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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第21回

第21回:全般性不安障害とパニック障害のアプローチ監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 プライマリケアの場において、原因がはっきりしないさまざまな不安により日常生活に支障を生じている患者を診療する経験があるのではないかと思います。またとくに若い患者たちの中でみることの多いパニック障害もcommonな疾患の1つと思われ、その数は年々増加しているともいわれています。厚労省の調査1)では、何らかの不安障害を有するのは生涯有病率が9.2%であるとされ、全般性不安障害1.8%、パニック障害0.8%という内訳となっています。医療機関を受診する患者ではさらにこの割合が高くなっていると考えられ、臨床では避けて通れない問題となっています。全般性不安障害とパニック障害の正しい評価・アプローチを知ることで患者の不要な受診を減らすことができ、QOLを上げることにつながっていくと考えられます。 タイトル:成人における全般性不安障害とパニック発作の診断、マネジメントDiagnosis and management of generalized anxiety disorder and panic disorder in adults.以下、American Family Physician 2015年5月1日号2)より1. 典型的な病歴と診断基準全般性不安障害(generalized anxiety disorder:GAD)典型的には日常や日々の状況について過度な不安を示し、しばしば睡眠障害や落ち着かなさ、筋緊張、消化器症状、慢性頭痛のような身体症状と関係している。女性であること、未婚、低学歴、不健康であること、生活の中のストレスの存在がリスクと考えられる。発症の年齢の中央値は30歳である。「GAD-7 スコア」は診断ツールと重症度評価としては有用であり、スコアが10点以上の場合では診断における感度・特異度は高い。GAD-7スコアが高いほど、より機能障害と関連してくる。パニック障害(panic disorder:PD)明らかな誘因なく出現する、一時的な予期せぬパニック発作が特徴的である。急激で(典型的には約10分以内でピークに達する)猛烈な恐怖が起こり、少なくともDSM-5の診断基準における4つの身体的・精神的症状を伴うものと定義され、発作を避けるために不適合な方法で行動を変えていくことも診断基準となっている。パニック発作に随伴する最もよくみられる身体症状としては動悸がある。予期せぬ発作が診断の要項であるが、多くのPD患者は既知の誘因への反応が表れることで、パニック発作を予期する。鑑別診断と合併症内科的鑑別:甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、副甲状腺機能亢進症などの内分泌疾患、不整脈や閉塞性肺疾患などの心肺疾患、側頭葉てんかんやTIA発作などの神経疾患その他の精神疾患:その他の不安障害、大うつ病性障害、双極性障害物質・薬剤:カフェイン、β2刺激薬、甲状腺ホルモン、鼻粘膜充血除去薬、薬物の離脱作用GADとPDは総じて気分障害、不安障害、または薬物使用などの少なくとも1つの他の精神的疾患を合併している。2. 治療患者教育・指導配慮のある深い傾聴が重要であり、患者教育自体がとくにPDにおいて不安症状を軽減する。また生活の中で症状増悪の誘因となりうるもの(カフェイン、アルコール、ニコチン、食事での誘因、ストレス)を除去し、睡眠の量・質を改善させ、身体的活動を促す。身体的活動は最大心拍数の60%~90%の運動を20分間、週に3回行うことやヨガが推奨される。薬物療法第1選択薬:GADとPDに対してSSRIは一般的に初期治療として考慮される。三環系抗うつ薬(TCA)もGADとPDの両者に対して有効である。PDの治療において、TCAはSSRIと同等の効果を発揮するが、TCAについては副作用(とくに心筋梗塞後や不整脈の既往の患者には致死性不整脈のリスクとなる)に注意を要する。デュロキセチン(商品名:サインバルタ)はGADに対してのみ効果が認められている。buspironeのようなazapirone系の薬剤はGADに対してはプラセボよりも効果があるが、PDには効果がない。bupropionはある患者には不安を惹起するかもしれないとするエビデンスがあり、うつ病の合併や季節性情動障害、禁煙の治療に用いるならば、注意深くモニターしなければならない。使用する薬剤の容量は漸増していかなければならない。通常、薬剤が作用するには時間がかかるため、最大用量に達するまでは少なくとも4週間は投与を続ける。症状改善がみられれば、12ヵ月間は使用すべきである。ベンゾジアゼピン系薬剤は不安の軽減には効果的だが、用量依存性に耐性や鎮静、混乱や死亡率と相関する。抗うつ薬と抗不安薬の併用は迅速に症状から回復してくれる可能性はあるが、長期的な予後は改善しない。高い依存性のリスクと副作用によってベンゾジアゼピンの使用が困難となっている。NICEガイドライン3)では危機的な症状がある間のみ短期間に限り使用を推奨している。中間型から長時間作用型のベンゾジアゼピン系薬剤はより乱用の可能性やリバウンドのリスクは少ない。第2選択薬:GADに対しての第2選択薬として、プレガバリン(商品名:リリカ)とクエチアピン(同:セロクエル)が挙げられるが、PDに対してはその効果が評価されていない。GADに対してプレガバリンはプラセボよりは効果が認められるが、ロラゼパム(同:ワイパックス)と同等の効果は示さない。クエチアピンはGADに対しては効果があるが、体重増加や糖尿病、脂質異常症を含む副作用に注意を要する。ヒドロキシジン(同:アタラックス)はGADの第2選択薬として考慮されるが、PDに対しては効果が低い。作用発現が早いため、速やかな症状改善が得られ、ベンゾジアゼピンが禁忌(薬物乱用の既往のある患者)のときに使用される。精神療法とリラクゼーション療法精神療法は認知行動療法(cognitive behavior therapy:CBT)や応用リラクゼーションのような多くの異なったアプローチがある。精神療法はGADとPDへの薬物療法と同等の効果があり、確立されたCBTの介入はプライマリケアの場では一貫した効果が立証されている。精神療法は効果を判定するには毎週少なくとも8週間は続けるべきである。一連の治療後に、リバウンド症状を認めるのは、精神療法のほうが薬物療法よりも頻度は低い。各人に合わせた治療が必要であり、薬物療法と精神療法を組み合わせることで2年間の再発率が減少する。3. 精神科医への紹介と予防GADとPD患者に対して治療に反応が乏しいとき、非典型的な病歴のもの、重大な精神科的疾患の併発が考慮される場合に、精神科医への紹介が適用となる。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 川上憲人ほか. こころの健康についての疫学調査に関する研究(平成16~18年度厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業). こころの健康についての疫学調査に関する研究,総合研究報告書). 2007. 2) Locke AB, et al. Am Fam Physician. 2015;91:617-624. 3) NICEガイドライン. イギリス国立医療技術評価機構(The National Institute for Health and Care Excellence:NICE).

