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症候性AFの第一選択にアブレーション加わる/不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)

 「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)」が、2019年3月29日に発表された。本ガイドラインは2011年改訂の「不整脈非薬物治療ガイドライン」、および2012年発表の「カテーテルアブレーションの適応と手技に関するガイドライン」の統合・改訂版。第83回日本循環器学会学術集会(3月29~31日、横浜)で、ガイドライン作成の合同研究班班長である栗田 隆志氏(近畿大学病院 心臓血管センター)、野上 昭彦氏(筑波大学医学医療系 循環器不整脈学)が、植込み型心臓電気デバイス(CIED)とカテーテルアブレーションの主な改訂点についてそれぞれ講演した。ICD適応を日本のエビデンスで裏付け CIEDでは、虚血性の冠動脈疾患および非虚血性心筋症に対する植込み型除細動器(ICD)の適応を、フローチャートの形で整理。ともに考え方や推奨度そのものは、2011年版から大きな変化はない。しかし非虚血性心筋症に対する一次予防では、DANISH試験を含むメタ解析や日本発のエビデンスなど、最新試験結果による推奨度の裏付けがなされた。 栗田氏は、「とくに2つの日本のデータから、非虚血性心筋症の一次予防におけるICD適応の根拠を得ることができたことは大きい。2015年発表のCHART-2試験によって示された、1次予防適応のクラスIならびにクラスIIa相当の患者における致死的不整脈の発生率はこの推奨度を支持する。また、2018年発表のNippon Stormからは、非虚血性の一次予防における適切作動率が、虚血性の二次予防と同程度という結果が得られており、有用性が示されている」と述べた。ESCではQRS幅130ms未満はCRT禁忌、しかし日本では? 心臓再同期療法(CRT)の適応は非常に複雑なため、NYHA心機能分類、薬物治療の施行、LVEF、QRS波形、QRS幅、調律に応じた推奨度を一覧化した表を不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)で初めて掲載している。この中で議論となったのが、CRT 適応とするQRS幅の下限値だ。2013年のEchoCRT試験の結果を受けて、ESC(欧州心臓病学会)の2016年のガイドラインでは、130ms未満はクラスIII(禁忌)となっている。 しかし、日本では120~130msの心筋症患者でもCRTレスポンダーの報告があること、またEchoCRT試験のサブ解析では、左室拡張末期容量(LVEDV)の小さな症例ではCRTの有用性が示されていることなどから、本改訂版では変更なく、下限値を120msとしている。 その他、旧版以降に登場した、リードレスペースメーカ、ヒス束ペーシング、経皮的リード抜去術などの新たな治療法についてもガイドラインでは項目立てされ、エビデンスが整理されている。症候性AFでは、薬物治療とカテーテルアブレーションが第一選択に 野上氏は、まず大前提として甲状腺機能亢進症、肥満、高血圧、糖尿病といった心房細動(AF)のリスク因子の適切な治療なくして、カテーテルアブレーションの施行はないことを強調。そのうえで、症候性AFにおいては、近年発表された3つのRCTやメタ解析でその有用性が示されたことから、抗不整脈薬の投与を経ないカテーテルアブレーションの施行を、抗不整脈薬投与とともに第一選択としてガイドラインでは推奨したと説明した。発作性/持続性AFでは、第一選択としてクラスIIaの推奨度が示されている。長期持続性AFについてはエビデンスが十分ではないが、抗不整脈薬による治療効果が乏しいため、同じくIIbの推奨度がガイドラインでは示されている。 一方、無症候性AFでは、長期予後を改善するというエビデンスは十分ではない。そのため不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では2012年版と変更なく、推奨度はIIbのままとなっている。周術期の抗凝固療法についての改訂点は まず、ワルファリンとダビガトランを投薬中の患者については、休薬なしでAFアブレーションを施行することにクラスI、その他のDOACについてはクラスIIaの推奨度が不整脈非薬物治療ガイドライン(2018年改訂版)では示された。一方、多くの病院で行われている、DOACの術前1回ないし2回の休薬についても、ABRIDGE-J試験の結果などからIIaの推奨度となっている。 その他、単形性持続性心室頻拍(VT)におけるアミオダロン投与有の患者、右室流出路あるいは末梢プルキンエ線維起源の心室期外収縮(PVC)契機の多形性VT・心室細動(VF)に対するアブレーションに、クラスIの推奨度が示されている。■関連記事「心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)」発表/日本循環器学会急性冠症候群ガイドラインの改定点は?/日本循環器学会

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5α還元酵素阻害薬で糖尿病の発症リスク増大?/BMJ

 5α還元酵素阻害薬(デュタステリドまたはフィナステリド)の投与を受ける良性前立腺肥大症患者は、タムスロシンの投与を受ける患者と比較して2型糖尿病の新規発症リスクが上昇することが示された。デュタステリドとフィナステリドとの間で有意差はなかった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのLi Wei氏らが、5α還元酵素阻害薬投与による2型糖尿病の新規発症を検証した住民ベースのコホート試験の結果で、「これらの薬剤を開始する男性で、とくに2型糖尿病のリスク因子を有する男性では、モニタリングが必要になるだろう」とまとめている。最近の短期投与試験で、デュタステリドがインスリン抵抗性や脂肪肝を引き起こすことが示され、デュタステリドを日常的に服用している男性は他の治療薬を用いている男性と比較し、2型糖尿病のリスクが増加する可能性が指摘されていた。BMJ誌2019年4月10日号掲載の報告。デュタステリド群、フィナステリド群、タムスロシン群で2型糖尿病の新規発症率を解析 研究グループは、英国の大規模臨床データベース(Clinical Practice Research Datalink:CPRD 2003~14年)と台湾の医療保険請求に基づく研究用データベース(Taiwanese National Health Insurance Research Database:NHIRD 2002~12年)を用いて、前立腺肥大症の薬物療法として5α還元酵素阻害薬の投与を受ける患者における2型糖尿病の新規発症率を調べた。 CPRDでは、デュタステリド群8,231例、フィナステリド群3万774例、タムスロシン群1万6,270例が特定され、傾向スコアマッチング(デュタステリド対フィナステリドまたはタムスロシンを2対1)により規定したコホートは、それぞれ2,090例、3,445例、4,018例であった。NHIRDでは、デュタステリド群1,251例、フィナステリド群4,194例、タムスロシン群8万6,263例が特定され、傾向スコアマッチング後のコホートは、1,251例、2,445例、2,502例であった。 2型糖尿病の発生タイプを、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。デュタステリド、フィナステリドで2型糖尿病の発症リスクが約30%上昇 CPRDでは、追跡期間中央値5.2年(SD 3.1年)で、2型糖尿病の新規発症は2,081例確認された(デュタステリド群368例、フィナステリド群1,207例、タムスロシン群506例)。1万人年当たりの発症頻度は、デュタステリド群76.2(95%信頼区間[CI]:68.4~84.0)、フィナステリド群76.6(95%CI:72.3~80.9)、タムスロシン群60.3(95%CI:55.1~65.5)であった。タムスロシン群と比較し、デュタステリド群(補正後ハザード比[HR]:1.32、95%CI:1.08~1.61)およびフィナステリド群(1.26、1.10~1.45)は、2型糖尿病リスクの中程度の増大が確認された。 NHIRDの結果も、CPRDの結果と一致していた(タムスロシン群と比較したデュタステリド群の補正後HR:1.34[95%CI:1.17~1.54]、同フィナステリド群の補正後HR:1.49[1.38~1.61])。 傾向スコアマッチング解析でも、同様の結果が示された。

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長時間透析の有用性は確認できず:ACTIVE Dialysis延長観察/国際腎臓学会

 血液透析例の予後改善の方策として、透析時間延長の有用性が唱えられている。しかし近年報告されたランダム化試験では、延長による生命予後改善の報告がある一方1)、増悪の報告もある2)。 前者は施設での短時間透析の回数を増やす有用性を検討しており、後者は自宅での夜間透析の回数を増やしていた。いずれも回数増加を介した透析時間の延長を試みていた。では透析を回数ではなく、時間そのものを目安に延長した場合、血液透析例の予後はどうなるだろうか―。この問いに答えるべく、Brendan Smyth氏(オーストラリア・シドニー大学)は、ACTIVE Dialysis試験の延長観察データを解析した。しかし観察研究という限界もあり、長時間透析の有用性は確認できなかった。4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019のLate Breaking Sessionにて報告された。≧24時間/週の「長時間」透析と≦18時間/週の「標準」透析の比較 ACTIVE Dialysis試験は元来、長時間透析によるQOLへの影響を検討したランダム化試験である。血液透析(施設、自宅を問わず)を施行中の200例が、透析時間12~15時間(上限18時間)/週の「標準」透析群と、≧24時間/週の「長時間」透析群にランダム化され、12ヵ月間追跡された。両群とも、1週間当たりの透析回数や毎回の透析時間は、参加者が自由に設定できた。 今回報告されたのは、上記の12ヵ月間の「長時間」透析によるQOLへの影響について追跡終了後、さらに4年間観察した結果である。 当初の12ヵ月間の追跡終了時、試験に残っていたのは185例だった。平均年齢は52.1歳。透析導入の理由は、糸球体腎炎が41.0%で最も多く、次いで糖尿病性腎症の27.0%、高血圧性腎硬化症の11.0%が続いた。観察期間の大半で「長時間」透析と「標準」透析に差はなくなり、生命予後にも有意差なし それら185例をさらに4年間観察したデータを解析したが、介入試験終了後の観察研究となったため、「長時間」透析群における週当たりの透析時間は維持されず短縮。そのため、観察1年後以降は「標準」透析群との差は消失していた。いずれの群も、週の透析時間中央値は12時間であり、観察終了時に「長時間」透析群で≧24時間/週の透析を受けていたのは5%のみだった。 その結果、5年生存率は両群とも80%。「標準」透析群に対する「長時間」透析群の死亡ハザード比(HR)は0.91(95%信頼区間[CI]:0.48~1.72)で、有意差は認められなかった。「長時間」透析の有用性が否定されたわけではない Smyth氏はそこで、本稿の冒頭にある2試験(「頻回[=長時間]」透析vs.「通常」透析)と今回の結果を併せてメタ解析を行った。すると「長時間」透析では「通常」透析に比べ、死亡HRが0.84となったが、95%信頼区間は「0.57~1.23」で、有意差とはならなかった。しかし試験間のばらつきの指標であるI2は79.6%ときわめて高く、同氏は「このメタ解析をもとに、「長時間」透析の有用性を否定するのは適切ではない」と注意を促した。

