サイト内検索|page:937

検索結果 合計:36088件 表示位置:18721 - 18740

18721.

証人尋問について【Dr. 中島の 新・徒然草】(291)

二百九十一の段 証人尋問について患者さんに頼まれて意見書を作成しているうちに、いつのまにか証人として裁判所に行く羽目になってしまった。そんな経験が読者の皆様にもおありでしょうか?私はあるんですよ、これが。実際のところ、出廷の日時が決まると、その日が近づくに従って、だんだん重苦しい気持ちになってきます。もちろん、患者代理人の弁護士さんとは何度も打ち合わせをしてはいるのですが。そんなある日の事。たまたま外来をしていた時の患者さんの中に、別の弁護士さんの名前を見つけました。とある慢性疾患で通院しておられたわけです。これ幸いと、診察室でこの弁護士さん(=患者さん)に、私の苦しい気持ちを聞いてもらいました。中島「実は来週、大阪地裁に呼ばれているんですよ。証人尋問で」患者「そうなんですか」中島「私が訴えられているわけではないんですけどね」この部分は強調しておきましょう。中島「人格攻撃とかされたらどうしよう、と思ったら気が重いです」患者「そんなに心配しなくていいでしょう」中島「でも、相手の弁護士さんは有名な人らしいんです」患者「優れた弁護士ってのはね、証拠の積み上げで相手を圧倒するものなんですよ」そんな事、初めて聞いた!患者「人格攻撃で証人を錯乱状態にするというのは感心しませんな」中島「そうなんですか!」患者「依頼人にはアピールになるでしょうけど、裁判官には通用しませんよ」中島「なるほど」確かに、訴訟そのもので勝ち目がなかったら、せめて依頼人の前で証人をやり込めて点数を稼ぐくらいしかないわけです。ということは、人格攻撃というのも苦し紛れの行動かも。そう考えると、なんだか証人尋問もうまくいきそうな気がしてきました。それから数ヵ月。何だかんだで無事に裁判も終わり、あの患者さん(=弁護士さん)の再診の日がやってきました。中島「前回は証人尋問の事でアドバイスをいただきまして、ありがとうございました」患者「うまく行きましたか?」中島「お蔭様で、落ち着いて証言することができました」患者「それは良かった」中島「特に人格攻撃ということもなく、淡々と事実関係と疑問点を尋ねられただけです」実際のところ、質問の意図など考えず、ひたすら正確に答えようとしているうちに証人尋問が終わったという印象です。それにしても、「証拠を積み上げて相手を圧倒する」という考え方、素晴らしいですね。もしまた出廷する機会があったら、この言葉を胸に、落ち着いて臨みたいものです。ということで最後に1句人格を 攻撃されても 糠に釘

18722.

日常的な問診こそ、最大のハードル【臨床留学通信 from NY】第2回

第2回:日常的な問診こそ、最大のハードル今回から、USMLE全体の対策等について述べていきたいと思います。概略は下記の通りです。USMLE Step1: 基礎医学anatomy,behavioral science,biochemistry,microbiology,pathology, pharmacology, physiologyなどUSMLE Step2 CK: 臨床医学internal medicine, surgery, pediatrics, psychiatry, obstetrics/gynecology, preventive medicineUSMLE Step2 CS: Clinical skills医学的なアセスメント、患者への気遣い、英語力USMLE Step3: Case SimulationStep3は渡米してからの受験でもよいのですが、内容はStep2 CKに毛が生えたようなものです(ただし、Visaの関係でStep3が渡米前に必要になることもあります)。わたしにとって大きなハードルだったのは、Step2 CSでした。とにかく英語で問診し、英語で模擬患者の訴えを聞き、英語で説明し、英語でカルテを書くという、徹底的に英語力が問われる試験です。わたしの場合、医師3年目にUSMLE受験を志し、同年にStep1を受験したものの、4年目は忙しく循環器研修に没頭し、5年目にようやくStep2 CKとCSを受験しました。とにもかくにも、日本を出て外人と英語で話したことなど、これまでまったくと言っていいほどなかったわけですから、医学英語が頭には浮かんでも口からスラスラ出て来ず、CSには本当に苦労しました。しかも、ベースはあくまで問診なので、本当に試されるのは医学英語というより、むしろ日常英会話力です。USMLEを受けるといったん心に決めたら、USMLEの勉強はもちろんですが、英語 (特に話す力)を並行して勉強することを強くお勧めします。実際、1年程度で英会話を身に付けるのは、かなりの労力を要しました。USMLEは高得点での一発合格が必須!ここで最も大事なことは、USMLEを受験するからには、勝負は一度きりと肝に銘じ、一回で合格すること、それも高得点で、ということです。それが後々のレジデンシーのマッチングに影響するのみならず、仮にも不合格となると、レッテルは永続的に記録として残ってしまいます。そこで必要なのが、受験に向けた戦略の立て方です。例えば、受験の順序がStep1→2CK→2CSである必要はありません(ただし、Step3については必ず最後でなければいけません)。わたしの場合は順番通りでよかったのですが、Step2CKについては、臨床をある程度積んだ研修医2年目後半以降などがいいのかもしれません。Step 1と2CSは勤めている病院によりけりですが、対策に時間がかかるので、半年以上の時間が確保できるタイミングで受けるのが望ましいでしょう。また、試験対策にはいずれも1,000ドル前後の受験費用、およびそれぞれ参考書や問題集の購入、またCS対策として現地でKaplanの講習を受けるとなると相当な出費を余儀なくされます。更にCSは現地で受けなければいけません。そして、晴れて試験をパスして留学してからも何かとお金がかかりますので、貯蓄は必須です。臨床と並行した試験勉強は、ゴールを決めてから着手USMLEの各ステップとも参考書となるのはKeyとなるFirst Aidを、問題集についてはUSMLE worldというネット問題集をお勧めします(https://www.uworld.com)。ネット問題集は期間でいくらと決まっているため、集中的に利用するのがよいでしょう。わたしは学生のころ、何となくFirst Aidを買ってはみたものの、結局にらめっこしておしまいでした。また、参考書だけでは頭にも残りません。問題集を買ったり、実際に試験を申し込んだりするような形 (日付を決める)で、背水の陣で臨むべきです。日々の臨床をやりながら試験勉強を並行するのはモチベーションも上がりにくく、相当な労力と時間を要しますので、かなりの覚悟がないと合格までたどり着けません。ちなみに、USMLEを受験するにはECFMGのウェブサイトに飛び、アカウントを作成し、Application form(form 183)を提出して、初めて申し込むことができます。詳細はウェブサイトとなりますが、提出には学部長のサインが必要となるため、久々に学事課なるところへ足を運びました。次回は、各々の試験の対策事項について述べます。

18723.