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母親の高脂肪食、胎児の肺に悪影響

 母親の高脂肪食の摂取が胎児の肺の発育に悪影響を与える可能性があることを、米国・テキサス大学のReina Sarah Mayor氏らが報告した。American journal of physiology-Lung cellular and molecular physiology誌オンライン版2015年6月19日号の掲載報告。 母親の栄養が長期的な幼児の健康に影響することはわかっている。栄養が乏しいと胎盤の発育や胎児の成長にも影響し、心疾患、高血圧、喘息、2型糖尿病などの慢性疾患と深く関係する低体重での出生の原因となる。しかし、これまで母親の栄養と胎児の肺の成長の関係を明らかにした報告はほとんどなかった。研究の結果、母親が高脂肪食を摂取すると胎盤が炎症を起こし、胎盤の機能不全、胎児の発育不全、胎児の肺の発達を妨げることがわかった。とくに、出生前後の高脂肪食の摂取が肺胞の持続的な単純化を引き起こしていた。

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95)いきなり禁煙の前に1歩置く【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 医師先日の頸動脈エコー検査の結果をみると、動脈硬化が進んでいるようですね。 患者そうなんですか(驚きの声)。動脈硬化を進ませないためには、どうしたらいいですか? 医師血圧と血糖コントロール、そして何よりも大切なのは禁煙です! 患者その禁煙が、なかなかできないんですよね。 医師なるほど。それでは、禁煙準備の方はいかがですか? 患者禁煙の準備!?たしかに、禁煙の準備はいつからでもできますね。 医師そうです。禁煙成功者の話を聞いたり、情報を集めたり、禁煙のパンフレットを読んだりすることは、いつからでもできます。ほかにもカートン買いを止めたり、灰皿を少しずつ減らしたり、喫煙の機会を徐々に減らすこともできます。 患者それじゃあ、今日から禁煙準備を始めます(うれしそうな顔)。●ポイントなかなか禁煙の決意ができない人には、「禁煙準備の話」をすることで、禁煙への関心度が高まります

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シタグリプチン追加で重症心血管イベント増加せず/NEJM

 2型糖尿病患者の治療において、通常治療にDPP-4阻害薬シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)を併用しても、重症心血管イベントは増加しないことが、米国・デューク大学のJennifer B Green氏らが実施したTECOS試験で示された。多くの2型糖尿病治療薬が承認されているが、一部の薬剤で心血管系の長期的な安全性に関して疑問が生じているという。米国FDAや欧州医薬品庁(EMA)は、新薬に対し、血糖降下作用だけでなく臨床的に重要な心血管系の重篤な有害事象の発生率を上昇させないことを示すよう求めている。NEJM誌オンライン版2015年6月8日号掲載の報告より。上乗せの安全性の非劣性を検証 TECOS試験は、心血管疾患を併発した2型糖尿病患者における通常治療へのシタグリプチンの上乗せの長期的な安全性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化非劣性試験(Merck Sharp & Dohme社の助成による)。 対象は、年齢50歳以上、1~2剤の安定用量の経口血糖降下薬(メトホルミン、ピオグリタゾン、スルホニル尿素薬)またはインスリン製剤により糖化ヘモグロビン(HbA1c)値が6.5~8.0%に保たれている患者とした。併存する心血管疾患は、重症冠動脈疾患、虚血性脳血管疾患、アテローム性末梢動脈硬化疾患とした。 被験者は、通常治療にシタグリプチン(100mg/日またはeGFR値が≧30、<50mL/分/1.73m2の場合は50mg/日)またはプラセボを併用する群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。血糖降下薬は、個々の患者が適切な目標血糖値を達成できるようオープンラベルでの投与が推奨された。 主要複合アウトカムは、心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、不安定狭心症による入院とした。シタグリプチン群の両側検定による相対リスクのハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)上限値が1.3を超えない場合に非劣性と判定した。主要複合アウトカム発生率:11.4 vs. 11.6% 2008年12月~2012年7月までに、38ヵ国673施設に1万4,671例(intention-to-treat[ITT]集団)が登録され、シタグリプチン群に7,332例、プラセボ群には7,339例が割り付けられた。ベースラインの平均HbA1c値は7.2±0.5%、2型糖尿病の平均罹病期間は11.6±8.1年であり、フォローアップ期間中央値は3.0年だった。 HbA1c値は、4ヵ月時にシタグリプチン群がプラセボ群よりも0.4%低くなったが、この差はその後の試験期間を通じて徐々に小さくなった。全体のシタグリプチン群の最小二乗平均差は-0.29%(95%信頼区間[CI]:-0.32~-0.27)であった。 主要複合アウトカムのイベント発生は、シタグリプチン群が839例(11.4%、4.06/100人年)、プラセボ群は851例(11.6%、4.17/100人年)であった。非劣性のper-protocol(PP)解析では、シタグリプチン群のプラセボ群に対する非劣性が確認され(ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.88~1.09、p<0.001)、優越性に関するITT解析(0.98、0.89~1.08、p=0.65)では有意な差を認めなかった。 副次複合アウトカムである心血管死、非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中の発生も、PP解析で非劣性であり(HR:0.99、95%CI:0.89~1.11、p<0.001)、ITT解析では優越性を認めなかった(0.99、0.89~1.10、p=0.84)。また、ITT解析では、心不全による入院(1.00、0.83~1.20、p=0.98)、心不全による入院または心血管死(1.02、0.90~1.15、p=0.74)、全死因死亡(1.01、0.90~1.14、p=0.88)も、シタグリプチン群での発生が多いことはなかった。 一方、非心血管アウトカムでは、感染症、がん、腎不全、重症低血糖の発生率は両群間に差がなかった。急性膵炎の頻度はシタグリプチンで高かった(0.3 vs. 0.2%)が、有意な差はなかった(ITT解析:p=0.07、PP解析:p=0.12)。膵がんはシタグリプチン群で少なかった(0.1 vs. 0.2%)が、有意差は認めなかった(p=0.32、p=0.85)。 また、重篤な有害事象(消化器、筋骨格・結合組織、呼吸器など)の発生率には、両群間に臨床に関連する差はみられなかった。 著者は、「シタグリプチンは、心血管疾患のリスクが高い多彩な病態の2型糖尿病患者に対し、心血管合併症を増加させずに使用可能と考えられるが、これらの結果は、より長期の治療やより複雑な併存疾患を有する患者では、ベネフィットとともにリスクの可能性も排除できないことを示唆する」と指摘している。

