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6.5時間未満の睡眠で糖尿病リスク上昇

 睡眠時間が6.5時間未満の人は、7時間以上の人よりも糖尿病発症リスクが高いことが、新潟大学の平安座 依子氏らの研究で明らかになった。しかし、年齢が上がるほど糖尿病発症リスクに対する短時間睡眠の影響は薄れるという。Diabetic medicine誌オンライン版2014年7月30日号の報告。 本研究では、短時間の睡眠が糖尿病のリスク因子になるのかについて、異なる世代の成人で比較検討した(新潟ウェルネス研究)。 対象は非糖尿病の日本人3万8,987人。睡眠時間の違い(5.5時間未満、6.5時間未満、7.0時間未満、7.5時間未満、8.0時間未満、8.0時間以上)による8年間の糖尿病発症リスクを異なる世代(45歳以下、 46~59歳、60歳以上)で検討した。 主な結果は以下のとおり。・観察期間8年の間に、2.085人が糖尿病を発症した。・糖尿病発症リスクは、7時間以上7.5時間未満の睡眠を取っている群と比較し、5.5時間未満群で1.53倍(95% CI:1.19~1.97)、6.5時間未満群で1.25倍(95% CI:1.10~1.42)高かった。・6.5時間未満の睡眠は、45歳以下の群の糖尿病発症予測因子であったが、60歳以上の群では否定された。・年齢が上がるほど、糖尿病発症リスクに対する短時間睡眠の影響は薄れた。

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スタチンと神経障害性疼痛の関係は?

 神経障害性疼痛は体性感覚神経系の障害に起因しているが、最近、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の関与が注目されている。インド・パンジャブ大学のShrutya Bhalla氏らは、スタチンと神経障害性疼痛に関する研究についてレビューを行い、臨床研究と基礎研究で相反する作用が報告されていることを示した。すなわち、興味深いことにスタチンには神経障害性疼痛の誘起と緩和という2つの役割があるという。著者らはその背後にあるメカニズムを説明し、2つの役割を理解するためにはさらなる研究が必要であるとまとめている。Journal of Pain誌オンライン版2014年7月30日号の掲載報告。 スタチンは、HMG-CoA還元酵素を阻害することによりコレステロール生合成における律速段階を阻害する。最近の研究では、スタチンがコレステロール低下作用に加え多面的な効果(pleiotropic action)を有することが示されていた。 研究グループは、神経障害性疼痛に対するスタチンの作用に関する研究をレビューした。 主な所見は以下のとおり。・基礎研究では、スタチンが神経障害の動物モデルにおいて神経障害性疼痛を減弱させることが示唆されている。・そのメカニズムとしては、抗炎症作用、抗酸化作用および神経調節作用などコレステロール非依存性作用が考えられている。・臨床研究では、スタチンの投与によって神経障害性疼痛が引き起こされることが示唆されており、コレステロール低下作用が神経障害性疼痛の誘因となる可能性が考えられた。

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53)睡眠の質を改善するアドバイス【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話患者寝つきが悪くて、ほぼ毎晩、寝酒をしているんです。医師そうなんですか(心配そうな顔で)。患者飲まないと眠れない気がして。けど、肝臓も心配で…医師確かに、お酒を飲むと、寝つきはよくなるんです。でも、数時間すると体内のアルコールは代謝されて、アセトアルデヒドという悪い物資になります。患者アセトアルデヒド?医師そうです。その影響で、浅い眠りになって、途中で起きたりします。患者私も眠りが浅くて、途中でよく起きます。医師それに、お酒を飲み過ぎていると、トイレにもよくいきますしね。患者なるほど。寝酒以外で、寝つきがよくなる方法がありますか?医師ありますよ。一緒に作戦を考えていきましょう。●ポイント寝酒の代替として、睡眠衛生があることを紹介し、一緒に作戦を立てます

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最も頻度の高い報告は「皮膚症状」― 「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」改訂版を公表

