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再発性多発軟骨炎〔RP:relapsing polychondritis〕

1 疾患概要■ 概念・定義再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis:RP)は、外耳の腫脹、鼻梁の破壊、発熱、関節炎などを呈し全身の軟骨組織に対して特異的に再発性の炎症を繰り返す疾患である。眼症状、皮膚症状、めまい・難聴など多彩な症状を示すが、呼吸器、心血管系、神経系の病変を持つ場合は、致死的な経過をたどることがまれではない。最近、この病気がいくつかのサブグループに分類することができ、臨床的な特徴に差異があることが知られている。■ 疫学RPの頻度として米国では100万人あたりの症例の推定発生率は3.5人。米国国防総省による有病率調査では100万人あたりの症例の推定罹患率は4.5人。英国ではRPの罹患率は9.0人/年とされている。わが国の全国主要病院に対して行なわれた疫学調査と人口動態を鑑みると、発症年齢は3歳から97歳までと広範囲に及び、平均発症年齢は53歳、男女比はほぼ1で、患者数はおおよそ400~500人と推定された。RPは、平成27年より新しく厚生労働省の指定難病として認められ4~5年程度経過したが、筆者らが疫学調査で推定した患者数とほぼ同等の患者数が実際に医療を受けているものと思われる。生存率は1986年の報告では、10年生存率55%とされていた。その後の報告(1998年)では、8年生存率94%であった。筆者らの調査では、全症例の中の9%が死亡していたことから、90%以上の生存率と推定している。■ 病因RPの病因は不明だが自己免疫の関与が報告されている。病理組織学的には、炎症軟骨に浸潤しているのは主にCD4+Tリンパ球を含むリンパ球、マクロファージ、好中球や形質細胞である。これら炎症細胞、軟骨細胞や産生される炎症メディエーターがマトリックスメタロプロテナーゼ産生や活性酸素種産生をもたらして、最終的に軟骨組織やプロテオグリカンに富む組織の破壊をもたらす。その発症に関する仮説として、初期には軟骨に向けられた自己免疫反応が起こりその後は、非軟骨組織にさらに自己免疫反応が広がるという考えがある。すなわち、病的免疫応答の開始メカニズムとしては軟骨組織の損傷があり、軟骨細胞または細胞外軟骨基質の免疫原性エピトープを露出させることにある。耳介の軟骨部分の穿孔に続いて、あるいはグルコサミンコンドロイチンサプリメントの摂取に続いてRPが発症したとする報告は、この仮説を支持している。II型コラーゲンのラットへの注射は、耳介軟骨炎を引き起こすこと、特定のHLA-DQ分子を有するマウスをII型コラーゲンで免疫すると耳介軟骨炎および多発性関節炎を引き起こすこと、マトリリン-1(気管軟骨に特異的な蛋白の一種)の免疫はラットにRPの呼吸障害を再現するなどの知見から、軟骨に対する自己免疫誘導の抗原は軟骨の成分であると考えられている。多くの自己免疫疾患と同様にRPでも疾患発症に患者の腫瘍組織適合性抗原は関与しており、RPの感受性はHLA-DR4の存在と有意に関連すると報告されている。臨床的にも、軟骨、コラーゲン(主にII型、IX、XおよびXIの他のタイプを含む)、マトリリン-1および軟骨オリゴマーマトリックスタンパク質(COMP)に対する自己抗体はRP患者で見出されている。いずれの自己抗体もRP患者の一部でしか認められないために、RP診断上の価値は認められていない。多くのRP患者の病態に共通する自己免疫反応は明らかにはなっていない。■ 症状1)基本的な症状RPでは時間経過とともに、あるいは治療によって炎症は次第に治まるが、再発を繰り返し徐々にそれぞれの臓器の機能不全症状が強くなる。軟骨の炎症が基本であるが、必ずしも軟骨細胞が存在しない部位にも炎症が認められる事があり、注意が必要である。特有の症状としては、軟骨に一致した疼痛、発赤、腫脹であり、特に鼻根部(鞍鼻)や耳介の病変は特徴的である。炎症は、耳介、鼻柱、強膜、心臓弁膜部の弾性軟骨、軸骨格関節における線維軟骨、末梢関節および気管の硝子軟骨などのすべての軟骨で起こりうる。軟骨炎は再発を繰り返し、耳介や鼻の変形をもたらす。炎症発作時の症状は、軟骨部の発赤、腫脹、疼痛であるが、重症例では発熱、全身倦怠感、体重減少もみられる。突然の難聴やめまいを起こすこともある。多発関節炎もよく認められる。関節炎は通常、移動性で、左右非対称性で、骨びらんや変形を起こさない。喉頭、気管、気管支の軟骨病変によって嗄声、窒息感、喘鳴、呼吸困難などさまざまな呼吸器症状をもたらす。あるいは気管や気管支の壁の肥厚や狭窄は無症状のこともあり、逆に二次性の気管支炎や肺炎を伴うこともある。わが国のRPにおいてはほぼ半数の症例が気道病変を持ち、重症化の危険性を有する。呼吸器症状は気道狭窄によって上記の症状が引き起こされるが、狭窄にはいくつかの機序が存在する。炎症による気道の肥厚、炎症に引き続く気道線維化、軟骨消失に伴う吸・呼気時の気道虚脱、両側声帯麻痺などである。気道狭窄と粘膜機能の低下はしばしば肺炎を引き起こし、死亡原因となる。炎症時には気道過敏性が亢進していて、気管支喘息との鑑別を要することがある。この場合には、吸引、気管支鏡、気切、気管支生検などの処置はすべて死亡の誘因となるため、気道を刺激する処置は最小限に留めるべきである。一方で、気道閉塞の緊急時には気切および気管チューブによる呼吸管理が必要になる。2)生命予後に関係する症状生命予後に影響する病変として心・血管系症状と中枢神経症状も重要である。心臓血管病変に関しては男性の方が女性より罹患率が高く、また重症化しやすい。これまでの報告ではRPの患者の15~46%に心臓血管病変を認めるとされている。その内訳としては、大動脈弁閉鎖不全症(AR)や僧帽弁閉鎖不全症、心筋炎、心膜炎、不整脈(房室ブロック、上室性頻脈)、虚血性心疾患、大血管の動脈瘤などが挙げられる。RP患者の10年のフォローアップ期間中において、心血管系合併症による死亡率は全体の39%を占めた。筆者らの疫学調査では心血管系合併症を持つRP患者の死亡率は35%であった。心血管病変で最も高頻度で認められるものはARであり、その有病率はRP患者の4~10%である。一般にARはRPと診断されてから平均で7年程度の経過を経てから認められるようになる。大動脈基部の拡張あるいは弁尖の退行がARの主たる成因である。MRに関してはARに比して頻度は低く1.8~3%と言われている。MRの成因に関しては弁輪拡大、弁尖の菲薄化、前尖の逸脱などで生じる。弁膜症の進行に伴い、左房/左室拡大を来し、収縮不全や左心不全を呈する。RP患者は房室伝導障害を合併することがあり、その頻度は4~6%と言われており、1度から3度房室ブロックのいずれもが認められる。高度房室ブロックの症例では一次的ペースメーカが必要となる症例もあり、ステロイド療法により房室伝導の改善に寄与したとの報告もある。RP患者では洞性頻脈をしばしば認めるが、心房細動や心房粗動の報告は洞性頻脈に比べまれである。心臓血管病変に関しては、RPの活動性の高い時期に発症する場合と無症候性時の両方に発症する可能性があり、RP患者の死因の1割以上を心臓血管が担うことを鑑みると、無症候であっても診察ごとの聴診を欠かさず、また定期的な心血管の検査が必要である。脳梗塞、脳出血、脳炎、髄膜炎などの中枢神経障害もわが国では全経過の中では、およそ1割の患者に認める。わが国では中枢神経障害合併症例は男性に有意に多く、これらの死亡率は18%と高いことが明らかになった。眼症状としては、強膜炎、上強膜炎、結膜炎、虹彩炎、角膜炎を伴うことが多い。まれには視神経炎をはじめより重症な眼症状を伴うこともある。皮膚症状には、口内アフタ、結節性紅斑、紫斑などが含まれる。まれに腎障害および骨髄異形成症候群・白血病を認め重症化する。特に60歳を超えた男性RP患者において時に骨髄異形成症候群を合併する傾向がある。全般的な予後は、一般に血液学的疾患に依存し、RPそのものには依存しない。■ RP患者の亜分類一部の患者では気道病変、心血管病変、あるいは中枢神経病変の進展により重症化、あるいは致命的な結果となる場合もまれではない。すなわちRP患者の中から、より重症になり得る患者亜集団の同定が求められている。フランスのDionらは経験した症例に基づいてRPが3つのサブグループに分けられると報告し、分類した。一方で、彼らの症例はわが国の患者群の臨床像とはやや異なる側面がある。そこで、わが国での実態を反映した本邦RP患者群の臨床像に基づいて新規分類について検討した。本邦RP症例の主要10症状(耳軟骨炎、鼻軟骨炎、前庭障害、関節炎、眼病変、気道軟骨炎、皮膚病変、心血管病変、中枢神経障害、腎障害)間の関連検討を行った。その結果、耳軟骨炎と気道軟骨炎の間に負の相関がみられた。すなわち耳軟骨炎と気道軟骨炎は合併しない傾向にある。また、弱いながらも耳軟骨炎と、心血管病変、関節炎、眼病変などに正の相関がみられた。この解析からは本邦RP患者群は2つに分類される可能性を報告した。筆者らの報告は直ちに、Dionらにより検証され、その中で筆者らが指摘した気管気管支病変と耳介病変の間に存在する強い負の相関に関しては確認されている。わが国においても、フランスにおいても、気管気管支病変を持つ患者群はそれを持たない患者群とは異なるサブグループに属していることが確認されている。そして、気管気管支病変を持たない患者群と耳介病変を持つ患者群の多くはオーバーラップしている。すなわち、わが国では気管気管支病変を持つ患者群と耳介病変を持つ患者群の2群が存在していることが示唆された。■ 予後重症度分類(案)(表1)では、致死的になりうる心血管、神経症状、呼吸器症状のあるものは、その時点で重症と考える。腎不全、失明の可能性を持つ網膜血管炎も重症と考えている。