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エンドセリン受容体拮抗薬の糖尿病性腎症への効果は?:SONAR試験/国際腎臓学会

 2010年に報告されたASCEND試験1)において、糖尿病性腎症に対する腎保護作用を示しながら、心不全増加のため有用性を証明できなかったエンドセリン受容体拮抗薬だが、対象例を適切に絞り込めば有用であることが、ランダム化二重盲検試験“SONAR”の結果から明らかになった。本試験は、4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019のBreaking Clinical Trialsセッションにおいて、Dick de Zeeuw氏(オランダ・グローニンゲン大学)らが報告した。エンドセリン受容体拮抗薬の短期服用でUACRが低下する例に限定 SONAR試験の対象は、最大用量のレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬服用中の、慢性腎臓病(CKD)合併2型糖尿病例のうち、エンドセリン受容体拮抗薬atrasentan 0.75mg×2/日を6週間服用し(導入期間)、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が30%以上低下した例である。 「UACR低下率≧30%」を基準にした理由は、以下のとおり。 先述のASCEND試験において観察された心不全入院の増加は、エンドセリン受容体拮抗薬開始後に体重増加が大きい群で著明に高く2)、また別の臨床試験において、エンドセリン受容体拮抗薬による早期のUACR低下は、その後の体重と有意に逆相関していた3)。つまり、エンドセリン受容体拮抗薬の短期服用でUACRが低下する例に限定すれば、心不全発症高リスク例を除外できる可能性があると考えたわけである。無作為化されたのは適格例の約半数 適格例の5,630例が導入期間に入り、6週間後、52%に相当する2,648例で「UACR低下率≧30%」が認められた。 これら2,648例の、導入期間開始時における平均年齢は64.8歳、HbA1c平均値は7.8%だった。腎機能は、推算糸球体濾過率(eGFR)平均値が43.8mL/分/1.73m2、UACR平均値は約800mg/gであった。 治療薬としては、ほぼ全例がRAS阻害薬を服用、70%強がスタチンを服用していた。 これら2,648例は、atrasentan 0.75mg×2/日服用群(1,325例)とプラセボ群(1,323例)にランダム化され、二重盲検法にて2.2年間(中央値)追跡された。エンドセリン受容体拮抗薬で腎機能低下を抑制 その結果、主要評価項目である「血清クレアチニン(Cr)値倍増・末期腎不全への移行」の、atrasentan群における対プラセボ群ハザード比(HR)は、0.65(95%信頼区間 [CI]:0.49~0.88)の有意低値となった(atrasentan群:6.0% vs.プラセボ群:7.9%)。 内訳を見ると、atrasentan群で著明に減少していたのは「血清Cr値倍増」であり(HR:0.61、95%CI:0.43~0.87)、「末期腎不全への移行」には有意なリスク減少を認めなかった(HR:0.73、95%CI:0.53~1.01)。 またatrasentan群における主要評価項目抑制は、事前設定したすべてのサブグループにおいて一貫していた。エンドセリン受容体拮抗薬群の心不全リスクは高まらなかった 懸念される「心不全」(発症・増悪)は、atrasentan群で5.5%と、プラセボ群の3.9%よりも高値となったが、有意差には至らなかった(p=0.064)。一方、「貧血」はASCEND試験同様、エンドセリン受容体拮抗薬群で有意に多かった(18.5% vs.10.3%、p<0.001)。 また「重篤な有害事象」発現率も、atrasentan群で有意に高かった(36.3% vs.32.6%、p=0.049)。ただし「有害事象による脱落」は有意差とならなかった(10.4% vs. 9.2%、p=0.360)。 本研究は、報告と同時にLancet誌オンライン版で公開された。

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新規携帯型デバイスd-NAVは2型糖尿病患者のインスリン治療を大きく前進させるか?(解説:住谷哲氏)-1026

 インスリン投与が必要となる2型糖尿病患者は少なくない。血糖降下薬としてのインスリンの特長は投与量に上限がないことであり、理論上インスリン投与量を増加すれば血糖は必ず低下する。しかし実臨床においてはインスリン投与にもかかわらずHbA1c>8.0%の患者は多く存在する。本論文の著者であるHodish氏らはこの状況を“insulin paradox”と名付けて、その原因は必要十分量のインスリンが投与されていないことにあると主張してきた1)。さらに必要十分量のインスリンが投与されないのは、多忙な医療従事者が個々の患者に対してインスリン投与量の変更(insulin titration)を実施する時間がないのが一因であるとして、insulin titrationを自動化するアルゴリズムDiabetes insulin guidance system DIGSTMを開発した。このDIGSTMを自己血糖測定器に組み込んだものが携帯型デバイスd-NAV(diabetes navigator)である。d-NAVを用いて自己血糖を測定するとまず血糖値が表示され、続いてボタンひとつで必要なインスリン投与量が表示されるので患者は指示に従ってインスリンを注射することになる。 少人数の患者を対象としたproof-of-concept試験ですでにその有効性が証明されたので2)、参加者を増やして実施されたのが本試験である。対象者はインスリン使用中の2型糖尿病患者であるが、insulin regimenは(1)基礎インスリンのみ(いわゆるBOT)、(2)混合型インスリン2回注射法、(3)Basal-bolus法、(4)カーボカウント併用のbasal-bolus法の4種が使用されていた。自己血糖測定はインスリン投与前に実施された。その結果は、6ヵ月後の試験終了時にHbA1c値は介入群が1.0%低下したのに対し、対照群は0.3%の低下であり、両群間に有意な差が認められた(p<0.0001)。さらにHbA1c<7%を達成した患者の割合は、介入群が22%と、対照群の5%に比べ有意に多かった(p=0.0008)。インスリン投与量は介入群の1.24単位/kg/日に対し対照群では0.76単位/kg/日であり介入群で有意に多かった(p=0.0001)。 d-NAVによるinsulin titrationはインスリン治療で常に問題となるclinical inertiaを克服する有用なツールとなる可能性が高い。d-NAVの基礎にある考えは前述したようにインスリン投与量の最適化、換言すれば十分量のインスリンを投与することで血糖コントロールを改善することにある。UKPDS33およびORIGINでインスリンが心血管イベントを増加しないことは証明されている。一方で、ACCORDの結果は血糖降下薬の多用によるHbA1cの低下のみを目指した治療が患者に不利益を与える可能性を示している。新たなツールを用いてHbA1cを低下させることは重要であるが、2型糖尿病治療においては生活習慣の改善を基礎とした全体的アプローチholistic approachが重要であることを忘れてはならない。

