サイト内検索|page:974

検索結果 合計:36088件 表示位置:19461 - 19480

19461.

令和の新時代にはベアメタルステント不要である(解説:中川義久氏)-1054

 新規の医療機器や薬剤を開発するときに、どのような項目を観察・測定して効果等を判定するかを定める必要がある。この評価項目のことをエンドポイントと呼び、有効性と安全性に大別される。冠動脈ステントの、有効性と安全性に関する一般的な認識は以下のものであった。ベアメタルステント(BMS)は、再狭窄が多く有効性は劣るが安全性に優れる。一方、薬剤溶出性ステント(DES)は、確実な再狭窄抑制効果から有効性は高いが安全性においてはBMSに劣る。それは、CypherとTAXUSに代表される第1世代DESでは、再狭窄抑制という有効性はあるが遅発性ステント血栓症に代表される安全性への懸念があったからである。このように、BMSとDESは、それぞれ「一長一短」があると理解されていた。 金属製の冠動脈ステントの進化は著しい。金属工学の粋を尽くした合金技術によりストラットは菲薄化し、薬剤の種類や搭載量のデータが集積され、薬剤放出をコントロールするポリマーも改良された。これらの技術を統合的に駆使して作製されたのが新世代DESである。BMSと第1世代DESの比較研究、第1世代DESと新世代DESの比較研究は数多くあり、メタ解析を含むエビデンスは蓄積されている。現在は臨床現場から第1世代DESは消え去っており、BMSと新世代DESだけが継続使用されている。一方で、BMSと新世代DESの比較についてはエビデンスが不足していた。このBMSと新世代DESを比較したランダム化試験のメタ解析の結果が報告された。その結果、新世代DESはBMSに対して安全性を棄損することなく有効性を示していた。つまり、新世代DESは、有効性と安全性の両面で優っていたのである。「一長一短」の対義語は「完全無欠」とされるが、金属製DESの完成度が高まっていることは間違いない。 多くの病院の心カテ室には、各種サイズを取りそろえたBMSが常時使用できるように「置き在庫」として準備されている現状がある。その大部分は留置されることなく使用期限切れで廃棄されていると聞く。この「置き在庫」と廃棄に由来する費用負担は膨大であり、医療費増大の一因ともなっている。このBMS「置き在庫」は本当に必要なのか熟考すべき時機である。BMSを選択する適応はすでになく、絶滅危惧種といっても過言ではない。平成とともにBMSの時代は終焉を迎え、令和の時代では不要だと断言したい。このメタ解析の結果は、医学的な見地からだけでなく経済的な視点からも日本のPCIへの課題を提起しているのである。

19463.

トランプ大統領来日【Dr. 中島の 新・徒然草】(274)

二百七十四の段 トランプ大統領来日5月というのにいきなり夏になってしまったような日本の気候ですが、その炎天下の中、アメリカのトランプ大統領が令和最初の国賓として5月25日に来日しました。着いたその足で米大使公邸での夕食会に出席し、翌日はゴルフ、大相撲観戦、27日は天皇陛下に謁見と精力的な活動。政治家というのは、このくらいタフでなくては務まらないのでしょう。大相撲では、優勝した力士にアメリカ合衆国大統領杯を授与していました。しかし、トランプ大統領ってのは大男ですな。土俵の上でも全く位負けしていません。調べてみると、トランプ大統領が190センチ、優勝した朝乃山関が187センチなので、本当にデカイみたい。さて、米大使公邸でのトランプ大統領の挨拶はなかなか冴えていました。動画付き新聞記事 "トランプ氏、日米貿易「数ヵ月内に大きな発表を」" へのリンクを貼っておくので、皆さん、字幕を見ずに聴いてみて、うまくギャグを理解することができるか挑戦してみてください。私は何とか要所で笑うことができました。以下、私の訳でトランプ大統領のスピーチを紹介しておきます。The first lady and I are thrilled to be with you as we celebrate Japan's Reiwa era. Very special time.(令和という特別な時代を皆さん共に祝うことができて、妻と私はとても感動している)As you know the United States and Japan are hard at work negotiating a bilateral trade agreement which will benefit both of our countries.(ご存じの通り、米国と日本は双方共に恩恵を受けるための二国間貿易協定の交渉に取り組んでいる)I would say that Japan's had a substantial edge for many many years, but that's OK.(日本は長い年月の間、実質的に優勢だったと思う。まあ、それは良しとしておこう)Maybe, that's why you like us so much.(たぶん、そのせいで君たちはこんなにもわれわれを好いてくれているのだろうし)But we'll get it a little bit more fair, I think.(でも、これからはもう少し公正になるんじゃないかな)I think we’ll do that.(そうしようと思ってるんだ)全文は "Remarks by President Trump at a Reception with Japanese Business Leaders | Tokyo, Japan" というタイトルでホワイトハウスのホームページに出ています。笑いをとりつつ言いたいことを言う、このセンスは学ぶところ大ですね。私も精進しなくては。ということで最後に1句トランプ君 いつもの暴言 どこ行った?

19464.