 日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」は、8月29日に「SGLT2阻害薬の適正使用を呼びかけるRecommendation」の改訂版を公表した。 8月17日までの副作用報告を追加した本改訂版の発表にあたっては、予想された尿路・性器感染症に加え、重症低血糖、ケトアシドーシス、脳梗塞、全身性皮疹などの重篤な副作用がさらに増加していることが明らかになったとのことである。 同委員会では、「現時点では必ずしも因果関係が明らかでないものも含まれている」としたうえで、「これら副作用情報をさらに広く共有することにより、今後、副作用のさらなる拡大を未然に防止することが必要と考えRecommendationと具体的副作用事例とその対策を報告した」としている。 ■Recommendation1.インスリンやSU 薬等インスリン分泌促進薬と併用する場合には、低血糖に十分留意して、それらの用量を減じる(方法については下記参照)。インスリンとの併用は治験で安全性が検討されていないことからとくに注意が必要である。患者にも低血糖に関する教育を十分行うこと。2.高齢者への投与は、慎重に適応を考えたうえで開始する。発売から3ヵ月間に65歳以上の患者に投与する場合には、全例登録すること。3.脱水防止について患者への説明も含めて十分に対策を講じること。利尿薬との併用は推奨されない。4.発熱・下痢・嘔吐などがある時ないしは食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には必ず休薬する。5.本剤投与後、薬疹を疑わせる紅斑などの皮膚症状が認められた場合には速やかに投与を中止し、皮膚科にコンサルテーションすること。また、必ず副作用報告を行うこと。6.尿路感染・性器感染については、適宜問診・検査を行って、発見に努めること。問診では質問紙の活用も推奨される。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルテーションすること。7.原則として、本剤は当面ほかに2剤程度までの併用が推奨される。 ■副作用の事例と対策(抜粋)・重症低血糖 114例(うち12例が重症例)の低血糖が報告され、とくに重症例のうち9例がインスリン併用例とのことである。また、低血糖は、必ずしも高齢者に限らず比較的若年者にも生じていることに注意すべき。インスリン、SU薬または速効型インスリン分泌促進薬を投与中の患者への併用の際は、あらかじめそれら薬剤の減量を検討することが必要。・ケトアシドーシス 4例の報告例。インスリンの中止、極端な糖質制限、清涼飲料水多飲などが原因。SGLT2阻害薬の投与に際し、インスリン分泌能が低下している症例への投与では、ケトアシドーシス発現に厳重な注意を図るとともに、栄養不良状態、飢餓状態の患者や極端な糖質制限を行っている患者への投与では、ケトアシドーシスを発症させうることに一層の注意が必要。・脱水・脳梗塞など 重症の脱水が15例報告され、さらに12例の脳梗塞も報告されたほか、SGLT2阻害薬投与後の心筋梗塞・狭心症が6例報告された。また、脱水と関連して、高血糖高浸透圧性非ケトン性症候群も2例報告された。 脱水への注意として、SGLT2阻害薬投与開始時のみならず、発熱・下痢・嘔吐などがある時ないし食思不振で食事が十分摂れないような場合(シックデイ)には、万全の注意が必要であり、SGLT2阻害薬は必ず休薬するなど、患者にもあらかじめよく教育が必要。・皮膚症状 皮膚症状は薬疹、発疹、皮疹、紅斑など非重篤なものを含めれば500例以上(重篤例80例以上)が報告され、最も頻度の高い副作用として報告されている。すべてのSGLT2阻害薬で皮膚症状の報告がある。SGLT2阻害薬投与後1日目からおよそ2週間以内に発症し、投与後早期より十分な注意が必要になるとのこと。皮疹を認めた場合には、速やかに皮膚科医にコンサルトすることが重要。・尿路・性器感染症 尿路感染症120例以上、性器感染症80例以上が報告されている。SGLT2阻害薬投与開始後、数日~2ヵ月後に起こる場合もあり、期間の幅が広い。質問紙の活用を含め適宜問診・検査を行って、発見に努めること。発見時には、泌尿器科、婦人科にコンサルトすることが重要。 SGLT2阻害薬の使用にあたっては、「適応を十分考慮したうえで、添付文書に示されている安全性情報に十分な注意を払い、また、本Recommendationを十分に踏まえて、とくに安全性を最優先して適正使用されるべき」と注意を喚起している。●詳しくは、「SGLT2阻害薬の適正使用に関する委員会」から

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アリスミアのツボ

Dr. 山下の アリスミアのツボは、日常診療で遭遇する不整脈の疑問をピックアップして、あの山下武志氏(心臓血管研究所 所長)が回答する新コーナーです。ベーシック過ぎて今さら聞けない、教科書に載っていない、そんな疑問を解決します。「アリスミアのツボ」連載開始にあたりDr山下から不整脈ビギナーに応援メッセージ(1分)をいただきました。「先生方から寄せられた質問は基本的ですが、重要な質問です…」続きはこちらから⇒長い間お楽しみいただいた「Dr山下のアリスミアのツボ」は、今回で最終回となります。ご愛読ありがとうございました。

