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無症候性の大動脈弁狭窄症、保存的治療 vs.早期手術/NEJM

 無症候性の重症大動脈弁狭窄症患者において、追跡期間中の手術死亡または心血管死(複合エンドポイント)の発生率は、早期に弁置換術を施行した患者のほうが保存的治療を行った患者よりも有意に低いことが示された。韓国・蔚山大学校のDuk-Hyun Kang氏らが、多施設共同試験「RECOVERY試験」の結果を報告した。重症大動脈弁狭窄症患者の3分の1から2分の1は診断時に無症状であるが、こうした患者における手術の時期と適応については依然として議論の余地があった。NEJM誌オンライン版2019年11月16日号掲載の報告。手術死亡と心血管死の複合エンドポイントを比較 RECOVERY試験(Randomized Comparison of Early Surgery versus Conventional Treatment in Very Severe Aortic Stenosis trial)は、2010年7月~2015年4月の期間に、無症候性の超重症大動脈弁狭窄症(大動脈弁口面積≦0.75cm2で、大動脈弁血流速度≧4.5m/秒または平均圧較差≧50mmHgのいずれか)患者145例を、早期手術群(73例)または現行ガイドラインの推奨に基づく保存的治療群(72例)のいずれかに無作為に割り付けて行われた。 主要評価項目は、術中または術後30日以内の死亡(手術死亡)、または追跡期間全体の心血管死の複合エンドポイント、主な副次評価項目は追跡期間中の全死因死亡とした。解析はintention-to-treat集団を対象とし、イベント累積発生率はKaplan-Meier法で推定し、log-rank検定を用いて比較した。また、層別Cox比例ハザードモデルを用いてハザード比(HR)とその95%信頼区間(CI)を算出した。手術死亡の発生なし、早期手術群のイベント発生HRは0.09と有意に低下 早期手術群では、無作為化後2ヵ月以内に73例中69例(95%)で手術が実施され、手術死亡はなかった。 Intention-to-treat解析において、主要評価項目のイベントは早期手術群で1例(1%)、保存的治療群で11例(15%)発生した(HR:0.09、95%CI:0.01~0.67、p=0.003)。全死因死亡は、早期手術群5例(7%)、保存的治療群15例(21%)に発生した(HR:0.33、95%CI:0.12~0.90)。 保存的治療群では、突然死の累積発生率が4年時で4%、8年時で14%であった。 なお著者は、症例数および主要評価項目のイベント発生数が少ないこと、相対的に若い患者が組み込まれたことなどを研究の限界として挙げている。

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2型DMの腎機能維持、ビタミンDとオメガ3脂肪酸の効果は?/JAMA

 2型糖尿病患者において、ビタミンD3あるいはオメガ3脂肪酸の補給は、プラセボと比較し、5年時の推定糸球体濾過量(eGFR)のベースラインからの変化に有意差は認められないことが示された。米国・ワシントン大学のIan H. de Boer氏らが、「Vitamin D and Omega-3 Trial:VITAL試験」の補助的研究として実施した2×2要因デザイン無作為化臨床試験の結果を報告した。結果を踏まえて著者は、「腎機能維持のためのビタミンDまたはオメガ3脂肪酸サプリメントの使用は支持されないことが示された」と述べている。慢性腎臓病(CKD)は2型糖尿病でよくみられる合併症で、末期腎不全につながり心血管高リスクと関連があるが、2型糖尿病でCKDを予防できる治療はほとんどないとされている。JAMA誌オンライン版2019年11月19日号掲載の報告。約1,300例で、ビタミンD3とオメガ3脂肪酸の有効性をeGFRの変化で評価 研究グループは、2011年11月~2014年3月の期間に全米50州から募集した2型糖尿病患者1,312例を、ビタミンD3(2,000 IU/日)+オメガ3脂肪酸(エイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸:1g/日)群370例、ビタミンD3(+プラセボ)群333例、オメガ3脂肪酸(+プラセボ)群289例、プラセボ群320例のいずれかに無作為に割り付け、5年間毎日投与した。 主要評価項目は、血清クレアチニンとシスタチンCから算出したeGFRのベースラインから5年時までの変化とした。5年後のeGFR変化量、プラセボと有意差なし 無作為化された1,312例(平均年齢67.6歳、女性46%)のうち、934例(71%)が試験を完遂した。ベースラインのeGFRは85.8(SD 22.1)mL/分/1.73m2であった。 5年時におけるeGFRのベースラインからの平均変化は、ビタミンD3群で-12.3mL/分/1.73m2(95%信頼区間[CI]:-13.4~-11.2)、対するプラセボ群で-13.1mL/分/1.73m2(95%CI:-14.2~-11.9)(群間差:0.9mL/分/1.73m2、95%CI:-0.7~2.5)であった。同様に、オメガ3脂肪酸群で-12.2mL/分/1.73m2(95%CI:-13.3~-11.1)、プラセボ群で-13.1mL/分/1.73m2(95%CI:-14.2~-12.0)(群間差:0.9mL/分/1.73m2、95%CI:-0.7~2.6)であり、2つの介入に有意な相互作用は確認されなかった。 有害事象は、腎結石が58例(ビタミンD3群32例、プラセボ群26例)、消化管出血が45例(オメガ3脂肪酸群28例、プラセボ群17例)発生した。

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EGFR変異NSCLC、ゲフィチニブ+化学療法併用(NEJ-009)/JCO

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療について、標準療法のEGFR-TKI単独療法 vs.EGFR-TKI+化学療法を比較した、日本発の検討結果が発表された。がん・感染症センター東京都立駒込病院の細見幸生氏らによる、未治療のEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者を対象とした第III相臨床試験「NEJ009試験」の結果で、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法はゲフィチニブ単独療法群と比較して、毒性プロファイルは許容でき、無増悪生存期間(PFS)および全生存(OS)期間が延長することが示されたという。ただし、著者は、「OSの有益性についてはさらなる検証が必要である」とまとめている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年11月4日掲載の報告。NEJ009試験でゲフィチニブ+化学療法併用のPFSが優位に優れていた 研究グループはNEJ009試験で、未治療のEGFR遺伝子変異陽性進行NSCLC患者345例を、ゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセド併用療法群(GCP群)またはゲフィチニブ単独療法群(G群)に無作為に割り付け、疾患増悪(PD)または許容できない副作用の発現等まで継続した。 NEJ009試験の主要評価項目は、無増悪生存(PFS)期間、PFS2およびOS期間で、階層的逐次検定法を用いて優越性を検証した。なお、PFS2は、事前計画ではG群におけるランダム化から2次治療のPDまたは死亡までの期間と定義(GCP群はPFS=PFS2と定義)されていたが、今回の解析では、最初のPDから2次治療開始までの期間を差し引いた修正PFS2が用いられた。副次評価項目は奏効率(ORR)、安全性およびQOLであった。 NEJ009試験の主な結果は以下のとおり。・GCP群はG群に対し、ORRおよびPFSが有意に優れていた。 ORR:84% vs.67%、p<0.001 PFS:20.9ヵ月 vs.11.9ヵ月、ハザード比(HR):0.490、p<0.001・PFS2は、事前計画の定義では両群で同程度であったが(GCP群20.9ヵ月、G群20.7ヵ月、HR0.99、p=0.90)、修正PFS2はGCP群が長いことが示された(20.9ヵ月 vs.18.0ヵ月、p=0.092)・OS中央値は、GCP群でG群より有意に延長した(50.9ヵ月 vs.38.8ヵ月、HR:0.722、p=0.021)。・Grade3以上の治療関連有害事象(血液学的毒性など)の発現頻度は、GCP群がG群より高かったが(65.3% vs.31.0%)、QOLに差はなかった。・GCP群で治療に関連した死亡が1例認められた。

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メトホルミンとDPP-4阻害薬との早期併用療法の有効性は実証されたか?(解説:住谷哲氏)-1144

