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ASCO- GI 2020 会員レポート

2020年1月23日~25日までASCO-GI2020が開催された。この重要な会議における実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネットでは会員現役ドクターによる聴講レポートを企画。現在そして今後のがんの診療トレンドを順次紹介していく。現地サンフランシスコからオンサイトレビューレポート一覧消化器がんレポーター紹介

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認知症の有病率に関するメタ解析

 認知症は、重度の神経変性疾患であり、異なる病原性によりいくつかのサブタイプに分類することができる。中国・南京医科大学のQing Cao氏らは、地理的、年齢的、性別的観点から認知症の有病率を包括的に分析した。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2019年12月26日号の報告。 1985年1月~2019年8月の期間の認知症に関する文献について、PubMedおよびEMBASEより検索を行った。地理、年齢、性別で層別化を行い、分析を行った。群間の有意差検定には、メタ回帰を用いた。 主な結果は以下のとおり。・47件の研究が抽出された。・50歳以上の認知症のプールされた有病率は以下のとおりであった。 ●すべての原因による認知症 697人/万人(95%CI:546~864) ●アルツハイマー型認知症 324人/万人(95%CI:228~460) ●血管性認知症 116人/万人(95%CI:86~157)・100歳以上におけるすべての原因による認知症の有病率は、6,592人/万人であり、50~59歳(27人/万人)の2.415倍であった。・認知症患者数は、5歳ごとに約2倍になる。・全体の分析では、男性(561人/万人)よりも、女性(788人/万人)の認知症有病率が高かった。・60~69歳のアルツハイマー型認知症有病率は、女性(108人/万人)が男性(56人/万人)の1.9倍であった。・一方、60~69歳の血管性認知症有病率は、男性(56人/万人)が女性(32人/万人)の1.8倍であった。・認知症有病率は、アジア、アフリカ、南米よりも欧州、北米において高かった。

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フレイル施策を掲げる、国の本当の狙いとは/日本医師会

 2020年度から75歳以上の健康診査にフレイルが追加される。高齢者の低栄養に医師の介入が求められることから、国からのプライマリケア医に対する期待は大きいであろう。2019年11月28日、「人生100年時代の健康と栄養を考える-フレイル予防対策における日本型食生活の役割-」が開催(日本医師会、米穀安定供給確保支援機構主催)。本稿では飯島 勝矢氏(東京大学高齢社会総合研究機構 教授)による基調講演の内容についてお届けする。フレイルは疾患から派生するだけではない 基調講演において、『健康長寿 鍵は“食”-人生100年時代を元気で乗り切るためのフレイル予防-』について講演した飯島氏は、少子高齢化問題が沸騰していた2014年、日本老年医学会の一員として『フレイル』を提唱し、この言葉の定着に貢献した。 フレイルとは、サルコペニアやロコモティブシンドロームなど、病気依存性のものと考えられがちであるが、実は、社会的、心理的、認知的と非常に多面的な事象が相絡み合うことによって生じる概念である。同氏は「とくに、社会的フレイル(孤食、経済的困窮など)の側面から負のスパイラルが生じ、心理的、認知的フレイルに影響が及んでいるケースが散見される」とし、「フレイルの状態は十人十色。複合的に読み解いていかなければならず、フレイル健診では単に筋肉量を測定しているだけではいけない」と、診察時の姿勢について呼びかけた。また、近年では、口の働きの衰えを示すオーラルフレイルにも注目が寄せられており、オーラルフレイル群では正常群と比して総死亡リスクが2.09倍にもなることが報告されている。 今では、国をはじめ多くの自治体がフレイルについて注目しているわけだが、その理由について、同氏は「国の施策であるのはもちろんのこと、フレイルは可逆性であり“頑張れば健康に近い状態に戻れる”ため、心に響きやすい」と、説明した。高齢者が高齢者を支える時代 ところが、フレイルを含む介護予防への事業者の参加率や継続率の低さが問題視されている。それでも、これからフレイル・認知症予防についてしっかり策を講じた場合、2034年までに介護費用の伸びを抑制する効果は、対策を行わなかった場合と比較して“約3兆円”にのぼることが経済産業省の試算で示されている。このことから、少子高齢化で互いを支え合うためには、「高齢者のなかでも元気な方の場合、支えられる側ではなく、支える側になることが求められる」とし、「フレイル予防を通じて、支える側の高齢者を増やすことが、国の目指す方向性の一つ」と解説した。高齢者のやる気を奮い立たせるには? 支える側の高齢者を増やしていくには、食事指導をはじめ、医師による患者指導が肝心である。しかし、国民はフレイルに関する基本的な情報をすでに収集している。それ踏まえ、「国民は食に関して何の情報を求めているのか。医師は国民が本当に知りたい情報・ソリューションは何かを理解しておかないといけない。でなければ、患者は情報の乱れ打ちにあってしまう」と、同氏は患者の心を動かす指導を推奨している。 たとえば、フレイル予防として患者に歩行を呼びかけたい場合、『歩かないと歩けなくなりますよ』という説明をしても患者には響かない。この説明を『2週間寝たきりになると、7年分の筋肉が落ちます』のように、科学的根拠を盛り込みつつもわかりやすく言い換えることで、「患者に響く指導になる」と同氏は述べた。フレイルには人とのつながりと栄養が活力 同氏はこのような指導を、地域高齢者を対象とした柏スタディ(コホート研究)1)において実践している。このほか、サルコペニアの予後予測に有用な“指輪っかテスト”も発案し、縦断追跡を行っている。また、この研究から、「1人暮らしよりも“孤食”かどうか」「食事内容」などがフレイル予防におけるポイントであることを示し、地域での人とのつながり2)が多い人や日本型食事パターンの人(魚・大豆製品・野菜・果物を多く摂取)、食事炎症性指数(炎症誘導性食事)の低さが、フレイル予防やサルコペニアの有病率低下に影響することも明らかにしている。 最後に同氏は、健康長寿に向けたフレイル予防のための『3つの柱』(栄養・身体活動・社会参加)を掲げ、これを体現するフレイルサポーターについて紹介。彼らは全国68自治体でフレイルチェック事業を行う団体で、地域の集いの場を“気づきの場”へ、そして真の“活躍の場”としている。「黄緑色のポロシャツが全国共通のユニフォームで、そこにも高齢者と呼ばれる年齢の方が活躍し、フレイルサポーターとして食支援サポーターを兼任するなど、専門職では出せない能力を発揮している」と、彼らのさらなる活躍を期待した。

