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術後せん妄予防に対するメラトニン~メタ解析

 外科の高齢患者は、術後せん妄発症リスクが高い。せん妄の予防には、非薬理学的介入が推奨されるが、せん妄の発症を減少させる確固たるエビデンスを有する薬剤は、今のところない。米国・アリゾナ大学のAshley M. Campbell氏らは、周術期のメラトニンが、外科手術を受けた高齢患者のせん妄発症率を低下させるかについて評価を行った。BMC Geriatrics誌2019年10月16日号の報告。 1990年1月~2017年10月に英語で公表された文献を、PubMed/Medline、Embase、PsycINFO、CINAHLおよびリファレンスより検索した。2人の独立したレビューアーが、タイトルおよびアブストラクトをスクリーニングし、コンセンサス生成とバイアス評価を含む文献全文レビューを行い、データを抽出した。術後入院患者(平均年齢50歳以上)のせん妄を予防するためにメラトニンまたはラメルテオンを使用し、その結果を報告した研究は組み入れ対象とした。固定効果モデルを用いてデータをプールし、フォレストプロットを生成し、せん妄発症率のサマリーオッズ比を算出した。不均一性は、Cochran's Q値およびI2値を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・335件をスクリーニングし、定性分析に6件、メタ解析に6件(1,155例)の研究を抽出した。・対象研究の患者平均年齢は、59~84歳の範囲であった。・介入群には、心臓胸部、整形外科、肝臓の手術の前夜または手術当日から1~9日間、メラトニンまたはラメルテオンを2~8mg/日投与していた。・せん妄の発症率は、介入群で0~30%、対照群で4~33%であり、メラトニン群で有意な減少が認められた。メタ解析のサマリーエフェクトによるオッズ比は0.63(95%CI:0.46~0.87、Cochran's Q=0.006、=72.1%)であった。・1つの研究を分析より削除すると、全体のオッズ比が0.310(95%CI:0.19~0.50)に減少し、不均一性も減少した(Cochran's Q=0.798、I2=0.000)。 著者らは「対象研究において、周術期のメラトニンは、高齢患者のせん妄の発症率を低下させることが示唆された。最適な投与量は明らかではないが、メラトニンおよびメラトニン受容体アゴニストの潜在的なベネフィットにより、外科手術を受けた高齢患者のせん妄予防に使用するための選択肢となりうる可能性がある」としている。

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大腸がん以外のMSI-Hがんに対するペムブロリズマブの横断的成績(KEYNOTE-158)/JCO

 ペムブロリズマブはMSI-High(MSI-H)進行がんに対して抗腫瘍活性を示し、わが国でも2018年12月に承認されている。大腸がん以外の既治療のMSI-H進行がんに対するペムブロリズマブの第II相KEYNOTE-158試験の結果が発表された。Journal of Clinical Oncology誌2019年11月4日号掲載の報告。対象:大腸がん以外の既治療のMSI-H進行がん介入:ペムブロリズマブ200mg/日3週ごと、病勢進行あるいは忍容できない有害事象などで投与中止となるまで投与(最長2年間)評価項目:独立中央放射線画像判定委員会評価による全奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・27がん種(主として子宮内膜、胃、胆道、膵臓がん)、233例が登録された。・追跡期間中央値は13.4ヵ月であった。・ORRは34.3%(95%信頼区間:28.3~40.8)であった。・無増悪生存期間中央値は4.1ヵ月であった。・全生存期間中央値は23.5ヵ月であった。・全Gradeの治療関連有害事象は64.8%、Grade3以上は14.6%に認められた。毒性プロファイルは既存の報告と同様であった。

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認知症予防の可能性、カマンベールチーズvs.運動

 東京都健康長寿医療センター、桜美林大学、株式会社 明治(以下、明治)の共同研究グループは、高齢者女性を対象としたランダム化比較試験(RCT)において、カマンベールチーズの摂取による認知機能低下抑制を示唆し、認知症予防の可能性を見いだすことに成功した1)。 2019年11月6日、明治主催のメディアセミナー「人生100年時代に考える認知症予防について~カマンベールチーズの新たな可能性~」が開催。鈴木 隆雄氏(桜美林大学老年学総合研究所 所長)が「人生100年時代~認知症予防とBDNF」を、金 憲経氏(東京都健康長寿医療センター研究所 研究部長)が「カマンベールチーズがBDNFに及ぼす影響~ランダム化比較試験」について講演した。BDNF濃度が認知症予防に影響 国内外の研究報告によると、高齢者の認知症の中で最も多くの患者数を占めるのがアルツハイマー病である。現在の日本では、認知症は高齢者人口の約15%を占め、その前駆状態である軽度認知障害(MCI)すなわち認知症予備軍は約13%を占めている。MCIの高齢者の約半数が5年以内にアルツハイマー病に移行することが報告されていることから、鈴木氏は「MCIの段階で予防対策を講じることが極めて重要」と述べた。さらに、「エビデンスの質、科学的根拠のレベルの高さが重要となる中で、これまでの認知症予防の視点での食品研究はほとんどが観察研究だった。今回の試験結果は介入試験からの結果であり、信頼性は高い」と、過去の研究とエビデンスレベルが異なる点を強調し、Journal of the American Medical Directors Association 9月号1)に掲載された研究について解説した。 今回の研究で一番の焦点となったのは、BDNF(脳由来神経栄養因子)の上昇である。BDNFとは、神経細胞の発生・成長・維持・再生を促進させる、いわば“脳の栄養分”とも呼ばれる重要なタンパク質で、脳内、とくに記憶の中枢である海馬に高濃度に存在している。BDNFの血中濃度は加齢や糖代謝異常、そして認知症に伴い減少することが示されており、臨床的に広く評価されている指標でもある。 BDNFの変動については、運動が血中BDNF濃度の増加に寄与していることがこれまでいくつかの研究で示されている。しかし、同氏は「食品とBDNFの関連性についてのエビデンスレベルの高い研究は少なく、今回の研究の意義は大きい」と、述べた。カマンベールチーズで血中BDNF濃度が有意に上昇 以前、65歳以上の高齢女性を対象にチーズ摂取と認知機能に関する観察研究を行い、チーズ摂取の有無と認知機能の関連性を明らかにした金氏は、「国内では、アルツハイマー病マウスでのカマンベールチーズの作用が示唆2)されていたことから、今回、実際のヒトを対象として、70歳以上のMCIの高齢女性を対象としたRCTを行った」と述べた。 次に、同氏はチーズの利用価値について説明。チーズは栄養価が非常に高く、タンパク質、ミネラル、ビタミンを効率よく補うことができる食品であり、世界で1,000種類以上も存在する。なかでも、カマンベールチーズには、デヒドロエルゴステロールという神経細胞において抗炎症作用を示す成分が含まれるほか、白カビの作用によりトリグリセリドからオレイン酸が、タンパク質からアンモニアが生じる。 このような過程で生じたオレイン酸とアンモニアが反応し、オレアミドが産生される。これが脳内のミクログリアに作用することで、アミロイドβの除去2)やミクログリアの過剰な炎症を抑制2、3)すると考えられている。 今回の研究では、カマンベールチーズ群と対照チーズ群でオレアミドの含有量を比較。その結果、カマンベールチーズ群の含有量は対照チーズ群の10倍以上であった。また、今回のRCTの結果、血中BDNF濃度がカマンベールチーズ群では対照チーズ群と比較して有意に増加し、ベースラインから変化率が6.18%も増加した。これらの結果を踏まえて、金氏は「血中BDNF濃度が約6.2%も増加するということは、フレイル高齢者が1回あたり60分の運動を2回/週、3ヵ月継続したもの(変化率:7.6%)4)とほぼ同等の効果であり、注目に値する」と述べ、「来年に発表される長期追跡試験のデータから認知機能改善作用が確認できるかどうかが今後の課題である」と、締めくくった。