第23回 アジスロマイシン6日間連続投与はなぜ?【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 だいぶ前の話ですが、患者さんから次のような質問を受けたことがあります。「咳が出ているので受診して、アジスロマイシン500mg(力価)を1日1回3日分処方されました。飲みきりましたが、咳が残っているので再度受診したところ、また同じ量を処方されました(受け取りはほかの薬局)。3日間の服用で7日間作用が続くと説明書に書いてあるのに、6日間も飲むことがあるのですか?」。疑義照会の対象だと思いますよね。実際、2回目の処方箋を持って行った薬局もその処方に対して疑義照会をしましたが、医師がその飲み方でよいと指示を出したため、それに従って調剤をしたとのことです。こうなるとそれなりに根拠がないと医師にも患者さんにも意見を言いづらいため、アジスロマイシンの6日間投与について調べてみました。添付文書の用法・用量に関連する使用上の注意の項には、「4日目以降においても臨床症状が不変もしくは悪化の場合には、医師の判断で適切なほかの薬剤に変更すること」とあります。また、薬物動態の項には、半減期が長く分布容積が大きいことから、服用8日目でも十分な組織濃度を保つと書かれています。そもそも、血中から薬剤が消失した後も組織にとどまり効果が持続するので1日製剤や3日製剤があるわけですが、副作用も同様に持続する可能性があるため注意が必要です。アジスロマイシンのインタビューフォームには、米国では5日間投与(初日500mg 1日1回、2~5日目250mg 1日1回)、英国など欧州諸国では3日間投与が適応となっている、とありますが、6日間投与の記載はありません。そうなると、たまたま疑義照会を受けた医師が誤って変更を却下した可能性も否めませんが、イレギュラーな服用方法の論文も調べてみました。1つ目が、上記の患者さんと対象疾患は異なりますが、急性副鼻腔炎に対して、アジスロマイシン500mg/日を1日1回3日間服用(AZM-3)または6日間服用(AZM-6)と、アモキシシリン500mg/クラブラン酸塩カリウム125mgを1日3回10日間服用(AMC)の群に分けた二重盲検ランダム化比較試験です1)。アジスロマイシン6日間服用群を設定しているのは、日数に幅を持たせて最適な服用スケジュールを見いだすという意図のようです。主解析項目は、急性細菌性副鼻腔炎症状の改善でした。急性副鼻腔炎症状を呈している合計936例の患者をランダムに上記3群に振り分け(AZM-3:312例、AZM-6:311例、AMC:313例)比較したところ、治療終了時の治療成功率はAZM-3:88.8%、AZM-6:89.3%、AMC:84.9%で、試験終了時における治療成功率はAZM-3:71.7%、AZM-6:73.4%、AMC:71.3%でした。AMC投与群の副作用発生率は51.5%であり、AZM-3(31.1%、p<0.001)またはAZM-6(37.6%、p<0.001)よりも高いという結果でした。最も多かったのが下痢で、吐き気、腹部膨満感と続き、副作用による中止はAZM-3で7例、AZM-6で11例、AMCで28例でした。6日間投与が検討されていることはわかりましたが、効果と副作用のバランスをみると、あえて6日間も服用する必要性はなさそうです。アジスロマイシンを長期服用して安全性に影響なし?次に、気管支拡張症に対するアジスロマイシンの予防的投与についてです2)。またしても今回の患者さんとは対象疾患が異なる試験ですが、痰、咳、肺炎などが症状として出やすい疾患ですので、こちらのほうが患者像は近そうです。1999年2月~2002年4月に外来を受診し、以下の基準を満たした患者でアジスロマイシンの予防的投与が検討されています。CTスキャンで気管支拡張症と診断されたほかの原因となりうる要因に対する対処がなされている過去12ヵ月以内に4回以上の経口または静脈投与の抗菌薬治療を必要とする感染性の増悪エピソードあり慢性症状のコントロール不良 などマクロライドアレルギー例や肝機能異常例は除外され、平均年齢51.9歳(範囲18~77)の39例が組み込まれました。投与スケジュールは、500mgを1日1回6日間服用し、次に250mgを1日1回6日間服用し、その後は250mgを毎週月曜日/水曜日/金曜日服用するという、これはこれでまたイレギュラーなスケジュールです。治療開始1ヵ月後に血液検査を実施し、肺機能検査は開始後少なくとも4ヵ月後までに行っています。少なくとも4ヵ月の治療を完了した33例において、経口抗菌薬を必要とする感染性増悪エピソードが1ヵ月当たり平均0.71から0.13まで有意に減り(p<0.001)、抗菌薬の静脈内投与の必要量も月平均0.08から0.003へと有意に減少し(p<0.001)、肺機能パラメータも改善傾向がみられています。副作用による中止は、肝機能低下2例、下痢2例、発疹1例、耳鳴り1例で、すべてが治療初月に発生しています。そのほかの副作用は軽度なものばかりで、主に胃腸症状でした。アジスロマイシンを予防的投与として長期間服用しても、安全性には特段の問題はなさそうですが、こちらの論文も6日間投与の有用性に強い根拠を持てるものではなく、結局医師の意図はわかりませんでした。実はその後、いろいろ調べたものの、正当と思える理由が見つからないまま処方医へ再確認したところ、追加の3日分は服用なしとなったというオチがあります。いろいろと論文を読んで調べてもそういうときもあります。調べたことは無駄にはなりませんし、調べてもわからないことがあると知ったことに意味があったのかもしれません。1)Henry DC, et al. Antimicrob Agents Chemother. 2003;47:2770-2774.2)Davies G, et al. Thorax. 2004;59:540-541.3)ジスロマック錠 添付文書 2018年10月改訂(第24版)・インタビューフォーム 2018年12月改訂(第22版)

19465.

