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慢性腰痛、うつ病合併で痛み増大

 神経障害性の腰痛にうつ病を合併している患者は、うつ病を合併していない患者よりも疼痛レベルが有意に高く、疼痛による障害の度合いが大きく、QOLも低いことが、東海大学の檜山 明彦氏らによる研究で明らかになった。これは、自己評価式抑うつ性尺度(SDS-Zung)およびPainDETECT日本語版(PDQ-J)を用いて、神経障害性の腰痛患者の抑うつ症状とQOLへの影響を評価した最初の研究である。European spine journal誌オンライン版2016年2月13日号の報告。 本研究の目的は、腰痛にうつ病を合併する患者、腰痛が神経障害性である患者の割合を調査し、彼らのQOLに与える影響を検討することであった。 2012年6月と13年12月の間に東海大学医学部付属病院を訪れた慢性腰痛患者650例のうち、腰痛とQOLについてのアンケートに回答した309例を対象に断面レトロスペクティブ研究を行った。アンケートには、SDS-Zung、PDQ-J、痛みの評価スケール(NRS)、QOL評価が用いられた。対象患者をSDS-Zungスコアに応じて2群に分け(スコア40未満:非うつ病群、スコア50以上:うつ病群)、両群を比較検討した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病群が63例(20.4%)、非うつ病群が125例(40.5%)であった。・平均PDQ-Jスコアは、非うつ病群よりも、うつ病群で高かった。・神経障害性疼痛は、うつ病群の17例(27%)、非うつ病群の11例(9%)で認められ、うつ病群で多かった。・腰痛患者のSDS-ZungスコアとPDQ-Jスコアは、有意に相関していた(r=0.261、p<0.001)。・NRSスコアは、非うつ病群よりもうつ病群で高かった。・QOLスコアは、非うつ病群よりもうつ病群で低かった。 抑うつ症状を合併する神経障害性の腰痛は、早期に発見し、早期から治療を行うことで、治療効果の改善が期待できる。しかし、多くの腰痛患者の痛みは複合しているため(神経障害性疼痛・侵害受容性疼痛・心因性疼痛)、数種類の薬剤を使う必要があり、マネジメントは複雑となる。さらに研究を重ねることで、痛みや機能障害の原因、痛みと抑うつ症状の合併例に対する治療の有効性を明らかにし、腰痛患者のQOL向上につなげることが大切であると考えられる。

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帯状疱疹の急性痛、慢性疼痛の有無と関連

 慢性疼痛の存在が重度の術後痛と関連していることを踏まえ、ドイツにあるゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンのJoachim Erlenwein氏らは、慢性疼痛の非外科的急性期痛への影響を、急性帯状疱疹患者において前向きに調査した。その結果、慢性疼痛を有する患者では、帯状疱疹関連急性痛がより強く、疼痛に関連した機能障害もみられ、より長期の入院を要するなど、術後急性痛と同様の所見が確認されたという。Pain Medicine誌オンライン版2016年3月5日号の掲載報告。 研究グループは、急性帯状疱疹で入院した連続患者59例を対象に、慢性疼痛の既往歴別に帯状疱疹痛について比較検討した。 ベースライン時(入院日)に疼痛強度、疼痛関連機能障害、鎮痛薬の使用、および心理学的・生理学的特性について調査し、入院1、4、7日目および退院日に疼痛強度と機能障害について評価した。鎮痛薬の使用についても記録した。 主な結果は以下のとおり。・59例中25例42.4%が、慢性疼痛を有していた。・慢性疼痛を有していた患者は、慢性疼痛のない患者と比較し、すべての評価日において帯状疱疹急性痛が重度で、機能(睡眠の質や可動性など)の障害も認められた。・鎮痛薬の使用量については、慢性疼痛の有無で違いはなかった。・慢性疼痛のない患者では、帯状疱疹痛の重症度との関連が、鎮痛薬の使用量のみにおいてみられた。・対照的に、慢性疼痛を有していた患者は、鎮痛薬の使用量との関連はみられなかったが、慢性疼痛の重症度、身体的健康、および神経障害性疼痛の程度と、帯状疱疹関連急性痛の関連がみられた。