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アリスミアのツボ 第1回

Q1不整脈に対する治療が必要か否かの線引きは何をもって判断するのでしょうか?治療の要否は心電図所見ではないことを肝に銘じましょう。治療の要否は患者の全体像によって決まるのです。「木を見て森を見ず」不整脈の診断は心電図でなされます。だからこそ、次のような誤解が生じやすくなります…心電図が読めないから不整脈は嫌い、心電図が正常でなければすべて病気、心電図が読めれば治療の要否がわかる、などです。しかし、今の時代、治療の要否をたった一つの(しかもたった一瞬の)検査結果だけで決定できる病気があるでしょうか。私は不整脈のコンサルトを受けることはよくありますが、心電図1枚だけで治療の要否や治療法がわかることはまずありません。そう、まず必要なことは、この不整脈に対する(あるいは心電図に対する)誤解を解くことだと思います。不整脈治療を心電図だけで行おうとすると、そのほとんどが「木を見て森を見ず」になりがちです。患者のイメージでは、なにをもって治療の要否を判断するのでしょう。私が不整脈の心電図に関するコンサルトを受けた時には、「何歳?性別は?今、症状あるの?心不全はなさそう?その他に合併症はない?」と心電図以外の質問攻めをします。これらの質問に対する答えがなければ、患者のイメージがつかめないからです。不整脈の治療の要否を判断するには、心電図より患者全体のイメージが何よりも重要です。で、具体的にはどうするの?…と言われそうですが、「線引き」ができる場合とできない場合があることを知っておきましょう。不整脈に限らず、治療の要否を簡単に線引きできる疾患はそう多くはないのです。90歳の悪性腫瘍はどのように治療しますか?そんな簡単には線引きはできないかもしれませんが、患者の全体像を知っていれば医師としての判断はしやすくなるでしょう。不整脈もこれと似ています。治療の要否決定は、デジタルではなくアナログで考えましょう。言葉にすれば、「現在の血行動態がやばい場合あるいは症状で困っている場合、ほうっておくと将来何か不幸が訪れると考えた場合」、これが不整脈治療の必要な場合です。さらに詳しい話はおいおいしていきたいと思います。Q2期外収縮の最新の薬物治療について知りたいのですが…期外収縮の治療は1990年代以降大きく進歩していません。この課題、卒業してもよさそうです。そもそも治療する?私が研修医をしていた1980年代、期外収縮は治療するものと習ってきました。心電図異常=病気という考え方に基づくものです。まったく理論的根拠がなかったのかというと、そうでもなくて、陳旧性心筋梗塞患者に限れば心室期外収縮が多ければ多いほどその後の予後が悪いということが知られていました。しかし、この事実をすべての患者に当てはめてしまうのは困りものですね。実際、虚血性心疾患や心不全がない患者では、心室期外収縮の有無によって、その後の予後に違いがないことが判明しています。ほうっておいても将来何も不幸が訪れないとわかっていて、何を目的に治療するのでしょう。たぶん、心電図所見から心室期外収縮が消えて、医者も患者も気分がよいという美容形成的な意味はあるかもしれませんが…。常識的に考えてみましょう。ここに心電図がないものとして、健康なイメージを有する人の脈をとったらたまたま1拍抜けていた…これだけですぐに治療しなきゃと考える人は少ないはずです。治療したらその効果はどう判断する?現在、期外収縮は相手にしないというのが基本的な考え方です。それでも、治療せざるを得ない場合があります。そう、現在の血行動態に問題なくても、将来不幸な出来事がなくても、患者の訴えが強くて困っているのに、「何もしない」というのは医学的には正しくても、人間としてつらいですね。そんな時、私はまず「教育」という治療をしています。患者さんは、「不整脈がありますね」と言われるだけで大きな不安を感じるものです。この精神的ストレスが期外収縮を増加させてしまいそうです。だから、まず「安心」をもたらすことが一番の治療だと思っています。それでもダメな場合はあります。その時は、β遮断薬、Ca拮抗薬、いわゆるI群抗不整脈薬の何でもいいと思っています。とりあえず、効きそうな薬を…です。しかし、私が選んでも、他の先生が選んでも、きっと患者さんにとっては変わりがないでしょう。それというのも、効果判定の手段がないからです。ホルター心電図の期外収縮数ほど再現性のない検査はありません。患者も医師も気楽に考えよう期外収縮は治療しない、どうしてもしなければならない時は患者の不快感がある場合に限られるとなると、効果判定は患者の不快感しかありません。だったら、もっと治療自体は気楽に考えればよいと思います。私は、始めた治療薬で患者の不快感がなくなればすぐに中止するようにしています。逆も真なりで、つらいなら飲み続けてもよいとも言っています。治療した時もう一つの重要なことは、抗不整脈薬をだらだら漫然と服用させないことです。目的を達したかどうかで、自由にオン・オフしてよいのです。Q3心房細動で抗凝固薬が絶対必要な症例とそうでない症例の見極めはどのようにするのでしょうか?CHADS2スコアで判断しますが、自分の感性も加味しています。CHADS2スコアとCHA2DS2-VAScスコア抗凝固療法の適応判断に用いるツールとして、CHADS2スコア、CHA2DS2-VAScスコアがあまりにも有名ですね。心房細動患者の脳梗塞リスクである、心不全、高血圧、高齢、糖尿病、脳梗塞の既往をリスクとして考えるCHADS2スコア、さらに動脈硬化性疾患、65-75歳、女性をリスクとして加味するCHA2DS2-VAScスコア、両者ともに便利なスコアですが、用いる人が使いやすいものを使えばよいと思います。どちらを使おうが、全くこれらを使わないで医師の感性だけで対処するよりずっとましだからです。ちなみに国内外のガイドラインを見ると、「65歳未満で何のリスクも持たない例」は抗血栓薬自体が不要、「CHADS2スコア2点以上」は絶対必要という点で一致しています。抗凝固薬の適応判断は単純なのだろうか?では、日常臨床ではそんなに簡単に見極めができるのでしょうか。文章で書くとわかってしまった気になるのですが、リスクとされる心不全、高血圧、糖尿病の有無はどのようにして決めるのでしょう。きちんと線引きができますか?年齢はそもそも連続的なのに、65とか75とか勝手に区切っていいものなのでしょうか?あるいはCHADS2スコア6点満点は絶対的に抗凝固薬の適応なのですが、患者に会ってみればあまりにもfragileでこれでも抗凝固療法が必要なのかと頭をかしげたくなる…これも日常臨床では必発です。アナログ判断は死なず結局、Q1と同じようなところに行きついてしまうのが医療なのでしょう。というか、それがあるからこそ、医師が必要なのです。基本は守りつつ、医師の感性、患者の感性も同じように重要だ…という感覚で心房細動の脳梗塞予防をしているのが私の実情です。私の基本は、「65歳未満で何のリスクも持たない例」以外はすべて抗凝固療法の適応ですが、年齢、高血圧については患者によってかなり斟酌の度合いが異なります。糖尿病の有無判断も、糖尿病の薬物治療をしているかどうかで決めています。fragileであれば、医学判断より家族判断を優先させます。こんなことはどの教科書にも書いてなくて根拠もないのですが、逆にそれはいけないと否定する根拠もなく、だからこそ自分が患者の全体像から感じる感性でアナログ的に加味して斟酌してもいいものと思っているのです。