それ以外は症状検査所見の総和で重症度を評価する。わが国では、全患者中5%は症状がすべて解消された良好な状態を維持している。67%の患者は、病勢がコントロール下にあり、合計で71%の患者においては治療に対する反応がみられる。その一方、13%の患者においては、治療は限定的効果を示したのみであり、4%の患者では病態悪化または再発が見られている。表1 再発性多発軟骨炎重症度分類画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)現在ではRPの診断にはMcAdamの診断基準(1976年)やDamianiの診断基準(1976年)が用いられる(表2)。実際上は、(1)両側の耳介軟骨炎(2)非びらん性多関節炎(3)鼻軟骨炎(4)結膜炎、強膜炎、ぶどう膜炎などの眼の炎症(5)喉頭・気道軟骨炎(6)感音性難聴、耳鳴り、めまいの蝸牛・前庭機能障害、の6項目の3項目以上を満たす、あるいは1項目以上陽性で、確定的な組織所見が得られる場合に診断される。これらに基づいて厚生労働省の臨床調査個人票も作成されている(表3)。表2 再発性多発軟骨炎の診断基準●マクアダムらの診断基準(McAdam's criteria)(以下の3つ以上が陽性1.両側性の耳介軟骨炎2.非びらん性、血清陰性、炎症性多発性関節炎3.鼻軟骨炎4.眼炎症:結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、ぶどう膜炎5.気道軟骨炎:喉頭あるいは気管軟骨炎6.蝸牛あるいは前庭機能障害:神経性難聴、耳鳴、めまい生検(耳、鼻、気管)の病理学的診断は、臨床的に診断が明らかであっても基本的には必要である●ダミアニらの診断基準(Damiani's criteria)1.マクアダムらの診断基準で3つ以上が陽性の場合は、必ずしも組織学的な確認は必要ない。2.マクアダムらの診断基準で1つ以上が陽性で、確定的な組織所見が得られる場合3.軟骨炎が解剖学的に離れた2ヵ所以上で認められ、それらがステロイド/ダプソン治療に反応して改善する場合表3 日本語版再発性多発軟骨炎疾患活動性評価票画像を拡大するしかし、一部の患者では、ことに髄膜炎や脳炎、眼の炎症などで初発して、そのあとで全身の軟骨炎の症状が出現するタイプの症例もある。さらには気管支喘息と診断されていたが、その後に軟骨炎が出現してRPと診断されるなど診断の難しい場合があることも事実である。そのために診断を確定する目的で、病変部の生検を行い、組織学的に軟骨組織周囲への炎症細胞浸潤を認めることを確認することが望ましい。生検のタイミングは重要で、軟骨炎の急性期に行うことが必須である。プロテオグリカンの減少およびリンパ球の浸潤に続発する軟骨基質の好塩基性染色の喪失を示し、マクロファージ、好中球および形質細胞が軟骨膜や軟骨に侵入する。これらの浸潤は軟骨をさまざまな程度に破壊する。次に、軟骨は軟骨細胞の変性および希薄化、間質の瘢痕化、線維化によって置き換えられる。軟骨膜輪郭は、細胞性および血管性の炎症性細胞浸潤により置き換えられる。石灰化および骨形成は、肉芽組織内で観察される場合もある。■ 診断と重症度判定に必要な検査RPの診断に特異的な検査は存在しないので、診断基準を基本として臨床所見、血液検査、画像所見、および軟骨病変の生検の総合的な判断によって診断がなされる。生命予後を考慮すると軽症に見えても気道病変、心・血管系症状および中枢神経系の検査は必須である。■ 血液検査所見炎症状態を反映して血沈、CRP、WBCが増加する。一部では抗typeIIコラーゲン抗体陽性、抗核抗体陽性、リウマチ因子陽性、抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性となる。サイトカインであるTREM-1、MCP-1、MIP-1beta、IL-8の上昇が認められる。■ 気道病変の評価呼吸機能検査と胸部CT検査を施行する。1)呼吸機能検査スパイロメトリー、フローボリュームカーブでの呼気気流制限の評価(気道閉塞・虚脱による1秒率低下、ピークフロー低下など)2)胸部CT検査(気道狭窄、気道壁の肥厚、軟骨石灰化など)吸気時のみでなく呼気時にも撮影すると病変のある気管支は狭小化がより明瞭になり、病変のある気管支領域は含気が減少するので、肺野のモザイク・パターンが認められる。3)胸部MRI特にT2強調画像で気道軟骨病変部の質的評価が可能である。MRI検査はCTに比較し、軟骨局所の炎症と線維化や浮腫との区別をよりよく描出できる場合がある。4)気管支鏡検査RP患者は、気道過敏性が亢進しているため、検査中や検査後に症状が急変することも多く、十分な経験を持つ医師が周到な準備をのちに実施することが望ましい。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)全身の検索による臓器病変の程度、組み合わせにより前述の重症度(表2)と活動性評価票の活動性(表3)を判定して適切な治療方針を決定することが必要である。■ 標準治療の手順軽症例で、炎症が軽度で耳介、鼻軟骨に限局する場合は、非ステロイド系抗炎症薬を用いる。効果不十分と考えられる場合は、少量の経口ステロイド剤を追加する。生命予後に影響する臓器症状を認める場合の多くは積極的なステロイド治療を選ぶ。炎症が強く呼吸器、眼、循環器、腎などの臓器障害や血管炎を伴う場合は、経口ステロイド剤の中等~大量を用いる。具体的にはプレドニゾロン錠を30~60mg/日を初期量として2~4週継続し、以降は1~2週ごとに10%程度減量する。これらの効果が不十分の場合にはステロイドパルス療法を考慮する。ステロイド減量で炎症が再燃する場合や単独使用の効果が不十分な場合、免疫抑制剤の併用を考える。■ ステロイド抵抗性の場合Mathianらは次のようなRP治療を提唱している。RPの症状がステロイド抵抗性で免疫抑制剤が必要な場合には、鼻、眼、および気管の病変にはメトトレキサートを処方する。メトトレキサートが奏功しない場合には、アザチオプリン(商品名:イムラン、アザニン)またはミコフェノール酸モフェチル(同:セルセプト)を次に使用する。シクロスポリンAは他の免疫抑制剤が奏功しない場合に腎毒性に注意しながら使用する。従来の免疫抑制剤での治療が失敗した場合には、生物学的製剤の使用を考慮する。現時点では、抗TNF治療は、従来の免疫抑制剤が効かない場合に使用される第1選択の生物学的製剤である。最近では生物学的製剤と同等以上の抗炎症効果を示すJAK阻害薬が関節リウマチで使用されている。今後、高度の炎症を持つ症例で生物学的製剤を含めて既存の治療では対応できない症例については、JAK阻害薬の応用が有用な場合があるかもしれない。今後の検討課題と思われる。心臓弁膜病変や大動脈病変の治療では、ステロイドおよび免疫抑制剤はあまり有効ではない。したがって、大動脈疾患は外科的に治療すべきであるという意見がある。わが国でも心臓弁膜病変や大動脈病変の死亡率が高く、PRの最重症病態の1つと考えられる。大動脈弁病変および近位大動脈の拡張を伴う患者では、通常、大動脈弁置換と上行大動脈の人工血管(composite graft)置換および冠動脈の再移植が行われる。手術後の合併症のリスクは複数あり、それらは術後ステロイド療法(および/または)RPの疾患活動性そのものに関連する。高安動脈炎に類似した血管病変には必要に応じて、動脈のステント留置や手術を行うべきとされる。呼吸困難を伴う症例には気管切開を要する場合がある。ステント留置は致死的な気道閉塞症例では適応であるが、最近、筆者らの施設では気道感染の長期管理という視点からステント留置はその適応を減らしてきている。気管および気管支軟化病変の患者では、夜間のBIPAP(Biphasic positive airway pressure)二相性陽性気道圧または連続陽性気道圧で人工呼吸器の使用が推奨される。日常生活については、治療薬を含めて易感染性があることに留意すること、過労、ストレスを避けること、自覚的な症状の有無にかかわらず定期的な医療機関を受診することが必要である。4 今後の展望RPは慢性に経過する中で、臓器障害の程度は進展、増悪するためにその死亡率はわが国では9%と高かった。わが国では気管気管支病変を持つ患者群と耳介病変を持つ患者群の2群が存在していることが示唆されている。今後の課題は、治療のガイドラインの策定である。中でも予後不良な患者サブグループを明瞭にして、そのサブグループにはintensiveな治療を行い、RPの進展の阻止と予後の改善をはかる必要がある。5 主たる診療科先に行った全国疫学調査でRP患者の受診診療科を調査した。その結果、リウマチ・免疫科、耳鼻咽喉科、皮膚科、呼吸器内科、腎臓内科に受診されている場合が多いことが明らかになった。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 再発性多発軟骨炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)聖マリアンナ医科大学 再発性多発軟骨炎とは(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報再発性多発軟骨炎患者会ホームページ(患者とその家族および支援者の会)1)McAdam P, et al. Medicine. 1976;55:193-215.2)Damiani JM, et al. Laruygoscope. 1979;89:929-946.3)Shimizu J, et al. Rheumatology. 2016;55:583-584.4)Shimizu J, et al. Arthritis Rheumatol. 2018;70:148-149.5)Shimizu J, et al. Medicine. 2018;97:e12837.公開履歴初回2020年02月24日