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治療薬は「痛み」の種類で変わる

 ファイザー株式会社とエーザイ株式会社は、12月1日に都内において「いまさら聞けない痛み止め薬の基礎知識」をテーマに、プレスセミナーを共催した。 セミナーでは、ファイザー社が行ったアンケート調査「痛み止め薬の使用実態と患者意識に関する全国調査」を織り交ぜ、加藤 実氏(日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野 診療教授)が慢性痛とその治療の概要をレクチャーした。慢性痛には、種類に応じた治療薬がある 加藤氏は、「慢性痛に対する痛みの種類に応じた薬物選択と適切な服薬指導の必要性」と題し、慢性痛治療の現状と今後の治療の在り方について説明した。 現在わが国には、慢性痛を有する患者は2,700万人と推定されており、神経障害性疼痛疑いの患者は660万人と推定されている。これらの痛みの治療を放置すると、睡眠・情動・QOLに多大な影響を及ぼし、破局的思考モデル(痛みへの不安や悲観的思考の増大)により、さらに身体状態を悪化させることになる。 痛みは、大きく「侵害受容性痛(外傷などの痛み)」と「神経障害性痛(電気が走るようなビリビリした痛み)」と、その混合である「混合性痛」に分かれる。通常、侵害受容性痛であれば、NSAIDsやオピオイドでの治療が行われ、神経障害性痛であれば、神経障害性疼痛治療薬、抗うつ薬、オピオイドで治療が行われる。 とくに神経障害性痛の痛みの仕組みでは、侵害受容器からの痛み信号が神経節などを経る段階で中枢感作されて脳に到達し、そのため痛み信号の増幅が起こり痛苦が発生するものであり、この感作を抑える治療薬が適用される。具体的には、第1選択薬ではプレガバリン、ノルトリプチリンなどがあり、第2選択薬ではワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液含有製剤、デュロキセチンなどが、第3選択薬ではフェンタニル、モルヒネなどが使用される。また、慢性痛の原因となる神経障害性痛は、画像所見、病理検査で診断できず、NSAIDsでも治療反応がないことから、臨床の場では痛みの鑑別に注意が必要となる。患者の8割は医師から副作用の説明を受けていない 次に11月にファイザー社がインターネットで行った「痛み止めの使用実態と患者意識に関する全国調査」を紹介した(調査対象:長く持続する痛みを抱える全国の成人男女、n=9,400)。これによると不適切使用・管理の実態として、回答者の約6割が「以前の処方薬が余っていても定期的に処方をしてもらう」と答え、約3割が「ほかの医療機関からも処方してもらい併用している」、「そのことを疼痛治療の主治医に伝えていない」など、患者の実態がわかった。また、自己判断による治療中の痛み止め中止については、約6割の回答者が「経験がある」と答え、その理由として「痛みの軽減」「症状の改善なし」「薬に頼りたくない」(上位3つ)などが挙げられていた。また、「治療薬処方時の医師からの説明」では、約5割が「効能・効果の説明を受けていない」と答えるとともに、約8割が「副作用の説明を受けていない」と回答し、医療側からの情報提供不足が懸念される結果となった。 「痛みの種類の知識」では、約2割が「よく知っている」と回答、約5割が「聞いたことがある」と答えている反面、「痛みの種類により治療効果のある薬が異なることの知識」では、約6割以上が知らないと回答するなど知識の偏在も明らかとなった。 「患者が求める痛み治療の目標設定の現状」では、「痛みは完全に取り除きたい」と約9割が回答していたが、約6割は「痛みがあっても日常生活を送ることができればよい」とも回答していた。 治療目標をどこに設定する? 実際の痛みの治療現場では、目標を「痛みを消す」ことから、「痛みが半分になり、生活改善ができる」ことを目指して、治療が行われている。具体的には、患者の痛みが和らぎ、QOLやADLが改善され、日常生活が送れるようになること、睡眠がきちんと取れることが目安となる。そして、治療薬選択の際は、痛みの評価をすることと、無効な薬を速やかに中止することが重要だという。また、加藤氏は、痛み止めを処方する際に、・少ない副作用で最大の鎮痛効果を目指す痛み止めの治療プランを提示する・患者と医師間での治療目標の設定を明確化する・治療薬の必要性について、わかりやすく説明する・副作用の種類/長期投与の安全性を説明する・効果と副作用の継続的な評価の必要性を考えるの5項目を心がけている。診療の際に具体的な説明を言葉やメモで、患者にきちんと伝えることが大切だという。 最後に、「治療環境の質の向上には、医療側から治療薬の効果と副作用の情報提供、そして、患者の正しい理解と能動的な協力は必要不可欠であり、患者参加型の治療環境で治療薬を最大限活用させることが治療のポイントになる」と述べ、レクチャーを終えた。ファイザー株式会社の「痛み止め薬の使用実態と患者意識に関する全国調査」はこちら(ケアネット 稲川 進)関連コンテンツ特集「慢性疼痛 神経障害性疼痛

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神経障害性疼痛を伴う慢性腰痛へのプレガバリン、費用対効果は良好

 神経障害性疼痛を伴う慢性腰痛(CLBP-NeP)の治療におけるプレガバリン(商品名:リリカ)の費用対効果について、東京大学大学院 薬学系研究科・薬学部 准教授の五十嵐 中氏らが、公的医療費支払者および社会の視点から分析した。日常的な臨床診療のデータと仮定を用いた結果、わが国においてCLBP-NePに対するプレガバリンによる治療は、費用対効果が良好であることが示されたという。ClinicoEconomics and Outcomes Research誌オンライン版2015年10月7 日号の掲載報告。 研究グループは、CLBP-NePに対するプレガバリンと通常治療の費用対効果を、増分費用対効果比(ICER)を用いて検討した。 効果はEQ-5D-5L調査より算出した質調整生存年(QALYs)で測定し、医療費および生産性損失を算出して、状態遷移モデル(軽度、中等度および重度疼痛の状態推移を表す)を用いた12ヵ月間のコホートシミュレーションを行った。疼痛重症度の分布は8週間の非介入研究から、また、各重症度に関する直接医療費を推計するための医療資源の消費は医師調査から得た。 1QALY獲得当たりのICERを算出するとともに、感度解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・直接医療費および入院費はいずれも、通常治療群と比較してプレガバリン群が低かった。・基本ケースにおいて、プレガバリンによる1QALY獲得当たりのICERは、公的医療費支払者の立場で約202万5,000円、社会の立場(生産性損失に関連した間接費を含む)で143万5,000円であった。・非介入研究から得られた術後疼痛スコア、最初の疼痛重症度レベルおよび現時点のEQ-5D-5Lスコアに関する代替値を使用した感度解析により、費用対効果解析の結果の頑健性が認められ、ICERsは基本ケースと類似していた。・費用対効果受容曲線を描出した結果、プレガバリンの費用対効果が良好となる確率は高かった(≧75%)。

