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今シーズンのハチ毒被害に備える方策

 第68回 日本アレルギー学会学術大会(会長:相良 博典氏[昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門])が、6月13~15日まで都内で開催された。大会期間中、喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎など多彩なセッションが開催された。 これからのシーズン、ハチ刺されによるアナフィラキシーショックの事例も増えることから、本稿では教育講演で行われた「ハチアレルギーの現状」の概要をお届けする。アドレナリン注射はなるべく早く打つ 講演では、平田 博国氏(獨協医科大学埼玉医療センター 准教授)を講師に迎え、ハチ毒による症状、治療、アレルゲン免疫療法(予防)について説明が行われた。 アナフィラキシーショック(全身性アレルギー反応)による死亡者数は、年間50~70名程度発生し、うちハチ毒に関係する死亡は、薬剤に次いで多く第2位となっている。 被害をもたらすハチは、ミツバチ、アシナガバチ、スズメバチの3種で、とくにアシナガバチによる被害が多い。患者では、林業、農業や養蜂業従事者に被害が多く、そのほか、ゴルフ場、建築関係、造園業などの職種も多いという。 症状として、ハチに刺されたことで蕁麻疹、紅斑、嘔吐・嘔気、呼吸器症状などが現れる。心停止の中央値は15分という報告もある。小児と成人では、成人の方が重症化する傾向がある。 治療ではアナフィラキシー症状が出現した場合、アドレナリン注射(商品名:エピペン)が第一選択薬である。とくに症状が軽症と思われる場合でも、急変が予想され、アドレナリン注射は、副作用も軽微なことからまず「打つ」ことが求められる。30分以上経過しての注射では死亡率も増加することが報告されており、「なるべく早く打つことが重要」と指摘する。ハチ被害が多い職業従事者でも低い危機意識 ハチに刺されるリスクの高い職種では、アドレナリン自己注射を携帯してもらい、緊急の場合、自己注射してもらう対策が広く行われている。 ところが平田氏らによる2015年の研究調査では、林業従事者で特異的IgE抗体陽性者のアドレナリン注射処方率は全体の約3割であり、うち常時携帯している者は約5割だったという。また、2016年にはハチ刺されによる全身症状を経験したアドレナリン注射処方者でも約4割弱しか実際に注射しなかったという結果を報告した。 今後の課題としては、アドレナリン注射の事前処方の重要性の啓発、軽症でも注射する必要がある病識の知識の向上と適切な使用法の指導など医療者からの介入や教育も必要と提案した。 最後にハチ毒アレルギーのアレルゲン免疫療法について、過去に実施した128例を示し、うち56例で再度ハチに刺されたものの、54例で重篤なアナフィラキシー症状は認められず、その有効性を報告した。同療法については、最低5年の継続が必要であるが、現在学会で保険適応化に向けて準備していると展望を語り、講演を終えた。■関連記事特集 アナフィラキシー

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身体活動が活発な中高年者ほど、寿命は長い/BMJ

 心血管疾患やがんの患者を含む中高年者では、過去の身体活動の程度や確定したリスク因子(食事、体重、血圧、コレステロール値など)の変化にかかわらず、身体活動が活発なほど死亡リスクが低く、実質的に寿命が長くなることが、英国・ケンブリッジ大学のAlexander Mok氏らによる、EPIC-Norfolk試験のデータを用いた研究で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年6月26日号に掲載された。ある時点で評価した身体活動は、全原因死亡や、心血管疾患およびがんによる死亡のリスク低下と関連することが報告されているが、身体活動の長期的な変化を検討し、さまざまな身体活動の変化の過程が健康に及ぼす影響を定量化した研究は少ないという。40~79歳の1万4,599例を12.5年追跡したコホート研究 研究グループは、全原因、心血管疾患およびがんによる死亡に及ぼす、ベースラインの身体活動とその長期的な変化の過程の関連を前向きに評価する目的で、住民ベースのコホート研究を行った(英国医学研究協議会[MRC]などの助成による)。 European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition-Norfolk(EPIC-Norfolk)コホートに登録された40~79歳の1万4,599例について、ベースライン(1993~97年)から2004年までに、3回のフォローアップ(1995~99年、1998~2000年、2002~04年)を行い、生活様式および他のリスク因子の評価を行った。次いで、これらの参加者の2016年までの死亡状況を調査した(身体活動の最終評価からのフォローアップ期間中央値12.5年)。 妥当性が検証された質問票を用いて、身体活動によるエネルギー消費量(physical activity energy expenditure:PAEE)を評価した。就業時の身体活動(座位、立位、重い肉体労働などで3つに分類)と余暇時の身体活動(週に0時間、0.1~3.5時間、3.6~7時間、>7時間)から、PAEE(kJ/kg/日)を算出した。 主要評価項目は、全原因、心血管疾患、がんによる死亡とし、多変量比例ハザード回帰モデル(年齢、性別、社会人口学的因子、病歴、全般的な食事の質、BMI、血圧、トリグリセライド値、コレステロール値で補正)を用いて解析した。最小限の身体活動の達成で、不活動関連死の46%が予防可能 1万4,599例の参加者のベースラインの平均年齢は58.0歳(SD 8.8)、女性が56.6%で、17万1,277人年のフォローアップ期間中に3,148例(心血管疾患死950例、がん死1,091例)が死亡した。 長期的なPAEEの増加は、ベースラインのPAEEとは独立的に、死亡と逆相関の関連が認められた。すなわち、PAEEの年間1kJ/kg/日の増加(ベースライン時に身体不活動で、その後5年をかけて徐々にWHOの身体活動ガイドラインの中強度身体活動[150分/週]に達した場合に相当)ごとのハザード比(HR)は、ベースラインのPAEEと確定したリスク因子で調整すると、全原因死亡が0.76(95%信頼区間[CI]:0.71~0.82)、心血管疾患死が0.71(0.62~0.82)、がん死は0.89(0.79~0.99)と、いずれも有意差がみられ、長期的な身体活動の増加による死亡率の低下が示された。心血管疾患およびがんの病歴で層別化した場合にも、同様の結果が認められた。 ベースラインの身体活動と、身体活動の変化の過程の統合解析では、一貫して身体不活動の集団と比較して、身体活動が経時的に増加した集団は、全原因死亡のリスクが、ベースラインの身体活動が低い集団で24%(HR:0.76、95%CI:0.65~0.88)、中等度の集団で38%(0.62、0.53~0.72)、高い集団では42%(0.58、0.43~0.78)、それぞれ有意に低下した。 住民集団レベルでは、少なくとも最小限の身体活動の推奨(中強度:150分/週)を達成し、これを維持することで、身体不活動に関連する死亡の46%が予防可能と推定された。 著者は、「公衆衛生戦略は、最小限の推奨の達成に向けた転換を目指すべきであり、中年~晩年における身体活動低下の予防に重点的に取り組む必要がある」と指摘している。

