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第4回 楽天は新型コロナ最前線のデストロイヤーか?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの勃発以来、国内で常に議論となっているのが、PCR検査の対象範囲を巡る是非である。当初は中国ローカルな感染症と考えられていたため、PCR検査の基準には中国の渡航歴あるいは渡航者との接触が必須だったが、現在では緩和されている。とはいえ以前ほどではないにせよ、この議論は今も炭火のようにくすぶり続けている。背景には臨床医が検査の必要性を感じる患者に遭遇しても、地域によって検査にたどり着ける難易度の違いがあるとみられる。しかし、ここにきてこの議論に大砲がぶち込まれた。あの楽天が突如、法人向けと称した「新型コロナウイルスPCR検査キット(定価:1万4,900円/キット[税込])」を発売したからだ(現時点では東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県のみ)。楽天が発表したニュースリリースによると、同検査キットは個人向け遺伝子検査キットなどを発売しているジェネシスヘルスケア株式会社と連携し、医療法人社団 創世会の協力のもと開発したもので、国立感染症研究所のPCR検査法を厳守しているという。導入法人は、同キットを従業員などに配布し、各人が検査試料を自己採取後、防漏性容器に収め、これをジェネシスヘルスケアが回収し、最短即日から土日祝を除く約3日以内に結果が通知されるとうたっている。ちなみに、ニュースリリースには注意事項として「本検査キットを用いたリスク判定は、いかなる意味でも診断や医行為を行うものではありません」と付記され、「厚生労働省が新型コロナウイルス感染症に関する相談・受診の目安として挙げている症状の出ている方は本検査キットを使用いただけません」とも記述している。診断目的ではないとしているのは、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)への抵触を避ける(すり抜ける?)ためだろう。早速、楽天に問い合わせてみた。ちなみに私たち報道関係者は企業への問い合わせ時は、おおむね各社広報担当部門(最近ではコーポレート・コミュニケーション部門ともいう)の直通電話に連絡するか、会社の代表番号に電話し、そこから広報部門に取り次いでもらうことが一般的。また、こうした問い合わせ連絡先はニュースリリースに記載されていることも多い。ところが楽天は企業HP・ニュースリリースともに問い合わせ連絡先の記載はなく、ニュースリリースのページに報道の問い合わせ先としてメールアドレスが記載してあるのみ。いわゆるネット時代を象徴する企業らしい対応とも言えるのだが、一方でネット時代に象徴されるスピード感には欠けると言わざるを得ない。とりあえずメールで問い合わせをしたところ、問い合わせて7時間後に広報担当者から電話がかかってきた。―今回発売した検査キットですが、そもそも検査の感度、特異度はどの程度なのでしょうか?【楽天・広報】検査キットの感度、特異度に関して「〇%です」という表現はできないのですが、提携先のジェネシスヘルスケアが医療機関向けに同種のサービスを提供しており、その検査手法とまったく同じです。医療機関で行っているPCR検査と今回の検査キットの違いは、お客様自身で(検体を)採っていただく点だけです。―ということは、医療機関あるいは保健所を経由する新型コロナウイルスのPCR検査と質は同等のものと捉えてよろしいのですね? ですが、一般の方が鼻の奥から正確に検体を採取できない可能性は?【楽天・広報】同等かはその通りです。慣れない個人が採取棒を鼻の奥に入れて検体採取が可能かどうかについてですが、そもそも医療機関での検体採取ですら100%の精度とは言えません。ではなぜ検査を提供するのかですが、在宅勤務ができない人の中で、無症状だが感染の不安を抱えている人、実は感染しながら無症状のため感染していないと信じて勤務し、周囲にも感染させている可能性がある人の判断にお役立ていただきたいということです。―現在、診断目的で行われている新型コロナウイルスに対するPCR検査は感度が7割程度と言われています。つまり約3割の陽性者は陰性と判断されてしまいます。この検査キットを使った対象法人がこの不確実性を認識せず、検査キットで陰性ながら実は陽性の従業員に「安全宣言」をしてしまう危険性があります。【楽天・広報】まず、この検査キットは診断目的ではないので、私たちは陽性、陰性と申し上げず、「新型コロナウイルスに特徴的なRNA配列が含まれているかどうかの判定」と表現しています。また、在宅勤務が可能な企業にではなく、在宅勤務が不可能でかつ無症候感染の可能性を持つ従業員を抱える企業のみへの販売を原則しています。そのうえで言えば、一般的にPCR検査の感度は100%ではないので、実際には感染しながら陰性と判定されてしまう人がいること、そしてその方が陰性の判定で安心して出歩くリスクは承知しています。ただ、現下の情勢を考えれば、導入した法人では「新型コロナウイルスに特徴的なRNA配列が含まれていなかった」と判定された従業員にも、感染予防・感染拡大防止のために「不要不急の外出は控えましょう」「万全の注意を払いましょう」となるはずで、当社もそこを大前提としています。―御社としては問い合わせのあった法人に対しては、この検査キットの結果が万全ではないと説明しているのですか?【楽天・広報】もちろんです。そもそもこの検査キットは医療行為ではないので、陽性・陰性を判断できるものではないとご説明しています。―では、もしこの検査で御社が言うところの「新型コロナウイルスに特徴的なRNA配列が含まれていた」という結果が出たらどうなりますか?【楽天・広報】それは新型コロナウイルスに感染している可能性が高いという一つのデータとして使っていただいて、たとえば現場で働いていた人に自宅待機をしてもらう判断が法人としてはできます。―しかし、検査で「新型コロナウイルスに特徴的なRNA配列が含まれていた」と判定が出た人は医療機関に向かう可能性が高く、結果として医療機関の負荷を高めてしまう可能性が高いと思われます。【楽天・広報】検査キットで感染の可能性が高いとなれば、自宅待機になるか、あるいは保健所に連絡を取るかということになるのかもしれませんが、当社が指示・強制するものではなく、利用する法人の判断になります。以上がやり取りの概略だが何とも隔靴掻痒感は否めない。確かに在宅勤務ができない人向けという点では、一見すると「大義」がありそうだが、結局のところ現時点はPCR検査で陽性と判定された人は、実際の感染確定にかかわらず医療機関受診か自宅待機、陰性と判定された人も実際の感染確定にかかわらず蔓延を防ぐためなるべく自宅待機、結果としてすべての人が「stay at home」で対応すべき情勢。だからこそ無症候の人への検査はリソースの無駄使いと思わざるを得ないのだが。既に日本医師会は常任理事の釜萢 敏氏が記者会見で、検査を受ける本人が検体採取を行う時の正確性への疑問、採取時に周囲へ感染がおよぶ危険性、偽陰性の可能性などに言及して、「この検査を普及させ、ご自身でやってみることについては、非常にリスクが高いと今考えざるを得ません」との認識を示している。ベンチャー出身の楽天らしい発想とも言える検査キット発売だが、やや使用する側のモラルに丸投げしすぎではないか? 今回はベンチャー得意のイノベーションと言うよりは、単なるカオスを生み出すデストロイヤー、漫画「ドラえもん」の登場人物でいうところのガキ大将・ジャイアンの暴走となってしまうと思うのは私だけだろうか?