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コーヒー摂取量と乳がんリスク

 コーヒーと乳がんリスクの関連については数多くの研究がなされている。今回、スペイン・ハエン大学のCristina Sanchez-Quesada氏らがSUN(Seguimiento Universidad de Navarra)前向きコホートの約1万人の女性で検討したところ、閉経後女性においてコーヒー摂取量と乳がんリスクの間に逆相関が観察された。European Journal of Nutrition誌オンライン版2020年1月18日号に掲載。 本研究の対象はナバーラ大学を卒業したスペイン人女性で、ベースラインで乳がんではなかった1万812人。コーヒー摂取量は、136品目食事摂取頻度調査票(FFQ)で評価した。ベースラインにおけるコーヒー摂取量と追跡期間中の乳がん発症率との関係について、Cox回帰モデルを用いて評価した。また、閉経前後で層別解析した。 主な結果は以下のとおり。・11万5,802人年の追跡期間中に101例が乳がんを発症した。・閉経後女性では、コーヒー摂取量が1日1杯より多い女性は1杯以下の女性と比較して、乳がん発症率が低かった(調整後ハザード比:0.44、95%信頼区間:0.21~0.92)。・閉経前女性では有意差は認められなかった。

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限局性前立腺がん、前立腺全摘は排尿・性機能に悪影響/JAMA

 限局性前立腺がん患者について、現行の治療法に関連する機能的変化のほとんどは5年後までに軽減するが、前立腺全摘術は他の選択肢と比較し、5年間で臨床的に尿失禁が悪化すること、高リスク患者では前立腺全摘術により、外照射放射線療法(EBRT)+アンドロゲン除去療法(ADT)併用療法と比較し5年時の性機能が悪化することが明らかにされた。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのKaren E. Hoffman氏らが、低リスクおよび高リスクの限局性前立腺がん患者に対する現行の治療法について、有害な影響を理解することは治療選択の際に役立つと考えられるとして行った前向きコホート研究の結果を、JAMA誌2020年1月14日号で発表した。5年間の機能転帰を治療法別に比較検討 研究グループは、5つのSurveillance, Epidemiology and End Results(SEER)プログラムおよび米国前立腺がん登録を用い、2011~12年に前立腺がんと診断された低リスク(cT1~cT2bN0M0、PSA≦20ng/mL、グレード分類1~2)患者1,386例と、高リスク(cT2cN0M0、PSA 20~50ng/mL、グレード分類3~5)患者619例について2017年9月まで調査した。 低リスク患者には、積極的な監視療法(363例)、神経温存前立腺全摘術(675例)、EBRT(261例)、低線量率小線源療法(87例)が、高リスク患者では前立腺全摘術(402例)、EBRT+ADT併用療法(217例)が行われた。 主要評価項目は、限局性前立腺がん患者の特異的QOL尺度であるEPIC-26(0~100点)に基づく、治療5年後の自己報告による機能アウトカムとした。回帰モデルによりベースラインの機能、患者および腫瘍特性を補正し、臨床的に重要な最小変化量は性機能10~12、尿失禁6~9、排尿刺激症状5~7、排便およびホルモン機能4~6とした。 解析対象は、ベースラインおよびベースライン後最低1回の調査を完遂した計2,005例(年齢中央値64歳)であった。限局性前立腺がんに対する現行の各治療法は多くの機能悪化と関連 低リスク前立腺がん患者では、神経温存前立腺全摘術は監視療法と比較し、5年時の尿失禁(補正平均差:-10.9、95%信頼区間[CI]:-14.2~-7.6)および3年時の性機能(補正平均差:-15.2、95%CI:-18.8~-11.5)の悪化が示された。 小線源療法は監視療法と比較し、1年時の排尿刺激症状(補正平均差:-7.0、95%CI:-10.1~-3.9)、性機能(-10.1、-14.6~-5.7)、排便機能(-5.0、-7.6~-2.4)の悪化と関連が認められた。 EBRTは監視療法と比較し、5年間のどの時点においても尿機能、性機能、排便機能の変化に臨床的な差は確認されなかった。 高リスク前立腺がん患者では、EBRT+ADT併用療法は前立腺全摘術と比較して、6ヵ月時のホルモン機能(補正平均差:-5.3、95%CI:-8.2~-2.4)、1年時の排便機能(-4.1、-6.3~-1.9)が低下したが、5年時の性機能(12.5、6.2~18.7)および5年間の各時点での尿失禁(23.2、17.7~28.7)は改善することが示された。