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強迫症患者における双極性障害合併率

 強迫症(OCD)患者は、主に不安障害や情動障害などの併存疾患を有することが多く、このことがOCDの経過や援助要請、治療反応に影響を及ぼす。これまで、OCD患者における双極性障害(BD)の併存についての研究が行われているが、多くは小規模サンプルで実施されていた。ブラジル・パウリスタ大学のMariana S. Domingues-Castro氏らは、大規模サンプルを用いて、OCD患者のBD生涯有病率を推定し、BD併存の有無における人口統計学的および臨床的特徴について比較を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2019年6月7日号の報告。 強迫性スペクトラム障害に関するブラジル調査コンソーシアム(C-TOC)より、成人OCD患者955例を対象とした横断的研究を実施した。評価尺度には、Yale-Brown強迫観念・強迫行為尺度(Y-BOCS)、ディメンジョン別強迫症状重症度尺度(DY-BOCS)、ベックうつ病自己評価尺度(BDI)、精神科診断面接マニュアル(SCID)を用いた。記述的および二変量解析に続いてロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・OCD患者におけるBDの生涯有病率は、7.75%(74例)であった。・BD併存と独立して関連していた因子は、広場恐怖症を伴うパニック症、衝動制御障害、自殺企図であった。 著者らは「BDを併発したOCD患者は、自殺リスクが高いなど、より重症な臨床的特徴を有するため、両疾患に対する適切な治療を行うためにも、慎重な治療アプローチが求められる」としている。

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灌流画像を用いた血栓溶解療法は、発症後9時間までの脳梗塞と睡眠中に発症した脳梗塞にまで治療時間枠を拡大できる:個別患者データのメタ解析(解説:内山真一郎氏)-1072

 アルテプラーゼによる血栓溶解療法は脳梗塞発症後4.5時間までが推奨されているが、4.5時間以上か睡眠中に発症し、救済しうる脳組織がある患者に血栓溶解療法が有効であることを灌流画像が同定できるかどうかをメタ解析により検討した研究である。脳梗塞発症後4.5~9時間か起床時に脳卒中症状がある患者においてMRIかCTで灌流を評価しているアルテプラーゼのプラセボ対照無作為化比較試験を検索し、1次評価項目として3ヵ月後の転帰良好(改訂ランキン尺度0または1)、安全性評価項目として死亡または症候性頭蓋内出血を検討している。 実際に解析対象となったのは、EXTEND、ECASS4-EXTEND、EPITHETの3試験であった。合計411例、アルテプラーゼ群211例、プラセボ群201例の個別データが解析された。転帰良好例はアルテプラーゼ群で36%、プラセボ群で29%であり、アルテプラーゼ群で有意に多かった(オッズ比:1.86、95%信頼区間:1.15~2.99、p=0.011)。症候性頭蓋内出血はアルテプラーゼ群(10例)でプラセボ群(1例)より多かったが、この増加が血栓溶解療法の効果を打ち消すことはなく、灌流画像により選択された、発症後4.5~9時間か睡眠中発症例に対する血栓溶解療法の有効性が証明されたといえる。大血管閉塞例には機械的血栓回収療法のほうが有効であるが、まだ施行可能な施設が限られており、汎用性のある血栓溶解療法の治療時間枠が拡大できることが確認できた意義は大きい。

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第15回 ハザード比は何を表しているか?【統計のそこが知りたい!】

第15回 ハザード比は何を表しているか?臨床試験で生存曲線の差を評価するときには、ハザード比がよく使用されます。今回は「ハザード比」を学習します。■ハザード比の解釈ハザード比は、説明変数が1単位増加するときのアウトカム発生までの時間が何倍かかるかを表します。ハザード比は「1」が基準となり、「1」の場合は説明変数の値が変化しても、アウトカム発生までの時間に変化はないことを意味し、「1」より大きい場合はリスクが高くなり、「1」より小さい場合はリスクが小さくなることを表しています。ハザード比が「1」を超えている場合は、「死亡や病状進行のリスクが対照群に比べて○○%高くなる」ということになります。逆に、ハザード比が「1」を超えていない場合は、「死亡や病状進行のリスクが対照群に比べて○○%低くなる」ということになります。■ハザード比を算出してみるそれでは、表1から目的変数(アウトカム)を「1:死亡、0:打ち切り」、説明変数を処方薬剤、喫煙の有無としてCox比例ハザードモデルを適用し、処方薬剤、喫煙の有無のハザード比を求めてみましょう。目的変数(アウトカム)は、死亡(再発)など危険要素を1、ほかを0とします。説明変数が2分類のカテゴリーデータの場合、死亡率が低いと仮定するほうを1、ほかを0とします。製品A、非喫煙を1としました。表1 事例の基礎データ■ハザード比の結果表2に関係式の回帰係数とハザード比を示します。関係式の回帰係数とハザード比ハザード比は、次式によって求められる値です。ハザード比=e回帰係数ただし、eは自然対数の底で、2.7183…です。【計算例】薬剤のハザード比=e-0.950=0.387Excelの関数=EXP(-0.950)Cox比例ハザードモデルを使って目的を解明する場合、危険度の高さを示す回帰係数でなく、ハザード比を用います。ハザード比から、説明変数がアウトカムに対して、どれくらい寄与しているかを調べることができます。たとえば説明変数が、「治療方法P、治療方法Q」の場合、ハザード比からアウトカム発生確率(死亡率)は、PはQに比べ何倍高いかを示せます。また、3年間の観察期間において、アウトカムが「1:死亡、0:打ち切り」のハザード比が「1.5」だったとします。この場合の解釈は、「治療方法Pは、Qに比べ、3年の間に死亡する度合いは1.5倍高い」となります。つまり治療方法Pは、Qに比べ、良くないということです。この例題のハザード比は「0.387」で「1」を下回りました。この場合の解釈は、「アウトカム発生確率(死亡率)は、製品Aがプラセボに比べ0.387倍高い」となります。つまり製品Aはプラセボに比べ、死亡率を61.3%(=1-0.387)減少させ、製品Aの延命効果はあったと解釈されるのです。喫煙の有無のハザード比は0.480なので、非喫煙は喫煙に比べ死亡率を52.0%減少させたと解釈できます。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第1回 カプランマイヤー法で生存率を評価するセクション4 カプランマイヤー法の生存曲線を比較する第4回 ギモンを解決!一問一答質問8 Cox比例ハザードモデルとは?(その1)質問8(続き) Cox比例ハザードモデルとは?(その2)

