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COVID-19患者、ウイルス排出期間中央値が20日/Lancet

 新型コロナウイルスへの感染が確認された成人入院患者について調べたところ、高齢、高Sequential Organ Failure Assessment(SOFA)スコア、Dダイマー値1μg/L超が、院内死亡リスク増大と関連することが示された。また、生存者のウイルス排出期間中央値は20.0日であった。中国・北京協和医科大学付属医院のFei Zhou氏らが、患者191例について行った後ろ向きコホート研究を報告した。Lancet誌オンライン版2020年3月9日号掲載の報告。1月末までに退院・死亡した患者を比較 研究グループはCOVID-19患者について、疫学的および臨床的特性は報告されているが、死亡リスク因子やウイルス潜伏期間など詳細な臨床経過は十分に描出されていないことから今回、後ろ向き多施設コホート研究を行った。 対象は、中国湖北省武漢市の金銀潭病院とWuhan Pulmonary Hospitalに入院し、2020年1月31日までに退院または死亡した18歳以上の患者。患者に関する人口統計学的特性、臨床、治療、ウイルスRNA検出のために連続的に採取された検体に関する情報などの検査データを電子医療記録から抽出し、生存者と非生存者の比較を行った。 単変量および多変量解析を行い、入院中の死亡と関連したリスク因子を調べた。年齢1歳増加で死亡リスクは1.1倍に 解析対象患者は191例(金銀潭病院135例、Wuhan Pulmonary Hospital 56例、年齢中央値56.0歳[範囲:18~87]、男性62%)で、そのうち137例が退院し、入院中の死亡は54例だった。 対象患者のうち91例(48%)は併存疾患があり、そのうち高血圧症が最も多く58例(30%)、糖尿病36例(19%)、冠動脈性心疾患15例(8%)だった。 多変量解析の結果、院内死亡リスク増大と関連していたのは、入院時において、高齢(1歳増加当たりのオッズ比[OR]:1.10、95%信頼区間[CI]:1.03~1.17、p=0.0043)、高SOFAスコア(OR:5.65、95%CI:2.61~12.23、p<0.0001)、Dダイマー値が1μg/L超(同:18.42、2.64~128.55、p=0.0033)だった。 生存者におけるウイルス排出期間中央値は20.0日(IQR:17.0~24.0)であったが、非生存者は死亡までCOVID-19の起因ウイルス(SARS-CoV-2)が検出可能だった。なお生存者においてウイルス排出が観察された最長期間は37日だった。 結果を踏まえて著者は、「医師が患者の予後不良を予見可能なリスク因子として、初期段階で高齢、高SOFAスコア、Dダイマー値が1μg/L超であることだ」と述べるとともに、「ウイルス排出が長期にわたることは、今後の感染患者の隔離および最適な抗ウイルス治療戦略の理論的根拠となる」とまとめている。

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ARDSの目標PaO2値、55~70mmHgの生存率/NEJM

 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対し、動脈血酸素分圧(PaO2)の目標値を55~70mmHgに制限した酸素療法は、PaO2目標値を90~105mmHgにした酸素療法に比べ、28日生存率が上昇しないことが、フランス・フランシュ・コンテ大学のLoic Barrot氏らが行った多施設共同無作為化試験の結果、示された。ARDS患者に対する酸素療法のPaO2目標値は、55~80mmHgとすることを米国国立心肺血液研究所のARDSネットワークは推奨しているが、同閾値の妥当性を前向きに検証したデータは不足していた。研究グループは、同閾値の下限値目標がARDS患者のアウトカムを改善すると仮定して検証試験を行った。NEJM誌2020年3月12日号掲載の報告。 PaO2目標値90~105mmHgとの比較で28日後の全死因死亡率を比較 研究グループは2016年6月~2018年9月にかけて、フランス13ヵ所のICU部門を通じてARDS患者を無作為に2群に分け、一方の群には制限的酸素療法(PaO2目標値:55~70mmHg、パルスオキシメーター測定による酸素飽和度[SpO2]:88~92%)を、もう一方の群には非制限的酸素療法(同90~105mmHg、96%以上)を、それぞれ7日間実施した。 人工呼吸管理戦略は、両群ともに同様だった。主要アウトカムは、28日時点の全死因死亡だった。安全性への懸念、群間有意差が出ない可能性から試験は早期に中止 本試験は被験者を205例登録した時点で、安全性への懸念と、主要アウトカムで2群間に有意差が出る可能性が低いとのデータ・安全性モニタリング委員会の判断により、早期に中止となった。 適格基準を満たさなかった4例を除き、28日時点の死亡は、制限的酸素療法群99例中34例(34.3%)、非制限的酸素療法群102例中27例(26.5%)だった(群間差:7.8ポイント、95%信頼区間[CI]:-4.8~20.6)。 90日時点の死亡は、それぞれ44.4%、30.4%で、制限的酸素療法群で有意に高率だった(群間差:14.0ポイント、95%CI:0.7~27.2)。年齢、PaO2/FiO2比、SAPS IIIスコア(Simplified Acute Physiology Score III)で補正後の、90日総死亡に関する制限的酸素療法群のハザード比は1.62(95%CI:1.02~2.56)だった。 なお、制限的酸素療法群で腸間膜虚血イベントが5件認められた。