 2型糖尿病患者には程度の差はあるがインスリン抵抗性とインスリン分泌不全の両者が存在する。したがって病態生理学的にはその両者に早期から介入する薬物療法が、その一方だけに介入する薬物療法よりも血糖管理においてより有効であることは理解しやすい。血糖降下薬の有効性を評価する指標はいくつもあるが、どれだけ長期間にわたってHbA1cを<7.0%に維持可能であるかを示すdurabilityもその1つである。インスリン抵抗性改善薬であるメトホルミンとインスリン分泌不全改善薬のDPP-4阻害薬であるビルダグリプチンを診断直後から併用することが(early combination therapy:早期併用療法)、メトホルミン単剤で治療を開始して血糖コントロールが維持できなければビルダグリプチンを併用する段階的治療(sequential metformin monotherapy:段階的治療)に比較してdurabilityを延長できるか否かを検討したのが本試験である。 本試験は試験デザインが複雑で、かつ治療失敗treatment failureという見慣れないエンドポイントが設定されているので論文を一読するだけでは内容を容易に理解しがたい。試験に組み込まれたのは2型糖尿病診断後2年以内、未治療(メトホルミン使用4週間以内は許容されている)、HbA1c 6.5~7.5%の初回治療患者である。3週間のrun-in期間でメトホルミンを1,500mgまで増量を試みて、メトホルミン1,000mg以上服用できた患者のみ無作為化された。つまり本試験は最初から併用療法で治療を開始するinitial combination therapyではない。2,001例の患者が早期併用療法群(メトホルミン1,000mg+ビルダグリプチン50mg x 2)と段階的治療(メトホルミン1,000mg+プラセボ x 2)の2群に1対1に振り分けられた。すべての患者で無作為化後の4週間にメトホルミンは2,000mgまで増量が試みられた。患者は13週ごとに受診したが、HbA1c 7.0%以上が連続した2回の受診で認められた場合にその時点で治療失敗と定義された。主要評価項目は1回目の治療失敗までの時間(period 1)とした。2回目の治療失敗までの時間(period 2)は副次評価項目とされた。段階的治療は1回目の治療失敗後にメトホルミン+ビルダグリプチンの併用療法に移行した。つまりperiod 2の治療法は両群で同一となっている。試験観察期間が予定より短くなることの多いevent-driven型の心血管アウトカム試験とは異なり、すべての患者は無作為化後5年にわたり観察された。 試験開始5年後の主要評価項目のイベント発生率は段階的治療が62.1%、早期併用療法が43.6%であった。別の表現にすると50%の患者が1回目の治療失敗に至るまでの時間(median observed time to treatment failure)が段階的治療では36.1ヵ月、早期併用療法では61.9ヵ月(これはカプランマイヤー曲線からの推定値である)、つまり早期併用療法において段階的治療に比較してdurabilityが約2年延長したことになる。副次評価項目のイベント発生率は本文に記載がないが、Figure 3Bのグラフから読み取ると多く見積もって段階的治療が45%、早期併用療法が35%であった。 以上の結果をどのように解釈したら良いのだろうか? period 1で検討されたdurabilityは早期併用療法で約2年延長することが証明された。しかし段階的治療のイベント発生率は62.1%であり、約40%の患者はメトホルミン単剤のみで5年間HbA1c<7.0%を維持できたことになる。さらに実臨床でより重要なのは、治療失敗する前から併用する早期併用療法と、メトホルミン単剤で開始して治療失敗した後に併用する段階的治療とを比較した副次評価項目である。その差はわずかに10%であり、単純にいえば90%の患者はどちらの治療法でも結果は同じだったことになる。しかしこの点についても解釈に注意が必要である。実臨床で併用療法に移行する、言い換えればメトホルミンに他の血糖降下薬を追加するのは容易でないのに対して、本試験では1回目の治療失敗患者はすべて併用療法に移行している点である。したがってリアルワールドにおける両群の差が10%以上になる可能性は十分にある。 2型糖尿病治療においてもclinical inertiaの重要性が強調されている。しかしあらゆる治療にはbenefitとharmがある。天秤の皿の一方に載せるのがclinical inertiaとすればもう一方の皿に載せるべきはovertreatmentであろう。もしすべての患者に早期併用療法を実施したとすると、本試験の結果によればその中の約40%の患者は不要な治療、すなわちovertreatmentを受けたことになる。本試験はclinical inertiaとovertreatmentとのバランスの重要性をVERIFYした試験といっても良いだろう。(12月2日 一部記事内容を修正いたしました)

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早起きは三文の得【Dr. 中島の 新・徒然草】(300)

三百の段 早起きは三文の得年を取ると、意味もなく朝早く目が覚めるようになりました。午前4時とか午前5時とか。目覚ましをかけるまでもなく、勝手に目が覚めてしまいます。朝6時過ぎに家を出ると、道も全く混んでいないので、7時前には病院に到着。朝早いと仕事がはかどります。体感で3倍くらいの効率です。山積みになっている懸案なんかもあっという間に片付きます。驚くべきことには、午前7時前後に出勤している同僚も結構多いのです。何が楽しいのか、仕事が趣味なのか?いつも7時頃に出勤していると、8時半の始業に遅刻することは絶対にありません。だから何かの会議でも、人様にも強気に出ることができます。職員「ときどき遅れそうになることがあって」中島「そんなもの社会人失格やな」職員「すみません」中島「そもそも遅刻なんて人として論外やろ」職員「……」患者さんに対しても強気です。患者「朝4時頃に目が覚めるんです」中島「素晴らしいですね、それ」患者「でもやることないんですわ」中島「仕事するとか勉強するとか、色々できますよ」患者「いや、あの」中島「人間、ダラダラ生きていても仕方ないですからね」ちょっと無茶苦茶かな。とにかく、早起きは三文の得。読者の皆様も21時就寝、4時起床の生活を試してはいかがでしょうか。最後に1句早起きで 遅刻は無縁 気分良し★今回で連載300回になるそうです。担当編集者に教えてもらって知りました。これからもよろしくお願いいたします。