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不穏さ増す香港でうつ病、PTSDが急増/Lancet

 香港は2019年6月から、暴力を伴う混乱が続き社会不安が増している。中国・香港大学のMichael Y. Ni氏らは、住民を対象とした10年間の前向きコホート研究を行い、社会不安により重大なメンタルヘルス問題が起きていることを明らかにし、メンタルヘルスサービスを急増させる必要があることを報告した。現在も香港の社会不安は全地区にわたっており、略奪行為はみられないが放火や破壊行為など暴力レベルは高い状態にある。しかし直接的な身体的外傷を除くメンタルヘルスへの影響については報告されていなかった。Lancet誌オンライン版2020年1月9日号掲載の報告。2009年以降現在まで9期に分けうつ病・PTSD疑い例を調査 研究グループは、香港における18歳以上の住民を対象とする身体的、精神的および社会的幸福感に関する前向きコホート研究「FAMILY Cohort」のデータを用いて、2009年3月から9つの期間で、精神障害、リスク因子、医療ニーズについて解析した。 Patient Health Questionnaire(PHQ)-9が10点以上を「うつ病疑い」とし、6項目PTSD Checklist-Civilian Versionが14点以上+現在の社会不安に関連する外傷性イベントに直接曝露の場合を「外傷後ストレス障害(PTSD)疑い」とした。 統計解析は、多変量ロジスティック回帰分析を用い、社会不安発生以前の医師によるうつ病または不安障害の診断に関して補正し、うつ病・PTSD疑いに関連する要因を特定した。また、ルーチンに行われているサービス統計と、専門家のケアを求める回答者の意思を基に、精神科専門外来受診者の予測数を算出した。ベースライン(第1期および第2期)の調査後、各期1,213~1,736例の無作為抽出集団について追跡調査した。2019年時点でうつ病疑い11.2%、PTSD疑い12.8% うつ病疑いは、2019年時点で11.2%(95%信頼区間[CI]:9.8~12.7)報告されたのに対して、2009~14年では1.9%(1.6~2.1)、2014年香港反政府デモ(Occupy Central Movement)後から現在の社会不安状況以前の2017年時点では6.5%(5.3~7.6)と報告された。また、2019年時点でのPTSD疑いの有病率は、12.8%と推定された(95%CI:11.2~14.4)。 年齢、性別、学歴、世帯収入はいずれのアウトカムとも関連がなかったが、ソーシャルメディアの頻繁利用(1日2時間以上)は、両方のアウトカムと関連が認められた。政治的態度や抗議行動参加については、うつ病疑いとの関連は確認されなかったが、逃亡犯条例(extradition bill)に対して中立の立場の場合、PTSD疑いのリスクが半減した。また、家族の支援により、うつ病疑いは軽減した。 また、これらメンタルヘルスの負荷が、公的機関またはそれと同等のサービスの必要性を12%増すと推定された。 結果を踏まえて著者は、「医療および社会的ケアの専門家はメンタルヘルス後遺症の可能性を認識して注意を払う必要がある」と述べるとともに、「世界中で社会不安が増す中で、今回の所見は、人々のメンタルヘルスをより適切に保護するサービス計画に影響を与えるものとなるだろう」と指摘している。

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国内2例目の新型肺炎感染確認、厚労省が積極的疫学調査実施へ

 中国湖北省・武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が急速に広がっている問題で、厚生労働省は24日、日本国内で2例目となる新型コロナウイルスに関連した感染症の症例が確認されたことを発表した。患者は武漢市から渡航した40代男性で、今月19日に来日。22日に発熱、咽頭痛があったため医療機関を受診したところ、肺炎像を認め、東京都内の医療機関に入院。国立感染症研究所が調べたところ、今日未明に新型肺炎の感染が確認された。 新型肺炎を巡っては、これまでに少なくとも18人が死亡、感染者は中国本土だけでも600人超が確認されている。厚労省は、23日付で「新型コロナウイルスに関する検査対応について(協力依頼)」を発布。感染研が新型コロナウイルスの病原体検出のためのPCR用プライマーを作成して地方衛生研究所へ送り、医療機関に検査協力を呼び掛けるなど、積極的疫学調査に乗り出した。 一方、WHO(世界保健機関)は、日本時間の24日未明に緊急委員会を開いて協議した結果、現段階では「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC:Public Health Emergency of International Concern)」には該当しないと発表している。 中国は今日から春節で、30日まで1週間の大型連休に入る。日本国内はもとより、近隣のアジア諸国や米国でも新型肺炎の感染者が確認されている中、人の移動が増えることでさらに感染が拡大する恐れもある。 旅行者が不調を訴え受診した際には、武漢市への渡航歴や、「武漢市への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴を聴取するなど、慎重に疑い例のスクリーニングを実施し、確定例および疑い例に対しては万全の感染対策を講じていただきたい。また、厚労省のウェブサイトでも特設ページで医療機関向けの情報が随時更新されている。

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安上りの英会話勉強法、その後【Dr. 中島の 新・徒然草】(307)

三百七の段 安上りの英会話勉強法、その後昨年1月24日に紹介した「二百五十六の段 安上がりの英会話練習法」のその後が判明したので報告いたします。まず、二百五十六の段のおおまかな内容を再度述べておきましょう。とある会合で隣に座った先生が、毎朝クリニックに車で出勤する午前6時から7時までの間、NHKラジオ第2放送で流れている英会話レッスンを聴いている、というお話です。15分刻みで4つのレッスンがあり、しかもタダなのが良いところ。その先生は毎日この番組を聴き、50代後半にして英検2級に挑戦し、見事に合格したとのことでした。で、今回聞かせてもらったのはその後の話です。次は英検準1級だ、とばかり件の先生は昨年3回挑戦したのですが、すべて1次試験で落ちてしまったのだとか。でも、徐々に点数があがり、3回目にしてリーディングだけは合格者平均点を超えたとのことです。「あとはリスニングとライティングだ」と、ますますヤル気を出しておられました。この先生によれば、「いまさら就活でもあるまいし、英検やTOEICで高得点を取ったからといって何か御利益(ごりやく)があるわけじゃないけど、モチベーションを保つためには試験を受けるのが一番」だそうです。確かに、○月○日に××で試験があると思えばこそ勉強もしますが、そうでなければなかなか勉強は続きません。私自身も国際学会がある前には、外国人としゃべらなくてはならない、という恐怖で集中的に勉強しますが、学会が終わると同時に英語熱も冷めてしまいます。あと、準1級に合格すれば「英語をしゃべれます」と言ってもいいのだそうです。我々が挑戦するにはちょうど良いレベルですね。というわけで、私も準1級に挑戦してみようかどうか、迷っているところです。進展がありましたら、また、報告させていただきます。最後に1句試験待つ 恐怖が学びの 駆動力