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IMPROVE-IT試験:LDL-コレステロールは低ければ低いほど良い!(解説:平山 篤志 氏)-371

 2014年の米国心臓協会(AHA)学術集会で発表され話題となったIMPROVE-IT試験がようやく論文化された。 スタチン以外の薬剤、すなわちコレステロール吸収阻害薬であるエゼチミブで、LDLコレステロールを低下させることが心血管イベントを減少させるかという臨床的疑問に、YESと答えた研究である。つまり、本試験がこれまでの臨床試験でのLDLコレステロール値の低下と心血管イベント低下効果の直線上に乗ったことで、LDLコレステロールの“The Lower, the better”が証明されたのである。 2013年のAHA/ACCガイドラインで、脂質管理はLDLコレステロール値に関係なく、動脈硬化性心血管患者では、ストロングスタチンを投与するだけの“Fire and forget”であったが、この試験によりLDLコレステロールを低下させることの有用性が示され、今後のハイリスク患者についてのガイドラインが変更される可能性もある。しかし、LDLコレステロールがエゼチミブ併用群で54mg/dL、スタチン単独群で70mg/dLの差があったものの、イベントでは平均7年間の追跡でわずか6.4%の低減効果に留まった。また、非致死的心筋梗塞と虚血性脳卒中でのイベント低下が認められたものの、心血管死には差がなかった。 実臨床で死亡に差がないということが意義を持つのか? NNT50という数字が高いのか低いのか? この試験では、スタチンがもたらした効果ほどのインパクトはエゼチミブにはなかった。臨床的な有用性の限界かもしれない。ただ、サブ解析で65歳以上、すでに脂質低下薬を服用中の患者、LDLコレステロール値が95mg/dL以下の患者で併用群に効果が認められ、さらに糖尿病患者で有意に併用効果が認められたことから、スタチンで治療されていてもハイリスクな患者には、エゼチミブの追加投与によるLDLコレステロール低下が重要であることが示された。 今後、ハイリスク患者にはストロングスタチンの投与だけでなくLDLコレステロール値を考慮した治療が必要となるであろう。