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第31回 ACE阻害薬で誤嚥性肺炎が予防できる場合、できない場合【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬の有名な副作用である空咳は5~20%の患者さんで起こるため、問い合わせを受けたことがある薬剤師さんは多いと思います。特徴としては、女性で起こりやすく、治療開始後数時間~1週間以内に発生し、中止すると4~7日程度で治まるものの、再開ないし別のACE阻害薬に切り替えると再発することなどが挙げられます1)。この空咳は副作用である一方、誤嚥性肺炎の予防に有効という報告もあるため、誤嚥性肺炎のリスクの高い高血圧症患者さんではあえて選択されることもあります。このACE阻害薬の肺炎予防の側面は、とくにアジア人において肺炎発症リスクが下がることが東北大学の研究で示唆されています。オーストララシア、欧州およびアジアで行われたランダム化試験で、脳卒中または一過性虚血発作の病歴を有する6,105例の患者を対象に、ペリンドプリルを中心とするACE阻害薬群またはプラセボ群に割り付けて、ACE阻害薬の肺炎予防効果を検討しています。結果として、中央値3.9年の追跡期間で261例が肺炎を発症しています。全体としてはプラセボ群と比較してACE阻害薬群の肺炎リスクは19%低下(95%信頼区間[CI]=-3~37)していたものの、有意差はありませんでしたが、アジア人では47%低下(95%CI=14~67)と有意差があった一方で、非アジア人では5%低下(95%CI=-27~29%)と有意差はありませんでした。ACE I/Dの遺伝子多型が関連するという説もありますが、検出力の限界もあり確定的なことはいえないという結果です2)。別のファクターとして、組織透過性やACE阻害作用の観点から、脂溶性のACE阻害薬のほうが水溶性のACE阻害薬よりも肺炎防止に有用ではないかという説もあり、肺炎で入院した患者787例を対象とした後ろ向きコホート研究で検証されています3)。なお、脂溶性ACE阻害薬にはシラザプリル、エナラプリル、ペリンドプリルなど、水溶性ACE阻害薬にはカプトプリル、リシノプリルなどがあります。この研究では、登録患者の24%(n=186)がACE阻害薬を使用しており、111例が脂溶性、74例が水溶性で、30日時点の全体の死亡率は9.2%でした。脂溶性ACE阻害薬群のオッズ比は0.3(95%CI=0.1~0.8)、水溶性ACE阻害薬群のオッズ比は0.7(95%CI=0.3~1.7)であり、脂溶性ACE阻害薬群で30日死亡率が有意に低下していました。ただし、サンプルサイズが小さいため確信度が高いわけではありません。2012年には、ACE阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の肺炎予防効果を検証した37件の研究を含めたシステマティック・レビューが発表されました4)。主解析項目は肺炎発生率、2次解析項目は肺炎関連の死亡率です。ACE阻害薬群では対照群と比べて肺炎発症のオッズ比が0.66(95%CI=0.55~0.80)、ARB群と比べて直接的・間接的比較を併せた推定オッズ比が0.69(95%CI=0.56~0.85)と有意に低く、2年間のNNTは65(48~112)でした。脳卒中患者においてもACE阻害薬群のオッズ比は0.46(95%CI=0.34~0.62)と有意な低下でした。とくにアジア人ではオッズ比が0.43(0.34~0.54)とリスクの低下が大きく、非アジア人では0.82(95%CI=0.67~1.00)と小さい傾向にありました。ACE阻害薬間での差は測りかねますが、遺伝子多型や既往症によってはメリットを享受できる可能性が示唆されています。ハイリスク患者では肺炎予防の効果はみられない一方で、ネガティブな結果の研究もあります。低用量のACE阻害薬が経管導入されている高齢患者の肺炎を予防できるかを検討したランダム化比較試験です5)。被験者は、脳血管疾患による嚥下障害のために2週間以上経管栄養を受けている高齢患者93例で、26週間にわたりリシノプリル2.5mgまたはプラセボが投与されました。主解析項目として肺炎発症率、2次解析項目として死亡率および嚥下能力をみました。中間解析で71例が試験を完了し、完了した患者の死亡のオッズ比は、介入群で未調整オッズ比が2.94、調整オッズ比が7.79と有意に高かった一方で、群間で肺炎ないし致命的な肺炎の発生率に有意差はありませんでした。12週時点の嚥下機能は介入群でやや良好でした。対象がハイリスク患者さんですので、理論上は介入の効果が検出されやすいはずですが、死亡率が高いことから研究自体が途中で終了しているほど結果は逆でした。低用量かつ患者群がかなり限定されることから一般化はしづらいですが、こうした経管栄養を受けているハイリスク患者さんでは有望な肺炎予防法ではなさそうです。さらに、直近の東京大学による研究では、ACE阻害薬がARBと比較して脳卒中後の誤嚥性肺炎を減少させるかどうかを検討しています。2010年7月~2016年12月までの間に脳卒中で入院し、入院中に誤嚥性肺炎を発症した患者をDPC(Diagnosis Procedure Combination)データベースから分析検討しています6)。DPCデータベースは全国の施設から収集された入院患者データベースで、近年このビッグデータを分析に用いた文献も増加傾向にあります。ここでは、アウトカムとして、脳卒中後誤嚥性肺炎に対する14日、30日、90日時点の再入院率をみています。35,586例の患者が抽出され、うち5,846例(16%)がACE阻害薬を服用していました。傾向スコアマッチングで5,789のペアが作成され、ACE阻害薬群とARB群で比較した結果、14日の再入院は0.8% vs.0.7%、30日の再入院は1.3% vs.1.3%、90日間の再入院は2.6% vs.2.4%といずれも有意差はなく、両群のハザード比も1.21(95%CI=0.98~1.48)と有意差はありませんでした。日本の全国的な後ろ向き研究では、脳卒中後のACE阻害薬が誤嚥性肺炎予防に有効であるとは結論付けられないというところでしょうか。現実的には肺炎予防としては口腔ケアや行動介入などが優先して行われますが、薬剤による予防という観点で話題になることもありますので、参考にしていただければ幸いです。1)Israili ZH, et al. Ann Intern Med. 1992;117:234-242.2)Ohkubo T, et al. Am J Respir Crit Care Med. 2004;169:1041-1045.3)Mortensen EM, et al. Am J Med Sci. 2008;336:462-466.4) Caldeira D, et al. BMJ. 2012;345:e4260. 5)Lee JS, et al. J Am Med Dir Assoc. 2015;16:702-707.6)Kumazawa R, et al. J Stroke Cerebrovasc Dis. 2019 Oct 18. [Epub ahead of print]

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Step1攻略に必要な勉強、プラスαで大事なこと【臨床留学通信 from NY】第4回

第4回:Step1攻略に必要な勉強、プラスαで大事なこと今回も引き続き、Step1対策について書いていきます。前回、まずはオンライン問題集のUSMLE worldを解いてみるのがいいとお伝えしましたが、恐らく大半の方々はその難しさに愕然とすると思います。ただ、敵を知らずにやみくもに教科書を読んでも、試験問題が解けるようにはなりません。とにかく問題を解いていく中で、自身の足りない知識を参考書で補っていく形が理想的です。軸となる教科書はFirst Aidです。教科書といっても重要事項、単語の羅列であり、First Aidの内容が理解できなければ、ほかの教科書を参照するという形で進めていきます。もちろんUSMLE worldも1回では到底頭に入らず、2回3回と繰り返すことが必要で、初めは愕然としつつも、繰り返す中で少しずつ頭に入ってきます。受験日の直前には、NBMEという模試で点数を推測し、足りない分野を補充していきます。Step1は時間との勝負です。見慣れていない基礎医学の英語は、問題文を読むのにもかなり時間がかかるので、模試ではスピードも意識して最終的な調整をしていく必要があります。試験はコンピューターで行い、7時間のテストを休憩1時間を挟みつつ計8時間で解くわけで、相当な集中力を要します。そういった意味でも、模試で時間の感覚や集中力を磨いておくといいでしょう。なお、Step1とStep2 CKは日本での受験が可能です。レジデンシーのポジション争いは、受験の段階から始まっている本連載の第2回でも述べましたが、USMLE受験において最も重要なのは、一発かつ高得点で通過するということです。私は平均的でも受かればいいとしか思っていなかったのですが、これは大きな間違いです。米国のレジデンシーのポジションを狙って世界中から集まっているわけで、その競争は受験の段階からすでに始まっているのです。私の場合、当時の点数としては悪くはなかったと思うのですが(224点[93点])、Step1受験から9年後にマッチングに参加したため、この間に2桁の時代から3桁の時代となり、平均点が変わったことによって不利な状況に追い込まれたのも事実です。内科ですら足切りが230点と言われているのが現状です。低い点数は後々後悔することになりますので、本番前の模試が芳しくない場合は、思い切って受験日をずらすのも一手かと思います。Step1攻略に必要なプラスαとは…精神論になってしまいますが、Step1を勉強し始めて挫折する人もいると思います。あまりに膨大な問題量と知識量が問われるわけで、日常臨床をしながらやるのは相当大変です。私は、慶應義塾大学の香坂 俊先生が約10年の米国留学の後、日本に帰国した際に初めてお会いし、その斬新な考え方に感銘を受けたことがきっかけで試験勉強を始めました。また同時期に試験勉強をしていた小児科の同級生にも相当助けてもらいました。しかしながら、なぜ留学したいのか、という動機を当時そこまで明確に出来ず、ある意味、意地で試験勉強をしていました。当時、私は慶應義塾大学病院で内科ローテーション中で、医師3年目といえども立場上はほぼ研修医であり、雑務が多く、勉強する時間を確保しにくい環境にありました。もちろん臨床医3年目で勉強しなければいけないことはたくさんあります。もしUSMLEの試験勉強をする前に時間的余裕があれば、百聞は一見にしかず、一度米国の病院に見学に行って実際に目で見てくることを本当にお勧めします。それだけStep1は、最初のハードルとしては高く、強い動機付けが必要であったと今更ながら思います。Column画像を拡大するフィラデルフィアで先日行われたAHA 2019で、ポスター発表してきました1)。写真はシカゴで小児心不全のAttendingとして活躍する大学のテニス部の後輩と。作っておいた大きなポスターをうっかり家に忘れてしまい、急遽Fedexで印刷しましたが、思いのほかサイズが小さく……。それでも、発表時間中にはいろいろな人が質問しに来てくれて、珍しく忙しかったです。世界的なAHAに、バスで片道2時間程度、1泊2日の土日のみで行けるのも留学の魅力です。1)https://www.ahajournals.org/doi/abs/10.1161/circ.140.suppl_1.10619