リキッドバイオプシーの次なる展開は?【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第7回

第7回 リキッドバイオプシーの次なる展開は?1)Rothwell DG, et al. Utility of ctDNA to support patient selection for early phase clinical trials: the TARGET study. Nat Med. 2019;25:738-743.その他、参考文献としてLeighl NB, et al. Clinical Utility of Comprehensive Cell-free DNA Analysis to Identify Genomic Biomarkers in Patients with Newly Diagnosed Metastatic Non-small Cell Lung Cancer. Clin Cancer Res. 2019 Apr 15. [Epub ahead of print]Akamatsu H, et al. Clinical significance of monitoring EGFR mutation in plasma using multiplexed digital PCR in EGFR mutated patients treated with afatinib (West Japan Oncology Group 8114LTR study). Lung Cancer. 2019;131:128-133.Lin CC, et al. Outcomes in patients with non-small-cell lung cancer and acquired Thr790Met mutation treated with osimertinib: a genomic study. Lancet Respir Med. 2018;6:107-116.Blakely CM, et al. Evolution and clinical impact of co-occurring genetic alterations in advanced-stage EGFR-mutant lung cancers. Nat Genet. 2017;49:1693-1704.Chae YK, et al. Detection of Minimal Residual Disease Using ctDNA in Lung Cancer: Current Evidence and Future Directions. J Thorac Oncol. 2019;14:16-24.Bettegowda C, et al. Detection of circulating tumor DNA in early- and late-stage human malignancies. Sci Transl Med. 2014;19;6:224ra24.肺がん領域ではEGFR-TKI耐性例におけるT790M変異検出目的で広く浸透したリキッドバイオプシー。最近では毎月のように論文発表がなされているが、今後どのような方向性が検討されているのか。最近の研究を基に解説する。1)について英国での前向き研究。2つのパートからなり、今回はリキッドバイオプシーの忍容性を組織診断と比較したパートA部分(100例)が報告された。他の検討項目として、cell-free DNA(以下、cfDNA)解析結果の信頼性、結果報告までの日数、臨床応用の可能性、費用が挙げられている。対象は進行期悪性腫瘍で、患者数の多い順に大腸がん、乳がん、非小細胞肺がん、原発不明がんとなっている(これらの合計が67例)。過去の化学療法歴の中央値は2であった。がん関連遺伝子641個を収載したパネルを用い、cfDNA検体の解析成功率は99%、組織検体の成功率は95%であった(late lineの患者が多く含まれていることもあり、組織検体の採取時期がやや古い:2/3の患者で1年以上前、36%の患者で3年以上前)。結果報告までの日数中央値は、cfDNAで33日(範囲20~80日)、組織検体で30日と、かなり遅い印象である。組織検体と血液検体の一致率(変異陰性例も含む)は74.5%。約2割では組織で検出された変異が血液では確認できなかった。何らかの変異が確認されたのは41例。乳がん、原発不明がん、小細胞肺がんでは80%以上の症例で変異陽性とされたが、まったく変異が陰性のがん腫もあり、がん種による陽性率の差が示唆されている。変異陽性例では対応する阻害剤の第I相試験に参加可能であったが、確認された41例のうち参加者は11例にとどまった(17例では施設で該当治験がなかったことが不参加の理由)。11例の奏効率は36%。非小細胞肺がん患者では13例中9例(69%)で何らかの変異が検出され、4例がEGFR阻害剤、1例がMEK阻害剤を投与された。解説多くのドライバー変異が同定され、それぞれに対応する分子標的薬がすでに保険承認されている肺がんと異なり、他がん腫ではバイオマーカーの同定、薬剤開発に苦労しているものもある。そのような状況において、低侵襲に広範囲な変異を確認できるリキッドバイオプシーの実用可能性を示したのが本論文である。ただし現場ではHER2/HER3変異陽性例に対するneratinibのバスケット試験(Hyman DM. Nature. 2018.)のように、cfDNAの結果のみでも参加可能な試験が増えており、診断精度という観点ではそれほど新規性が高いわけではない。ただし肺がんにおいてもオシメルチニブやALK阻害剤の多彩な耐性機序などが昨今明らかになっており、リキッドバイオプシーを用いた臨床研究の実現可能性や介入の対象などはより多くの議論が交わされていくと思われる。臨床への応用という観点で、本論文における1ヵ月という結果報告までの時間(turn-around time:TAT)はとても厳しいと思われるが、Guardant360を用いたLeighlらの最近の報告(Leighl NB. Clin Cancer Res. 2019.)では導入が進むにつれTATが短縮し、最終的な中央値は9日とされている。「近い将来、どのような対象について介入が必要か」であるが、昨今注目されている話題の1つは慢性骨髄性白血病(CML)など血液腫瘍で実地応用されている治療早期のmolecular responseが長期予後を予測するという知見であり、肺がんでも国内外を問わず、すでに多数の報告が出そろっている(Akamatsu H, Lung Cancer. 2019.、Lin CC, Lancet Respir Med. 2018.)。また早期症例も含め、リキッドバイオプシーを用いた再発予測が画像より早期に可能ではないか、という指摘も多くなされており(Blakely CM, Nat Genet. 2017.)、これらに対する介入が検討されている(ChaeYK, J Thorac Oncol. 2018.)。一方で、cfDNAの陽性率が進行期においても腫瘍量に比例することはかなり前から示されており(Bettegowda C, Sci Transl Med. 2014.)、本研究でも2割では組織検体でのみ変異が検出されていることに注意は必要である。リキッドバイオプシーは測定・結果返却のシステムさえ整えば、(費用は別として)臨床でのハードルが高くないため、今後はより多数例の大規模な解析が報告されると思われる。本論文の後半で示されているが、彼らはそうした情報をwebで共有する計画を進めており(eTARGET)、将来的にこうしたデータベースを基にした研究・臨床への応用が準備されているようである。適切なバイオマーカーを有する患者に対する分子標的薬の効果の高さは皆が認めるところであり、本邦でも早急にこのような試みが検討されるべきであろう。

19466.

焦点性てんかん重積状態に対する薬理学的治療のレビュー

 てんかん重積状態(SE)は、罹患率や死亡率が高く、神経学的に急を要する。SEのタイプは、予後因子の1つであるといわれている。スペイン・Hospital Universitario Severo OchoaのN. Huertas Gonzalez氏らは、SE治療に関連するさまざまな学会や専門家グループの最新レコメンデーションおよび最新研究を分析し、焦点性SEのマネジメントに関する文献を評価した。Neurologia誌オンライン版2019年5月7日号の報告。 2008年8月~2018年8月に公表された成人の焦点性SEおよび他のタイプの薬理学的治療に関する研究をPubMedより検索した。 主な結果は以下のとおり。・SEの治療に関連するレビュー、治療ガイドライン、メタ解析、臨床試験、ケースレポートより、29件の出版物を特定した。・焦点性SEと全般性SEについて説明した報告は、3件だけであった。4件は焦点性SEのみに焦点が当てられており、7件はけいれん性と非けいれん性を分類し、焦点発作の有無を記録していた。・焦点性SEに対する推奨治療は、ステージI、IIの全般性SEに対する治療と変わらなかった。【静脈内投与可能な場合】ロラゼパムまたはジアゼパムの静脈内投与【静脈内投与不可能な場合】ミダゾラム筋肉内投与【発作が継続する場合】フェニトイン、バルプロ酸、レベチラセタム、ラコサミドの静脈内投与・難治性焦点性SE患者では、麻酔薬の使用をできるだけ遅らせるべきである。 著者らは「入手可能なエビデンスでは、焦点性SEに対する薬理学的治療は、全般性SEと異なるべきであることを示唆するには不十分である。より多くの患者を対象とした、さらなる研究が求められる」としている。

19467.

日本人男女の喫煙と膵がんリスク~35万人の解析

 喫煙と膵がんリスクの関連はすでによく知られているが、アジアの大規模集団における詳細な前向き評価は少ない。今回、愛知県がんセンターの小栁 友理子氏らが、日本人集団における10研究をプール解析したところ、喫煙と膵がんリスクの関連に男女差がある可能性が示され、男性では禁煙が膵がん予防に有益であることが示唆された。Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌オンライン版2019年5月21日号に掲載。 本研究では、10の集団ベースのコホート研究のプール解析を行った。各研究のハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)についてCox比例ハザード回帰を用いて計算し、これらの推定値をランダム効果モデルと統合して要約HRを推定した。 主な結果は以下のとおり。・35万4,154人における469万5,593人年の追跡調査の間に、1,779人で膵がんが発症した。・男性(HR:1.59、95%CI:1.32~1.91)、女性(HR:1.81、95%CI:1.43~2.30)の両方で、生涯非喫煙者に比べて現在喫煙者で膵がんリスクが高かった。・環境中のタバコ煙曝露に関係なく、過去喫煙者や20pack-years以下の蓄積量でも、女性では有意に膵がんリスクが高かった。・傾向分析において、男性では10pack-yearsごとに膵がんリスクが有意に6%増加し、女性では有意ではないが6%増加した。・男性では、禁煙後5年で、膵がんリスクは生涯非喫煙者と同程度になったが、女性では禁煙によるリスク減少はみられなかった。

19468.