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境界性パーソナリティ障害に対する薬物療法~16年間の変遷

 ドイツ・ゲッティンゲン大学のCharles Timaus氏らは、2008~12年の境界性パーソナリティ障害入院患者に対する薬理学的治療戦略を評価し、1996~2004年の薬物療法との比較を行った。BMC Psychiatry誌2019年12月12日号の報告。 2008~12年にゲッティンゲン大学医療センターで入院治療を受けた境界性パーソナリティ障害患者87例を対象に、レトロスペクティブに評価を行った。入院治療ごとに、入院および退院時の薬剤を含む向精神薬療法について調査した。2008~12年の処方と1996~2004年の処方の比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・2008~12年に入院治療を受けた境界性パーソナリティ障害の全患者のうち、94%は退院時に1剤以上の向精神薬による治療を受けていた。・すべてのクラスの向精神薬が使用されていた。・処方率が高かった薬剤は、naltrexone(35.6%)、クエチアピン(19.5%)、ミルタザピン(18.4%)、セルトラリン(12.6%)、エスシタロプラム(11.5%)であった。・1996~2004年と比較し、低力価抗精神病薬、三環系/四環系抗うつ薬、気分安定薬の使用が減少した一方、naltrexoneの使用は有意に増加していた。 著者らは「境界性パーソナリティ障害入院患者のマネジメントでは、薬物療法が中心となっている。近年の薬物療法では、古典的な抗うつ薬や低力価抗精神病薬の使用は減少し、クエチアピンが好まれる傾向にあった。また、オピオイド拮抗薬の使用が増加しており、さらなる調査で検討する必要がある」としている。

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BMI高値は、NSCLCの免疫チェックポイント阻害薬治療の予後良好因子か/JAMA Oncol

 BMI高値は、悪性黒色腫における免疫チェックポイント阻害薬のサバイバルベネフィットの独立した関連因子であるが、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるその関連は明らかではない。オーストラリア・フリンダース大学のGanessan Kichenadasse氏らは、NSCLCにおけるPD-L1阻害薬アテゾリズマブのアウトカムとBMIの関連を調べるため、4つの国際的多施設臨床研究から事後解析を行った。4つの試験は、単群の第II相試験(BIRCH試験、FIR試験)と、2群の無作為化臨床試験(POPLAR試験、OAK試験)で、データ分析期間は2019年2月28日~9月30日であった。BMIと全生存期間(OS)、 無増悪生存期間(PFS)および毒性との関係についてITT解析した。研究の詳細はJAMA Oncology誌オンライン版2019年12月26日号に掲載された。 主な結果は以下のとおり。・4試験の2,261例のうち2,110例が解析に適格とされた。・2,110例中アテゾリズマブ投与患者は1,436例、ドセタキセル投与患者は676例であった。・肥満(BMI 30以上)はアテゾリズマブ群のOSの改善と有意に関連していたが、ドセタキセル群では関連はみられなかった。・アテゾリズマブ群でのOSおよびPFSとBMIの関連はPD-L1高発現グループで最も強かった。・高PD-L1発現(TC50%以上またはIC10%以上)患者でのOSのハザード比(HR)は、肥満患者では0.36(95%CI:0.21~0.62)、過体重患者では0.69(0.48~0.98)であった。・高PD-L1発現(同上)患者でのPFSのHRは、肥満患者では0.68(0.49~0.94)、過体重患者では0.72(0.56~0.92)であった。 著者らは、「BMI高値は、NSCLCにおけるアテゾリズマブのサバイバル改善に独立して関連していると考えられ、ベースラインBMIは、今後の免疫チェックポイント阻害薬の研究における層別化因子として考慮されるべきだ」と述べている。

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心房細動患者、断酒の効果は有りか無しか/NEJM

 習慣的に飲酒をしている心房細動患者が断酒をすることで、不整脈の再発が減少したことが、オーストラリア・アルフレッド病院のAleksandr Voskoboinik氏らが、140例を対象とした多施設共同前向き非盲検無作為化比較試験の結果、示された。これまで、過剰な飲酒が心房細動の新規発症や有害な心房リモデリングと関連することは知られていたが、断酒による心房細動2次予防への効果は明らかにされていなかったという。NEJM誌2020年1月2日号掲載の報告。週に10ドリンク(純アルコール量約12g/杯)以上のAF患者を対象に試験 研究グループは、オーストラリアの6病院を通じて、週当たりの標準飲酒量が10ドリンク(純アルコール量約12g/杯)以上で、発作性または持続性心房細動があり、ベースラインで洞調律だった成人患者140例を対象に試験を行った。 被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方の群は断酒を行い(断酒群、70例)、もう一方の群は通常どおり飲酒を続けた(対照群、70例)。 主要エンドポイントは、追跡期間6ヵ月間での心房細動の無再発期間(当初2週間はブランキング期間とし、その間の発作は再発と見なさない)と、心房細動の総負荷(心房細動発作状態の時間の割合)の2点だった。心房細動再発リスク、断酒群で約45%減 被験者140例は、85%が男性、平均(±SD)年齢は62±9歳だった。 断酒群の飲酒量は、試験前の週平均16.8±7.7ドリンクから、週平均2.1±3.7ドリンクへと87.5%減少したのに対し、対照群では試験前の週平均16.4±6.9ドリンクから週平均13.2±6.5ドリンクへと、19.5%の減少だった。 2週間のブランキング期間後、心房細動の再発が、対照群では70例中51例(73%)認められたのに対し、断酒群では70例中37例(53%)だった。断酒群は、再発までの期間も長かった(ハザード比:0.55、95%信頼区間:0.36~0.84、p=0.005)。 追跡期間中の心房細動の総負荷についても、心房細動発作状態の時間の割合の中央値が対照群では1.2%(四分位範囲:0.0~10.3)だったのに対し、断酒群は0.5%(同:0.0~3.0)と有意に低率だった(p=0.01)。