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「外出自粛で運動ができない」という患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第30回

■外来NGワード「不要不急の外出は控えなさい」(すでに控えている)「3密を避けなさい」(具体性に欠ける指導)「家で何か運動しなさい!」(あいまいな運動指導)■解説 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化には、糖尿病と喫煙が関係しているとの報告があります。一般的に、血糖コントロールが不良であるとウイルスに対する抵抗力が低下し、インフルエンザなどの感染症リスクが高まることが知られていますので、COVID-19も例外ではないのでしょう。患者クラスター発生のリスクとして掲げられた「3密」という言葉は、もともとは仏教用語の「三密」です。それが、今では「換気の悪い密閉空間」(むんむん)、「多数が集まる密集場所」(ぎゅうぎゅう)、「間近で会話が発生する密接場面」(がやがや)の3つの“密”がそろった意味での「3密」として用いられています。この3密を徹底的に避けるため、不要不急の外出自粛で仕事は在宅体制になり、出掛けることもできず、運動不足になりがちです。家にいるとついつい何かをつまんでしまい、気付けば体重が増えている…なんてことにもなりかねません。そうやって患者さんの自己管理がおろそかになる前に、「もし(if)」を使った質問をしてみましょう。患者さんの運動嗜好を知ることができるかもしれません。新型コロナウイルス感染対策をきっかけに、家での運動習慣を付けられるといいですね。 ■患者さんとの会話でロールプレイ患者新型コロナウイルスの影響で、運動ができなくて…。医師皆さん、そう言っておられますね。家ではどのように過ごされていますか?患者テレビばかり見ています。以前はジムで運動していたのですが。医師そうでしたか。今はどのくらい運動していますか?患者買い物で少し歩くぐらいです。ほかはほとんど運動していません。医師なるほど。3密を避けて運動場所を確保するのは、なかなか難しいですよね。もし、家で運動するとしたら、どんな運動がいいと思いますか?患者そうですね、ラジオ体操なんかはどうでしょう?医師いいですね。テレビでは、1日に2~3回体操を放送していますから、まずは時間になったらチャンネルを変える習慣付けから始めたいですね。患者えっ、そうなんですか。知らなかったです。まずは見ることからですね。医師はい。これを機に、1番だけでなく、2番までやると、食後血糖値が改善するかもしれませんよ。家でも歩数計を着けておくと、だいたいの運動量を把握することができます。この機会に、家の大掃除をしている患者さんもいますよ。患者確かに、工夫すればいろいろできそうです。頑張ってやってみます。■医師へのお勧めの言葉「もし、家で運動するとしたら、どんな運動がいいと思いますか?」「せっかくの機会ですから、家の中を掃除してみませんか?」

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新型コロナ危機に直面した米国ニューヨークの今【臨床留学通信 from NY】番外編3

番外編:新型コロナ危機に直面した米国ニューヨークの今(3)コロナの激震地となったニューヨークの患者総数は、4月22日現在で25万人を超えています1)。しかしながらクオモ知事の声明によりますと、総入院患者がマイナス傾向になったということで、ようやくピークを超えつつあるようです2)。また、ようやく(?)ニューヨークにおいてもマスクが義務付けられました。通常のマスクは、防御機構に関しては不明ですが、ウイルスを拡散しないという効果はあると私は思います。もちろん市民に対し早めに声明を出したかったのだとは思いますが、医療従事者への確保が先決であり、それがようやく担保されたためとも考えられます。当院(Mount Sinai Beth Israel)の現状は、相変わらずの病床拡大傾向ですが、それがそのままレジデントの労働時間の負担になっている訳ではなく、外部から委託することで人員を確保しているという状況です。実際に、待機的な一般病院や開業医の不要不急の外来はすべて閉鎖されており、そこから人的資源を確保していると考えられます。現在、市内中心部のマンハッタンよりも郊外に位置するクイーンズ地区などで医療崩壊が起きており、ピークを超えていても当院がいまなお病床拡大傾向にあるのは、そこの負担を軽減するための措置であります。確かに、マンハッタンには多くの病院がありますが、実際に住んでいるのは郊外のほうが多く、患者さんの数も同様に多いため、医療の需要と供給のアンバランスが起きやすいのです。それは東京都23区とそれ以外の関係にも似ているように思えますし、関東でパンデミックが起きると、人口が多く医者の数が少ない郊外エリアで医療崩壊が起きる懸念があります。私の病院はMount Sinai医科大学系列なので、経営母体が同じグループ内で疲弊している病院があれば、それらの患者を受け入れるたり人的資源を派遣することは合理的であり、経営的にも好ましいとも言えます。そのような協力は日本においてはなかなか難しく、パンデミックではない地区からのボランティアでしか成り立たないのかもしれませんが、一般病院だけでなく開業医の先生方の協力もニューヨークのように必要なのかもしれません。肝心の治療方法については、依然として模索状態が続いています。前稿で紹介したヒドロキシクロロキンおよびアジスロマイシンについては、ウイルス量を減らすかもしれないと言われていますが3)、あまり効果がないように思いつつ使い続けているというのが正直なところです。QT延長が双方に副作用があり、心電図を何度も取ることで医療従事者への曝露を助長しているようにも思われ、大規模な研究が待たれます。アクテムラ(トシリズマブ)は重症例に使用しておりますが、当院でRCTが始まったのは、同じIL-6 inhibitorのサリルマブでした。抗ウイルス薬のremdesivirについてもRCTも始まりましたが、観察研究の結果を見る限り、ある程度の期待は持てるのかなと思います4)。しかし、これらの治療法が正しいのかどうかも、やはり大規模な研究を待たなければわからない部分も多いです。また、D-Dimerが高値ならば、死亡率が上昇するというデータが出ており5)、D-Dimer高値の重症例については、当院では抗凝固療法を開始しておりますが6)、ほかの施設では推奨していないなど、まったくのエビデンス不足であり、欧米人より出血が多いと言われる日本人に当てはまるかどうかも不明です。ただ、治療に当たった実感としては、COVID-19の重症患者では凝固系が更新しているのだとは思います。ステロイドも予後を改善するというデータが出たため7)使い始めたところ、その後、真菌感染が発症したため、現時点では使用を控えております。ECMOについては、パンデミックになってしまうと医療資源の兼ね合いで推奨されるものではないように思えます8)。また、一度挿管すると抜管は非常に厳しく、低めの酸素飽和度であったとしても、なるべく避けたほうがいいのではないかという印象があります。いざ挿管が必要となった場合、管理は通常のARDSと異なるのかもしれません9)。以上は個人的見解が含まれており、治療法は刻一刻と変化すること、また当院の意見を代表するものではありませんので、その点をご了承ください。1)https://en.wikipedia.org/wiki/2020_coronavirus_pandemic_in_New_York_(state)2)https://twitter.com/NYGovCuomo3)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/322052044)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/322758125)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=Lancet+2020%3B+395%3A+10546)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=322201127)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/321675248)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/322790189)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32228035

