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1961.

なぜ、フィンランドの認知症死亡率は世界一高いのか

 フィンランドの認知症死亡率は、世界の中でも最も高く、認知症の隠れた原因を探るうえでも、その環境的特徴を理解することは有益である。米国・ドレクセル大学のArnold R. Eiser氏は、フィンランドにおける環境要因を報告した。Brain research誌2017年9月15日号の報告。 主な環境要因は以下のとおり。・非常に寒く、湿気が多い気候のため、神経毒性のマイコトキシンを産生するカビを住宅に宿しやすい。・フィンランド湾およびフィンランド湖には、認知症および認知症関連障害を引き起こすことが知られている神経毒性のβ-N-メチルアミノ-L-アラニンを産生するシアノバクテリアが存在する。・上記の毒素は、フィンランド水域にみられる水銀やメチル水銀により増強される可能性がある。・フィンランドの土壌は、自然界ではセレンが少ない。セレン欠乏により、神経毒性に対して保護的に働くグルタチオンの量や有効性を低下させる可能性がある。 著者らは「認知症死亡率の高さは、これら環境要因が影響している可能性が考えられる。今後、この仮説を支持または否定するための研究が必要である。このような環境毒素が組み合わさる世界中の他の地域においても、アルツハイマー病を促進する可能性がある」としている。■関連記事認知症による生涯コストはどのくらい?ドネペジルの治療反応、投与前に予測可能か認知症になりやすい職業は

1962.

てんかん患者の突然死、腹臥位がリスク因子か

 てんかん患者に起きる予期せぬ突然死(SUDEP:sudden unexpected death in epilepsy)と睡眠との関連について、米国・シカゴ大学のAhmer Ali氏らが検討を行った。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年9月13日号の報告。 各種データベースよりSUDEPに関連する文献を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。SUDEPは、患者がベッドで発見された場合、睡眠時と記録された場合、寝室のベッドサイドで発見された場合として評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・包括および除外基準を満たした67研究よりSUDEP症例1,025例が抽出され、そのうち880例において概日パターンが記録されていた。・SUDEP症例880例のうち、睡眠時の発生が69.3%、覚醒時の発生が30.7%であった。・SUDEPは、覚醒時と比較し、睡眠時と有意な関連が認められた(p<0.001)。・概日パターンと年齢が記録された272例のサブグループにおいて、40歳以下の患者は、40歳超の患者と比較し、睡眠時に死亡する可能性が高かった(OR:2.0、95%CI:1.0~3.8、p=0.05)。・死亡時の概日パターンと体位の両方が記録された114例のサブグループにおいて、睡眠時に死亡した患者の87.6%は腹臥位であり、覚醒時に死亡した患者の52.9%が腹臥位であった。・夜間発作の患者は、日中発作の患者よりも死亡率が6.3倍高かった(OR:6.3、95%CI:2.0~19.5、p=0.002)。 著者らは「SUDEPと睡眠は強く関連しており、睡眠はSUDEPの有意なリスク因子であることが示唆された。睡眠に関連するSUDEPリスクは未知であり、多因子性であると考えられるが、腹臥位が主要な要因である可能性がある」としている。■関連記事てんかん患者のアンメットニーズはてんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化せん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証

1963.

認知症になりにくい性格は

 「誠実さ」が認知症に対して保護的に働くことが、複数の研究で示唆されている。米国・フロリダ州立大学のA. R. Sutin氏らは、「誠実さ」の特定の因子が認知機能障害に対し最も保護的であるか、これらの関連が患者背景的因子や遺伝的リスクにより緩和されるかについて検討を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年9月6日号の報告。 Health and Retirement Studyより、「誠実さ」の因子測定を完了しており、ベースライン時の評価で正常な範囲の認知機能を有している、最大6年間のフォローアップ期間中に1回以上の認知機能測定を実施した1万1,181例を、分析のために抽出した。認知症発症リスクおよび認知症でない認知機能障害(CIND:cognitive impairment not dementia)発症リスクの分析には、Cox回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中における、認知症発症は278例、CIND発症は2,186例であった。・認知症リスクと最も強く、最も一貫した関連が認められたのは「責任感」であり、認知症リスクの約35%減少が認められた。「自制心」、「勤勉さ」も保護的な因子であった。・この関連は、臨床的、行動的、遺伝的リスク因子でコントロールした際、一般的に類似していた。・「責任感」、「自制心」、「勤勉さ」は、CINDリスク減少の独立した予測因子でもあった。 著者らは「責任感のある人、自分の行動をコントロールできる人、ハードワークな人では、CINDや認知症を発症する可能性が低く、臨床的、行動的、遺伝的リスク因子で調整後も、これらの関連に変化はないことが示唆された」としている。■関連記事認知症になりやすい職業はスマホ依存症になりやすい性格タイプ統合失調症患者の性格で予後を予測

1964.

中年期の脂質異常が晩年の認知低下に関連

 これまでの研究では主に、晩年における脂質レベルとその後の認知機能変化との関連を検討しているが、晩年よりも中年期でのリスク因子が認知機能の健康に最も関連していることが多い。今回、米国・ジョージワシントン大学のMelinda C. Power氏らは、コホート研究で、中年期の総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセライドの値が高いことが、その後20年の認知機能低下と関連していたことを報告した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年9月12日号に掲載。 著者らは、Atherosclerosis Risk in Communities研究の参加者1万3,997人において、中年期の血清脂質と、3つの認知機能テストでの成績における20年後の変化の関連を定量化した。 主な結果は以下のとおり。・中年期の総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセライドの値が高いことが、実行機能・注意の持続・情報処理速度のテストでの20年での大きな低下に関連していた。・中年期の総コレステロール・トリグリセライドの値が高いことは、記憶スコアおよび3つのテストすべての成績をまとめた尺度においても、20年での大きな低下に関連していた。・HDLコレステロールは認知機能の変化と関連していなかった。・informative missingnessに対処した感度分析でも、実質的な結果は変わらなかった。

1965.