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急性冠症候群ガイドラインの改訂点は?/日本循環器学会

 急性心筋梗塞や不安定狭心症、心臓突然死を含む急性冠症候群。これは、欧米での死因第一位であり、高齢化や食の欧米化が年々加速する日本でも他人事ではない。2019年3月29~31日、第83回日本循環器学会学術集会が開催され、『急性冠症候群診療ガイドライン(2018年改訂版)』の作成班長を努めた木村 一雄氏(横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター)が、急性冠症候群診療ガイドラインの改訂ポイントについて解説した。急性冠症候群診療ガイドラインは日本発祥 『急性冠症候群診療ガイドライン』は、3つのガイドライン(「ST上昇型急性心筋梗塞の診療に関するガイドライン」、「非ST上昇型急性冠症候群の診療に関するガイドライン」、「心筋梗塞二次予防に関するガイドライン」)を包括し、発行された。作成するにあたり、急性冠症候群診療ガイドラインがアジア諸国の参考となることを目指し英文ガイドラインも同時発表されたが、このような急性冠症候群(ACS)を包括したガイドラインは、米国や欧州でもいまだに作成されていない。急性冠症候群診療ガイドラインの診断、治療における改訂点◆クラス分類 推奨クラスI~IIbについてはこれまで同様。クラスIIIについては、臨床的有用性を考えACC/AHAのガイドラインに準じ“No benefit”と“Harm”の分類も加わった。◆心筋トロポニン測定 「心筋トロポニンが測定できる条件下では、ACSの診断にクレアチンキナーゼ(CK-MB)やミオグロビンは推奨されない(クラスIII/No benefit)」 診断において、心筋壊死のバイオマーカーとして従来用いられてきたCKに代わり、感度・特異度の高い心筋トロポニンが推奨された。その結果、定義上の非ST上昇型心筋梗塞が増加し、不安定狭心症は減少。長期予後では、CK上昇例と心筋トロポニンのみ上昇例で差がなかったため、心筋トロポニン測定導入の妥当性が示された。◆初期治療時の酸素投与 「酸素飽和度90%以上の患者に対して、ルーチンの酸素投与は推奨されない(クラスIII/No benefit)」 低酸素血症のない急性心筋梗塞患者で酸素投与の有効性が否定されたことを受け、“すべての患者に対する来院後6時間の投与(クラスIIa)”から改訂された。低酸素血症や心不全がなければ、ルーチンで酸素を投与しなくて良くなった。◆STEMIにおけるprimary PCI 「発症12時間以内の患者に対し、できる限り迅速にprimary PCI(ステント留置を含む)を行う(クラスI)」 「Primary PCIにおいて、ルーチンの血栓吸引療法を先行することは推奨されない(クラスIII/No benefit)」 急性冠症候群診療ガイドラインではST上昇型急性冠症候群(STEMI)について、発症から再灌流までの総虚血時間の短縮が最も重要であるため、梗塞サイズの縮小を目指した早期再灌流の重要性をより強調している。アクセスについては、経験豊富な術者による撓骨動脈を使用することを、STEMIに関わらず推奨(クラスI)とした。また、血行動態の安定した多枝病変例で、非梗塞責任血管の有意狭窄病変へのPrimary PCIはルーチンに行うことは推奨されない(クラスIII/No benefit)が、心原性ショックを合併した例では、個々の症例において考慮する。また、年齢においても推奨度が異なり、75歳未満の心原性ショック患者にはPrimary PCIを行う(クラスI)、それに対し、75歳以上の場合は考慮する(クラスIIa)となっている。そのほか、薬剤溶出性ステント(DES)の使用、残存病変への対応、心電図による診断、薬剤投与方法ついての記載が変更されている。急性冠症候群診療ガイドラインでの薬剤の推奨、改訂点は? 急性冠症候群診療ガイドラインでは薬物治療について、一次予防のみならず二次予防の観点からも記載が充実。ステント植え込み例では、アスピリンに加えクロピドグレルのほかに、より抗血小板作用の強いプラスグレル投与を6~12ヵ月間併用投与することが推奨(クラスI)とされている。また、脂質異常症におけるLDL-C低下療法の有効性が確立したことから、ストロングスタチンを忍容可能な最大容量で投与することを推奨(クラスI)。糖尿病併存患者における血糖コントロールについては、心血管イベント抑制が示されているSGLT-2阻害薬の投与が初めて推奨されることとなった(クラスIIa)。

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日本の食品リスク因子は高Na摂取:GBD 2017/Lancet

 2017年の世界の健康的な食品および栄養素の摂取状況は、ほとんどすべてが最適ではなかった(suboptimal)ことが、米国・ワシントン大学のAshkan Afshin氏らGBD 2017 Diet Collaboratorsの調査で明らかとなった。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年4月3日号に掲載された。非最適食(suboptimal diet)は、非感染性疾患(NCD)の重要かつ予防可能なリスク因子だが、そのNCD負担に及ぼす影響を系統的に評価した研究は、これまでなかったという。195ヵ国の食品に起因する死亡数とDALYを評価 研究グループは、世界195ヵ国の主要な食品および栄養素の摂取状況を調査し、非最適食の摂取がNCD死亡率や罹患率に及ぼす影響を定量化した(Bill & Melinda Gates Foundationの助成による)。 最適な摂取量は、全死因死亡のリスクを最小化するリスク曝露量と定義された。相対的なリスク評価法を用い、25歳以上の成人において、個々の食品がリスク因子として寄与する疾患特異的負担の割合(人口寄与割合[PAF]とも呼ばれる)を評価した。解析の主要な情報には、個々の食品因子の摂取、食品因子が疾患エンドポイントに及ぼす効果量、最も死亡リスクが低い摂取量が含まれた。 次いで、疾患特異的PAF、死亡率、障害調整生命年(DALY、早死におよび障害を有することで失われた年数)を用いて、個々の疾患の転帰における食品に起因する死亡数およびDALYを算出した。主な食品リスク因子は、高ナトリウム・低全粒穀物・低果物摂取量 2017年の世界の健康的な食品および栄養素の摂取状況は、ほとんどすべてが最適ではなかった。最適食との乖離が最も大きかったのは、ナッツ・種子類、牛乳、全粒穀物であり、それぞれ1日の最適レベルの12%(3g)、16%(71g)、23%(29g)しか摂取されていなかった。 2017年の食品のリスク因子に起因した死亡数は1,100万人(95%不確実区間[UI]:1,000万~1,200万)であり、2億5,500万DALY(2億3,400万~2億7,400万)が食品リスク因子によるものだった。 世界的な死亡数およびDALYにおける主要な食品リスク因子は、高いナトリウム摂取量(死亡数:300万人[95%UI:100万~500万]、DALY:7,000万DALY[3,400万~1億1,800万])、低い全粒穀物摂取量(300万人[200万~400万]、8,200万DALY[5,900万~1億900万])および低い果物摂取量(200万人[100万~400万]、6,500万DALY[4,100万~9,200万])であった。 日本は、人口が多い上位20ヵ国のうち、年齢標準化全食品関連死の割合(10万人当たりの死亡数97人[95%UI:89~106])およびDALY(10万人当たり2,300 DALY[2,099~2,513])が最も低かった。また、日本は、食品関連の心血管疾患死の割合(10万人当たりの死亡数69人[63~75])およびDALY(10万人当たり1,507 DALY[1,389~1,639])と、糖尿病死の割合(10万人当たりの死亡数1人[1~1])およびDALY(10万人当たり234 DALY[161~321])が最も低かった。中国、タイと並び、日本の主要な食品リスク因子は、高いナトリウム摂取量だった。 食品データはさまざまな情報源によるもので、すべての国から得られたわけではない。そのため、食品リスクへの曝露の推定値の統計学的不確定性が増大した。また、ナトリウムは、随時尿検体のデータを含めなかったため、データ代表性の指標が、他の食品リスクに比べ低くなった。 著者は、「本研究は、NCDの死亡率および罹患率に及ぼす非最適食の潜在的な影響に関する包括的な全体像を提供し、国を超えた食品の改善の必要性を強調するものである。また、これらの知見は、エビデンスに基づく食品介入を実施する際に有益な情報をもたらし、その介入が毎年のヒトの健康に及ぼす影響の評価基盤を提供すると考えられる」としている。

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SGLT2阻害薬カナグリフロジンの腎保護作用が示される:CREDENCE試験/国際腎臓学会

 2型糖尿病患者に対する心血管系(CV)イベントリスクの低下を検討したランダム化試験から、SGLT2阻害薬による腎保護作用が示唆された。しかし、あくまで副次的解析であり、対象は腎機能が比較的保たれた例に限られていた。4月12~15日にオーストラリアで開催された国際腎臓学会(ISN)-World Congress of Nephrology(WCN)2019で報告されたCREDENCE試験では、SGLT2阻害薬カナグリフロジンが、慢性腎臓病(CKD)を合併した2型糖尿病患者の腎・心イベントを抑制することが明らかになった。Vlado Perkovic氏(オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学)が報告した。対象は全例、腎機能の低下した2型糖尿病患者 CREDENCE試験では、CKDを合併し、最大用量のレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬またはACE阻害薬を服用し、腎機能増悪高リスクの2型糖尿病患者4,401例が対象(日本からは110例)。CKDの基準は「eGFR:30~90mL/分/1.73m2」かつ「尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR):300~5,000mg/gCr」とした。 平均年齢は63歳でHbA1c平均値は8.3%。腎機能は、eGFR平均が56.2mL/分/1.73m2、UACR中央値が927mg/gCrだった。また99.9%がRAS阻害薬を服用し、加えて69%がスタチンを併用していた。カナグリフロジンは腎・心イベントを有意に抑制 これら4,401例は2週間のプラセボ服用期間後、カナグリフロジン100mg/日群(2,202例)とプラセボ群(2,199例)にランダム化され、二重盲検法で追跡された。主要評価項目は「末期腎不全・血清クレアチニン(Cr)倍増・腎/心血管系死亡」の腎・心イベントである。 2018年7月、中間解析の結果、主要評価項目発生数が事前に設定された基準に達したため、試験は早期中止となった。その結果、追跡期間中央値は2.62年(0.02~4.53年)である。 主要評価項目発生率は、カナグリフロジン群:43.2/1,000例・年、プラセボ群:61.2/1,000例・年となり、カナグリフロジン群におけるハザード比(HR)は、0.70(95%信頼区間[CI]:0.59~0.82)の有意低値となった。 カナグリフロジン群における主要評価項目抑制作用は、「年齢」、「性別」、「人種」に有意な影響を受けず、また試験開始時の「BMI」、「HbA1c」、「収縮期血圧」の高低にも影響は受けていなかった。「糖尿病罹患期間の長短」、「CV疾患」や「心不全既往」の有無も同様だった(いずれも、交互作用 p>0.05)。カナグリフロジン群は腎イベントのみで比較してもリスクが有意に低減 副次評価項目の1つである、腎イベントのみに限った「末期腎不全・血清Cr倍増・腎死」も、カナグリフロジン群における発生率は27.0/1.000例・年であり、40.4/1.000例・年のプラセボ群に比べ、HRは0.66の有意低値だった(95%CI:0.53~0.81)。 同様に副次評価項目の1つである「CV死亡・心筋梗塞・脳卒中」(CVイベント)も、カナグリフロジン群におけるHRは0.80(95%CI:0.67~0.95)となり、プラセボ群よりも有意に低かった。 なお、総死亡、あるいはCV死亡のリスクは、カナグリフロジン群とプラセボ群の間に有意差を認めていない。カナグリフロジン群とプラセボ群で下肢切断、骨折の有意差認めず 有害事象のリスクも、カナグリフロジン群で有意に低かった。 プラセボ群と比較した「全有害事象」のHRは0.87(95%CI:0.82~0.93)、「重篤な有害事象」に限っても、0.87(95%CI:0.79~0.97)である。 また「下肢切断」のリスクだが、発生率はカナグリフロジン群:12.3/1,000例・年で、プラセボ群:11.2/1,000例・年との間に、有意なリスクの差は認めなかった(HR:1.11、95%CI:0.79~1.56)。なお本試験はCANVAS Programの報告を受け、2016年に安全確保のためプロトコールを改訂。以降、全例で「受診時の下肢チェック」と「下肢切断リスク上昇可能性時の試験薬一時中止」が求められるようになった。 「骨折」の発生リスクにも、カナグリフロジン群とプラセボ群の間に有意差はなかった。 本試験は報告と同時に、NEJM誌でオンライン公開された。また、学会で掲出されたスライドは、The George Institute for Global HealthのHP からダウンロードが可能である。専門家はこう見る:CLEAR!ジャーナル四天王SGLT2阻害薬カナグリフロジンの腎保護作用がRAS抑制薬以来初めて示される(解説:栗山 哲 氏)-1039 コメンテーター : 栗山 哲( くりやま さとる ) 氏東京慈恵会医科大学客員教授