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2017年の世界のがん患者2,450万例、がん死960万例/JAMA Oncol

 世界におけるがん罹患、がん死の詳細な現状と格差をもたらす要因が明らかにされた。世界のがん疾病負荷(Global Burden of Disease Cancer:がんGBD)共同研究グループが、1990~2017年における29種のがんについて調べ、世界・地域・国別のがん罹患率や死亡率などを発表。がんGBDは国によって大きくばらつきがあり、背景にはリスク因子曝露、経済、生活習慣、治療アクセスやスクリーニングの差があることが示されたという。JAMA Oncology誌オンライン版2019年9月27日号掲載の報告。 研究グループは、がん対策計画に必要なデータを提供するため、1990~2017年の195ヵ国29種のがんについてがん負荷の実態を明らかにした。GBD研究評価方法を用いて、がん罹患率、死亡率、障害生存年数(YLD)、損失生存年数(YLL)、および障害調整生存年数(DALY)を算出。結果は、国別、社会人口統計指標(SDI)別、複合指標(収入、教育レベル、合計特殊出生率)別に示した。また、がん罹患への疫学的な影響と人口転換(多産多死型から多産少死型へ、さらに少産少死型へと変化すること)の影響の比較も行った。 主な結果は以下のとおり。・2017年において、がん罹患は世界で2,450万例(非メラノーマ皮膚がん[NMSC]を除外すると1,680万例)、がん死は960万例であった。・2017年において、男性で最も多く発症したがん種はNMSC(430万例)で、次いで気管・気管支・肺(TBL)がん(150万例)、前立腺がん(130万例)であった。また、死亡およびDALYが最も高値であったのはTBLがん(死亡130万例、2,840万DALYs)で、次いで肝がん(死亡57万2,000例、1,520万DALYs)、胃がん(死亡54万2,000例、1,220万DALYs)であった。・女性で最も多く発症したがん種はNMSC(330万例)で、次いで乳がん(190万例)、大腸がん(81万9,000例)であった。また、死亡およびDALYが最も高値であったのは乳がん(死亡60万1,000例、1,740万DALYs)で、次いでTBLがん(死亡59万6,000例、1,260万DALYs)、大腸がん(死亡41万4,000例、830万DALYs)であった。

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製薬企業の“ギフト”が開業医の処方を左右/BMJ

 製薬企業から“ギフト”を受け取っていないフランスの一般開業医(GP)は、受け取っているGPと比べて、薬剤処方効率指標が良好で低コストの薬剤処方を行っていることが明らかにされた。フランス・レンヌ第1大学のBruno Goupil氏らが、製薬企業からの物品・金銭類提供と薬剤処方パターンとの関連性を評価する目的で、同国2つのデータベースを用いた後ろ向き研究の結果を報告した。世界保健機関(WHO)およびオランダに拠点を置く非営利組織のHealth Action International(HAI)による先行研究で、医療用医薬品のプロモーションが非合理的で高コストの薬剤処方と関連していることが示されており、フランスのGPが製薬企業から“ギフト”(物品、食事、交通費、宿泊等の提供)を受ける可能性があることから、研究グループはその実態と処方との関連を調べた。BMJ誌2019年11月5日号掲載の報告。フランスの2つのデータベースを用い、GP約4万1,000人について解析 研究グループは、国民健康保険システムで管理されている「National Health Data System」と「Transparency in Healthcare」の2つのフランスのデータベースを用いて解析した。 対象は、2016年において、5例以上の登録患者がいる民間医療機関(部門)のGP 4万1,257人で、医薬品・医療機器メーカーおよびほかの健康関連会社の報告に基づく“ギフト”の金銭価値に従って6つのグループに分類した。 主な評価項目は、診察(診療所または在宅)ごとの薬剤処方に対して国民健康保険から支払われた金額、および医師の特別手当と関連する実績を算出するために国民健康保険で使用される11項目の薬剤処方効率指標とした。統計解析は、医師および患者の特性を調整変数とし、有意閾値は0.001とした。“ギフト”を受け取っていない医師で低コストの薬剤処方頻度が増加 1回の診察で処方された薬剤の金額は、2013~16年にギフトを受け取っていなかったGP群(ギフトなし群)が、2016年にギフトを1回以上受け取ったGP群(ギフトあり群)と比べて有意に少なかった。2016年に1,000ユーロ以上のギフトを受け取ったGP群との比較では、ギフトなし群の処方金額は5.33ユーロ有意に少なかった(99.9%信頼区間[CI]:-6.99~-3.66、p<0.001)。 処方頻度も同様で、ジェネリックの抗菌薬(1,000ユーロ以上のギフトあり群との比較で2.17%[99.9%CI:1.47~2.88])、降圧薬(同4.24%[3.72~4.77])およびスタチン(同12.14%[11.03~13.26])の処方頻度はいずれも、ギフトなしGP群のほうが2013~2016年に1回以上ギフトを受け取ったGP群よりも有意に高かった(p<0.001)。 また、ギフトなし群は、2016年の報告で240ユーロ以上のギフトを受け取ったGP群と比較して、12週以上のベンゾジアゼピン系薬(240~999ユーロのギフトあり群との比較で-0.68%[99.9%CI:-1.13~-0.23])、血管拡張薬(1,000ユーロ以上のギフトあり群との比較で-0.15%[-0.28~-0.03])の処方頻度が有意に低かった(p<0.001)。さらに、2016年の報告で1,000ユーロ以上のギフトを受け取ったGP群と比較して、すべてのACE阻害薬およびサルタン系薬の処方頻度が有意に高かった(1.67%[0.62~2.71]、p<0.001)。 アスピリン、ジェネリックの抗うつ薬およびジェネリックのプロトンポンプ阻害薬の処方に関しては、有意差は確認されなかった。

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市中肺炎に新規経口抗菌薬lefamulinが有効/JAMA

 市中細菌性肺炎(CABP)患者において、lefamulinの5日間経口投与はモキシフロキサシン7日間経口投与に対して、初回投与後96時間での早期臨床効果が非劣性であることが示された。米国・Nabriva TherapeuticsのElizabeth Alexander氏らが、CABPに対するlefamulinの有効性および安全性を評価した無作為化二重盲検ダブルダミー並行群間第III相試験「LEAP 2試験」の結果を報告した。標準治療による抗菌薬耐性の拡大と安全性の懸念から、CABP治療の新しい抗菌薬が必要とされている中、lefamulinは、先に行われた第III相試験「LEAP 1試験」において、初回静脈内投与後経口投与への切り替えでモキシフロキサシンに対する非劣性が示されていた。JAMA誌オンライン版2019年9月27日号掲載の報告。lefamulin 5日間投与vs.モキシフロキサシン7日間投与、早期臨床効果を比較 LEAP 2試験は、2016年8月30日~2018年1月2日に19ヵ国99施設にて実施された。対象は、Pneumonia Outcomes Research Team(PORT)リスク分類がクラスII、IIIまたはIVで、X線所見により肺炎が確認され発症後7日以内、CABP症状(呼吸困難、新規咳嗽または咳嗽増加、膿性痰、胸痛)のうち3つ以上がみられ、2つ以上のバイタルサイン異常を有する18歳以上の成人患者738例であった。 対象患者を、lefamulin群(12時間ごとに600mgを5日間、370例)、またはモキシフロキサシン群(24時間ごとに400mgを7日間、368例)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、治験薬初回投与後96時間(±24時間)時点の早期臨床効果で、4つのCABP症状のうち2つ以上で改善を認め、CABP症状の悪化がなく、治験薬以外の抗菌薬治療を受けずに生存している場合に有効とした。 副次評価項目は、投与終了時評価(最終投与後5~10日間)における治験担当医師判定による臨床効果である。非劣性マージンは、早期臨床効果および治験担当医師判定による臨床効果に関して10%とした。 解析対象は、主要評価項目が無作為化されたすべての患者(intention-to-treat[ITT]集団)、副次評価項目が修正ITT集団および臨床評価可能集団であった。有効率はどちらも約91%、非劣性を確認 無作為化された738例(平均年齢:57.5歳、女性:351例[47.6%]、PORTリスク分類クラスIII/IV:360例[48.8%])のうち、707例(95.8%)が試験を完遂した。 早期臨床効果の有効率はlefamulin群90.8%、モキシフロキサシン群90.8%であった(群間差:0.1%、片側97.5%信頼区間[CI]:-4.4~∞)。治験担当医師判定による臨床効果は、修正ITT集団での有効率がlefamulin群87.5%、モキシフロキサシン群89.1%(-1.6%、-6.3%~∞)、臨床評価可能集団ではそれぞれ89.7%および93.6%であった(-3.9%、-8.2%~∞)。 治療下で発現した有害事象は、胃腸障害が最も多く報告された。発現率は、下痢がlefamulin群12.2%(45/368例)、モキシフロキサシン群1.1%(4/368例)、悪心がそれぞれ5.2%(19/368例)、1.9%(7/368例)であった。