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急性期統合失調症に対する認知リハビリテーションの可能性

 多くの研究において、統合失調症患者に対する認知リハビリテーションが有用なアウトカムを示しているが、日常的および社会的機能に対する認知リハビリテーションの有効性は、よくわかっていない。また、認知リハビリテーションの内容や方法に関する検討は不可欠ではあるが、実施するタイミングも重要であると考えられる。東邦大学の根本 隆洋氏らは、急性期統合失調症患者に対する認知リハビリテーションの実現可能性および受容性について調査を行った。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2020年3月26日号の報告。 入院病棟へ急性期入院した患者を15ヵ月間連続でエントリーし、入院後14日以内に8週間の認知リハビリテーションプログラムに参加できるかどうかを評価した。患者の状態や負担を考慮し、ワークブック形式の認知リハビリテーションプログラムを行った。 主な結果は以下のとおり。・エントリー期間中に新規入院した83例のうち、49例(59.0%)の患者が対象となった。・そのうち、22例(44.9%)が認知リハビリテーションプログラムへの参加に同意し、プログラムを開始した。・プログラムを完了した16例に対し、2回目の評価を行った。・実際に研究プログラムを完了した患者の割合は、適格患者の32.7%(49例中16例)であった。・参加者は、プログラムに対し、非常に満足していた。 著者らは「急性期統合失調症患者に対する認知機能改善の実現可能性および受容性を示す有望な結果が得られた。初回エピソード統合失調症患者に対する認知リハビリテーションの提供は、より良い機能アウトカムにつながることが期待できる」としている。

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COVID-19濃厚接触者の定義を変更し、網を拡大/国立感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「濃厚接触者」の定義について国立感染症研究所 感染症疫学センターは、4月20日に「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」を発表し、定義を変更した。 新しい「濃厚接触者」の定義では、「患者(確定例)」の感染可能期間(症状を呈した2日前から隔離開始までの間)に接触した者のうち、次の範囲に該当する者として4項目を示した。・患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内などを含む)があった者・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護もしくは介護していた者・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液などの汚染物質に直接触れた可能性が高い者・その他:手で触れることのできる距離(目安として1m)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況など個々の状況周辺の環境や接触の状況など個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。 これにより、従来は発症日以降に接触した人から「発症の2日前から接触した人」に拡大され、また、「2m以内を目安に接触していた人」の定義を「1m以内を目安に15分以上接触した人」に変更された。 この定義は保健所などで聞き取り調査の際に使用され、より多くの感染疑い者の絞り込みに活用される。

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新型コロナ陽性および疑い患者への外科手術について、12学会が共同提言/日本外科学会など

 日本医学会連合、日本外科学会をはじめとする外科系12学会は4月1日、連名で「新型コロナウイルス陽性および疑い患者に対する外科手術に関する提言」を発出した。流行下での手術トリアージの目安のほか、気管挿管・抜管時のリスク回避策など、医療従事者の感染リスク防止のための方策がまとめられている。 本提言の内容は以下の通り:・患者および術式選択について・個人用防護具(PPE:Personal Protective Equipment)について・気管挿管・抜管時のリスク回避について・その他の手術リスクについて・手術後の対応について・帰宅時の対応について・緊急手術について なお、今後の状況に応じて提言は適宜見直されるとし、日本外科学会では4月14日に外科手術トリアージ表の改訂版を発表。4月21日には、提言の中で推奨された排煙装置の使用について、日本外科教育研究会により「新型コロナウイルス感染症とサージカルスモーク」の解説が提供されていることを紹介。この解説では、サージカルスモークによる感染を防ぐため、関連の参考文献とともに医療用マスクや排煙装置の防護法などについて記載されている。 日本外科学会ホームページでは、「新型コロナウイルス(COVID-19)特設ページ」が設けられており、これらの情報が随時更新されている。

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統合失調症、 D2受容体への非結合薬剤は有効か?/NEJM

 急性増悪期統合失調症患者において、D2受容体に結合しない抗精神病薬SEP-363856はプラセボと比較し、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)合計スコアのベースラインからの変化量を有意に改善させることが、東欧および米国の5ヵ国計34施設で実施された4週間の第II相無作為化二重盲検並行群間比較試験の結果、明らかとなった。米国・Sunovion PharmaceuticalsのKenneth S. Koblan氏らが報告した。SEP-363856は、ドパミンD2受容体に結合せず、微量アミン関連受容体1(TAAR1)とセロトニン5-HT1A受容体に対するアゴニスト活性を有する経口化合物で、統合失調症の精神病状態を治療する新しいクラスの向精神薬となる可能性があるという。NEJM誌2020年4月16日号掲載の報告。TAAR1/5-HT1AアゴニストであるSEP-363856の有効性と安全性をプラセボと比較検討 研究グループは、急性増悪期統合失調症の成人患者を、SEP-363856(50mgまたは75mg)群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日1回4週間投与した。試験期間は2016年12月~2018年7月である。 主要評価項目は、投与4週後のPANSS(30~210点、点数が高いほど精神病症状が重度であることを示す)合計スコアのベースラインからの変化量、副次評価項目は臨床全般印象評価尺度(CGI-S)や簡易陰性症状尺度(BNSS)などの8項目のスコアのベースラインからの変化量で、修正intention-to-treat集団を対象に反復測定混合効果モデルを用いて解析した。PANSS合計スコアの平均変化量、SEP-363856で有意に改善 計245例がSEP-363856群(120例)およびプラセボ群(125例)に割り付けられた。 ベースラインのPANSS合計スコア平均値は、SEP-363856群101.4、プラセボ群99.7であり、投与4週後の平均変化量はそれぞれ-17.2および-9.7であった(最小二乗平均差:-7.5、95%信頼区間[CI]:−11.9~−3.0、P=0.001)。また、投与4週後のCGI-SスコアおよびBNSSスコアは、概して主要評価項目と同様に低下したが、多重比較は行わなかった。 SEP-363856の主な有害事象は傾眠、消化器症状などで、心臓突然死がSEP-363856群で1例報告された。錐体外路症状の発現頻度や、脂質、HbA1cおよびプロラクチン値の変化量は両群で類似していた。 著者は、試験期間が短いことや、18~40歳の患者を対象としたことなど、今回の研究の限界を挙げたうえで、「統合失調症患者に対するSEP-363856の有効性と副作用、ならびに既存薬との有効性の比較を明らかにするためには、さらなる長期で大規模な臨床試験が必要である」とまとめている。