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Na摂取増による血圧上昇、高血圧・高齢者で大/NEJM

 ナトリウム・カリウム摂取量と血圧とには、非線形の相関がみられ、それらは高塩分食摂取者や、高血圧症、高齢者で顕著であることが、カナダ・マックマスター大学のAndrew Mente氏らPURE研究グループによる検討の結果、明らかにされた。ナトリウム摂取量が高値であるほど血圧値が高値である相関性は報告されている。しかし同関連が、ナトリウムまたはカリウム摂取量の違いや集団の違いで異なるのかについては、これまで検討されていなかった。NEJM誌2014年8月14日号掲載の報告より。18ヵ国10万2,216人の成人について分析 PURE(Prospective Urban Rural Epidemiology)研究グループは、18ヵ国10万2,216人の成人について、電解質排泄量と血圧との関連を評価する検討を行った。 単回採取の早朝空腹時尿検体から24時間尿中ナトリウム・カリウム排泄量を推定し、ナトリウム・カリウムの摂取量の代替指標として用いた。血圧の測定は自動血圧計で行った。 被験者は、年齢51.0±9.7歳、女性は57.2%、低位中所得国者が53.6%(うち中国が42.1%)、高位中所得国25.1%、高所得国14.2%、またBMI値26.1±5.1、糖尿病7.1%、自己申告の高血圧症または≧140/90mmHgの人は42.0%などの特性を有していた。平均ナトリウム摂取量は4.93±1.73g、カリウムは2.12±0.60gと推定され、女性よりも男性で摂取量が多い傾向がみられた(いずれもp<0.001)。相関の傾きは、ナトリウム高摂取、高血圧症、高齢者ほど急に 回帰分析の結果、推定ナトリウム排泄量が1g増加するごとに、収縮期血圧は2.11mmHg、拡張期血圧は0.78mmHgの上昇が示された。この相関の傾きは、ナトリウム摂取量が多いほど急であり、ナトリウム排泄量が5g/日超において収縮期血圧は2.58mmHg/g、同3~5g/日では1.74mmHg/g、3g/日未満では0.74mmHg/gの上昇が示された(交互作用についてp<0.001)。 また相関の傾きは、高血圧症者(2.49mmHg/g)のほうが非高血圧症者(1.30mmHg/g)よりも急であり(交互作用p<0.001)、年齢が高いほど大きくなった。すなわち55歳超では2.97mmHg/g、45~55歳では2.43mmHg/g、45歳未満では1.96mmHg/g(交互作用p<0.001)だった。 一方、カリウム排泄量と収縮期血圧とには、負の相関が認められた。相関の傾きは高血圧症者のほうが非高血圧症者よりも急であり(p<0.001)、年齢が高いほど大きかった(p<0.001)。