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ウステキヌマブ(ステラーラ)は潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持療法にも有効(解説:上村直実氏)-1134

 潰瘍性大腸炎(UC)は国の特定疾患に指定されている原因不明の炎症性腸疾患(IBD)であり、最近の全国調査によると16万人以上の患者が存在している。本疾患に対する薬物治療については、寛解導入および寛解維持を目的として5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤、ステロイド製剤、免疫調節薬、生物学的製剤が使用されている。なかでも抗TNF-α抗体製剤と異なる作用機序を有する分子標的薬が次々と開発され、さまざまな検証試験が行われている。 今回、ヒト型抗ヒトIL-12/23p40モノクローナル抗体製剤であるウステキヌマブが中等症~重症のUCに対する寛解導入(静脈内投与)および寛解維持療法(皮下投与)として有用性を示す国際共同第III相臨床試験(UNIFI試験)の結果がNEJM誌に発表された。実薬とプラセボ8週間投与で寛解導入成功率と44週後の寛解維持率はそれぞれ15% vs.5%と44% vs.24%であり、プラセボに対して統計学的に有意な有効性を示したことから、難治性UCに対して抗TNF-α抗体製剤と異なる作用機序の新たな生物学的製剤として期待される結果となっている。 なお、日本の保険診療において、ウステキヌマブ(商品名:ステラーラ)は活動性難治性クローン病の寛解導入薬として薬事承認を取得してすでに保険適用となっているが、このUNIFI試験のデータに基づいてUCに対する適応追加として薬事承認が申請されている。しかし、本試験において、52週間の投薬期間中、ウステキヌマブの投与を受けた825例中7例に前立腺などのがんが認められた点は安全性の面から慎重に検討されるべき事案と考えられる。

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ワールド・カフェをやってみた【Dr. 中島の 新・徒然草】(298)

二百九十八の段 ワールド・カフェをやってみた読者の皆様はワールド・カフェを経験したことがあるでしょうか。多人数を4人グループに分けて、あるテーマについて20分ほどのダイアログを行うものです。20分のセッションが終了すると、新たにシャッフルされた4人グループでダイアログが行われます。今度は少し発展させた別のテーマで語り合うわけです。通常は4回ほどのセッションが行われます。ダイアログは「対話」と訳され、1人が話している時、ほかの人は耳を傾けなくてはなりません。居酒屋みたいに、皆が好き勝手にワーワーしゃべったりしないのがカフェのルールです。さて、先日、当院で看護師研修の一環として行われたのがこのワールド・カフェです。私も研修企画係の1人としていろいろな準備をしました。テーマは順に、1:自分が成長した、と思った瞬間2:当院の良いところ、残念なところ3:辞めずに仕事を続けている理由4:明日から私がやろうと思うことといったものでした。で、ワールド・カフェの良いところは、誰でも参加可能なところです。当日は、私も参加していた看護師さんたちに混ぜてもらいました。実際にカフェに参加してみると、いろいろな話が聞けて面白い!たとえば「当院の良いところ、残念なところ」です。あるベテラン看護師さんがこう言っていました。ベテラン「あんたら、産むんやったらこの病院やで」一同「どうしてですか?」ベテラン「産休、育休はとれるし、院内保育園も病児保育もあるからな」若手「そういうのって、普通はあるんじゃないんですか?」中堅「私は半年前に民間から入職したんやけど、前の病院では年休なんてなかったで!」一同「ええーっ! そんな馬鹿な」とまあ、こんな感じです。「辞めずに仕事を続けている理由」のテーマでもいろいろな話が出ました。最初に口火を切ったのは、中年男性ナース。中年「俺なんか妻と2人の子供がおるから、辞めるなんて選択肢あれへん」これに対して若手男性ナースは気楽なものです。若手「僕は九州で3年ほど働いた後、希望を出して大阪に来ました」中島「九州のギャグが大阪で通用するか、試しに来たんやな」若手「いやいや、こっちでは毎日のように鍛えてもらっています」女性ナースもそれぞれに言い分がありました。女性1「私、OLやりたーい。お茶くみとか、コピーとりとか」女性2「お昼休みのランチとかもいいわね」中島「自分ら、一般人とメシ食ったらペースが合わんぞ」若手「僕ら食べるの速いっすからねえ」いつ呼ばれるかわからないせいか、医療従事者は総じて食べるのが速いですね。女性2「私、寿退職で辞めようと思っているんだけど」中島「へえ、いつ頃の予定?」女性2「そう思っているけど、相手がいないんですよ!」中島「ごめん、ごめん」最後の「明日から私がやろうと思うこと」では意外な意見が出ました。主婦ナースからです。主婦「私、英語の勉強を始めたいな、と思うの」中島「それ、すごいやん!」主婦「子供にも旦那にも英語の勉強させて、自分は全然やってなかったし」中島「なるほど」主婦「最近は外国人の患者さんも多いでしょ」中島「是非とも勉強してください」主婦「ウチの病棟も、英語しゃべれる子が3人くらいいるから」いろいろ言っているうちに、あっという間に研修が終了。あとでアンケートを読むと、なかなか好評でした。研修といわず、職員自由参加で定期的にやってもいいかもしれませんね。ということで最後に1句カフェ行けば 飲み会よりも 盛り上がり

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今シーズンのインフルエンザ診療の動向は?