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アイスランドの新型コロナウイルス、遺伝子型が変化/NEJM

 アイスランドでは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染陽性率が、10歳以上および男性と比較して、10歳未満児および女性では低いことが明らかになった。アイスランド・deCODE Genetics-AmgenのDaniel F. Gudbjarsson氏らが、同国における高リスクの特定集団と市民を対象に実施した住民ベースの調査結果を報告した。アイスランドでは2月末に初めてCOVID-19と診断された患者が発生したが、COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2が、どのようにアイスランドの住民に感染・拡大したかについてはデータが限られていた。今回の調査では、SARS-CoV-2のハプロタイプは多様で経時的な変化が認められること、一般市民で確認された感染陽性率はスクリーニング期間中あまり変化していないことも示され、著者は「封じ込め策が有効であったと考えられる」との見解を示している。NEJM誌オンライン版2020年4月14日号掲載の報告。感染リスクが高い特定集団と一般市民を対象にPCR検査を実施し実態を調査 研究グループは、アイスランドで行われた2つのSARS-CoV-2検査(感染リスクが高い人を対象とした検査と集団スクリーニング)について分析する検討を行った。 同国では2020年1月31日より、感染リスクが高いと考えられる住民(咳・発熱・関節痛・息切れなどの症状を有し、最近、高リスク国/地域から帰国した人、または感染者と接触した人)を対象とした検査を開始(特定集団群)。これに加えて3月13日より、無症状または軽度の風邪症状の同国在住者にも検査を拡充し、オンラインでの登録・検査が開始された(公募群)。 研究グループはこれらのデータに加えて、集団スクリーニングのサンプリング法を評価する目的で、20~70歳のアイスランド人6,782例を無作為に抽出し、3月31日~4月1日に携帯電話へメッセージを送信し、4月4日までに検査を受けてもらった(無作為抽出群)。 さらに、陽性例のうち643例についてSARS-CoV-2のシークエンシングを行った。4月4日時点で市中感染率は0.6%、10歳未満と女性は陽性率が低い 4月4日時点のSARS-CoV-2陽性者は、1月31日~3月31日に検査を受けた特定集団群は9,199例中1,221例(13.3%)、集団スクリーニングのうち3月13日~4月1日に検査を受けた公募群は10,797例中87例(0.8%)、4月1日~4日に検査を受けた無作為抽出群は2,283例中13例(0.6%)であった。全体で、検査を受けたのは人口の6%であった。 特定集団群のうち、初期(1月31日~3月15日)に検査を受けた1,924例では、SARS-CoV-2陽性者が177例(9.2%)で、このうち65%(115/177例)に最近の海外渡航歴(高リスク国を含む)があったのに対し、後期(3月16日~31日)に検査を受けた7,275例では陽性者が1,044例(14.4%)で、このうち海外渡航歴があったのは15.5%(162/1,044例)であった。 いずれの検査群でも、平均年齢は参加者全体(特定集団の初期群、特定集団の後期群、公募群、無作為抽出群でそれぞれ40.0、40.4、38.6、45.4歳)に比べ陽性者(それぞれ44.4、41.3、40.8、50.5歳)で高かった。特定集団群では、10歳未満(38/564例、6.7%)は10歳以上(1,183/8,635例、13.7%)と比較して陽性率が低い傾向にあり、この傾向は集団スクリーニング群でも同様であった(10歳未満0%、10歳以上0.8%)。また、女性のほうが男性より陽性率が低く、特定集団群では11.0% vs.16.7%(オッズ比[OR]:1.66、95%信頼区間[CI]:1.47~1.87)、集団スクリーニング群で0.6% vs.0.9%(1.55、1.04~2.30)であった。多様なSARS-CoV-2 ハプロタイプが広がっている 643検体から抽出したSARS-CoV-2 RNAのシーケンシングの結果、ハプロタイプは多様で経時的に変化していることが明らかになった。すなわち、特定集団の初期と集団スクリーニング群とでハプロタイプの構成が異なっており、初期はイタリアやオーストリアが起源のタイプがほとんどであったのに対して、3月中旬以降の集団スクリーニング群では当初高リスク国と見なされていなかった英国などから帰国した人によってアイスランドに持ち込まれたと考えられた。 集団スクリーニングにおける感染陽性率は20日間にわたり安定しており、公募群と無作為抽出群とで感染率に大きな違いはなかった。

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楽天のPCR検査キット、「大変危惧の念を抱いている」/日本医師会