COPDの増悪頻度に抗IL-5抗体の追加は影響せず/NEJM

 中等度~きわめて重度の慢性閉塞性肺疾患(COPD)で、頻回の中等度または重度の増悪既往がある好酸球数220個/m3以上の患者において、抗インターロイキン-5受容体αモノクローナル抗体benralizumabのアドオン療法は、プラセボと比較してCOPD増悪の年率頻度を減少しないことが示された。米国・テンプル大学のGerard J. Criner氏らが、それぞれ1,000例超のCOPD患者を対象にした2つの第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「GALATHEA試験」と「TERRANOVA試験」の結果を、NEJM誌2019年5月20日号で発表した。benralizumab 10~100mgを投与 GALATHEA試験とTERRANOVA試験では、臨床ガイドラインにのっとった吸入治療を受けているが頻繁に増悪を有するCOPD患者、それぞれ1,656例、2,254例を対象に試験を行った。好酸球数(220/m3以上 vs.220/m3未満)に基づく被験者比率は約2対1で、220/m3以上の被験者はそれぞれ1,120例、1,545例だった。 GALATHEA試験では被験者を無作為に3群に分け、benralizumab 30mg、同100mg、プラセボをそれぞれ投与した。TERRANOVA試験では、被験者を無作為に4群に分け、benralizumab 10mg、同30mg、同100mg、プラセボをそれぞれ投与した。投与は、初回から3回目までは4週ごと、その後は8週ごとに行った。 主要エンドポイントは、被験者のうちベースライン時の好酸球数220/m3以上群の、56週時点におけるCOPD増悪率比だった。COPD増悪率、benralizumab群で減少せず GALATHEA試験、TERRANOVA試験ともに、benralizumab群のプラセボ群に対するCOPD増悪率に有意差はなかった。 GALATHEA試験では、COPD増悪率はbenralizumab 30mg群が年率1.19(95%信頼区間[CI]:1.04~1.36)、100mg群1.03(同:0.90~1.19)、プラセボ群1.24(同:1.08~1.42)だった。対プラセボ群のCOPD増悪率比は、30mg群が0.96(p=0.65)、100mg群が0.83(p=0.05)と、有意差はなかった。 TERRANOVA試験でも、COPD増悪率は、benralizumab 10mg群が年率0.99(95%CI:0.87~1.13)、30mg群1.21(同:1.08~1.37)、100mg群1.09(同:0.96~1.23)で、プラセボ群1.17(同:1.04~1.32)だった。対プラセボ群のCOPD増悪率比は、それぞれ0.85(p=0.06)、1.04(p=0.66)、0.93(p=0.40)と、有意差はなかった。 なお、有害事象のタイプおよび頻度についても、benralizumab群とプラセボ群は類似していた。

19469.

中等症~重症ARDS、早期神経筋遮断薬は無益か/NEJM

 中等症~重症の急性呼吸促迫症候群(ARDS)患者において、早期cisatracurium持続注入と深鎮静を行っても、ルーチンの神経筋遮断を行わず目標鎮静深度がより浅い通常治療を行った場合と比べて、90日院内死亡リスクは減少しないことが示された。米国・国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)が資金援助するPETALネットワーク(Clinical Trials Network for the Prevention and Early Treatment of Acute Lung Injury)が、1,000例超の患者を対象に行った無作為化比較試験で明らかにした。NEJM誌2019年5月19日号掲載の報告。両群ともに高PEEP時の戦略を含む人工呼吸管理を実施 研究グループは、中等症~重症のARDS患者(動脈酸素分圧/吸入酸素濃度比150mmHg未満、呼気終末陽圧[PEEP]8cmH2O以上と定義)を無作為に2群に分け、一方にはcisatracuriumの48時間持続注入と深鎮静を同時に行い(介入群)、もう一方にはルーチンの神経筋遮断は行わず目標鎮静深度がより浅い通常治療を行った(対照群)。人工呼吸管理に関する方針は両群で同一で、高PEEP戦略などを含んでいた。 主要エンドポイントは、90日時点のあらゆる院内死亡だった。90日院内死亡率、両群ともに約43% 本試験は、無益性を理由に2回目の中間解析後に中止となった。 2016年1月~2018年4月に、米国48病院で4,848例がスクリーニングを受けて、中等症~重症のARDSで、発症後間もない(発症後の経過時間の中央値7.6時間)1,006例が主要解析に包含された。 無作為化後48時間以内にcisatracuriumの持続注入を行ったのは、介入群501例中488例(97.4%)で、注入時間中央値は47.8時間、投与量中央値は1,807mgだった。対照群で48時間以内に神経筋遮断薬を投与されたのは、505例中86例(17.0%)で投与量中央値は38mgだった。 90日院内死亡率は、介入群42.5%(213例)、対照群42.8%(216例)であり、両群で同等だった(群間差:-0.3ポイント、95%信頼区間[CI]:-6.4~5.9、p=0.93)。 なお入院中、介入群は対照群に比べ身体活動度が低く、有害心血管イベントの発生率が高かった。3、6、12ヵ月時点に評価したエンドポイントに関する群間差は一貫して認められなかった。

19470.

026)令和?平成? 院内の元号論争【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第26回 令和元年?平成31年? 院内の元号論争しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆いよいよ令和に入りましたが、職場での元号切り替えはスムーズにいきましたでしょうか!? デルぽんの勤務先の電子カルテはつつがなく移行し、各種書類の「平成」部分も、手書きで粛々と「令和」に訂正している次第です。さて、令和フィーバーも落ち着いてきたある日のこと。デルぽんが外来で書類仕事をしていると、ふとナースたちの雑談が聞こえてきました。話によると、院内の書類は基本「令和」で作成することに決定。ただし、看護部にまつわる書類だけは「平成」のまま作成するとのこと。令和元年は平成で統一させたかった看護部長が、「看護部だけでも平成でいく!」と独断で決めたようです。現場のナースたちは戸惑っているようでした。デルぽんは直接関わりのないことですが、「どこでも少なからずこういう意見の不一致はあるよな~」と感じた次第です。ちなみに、改元日以降に作成する文書ですが、平成のままでも有効なようです1)。デルぽんは院内の決まりに従い、提出書類は適宜「令和」に訂正するつもりですが、必ずしも直す必要はないのですね。今回の件で、ひとつ勉強になりました。改元は、何度も経験することではないですから、なるべく混乱を避けた対応が求められますね。院内の元号論争が平和的に解決されますように!それでは、また~☆参考1)改元に伴う元号による年表示の取扱いについて(平成31年4月1日新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議申合せ)

19471.