結果概要ここ数年、過去最大規模の流行を繰り返すインフルエンザだが、今年は早くも流行が始まっている。現場での診療方針はどのような傾向にあるのだろうか。ケアネットでは先月、会員医師を対象に「今シーズンのインフルエンザ診療について」のアンケートを行い、325人から回答を得た。アンケートでは、早期流行の実感、迅速診断キットの使用頻度、抗インフルエンザウイルス薬の処方頻度、外来での抗インフル薬の選択について答えていただいた。主な結果は、以下のとおり。6割超の医師が、インフルエンザの早期流行を実感している約8割の医師が、迅速診断キットと抗インフル薬をほぼ全例に使用最も処方頻度が高い抗インフル薬はオセルタミビル、次いでザナミビル集計結果の詳細と、寄せられたご意見を以下にまとめた。62%の医師が、早期流行を実感している厚生労働省により、例年より早期の流行開始が報告されたが、実臨床ではどう感じているのだろうか。アンケート回答の結果を見ると、62%の医師がインフルエンザの早期流行を「実感している」と答えた。早期流行は、臨床現場の感覚ともおおむね一致していることが示された。迅速診断キットはほぼ全例に使用されるが、「不要」という意見も「外来でのインフルエンザ診断に、どのくらい迅速診断キットを使用しますか」という設問に対しては、「インフルエンザが疑われる患者のほぼ全員に使用する」と答えた医師が78%に上った。次いで、「ほかの重篤疾患との鑑別など、必要性が高い場合のみ使用する」(13%)、「患者から希望があった場合のみ使用する」(7%)、という結果だった。迅速診断キットについて、日本医師会は「検査は必ずしも全例に実施する必要はない」との見解1)を示しているが、現場に広く受け入れられるには時間がかかりそうだ。インフルエンザのほぼ全例に抗インフル薬が処方次に、「抗インフル薬の外来処方についてお聞かせください」という問いに対し、77%の医師が「発症後48時間以内と想定される患者のほとんどに、抗インフル薬を処方する」と答えた。「高リスク患者には抗インフル薬を処方するが、低リスク患者にはなるべく処方しない」は17%、「抗インフル薬は基本的に処方しない」は5%だった。オセルタミビルの次に多いのはザナミビル薬剤選択に関しては、オセルタミビル(商品名:タミフル)が最も多く61%、次いでザナミビル(同:リレンザ)22%、ラニナミビル(同:イナビル)7%、バロキサビル(同:ゾフルーザ)6%、ペラミビル(同:ラピアクタ)1%という回答結果となった。「処方しない」と答えた医師は3%に留まった。2018年に10代への使用制限が解除され、経口投与かつ剤形選択ができるオセルタミビルを第1候補とする医師が多いと考えられる。高リスク患者にはペラミビル、インフル疑い・48時間経過例には麻黄湯かさらに、「前問で選択した薬剤以外の抗インフル薬を処方するのは、どのような場合ですか?」という記述形式の設問に対しては、「年齢(小児・高齢者など)」、「経口/吸入の可否」、「予防投与の場合」、「妊娠の有無」、「患者アドヒアランス」、「アレルギーや副作用などの既往歴」、「患者負担(経済面)」など、患者の希望や状況によって、処方を調整しているという声が多数寄せられた。また、入院症例や重症例などの高リスク群には、ペラミビルを処方するという意見が多かった。このほか、アンケートの選択肢にはなかったが、麻黄湯を積極的に使うという意見も見られた。全身状態が安定している人や理解がしっかりしている人には説明後、麻黄湯を処方することがある。(小児科・40代・岡山県)症状が強い症例には麻黄湯を併用している。周囲の発生状況を確認している。(内科・50代・高知県)偽陰性を疑う場合は麻黄湯を使う。(内科・50代・京都府)48時間以上経過した場合は麻黄湯を選択する。(循環器内科・60代・埼玉県)耐性ウイルスや、全例における薬物治療に対する懸念の声も最後に、日頃のインフルエンザ診療で取り組んでいる工夫や、困っている点について尋ねたところ、さまざまな意見が寄せられたので、その中から一部を抜粋して紹介する。診療での工夫に関しては、30~40代の医師による意見が目立った。不要な抗インフル薬の処方は減らすよう、心掛けている。(呼吸器内科・30代・大分県)小児症例では危険度が高いと判断し、小児科に受診を勧めている。(内科・40代・大阪府)今年は院内発生があり、感染拡大予防に努めている。(消化器内科・30代・広島県)一方、困っている点に関しては、耐性ウイルスを気にする声が多かった。12歳以下の小児ではザナミビル吸入やオセルタミビルを投与する方針である。(循環器内科・60代・福岡県)耐性ウイルスが疑われ、いったん解熱した患者が再発熱した場合の対応に困る。(消化器内科・50代・愛知県)耐性を気にするが、どちらかというと皆さんが苦しいのを少しでも和らげたいと思うので、効果が出るものを処方したい。(内科・50代・長野県)さらに、抗インフル薬を使用した薬物治療については、疑問の声も挙がった。本当に全症例に抗インフル薬が必要か疑問に思っている。対症療法の方が免疫獲得できていいような気もする。(その他・50代・静岡県)軽症インフルエンザの扱いには疑問を感じることもある。(放射線科・40代・京都府)インフルエンザ診療における情報は、治療薬の選択肢が増えたり、使用上の注意が改訂されたりと、シーズンを問わず更新されている。今年の流行ピークが訪れる前に、最新の情報を確認して、万全の体制で臨みたいところだ。アンケート概要タイトル今シーズンのインフルエンザ診療についてお聞かせください実施日2019年10月28~11月3日調査方法インターネット対象ケアネット会員医師(有効回答数:325人)【分類詳細】内科系:内科、神経内科、循環器内科、消化器内科、血液内科、呼吸器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、腎臓内科、感染症内科、心療内科、総合診療科外科系:外科、整形外科、消化器外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺外科その他:小児科、精神科、放射線科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、眼科、皮膚科、産婦人科、泌尿器科、麻酔科、救急科、腫瘍科、臨床研修医アンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。参考1)インフルエンザ診療で不要なこと:医師会の見解今季インフルエンザ治療のポイントとは?東京都でインフルエンザ流行開始、昨年比で3ヵ月早くゾフルーザに低感受性の変異株に関する調査結果ゾフルーザに「使用上の注意」の改訂指示

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がん悪液質のステージと診断基準「知っている」~医師の3割/日本治療学会

 がん悪液質は食欲不振・体重減少・筋肉減少・疲労などを主な症状とし、進行がん患者の50~80%に発症する重大な合併症であり、がん患者のQOL低下、全生存期間や治療効果にも影響する原因として問題視されている。しかしながら、がん悪液質は治療対象として十分に認識されていない可能性があり、医療従事者(医師・メディカルスタッフ)のがん悪液質に対する疾患理解度や、食欲不振・体重減少に対する問題意識の程度、がん患者自身が食欲不振や体重減少でどのくらい困っているのか、といった実態は明らかとなっていない。そのような中、小野薬品工業メディカルアフェアーズ統括部の森本 貴洋氏は、がん悪液質への疾患理解度とがん悪液質の症状(食欲不振、体重減少など)に対する認識の実態を明らかにすることを目的としてWebアンケート調査を行い、第57回日本治療学会学術集会(10月24~26日、福岡)で報告した。 Webアンケート調査は2019年7月に行われた。対象は、肺・胃・食道・大腸・肝臓・胆道・膵臓がんのいずれかのがん患者を直近3ヵ月以内に5例以上診療した医師500名、がん治療に携わるメディカルスタッフ(看護師、薬剤師、栄養士など)500名、そして、前記がん腫のいずれかのがんを罹患し1年以内にがん治療のために医療機関に入院・通院経験がある20歳以上のがん患者500名、前記がん種のいずれかのがん患者に対し、生活を共にする家族500名であった。質問は、(1)がんに伴う食欲不振・体重減少に関する日常の評価・測定状況、(2)食欲不振・体重減少に対する治療介入状況、(3)がん悪液質の診断基準に対する理解と治療介入状況について合計30問で構成された。本学会では、(3)がん悪液質の診断基準に対する理解と治療介入状況について報告された。 主な結果は以下のとおり。・「がん悪液質という言葉をご存じですか」の質問に対して、「よく知っている」または「ある程度知っている」と回答した割合は、医師ではそれぞれ51.6%と43.6%、メディカルスタッフでは33.0%と43.8%、患者では3.2%と5.0%、家族では2.3%と12.2%であった。これらの結果より、がん悪液質という言葉の認知度は、医療従事者では高いものの、治療対象となる患者・家族では低いことが明らかとなった。・「EPCRC(European Palliative Care Research Collaborative)による『がん悪液質のステージと診断基準』をご存じですか」の質問に対して、「知っている」と回答した医師は33.1%、メディカルスタッフは33.9%であった。これらの結果から、医療従事者のがん悪液質という言葉自体の認知度は高いものの、診断基準の認知度は低いことが明らかとなった。・「がん悪液質という言葉からどのような状態を連想されますか」の質問に対する回答では、「PS不良」が医師で75.2%、メディカルスタッフは70.6%と最も多く、続いて「栄養不良」「がんの末期症状」が多かった。これらの結果から、医療従事者はがん悪液質という言葉からは、がん患者の終末期の状態を連想していることが明らかとなった。・『EPCRCがん悪液質のステージと診断基準』の提示前後で、医師が想起するがん悪液質患者数がどのように変化するかを質問した。提示前ではその割合(がん悪液質を想起する患者の割合)は28.1%(8,366例中2,354例)であったのに対し、提示後は51.5%(8,366例中4,309例)に増加した。この結果は、終末期の状態として想起されていたがん悪液質が、診断基準の提示によってより早期から発症する合併症であると認識されたためだと考えられる。・「がん悪液質の診断と治療に関する課題は何ですか」の質問に対して医師の回答は、「治療選択肢がない」52.8%、「明確な診断基準がない」40.2%、「治療ガイドラインがない」27.6%であった。 上記の結果から、医療従事者(医師・メディカルスタッフ)だけでなく、がん患者やその家族に対しても、がん悪液質の診断基準と治療の重要性の啓発・教育活動をしていくこの必要性が示唆された。