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急性冠症候群へのスタチン+エゼチミブの有用性/NEJM

 急性冠症候群(ACS)の治療において、スタチンにエゼチミブを併用すると、LDLコレステロール(LDL-C)値のさらなる低下とともに心血管アウトカムが改善することが、米国・ハーバード大学医学大学院のChristopher P Cannon氏らが実施したIMPROVE-IT試験で示された。スタチンは、心血管疾患の有無にかかわらず、LDL-C値と心血管イベントのリスクの双方を低減するが、残存する再発リスクと高用量の安全性に鑑み、他の脂質降下薬との併用が検討されている。エゼチミブは、スタチンとの併用で、スタチン単独に比べLDL-C値をさらに23~24%低下させることが報告されていた。NEJM誌オンライン版2015年6月3日号掲載の報告。上乗せ効果をプラセボ対照無作為化試験で評価 IMPROVE-IT試験は、ACSに対するシンバスタチン+エゼチミブ併用療法の有用性を評価する二重盲検無作為化試験(Merck社の助成による)。対象は、年齢50歳以上、入院後10日以内のACS(ST上昇および非上昇心筋梗塞、高リスク不安定狭心症)で、脂質降下療法を受けている場合はLDL-C値が50~100mg/dL、受けていない場合は50~125mg/dLの患者であった。 被験者は、シンバスタチン(40mg/日)+エゼチミブ(10mg/日)またはシンバスタチン(40mg/日)+プラセボを投与する群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。主要評価項目は、心血管死、非致死的心筋梗塞、再入院を要する不安定狭心症、冠動脈血行再建術(割り付け後30日以降)、非致死的脳卒中の複合エンドポイントとした。フォローアップ期間中央値は6年だった。 2005年10月26日~2010年7月8日までに、39ヵ国1,147施設に1万8,144例が登録され、併用群に9,077例、単剤群には9,067例が割り付けられた。全体の平均年齢は64歳、女性が24%で、糖尿病が27%にみられ、入院中に冠動脈造影が88%、PCIが70%に施行された。入院時の平均LDL-C値は、両群とも93.8mg/dLだった。LDL-C値が24%低下、心血管イベントのリスクが2.0%減少 治療1年時の平均LDL-C値は、併用群が53.2mg/dLであり、単剤群の69.9mg/dLに比べ有意に低下していた(p<0.001)。16.7mg/dLという両群の差は、エゼチミブの追加により、スタチン単剤に比べLDL-C値がさらに24%低下したことを示す。 治療1年時の総コレステロール、トリグリセライド、非HDLコレステロール、アポリポ蛋白B、高感度CRPの値はいずれも、単剤群に比べ併用群で有意に低かった。 治療7年時の主要評価項目のイベント発生率(Kaplan–Meier法)は、併用群が32.7%と、単剤群の34.7%に比べ有意に改善した(絶対リスク差:2.0%、ハザード比[HR]:0.936、95%信頼区間[CI]:0.89~0.99、p=0.016)。併用によるベネフィットは治療1年時には認められた。 3つの副次評価項目も併用群で有意に優れた(全死因死亡/重症冠動脈イベント/非致死的脳卒中:p=0.03、冠動脈心疾患死/非致死的心筋梗塞/30日以降の緊急冠動脈血行再建術:p=0.02、心血管死/非致死的心筋梗塞/不安定狭心症による入院/30日以降の全血行再建術/非致死的脳卒中:p=0.04)。 全死因死亡(p=0.78)、心血管死(p=1.00)には差がなかったが、心筋梗塞(p=0.002)、虚血性脳卒中(p=0.008)の発症率は併用群で有意に低かった。併用のベネフィットは、ほぼすべてのサブグループに一致して認められ、糖尿病および75歳以上の高齢患者でとくに顕著だった。 両群間(併用群 vs.単剤群)で、筋疾患(0.2 vs.0.1%)、胆嚢関連有害事象(3.1 vs.3.5%)、胆嚢摘出術(1.5 vs.1.5%)、ALT/AST正常上限値の3倍以上(2.5 vs.2.3%)、がんの新規発症/再発/増悪(10.2 vs.10.2%)、がん死(3.8 vs.3.6%)の頻度に差はなかった。有害事象による治療中止は、併用群が10.6%、単剤群は10.1%に認められた。 著者は、「LDL-C値を以前の目標値よりも低下させることで、さらなるベネフィットがもたらされると考えられる」としている。(菅野守:医学ライター)関連記事 IMPROVE-IT:ACS患者でのezetimibeによるLDL低下の有益性が示される

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94)あなたに合った運動の順番【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者(1型糖尿病を持つ人から)ジムで運動しているんですが、有酸素運動と筋トレ、どちらを先にした方がいいですか? 医師今はどうされていますか? 患者ウォーキングを30分くらいして、その後、自転車こぎ、最後にマシンで筋トレをしています。トータルで1時間強です。 医師なるほど。有酸素運動してからだと、筋トレする前に疲れていませんか? 患者たしかに。少し疲れていて、力が出し切れずに、回数だけこなしているかもしれません。 医師ずばり、筋トレを先にする方をお勧めします。筋トレに集中していただく方が、効果は出やすいと思います。さらに、運動中や運動後の低血糖リスクも低くなると思います。 患者わかりました。これからは筋トレを先にやるようにします。●ポイント有酸素運動より、筋トレを先に行う方が効果的で、低血糖リスクが低くなることをエビデンスを引用して説明します 1) Yardley JE, et al. Diabetes Care. 2012; 35: 669-675.

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強化血糖降下療法の長期追跡結果~VADT試験/NEJM

 2型糖尿病に対する5.6年の強化血糖降下療法により、心臓発作や脳卒中などの主要な心血管イベントが、治療開始から約10年の時点で有意に抑制されたことが、VADT試験の長期の追跡調査で確認された。米国退役軍人省(VA)アンアーバー健康管理システムのRodney A Hayward氏らが報告した。本試験の終了時の解析(追跡期間中央値5.6年)では、強化療法と標準治療で主要心血管イベントの改善効果に差はないとの結論が得られていた。本試験を含む4つの主要な血糖コントロールに関する大規模試験のうち、最も追跡期間の長いUKPDS試験では強化療法で心血管イベントの改善効果が示され、ACCORD試験でも最近、非致死的心血管イベントが改善されたとの報告(死亡率の上昇でベネフィットは消失)があるが、ADVANCE試験では心血管イベント、死亡とも改善されておらず、厳格な血糖コントロールの是非という最も重要な課題は未解決のままである。NEJM誌2015年6月4日号掲載の報告。追跡期間中央値9.8年時の再解析 VADT試験は、退役軍人の2型糖尿病患者1,791例において、強化血糖降下療法と標準治療を比較する多施設共同無作為化対照比較試験(VA共同研究プログラムなどの助成による)。治療介入は2008年5月29日に終了し、その後は通常治療が行われている。 研究グループは、試験終了後も中央データベースを用いて参加者を追跡し、医療処置、入院、死亡の状況を確認した(完全コホート:参加者の92.4%[1,655例]の追跡データ)。また、多くの参加者が、年1回の調査と定期的なカルテの審査によるデータの収集に同意した(調査コホート:参加者の77.7%[1,391例]の追跡データ)。 主要評価項目は主要心血管イベント(心臓発作、脳卒中、うっ血性心不全の新規発症または増悪、虚血性壊疽による下肢切断、心血管関連死)の初回発生までの期間であり、副次評価項目は心血管死亡率および全死因死亡率であった。 ベースラインの平均年齢は完全コホートが60.5歳、調査コホートは61.1歳、男性が両コホートとも約97%で、平均罹病期間は11.5~12.0年、心血管イベント歴は40%強に認められた。追跡期間中央値は9.8年だった。主要心血管イベントが17%減少、死亡率は改善せず 強化療法群と標準治療群の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値の差は、試験期間中は平均1.5%(中央値で、6.9 vs. 8.4%)であったが、試験終了後1年時には平均0.5%(中央値で、7.8 vs. 8.3%)に、3年時には0.2~0.3%にまで減少した。試験の介入期間および終了後の追跡期間のいずれにおいても、両群間に血圧や脂質値に差はなかった。 治療開始9.8年時に、強化療法群は標準治療群に比べ主要心血管イベントのリスクが有意に減少していた(ハザード比[HR]:0.83、95%信頼区間[CI]:0.70~0.99、p=0.04)。また、主要心血管イベントの絶対リスク減少は、1,000人年当たり8.6件であった。 心血管死亡率(HR:0.88、95%CI:0.64~1.20、p=0.42)および全死因死亡率(追跡期間中央値11.8年時、HR:1.05、95%CI:0.89~1.25、p=0.54)は、両群間に差を認めなかった。 著者は、「本試験を含む4つの主要な臨床試験には、患者の年齢や罹病期間、単剤/多剤、治療強度などに違いがあるが、残念ながらこれによって死亡率の違いを説明することはできない(ACCORD試験では強化療法で上昇、本試験は改善なし、UKPDS試験は改善)」としている。また、「この結果をレガシー効果のエビデンスを支持するものと考えるのは早計である。本試験では、HbA1c値が両群で完全に同じになったことはなく、試験終了後2年間は実質的な差が持続しており、この問いに答えるには統計学的パワーも十分でない」と指摘している。