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神経障害性疼痛、ノルトリプチリンとモルヒネは単剤より併用が有効

 神経障害性疼痛に対し、三環系抗うつ薬を含む1次治療は必ずしも有効ではないため、2次治療としてオピオイドが推奨されている。カナダ・クイーンズ大学のIan Gilron氏らは、三環系抗うつ薬であるノルトリプチリンとモルヒネの併用療法ついて有効性および安全性を評価する目的で、各単独療法と比較する無作為化二重盲検クロスオーバー試験を行った。その結果、併用療法において便秘、口乾および傾眠の副作用発現頻度が高かったものの、有効性は各単独療法と比較して優れていることが明らかとなった。Pain誌2015年8月号の掲載報告。 研究グループは、2010年1月25日~2014年5月22日の間に単施設にて神経障害性疼痛患者52例を登録し、経口ノルトリプチリン、モルヒネおよび併用療法に1対1対1の比で無作為に割り付けた。各治療期間は6週間とし、用量は最大耐用量(MTD)に漸増した。 主要評価項目は、MTDにおける1日の平均疼痛(0~10で評価)、副次評価項目は他の疼痛、気分、QOLおよび副作用などであった。 主な結果は以下のとおり。・39例が少なくとも2つの治療期間を完遂した。・平均1日疼痛スコアはベースライン時5.3で、MTD時は併用療法が2.6、ノルトリプチリン単独療法が3.1(p=0.046)、モルヒネ単独療法が3.4(p=0.002)であった。・簡易疼痛調査票(BPI)スコアも、各単独療法に比べ併用療法で有意に低かった。・中等度~重度の便秘の発現率は、併用療法43% vs.モルヒネ単独療法46%(p=0.82)、vs.ノルトリプチリン単独療法5%(p<0.0001)であった。・中等度~重度の口渇の発現率は、併用療法58% vs.モルヒネ単独療法13%(p<0.0001)、vs.ノルトリプチリン単独療法49%(p=0.84)であった。

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神経障害性疼痛に対するミルナシプランのエビデンスは?

 ミルナシプランはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるが、慢性神経障害性疼痛や線維筋痛症の治療に用いられることがある。英国・オックスフォード大学のSheena Derry氏らは、慢性神経障害性疼痛に対するミルナシプランの鎮痛効果および安全性についてシステマティックレビューを行った。その結果、ミルナシプランの使用を支持するエビデンスはないことを報告した。本報告は、慢性神経障害性疼痛および線維筋痛症を対象とした以前のシステマティックレビュー(Cochrane Library Issue 3、2012)のアップデートで、今回は神経障害性疼痛と線維筋痛症に分けてシステマティックレビューを行った。Cochrane Database of Systematic Reviews誌オンライン版2015年7月6日号の掲載報告。 研究グループは、慢性神経障害性疼痛患者においてミルナシプランとプラセボまたは他の実薬とを比較した8週間以上の無作為化二重盲検試験について、2015年2月23日時点でCENTRAL、MEDLINEおよびEMBASEを用いて論文を検索するとともに、参考文献やレビューも調査した。 2人の研究者が独立して検索および有効性と安全性のデータを抽出し、研究の質を評価した。 主な結果は以下のとおり。・該当した論文は、神経障害性疼痛を伴う慢性腰痛患者40例を対象とした1件のみだった。・ミルナシプラン100mg~200mg/日とプラセボとで、6週後の疼痛スコアに差は認められなかった(エビデンスの質:非常に低い)。・有害事象の発現率は両群間で類似していたが、結論付けるにはデータがあまりに少なかった(エビデンスの質:非常に低い)。

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PPARγアゴニスト、神経障害疼痛の鎮痛作用あり

 米国・ケンタッキー大学のRyan B Griggs氏らは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)アゴニストの反復投与により脊髄後角におけるグリア活性化が変化し、神経障害性疼痛様反応が減少することを明らかにした。PPARγは核内受容体であることから、遺伝子発現の持続性変化が疼痛減少に関与すると考えられているが、著者らはこれまでに、PPARγアゴニストであるピオグリタゾンの単回髄腔内注入が、ゲノム機構で必要とされる時間よりも短時間の30分以内に痛覚過敏を減少させることを示していた。今回の報告について著者らは、「脊髄性PPARγの活性化が標準的なゲノム活性から独立して神経障害性疼痛を急速に減少させることを示した最初の報告」と述べたうえで、「ピオグリタゾンは、1つにはアストロサイト活性化の減少によって、また、PPARγのゲノム性および非ゲノム性作用の両方を介して、神経障害性疼痛を速やかに阻害する」と結論付けた。Pain誌2015年3月号の掲載報告。 研究グループは、PPARγ活性化の迅速な抗痛覚過敏作用を検討する目的で、坐骨神経部分損傷ラットにピオグリタゾンを投与し痛覚過敏を評価した。 主な結果は以下のとおり。・ピオグリタゾンは、投与5分以内に痛覚過敏を抑制した。・ピオグリタゾンの腹腔内または髄腔内投与による抗痛覚過敏作用は、PPARγアンタゴニストであるGW9662の全身投与または髄腔内投与によって阻害された。・ピオグリタゾンとタンパク質合成阻害剤であるアニソマイシンを同時に髄腔内投与し7.5分間隔で評価した結果、投与初期はピオグリタゾンの抗痛覚過敏作用に変化はなかったが、後に減少した。・坐骨神経部分損傷によって誘発されたGFAP発現の増加を、ピオグリタゾンは投与後60分以内に抑制した。