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欧州のICU終末期医療、延命治療めぐる実態は?/JAMA

 欧州のICUにおける終末期(エンドオブライフ)の方針決定について、16年前の調査時と比べて、延命治療の制限が有意に増大しており、延命治療の制限を受けなかった死亡は有意に減少していたことが判明した。イスラエル・ヘブライ大学のCharles L. Sprung氏らが、1999~2000年に行ったICUにおける終末期医療に関する研究「Ethicus-1」対象の欧州22ヵ所のICUについて、2015~16年に前向き観察研究「Ethicus-2」を行い明らかにし、JAMA誌オンライン版2019年10月2日号で発表した。ICUにおける終末期の方針決定は世界中で日々起きているが、ここ10年間で欧州での終末期医療に関する考え方、法律、勧告・ガイドラインに変化が生じており、ICUでの方針決定が変化している可能性が示唆されていた。1999~2000年調査対象施設を2015~16年に調査し比較 Ethicus-2研究は、1999年1月~2000年7月に行ったEthicus-1研究で対象とした欧州ICUの22ヵ所を対象に行われた。2015年9月~2016年10月の、継続する6ヵ月の期間中に、各ICUで死亡または延命治療の制限を行った患者について調べた。 患者を死亡まで、または初回の延命治療制限に関する決定から2ヵ月後まで追跡し、終末期アウトカムを(1)心肺蘇生(CPR)を含む延命治療を開始しない、(2)延命治療を中断、(3)死亡までの経過を積極的に短縮、(4)CPR失敗、(5)脳死の5つの相互排他的カテゴリーに分類。アウトカムはシニア集中治療専門医によって確定された。 主要アウトカムは、患者が(1)~(3)の治療制限を受けたかどうかで、Ethicus-1研究とEthicus-2研究の結果を比較し、その変化を検証した。延命治療を開始しないが50%に、中断も38.8%に増加 Ethicus-2研究では、対象期間中にICUに入室した1万3,625例のうち、死亡または延命治療の制限を行った1,785例(13.1%)を解析に包含した。Ethicus-1研究の被験者(2,807例)の年齢中央値は67歳(IQR:54~75)に対し、Ethicus-2研究の被験者の年齢中央値は70歳(59~79)で有意差があった(p<0.001)。女性の割合は、それぞれ38.7%、39.6%で類似していた(p=0.58)。 延命治療の制限を受けた患者は、Ethicus-1研究1,918例(68.3%)に対し、Ethicus-2研究は1,601例(89.7%)と有意に増大していた(群間差:21.4%、95%信頼区間[CI]:19.2~23.6、p<0.001)。「延命治療を開始しない」を選択した患者は、Ethicus-1試験1,143例(40.7%)に対し、Ethicus-2試験は892例(50%)と有意に増大しており(群間差:9.3%、95%CI:6.4~12.3、p<0.001)、「延命治療を中断」を選択した患者の割合も、それぞれ695例(24.8%)、692例(38.8%)と有意に増大していた(群間差:14.0%、95%CI:11.2~16.8、p<0.001)。 一方で、「CPRの失敗」はEthicus-1研究628例(22.4%)に対し、Ethicus-2研究は110例(6.2%)と有意に減少し(群間差:-16.2%、95%CI:-18.1~-14.3、p<0.001)、「脳死」もそれぞれ261例(9.3%)、74例(4.1%)と有意に減少した(群間差:-5.2%、95%CI:-6.6~-3.8、p<0.001)。また、「死亡までの経過を積極的に短縮」もそれぞれ80例(2.9%)、17例(1.0%)と有意に減少した(群間差:-1.9%、95%CI:-2.7~-1.1、p<0.001)。 研究グループは試験の結果を踏まえて、欧州のICUにおける終末期医療の実態には経年的変化が認められるとしながら、ICU入室中に治療制限を受けなかったが容態が改善して生存退院した患者を除外しており、示された所見については限定的だと述べている。

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新規デング熱ワクチンの有効性、小児で確認/NEJM

 開発中の4価デング熱ワクチン(TAK-003)は、デング熱が風土病化している国での症候性デング熱に対して有効であることが確認された。シンガポールにある武田薬品工業ワクチン部門Takeda VaccinesのShibadas Biswal氏らが、デング熱が風土病となっているアジア、中南米で実施中の3つの無作為化試験のpart1データを公表し、NEJM誌オンライン版2019年11月6日号で発表した。蚊を媒介としたウイルス性疾患のデング熱は、世界保健機関(WHO)が2019年における世界の健康に対する10の脅威の1つに挙げている。4価デング熱ワクチンを3ヵ月間隔で2回投与 試験では4~16歳の健康な小児と青少年を年齢および地域で層別化し、無作為に2対1の2群に分けて、一方の群には4価デング熱ワクチンを3ヵ月間隔で2回投与し、もう一方にはプラセボを投与した。 被験者が熱性疾患を発症した際には、血清型特異的RT-PCR法による検査を行い、デング熱をウイルス学的に確認。主要エンドポイントは、あらゆるデングウイルス血清型に起因するウイルス学的に確認されたデング熱の予防についての、全体のワクチン有効性だった。 本論では、主要エンドポイントの解析で120例がウイルス学的デング熱と確認され、また被験者が2回目の接種後12ヵ月間のフォローアップを受けていた時点で終了となったpart1データを分析し発表している。デング熱による入院に対するワクチン有効性は95.4% part1データは、ワクチンまたはプラセボを1回以上接種された2万71例(安全性解析対象)のうち、2回接種を受けた1万9,021例(94.8%)を包含しper-protocol解析を行った。 安全性解析対象における全体のワクチン有効性は80.9%(95%信頼区間[CI]:75.2~85.3)で、デング熱を発症したのはプラセボ群6,687例中199例(2.5件/100人年)に対し、ワクチン群は1万3,380例中78例(0.5件/100人年)だった。 per-protocol解析におけるワクチン有効性は80.2%(同:73.3~85.3)で、ウイルス学的に確認されたデング熱はプラセボ群149例、ワクチン群61例だった。デング熱による入院に対するワクチンの有効性は95.4%(同:88.4~98.2)で、入院発生はプラセボ群53例に対しワクチン群5例だった。 per-protocol集団のうち、ベースライン時に血清学的陰性だった27.7%の被験者を対象に行った事前規定の探索的解析では、ワクチンの有効性は74.9%(95%CI:57.0~85.4)で、ウイルス学的に確認されたデング熱はプラセボ群39例に対し、ワクチン群は20例だった。 有効性は、血清型により異なる傾向がみられた。重篤な有害事象の発生率は、プラセボ群3.8%、ワクチン群3.1%と同程度だった。