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扁平上皮肺がんの抗EGFR抗体ネシツムマブ発売/日本化薬

 日本化薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:涌元厚宏、以下「日本化薬」)は、2019年11月22日、抗悪性腫瘍剤ヒト型抗EGFRモノクローナル抗体ネシツムマブ(商品名:ポートラーザ)を発売した。ネシツムマブは、進行・再発扁平上皮非小細胞肺がんの治療薬としてイーライリリー・アンド・カンパニーが2015年より欧米にて販売しているヒト型抗EGFRモノクローナル抗体である。2019年8月1日付で日本化薬が日本イーライリリー社より製造販売権を承継し、発売準備を行っていた。・製品名:ポートラーザ点滴静注液 800mg・一般名:ネシツムマブ(遺伝子組換え)・効能・効果:切除不能な進行・再発の扁平上皮非小細胞肺・用法・用量:ゲムシタビン及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはネシツムマブ(遺伝子組み換え)として1回800mgをおよそ60分かけて点滴静注し、週1回投与を2週連続し、3週目は休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

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全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019、本邦で初めて発刊

 2019年10月、日本初の『全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019』が発刊された。全身性エリテマトーデス(SLE)はさまざまな全身性疾患を伴うため、治療の標準化が困難であったことからガイドラインの作成着手までに時間を要してきた。全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019は専門医を対象とし、SLEの臨床的多様性に対応する総合的なガイドラインとして作成されている。 サノフィ株式会社は2019年10月30日、メディアラウンドテーブル「本邦初の全身性エリテマトーデス(SLE)診療ガイドライン発行~SLE診療の現在 医師と患者の立場から~」を開催。全身性エリテマトーデス診療ガイドライン統括委員会の委員長を務めた渥美 達也氏(北海道大学大学院医学研究院免疫・代謝内科学教室 教授)が「SLE診療の標準化~全身性エリテマトーデス(SLE)診療ガイドライン~」について講演した。会の後半では患者代表の後藤 眞理子氏(全国膠原病友の会神奈川県支部 支部長)を交えてトークセッションが行われた。臨床的多様性が強い疾患、全身性エリテマトーデスの治療目標 高血圧症は血圧を下げる、糖尿病は血糖値を下げるなど治療目的が非常に明確である。一方、全身性エリテマトーデスは多様な臓器病変を呈する症候群であることから、症状の出方や治療ゴールが個々によって異なり、ガイドラインの作成自体が困難を極めていた。また、これまでの治療では全身性エリテマトーデスの非可逆的な臓器病変やグルココルチコイドの長期大量投与に伴う合併症によって患者の生活の質の低下が問題になっていた。このことから渥美氏はガイドライン作成の前提条件について「“SLEの社会的寛解の維持”を治療目標に設定」とコメント。加えて、「患者さんにとって、生活活動を維持してもらうことが重要。とくに若年女性の労働生産性を落とさず家庭への生活ウェイトも置けるよう、患者の多様性を考慮したモニタリング項目が記載されている」とも説明した。 この“社会的寛解の維持“という定義については、「子供の運動会に参加するなど、自分の生活目標が達成されること。総合指標やそれぞれの臓器についての寛解を評価することが目的」と渥美氏は語った。全身性エリテマトーデス診療ガイドラインの日本と海外の違いは? 米国や欧州では2012年頃から全身性エリテマトーデスの臓器病変からループス腎炎を切り出したガイドラインなどが発刊され、日常臨床に用いられてきた。2018年には英国リウマチ学会がガイドラインを発刊、症状の時期や重症度が表で示されており利便性がある。その反面で「NHS(National Health Service:国営医療サービス)のためのガイドラインであるため、作成目的が医療費の償還である」と、海外ガイドラインの怖い側面について指摘した。 日本の全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019はこれとは異なり、さまざまな医療に対応でき、世界で1つの全身性エリテマトーデス診療アルゴリズムが盛り込まれている点が特徴的である。このアルゴリズムには二次療法の記載がなく、初回療法で寛解に入らない場合は三次治療に進む。これについて同氏は「初回療法はエビデンスがあるのに対し、二次治療としてのエビデンスが少ないため」とコメントした。このほか、推奨の強さは3段階に設定、重症度分類は英国GLに準じ、 軽症・中等症・重症に区分される。さらに、システマティックレビュー(腎炎、神経精神病変、皮膚病変、血液病変)またはナラティブレビューに基づく推奨文とその合意度も参照可能である。 全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019の制作は厚生労働省の自己免疫研究班SLE分科会と日本リウマチ学会による共同作業で、日本臨床免疫学会、日本腎臓学会、日本小児リウマチ学会、日本皮膚科学会の協力を得ている。全身性エリテマトーデス診療ガイドラインでは治療ゴールを明確にした 続いて、渥美氏と後藤氏によるトークセッションが行われた。後藤氏は「全身性エリテマトーデスの症状なのか薬の副作用なのか言葉にしがたい症状が生じた時、それらを医師にうまく伝えられないのは辛い。たとえば、倦怠感という概念の受け捉え方は患者も医師も人それぞれ。なので医師に具体的な表現を求める」と、症状の言語化できない問題について訴えた。これに対し、渥美氏は「寛解後の特有症状である倦怠感には医学的改善方法がないため、医師は“そうですか”と受け流すような返答になってしまう。医師は活動性指標の1つとして患者の訴えをきちんと評価すべき」と回答した。また、「薬剤の追加がネックで症状変化を医師に伝えないこともある」との後藤氏のコメントに対して、渥美氏は「どんな治療を行い、どんな治療目標とするのか。これを話せる医師が現時点では少ないため、今回のガイドラインではそのゴールを明確にした」と答えた。 最後に後藤氏は「GLが作成されたことによって全国どこでも標準的な治療が受けられるのは嬉しい。これによって患者会のメンバーの人生が広がればと感じた」と喜びを漏らした。渥美氏は「SLEの病態は例外が多いため、改善しなかった場合の対応策の盛り込み、まれな症状に対するエビデンス構築などが必要」と、今後の課題を語った。

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スマートウォッチの不整脈通知、心房細動の陽性適中率は84%/NEJM