 4月22日、日本医師会・釜萢 敏氏(常任理事)は、民間企業による新型コロナウイルスPCRキット販売に関して、「大変危惧の念を抱いている。(一般人が)自身で検体採取することはリスクが高いと考えざるを得ない」と強い懸念を示した。近日中に、問題点を具体的に示した専門家会議の意見が取りまとめられる見込み。東京都ほか4県の法人向けにPCR検査キットを販売 20日、楽天が「新型コロナウイルスPCR検査キット」を、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県の法人向けに提供開始したことを発表した。同キットは、遺伝子検査キットを手掛けるジェネシスヘルスケアが、医療法人社団 創世会の協力を受けて開発したもの。定価は1キット1万4,900円(税込)で、100キットから購入できる。 なお、同社プレスリリースでは、「導入する法人は、検査キットを従業員等に配布し、利用者は同封されている説明書に従って、各自で自宅にて検査試料を自己採取後、防漏性容器に収めます。容器を三重密封できる封筒に入れていただき、封をして目安として2時間以上経過してから、法人が指定する場所に設置する専用回収ボックスに入れていただきます。ジェネシスヘルスケアによる回収後、結果通知までにかかる日数は最短即日から約3日以内(土日祝除く)となります」と説明している。自宅での検査実施は感染拡大リスクにつながる恐れ これについて、釜萢氏は「検体の採取は正確に行うことが必要。それが不適切であれば、結果も不正確になりかねない」として、「検査を実施した企業が、本キットの結果を見て出勤の可否などを判断すると、実際の陽性・陰性とは異なる結果が含まれることで、感染拡大を引き起こすなどの問題につながりかねない。結果を医療機関に持って来られても、対応は困難である」と懸念を表明した。また、検査に伴う危険の周知も十分でなく、結果の取り扱いにおける個人情報保護の問題も残されている。 同氏は、同日開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議においても、同検査キットに対し問題意識が示されたことを説明した。実際に企業が同キットを購入し検査を実施した場合は、大きな混乱を来たす可能性がある。 PCR検査がなかなか実施されない、希望しても受けられないことに対する策なのではないか、という意見に対し、「PCR検査は医師が必要と認めたケースにのみ実施することが大事で、国民全員に実施すべきものではない」との認識をあらためて強調し、「今後同様の事例が起きないよう、厚生労働省と協議を行い、国民の安全を確保する視点で対応していく」と述べた。 なお、米国において、コロナウイルスについての自己検体採取キットが緊急使用認可されているが、「米国の検体採取自己キットは通常承認ではないものの、米国食品医薬品局(FDA)が緊急に使用を認可したものであり、政府機関が関与している」、「使用に当たっては医師の指示が必要」という2点が、今回わが国で発売されたキットと大きく異なる点だ。

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SARS-CoV-2との戦いーACE2は、味方か敵か?(解説:石上友章氏)-1218

原著論文Renin-Angiotensin-Aldosterone System Inhibitors in Patients with Covid-19 COVID-19は、新興感染症であり、科学的な解明が不十分である。これまでの報告から、致死的な重症例から、軽症例・無症候例まで、幅広い臨床像を呈することがわかっており、重症化に関わる条件に注目が集まっている1,2)。中国からの報告により、疾病を有する高齢者、なかでも高血圧を有する高齢者が多く重篤化する可能性が指摘された3,4)。 SARS-CoV-2の類縁であるSARS-CoVは、SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome)の原因ウイルスである。標的である肺胞上皮細胞に感染する際に、細胞表面にあるACE2(アンジオテンシン変換酵素2)を受容体として、ウイルス表面のスパイク蛋白と結合する。ACE2と結合したスパイク蛋白は、細胞表面の膜貫通型セリン・プロテアーゼであるTMPRSS2などにより切断され、標的細胞の細胞膜と融合することで細胞内に侵入することが知られている(『感染の成立』)5,6)。SARS-CoV-2の感染症であるCOVID-19でも、同様の機序が想定されている。 降圧薬(ACE阻害薬、ARB)の使用とCOVID-19との関係が注目されており、Vaduganathanらの手による、Special ReportがNEJM誌に掲載された7)。ACE2がSARS-CoV-2の感染の成立に重要な働きを有していることから、高齢者・高血圧患者におけるACE阻害薬、ARBの使用と、感染の重篤化との間に因果関係があるのではないかという疑問があがった。有効な治療法が確立していない現在、既存の蛋白分解酵素阻害薬である、ナファモスタット、カモスタットの、TMPRSS2の阻害作用により、SARS-CoV-2の感染を抑制する可能性があると報告されたことも、既存薬であるRA系阻害薬とCOVID-19との関連が注目された一因であろう8,9)。 図のように、ACE2はAng(1-7)-Mas受容体系に関与していると考えられており、ACE2の活性化はアンジオテンシンIIの働きに拮抗・相殺する作用であり、生体にとって好ましいとされている10)。ACE2が、SARS-CoV-2の感染の成立に重大な働きをすることから、直接的にCOVID-19の発症に関わっている可能性がある。ACE2活性の亢進や抑制が、COVID-19の発症・重篤化に関係しているのであれば、RA系阻害薬の内服によるACE2活性の変化によって、予後が決定される可能性がある。(原図:石上 友章氏) 個々の研究に目をやると、SARS-CoVによる重症肺炎が、ロサルタンの投与で軽快すると報告されている5)。またオルメサルタンには、ACE2活性化作用を介して、Ang II→Ang(1-7)への変換を促進し臓器保護作用があると報告されているが11)、いずれもげっ歯類を対象にした動物実験であり、ヒトではっきりと証明された報告はない。したがって、米国・欧州の主要な学会のポジション・ステートメントは、RA系阻害薬使用とCOVID-19との間の相関には否定的で、RA系阻害薬の内服の継続を推奨している。(https://www.eshonline.org/spotlights/esh-statement-covid-19/ほか) ARB(ロサルタン)ならびに、ACE2賦活薬(APN01:recombinant human soluble ACE2)を使った、臨床研究(NCT00886353、NCT04311177、NCT04312009)が計画されている。ヒトでのPOCがとれるか否かで、今回の降ってわいたような疑問への回答を得られることが期待される。References1)Bouadma L, et al. Intensive Care Med. 2020;46:579-582.2)Wu Z, et al. JAMA. 2020 Feb 24. [Epub ahead of print]3)Zhou F, et al. Lancet. 2020;395:1054-1062.4)Pan X, et al. Lancet Infect Dis. 2020;20:410-411.5)Kuba K, et al. Nat Med. 2005;11:875-879.6)Imai Y, et al. Circ J. 2010;74:405-410.7)Vaduganathan M, et al. N Engl J Med. 2020 Mar 30. [Epub ahead of print]8)Yamamoto M, et al. Antimicrob Agents Chemother. 2016;60:6532-6539.9)Hoffmann M, et al. Cell. 2020;181:271-280.e8.10)Ishigami T, et al. Hypertens Res. 2006;29:837-838.11)Agata J, et al. Hypertens Res. 2006;29:865-874.

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037)疲労困憊のコロナ電話対応【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第37回 疲労困憊のコロナ電話対応しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆新型コロナウイルスの流行で、公私共に落ち着かない日々が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。私の皮膚科外来では、病院に来る患者さんの数がガクッと減り、少しずつ電話再診を希望する患者さんが増えてきています。緊急事態宣言の発令以降、病院が初診の受け付けを当面の間休止したこともあり、来られるのは定期処方の患者さんばかり。幼稚園や学童保育の休業により出勤できないスタッフもいるようで、スタッフも患者さんも少人数、広い外来棟が閑散としています。勤務医であるデルぽんは外来業務が減り、正直なところ手持ち無沙汰な状態です。一方、医師以外のスタッフは、電話での問い合わせ対応や、電話再診による処方箋の送付など、少ない人数でイレギュラーな業務に追われている様子。問い合わせの電話をしてくる患者さんの中には、芸能人の名前を出して30分間延々とクレームを言ってくる人や、無理難題を言ってごねる人も。身近な病院が、患者さんの不安な気持ちのはけ口になってしまっているようです。そうはいっても、医療者も限られた資源の中、精神をすり減らして対応しているので、どうかわかっていただきたいところ。感染症の最前線で戦う医療者の皆さまには、本当に頭があがりません。どうかご自愛ください。非日常で落ち着かない日々。早くこの事態が収まるとよいなと願っています。それでは、また~!