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ワクチン接種における接種部位、接種方法【今、知っておきたいワクチンの話】総論 第3回

ワクチン接種において安全性や効果を保つためには、定められた接種部位や接種方法を知っておく必要がある。しかし、どのように接種すれば妥当かは、新たな科学的根拠や歴史的経緯が加わることで変わっていくため、アップデートする必要がある。ワクチンの接種部位は図のように、上腕伸側、三角筋中央部、大腿前外側の3ヵ所である。接種部位は、接種方法によって変わる。接種方法は、筋肉注射と皮下注射、経口内服とに大きく分けられる。本稿では、経口内服による接種は比較的簡便であるため割愛し、筋肉注射と皮下注射における接種部位について述べる。画像を拡大する筋肉注射の部位とポイントはじめに筋肉注射の場合は、1歳以上の年代には「三角筋の中央部」が望ましい。一方、乳児(1歳未満)に三角筋への筋肉注射を行うと、筋量が不足しているために免疫賦活反応が十分に惹起されない。そのため乳児には「大腿前外側」に筋肉注射が望ましい。また、日本小児科学会は、1歳以上2歳未満であれば大腿前外側と三角筋のいずれでもよいと定めている。注意点は、臀部に対して筋肉注射しないことである。なぜなら臀部には、神経組織が多いため坐骨神経損傷の可能性があるからである。医療機関でワクチン接種を行うと非接種者やその家族から、「接種部位を揉んだ方がよいですか?」または「揉まなくてもよいですか?」といった質問を受ける。接種後に接種した部位を揉む必要は特になく、軽く圧迫するだけでよい。以前は、筋肉注射においては揉むことによって注入された薬液が拡散され、吸収までの時間が早くなるため望ましいと考えられていた。しかし現在では、揉むことによって局所の疼痛や硬結が増えるという報告もあり、効果に差がないため、必要としていない。皮下注射の部位とポイント次に、皮下注射の場合は「上腕伸側」と定められている。海外諸国では、生ワクチンは皮下注射によって接種し、不活化ワクチンは基本的に筋肉注射で接種する。わが国では、生ワクチンを皮下注射で接種する点は同様であるが、不活化ワクチンに関しても皮下注射による接種が主流となっている。そのようになった背景には歴史的経緯があるため紹介する。1970年代に抗菌薬や解熱鎮痛剤を臀部に筋肉注射することによって、大腿四頭筋拘縮症が報告された。この報告は社会問題となり、それ以降、医薬品を筋肉注射で投与することは原則的に避けられるようになった。このような背景から、わが国では不活化ワクチンを皮下注射で接種することが主流となった。皮下注射で接種する際は皮内注射とならないように角度を30~45度と、直感的にはやや深めにとる。角度が浅いと、結果として皮内注射となる場合がある。皮内注射は著明に腫れたり、疼痛が強くなることもある。同時接種での注意点ワクチン接種の際に、「一度に何本も接種して大丈夫ですか?」や「一度に何本まで同時接種できるのですか?」といった質問が多い。そこで同時接種についても説明する。同部位に同時接種する場合は、注射する部位の間を2.5cm以上離す必要がある。2.5cmというのは、海外では1インチ(2.54cm)以上離すという基準を元に、センチメートルに置き換えて定められている。生ワクチンを含む、複数のワクチンを同時に接種することによる有効性および安全性自体に関して、問題はないとされている。同日のうちに接種するワクチンの本数には制限はない。複数のワクチンを接種しても、それぞれのワクチンの有害事象や副反応が生じる頻度は増加しないとされている。また、同時接種の利点として、ワクチン接種のために何回も医療機関に足を運ぶ時間や労力、交通費が削減でき、何よりも接種スケジュールを迅速に進めることが可能となる。乳児や海外渡航を計画しているワクチン接種希望者は、限られた期間に接種が必要なワクチンの数が多い。そのような立場では、接種スケジュールは切実な問題である。しかし、ワクチン接種において同時接種は問題とされない一方で、薬液の混注は認められていない。事例を挙げると、2017年4月、複数のワクチンを1つに混ぜて接種していた医療行為が報告された。具体的には、MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンを混注、あるいは四種混合ワクチンとHibワクチンを混注していた。最短でも5年間、350人以上の子どもに実施していたという。同様の混注事例は2016年4月にも報告されている。ワクチン接種における混注に関して効果や安全性のエビデンスは今のところは存在しないために、実施は認められない。ワクチン接種にあたってワクチン接種を行う医療者は、医学的必要性(ワクチン接種を受ける者にとってどの程度リスクが高いか)、個人の価値観やヘルスリテラシー、経済的事情、医療的な状況(ワクチンの供給、アウトブレイクがアクセス可能な地域で生じているか)など、すべて加味した上で接種を受ける側の者とシェアド・デジションメイキングする必要がある。シェアド・デジションメイキングする際には、医療とは原則的にトレードオフの関係にあり、何かのリスクやコストを抑えるためには、また別のリスクやコストを受け入れなければならないことをよく理解していただく必要がある。疾患に罹患していない者に対して未来において生じうるリスクやコストを受け入れなければならないため、ワクチン接種においても接種を行う医療者の理解と面接技術がそれぞれ必要である。接種時には、ワクチンに対する不安や心配を取り除くことが重要であり、接種を行う者は、接種を受ける者一人一人の立場になって親身に接する姿勢が望ましい。1)日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会. 小児に対するワクチンの筋肉内接種法について(改訂版).2)岡田賢司. 予防接種の基本的な知識.3)The National Center for Immunization and Respiratory Diseases, Centers for Disease Control and Prevention. 11th Edition of Epidemiology and Prevention of Vaccine-Preventable Diseases 2009. Public Health Foundation4)日本小児科学会. 日本小児科学会の予防接種の同時接種に対する考え方.5)日本小児科学会ホームページ. 複数のワクチンを混ぜて接種していた医療行為に対する日本小児科学会の見解.講師紹介