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潰瘍性大腸炎患者の大腸がんリスク、時間の経過で変化?/Lancet

 潰瘍性大腸炎(UC)患者は非UC者に比べて、大腸がん罹患のリスクが高く、大腸がん診断時の進行度は低いが、大腸がんによる死亡リスクは高いことが示された。一方で、それらの過剰なリスクは時間の経過とともに大幅に低下することも認められたという。スウェーデン・カロリンスカ研究所のOla Olen氏らによる、UC患者9万6,447例を対象とした住民ベースのコホート試験の結果で、著者らは、「国際的なサーベイランスガイドラインを改善する余地がまだあるようだ」と述べている。Lancet誌2020年1月11日号掲載の報告。デンマークとスウェーデンのUC患者9万6,447例を対象にコホート試験 研究グループは、1969年1月1日~2017年12月31日に、デンマークのUC患者3万2,919例と、スウェーデンのUC患者6万3,528例の計9万6,447例を対象に、住民ベースのコホート試験を行った。一般住民コホートから対照群として94万9,207例をマッチングし、大腸がん罹患と大腸がん死亡について比較した。 UC患者は、国内患者登録名簿の中に2つ以上の適切な国際疾病分類(ICD)記録がある場合、または、ICD記録が1つと大腸生検レポートに炎症性腸疾患(IBD)を示す形態診断コードが認められた場合を解析対象とした。また、UC患者全員について、性別、年齢、出生年、居住地でマッチングした個人をデンマークおよびスウェーデンの全住民登録から適合参照として選出した。 Cox回帰分析を行い、腫瘍ステージを考慮したうえで、大腸がん罹患、大腸がんによる死亡のハザード比(HR)を求めた。UCにより大腸がんリスクは増大、ただし直近5年ではリスクが低減 追跡期間中の大腸がん罹患者は、UC群1,336例(1.29/1,000人年)、対照群9,544例(0.82/1,000人年)だった(HR:1.66、95%信頼区間[CI]:1.57~1.76)。また、大腸がんによる死亡は、UC群639例(0.55/1,000人年)、対照群4,451例(0.38/1,000人年)だった(HR:1.59、95%CI:1.46~1.72)。 大腸がんのステージ分布を比較したところ、UC群は対照群に比べ進行度は低かったが(p<0.0001)、腫瘍ステージを考慮に入れても、UCで大腸がんの患者は、大腸がんによる死亡リスクが高かった(HR:1.54、95%CI:1.33~1.78)。 しかし、そうした過剰なリスクは、追跡期間中に低減していることが認められた。スウェーデン・コホートの直近5年の追跡期間(2013~17年)において、UC群の大腸がん罹患HRは1.38(95%CI:1.20~1.60、5年間でUC患者1,058例につき1件追加)で、大腸がんによる死亡HRは1.25(同:1.03~1.51、5年間でUC患者3,041例につき1件追加)だった。

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short DAPT vs.standard DAPTの新展開:黄昏るのはアスピリン?クロピドグレル?(解説:中野明彦氏)-1170