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肥満で10がん腫の発症増加/Lancet

 過体重や肥満は、子宮体がんや胆嚢がんなど10のがん種の発症増加に寄与していることが、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のKrishnan Bhaskaran氏らの検討で示された。前立腺がんと閉経前乳がんは肥満者では少ないこともわかった。BMIが高いと特定のがんに罹患しやすくなることが、いくつかのコホート試験やメタ解析で示されている。しかし、がんのリスクパターンの特性を、可能性のある交絡因子を補正したうえで、大規模かつ詳細に検討した試験はこれまでなかったという。Lancet誌オンライン版2014年8月14日号掲載の報告。約524万人のプライマリ・ケア患者データを解析 研究グループは、BMIと頻度の高い22のがん種の関連を評価する地域住民ベースの前向きコホート試験を実施した。解析には、英国のプライマリ・ケアの診療記録が登録されたClinical Practice Research Datalink(CPRD)のデータを使用した。線形および非線形モデルを用い、がんの発症に及ぼす性別、閉経状態、喫煙、年齢の影響を考慮した検討を行った。 524万3,978人が解析の対象となった。このうちBMI<18.5が16万5,530人、18.5~25が257万1,573人、≧25が250万6,875人だった。全体の年齢中央値は37.9歳、女性が54.6%であり、喫煙者は35.5%、軽度飲酒者は57.2%、中等度飲酒者は10.2%、重度飲酒者は2.6%で、糖尿病既往歴ありは3.6%であった。 16万6,955人が、対象となったがんを発症した。BMIは22種のがんのうち17種と有意な関連を示したが、影響の程度はがん種によってばらつきがみられた。BMI 1上昇でがん患者が年間3,790人増加 BMIが5増加するごとに発症率が有意に上昇したがん種は、子宮体がん(ハザード比[HR]:1.62、99%信頼区間[CI]:1.56~1.69、p<0.0001)、胆嚢がん(1.31、1.12~1.52、p<0.0001)、腎がん(1.25、1.17~1.33、p<0.0001)、子宮頸がん(1.10、1.03~1.17、p=0.00035)、甲状腺がん(1.09、1.00~1.19、p=0.0088)、白血病(1.09、1.05~1.13、p≦0.0001)であった。 BMIは、全体として肝がん(HR:1.19、99%CI:1.12~1.27)、結腸がん(1.10、1.07~1.13)、卵巣がん(1.09、1.04~1.14)、閉経後乳がん(1.05、1.03~1.07)の発症と正の相関を示した(p<0.0001)が、これらの関連にはBMIや他の背景因子の程度でばらつきが認められた。 BMIと前立腺がん、閉経前乳がんのリスクは全体(それぞれ、HR:0.98、99%CI:0.95~1.00、0.89、0.86~0.92)および生涯非喫煙者(それぞれ、0.96、0.93~0.99、0.89、0.85~0.94)の双方で逆相関を示した。これに対し、BMIと肺がん、口腔がんのリスクには生涯非喫煙者では関連はなかったものの(それぞれ、0.99、0.93~1.05、1.07、0.91~1.26)、いずれのがんも喫煙者と元喫煙者では逆相関の関係が認められ、交絡因子としての喫煙の影響が推察された。 一方、BMIと正相関する10のがん種に占める過体重や肥満に起因するがんの割合は、子宮体がんが40.8%、胆嚢がんが20.3%、腎がんが16.6%、肝がんが15.6%、結腸がんが11.1%、子宮頸がんが7.5%、卵巣がんが7.3%、白血病が6.3%、閉経後乳がんが5.1%、甲状腺がんは1.9%であった。 また、英国の一般人口では、BMIの1の上昇により、上記のBMIと正相関する10のがん種のうち1つを発症する患者が年間3,790人増加すると推定された。 著者は、「一般人口レベルでBMIは実質的にがんのリスクと関連することがわかった」とし、「BMIが正常範囲内であっても、高めであればリスクが増大するがんもある。また、英国ではこの12年間にBMIがほぼ1上昇しており、この傾向に歯止めをかける戦略を検討すべき」と指摘している。

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52)糖尿病初期の頑張りが報われる【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者頑張っているんですが…なかなか効果がでなくて、きちんとやるのをもう止めようかな、と思うときもあって。 医師いえいえ、頑張っておられると思いますよ。結果は、少しずつ出てくると思いますよ。 患者そうですか。 医師糖尿病治療は、最初のうちに頑張られると、その効果が遺産として残るみたいですよ。 患者遺産? 医師そうです。遺産です。最初のうちに、しっかりとした治療をしておけば、それが遺産で残り、将来、合併症になるリスクがかなり減るそうですよ。 患者そうなんですか。それじゃあ、もう少し、遺産をためておいた方がいいですね。(嬉しそうな顔)●ポイント病気初期に頑張っておく大切さを、わかりやすく説明します 1) Bianchi C, et al. Rev Diabet Stud. 2011; 8: 432-440. 2) Holman RR, et al. N Engl J Med. 2008; 359: 1577-1589. 3) Gaede P, et al. N Engl J Med. 2008; 358: 580-591. 4) Nathan DM, et al. N Engl J Med. 2005; 353: 2643-2653.

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不眠症がもたらすリスク

不眠症は放っておいていい?睡眠が不足すると、糖尿病、高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病の発症リスクが高くなるといわれています。Vgontzas AN, et al. Diabetes Care. 2009; 32: 1980-1985.Fernandez-Mendoza J, et al. Hypertension. 2012; 60: 929-935.Laugsand LE, et al. Circulation. 2011; 124: 2073-2081.Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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ピロリ除菌、糖尿病だと失敗リスク2倍超