 スマートウォッチ(Apple Watch)とスマートフォン(Apple iPhone)のアプリケーションを活用したモニタリングで不整脈が検出通知されたのは約0.52%と低率であったが、検出者に心電図(ECG)パッチを郵送し遠隔モニタリング診療を行った結果、その後に34%で心房細動がみられた。スマートウォッチの不整脈通知とECGパッチによる心房細動が同時に観察された割合(陽性適中率)は84%だったという。米国・スタンフォード大学のMarco V. Perez氏らが、約42万人を対象に行った大規模試験で明らかにし、NEJM誌2019年11月14日号で発表した。装着可能な光学センサー機器は不整脈の検出を可能とするが、光学センサーを搭載したスマートウォッチとアプリケーションの組み合わせで心房細動を特定できるかは明らかにされていなかった。スマートウォッチの不整脈検出者に心電図パッチを郵送し遠隔モニタリング 研究グループは2017年11月29日~2018年8月1日にかけて、自己申告で心房細動の既往がなく、アップル製のスマートウォッチとスマートフォンを所有している22歳以上の英語が堪能な米国居住者を適格とし試験を行った。試験参加への同意を得た参加者に、App Storeからアプリケーションをダウンロードしてもらい、不整脈のモニタリングを行った。 スマートウォッチベースの不整脈通知に関するアルゴリズムが心房細動の可能性があると識別した場合、遠隔診療が開始となり、対象参加者にECGパッチを郵送して最長7日間装着してもらった。さらにその後、不整脈通知の90日後と試験終了時に調査を行った。 試験の主目的は、スマートウォッチの不整脈通知を受けた参加者のうちECGパッチで心房細動が認められる割合と、脈拍間隔不整の陽性適中率(標的信頼区間0.10)を推算することだった。スマートウォッチの不整脈通知受信は0.52%、そのうち34%で心房細動 試験には41万9,297例が参加した。モニタリング期間中央値は117日で、その間に2,161例(0.52%)がスマートウォッチの不整脈通知を受け取った。ECGパッチは、通知をしてから平均13日後に装着され、解析可能データを含むECGパッチデータをメール返信した450例中、34%(97.5%信頼区間[CI]:29~39)で心房細動が認められた。65歳以上の参加者についてみると、その割合は35%(同:27~43)だった。 スマートウォッチの不整脈通知を受け取った参加者において、その後にスマートウォッチの不整脈通知とECGによる心房細動が同時に観察される陽性適中率は、0.84(95%CI:0.76~0.92)だった。不整タコグラムとECGで心房細動が同時に観察される陽性適中率は、0.71(97.5%CI:0.69~0.74)だった。 スマートウォッチの不整脈通知から90日後の調査で回答(メールで返信)した1,376例のうち、57%が同試験の外部の医療者とコンタクトをとっていた。 重篤なアプリ関連有害事象は報告されなかった。 なお今回の試験について著者は、「今回提示したサイトレス(被験者の受診を必要としない)のプラグマティック試験デザインは、装置使用者の自己評価によるアウトカムやアドヒアランスが大規模プラグマティック試験として確実にできることを示した」と述べている。

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TAVR後、抗凝固療法不適患者へのリバーロキサバンは?/NEJM

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)に成功した経口投与による抗凝固療法の適応のない患者に対し、直接作用型第Xa因子阻害経口抗凝固薬リバーロキサバン(10mg/日)を含む治療戦略は、アスピリンをベースとした抗血小板薬の治療戦略に比べ、死亡または血栓塞栓症の複合リスクが有意に高く、出血リスクも高いことが明らかにされた。米国・マウントサイナイ医科大学のGeorge D. Dangas氏らが、1,644例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年11月16日号で発表した。リバーロキサバンがTAVR後の血栓塞栓症イベントを予防可能かどうかは明らかにされていなかった。リバーロキサバンとアスピリンをそれぞれ投与 研究グループは、経口投与による抗凝固療法の適応のないTAVRに成功した患者1,644例を無作為に2群に分け、一方にはリバーロキサバン10mg/日(当初3ヵ月はアスピリン75~100mg/日と併用)(リバーロキサバン群)を、もう一方にはアスピリン75~100mg/日(当初3ヵ月はクロピドグレル75mg/日と併用)(抗血小板薬群)を投与した。 有効性の主要アウトカムは、死亡または血栓塞栓症イベントの複合。安全性の主要アウトカムは、多量で活動や動作障害を引き起こす出血または命に関わる出血だった。死亡・血栓塞栓症の発生率、リバーロキサバン群9.8/100人年 中央値17ヵ月後において、死亡または初回血栓塞栓症イベントの発生(intention-to-treat解析)は、リバーロキサバン群105例、抗血小板薬群78例で認められた(発生率はそれぞれ9.8/100人年、7.2/100人年)。リバーロキサバン群の同発生リスクは抗血小板薬群の1.35倍だった(ハザード比[HR]:1.35、95%信頼区間[CI]:1.01~1.81、p=0.04)。 多量で活動や動作障害を引き起こす/命に関わる出血の発生は、リバーロキサバン群46例、抗血小板薬群31例で認められた(発生率はそれぞれ4.3/100人年、2.8/100人年、HR:1.50、95%CI:0.95~2.37、p=0.08)。 なお死亡は、リバーロキサバン群で64例、抗血小板薬群38例だった(発生率はそれぞれ5.8/100人年、3.4/100人年、HR:1.69、95%CI:1.13~2.53)。 今回の試験は、安全性への懸念から予定より早期に中止されている。

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統合失調症の残存症状による再発予測~PROACTIVE研究の再解析

 経口または長時間作用型持効性注射剤(LAI)の抗精神病薬で治療されている統合失調症患者の再発を予測するうえで、残存症状の影響はこれまであまり注目されていなかった。慶應義塾大学の齋藤 雄太氏らは、PROACTIVE(Preventing Relapse: Oral Antipsychotics Compared To Injectables: Evaluating Efficacy)研究のデータを用いて、統合失調症の残存症状による再発の予測について検討を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年10月28日号の報告。 統合失調症外来患者305例を対象に、隔週のリスペリドンLAI(LAI-R)群または毎日の経口第2世代抗精神病薬(SGA)群のいずれかにランダムに割り付け、最大30ヵ月間の評価を行った。その後の再発を予測できるベースライン時の症状を特定するために、Cox比例ハザードモデルを用いた。また、研究中に再発を経験した73例について、線形混合モデルを用いて、再発の2~8週前における隔週評価とベースライン評価との症状の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時の誇大妄想のスコアの高さは、その後の再発と有意な関連が認められた(調整ハザード比[aHR]:1.24、p=0.006)。・両群をそれぞれ分析したところ、経口SGA群では、ベースライン時の重度の誇大妄想(aHR:1.43、p=0.003)および軽度の幻覚行動(aHR:0.70、p=0.013)が、再発と有意に関連していたが、LAI-R群では認められなかった。・感情的引きこもりは、ベースライン時と比較し、再発の8週前(p=0.032)および2週前(p=0.043)に有意な悪化が認められた。 著者らは「重度の誇大妄想および軽度の幻覚は、経口抗精神病薬で治療されている統合失調症患者の再発を予測する可能性がある。また、再発前に悪化が認められる感情的引きこもりは、再発を回避するための有用なマーカーとなりうる可能性がある」としている。

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STEMI症例ではXienceよりOrsiroが優れている?(解説:上田恭敬氏)-1143

 PCIを施行するSTEMI患者1,300症例1,623病変を対象として、Orsiro stent(ultrathin strut biodegradable polymer sirolimus-eluting stent)とXience Xpedition/Alpine stent(thin strut durable polymer everolimus-eluting stent)を比較した多施設無作為化比較試験(BIOSTEMI試験)の結果が報告された。主要エンドポイントは1年のTarget lesion failure(TLF)(心臓死、標的血管での心筋梗塞、 標的病変再血行再建術の複合エンドポイント)である。スイスの10病院が参加した医師主導型の臨床試験である。 1年のTLFは、Orsiro群で4%(25/649)、Xience群で6%(36/651)となり、Orsiro群の優位性が示された(difference -1.6 percentage points、rate ratio 0.59、95% Bayesian credibility interval 0.37~0.94、posterior probability of superiority 0.986)。エンドポイントの構成成分を見ると、心臓死と標的血管での心筋梗塞については群間差がなく、標的病変再血行再建術がOrsiro群で少ない傾向がみられた。 STEMI症例に使用すれば、XienceステントよりもOrsiroステントのほうが、若干再狭窄率が低くなることを示した試験といえるだろう。 ただし、基本的にはアンギオガイドのPCIによる結果であり、IVUSなどのイメージングの使用については規定されておらず、使用頻度についての記載もない。ULTIMATE試験の結果によれば、IVUSを適切に使用することで、再狭窄などのイベントが3分の1程度にまで低下する可能性がある。本試験の群間差が、拡張不十分などのIVUSを使用することで改善できる原因によるものであれば、日本で同様の試験を実施すれば、群間差なしという結果になる可能性がある。しかし、十分な拡張を得ても、ストラットの厚みなどステント特性の違いによって群間差が生じているのであれば、日本での同様の試験においても、同様の結果が得られるだろう。また、ストラットの厚みなどステント特性の違いによって再狭窄率に差異が生じているのであれば、STEMIに限らずPCI症例全般において、同様の結果が得られる可能性もあるだろう。いずれにしても、本試験の結果は有意差ではあるものの、エンドポイントの発生頻度は4% vs.6%といずれの群でも小さいため、今後さらに複数の試験によって同様の結果が得られるか検証する必要がある。