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第23回 心電図には秘密の“地下世界”がある?~ラダーグラムを描こう~(後編)【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第23回:心電図には秘密の“地下世界”がある?~ラダーグラムを描こう~(後編)前回、“寝耳に水”的に登場した「ラダーグラム」。はじめて聞いたという方にも知ってもらいたく、最も基本的な洞収縮での描き方を学びました。今回も、同じ症例を用いて、心房期外収縮(PAC)のラダーグラムを描画し、最終的に回復周期(休止期)に関する“謎解き”までを、Dr.ヒロが丁寧にレクチャーします。症例提示50歳、男性。約1年前に心房細動(AF)に対するカテーテルアブレーションを受けた。時折動悸は自覚するが、いずれも短時間で、術後AFの再発は記録されていない。以下に定期外来での心電図を示す(図1)。(図1)定期外来時の心電図画像を拡大する【問題1】II誘導を抜粋して示す(図2)。4拍目(↙部分)の洞収縮に関して、心房、房室接合部、心室の3層からなるラダーグラムを描け。(図2)図1よりII誘導のみ抜粋画像を拡大する解答はこちら図3の(a)または(b)の下段(図3)洞収縮のラダーグラム(簡易版)画像を拡大する解説はこちら前回は正式版のラダーグラムとして、洞調律での「洞結節-心房」の“階層”を含む“地下4階建て”で描く方法を解説しました。“中継点”に関して要所要所でポイントがあるので、忘れている方は復習しましょう(第22回)。しかし、実際には「心房(A)」、「房室接合部(A-V)」そして「心室(V)」の3つだけを用いた“簡易版”のラダーグラムが好まれます。この問題では、前回とまったく同じ洞収縮を用いて“地下3階建て”ラダーグラムの描き方に慣れてもらいます。“簡略化したラダーグラムで十分”洞収縮ラダーグラムの“正式版”は地下4階からなるのでした(第22回)。ただ、体表面心電図には記録されない“洞結節まわり”をイメージして描くのは「仮定」の要素が強いためか、あまり好まれない傾向にあります。専門医レベルでは洞結節興奮の「はじまり」を推定する計算法もありますが、ここでは省略します。実際に多用されるのは(図3)のように「洞結節-心房(S-A)」フロア部分を省略した“簡略版”です。(a)と(b)、2種類どちらでもOKなので、この描き方を伝授しましょう。(図3)洞収縮のラダーグラム(簡易版)画像を拡大する一目でこれは“地下3階建て”とわかりますね。まず(a)の方は“正式版”から「洞結節-心房」(S-A)フロアを除いただけのものです。「心房」(A)フロアの天井に黄色丸が描かれており、これだけで洞結節に由来する収縮であることを示します。洞結節が興奮し、間髪入れずに心房が興奮するようなイメージですかね。(b)も頻用される描画様式です。「仮定」の一種であった心房の「頂点」うんぬんをやめて、心房収縮を「P波のはじまり」から“縦一本”(垂直線)で表現しています。心室(QRS波)は脚ブロックなどの伝導障害で幅広(wide)になったりしますが、心房ではあまり問題となりません。洞結節の“号令”が瞬時に心房全体に行き渡り、ほぼ同時に収縮するというモデルで良しとするのです。よって、問題1の解答は図3(a)または(b)のいずれでも可とします。【問題2】(図2)の網掛け部分に示した期外収縮を含む3心拍のラダーグラムを描け。解答はこちら図4の下段(図4)ラダーグラム(PAC)画像を拡大する解説はこちらラダーグラムの世界にはだいぶ慣れてきましたか? 今回の症例はAFアブレーション後のPAC頻発症例。今回、ボクが伝えたい点は、“洞-期-洞”部分(図2網掛け)のラダーグラムの描き方です。実はそこに、PAC心電図のエッセンスがあるのです!“PACのラダーグラムはどう描く?”図2の網掛け部分では中央がPAC、両サイドが洞収縮(N)です。初めての人のために、先に正解を示して解説を加えます(図4)。(図4)ラダーグラム(PAC)画像を拡大する洞収縮は図3(a)を採用し黒色で描きました(これは問題1そのままです)。真ん中のPACの「心房」(A)フロアにご注目!当然ですが、PACの場合、一番先に興奮するのは洞結節ではなく心房の一部です。これを天井のやや下に赤色丸で示してあり、タイミング的にはP’波(PACの心房波)の「はじまり」です。前後の洞収縮での様式にあわせ、心房(A)フロアは最早期点から下方へはP’波の頂点を結ぶ線(赤線)とし、以下の「A-V」と「V」フロアはQRS波の「はじまり」と「おわり」を意識しましょう。よく見ると、「A-V」フロアの傾きが急で、これはPR間隔(時間)が短いということです。伝わるスピードが速いというよりは、洞結節と比べて房室結節に近い場所から出たPACなのかなぁ…そんな風に想像力をかき立てます。“逆行性興奮とリセット現象”さて、注意深い人は、“+α”に気づきましたか?赤色丸から右上方へ向かうピンク線があり、実はPACラダーグラムの最大の特徴はココです。これは電気刺激が「PAC起源(心房)→洞結節」のように通常とは逆方向に流れ、洞結節が強制的に興奮させられます(受動的な興奮のため「●」は打ちません)。PAC起源よりは遅れますが、通常の洞収縮から予想される興奮タイミングよりは早いのですよね? これを「洞周期がリセットされた」と表現するか、または「リセット現象」と呼びましょう。これをPACによる一種の“ちゃちゃ入れ”ととらえて下さい。この一拍だけ洞結節は取り乱し、平常よりも早く興奮しますが、以後はそんなことを忘れたかのようにまた“マイペース”(洞周期)でリズムを刻みます。なんでこんなことを詳しく言うのかって? …それは、この性質がPACとPVCとで決定的に違うからです。前々回、“ニバイニバーイの法則”として、前後の洞収縮の間隔が洞周期の2倍になる性質をPVCの“上品さ”として紹介しました。これはPVCがだいぶ遠方で生じる結果、PACみたいに洞結節のペースに介入できないためです(つまり、PVCは洞結節をリセットしない)。「回復周期(休止期)」という言葉を思い出せば、これが「代償性」となる理屈と同義です。PACの場合、“9分9厘”まずこうなることはありません。一方、前回の問題1で尋ねたように、一般的なPACの休止期は「非代償性」で、“洞-期-洞*”の“洞-洞”間隔が洞周期の2倍よりも短くなるという特徴があります。これも洞周期が早めにリセットされるためと理解しておけば、「えーっと、長くなるんだっけ、それとも短い?」のように悩むこともなくなるでしょう。*:洞:洞収縮、期:期外収縮PVCと比べて“下品”というコトバが適切かどうかは不明ですが、PACは洞結節のペースを乱して“前倒し”で興奮させる様子は、そう言われても仕方ない? 言葉が若干ややこしいですが、距離的に洞結節に“ちゃちゃ入れ”しやすいのがどっちか考えましょう。一方、PVCに備わった“ニバイニバーイの法則”は、近いうちにラダーグラムを用いて解説してみましょう。“地下ゲームの記憶~不整脈の世界への誘い?”Dr.ヒロが小学生の時、ファミコンブームが起きました。好きだったゲームの一つが『ロード・ランナー』という、はしごを登ったり降りたりして金塊を集めるアクション・パズルゲーム。なかなかクリアできない“難問”ステージがありました。それを見ていた母が、「もし難しければ、最初に紙に地形と手順を図で描いてみようか」と言いました。以後、鉛筆片手にスーパーの広告の裏紙か何かに“地下世界”の行動マップを必死に描き、寝ても覚めても攻略法を考えました。心電図や不整脈の分野に興味を持ち、ラダーグラムに出会ったとき、どことなく“懐かしい”感じがしたのは、こうした記憶が蘇ったからかもしれないですね。Take-home MessagePACのラダーグラムが描けるようになろうPACが“ニバイニバーイの法則”を満たさない理由は、洞結節興奮のリセット現象で説明できる!【古都のこと~松ヶ崎大黒天(妙円寺)~】1616年(元和2年)建立の妙円寺は、五山送り火「法」で有名な松ヶ崎東山にあります。地下鉄烏丸線の松ヶ崎駅から歩いても10分、通名“松ヶ崎大黒天”として知られ、「都七福神」の巡拝には欠かせません。ふくよかで何とも言えない笑みを浮かべる“大黒様”ですが、50年前に火難を逃れた「火中出現」の実話を聞くと、やさしさの中に芯の強さを感じました。60日に一度の甲子大祭(きのえねたいさい)には諸願成就の御祈祷が行われ、境内がお祭りを楽しむ子連れ家族で賑わいます。次こそは休日に当たってくれないかなぁと、ベッドで横になってカレンダーを確認する時は…間違いなく“大黒様”のような笑顔になっているかな?