 Helicobacter pylori(HP)の除菌において、糖尿病の存在が抗菌薬の有効性を低下させることが懸念されている。新潟大学の堀川 千嘉氏らは、糖尿病患者の除菌失敗リスクに及ぼす糖尿病の影響を調べるためにメタ解析を行った。その結果、糖尿病患者のHP除菌失敗リスクが非糖尿病者に比べて高いことが確認され、糖尿病患者のHP除菌での治療延長や新たな除菌レジメン開発の必要性が示唆された。Diabetes research and clinical practice誌オンライン版2014年7月23日号に掲載。 著者らは、2012年11月30日まで、Biosis、MEDLINE、Embase、PASCAL、SciSearchを用いて文献検索した。選定した研究から、2人の著者がそれぞれ別に、HP感染の除菌治療を受けた人数と糖尿病の有無別のHP除菌失敗データを抽出した。 主な結果は以下のとおり。・適格な8研究を選択し、データを取得した(計693人、うち糖尿病患者273人)。・全体では、非糖尿病者と比べた糖尿病患者のHP除菌失敗の統合リスク比(RR)は2.19(95%CI:1.65~2.90、p<0.001)であった。・標準プロトコル以外でHP除菌を行った2つの研究を除いた場合、非糖尿病者と比べた糖尿病患者のHP除菌失敗リスクはより高かった(RR:2.31、95%CI:1.72~3.11)。

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血糖降下強化療法の評価―ACCORD試験続報/Lancet

 カナダ・マックマスター大学のHertzel C Gerstein氏らは、ACCORD試験データからの分析の結果、2型糖尿病やその他リスク因子を有する中高年において、血糖値上昇は、虚血性心疾患の修正可能なリスク因子であることが明らかにされたことを報告した。血糖降下強化療法vs. 標準療法を検討したACCORD試験は、死亡増により早期中止となったが、介入期間中の血糖降下療法の全ベネフィットは死亡リスクを上回ることが観察されていた。今回の検討は、試験中止後の追跡期間を含めた評価で、結果、同様の所見が得られたという。著者は、「血糖コントロール不良と虚血性心疾患の関連についてさらなる研究を行う必要性が強力に示された」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年8月1日号掲載の報告より。中断後を含めた4.8年のACCORD試験結果を分析 検討は、ACCORD試験に参加した40~79歳の1万251例(米国とカナダ77施設から登録)のデータを分析して行われた。被験者は、2型糖尿病で(平均罹病期間10年)、平均HbA1c値は8.3%、虚血性心疾患についてリスク因子を有しており、目標HbA1c値6.0%未満の血糖降下強化療法群(5,128例)、または同値7.0~7.9%の標準療法群(5,123例)に無作為化を受けていた。 試験は、全死因および心血管死亡の報告が増大したため早期中断となり、2008年2月5日に被験者は全員標準療法に切り替えられた。研究グループは、試験中止までの介入期間(平均3.7年)とその後のフォローアップ期間(血圧値と脂質値を追跡、平均1.2年)を加えた全期間(平均4.8年)における両群の致死的・非致死的心筋梗塞、冠動脈再建術、不安定狭心症、新たな狭心症の発生を評価した。心筋梗塞の発生頻度は、介入期間、全期間ともに有意に低下 両群のベースライン特性(平均年齢62歳、女性38%など)、およびフォローアップ期間中の血圧値、脂質値、クレアチニン値、心血管系薬の服用状況に有意な違いはなかった。 分析の結果、心筋梗塞の発生頻度は標準的治療群よりも強化療法群のほうが、介入期間中(ハザード比[HR]:0.80、95%CI:0.67~0.96、p=0.015)、全期間(同:0.84、0.72~0.97、p=0.02)ともに低かった。 同様の所見は、心筋梗塞・冠動脈再建術・不安定狭心症の複合(介入期間HR:0.89、95%CI:0.79~0.99、p=0.031/全期間HR:0.87、95%CI:0.79~0.96、p=0.006)や、追跡期間中における冠動脈再建術単独(HR:0.84、95%CI:0.75~0.94、p=0.003)および不安定狭心症単独(同:0.81、0.67~0.97、p=0.023)でみられた。 すべてのリスクは、HbA1c最小値の達成を時間依存的な共変量として含んだことにより、有意ではなくなっていた。

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51)糖尿病予防でできること、5つ!【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者(肥満の患者から)親が糖尿病なので心配です・・・どんなことをしたら、糖尿病になるのを防げますか? 医師糖尿病を予防するには、5つのポイントがあります。 患者それは何ですか?(興味津々) 医師まずは、体重を減らすことですね。Aさんは80kgですので、5%減、つまり4kg減が第一目標になります。 患者なるほど。4kgですか、理想体重や20歳くらいの体重まで戻さなくても大丈夫なのですね。他にはどんなことに気をつけたらいいですか? 医師次は運動ですね。 患者やっぱり、運動ですか。今、なかなかできていないです。他には? 医師油ものや菓子パンなど脂肪分を減らす、たっぷり野菜をとる、そしてお酒を飲みすぎないことです。 患者なるほど。頑張ってやってみます。●ポイント糖尿病予防のための5つのポイントについて、わかりやすく説明します 1) Tuomilehto J, et al. N Engl J Med. 2001; 344: 1343-1350.

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本当にナッツが血糖改善するか?