ESMO2019 会員レポート

2019年9月27日から10月1日までESMO2019が開催される。この重要な会議における、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネットでは会員現役ドクターによる聴講レポートを企画。現在そして今後のがんの診療トレンドを順次紹介していく。現地バルセロナからオンサイトレビューレポート一覧レポーター

18727.

ワクチンガイドラインが9年ぶりに改訂

 格安航空会社(LCC)の乗り入れによる海外旅行や海外商圏の広がりによる出張などで渡航する日本人の数は減少することがない。その一方で、海外に渡航し、現地で感染症に罹患するケースも後を絶たない。現地で病に臥せったり、国内には存在しない、または、まれな感染症を国内に持ち込んだりというケースもある。 こうした感染症の予防には、渡航前にワクチンを接種することが重要だが、具体的にどのようなワクチンを、いつ、どこで、誰に、どのようなスケジュールで接種するかは一部の専門医療者しか理解していないのが現状である。 そんな渡航前のワクチン接種について、医療者の助けとなるのが海外渡航者のためのワクチンガイドラインである。今回9年ぶりに改訂された『海外渡航者のためのワクチンガイドライン/ガイダンス2019』では、研究によるエビデンスの集積が困難な事項も多いトラベラーズワクチン領域にあって、現場で適切な接種を普及させるために、エビデンスのシステマティックレビューとその総体評価、益(疾病の予防効果、他)と害(副反応の可能性、他)のバランスなどを考量し、最善のアウトカムを目指した推奨を呈示すべくClinical Question(CQ)を設定した。また、今版では「I ガイドライン編」と「II ガイダンス編」の2構成となった。6つのCQで接種現場の声に答える 「I ガイドライン編」では、大きく6つのCQを示すとともに、各々のエビデンスレベル、推奨グレードについて詳細に記載した。 たとえば「日本製と海外製のA型肝炎ワクチンの互換性はあるか」というCQでは、「互換性はある程度確認されており、同一ワクチンの入手が困難となった場合、海外製のA型肝炎ワクチンでの接種継続を提案する」(推奨の強さ〔2〕、エビデンスレベル〔C〕)と現場の悩みに答えるものとなっている。インバウンド向けの対応も詳しく記載 「II ガイダンス編」では、総論として海外渡航者に対する予防接種の概要を述べ、高齢者や基礎疾患のある小児などのリスク者、小児・妊婦などの注意すべき渡航者、留学者など接種を受ける渡航者について説明するとともに、渡航先(地域)別のワクチンの推奨、わが国の予防接種に関する諸規定の解説、未承認ワクチンへの取り扱い、インバウンド対応(海外ワクチンの継続、宗教・文化・風習への対応など)が記載されている。 各論では、個々のワクチンについて、特徴、接種法、スケジュール、有効性、安全性、接種が勧められる対象などが説明されている。ワクチンは、A/B型肝炎、破傷風トキソイド・ジフテリアトキソイド・DT、DPT・DPT-IPV・Tdap、狂犬病、日本脳炎、ポリオ、黄熱、腸チフス、髄膜炎菌、コレラ、ダニ媒介性脳炎、インフルエンザ、麻しん・風しん・おたふくかぜ・水痘が記載されている。 その他、付録として、疾患別のワクチンがまとめて閲覧できるように「各ワクチン概要と接種法一覧」を掲載。さらに渡航者から相談の多い「マラリア予防」についても概説している。 2019年のラグビー・ワールドカップ、2020年の東京オリンピックと日本を訪問する外国人も増えることから、渡航者の持ち込み感染も予想される。本書を、臨床現場で活用し、今後の感染症対策に役立てていただきたい。

18728.

低LDL-C・SBP値に関連の遺伝子変異体、CVリスクを減少/JAMA

 低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値・収縮期血圧(SBP)値の低下に関連する遺伝子変異体を有する人は、心血管リスクが有意に低いことを、英国・ケンブリッジ大学のBrian A. Ference氏らが、約44万人のバイオバンク登録者を追跡し明らかにした。これまで、LDL-C値とSBP値がより低いことと心血管疾患リスクとの関連は完全には定量化されていなかった。JAMA誌オンライン版2019年9月2日号掲載の報告。遺伝的LDL-C・SBPスコアにより被験者を4群に分類 研究グループは、2006~10年に英国バイオバンクに登録した43万8,952人について、2018年まで追跡調査を行った。被験者を、遺伝的LDL-Cスコアと遺伝的SBPスコアにより、それぞれの中央値以下・超で4群に分け、両スコアともに中央値以下の群を基準群とした。 主要アウトカムは主要冠動脈イベント(冠動脈死、非致死的心筋梗塞、冠動脈血行再建術のいずれかの発生で定義)のオッズ比(OR)。低LDL-C値、低SBP値、またはその両者の生涯曝露との関連を検証した。両スコアが高い群の冠動脈イベントリスクを低下する定量値が明らかに 被験者43万8,952人の平均年齢は65.2歳(範囲:40.4~80.0)、女性は54.1%だった。2万4,980人に初回主要冠動脈イベントが発生した。 基準群に比べ、遺伝的LDL-Cスコアが中央値超の群では、LDL-C値の14.7mg/dL低下で、主要冠動脈イベント発生に関するORは0.73だった(95%信頼区間[CI]:0.70~0.75、p<0.001)。また、遺伝的SBPスコアが中央値超の群では、SBP値の2.9mmHg低下で、主要冠動脈イベント発生に関するORは0.82だった(同:0.79~0.85、p<0.001)。 遺伝的LDL-Cスコア・遺伝的SBPスコアともに中央値超の群では、LDL-C値は13.9mg/dL、SBP値は3.1mmHg低下することで、同オッズ比が0.61となることが示された(95%CI:0.59~0.64、p<0.001)。 4×4要因デザイン解析の結果、両遺伝的スコアの増加とLDL-C値・SBP値の低下は、用量依存的に主要冠動脈イベントリスクを低下することが示された。また、メタ回帰分析の結果、LDL-C値の38.67mg/dL低下とSBP値の10mmHg低下により、主要冠動脈イベント発生に関するORは0.22(95%CI:0.17~0.26、p<0.001)に、心血管死の同ORは0.32(同:0.25~0.40、p<0.001)に低下することが示された。 ただし今回の結果について著者は、「リスク因子の治療による達成可能なベネフィットの大きさを意味するものとは言えない」と指摘している。

18729.