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第45回 トークはさんまと落語をマネろ【週刊・川添ラヂオ】

動画解説川添先生が話し上手な秘密はお笑いにあった!大学時代「ちゃんとした関西弁」習得のため、落語とお笑い番組を勧められた川添先生は、その特訓の副産物として今のトーク術を習得したそうです。明石家さんまに倣う世界一すごい話の聞き方、落語から学ぶ肩の凝らないスピーチの前振りなど、真似するだけで話し上手になれる方法を紹介します。

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ASCO2019レポート 泌尿器腫瘍

レポーター紹介# LBA2 転移性ホルモン感受性前立腺がんにおけるエンザルタミドの生存期間延長効果Sweeney C, et al. J Clin Oncol 37, 2019米国臨床腫瘍学会(ASCO)は毎年Plenary sessionとして時代を変える結果となった臨床試験を4題選択し、学会3日目にほかのsessionは行わず、単独で最も収容人数の多い会場で演題発表を行う。泌尿器がんでこの名誉あるPlenary sessionに選ばれたのが、ENZAMET試験であった。エンザルタミドは、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)においてドセタキセル後でもドセタキセル前であってもプラセボと比較し生存期間(OS)の延長効果が示され、日本でも保険償還されている。2019年2月のASCO-GUでは、ARCHES試験の結果が報告され、転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)においての画像上の無増悪生存期間(rPFS)の延長効果が報告され、アビラテロン+プレドニゾロン療法と同様にホルモン感受性期での使用のメリットが示されていた。今回ASCO2019で報告されたのは、オーストラリア・ニュージーランドの臨床試験グループが主導する国際共同臨床試験で、mHSPCに対し非ステロイド系抗アンドロゲン薬 (NSAA)とエンザルタミドをランダム化比較し、OSの延長効果を検証するデザインであった。このENZAMET試験において観察期間中央値34ヵ月時点における中間解析が報告された。対象患者は、転移量(High/Low volume)、早期ドセタキセルの計画(あり/なし)、Performance status(0~1/2)、骨修飾薬(あり/なし)、合併症(少ない/多い)、施設で割り付け調整され、テストステロン抑制療法に加えて通常のNSAA(ビカルタミド、フルタミド、lilutamide)を行う群と、エンザルタミド160mgを行う群の2群に分けられた。ARCHES試験と異なりドセタキセルの併用が許容されており、約45%が併用していた。プライマリエンドポイントの3年OSは、NSAA群で72%、エンザルタミド群で80%であり、ハザード比(HR)0.67(95%信頼区間[CI]:0.52~0.86、p=0.002)であった。セカンダリーエンドポイントの、PSA無増悪生存期間のHRは0.39(95%CI:0.33~0.47)であった。計画的に設定されたサブグループであるドセタキセルの併用群と非併用群の治療成績も発表され、非併用群では3年OSはNSAA群70%、エンザルタミド群83%(HR:0.53[95%CI:0.37~0.75])であったのに対し、併用群では75%と74%(HR:0.90[95%CI:0.62~1.31])であり、エンザルタミドの上乗せ効果は不明瞭であった。有害事象は、ドセタキセル併用なしでは倦怠感Grade2が3%から10%に増加する程度で、エンザルタミドの既報と大差はなかったが、ドセタキセルと併用した場合は知覚神経障害と爪の変化、流涙、倦怠感が増加した。この試験は、発表と同時にNew England Journal of Medicine誌にもオンライン出版された。mHSPCの標準治療は、転移量の多いHigh volume症例では早期ドセタキセルとアビラテロン+プレドニゾロン療法のいずれかであったが、本試験により転移量の少ないLow volume症例も含めたmHSPCの新たな治療オプションが選択可能となった。# 5006 転移性ホルモン感受性前立腺がんに対するアパルタミドの無増悪生存期間延長効果Chi KN, et al. J Clin Oncol 37, 2019アパルタミドはアンドロゲン受容体拮抗薬として遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)の標準治療として、日本でも2019年3月に承認となった新規ホルモン製剤である。ASCO2019では、mHSPCにおいてプラセボと比較した二重盲検国際第III相試験であるTITAN試験の結果がOral abstract sessionで報告された。mHSPCの症例のうち、アンドロゲン抑制療法+プラセボ群は527例、アンドロゲン抑制療法+アパルタミド群は525例であり、High volume症例は両群とも60%程度含まれていた。プライマリエンドポイントは、rPFS(α=0.005)とOS(α=0.045)の2つ設定しており、今回はrPFSの最終解析とOSの中間解析であった。2年rPFS割合はプラセボ群48%、アパルタミド群68%であり、HR:0.48(95%CI:0.39~0.60、p<0.0001)と有意にアパルタミド群で良好な結果となった。OSの中間解析ではα<0.009で有効性ありと判断される解析計画であり、観察期間中央値約22ヵ月の現時点において、2年OS割合はプラセボ群74%、アパルタミド群82%、HR:0.67(95%CI:0.51~0.89、p=0.0053)であった。独立データモニタリング委員会は、盲検下での試験継続は倫理性に問題が生じると判断し、盲検解除とプラセボ群にクロスオーバーでのアパルタミド投与を推奨した。rPFSやOSのサブグループ解析から、本試験前のドセタキセルの有無や腫瘍量によらず、アパルタミド群に良好な結果であった。有害事象は、All gradeで皮疹8.5% vs.27%、甲状腺機能低下症1.1% vs.6.5%など、アパルタミド群で多い傾向はあったが、痙攣は0.4% vs.0.6%と両群で差はなく、健康関連QOLも2群の差は認められなかった。ENZAMET試験とTITAN試験は、ほぼ同じmHSPCを対象として新規アンドロゲン受容体拮抗薬の有効性が再現性をもって証明されたが、薬剤の使い分けを要する臨床像は明らかではない。# 4504 尿路上皮がん化学療法後のペムブロリズマブ維持療法の可能性Galsky MD, et al. J Clin Oncol 37, 2019尿路上皮がんに対するペムブロリズマブ療法は、KEYNOTE-045試験の結果を受けてがん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに対し、日本でも2017年12月に承認された。1次治療のプラチナ併用療法は、シスプラチンの蓄積毒性の懸念から8サイクル程度までで終了することが一般的である。非小細胞肺がんでは、プラチナ併用療法後にペメトレキセドやエルロチニブを用いたswitch maintenance(1次治療で用いた薬剤から変更して維持療法を行うこと)の有効性が第Ⅲ相試験で示されており、今回の報告はその可能性を尿路上皮がんで評価したランダム化第II相試験である。転移性の尿路上皮がんを初回治療としてプラチナ併用療法を8コース以下で行い、病勢安定以上の効果を得ている症例を対象に、プラセボ群とペムブロリズマブ群にランダム化し、以後の治療を行った。プライマリエンドポイントはPFSであり、中央値は3.2ヵ月 vs.5.4ヵ月(HR:0.64[95%CI:0.41~0.98]、p=0.038)と有意に腫瘍進行を遅らせた。何らかの重篤な有害事象が生じた症例は、プラセボ群35%、ペムブロリズマブ群53%であり、有害事象の増加は否めないが、生存期間の延長が可能となるかどうか、第III相試験での検証が待たれる有望な結果であった。# Poster Discussion 肉腫様腎がんの新たな治療戦略Brugarolas J. Poster Discussion 3rd June, 2019肉腫様腎がんは2~11%の割合でさまざまな組織型に混在し、淡明細胞がんと比較すると予後不良であり、既存の血管新生阻害薬の効果も限定的である。ASCO2019では、大規模第III相試験の追加解析が3報報告され、ポスターディスカッションが企画された。IMmotion151試験からアテゾリスマブ+ベバシズマブ療法(#4512)、CheckMate214試験からニボルマブ+イピリムマブ療法(#4513)、ハーバード大学の後方視解析(#4514)、KEYNOTE-426試験からペムブロリズマブ+アキシチニブ療法(#4500)の治療成績をレビューした。これらの比較第III相試験はいずれもスニチニブを対照群としており、PFSはIMmotion151試験では中央値8.3ヵ月 vs.5.3ヵ月(HR:0.52[95%CI:0.34~0.79])、CheckMate214試験では8.4ヵ月 vs.4.9ヵ月(HR:0.61[95%CI:0.38~0.97])、KEYNOTE-426試験では1年PFS割合で57% vs.26%(HR:0.54[95%CI:0.29~1.00])と報告された。OS中央値は、IMmotion151試験では21.7ヵ月 vs.15.4ヵ月(HR:0.64[95%CI:0.41~1.01])、CheckMate 214試験では31.2ヵ月 vs.13.6ヵ月(HR:0.55[95%CI:0.33~0.90])、KEYNOTE-426試験では未報告である。ハーバード大学からの後方視コホートでは、肉腫様腎がんで免疫チェックポイント阻害薬を使用した症例と使用しなかった症例のOSは、中央値24.5ヵ月 vs.10.3ヵ月(adjusted 0.43[95%CI:0.30~0.63]、p<0.0001)と報告されていた。奏効割合は、IMmotion151試験では全組織型で41%であったのに対し肉腫様腎がんでは59%、CheckMate 214試験では53%と75%、KEYNOTE-426試験では65%と72%と報告され、肉腫様腎がんでの免疫チェックポイント阻害薬併用療法の効果は全体集団よりインパクトが大きい可能性が示唆された。肉腫様腎がんではProgrammed death-ligand 1(PD-L1)の発現割合が高いことや、遺伝子ではSETD2やTP53、NF2、BAP1などの変異が多く、またTumor Mutation Burdenや遺伝子不安定性が高いことが過去に報告されており、これらの免疫チェックポイント阻害薬の効果が高まる要因となっていると考えられる。Brugarolas氏は未解決の問題として、肉腫様腎がんの最適な治療レジメンがどれか、肉腫様腎がんのみの前向き試験が必要かどうか、肉腫成分の比率は治療経過に影響を与えるか、免疫療法に効果を示すメカニズムに関してなど、さまざまな課題があるものの、肉腫様腎がんは免疫チェックポイント阻害薬のよい適応となるだろう、と結んだ。

