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新規抗てんかん薬の催奇形性リスクは

 新規抗てんかん薬(とくに、ラモトリギン、レベチラセタム、トピラマート)の催奇形性リスクを評価するため、オーストラリア・メルボルン大学のF J E Vajda氏らは検討を行った。Acta neurologica Scandinavica誌オンライン版2014年7月18日号の報告。 胎児の催奇形性リスクは、妊娠初期の妊婦における抗てんかん薬曝露群(1,572例)と非曝露群(153例)で比較した。信頼区間は回帰法を用いて検討を行った。新規抗てんかん薬の催奇形性リスクを分析 新規抗てんかん薬による催奇形性リスクの主な分析結果は以下のとおり。・妊娠初期に治療を受けていなかったてんかん女性における胎児の催奇形性率(3.3%)と比較して、新規抗てんかん薬の曝露群ではラモトリギン4.6%、レベチラセタム2.4%、トピラマート2.4%(いずれも単剤投与)と、統計学的な有意差は認められなかった。・ただし、トピラマート併用投与の一部で14.1%、バルプロ酸単剤投与13.8%、バルプロ酸併用投与10.2%であり、いずれも統計学的に有意に高かった。・新規抗てんかん薬の単剤投与と併用投与のデータを合わせた回帰分析では、ラモトリギンとレベチラセタムは、催奇形性リスクの有意な増加は認められなかった。しかし、妊娠初期のトピラマート(p=0.01)およびバルプロ酸(p<0.0001)では、催奇形性リスクは統計学的に有意であり、かつ用量依存的であった。

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4.5時間以内のrt-PAが脳卒中転帰を改善/Lancet

 脳卒中発症後4.5時間以内のアルテプラーゼ(商品名:アクチバシンほか)投与は、早期の致死的頭蓋内出血リスクを増大させるが、脳卒中アウトカムの全般的な改善をもたらすことが、英国・オックスフォード大学のJonathan Emberson氏らStroke Thrombolysis Trialists’ Collaborative Groupの検討で示された。4.5時間以内であれば治療開始が早いほどベネフィットが大きいこともわかった。遺伝子組み換え組織プラスミノーゲンアクチベータ(rt-PA)であるアルテプラーゼは、急性虚血性脳卒中の治療に有効であるが、高齢者や脳卒中の重症度が高い患者への、発症から長時間経過後の使用については議論が続いている。Lancet誌オンライン版2014年8月6日号掲載の報告。予後予測因子をメタ解析で評価 研究グループは、アルテプラーゼ投与患者の良好な脳卒中アウトカムに影響を及ぼす因子(年齢、脳卒中重症度)を検討するために、急性虚血性脳卒中に対するアルテプラーゼとプラセボまたは非盲検対照薬を比較した9つの無作為化第III相試験のメタ解析を実施した。 良好な脳卒中アウトカムは、3~6ヵ月時に機能障害がみられない場合(modified Rankin Score:0~1)と定義した。そのほか、症候性頭蓋内出血(7日以内の2型実質性出血およびSITS-MOST基準による36時間以内の2型実質性出血と定義)、7日以内の致死的頭蓋内出血、90日死亡の評価を行った。年齢、重症度はアウトカムに影響しない 9試験に登録された6,756例(アルテプラーゼ群3,391例、対照群3,365例)が解析の対象となった。全体の平均年齢は71歳、80歳超が26%、女性が45%であった。 アルテプラーゼ投与により良好な脳卒中アウトカムの達成率が改善し、投与時期が早いほど、これに比例してベネフィットが大きくなった。 すなわち、発症後3.0時間以内に投与した場合の良好なアウトカムの達成率は、アルテプラーゼ群が32.9%(259/787例)で、対照群の23.1%(176/762例)に比べ有意に高かった(オッズ比[OR]:1.75、95%信頼区間[CI]:1.35~2.27)。また、投与時期3.0~4.5時間での達成率は、アルテプラーゼ群が35.3%(485/1,375例)、対照群は30.1%(432/1,437例)と、両群とも3.0時間以内よりも改善する傾向がみられたが、有意差は保持しつつもORは小さくなった(OR:1.26、95%CI:1.05~1.51)。 これに対し、4.5時間以降はそれぞれ32.6%(401/1,229例)、30.6%(357/1,166例)であり、有意な差はなかった(OR:1.15、95%CI:0.95~1.40)。このような投与時期が早いほどベネフィットが大きい傾向は、どの年齢や脳卒中重症度でも認められた。 一方、アルテプラーゼ投与により症候性頭蓋内出血および致死的頭蓋内出血が有意に増加した。すなわち、2型実質性出血の発生率はアルテプラーゼ群が6.8%(231/3,391例)、対照群は1.3%(44/3,365例)(OR:5.55、95%CI:4.01~7.70、p<0.0001)、SITS-MOST基準の2型実質性出血はそれぞれ3.7%(124例)、0.6%(19例)(OR:6.67、95%CI:4.11~10.84、p<0.0001)、7日以内の致死的頭蓋内出血は2.7%(91例)、0.4%(13例)(OR:7.14、95%CI:3.98~12.79、p<0.0001)であった。 90日死亡率は、アルテプラーゼ群が17.9%(608/3,391例)、対照群は16.5%(556/3,365例)であり、両群間に差は認めなかった(ハザード比:1.11、95%CI:0.99~1.25、p=0.07)。 したがって、アルテプラーゼ投与により頭蓋内出血による早期死亡の絶対リスクが約2%増加したが、これは3~6ヵ月間に機能障害のない生存率が3.0時間以内投与で約10%増加し、3.0~4.5時間での投与で約5%増加したことで相殺された。 著者は、「脳卒中発症4.5時間以内のアルテプラーゼ投与により、治療後数日内の致死的頭蓋内出血のリスクは増大したものの、年齢や脳卒中の重症度にかかわらず良好な脳卒中アウトカムの全般的な改善をもたらし、4.5時間以内であれば治療開始がより早いほどベネフィットが大きかった」とまとめ、「アルテプラーゼの投与開始の遅延による効果の減弱の程度に関する新たなエビデンスがもたらされた」と指摘している。