高齢者下肢手術、VTE予防の最適な目標INR値は/JAMA

 ワルファリン治療を受けている65歳以上高齢者の股関節・膝関節置換術後に、国際標準化比(INR)目標値を1.8としても、同目標値2.5に対して、静脈血栓症(VTE)または死亡の複合アウトカムのリスクについて、非劣性の基準を満たさなかったことが報告された。米国・ワシントン大学セントルイス校のBrian F. Gage氏らが、1,650例の患者を対象に行った無作為化比較試験「Genetic Informatics Trial(GIFT)of Warfarin to Prevent Deep Vein Thrombosis」の結果で、JAMA誌2019年9月3日号で発表した。ワルファリン治療中の関節手術を受ける患者について、VTE予防のための最適なINR値は明らかになっていなかった。米国6ヵ所の医療機関で1,650例を対象に2×2要因デザイン試験 研究グループは、2011年4月~2016年10月にかけて、米国6ヵ所の医療機関を通じて、待機的人工股関節・膝関節置換術を行う65歳以上の患者1,650例を対象に2×2要因デザイン試験を行った。 被験者を、目標INR値1.8の群(823例)と2.5の群(827例)に、またワルファリン投与量について遺伝型または臨床的ガイド群にそれぞれ無作為に割り付けた。なお治療開始当初の11日間は、ワルファリン投与は非盲検下でウェブアプリケーションによるガイド下で行われた。 主要アウトカムは、60日以内のVTE発生または30日以内の死亡の複合だった。術後に二重超音波検査法でVTEスクリーニングを実施。目標INR値1.8は同2.5に対し、非劣性であるとする仮説を立て、非劣性マージンはVTE絶対リスク差3ポイントと規定した。副次エンドポイントは、出血、INR値4以上とした。VTE発生はINR値1.8群5.1%、INR値2.5群3.8% 被験者1,650例の平均年齢は72.1歳、女性は63.6%、白人が91.0%を占めた。主要解析は、ワルファリンを1回以上投与された1,597例(96.8%)を対象に行われた。 主要複合アウトカムの発生率は、INR値1.8群は5.1%(804例中41例)に対し、INR値2.5群は3.8%(793例中30例)で、群間の絶対差は1.3%だった(片側95%信頼区間[CI]:-∞~3.05、非劣性のp=0.06)。被験者の死亡はなく、すべての主要アウトカムはVTE発生で、事前に規定した非劣性の定義は満たされなかった。 大出血の発生は、1.8群0.4%、2.5群0.9%で群間差は-0.5%(95%CI:-1.6~0.4)だった。INR値4以上の発現頻度は、それぞれ4.5%、12.2%で群間差は-7.8%(-10.5~-5.1)だった。 なお同研究グループは、同試験は検出力不足であった可能性があるとし、さらなる研究を行う必要があると指摘している。

18730.

統合失調症に対するブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤の有効性と安全性

 ブロナンセリンは、統合失調症に適応を有する第2世代抗精神病薬である。藤田医科大学の岩田 仲生氏らは、急性増悪統合失調症患者におけるブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤の有効性、安全性、薬物動態について検討を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年8月27日号の報告。 本試験は二重盲検多施設共同第III相臨床試験であり、1週間の観察期間中にプラセボの2つのテープ製剤を使用し、その後6週間の二重盲検期間を設け、患者を1日1回ブロナンセリン40mgテープ(40mg群)、80mgテープ(80mg群)またはプラセボテープ(プラセボ群)を貼付する群にランダムに割り付けた。主要エンドポイントは、PANSSスコアのベースラインからの変化量とした。安全性評価には、治療により発生した有害事象(TEAE)を含めた。 主な結果は以下のとおり。・2014年12月~2018年10月に患者を募集し、40mg群(196例)、80mg群(194例)、プラセボ群(190例)にランダムに割り付けた。そのうち77.2%が試験を完了した。・ブロナンセリンでは、プラセボと比較し、6週間でPANSS合計スコアの有意な改善が認められた(対プラセボ最小二乗平均[LSM]差:40mg群-5.6[95%CI:-9.6~-1.6、調整p=0.007]、80mg群-10.4[95%CI:-14.4~-6.4、調整p<0.001])。・ブロナンセリンの忍容性は良好であり、最も一般的なTEAEは、貼付部の紅斑、そう痒、アカシジア、振戦、不眠であった。 著者らは「ブロナンセリン経皮吸収型テープ製剤は、急性増悪統合失調症の症状を改善し、忍容性も許容可能であることが示された」としている。

18731.

多価不飽和脂肪酸に糖尿病の予防効果はあるか?(解説:小川大輔氏)-1115

 多価不飽和脂肪酸(PUFA)にはオメガ3脂肪酸(魚油に多く含まれるドコサヘキサエン酸[DHA]やエイコサペンタエン酸[EPA]、また植物油に含まれるαリノレン酸など)とオメガ6脂肪酸(リノール酸、アラキドン酸など)が含まれる。PUFAには中性脂肪を低下する効果があることが知られている。一方、糖代謝や糖尿病の発症を防止する効果については有効と無効のどちらの報告もあり、一定の見解が得られていない。今回著者らはシステマティックレビューの研究を検索し、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、総PUFAの増加と2型糖尿病の予防および治療に対する効果をメタ解析により検討した1)。 著者らは、PUFAの摂取による影響を検討した無作為化比較試験83件、12万1,070例の症例を対象とし、長鎖オメガ3脂肪酸、αリノレン酸、オメガ6脂肪酸、総PUFAの摂取量と糖尿病の診断、ヘモグロビンA1c、血糖値、空腹時インスリン、HOMA-Rなどに関するデータを解析した。その結果、長鎖オメガ3脂肪酸の摂取増加と糖尿病の診断、ヘモグロビンA1c、血糖値、空腹時インスリン、HOMA-Rにほとんど影響がないことが示された。またαリノレン酸、オメガ6脂肪酸、総PUFAの増加も長鎖オメガ3脂肪酸と同様の結果であった。さらに、サプリメントによる高用量の長鎖オメガ3脂肪酸の摂取やαリノレン酸の摂取増加は、むしろ糖代謝に悪影響を及ぼす可能性が示唆された。 今回の検討により、多価不飽和脂肪酸、なかでも「体に良い」といわれるDHAやEPAといった長鎖オメガ3脂肪酸に糖尿病の発症を予防する効果はないことが明らかになった。また、多量のオメガ3飽和脂肪酸摂取による糖代謝悪化の機序は不明であるが、日常診療で高血糖の鑑別に健康食品やサプリの多量摂取も念頭に置く必要があると考えられる。

18732.