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ダパグリフロジン、糖尿病患者の腎保護示す-DECLARE‐TIMI 58サブ解析

 近年、SGLT2阻害剤はアテローム性動脈硬化症患者の腎アウトカムに対し、有益な効果を示すことが明らかになりつつある。今回、イスラエル・Hadassah Hebrew University Hospital のOfri Mosenzon氏らがDECLARE-TIMI 58のサブ解析を実施。ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が、腎機能を保持している2型糖尿病患者において、アテローム性動脈硬化症の有無にかかわらず、プラセボと比較して腎疾患の予防および進展抑制を示す結果が得られた。Lancet Diabetes & Endocrinology誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。 研究者らは、複合アウトカムの構成要素、サブグループ解析、さまざまな時点でのeGFRの変化を調査する目的でサブ解析を実施。HbA1cが6.5〜12.0%(47.5〜113.1mmol/mol)の2型糖尿病で、アテローム性動脈硬化症または複数の危険因子を有し、クレアチニンクリアランス60mL/分以上の患者を、1日1回ダパグリフロジン10mg服用群またはプラセボ服用群に1対1に無作為に割り付けた。事前に規定した副次評価項目としての心腎複合アウトカムは、eGFR(推定糸球体濾過量)60mL/分/1.73m2未満かつ40%以上の持続的低下、末期腎不全(90日以上の透析、腎移植、またはeGFRが15mL/分/1.73m2未満を持続)、あるいは腎・心血管系による死亡であった。また、腎特異的複合アウトカムからは、心血管死を除外した。 主な結果は以下のとおり。・試験は2013年4月25日~2018年9月18日に実施された。・追跡期間中央値は4.2年(四分位範囲3.9~4.4)だった。・参加者1万7,160例が無作為に割り付けられた。・各参加者のベースライン時のeGFRは、90mL/分/1.73m2以上が8,162例(47.6%)、60〜90mL/分/1.73m2未満が7,732例(45.1%)、60mL/分/1.73m2未満が1,265例(7.4%)であった(eGFRのデータ消失が1例)。・6,974例(40.6%)はアテローム性動脈硬化症を発症し、1万186例(59.4%)は複数の危険因子を有していた。・副次評価項目としての心腎複合アウトカムは、プラセボと比較してダパグリフロジンで有意に減少した(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.67~0.87、p

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全粒穀物、食物繊維の摂取が肝がんリスクを低下?/JAMA Oncol

 がん治療薬の開発が進んでいるが、一方で予防に対する研究も活発である。中国・安徽医科大学のWanshui Yang氏らは、全粒穀物や食物繊維の摂取量増加が、肝細胞がん(HCC)の素因として知られるインスリン抵抗性、高インスリン血症および炎症のリスク低下と関連していることから、これらの長期摂取によりHCCのリスクが低下するのではないかと仮定し、その関連性を米国の2つのコホート研究を基に解析した。その結果、全粒穀物および、おそらくシリアル繊維とふすまの摂取量増加は、米国成人のHCCのリスク低下と関連していることが示されたという。著者は、「今回の知見を再現し、他の人種・民族あるいは高リスク集団におけるこれらの関連性を調べ、根本的なメカニズムを解明するためには、今後、B型およびC型肝炎ウイルス感染を考慮したさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版2019年2月21日号掲載の報告。 研究グループは、米国のNurses' Health StudyおよびHealth Professionals Follow-up Studyから計12万5,455例について解析した。 被験者は、全粒穀物、その成分であるふすまと胚芽、および食物繊維(シリアル、果物、野菜)の摂取量について、食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)を用いて4年ごとに調査を受けていた。これらの摂取量とHCCとの関連について、Cox比例ハザード回帰モデルを用い、HCCの既知のリスク因子を調整後の多変量ハザード比(HR)とその95%信頼区間(CI)を推算し評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間24.2年、被験者12万5,455例(女性7万7,241例、男性4万8,214例、平均年齢63.4歳)中、HCC患者141例を確認した。・全粒穀物の摂取量増加は、HCCのリスク低下と有意に関連していた(最高三分位vs.最低三分位のHR:0.63、95%CI:0.41~0.96、傾向p=0.04)。・全ふすまの摂取量増加は、有意ではないもののHCCのリスク低下との関連が観察された(HR:0.70、95%CI:0.46~1.07、傾向p=0.11)。胚芽では関連はみられなかった。・シリアル繊維の摂取量増加は、有意ではないもののHCCのリスク低下と関連していた(HR:0.68、95%CI:0.45~1.03、傾向p=0.07)。果物や野菜の繊維では関連はみられなかった。

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統合失調症治療における多剤併用療法の単剤療法への切り替え~メタ解析