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抗グルタミン酸受容体抗体が神経系にきわめて有害な影響か

 グルタミン酸は中枢神経系(CNS)の主な興奮性神経伝達物質であり、多くの主要な神経機能に必要な物質である。しかし、過剰なグルタミン酸はグルタミン酸受容体活性化を介した有害な興奮毒性により、重度の神経細胞死と脳害を引き起こす。イスラエル・School of Behavioral Sciences, Academic College of Tel-Aviv-YafoのMia Levite氏は、抗グルタミン酸受容体抗体に関して、これまでに得られている知見をレビューした。抗AMPA-GluR3B抗体、抗NMDA-NR1 抗体、抗NMDA-NR2A/B抗体、抗mGluR1抗体、抗mGluR5抗体、以上5種類の抗グルタミン酸受容体抗体について言及し、いずれもさまざまな神経疾患に高頻度に認められ、神経系にきわめて有害な影響を及ぼしていることを示唆した。Journal of Neural Transmission誌オンライン版2014年8月号の掲載報告。抗グルタミン酸受容体抗体は中枢神経系で強い病理学的影響を誘導 グルタミン酸による興奮毒性は、多くのタイプの急性および慢性CNS疾患および傷害に生じる主要な病理学的プロセスである。近年、過剰なグルタミン酸だけでなく、いくつかのタイプの抗グルタミン酸受容体抗体もまた、重度の脳傷害を引き起こしうることが明らかになってきた。抗グルタミン酸受容体抗体は神経疾患患者の血清および脳脊髄液(CSF)中に存在し、CNSにおいて何らかの強い病理学的影響を誘導することにより、脳に傷害を引き起こす。抗グルタミン酸受容体自己免疫抗体ファミリーは、これまでに開発されたなかで最も広範かつ強力、危険で興味深い抗脳自己免疫抗体だと思われる。ヒトの神経疾患および自己免疫疾患において種々のタイプの抗グルタミン酸受容体抗体が認められ、髄腔内産物に由来しCNS内に高濃度存在し、脳にさまざまな病理学的影響を及ぼし、またユニークかつ多様なメカニズムでグルタミン酸受容体とシグナル伝達に作用し、神経伝達を障害して脳に傷害を誘導する。2つの主な自己免疫抗グルタミン酸受容体抗体ファミリーが神経および/または自己免疫疾患患者においてすでに発見されており、抗AMPA-GluR3抗体、抗NMDA-NR1抗体、抗NMDA-NR2抗体などイオンチャンネル型のグルタミン酸受容体に直接作用する抗体、そして抗mGluR1抗体、抗mGluR5抗体など代謝型のグルタミン酸受容体に直接作用する抗体などがCNSに有害な影響を及ぼすことが示されている。 この包括的レビューでは、それぞれの抗グルタミン酸受容体抗体について、発現が認められたヒト疾患、神経系における発現と産物、さまざまな精神/行動/認知/運動障害との関連、特定の感染臓器との関連の可能性、マウス、ラット、ウサギなど動物モデルにおけるin vivoでの有害な作用そしてin vitroにおける有害な作用、多様でユニークなメカニズム、以上についてそれぞれの抗グルタミン酸受容体抗体別に言及する。また、これら抗グルタミン酸受容体抗体を有し、さまざまな神経疾患および神経系の問題を抱える患者における免疫療法に対する反応性についても言及する。5種類の抗グルタミン酸受容体抗体について、それぞれ項目を立て有用な図を用いて解説し、最後にすべての主要な知見をまとめ、診断、治療、ドラッグデザインおよび今後の検討に関する推奨ガイドラインを提示する。抗グルタミン酸受容体抗体は神経系にきわめて有害であることが判明 ヒトを対象とした試験、in vitro試験、マウス、ラット、ウサギなど動物モデルを用いたin vivo試験から、5種類の抗グルタミン酸受容体抗体に関して得られた知見は以下のとおり。(1)抗AMPA-GluR3B抗体・さまざまなタイプのてんかん患者で~25~30%に認められる。・てんかん患者にこれら抗グルタミン酸受容体抗体(またはその他のタイプの自己免疫抗体)を認める場合、およびこれら自己免疫抗体がしばしば発作や認知/精神/行動障害を誘発または促進していると思われる場合、てんかんは“自己免疫性てんかん”と呼ばれる。・“自己免疫性てんかん”患者の中には、抗AMPA-GluR3B抗体が有意に精神/認知/行動異常に関連している者がいる。・in vitroおよび/または動物モデルにおいて、抗AMPA-GluR3B抗体自身が多くの病理学的影響を誘発する。すなわち、グルタミン酸/AMPA受容体の活性化、“興奮毒性”による神経細胞死、および/または補体調節タンパク質による補体活性化により脳への複数のダメージ、痙攣誘発化学物質による発作、行動/運動障害の誘発などである。・抗AMPA-GluR3B抗体を有する“自己免疫性てんかん”患者の中には、免疫療法に対する反応性が良好で(時々一過性ではあるが)、発作の軽減および神経機能全体の改善につながる者がいる。(2)抗NMDA-NR1 抗体・自己免疫性“抗NMDA受容体脳炎”に認められる。・ヒト、動物モデルおよびin vitroにおいて、抗NMDA-NR1抗体は海馬神経に発現している表面NMDA受容体を著しく減少させうること、そしてNMDA受容体のクラスター密度ならびにシナプス性局在もまた減少させることから重要な病因となりうる。・抗NMDA-NR1抗体は、NMDA受容体と架橋結合およびインターナリゼーションを介してこれらの作用を誘発する。・このような変化はNMDA受容体を介するグルタミン酸シグナル伝達を障害し、さまざまな神経/行動/認知/精神の異常を来す。・抗NMDA-NR1抗体は、その髄腔内産物により抗NMDA受容体脳炎患者のCSF中にしばしば高濃度に認められる。・抗NMDA受容体脳炎患者の多くは、いくつかの免疫療法に良好に反応する。(3)抗NMDA-NR2A/B抗体・神経精神的問題の有無にかかわらず、全身性エリテマトーデス(SLE)患者の多くに認められる。・抗NMDA-NR2A/B抗体を有するSLE患者の割合は報告により14~35%とさまざまである。・ある1件の試験では、びまん性神経精神的SLE患者の81%、焦点性“神経精神的SLE”患者の44%で抗NMDA-NR2A/B抗体が認められることが報告されている。・抗NMDA-NR2A/B抗体は、いくつかのタイプのてんかん、いくつかのタイプの脳炎 (慢性進行性辺縁系脳炎、傍腫瘍性脳炎または単純ヘルペス性脳炎など)、統合失調症、躁病、脳卒中またはシェーグレン症候群患者にも認められる。・患者の中には、抗NMDA-NR2A/B抗体が血清とCSFの両方に認められる者がいる。・dsDNAと交差反応する抗NMDA-NR2A/B抗体もある。・いくつかの抗NMDA-NR2A/B抗体は、SLE患者の神経精神/認知/行動/気分障害と関連している。・抗NMDA-NR2A/B抗体は、NMDA受容体の活性化により神経死をもたらすこと、“興奮毒性”を誘発して脳を傷害する、膜NMDA受容体発現の海馬神経における著明な減少、そして動物モデルにおいて認知行動障害を誘発することなどから、病因となりうることは明らかである。・しかし、抗NMDA-NR2A/B抗体の濃度は、グルタミン酸受容体に対するポジティブまたはネガティブな影響、神経の生存を決定付けていると思われる。・このため、低濃度において抗NMDA-NR2A/B抗体は受容体機能のポジティブモジュレーターであり、NMDA受容体を介した興奮性シナプス後電位を増加させる一方、高濃度ではミトコンドリア膜透過性遷移現象を介した“興奮毒性”を促進して病因となる。 (4)抗mGluR1抗体・これまでに、少数の傍腫瘍性小脳運動失調患者に認められており、これら患者では髄腔内で産生されるため血清中よりもCSF中濃度のほうが高い。・抗mGluR1抗体は、基本的な神経活性の減弱、プルキンエ細胞の長期抑圧の誘導阻害、プルキンエ細胞の急性および可塑反応の両方に対する速やかな作用による脳運動調節欠乏、慢性的な変性などにより脳疾患のきわめて大きな原因になりうる。・抗mGluR1抗体をマウス脳に注射後30分以内に、マウスは著しい運動失調に陥る。・運動失調患者に由来する抗mGluR1抗体は、動物モデルにおいて眼球運動もまた障害する。・抗mGluR1抗体を有する小脳性運動失調患者の中には、免疫療法が非常に効果的な者がいる。(5)抗mGluR5抗体・これまでに、ホジキンリンパ腫および辺縁系脳炎(オフェリア症候群)患者の血清およびCSF中にわずかに認められている。・抗GluR5抗体を含むこれら患者の血清は、海馬の神経線維網およびラット海馬ニューロン細胞表面と反応し、培養ニューロンを用いた免疫沈降法および質量分析法により抗原がmGluR5であることが示された。 以上のエビデンスから、著者は「抗グルタミン酸受容体抗体は、これまでに認識されていた以上にさまざまな神経疾患に高頻度に存在し、神経系に対してきわめて有害であることがわかった。したがって、診断、治療による抗グルタミン酸受容体抗体の除去あるいは鎮静化、および将来の研究が求められる。広範な抗グルタミン酸受容体抗体ファミリーに関しては、興味深く、新規でユニークかつ重要であり、将来に向けた努力はいずれも価値があり必須であることがわかった」とまとめている。関連医療ニュース 精神疾患におけるグルタミン酸受容体の役割が明らかに:理化学研究所 精神疾患のグルタミン酸仮説は支持されるか グルタミン酸作動薬は難治性の強迫性障害の切り札になるか