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MR選択性の高い高血圧症治療薬「ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg」【下平博士のDIノート】第23回

MR選択性の高い高血圧症治療薬「ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg」今回は、選択的ミネラルコルチコイド受容体(MR)ブロッカー「エサキセレノン錠(商品名:ミネブロ錠1.25mg/2.5mg/5mg)」を紹介します。本剤は、中等度の腎機能障害およびアルブミン尿を有する2型糖尿病を合併する高血圧症患者にも投与することができ、これまでの高血圧症患者のアンメットニーズを満たす薬剤となることが期待されています。<効能・効果>本剤は、高血圧症の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年5月13日より発売される予定です。体液量の恒常性の維持に寄与するアルドステロンが作用するMR受容体の活性化を抑制することで降圧作用を示します。<用法・用量>通常、成人にはエサキセレノンとして2.5mgを1日1回経口投与します。なお、効果不十分な場合は5mgまで増量できます。本剤は、高カリウム血症の患者もしくは本剤投与開始時に血清カリウム値が5.0mEq/Lを超えている患者や重度の腎機能障害のある患者、カリウム保持性利尿剤やカリウム製剤などを投与中の患者には禁忌となっています。<副作用>国内第III相臨床試験において、総症例1,250例中162例(13.0%)に、臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、血清カリウム値上昇51例(4.1%)、血中尿酸増加17例(1.4%)、高尿酸血症13例(1.0%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として高カリウム血症(1.7%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、血圧を上げるホルモン(アルドステロン)の働きを抑えることにより、血圧を低下させます。2.血圧が下がることにより、めまいなどが現れることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には注意してください。3.飲み合わせに注意すべき薬や健康食品があるため、現在服用している薬やサプリメントがある場合は、医師・薬剤師にお伝えください。また、新たに薬を飲み始める場合は、あらかじめ相談してください。4.本剤を服用中は、体内のミネラルバランスを保つために、こまめな水分摂取や適度な運動を心掛け、脱水や便秘を予防してください。5.この薬の服用により、血中のカリウム値が上昇することがあります。手や唇がしびれる、手足に力が入らない、吐き気などの症状が現れた場合は相談してください。6.葉物野菜や芋類、豆類、バナナなど、カリウムを多く含む食物を食べ過ぎないように注意してください。カリウムは水に溶けやすいため、ゆでたり水にさらしたりすることで、カリウムを減らすことができます。<Shimo's eyes>MR拮抗薬は『高血圧診療ガイドライン2014』において、高血圧症治療の第1選択薬とはなっていないものの、ミネラルコルチコイドが関与する低レニン性高血圧症にとくに効果が期待でき、治療抵抗性高血圧症に対しても有用であるとされています。既存のMR拮抗薬としては、スピロノラクトン(商品名:アルダクトンA)とエプレレノン(同:セララ)が発売されています。スピロノラクトンのMR拮抗作用は強力ですが、女性化乳房や月経異常などの性ホルモンに関連した副作用を発現しやすいことが治療継続の課題となっています。MRへの選択性が高いエプレレノンは、性ホルモン関連副作用は軽減されていますが、中等度以上の腎機能障害患者や、微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者への投与は禁忌となっています。本剤はMR選択性を有し、本態性高血圧症患者を対象とした臨床試験においてエプレレノンに劣らない降圧作用が認められています。また、中等度の腎機能障害患者、および微量アルブミン尿または蛋白尿を伴う糖尿病患者に対しても、血清カリウム値の定期的な測定は必要ですが投与可能です。今までMR拮抗薬を使用できなかった血圧コントロール不良の患者の新たな治療選択肢となりうるでしょう。なお、2019年4月時点において、海外で承認されている国および地域はありませんので、副作用に関しては継続的な情報収集が必要です。

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第8回 高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイント【高齢者糖尿病診療のコツ】

第8回 高齢者の運動療法の進め方、工夫のポイントQ1 運動量(負荷)と時間の設定について、基本的な考え方を教えてください高齢の糖尿病患者さんでは、運動療法の効果は血糖降下作用のみにとどまりません。筋肉量や筋力低下の抑制、フレイルや認知機能低下の予防、抑うつ予防、心肺機能の維持、ストレス解消など多岐にわたります。また一口に運動療法といっても、有酸素運動やレジスタンス運動、柔軟性運動(ストレッチ)、バランス運動など様々です。有酸素運動は歩行や水泳などの全身運動を指し、骨格筋などで酸素を取り入れて糖質や遊離脂肪酸を燃焼させ、エネルギー(ATP)を生成する運動です。運動開始から10分ほど経過すると糖質が利用されはじめ、15分ほど経過すると遊離脂肪酸が利用されはじめるので、糖質と遊離脂肪酸の双方が利用されるには20分以上の運動時間が必要となります。また運動強度としては、Borgの自覚的運動強度(rate of perceived exertion;RPE)の「ややきつい」と感じる程度が適当であり、心拍数で120拍/分程度、安静時脈拍の1.5~2倍の拍動数を示すレベルが目安となります(図1)。ただし、自律神経障害がある場合には脈拍が参考にならないこともあるので注意が必要です。画像を拡大するジョギングであれば、「隣の人とおしゃべりしながら走れる程度」を目安とすれば良いと思います。糖尿病患者の糖代謝の改善が持続するのは、運動後12~72時間のため、頻度としては週に3~5回が必要となります。標準的な考え方としては、週に150分以上のウォーキングや自転車こぎなどの有酸素運動を行うと、血糖コントロールの改善や糖尿病合併症の進行予防が期待できます。ウォーキングであれば、1回につき20~30分、1日2回ずつ行うのが理想です。しかし、今まで運動習慣のなかった方がいきなり20分以上の運動量をこなすのは困難です。そのため、実践可能な量から開始していくのが良いでしょう。まずは1日に5分程度でも良いので、ペットを連れて散歩する、ごみを捨てに行く、買い物に行くなどから始めてもらいます。できれば毎日行っていただくよう指導しています。外出することを習慣づけてしまえば、運動量を増やしていくことも容易となるからです。なお、運動は食後1時間程度から開始すると、食後高血糖の抑制効果が得られます。高齢の糖尿病患者は食後高血糖を来しやすいため、食後に運動することを推奨しています。レジスタンス運動とは、ダンベルを利用した体操や、腹筋や腕立て伏せといった筋力トレーニングなどを指します。高齢の糖尿病患者が、軽度の負荷であるレジスタンス運動を継続して行うと、筋肉量が有意に増加したという報告があります1)。最近のメタ解析では、2型糖尿病患者がレジスタンス運動を行うと、筋力だけでなく、血糖コントロールが改善するとも報告されています2)。レジスタンス運動は、少なくとも週2回以上行うことが推奨されています。ただし、フレイルがあってレジスタンス運動が十分施行できない場合には、柔軟性運動から始めて、軽度の負荷のレジスタンス運動を行い、有酸素運動やバランス運動を加えて、さらにレジスタンス運動の負荷を強めていくという流れが良いと思います。こうした運動を多要素の運動といい、タンパク質の十分な摂取と組み合わせると、フレイルや身体機能を改善することが報告されています3)。市町村の運動教室(筋力トレーニングを含むもの)やジムに参加したり、ヨガや太極拳などに参加したりすることも有効です。Q2 効果的な運動の組み合わせってありますか?有酸素運動とレジスタンス運動の併用が有効であることはよく知られていますが、そのベストな割合ははっきりしていません。しかし、どちらから先に始めるのが適当かについて検証した論文はあります。1型糖尿病患者12人に対して、運動中および運動後の血糖変化を測定したもので、レジスタンス運動を先行させた方が血糖変動は少なく、運動後や夜間の低血糖発症頻度も少なくなる可能性が示唆されました4)。また、血管平滑筋の緊張状態はレジスタンス運動で増加し、有酸素運動で緩和されるとも報告されています5)。高齢の糖尿病患者では動脈硬化性変化も大きいことから、血管平滑筋の緊張状態を緩和する意味からも、レジスタンス運動を先に行い、その後有酸素運動を行う方が良いのではないかと考えています。Q3 膝や腰の悪い患者さんに、推奨できる運動はありますか?多くの高齢糖尿病患者が、膝や腰の痛みを抱えており、思うように運動療法が施行できないことが多々あります。また、腎障害や網膜症、大血管障害などの合併症を有することも多いため、十分な運動の施行はさらに難しくなるのが悩ましいところです。有酸素運動とレジスタンス運動の双方を満たし、さらに膝や腰などへの負担が少ない運動としては、水中歩行があります(図2)。普段から積極的にジムへ通っている方などには、週2回程度、水中をゆっくり30分程度歩いていただくことを推奨しています。画像を拡大するしかし、プールやジムに通う習慣がないと、新たに始めるのを躊躇される方も多いのが実情です。このような患者さんには、運動を行うための準備段階として、軽度の身体活動の機会をできるだけ増やし、日常生活の中で簡単に行うことができるプログラムを提供することが重要と考えられます。最近ではNEAT(non exercise activity thermogenesis:普段の生活の中で座ったり家の中をうろうろ動き回ったりするなど、日常生活活動で消費するエネルギーのこと)の効果が注目されており6)、軽度の身体活動でも高齢糖尿病患者における体力の維持に寄与する可能性は十分あると考えられます。そのため、まずは、坐位や臥位の時間をできるだけ短くすることを指導します。次に、家の中でもできる運動を開始するように勧めます。たとえば、椅子に座ったままで足踏みをしたり、膝を高く持ち挙げたり、下肢を水平に上げて保持するなどの運動は、テレビを観ながらでも行うことができます。これらは歩行時の足の振出しや、階段での足の持ち上げに有効な、腸腰筋群を強化します(図3)。画像を拡大するQ4 転倒・骨折リスク低減に、推奨できる運動はありますか?転倒・骨折リスクの低減には、バランス運動が効果的です。例えば片足立ちは、体幹を支える大腿四頭筋の筋力維持に有効です。転倒防止に机や椅子につかまって行っても構わないので、片足立ちを左右30秒ずつ、1日3回程度から開始して、徐々に時間を延ばしていきます。これらの運動は道具も不要で膝などへの負担も少ないため、取り組みやすく、おススメです。最近では、慢性腎臓病においても運動は腎機能を悪化させず、一部は改善するという報告があります。また、定期的な運動を行っている血液透析患者の生命予後は、運動を行っていない患者に勝るという報告もあります7)。合併症があり、思うように運動できない場合でも、「家の中の掃除や簡単な料理など、家事を行ってみる」ところから始めて、「少しでも外出してみる」方向へ進み、徐々に自信がついてから、「これなら続けられる」と感じて自己効力感を高めていくことができれば、運動の効果が期待できると思います。また、1つの運動に飽きてしまったら、いくらでも別の運動に変えていって構いません。高齢糖尿病患者に対する運動療法の目的は、健康寿命を延ばすことです。個人差が大きいため、個々に合った運動療法が見つかるまで色々な方法を提案し、その中から患者さん自身が選び、継続していけるようになることが望ましいでしょう。1)Singh NA, et al. J Am Med Dir Assoc.2012; 13: 24-30.2)Lee J, et al. Diabetes Therapy.2017; 8: 459-473.3)Liao C-D, et al. Nutrients.2018.Dec 4[Epub ahead of print]4)Yardley JE, et al. Diabetes Care.2012; 35: 669-675.5)Okamoto T, et al. J Appl Physiol.2007; 103: 1655-1661.6)Levine JA, et al. Science.2005; 307: 584-586.7)Greenwood SA, et al. J Kidney Dis.2015; 65: 425-434.