 統合失調症における抗精神病薬の多剤併用療法は、単剤療法よりも優位性があることが最近のメタ解析で報告されているが、単剤療法への切り替えは、副作用に関して有益である。東京女子医科大学の松井 健太郎氏らは、抗精神病薬の多剤併用療法を受けている患者に対し、単剤療法への切り替えを行うべきか、多剤併用療法を継続すべきかについて、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年6月7日号の報告。統合失調症患者の多剤併用療法、単剤療法への切り替えと併用継続を比較 これまでのメタ解析から、多剤併用療法を受けていた統合失調症患者を対象に、単剤療法への切り替えと多剤併用療法の継続について比較したランダム化比較試験(RCT)をシステマティックに選択した。さらに、MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを用いて、最新のシステマティック文献検索を行った。試験中止、再発、精神病理学、神経認知機能、錐体外路症状、体重、BMIに関するデータを抽出し統合した。 統合失調症患者の多剤併用療法について、単剤療法への切り替えと併用継続を比較した主な結果は以下のとおり。・6件のRCT(341例)が抽出された。・すべての研究において、2種類の抗精神病薬から単剤への切り替えが検討されていた。クロザピン治療を受けていた患者が含まれていた研究は3件であった。・多剤併用療法の継続は、すべての原因による試験中止に関して、有意に優れていた(6 RCT、341例、RR:2.28、95%CI:1.50~3.46、p<0.001)。・再発、精神病理学、神経認知機能、錐体外路症状、体重、BMIに関しては、有意な差が認められなかった。・エビデンスの質は、非常に低かった。 著者らは「本結果は、臨床医が2種類の抗精神病薬で治療後に単剤療法への切り替えを行う際には、患者の状態を注意深く監視すべきであることを示唆している。全体的なエビデンスの質が非常に低いことを考慮すると、本結果は暫定的なものであると考えるべきである」としている。

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HPVワクチン、感染と異形成の双方を抑制/Lancet

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種プログラムは、女性のHPV感染および子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)Grade2(中等度)以上の異形成(2+)を抑制し、男女の肛門性器疣贅を減少させることを示す強固なエビデンスが、カナダ・ラヴァル大学のMelanie Drolet氏らHPV Vaccination Impact Study Groupによる6,000万人以上を最長8年間追跡したデータのメタ解析で得られた。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月26日号に掲載された。HPVワクチン接種が開始されて10年以上が経過し、現在、99の国と地域で接種プログラムが導入されており、リアルワールドにおける有効性の評価や年齢別の効果の定量化が求められている。HPVワクチン接種、14ヵ国の最長8年時のデータのメタ解析 研究グループは、2015年に、9つの高所得国でHPVワクチン接種プログラム導入から最長4年時の効果に関するメタ解析を行っており、今回は、14ヵ国の最長8年時のデータを解析した(世界保健機関[WHO]などの助成による)。 前回の報告と同様の方針で、2014年2月1日~2018年10月11日までに発表された研究を検索した。一般集団において、HPVワクチン接種前後の期間で、1つ以上のHPV関連エンドポイント(HPV性器感染、肛門性器疣贅の診断、組織学的に確定されたCIN2+)の頻度(有病率または罹患率)を比較している、HPVワクチン接種前後の同一集団データを用いた研究、および患者登録の方法を用いた研究を対象とした。 主要評価項目は、HPVワクチン接種前と接種後の期間におけるHPV関連エンドポイントの頻度(有病率または罹患率)の比較における相対リスク(RR)とした。性別、年齢、HPVワクチン接種導入以降の年数で層別化した。変量効果モデルを用いて統合RRを推計した。HPVワクチン接種により大きな直接効果とともに集団免疫効果も メタ解析では、14の高所得国から報告された65件の研究(HPV感染23件、肛門性器疣贅29件、CIN2+ 13件)の論文が対象となった。2007~15年の8年間(CIN2+は9年間)における6,000万人以上のデータが解析に含まれた。 HPVワクチン接種後5~8年の期間に、HPV 16/18型の有病率は13~19歳の女性で83%(RR:0.17、95%信頼区間[CI]:0.11~0.25)、20~24歳の女性では66%(0.34、0.23~0.49)、それぞれ有意に低下した。そのほとんどがHPVワクチン接種を受けていない25~29歳の女性では、1~4年の期間ではHPV 16/18型の有病率に有意な差は認めなかった(0.86、0.69~1.07)のに対し、5~8年後には37%(0.63、0.41~0.97)有意に低下しており、集団免疫効果が示唆された。 また、HPVワクチン接種後5~8年の期間に、HPV 31/33/45型の有病率は13~19歳の女性で54%(RR:0.46、95%CI:0.33~0.66)有意に低下したが、20~24歳の女性では有意な差はみられなかった(0.72、0.47~1.10)。 参加者のHPVワクチン接種率が高かった(≧50%)試験は、低かった(<50%)試験に比べ、全般にHPV 16/18型およびHPV 31/33/45型の有病率が低かったが、有意差はなかった。 肛門性器疣贅の診断は、HPVワクチン接種後5~8年の期間に、15~19歳の女性で67%(RR:0.33、95%CI:0.24~0.46)、20~24歳の女性で54%(0.46、0.36~0.60)、25~29歳の女性では31%(0.69、0.53~0.89)、それぞれ有意に低下した。また、HPVワクチン接種を受けていない15~19歳の男性でも48%(0.52、0.37~0.75)、20~24歳の男性では32%(0.68、0.47~0.98)、それぞれ有意に低下しており、集団免疫効果が示唆された。 HPVワクチン接種後5~9年間に、CIN2+は15~19歳の女性で51%(RR:0.49、95%CI:0.42~0.58)、20~24歳の女性では31%(0.69、0.57~0.84)、それぞれ有意に低下した。これに対し、同時期に、そのほとんどがHPVワクチン接種を受けていない25~29歳の女性では、CIN2+が19%(1.19、1.06~1.32)有意に増加し、30~39歳の女性でも23%(1.23、1.13~1.34)有意に増加した。 著者は、「原因(高リスクのHPV感染)と疾患エンドポイント(CIN2+)の双方が有意に減少したことから、HPVワクチン接種の実施により、リアルワールドにおいて子宮頸がんが予防されたことを示す強固なエビデンスがもたらされた」とし、「複数集団へのHPVワクチン接種と高い接種率によって、より大きな直接効果と集団免疫効果がもたらされた」と指摘している。

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青少年の電子タバコと喫煙の増加、北米とイングランドで差/BMJ