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化学療法の毒性リスクが最も低い患者は?/Cancer

 化学療法を受けるがん患者の毒性リスクに関して、栄養状態がキーを握ることが報告された。米国・フォックス・チェイスがんセンターのEfrat Dotan氏らが、固形腫瘍を有する高齢者において、治療前のBMI値、アルブミン値ならびに過去6ヵ月の意図しない体重減少(UWL)と、化学療法の毒性との関連を評価した結果、BMIが高くアルブミン値正常でGrade3以上の毒性リスクが低くなることが示されたという。著者は、「高齢のがん患者において、栄養状態が罹病率と死亡率に直接影響を及ぼすことが示された」とまとめ、「栄養マーカーの臨床的重要性を明らかにし、今後、介入していくためにも、さらなる研究が必要である」と提言している。Cancer誌オンライン版2020年1月24日号掲載の報告。 研究グループは、前向き多施設研究で化学療法を受けた65歳以上の高齢者について2次解析による検討を行った。 治療前に、高齢者機能評価、BMI値、アルブミン値、およびUWLのデータを収集し、多変量ロジスティック回帰モデルにより、栄養因子とGrade3以上の化学療法毒性リスクとの関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は750例で、年齢中央値は72歳、ほとんどがStageIVのがんであった。・治療前のBMI中央値は26、アルブミン中央値は3.9mg/dLであった。・約50%の患者がUWLを報告し、10%超のUWLがみられた患者は17.6%であった。・多変量解析の結果、10%超のUWLとGrade3以上の化学療法毒性リスクとの間に関連性は認められなかった(補正後オッズ比[AOR]:0.87、p=0.58)。・一方、BMI 30以上では、Grade3以上の化学療法毒性リスクが減少する傾向がみられ(AOR:0.65、p=0.06)、アルブミン低値(≦3.6mg/dL)では、Grade3以上の化学療法毒性リスクの増加と関連した(AOR:1.50、p=0.03)。・BMIとアルブミンを組み合わせて解析した結果、BMI 30以上かつアルブミン値正常の患者において、Grade3以上の化学療法毒性が最も低いことが示された(AOR:0.41、p=0.008)。

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ドパミン過感受性精神病における血漿モノアミンの変化

 初回エピソード統合失調症患者は、最初の抗精神病薬に良好な治療反応を示すことが多いが、再発患者の場合、治療反応率は約30%に低下する。この相違のメカニズムは明らかにされていないが、シナプス後のドパミンD2受容体のアップレギュレーションによるドパミン過感受性精神病の発症が、治療反応率の低下と関連している可能性がある。初回エピソード統合失調症患者とは対照的に、ドパミン過感受性精神病患者においてドパミン合成および放出の上昇が起こるのかはわかっていない。千葉大学の高瀬 正幸氏らは、ドパミン過感受性精神病における血漿モノアミンの変化について検討を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2020年1月21日号の報告。 初回エピソード統合失調症患者6例、ドパミン過感受性精神病による再発(18例)を含む再発患者23例を対象に調査を行った。治療開始後、ベースライン測定の2週間後と4週間後に、ホモバニリン酸(HVA)および3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール(MHPG)の血中濃度を測定した。 主な結果は以下のとおり。・初回エピソード統合失調症患者では、症状改善を伴ってHVAの減少傾向が認められた。・再発患者では、治療期間中にHVAまたはMHPGの変化が認められなかった。・これらの結果は、ドパミン過感受性精神病患者のみにおいて同様であった。 著者らは「初回エピソード統合失調症患者とは異なり、ドパミン過感受性精神病の再発患者では、シナプス前のドパミン放出の増加は認められなかった。これは、シナプス後のドパミンD2受容体の過感受性が、ドパミン過感受性精神病患者の再発と関連していることを間接的に示唆している」としている。

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COVID-19、中国からドイツへの帰国者126人の追跡調査/NEJM

 世界中に広がる新型コロナウイルスの感染を受け、多くの国が中国からの帰国者、旅行者に制限を設けている。ドイツの研究者らは、中国・湖北省から帰国した126人についての追跡結果を、NEJM誌オンライン版2020年2月18日号のCORRESPONDENCEに報告した。出発時の感染疑い10例と帰国後の症状発現1例は陰性 帰国者らの症状と臨床徴候のスクリーニングは中国を出発する前に実施され、飛行中、感染の可能性が高い10人の乗客は隔離された。彼らは、到着後すぐにフランクフルト大学病院に移送されたが、全員がRT-PCR検査でSARS-CoV-2陰性を示した。 残り116人の乗客(年齢:5ヵ月~68歳、23人の子供を含む)は、フランクフルト空港の医療センターに送られ、医師チームによって評価された。それぞれ症状(発熱、疲労感、のどの痛み、咳、鼻水、筋肉痛、下痢など)に関する聞き取りと体温計測が行われ、1人を除き全員が無熱だった。 38.4℃の発熱と呼吸困難、咳を呈した1人の乗客は、評価のためフランクフルト大学病院に移送されたが、RT-PCR検査結果は陰性だった。症状なしの2例で陽性が発覚 研究者らが、事前に計画されていた検疫プロセスをクリアした115人のうち、同意が得られた114人に追加でRT-PCR検査を実施したところ、2人(1.8%)がSARS-CoV-2陽性を示した。さらに、両サンプルから分離されたSARS-CoV-2は、潜在的な感染性を示した。 これらの2人(58歳男性、44歳女性)は、さらなる評価・観察のためフランクフルト大学病院の感染症ユニットに移送された。58歳の男性は、7日間の観察後も無症候・無熱であり、貧血以外の検査値異常はみられなかった。44歳の女性は、胸部と脚にわずかな発疹と軽微の咽喉炎を示したが、7日後には経過良好であり、検査値異常は報告されなかった。 この調査結果より、研究者らは「感染性のあるウイルスの放出は、発熱がなく、感染の兆候がないか軽微な人にも起こりうるかもしれない」と結論付けている。■補足資料Supplementary Appendix

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祭りで目を失った子供【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第157回

祭りで目を失った子供photoACより使用イスラム教シーア派の宗教行事として「アーシューラー(Ashura)」があります。アーシューラーとは、イスラーム暦の最初の月、ムハッラムの10日目にあたる日のことです。また、3代目イマームであるフサインの命日にあたるため、シーア派にとってはきわめて重要な日なのです。アーシューラーは元々危険なものではないのですが、一部の国では自傷行為や爆竹・花火を使った過激な祭典になっていることもあります。今回はアーシューラーの危険性を記した医学論文を紹介しましょう。Moustaine MO, et al.Ashura: a festival of charity associated with a serious and disabling eye injury (report of 12 cases).Ann Burns Fire Disasters. 2017 Mar 31;30(1):65-67.本来アーシューラーは、子供が参加したとき、おもちゃやお菓子をあげるような、ハロウィーンに似た穏やかな祭典だったのですが、近年どんどん過激化していることが問題視されています。この論文は、カサブランカにある小児眼科で治療を受けたアーシューラー時の重度眼損傷の被害児12例をまとめて報告したものです。12人の小児(平均年齢8.5歳、男児8人、女児4人)のうち、3人が両眼を損傷しました。全体の3分の2が爆竹による爆発が原因でした。8例は視機能が回復しましたが、3例は永続的な視力低下に至り、1例については穿孔により眼そのものを失うこととなりました。この論文では、輸入された爆竹のほとんどが粗悪な中国製であり、想定よりも火力が強いことが危険であると書かれています。本場中国ですら、北京市や深セン市などの大都市では使用に一定の規制が設けられています。最近は花火や爆竹をやろうにも規制が強くなり、近所の公園ですらNGになりました。そのため、爆竹なんてものを最近の子供は知らないそうで、これもそのうち死語になるかもしれませんね。