第21回 救急外来に担ぎ込まれた外傷の症例1【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は、外傷(ケガ)の症例を呈示します。身体の表面の外傷だけではなく、外傷による脳出血や内臓の損傷、それから骨折などに対する根本的な治療は外科医が専門ですが、内科医も外傷の初期診療に携わることがあります。外科医の持っている手術などの技術のない内科医が、どのようなことに注意しながら外傷の初期診療を行っているか、薬剤師の皆さんにご紹介したいと思います。プロローグ本日、薬剤師のあなたは研修の目的で病院へとやってきました。研修を終えたあなたは、病院内の見学を許可され、救急外来に入ってきたところです。「最近具合が悪くて病院に搬送した患者さんが多いけど、救急外来ってどんなところなのかしら...」患者さんHの場合◎経過──1「おい!痛いって言ってるだろ!なにするんだ!やめろ!」(え!?)そんな声が聞こえてからまもなく、ストレッチャーに横たわった男性が救急外来に担ぎ込まれてきました。周りには医師や複数の看護師がいます。医師の名札には「内科」と書かれていました。運ばれてきた男性は大声で叫んでおり、ストレッチャーの上で起きあがろうとしたり、暴れたりしています。「大丈夫ですか!?ここは病院ですからね!ケガの状態をみますよ!」「うるさい!こら!痛いじゃないか!放せ!」複数の看護師や内科医は男性を押さえつけながら、衣服を脱がせ、心電図モニターや血圧計を装着しています。見ると、左下腿は変形し、実際に骨折した人を見たことのないあなたでも明らかに骨折していることがわかりました。(何?どうなってるの!?)モニター画面に映し出されたバイタルサインと意識レベルは表1の通りです。(あ、SpO2が低下している...!)あなたがそう思ったその時、「待機の外科と整形外科に連絡して」内科医がそう言うと、1人の看護師が電話機の方に向かいました。◎経過──2内科医が、ケガをした状況を目撃していた病院の職員から情報を聞きつつ、診療にあたっています。「酸素10Lで開始、静脈路確保して(生理食塩液の)点滴を全開で」《男性が受傷したところを目撃した病院職員からの情報》24歳の男性です。委託の清掃会社で働いています。先程、病院の窓の清掃中に、2階の窓から転落しました。足から落ちたのですが、花壇の縁石に左胸をぶつけたようです。目撃した職員が、すぐ近くを通りかかった医師を呼び止め、すぐに病院のスタッフを集めてストレッチャーで救急外来に運びました。内科医は、変形した左足を横目に、脈をとりながら胸や腹部の診察を行っています。傍らには超音波の機器が置いてあり、放射線技師がポータブルで胸部と骨盤のレントゲンを撮影し終わりました。「何やってんだ!痛いのはそこじゃない!足が痛いんだ...!」そう叫び終えるとその男性は1度嘔吐しました。するとまもなく静かになり暴れなくなりました。(やっと落ち着いたのかしら...)遠くで見ていたあなたはちょっと安心しました。しかし、そんなあなたとは対照的に、救急外来は慌ただしさを増し、内科医が指示を出しています。「メス、トロッカー※1、(気管)挿管の準備をはじめて!静脈路をもう1か所確保して!!」モニターに目を移したあなたは背筋がゾッとしました〈表2〉。※1:胸腔ドレナージチューブのことPrimary surveyとSecondary surveyとTertiary survey第2回バイタルサインの測定法で述べた通り、急を要するときというのは、気道・呼吸・循環に異常がある場合です。その評価をする目的でバイタルサインと呼ばれる5つの生命徴候(呼吸・脈拍・血圧・体温・意識レベル)をチェックします。これらの生理学的徴候に異常を来している場合に急を要すると判断しますが、これは、内因性の疾患(病気)に限らず外傷の診療でも同じことが言えます。外傷患者に対する初期診療は、3段階に分かれます。第1段階はprimary surveyと呼ばれ、生命を維持するのに必要な生理機能(気道・呼吸・循環・中枢神経)の評価と治療を行います。もしこの段階で異常があれば、この時点でどの臓器にどんな外傷がどの程度あるのかなど具体的に診断できていなくても、直ちに生命徴候の異常を改善するように治療を開始します。上記の生理機能が安定すれば、次は第2段階secondary surveyに移ります。詳しく受傷の状況や病歴などを確認し、頭からつま先、背部に至るまでくまなく全身の診察を行いCTなどの画像診断を含め各種検査を行って、どの臓器にどんな外傷がどの程度あるのかを具体的に検索します。もちろんこの段階で生命徴候の異常が出現すれば、primary surveyに逆戻りします。そして第3段階のtertiary surveyでは、見落としがないかどうかを再度確認します。初期診療においては、生命を維持するのに必要な生理機能の異常を素早く察知して、その異常を正常化させること(primary surveyとその段階での初期治療)が救命のために大切であることを強調したいと思います。

19472.

一般内科医が知っておきたい他科の基本処置

このコンテンツは、離島・へき地医療に従事する医師をサポートするゲネプロの協力のもと、プライマリケアに従事する医師が身に付けるべき基本手技をお届けするスペシャル・プログラムです。なかなか接することのない他科の基本手技で、日常診療で役立つ手技を、この機会に学習ください。

19473.

第1回 耳鼻科の手技 その1【一般内科医が知っておきたい他科の基本処置】

第1回 耳鼻科の手技今回の耳鼻科編では、「耳道の診察と耳垢・異物のクリーニング」と「鼻出血の止血処置」の2つの手技を学習します。「耳道の診察と耳垢・異物のクリーニング」では、おなじみの耳の解剖図をもとに診察時にどのように、どこを診るか、処置するときに気を付けるポイント、処置時のコツなど臨床の最前線で活躍する医師の知恵満載でお届けします。一見簡単そうな「鼻出血の止血処置」では、世間で言われている間違った方法に警鐘を鳴らし、本当に止血できる処置の手技をコンパクトに解説します。解説は飯塚 崇氏(高野台いいづか耳鼻咽喉科 院長)、監修はへき地・離島医療の助っ人ゲネプロ。【耳鼻科編 1】耳道の診察と耳垢・異物のクリーニング

19474.