はじめに 本邦でBMSが使えるようになったのは平成6年、ステント血栓症予防には抗凝固療法(ワルファリン)より抗血小板剤:DAPT(アスピリン+チクロピジン)が優れるとわかったのはさらに数年後だった。その後アスピリンの相方が第2世代のADP受容体P2Y12拮抗薬:クロピドグレルに代わり、最近ではDAPT期間短縮の議論が尽くされているが、DAPT後の単剤抗血小板薬(SAPT)の主役はずっとアスピリンだった。そして時代は令和、そのアスピリンの牙城が崩れようとしている。 心房細動と異なり、ステント留置後の抗血栓療法には虚血リスク(ステント血栓症)と出血リスクの交差時期がある。薬剤溶出性ステント(DES)の進化・強化、2次予防の浸透などによる虚血リスク減少と、患者の高齢化に代表される出血リスク増加を背景に、想定される交差時期は前倒しになってきている。最新の欧米ガイドラインでは、安定型冠動脈疾患に対するDES留置後の標準DAPT期間を6ヵ月とし、出血リスクに応じて1~3ヵ月のshort DAPTをオプションとして認めている。同様に急性冠症候群(ACS)では標準:12ヵ月、オプション:6ヵ月である。もちろん日本循環器学会もこれに追従している。 しかし2018年ごろから、アスピリンに代わるSAPTとしてP2Y12拮抗薬monotherapyの可能性を模索する試験が続々と報告されている。・STOPDAPT-21):日本、3,045例、1 Mo(→クロピドグレル)vs.12 Mo、all comer(ACS 38%)、心血管+出血イベント・出血イベントともにshort DAPTに優越性・SMART-CHOICE2):韓国、2,993例、3 Mo(→クロピドグレル)vs.12 Mo、all comer(ACS 58%)、MACCEは非劣性、出血イベントはshort DAPTに優越性・GLOBAL-LEADERS3):EUを中心に18ヵ国、1万5,968例、1 Mo(→クロピドグレル、ACSはチカグレロル)vs.12 Mo DAPT→アスピリン、2年間、all comer(ACS 47%)、総死亡+Q-MI・出血イベントともに非劣性チカグレロルのmonotherapy チエノピリジン系(チクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル)とは一線を画するCTPT系P2Y12拮抗薬であるチカグレロルは、代謝活性化を経ず直接抗血小板作用を発揮するため、作用の強さは血中濃度に依存し個体差がない。またADP受容体との結合が可逆的なため薬剤中断後の効果消失が速い。DAPTの一員としてPEGASUS-TIMI 54・THEMIS試験などで重症安定型冠動脈疾患への適応拡大が模索されているが、現行ガイドラインではACSに限定されている。 今回のTWILIGHT試験はPCI後3ヵ月間のshort DAPT(アスピリン+チカグレロル)とstandard DAPTの比較試験で、SAPTとしてチカグレロルを残した。前掲試験と異なる特徴は、・虚血・大出血イベントを合併した症例を除外し、3ヵ月後にランダム化したランドマーク解析であること・all comerではなく、虚血や出血リスクが高いと考えられる症例・病変*に限定したこと・3分の2がACSだがST上昇型心筋梗塞は含まれていないなどである。*:年齢65歳以上、女性、トロポニン陽性ACS、陳旧性心筋梗塞・末梢動脈疾患、血行再建の既往、薬物療法を要する糖尿病、G3a以上の慢性腎臓病、多枝冠動脈病変、血栓性病変へのPCI、30mmを超えるステント長、2本以上のステントを留置した分岐部病変、左冠動脈主幹部≧50%または左前下行枝近位部≧70%、アテレクトミーを要した石灰化病変 結果、ランダム化から1年間の死亡+虚血イベントは同等(short DAPT:3.9% vs.standard DAPT:3.9%)で、BARC基準2/3/5出血(4.0% vs.7.1%)・より重症なBARC基準3/5 出血(1.0% vs.2.0%)はほぼダブルスコアだった。 筆者らは「PCI治療を受けたハイリスク患者は、3ヵ月間のDAPT(アスピリン+チカグレロル)を実施した後、DAPT継続よりもチカグレロル単剤に切り替えたほうが総死亡・心筋梗塞・脳梗塞を増やすことなく出血リスクを減らすことができる」と結論付けた。日本への応用、そしてその先は? しかしどこか他人事である。 第1に、ACSに対するクロピドグレルvs.チカグレロルのDAPT対決(PLATO試験4))に参加できず別に施行したブリッジ試験(PHILO試験5))が不発に終わった日本では、チカグレロルの適応が大幅に制限されている。したがって、われわれが日常臨床で本試験を実感することはできない。 第2に出血イベントの多さに驚く。3ヵ月のDAPT期間内に発生した死亡+虚血イベントが1.2%だったのに対し、BARC 3b以上の大出血は1.5%だった。出血リスクの高い対照群や人種差のためかもしれないが、本来なら虚血イベントが上回るはずのPCI後早期に出血イベントのほうが多かったのでは本末転倒である。ランダム化後の出血イベント(上記)も加えると、さらに日本の臨床試験とかけ離れてくる。PHILO試験が出血性イベントで失敗したことを考えれば、プラスグレルのように日本人特有の用量設定が必要なのでは、と感じる。 とはいえ、脳出血や消化管出血のリスクが付きまとうアスピリンに代わるP2Y12拮抗薬monotherapyは魅力的なオプションではある。PCI後の抗血小板療法は血栓症予防と出血性合併症とのトレードオフで論ずるべき問題であり、症例や使用薬剤によって虚血リスクと出血リスクの交差時期(至適short DAPT期間)は変わるに違いない。さらに、どのP2Y12拮抗薬がmonotherapyとして最適なのか? 2次予防としても有効なのか? アスピリンのように「生涯」継続するのか? 医療経済的に釣り合うのか? 最初からmonotherapyではダメなのか? …検討すべき問題は山積するが、新しい時代に本試験が投じた一石は小さくない。

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英語落語とノーベル賞受賞記者会見の関係!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】 第19回

第19回 英語落語とノーベル賞受賞記者会見の関係!セレンディピティ(serendipity)という言葉を耳にしたことがありますか? 「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」を意味します。日本語訳として「偶察力」とされる場合もありますが、確固とした訳語はありません。「セレンディピティ」として広辞苑にも載っているので、日本で浸透している英単語といってもよいでしょう。この言葉は、ノーベル賞の受賞記者会見などで用いられるのが定番です。科学の世界では、大発見は偶然からもたらされることが多いようです。失敗してもそこから何かを学び取ることができれば成功に結びつくという、科学的な大発見を説明するエピソードとして語られるのです。こんな私にも、なかなか眠れない夜があります。翌日のことを考えて、「早く眠らなくては」と焦れば焦るほど目が冴えてしまって眠気から遠のきます。ここで、眠ろうと努力することは得策ではありません。気を楽に保ち、できるだけ何も考えずにリラックスするのがよいです。私は、ポッドキャストとして英語論文の読み上げを聴くこともあります。ポッドキャストについて知りたい方は、「第2回 寅さん映画で外国語ペラペラ」を参考にしてください。今回の入眠作戦は、英語で落語を聴くことです。YouTubeには数多くの英語落語がアップされています。英語で知っている定番の落語を聴くと面白いです。英語で聴いてもつまらないのでは? と思われるかもしれませんが、これが驚くほど笑えます! 落語で描かれる舞台は、庶民の日常の暮らしです。英語落語に出てくる英語表現や英単語は、日常生活で使われる分かりやすいフレーズがほとんどです。英語の勉強と気合を入れることなく自然に意味が通じ、ほどよく入眠できます。定番中の定番の「寿限無」を英語で聴くことにします。子供の可愛さあまりに「いつまでも元気で長生きできるように…」と縁起のいい名前候補を集め、なんとそれを全部名前に付けてしまったのです。幸福(寿)が限り無いの意味のめでたい話で「寿限無」ですが、英語の題目はなぜか「Long name」です。落語の中で、子供の名前は「寿限無寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の水行末 雲来末・・・・」と続きます。寿限無の英語落語にも、数多くのバージョンがあり、Long nameを「ジュゲム・ジュゲム・・・・」とそのまま発音するものもあれば、英語での縁起良い言葉を集めて繋げるという意訳バージョンもあります。その日は意訳バージョンでした。「Happiness、Lucky・・・」と続き、その終盤に出てきたのが「Serendipity」です。なるほど、英語版の寿限無には、セレンディピティか、フムフム。妙に頭が冴えてきて入眠作戦は大失敗です。そのうえ、眠れないでいる飼主の状況を察知したのか、便乗して猫が布団に乗っかってきました。自分にとってのセレンディピティは、この猫との偶然の出会いに違いないと確信しました。ちょうど自分の内臓部分あたりに乗ってこられると、とても重く息苦しいのですが、モゾモゾするとどこかにいってしまうので、不動の姿勢で耐えることにします。甘美な苦難です。ノーベル賞受賞の記者会見とは雲泥の差ですが、セレンディピティという言葉を使ってみたくなった自分でした。