うつ病患者の多い診療科はどこか

 うつ病や抑うつ症状は、患者の健康関連QOLや医療満足度に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患であるが、どの程度まん延しているかは、公表された研究間で大きく異なる。中国・中山大学のJinghui Wang氏らは、異なる臨床専門分野における外来患者のうつ病または抑うつ症状の有病率について的確な推定値を導き出すため、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。BMJ open誌2017年8月23日号の報告。 PubMed、PsycINFO、EMBASE、Cochrane Library databasesを検索し、外来患者のうつ病および抑うつ症状の有病率に関する情報を含む観察研究を抽出した。2016年1月までに公表されたすべての研究を対象とした。データは、独立した2名の研究者により抽出された。うつ病または抑うつ症状の有病率は、有効な自己報告アンケートまたは構造化面接を用いて測定した。評価は、ランダム効果モデルを用いてプールした。研究レベルの特徴の差は、メタ回帰分析により推定した。標準χ2検定およびI2統計を用いて異質性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・83件の横断研究より4万1,344例が抽出された。・うつ病または抑うつ症状の全体のプールされた有病率は、27.0%(1万943例、95%CI:24.0~29.0%)であり、研究間で有意な異質性が認められた(p<0.0001、T2=0.3742、I2=96.7%)。・とくに外来患者では、一般対照群と比較し、うつ病および抑うつ症状の有病率が有意に高かった(OR:3.16、95%CI:2.66~3.76、I2=72.0%、χ2=25.33)。・うつ病および抑うつ症状の有病率の推定値は、耳鼻咽喉科クリニックの外来患者で最も高く53.0%であった。次いで、皮膚科クリニック39.0%、神経内科クリニック35.0%であった。・サブグループ分析では、異なる専門分野におけるうつ病および抑うつ症状の有病率は、17.0~53.0%であった。・うつ病および抑うつ症状の有病率は、先進国の外来患者よりも開発途上国の外来患者で高かった。・さらに、外来患者のうつ病および抑うつ症状の有病率は、1996~2010年にかけてわずかな減少が認められた。・スクリーニング法に関しては、BDI(Beck Depression Inventory、4,702例中1,316例、36.0%、95%CI:29.0~44.0%、I2=94.8%)は、HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale、2,025例中1,003例、22.0%、95%CI:12.0~35.0%、I2=96.6%)よりもうつ病および抑うつ症状の有病率の推定値が高かった。 著者らは「研究間での異質性は、変数により完全に説明することはできなかったが、多くの外来患者は、うつ病または抑うつ症状を経験しており、臨床現場における早期発見と治療のための効果的な管理戦略を検討することが重要である」としている。■関連記事たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのかうつ病の診断年齢を分析、とくに注意が必要なのは

1966.

ドネペジルの治療反応、投与前に予測可能か

 アルツハイマー型認知症(AD)に対するドネペジルの治療反応は、患者により異なり、治療前に潜在的な治療反応者を特定することが重要である。脳白質の変化(WMC)は、高齢患者で頻繁に認められ、治療反応に対するWMCの影響については議論の余地がある。台湾・高雄医科大学のMeng-Ni Wu氏らは、WMCの場所や重症度とドネペジルの治療反応との関連を調査するため検討を行った。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2017年8月29日号の報告。 ドネペジルを投与されているAD患者418例のうち、196例を分析の適格とした。5つの脳領域それぞれにおいて、治療前にCTスキャンおよびAge-Related White Matter Changes Rating Scaleを用いて分析を行った。認知障害検討のため、Cognitive Abilities Screening Instrument(CASI)を毎年実施した。ベースライン時からフォローアップ時のCASIスコアの差が0以下であった場合を、治療反応者と定義した。 主な結果は以下のとおり。・治療反応群と非治療反応群との間に、人口統計学的データでの有意な差は認められなかった。・治療反応群は、前頭側頭領域におけるWMCの関与が有意に少なく(p=0.0213)、大脳基底核領域におけるWMCへの関与がほとんど認められなかった(p=0.1103)。・年齢、性別、教育、アポリポ蛋白E多型、高血圧、糖尿病で調整した後、前頭側頭領域(OR:0.446、p=0.0139)および大脳基底核領域(OR:0.243、p=0.0380)におけるWMCは、治療反応の低下との有意な関連が認められた。 著者らは「前頭側頭領域および大脳基底核領域にWMCを有する患者では、ドネペジルに対する治療反応の有意な低下が認められた。WMCの場所が、重症度とは関係なく、AD患者におけるドネペジルの治療反応と関連している可能性があることが示唆された」としている。(鷹野敦夫)■関連記事認知症に対する抗精神病薬処方、治療反応の予測因子は:慈恵医大白質の重症度で各抗認知症薬の効果に違い:岡山大患者の性格と認知症タイプでBPSDを予測可能:旭川医大

1967.

てんかん患者のアンメットニーズは

 てんかん患者は、一般人よりも医療ニーズが満たされていないと感じていると考えられる。カナダ・Schulich School of Medicine and DentistryのMayuri Mahendran氏らは、てんかん患者における医療ニーズが満たされていないと感じる理由について、システマティックレビューにより評価した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2017年8月23日号の報告。 Medline、Embase、PsycINFO、Cochrane、Web of Science databasesより検索を行った。「unmet healthcare needs」「treatment barriers」「access to care」に関連するキーワードを使用した。本研究には、すべての国、成人および小児、調査研究および定性的研究を含めた(2001年以前の非英語研究は除外した)。満たされていないニーズの理由を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・調査研究19件と定性的研究22件が抽出された。・調査研究3件と定性的研究5件の併存疾患患者は除外した。・てんかん患者における満たされていないニーズは、身体ケアよりも精神医療に関する研究が2倍多かった。・欧米および発展途上国のどちらにおいても、医療サービスの可能性の乏しさ、アクセスの問題、医療情報不足が、満たされないニーズとして抽出された。・米国に加え、ユニバーサルヘルスケアシステムを導入している国々において、医療サービスの欠如、待機時間の長さ、非協調的なケア、必要な医療情報の入手困難が抽出された。・また一方、米国の研究においては、一般的にケア費用に関する満たされないニーズが報告されていた。 著者らは「本レビューは、さまざまな国のてんかん患者における満たされないニーズの理由を明らかにしており、改善するための具体的な介入の必要性を示唆している。いくつかの研究において合併症を伴うてんかん患者を除外したため、満たされないニーズは過小評価されている可能性がある。満たされないニーズへの合併症の影響、介護者や家族の要因との相互作用を確認するためには、さらなる研究が必要である」としている。■関連記事てんかん重積状態に対する抗てんかん薬処方の変化てんかん患者の性的問題の現状世界のてんかん研究を解析、有病率に影響を与える要因は

1968.