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新型コロナウイルスあれこれ(6)【Dr. 中島の 新・徒然草】(320)

三百二十の段 新型コロナウイルスあれこれ(6)もう何もかもコロナ一色です。まずは最近観た映画「コンテイジョン」(contagion:伝染)から。アマゾンのオンラインレンタルでは199円。2011年に制作されたアメリカ映画ですが、これがよくできている!気味が悪いくらい正確に現在のコロナ・パンデミックを描写しています。内容は香港から発生したウイルスが全世界に伝播するというものです。cluster、social distancing、R0(アール・ノート)など、専門用語も同じ。また、広場での埋葬、無症候感染者の存在、空になったジムなどもそのまま。ちゃんとWHOやCDCも出てきます。驚いたのは、映画の医学監修を行ったイアン・リプキン医師が新型コロナウイルスに罹患したこと。FOXのインタビューに「私がかかるくらいだから、誰でもかかります」と言っていました。やはり9年前の映画だな、と思わされる点があるとすればただ1つ。人々を煽るのがユーチューバーでなくブロガーだということ。時代を感じさせますね。さて、私は今日も自分のエクセルに数値を手入力しては未来を予測しています。セルが縦にも横にも増えてきて、なんだか巨大な表になってしまいました。累積死亡者数から計算したニューヨーク州のdoubling time(倍加時間)は1週間前の6.0日から12.4日に延びています。指数関数的に増えていた累積死亡者数が直線的になり、徐々に頭打ちになってきました。素晴らしい!やはりアメリカらしく、力でコロナをねじ伏せつつあるのでしょう。もっとも英語版ウイキペディアを見ていると、ニューヨーク州のドタバタぶりも、日本に負けず劣らず。コロナウイルスに対して楽観派と悲観派が分かれて論争に明け暮れているのは何処も同じ。楽観派の最たるものが、ニューヨーク市の保健局長で小児科医のオキシリス・バーボット氏です。「皆さん、普通の生活をしましょう」とか「病気の人との同乗はリスクになりません」などと発言していました。民主党と共和党の市議が連名で「手遅れにならないうちに彼女をクビにしてくれ」とデブラシオ市長に手紙を送ったくらいです。また、ニューヨーク州のゴルフ場が過密状態になってしまったのも笑えるところ。隣接するニュージャージー州やペンシルベニア州から人々が殺到したのです。これらの州でゴルフ場がクローズされたのに、なぜかニューヨーク州ではゴルフ場がオープンのままだったのがその原因。あわててクオモ知事がゴルフ場を essential business のリストから外しました。日本でも茨城県のパチンコ屋の駐車場が県外ナンバーの車だらけになったそうですが、そっくりですね。東京と大阪に目を向けると、残念ながら累積死亡者数のdoubling timeが縮まりつつあります。1週間前と比べて東京が11.7日から8.0日へ、大阪が12.0日から7.0日へ。Nが小さすぎるために、誤差が大きく出ているのならいいのですけど。日常診療では、皆さんそれぞれに工夫を凝らしています。たとえば、コロナ疑いの患者さんの検体採取はできるだけ自家用車の中か屋外でやるようになりました。患者さん本人が検体容器に痰を出すので、こちらが感染するリスクはほぼゼロ。貴重なPPE(personal protective equipment:個人防護具)を消費することもありません。誰が作ったのか、手製のフェイスシールドも救急室には置いてありました。ヘッドバンドにクリアファイルを貼りつけた簡単なものですが、あれば随分心強いです。あと、大切なことは、常に明るい気持ちを持ち続けることでしょうか。ある芸人さんが「お笑いほど不要不急なものはない」と言ってましたが、とんでもない!今こそ笑って難局に立ち向かうことが大切だと私は思います。ということで最後に1句 コンテイジョン 工夫とギャグで 乗り切ろう! 

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第4回 新型コロナ、アカデミアと臨床医が会議設立したワケ

メディアは日々、新型コロナウイルスの感染症数や死亡者数を報じている。コロナの終息のみならず、休業要請などによりわれわれの生活ですら見通しが立たない中、増加する一方の感染者数や死亡者数の累積数ばかりを見せつけられては不安感が増すばかりだ。そうしたことが、買い占めなどを誘発している面がある。都内から茨城県内のパチンコ店への“遠征”や、長野県・軽井沢や沖縄県・石垣島などへの“コロナ避難”も、行く先の地域のコロナ患者の受け入れ態勢の情報がないことから、自身が感染したり、当地の人に感染させてしまったりした場合の地域へのダメージや、医療機関の受け入れの可否に思いが至らない面があるのではないだろうか。都道府県内の自治体ごとに、退院者数・完治者数、確保されているベッド数や使用されているベッド数、軽症者の宿泊療養施設数なども、行政やメディアには日々公表してほしい。地域の住民は、地元の細やかな情報をこそ求めているのだ。買い物なども、そのような情報があれば違う地域へ行く選択肢ができる。商店街の混雑情報などもスマホなどで見ることができるサービスがあれば、なお良い。自治体で情報提供専属の人材を採用すれば、雇用対策にもなる。市民目線の欠如という点では、安倍晋三首相の「何様」批判を招いたSNS動画、麻生 太郎副総理兼財務相の「手を挙げたら10万円給付」発言、国会議員の歳費2割削減などがある。安倍・麻生両氏は苦労知らずの3世議員だ。とくに麻生副総理は、国民への現金給付に関して限定的な給付にこだわる一方で、国際通貨基金(IMF)の途上国支援基金にはポンと5,500億円を追加、融資枠を2倍に引き上げる気前の良さを見せた。途上国支援も重要だが、今は国内対策で少しでも国民の不安を払拭するのが優先ではないだろうか。官僚においても同様だ。政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で現状分析や提言などを行っているが、医療系の構成員の視点に対し、事務方の官僚からの経済的な視点が入ってしまい、感染症や公衆衛生の「専門家」の提言としては政治色を帯びた内容にならざるを得ない。このような状況下、日本医師会は4月18日、アカデミアと臨床医による「COVID-19 医学有識者会議(仮称)」を立ち上げ、初会合を開いた。医療現場の症例からデータベースを作り、治療や検査の知見を現場で共有したり、対策を提言したりしていくという。新型コロナ対策ではエビデンス不足が指摘されているだけに、医療現場からの期待は大きそうだ。座長は永井 良三氏(自治医科大学学長)だが、立ち上げの中心は副座長の笠貫 宏氏(早稲田大学特命教授)だ。構成員の1人は「笠貫教授がアカデミアの動きが鈍いことに憤りを覚え、3日前に日医の横倉 義武会長らに声を掛け、賛同した医療界を代表するような医療人16人で立ち上げた」と打ち明ける。新型コロナ対策では政府らの対応の遅さがたびたび批判される中、この会議の設立はスピーディーだった。ある意味、市民目線の動きといえる。