甘いものをつい食べてしまう患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第28回

■外来NGワード「意志を強く持ちなさい」(あいまいな指示)「そんなの、断ればいいんですよ」(対人関係を考えない)「もらっても食べないようにしなさい」(できないから困っている)■解説 食事療法ができていないことに関して、「近所の奥さんに甘いものをいただくので断れない」と言い訳をする患者さんがいます。「意志を強く持って断ればいいんですよ!」とアドバイスをしても、断れない患者さんの行動は変わりません。なぜ、甘いものが患者さんのところに集まってくるのでしょうか? それは、患者さんが甘いもの好きなことを、周りの人が知っているからです。お中元やお歳暮も、送る人は相手方の好みに応じて内容を決めています。アイスが好きな人にはアイスクリームを、お酒が好きな人にはビールを送ります。つまり、好きだから、甘いものが集まってくるのです。お土産をもらったときにとても嬉しそうな顔をすると、知り合いの人は「喜んでくれたから、次も甘いものを持っていこう」と思うでしょう。しかし、よかれと思って選んだお土産が原因で持病が悪化してしまっては、元も子もありません。近所の奥さんとのよくあるやり取りを再現して、断る練習をしてみるのも一法です。どうしても断れない患者さんには、いただいたものを家族や職場でシェアするなど、一人で全部食べずに済む方法を考えてもらいましょう。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師最近、血糖コントロールがあまりよくないみたいですね。患者やっぱり・・・。医師何か思い当たることがありますか?患者最近、もらいものが多くて。医師なるほど。夏は、何かといただく機会が多いですよね。患者そうなんです。お中元や旅行の土産で、甘いものをよくいただくんです。医師どなたにもらうことが多いですか?患者近所の奥さんとかが多いです。医師そうですか。いただきものがあると、つい食べ過ぎてしまいますよね。患者はい。どうしたらいいですかね?医師ちょっと、断る練習をしてみましょうか。患者断る練習?医師そうです。では、まず断り方の見本をお見せするので、私が近所の奥さん役になりますので、上手に断ってみてください。患者おもしろそうですね、やってみます。(断る練習に続く)■医師へのお勧めの言葉「ちょっと、断る練習をしてみましょうか」

18733.

第6回 松本 尚先生に聞く、医療ドラマ監修の極意(前編)【外科医けいゆうの気になる話題】

第6回 松本 尚先生に聞く、医療ドラマ監修の極意(前編)『コード・ブルー』のリアリティーに迫る医療ドラマ『コード・ブルー』は、救急医療を舞台とした、フジテレビの人気ドラマシリーズ。私は、2ndシーズンが放送された2010年から初期研修を始めました。登場人物たちの成長や苦悩を自分にも重ね合わせ、このドラマとともに育ってきました。その点で、私にとっては大変思い入れのある作品です※1。※1第1回「一介の勤務医があの『コード・ブルー』の公式イベントに呼ばれたワケ」そんな私の情熱を知る編集部から、このドラマの医療監修に深く関わった松本 尚先生(日本医科大学千葉北総病院救命救急センター)との対談の機会が舞い込みました。松本先生は、最近では『ラジエーションハウス』などの医療ドラマも監修されています。今回は、『コード・ブルー』に関してお聞きした内容を、前編・後編に分けて紹介したいと思います。医療ドラマにおけるリアリティーの作り方まず、『コード・ブルー』の特徴に、俳優さんのセリフが非常にリアルであり、かつ「専門用語が頻出するのにその解説がない」という点があります。医療ドラマで専門用語が登場すると、その都度アニメーションや文字を入れて解説し、視聴者にわかりやすくするのが一般的です。ですが『コード・ブルー』では医療用語の解説をまったくしていません。「専門用語よりストーリー展開に注目してもらえるようにしよう」というプロデューサーの方針だったそうです。この“説明しないスタイル”が、かえってほかのドラマと異なる臨場感を感じさせる理由だったのです。同じく説明しないスタイルの『救命病棟24時』と比較すると、『コード・ブルー』では圧倒的に「救えない人が多い」というのも特徴です。これについて松本先生は、「実際、みんなが助かるのはリアリティーがないですよね。2ndシーズンではたくさん患者さんが亡くなる。あれくらいで僕らが日常的に経験している現場のリアルじゃないかな。みんながみんな助かるのはちょっと違うよね」と話されています。まさにその通りで、実臨床ですべての患者が助かるという奇跡は起こりませんし、希望がないことのほうが多いように感じます。その中でどうあがくかが医師の仕事なのではないかーそう考えるときもあります。現場で多くの医師が感じる思いがリアリティのあるストーリーで描かれているところに、このドラマの魅力があります。ちなみに、松本先生は1stシーズンの初めから、医療監修として脚本のチェックを行っていたそうです。脚本から関わることで現実味のあるストーリーが作られていたのですね。手術のほとんどは実際に経験した症例『コード・ブルー』には多彩な外傷症例が登場しますが、ほぼすべての症例は松本先生の施設で経験されたもの。唯一経験していないのが、劇場版で登場した鉄柱が腹部を貫いた男性に対する手術です。最終的に、側腹部を切開して鉄柱を水平移動して体から外す、という衝撃的な、しかし外科的には合理的な手法で患者を救うのですが、これについては、「これで最後だから、ちょっとやったことがない設定をやってもいいかなと思って、それまでの縛りを解いた」とのことでした。俳優の動きや美術へのこだわり『コード・ブルー』は、セリフだけでなく俳優の動作もリアルです。これも、かなりこだわりがあるそうで、「手術のシーンでは、手が写らないシーンでもちゃんと実際に糸をかける、といった動作をしてもらいました。そういう動作をしていないと、体のほかの部分の動きが不自然になるから。ちゃんと手を動かしてもらうと、たとえ顔しか撮ってなくても、その緊張感は画面に映る。ここが適当だと、撮った映像も適当にしか見えない」とのことでした。とくに気を使ったのは「目線」とのこと。「ここを見ながら、ちらっとモニターに目線をやる」といった、かなり細かな指導を行っていたそうです。また、 『コード・ブルー』の美術は、日頃私たちが病院で見るものにそっくりに作られています。なかでも「自信作は血液と尿」とのこと。尿はペットボトルのお茶を使ったそうです。血液は美術の中で最も難しいのだとか。撮影で強い照明を当てるため、人工的な色素だとどうしても透き通って見えてしまう。それを解決するポイントが「墨汁を入れる」こと。透明感のないリアルな血液に見せるコツだそうです。確かにほかの医療ドラマでは血液がかなり透き通って見えることが多く、違和感を覚える医療者は多いと思います。一方、『コード・ブルー』で出てくる血液は際立ってリアルです。ぜひ比べて見てほしいと思います。医療者が違和感を覚えるのは…松本先生や北総病院救命救急センターの先生方が、ほとんどのシーンで現場に行って直接演技指導されたそうですが、「医療シーンがないから来なくてもいいですよ」と言われたシーンのオンエアを見て後悔したことがあったそうです。それが、医学用語のアクセント。確かに、医療者が医療ドラマを見ていてよく引っかかるのが単語のアクセントやイントネーションです。こうした経験から松本先生は、「脚本を読んだときに、アクセントが難しいところは全部助監督に連絡して、自分が言うのを録音させた」というほどのこだわり。それでも完璧に医療者と同じ発音になっておらず、悔しい思いをしたことが何度かあるそうです。前編は、医療者も納得するリアルな描写を生んだ背景をお話しました。後編はテレビというエンターテインメントと、実際の医療現場をつなぐ医療監修という立場でのせめぎ合いを伺います。後編に続く