パーキンソン病におけるエキセナチド週1回投与の効果(解説:山本康正 氏)-736

【目的】 2型糖尿病に使用されているglucagon-like peptide-1(GLP-1)の受容体作動薬であるエキセナチドには、げっ歯類において神経毒により作成されたパーキンソン病モデルで神経保護作用・神経修復作用があることが示されている。著者らは以前に、少数例のオープンラベル試験でエキセナチドがパーキンソン病患者の運動・認知機能障害を改善した結果を得ており、今回パーキンソン病患者に対するエキセナチドの効果を、single-centre, randomized, double-blind, placebo-controlled trialによって確認する試験を行った。【方法】 25~75歳のQueen Square Brain Bank criteriaで評価された特発性パーキンソン病患者で、ドーパミン治療がなされているがwearing offを有し、治療下においてYahl分類が2.5以下の患者を対象とした。通常のドーパミン系治療に加えて、エキセナチド2mgとプラセボの週1回皮下注射を48週間行い、12週間のwash out期間の後、評価を行った。患者は12週ごとに受診し、抗パーキンソン病薬服用後8時間以上あけたoff-medication stateにおいて、運動・非運動症状や認知機能、心理テスト等の総合的評価がなされた。最初と60週目にドーパミンの働きを見る検査であるDaTscan(ダットスキャン)を行った。1次エンドポイントは、60週目にMovement Disorders Society Unified Parkinson's Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)のmotor subscale part3を用いて評価したスコアの差である。【結果】 62例がエントリーされ、32例がエキセナチド、30例がプラセボに割り付けられた。最終60週目において、MDS-UPDRS-part3はプラセボ群で2.1点悪化し、エキセナチド群で1.0点改善した。調整後の差は-3.5点で、エキセナチド群で有意に改善した(p=0.031)。ちなみに48週目の時点では、-4.3点の差でエキセナチド群が勝っていた(p=0.0026)。認知機能、非運動症状、QOL、気分、ジスキネジア等に差はなかった。DaTscan imagingでは、1回目に比べて2回目は両群とも低下傾向にあったが、エキセナチド群で低下はより軽度であった。【考察】 48週目のみならず12週間のwash out期間の後もエキセナチドの効果が持続していたことは注目すべきであり、これはエキセナチド持続の長い症候改善作用を有するためなのか、あるいは、疾患の病態生理に影響を与えた結果なのかは今後の検討が待たれる。【解説】 パーキンソン病は年月とともに進行性で、進行期には、不随意運動、幻覚、起立性低血圧や頑固な便秘など自律神経障害も出現して難渋することが多い。ドーパミン受容体作動薬やモノアミン酸化酵素阻害薬に神経保護作用が期待されているが、さらに新規の神経保護作用を有する薬剤が待たれている。エキセナチドは2型糖尿病に使用されているGLP-1の受容体作動薬であるが、今回の試験では従来の抗パーキンソン病薬に追加することで、運動症状の改善のみならず12週間のwash out期間の後も効果が持続していた。このことは、単に持続作用が長いことを示しているのかもしれないが、疾患の病態生理に作用し神経保護作用を有する可能性があり期待される。

1969.

抗うつ薬ランキング、脳卒中後うつ病へ最良の選択肢は

 中国医薬大学のYefei Sun氏らは、脳卒中後うつ病(PSD)に対する抗うつ薬治療の有効性および忍容性(全原因による中止リスク)について、各抗うつ薬の順位比較を行った。BMJ open誌2017年8月3日号の報告。 本検討は、無作為化比較試験のMultiple-treatmentsメタ解析で実施された。対象は、脳卒中後のうつ病患者。PSDの急性期治療において、10種類の抗うつ薬およびプラセボ投与を行った。主要アウトカムは、全うつ病スコアの平均変化として定義される全体的な有効性とした。副次的アウトカムは、全原因による中止リスクとして定義された忍容性とした。これらの推定値は、標準化平均差またはOR(95%CI)とした。 主な結果は以下のとおり。・12件の適格研究より、対象患者707例のデータを用いて分析を行った。・セルトラリン、nefiracetam、fluoxetineを除く抗うつ薬は、プラセボと比較し、有意に有効であった。・忍容性の比較については、大部分の研究で有意な差が認められなかったが、パロキセチンは、doxepin、citalopram、fluoxetineよりも全原因による中止の有意な低下が認められた。・プラセボと比較した標準化平均差は、最も良い薬剤(reboxetine)の-6.54から最も悪い薬剤(nefiracetam)の0.51まで変化が認められた。・プラセボと比較したORの忍容性範囲は、最も良い薬剤(パロキセチン)の0.09から最も悪い薬剤(citalopram)の3.42であった。・有効性のランキングでは、reboxetine、パロキセチン、doxepin、デュロキセチンが最も効果的な治療薬であり、累積確率は各々、100%、85.7%、83.2%、62.4%であった。・忍容性のランキングでは、パロキセチン、プラセボ、セルトラリン、ノルトリプチリンが最も良好な治療薬であり、累積確率は各々、92.4%、63.5%、57.3%、56.3%であった。 著者らは「有効性と忍容性のバランスを考慮すると、PSDの急性期治療では、パロキセチンが最も良い薬剤であり、fluoxetineが最も悪い薬剤であると結論づけられた」としている。■関連記事うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は家庭でのうつ病ケア、最善の選択肢はたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能

1970.

微量リチウム、認知症予防の可能性

 治療用量のリチウムが学習や記憶を改善し、認知症の発症リスクを低下させる可能性があることが、動物やヒトを対象とした研究結果より示唆されている。さらなる予備的研究では、ミクロレベルを含む治療用量以下のリチウムでも、ヒトの認知機能に影響を及ぼす可能性があることが示唆されている。デンマーク・コペンハーゲン大学のLars Vedel Kessing氏らは、飲料水中のマイクロレベルの長期リチウム曝露が、一般集団の認知症発症率に変動を及ぼすかを調査した。JAMA psychiatry誌オンライン版2017年8月23日号の報告。 本研究は、デンマーク全国人口ベースのコホート内症例対照研究の縦断的調査である。1970年1月~2013年12月までに病院で認知症と診断された50~90歳のすべての患者における自治体に関する個人の地理的データ、飲料水の測定データと時間特有のデータを収集した。また、年齢性別がマッチした対照群を抽出した。1986年以降の飲料水中の平均リチウム曝露は、すべてのサンプルにおいて推定した。データ分析は、1995年1月~2013年12月に実施した。主要アウトカムは、入院または外来患者の認知症診断とした。アルツハイマー型認知症、血管性認知症の診断は、副次的アウトカムとして測定した。一次解析では、認知症群と対照群におけるリチウム曝露分布の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・認知症群7万3,731例(年齢中央値:80.3歳、四分位範囲:74.9~84.6歳、女性:4万4,760例[60.7%]、男性:2万8,971例[39.3%])、対照群73万3,653例が本研究に含まれた。・リチウム曝露は、認知症群(中央値:11.5μg/L、四分位範囲:6.5~14.9μg/L)と対照群(中央値:12.2μg/L、四分位範囲:7.3~16.0μg/L)で統計学的に有意に異なっていた(p<0.001)。・非線形の関連が確認された。・リチウム曝露が2.0~5.0μg/Lと比較した認知症発症率比(IRR)は、15.0μg/L超で0.83(95%CI:0.81~0.85、p<0.001)、10.1~15.0μg/Lで0.98(95%CI:0.96~1.01、p=0.17)と低く、5.1~10.0μg/Lで1.22(95%CI:1.19~1.25、p<0.001)と高かった。・同様のパターンが、アルツハイマー型認知症および血管性認知症のアウトカムとして認められた。 著者らは「自治体に関連する他の要因を排除することはできなかったものの、飲料水中の長期リチウム曝露は、非線形で認知症発症率を低下させる可能性がある」としている。■関連記事認知症予防の新たな標的、グルコースピーク認知症になりやすい職業は双極性障害、リチウムは最良の選択か

1971.