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漫然投与薬に依存している患者の提案成功例【うまくいく!処方提案プラクティス】第13回

 すでに生じている症状の改善目的以外にも、予防目的で薬がどんどん増えていくことがあります。害が予想される場合は処方薬の整理をしたいところですが、患者さんの依存度が高い場合は中止が難しくなります。今回は、そのような場合の中止アルゴリズムについて紹介します。患者情報90歳、女性(個人在宅)、長男と同居中基礎疾患:認知症、脳出血内服管理:簡易懸濁法で経管投与(長男が管理)訪問看護:週3回処方内容(介入時)1.エレンタール®配合内用剤 3包 分3 毎食後2.ドンペリドン錠10mg 3錠 分3 毎食後3.酸化マグネシウム錠250mg 3錠 分3 毎食後 適宜調節4.ピコスルファートナトリウム内用液 便秘時 5〜8滴 適宜調節5.グリセリン浣腸 1個 便秘時本症例のポイントこの患者さんは、長期間上記の薬を継続していました。息子さんが熱心に服薬管理をしているため飲み忘れはなく、簡易懸濁の手技なども問題なく行えていました。しかし、1つ気になっていたのは、消化管運動の改善目的でドパミンD2受容体遮断薬であるドンペリドンを長期間服用していたことです。ドパミンD2受容体遮断薬は、上部消化管にあるドパミン受容体に作用することでアセチルコリンの遊離を促して運動機能を改善しますが、長期間服用するとアカシジア、ジスキネジアなどの錐体外路症状が生じることがあります。ドンペリドンは血液脳関門を通過しにくいため、比較的安全性は高いと考えられますが、長期間服用することで錐体外路症状の発現リスクはあると考えました。認知症の影響から身体機能低下は進行していましたが、もしこの錐体外路症状が生じるとさらに身体機能は低下し、本人および息子さんの負担が増加する可能性があります。そこで、服用契機をたどってみると、デイサービス利用時の移動で嘔吐したことがあり、それ以来ドンペリドンを定期服用しているとのことでした。経管投与に伴う逆流や便秘のコントロール不良も原因の1つと考えられるため、手技や投与量を検討することでドンペリドンを中止することも可能なのではないかと考えました。しかし、ご本人と息子さんがドンペリドンをやめることで嘔気をぶり返すのが怖いと訴えたため、単純な中止の提案ではなく、代替薬などを提案して不安にさせないようにする必要がありました。処方提案と経過訪問報告書を用いて、以下の処方提案をしました。「患者さんは、長期的にドパミンD2受容体遮断薬を服用しており、錐体外路症状が発現した場合にはさらなる身体機能の低下からご本人やご家族の負担が増大する懸念があります。服用契機は、デイサービス移動時の嘔吐と伺っていますので、定期服用ではなくデイサービス当日の移動前の頓服に切り替えるのはいかがでしょうか。あるいは、便秘や経管投与による胃食道逆流の症状から来る嘔気のコントロールであれば、消化管運動機能改善薬のモサプリドを同様の用法で服用するのはいかがでしょうか」。医師より、これまでドンペリドンが有効であったため他剤への切り替えではなく、有症状時の頓服にしようと承認を得ることができました。頓服に切り替え後、患者さんはドンペリドンを使うことなく経過しました。息子さんに薬を使わなくても症状がなくて安心してもらえたタイミングで、医師に今後の処方は中止することを提案したところ、承認を得ることができました。患者さんは、その後も嘔気の症状はなく、ドンペリドンを使わなくても安定した状態を保っています。

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慢性不眠症患者へのベンゾジアゼピン中止のための心理社会的介入~メタ解析

 ベンゾジアゼピン(BZD)の長期使用は慢性不眠症の治療には推奨されておらず、心理社会的介入、とくに不眠症に対する認知行動療法(CBT-I)がBZD中止への潜在的なオプションとして期待される。杏林大学の高江洲 義和氏らは、慢性不眠症患者に対するBZD使用を中止するために心理社会的介入が有用であるかについて、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Sleep Medicine Reviews誌2019年12月号の報告。 主要なデータベースより、2018年7月までの文献を検索した。関連文献の検索、データ抽出、コクラン基準にのっとった方法論の質の評価は、2人の独立した研究者により行われた。CBT-Iを評価したランダム化比較試験8件について、レビューおよびメタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・3ヵ月以内の短期CBT-IとBZD漸減療法は、CBT-I介入を行わなかった場合と比較し、より有効であった(リスク比:1.68、95%信頼区間[CI]:1.19~2.39、p=0.003)。・また、CBT-I介入は、不眠症状の改善に対しても効果的であった(g:-0.69、95%CI:-1.09~-0.28、p=0.0009)。・ただし、BZD中止に対するCBT-Iの長期(12ヵ月)介入の有効性に有意な差は認められなかった(リスク比:1.67、95%CI:0.91~3.07、p=0.10)。 著者らは「BZD系睡眠薬を中止するためのCBT-I介入は、3ヵ月以内だと効果的であることが示唆された。CBT-Iの長期的な有効性を明らかにするためには、さらなる研究が求められる」としている。