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慢性腰痛は神経障害性疼痛の有無で治療薬を使い分け

 慢性腰痛の治療にプレガバリン(商品名:リリカ)やオピオイドが用いられることがあるが、これまで両者の有効性を比較した研究はない。独立行政法人 国立長寿医療研究センター 整形外科脊椎外科医長の酒井 義人氏らは高齢患者において検討し、全体の有効率に差はないものの神経障害性疼痛や下肢症状の有無で、効果に違いがみられることを示した。著者は、「鎮痛か日常生活動作(ADL)の改善かなど、治療の主たる目的を明確にしておくことが大切」とまとめている。European Spine Journal誌オンライン版2015年2月15日号の掲載報告。 対象は65歳以上の慢性腰痛で治療を継続している患者65例で、プレガバリン投与期とオピオイド投与期を実施し、いずれも4週間投与した後、疼痛およびADLについて視覚アナログスケール(VAS)、日本整形外科学会腰痛治療判定基準(JOAスコア)、ローランド・モリス障害質問票(RDQ)、簡易版マックギル疼痛質問票(SF-MPQ)、EuroQOL-5D、高齢者用うつ尺度(GDS)を用い評価した。また、神経障害性疼痛スクリーニング質問票も神経障害性疼痛の評価に用いた。 主な結果は以下のとおり。・有効率は、プレガバリン73.3%、オピオイド83.3%で、有意差は認められなかった。・効果発現までの平均日数は、プレガバリン10.2日、オピオイド6.1日で、有意差はなかった。・プレガバリンは神経障害性疼痛、オピオイドは非神経障害性疼痛を伴う腰痛患者で、より有効であった。・ADLの改善は、プレガバリンよりオピオイドで大きかった。・プレガバリンは下肢症状を有する腰痛患者、オピオイドは下肢症状を有さない腰痛患者で、より効果的であった。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第17回

第17回:慢性腰痛に対してのオピオイド~短期間は有効だが、長期間投与の効果と安全性ははっきりしない監修:吉本 尚(よしもと ひさし)氏 筑波大学附属病院 総合診療科 慢性腰痛は、外来で多い訴えの1つです。慢性腰痛を持つ患者さんが疼痛コントロールに苦しんで受診されることが多く、総合診療外来医師、整形外科医師が治療に難渋していることも多いです。 2011年4月にトラムセット(トラマドール+アセトアミノフェン合剤)が承認されてから、NSAIDsで対応困難なケースなどに対して、わが国でもオピオイドの使用が以前よりも身近なものになってきています。また、他のオピオイド内服もしくは、パッチ剤(フェンタニル剤)を貼付されているケースも散見します。 オピオイドは疼痛コントロールに有効といわれますが、便秘や嘔気といった副作用などに悩み、長期に投与してよいものかと考えることがたびたびあります。長期使用の安全性は明らかになっておらず1), 2)、個人的には慎重に使用したいと考えます。日本では、慢性腰痛に対して、日本ペインクリニック学会が作成した神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン3)もあり、参考になると思います。 以下、American Family Physician 2014年8月15日号1)、The Cochrane database of systematic reviewsオンライン版 2013年8月27日版2)よりオピオイドは、慢性腰痛の治療に有効か?randomized controlled trialsのMeta-analysis 慢性腰痛には、オピオイドが短期間の疼痛の緩和と機能改善に多少有効であると一般的に考えられている。しかしながら、長期間のオピオイド使用でのデータは、ほとんど存在していない。長期間のオピオイド使用については、議論の分かれるところである。医師は、患者に疼痛の緩和を求められるが、長期間のオピオイドを使う際には投薬調節と安全性への配慮も求められる。トラマドールとプラセボを比較した5つの研究には、方法論的なバイアスがあったが、概して患者はプラセボより多くの痛みが減り、機能的なアウトカムもより改善することを示した。痛みの改善はSMD(標準化平均差)、-0.55( 95% CI -0.66~-0.44、low quality evidence)、機能の改善は SMD、-0.18( 95% CI -0.29~-0.07、moderate quality evidence)であった。2つの研究では、経皮ブプレノルフィンとプラセボを比較した。ブプレノルフィンの2つの研究では、エビデンスレベルは低く、プラセボより痛みが減るが、機能は改善しないことが判明した。痛みの改善はSMD、-2.47( 95% CI -2.69~-2.25、very low quality evidence)、機能の改善はSMD、-0.14( 95% CI -0.53~0.25、very low quality evidence) であった。5つの強オピオイドの研究では、痛みが減り、機能改善することが判明した。痛みの改善はSMD、-0.43( 95% CI -0.52~-0.33、moderate quality evidence)機能の改善はSMD、-0.26(95% CI -0.37~-0.15、moderate quality evidence)であった。いずれのトライアルも研究の質は低~中等度で、中断率が高く、観察期間が短く、機能改善の定義が限定されている。オピオイドの長期使用に関するトライアルは、さまざまなリスクを総合的に評価するなど慎重に行うべきである。慢性腰痛に対するオピオイドの長期間の効果と安全性を示しうるRCTはない。※本内容は、プライマリケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) HENRY C. BARRY. Am Fam Physician. 2014; 90: 259B-C. 2) Chaparro LE, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2013; 8: CD004959. 3) 日本ペインクリニック学会神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン作成ワーキンググループ 編. 神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン. 真興交易医書出版部. 2011. 