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週1回デュラグルチド、1日1回グラルギンに非劣性/Lancet

 コントロール不良の2型糖尿病患者に対し、食前インスリンリスプロ併用下でのGLP-1受容体作動薬dulaglutideの週1回投与は、同併用での就寝時1日1回インスリン グラルギン(以下、グラルギン)投与に対し、非劣性であることが示された。米国Ochsner Medical CenterのLawrence Blonde氏らが行った第III相の非盲検無作為化非劣性試験「AWARD-4」の結果、示された。Lancet誌2015年5月23日号掲載の報告より。26週時のHbA1c変化の平均値を比較 試験は2010年12月9日~2012年9月21日にかけて、15ヵ国、105ヵ所の医療機関を通じ、コントロール不良の18歳以上、2型糖尿病患者884例を対象に52週にわたって行われた。 同グループは被験者を無作為に3群に分け、(1)dulaglutide 1.5mg/週(295例)、(2)dulaglutide 0.75mg/週(293例)、(3)1日1回就寝時グラルギン(296例)を、それぞれ食前インスリンリスプロ併用で投与した。 主要アウトカムは、26週時のHbA1c変化の平均値だった。非劣性マージンは0.4%とし、ITT解析を行った。HbA1c変化平均値、dulaglutide群でグラルギン群より大幅増 26週時のHbA1c変化平均値は、dulaglutide 1.5mg群が-1.64%、-17.39mmol/mol、dulaglutide 0.75mg群が-1.59%、-17.38 mmol/molであり、グラルギン群は-1.41%、-15.41mmol/molであった。 グラルギン群に比べた変化幅は、dulaglutide 1.5mg群-0.22%(非劣性のp=0.005)、dulaglutide 0.75mg群が-0.17%(同p=0.015)であり、いずれのdulaglutide投与群ともに非劣性であることが示された。 無作為化後の死亡は5例(1%未満)であった。死因は、敗血症(dulaglutide 1.5mg群の1例)、肺炎(dulaglutide 0.75mg群の1例)、心原性ショック、心室細動、原因不明(グラルギン群の3例)だった。 重度有害事象の発生件数は、dulaglutide 1.5mg群が27例(9%)、dulaglutide 0.75mg群が44例(15%)、グラルギン群が54例(18%)だった。グラルギン群に比べdulaglutide群でより多く発生した有害事象は、吐き気、下痢、嘔吐などだった。

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CKD合併糖尿病患者では降圧治療は生命予後を改善しない?(解説:浦 信行 氏)-366

 高血圧の降圧治療は、少なくとも糖尿病合併例では予後改善と臓器合併症抑制効果を示すことが、多くの治療介入試験で証明され、JAMA誌2015年2月10日号1)に大変素晴らしいメタ解析と総説が報告され、少なくとも高血圧例では降圧治療の多大な有用性が明らかにされている。しかし、CKD合併糖尿病を対象としたこのメタ解析研究の結果では、ACE阻害薬とARB、あるいはその併用は末期腎不全発症抑制には有用だが、それ以外の降圧薬も含めてすべての降圧戦略が生命予後を改善しなかったと報告された。先ほどのJAMA誌との結果と対比して考えると、CKDが合併すると結局は生命予後に何もメリットはないのだろうか? しかし、このメタ解析にはいくつかの問題点があると思われる。 157試験4万3,256例を対象としており、血圧に関してはすべてプラセボより低下しているが、DBPでは一部有意ではあるものの、SBPはすべてが有意な降圧ではない。 個々の試験の内容をみると、対象が高血圧の例は1万2,656例、正常血圧例は2,193例、両者を含むものが2万8,407例であり、おそらく4割方が正常血圧例と推定される。 このメタ解析の1次エンドポイントは全死亡と末期腎不全であるが、33試験2万9,782例で全死亡を評価しており、末期腎不全は13試験2万4,477例で解析している。 原著では、1次エンドポイントを心血管疾患や生命予後にしたものは半数以下であり、そのほとんどがHTとNT両者を含むが、これを区別して解析していない。降圧戦略の効果を評価するのであれば、少なくともHTとNTの区別、層別解析も考慮すべきではなかったか? また、そのなかでも最大の試験は8,606例のALTITUDE試験であるが、平均血圧は137/74 mmHgと高くなく、しかも追跡期間は32ヵ月と短い。これでは腎作用は評価できても、生命予後を評価するには不十分と考える。全体に追跡期間が短く、9試験1万7,258例は短期で終了している。著者も結果の部分で、一部の試験ではデータが不十分であり、明確な結論を引き出すのは困難、としている。であるのにこの結論を下すのは理解に苦しむ。 2次エンドポイントは腎イベントで、Crの倍化とアルブミン尿の減少はRA系阻害薬が良い。それとは別にAKIも評価しているが、その定義が試験ごとに違い、何といってもAKIはRA系阻害薬に多い傾向はあるものの有意ではなく、高K血症も同じ傾向で有意ではなかったのに、有害の可能性として考察にも結論にも強調されて記載されている。同じく2次エンドポイントの、ARBの心筋梗塞のリスク低減効果(18試験2万1,471例)は有意であるのに、結論にまったく記載されていない。メタ解析のあり方にも疑問を感じるが、著者らの結果の解釈にも疑問を感じざるを得ない。