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032)学会会場で繰り広げられる質疑応答バトル【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第32回 学会会場で繰り広げられる質疑応答バトルしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆皆さまにとってもおなじみであろう、学術集会。皮膚科は、年に一度の総会をはじめ、地方会や支部会、真菌やアレルギーといった専門分野ごとなど、毎月何かしらの学会が各地で催されています。症例報告や教育講演など、毎回とても勉強になる内容で、私も時間がとれる限り参加しているのですが、講演後の質疑応答はたびたび目にする場面ですよね。今回は、つい先日の学会での一幕。お互いに専門分野をお持ちの先生方同士、譲れない主張をお持ちなのでしょう。そのやりとりもまた勉強になる内容ではありますが、なにぶん限られた時間でのこと。なかなか終結しない議論に、見ているこちらもハラハラしてしまいます。最終的に、座長の一声でまとまる(もしくは強制終了する)訳ですが、それを待つ間のなんとも言えない緊張感、学会あるある!(笑)一番ハラハラしているのは、実はその場を収めなければならない座長の先生かもしれませんね。ところで、新専門医制度が始まって以来、どこの学会会場も盛況な気がしています。人気セッションで立ち見が出たり、ランチョンチケットの争奪戦だったり・・・。そういった、質疑応答とはまた違った意味での緊張感も生まれている気がします。今後の会場キャパシティ拡大に期待を寄せつつ…!それでは、また~!

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脊髄小脳変性症〔SCD : spinocerebellar degeneration〕

1 疾患概要■ 概念・定義脊髄小脳変性症は、大きく遺伝性のものと非遺伝性のものに分けられる。非遺伝性のものの半分以上は多系統萎縮症であり、多系統萎縮症では小脳症状に加えてパーキンソン症状(体の固さなど)や自律神経症状(立ちくらみ、排尿障害など)を伴う特徴がある。また、脊髄小脳変性症のうち、遺伝性のものは約3分の1を占め、その中のほとんどは常染色体優性(顕性)遺伝性の病気であり、その多くはSCA1、SCA2などのSCA(脊髄小脳失調症)という記号に番号をつけた名前で表される。SCA3型は、別名「Machado-Joseph病(MJD)」と呼ばれ、頻度も高い。常染色体性劣性(潜性)遺伝形式の脊髄小脳変性症は、頻度的には1.8%とまれであるにもかかわらず、数多くの病型がある。近年、それらの原因遺伝子の同定や病態の解明も進んできており、疾患への理解が深まってきている。多系統萎縮症は一般的に重い病状を呈し、進行がはっきりとわかるが、遺伝性の中には進行がきわめてゆっくりのものも多く、ひとまとめに疾患の重症度を論じることは困難である。一方で、脊髄小脳変性症には痙性対麻痺(主に遺伝性のもの)も含まれる。痙性対麻痺は、錐体路がさまざまな原因で変性し、強い下肢の突っ張りにより、下肢の運動障害を呈する疾患の総称で、家族性のものはSPG(spastic paraplegia)と名付けられ、わが国では遺伝性ではSPG4が最も多いことがわかっている。本症も小脳失調症と同様に、最終的には原因別に100種類以上に分けられると推定されている。細かな病型分類はNeuromuscular Disease CenterのWebサイトにて確認ができる。■ 症状小脳失調は、脊髄小脳変性症の基本的な特徴で、最も出やすい症状は歩行失調、バランス障害で、初期には片足立ち、継ぎ足での歩行が困難になる。Wide based gaitとよばれる足を開いて歩行するような歩行もみられやすい。そのほか、眼球運動のスムーズさが損なわれ、注視方向性の眼振、構音障害、上肢の巧緻運動の低下なども見られる。純粋に小脳失調であれば筋力の低下は見られないが、最も多い多系統萎縮症では、筋力低下が認められる。これは、錐体路および錐体外路障害の影響と考えられる。痙性対麻痺は、両側の錐体路障害により下肢に強い痙性を認め、下肢が突っ張った状態となり、足の曲げにくさから足が運びにくくなり、はさみ歩行と呼ばれる足の外側を擦るような歩行を呈する。進行すると筋力低下を伴い、杖での歩行、車いすになる場合もある。脊髄が炎症や腫瘍などにより傷害される疾患では、排尿障害や便秘などの自律神経症状を合併することが多いが、本症では合併が無いことが多い。以下、本稿では次に小脳失調症を中心に記載する。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 鑑別診断小脳失調症については、治療可能なものを調べる必要がある。治療可能なものとして、橋本脳症が多く混ざっていることがわかってきており、甲状腺機能が正常かどうかにかかわらず、抗TPO抗体、抗TG抗体陽性例の測定が必要である。陽性時には、診断的治療としてステロイドパルス療法などの免疫療法の反応性を確認する必要がある。ステロイド治療に反応すれば橋本脳症とするのが妥当であろう。その他にもグルテン失調症などの免疫治療に反応する小脳失調症も存在する。また、抗GAD抗体陽性の小脳失調症も知られており、測定する価値はある。悪性腫瘍に伴うものも想定されるが、実際に悪性腫瘍の関連で起こることはまれで、腫瘍が見つからないことが多い。亜急性の経過で重篤なもの、オプソクローヌスやミオクローヌスを伴う場合には、腫瘍関連の自己抗体が関連していると推定され、悪性腫瘍の合併率は格段に上がる。男性では肺がん、精巣腫瘍、悪性リンパ腫、女性では乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの探索が必要である。ミトコンドリア病(脳筋症)の場合も多々あり、小脳失調に加えて筋障害による筋力低下や糖尿病の合併などミトコンドリア病らしさがあれば、血清、髄液の乳酸、ピルビン酸値測定、MRS(MRスペクトロスコピー)、筋生検、遺伝子検査などを行うことで診断が可能である。劣性遺伝性の疾患の中に、ビタミンE単独欠乏性運動失調症(ataxia with vitamin E deficiency : AVED)という病気があり、本症は、わが国でも見られる治療可能な小脳変性症として重要である。本症は、ビタミンE転送蛋白(α-tocopherol transfer protein)という遺伝子の異常で引き起こされ、ビタミンEの補充により改善が見られる。一方、アルコール多飲が見られる場合には、中止により改善が確認できる場合も多い。フェニトインなど薬剤の確認も必要である。おおよそ小脳失調症の3分の1は多系統萎縮症である。まれに家族例が報告されているが孤発例がほとんどである。通常40代以降に、小脳失調で発症することが多く、初発時にもMRIで小脳萎縮や脳血流シンチグラフィー(IMP-SPECT)で小脳の血流低下を認める。進行とともに自律神経症状の合併、頭部MRIで橋、延髄上部にT2強調画像でhot cross bun signと呼ばれる十字の高信号や橋の萎縮像が見られる。SCAの中ではSCA2に類似の所見が見られることがあるが、この所見があれば、通常多系統萎縮症と診断できる。さらに、小脳失調症の3分の1は遺伝性のものであるため、遺伝子診断なしで小脳失調症の鑑別を行うことは難しい。遺伝性小脳失調症の95%以上は常染色体性優性遺伝形式で、その80%以上は遺伝子診断が可能である。疾患遺伝子頻度には地域差が大きいが、わが国で比較的多く見られるものは、SCA1、 SCA2、 SCA3(MJD)、SCA6、 SCA31であり、トリプレットリピートの延長などの検査で、それぞれの疾患の遺伝子診断が可能である。常染色体劣性遺伝性の小脳失調症は、小脳失調だけではなく、他の症状を合併している病型がほとんどである。その中には、末梢神経障害(ニューロパチー)、知的機能障害、てんかん、筋障害、視力障害、網膜異常、眼球運動障害、不随意運動、皮膚異常などさまざまな症候があり、小脳失調以上に身体的影響が大きい症候も存在する。この中でも先天性や乳幼児期の発症の疾患の多くは、知能障害を伴うことが多く、重度の障害を持つことが多い。小脳失調が主体に出て日常生活に支障が出る疾患として、アプラタキシン欠損症(EAOH/AOA1)、 セナタキシン欠損症(SCAR1/AOA2)、ビタミンE単独欠乏性運動失調症(AVED)、シャルルヴォア・サグネ型痙性失調症(ARSACS)、軸索型末梢神経障害を伴う小脳失調症(SCAN1)、 フリードライヒ失調症(FRDA)などがある。このうちEAOH/AOA1、SCAR1/AOA2、 AVED、ARSACSについては、わが国でも見られる。遺伝性も確認できず、原因の確認ができないものは皮質小脳萎縮症(cortical cerebellar atrophy: CCA)と呼ばれる。CCAは、比較的ゆっくり進行する小脳失調症として知られており、小脳失調症の10~30%の頻度を占めるが、その病理所見の詳細は不明で、実際にどのような疾患であるかは不明である。本症はまれな遺伝子異常のSCA、多系統萎縮症の初期、橋本脳症などの免疫疾患、ミトコンドリア病などさまざまな疾患が混ざっていると推定される。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)小脳失調症の治療は、正確な原因診断に関わっている。上記の橋本脳症、GAD抗体小脳失調、そのほかグルテン失調症など他の自己抗体の関与が推定される疾患もあり、原因不明であれば、一度はステロイドパルスをすることも検討すべきであろう。ミトコンドリア病では、有効性は確認されていないがCoQ10、L-アルギニンなども治療薬の候補に挙がる。ミトコンドリア脳筋症、乳酸アシドーシス、脳卒中様発作症候群(MELAS)においてはタウリンの保険適用も認められ、その治療に準じて、治療することで奏功できる例もあると思われる。小脳失調に対しては、保険診療では、タルチレリン(商品名: セレジスト)の投与により、運動失調の治療を試みる。また、集中的なリハビリテーションの有効性も確認されている。多系統萎縮症の感受性遺伝子の1つにCoQ2の異常が報告され、その機序から推定される治療の臨床試験が進行中である。次に考えられる処方例を示す。■ SCDの薬物療法(保険適用)1) 小脳失調(1) プロチレリン(商品名:ヒルトニン)処方例ヒルトニン®(0.5mg) 1A~4A 筋肉内注射生理食塩水(100mL) 1V 点滴静注2週間連続投与のあと、2週間休薬 または 週3回隔日投与のどちらか。2mg投与群において、14日間連続投与後の評価において、とくに構音障害にて、改善を認める。1年後の累積悪化曲線では、プラセボ群と有意差を認めず。(2) タルチレリン(同:セレジスト)処方例セレジスト®(5mg)2T 分2 朝・夕食後10mg投与群において、全般改善度・運動失調検査概括改善度で改善を認める。28週後までに構音障害、注視眼振、上肢機能などの改善を認める。1年後の累積悪化曲線では、プラセボ群と有意差を認めず。(3) タンドスピロン(同:セディール)処方例セディール®(5~20mg)3T 分3 朝・昼・夕食後タンドスピロンとして、15~60mg/日有効の症例報告もあるが、無効の報告もあり。重篤な副作用がなく、不安神経症の治療としても導入しやすい。2) 自律神経症状起立性低血圧(orthostatic hypotension)※水分・塩分摂取の増加を図ることが第一である。夜間頭部挙上や弾性ストッキングの使用も勧められる。処方例(1) フルドロコルチゾン(同:フロリネフ)〔0.1mg〕 0.2~1T 分1 朝食後(2) ミドドリン(同:メトリジン)〔2mg〕 2~4T 分3 毎食後(二重盲検試験で確認)(3) ドロキシドパ(同:ドプス)〔100mg〕 3~6T 分3 毎食後(4) ピリドスチグミン(同:メスチノン)〔60mg〕 1T/日■ 外科的治療髄腔内バクロフェン投与療法(ITB療法)痙性対麻痺患者の難治性の症例には、検討される。筋力低下の少ない例では、歩行の改善が見られやすい。4 今後の展望多系統萎縮症においてもCoQ2の異常が報告されたことは述べたが、CoQ2に異常がない多系統萎縮症の例のほうが多数であり、そのメカニズムの解析が待たれる。遺伝性小脳失調症については、その原因の80%近くがリピートの延長であるが、それ以外のミスセンス変異などシークエンス配列異常も多数報告されており、正確な診断には次世代シークエンス法を用いたターゲットリシークエンス、または、エクソーム解析により、原因が同定されるであろう。治療については、抗トリプレットリピートまたはポリグルタミンに対する治療研究が積極的に行われ、治療薬スクリーニングが継続して行われる。また、近年のアンチセンスオリゴによる遺伝子治療も治験が行われるなど、遺伝性のものについても治療の期待が膨らんでいる。そのほか、iPS細胞の小脳への移植治療などについてはすぐには困難であるが、先行して行われるパーキンソン病治療の進展を見なければならない。患者iPS細胞を用いた病態解析や治療薬のスクリーニングも大規模に行われるようになるであろう。5 主たる診療科脳神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 脊髄小脳変性症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)Neuromuscular Disease Center(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報全国脊髄小脳変性症・多系統萎縮症友の会(患者、患者家族向けの情報)1)水澤英洋監修. 月刊「難病と在宅ケア」編集部編. 脊髄小脳変性症のすべて. 日本プランニングセンター;2006.2)Multiple-System Atrophy Research Collaboration. N Engl J Med. 2013; 369: 233-244.公開履歴初回2014年07月23日更新2019年11月27日