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統合失調症患者の再入院減少のための長時間作用型持効性注射剤の実際の効果

 抗精神病薬の長時間作用型持効性注射剤(LAI)と経口剤の有効性に関する比較は、さまざまな方法論的な問題により明確になっていない。韓国・健康保険審査評価院のHye Ok Kim氏らは、統合失調症患者の再入院に対するLAIと経口抗精神病薬との比較を実施した。Annals of General Psychiatry誌2020年1月14日号の報告。 2008~17年の統合失調症入院患者7万5,274例を対象に、LAIと経口抗精神病薬の再入院に対する予防効果を比較するため、被験者内分析を実施した。再入院率は、非薬物療法、経口剤単独療法、LAI療法で比較を行った。各入院エピソードについて、入院前の治療の状態に従って比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・13万2,028件の入院エピソードについて分析を行った。・総観測期間25万5,664患者年の間に発生したアウトカムイベントは、10万1,589件であった。・LAI療法と経口剤単独療法の比較において、LAI療法の再入院の発生率比(IRR)は0.71(0.64~0.78、p<0.001)であった。・LAI療法の初回入院のIRRは、0.74(0.65~0.86)であり、入院回数が2回目(IRR:0.65[0.53~0.79])、3回目(IRR:0.56[0.43~0.76])、4回目(IRR:0.42[0.31~0.56])と増えるにつれ、IRRの減少が認められた。 著者らは「実臨床におけるLAI療法は、経口剤単独療法と比較し、統合失調症患者の再入院率を29%低下させることが示唆された。さらに、入院を繰り返す患者において、再入院率を58%低下させた。LAIは経口抗精神病薬と比較し、再入院回数が多い統合失調症患者において、再入院リスクの低減により寄与する」としている。

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肺がんEGFR変異の検出、凍結生検でより高く/Lung Cancer

 生検技術が、EGFR変異陽性の検出に影響するという検討結果が示された。ドイツ・エバーハルト・カール大学のMaik Haentschel氏らは、単一施設でのレトロスペクティブ研究を行い、気管支鏡下凍結生検によって得られた組織におけるEGFR変異の検出率を、ほかの標準的な組織標本採取法技と比較した。その結果、気管支鏡下凍結生検は、ほかの組織採取法と比較し、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるEGFR変異の検出率が高いことが示されたという。EGFR変異陽性の検出は、NSCLCの個別化治療にとってきわめて重要となっているが、これまで生検の手技が、EGFR変異の検出率にどのように影響を及ぼすかは不明であった。著者は、「今回の結果は、進行NSCLC患者の個別治療を最適化するのに役立つと思われる。ただし後ろ向きの解析であるため、最終的な評価には前向き研究が必要である」とまとめている。Lung Cancer誌オンライン版2020年1月号掲載の報告。 研究グループは、2008年3月~2014年7月に組織学的にNSCLCと診断されEGFR変異の有無が既知の414例について後ろ向きに解析した。 気管支鏡下凍結生検により得られた腫瘍組織標本群(125例)と、ほかの手法で得られた腫瘍組織標本群(298例)のEGFR変異検出率を比較した。主な結果は以下のとおり。・気管支鏡下凍結生検組織では、125例中27例(21.6%)で29のEGFR変異が検出された。・一方、非凍結生検法(気管支鏡鉗子生検、穿刺吸引、画像ガイド下経胸壁および外科的手技)で得られた生検組織では、298例中40例(13.8%)で42のEGFR変異が検出された。検出率は、凍結生検組織が非凍結生検組織よりも有意に高率であった(p<0.05)。・凍結生検は、鉗子生検と比較して中枢型腫瘍におけるEGFR変異の検出率が高く(19.6% vs.6.5%、p<0.05)、末梢型腫瘍についてもわずかだが高い傾向が認められた(33.3% vs.26.9%)。

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災害診療に影響大なエネルギー、電気よりも…

 病院などの医療・福祉施設は、災害時に診療機能の継続が急務となる。また、高齢者を含む災害弱者を預かる責務を負うため、電気や水道、ガスなどのライフライン確保が求められる。この時、災害時の病院を稼働させるために忘れてはならないものーそれは石油である。 2020年1月23日、「防災の専門家と考える自然災害時の施設のリスクと備えを学ぶセミナー」が開催され、野口 英一氏(戸田中央医科グループ災害対策室長)が「自然災害時の社会的重要インフラ機能障害と対応策-業務機能継続の観点から-」について講演した(主催:全国石油商業組合連合会)。電気復旧、早くても7~14日は要する 気象庁が公開する、気象庁震度階級関連解説表(震度階とライフライン・インフラ等への影響1))には、『震度5弱程度以上の揺れがあった地域では、停電が発生することがある』と、統計的データに基づいた内容が示されている。 これを踏まえ、野口氏は過去の事例として、1995年に発生した阪神淡路大震災時の診療機能に係る被害状況(診療可能状況 神戸市内等182病院)2)を提示。「震災当日は手術や人工透析など、水道設備が必要な部門ほど対応に苦慮していた」と当時を振り返り、診療機能の低下要因として、上水道や電気、そしてガスの供給不能を挙げた。 当時は水道や都市ガスの完全復旧に約2ヵ月以上も要した。それに比べ、電気は震災後7日目に復旧するという目を見張る早さだったという。しかし、ほかの災害時にも同様の復旧が見込めるわけではなく、たとえば、2019年10月に発生した台風19号による被害では、電気の復旧に約2週間も要している。このことから、同氏は「阪神淡路大震災当時は電力会社の活躍が大きかった。しかし、ほかの震災では電力不足が一番の問題であった」と述べ、災害時に備えて「復旧までの期間は自家発電装置活用による施設ごとの対応が重要」と強調した。医療機器を稼働させるのに必要な電力量は? 災害時に電力が必要な医療活動はさまざまあるが、とくにトリアージや救急患者の手術などが優先活動として挙げられる。同氏は「トリアージには1kVA、救急患者手術には30kVA、救急患者入院には12kVAの電力を要する」とし、この状況下で利用される医療機器について「シリンジポンプは家電製品と同レベルの消費電力なので問題ないが、X線の平均消費電力は医療機器で最も高く、IH調理器の約12倍に相当する。」とコメント。一方で、被災者や入院患者の状態に最も影響するのは空調設備であるものの、「これが一番制限されてしまう」と述べた。発電に必要なのは石油 災害時の電力供給に重要な役割を担うのが自家発電装置であるが、これを稼働させるには石油の備蓄も重要である。仮に自家発電装置で72時間も電力を持続させるには、施設内に大型の石油保管用地下タンクが必要となる。都市部で地下タンクの設置は厳しいため、最寄りの石油販売業者から取り寄せなければならないが、これに対し同氏は「東日本大震災時は石油出荷拠点のほとんどが被災し、出荷不可能な日が続いた」と述べ、「災害時の石油需要は医療施設だけではない。緊急車両や災害対応車両用、避難所の給油・暖房用としてもニーズがある。医療施設には給油の優先ルールがないため、本来であれば自施設での72時間分の燃料備蓄が望まれる。しかし、消防法の規制などで備蓄が難しい場合には、外部から確実に調達できる方法が必要であり、そのためには日頃から地域の石油販売業者との関係性が大切」と、罹災に備えた地域交流の重要性を訴えた。

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心原性ショックのAMI、軸流ポンプLVAD vs.IABP/JAMA