日本におけるADHD児に対する薬物療法の変化

 東北大学の吉田 眞紀子氏らは、日本におけるADHD児に対する薬物療法の傾向について調査を行った。Journal of Attention Disorders誌オンライン版2019年5月5日号の報告。 2005年1月~2015年12月の健康保険請求データ367万2,951例を用いて、ADHD児7,856例の薬物治療の傾向を調査した。 主な結果は以下のとおり。・2007年に承認されたメチルフェニデート徐放性製剤の処方割合は、2009年で31.4%に達し(調整オッズ比[AOR]:2.72、95%信頼区間[CI]:2.12~3.51)、その後は頭打ちとなった(AOR:0.96、95%CI:0.94~0.98)。・アトモキセチンの処方割合は、2008年の6.1%から2014年には21.8%に上昇した(AOR:1.12、95%CI:1.13~1.18)。・アリピプラゾールおよびラメルテオンの処方割合が増加していた(傾向のp<0.001)。 著者らは「ADHD児に対する薬物療法に変化が認められた。ADHD児に使用される治療薬の安全性を監視する必要がある」としている。

19475.

食塩摂取と肥満の関連~日本と中国・英国・米国

 食塩摂取が過体重や肥満の独立した危険因子である可能性が、いくつかの研究で報告されている。しかし以前の研究では、1日食塩摂取量を推定するために24時間蓄尿ではなく単回尿や食事思い出し法を用いていること、単一国や単施設のみの集団でのサンプルといった限界があった。今回、中国・西安交通大学のLong Zhou氏らは、International Study of Macro-/Micro-nutrients and Blood Pressure(INTERMAP研究)のデータから、日本、中国、英国、米国における、2回の24時間蓄尿で推定した食塩摂取量とBMI(kg/m2)および過体重/肥満の有病率の関係を調査した。その結果、日本、中国、英国、米国のすべてで、食塩摂取量がBMIおよび過体重/肥満の有病率と関連することが示された。The American Journal of Clinical Nutrition誌オンライン版2019年5月21日号に掲載。 本研究は、日本(1,145人)、中国(839人)、英国(501人)、米国(2,195人)における40~59歳の男女4,680人の横断研究のデータを用いた。食塩摂取量とBMIの関連における回帰係数(β)の計算は一般線形モデルを使用した。食塩摂取量が1日当たり1g多い場合の過体重/肥満のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を、多変量ロジスティック回帰モデルを用いて調べた。 主な結果は以下のとおり。・エネルギー摂取量を含む潜在的な交絡因子を調整した場合、食塩摂取量が1日当たり1g多いとBMIは日本で0.28、中国で0.10、英国で0.42、米国で0.52高かった。・食塩摂取量が1日当たり1g多いと、過体重/肥満のオッズは日本で21%、中国で4%、英国で29%、米国で24%高く、すべてp<0.05であった。

19476.

グルコサミン、心血管イベントを抑制/BMJ

 変形性関節症の痛みを軽減するためのグルコサミンの習慣的な補充療法が、心血管疾患イベントのリスクを低減しており、とくに喫煙者でその効果が高い可能性があることが、米国・テュレーン大学のHao Ma氏らによる前向きコホート研究で明らかとなった。研究の成果はBMJ誌2019年5月14日号に掲載された。グルコサミン補助剤を用いる補充療法は、変形性関節症の治療で一般的に使用されているが、疾患や関節痛の軽減への効果は議論が続いている。その一方で、最近の動物実験やヒトの横断研究により、心血管疾患の予防や死亡率の抑制において役割を担う可能性が示唆され、前向き研究のエビデンスが求められている。英国のUKバイオバンクのデータを前向きに解析 研究グループは、習慣的なグルコサミンの使用と心血管疾患イベントの関連の評価を目的に、前向きコホート研究を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成による)。 解析には、英国のUKバイオバンク(2006~10年に、年齢40~69歳の約50万人を登録)のデータを用いた。ベースライン時に、心血管疾患がなく、グルコサミンを含む補助剤の使用に関する質問票に回答した参加者46万6,039例を、2016年まで追跡した。 主要アウトカムは、心血管疾患イベント(心血管疾患による死亡、冠動脈疾患、脳卒中)の新規発生とした。心血管疾患イベント15%低下、喫煙者の有効性は偶然の可能性も グルコサミン使用群は8万9,985例(19.3%、平均年齢58.9[7.1]歳、女性63.6%)、非使用群は37万6,054例(80.7%、55.6[8.2]歳、54.0%)であり、使用群は年齢が高く、女性が多かった。 追跡期間中央値は7年で、この間に1万204件の心血管疾患イベントが新たに発生し、このうち心血管疾患による死亡が3,060件、冠動脈疾患イベントが5,745件、脳卒中イベントは3,263件だった。 年齢、性別、BMI、人種、生活習慣(喫煙、飲酒、身体活動など)、食事摂取、薬剤使用、他の補助剤使用などで調整すると、グルコサミン使用により、心血管疾患イベントが15%有意に低下した(補正後ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.80~0.90、p<0.001)。 また、心血管疾患による死亡は22%(補正後HR:0.78、95%CI:0.70~0.87、p<0.001)、冠動脈疾患イベントは18%(0.82、0.76~0.88、p<0.001)、脳卒中イベントは9%(0.91、0.83~1.00、p=0.04)、それぞれ有意に減少した。 さらに、冠動脈疾患は、非致死的(補正後HR:0.84、95%CI:0.77~0.91、p<0.001)および致死的(0.70、0.59~0.85、p<0.001)の双方が、グルコサミンにより有意に低下した。一方、脳卒中では、非致死的、致死的、虚血性、出血性のいずれにも有意差は認めなかった。 層別解析では、グルコサミンの使用と喫煙には、心血管疾患および冠動脈疾患に関して、有意な相互作用がみられた。すなわち、グルコサミン使用群のうち、元喫煙者で心血管疾患が15%(補正後HR:0.85、95%CI:0.79~0.94)、生涯非喫煙者で12%(0.88、0.82~0.97)、それぞれ低下したのに対し、現喫煙者では26%(0.74、0.63~0.87)と、さらにリスクが低下していた(pinteraction=0.02)。同様に、冠動脈疾患は、元喫煙者で18%(0.82、0.73~0.93)、生涯非喫煙者で12%(0.88、0.79~0.99)、現喫煙者では37%(0.63、0.51~0.79)と低下した(pinteraction=0.004)。現喫煙者での効果は、元喫煙者や生涯非喫煙者よりも強力だった。 著者は、「喫煙者での良好な結果は、偶然による可能性を排除できない」としたうえで、「喫煙者は炎症レベルが高いとされ、炎症ストレスが大きい集団では抗炎症薬の効果が高いとの仮説があることから、グルコサミンと喫煙の相互作用は生物学的にはありえると考えられる」と考察している。

19477.