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フリーラジカル脳損傷 増加要因は?

 フリーラジカルによる脳損傷と、ライフスタイル要因との関連性を調査したところ、人の脳におけるフリーラジカル損傷は年齢やBMI、喫煙に大きく関連していることが示唆された。ワシントン大学Elaine R Peskind氏らの報告。脳の健康のためのロードマップHealthy Brain Initiative(2013-2018)では、より良い脳の健康が模索されている。本研究では、どのようなライフスタイルがフリーラジカルによる脳損傷と関連するか調査した。JAMA neurology誌オンライン版2014年7月21日号掲載の報告。 本研究は多施設断面調査。被験者は、医学的に健康かつ認知的に正常であった21~100歳、320人(うち172人が女性)であった。脳へのフリーラジカル損傷は、年齢、人種、性別、喫煙、BMI、アポリポ蛋白E(APOE)遺伝子のε4対立遺伝子の存在、アルツハイマー病の脳脊髄液バイオマーカーを関連因子として、脳脊髄液中のF2-イソプロスタン※(CSF F2-IsoP)濃度を基に評価した。※F2-イソプロスタン:プロスタグランジンF2α誘導体であり酸化ストレスマーカーとなる。 主な結果は以下のとおり。・CSF F2-IsoPの濃度は、45~71歳の年齢層において年齢が上がるごとに約3pg/mL(約10%)増加した(p<0.001)。・CSF F2-IsoP濃度は、BMIが5上昇するごとに約10%以上増加した(p<0.001)。・CSF F2-IsoP濃度と相関する因子を比較したところ、現在の喫煙は年齢に比べ約3倍の強い相関が認められた(p<0.001)。・他の因子で調整後、女性はすべての年齢層で男性よりも平均CSF F2-IsoP濃度が高かった(p=0.02)。・アポリポ蛋白E遺伝子のε4対立遺伝子、およびアルツハイマー病バイオマーカーは、共にCSF F2-IsoP濃度との関連性が示されなかった(p>0.05)。・CSF F2-IsoP濃度と人種について、喫煙状況の影響を調整したところ有意な関連性は認められなかった(p=0.45)。 今回の結果より、人の脳におけるフリーラジカル損傷は年齢依存的に増加し、損傷の程度は男性より女性で大きいことが明らかとなった。また、BMI・喫煙といった2つのライフスタイルがフリーラジカル損傷に与える影響力は、加齢よりも強いことがわかった。これらライフスタイル要因の改善は、老化プロセスの抑制よりも脳のフリーラジカル損傷を抑制するうえで、より大きな効果があると研究グループは報告した。