認知障害にシスタチンCと微量アルブミン尿が関連

 認知障害は健康に影響する重要な要素であり、早期診断が重要である。今回、久留米大学の福本 義弘氏らの研究グループが、比較的若年の集団において、認知機能が血清シスタチンCおよび微量アルブミン尿と有意に逆相関することを初めて証明した。Atherosclerosis誌オンライン版2017年8月26日号に掲載。 本研究の被験者は、2009年に田主丸(福岡県久留米市)で健康診断を受けた1,943人(男性774人、女性1,169人、平均年齢65.8歳)。被験者の認知機能はmini-mental state examination(MMSE)を用いて評価し、血清シスタチンCはラテックス免疫比朧法を用いて測定した。また、微量アルブミン尿は随時尿で測定した。MMSEスコアとシスタチンCまたは微量アルブミン尿との関係は、多変量線形回帰分析を用いて評価した。すべての統計分析はSASシステムを用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・血清シスタチンCと微量アルブミン尿をそれぞれ対数変換した平均値は、0.95(範囲:0.41~7.11)mg/L、10.7(範囲:1.1~2,600)mg/g・Crであった。・MMSEスコアの平均は27.7±2.5であった。・年齢および性別を調整した多変量線形回帰分析では、MMSEは収縮期血圧(p=0.024、逆相関)、シスタチンC(p=0.046、逆相関)、微量アルブミン尿(p=0.019、逆相関)と有意に関連を示したが、推算糸球体濾過量(eGFR)との関連は有意ではなかった(p=0.197)。・段階的重回帰分析では、年齢、脳卒中歴、収縮期血圧、血清シスタチンCが独立してMMSEスコアと関連していた。

1972.

認知症による生涯コストはどのくらい?

 米国・ブラウン大学のEric Jutkowitz氏らは、認知症によるコストを見積もるために、非認知症者をケアするコストと、それを上回る認知症者ケアコストを比較、検討した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2017年8月17日号の報告。 著者らは、新たに認知症と診断された方の疾患進行をシミュレートする、エビデンスベースの数学的モデルを開発した。認知、機能、行動および心理学的症状のデータドリブン曲線を用いて疾患進行をモデル化し、コストを予測した。モデルを用いて、認知症者の生涯および年間コストの評価、認知症の臨床的特徴の有無によるコストの比較、12ヵ月間の機能低下または行動および心理学的症状の10%低下(MMSEスコア21点以下)による影響の評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・診断時(平均83歳)から、認知症者の生涯総ケアコストは、32万1,780ドルであった。・コスト負担は、家族70%(22万5,140ドル)、メディケイド(公的医療保険)14%(4万4,090ドル)、メディケア(高齢者および障害者向け公的医療保険)16%(5万2,540ドル)であった。・認知症者の生涯ケアコストは、非認知症者と比較し、18万4,500ドル(家族負担86%)高かった。・年間総コストは8万9,000ドル、純コストは7万2,400ドルでピークに達した。・機能低下または行動および心理的症状を10%軽減することで、自然な疾患進行よりも、生涯コストはそれぞれ3,880ドル、680ドル軽減された。 著者らは「認知症は、生涯ケアコストを大幅に増加させる。家族が最も多くのコストを負担するため、家族支援のための長期にわたる効果的な介入が必要である」としている。■関連記事認知症になりやすい職業は米国の認知症有病率が低下、その要因は認知症の根治療法研究、どの程度進んでいるか

1973.

出生年代別にみた認知症の発症率

 経年的な認知症発症の傾向をよりよく理解するためには年齢とコホート効果を分ける必要があるが、この手法を用いた先行研究はほとんどない。今回、米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のCarol A. Derby氏らが、アインシュタイン・エイジング研究に登録された70歳以上の参加者において認知症発症率および心血管系合併症の有病率の傾向を調べた結果、認知症発症率の低下が確認された。しかしながら、著者らは「人口の高齢化を考慮すると、発症率の低下が認知症負担の軽減につながるかどうかは不明」と述べている。JAMA neurology誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。 本研究では、1993年10月20日~2015年11月17日にアインシュタイン・エイジング研究に登録された人の認知症発症率を出生コホートで分析した。ニューヨーク州ブロンクス郡で体系的に1,348人を募集した。参加者は、登録時に70歳以上の非認知症者で、1年以上追跡した。ポアソン回帰を用いて認知症発症率を年齢、性別、教育レベル、人種、出生コホートの関数としてモデル化し、また、プロファイル尤度を用いて発症率の有意な増加または減少のタイミングを特定した。主要アウトカムは認知症発症率で、毎年実施される標準化された神経心理学的および神経学的検査の結果に基づき、DSM-IVの基準を用いてコンセンサス症例カンファランスで決定した。 主な結果は以下のとおり。・1,348人(ベースライン時の平均年齢[SD]:78.5[5.4]歳、女性830人[61.6%]、非ヒスパニック系白人915人[67.9%])のうち、5,932人年(平均追跡期間[SD]:4.4[3.4]年)の間に150人が認知症を発症した。・認知症発症率は連続した出生コホートにおいて減少し、100人年当たりの認知症発症数は、1920年より前の出生コホートで5.09、1920~1924年の出生コホートで3.11、1925~1929年の出生コホートで1.73、1929年より後の出生コホートで0.23であった。・1929年7月(95%CI:1929年6月~1930年1月)より後に生まれた人では認知症発症率が有意に低下し、1929年7月より前と後の出生コホートを比較した相対的比率は0.13(95%CI:0.04~0.41)であった。・脳卒中および心筋梗塞の有病率は連続した出生コホートにわたって減少したが、糖尿病の有病率は増加した。これらの心血管系合併症について調整しても、近年の出生コホートの認知症発症率の低下を説明できなかった。

1974.

認知症発症への血圧の影響、ポイントは血圧変動:九州大

 これまでの研究では、診察室血圧変動の大きさが、認知障害や認知症のリスク因子であることが報告されている。しかし、家庭での血圧測定によって評価された日々の血圧変動と認知症発症との関連を調べた研究はなかった。九州大学の大石 絵美氏らは、久山町研究に登録されている日本人高齢者の日常血圧変動と認知症リスクとの関連を調査した。Circulation誌2017年8月8日号の報告。 認知症でない60歳以上の日本人高齢者1,674人を対象に、5年フォローアップ調査を行った(2007~12年)。家庭血圧は、毎朝3回測定した(中央値:28日)。日々の収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)の変動は、自宅でのSBPおよびDBPの変動係数(CoV)として計算し、四分位で分類した。すべての認知症、血管性認知症(VaD)、アルツハイマー型認知症(AD)の発症に対する家庭血圧のCoVレベルのハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に認知症を発症したのは194人、そのうちVaD47人、AD134人であった。・すべての認知症、VaD、AD発症率は、年齢・性別で調整したのち、家庭SBPのCoVレベル増加とともに有意に増加していた(すべて、P for trend<0.05)。・家庭SBPを含む潜在的な交絡因子で調整したのちでも、これらの関連は変化しなかった。・家庭SBPのCoVレベル第4四分位群の人におけるすべての認知症(HR:2.27、95%CI:1.45~3.55、p<0.001)、VaD(HR:2.79、95%CI:1.04~7.51、p=0.03)、AD(HR:2.22、95%CI:1.31~3.75、p<0.001)発症リスクは、第1四分位群の人と比較し、有意に高かった。・家庭DBP血圧のCoVレベルについても、同様の関連が認められた。・家庭SBPレベルは、VaDリスクと有意な関連が認められたが、すべての認知症およびADリスクとは関連が認められなかった。・家庭SBPレベルと家庭SBPのCoVレベルとの間に、認知症の各サブタイプリスクと関連する相互作用は認められなかった。 著者らは「家庭血圧の平均値とは無関係に、日常の血圧変動の増加が、日本人高齢者のすべての認知症、VaD、AD発症のリスク因子であることが示唆された」としている。■関連記事血圧低下は認知症リスクを増加させるか、減少させるか認知症予防の新たな標的、グルコースピーク認知症になりやすい職業は