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第8回 激震必至の2020改定にどう備える?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説来る2020年の調剤報酬改定は大きな変化となるのでは!?という噂があります。2015年「患者のための薬局ビジョン」で発表された対物から対人へという変革から5年。0402通知を受けて、それが点数により明確に現れてくる可能性が高いからです。2020改定に備えて、薬剤師が今すぐやるべきこととは?

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不眠症状と心血管疾患リスク~50万人の10年間コホート研究

 中国・北京大学健康科学センターのBang Zheng氏らは、不眠症状と心・脳血管疾患(CVD)発症リスクとの関連を調査し、リスク軽減が可能な因子を特定するため検討を行った。Neurology誌オンライン版2019年11月6日号の報告。 中国全土の10地域から参加者を募集したプロスペクティブコホート研究であるChina Kadoorie Biobankとして実施した。ベースライン時に脳卒中、冠動脈精神疾患、がんのいずれもない30~79歳の成人48万7,200人を対象にデータ分析を行った。ベースライン時の3つの不眠症状(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒)および3日/週以上の日中の機能障害を自己報告により評価した。CVD発症は、2016年までの疾病レジストリおよび健康保険データベースよりフォローした。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中(中央値:9.6年)に、CVDが認められた成人は13万32人であった。・Cox回帰分析では、3つの不眠症状は、総CVDリスクの増加と関連が認められた。 ●入眠困難 ハザード比[HR]:1.09(95%信頼区間[CI]:1.07~1.11) ●中途覚醒 HR:1.07(95%CI:1.05~1.09) ●早朝覚醒 HR:1.13(95%CI:1.09~1.18)・不眠症状を有する成人は、虚血性心疾患(HR:1.13、95%CI:1.09~1.17)および虚血性脳卒中のリスクが高かったが、出血性脳卒中は無関係であった。・3つの不眠症状を有する成人では、不眠症状のない人と比較し、以下のリスクが高かった。 ●CVD 18%上昇 ●虚血性心疾患 22%上昇 ●虚血性脳卒中 10%上昇・3つの不眠症状とCVD発症率との関連は、若年またはベースライン時に高血圧ではない成人おいて、一貫して強かった(p for interaction<0.05)。 著者らは「不眠症状は、CVD発症に対する独立したリスク因子であり、とくに若年または高血圧を発症していない成人では注意が必要である」としている。

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初潮や出産年齢と乳がん患者の死亡リスク:日本人前向きコホート