 2017~18年の期間に、カナダと米国では青少年におけるベイピング(発生させた蒸気[vapor]を吸引する)電子タバコの使用が増加し、カナダでは可燃性タバコの喫煙も増加している一方、イングランドではこれらの使用に関してほとんど変化がないことが、カナダ・ウォータールー大学のDavid Hammond氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年6月20日号に掲載された。ベイピングは、可燃性タバコの煙を吸引するのと比べて、ニコチン送達の有害性が最も低くなるとされる。しかし、毒性物質の量や毒性の程度は低いが、長期曝露によりニコチン依存を引き起こす可能性や、呼吸器や心血管の健康リスクに影響を及ぼす可能性が示唆されている。北米では新世代のベイピング製品として、ニコチン塩を用いた「JUUL」のような高ニコチン濃度の製品が登場しているが、ニコチン塩製品への市場移行の影響はほとんど知られていない。2018年にはカナダでも規制緩和が進められ、ベイピング製品の市場開拓が進んでいるという。16~19歳の約2万4,000例について、オンライン反復横断調査 研究グループは、カナダ、イングランド、米国の青少年におけるベイピングと喫煙の使用状況の違いを評価する目的で、反復横断調査を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 カナダ(7,891例)、イングランド(7,897例)、米国(8,140例)の16~19歳を対象に、2017年7~8月と2018年8~9月の2回、オンラインによる調査を実施した。 ベイピングと喫煙の使用の有無、過去30日および1週間以内の使用、過去1ヵ月のうち15日以上の使用の割合について評価した。JUULおよび他の一般的なベイピング製品の検討も行った。規制緩和が進んだカナダと米国では、常習性も拡大 ベイピングの使用割合は、非喫煙者と試行的喫煙者(生涯の喫煙本数が100本未満)を含め、2017年と2018年ではカナダと米国で、過去30日(カナダ:8.4%→14.6%、米国:11.1%→16.2%)、過去1週間(5.2%→9.3%、6.4%→10.6%)、過去1ヵ月のうち15日以上(2.1%→3.6%、3.0%→5.2%)が、いずれも有意に増加した(すべてp<0.001)。イングランドでは、それぞれ8.7%→8.9%、4.6%→4.6%、2.0%→2.2%と、ほとんど変化しなかった。 喫煙の割合は、2017年と2018年ではカナダで、過去30日(10.7%→15.5%)、過去1週間(7.6%→11.9%)、過去1ヵ月のうち15日以上(4.8%→7.4%)のいずれもが有意に増加した(すべてp<0.001)。イングランドでわずかに増加が認められたが(それぞれ、15.6%→16.4%、9.8%→11.3%、5.0%→6.4%)、米国ではほぼ変化がなかった(それぞれ、11.0%→12.2%、8.5%→8.8%、4.6%→5.1%)。 ベイピングの使用者のうち、2017年に比べ2018年で、より常習的に使用するようになったと回答した者の割合は、カナダと米国では、過去30日(カナダ:28.8%→39.5%、米国:35.4%→48.1%)、過去1週間(17.6%→25.0%、20.4%→31.6%)、過去1ヵ月のうち15日以上(7.2%→9.7%、9.7%→15.4%)のいずれにおいても有意に増加した(すべてp<0.01)。一方、イングランドではいずれも増加はしたが有意ではなかった(それぞれ、25.8%→27.1%、13.7%→13.9%、5.9%→6.8%)。また、カナダでは喫煙についても、2018年で使用頻度が高くなったと回答した者の割合が、それぞれ有意に増加した(p<0.001、p<0.001、p=0.002)。 過去30日にベイピングを使用した集団におけるJUULの使用割合は、米国では2017年の9.4%から2018年には28.1%へと約3倍に増加し、2017年は0%だったカナダとイングランドでは、2018年にはそれぞれ10.3%および3.3%への増加であった。 著者は、「イングランドで変化が小さいのは、おそらく、欧州タバコ製品指令(Tobacco Products Directive:TPD)による市場制限とニコチン量の上限規制の結果と考えられる」とし、「急速に進展するベイピング市場およびニコチン塩ベースの製品の出現に対して、徹底した監視が必要である」と指摘している。

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デュルバルマブ、進展型小細胞肺がんのOSを有意に延長(CASPIAN)/AstraZeneca

 AstraZenecaは、2019年6月27日、進展型小細胞肺がん(SCLC)の1次治療を対象としたデュルバルマブの第III相CASPIAN試験で、主要評価項目である全生存率(OS)を達成したと発表。 CASPIAN試験は、進展型SCLC患者の1次治療における無作為化オープンラベル多施設共同国際第III相試験。この試験では、化学療法単独とデュルバルマブ+化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)およびデュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法(上記と同様)とを比較しており、米国、欧州、南米、アジア、中東を含む22ヵ国、200以上の施設で実施されている。 独立データモニタリング委員会による中間分析では、デュルバルマブ+化学療法(エトポシド+シスプラチン)群は、化学療法単独に比べ主要評価項目であるOSを統計学的に有意に改善した。デュルバルマブ併用療法の安全性と耐容性は、これらの既知の安全性プロファイルと一致していた。 AstraZenecaは、今後の医学会での発表のために、今回のデータを提出するとしている。

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進行胃がんに対する腹腔鏡下幽門側胃切除は開腹術に匹敵するか?(解説:上村直実氏)-1071

 最近の疫学調査によると、ピロリ感染者数の減少や除菌治療の普及により胃がん死亡者は減少の一途をたどっている。さらに、全国の検診体制の充実や内視鏡検査の普及により早期発見される胃がんが多くなり、内視鏡的切除術の件数が著明に増加しているのが現状である。しかし、臨床現場では手術可能な進行胃がんに遭遇する機会も少なくなく、従来の開腹手術と腹腔鏡下手術の適応に迷うこともある。 日本、韓国および中国において両術式の有用性と安全性を検証する無作為介入試験(RCT)が進行中であるが、今回、進行胃がん(T2〜T4a)の約1,000症例を対象として中国で実施されたCLASS-01試験の結果が報告された。無作為割り付けによる多施設共同RCTの結果、3年無再発生存率(腹腔鏡術群76.5% vs.開腹術群77.8%)および3年累積再発率(18.8% vs.16.5%)は両群間に統計学的に有意な差を認めなかった。 わが国で実施されているRCT(JLSSG0901試験)の結果は未定であるが、世界に先駆けて実施している全国的な外科系手術症例の大規模データベースであるNational Clinical Database(NCD)を用いて施行されたコホート研究の結果では、胃がんに対する外科的切除における腹腔鏡下手術は術後の死亡率や縫合不全や膵液瘻など重篤な合併症の発生率で開腹手術と遜色がないと報告されている(Etoh T, et al. Surg Endosc. 2018;32:2766-2773.)。わが国の胃がん治療ガイドラインでは、現時点で腹腔鏡下手術は幽門側胃切除が適応となるStageI(T1、T2N0)に限定されているが、今後、適応範囲の拡大が期待される。 以上の結果から、手術可能な胃がんに対する腹腔鏡下手術は開腹手術にひけをとらない術式となっているものと思われる。ただし、実際の診療における術式の選択にあたっては、技術格差に基づく手術成績の施設間格差を考慮すべきであろう。その参考資料として、今後、施設ごとに開腹手術と腹腔鏡下手術の手術成績が開示されることが期待される。

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ドローンは人を傷つけるのか、助けるのか【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第142回

ドローンは人を傷つけるのか、助けるのかいらすとやより使用私の友人はドローンを持っているのですが、飛ばせるエリアが限られているらしくて、ほとんど使えないとボヤいています。皆さんはドローンと触れ合ったことがありますか?ドローンはいろいろな現場で用いられるようになってきました。とくに物流に対する期待は大きく、近い将来、自宅にドローンが荷物を届けてくれるようになるかもしれません。海外では試験的に運用されているところもありますね。今回は、ドローンの論文を2つ紹介しましょう。 Chung LK, et al.Skull fracture with effacement of the superior sagittal sinus following drone impact: a case report.Child’s Nerv Syst. 2017;33:1609-1611.1つ目は、ドローンによる悲劇。世界各国では、ドローンを上手に速く操作することを競う大会が開かれています。当然、ドローンのスピードも上がるため、ぶつかってしまうと大けがを負わせてしまいます。あるドローンレースの現場にいた13歳の男の子は、飛んできたドローンが頭を直撃するという事態に見舞われました。衝撃が非常に強く、頭蓋骨は陥没骨折し、その傷は上矢状静脈洞に達しました。神経症状を来すほどでしたが、保存的な治療で軽快し退院までこぎ着けたそうです。Claesson A, et al. Drones may be used to save lives in out of hospital cardiac arrest due to drowning. Resuscitation. 2017;114:152-1562つ目はまったく逆で、ドローンが人を救うことに役立つのではないかという論文です。スウェーデンの浅瀬で行われた研究で、14人のライフガードと、ドローンの性能を比較したものです。要は、目的とするマネキンまでどちらが早く到達できるかを検証したものです。そんなん、行く手に水があったら絶対にドローンのほうが早いに決まってるじゃんと思っていたら、まさにそのとおりの結果でした(p