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軽度認知障害のPET検出、実用化への課題は

 アルツハイマー型認知症に起因するMCIの診断能は、アルツハイマー型認知症の診断基準として知られるNINCDS-ADRDA最新版に従い、画像バイオマーカーを使用することで上昇している。しかし、バイオマーカーの精度に関する系統的な評価は行われていなかった。中国医科大学のShuo Zhang氏らは、軽度認知障害(MCI)を検出する手段として11C-labelled Pittsburgh Compound-B(11C-PIB)リガンドを用いたPET検査の有用性をメタ解析により検討した。その結果、いくつかの試験で良好な感度が示されたが、方法やデータの解釈が標準化されていないことも明らかになった。解析結果を踏まえて著者は、「現段階では、実臨床において日常的に使用することは推奨できない」と述べ、「11C-PIB-PETバイオマーカーは高価な検査である。その普及に際しては精度ならびに11C-PIB診断方法のプロセスを明確かつ標準化することが重要である」とまとめている。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年7月23日号の掲載報告。 研究グループは、バイオマーカーの1つである11C-PIBリガンドを用いたPET検査の感度、特異度およびその他の特徴に関する系統的な評価を行い、一定期間中にアルツハイマー型認知症またはその他のタイプの認知症に移行すると思われるMCI患者を検出するうえでの、11C- PIB-PETスキャンの診断精度を明らかにした。 2013年1月12日時点でMedline、Embase、Biosis Previewsなどをソースとして論文を検索。言語や試験時期、方法論についても限定せず、ベースライン時の11C-PIB-PETスキャンでMCIとの診断を受けた患者が参加していた前向きコホート試験(NINCDS-ADRDAまたはDSM-IVなどの参照基準を用いていた試験のみ)を適格とした。データの抽出、評価は2名のレビュワーが独立して行った。 主な結果は以下のとおり。・MCIからアルツハイマー型認知症への移行を評価した試験は9件あったが、エビデンスの質は限定的であった。メタ解析には274例を組み込み、そのうちアルツハイマー型認知症を発症していたのは112例であった。・9件の試験から、アルツハイマー型認知症への移行率は中央値で34%であった。・PIBスキャンの方法および解釈については、試験間で著明な違いがみられた。・感度は83~100%、特異度は46%~88%であった。・11C-PIB によるアミロイド沈着の測定法や判定基準が試験間で異なっていたため、感度と特異度について一定の結果を導くことができなかった。・11C-PIB-PETスキャンの強弱を正確に描出できなかったが、ROC曲線に基づき感度96%(95%信頼区間[CI]:87~99)、特異度58%であると推測した。陽性尤度比2.3、陰性尤度比0.07に相当するものであった。・MCIからアルツハイマー型認知症への移行率が 34%と仮定した場合、PIBスキャン100件につき、陰性例1例がアルツハイマー型認知症に移行、陽性例28例が実際にはアルツハイマー型認知症に移行しないと推定された(試験の不均一性のためデータは限定的なものである)。・2件の感度解析を行い、参照基準の種類ならびに事前に規定された閾値による影響を評価したが、影響は認められなかった。関連医療ニュース たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能 日本人若年性認知症で最も多い原因疾患は:筑波大学 軽度認知障害に有効な介入法はあるのか  担当者へのご意見箱はこちら

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認知症にスタチンは有用か

 アルツハイマー病(AD)や血管性認知症(VaD)へのスタチン治療は、比較的未開拓の領域である。先行文献において、ADではβ-アミロイド(Aβ)が細胞外プラークとして沈着し、Aβ生成はコレステロールに依存することが確認されている。また、VaDの病因に高コレステロール血症が関与していることも知られている。そこで、英国・Belfast Health and Social Care TrustのBernadette McGuinness氏らは、認知症に対するスタチン治療の有益性について、システマティックレビューとメタ解析により検討を行った。Cochrane Database Systematic Review誌オンライン版2014年7月8日号の掲載報告。 研究グループは、スタチンがコレステロールを低下させることから、ADやVaDの治療において有効であることが期待できるとして、臨床的有効性および安全性を評価した。今回の検討では、ADおよびVaDの治療におけるスタチンの効果が、コレステロール値、ApoE遺伝子型、認知レベルに左右されるかどうかを評価した。2014年1月20日時点で、ALOIS、Cochrane Dementia and Cognitive Improvement GroupのSpecialized Register、Cochrane Library、MEDLINEなどを検索。認知症と診断された人に6ヵ月以上スタチンを投与していた二重盲検無作為化臨床比較試験を適格とした。2名の著者がそれぞれデータの抽出と評価を行い、研究グループは必要に応じてデータをプールしメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・検索で特定したのは、4試験(被験者1,154例、年齢50~90歳)であった。著者らは、全試験のバイアスリスクは低いと評価した。・全被験者が、標準的な診断基準によりADがほぼ確実もしく疑いがあった(possible/ probable AD)。また、これらは、ほとんどの被験者でコリンエステラーゼ阻害因子に基づき確認されていた。・全試験が、ADAS-Cogのベースライン時からの変化を主要アウトカムとしていた。プールデータ解析の結果、ADAS-Cogへのスタチンによる有意な有益性は認められなかった(平均差:-0.26、95%信頼区間[CI]:-1.05~0.52、p=0.51)。・また、全試験で、MMSEのベースライン時からの変化が報告されていた。プールデータ解析の結果、MMSEへのスタチンによる有意な有益性はみられなかった(平均差:-0.32、95%CI:-0.71~0.06、p=0.10)。・治療関連の有害事象は、3試験で報告されていた。プールデータ解析の結果、スタチンとプラセボで有意差はみられなかった(オッズ比:1.09、95%CI:0.58~2.06、p=0.78)。・スタチンとプラセボとの間に、行動、全体的機能やADLに有意差はみられなかった。・VaDの治療におけるスタチンの役割について評価した試験は見つからなかった。関連医療ニュース スタチン使用で認知症入院リスク減少 アルツハイマーの予防にスタチン 認知症予防効果を降圧薬に期待してよいのか