18734.

第4回 狭間先生の目を覚まさせた女性薬剤師の一言【噂の狭研ラヂオ】

動画解説「先生は薬局の息子だから薬剤師に優しいんですね」とよく言われるという狭間先生。でもそれはちょっと違うそうです。先生が薬剤師に期待をするのは、一人ひとりが持つ本気を知っているから。それに気が付いたきっかけは薬局を2店舗閉めることになり頭を抱える狭間先生に女性薬剤師が言い放ったある一言だそうです。

18735.

エヌトレクチニブ発売、脳転移へのベネフィットに注目

 臓器横断的ながん治療薬として本邦で2剤目となる低分子チロシンキナーゼ阻害薬エヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)が販売開始したことを受け、9月5日、都内でメディアセミナー(主催:中外製薬)が開催された。吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院 消化管内科長)が登壇し、同剤の臨床試験結果からみえてきた特徴と、遺伝子別がん治療の今後の見通しについて講演した。 エヌトレクチニブは、2018年3月に先駆け審査指定を受け、2019年6月に「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形がん」を適応症とした承認を世界で初めて取得した。すでに承認・販売されているMSI-H固形がんへのペムブロリズマブの適応が、標準的治療が困難な場合に限られるのに対し、NTRK融合遺伝子陽性固形がんであれば治療歴および成人・小児を問わないことが特徴。遺伝子検査にはコンパニオン診断薬として承認されたFoundationOne CDxがんゲノムプロファイルを用いる。がん種ごとの陽性率は? NTRK融合遺伝子陽性率をがん種ごとにみると、成人では唾液腺分泌がん(80~100%)1,2)、乳腺分泌がん(80~100%)3-6)などの希少がんで多く、非小細胞肺がん(0.2~3.3%)7,8)や結腸・直腸がん(0.5~1.5%)7,9-10)、浸潤性乳がん(0.1%)7)などでは少ない。しかし患者の絶対数を考えると、1%であっても相当数の患者がいるという視点も持つ必要があると吉野氏は指摘した。 一方、小児では、乳児型線維肉腫(87.2~100%)11-14)、3歳未満の非脳幹高悪性度神経膠腫(40%)15)など陽性率の高いがん種が多く、同氏は「小児がんへのインパクトはとくに大きい」と話した。治療開始後“早く・長く効く”こと、脳転移への高い有効性が特徴 今回の承認は、成人に対する第II相STARTRK-2試験および小児に対する第Ib相STARTRK-NG試験の結果に基づく。STARTRK-2試験は、NTRK1/2/3、ROS1またはALK遺伝子陽性の局所進行/転移性固形がん患者を対象としたバスケット試験。このうち、とくにNTRK陽性患者で著明な効果が確認され、今回の迅速承認につながった経緯がある。 NTRK有効性評価可能集団は51例。肉腫が13例と最も多く、非小細胞肺がん9例、唾液腺分泌がんおよび乳がんが6例ずつ、甲状腺がんが5例、大腸がん・膵がん・神経内分泌腫瘍が3例ずつと続く。また、何らかの治療歴がある患者が約6割を占めていた。主要評価項目である奏効率(ORR)は56.9%、4例で完全奏功(CR)が確認された。本試験結果だけでは母数が少ないが、がん種ごとに有効性の大きな差はないと評価されている。吉野氏は、とくに奏効例のスイマープロットに着目。初回検査の時点で奏効が確認された症例、治療継続中の症例が多く、「奏功例では早く長く効くことが特徴」と話した。また、ベースライン時の患者背景として、脳転移症例が11例含まれることにも言及。評価対象となった10例での成績は、頭蓋内腫瘍奏効率50%、2例でCRが確認されている。 Grade3以上の有害事象は多くが5%以下と頻度が低く、貧血が10.7%、体重増加が9.7%でみられた。同氏は、「総じて、副作用は非常に軽いといえる」と述べた。3学会合同、臓器横断的ゲノム診療のガイドラインを発行予定 小児・青年期対象のSTARTRK-NG試験においても、エヌトレクチニブの高い有効性が確認されている(ORR:100%)。5例はCNS原発の高悪性度の腫瘍で、うち2例でCRが確認された。周辺組織への浸潤が早い小児がんにおいて、非常に大きなインパクトのある治療法と吉野氏は話し、「どのタイミングで、どんな患者に検査を行い、薬を届けていくかを標準化していく必要がある」とした。 今回の承認を受け、日本治療学会、日本臨床腫瘍学会、日本小児血液・がん学会は合同で、『成人・小児進行固形がんにおける臓器横断的ゲノム診療のガイドライン(案)』をホームページ上で公開、パブコメの募集を行った。同ガイドラインは、今回のエヌトレクチニブ承認を受け、2019年3月公開の『ミスマッチ修復機能欠損固形がんに対する診断および免疫チェックポイント阻害薬を用いた診療に関する暫定的臨床提言』を改訂・進化させた内容となっている。「NTRK融合遺伝子の検査はいつ行うべきか?」など、NTRK融合遺伝子の検査・治療についてもCQが設けられ、実践的な診断基準として知見が整理される。 最後に、同氏はこれまで消化器がん・肺がん領域を対象として行ってきたSCRUM-Japanのがんゲノムスクリーニングプロジェクトが、2019年7月からすべての進行固形がん患者を対象に再スタートしたことを紹介(MONSTAR-SCREEN)16)。リキッドバイオプシーおよび便のプロファイリング(マイクロバイオーム)を活用しながら、臓器によらないTumor-agnosticなバスケット型臨床試験を実施していくという(標的はFGFR、HER2、ROS1)。承認申請に使用できる前向きレジストリ研究を推進させ、全臓器での治療薬承認を早めていきたいと語り、講演を締めくくった。■参考1)Skalova A, et al.Am J Surg Pathol. 2016;40:3-13.2)Bishop JA, et al.Hum Pathol. 2013;44:1982-8.3)Del Castillo M, et al. Am J Surg Pathol. 2015;39:1458-67.4)Makretsov N, et al. Genes Chromosomes Cancer. 2004;40:152-7.5)Tognon C, et al. Cancer Cell. 2002;2:367-76.6)Lae M, et al. Mod Pathol. 2009;22:291-8.7)Stransky N, et al. Nat Commun. 2014;5:4846.8)Vaishnavi A, et al. Nat Med. 2013;19:1469-1472.9)Ardini E, et al. Mol Oncol. 2014;8:1495-507.10)Creancier L, et al. Cancer Lett. 2015;365:107-11.11)Knezevich SR, et al. Nat Genet. 1998;18:184-7.12)Rubin BP, et al. Am J Pathol. 1998;153:1451-8.13)Bourgeois JM, et al. Am J Surg Pathol. 2000;24:937-46.14)Chiang S, et al. Am J Surg Pathol. 2018;42:791-798.15)Wu G, et al. Nat Genet. 2014;46:444-450.16)国立がん研究センターSCRUM-Japan/MONSTAR-SCREEN