IV期NSCLCに対するEGFR-TKIと放射線療法の併用

 EGFR変異を有するIV期の非小細胞肺がん(NSCLC)における1次治療として、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)と胸部放射線療法を組み合わせた有効性と安全性が、前向き研究により検討された。 今回、中国・Xinqiao Hospitalがん研究所のLinPeng Zheng氏らが行った研究結果は、The oncologist誌オンライン版2019年4月30日号に掲載された。末期NSCLCにおける1次治療としてのEGFR-TKIと胸部放射線療法の併用は、原発性肺病変の長期管理を可能にするかもしれない。EGFR-TKIと胸部放射線療法の併用による客観的奏効率は50% 本試験は、当該施設において2015年1月~2018年3月までに401例の患者がスクリーニングされ、そこから抽出された10例の患者(男女各5例)を対象に行われた単群第II相臨床試験。 各患者は、EGFR-TKI療法の開始から2週間以内にEGFR-TKI(エルロチニブ150mg/日またはゲフィチニブ250mg/日)と胸部放射線療法(54~60Gy/27~30F/5.5~6週間)を受け、疾患の進行または治療継続が困難な有害事象のいずれかが現れるまで治療が続けられた。 IV期のNSCLC治療におけるEGFR-TKIと胸部放射線療法の併用を評価した主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は55歳(40〜75歳)、追跡期間の中央値は19.8ヵ月(5.8〜34ヵ月)だった。・1年間の無増悪生存率は57.1%、PFS中央値は13ヵ月、照射病変の進行までの期間中央値は20.5ヵ月だった。・客観的奏効率は50%であり、疾病コントロール率は100%だった。・Grade3以上の有害事象は、放射線肺臓炎(20%)および発疹(10%)だった。そのうち1例が肺炎の治療を拒否した後死亡したが、他の患者たちの肺臓炎は良好に管理され、再発しなかった。

19478.

肺がん 海外学会レポート

ASCO、ESMOの重要トピックを紹介ASCOESMOASCO2019現地シカゴからオンサイトレビュー06/05 ASCO2019現地速報 肺がん(2)06/04 ASCO2019現地速報 肺がん(1)2018現地シカゴからオンサイトレビュー06/04 ASCO2018現地速報 肺がん(1)06/04 ASCO2018現地速報 肺がん(2)会員聴講レポート06/13 ASCO2018肺がん会員聴講レポートESMO2019現地バルセロナからオンサイトレビュー10/02 ESMO2019レポート現地速報 肺がん2018現地ミュンヘンからオンサイトレビュー10/24 ESMO2018レポート現地速報 肺がん会員聴講レポート11/26 ESMO2018レポート 肺がん

19479.

慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー〔CIDP:chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy〕

1 疾患概要■ 概念・定義慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy: CIDP)は、2ヵ月以上にわたる進行性、または再発性の経過を呈し、運動感覚障害を特徴とする免疫介在性の末梢神経疾患(ニューロパチー)である。診断は、主に臨床所見と電気生理所見に基づいて行われ、これまでにいくつかの診断基準が提唱されている。とくに有名なものとして、“American Academy of Neurology(AAN)”の診断基準と“European Federation of Neurological Societies/Peripheral Nerve Society(EFNS/PNS)”の診断基準の2つがあり、現在はEFNS/PNSの診断基準が頻用されている。■ 疫学わが国におけるCIDPの有病率と発症率は、EFNS/PNSの診断基準より以前に作成されたAANの診断基準を採用した調査によると、それぞれ10万人当たり1.61人と0.48人であった。AANの診断基準は、現在頻用されているEFNS/PNSの診断基準と比較すると、より厳格で感度が低いことから、実際の患者数はさらに多いと考えられる。■ 病因自己免疫性の機序が推測されているが、後述するように多様な病型が存在し、複数の病態が関与していると考えられており、詳細は明らかになっていない。病理学的にはマクロファージが、末梢神経系の髄鞘を貪食することによって生じる脱髄像が本疾患の特徴であり、髄鞘の障害が神経の伝導障害を引き起こすと考えられてきた(図1)1)。近年、CIDP患者の1割程度で、傍絞輪部の髄鞘終末ループと軸索を接着させる機能を持つneurofascin 155とcontactin 1に対する抗体が陽性となることが明らかになった。これらの抗体陽性例では、マクロファージによる髄鞘の貪食像がみられず、抗体の沈着によって傍絞輪部における髄鞘の終末ループと軸索の接着不全が生じることが明らかにされている(図2)2)。一方、古典的なマクロファージによる脱髄と関連した自己抗体はいまだ明らかになっていない。画像を拡大する髄鞘を囲む基底膜(矢頭)内に入り込んだマクロファージ(M印)の突起(矢印)が髄鞘を破壊している。有髄線維の軸索を★印で示す。腓腹神経生検電顕縦断像。酢酸ウラン・クエン酸鉛染色。Scale bar=1μm。画像を拡大する髄鞘の終末ループと軸索の間隙を矢印で、有髄線維の軸索を★印で示す。腓腹神経生検電顕横断像。酢酸ウラン・クエン酸鉛染色。Scale bar=0.3μm。■ 症状現在頻用されているEFNS/PNS診断基準では、2ヵ月以上にわたる慢性進行、階段状増悪、あるいは再発型の経過を呈し、四肢対称でびまん性の筋力低下と感覚異常を来すものを典型的CIDP(typical)と定義している。典型的CIDPでは感覚障害よりも運動障害が目立つ場合が多く、自律神経症候は通常みられない。感覚障害に関しては、四肢のしびれ感を自覚する場合が多いが、痛みを訴えることは少ない。CIDPに類似した症状を有する患者で痛みを訴える場合は、リンパ腫やPOEMS症候群や家族性アミロイドポリニューロパチーなどの他疾患の可能性を考慮して、精査を進める必要がある。また、次に述べるような左右非対称や遠位部優位の障害分布を呈するCIDP患者も存在する。■ 分類EFNS/PNS診断基準では、先に述べたようなtypical CIDPのほかに、非典型的CIDP(atypical CIDP)として、遠位優位型(distal acquired demyelinating symmetric:DADS)、非対称型(multifocal acquired demyelinating sensory and motor neuropathy:MADSAM)、局所型、純粋運動型、および純粋感覚型の5種類の亜型を挙げている。近年報告されるようになった抗neurofascin 155抗体と抗contactin 1抗体陽性の患者は、typical CIDPかDADSの病型を呈するが、経静脈的免疫グロブリン(intravenous immunoglobulin:IVIg)療法に対して抵抗性であり、感覚性運動失調や振戦が高率にみられるなどの特徴を有し、従来型のCIDPとは異なる一群と考えられるようになってきている。■ 予後多くの患者は免疫治療によって症状の改善がみられるが、再発性の経過をとることが多く、症状が持続することによって軸索障害も生じると考えられている。軸索障害が目立つ患者では、筋萎縮がみられるようになり、免疫治療への反応性が不良であることが知られている。また、治療抵抗性で重度の機能障害に陥ることもあり、なかには呼吸障害や感染症により死亡することもある。一方、短期間の治療で長期間の寛解が得られたり、自然寛解もみられることが知られており、CIDPの予後は多様である。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)先に述べたtypical CIDP、DADS、MADSAM、局所型、純粋運動型、純粋感覚型といった臨床病型に照らし合わせながら、神経伝導検査、脳脊髄液検査、MRIなどの所見を併せて総合的に診断する。EFNS/PNS診断基準では、神経伝導検査所見に基づいた電気診断基準が定められており、伝導速度の遅延、終末潜時の延長、伝導ブロック、時間的分散、F波の異常など、末梢神経の脱髄を示唆する所見を見いだすことが重要である。脳脊髄液検査では、細胞数の増多を伴わない蛋白の上昇、いわゆる蛋白細胞解離がみられる。典型例の神経生検では節性脱髄、再髄鞘化、オニオンバルブなどの脱髄を示唆する所見と神経内鞘の浮腫がみられることがある。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)CIDP患者に対する第1選択の治療としてはIVIg療法、副腎皮質ステロイド薬、血漿浄化療法があり、効果は同等といわれている。IVIg療法は効果の発現が早く、簡便に施行できることから、最初の治療として選択されることが多いが、一定の割合で無効例が存在することと、再発を繰り返す患者も多いことを念頭に置く必要がある。IVIg療法は、1回目に明らかな効果がみられない場合でも、2回目の投与で有効性を示す場合もあることから、無効と判断するには2回までの投与は試みる価値があるとされている。抗neurofascin 155抗体や抗contactin 1抗体陽性の患者は、IVIg療法に対する反応性が乏しい場合が多い反面、副腎皮質ステロイド薬や血漿浄化療法は有効とされている。これらの抗体の主な免疫グロブリンサブクラスはIgG4であり、免疫吸着療法はIgG4を吸着しにくいことを考慮に入れる必要がある。4 今後の展望先に述べたとおりIVIg療法は、効果発現が早く簡便に施行できることから臨床の現場で頻用されているが、再発を生じることが多く、再発の度に繰り返しのIVIg療法を必要とすることも多い。IVIg療法で再発を繰り返す場合には、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬の併用や血漿浄化療法への切り替えやIVIgの追加という選択肢もあるが、再発前にIVIgを定期的に投与する方法、すなわち維持療法の有用性も報告されており、わが国でも承認された。IVIgによる維持療法は疾患の増悪を未然に防ぎ、軸索障害の進行も抑制すると考えられることから、今後広く用いられるようになることが予想される。また、2019年3月に効能が追加され使用できるようになったハイゼントラ皮下注のように高濃度の免疫グロブリン製剤の皮下投与も、CIDPに対して有効であることが示されており、近い将来、治療の選択肢の1つとなることが予想される。5 主たる診療科脳神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 慢性炎症性脱髄性多発神経炎/多巣性運動ニューロパチー(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国CIDPサポートグループ(患者とその家族および支援者の会)1)Koike H, et al. Neurology. 2018;91:1051-1060.2)Koike H, et al. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2017;88:465-473.公開履歴初回2019年5月28日