 2015~17年に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施した心原性ショックの急性心筋梗塞(AMI)患者において、軸流ポンプ左心補助人工心臓(LVAD)(Impellaデバイス)の使用は大動脈バルーンパンピング(IABP)と比較し、院内死亡および大出血合併症のリスクを増大することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSanket S. Dhruva氏らが、機械的循環補助(MCS)デバイスによる治療を受けた、心原性ショックを伴うAMIでPCIを実施した患者のアウトカムを検討した後ろ向きコホート研究の結果を報告した。AMIの心原性ショックは、その後の後遺症や死亡と関連する。軸流ポンプLVADはIABPより良好な血行動態補助を提供するが、臨床アウトカムについてはあまり知られていなかった。JAMA誌オンライン版2020年2月10日号掲載の報告。軸流ポンプLVAD(Impella)使用例とIABP使用例で院内死亡/大出血を比較 研究グループは、2015年10月1日~2017年12月31日に、米国NCDR(National Cardiovascular Data Registry)のCathPCIレジストリとChest Pain-MIレジストリのデータを用い、PCIを実施した心原性ショックを伴うAMI患者について解析した(最終追跡期間2017年12月31日)。 患者を軸流ポンプLVAD単独使用、IABP単独使用、およびその他(たとえば、経皮的体外設置型心室補助システム、体外式膜型人工肺の使用、またはMCS併用)に分類するとともに、人口統計、既往歴、症状、梗塞部位、冠動脈の解剖学および臨床検査データに関して軸流ポンプLVAD使用患者とIABP使用患者でマッチングした。 主要評価項目は、院内死亡と院内大出血であった。Impella使用例で院内死亡/大出血リスクが有意に増大 心原性ショックを伴うAMIでPCIを施行した患者は2万8,304例(平均[±SD]年齢65.0±12.6歳、男性67.0%、ST上昇型心筋梗塞81.3%、心停止43.3%)で、このうち軸流ポンプLVAD単独使用患者は6.2%、IABP単独使用患者は29.9%であった。 傾向スコアでマッチングした軸流ポンプLVAD群1,680例およびIABP群1,680例において、軸流ポンプLVAD群はIABP群より院内死亡リスクが有意に高く(45.0% vs.34.1%、絶対リスク差:10.9ポイント[95%信頼区間[CI]:7.6~14.2]、p<0.001)、院内大出血のリスクも有意に高い(31.3% vs.16.0%、15.4ポイント[12.5~18.2]、p<0.001)ことが認められた。この関連は、PCI開始前後で患者が機器を使用したタイミングにかかわらず一貫していた。 著者は、観察研究であり、残余交絡が存在するなど研究の限界を挙げたうえで、「心原性ショックのAMI患者に対する適切な医療機器の選択について理解を深めるため、今後さらなる研究が必要である」とまとめている。

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新規抗体薬bimekizumabは乾癬性関節炎に有効か?/Lancet

 活動性乾癬性関節炎患者において、IL-17AおよびIL-17Fを選択的に阻害するモノクローナル抗体bimekizumabの16mgまたは160mg投与(320mg負荷投与あり/なし)は、プラセボと比較しACR50改善率が有意に高く、安全性プロファイルは良好であることが認められた。米国・ロチェスター大学のChristopher T. Ritchlin氏らが、多施設共同48週間の無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相用量範囲試験「BE ACTIVE試験」の結果を報告した。今回の結果を受け著者は、「乾癬性関節炎の治療として、bimekizumabの第III相試験の実施が支持される」とまとめている。Lancet誌2020年2月8日号掲載の報告。bimekizumabの4用量による用量範囲試験 BE ACTIVE試験は、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ロシア、米国の41施設にて、6ヵ月以上症状を有する乾癬性関節炎の成人患者(18歳以上)を対象に行われた。 被験者を、プラセボ群、bimekizumab 16mg群、bimekizumab 160mg群、bimekizumab160mg+320mg 1回負荷投与群およびbimekizumab 320mg群に1対1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、4週ごとに12週間皮下投与した。12週後に、プラセボ群およびbimekizumab 16mg群の患者を再びbimekizumab 160mg群または320mg群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付け、その他の患者には当初割り付けられたbimekizumab投与量を最長48週間投与した。 主要評価項目は、1回以上治験薬の投与を受けた患者における、12週時の米国リウマチ学会分類基準の50%以上改善に達した患者の割合(ACR50改善率)であった。bimekizumab 16mgおよび160mg投与は主要評価項目を達成 2016年10月27日~2018年7月16日に308例がスクリーニングを受け、206例が5群に無作為に割り付けられた(プラセボ群42例、4つのbimekizumab群各41例)。 12週時のACR50改善率は、プラセボ群と比較して、bimekizumab 16mg群(オッズ比[OR]:4.2、95%信頼区間[CI]:1.1~15.2、p=0.032)、bimekizumab 160mg群(8.1、2.3~28.7、p=0.0012)、bimekizumab 160mg+320mg負荷投与群(9.7、2.7~34.3、p=0.0004)で有意に高かった。 12週時における試験治療下で発現した有害事象(TEAE)の発現率は、プラセボ群で42例中24例(57%)、bimekizumab群で164例中68例(41%)であり、そのほとんどは軽度~中等度であった。重篤なTEAEは9例の患者で確認され、そのうち8例がbimekizumabの投与を受けていた。死亡や炎症性腸疾患の報告は確認されなかった。

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乳がん発症ハイリスク閉経後女性に対するアナストロゾールによる化学予防(IBIS-II):5年内服後の予防効果は11年後も継続(解説:下村昭彦氏)-1189

 本試験は、乳がん発症リスクの高い閉経後女性に対するアナストロゾール予防投与の試験(IBIS-II試験)の長期フォローアップデータである。初回の報告は2015年に行われ、今回はそのフォローアップデータが公表された。本試験では乳がん発症高リスクと考えられる40〜70歳の閉経後女性を対象に行われた。高リスクの定義としては、家族歴などが挙げられた。3,894例がアナストロゾール群もしくはプラセボ群に1:1に割り付けられ、5年間内服した。観察期間中央値は131ヵ月で、乳がん発症はハザード比0.51とアナストロゾール群で統計学的有意に約半数に減少した(85例vs.165例、95%CI:0.39~0.66、p<0.0001)。 キャリーオーバーエフェクト(治療終了後も治療効果が継続すること)が認められ、乳がん発症率の低下は、最初の5年間が大きかったが(35例vs.89例、HR:0.39、95%CI:0.27~0.58、p<0.0001)、5年以降もアナストロゾール群で有意に少なかった(新規発症例:50例vs.76例、HR:0.64、95%CI:0.45~0.91、p=0.014)。これは乳がん術後のタモキシフェンやアロマターゼ阻害薬で見られる現象と同様である。 興味深いことに、乳がん死亡はアナストロゾール群で2例、対照群で3例と両群に差を認めなかったが、アナストロゾール群では他がん(とくにメラノーマ以外の皮膚がん)による死亡が顕著に少なかった。骨折や心血管イベントなどの有害事象は両群で差はなく、アナストロゾール投与による有害事象の増加は認めなかった。 本試験により、乳がん発症リスクの高い閉経後女性に対するアナストロゾール5年投与の予防効果が示された。これは、術後のタモキシフェン投与後にレトロゾール投与を5年追加することの意義を検証したMA.17試験で、対側乳がんの発症が抑制されたという結果とも一致する。発症抑制効果は認められたが、生存への寄与については現在のところ示されていない。また、本試験では有害事象の増加は認めなかったが、ABCSG-16試験(アロマターゼ阻害薬5年vs.7年)では明らかに骨折が増加していた。患者背景の違いなど、有害事象についても慎重な判断が必要だろう。

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第43回 ホットタオルなどで目を温めるとドライアイの症状が和らぎます【使える!服薬指導箋】

第43回 ホットタオルなどで目を温めるとドライアイの症状が和らぎます1)医療情報科学研究所(編集). メディックメディア. 『薬がみえるvol.2』p.3962)Sassa T, et al. FASEB J. 2018;32:2966-2978. [Epub 2018 Jan 17].3)Lemp MA, et al. Cornea. 2012;31:472-478.4)Sim HS, et al. Ophthalmol Ther. 2014;3:37-48. [Epub 2014 Aug 26].