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テロメア長と脳心血管リスク/BMJ

 白血球テロメア長は、従来血管リスク因子とは独立した冠動脈心疾患(CHD)のリスク因子であり、テロメア長が短い人ほどCHDとの関連が強いことが示された。英国・ケンブリッジ大学のPhilip C Haycock氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。脳血管疾患との関連も評価したが、確実な関連性は得られなかったという。テロメア長は老化に関わると考えられており、慢性疾患のマーカーとして提案されるようになっている。しかし、テロメア長と心血管疾患との関連エビデンスは相反する結果が報告されていた。BMJ誌オンライン版2014年7月9日号掲載の報告より。白血球テロメア長とCHD、脳血管疾患との関連をメタ解析 検討は2014年3月時点でMedline、Web of Science、Embaseをデータソースに行われた。検索論文は、前向きまたは後ろ向き試験で、白血球テロメア長とCHD(非致死的心筋梗塞、CHD死、冠動脈再建術)との関連、または脳血管疾患(非致死的脳卒中、脳血管疾患からの死亡)との関連について報告していたもの、被験者はおおむね一般集団の代表であったものを適格とし、心血管疾患または糖尿病既往をベースとするコホートまたは対照被験者のものは除外した。脳血管疾患との関連については不確実 検索の結果、4万3,725例が参加した24本が適格基準を満たした。このうち8,400例が心血管疾患(CHD 5,566例、脳血管疾患2,834例)を有していた。 テロメア長三分位範囲で比較した結果、最短群は最長群と比べてCHDのプール相対リスクが、全試験対象の分析で1.54(95%信頼区間[CI]:1.30~1.83)であった。前向き試験での分析では1.40(同:1.15~1.70)、後ろ向き試験では1.80(同:1.32~2.44)であった。試験間の不均一性は中程度で(I2:64%、95%CI:41~77%、Phet<0.001)、被験者の平均年齢(p=0.23)、男性参加者の比率(p=0.45)、後ろ向き試験と前向き試験の差は有意ではなかった。 同様のCHDに関する所見は、以下の限定的な試験を組み込んだメタ解析においても示された。従来血管リスク因子で補正後の試験を対象とした解析(相対リスク:1.42、95%CI:1.17~1.73)、200症例以上試験を対象とした解析(同:1.44、1.20~1.74)、試験の質の評価が高かった試験を対象とした解析(同:1.53、1.22~1.92)、出版バイアスを修正した分析(同:1.34、1.12~1.60)。 脳血管疾患のプール相対リスクは1.42(1.11~1.81)であった。試験間の不均一性は有意ではなかった(I2:41%、95%CI:0~72%、Phet=0.08)が、テロメア長が短いことと脳血管疾患との関連は、前向き試験(相対リスク:1.14、95%CI:0.85~1.54)、質の評価が高かった試験(同:1.21、0.83~1.76)で有意であることは認められなかった。

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1分でわかる家庭医療のパール ~翻訳プロジェクトより 第10回

第10回:3年間ではMCI患者の25%が悪化する 介護保険制度を利用している自立度II以上の認知症高齢者は、日本では現在約280万人おり、認定を受けていない方も含めると400万人いるといわれています。今後は、2025年に介護保険制度を利用している自立度II以上の認知症高齢者は、470万人に増加すると予測されています1)。認知症の中核症状は脳の老化として捉えると、人口動態からはごく自然な数かもしれません。一方、認知症の前段階と考えられているMCI(Mild Cognitive Impairment)は認知症を除く高齢者の16%に存在するといわれ、発症率は63.6人/千人・年といわれています2)。認知症の早期発見早期治療も叫ばれて、多くの薬剤が発売されていますが、MCIに対する介入も大切かもしれません。この文献の結果から、MCIの75%が安定とみるのか、25%が悪化とみるのか。とても考えさせられた文献でした。 以下、本文 Annals of Family Medicine 2014年3-4月号2)より1.概要プライマリ・ケア医にかかっている75歳以上で、認知症がなく、少なくとも1年に1度はプライマリ・ケア医に通院している方3,215人(ただしナーシングホームや訪問診療を受けている人、3ヵ月以内に生命を脅かすような病気をした人は除いている)の中からMCIの基準を満たす483人を抽出した。そのうち3年間フォローできたMCIの患者357人を分析した。2.診断基準MCIの基準は、International Working Group on Mild Cognitive Impairmentが提唱している方法により診断した。(1)認知症がないこと、(2)客観的な認知力の課題に対して自分や他者からみてうまくできないことを繰り返している確かな証拠があるが、(3)日常生活や道具を使っての最低限の基本生活はできていること。Global Deterioration Scale of Reisberg の4点以上を認知症と診断。3点以下であり、かつ、記憶・見当識・知的活動と高い皮質活動の4領域の項目で、年齢・教育レベル水準から1偏差以上低下していることをMCIとした。MCIのグループは4つに分けた。記憶領域だけが低下している群、記憶領域は正常で他の1領域だけが低下している群、記憶領域は正常で他の2領域以上が低下している群、記憶領域の低下とその他の領域の低下が同時にみられる群である。3.結果経過観察をしつつ、1年半後と3年後に、再度認知機能を評価した。認知機能が改善した群、変わらない群、悪化した群、改善とMCIの行き来をした群の4つに分けた。41.5%の人が1年半と3年で認知機能は正常を示した。21.3%は良くなったり悪くなったり、14.8%は認知機能変わらず、22.4%は認知症へと進行した。抑うつがあったり、記憶領域より他の2領域以上が低下している人、記憶領域とその他の領域も低下している人、より高齢な人は、認知機能が悪化する群に移る傾向が高かった。新たな事柄を覚えて10分後に聞き直すという記憶テストは、MCIが良くなるか、進行するかのもっとも鋭敏なテストであった。4.考察プライマリ・ケアにおいて、3年間の間に、25%のMCIの患者が認知症へと進行した。MCIの臨床診断基準は変わるかもしれないが、75%のMCIの患者は3年の間で、改善したり、変化がなかったりすることを忘れてはならない。ゆえに、MCIの診断を受けたからといって、不必要に不安をあおるべきではない。※本内容は、プライマリ・ケアに関わる筆者の個人的な見解が含まれており、詳細に関しては原著を参照されることを推奨いたします。 1) 厚生労働省.「認知症高齢者の日常生活自立度」II以上の高齢者数について(2014.8公表) 2) Kaduszkiewicz H, et al. Ann Fam Med. 2014; 12: 158-165.