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国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)

第1回 リンパ腫の臨床診断 “Internist's lymphoma” 第2回 パーキンソン病の話 第3回 大血管炎~IgG4関連疾患も含めて~第4回 Young Doctor’s Case Report 第5回 感染症診療のロジック~常に丹念に病態を詰め切る~ 第6回 呼吸器内科医から見た心不全 第7回 小腸疾患 Update 2017 第8回 NEJMへの道~2017 飛翔編~ 第9回 陰性感情を考える第10回 つつが虫病 シマからみる、シマでみる ~過去と現在、日本、沖縄、世界に眼をむけて~ 第11回 低K血症をスッキリ理解する Keep It Simple, Stupid. 第12回 “元気で長生き”を維持するために 科学的根拠に基づくヘルスメンテナンス 2017年1月14~15日の2日間にわたって開催された集中型セミナー「国立国際医療研究センター総合診療科 presents内科インテンシブレビュー」。臨床の最前線に立ち、若手医師教育にも熱意を注ぐ12医師の熱いレクチャーを一挙公開します。「学生・初期研修医向け」のレクチャーに飽きてしまった専門後期研修医、これを機に知識をアップデートしたいシニア医師、ちょっと背伸びしたい初期研修医の方々、有名講師による集中講義を堪能してください!第1回 リンパ腫の臨床診断 “Internist's lymphoma” 国立国際医療研究センター病院 総合診療科 國松淳和先生によるレクチャーは、病理で診断されるリンパ腫の"臨床診断”について。リンパ腫においては、診断確定が早いことは患者の予後やQOLに大いに関わります。臨床症状によって診断に迫ることができる"Internist's Lymphoma”の特徴や具体的な診断への道筋について解説します。第2回 パーキンソン病の話 外科医であり、化石学者でもあった英国のジェイムズ・パーキンソンがパーキンソン病に関する論文を発表して今年で200年!神経内科医の井口正寛先生がその発見の歴史をひも解き、現在の臨床現場から、パーキンソン病を再評価します。スペシャリストならではの問診や身体所見による診断のコツや、井口先生が発見した驚きのマニアック論文は必見です!第3回 大血管炎~IgG4関連疾患も含めて~CareNeTV講師Dr.ハギーこと萩野昇先生が大血管炎を解説します!2016年欧州リウマチ学会で発表された最新情報など、アップデート満載な講義内容は、日々リウマチ学を研究する萩野先生ならでは。大血管炎は日常診療でよく診る疾患ではありませんが、2015~2016年にかけて新たな治療成果が発表されており、今、リウマチ・膠原病領域で注目されています。Dr.ハギーの軽妙なトークは必見!第4回 Young Doctor’s Case Report Young Doctor’s Case Reportとして九鬼隆家先生が腎機能障害の症例を紹介します。緊急外来で透析が施行された50代女性。問診によって23歳の娘にも血尿があることがわかり、母娘2人を診ることになりました。3世代にわたる家族歴の聴取などから、透析に至ったその原因疾患に迫ります!第5回 感染症診療のロジック~常に丹念に病態を詰め切る~ 感染症が疑われる場合、その患者がどこでどんな生活を送り、どのような経緯で病院にやってきたのか、患者の背景を探ることが大変重要です。とくに海外からの渡航者の場合は居住地であるその国をも理解しなければなりません。国際感染症センター長の大曲貴夫先生がここ1年で診られた数多くの症例のなかでもとくに「厳しかった」「考えさせられた」という2例を紹介。「あなたは常に病態を詰めきれているか?」大曲先生の熱いメッセージを御覧ください。第6回 呼吸器内科医から見た心不全 心不全診療における診療科間の押し相撲はもうやめたい!循環器内科に見送った心不全疑いの患者がブーメランのように返ってくる。本当に心不全ではないの?しかし本当に大切なのは、できるかぎり病態を確認して、患者にどのような治療が優先されるのかを判断すること。心不全にも呼吸器疾患が関与している場合もあります。すべての内科医に向けた櫻井隆之先生の熱いメッセージ!第7回 小腸疾患 Update 2017 第7回では、小腸疾患Updateとして、不明熱の原因疾患ともなるクローン病に関する知識をレクチャー。1970年代から罹患者数が300倍にまで増加し続けているクローン病。国立国際医療研究センター病院の櫻井俊之先生が消化器内科医の立場から、クローン病の疾患概念、好発年齢、診断基準、最新治療について解説。常識とは異なるクローン病診療の“実情”もホンネで語ります。第8回 NEJMへの道~2017 飛翔編~ NEJMへの掲載を目指して!NEJM掲載の経験を持つ忽那賢志先生がアクセプトされるコツを伝授します。「Clinical Pictureの投稿コーナーは挑戦しやすい」「コモンな疾患のレアな所見が狙い目」など、自身の経験から、症例選択や写真撮影のポイントを解説!日頃の臨床で、Clinical Pictureを撮るように心がけることが大事です。病態診断のため、知識の蓄積・共有のため、そしてNEJM投稿のため。これだと思う症例に出会ったら、ぜひ投稿してみてください!第9回 陰性感情を考える「この患者さん苦手だな…」アルコール依存や、ボーダー患者、はたまた普通の患者に対しても、「嫌だな」という感情はどんな医師でも起こりうるものです。そんな陰性感情はどう対処するべきかを、加藤温先生が精神科医の視点でレクチャーします。陥りやすい危ないケースからの回避方法や、明日から実践できる基本の対応方法を伝授。「本物は本物の顔をしていない」などドキっとする文句が満載です!第10回 つつが虫病 シマからみる、シマでみる ~過去と現在、日本、沖縄、世界に眼をむけて~ 「つつが虫病」はまだ終わっていない!かつて「死の風土病」と恐れられたつつが虫病。現在でも、毎年400人以上が日本各地で罹患し、依然として生命を脅かす疾病です。成田雅先生曰く、つつが虫病診療で重要な患者背景への認識を深めること、患者の全身を入念に診ることは総合診療医のスキルアップにつながる!多くの症例とダニハンティングの結果からわかるつつが虫病の実態を、ぜひ御覧ください。第11回 低K血症をスッキリ理解する Keep It Simple, Stupid. 須藤博先生の明快レクチャーで腎生理学の基本をマスターしましょう!キーワードは「タテとヨコ」「尿血血」の2つ、これさえ覚えれば簡単に低K血症の鑑別診断ができます。引き込まれる名講義と、個性的な5つの低K症例は必見!須藤先生を30分間罵倒した30代女性とは!?そのとき先生は…第12回 “元気で長生き”を維持するために 科学的根拠に基づくヘルスメンテナンス がん・心疾患・感染症・メンタルヘルスなど、さまざまなカテゴリーについての予防医療のエビデンスを総括した米国のUSPSTF(U.S. Preventive Services Task Force)。予防医療、すなわち適切なスクリーニングと予防知識の普及は、現代日本における必須項目の1つです。熱き指導医、佐田竜一先生がUSPSTFをもとに予防医療の大切さとがん種別検診の妥当性について解説します!