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93)気を付けたいほろ酔い加減で炭水化物【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、付き合いで飲む機会が多くて……。 医師とりあえずビールで、飲んだ後の〆はラーメンだったり……。 患者そうなんです。飲むと、無性にラーメンが食べたくなるんですけど、どうしてですか? 医師もちろん、タガが外れることもありますが、アルコールが肝臓で代謝されるときに、グリコーゲンを消費します。それで糖分、炭水化物が欲しくなるそうです。女性では最後に「スイーツ」という人も多いですよね。 患者なるほど。 医師それにビールはカリウムを含んでいますので、ナトリウム、つまり塩分の多い食事が摂りたくなります。けれど、それを続けていると……。 患者血糖値が上がってくるわけですね。これからは飲み方に気をつけます。●ポイント日頃の飲酒パターンの振り返りが、血糖コントロールへの近道となります

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糖尿病合併CKD、降圧薬治療は有益か/Lancet

 糖尿病合併慢性腎臓病(CKD)患者に対する降圧薬治療について、生存を延長するとのエビデンスがあるレジメンはないことが、ニュージーランド・オタゴ大学のSuetonia C Palmer氏らによるネットワークメタ解析の結果、明らかにされた。また、ACE阻害薬とARBの単独または2剤併用療法は、末期腎不全に対して最も効果的な治療戦略であること、一方でACE阻害薬とARBの併用療法は、レジメンの中で高カリウム血症や急性腎不全を増大する傾向が最も高いことも示され、著者は「リスクベネフィットを考慮して用いる必要がある」と報告している。糖尿病合併CKD患者への、降圧薬治療の有効性と安全性については議論の余地が残されたままで、研究グループは、同患者への降圧薬治療の有益性と有害性を明らかにするため本検討を行った。Lancet誌2015年5月23日号掲載の報告より。すべての降圧薬治療戦略とプラセボをSUCRAでランク付け 解析は、世界各地で行われた18歳以上の糖尿病とCKDを有する患者が参加した経口降圧薬治療に関する無作為化試験を対象に、2014年1月時点で電子データベース(Cochrane Collaboration、Medline、Embase)を系統的に検索して行われた。 主要アウトカムは、全死因死亡および末期腎不全。副次アウトカムとして安全性および心血管アウトカムについても評価した。 主要および副次アウトカムに関する推定値を入手し、ランダム効果ネットワークメタ解析を行い、オッズ比または標準化平均差を95%信頼区間[CI]値と共に算出した。surface under the cumulative ranking(SUCRA)を用いて、すべての降圧薬治療戦略とプラセボの効果を比較し、ランク付けした。ACE+ARB併用は、末期腎不全を減少するがリスク増大も ネットワークメタ解析には、157試験、4万3,256例のデータが組み込まれた。被験者の大半は、2型糖尿病合併CKD患者で、平均年齢は52.5歳(SD 12.0)であった。 結果、各レジメンの全死因死亡のオッズ比は、0.36(ACE阻害薬+Ca拮抗薬)から5.13(βブロッカー)にわたってランク付けされたが、抑制効果についてプラセボより有意に良好なレジメンはなかった。 しかしながら末期腎不全については、ARB+ACE阻害薬の併用療法(オッズ比:0.62、95%信頼区間[CI]:0.43~0.90)と、ARB単独療法(同:0.77、0.65~0.92)において、プラセボと比較した有意な抑制効果が認められた。 高カリウム血症または急性腎不全を有意に増大したレジメンはなかったが、その中でランク付けにおいて、ARB+ACE阻害薬併用の推定リスクが最も高かった。(高カリウム血症のオッズ比:2.69、95%CI:0.97~7.47、急性腎不全:2.69、0.98~7.38)。