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疼痛を伴うMSにデュロキセチンが有効

 米国・コロラド大学ヘルスサイエンスセンターのTimothy L. Vollmer氏らは、神経障害性疼痛をしばしば有する多発性硬化症(NP-MS)患者における疼痛処置としてのデュロキセチン(商品名:サインバルタ)の有効性と忍容性を評価する無作為化二重盲検試験を行った。その結果、NP-MS患者に対してデュロキセチンは有効であることを報告した。安全性プロファイルも他の患者集団で報告されたものと一致していた。NP-MS患者へのデュロキセチン治療は適応承認されていない。Pain Practice誌2014年11月号の掲載報告。 検討は、239例のNP-MS患者を対象に行われた。まず、被験者を、デュロキセチン60mg/日投与群またはプラセボを投与する群に無作為に割り付け、1日1回投与の6週間にわたる急性期治療フェーズの検討を行った(デュロキセチン投与群は30mgを1週間、60mgを5週間投与された)。その後、12週間の非盲検延長フェーズ(デュロキセチン30~120mg/日投与)の検討を行った。 被験者は、無作為化以前に、MSを有して1年以上、1日の平均疼痛(API)評価スコアが4以上の日が7日間のうち4日以上あった。なお患者の毎日のAPI評価は、電子日記において11ポイント制(0[疼痛なし]~10[最大級の痛み])で行われた。 主要有効性評価は週ごとのAPI評価の変化で、ミックスモデル反復測定分析により分析が行われた。治療完了や治療中断理由、治療関連有害事象の発生は、Fisher's 正確確率検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・デュロキセチン群は118例、プラセボ群は121例であった。・6週時点で、デュロキセチン群の患者はプラセボ群の患者と比較して、API評価における統計的改善が有意に大きかった(-1.83 vs. -1.07、p=0.001)。・治療完了について、群間で有意な差は認められなかった。・有害事象による中断は、デュロキセチン群がプラセボ群よりも統計的に有意に多かった(13.6% vs. 4.1%、p=0.012)。・食欲減退の報告頻度が、デュロキセチン治療患者で有意に高かった(5.9% vs. 0%、p=0.007)。

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女性の痛みを理解する

 2014年10月28日、ファイザー株式会社、エーザイ株式会社 プレスセミナー「性差と痛み」にて、順天堂大学医学部 麻酔科学・ペインクリニック講座 井関 雅子氏が「女性に多い痛みとその最新治療動向」について紹介した。女性は長年にわたり痛みの問題を抱える 日本の平均寿命は世界的にみても長く、女性は世界第一位である。しかし、平均寿命と健康寿命の差をみると、女性は12.4年と、男性(男性は9.02年)以上に長い。 一方、日本の慢性疼痛は26.4%、2,700万人と多い。とくに女性は月経痛をはじめリウマチ、変形性関節症など生涯を通して、さまざまな疼痛疾患を経験する。上記の健康寿命との差からみても、女性は長期間痛みの問題を抱えて生きていることになる。知られていない女性の痛み 女性に多い痛みとして、井関氏は頭痛、手根管症候群、乳房切除後疼痛症候群、線維筋痛症を紹介した。 頭痛、なかでも女性の片頭痛の有病率は12.9%と高い。男性(3.6%)の3.6倍である。それにも関わらず、医療機関未受診の女性は69.4%と多い。 手根管症候群は何らかの原因で正中神経が圧迫されることで発症する。患者は圧倒的に女性に多く、欧州の統計では男性の3~10倍である。初期には痛みやだるさなどを訴えるが、進行すると筋力の低下から筋委縮にいたることもあり放置は危険である。 乳房切除後疼痛症候群では、手術側の乳房や腋下、上腕内側に神経障害性疼痛特有のアロディニア(異痛症)*が見られる。デンマークの調査では、乳癌手術後5~7年後に痛みを訴えた患者は37%。本邦でも術後8年以上経過した患者の21%が乳房切除後疼痛症候群と思われる慢性疼痛を訴えている。しかしながら、乳房切除後疼痛症候群に対する医師の認識は低いという。神経障害性疼痛薬での治療が可能であるにも関わらず、患者の65%が治療を諦めているという実態を紹介した。 井関氏は、女性は生涯を通し痛みに悩む機会が多いこと、痛みには種類があり種類に応じた治療法があるため早期の専門家の診断および適切な治療が求められること、また、長引く痛みは完治しなくても改善を目指す治療を行うことを強調した。*アロディニア:通常では疼痛をもたらさない微小刺激が、すべて疼痛としてとても痛く認識される感覚異常