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民泊あれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(311)

三百十一の段 民泊あれこれ近医から紹介されてきた80代後半の女性。『最近物忘れが多いので認知症はありませんでしょうか? できれば頭部MRIをお願いします』という診療情報提供書をお持ちでした。近くの商店街に住んでいて御一人での受診です。80代後半でありながら、付き添いなしで病院の受診手続きを済ませて診察室に現れたのだから、むしろ相当しっかりしているような気がします。少し世間話をしながらの問診ですが、話は思わぬ方向に行ってしまいました。中島「〇〇商店街に住んでおられるのですね。いいところじゃないですか」患者「それが先生、全然あきませんねん」中島「僕も時々通るけど、シャッター商店街という印象は全く持ちませんよ」患者「それがね。民泊ですねん、民泊!」中島「民泊というと、最近流行っているやつですか?」私自身は1回も利用したことはありませんが、大阪に来た知り合いが、朝食付き1泊2,000円の民泊を利用したそうです。思ったより清潔で、非日常の体験ができたので喜んでいました。患者「まだシャッター商店街のほうがなんぼかマシや」中島「ええ?」患者「跡継ぎがいなくなった商店が、次々に外国人に買われて民泊になるんよ」中島「そうなんですか!」患者「外国からの観光客が狭いところに大勢で泊まってうるさいし、ゴミはところ構わず捨てるし」中島「それは大変ですね」患者「あの人ら、タバコを吸っては吸い殻をゴミの中に捨てるから危なくて仕方ないんよ」中島「そういや、民泊でボヤが起こったというニュースがありましたね」患者「京都でしょ。他人事とは思われへんわ」調べてみたら2年ほど前の事でした。大惨事にならなくて良かったです。患者「夜中でも関係なしに大きなスーツケースをガラガラ引っ張ってくるし」中島「あれ、結構響きますよね」患者「玄関がドンドンドンと叩かれたと思ったら、住所を書いた紙を出して『ココ、ドコ?』と言われるし」中島「行き先がわからなくなったんですかね」患者「新しい住居表示で、聞かれてもわからないのよ。第一、なんで夜遅くに玄関の扉を叩くわけ?」中島「すみません」意味不明な問答です。患者「町内会の会長さんが何回も行政に掛け合って、ようやく民泊の中を見せてもらったら汚い汚い!」患者「一族郎党でやってくるから、夜中に赤ん坊の泣き声がしてね」患者「そら赤ん坊は泣くもんやから仕方ないけど。ぬいぐるみとか持って行ってあやしてやったら、その時だけは向こうの人も喜んでくれるのよ」相槌を打つ隙もありません。患者「先生、どない思います?」そんなこときかれても困りまんがな。中島「ま、認知症の方は心配しなくていいんじゃないかな」患者「はあ?」中島「せっかく来られたんだから、頭部MRIの手配をしておきましょう」この方も、民泊相手に文句を言っているかぎりボケなくて済みそうですね。最後に1句高齢者 民泊刺激で 活性化

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治療抵抗性うつ病のリスク因子~コホート研究

 治療抵抗性うつ病のリスク因子を明らかにすることは、メカニズムやリスクを有する患者を特定するために、役立つであろう。しかし、さまざまなリスク因子が治療抵抗性うつ病とどのように関連しているかは、よくわかっていない。デンマーク・Bispebjerg and Frederiksberg HospitalのFrederikke Hordam Gronemann氏らは、治療抵抗性うつ病と社会人口統計学的および臨床的なリスク因子との独立した関連性について、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年1月15日号の報告。 1996~2014年にデンマークの全国患者登録システム(DNPR)より抽出したうつ病患者19万4,074例を対象に、診断後12ヵ月間治療抵抗性うつ病のフォローアップを行った。社会人口統計学的および臨床的なリスク因子は、全国レジストリより抽出した。競合死亡リスクの分析には、Cox比例ハザード回帰モデルおよびFine-Grayモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・治療抵抗性うつ病の強いリスク因子は、以下のとおりであった。 ●再発性うつ病(調整ハザード比[aHR]:1.17、95%CI:1.14~1.20) ●うつ病重症度(aHR:2.01、95%CI:1.95~2.08) ●精神科病棟への入院(aHR:2.03、95%CI:1.96~2.10)・治療抵抗性うつ病の発生率との関連が認められたのは、以下のとおりであった。 ●65~84歳(aHR:1.96、95%CI:1.83~2.10) ●失業(aHR:1.12、95%CI:1.08~1.16) ●同居(aHR:1.27、95%CI:1.23~1.30) ●不安症合併(aHR:1.18、95%CI:1.10~1.27) ●不眠症合併(aHR:1.27、95%CI:1.06~1.51) ●片頭痛合併(aHR:1.42、95%CI:1.16~1.73) ●向精神薬の使用・本研究の限界として、入院中の薬物治療に関する情報が得られなかった点、症状の重症度や治療反応をより正確に評価するための評価尺度に関する情報が不足していた点があげられる。

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polatuzumab vedotin、DLBCL国内第II相試験の主要評価項目を達成/中外

 中外製薬は、2020年2月13日、polatuzumab vedotinの国内第II相臨床試験(JO40762/P-DRIVE試験)において、主要評価項目を達成したと発表。 JO40762(P-DRIVE)試験は、再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者35例を対象として、polatuzumab vedotinとBR療法を併用投与する第II相多施設共同単群非盲検試験。本試験の主要評価項目は治験責任/分担医師評価によるPRA時点(治験薬最終投与後6~8週)におけるPET-CTによる完全奏効率(complete response rate:CRR)である。 polatuzumab vedotinは、ヒト化抗CD79bモノクローナル抗体とチューブリン重合阻害剤をリンカーで結合させた、抗CD79b抗体薬物複合体。CD79bタンパクは、多くのB細胞で特異的に発現しており、新たな治療法を開発する上で有望なターゲットになり得る。現在国内外において、複数のタイプの非ホジキンリンパ腫を対象として臨床開発が行われている。わが国では、2019年11月に厚生労働省よりDLBCLに対する希少疾病用医薬品に指定されており、米国では2019年6月に迅速承認を、欧州では2020年1月に条件付き承認をそれぞれ取得している。

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高出血リスクへのPCIステント、ポリマーベースvs.ポリマーフリー/NEJM

 出血リスクが高い、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に1ヵ月の抗血小板薬2剤併用療法を行った患者において、ポリマーベース・ゾタロリムス溶出ステントの使用は、ポリマーフリー・umirolimus被覆ステントの使用に対し、安全性および有効性の複合アウトカムについて非劣性であったことが示された。スイス・ベルン大学のStephan Windecker氏らが、約2,000例を対象に行った無作為化単盲検試験で明らかにした。これまで同患者において、ポリマーフリー・薬剤被覆ステントの使用は優れた臨床的アウトカムを示すことが報告されていたが、ポリマーベース・薬剤溶出ステントとの比較データは限られていた。NEJM誌オンライン版2020年2月12日号掲載の報告。1年後の心臓死、心筋梗塞、ステント血栓症の統合アウトカムを比較 研究グループは、PCIを受ける患者で出血リスクの高い1,996例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはポリマーベースのゾタロリムス溶出ステントを(1,003例)、もう一方の群にはポリマーフリーのumirolimus被覆ステントを用いてPCIを施行した(993例)。被験者は術後、抗血小板薬2剤併用療法を1ヵ月、その後は抗血小板薬単剤療法を受けた。 主要アウトカムは、1年時点の心臓死、心筋梗塞、ステント血栓症の統合アウトカムだった。主な副次アウトカムは、標的病変不全と、心臓死、標的病変心筋梗塞または標的病変血行再建の臨床的必要性のいずれかで評価した有効性だった。両アウトカムともに、非劣性検証を行った。主な副次アウトカムも非劣性 1年時点の主要アウトカム発生は、ゾタロリムス溶出ステント群17.1%(988例中169例)、ポリマーフリー・umirolimus被覆ステント群16.9%(969例中164例)だった(リスク差:0.2ポイント、97.5%片側信頼区間[CI]上限:3.5、非劣性マージン:4.1、非劣性のp=0.01)。 主な副次アウトカムの発生も、ゾタロリムス溶出ステント群17.6%(174例)、ポリマーフリー・umirolimus被覆ステント群17.4%(169例)だった(リスク差:0.2ポイント、97.5%片側CI上限:3.5、非劣性マージン:4.4、非劣性のp=0.007)。