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中年期の健康的な生活様式は平均余命にどう影響?/BMJ

 中年期の健康的な生活様式の順守は、主要慢性疾患(がん、心血管疾患、2型糖尿病)のない平均余命を延長することが、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYanping Li氏らによる検討の結果、示された。これまで、修正可能な生活様式因子(喫煙、身体活動、アルコール摂取、体重、食事の質)が、平均余命および慢性疾患発症の両者に影響することは知られていた。しかし、複数の生活様式因子の組み合わせと、主要な疾患(糖尿病、心血管疾患、がんなど)のない平均余命との関わりについて、包括的に検討した研究はほとんどなかったという。BMJ誌2020年1月8日号掲載の報告。5個の様式の組み合わせと主要慢性疾患のない平均余命の関連を調査 研究グループは、米国で行われた前向きコホート研究「Nurses' Health Study」(1980~2014年、女性7万3,196人)と「Health Professionals Follow-Up Study」(1986~2014年、男性3万8,366人)の参加者データを分析し、健康的な生活様式が主要な慢性疾患のない平均余命とどのように関連するかを調べた。 「非喫煙」「BMI 18.5~24.9」「中強度~高強度(30分/日以上)の身体活動」「適度なアルコール摂取(女性5~15g/日、男性5~30g/日)」「食事の質のスコア(Alternate Healthy Eating Index:AHEI)が高い(各コホートで上位40%に属する)」の5個を「低リスク生活様式因子」と定め、その実践数別(0、1、2、3、4/5個)に、糖尿病、心血管疾患、がんのない平均余命年を算出して評価した。低リスク生活様式が多いほど平均余命は延長 女性227万411人年、男性93万201人年のフォローアップ中に、3万4,383人(女性2万1,344人、男性1万3,039人)の死亡が記録された。 低リスク生活様式因子の実践数が多い被験者は、マルチビタミンサプリメントおよびアスピリンの服用者が多い傾向がみられた。 50歳時点での総平均余命(慢性疾患の有無を問わず集計)は、低リスク生活様式因子が多いほど長く、女性は31.7年(0個)~41.1年(4/5個)、男性は31.3年(0個)~39.4年(4/5個)にわたっていた。 50歳時点での糖尿病、心血管疾患、がんのない平均余命は、女性においては低リスク生活様式因子の実践が0個の場合は23.7年(95%信頼区間[CI]:22.6~24.7)であったが、4/5個実践の場合は34.4年(33.1~35.5)であった。男性においては、実践が0個の場合は23.5年(22.3~24.7)であったが、4/5個実践の場合は31.1年(29.5~32.5)であった。 50歳時の総平均余命に対する慢性疾患のない平均余命の割合は、重度の現行男性喫煙者(紙巻きタバコ15本/日以上)や、肥満(BMI 30以上)の男性および女性で最も低く、いずれも75%以下であった。

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マイコプラズマ市中肺炎児、皮膚粘膜疾患が有意に多い

 かつて、その流行周期から日本では「オリンピック肺炎」とも呼ばれたマイコプラズマ肺炎について、ほかの起炎菌による市中肺炎(CAP)児と比べた場合に、皮膚粘膜疾患が有意に多く認められることを、スイス・チューリッヒ大学小児病院のPatrick M. Meyer Sauteur氏らが明らかにした。現行の診断検査では、肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae)の感染と保菌を区別できないため、皮膚粘膜疾患の原因としてマイコプラズマ感染症を診断することは困難となっている。今回の検討では、M. pneumoniaeによる皮膚粘膜疾患は、全身性の炎症や罹患率および長期にわたる後遺症リスクの増大と関連していたことも示されたという。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年12月18日号掲載の報告。 研究グループはCAP児を対象に、改善した診断法を用いてM. pneumoniaeによる皮膚粘膜疾患の頻度と臨床的特性を調べる検討を行った。 2016年5月1日~2017年4月30日にチューリッヒ大学小児病院で登録されたCAP患者のうち、3~18歳の152例を対象に前向きコホート研究を実施。対象児は、英国胸部疾患学会(British Thoracic Society)のガイドラインに基づきCAPと臨床的に確認された、入院または外来患者であった。 データの解析は2017年7月10日~2018年6月29日に行われた。主要評価項目は、CAP児におけるM. pneumoniaeによる皮膚粘膜疾患の頻度と臨床特性とした。マイコプラズマ肺炎の診断は、口咽頭検体を用いたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法で行い、ほかの病原菌によるCAPキャリアとM. pneumoniae感染患者を区別するため、酵素免疫測定法(ELISA)で特異的末梢血中IgM抗体分泌細胞の測定を行い、確認した。 皮膚粘膜疾患は、CAPのエピソード中に発生した、皮膚および/または粘膜に認められたあらゆる発疹と定義した。 主な結果は以下のとおり。・CAP児として登録された152例(年齢中央値5.7歳[四分位範囲:4.3~8.9]、84例[55.3%]が男子)において、PCR法でM. pneumoniae陽性が確認されたのは44例(28.9%)であった。・それら44例のうち、10例(22.7%)で皮膚粘膜病変が認められ、全例が特異的IgM抗体分泌細胞の検査結果で陽性であった。・一方、PCR法でM. pneumoniae陰性であったケースのうち、皮膚症状が認められたのは3例(2.8%)であった(p<0.001)。・M. pneumoniae誘発皮膚粘膜疾患は、発疹および粘膜炎(3例[6.8%])、蕁麻疹(2例[4.5%])、斑点状丘疹(5例[11.4%])であった。・2例に、眼粘膜症状(両側性前部ぶどう膜炎、非化膿性結膜炎)が認められた。・M. pneumoniaeによる皮膚粘膜疾患を有する患児は、M. pneumoniaeによるCAPを認めるが皮膚粘膜症状は認めない患児と比べ、前駆症状としての発熱期間が長く(中央値[四分位範囲]:10.5[8.3~11.8]vs.7.0[5.5~9.5]日、p=0.02)、CRP値が高かった(31[22~59]vs.16[7~23]mg/L、p=0.04)。また、より酸素吸入を必要とする傾向(5例[50%] vs.1例[5%]、p=0.007)、入院を必要とする傾向(7例[70%]vs.4例[19%]、p=0.01)、長期後遺症を発現する傾向(3例[30%]vs.0、p=0.03)も認められた。

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