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化学療法+ICI、初の長期フォローアップデータ【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第13回

第13回 化学療法+ICI、初の長期フォローアップデータ1)Gadgeel S, Rodriguez-Abreu D, Speranza G, et al. Updated Analysis From KEYNOTE-189: Pembrolizumab or Placebo Plus Pemetrexed and Platinum for Previously Untreated Metastatic Nonsquamous Non-Small-Cell Lung Cancer. J Clin Oncol. 2020 Mar 9. [Epub ahead of print]NSCLCの標準治療を大きく変えることになったKEYNOTE-189試験(化学療法+免疫チェックポイント阻害剤[ICI]vs.化学療法の第III相試験)。ICIを用いた多くの試験同様、アップデート解析が今回報告された。長期生存・長期無再発はどのような集団で得られているのか、PD-L1検査の意義は…簡潔に紹介する。アップデートの内容フォローアップ期間の中央値は当初報告(Gandhi L, et al. NEJM. 2018;378:2078-2092.)における10.5ヵ月から、今回23.1ヵ月となった。PFS、OSのアップデートに加え、PFS2の解析が追加されている。なおPFS2の定義は「ランダム化から、(1)主治医判断による2次治療の病勢進行(PD)まで、もしくは(2)2次治療をPD以外で終了した場合は3次治療開始まで、あるいは(3)これら以外の死亡まで」とされている。IMpower試験(アテゾリズマブ)で話題となった、肝・脳転移の有無に関するサブセット解析が追加された。なおKN189試験では全体の16~18%の症例が肝・脳転移を有している。結果以下、Pembro群vs.Placebo群:初回報告→アップデートの順に紹介する(単独の結果記載はアップデートデータのみ)。MST:未到達vs.11.3ヵ月(HR 0.49)→22.0ヵ月vs.10.7ヵ月(HR 0.56)2年生存率:45.5% vs.29.9%PD-L1別のHR(≧50%/1~49%/<1%):0.42/0.55/0.59→0.59/0.62/0.52mPFS:8.8ヵ月vs.4.9ヵ月(HR 0.52)→9.0ヵ月vs.4.9ヵ月(HR 0.48)2年PFS率:20.5% vs.1.5%PD-L1別のHR(≧50%/1~49%/<1%):0.36/0.55/0.75→0.36/0.51/0.64PFS2:17.0ヵ月vs.9.0ヵ月(HR 0.49)PD-L1別のHR(≧50%/1~49%/<1%):0.47/0.59/0.46肝転移・脳転移の有無は予後不良因子ではあるが、ペムブロリズマブ追加の効果予測因子ではなかった。追加期間において、新規の免疫関連有害事象の発生は少なかった。解説本研究の強み・興味深い点化学療法+ICIにおける初めての長期フォローアップデータ。PD-L1の有無によらず、同程度のHRが示された。一方で、長期無再発の観点でPFSを見てみると、PD-L1 50%をカットオフとして差が顕著になっている。PD-L1≧50%で曲線がプラトーになりつつある一方で、1~49%、<1%ではほぼ全例が増悪を呈している。まとめると、3剤併用はPD-L1の有無によらず選択可能、ただしその後の戦略は大きく異なる。PD-L1≧50%では3人に1人が2年間以上無増悪を期待できる。PD-L1 50%未満では、10ヵ月前後で増悪する可能性が高く、次治療を考慮する。肝転移・脳転移の有無は治療選択には大きく影響しない。総じて、日常臨床に影響するようなデータはなし。その他のポイントコントロールアームの治療成績(MST 10.7ヵ月)が本邦の一般的な印象に比してかなり悪いので、HRの解釈には少し注意が必要かもしれない。PD-L1 50%未満に対して今後はどのような治療戦略が期待されるのか? 化学療法+ICIにさらなる薬剤追加はなかなか難しいと思われる(ベバシズマブは症例を選べば可能だが…)。2019年にはKRAS変異とPD-L1発現・化学療法+ペムブロリズマブの有効性を検討したサブ解析が話題を呼んだ(Gadgeel S, et al. ESMO-IO 2019.)。バイオマーカーについて、今後追加の報告があるのか、にも注目したい。

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血圧変動と認知症リスク~コホート研究

 血圧の来院時変動と一般集団における認知症発症率および認知症サブタイプとの関連を調査するため、韓国・Seoul National University HospitalのJung Eun Yoo氏らは、人口ベースのレトロスペクティブコホート研究を実施した。Hypertension誌2020年4月号の報告。 韓国国民健康保険データベースを用いて、2005~12年に3回以上の健康診断を受けた認知症既往歴のない784万4,814例を対象とした。血圧変動性(BPV)は、平均、変動係数、SDとは独立した変動性を用いて測定した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間の中央値6.2年間で、認知症の発症は以下のとおりであった。 ●すべての認知症:20万574例(2.8%) ●アルツハイマー病:16万5,112例(2.1%) ●血管性認知症:2万7,443例(0.3%)・高BPVとアウトカム測定値との間に、線形の関連が認められた。・多変量調整モデルでは、すべての認知症発症における、平均とは独立したBPVの最高四分位のハザード比は、最高四分位以外と比較し、以下のとおりであった。 ●拡張期血圧のみ:1.06(95%CI:1.04~1.07) ●収縮期血圧のみ:1.09(95%CI:1.08~1.11) ●収縮期血圧、拡張期血圧の両方:1.18(95%CI:1.16~1.19)・他の変動性の指標、さまざまな感度分析、サブグループ解析において、アルツハイマー病と血管性認知症で、一貫したアウトカムが認められた。 著者らは「BPVは、認知症およびそのサブタイプの発症を予測する独立した因子であった。より高いBPVと認知症発症率との間に、用量反応関係が認められた。BPVの低減は、一般集団が認知症を予防するための目標となりうる可能性がある」としている。