18736.

レビー小体病とアルツハイマー病の生存率の違い

 アルツハイマー病(AD)とレビー小体病(LBD)は、2種類の代表的な認知症である。LBD患者の臨床経過がAD患者よりも不良であるかどうかについては、よくわかっていない。中国・香港大学のYat-Fung Shea氏らは、中国人LBD患者とAD患者の生存率や合併症発症について、レトロスペクティブレビューを行った。Singapore Medical Journal誌オンライン版2019年9月6日号の報告。 2008~16年にクイーン・メアリー病院のメモリークリニックに来院したADおよびLBD患者を対象に、すべてのバイオマーカーをレトロスペクティブにレビューした。ADおよびLBD診断は、臨床診断基準およびバイオマーカーによりサポートした。LBDには、レビー小体型認知症(DLB)およびパーキンソン病認知症(PDD)を含めた。ベースライン時の人口統計、臨床的特徴、認知機能障害の重症度、特定の臨床結果を収集した。 主な結果は以下のとおり。・対象は、AD患者31例、LBD患者25例(DLB:18例、PDD:7例)であった。・疾患発症時より測定した場合、LBD患者は、AD患者と比較し、全生存期間が短い(p=0.02)、転倒の早期発生(p<0.001)、嚥下困難(p<0.001)、肺炎(p=0.01)、褥瘡(p=0.003)、施設入所(p=0.03)といった特徴が認められた。・Cox回帰分析では、LBDは転倒(ハザード比[HR]:5.86、95%信頼区間[CI]:2.29~15.01、p<0.001)、嚥下困難(HR:10.06、95%CI:2.5~40.44、p=0.001)、褥瘡(HR:17.39、95%CI:1.51~200.1、p=0.02)、施設入所(HR:2.72、95%CI:1.12~6.60、p=0.03)、死亡(HR:2.96、95%CI:1.18~7.42、p=0.02)の予測因子であることが示唆された。 著者らは「LBD患者は、AD患者と比較し、生存期間が短く、事前に指定したいくつかの長期イベントが早期に発生していた。また、LBDは、これら長期イベントの独立した予測因子であることが示唆された」としている。

18737.

アテゾリズマブがTNBCに適応拡大、免疫CP阻害薬で初/中外製薬

 中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長CEO:小坂 達朗)は2019年9月20日、PD-L1陽性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する免疫チェックポイント阻害薬として国内で初めて、抗PD-L1モノクローナル抗体アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)が適応拡大されたことを発表した。PD-L1発現状況の確認は、2019年8月20日にコンパニオン診断薬として適応拡大の承認を取得した、病理検査用キットベンタナOptiView PD-L1(SP142)によって行う。 今回の適応拡大は、第III相IMpassion130試験の成績に基づく。IMpassion130試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移のあるTNBC患者を対象に、アテゾリズマブ併用群(アテゾリズマブ+nab-パクリタキセル)とnab-パクリタキセル単独群(プラセボ+nab-パクリタキセル)を比較した多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検国際共同臨床試験。 併用群では、ITT(Intent to treat)解析集団およびPD-L1陽性集団において、単独群と比較して主要評価項目であるPFS(無増悪生存期間)の延長を示した(ITT集団のPFS中央値:7.2ヵ月 vs.5.5ヵ月、ハザード比[HR]:0.80、95%信頼区間[CI]:0.69~0.92、p=0.0025/PD-L1陽性集団のPFS中央値:7.5ヵ月 vs.5.0ヵ月、HR:0.62、95%CI:0.49~0.78、p<0.0001)。もう1つの主要評価項目であるOS(全生存期間)については、第2回中間解析時点では、ITT解析集団におけるOS延長について、統計学的な有意差は認められなかった(OS中央値:21.0ヵ月 vs.18.7ヵ月、HR:0.86、95%CI:0.72~1.02、p=0.078)。一方、PD-L1陽性患者において、臨床的に意義のあるOSの延長が認められたものの、階層構造に基づいて統計解析を行う試験デザインであることから、今回の PD-L1陽性患者におけるOSの解析は検証的な位置づけではない(OS中央値:25.0ヵ月 vs.18.0ヵ月、HR:0.71、95%CI:0.54~0.93)。フォローアップは次回の計画されている解析まで継続される。 併用療法による安全性プロファイルは、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されなかった。なお、同試験におけるアテゾリズマブの用法・用量が840mgの2週間間隔での投与であるため、至適用量製剤として開発が行われ、9月20日付けで840mg製剤の剤形追加についても承認された。 また、中外製薬株式会社は同日、HER2陽性乳がん患者に対するペルツズマブ(商品名:パージェタ)とトラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)の配合皮下注製剤が、両剤の静注製剤に対して非劣性を示したことを発表。配合皮下注製剤の投与には、初回は約8分、2回目以降は約5分を要する。これに対して、両剤の静注製剤を併用投与する場合、初回は約150分、2回目以降は60~150分を要する。本結果は第III相FeDeriCa試験によるもので、詳細は今後開催される医学会で発表される予定。