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中国、日本は他国より疼痛有病率・治療率が低い

 米国・Kantar Healthが実施したNational Health and Wellness Survey(NHWS)によると、新興国と先進国のいずれにおいても、疼痛はQOLや機能、活動、労働生産性などすべての健康状態の評価項目に影響していることが明らかになった。また、新興国の中国、先進国の日本はともに、他の国よりも疼痛有病率と治療率が低いことも報告された。同社のAmir Goren氏は報告で、「今回の結果は世界における疼痛の疾病負荷を幅広く理解する助けになる」とまとめている。Pain Medicine誌オンライン版2014年9月12日号の掲載報告。 2011~2012年に実施されたNHWSのデータを用い、疼痛(神経障害性疼痛、線維筋痛、腰痛、手術痛、関節炎疼痛)の有無別に社会人口統計学的特性、QOL、労働生産性、活動機能障害および医療財源の使用について解析し、新興国(ブラジル、中国、ロシア)と先進国(EU、日本、米国)とで比較した。 主な結果は以下のとおり。・疼痛有無の回答は、先進国では、疼痛なし12万8,821例、疼痛あり2万9,848例、新興国では、疼痛なし3万7,244例、疼痛あり4,789例であった。・疼痛有病率および治療率は、中国がそれぞれ6.2%および28.3%、日本が4.4%および26.3%で、他の国々(≧14.3%および35.8%)と比べて低かった。・疼痛は先進国および新興国のいずれにおいても、QOLの重大な障害、生産性および医療財源使用と関連していた。・先進国では生産性と身体的な健康状態、新興国では精神的健康状態と医療財源使用に対する影響がより大きかった。

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スタチンと神経障害性疼痛の関係は?

 神経障害性疼痛は体性感覚神経系の障害に起因しているが、最近、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の関与が注目されている。インド・パンジャブ大学のShrutya Bhalla氏らは、スタチンと神経障害性疼痛に関する研究についてレビューを行い、臨床研究と基礎研究で相反する作用が報告されていることを示した。すなわち、興味深いことにスタチンには神経障害性疼痛の誘起と緩和という2つの役割があるという。著者らはその背後にあるメカニズムを説明し、2つの役割を理解するためにはさらなる研究が必要であるとまとめている。Journal of Pain誌オンライン版2014年7月30日号の掲載報告。 スタチンは、HMG-CoA還元酵素を阻害することによりコレステロール生合成における律速段階を阻害する。最近の研究では、スタチンがコレステロール低下作用に加え多面的な効果(pleiotropic action)を有することが示されていた。 研究グループは、神経障害性疼痛に対するスタチンの作用に関する研究をレビューした。 主な所見は以下のとおり。・基礎研究では、スタチンが神経障害の動物モデルにおいて神経障害性疼痛を減弱させることが示唆されている。・そのメカニズムとしては、抗炎症作用、抗酸化作用および神経調節作用などコレステロール非依存性作用が考えられている。・臨床研究では、スタチンの投与によって神経障害性疼痛が引き起こされることが示唆されており、コレステロール低下作用が神経障害性疼痛の誘因となる可能性が考えられた。

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新規開発のEMA401、帯状疱疹後神経痛に有望/Lancet

 新規の神経障害性疼痛治療薬として開発中のアンジオテンシンIIタイプ2型受容体(AT2R)拮抗薬EMA401は、帯状疱疹後神経痛(PHN)の疼痛改善に有望であることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAndrew S C Rice氏らによる第2相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。1日2回100mgの経口投与による28日間の試験終了時点で、プラセボと比較してPHNの有意な緩和が認められ、忍容性も良好であった。PHNおよび一般的な神経障害性疼痛に対する既存治療は、効果がわずかで好ましくない副作用がある。AT2Rは、神経障害性疼痛の新しいターゲットで、EMA401はこのAT2Rに高い選択性を有するという。Lancet誌オンライン版2014年2月5日号掲載の報告より。6ヵ国29施設でPHN患者183例を対象に第2相無作為化試験 試験は、PHNを有する患者において、EMA401の治療薬としての可能性を評価することを目的とし、6ヵ国29施設の多施設共同にて、22~89歳で6ヵ月以上のPHNを有する患者を登録して行われた。 183例の患者を無作為に、EMA401(1日2回100mg)かプラセボを投与する群に割り付け、28日間治療を行った(EMA401群92例、プラセボ群91例)。患者と各試験サイトのスタッフは割り付け情報は知らされなかった。 EMA401の有効性、安全性、薬物動態を評価。主要有効性エンドポイントは、ベースライン時と投薬最終週(22~28日)との間の、平均疼痛強度[11ポイントの数値的評価スケール(NRS)で測定]の変化であった。プラセボ群と比べて疼痛スコア変化が有意に低下 結果、EMA401群はプラセボ群と比べて、同変化値が有意に低かった。平均疼痛スコアの低下は-2.29[SD 1.75] vs. -1.60 [1.66]、最小二乗平均値補正後の両群差は-0.69[SE 0.25](95%信頼区間[CI]:-1.19~-0.20、p=0.0066)だった。 EMA401に関連した重篤な有害事象は、発生がみられなかった。治療関連の有害事象はEMA401群で32例の患者が56件報告、プラセボ群でも29例の患者が45件報告した。

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複合性局所疼痛症候群に対するTNF-α阻害薬の効果

 複合性局所疼痛症候群(CRPS)には、TNF-αなどの炎症性サイトカインが関与していると考えられることから、TNF-α阻害薬の治療効果が期待されている。オランダ・エラスムス大学医療センターのMaaike Dirckx氏らは、インフリキシマブ(商品名:レミケード)による無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を行った。試験は、統計学的な検出に必要な症例数に達する前に試験が中止されたものの、当初からTNF-α濃度が高い患者ではインフリキシマブ投与による効果がみられる傾向が示唆されたという。Pain Practice誌2013年11月(オンライン版2013年5月22日)の掲載報告。 研究グループは、局所炎症による臨床症状がインフリキシマブ全身投与後に減少するかどうかを確認することを目的とした。 対象はCRPS患者13例で、インフリキシマブ5mg/kg群(6例)またはプラセボ群(7例)に無作為化し、0、2および6週に投与した。 局所炎症による臨床症状をimpairment level sumscore(ISS)で評価するとともに、誘発された水疱液中のメディエーター濃度およびQOLについても調べた。 主な結果は以下のとおり。・インフリキシマブ群とプラセボ群との間で、ISS合計スコアに有意な変化はなかった。・サイトカイン濃度も両群で差は認められなかったが、プラセボ群に比べインフリキシマブ群でTNF-αの減少が大きい傾向がみられた。・プラセボ群と比較しインフリキシマブ群で、EuroQolサブスケールの健康状態が有意に低下した。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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国際疼痛学会が神経障害性疼痛に対する侵襲的治療について新しい勧告を発表