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1型糖尿病児の血糖コントロール、持続皮下vs.頻回注射/BMJ

 英国の1型糖尿病の小児では、1年時の血糖コントロールに関して、持続皮下インスリン注入療法(CSII)には頻回注射法(MDI)を凌駕する臨床的有益性はないことが、同国Alder Hey Children’s NHS Foundation TrustのJoanne C. Blair氏らが行ったSCIPI試験で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年4月3日号に掲載された。CSIIは費用対効果が優れるとするメタ解析や経済評価の報告があるが、いずれも小規模な無作為化対照比較試験や観察研究のデータに基づくものであった。また、1型糖尿病の成人患者のクラスター無作為化試験(REPOSE試験)では、CSIIはMDIを超える有益性をもたらさないことが示されている。1年時の血糖コントールを比較する無作為化試験 研究グループは、1型糖尿病の小児における診断から1年間のCSIIとMDIの有効性、安全性、費用対効果を比較する目的で、プラグマティックな多施設共同非盲検無作為化対照比較試験を実施した(英国国立衛生研究所[NIHR]健康技術評価プログラムの助成による)。 対象は、1型糖尿病を新規に診断された7ヵ月~15歳の小児であった。1型糖尿病のきょうだいがいる患児や、血糖コントロールに影響を及ぼす可能性のある薬物療法またはほかの疾患の診断を受けている患児は除外された。 被験者は、診断から14日以内にCSIIまたはMDIを開始する群に無作為に割り付けられた。体重と年齢に基づき、インスリン アスパルト(CSII、MDI)、インスリン グラルギンまたはインスリン デテミル(MDI)の開始用量を算出し、血糖の測定値および各施設の診療方針に従って用量を調節した。 主要アウトカムは、12ヵ月時の血糖コントロール(HbA1c値[mmol/mol]で評価)とした。両群とも、血糖コントロール、目標値の達成率が低い 2011年5月~2017年1月の期間に、イングランドおよびウェールズの15の小児糖尿病に関するサービスを提供する国民保健サービス(NHS)施設で293例が登録され、CSII群に144例、MDI群には149例が割り付けられた。ベースラインの全体の年齢中央値は9.8歳(IQR:5.7~12.3)、女児が47.8%であった。 12ヵ月時のITT集団の平均HbA1c値は、CSII群とMDI群でほぼ同等であり、臨床的に意義のある差を認めなかった(60.9 vs.58.5mmol/mol、補正後平均群間差:2.4mmol/mol、95%信頼区間[CI]:-0.4~5.3、p=0.09)。また、per-protocol集団でも有意な差はなかった(p=0.67)。 HbA1c値<58mmol/mol(2015年8月時点での英国の目標値)の達成率は、2群とも低かった(CSII群46 vs. MDI群55%、相対リスク:0.84、95%CI:0.67~1.06、p=0.16)。また、重症低血糖(6 vs.2%、3.1、0.6~15.1、p=0.17)および糖尿病性ケトアシドーシス(2 vs.0%、5.2、0.3~106.8、p=0.24)の発生率も低かった。 CSII群では、重篤でない有害事象が54件発生し、重篤な有害事象は14件みられた。MDI群では、それぞれ17件、8件であった。また、PedsQL(子供の健康関連QOLの評価尺度)の糖尿病モジュールスコアは、患児の自己評価では両群に有意差はなかったが、親の評価ではCSII群のほうが良好だった(補正後平均群間差:4.1、95%CI:0.6~7.6)。 CSII群は、1例当たりの費用が1,863ポンド(95%CI:1,620~2,137;2,179ユーロ、2,474ドル)高かった(4,404 vs.2,541ポンド)。質調整生存年(QALY)には有意な差はなかった(0.910 vs.0.916、群間差:-0.006、95%CI:-0.031~0.018)。 著者は、「CSIIはMDIに比べ、1年時の臨床的有効性が高くなく、費用対効果も優れなかった」とまとめ、認識すべき重要なポイントとして次の3点を挙げている。(1)血糖コントロールは両群とも十分に良好とはいえない、(2)対象は新規診断例であり、1型糖尿病の治療をより多く経験した患児では、CSIIで良好な結果の達成率が優れる可能性がある、(3)技術の進歩が、CSII治療の負担を軽減し、優れた血糖コントロールの期間内の達成を促進する可能性がある。

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がん終末期は減薬を/Cancer

 がん終末期における予防薬の投与はいつまで行われているのか。スウェーデン・カロリンスカ研究所のLucas Morin氏らは、高齢の進行がん患者における降圧薬、抗血小板薬、抗凝固薬、スタチン、経口糖尿病薬などの予防薬の継続について調査を行い、これらは死亡前1年間においても処方され、しばしば最後の数週間まで続けられていたことを明らかにした。著者は、「終末期の患者において、予防薬が臨床的有用性を達成する可能性は低い。死期が近づいたころの臨床的有用性が限られた薬剤の負担を減らすため、適切な減薬(deprescribing)戦略が必要である」と述べている。Cancer誌オンライン版2019年3月25日号掲載の報告。 研究グループは、スウェーデンのデータベースを用い、2007~13年に死亡した65歳以上の高齢固形がん患者について、患者が死亡する前1年間における予防薬の毎月の使用と費用を解析した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は15万1,201例(平均年齢81.3歳)で、死亡前1年間において、平均投与薬剤数は6.9剤から10.1剤に増加していた。・降圧薬、抗血小板薬、抗凝固薬、スタチン、経口糖尿病薬などの予防薬は、しばしば死亡月まで継続されていた。・1人当たりの薬剤費(中央値)は、1,482ドル(四分位範囲[IQR]:700~2,896ドル)に達し、そのうち213ドル(IQR:77~490ドル)が予防薬であった。・予防薬の費用は、肺がんで死亡した高齢患者(1人当たりの薬剤費[中央値]:205ドル、IQR:61~523ドル)と比較して、膵がん患者(補正後群間差:13ドル、95%CI:5~22ドル)、婦人科系がん患者(補正後群間差:27ドル、95%CI:18~36ドル)で高かった。・死亡前1年間を通して、予防薬の費用に関して減少は認められなかった。