18738.

キノロン系薬に末梢神経障害などの使用上の注意改訂指示

 フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬の添付文書について、2019年9月24日、厚生労働省より使用上の注意の改訂指示が発出された。今回の改訂は、フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬のアキレス腱や精神、末梢神経障害に関連した副作用に関するもので、米国や欧州の添付文書が改訂されたことを受け、日本国内症例、公表論文等の情報に基づき添付文書改訂の必要性が検討されたことによるもの。製剤ごとの改訂内容記載の違いに注意改訂の概要は以下のとおり。・「重大な副作用」の項に「末梢神経障害」「精神症状」を追記する。・「重大な副作用」の項に「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」を追記する。・「重大な副作用」の項の「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」の初期症状などの記載を整備する。または、「腱炎、腱断裂等の腱障害」の項を「アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害」とし、初期症状等の記載を整備する。◆該当薬剤の一覧(商品名:承認取得者)オフロキサシン[経口剤] (タリビット:アルフレッサファーマ、ほか)メシル酸ガレノキサシン水和物 (ジェニナック:富士フィルム富山化学)シタフロキサシン水和物 (グレースビット:第一三共、ほか)シプロフロキサシン (シプロキサン:バイエル薬品、ほか)シプロフロキサシン塩酸塩水和物 (シプロキサン:バイエル薬品、ほか)トスフロキサシントシル酸塩水和物[経口剤] (オゼックス:富士フィルム富山化学、トスキサシン:マイランEPD、ほか)ノルフロキサシン[経口剤] (バクシダール:杏林製薬、ほか)パズフロキサシンメシル酸塩 (パシル:富士フィルム富山化学、パズクロス:田辺三菱製薬)ピペミド酸水和物 (ドルコール:日医工)プルリフロキサシン (スオード:MeijiSeikaファルマ)モキシフロキサシン塩酸塩[経口剤] (アベロックス:バイエル薬品)レボフロキサシン水和物[経口剤、注射剤] (クラビット:第一三共、ほか)塩酸ロメフロキサシン[経口剤] (バレオン:マイランEPD、ほか)薬剤ごとに注意喚起が異なるのはなぜか? 腱障害および精神症状については、すべてのフルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬の添付文書において注意喚起がなされるよう改訂が適切と判断された。これは、フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬の多くの成分の現行添付文書で一定の注意喚起がなされているものの、腱障害についてはコラーゲン組織の障害が、精神症状についてはGABA神経の抑制などが発現機序として考えられ、当該抗菌薬に共通のリスクと判断されたためである。 一方、末梢神経障害については、フルオロキノロン系およびキノロン系抗菌薬に共通のリスクであることを示す発現機序や疫学的知見は乏しく、現時点で一律の改訂は不要と考えられている。しかし、トスフロキサシントシル酸塩水和物、レボフロキサシン水和物、メシル酸ガレノキサシン水和物については国内症例が集積していること、オフロキサシンは国内症例の集積はないもののレボフロキサシンのラセミ体であることから、改訂が適切と判断された。■「添付文書記載要領」関連記事4月の添付文書記載要領改正、実物の記載例公表

18739.

STEMI合併多枝冠動脈疾患、完全血行再建術は有効か/NEJM

 ST上昇心筋梗塞(STEMI)を伴う多枝冠動脈疾患患者の治療では、非責任病変を含む完全血行再建術は、責任病変のみへの経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と比較して、心血管死と心筋梗塞の複合のリスクだけでなく、心血管死+心筋梗塞+虚血による再血行再建術の複合をも有意に抑制することが、カナダ・マクマスター大学のShamir R. Mehta氏らが行ったCOMPLETE試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年9月1日号に掲載された。STEMI患者では、責任病変へのPCIは心血管死と心筋梗塞のリスクを低減するが、非責任病変へのPCIがこれらのイベントのリスクをさらに抑制するかは不明だという。責任病変PCIが成功したSTEMIが対象の無作為化試験 本研究は、31ヵ国140施設が参加した国際的な無作為化試験であり、2013年2月~2017年3月の期間に患者登録が行われた(カナダ保健研究機構[CIHR]などの助成による)。 対象は、STEMIで入院し、責任病変へのPCIが成功後72時間以内に試験への組み入れが可能であり、冠動脈造影で梗塞と関連のない病変(非責任病変)が1つ以上認められた多枝冠動脈疾患を有する患者であった。 被験者は、非責任病変への完全血行再建術を行う群またはそれ以上の血行再建術は行わない群に無作為に割り付けられた。完全血行再建術群は、非責任病変PCIの施行時期(初回入院中または退院後数週以内)で層別化された。 第1の主要アウトカムは、心血管死と心筋梗塞の複合とし、第2の主要アウトカムは、心血管死、心筋梗塞、虚血による再血行再建術の複合であった。第1の主要アウトカムが26%、第2の主要アウトカムは49%改善 4,041例が登録され、完全血行再建術群に2,016例(平均年齢61.6±10.7歳、男性80.5%)、責任病変PCI群には2,025例(62.4±10.7歳、79.1%)が割り付けられた。フォローアップ期間中央値は35.8ヵ月だった。 第1の主要アウトカムは、完全血行再建術群が2,016例中158例(7.8%)に発生し、責任病変PCI群の2,025例中213例(10.5%)に比べ有意に良好であった(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.60~0.91、p=0.004)。この差は、完全血行再建術群で心筋梗塞(5.4% vs.7.9%、HR:0.68、95%CI:0.53~0.86)がより少なかったことによる(心血管死は2.9% vs.3.2%、HR:0.93、95%CI:0.65~1.32)。 第2の主要アウトカムは、完全血行再建術群が179例(8.9%)に発生し、責任病変PCI群の339例(16.7%)と比較して有意に優れた(HR:0.51、95%CI:0.43~0.61、p<0.001)。虚血による再血行再建術は、完全血行再建術群が有意に良好であった(1.4%vs.7.9%、HR:0.18、95%CI:0.12~0.26)。 主な副次アウトカムである心血管死、心筋梗塞、虚血による再血行再建術、不安定狭心症、NYHAクラスIVの心不全の複合の発生は、完全血行再建術群が有意に優れた(13.5% vs.21.0%、HR:0.62、95%CI:0.53~0.72)。 2つの主要アウトカムの双方における完全血行再建術群のベネフィットは、非責任病変PCIの施行時期が初回入院中および退院後のいずれにおいても、一貫して認められた(それぞれ交互作用:p=0.62、p=0.27)。 一方、大出血(2.9% vs.2.2%、HR:1.33、95%CI:0.90~1.97)、脳卒中(1.9% vs.1.4%、HR:1.31、95%CI:0.81~2.13)、ステント血栓症(1.3% vs.0.9%、HR:1.38、95%CI:0.76~2.49)には両群間に有意な差はなかった。また、造影剤関連の急性腎障害が、完全血行再建術群の30例(1.5%)、責任病変PCI群の19例(0.9%)で発現した(p=0.11)。 著者は「3年間で、1例の心血管死/心筋梗塞を予防するのに要する治療必要数(NNT)は37件であり、1例の心血管死/心筋梗塞/虚血による再血行再建術を回避するのに要するNNTは13件だった」としている。