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Dr.山田のゆるい糖質制限 -医学的根拠と実践方法-

第1回 いま、糖質制限食が必要です 第2回 すでに効果と安全性は認められています第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています 第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません第6回 糖質制限はこうして実践できます 糖尿病食事療法の新たな選択肢として脚光を浴びる糖質制限。まだ一部には、腎機能への悪影響などを危惧する懐疑的な意見があるのも事実です。この番組では北里大学北里研究所病院糖尿病センター長の山田悟先生が最新のエビデンスを科学的に分析し、糖質制限に対するさまざまな危惧を払拭。さらに、実際の治療に取り入れる際のポイント、成功に導くテクニックも公開します。自信を持って糖質制限を勧められる知識とノウハウを詰め込みました!第1回 いま、糖質制限食が必要です糖尿病治療の新たな選択肢として注目を集める糖質制限。アメリカではすでに食事療法の一つとして認められているのです!第1回は、 山田悟先生が提唱する「ゆるい」糖質制限の定義、そしてなぜ糖質制限が糖尿病大国アメリカで認められているのかを学会提言の変遷とともに解説します。糖質を減らした分、脂質が増えていいの?といった疑問にも脂質を摂取することが動脈硬化や心血管疾患のリスクを低下させる…そんな研究結果を数多く引用し不安を払拭していきます。第2回 すでに効果と安全性は認められています今回は3つの大きな臨床研究を例に、糖質制限の効果と安全性に迫ります。4種類の食事療法での減量効果を調べたATOZ試験。糖質制限食・脂質制限食・高脂質食それぞれの減量効果や血糖値、脂質、血圧などに与える影響を調べたDIRECT試験とそのサブ解析。そして日本人の糖尿病患者での効果を検討した北里研究所病院試験。高脂質食や糖質制限食による脂質プロファイルの改善、また腎症3期でのeGFRの変化などを見ると、腎機能への影響や動脈硬化のリスクも杞憂だったと感じるはず。第3回 日本糖尿病学会は昔から認めています日本糖尿病学会は糖質制限を否定している?それは誤解だと山田先生は言い切ります。昔も今も、否定されているのは「極端な」糖質制限のみであり、「ゆるい」糖質制限は許容されているのです。そのことを理解するには、食品交換表、また日本糖尿病学会の糖尿病診療ガイドラインについて注意深く読み解くことが必要。そこで今回は、食品交換表の変遷を解説し、糖尿病診療ガイドラインの参考文献を丁寧に検証していきます。情報を自分で精査するための知識として、観察研究と無作為比較試験の違いにも言及。実践可能な食事療法として、「ゆるい」糖質制限が存在することをぜひ番組で体感してください。第4回 三大栄養素比率にこだわる必要はありません「炭水化物は総カロリーの50~60%摂取すべき」という定説、その根拠をひも解いてみると、実は明確なエビデンスがあるとは言い切れないということが今回のレクチャーでわかります。糖質摂取量を減らすことで懸念される血管内皮機能の低下や筋肉量の減少など、様々ある言説が誤解であるということもエビデンスに基づいて解説します!第5回 糖質制限は批判されるべきものではありません糖質制限で動脈硬化になる?心血管疾患のリスクが高まる?いずれも過去の言説になりつつあります。一概に蛋白といっても、その質によって動脈へ与える影響が異なることや、欧米人と東アジア人では糖質摂取量による心血管リスクが異なることを最新のエビデンスを用いて解説します。第6回 糖質制限はこうして実践できます糖質制限レクチャー最終回は、導入方法をお教えします。糖質制限を実際に導入するときに気を付けることは?糖質制限をしてはいけない症例は?薬との併用はどう考えればいい?食事以外に変更すべきことはある?など糖質制限の導入にあたっての疑問に山田先生がお答えします。糖質制限の特徴と注意点を押さえて、日常診療に役立ててください!

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1型糖尿病患者における強化療法と眼科手術(解説:住谷 哲 氏)-363

 糖尿病診断直後からの数年にわたる厳格な血糖管理が、その後の患者の予後に大きく影響することは、1型糖尿病(T1DM)においてはmetabolic memory(高血糖の記憶)、2型糖尿病(T2DM)においてはlegacy effect(遺産効果)として広く知られている。T1DMにおける糖尿病性腎症、心血管イベントおよび総死亡に対するmetabolic memoryの存在がすでに報告されていたが、本論文により眼科手術に対しても同様にmetabolic memoryの存在が明らかにされた。 糖尿病網膜症を有する患者においては、高血糖の急速な改善により網膜症の増悪を来すことがあるため注意が必要である、といわれているがエビデンスははっきりしない。本論文の基になっているDCCT試験1)において、血糖正常化を目指した強化療法群では介入開始1年後に、2次介入群(secondary-intervention cohort:軽度から中等度の非増殖性網膜症を有する患者群)では網膜症の増悪・進展を認めているが、3年後からは逆に強化療法群で増悪・進展が抑制されていた。6.5年後の試験終了時には、強化療法により1次予防群(primary-prevention cohort:網膜症なしの患者群)において、網膜症の新規発症が76%、2次介入群では網膜症の進展が54%、増殖性網膜症または高度の非増殖性網膜症の発症が47%とそれぞれ抑制されていた。したがって、T1DM患者においては、中等度の非増殖性網膜症までの段階であれば厳格に血糖管理を行うことで、一過性に網膜症の増悪を認めることもあるが、長期的には網膜症の新規発症、増悪、進展を抑制できる、とのエビデンスをわれわれは持っていたことになる。 本論文ではDCCT試験終了から23年後、試験開始から30年後における、通常療法群と強化療法群との眼科手術の頻度と、眼科手術にかかるコストとが評価された。結果は予想どおり、眼科手術の頻度とコストとの両者共に強化療法群において有意に減少していた。しかしながら、失明した患者数については記載がない。著者らの結論は眼科手術とコストとの両者においてもmetabolic memoryの存在が証明された、となっているが、すでに腎症、心血管イベントにおいてmetabolic memoryの存在が証明されており、当然のような気がしないでもない。 Discussionにおいて、強化療法によるベネフィットのほとんどはHbA1cの低下によって説明され、血圧の関与は有意ではなかったとある。この解釈には少し注意が必要であろう。2型糖尿病患者における血圧管理の重要性を初めて明らかにしたUKPDS 362)においては、cataract extraction(白内障摘出術)を除いたすべてのエンドポイントが降圧により減少した。他の2つの眼科関連エンドポイントであるvitrectomy(硝子体切除術)、retinal photocoagulation(網膜光凝固術)も降圧により有意に減少している。本論文においては眼科手術の多くがcataract extractionであり、全体の結果がこれに引きずられた可能性が否定できない。血圧管理は1型、2型を問わず糖尿病合併症予防においてきわめて重要であり、厳格な血糖管理のみに注目するのではなく、血圧、脂質も含めた包括的な管理を心がける必要があろう。

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92)リンゴの樹皮から誕生したSGLT2阻害薬【糖尿病患者指導画集】