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医師の平均年収、前年比の伸び率は?/医療経済実態調査

 厚生労働省は11月13日、医療経済実態調査の最新結果を公表した。同調査は医療機関における医業経営等の実態を調査し、社会保険診療報酬に関する基礎資料を整備することを目的としている。今回は2018年3月末まで(2017年度)、および2019年3月末まで(2018年度)の事業年についての調査結果が報告された。 各医療機関の施設概要、損益の状況、資産・負債、従事者の人員・給与の状況などが2年ごとに調査されており、給与については病院長、医師、歯科医師、薬剤師等職種別に集計されている。ここでは、医師の平均給料年額の実態とその伸び率について抜粋する。[集計結果]■一般病院勤務の医師(全体) 2017年度平均年収:1,490万6,343円(給料年額1,322万8,568円+賞与額167万7,775円) 2018年度平均年収:1,490万8,542円(給料年額1,322万9,342円+賞与額167万9,201円) →金額の伸び率は0.0%■一般病院勤務の医師(開設者別)国立 2017年度平均年収:1,401万1,881円(給料年額1,147万5,361円+賞与額253万6,520円) 2018年度平均年収:1,431万9,511円(給料年額1,173万422円+賞与額258万9,089円) →金額の伸び率は2.2%公立 2017年度平均年収:1,510万8,916円(給料年額1,288万4,143円+賞与額222万4,773円) 2018年度平均年収:1,513万9,401円(給料年額1,290万4,697円+賞与額223万4,704円) →金額の伸び率は0.2%社会保険関係法人 2017年度平均年収:1,534万3,194円(給料年額1,240万4,455円+賞与額293万8,739円) 2018年度平均年収:1,469万1,907円(給料年額1,179万5,929円+賞与額289万5,978円) →金額の伸び率は-4.2%医療法人 2017年度平均年収:1,632万1,504円(給料年額1,562万4,310円+賞与額69万7,194円) 2018年度平均年収:1,640万7,125円(給料年額1,574万2,149円+賞与額66万4,977円) →金額の伸び率は0.5%個人 2017年度平均年収:1,566万6,087円(給料年額1,542万3,449円+賞与額24万2,637円) 2018年度平均年収:1,597万3,054円(給料年額1,575万8,941円+賞与額21万4,112円) →金額の伸び率は2.0%■一般診療所勤務の医師(全体、青色申告者を含む) 2017年度平均年収:1,111万7,274円(給料年額1,075万1,396円+賞与額36万5,878円) 2018年度平均年収:1,063万4,374円(給料年額1,020万8,824円+賞与額42万5,550円) →金額の伸び率は-4.3%■一般診療所勤務の医師(開設者別)個人(青色申告者を含む) 2017年度平均年収:1,072万4,566円(給料年額949万5,521円+賞与額122万9,045円) 2018年度平均年収:1,079万2,241円(給料年額955万3,157円+賞与額123万9,084円) →金額の伸び率は0.6%医療法人 2017年度平均年収:1,116万9,986円(給料年額1,102万4,052円+賞与額14万5,934円) 2018年度平均年収:1,054万1,746円(給料年額1,033万9,531円+賞与額20万2,215円) →金額の伸び率は-5.6%[調査概要]対象 社会保険による診療を行っている全国の病院、一般診療所、歯科診療所及び保険調剤を行っている全国の保険薬局のうち1ヵ月の調剤報酬明細書の取扱件数が300件以上の薬局を対象とし、これらの医療機関等を、地域別等に層化し、次の抽出率(病院1/3、一般診療所1/20)で無作為に抽出した施設を調査客体とする。有効回答施設数 病院1,323施設、診療所1,704施設調査方法 調査は、郵送方式及びホームページを利用した電子調査方式。調査票の記入は、医療機関等管理者の自計申告の方法による。 ※給料には、扶養手当、時間外勤務手当、役付手当、通勤手当等職員に支払ったすべてのものが含まれる。

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治療抵抗性うつ病におけるMetS有病率~FACE-DR研究

 フランス・ソルボンヌ大学のOphelia Godin氏らは、フランス人の治療抵抗性うつ病(TRD)患者のコホートにおけるメタボリックシンドローム(MetS)有病率を推定し、社会人口統計学的、臨床的および治療に関連する因子との相関について検討を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2019年10月15日号の報告。 対象は、2012~18年に中等度~重度(MADRSスコア20以上)のうつ病エピソード(DSM-IV基準)を有し、ステージII以上の治療抵抗性(Thase and Rush基準)が認められたTRD患者205例。社会人口統計学的および臨床的特徴、ライフスタイルの情報、治療および併存疾患に関する情報を収集し、血液サンプルも採取した。MetSは、国際糖尿病連合(IDF)基準に従って定義した。 主な結果は以下のとおり。・MetS基準を満たしていたTRD患者は、全体の38%であった。・MetSの頻度は、40歳以上の患者において女性(35.2%)よりも男性(46.3%)で高かった(p=0.0427)。・糖尿病のマネジメントは良好であったが、高血圧または脂質異常症の治療を受けていた患者は3分の1未満であった。・多変量解析では、血清CRPレベルの異常は、他の潜在的な交絡因子とは独立して、MetSリスクを3倍増加させることが示唆された(95%CI:1.5~5.2)。 著者らは「TRD患者では、他の精神疾患患者よりもMetS有病率が高く、十分な治療が行われていない可能性がある。TRD患者の心血管疾患を予防するために、MetSの診断および治療をシステマティックに行う必要がある。本調査結果は、精神科医とプライマリケア医との連携を強化し、統合ケアの必要性を示唆している」としている。

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低LDLや低収縮期血圧と関連するgenetic variantsは生涯にわたる冠動脈疾患の低リスクと関連(解説:石川讓治氏)-1133

 高LDL血症および高血圧は冠動脈疾患の確立された危険因子である。本研究では、英国のバイオバンクに登録された43万8,952人の対象者のデータを用いて、低LDLコレステロール血症と関連するgenetic variantsが多い対象者と低収縮期血圧と関連するgenetic variantsが多い対象者を評価し、これらのgenetic variantsが、独立して、相加的に冠動脈疾患発症リスク低値と関連していたことを報告していた。これらのgenetic variantsの数が増えるにつれて連続的に冠動脈疾患発症リスクは低くなっていた。同様の関連は虚血性脳梗塞においても認められていた。 本研究では、低LDLコレステロール血症や低収縮期血圧と関連するgenetic variantsが少ない(つまりLDLコレステロールや収縮期血圧が高くなりやすい)対象者において、治療によるLDLコレステロールや収縮期血圧の低下度に影響を与えるかどうかは不明である。また、これらのgenetic variantsの有無によって、LDLや血圧の治療薬の選択や目標レベルを変えるかどうかも今後の課題である。サブグループ解析において、低LDL血症になりやすいgenetic variantsと低収縮期血圧になりやすいgenetic variantsの両方を持つ対象者の冠動脈疾患リスク低下度は、喫煙や肥満によって減少していた。有利なgenetic variantsの有無にかかわらず、喫煙や肥満といった治療可能な危険因子を改善することが重要であることは変わりないと思われる。

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そのバイトの手取り知ってる? 確定申告から考える節税対策【医師のためのお金の話】第26回