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脳卒中リスクを有するAF患者へのアブレーションの有用性/JAMA

 心房細動(AF)患者におけるカテーテルアブレーション戦略は、薬物療法と比較して主要評価項目(死亡・後遺症を伴う脳卒中・大出血・心停止の複合エンドポイント)に有意差は認められなかった。米国・メイヨー・クリニックのDouglas L. Packer氏らが、10ヵ国126施設で実施した医師主導型の多施設共同非盲検無作為化試験「The Catheter Ablation vs Antiarrhythmic Drug Therapy for Atrial Fibrillation trial:CABANA試験」の結果を報告した。ただし結果について著者は、「予想よりイベント発生率が低く治療のクロスオーバーが行われていることが、カテーテルアブレーションの治療効果に影響を与えている可能性があり、本試験結果の解釈には注意を要する」としている。カテーテルアブレーションは、AFを洞調律に戻すのに有効であるが、死亡や脳卒中のリスクに対する長期的な影響はわかっていなかった。JAMA誌2019年4月2日号掲載の報告。AF患者約2,000例で死亡・後遺症を伴う脳卒中・大出血・心停止等の予後を比較 研究グループは、2009年11月~2016年4月の期間に、65歳以上、または脳卒中の危険因子(高血圧、心不全、脳卒中の既往、糖尿病、他の心疾患)を1つ以上有する65歳未満のAF患者2,204例を登録し、カテーテルアブレーション群または薬物療法群に1対1の割合で無作為に割り付け、2017年12月31日まで追跡した。 カテーテルアブレーション群では、肺静脈隔離術を実施するとともに、医師の裁量で補助的なアブレーションが追加された。薬物療法群では、ガイドラインに従い標準的なリズム/レートコントロール薬が投与された。 主要評価項目は、死亡・後遺症を伴う脳卒中・大出血・心停止の複合エンドポイント(intention-to-treat解析)。副次評価項目は13項目あるが、今回は3項目(全死亡、全死亡または心血管入院、AF再発)について報告された。主要評価項目に有意差なし、AF再発はカテーテルアブレーション群で有意に抑制 2,204例の患者背景は、年齢中央値68歳、女性37.2%、発作性AF 42.9%、持続性AF 57.1%で、89.3%が試験を完遂した。カテーテルアブレーション群では90.8%(1,006/1,108例)が施術を受け、薬物療法群では27.5%(301/1,096例)がカテーテルアブレーションも受けた。 追跡期間中央値48.5ヵ月において、主要評価項目の複合エンドポイントの発生率は、アブレーション群8.0%(89例)、薬物療法群9.2%(101例)で、有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.65~1.15、p=0.30)。 副次評価項目については、アブレーション群vs.薬物療法群でそれぞれ、全死亡が5.2% vs.6.1%(HR:0.85、95%CI:0.60~1.21、p=0.38)、全死亡または心血管入院が51.7% vs.58.1%(HR:0.83、95%CI:0.74~0.93、p=0.001)、AF再発が49.9% vs.69.5%(HR:0.52、95%CI:0.45~0.60、p<0.001)であった。

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特売卵のコレステロール量は?/日本動脈硬化学会

 卵1個のカロリーについては取り沙汰されることが多く、ご存じの方も多いだろう。先日、JAMAでも卵の摂取量と心血管疾患の発症や死亡率との相関を示す論文が発表され、話題を集めている。では、われわれが日頃食べている卵には、一体どのくらいのコレステロールが含まれるのだろうか? 2019年3月27日、日本動脈硬化学会が主催するプレスセミナーが開催され、「LDLコレステロールと動脈硬化」をテーマに上田 之彦氏(枚方公済病院診療部長、日本動脈硬化学会広報・啓発委員)が登壇した。卵のコレステロールについての論文に関する学会の見解とは? 卵をいくつ食べても良いとしていたこれまでの報告に、待ったをかける結果が報告された。上田氏によると、卵によるコレステロール摂取量・摂取頻度を研究した論文は豊富だが、その理由として「卵は患者へのコレステロール摂取の聞き取りに使いやすい」とし、「おおよそ、中くらいの卵1個には、200~250mgのコレステロールが含まれている」とコメントした。また、本セミナーに出席していた丸山 千寿子氏(日本女子大学家政学部食物学科教授)によると、「今回発表されたJAMAの論文*で記述されている卵は1個50gで、日本でいうSサイズ。しかし、流通量が多く、セール品として販売されているのは60gのLサイズ。卵のコレステロール摂取量に関する研究データでは、実際よりも過小評価されている可能性がある」とし、「患者には、食べている卵の数だけではなく、大きさの確認も必要かもしれない」と付け加えた。コレステロールの上限値がなくなった訳ではない 2015年2月、米国農務省(USDA)と保健福祉省は、『食事でのコレステロール摂取制限は必要ない』と発表。これは、アメリカ心臓病学会/アメリカ心臓協会(ACC/AHA)が、“コレステロール摂取量を減らして血中コレステロール値が低下するかどうか判定する証拠が数字として出せない”として、「コレステロールの摂取制限を設けない」と見解を出したためだという。時を同じくして、日本人の食事摂取基準(2015年版)では、健常者における食事中コレステロールからの摂取量と血中コレステロール値の相関を示すエビデンスが十分ではないことから、コレステロール制限値を設けなかった。「これらのことから、日本人はコレステロールをいくら摂取しても良いという錯覚に陥ってしまった」と、上田氏は当時の状況を振り返った。この混乱を受け、2015年5月1日、日本動脈硬化学会はコレステロール摂取量に関する声明を発表し、高LDLコレステロール血症患者に当てはまる訳ではないことを注意換気した。 来年は『食事摂取基準(2020年版)』の発表が予定されている。ここでも、“循環器疾患予防の観点から目標量(上限)を設けるのは難しい”とし、記載を避けている。しかし、脂質異常症を有する者やハイリスク者については、「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」を参考に、コレステロールの摂取を200mg/日未満と記載される予定である。 最後に同氏は「動脈硬化症には、コレステロール摂取量もさることながら、喫煙が一番いけない。今後、禁煙についての話題を提供していく」と締めくくった。

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日本人における糖尿病とがんリスクを検証~JPHC研究

 日本人集団における糖尿病とがんリスクについて、多目的コホート研究(JPHC研究)での前向きメンデルランダム化解析により、これらの関連を裏付ける強いエビデンスは見いだされなかったことを、国立がん研究センターの後藤 温氏らが報告した。従来の回帰モデルを用いたコホート研究では、2型糖尿病患者のがんリスク増加が一貫して示されていた。しかし、因果の逆転や糖尿病とがんに共通する危険因子による残余交絡が存在する可能性があり、糖尿病そのものががん発症に寄与しているかどうかは不明であった。International Journal of Cancer誌オンライン版2019年3月30日号に掲載。 JPHC研究における40~69歳の適格な3万2,949人から、サブコホート1万536人および新規にがんと診断された3,541人を用いて症例コホート研究を実施した。すでに知られている29個の2型糖尿病感受性遺伝子多型を用いて、糖尿病とがん全体および部位ごとのがんリスクとの関連について、逆分散加重法を用いてハザード比を推定した。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病の確率が2倍になることによるがんのハザード比(HR)は、がん全体で1.03(95%信頼区間[CI]:0.92~1.15)、膵臓がんで1.08(同:0.73~1.59)、肝臓がんで0.80(0.57~1.14)、結腸がんで0.90(同:0.74~1.10)であった。・追加解析として、日本人における大腸がんの大規模ゲノムワイド関連解析の公開データを用いて分析したところ、HRは1.00(95%CI:0.93~1.07)であり、より精確な結果が得られた。