 神経障害性疼痛は、薬物療法あるいは非侵襲的治療に不応性のことが多い。国際疼痛学会の神経障害性疼痛部会は、神経障害性疼痛の侵襲的治療に関するシステマティックレビュー、臨床試験および既存のガイドラインを評価し、勧告を発表した。同部会を代表し米国・ロチェスター大学のRobert H. Dworkin氏らは、今後の研究の優先事項としてはさまざまな侵襲的および非侵襲的治療の無作為臨床試験、長期研究および直接比較試験が挙げられる、とまとめている。PAIN誌2013年11月(オンライン版2013年6月7日)。 以下の末梢性および中枢性神経障害性疼痛患者における神経ブロック、脊髄電気刺激(SCS)、髄腔内薬物投与および脳神経外科的治療に関するエビデンスがまとめられた。・帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛(PHN)・有痛性糖尿病性およびほかの末梢神経障害・脊髄損傷後神経障害性疼痛、脳卒中後の中枢性疼痛・神経根障害および腰椎術後疼痛症候群(FBSS)・複合性局所疼痛症候群(CRPS)・三叉神経痛と末梢神経障害 主な勧告内容は以下のとおり。・質の高い臨床試験が不足しているため、強い推奨を行うことはできない。・有効性と安全性の程度を含むエビデンスの量および一貫性に基づき、以下の4治療を「弱い推奨」とする。 1)帯状疱疹に対する硬膜外注射 2)神経根障害に対するステロイド注射 3)FBSSに対するSCS 4)CRPSタイプ1に対するSCS・PHNに対する交感神経ブロック、神経根障害に対する高周波療法の使用は推奨しない。・これらの侵襲的治療は、可能な限り無作為化臨床試験の一部として行うか、または登録研究に記録するかのどちらかでなければならない。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・知っておいて損はない運動器慢性痛の知識・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する

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慢性非がん性疼痛の突出痛にフェンタニル口腔粘膜吸収剤は有用

 慢性非がん性疼痛の突出痛(BTP)に対し、フェンタニル口腔粘膜吸収剤(以下フェンタニル、国内ではがん性疼痛のみ適応)はオキシコドン速放製剤と比較して、鎮痛効果の発現が速やかで機能状態改善効果も優れ、患者の満足度も良好であることが示された。米国・CRI LifetreeのLynn R. Webster氏らが、無作為化二重盲検クロスオーバー試験において明らかにした。Pain Medicine誌2013年9月号(オンライン版2013年7月15日)の掲載報告。 本研究には、米国の42施設が参加した。対象は慢性非がん性疼痛を有しBTPを認めるオピオイド耐性患者213例であった。 非盲検の用量設定期において、フェンタニルに次いでオキシコドン速放製剤(IR)の順に投与する群、またはオキシコドンIRに次いでフェンタニルの順に投与する群に無作為に割り付け、BTPに対し有害事象を伴うことなく十分な鎮痛効果が得られる単回投与量を、両薬剤について設定した。その後、同様に再割り付けを行い二重盲検治療期としてBTPに対する治療効果を検討し(BTP 10エピソードで薬剤切替え)、引き続き12週間の非盲検の延長試験を行った。 疼痛強度は0~10までの数値的評価スケールを用いて評価するとともに、機能状態および患者満足度等を質問票にて評価した。  主な結果は以下のとおり。・213例中、149例が非盲検用量設定期を終え、131例が二重盲検治療期を、112例が非盲検延長試験期を完了した。・主要評価項目である二重盲検治療期における投与前および投与15分後の疼痛強度の差は、オキシコドンIR群(0.76±1.13)に比べフェンタニル群(0.88±1.20)が有意に大きかった(p<0.001)。・二重盲検治療期を完了した患者において、フェンタニルが好ましいと回答した患者は47%、オキシコドンIRは35%であった。・非盲検延長試験終了時(最終来院日)の機能改善ならびに満足度に関する評価は、患者および臨床医いずれも短時間作用型オピオイドに比べフェンタニルが一貫して高かった(p<0.05)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?