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COVID-19、早期診断や重症化の因子は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019、COVID-19)の予測モデルに関する公表・公表前の試験結果についてシステマティック・レビューを行ったところ、31個の予測モデルが見つかったが、大半でバイアスリスクが高く、それら予測モデルを医療現場で活用することには、信頼性の点で懸念があることが示された。オランダ・マーストリヒト大学のLaure Wynants氏らによる検討で、BMJ誌2020年4月7日号で発表した。COVID-19は世界中の医療システムに負荷をもたらしており、効果的な早期検出、診断および予後に関する差し迫ったニードが生じている。ウイルス学的検査、胸部CTは診断の標準方法となっているが時間を要する。一方、先行研究報告で、高齢で、慢性疾患(COPD、心血管疾患、高血圧)がある患者や呼吸器症状のある患者は、重症となりやすく死亡率も高まることが示唆されていた。PubMed、Embase、medRxivなどをレビュー 研究グループは、COVID-19の感染が疑われる患者の診断に関する予測モデル、および罹患者の予後に関する予測モデル、さらにCOVID-19で入院となるリスクがある人を一般集団で検出するための予測モデルについて、公表・公表前の報告をレビューおよび批評した。 PubMed、Embase、Ovid、Arxiv、medRxiv、bioRxivを基に、2020年3月24日までに発表されたCOVID-19に関する試験結果についてシステマティック・レビューを行った。COVID-19関連の多変量予測モデルの開発または検証に関する試験を抽出し、評価した。2人以上の著者がCHARMSチェックリスト(予測モデル試験のシステマティック・レビューのためのクリティカルな評価とデータ抽出を行うためのツール)を用いてそれぞれがデータの抽出を行った。診断モデル18件、予後予測モデルは10件 スクリーニングを行った2,696本の論文中に、27試験・31個の予測モデルの記述があった。 そのうち、一般集団における肺炎およびその他イベント(COVID-19肺炎の代替アウトカムとして)による入院の予測モデルは3個、COVID-19感染を検出する診断モデルは18個(うちCT画像検査の結果に基づく機械学習が13個)、死亡リスクや重症化進行リスク、および入院日数を予測する予後モデルは10個だった。また、中国以外の患者データを用いていたのは1試験のみだった。 感染が疑われる患者について最も多かった予測因子は、年齢、体温、徴候および症状であり、また、重症化について最も多かった予測因子は、年齢、性別、CT画像検査の所見、CRP、乳酸脱水素酵素値、リンパ球数だった。 予測モデルのC統計量は、一般集団を対象としたモデル(3モデルすべてで報告)は0.73~0.81、診断モデル(18モデルのうち13モデルで報告)は0.81~0.99超、予後モデル(10モデルのうち6モデルで報告)は0.85~0.98だった。 一方で、全試験についてバイアスリスクが高く、予測モデルを実際に活用した際の予測能は試験結果より低い可能性が高いとの評価が示された。理由としては、被験者にCOVID-19患者以外が含まれていない(診断モデル)、試験終了までに評価アウトカムが発生しなかった被験者は除外されている(予後モデル)、およびサンプルサイズが小さいことによるモデルの過剰適合などだった。 結果報告の質にもばらつきがあり、多くが試験対象集団や予測モデルの使用意図についての説明がなく、また予測の較正はほとんどされていなかったという。

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RCTの事前登録順守率、インパクトファクターと相関/BMJ

 世界保健機関(WHO)は2008年にヘルシンキ宣言を改訂し、その後2015年に臨床試験登録国際プラットフォームを設置して、臨床試験の事前登録を勧告している。カナダ・トロント総合病院のMustafa Al-Durra氏らによる検討の結果、勧告にのっとり事前登録した試験の割合は、全登録試験の約42%と低いことが明らかになった。無作為化試験(RCT)の事前登録は、試験結果の選択的な報告を減らすものと見なされている。これまで行われた研究では、RCTの事前登録の順守率は低いものでは4%、高いものでは77%と報告されていた。BMJ誌2020年4月14日号掲載の報告。PubMed、17の臨床試験レジストリなどへの登録を調査 研究グループは、公表されたRCTの事前登録とレジストリの登録番号(TRN:trial registration number)の対応状況を評価し、また論理的根拠を解析し、選択的登録バイアス、遡及的な試験登録を検出する検討を行った。 PubMed、WHOの臨床試験登録国際プラットフォームに含まれる17の臨床試験レジストリ、トロント大学図書館、国際医学編集者会議(ICMJE)の会員雑誌、文献間の引用・被引用関係を分析したInCites Journal Citation Reportsを対象に調査を行った。 WHO臨床試験レジストリに登録されたRCTと、2018年までにPubMedに登録された雑誌に公表された試験について断面解析を行った。レジストリへの事前・事後登録率と、ICMJE会員雑誌での発表との関連などを検証した。ICMJE会員雑誌で発表の試験、TRN記載は約5.8倍に 医学雑誌2,105誌で研究結果が発表された、1万500試験について分析を行った。 全体では、TRNが報告されていたのは71.2%(7,473/1万500試験)だった。また、レジストリへの登録日や被験者の参加日などが確認できた7,218試験のうち、事前登録を行っていたのは41.7%(3,013/7,218試験)だった。 単変量・多変量解析の結果、TRNの報告とインパクトファクターおよびICMJE会員雑誌の間には有意な関連が認められた(p<0.05)。試験結果へのTRNの記載は、ICMJE会員雑誌の場合、非会員雑誌に比べ5.8倍多かった(オッズ比[OR]:5.8、95%信頼区間[CI]:4.0~8.2)。また、公表試験のレジストリへの事前登録率は、ICMJE会員雑誌で発表されていた試験が非会員雑誌に比べ1.8倍多かった(1.8、1.5~2.2)。 また、レジストリ登録日と試験結果の雑誌への投稿までの期間が1年未満だった試験のうち85.2%(616/723試験)が雑誌投稿後に事後登録しており、選択的登録バイアスという新たなバイアスが存在する実態も判明したという。事後登録は、被験者登録開始後3~8週間で行われている割合が高かった。 事後登録され、ICMJE会員雑誌に公表された286試験(RCT)のうち、著者が登録の遅れを正当化するステートメントを表明していたのは2.8%(8/286試験)だった。理由としては、認識不足、作為のない誤り、予想より登録プロセスに時間を要した、などであった。

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