一年の計は確定申告にありこんにちは、自由気ままな整形外科医です。そろそろ確定申告の時期がやってきます。確定申告と聞いて、皆さんはどのように感じるでしょうか?「計算方法がよくわからない」「なんだか面倒くさそう」「また追加で税金を支払わなければいけないのか」などなど、あまりよいイメージのない人が多いのではないでしょうか。確かに確定申告は面倒ですし、アルバイト収入のある勤務医は多額の税金を支払わなければいけません。よいイメージが湧かないのも当たり前ですね。しかし、私は1年の計画を決めるうえで、確定申告は重要なイベントだと考えています。「一年の計は確定申告にあり」と言っても過言ではありません。なぜ、確定申告がそれほど重要なのかを説明しましょう。多くの医師は税率43%ゾーンに該当最初にお伝えしたいことは個人所得にかかる税の仕組みです。「税制はとても複雑で難しい」と思っている方は多いことでしょう。しかし、法人税制と比較すると個人税制はとてもシンプルなのです。個人所得にかかる税には、所得税と住民税の2つがあります。いろいろ細かい規定がありますが、私たちにとって重要なのは税率のみ、と言ってよいでしょう。住民税は居住地によって若干の差異はありますが便宜上10%とします。その場合、個人所得税と住民税を合算した税率は下記のようになります。※国税庁ホームページの所得税の速算表を編集(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm)課税される所得金額は確定申告書の右上に記載されている金額であり、給与総額ではないことに注意する必要があります。上記のうち、多くの医師は課税所得金額900~1,800万円の階層に含まれます。アルバイトの「本当の手取り」を知っていますか?ここでは「額面年収1,500万円で、課税所得金額が1,000万円」の医師を例にして考えてみます。この場合、課税所得金額900万円超の100万円部分の税率が43%になります。アルバイト収入を加えて年収1,500万円になっている場合、本業に上積みされるアルバイト収入にかかる税率は43%です。この税率を基に考えてみると、1回4万円の夜診アルバイトの実質的な手取りは2万2,800円にしかなりません。このような事実が可視化されると、本当にそのアルバイトを継続するべきかを検討する、という選択肢も出てくるでしょう。生活習慣を見直して節約することでアルバイトに行くのと同じ効果を得られるかもしれません。一見すると、アルバイト収入は割がよいと感じられますが、実質的な手取りは43%ダウンとなっているのです。自分の時間を削ってアルバイトに精を出すより、生活習慣を見直して浪費を慎むほうが生活の質は向上するかもしれません。iDeCo・ふるさと納税に節税効果はほぼなし!残念ながら、個人所得の節税手段は多くはありません。iDeCo(個人型確定拠出年金)やふるさと納税は誰でも利用できますが、iDeCoは毎月積み立てできる限度額が少ないため実質的な効果に乏しく、ふるさと納税も節税というよりは「出血を多少抑える」程度の効果しかありません。一方で、少々難易度は上がりますが、小規模企業共済や不動産所得による損益通算を利用した節税法を実行すると、100万円単位で課税所得金額を引き下げられる可能性があります。900万円超部分の税率43%を33%にすることができれば、4万円の夜診アルバイトの実質的な手取りは2万2,800円から2万6,800円に改善するのです。小規模企業共済は加入資格のハードルが高いので、開業医や事業所得のある大学院生に限定されますが、不動産所得による損益通算を利用した節税法は、やる気さえあればほとんどの人が実行可能です。もちろん、不動産投資を実践することになるので事前にしっかり勉強する必要があります。何も勉強せずに不動産投資を開始することは自殺行為です。医師としての業務と不動産投資に割ける時間のバランスを考えると、1棟マンションなどの大規模な物件ではなく、中古の木造戸建て住宅などの小規模物件への投資が望ましいでしょう。なお、不動産投資による節税対策としては、迷惑な営業電話でおなじみの新築ワンルームマンション投資を思い浮かべる人が多いことでしょう。私は15年以上不動産投資を実践していますが、投資対象となりうる新築ワンルームマンションを見たことがありません。何があっても、新築ワンルームマンションを購入することだけは避けるべきだと思います。確定申告を通じて生活スタイルをデザインするここまで述べてきたように、確定申告対策によって、効率よく手残り収入を確保する方法をシミュレーションすることができます。何も考えずに貴重な自分の時間を削ってアルバイトに精を出すのは賢い方法ではありません。どうせアルバイトするのであれば、手残り金額を増やす節税方法を検討するべきですし、生活の質を考慮して、本当にアルバイトに行くのが望ましいのかも考えるべきでしょう。私は税率43%の課税所得金額900万円超の部分を、できるだけ少なくすることに注力しています。その方法は、アルバイト削減と不動産所得による損益通算を両輪としたものです。アルバイトを削減することで自分の時間が増え、不動産所得は節税だけではなく安定収入をもたらしてくれます。自分の生活の質を高めるために、確定申告を通じて自分の生活スタイルを見直してみてはいかがでしょうか?

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第7回 今またOTC薬なわけ【噂の狭研ラヂオ】

動画解説医師の働き方改革に伴うタスクシフトで、風邪ぐらいは薬剤師が診るようになる?そんな噂があります。その時カギになるのはOTC薬です。選んで販売するだけでなく、患者の服用後のフォローや受診勧奨が重要になります。「だめなら病院へ行ってください」は本当の受診勧奨ではありません!

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認知症の攻撃性および興奮に対する介入比較~メタ解析

 認知症患者の精神症状の治療には、薬理学的介入と非薬理学的介入の両方が用いられる。カナダ・St. Michael's HospitalのJennifer A. Watt氏らは、認知症の攻撃性および興奮に対する薬理学的介入および非薬理学的介入の有効性比較を行った。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2019年10月15日号の報告。 対象研究は、認知症の攻撃性および興奮に対する治療介入を比較したランダム化比較試験。データは、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Central Register of Controlled Trials、CINAHL、PsycINFOより検索し、2019年5月28日までの灰色文献および選択した研究やシステマティック・レビューから抽出したリファレンスを用いた。研究の選択、データの抽出、バイアスリスクの評価は、独立した2人1組のレビューアにより実施された。 主な結果は以下のとおり。・攻撃性と興奮をターゲットとした介入148件(2万1,686例)の分析では、通常ケアと比較し、以下の治療介入が臨床的に有用であった。 ●学際的ケア(標準化平均差[SMD]:-0.5、95%信頼区間[CI]:-0.99~-0.01) ●マッサージおよびタッチ療法(SMD:-0.75、95%CI:-1.12~-0.38) ●マッサージおよびタッチ療法と音楽療法の併用(SMD:-0.91、95%CI:-1.75~-0.07)・レクリエーション療法は、統計学的に有意ではあったが(SMD:-0.29、95%CI:-0.57~-0.01)、臨床的には通常ケアよりも効果的とはいえなかった。・本研究の限界として、研究の46%において、アウトカムデータが欠落しており、バイアスリスクが高かった。また、治療介入の有害性およびコストは評価されていなかった。 著者らは「認知症の攻撃性および興奮を軽減するための非薬理学的介入は、薬理学的介入よりも効果的であると考えられる」としている。