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ICUにおける予防的なPPI投与はH2RAと比べて死亡抑制効果があるのか?(解説:上村直実氏)-1204

 ICUに入院して人工呼吸器を装着される患者の多くに対して、致死的な出血性ストレス潰瘍の発症を予防する目的でプロトンポンプ阻害薬(PPI)またはヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)が使用されている。従来、上部消化管出血予防に対する有用性はH2RAに比べてPPIのほうが優ることが報告されている。しかし、PPIによる予防戦略が院内死亡率の低下についてもH2RAに比べて有用性が高いかどうかは明確になっていない。今回、オーストラリア、カナダ、英国、アイルランド、ニュージーランドの5ヵ国50施設のICUが参加したRCTの結果、上部消化管出血の予防には従来通りH2RAよりPPIが有効であるが、院内死亡率に関しては両者に差がないことがJAMA誌オンライン版に報告されている。 本研究で使用された研究デザインは「非盲検クラスター・クロスオーバー無作為化試験」であり、日本ではなじみの薄いものである。すなわち、本試験では、地域別ないしは施設ごとに使用する薬剤であるPPIとH2RAの使用する順番をランダムに決定し、さらにはその両薬剤をスイッチする時期に関して担当医師の裁量を加味するという複雑なデザインである。 研究結果として、地域ごとの治療反応に統計学的に有意な不均一性が存在することが明らかとなり、PPIとH2RA両薬剤の上部消化管出血予防に対する有用性がそれぞれの地域や施設において異なる結果となっていることは、本研究結果の解釈を難しいものとしている。さらには参加した国々における人種や医療に対する姿勢などの違いによるバイアスの存在が示唆されるなど、本研究自体の信頼性に疑問を呈する臨床論文になったように思われた。日本国内や国際臨床試験に参加する場合には、得られる結果を見越して研究デザインを十分に練ることが重要であることを学んだ論文である。

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シェアード・ディシジョン・メイキングをシェアしたい!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第21回