ナッツ類が血糖値にもたらす影響を検討した試験はあるものの、ナッツ消費と糖尿病リスクの関連についてメタ解析は行われていなかった。そこで、2型糖尿病患者を対象にランダム化比較試験のメタ解析を行ったところ、ナッツ類は糖尿病患者のHbA1cを有意に低下させることが示された。方法:DM患者が対象の12のランダム化試験を抽出●対象試験:MEDLINE、EMBASE、CINAHL、コクランより抽出した12試験(n=450)(2014年4月6日時点まで)●データ抽出条件:・ナッツ類※を基調とした食事(含有中央値:56g/日)と等カロリーのナッツなしの食事の比較・糖尿病患者を対象に行われた3週間以上のランダム化比較試験 ・HbA1c、空腹時血糖値、空腹時インスリン値、HOMA-IRの評価あり※ナッツ類:アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカン、松の実、ピスタチオ、クルミ結果:ナッツ食で血糖値低下● ナッツ類を基調とした食事で下記指標の有意な低下が認められた。・HbA1c: 平均差  -0.07%(95% CI:-0.10、-0.03%)、p = 0.0003・空腹時血糖値: 平均差 -0.15 mmol/L(95%CI:-0.27、-0.02 mmol/L)、p = 0.03※ナッツ食群 vs コントロール群●空腹時インスリン値、HOMA-IRはナッツ類での好影響が示されたが、有意差は認められなかった。考察:長期の検討が求められる地中海食やDASH食などナッツ類を含む食生活は、2型糖尿病にも好影響をもたらすことが明らかになっている。著者は今回のメタ解析の結果から、2型糖尿病患者の食事療法にナッツ類を取り入れることを支持している。ただし、過去実施された試験の多くは短期間かつ限定的であり、今後は、長期の、より質の高い検討が求められる。

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QOLに焦点をあてる糖尿病診療

 2014年8月6日(水)、アストラゼネカ株式会社は「Patient Centered Care-患者さんの生活の質(QOL)を中心とした治療アプローチについて」をテーマに都内でプレスセミナーを開催した。 糖尿病の診療では、診療を中断する患者が問題となっている。こうした背景の下、今回の講師である石井 均氏(奈良県立医科大学糖尿病学講座 教授)は、患者中心の治療アプローチに取り組み、治療継続について研究、成果を上げている。本セミナーでは、石井氏がその取り組みについて詳しく語った。■糖尿病の今 糖尿病を治療する意味は、病状進展による網膜症や腎症などの合併症を防ぐこと、そして健康な人と変わらない生活の質(QOL)を保つことである。そのためには、わが国の学会が定める、合併症予防のための血糖コントロール目標値HbA1c 7%未満に保つことが重要、と石井氏は説明した。 また、2型糖尿病患者のうち、早い人は診断後5年くらいで合併症を併発する。石井氏は、最近の研究を基に合併症の傾向について述べた。いわく、糖尿病特有の細小血管障害、肥満や脂質異常と関係する動脈硬化性疾患のほか、認知症、脂肪肝、がん、骨折などの疾患もみられること。とくに2型糖尿病の半数は脂肪肝が疑われるという。そのうえで、糖尿病の現実的な目標は、「cure(治療)」ではなく「care(管理)」であり、このケアが続くことが患者に中断をもたらす一因ともなっているのではないか、と指摘した。■なぜ患者は医師の話を聞かないか 石井氏が、日々の診療を通じて気付いたことは、「患者さんの耳には、正しいことは入っていかない」ということだ。主に2型糖尿病では、顕著な症状は病初期では現れない。患者は、血糖値測定や治療薬の服用を通じてでしか、糖尿病を実感することができない。そのため今まで通りの生活をしたり、治療の自己中断をしたりするという。医師が患者の将来のためを思い、糖尿病合併症予防のため食事制限やタバコ、飲酒など嗜好品の制限を説いても、患者がなかなか守ってくれないのは、このためである。 また、現在の医師と患者の関係が、「コンプライアンスモデル(医師からの伝達型で患者の自主性がない)」であることも関係している、と石井氏は指摘した。 欧米では、すでにこのモデルから脱却しつつあり、患者の自主性を引き出しながら治療につなげていこうという「アドヒアランスモデル」が志向されている。わが国でも、最近になって多くの医療者が取り入れるようになり、臨床現場で実践されている。 アドヒアランスモデルが上手くいくには、患者の自発性を促すために医療者が患者に深く関わることが必要である。たとえば、医師の診療前に看護師など別のスタッフが患者の具合や悩みなどを聞くといった対応が重要となる。これからは、患者が理解し、行動するように寄り添っていく医療にしなくてはいけないと説明を行った。■患者のQOLを重視し、一緒に治療戦略を立てる 一度、糖尿病と診断されると、患者は人生の多くの時間を、病と過ごすことになる。だからこそ医療者は、患者の価値観を尊重し、診療にあたらなければならない。患者の長寿だけが最大目標ではなく、「いかにQOLを保ちつつ、健常人と同じように過ごすことができるかが重要」と石井氏は指摘する。そのため、多彩な血糖降下治療薬がある中で、その選択基準に患者のQOLも考慮に入れることが大切であるという。 たとえば、GLP-1受容体作動薬は、アナログ製剤であるために経口薬と比べ処方が進んでいない。しかし、持続性エキセナチドは、週1回の注射で済むために、働き盛りや高齢者の患者には、QOLを落とすことなく継続使用できる。また、血糖値を-1.1%(26週投与データ)程度降下させるとともに、体重増加を来さないという特徴を持つ。 こうした患者の生活サイクルや事情に合った治療薬を用いることで、治療継続できるように医療者がアプローチすることが大切だと講演をまとめた。