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成人の慢性疼痛患者 6人に1人は小児期から

 小児期の慢性疼痛は成人期になっても続く場合があることが、米国・ミシガン大学のAfton L. Hassett氏らのアンケート調査で確認された。成人の慢性疼痛患者の6人に1人は小児期または青年期に慢性疼痛の既往があり、こうした患者の多くは広範痛で、神経障害を来しており、精神疾患や身体機能悪化を伴う傾向にあったという。Journal of Pain誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。 疼痛のため大学病院の疼痛専門クリニックを新たに受診した、成人患者1,045例(平均年齢49.5±15.4歳)を対象に、自己評価質問票を用い疼痛の特性を小児期も含めて調査した。 主な結果は以下のとおり。・成人慢性疼痛患者の約17%(176例)が小児期(または青年期)に慢性疼痛の既往があり、そのうち約80%の患者は小児期の疼痛が現在まで続いていた。・小児期慢性疼痛の既往を有する患者は、68%が女性で、85%は広範痛を有していた。・同患者は小児期慢性疼痛の既往がない患者に比べ、線維筋痛症のリスクが約3倍(オッズ比[OR]:2.94、95%信頼区間[CI]:2.04~4.23)であり、慢性疼痛の家族歴がある場合のリスクは約2倍(同:2.03、1.39~2.96)、精神疾患を有する近親者がいる場合のリスクは約3倍(同:2.85、1.97~4.11)であった。・小児期慢性疼痛の既往を有する患者は既往がない患者に比べ、疼痛に関して神経障害性疼痛をうかがわせる表現を用い(OR:1.82、95%CI:1.26~2.64)、やや身体機能状態が悪く(p=0.002)、不安が増加していた(OR:1.77、95%CI:1.24~2.52)。~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?

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ミノサイクリン、腰椎ヘルニア術後疼痛を改善せず

 腰椎椎間板切除の周術期におけるミノサイクリン(商品名:ミノマイシン)8日間投与の術後疼痛の軽減効果について検討したフランス・INSERMのValeria Martinez氏らによる無作為化二重盲検比較試験の結果、有効性は認められなかったことが報告された。ミノサイクリンは、慢性疼痛の主な発症機序である中枢性感作に関与するミクログリアの活性化を強く阻害することから、腰椎椎間板切除後の持続性疼痛を軽減することが期待されていた。Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年3月27日号)の掲載報告。 対象は、腰椎椎間板切除術実施予定患者100例で、プラセボ群とミノサイクリン群に無作為に割り付け、ミノサイクリン群には同薬剤100mgを1日2回、手術前夜から8日間経口投与した。 主要評価項目は、ベースライン時から3ヵ月後における下肢安静時疼痛強度の変化であった。副次的評価項目は、同じく3ヵ月後における動作時疼痛強度、持続痛と慢性神経障害性疼痛の頻度、安静時および動作時の腰痛強度、神経障害性疼痛重症度(NPSI)スコア、簡易疼痛質問票(BPI)スコアおよびローランド・モリス障害質問票(RMDQ)スコアの変化であった。 主な結果は以下のとおり。・下肢疼痛強度の減少は、プラセボ群とミノサイクリン群とで同程度であった(安静時:-1.7±1.6 vs. -2.3±2.4、動作時:-2.5±2.1 vs. -3.4±2.9)。・神経障害性疼痛の頻度、強度および機能スコアは、プラセボ群とミノサイクリン群とで差はなかった。・探索的分析の結果、ミノサイクリンはベースライン時において主に深部自発痛を有する患者に対しては有効である可能性が示唆された。■関連記事無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?ミノサイクリンの投与は統合失調症に本当に有用か:藤田保健衛生大学

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有痛性の糖尿病性神経障害の医療費低減の鍵はプレガバリンと服薬アドヒアランスの向上

 有痛性糖尿病性末梢神経障害(pDPN)の治療において、高齢で服薬アドヒアランスが高く維持されている患者の場合で医療コストを比較した結果、プレガバリン(商品名:リリカ)の服用患者で総医療費が低いことが明らかになった。米国・ファイザー社のMargarita Udall氏らが、保険データベースのデータを用いて、デュロキセチン(同:サインバルタ)、ガバペンチン(同:ガバペン)、アミトリプチリン(同:トリプタノールほか)服用と比較解析した結果で、同患者で薬剤経済学的なメリットを得るには、プレガバリンと服薬アドヒアランスの向上が鍵となることが示唆されたとまとめている。Pain Practice誌7月号(オンライン版2012年11月14日)の掲載報告。 保険請求データベースMarketScanを用い、2008年にプレガバリン、デュロキセチン、ガバペンチンまたはアミトリプチリンが処方され、処方開始日から60日以内に1回以上pDPN診断の請求があり、処方開始日の前後各1年連続して保険に加入していた患者を特定し、傾向スコアがマッチした患者群を解析対象とした。 解析対象は、プレガバリンが処方された987例のうち、デュロキセチンとの比較が349例、同様にガバペンチンが987例、アミトリプチリンが276例であった。 平均治療日数カバー比率(PDC)が80%以上および65歳以上の患者について、処方開始日前後の医療費の変化を比較した。 主な結果は以下のとおり。・全体コホートでみた処方前後の総医療費の変化は、同程度であった。  プレガバリンvs. デュロキセチン:3,272ドルvs. 2,290ドル(p=0.5280)  プレガバリンvs. アミトリプチリン:3,687ドルvs. 5,498ドル(p=0.5863)  プレガバリンvs. ガバペンチン:3,869ドルvs. 4,106ドル(p=0.8303)・しかし、高PDCおよび高齢の患者集団における処方前後の総医療費の変化は、プレガバリンが他の群と比較していずれも有意に低かった(p<0.001)。  プレガバリンvs. デュロキセチン:3,573ドルvs. 8,288ドル  プレガバリンvs. アミトリプチリン:2,285ドルvs. 6,160ドル  プレガバリンvs. ガバペンチン:1,423ドルvs 3,167ドル~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中!・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは?・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!?・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか?  治療経過を解説

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