肺炎球菌ワクチンが定期接種化されました(表1)。国の制度では5年間で順次接種することになっていますが、私はすべての高齢者に接種することが望ましいと考えています。そのため、居住地である岐阜市の市長がワクチン接種の公費助成に力を入れる方針を示していることを知り、この地域に居を構えるアカデミアの一人として肺炎球菌ワクチンについて提言を行いました(表2)。その結果、岐阜市では本年度に65歳以上全員を接種対象として予算を組んでくれました。高齢者医療はこうした比較的小規模な枠組みからも改善でき、非常に重要な動向であると思っています。賀来(座長) 本日は、高齢者に対する肺炎球菌ワクチンの現状と今後の展望について詳細にお話を伺うことができました。皆さま、ありがとうございました。表1 65歳以上の成人用肺炎球菌ワクチン定期接種(B型)の経過措置を含めた接種対象年齢画像を拡大する表2 肺炎球菌ワクチンについての提言画像を拡大する参考文献1)賀来 満夫. 日本内科学会雑誌. 2014; 103: 572-580.2)石田 直. Infection Control. 2005; 14: 645-649.3)Ishida T, et al. Intern Med. 2012; 51: 2537-2544. 4)ファイザー(株) 社内資料 国内第Ⅲ相試験(非劣性試験、未接種者、B1851088試験).5)Jackson LA, et al. Vaccine. 31; 2013: 3594-3602.6)日本呼吸器学会ホームページ PCV13についての詳細は製品添付文書をご覧ください。

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事例27 注入器用注射針の査定【斬らレセプト】

解説事例では、支払基金からD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)を理由に、万年筆型注入用注射針は算定できないと「突合点検結果連絡書」が届いた。突合点検結果連絡書とは、「院外処方せんに基づき調剤薬局が処方した調剤レセプトと医療機関のレセプトを電子的に突き合わせ、査定が発生した場合に医療機関の診療報酬から相殺することを予告する文書」である。毎月18日までに不一致の申し出として異議申し立てができる。請求レセプトを確認するとカルテ内容に応じてC101 在宅自己注射指導管理料、C150 血糖自己測定器加算、C153 注入用注射針加算が算定されていた。院外処方せんでは、注入用注射針が処方されていた。診療報酬点数表で注入用注射針加算の算定要件を確認すると、その留意事項には「注入器用注射針を処方した場合に算定できる」とある。処方した場合とは自院で処方・投与された場合を指すものであり、注入用注射針加算が算定されている場合は、院内で投与済みと判断される。したがって、注入用注射針加算算定時の院外処方せんにおける注入用注射針の処方は、重複として算定ができないのである。

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63)お酒が好きな患者さんに検査値を説明するコツ【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者夏になると缶ビールがおいしくて、つい飲みすぎちゃうんです。医師確かにそうですね。1缶だけじゃなくて、2缶とか・・・患者調子にのって、3缶目にいくこともあります。医師そうですか。ちょっと、この検査を見てもらえますか。ここです。患者A1cですか。医師そうです。これ缶ビールにも書いてありませんか?患者そりぁ、アルコール(Alc)のことですね。ハハハ。 医師缶ビールのアルコールは5%ですが、血糖コントロールの指標であるHbA1cも正常な人は5%台です。患者私は7.6%とかなり高いですね。調子にのって、2缶、3缶と飲み過ぎていてはいけませんね(気づきの言葉)。●ポイント身近な話題を取り上げて、検査値について復習できるといいですね

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LDL-C上昇と大動脈弁疾患の遺伝学的関連/JAMA

 LDLコレステロール(LDL-C)上昇の遺伝学的素因は、大動脈弁石灰化や大動脈弁狭窄症の発症と関連することが、スウェーデン・ルンド大学のJ Gustav Smith氏らCHARGEコンソーシアムの研究グループの検討で明らかとなった。この知見は、LDL-Cと大動脈弁疾患の因果関係を示すエビデンスだという。これまでに血漿LDL-C値と大動脈弁狭窄症の関連が観察研究で示されているが、弁疾患患者に対する脂質低下療法の無作為化試験では、疾患進行の抑制効果は確認されていない。JAMA誌2014年11月5日号(オンライン版2014年10月26日号)掲載の報告。4つのコホート試験で遺伝学的素因の関与を評価 CHARGEコンソーシアムは、欧米で進行中の長期的な大規模前向きコホート試験で、メンデル無作為化試験デザインが採用されている。今回の検討では、LDL-C、HDL-C、トリグリセライド(TG)と大動脈弁疾患の関連への遺伝学的素因の関与について解析が行われた。 対象は、CHARGEコンソーシアムに含まれる3つの地域住民ベースのコホート試験[フラミンガム心臓研究(FHS、米国、1971~2013年、1,295例)、Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis試験(MESA、米国、2000~2012年、2,527例)、Age Gene/Environment Study–Reykjavik試験(AGES-RS、アイスランド、2000~2012年、3,120例)]に参加した6,942例と、Malmo Diet and Cancer 試験(MDCS、スウェーデン、1991~2010年)の2万8,461例であった。 解析には、遺伝学的リスクスコア(GRS)が用いられた。GRSは血漿脂質値上昇の遺伝学的素因の指標で、ゲノムワイド関連解析で同定された一塩基多型(SNP)に基づく。CHARGEコホートのCT所見から大動脈弁石灰化を定量化し、MDCSコホートの追跡データから大動脈狭窄の評価を行った。HDL-C、TGのGRSとの関連はない ベースライン時の4つのコホートの平均年齢は58~76歳、女性が47~60%で、全員が白人であった。 3つのCHARGEコホートにおける大動脈弁石灰化の発症率は32%(2,245例)であった。また、MDCSコホート(フォローアップ期間中央値16.1年)の473例が大動脈狭窄症を発症し(発症率:17/1,000人)、205例に大動脈弁置換術が行われた(施行率:7/1,000例)。 血漿LDL-C値は大動脈弁狭窄症と有意に関連した(ハザード比[HR]:1.28、95%信頼区間[CI]:1.04~1.57、p=0.02)。四分位解析では、LDL-C値が最も低い群の大動脈弁狭窄症の発症率は1.3%、最も高い群は2.4%であった。HDL-CおよびTGには、大動脈弁狭窄症との間に関連はみられなかった。 LDL-CのGRSは、CHARGEコホートにおける大動脈弁石灰化の発症(GRSの増分のオッズ比[OR]:1.38、95%CI:1.09~1.74、p=0.007)およびMDCSコホートにおける大動脈狭窄症の発症(2.78、1.22~6.37、p=0.02)と有意な関連が認められた。HDL-CおよびTGのGRSには、石灰化、狭窄症との関連はなかった。 感度分析を行ったところ、LDL-CのGRSは大動脈弁石灰化(p=0.03)および大動脈弁狭窄症(p=0.009)との相関が維持されており、操作変数(instrumental variable)解析でもLDL-Cの上昇は大動脈弁狭窄症のリスクと有意な関連を示した(HR:1.51、95%CI:1.07~2.14、p=0.02)。 著者は、「約7,000例の症状発症前の大動脈弁石灰化のデータと、2万8,000例以上を15年以上追跡した大動脈弁狭窄症のデータにより、GRSに基づく遺伝学的なLDL-Cの上昇が石灰化および狭窄症と関連することが示された」とまとめ、「早期のLDL-C低下療法による介入の、大動脈弁疾患の予防効果を検討する試験の実施が望まれる」と指摘している。

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