 初潮、閉経、出産など女性の生殖要因は乳がんの発症だけでなく、進行や予後とも関連する可能性があるが、そのエビデンスは限られている。東北大学の南 優子氏らは、日本人乳がん患者における生殖要因と、腫瘍特性や死亡リスクの関連を前向きに検討した。Breast Cancer誌2019年11月号の報告より。 1997年から2013年の間に日本の単施設で乳がんと診断された患者1,468例を対象として、生殖要因と腫瘍特性、死亡リスクの関連が分析された。2016年までの追跡期間中央値8.6年において、全死因死亡272例、乳がんによる死亡199例が報告されている。 主な結果は以下のとおり。・症例間比較において、初潮年齢の遅さは乳がんの進行と逆相関していた。・出産経験のない患者では、エストロゲン受容体(ER)陽性あるいはプロゲステロン受容体(PR)陽性の腫瘍を有する傾向がみられた。・Cox比例ハザードモデルを用いた解析の結果、腫瘍特性による調整後、出産回数と全死因死亡リスクとの間にU字型の関連がみられた([出産回数1回と比較して]出産経験なし:ハザード比[HR]=2.10、2回:HR=1.28、3回以上:HR=1.50)。・ER陰性およびPR陰性の腫瘍を有する患者においては、初潮年齢と最終出産年齢の遅さが、全死因死亡リスクと相関していた([初潮年齢12歳以下と比較して]15歳以上:HR=2.18、傾向のp=0.03、[最終出産年齢29歳以下と比較して]35歳以上:HR=3.10、傾向のp=0.01)。・ER陽性およびPR陽性の腫瘍を有する経産患者においては、最終出産からの期間の短さが死亡リスクと関連していた([10年以上と比較して]4年以下:HR=5.72、傾向のp=0.004)。 著者らは、初潮や出産のタイミングは乳がん患者の生存に重要な影響を与え、女性のライフコースと乳がんアウトカムの関連を理解するための手がかりになると考えられると結論付けている。

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NASHに有効? resmetiromが肝脂肪量を減少/Lancet

 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療において、resmetirom(MGL-3196)はプラセボに比べ、肝臓の脂肪量を相対的に減少させることが、米国・Pinnacle Clinical ResearchのStephen A. Harrison氏らが行ったMGL-3196-05試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年11月11日号に掲載された。NASHは、肝臓の脂肪化、炎症、肝細胞障害、進行性の肝線維化で特徴付けられる。resmetiromは、肝臓に直接作用し、経口投与で活性化する甲状腺ホルモン受容体β活性化薬であり、肝臓の脂肪代謝を促進し、脂肪毒性を低減することでNASHが改善するよう設計されているという。resmetiromによる肝脂肪量の低下効果を評価する無作為化第II相試験 本研究は、resmetiromによる肝脂肪量の低下効果を評価する36週の二重盲検プラセボ対照無作為化第II相試験であり、2016年10月19日~2017年7月28日の期間に、米国の18施設で患者の割付が行われた(Madrigal Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、生検でNASH(線維化:stage 1~3)が確認され、MRIプロトン密度脂肪画分測定法(MRI-PDFF)で、肝臓に10%以上の脂肪化を認めた患者であった。 被験者は、resmetirom(80mg)またはプラセボを1日1回経口投与する群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。12週と36週時に肝臓の脂肪の測定が行われ、36週時には2回目の肝生検が実施された。 主要エンドポイントは、ベースラインと12週時にMRI-PDFFを受けた患者におけるMRI-PDFFで評価した肝臓の脂肪量の相対的な変化とした。resmetirom群は36週時の肝脂肪量、脂質、肝酵素、種々のマーカーも改善 125例が登録され、resmetirom群に84例(平均年齢51.8[SD 10.4]歳)、プラセボ群には41例(47.3[11.7])が割り付けられた。12週時のMRI-PDFFは、resmetirom群が78例、プラセボ群は38例で行われ、36週時の肝生検はそれぞれ74例および34例で実施された。 ベースラインの人口統計学的因子は両群間で類似していたが、resmetirom群で女性(resmetirom群55%、プラセボ群41%)と糖尿病(43%、32%)の割合が高かった。平均BMIはresmetirom群が35.8(SD 6.2)、プラセボ群は33.6(5.8)で、全体の79%が30以上であった。非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)活動性スコア(NAS)の平均は、それぞれ4.9および4.8で、全体の45%が線維化stage 2/3だった。 ベースラインと比較して、12週時の相対的な肝脂肪量は、resmetirom群(78例)で32.9%減少し、プラセボ群(38例)の10.4%の減少に比べ、有意な低下効果が認められた(最小二乗平均差:-22.5%、95%信頼区間[CI]:-32.9~-12.2、p<0.0001)。また、36週時の相対的肝脂肪量も、resmetirom群(74例)では37.3%低下しており、プラセボ群(34例)の8.9%低下に比し、有意な低下効果が確認された(-28.4%、-41.3~-15.4、p<0.0001)。 肝臓の脂肪量が相対的に30%以上減少した患者の割合は、12週時がresmetirom群60.3%、プラセボ群は18.4%(p<0.0001)、36週時はそれぞれ67.6%、29.4%(p=0.0006)であり、いずれもresmetirom群で高かった。 また、resmetirom群はプラセボ群に比べ、LDLコレステロール(LDL-C、p<0.0001)、リポ蛋白(a)(ベースライン時に>10nmol/Lの患者、p=0.0009)、アポリポ蛋白B(ベースライン時にLDL-C≧100mg/dLの患者、p<0.0001)、トリグリセライド(p<0.0001)、アポリポ蛋白CIII(p<0.0001)が、いずれも有意に低下した。 アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)、ベースライン時にALTが上昇していた患者(男性>45 IU/L、女性>30 IU/L)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)は、いずれも12週時には有意な変化を認めなかったが、36週時にはすべてresmetirom群で有意に低下した(それぞれ、p=0.0019、p=0.0035、p=0.0016)。 線維化のマーカーである強化肝線維症(enhanced liver fibrosis)(p=0.017)とN末端III型コラーゲンプロペプチド(PRO-C3)(p=0.0027)は、12週および36週時にresmetirom群で有意に低下した。肝細胞アポトーシスのマーカーであるサイトケラチン-18は、36週時には有意に低下し(p=0.0035)、肝臓の健全性と関連するアディポネクチンは上昇(p=0.0003)、肝臓の炎症のマーカーである逆位トリヨードサイロニンは低下した(p<0.0001)。 治療関連有害事象は、resmetirom群が86.9%、プラセボ群は68%で認められたが、多くは軽度~中等度であった。薬剤関連の重篤な有害事象はみられなかった。resmetirom群で最も頻度の高い有害事象は下痢(ベースライン~12週時:33%、12~36週時:4%)および悪心(14%、6%)であった。 著者は、「これらの知見は、現在進行中のstage F2~F3の線維症を有するNASH患者を対象とした第III相試験(MAESTRO-NASH試験)に、理論的根拠をもたらした」としている。

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brigatinibのALK陽性肺がん1次治療の結果、ESMO Asiaで発表/武田

 武田薬品工業は、2019年11月25日、同社グローバルサイトにて、ALK阻害薬による治療歴のない進行ALK陽性の非小細胞肺がんの成人患者に対するbrigatinibとクリゾチニブを評価した臨床第III相ALTA-1L試験の最新情報を発表した。 試験結果では、2年以上の追跡後も、brigatinibが登録時に脳転移を有した未治療の患者に対する治験責任医師評価において、病状進行または死亡リスクを76%低下させることが示された(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]: 0.12~0.45)。また、brigatinibは、全患者においても病状進行または死亡リスクを57%低下させることを示した(HR:0.43、95%CI::0.31~0.61)。これらのデータは、シンガポールで11月22~24日に開催された欧州臨床腫瘍学会アジア大会(ESMO Asia)2019のPresidential Sessionで発表された。 なお、主要評価項目である独立審査委員会(BIRC)による無増悪生存期間の評価では、2回目の中間解析のデータカットオフ時点(2019年6月28日)におけるHRは、0.49(95%CI: 0.35~0.68、log rank p<0.0001)であった。

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