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貧困がてんかん発症のリスク

 てんかんの疫学について経済的な側面から考察を行った結果、貧困がてんかんの罹患率および死亡率増加のリスク因子であることを、イタリア・IRCCS Mario Negri Institute for Pharmacological ResearchのEttore Beghi氏らが報告した。また、貧困問題を解決することで、てんかんによる死亡を防ぐことも可能であると指摘している。Epilepsia誌オンライン版2014年6月25日号の掲載報告。 著者らは、経済的な側面からてんかんの考察をする意義について、次のように述べている。・てんかんの罹患率、有病率および死亡率は、それぞれの国のさまざまな経済情勢により違いがみられる。・それらの相違は、方法論の問題、若年死亡率、発作の抑制、社会経済的要因およびスティグマなどにより説明されうる。しかし、急性症候性または非誘発性の孤発発作の患者を含めた場合は、診断分類に誤りが生じ、結果的にてんかんの疫学に影響する可能性がある。・そのほかにも、対象とした集団の年齢、人種、てんかんの定義、調査方法が前向きか後ろ向きか、症例の報告源および経験的および予想されるスティグマなどがバイアスとなる。・若年死亡率は、低所得国における課題であり、同国では治療の格差、脳の感染症および外傷性脳損傷が、高所得国と比べて頻度が高い。また、未治療のまま放置されているてんかん患者または急性症候性てんかん患者がいる場合、これが死亡率に反映されている可能性が考えられる。 上記を踏まえた考察の結果、低所得国における主な課題として以下を提示している。・貧しい地域社会において、抗てんかん薬のコンプライアンス欠如は死亡リスクの増加、入院の増加、交通事故および骨折の増加と関連している。・てんかんは50%の症例において自然寛解する臨床状態である。・低所得国における未治療患者を対象とした研究において、寛解の割合は、患者が治療を受けている国のデータとオーバーラップしていた。自発的な報告(ドア・ツー・ドアの調査など)に基づく場合、寛解状態にある患者は、恥ずかしさのあまり、また何のベネフィットもないため自身の疾患を公表しない傾向がある。これは、てんかん生涯有病率の過小評価につながる可能性がある。 ・低所得国では、貧困者の割合が高所得国に比べてきわめて多い。・貧困は、てんかんの罹患率、死亡率増加のリスク因子である。・低所得国でみられるてんかんの高い罹患率と有病率は、高所得国の低所得層でもみられる。・てんかん発作の状態は死亡率増加と関連しており、これは低所得国におけるてんかん罹患率と有病率の違いから一部説明がつく。・低所得国および高所得国における貧困は、てんかんの死亡を予防しうる原因といえる。 関連医療ニュース 「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか? 小児てんかん患者、最大の死因は? てんかん治療の改善は健康教育から始まる  担当者へのご意見箱はこちら

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睡眠時持続性棘徐波への対処は

 現在のところ睡眠時持続性棘徐波(CSWS)の治療に関して、エビデンスに基づくアプローチは文献で明らかにされていない。米国ハーバード・メディカル・スクールのIvan Sanchez Fernandez氏らは、CSWSの治療選択について、アメリカてんかん学会(AES)の会員を対象にアンケート調査を実施した。その結果、約8割が「顕著な睡眠-増強てんかん様活動に対して治療を行うべき」と回答し、第1選択薬として最も多く挙げられたのは高用量ベンゾジアゼピン(47%)で、次いでバルプロ酸(26%)、コルチコステロイド(15%)であったという。Epilepsia誌オンライン版2014年6月10日号の掲載報告。 本研究の目的は、北米のCSWS患者のケアにおける臨床医の治療選択を明らかにすることであった。CSWSに対する治療選択に関する24の質問からなる調査票をAESの会員に配布。調査票には臨床例を提示し、それに対する治療選択を問いかけた。自己記入方式を用いた、ウェブサイトによるオンライン調査とした。 主な結果は以下のとおり。・232例が質問票に全回答した。・顕著な波睡眠-増強に対し、「治療は妥当である」と回答したのは81%であった。・波睡眠-増強に対する有効な治療中に認知機能改善を認めた患者の割合について、「>75%」と回答した者が16%、「25~75%」が52%、「25%未満」が20%、そして「認知機能の変化なしまたは不明」とした者が12%であった。・睡眠-増強てんかん様活動の軽減に対する第1選択薬として挙げられたのは、高用量ベンゾジアゼピン(47%)、バルプロ酸(26%)、コルチコステロイド (15%)であった。・第2選択薬は、バルプロ酸(26%)、高用量ベンゾジアゼピン (24%)、コルチコステロイド(23%)であった。・高用量ベンゾジアゼピンとしての選択が多かったのは、ジアゼパム1mg/kg夜1回、以降0.5mg/kg/日であった。・バルプロ酸の用量で選択が多かったのは、30~49mg/kg/日であった。・同じくコルチコステロイドは、経口プレドニゾン2mg/kg/日であった。・最も一般的な有効性のエンドポイントは、多い順に、脳波(EEG)におけるてんかん様活動の反応性、認知機能、発作の減少であった。・回答者らの習熟度および臨床経験はさまざまであったが、本研究で得られた結果には一貫性がみられた。・神経科医の中でも扱う患者が小児または成人かで、方針および治療アプローチに相違がみられた。・大半の臨床医が、顕著な睡眠-増強てんかん様活動は治療すべきだと考えていた。最良の治療について見解の一致は得られていないが、高用量ベンゾジアゼピン、バルプロ酸、レベチラセタムおよびコルチコステロイドなどは有望な候補となることが示された。関連医療ニュース 難治性てんかん患者に対するレベチラセタムの有用性はどの程度か てんかんにVNSは有効、長期発作抑制効果も てんかん患者の50%以上が不眠症を合併  担当者へのご意見箱はこちら