19480.

保険薬局協会が「公平な調剤報酬」求め要望書を提出【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第25回

「非薬剤師による調剤が可能」と明らかにした「0402通知」の発出、財務省での社会保障の議論など、2020年度診療報酬改定に向けた動きが着々と進んでいます。その報酬改定に関して、日本保険薬局協会(NPhA)が要望書を提出しました。日本保険薬局協会は5月9日、2020年度診療報酬改定に向けた要望書を厚労省に提出したと発表した。2016年度調剤報酬改定以降、一定規模以上の規模の薬局グループに対して調剤基本料の減算の流れが続いていることを「複雑化し、不公正な状況をもたらしている」と指摘。そのうえで、地域支援体制加算の要件について触れ、「各薬局、薬剤師が果たしている機能に応じた公正な調剤報酬に改定するよう」求めた。(2019年5月13日付 ミクスOnline)日本保険薬局協会は、保険薬局が中心となって2004年に設立された団体です。2018年4月時点での会員数(法人数)は、賛助会員を合わせると477法人となっています。日本薬剤師会が、中小の薬局の会員が多く、病院も含めた薬剤師全体の職能団体であるのに対し、日本保険薬局協会は、比較的店舗数が多い中堅以上の保険薬局チェーンを中心とした団体といえます。この日本保険薬局協会が示した地域支援体制加算の要件とはどのようなものなのでしょうか。立地や法人の規模で算定できる地域支援体制加算は「不公平」まず、地域支援体制加算とは、2018年度改定で新設された加算で、それ以前の基準調剤加算を踏襲し、より地域医療に貢献する薬局を評価する目的で新設されたものです。しかし、ふたを開けてみると、調剤基本料1を算定する保険薬局とそれ以外の薬局における難易度には雲泥の差があり、算定の実態から「調剤基本料1を算定しなければ取れない加算」、さらには「調剤基本料1を算定していれば取れる加算」とまでいわれる点数となりました。日本保険薬局協会は、「地域医療への貢献実績がなくても立地や法人の規模で算定できる地域支援体制加算は公平ではない」と指摘し、調剤基本料1以外の場合の既存8要件に「健康サポート薬局」「24時間開局」「地域ケア会議などへの参加」「AMR対策に関する啓発活動」などを加え、そのうち8つの要件を満たすことで算定を可能とすることを要望しています。また、地域支援体制加算以外にも、以下のような要望を提出したと報じられています。かかりつけ薬剤師指導料の算定要件に関して、勤務時間を女性活躍の視点から32時間から30時間に緩和すること調剤基本料を決める処方箋集中率の計算において、在宅関連点数に関わる処方箋を含めること認知症患者に対する在宅業務の重要性を評価する加算制度の創設吸入薬の服薬指導加算の創設医療機関、薬局間におけるプロトコル締結、運用の推進およびその評価薬局薬剤師によるポリファーマシー介入に対する評価ICT技術の活用要は、日本保険薬局協会は、薬局の立地ではなく、それぞれの薬局の機能や薬剤師が果たしている業務について評価することを求めているといえます。薬局はその医療環境によって特色があって当然だと私は思っているので、吸入指導や認知症対応、AMR対策などさまざまな評価項目があるのはよいことなのではないかと思います。立地や会社規模は関係なく、機能で勝負するために薬局を地域に適した方向に舵取りするということは、患者さんにとっても、そして現場で頑張る薬剤師にとってもメリットがあることなのではないでしょうか。

検索結果 合計:36088件 表示位置:19461 - 19480