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メニューのカロリー表示、購入意欲への影響は?/BMJ

 米国南部における大規模ファストフードチェーン店では、カロリー表示メニューを導入後も、平均購入カロリー量はわずかに減少しただけで、その減少幅も1年後には小さくなっていたことが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のJoshua Petimar氏らによる準実験的研究の結果、明らかにされた。米国では2018年5月からレスランチェーンでカロリー表示が義務づけられている。しかし、この政策が購入カロリー量へ及ぼす影響についてのエビデンスは混沌としており、大部分の先行研究は試験規模が小さいなど不十分であった。とくに、肥満率が高い非都市部や南部地域を対象とした適切な評価は行われていなかったという。BMJ誌2019年10月30日号掲載の報告。米国南部の大規模ファストフードチェーン104店で調査 研究グループは、大規模レストランチェーンにおけるカロリー表示メニューの導入が、平均購入カロリー量と関連したか否かを調べるため、2015年4月~2018年4月に、米国南部(ルイジアナ州、テキサス州、ミシシッピ州)で3つの異なるレストランチェーンを展開する全国規模のファストフード企業で準実験的研究を行った。 解析対象となったのは、2017年4月にカロリー表示メニューを導入(店内・ドライブスルー)し、導入前(2015年4月~2017年4月)と導入後(2017年4月~2018年4月)の1週間ごとの売上データを有していたレストラン104店。 主要アウトカムは、反事実的仮説(たとえば、介入が行われなかった場合は介入前の傾向が持続するなど)と比較した、導入後の平均購入カロリー量の全量および変化の傾向で、線形混合モデルを用いた分割時系列解析で評価した。 副次アウトカムは、食事カテゴリーごと(メイン料理、サイドメニュー、砂糖入り飲料)に評価した。サブグループ解析では、レストランがある国勢調査標準地域(国勢調査を行うための定義済み地域)の社会人口統計学的特性別による、カロリー表示の影響を推算した。カロリー表示メニュー導入後、一時的に減少するが、増加傾向は抑制されず 解析サンプルは、1万4,352店週であった。3年間に104店全体で、単位購入(transaction)発生は4,906万2,440件、食事カテゴリー購入発生は2億4,272万6,953件であった。 カロリー表示導入後、単位購入当たりのカロリー量は、60カロリー(95%信頼区間[CI]:48~72、約4%)減少したことが観察された。しかし、導入後の1年間の購入カロリー量は、0.71カロリー/単位購入/週(95%CI:0.51~0.92)と増大傾向がみられ、これは導入前のベースライン増加傾向推算値0.53(0.36~0.70)を上回っていた。これらの結果は、感度解析での異なる分析仮定にも概して確認された。 導入後の購入カロリー量減少とその後の変化傾向は、メイン料理や砂糖入り飲料と比べてサイドメニューで強かった。 また、導入後の減少は、所得中央値が高い地区と低い地区で同等であったが、その後に増加した変化傾向は、低所得地区(0.94カロリー/単位購入/週、95%CI:0.67~1.21)のほうが高所得地区(0.50、0.19~0.81)よりも大きかった。

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「酸化コレステロール」を含んだ食品は食べないのが一番/日本動脈硬化学会

 メタボリックシンドロームにしばしば合併する脂肪肝だが、実は動脈硬化リスクも伴う。自覚症状に乏しいことから、一般メディアでは“隠れ脂肪肝”などと呼ばれ、患者から質問されることも珍しくない。しかし、脂肪肝だからと言って、ただ“脂モノ”を控えるという対処は正しくないという。 先日、日本動脈硬化学会(理事長:山下 静也)が開催したセミナーにて、動脈硬化と関連の深い「脂肪肝/脂肪肝炎」と「酸化コレステロール」について、2人の専門医が解説した。脂肪肝/脂肪肝炎は、肝硬変・肝がんだけでなく心血管疾患リスクにも はじめに、小関 正博氏(大阪大学大学院 医学系研究科循環器内科)が、脂肪肝の病態とリスクについて講演を行った。アルコールの影響を受けていない脂肪肝は、脂肪が肝臓に蓄積した「非アルコール性脂肪肝(NAFL)」と、さらに炎症や線維化を伴った「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」に分類される。しかし、区別が難しいため、NAFLとNASHの総称として「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」とも呼ばれる。 NASHは、炎症を繰り返すうちに線維化が進み(肝硬変)、肝がんに至るケースもあるとわかってきた。20年ほど前は、「脂肪肝は、がんにならない」と言われていたが、ウイルス性肝炎由来の肝細胞がんが治療法の進歩により減り、相対的に、脂肪肝炎由来のがん症例の増加が浮き彫りになっているという。 小関氏は、「NASHがウイルス性肝炎と決定的に違うのは、虚血性心疾患のリスクを伴う点。米国において、NAFLD患者は肝がんより心血管疾患で死亡する例のほうが多いという報告1)もある。脂肪肝と脂肪肝炎は、今後さまざまな診療科が連携して診療していくべき疾患だ」と強調した。線維化の段階を評価し、NASHが疑われる場合は専門医へ NAFLDは、肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病と高率に合併し、国内の有病率は、男性では40~59歳の40%以上、女性では60~69歳の30%以上との報告がある。また、NAFLD患者の生存率は、肝線維化と強く関連することがわかっている。 脂肪肝は、腹部エコーで腎皮質よりも白く映る(肝腎コントラスト陽性)所見により、健診などで発覚し、その後は『NAFLD/NASH診療ガイドライン20142)』のチャートに従って診断される。線維化の段階を評価するためには、FIB-4 index(肝線維化の進行度を非侵襲的に推測するためのスコアリングシステム/日本肝臓学会)や、MR Elastographyを用いた画像化による方法があり、NASHが疑われる場合は、専門医の受診が勧められる。動脈硬化性疾患のリスクに潜む“隠れ脂肪肝”を、今後見過ごすわけにはいかない。酸化コレステロールが「超悪玉コレステロール」のプラーク形成促進 次に、的場 哲哉氏(九州大学病院 循環器内科)が、酸化コレステロールと動脈硬化の関連性について説明した。動脈硬化は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などによってダメージを受けた血管壁に、LDLが入り込むことで進行する。 通常、LDLはコレステロールを肝臓から末梢に運んでいるが、生活習慣病の人には、血管壁に入り込みやすい、小型で密度の高いLDL(small dense LDL)が存在するという。これは、“超悪玉コレステロール”とも呼ばれ、近年注目を集めている。このsmall dense LDLが、動脈硬化を強力に誘発すると考えられ、血清脂質値が正常にもかかわらず、動脈硬化を引き起こした例も報告されている。 血管壁に入り込んだLDLは、「酸化」されることで白血球のターゲットとなり、プラークの形成をもたらす。LDLの酸化反応は、身近な食品中にも含まれる「酸化コレステロール」によって促進され、とくに、small dense LDLは酸化しやすい。 つまり、動脈硬化を防ぐためには、酸化コレステロールが多く含まれる食品を避けたほうがよい。例えとして、焼き鳥の皮の部分、インスタントラーメンの麺、マーガリンやマヨネーズの変色した部分、二度揚げされた揚げ物、漬け込み保存された魚卵、加工肉食品、するめやビーフジャーキーなどUV照射を受けた食品などが挙げられた。酸化コレステロールを含んだ食品は食べないのが一番 続いて的場氏は、酸化コレステロールと心血管疾患との関連を裏付ける研究結果を紹介した。経皮的冠動脈インターベンション後の治療薬による効果をスタチン単独とスタチン+エゼチミブでランダム比較した「CuVIC Trial3)」では、冠動脈疾患患者において、血中酸化コレステロール高値が、LDL-コレステロール高値とともに冠動脈内皮機能障害と関連することが明らかになった。この内皮機能障害は、エゼチミブのコレステロール吸収阻害作用によって軽減されることが示された。 酸化コレステロールについてはさまざまな研究が行われているが、まだ解明できていない点も多く、現行のガイドラインには記載されていない。酸化コレステロールをバイオマーカーや治療標的として利用するためには、引き続き研究を重ねる必要がある。 同氏は、「酸化コレステロールを特異的に下げる薬はまだない。まずは酸化コレステロールの摂取を避け、食事療法と運動療法を組み合せた生活習慣の改善が重要」と締めくくった。

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