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喫煙によるアルツハイマー病リスク

【認知症】タバコを吸っているとアルツハイマー型認知症になる確率が高いにアなルるツ確ハ率イマー型認知症1.791.701.00タバコを タバコを吸わない人 吸う人1.00タバコをやめた人タバコを吸う人Anstey KJ, et al. Am J Epidemiol. 2007;166:367-378.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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スチリペントールの薬物動態 再評価

 スチリペントールは、2007年1月に欧州で承認され、日本国内ではディアコミット ドライシロップ/カプセルとして2012年11月より販売開始となっているドラベ症候群治療薬である。ドラベ症候群は、原因不明のてんかん症候群であり、発生頻度は2~4万人に1人とされ、発達などへの影響を伴う小児てんかんの中でもきわめて治療が困難な疾患である。 今回、フランス・パリ第五大学のSophie Peigne氏らはスチリペントールの消失段階での特性を明らかにし、非線形の薬物動態学的挙動を示すことを確認した。著者らは、さらなる薬力学的・薬物動態学的研究は、成人のドラベ症候群患者の治療におけるスチリペントールの最適な用量を決定するのに有用だと述べている。Epilepsy research誌2014年7月号掲載の報告。 治験段階を含め、スチリペントールが小児のドラベ症候群患者に投与され始めてから10年以上が経ち、患者は青年へと成長している。著者らは、ここでいま一度、成人におけるスチリペントールの薬物動態を正確に再評価することが重要であるとして、本検討を行った。 そこで、12人の健康成人に対して、スチリペントールの忍容性と薬物動態を調査するために二重盲検プラセボ対照用量範囲探索試験を行った。各群、それぞれ1週間のウォッシュアウト期間を経て、スチリペントールの3つの用量(500、1000、2000mg)を投与された。スチリペントールの薬物動態は、非コンパートメント解析により各用量について分析した。血中薬物濃度時間曲線下面積(AUC)、消失半減期(t1/2,z)および最高血中濃度(Cmax)は用量間比較のために算出した。安全性は、臨床的および生物学的基準の両方をもとに評価された。 主な結果は以下のとおり。・先行研究の結果とは反対に、消失相における濃度のリバウンドは見られなかった。これは、食物摂取の結果である可能性がある。・AUCは用量が増えるにつれて、比例以上の増加がみられた。これはt1/2,zの大幅な増加と関連し、スチリペントールのミカエリス・メンテンの薬物動態が確認された。(500、1000、2000mgそれぞれ:AUC中央値:8.3、31、88mgh/L、t1/2,z中央値:2、7.7、10時間)。・しかしながら、標準化用量でのCmaxは、有意な用量間の差がみられなかった。・ミカエリス・メンテン変数の中央値は、最大消失速度(Vmax)が117mg/h、ミカエリス定数(Km)が1.9mg/Lであった。・本研究中に、安全性に関する懸念は認められなかった。スチリペントール(ディアコミットⓇドライシロップ/カプセル)新薬情報(2012/11)

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頭を使う高齢者はリスクが低い

【認知症】読書など頭を使う活動が多い高齢者はアルツハイマー型認知症になる確率が低い【調査対象】高齢者775人(平均年齢80歳)なアるル確ツ率ハイマー型認知症に2.61.00頭を使う活動がとても多い人頭を使う活動がとても少ない人Wilson RS, et al. Neurology. 2007;69:1911-1920.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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内臓肥満と認知症リスク

【認知症】中年期に内臓肥満だと将来、認知症になる確率が高い【調査対象】6,583人認知症になる確率2.721.00腹部の厚さ*がとても薄い人腹部の厚さ*がとても厚い人*あおむけに寝たときにお腹が最も高いところの体の厚さWhitmer RA, et al. Neurology. 2008;71:1057-1064.より作図Copyright © 2014 CareNet,Inc. All rights reserved.

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うつ病と脳卒中リスクの関連、男性のほうが強い

 うつ病と脳卒中リスク増加との関連に人口統計学的および社会経済的要因が影響するかどうかについて、島根大学プロジェクト研究推進機構の濱野 強氏らが検討した。その結果、うつ病の脳卒中に対する影響は男性のほうが大きいことが示され、著者らは「男女における根本的なメカニズムを調べるためにさらなる研究が必要」としている。Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry誌オンライン版2014年6月26日号に掲載。 この研究は、スウェーデンの一次医療センターの全国における症例のうち、30歳以上の男性13万7,305人と女性18万8,924人の追跡研究である。著者らは、追跡期間(2005~2007年)に、初発脳卒中4,718人(男性2,217人、女性2,501人)を同定した。うつ病と脳卒中との関連が人口統計学的または社会経済的要因によって異なるかどうかを評価するために、マルチレベルロジスティック回帰モデルを用いてオッズ比(OR)の計算と相互作用の検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・潜在的な交絡因子の調整後、うつ病は脳卒中リスクと有意に関連していた(OR 1.22、95%CI:1.08~1.38)。・うつ病の脳卒中に対する影響は女性より男性で大きいことが、相互作用試験により示された(男女間のORの差 1.30、95%CI:1.01~1.68)。すなわち、うつ病と脳卒中との関連は性別によって異なっていた。