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2017年度 総合内科専門医試験、直前対策ダイジェスト(後編)

【第1回】~【第6回】は こちら【第7回 消化器(消化管)】 全5問消化管領域で最も出題される可能性が高いのは、(1)相次ぐ新薬の上市、(2)胃がんガイドライン改訂に向けた動き、(3)消化器がんの化学療法、である。治療の進歩が著しい炎症性腸疾患、2016年にRome IV基準が発表された過敏性腸症候群と機能性胃腸症については、必ず押さえておきたい。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)上部消化管疾患に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)食道粘膜傷害の内視鏡的重症度と自覚症状の間には相関を認める(b)食道アカラシアは高い非同期性収縮を認めることが多い(c)食道静脈瘤出血時にバソプレシン、テルリプレシン、オクトレオチドは有効であるが、ソマトスタチンは無効である(d)好酸球性胃腸炎の診断基準の1つに、「腹水が存在し腹水中に多数の好酸球が存在している」がある(e)ボノプラザンは、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌治療には保険適用となっていない例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第8回 消化器(肝胆膵)】 全5問肝臓の領域では、B型肝炎をはじめ、体質性黄疸、肝膿瘍、自己免疫性肝炎などのマイナー疾患からの出題も予想される。膵臓では嚢胞腫瘍、自己免疫性膵炎、膵がんの化学療法などがポイントとなる。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)HBV感染に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)B型慢性肝炎の治療対象は、HBe抗原の陽性・陰性にかかわらずALT 31U/L以上かつHBV DNA 2,000IU/mL以上である(b)本邦におけるB型肝硬変は、代償性/非代償性肝硬変にかかわらずIFN治療が第1選択となる(c)HBV持続感染者に対する抗ウイルス療法の長期目標は、ALT持続正常化・HBe抗原陰性かつHBe抗体陽性・HBV DNA増加抑制の3項目である(d)テノホビルの長期投与では、腎機能障害・高リン血症・骨密度低下に注意する必要があり、定期的に腎機能と血清リンの測定を行うことが推奨される(e)テノホビルアラフェミナド(TAF)はテノホビル(TFV)の新規プロドラッグであり、テノホビルジソプロキシル(TDF)に比べ少ない用量で同等の高い抗ウイルス効果を示すが、TDFと比較して腎機能障害および骨密度低下を来しやすいと報告されている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第9回 血液】 全7問血液領域は、認定内科医試験では出題比率が低いものの、総合内科専門医試験では高い傾向がある。本試験の対策としては、個々の薬剤名とその適応をしっかり覚えることがポイントとなる。頻出テーマは、鉄過剰症、悪性リンパ腫の治療前感染症スクリーニング、特発性血小板減少性紫斑病など。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)貧血に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)鉄欠乏性貧血では、生体内鉄制御を担う血中ヘプシジン増加を認めることが報告されている(b)鉄欠乏性貧血の原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が関与している可能性が指摘されている(c)鉄欠乏性貧血の診断基準は(1)ヘモグロビン12g/dL未満(2)血清鉄30µg/dL未満(3)血清フェリチン12ng/mL未満である(d)温式自己免疫性溶血性貧血(温式AIHA)は、全例直接クームス試験陽性である(e)特発性温式AIHAの治療は、副腎皮質ステロイドを第1選択とするが、ステロイド無効の場合にはリツキシマブ(ヒト化抗CD20モノクローナル抗体)が保険適用となっている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第10回 神経】 全5問神経領域では、総合内科専門医試験特有のテーマとして、抗NMDA受容体抗体脳炎、多発性硬化症と神経脊髄炎との違い、筋強直性ジストロフィーがある。この3つのテーマは、毎年複数題出題されているので、確実に押さえておきたい。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)末梢神経障害に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)膝蓋腱反射とアキレス腱反射の反射中枢は同じである(b)起床時に手首に力が入らず、垂れてしまう。これは睡眠中の尺骨神経麻痺が原因である(c)フローマンサイン陽性は、橈骨神経麻痺の診断に有用である(d)手根管症候群の診断に有用な所見として、ファレンテスト陽性・ティネル様サイン陽性がある(e)足を組んで寝ていたら、翌朝足首(足関節)と足の指(趾)が背屈できなくなり受診。診察所見で下垂足(drop foot)を認める。脛骨神経麻痺が原因である例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第11回 循環器】 全7問循環器領域では、心筋梗塞、心不全治療に加えて、心アミロイドーシス、心サルコイドーシス、大動脈炎症候群が、本試験における特徴的なテーマといえる。また、新しいデバイスが登場すると出題される傾向がある。今年要注意なのは、リードレスペースメーカー、最近適応拡大されたループレコーダーなど。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)心不全について正しいものはどれか?1つ選べ(a)NYHA分類I度は「軽度の身体活動の制限があるが、安静時には無症状」の状態である(b)NYHA分類II度はAHA/ACC心不全ステージBに相当する(c)クリニカルシナリオ(CS)は急性心不全患者の入院早期管理に用いられる指標で、CS4は右心不全、CS5は急性冠症候群に分類されている(d)NT-proBNP(N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド)は心筋細胞内のproBNPがBNPに分解される際に産生され、心不全診断の基準値はBNPと同じ値である(e)日本循環器学会/日本心不全学会のステートメント(心不全症例におけるASV適正使用に関するステートメント第2報)に、中枢型有意の睡眠時無呼吸を伴い、安定状態にある左室収縮機能低下に基づく心不全患者に対しては、ASVの導入・継続は禁忌ではないが、慎重を期する必要があると記載されている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第12回 総合内科/救急】 全3問総合内科/救急の領域で確実に出題されるのは「意識レベル」。JCSとGCSについては、どちらも確実に解答できるようにしておきたい。また、JMECCに関する問題と脳死判定基準も出題のヤマとなると思われる。例題(解答は本ページの最後に掲載しています)救急・脳死に関する記述のうち正しいものはどれか?1つ選べ(a)覚醒しているが、見当識障害を認めればJapan Coma Scale(JCS)は3とする(b)「痛み刺激で開眼・不適当な発語・指示には従えないが痛み刺激から逃避する」でGlasgow Coma Scale(GCS)は8点となる(c)病歴聴取で使用されるSAMPLE historyの「M」は「Meal(最終食事時間)」である(d)脳死判定基準の除外基準では、深昏睡および自発呼吸の消失が「低体温によるもの」「代謝/内分泌障害によるもの」とともに「急性薬物中毒によるもの」が含まれている(e)脳死判定基準の1つに「前庭反射の消失」があり、聴性脳幹誘発反応にて確認することとなっている例題の解説とその他の予想問題はこちらへ【第7回~第12回の解答】第7回:(d)、第8回:(a)、第9回:(b)、第10回:(d)、第11回:(e)、第12回:(d)【第1回】~【第6回】は こちら