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MRSA、バンコマイシン/ダプトマイシンへのβラクタム系追加投与は?/JAMA

 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)菌血症患者に対し、バンコマイシンまたはダプトマイシン静脈投与による標準治療にβラクタム系抗菌薬を追加投与しても、90日時点の複合アウトカムおよび全死因死亡について、有意な改善は認められないことが示された。オーストラリア・Peter Doherty Institute for Infection and ImmunityのSteven Y C Tong氏らが、約350例の患者を対象に行った無作為化試験で明らかにした。MRSA菌血症による死亡率は20%超となっている。これまで標準治療+βラクタム系抗菌薬による介入が死亡率を低下することが示されていたが、検出力が十分な無作為化試験による検討はされていなかった。JAMA誌2020年2月11日号掲載の報告。標準治療に加えβラクタム系抗菌薬を7日間投与 研究グループは2015年8月~2018年7月にかけて、4ヵ国27病院でMRSA菌血症が確認された成人患者352例を対象に、非盲検無作為化試験を開始し、2018年10月23日まで追跡した。 被験者を無作為に2群に分け、一方には標準治療(バンコマイシンまたはダプトマイシン)に加えβラクタム系抗菌薬(flucloxacillin、クロキサシリン、セファゾリンのいずれか)を静脈投与した(174例)。もう一方の群には、標準治療のみを行った(178例)。 合計治療日数については担当臨床医の判断とし、またβラクタム系抗菌薬投与は7日間とした。 主要エンドポイントは、90日時点における死亡、5日時点の持続性菌血症、微生物学的再発、微生物学的治療失敗の複合エンドポイントとした。 副次アウトカムは、14日、42日、90日時点の死亡率と、2日、5日時点の持続性菌血症、急性腎障害(AKI)、微生物学的再発、微生物学的治療失敗、抗菌薬静脈投与期間などだった。主要エンドポイント発生はともに約4割 試験は当初440例を登録する予定だったが、同試験のデータ・安全性モニタリング委員会は安全性への懸念から、試験の早期中止を勧告。無作為化を受けた被験者は352例であった。被験者の平均年齢は62.2歳、女性は34.4%、試験を完了したのは345例(98%)だった。 主要エンドポイントの発生は、βラクタム群59例(35%)、標準治療群68例(39%)だった(絶対群間差:-4.2ポイント、95%信頼区間[CI]:-14.3~6.0)。事前に規定した副次評価項目9項目のうち、7項目で有意差がなかった。 90日全死因死亡は、βラクタム群35例(21%)vs.標準治療群28例(16%)(群間差:4.5ポイント、95%CI:-3.7~12.7)、5日時点の持続性菌血症発生率はそれぞれ11% vs.20%(-8.9ポイント、-16.6~-1.2)であり、また、ベースライン時に透析を受けていなかった被験者におけるAKIの発生率は23% vs.6%(17.2ポイント、9.3~25.2)だった。 結果について著者は、「安全性への懸念から試験が早期に中止となったこと、介入を支持する臨床的に意義のある差異が検出されなかったことを考慮して、所見を解釈すべきであろう」と述べている。

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COVID-19、年代別の致命率は~4万例超を分析

 4万4,000例を超える新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学的調査結果が報告された。2020年2月11日時点で、中国で診断された全症例の記述的、探索的分析の結果が示されている。CCDC(中国疾病管理予防センター)のYanping Zhang氏らによるChinese journal of Epidemiology誌オンライン版2020年2月17日号掲載の報告。COVID-19症例の年齢分布や致命率を分析 著者らは、2020年2月11日までに報告されたすべてのCOVID-19症例を、中国の感染症情報システムから抽出。以下の6つの観点で分析を実施した:(1)患者特性の要約、(2)年齢分布と性比の分析、(3)致命率(死亡例数/確定例数、%で表す)と死亡率(死亡例数/総観察時間、per 10 person-days[PD]で表す)の算出、(4)ウイルスの広がりの地理的時間的分析、(5)流行曲線の構築、(6)サブグループ解析。 患者特性はベースライン時に収集され、併存疾患は自己申告による病歴に基づく。症例は、確定(咽頭スワブでのウイルス核酸増幅検査陽性)、疑い(症状と暴露状況に基づき臨床的に診断された症例)、臨床診断(湖北省のみ、COVID-19と一致する肺造影像疑いの症例)、無症候(検査陽性だが、発熱やから咳などの症状がみられない症例)に分類された。 流行曲線における発症日は、本調査中に患者が発熱または咳の発症を自己申告した日付として定義。重症度は、軽度(非肺炎および軽度肺炎の症例が含まれる)、中等度(呼吸困難[呼吸数≧30/分、血中酸素飽和度≦93%、PaO2/FiO2比<300、および/または24~48時間以内に>50%の肺浸潤])、重度(呼吸不全、敗血症性ショック、および/または多臓器障害)に分類された。COVID-19の致命率は2.3% COVID-19症例の年齢分布や致命率を分析した主な結果は以下のとおり。・計7万2,314例の患者記録が分析された。内訳は、確定が4万4,672例(61.8%)、疑いが1万6,186例(22.4%)、臨床診断が1万567例(14.6%)、無症候が889例(1.2%)。以下のデータはすべて確定例での分析結果。・年齢構成は、9歳以下が416例(0.9%)、10~19歳が549例(1.2%)、20~29歳が3,619例(8.1%)、30~39歳が7,600例(17.0%)、40~49歳が8,571例(19.2%)、50~59歳が1万8例(22.4%)、60~69歳が8,583例(19.2%)、70~79歳が3,918例(8.8%)、80歳以上が1,408例(3.2%)。・男性が51.4%、湖北省で診断された症例が74.7%を占め、85.8%で武漢市と関連する暴露が報告された。・重症度は、軽度が3万6,160例(80.9%)、中等度が6,168例(13.8%)、重度が2,087例(4.7%)、不明が257例(0.6%)。・併存疾患は、高血圧が2,683例(12.8%)、 糖尿病1,102例(5.3%)、心血管疾患874例(4.2%)、慢性呼吸器疾患511例(2.4%)、がん107例(0.5%)であった。・1,023例が死亡し、全体の致命率は2.3%。・年齢層別の死亡数(致命率、死亡率[per 10 PD])は、9歳以下はなし、10~19歳が1例(0.2%、0.002)、20~29歳が7例(0.2%、0.001)、30~39歳が18例(0.2%、0.002)、40~49歳が38例(0.4%、0.003)、50~59歳が130例(1.3%、0.009)、60~69歳が309例(3.6%、0.024)、70~79歳が312例(8.0%、0.056)、80歳以上が208例(14.8%、0.111)。・併存疾患別の死亡数は、致命率および死亡率が高い順に、心血管疾患92例(10.5%、0.068)>糖尿病80例(7.3%、0.045)>慢性呼吸器疾患32例(6.3%、0.040)>高血圧161例(6.0%、0.038)>がん6例(5.6%、0.036)。なお、併存疾患のない患者で死亡は133例発生し、致命率は0.9%、死亡率は0.005 per 10 PDであった。・発症の流行曲線は1月23~26日頃および2月1日にピークに達し、その後減少傾向にある。・COVID-19は、2019年12月以降に湖北省から外部に広がり、2020年2月11日までに、31省すべてに広がった。・1,716例の医療従事者が確定例に含まれ、5例が死亡している。 著者らは、COVID-19は確定例の約81%で軽度であり、致命率は2.3%と非常に低いとしている。1,023例の死亡のうち、過半数が60歳以上および/または併存疾患を有しており、軽度または中等度の患者では死亡は発生していない。しかし、COVID-19が急速に広がったことは明らかで、湖北省から中国本土の残りの地域に広がるまでたった30日しかかからなかったと指摘。多くの人が春節の長い休暇から戻った現在、流行のリバウンドに備える必要があるとしている。

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