患者さん用説明のポイント(医療スタッフ向け)■診察室での会話 患者最近、新しい薬が出たそうですね。 医師SGLT2阻害薬のことですね。 患者SGLT2阻害薬? 医師そうです。19世紀にリンゴの木の樹皮から発見された物質(フロリジン)で、尿糖排泄作用があることが、昔からわかっていたんです。 患者なんだ。昔からある薬なんですね。 医師ところが、吸収率が悪かったり、副作用があったりで、薬として出回るのに時間がかかったわけです。ただし、リンゴを食べたからといって、血糖が下がるわけではありませんよ。 患者なるほど。よくわかりました。●ポイントSGLT2阻害薬について、開発の歴史を振り返りつつ、説明することで患者さんの理解度が深まります

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リチウムの腎臓・内分泌系の有害作用/Lancet

 リチウムは気分障害の治療に広く用いられ、優れた有効性が示されているが、腎臓や内分泌系への有害作用の特性はよくわかっていないという。英国・John Radcliffe病院のBrian Shine氏らは、今回、リチウムは腎機能を低下させ、甲状腺機能低下症や高カルシウム血症を引き起こすことを報告した。Lancet誌オンライン版2015年5月21日号掲載の報告より。腎臓、甲状腺への有害作用を後ろ向きに検討 研究グループは、オックスフォード大学病院NHSトラストに集積されたデータをレトロスペクティブに解析した。対象は、1982年10月1日~2014年3月31日に、年齢18歳以上で、血清クレアチニン、甲状腺刺激ホルモン、カルシウム、糖化ヘモグロビン(HbA1c)、リチウムを2回以上測定された患者であった。リチウムの投与を受けていない患者を対照とした。 以下の5つの有害作用の評価を行った。Stage 3の慢性腎臓病(推定糸球体濾過量<60mL/分/1.73m2)、甲状腺機能低下症(甲状腺刺激ホルモン>5.5mU/L)、甲状腺機能亢進症(同<0.2mU/L)、総血清カルシウム濃度および補正血清カルシウム濃度の異常高値(>2.6mmol/L[≒46.8mg/dL])。 全体で、4,678例(2回以上の投与は2,795例[60%])のリチウム投与例と68万9,228例の対照のデータが得られた。リチウムの投与回数は2~162回であり、初回から最後のリチウム投与までの期間中央値は3.0年(四分位範囲:0.7~8.7年、最長28年)であった。60歳未満の女性でリスク大、治療早期に発現 年齢、性別、糖尿病で補正すると、血清リチウム濃度は、Stage 3の慢性腎臓病(ハザード比[HR]:1.93、95%信頼区間[CI]:1.76~2.12、p<0.0001)、甲状腺機能低下症(2.31、2.05~2.60、p<0.0001)、総血清カルシウム濃度の上昇(1.43、1.21~1.69、p<0.0001)と有意な関連が認められた。 一方、血清リチウム濃度は、甲状腺機能亢進症(HR:1.22、95%CI:0.96~1.55、p=0.1010)および補正血清カルシウム濃度の上昇(1.08、0.88~1.34、p=0.4602)とは関連がなかった。 女性は男性に比べリチウムによる腎臓や甲状腺の障害のリスクが高かった。また、60歳未満の女性は、60歳以上の女性よりも高リスクであった。 初回から最後のリチウム投与の期間が中央値より長い患者は、5つの有害作用のリスクがいずれも有意に低く、これはリチウムによる有害作用はいずれも治療早期に発現することを示す。また、5つの有害作用のリスクは、いずれも血清リチウム濃度が中央値よりも高値の患者で高かった。 糖尿病の有無で、リチウムによる有害作用のリスクに差はみられなかった。 著者は、「リチウムは、双極性障害患者の自殺リスクを低減するなど、現在も標準的な気分安定薬であることから、ベースライン時に腎臓および甲状腺、副甲状腺の機能の評価を行い、定期的なモニタリングを長期に継続する必要がある」と指摘している。

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1回の健診で26年後の心疾患やがんを予測可能?

 1回の健康診断の結果から、26年後の心血管疾患やがん、糖尿病を予測することは可能だろうか。スウェーデン・Habo健康管理センターのLars-Goran Persson氏らは、ベースライン時33~42歳の若年男性のコホートにおいて、1回の健康診断で得られた生活習慣および生物学的リスクマーカーの結果と26年後の心血管疾患やがんの罹患率・死亡率、糖尿病の罹患率との関連を検討した。その結果、1回の検査で確認されたリスク因子(とくに喫煙、BMI、血清コレステロール)により、26年後における心血管疾患、がん、糖尿病を予測できる可能性が報告された。BMJ Open誌2015年5月6日号に掲載。 対象は、1985年にHaboに住んでいた男性(757人)のうち、1985~1987年に健康診断を受けた男性652人。健康プロファイルを調査・測定し、健康に関する看護師との対話を実施、さらに高リスク群には医師との対話と検査を実施した。介入プログラムは、プライマリケア医療機関および地元関連機関の協力の下、実施した。心血管疾患およびがんの罹患はスウェーデン保健福祉庁のデータから、糖尿病については薬局での医薬品販売データから評価した。健康プロファイルより、生活習慣(喫煙、身体活動、飲酒)と生物学的リスクマーカー(BMI、血圧、血清コレステロール)に関する項目を選び、そのリスクポイントの合計で参加者を3群に分け比較した。 主な結果は以下のとおり。・リスクポイントの合計が最も低い群は、最も高い群と比較して、心血管疾患およびがんのリスクが有意に低かった。・生活習慣に関するリスクポイントが最も低い群は、最も高い群に比べて、心血管疾患リスクが有意に低く、生物学的リスクマーカーに関するリスクが最も低い群は、心血管疾患およびがんの両方のリスクが有意に低かった。喫煙と血清コレステロールは、最も重要なリスク因子であった。・糖尿病においては、BMIと喫煙が最も重要なリスク因子であった。

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