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第12回 糖尿病合併症対策のキホン【糖尿病治療のキホンとギモン】

【第12回】糖尿病合併症対策のキホン―眼科、腎機能、神経障害などの非専門領域の検査は、どのくらいの頻度でどこまで行うべきでしょうか。また専門医を紹介すべきタイミングと連携のコツを教えてください。 糖尿病網膜症の発症・進展抑制、早期治療のために、眼科医との連携は重要です。初診時に、眼科に行ったことがあるかを確認し、行ったことがなければ、眼科医に紹介します。1度眼科を受診すると、眼科医のほうでその後の定期検診を指示してくれますが、こちらでも、定期的に眼科を受診するように指導します。とくに問題がなければ半年に1回、網膜症がある場合は、重症度に応じた受診間隔でよいでしょう。「糖尿病治療ガイド2016-2017」(日本糖尿病学会編・著)では、眼科医への定期的診察の目安として、病期ごとに「正常(網膜症なし):1回/6~12ヵ月」「単純網膜症:1回/3~6ヵ月」「増殖前網膜症:1回/1~2ヵ月」「増殖網膜症:1回/2週間~1ヵ月」としています1)。 糖尿病腎症は、慢性透析療法の原疾患の第1位で2)、透析療法を受けている糖尿病患者さんの生命予後は非糖尿病の透析患者さんよりも不良で、心血管疾患や感染症リスクも高く重症化しやすいため3)、腎症についても、早期発見、進展抑制が求められます。腎症は、糸球体濾過量(GFR、推算糸球体濾過量:eGFRで代用)と尿中アルブミン排泄量あるいは尿蛋白排泄量によって評価できます。eGFRは、血清クレアチニン(Cr)を用いて「eGFR(mL/分/1.73m2)=194×Cr-1.094×年齢(歳)-0.287(女性の場合は、この値に×0.739)」で換算できるので、受診時に一般的な腎機能検査として、尿蛋白排泄量およびCr、BUNの検査は必ず行います。また、尿中アルブミン量を3~6ヵ月に一度測定し、アルブミン/クレアチニン比(ACR:Albumin Creatinine Ratio)を算出することで、尿蛋白が出現する前に腎臓の変化を発見することができます。網膜症のない場合、正常アルブミン尿であっても、eGFR<60mL/分/1.73m2の場合は、他の腎臓病との鑑別のために、また遅くとも尿中アルブミン排泄量が300mg/gクレアチニンを超えたら、専門医に紹介し、以降、定期的に腎臓専門医を受診してもらうようにします。 一般的には、糖尿病の三大合併症は神経障害→網膜症→腎症の順に進行し、神経障害は最も早く現れます。神経障害は、血糖コントロールの悪化とともに起こることが多いですが、糖尿病と診断される前、境界型の段階から存在するため、しばしば糖尿病診断の糸口になることもあります。神経障害の症状は非常に多岐にわたるため、糖尿病以外の原因による神経障害との鑑別が重要になります。足の末梢神経障害について、症状が著しく左右非対称であったり、筋萎縮や運動神経障害が強い場合は、神経内科に紹介します。 外来で注意したい糖尿病の合併症の1つに、指や爪の白癬症(水虫)や変形、胼胝(べんち、たこ)、足潰瘍・足壊疽などの「足病変」があります。神経障害および血流障害、易感染性が足潰瘍・足壊疽の主な原因になりますが、それ以外に、網膜症による視力低下で、身の回りを清潔にすることがおろそかになる、足にできた傷に気付かない、足に合わない靴を履いているなどが間接的な原因になり、足病変を悪化させることがあります。足潰瘍はひどくなると足壊疽になり、切断に至ることもあるため、まず予防をきちんとすること、できてしまった場合は、できるだけ早期に診断し対処します。予防のためには、患者さんに、毎日足を観察して異常があれば連絡するように伝えます。また、医療従事者側でも、診察の際に足を診察し、早期診断に努めるようにします。―糖尿病性神経障害の基本的な診断法と治療法について教えてください。 神経障害には、広範囲に左右対称性にみられる「多発神経障害(広汎性左右対称性神経障害)」と「単神経障害」があり、多くみられるのは多発神経障害です。 両足の感覚障害(両足のしびれや疼痛、また、足の裏に薄紙が貼りついたような感覚や砂利の上を歩いているような感覚になる知覚異常など)や穿刺痛、電撃痛、灼熱痛といった自発痛(ジンジン、ビリビリ、チリチリなど)、触覚・温痛覚の低下・欠如といった自覚症状、両側アキレス腱反射、両足の振動覚および触覚のうち、複数の異常があれば、多発神経障害の可能性があります。自覚症状については、かなりひどくならないと患者さんから訴えてくることはないため、注意が必要です。 多発神経障害の予防・治療のために、まずは良好な血糖コントロールを維持することが重要です。ただし、長期間の血糖不良例では、急激な血糖低下により、神経障害が悪化する可能性があります(治療後神経障害)。神経障害の自覚症状を改善する薬剤として、アルドース還元酵素阻害薬「エパルレスタット(商品名:キネダック)」があり、神経機能の悪化の抑制が報告されています4)。また、自発痛に対しては、Ca2+チャネルのα2δリガンド「プレガバリン(商品名:リリカ)」やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)「デュロキセチン(商品名:サインバルタ)」、抗不整脈薬「メキシレチン(商品名:メキシチール)」、抗けいれん薬「カルバマゼピン(商品名:テグレトール)」、三環系抗うつ薬などが単独、もしくは併用で使用できます。―高齢者ではどこまで合併症対策をすべきでしょうか? 高齢であっても、高血糖は糖尿病合併症の危険因子になるため、非高齢者同様、合併症の発症・進展を見据えた血糖コントロールは重要です。 しかし、高齢者の合併症は、非高齢者とは異なる特徴があります。高齢者でとくに問題になるのは認知機能の低下で、高齢患者さんでは、高血糖による認知症の発症リスクが高くなることが報告されています5,6)。また、高齢者では、高血糖によるうつ症状の発症・再発が多くなることも報告されています7)。そのほか、歯周病が増悪しやすいこと、急性合併症のうち、糖尿病ケトアシドーシスは若年者が多いのに対し、高齢者では高血糖高浸透圧症候群が多いなど1)、高齢者と非高齢者では留意すべき合併症が異なることを念頭に置く必要があります。 また、高齢者の合併症対策を考えるうえで、最も大切なのは血糖コントロールの考え方です。高齢者では、身体機能や認知機能、生理機能の低下や多くの併発症の可能性があり、個人差が非常に大きいことから、非高齢者とは異なる観点で、個別化した血糖コントロール目標および治療を検討することが求められます。高齢糖尿病は、若・壮年に発症し高齢化した患者さんと、高齢になって発症した患者さんで分けて考えます。とくに、高齢発症の糖尿病患者さんでは、生活スタイルや家族構成、身体的・精神的機能を考慮した治療戦略、さらには合併症対策を立てたほうがよいでしょう。また、高齢者では、年齢によっては余命を考慮し、できるだけQOLを損なうことなく、望ましい治療を選択することも重要です。 高齢者については、「糖尿病治療ガイド2016-2017」で初めて「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)」が掲げられました(詳細は、第1回 食事療法・運動療法のキホン-高齢者にも、厳密な食事管理・運動を行ってもらうべきでしょうか。をご参照ください)1)。1)日本糖尿病学会編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017. 文光堂;2016.2)一般社団法人 日本透析医学会 統計調査委員会. 図説 わが国の慢性透析療法の現況. 2015年12月31日現在.3)羽田 勝計、門脇 孝、荒木 栄一編. 糖尿病最新の治療2016-2018. 南江堂;2016.4)Hotta N, et al. Diabet Med. 2012;29:1529-1533.5)Yaffe K, et al. Arch Neurol. 2012;69:1170-1175.6)Crane PK, et al. N Engl J Med. 2013;369:540-548.7)Maraldi C, et al. Arch Intern Med. 2007;167:1137-1144.