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第11回 意識障害 その9 原因が1つとは限らない! それで本当におしまいですか?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)確定診断するまで思考停止しないこと!2)検査は答え合わせ! 異常値だからといって、原因とは限らない!3)急性か慢性か、それが問題だ! 検査結果は必ず以前と比較!【症例】68歳男性。数日前から発熱、倦怠感を認め、食事量が減少していた。自宅にあった解熱鎮痛薬を内服し様子をみていたが、来院当日意識朦朧としているところを奥さんが発見し救急要請。救急隊の観察では、明らかな構音障害や麻痺は認めず、積極的に脳卒中を疑う所見は乏しい。●搬送時のバイタルサイン意識10/JCS、E3V4M6/GCS血圧142/88mmHg脈拍78回/分(整)呼吸20回/分SpO295%(RA)体温38.2℃瞳孔3/3mm+/+既往歴高血圧(50歳〜)、脂質異常症(44歳〜)内服薬アムロジピン、アトルバスタチン今回は意識障害の最終回です。今までいろいろと述べてきましたが、復習しながら鑑別を進めていきましょう。意識障害の原因は“AIUEOTIPS”に代表されるように多岐にわたります。難しいのは、何か1つ意識障害の原因となりうるものを見いだしたとしても、それのみが原因とは限らないことです。脳出血+痙攣、敗血症+低血糖、アルコール+急性硬膜下血腫、急性期疾患+薬剤の影響、などはしばしば経験します。目の前の患者さんの症状は、自身が考えている原因できちんと説明がつくのか、矛盾点は本当にないのか、最終的に診断をつける際には必ず自問自答しましょう。救急外来での実際のアプローチ今回も10’s rule(表1)をもとに考えていきましょう。画像を拡大する患者さんは数日前から発熱を認め、徐々に状態が悪化しているようです。血圧はやや高めですが、CPSS※(構音障害、顔面麻痺、上肢の麻痺)陰性で、頭痛の訴えもなく脳卒中を積極的に疑う所見は認めませんでした。糖尿病の既往もなく、低血糖の検査前確率は低いですが、感染症(とくに敗血症)に伴う副腎不全や薬剤などの影響で、誰もが低血糖になりうるため、10’s ruleにのっとり低血糖は否定し、頭部CT検査を施行する方針としました。CTでは、予想通り明らかな異常は認めませんでした。qSOFAは意識障害以外該当しないものの、発熱も認め感染症の関与も考え、fever work upを施行する方針としましたが…。※ Cincinnati Prehospital Stroke Scale急性か慢性か、それが問題だ!採血(もしくは血液ガス)の結果でNa値が126mEq/Lを認めました。担当した研修医は、「低ナトリウム血症による意識障害の可能性」を考えました。これはOKでしょうか?採血以外にも、救急外来では心電図やX線、エコー、CTなどの検査を施行することは多々あります。その際、検査に何らかの異常を認めた際には、必ず「その異常はいつからなのか?」という視点を持つ必要があります。以前と異なる変化であれば、今後介入の必要はあるかもしれませんが、少なくとも急性の変化と比較し、緊急性はぐっと下がります。以前の結果と比較(問い合わせをしてでも)することを心掛けましょう。忙しい場合には面倒に感じるかもしれませんが、急がば回れです。不適切な介入や解釈を行わないためにも、その手間を惜しんではいけません。低ナトリウム血症は高齢者でしばしば認めますが、急性の変化でない限り、そして著明な変化でない限り、通常無症候性です。救急外来では120mEq/L台の低ナトリウム血症では、最低限の介入(塩分負荷または飲水制限)は原因に応じて行いますが、それのみで意識障害、痙攣、食思不振などの直接的な原因とは考えないほうがよいでしょう。慢性的な変化、もしくは何らかの急性疾患に伴う変化と考え対応する癖を持ちましょう。大切なのはHi-Phy-Vi!Rule 2にもありますが、やはり大切なのは病歴、身体所見やバイタルサイン(Hi-Phy-Vi:History、Physical、Vital signs)です。この患者さんは、急性の経過で発熱を伴っています。そして、熱のわりには心拍数は上昇していません。このような経過の患者さんに低ナトリウム血症を認めたわけです。何かピンッとくる疾患はあるでしょうか?急性の経過、そしてSIRSやqSOFAは満たさないものの、発熱を認め、呼吸回数も高齢者にしては多いという点からは、感染症の関与が考えられます。菌血症を疑わせる悪寒戦慄は認めませんでしたが、いわゆる細菌感染症として頻度が高いfocusは鑑別の上位に挙がります(参考に第6回 意識障害 その5)。肺炎、尿路感染症、皮膚軟部組織感染症、胆道系感染症などは意識して所見をとらなければ高齢者では容易に見逃してしまうものです。この患者さんは改めて聴診すると、右下葉で“coarse crackles”を聴取しました。同部位のX線所見も淡い浸潤影を認めました。しかし、喀痰のグラム染色では有意な菌は認められませんでした。もうおわかりですね?レジオネラ症(Legionella disease)意識障害などの肺外症状(表2)、グラム染色で優位な菌が認められないとなると、必ず鑑別に入れなければならない疾患が「レジオネラ症」です。レジオネラ肺炎は重症肺炎の際には必ず意識して対応しますが、本症例のように明らかな酸素化低下などの所見が認められない場合や肺外症状をメインに来院した場合には、意識しなければ、初診時に診断することは容易ではありません。しかし、レジオネラ肺炎(Legionella pneumophila)は、マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)やクラミドフィラ(Chlamydophila pneumoniae)など、そのほかの非定型肺炎とは異なり、初診時に疑い治療介入しなければ、予後の悪化に直結します。見逃してはいけないわけです。画像を拡大するレジオネラ症を疑う手掛かりとしては、私は表3を意識するようにしています2,3)。そのほか、検査結果では、電解質異常(低ナトリウム血症、低リン血症)、肝機能障害、CPK上昇を意識しておくとよいでしょう。絶対的なものではありませんが、レジオネラ症らしいか否かを判断するスコアもあるので一度確認しておきましょう4)。画像を拡大するさいごに意識障害の原因は多岐にわたります。自信を持って確定診断するまでは、常に「本当にこれが原因でよいのか?」と自問自答し、対応することが大切です。忙しいが故に検査結果などの異常値を見つけると、そこに飛びつきたくなりますが、そもそも何故その数値や画像の異常が出るのか、それは本当に新規異常なのか、症状は説明がつくのか、いちいち考える癖をつけましょう。その場での確定診断は難しくとも、イチロー選手のように「後悔などあろうはずがありません!」と断言できるよう、診断する際にはこれぐらいの覚悟で臨みましょう。1)Cunha BA. Infect Dis Clin North Am. 2010;24:73-105.2)坂本壮. 救急外来ただいま診断中!. 中外医学社;2015.p.280-303.3)坂本壮. 救急外来 診療の原則集―あたりまえのことをあたりまえに. シーニュ;2017.p.65-67.4)Gupta SK,et al. Chest. 2001;120:1064-1071.

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アルコール依存症患者の再入院とBMIや渇望との関連

 常習性の飲酒、渇望、過食は、共通の病理学的メカニズムを有している。ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクのChristian Weinland氏らは、BMIや渇望がアルコール依存症入院患者のアウトカムを予測するかどうかを調査した。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年3月2日号の報告。 早期に禁酒したアルコール依存症入院男性患者101例および女性患者72例を対象に、プロスペクティブ研究を実施した。渇望は、Obsessive-Compulsive Drinking Scale(OCDS)スコアを用いて定量化した。24ヵ月以上のアルコール関連再入院を記録した。 主な結果は以下のとおり。・男性では、より高いBMIは、アルコール関連再入院と関連しており(中央値:26.1kg/m2 vs. 23.1kg/m2、p=0.007)、より高頻度(ρ=0.286、p=0.004)で、より早期(ρ=-0.256、p=0.010)の再入院との相関が認められた。・これらの関連性は、活発な喫煙者のサブグループ(79例)においてより強く認められた([アルコール関連再入院]中央値:25.9kg/m2 vs. 22.3kg/m2、p=0.005、[高頻度]ρ=0.350、p=0.002、[早期]ρ=-0.340、p=0.002)。・女性では、BMIは有意な予測因子ではなかった。・1回以上の再入院があった男性では、そうでない男性と比較し、OCDSスコアが高く(OCDS-total、OCDS-obsessive、OCDS-compulsive、p<0.040)、OCDSスコアは、再入院の高頻度(男性:OCDS-total、OCDS-obsessive、OCDS-compulsive、ρ>0.244、p<0.014、女性:OCDS-compulsive、ρ=0.341、p=0.003)と初回再入院までの期間短縮(男性:OCDS-total、OCDS-compulsive、ρ<-0.195、p<0.050、女性:OCDS-compulsive、ρ=-0.335、p=0.004)との相関が認められた。・OCDSスコアにより、男性におけるBMIとアウトカムとの関連は9~19%説明可能であった。 著者らは「BMIおよび渇望は、アルコール依存症入院患者における再入院の予測因子である。このことは、将来の再入院を予防するために使用できる可能性がある」としている。■関連記事アルコール関連での緊急入院後の自殺リスクに関するコホート研究飲酒運転の再発と交通事故、アルコール関連問題、衝動性のバイオマーカーとの関連アルコール依存症に対するナルメフェンの有効性・安全性~非盲検試験

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学会でツイッター活用、日循の取り組みはどこまでバズったか?