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抑うつ症状と燃え尽き症候群との関係

 燃え尽き症候群とうつ病との間に重複する概念が存在するのか、あるいは互いに異なるのかについては、継続的に議論されており、入院患者における精査は行われていない。この関連性を明らかにするため、スイス・ベルン大学のKathleen Schwarzkopf氏らは、3つの異なるうつ病尺度を用いて検討を行った。さらに、抑うつ症状と燃え尽き症候群との関連における心理的苦痛、知覚されたストレスおよび睡眠の質への影響についても調査を行った。Zeitschrift fur Psychosomatische Medizin und Psychotherapie誌2019年6月号の報告。 対象は、職業性ストレス関連障害治療の専門病院に紹介された23~82歳の入院患者723例(女性の割合:51.2%)。評価には、燃え尽き症候群評価尺度(Maslach Burnout Inventory)、ベック抑うつ質問票、Hospital Anxiety and Depression Scale(HAD)、Brief Symptom Inventory、知覚されたストレス尺度(Perceived Stress Scale)、ピッツバーグ睡眠質問票を用いた。 主な結果は以下のとおり。・燃え尽き症候群の合計スコアやサブスケール(情緒的消耗感、脱人格化、達成感の低下)とうつ症状(うつ病尺度にかかわらず)との間に有意な相関関係が認められた。・共分散は、1.1~19.4%であった。・燃え尽き症候群のレベルは、認知情動的症状と直接的な関連が認められた。程度は低いものの、身体的情動的症状とうつ病との関連も認められた。・多変量解析では、燃え尽き症候群が有意に多かった因子は、うつ症状、若年、男性、精神的苦痛やストレスレベルの高さであった。 著者らは「燃え尽き症候群とうつ病は、同様な精神病理学を示すものではないが、2つの構成要素には重複する部分が多く、この程度は使用するうつ病評価尺度により変化する可能性が示唆された」としている。

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血圧と認知症サブタイプ別リスク~260万人を長期観察

 血圧上昇と認知症リスクの関連は、期間や認知症のサブタイプにより異なるのだろうか。今回、英国・London School of Hygiene & Tropical MedicineのJohn Gregson氏らによる約260万人の後ろ向きコホート研究から、血圧上昇は認知症リスク低下と短期的には関連するが、長期的な関連はあまり大きくないことがわかった。また、長期的な関連は、アルツハイマー型認知症と血管性認知症では逆であったことが報告された。European Journal of Neurology誌オンライン版2019年6月24日号に掲載。 本研究は、United Kingdom Clinical Practice Research Databaseにおいて、1992~2011年に血圧を測定し、それ以前に認知症ではなかった40歳以上の259万3,629人のデータを解析。ポアソン回帰モデルを使用して、収縮期血圧と認知症(医師の診断による)との関連を調べた。血圧は認知症発症前駆期に低下すると考えられているため、血圧測定からの経過時間のカテゴリー(5年未満、5~10年、10年超)および認知症のサブタイプ(アルツハイマー型、血管性)別に関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・観察期間中央値は8.2年で、アルツハイマー型認知症4万9,161例、血管性認知症1万3,816例、その他の認知症2,541例の計6万5,618例の認知症が観察された。・平均収縮期血圧10mmHg上昇につき、認知症リスクは9.2%(95%CI:8.4~10.0)低かったが、この関連は血圧測定からの期間によって著しく変化した。・血圧測定後5年未満では、平均収縮期血圧10mmHg上昇につき、認知症リスクが15.8%(同:15.5~17.0)低く、血圧測定後5~10年ではリスクが5.8%(同:4.4~7.7)低かった。・血圧測定後10年超では、平均収縮期血圧10mmHg上昇につき、認知症リスクが1.6%(同:0.1~3.0)低かった。サブタイプ別にみると、アルツハイマー型認知症リスクは4.3%(同:2.5~6.0)低く、血管性認知症リスクは7.0%(同:3.8~10.2)高かった。■「サブタイプ」関連記事最もOSが良好な乳がんのサブタイプは?

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乳がん患者への予後情報の開示は効果的か/Cancer

 がん患者へ明確な予後を知らせる効果に関する知見が示された。聖隷三方原病院 緩和ケアチームの森 雅紀氏らは、日本人乳がん女性患者に対して、予後の明確な開示の有無という点で異なる2つのビデオ(患者と医師のコミュニケーション場面を撮影したもの)を見せ、患者が抱く不確実性や不安、満足感などに変化が認められるかを無作為化試験により調べた。その結果、明確な予後の開示はそれらのアウトカムを改善することが示されたという。結果を踏まえて著者は、「がん患者に予後について質問をされたら、医療従事者は、その要望を尊重すべきであり、適切であれば明快に話し合うことが推奨されるだろう」と述べている。Cancer誌オンライン版2019年6月17日号掲載の報告。 研究グループは、「アジアでは臨床において、進行がん患者への予後は、非開示が典型的なままである。予後を伝える重要性が世界的にますます認識されるようになっているが、アジア人の進行がん患者に対する、明確な予後の開示が及ぼす影響については、ほとんどわかっていない」として、がん再発を伴う患者に対する、明確な予後の伝達効果を、無作為化ビデオ描写試験にて調べた。 根治手術を受けた日本人乳がん女性に対して、再発難治乳がんを有する患者と患者のがん担当医との予後に関するコミュニケーションを撮影したビデオを見せた。ビデオは、明確な予後の開示の有無のみが異なる2つのパターンが用意された。 主要評価項目は、被験者が抱く不確実性(Uncertainty、範囲:0~10)である。副次評価項目は、不安(State-Trait Anxiety Inventory-Stateで測定、範囲:20~80)、満足度(Patient Satisfaction Questionnaire、範囲:0~10)、自己効力感(Self efficacy、範囲:0~10)、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について話し合う意欲(範囲:1~4)などであった。 主な結果は以下のとおり。・合計105例の女性が参加した(平均年齢53.8歳)。・被験者の不確実性のスコアは、予後の開示が多いビデオを見た後のほうが、少ないビデオを見た後よりも有意に低下した(それぞれの平均スコアは5.3 vs.5.7、p=0.032)。・同様に、満足度は上昇し(それぞれ5.6 vs.5.2、p=0.010)、不安は増加しなかった(State-Trait Anxiety Inventory-Stateスコアの変化はそれぞれ0.06 vs.0.6、p=0.198)。・一方で、自己効力感(それぞれ5.2 vs.5.0、p=0.277)、ACPについて話し合う意欲(それぞれ2.7 vs.2.7、p=0.240)については、有意な変化はみられなかった。

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