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認知症に対する抗精神病薬処方、治療反応の予測因子は:慈恵医大

 東京慈恵会医科大学の永田 智行氏らは、精神病性攻撃的症状を有するアルツハイマー型認知症に対する、非定型抗精神病薬の8週間の治療継続および治療反応を、CATIE-AD(Clinical Antipsychotic Trials of Intervention Effectiveness-Alzheimer's Disease)データを用いて調査した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2017年8月9日号の報告。 治療介入が必要な精神病性攻撃的症状を有するアルツハイマー型認知症外来患者421例の臨床データを利用した。ベースラインの社会人口統計学的および臨床的特徴が、治療継続および治療反応に及ぼす影響を、ロジスティック回帰分析を用いて調査した。臨床的特徴は、CGI-C(臨床全般印象度の変化)、NPI(Neuropsychiatric Inventory)、BPRS(簡易精神症状評価尺度)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・治療継続率は、48.7%であった。・欠測を直前の値で補完する LOCF法(last observation carried forward method)による治療反応率は、CGI-C 42.7%、NPI 48.6%、BPRS 37.5%であった。・白人患者331例における治療継続については、有意な予測因子が認められなかった。・より良好な治療反応の予測因子は、低MMSE(ミニメンタルステート検査)スコア、リスペリドン治療(オランザピン、クエチアピンと比較して)、糖尿病歴、より健康的な身体状態、より重度な初期精神病症状であった。■関連記事認知症者への向精神薬投与は死亡率を高めているか非定型抗精神病薬は認知症に有効なのか警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか

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視力低下が認知機能の低下に関連か

 視力障害と認知機能低下は高齢者によくみられるが、両者の関係はよくわかっていない。米国・スタンフォード大学のStephanie P. Chen氏らは、米国の国民健康栄養調査(NHANES)および国民健康加齢傾向調査(NHATS)のデータを解析し、遠見視力障害と主観的視力障害は、認知機能低下と関連していることを示した。著者は今回の結果について、「自己申告の視力を用いている米国のメディケア受益者集団で確認されており、視力障害を有する患者を確認することの重要性を強調するものである。視力と認知機能との間の長期的な相互作用についてさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年8月17日号掲載の報告。 研究グループは、米国の高齢者における自己申告の視力障害と認知機能との関連を評価する目的で、1999~2002年のNHANESならびに2011~15年のNHATSの2つのデータを解析した。NHANESは一般人の非入院集団、NHATSは米国本土におけるメディケア受益者が含まれる。 視力は、NHANESでは近見および遠見視力測定と、自己申告の視力が用いられ、NHATSでは自己申告に基づいた。 認知機能は、NHANESではDigit Symbol Substitution Test(DSST)が用いられ、DSSTスコア28以下(下位1/4)を認知機能障害とした。また。NHATSでは、NHATSプロトコールによる分類が用いられた(probableおよびpossible認知症)。 主な結果は以下のとおり。・回答が得られた調査参加者で解析対象となったのは、NHANES集団ではDSSTを完遂した60歳以上の2,975例、NHATS集団では認知症を評価し得た65歳以上の3万202例であった。・参加者背景は、NHANES集団が年齢(平均±SD)72±8歳、女性52%(1,527例)、非ヒスパニック系白人61%(1,818例)、NHATS集団は75~84歳が最も多く(40%、1万2,212例)、58%は女性(1万7,659例)、69%は非ヒスパニック系白人(2万842例)であった。・NHANES集団において、DSSTスコア低値は遠見視力障害(β=-5.1[95%信頼区間[CI]:-8.6~-1.6]、オッズ比[OR]:2.8[95%CI:1.1~6.7])と主観的視力障害(β=-5.3[95%CI:-8.0~-2.6]、OR:2.7[95%CI:1.6~4.8])のいずれとも関連しており、共変量を完全に調整後も認知機能障害のオッズ比が高かった。・一方、近見視力障害は、認知機能障害のオッズ比上昇はなかったが、DSSTスコア低値と関連していた。・NHATS集団では、すべての視力の指標は、共変量を完全に調整後も認知症と関連しており(遠見視力障害のOR:1.9[95%CI:1.6~2.2]、近見視力障害のOR:2.6[95%CI:2.2~3.1]、遠見または近見視力障害のいずれかのOR:2.1[95%CI:1.8~2.4])、NHANES集団での結果が裏付けられた。

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自宅に退院する急性脳卒中患者を予測する5つの因子

 急性期脳卒中入院患者の退院計画は、医療資源の合理的な利用を促進するとともに、臨床アウトカムを改善し患者の経済的負担を軽減する。とくに、退院先の予測は退院計画に重要であることから、京都大学の西垣 昌和氏らのグループは、急性脳卒中後に自宅に退院する可能性が高い患者を予測する5つの変数を特定し、評価モデルを開発した。本モデルは入院後早期に医療従事者が退院を適切に計画するのに役立つだろうと著者らは記している。Stroke誌オンライン版2017年8月25日号に掲載。 本研究は、2011年1月1日~2015年12月31日にわが国の脳卒中センターに入院した急性脳卒中患者3,200例の電子カルテをレビューした、後ろ向きコホート研究である。アウトカムの変数は発症後早期の脳卒中患者の退院先で、予測変数はロジスティック回帰分析により特定した。データは、このモデルを開発するための学習データ(n=2,240)およびモデルの予測能を評価するための試験データ(n=960)に分けた。 主な結果は以下のとおり。・全部で1,548人(48%)の患者が自宅に退院した。・複数のロジスティック回帰分析では、生活習慣、脳卒中のタイプ、入院時の機能的自立度評価運動スコア、入院時の機能自立度評価認知スコア、麻痺の5つの予測変数が特定された。・本評価モデルは、カットオフポイント10としたとき、感度85.0%、特異度75.3%を示し、曲線下面積は0.88(95%信頼区間:0.86~0.89)であった。・予測能の評価においては、感度88.0%、特異度68.7%で、曲線下面積は0.87(95%信頼区間:0.85~0.89)であった。

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