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認知症の不眠にはメラトニンが有用

 認知症で不眠症を有する人には標準治療に徐放性メラトニン(prolonged-release melatonin:PRM)を追加投与することで、認知機能と睡眠維持にポジティブな効果をもたらすことが示された。英国・CPS Research社のAlan G Wade氏らが無作為化プラセボ対照試験の結果、報告した。最近の報告で、眠りが浅い熟眠障害とアルツハイマー病(AD)との関連が示されていた。研究グループは、ADの前臨床期においてすでに内因性メラトニン値が低下していることから、メラトニンの補充がADに有益となるのか、またその効果が睡眠障害に影響を及ぼすのかを調べた。Clinical Interventions in Aging誌オンライン版2014年6月18日号の掲載報告。 認知機能と睡眠についての標準治療へのPRM(2mg)の上乗せ効果を検討した試験は、6ヵ月間にわたって多施設共同二重盲検並行群比較にて行われた。被験者はプラセボ投与を2週間受けた後、PRMを毎夜2mgまたはプラセボを受ける群に割り付けられ24週間投与された。その後プラセボを2週間投与された。認知機能の評価は、AD評価尺度・認知機能検査(AD Assessment Scale-Cognition:ADAS-Cog)、手段的日常生活動作(IADL)、Mini-Mental State Examination(MMSE)にて、睡眠の評価についてはピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)、睡眠日記により行われた。また安全性についても評価した。 主な結果は、以下のとおり。・被験者は80例であった。男性50.7%、平均年齢75.3歳(範囲:52~85歳)、軽度~中等度ADの診断を受けており、不眠症あり・なし、標準治療(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬単独またはメマンチンを併用)を受けていた。・結果、PRM 24週治療群は、IADL(p=0.004)、MMSE(p=0.044)の評価において、プラセボ群と比べて認知機能の有意な改善が認められた。平均ADAS-Cogについては両群に差はみられなかった。・PSQIの4項目で評価した睡眠効率についても、PRM群が良好であることが示された(p=0.017)。・睡眠障害(PSQI≧6)を有する患者の分析では、PRM治療はプラセボと比べて、有意かつ臨床的に意義のある効果に結び付くことが、平均IADL(p=0.032)、MMSEスコア(+1.5ポイントvs. -3ポイント、p=0.0177)、睡眠効率(p=0.04)の評価において示された。ADAS-Cog中央値の評価において、PRM群は有意に良好であった(-3.5ポイントvs. +3ポイント、p=0.045)。・両群間の有意差は、治療期間が長期であるほど顕著であった。・PRMは忍容性も良好で、有害事象のプロファイルは、プラセボと類似していた。・今回の結果について著者は、「とくに不眠症を有するAD患者において、PRMはプラセボと比べて認知機能および睡眠維持にポジティブな効果があることが示された」と結論したうえで、「今回の結果から、熟眠障害と認知機能の低下には因果関係があることが示唆される」と述べている。関連医療ニュース 睡眠薬、長期使用でも効果は持続 自殺と不眠は関連があるのか 期待の新規不眠症治療薬、1年間の有効性・安全性は

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喫煙する家族と暮らす女性は脳卒中リスクが増加~日本の大規模前向きコホート研究

 大阪・愛知・宮城の三府県コホート研究グループでは、日本の大規模前向きコホート研究のデータを用いて、成人期の受動喫煙曝露と脳卒中およびそのサブタイプとの関連を検討した。その結果、成人期の家庭内受動喫煙曝露が非喫煙女性の脳卒中リスクの増加に関連していることが示唆された。Preventive Medicine誌オンライン版2014年6月28日号に掲載。 本研究では、1983~1985年に登録された非喫煙日本人女性3万6,021人を15年間追跡調査した。成人期における家庭内での受動喫煙曝露に関連する脳卒中死亡のハザード比を、Cox比例ハザード回帰モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ43万7,715人年の間に、計906例の脳卒中死亡が認められた。・喫煙者の家族と暮らす非喫煙女性の脳卒中死亡のハザード比は、家族に喫煙者のいない非喫煙女性と比べて、すべての被験者で1.14(95%CI:0.99~1.31)、40~79歳では1.24(95%CI:1.05~1.46)、80歳以上では0.89(95%CI:0.66~1.19)であった(可能性のある交絡因子調整後)。・リスクは、くも膜下出血で最も顕著であった[すべての被験者でのハザード比1.66(95%CI:1.02~2.70)]。

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「心筋梗塞治療」を追いかける「虚血性脳卒中治療」(解説:後藤 信哉 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(223)より-

歴史は繰り返す。1980年代に、急性心筋梗塞に対するt-PA治療が米国を中心に広く普及した。当初、「発症後6時間以内の心筋梗塞」が適応とされていたが、「発症後24時間以内」でも有効とされ適応が広まった。医療機関へのアクセスが遠い米国では、心筋梗塞症例を救急搬送するときに救急車内での投与も施行された。血栓溶解により虚血を改善すれば、臓器機能の改善の著しい症例が一部ある。 しかし、t-PAは頭蓋内出血などの重篤な出血イベントを起こすこと、すべての症例に均質に有効性を担保できないこと、有効性を医師が治療中に実感できないこと、などを原因として、再灌流療法の主力は冠動脈インターベンションにシフトした。 血管インターベンションを施行するとなると、事前のt-PAを受けていない方が一般に予後がよいのでt-PA治療は心筋梗塞治療としては衰退した。 歴史が繰り返すのであれば、急性期の脳卒中でもt-PAから急性期の血管インターベンションに、治療の主体は近未来にシフトするかもしれない。1990年以降、循環器内科医の訓練には冠動脈造影と冠動脈インターベンションが組み込まれていた。脳卒中専門医も循環器医同様、急性期の症例の来院時には数名以上が病院に集まって、血管インターベンションをしなければならない時代が来るかもしれない。 冠動脈造影ほど脳血管造影が一般化していないので、脳血管インターベンションの普及には心臓以上に時間がかかるかもしれないし、冠動脈造影に熟達した循環器医の一部が脳血管に標的をシフトすれば、時代の変化は意外に早いかもしれない。

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