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50)付き合いで太るメカニズムについて、わかりやすく説明【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者付き合いが多くて、なかなかやせられなくて・・・ 医師たしかに、付き合いが多い人は、やせるのに苦労しますよね。 患者そうなんです。 医師先日、減量に成功された方で、面白い人がいましたよ。 患者えっ、どんな人ですか?(興味津々) 医師やせたきっかけが、友だちを変えたことだったそうです。 患者友だちを変えた!? 医師その人の言葉を借りると、「上品な友だちに変えたら、やせてきた」といっておられました。やせた友だちは、ランチの選択はヘルシーなお店、ご飯はかならず少し残すなどの発見があったといっておられました。 患者ハハハ。確かに、そうですね。太っている人と食べるときには気をつけます。●ポイント体重が増加しやすい人と付き合うと太りだし、体重を維持している人と付き合うと太りにくいことを理解してもらいましょう 1) Christakis NA, et al. N Engl J Med. 2007; 357: 370-379.

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第1回 糖尿病医療学研究会 開催のお知らせ

 本研究会は、糖尿病を持つ人、その人たちをケアする人、ケアする人をケアする人、取り巻く環境や社会、それらの人たちのこころと行動に焦点を当てて、糖尿病臨床‐医療を学ぼうとするものである。 いろいろな事例、症例を持ち寄って、通常の研究会より時間をかけて、じっくりと検討会を行うことで、その中から糖尿病治療に対する知恵と元気を得たいと考えている。 詳しい開催概要は次の通り。■開催概要・日時 2014年10月11日(土)15:00~20:00(午後のみ/定員300人):申込制        10月12日(日)09:00~17:30(午前・午後/定員600人)・会場 2014年10月11日(土)橿原市立かしはら万葉ホール        10月12日(日)奈良県立医科大学 大講堂・厳橿会館・参加対象 糖尿病診療に従事している医療者、糖尿病診療に関心のある関連領域の方々、医療系学生、研修医、各種大学院院生など。 また、守秘義務を守れる、他者を批判しないなどの方針に賛同いただける方で、ともに会を作りあげようという熱意をお持ちの方を歓迎。*なお土曜日は申込者のみとなります。・研究会内容 症例を中心とした日常臨床経験の発表とディスカッション、糖尿病医療に関連する教育講演・講義お問い合わせやお申込みは、研究会事務局(奈良県立医科大学糖尿病学講座)まで

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2型糖尿病コントロール困難例におけるインスリンポンプ療法の有用性(解説:七里 眞義 氏)-231

強化インスリン療法によっても血糖コントロールに難渋する2型糖尿病患者は数多い。OpT2mise試験は1日平均100単位以上のインスリンを使用してもコントロール不良な331例を、インスリンポンプ療法群と頻回注射療法群に割り付けて比較した「無作為化並行群間比較試験」であるが、より少ないインスリン量で低血糖も増やさず、より良好な血糖コントロールを達成でき、CGMで計測した高血糖持続時間も大きく減少させることができた。 当然ながら医師・患者ともにポンプ療法に割り付けられているかどうかを知らずに治療を継続できるはずはないため、完全な「二重盲検試験」にはなっていないものの、この領域でのエビデンスの不足を補う重要な報告と評価したい。 インスリンポンプ療法が2型糖尿病で有効であるかどうかについては、より少数例での報告があるにすぎない。コントロールが不良な症例を対象とした2つの無作為化クロスオーバー試験では、ポンプ療法が頻回注射療法よりも良好な血糖コントロールをもたらすことが示唆されているが、HbA1cが8%程度の症例を対象とした2つの並行群間比較試験では両群の治療効果に差は認められなかった。今回のOpT2mise試験には北米、欧州、イスラエル、南アフリカの36施設が参加し、対象症例の平均BMIは33を越え、試験開始時のHbA1cは9%と高値であったが、インスリン分泌能などに関する詳細な記載はない。 低血糖を避けながら高血糖持続時間や急峻な血糖変動を抑制するという意味で、より良質な血糖コントロールを目指すための方策の1つとして考慮すべき論文ではあるが、本試験で対象となった肥満・コントロール不良の2型糖尿病においてSGLT2阻害薬の併用が可能になった現在、インスリンポンプ療法の有用性がどの程度、維持できるかについては、気になるところでもある。

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