 2019年3月29日から31日まで開催された第83回 日本循環器学会学術集会において、同学会は、日本国内の医学系学会では初めて、学術集会中の発表内容をツイッター上で公開した。 #19JCSのハッシュタグを付けて投稿されたツイート総数は、リツイートも含み、約8,000。公式アカウント@JCIRC_IPRのインプレッション数は期間中だけで77万を超え、フォロワーが約2,000人から4,000人強へ倍増した。 投稿内容は、一般演題を除くシンポジウムをはじめとした講演の全演者の9割・330名以上から事前に撮影の許諾を得た、スライド写真や文字によるサマリ、発表後のインタビュー動画。スライド写真のツイートを行ったのは、同学会情報広報部会および事前に承諾を得た公式サポーターの学会員約20名。公式サポーターは医師を筆頭とした循環器診療に関わる医療者だ。 今回の結果について、同情報広報部会は「予想よりもスムーズだった」と評している。演題の9割をカバーし、同部会と公式サポーターによる専門的見地からコメントを付けた投稿も中には含まれたことで、批判的吟味を含めた議論の土壌を作れたからだ。 また、学術集会初日に合わせて「日本循環器学会ツイッター利用指針」を国内医学系学会で初めて公開し、公式な学会活動としてコンプライアンス体制を整えてツイッターを活用したことも今後につながる成果だ。 一方、今後の課題は学会員へのツイッター活用の普及にある。専門家による適切な医療情報の提供、議論がより多くなされることでより質の高い情報発信が可能となるからだ。 公式アカウントのフォロワーが、学術集会中に2,000人以上増えた結果を踏まえ、今後もメリットが周知されればツイッターを活用する学会員の増加を期待できると同部会は考えている。 この取り組みはほかの診療科へも波及している。#19JCSでのツイートを見ると、救急や整形外科、精神科などの医師がこの活動に共感し、所属学会に問い合わせをしている様子が伺える。 膨大な数の演題が登録される学術集会において、興味があるテーマのすべてを聞くことは不可能だが、SNSは物理的制約を乗り越えて知見を広げる助けになる。またリアルタイムでの専門医・医療関連者同士のディスカッションがSNSを通じて活発になれば、研究・臨床・教育の質向上にも寄与する可能性も広がる。 海外では、欧州心臓病学会(ESC)や米国心臓協会(AHA)のように活発にSNSを使用する学会もあれば、米国糖尿病学会(ADA)のように否定的な立場をとる学会もある。 SNSをどう使うかは学会によって異なる見解があると予想されるが、今回の日本循環器学会の取り組みが国内学術集会におけるSNS活用の在り方に影響を与えることは間違いなさそうだ。■リンク日本循環器学会情報広報部会@JCIRC_IPRハッシュタグ #19JCS■参考文献米国主要循環器系学会で2014年から2016年にかけて急速に進んだSNS活用の現状2018年欧州心臓病学会学術集会でのツイッター活用

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コントロール不良2型DM、セマグルチドvs.シタグリプチン/JAMA

 メトホルミン(単剤またはSU薬併用)でコントロール不良の成人2型糖尿病患者に対し、セマグルチド7mg/日、14mg/日の投与は、シタグリプチン投与に比べ、26週の試験期間中の糖化ヘモグロビン(HbA1c)値を、より大きく有意に抑制したことが示された。セマグルチド3mg/日では有意なベネフィットは示されなかったという。米国・Dallas Diabetes Research Center at Medical CityのJulio Rosenstock氏らが、約1,900例を対象に行った第IIIa相ダブルダミー無作為化並行群間比較試験「PIONEER 3試験」の結果で、GLP-1受容体作動薬セマグルチドについて、他のクラスの血糖降下薬と直接比較した初となる第III相試験だという。結果を踏まえて著者は「臨床設定での有効性の評価について、さらなる検討を行う必要がある」と述べている。JAMA誌オンライン版2019年3月23日号掲載の報告。セマグルチドを1日3mg、7mg、14mg投与 研究グループは、メトホルミン(SU薬併用も含む)を服用するもコントロール不良の2型糖尿病成人患者を対象に、1日1回の経口セマグルチドvs.シタグリプチン100mgのアドオン療法の有効性を比較し、長期有害イベントを評価した。試験は2016年2月~2018年3月にかけて、14ヵ国206ヵ所の医療機関を通じ、78週にわたって行われた。 2,463例がスクリーニングを受け、1,864例が無作為に4群に割り付けられ、セマグルチドを1日1回3mg(466例)、7mg(466例)、14mg(465例)またはシタグリプチン100mg(467例)をそれぞれ投与された。セマグルチドの投与量は当初3mg/日で開始し、4週後に7mg/日へ、さらに4週後に14mg/日へと増量した。 主要エンドポイントは、ベースラインから26週までのHbA1c値の変化だった。主な副次エンドポイントは、同期間の体重変化や、HbA1c値と体重の52週および78週時の変化だった。エンドポイントについて、HbA1c値減少の非劣性(非劣性マージン:0.3%)を検証したうえで、HbA1c値・体重減少の優越性を検証した。セマグルチド7mg/日群と14mg/日群は26週後にHbA1c値減少 被験者の平均年齢は58歳(SD 10)で、ベースラインの平均HbA1c値は8.3%(SD 0.9)、BMIは32.5(同6.4)、女性は47.2%(879例)だった。試験を完遂したのは1,758例(94.3%)で、298例が早期に試験を中止した(セマグルチド3mg/日群16.7%、7mg/日群15.0%、14mg/日群19.1%、シタグリプチン群13.1%)。 ベースラインから26週までのHbA1c値は、セマグルチド7mg/日群と14mg/日群は、シタグリプチン群に比べ有意な減少が認められた(それぞれ群間差:-0.3%[95%信頼区間[CI]:-0.4~-0.1]、-0.5%[-0.6~-0.4]、いずれもp<0.001)。また、体重についても有意に減少した(それぞれ群間差:-1.6kg[-2.0~-1.1]、-2.5kg[-3.0~-2.0]、いずれもp<0.001)。 一方で、セマグルチド3mg/日群については、HbA1c値に関してシタグリプチン群に対する非劣性は示されなかった。 ベースラインから78週後のHbA1c値、体重の変化は、セマグルチド14mg/日群でシタグリプチン群に比べ有意な減少が認められた。

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第13回 コンビニで手軽に補給 タンパク質が摂れる飲料ランキング【実践型!食事指導スライド】

第13回 コンビニで手軽に補給 タンパク質が摂れる飲料ランキング医療者向けワンポイント解説前回はタンパク質をちょい足しできる食材をご紹介しましたが、今回はタンパク質が摂れる飲料についてご紹介します。食事摂取の中で、「飲料」は、本人が意識していないところで摂取している傾向があるため、問診や食事記録などの記載時に記入が漏れてしまい、気づかれにくいことが多々あります。 飲料は1日に5〜10杯程が摂取されていますが、飲料の嗜好が体重の増減、栄養素の摂取または吸収阻害などにも影響を与えます。また、飲料には糖分や脂質を多く含む物も多く、体重増加や血糖コントロール不良の原因が「飲料」と、後からわかる場合もあります。今回は、タンパク質が多く摂れる飲料をランキング形式にまとめました。1日のタンパク質摂取量は、日本人の食事摂取基準(2015年版・最新版)によると、18歳以上のタンパク質推奨量、男性:60g、女性:50gと明記されています。また、国際スポーツ栄養学会では、筋肥大を目的とするアスリートの場合、1日に1.4〜2.0g/kgが推奨されています。超高齢化社会を迎え、問題になっているサルコペニア、フレイル。この予防には、タンパク質の摂取やエネルギーの確保が必要とされています。また、筋肉増強を意識している若者世代にとっても、タンパク質を効率的に摂取できる飲料は重要です。対象者にあった飲料を選ぶひとつのヒントとなればと思います。◆コンビニで買えて、タンパク質を含む飲料ランキング1位プロテイン飲料(200ml)102kcal タンパク質15.0gプロテインがドリンク化されたことで注目されました。高タンパク質にも関わらず、カロリーは今回のランキング中で一番低い飲料です。筋肉をつけたいときや、食事量が多い場合などのタンパク質補給として有効です。2位飲むヨーグルト[加糖](220ml)225kcal タンパク質7.3gヨーグルトは高タンパク質なのでお薦めです。飲むヨーグルトもほぼ同量のタンパク質を含みますが、ドリンクタイプは「加糖タイプ」が多いのが難点です。食事量が落ちてきた場合のエネルギー確保にはなりますが、食事が摂れている場合には、高カロリーで糖質過剰摂取の原因になるので、「無糖タイプ」をお薦めします。3位調製豆乳(200ml)116kcal タンパク質7.0g牛乳よりも、タンパク質が多いという点が意外なところです。動物性脂質を含まないこともメリットです。しかし、筋肉増強を考えた場合は、大豆タンパク質よりも動物性タンパク質のほうが効率的であるという考えもあります。そのまま飲むことが苦手な方は、豆腐に豆乳とシロップをかけて加熱をすると、高タンパク質なデザートができ上がります。食欲のない高齢者などにお薦めの食べ方です。飲みやすく、手軽に購入できるのは調整豆乳ですが、実は「無調整豆乳」のほうが「低カロリー、高タンパク」です。無調整豆乳がある場合はそちらもオススメです。4位牛乳(200ml)137kcal タンパク質6.8g単体で飲むことも良いですが、コーヒーを飲む際にカフェオレに変更したり、料理に加えたりするなど、アレンジして使うことを意識すると、タンパク質摂取の向上に繋がります。ただし、市販のカフェオレドリンクなどには牛乳ではなく動物性脂質を加えている物や加糖タイプの物が多いので、別物と考えることが必要です。5位低脂肪乳(200ml)87kcal タンパク質6.7g脂肪分が気になる場合は、低脂肪乳にすることでタンパク質を上手に摂取することができます。カロリーは牛乳に比べ35%ほど低くなります。6位プロテイン入りゼリー飲料 ヨーグルト味(180g)90kcal タンパク質5.0gプロテインを摂取するための手軽なゼリー飲料として販売されています。粘性があるため水分摂取が苦手な方でも飲みやすいことが特徴です。7位豆乳飲料 バナナ味(200ml)134kcal タンパク質4.9g豆乳飲料は様々な種類が販売されています。調製豆乳や無調整豆乳が飲みづらい場合、フレーバー付きの豆乳も選択肢としてあります。ただし、タンパク質含有量は下がり、カロリーは上がるので、メリットとデメリットを考慮して選ぶことが必要です。8位甘酒(125ml)116kcal タンパク質1.2g万能だと思われていますが、甘酒のタンパク質量はあまり高くありません。市販の物には加糖タイプも多く、甘酒だけを過信して飲んでいる場合には、高カロリー、糖質過多などに気をつける必要があります。

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