18740.

PCI後の糖尿病合併安定CAD、チカグレロル追加が有望/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた糖尿病を伴う安定冠動脈疾患の治療では、チカグレロル+アスピリンはプラセボ+アスピリンに比べ、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合の発生を有意に抑制する一方で、大出血を増加させるものの、良好なネット臨床ベネフィット(net clinical benefit)をもたらすことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のDeepak L. Bhatt氏らが行ったTHEMIS-PCI試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年9月1日号に掲載された。PCIを受けた糖尿病合併安定冠動脈疾患患者は虚血性イベントのリスクが高く、とくにステント留置術を受けた患者のリスクは高いという。THEMIS-PCI試験は、THEMIS試験に参加した患者のうちPCIを受けた患者を対象とするサブスタディである。日本を含む42ヵ国のプラセボ対照無作為化試験 THEMIS試験は、日本を含む42ヵ国1,315施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2014年2月~2016年5月の期間に患者登録が行われた(AstraZenecaの助成による)。 対象は、年齢50歳以上、2型糖尿病が認められ、血糖降下薬の投与を6ヵ月以上受けており、安定冠動脈疾患を有し、3つの非除外基準(PCI既往歴、冠動脈バイパス術[CABG]の既往歴、冠動脈造影で1つ以上の冠動脈に50%以上の狭窄を認める)のうち1つに該当する患者であった。このうち、今回の解析には、PCI既往歴のあるサブグループが含まれた。 被験者は、チカグレロル(90mg、1日2回)またはプラセボを経口投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。すべての患者に、アスピリン(75~150mg/日)が経口投与された。 有効性の主要アウトカムは、心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合とし、intention-to-treat解析が行われた。有効性の主要アウトカム:7.3% vs.8.6%、TIMI大出血:2.0% vs.1.1% THEMIS試験の参加者のうちPCI既往歴のある1万1,154例(58%)が解析に含まれた。チカグレロル群は5,558例、プラセボ群は5,596例であった。糖尿病の罹患期間中央値は10.0年、直近のPCI以降の経過期間中央値は3.3年であった。フォローアップ期間中央値は3.3年(IQR:2.8~3.8)だった。 有効性の主要アウトカムの発生は、チカグレロル群がプラセボ群に比べ有意に良好であった(チカグレロル群5,558例中404例[7.3%]vs.プラセボ群5,596例中480例[8.6%]、ハザード比[HR]:0.85、95%信頼区間[CI]:0.74~0.97、p=0.013)。PCIを受けていない患者では、このような効果は観察されなかった(p=0.76、p interaction=0.16)。 心血管死(3.1% vs.3.3%、HR:0.96、95%CI:0.78~1.18、p=0.68)および全死因死亡(5.1% vs.5.8%、0.88、0.75~1.03、p=0.11)はいずれも、両群間に有意な差は認めなかった。一方、心筋梗塞(3.1% vs.3.9%、0.80、0.65~0.97、p=0.027)および脳卒中(1.7% vs.2.3%、0.74、0.57~0.96、p=0.024)はいずれも、チカグレロル群が有意に少なかった。 チカグレロル群は、TIMI出血基準の大出血の発生率(5,536例中111例[2.0%]vs.5,564例中62例[1.1%]、HR:2.03、95%CI:1.48~2.76、p<0.0001)が有意に高かった。一方、致死的出血(0.1% vs.0.1%、1.13、0.36~3.50、p=0.83)および頭蓋内出血(0.6% vs.0.6%、1.21、0.74~1.97、p=0.45)は、両群間に有意な差はみられなかった。 また、チカグレロル群は、事前に規定された探索的エンドポイントである総合的臨床ベネフィット(intention-to-treat集団における全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、致死的出血、頭蓋内出血の複合の初回イベント発生までの期間として評価される不可逆的な危害と定義)が有意に優れた(5,558例中519例[9.3%]vs.5,596例中617[11.0%]、HR:0.85、95%CI:0.75~0.95、p=0.0052)のに対し、非PCI患者ではこのような効果はなかった(p=0.39、p interaction=0.012)。 著者は、「これらの知見は、PCI既往歴を有し、抗血小板療法に忍容性のある糖尿病患者で、虚血性リスクが高く、出血リスクが低い場合には、チカグレロル+アスピリンによる長期治療を考慮すべきであること示唆する」と指摘している。

検索結果 合計:36088件 表示位置:18721 - 18740