第21回 シェアード・ディシジョン・メイキングをシェアしたい!今回は、シェアード・ディシジョン・メイキング(Shared decision making)を紹介したいと思います。皆さんご存じのように、EBMは根拠(evidence)に基づく(based)医療(medicine)の頭文字です。最良の治療方針を決定するには、エビデンスに基づいて判断しなければなりません。そのエビデンスを構築する土台が臨床研究です。臨床研究は、介入研究と観察研究に大別されます。ランダマイズ研究は介入研究の代表です。患者を2つのグループにランダム化し、一方には新規の治療や薬物の介入を行い、他方には従来から行われている治療を行います。一定期間後に病気の罹患率・生存率などを比較し、介入の効果や安全性を検証します。ランダマイズ研究では、どのような患者を研究に組み入れるか、逆に除外するかという参加基準を設定して研究を遂行します。そこから得られるエビデンスのレベルは高く、EBMの中核を構成します。レジストリ研究は、観察研究の1つで、研究対象となる疾患の患者の情報を順次データベースに登録し、使用した薬物や治療法による経過の優劣について、統計学的に比較するものです。ランダマイズ研究とレジストリ研究の意味を考えさせられる面白いデータを紹介しましょう。EAST試験のサブ解析の論文です(Am J Cardiol 1997; 79: 1453-59)。20年以上昔の古い臨床研究ですが、循環器領域の医師だけでなく、すべての医療関係者に知っていてほしい興味深い内容です。お付き合いください。EAST試験は冠動脈多枝疾患に対する血行再建法を比較するランダマイズ試験です(N Engl J Med 1994; 331: 1044-50)。参加基準を満たし組み入れ可能と判断された842例中、実際にCABGかPCIいずれかにランダム化されたのは392例でした。残り450例は、担当医と患者が相談し、個々の事例にあわせて最善と思われる血行再建法が選択されました。このランダム化されなかった患者は、レジストリ群として登録され解析されました。その結果、レジストリ群の3年生存率は96.4%で、ランダム化群の 93.4%と比較して有意に優れていたのです。EAST研究の本来の目的は、CABGとPCIの比較ですが、ランダム化したどちらの群の治療成績よりも、レジストリ群の治療成績が優れていたのです。この解釈は難しいですが、ランダム化してCABGとPCIの優劣に決着をつける以前に、医師は個々の患者の状態に合わせて、CABGとPCIの適切な選択ができていたことを意味します。医師の存在価値が証明された素晴らしい内容です。このレジストリ群では、「Shared decision making」が実践されていた可能性が高いと、自分は推察しています。EBMに基づいて確実性の高い治療法が選択できる場合には、「Informed consent」で問題はありません。治療法間の差が明確ではなく、絶対的に優れている治療法がない場合には、「Shared decision making」の出番です。これは決してEBMを否定するものではなく、治療法の優劣に不確実性のある場合に用いられる手法です。医療者と患者がエビデンスを共有(シェア)して一緒に治療方針を見つけ出していく手法で、「共有意思決定」とも称されます。数字としての治癒率や生存率の数値の優劣だけでなく、各治療法への患者の希望(選好: preference)や価値観も総合して、適切な治療法を一緒に考えていくものです。循環器領域だけでなく、治療法の選択肢が増えているがん治療の現場で、必要とされていくことが予測されます。ぜひとも、この「Shared decision making」を皆様とシェアしたいと思い紹介しました。今回は少し重い内容になってしまい、本コラムのテーマでもある猫の出番がないことが残念です。お許しください。

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新型コロナ感染拡大防止でオンライン服薬指導が可能に【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第44回

新型コロナウイルスに関する報道が始まって以降、患者さんから新型コロナウイルスに関する問い合わせは増え続けているのではないでしょうか。一般的な公衆衛生や感染予防の知識はあっても、情報が錯綜している中で最新の情報を収集し、一般の方々に提供するというのは本当に難しいことだと身をもって感じています。そのような中、新たな感染拡大を防ぐ目的で、厚生労働省が事務連絡を発出しました。厚生労働省は3月2日までに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止を目的とした電話やテレビ電話での診察について、医療機関は「オンライン診療料」(月70点)ではなく「電話等再診料」(月73点)を算定すると明確化した。処方箋を発行し、FAXなどで薬局に送付した場合は「処方箋料」も算定できる。(2020年3月3日付 RISFAX)新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、2月28日に厚生労働省より事務連絡「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」が発出されました。内容としては、高血圧症や糖尿病などの慢性疾患で何度も同じ病院にかかっている患者さんに対しては、病院に来なくても電話などで医師の診察を受けることができ、処方箋情報をFAXで薬局に流すことでいつもの薬を渡すことができますよ、というものです。感染拡大を防止するためによい取り組みだと思いますが、いくつか注意点があるので薬局に関わるFAX処方箋調剤の流れを抜粋して紹介します。患者さんからFAXなどで処方箋情報を受け付けた薬局は、処方箋の真偽を確認するため、処方医が所属する医療機関に処方箋の内容を確認する。直接医療機関からFAXなどで処方箋情報を受け付けた場合は、上記の真偽確認は不要。医療機関から処方箋原本を入手するまでの間は、FAXなどにより送付された処方箋情報を「処方箋」と見なして調剤を行う。服薬指導は電話や情報通信機器を用いて行うことができる。調剤した薬剤は、当該薬剤の品質の保持や、確実な授与がなされる方法で患者さんへ渡す。長期処方に伴う患者さんの服薬アドヒアランスの低下や薬剤の紛失などを回避するため、調剤後も必要に応じてフォローする。(「新型コロナウイルス感染症患者の増加に際しての電話や情報通信機器を用いた診療や処方箋の取扱いについて」(2020年2月28日厚生労働省医政局医事課、医薬・生活衛生局総務課事務連絡)より改変)患者さんからのFAXの場合と、医療機関からのFAXの場合では扱いが異なることに注意が必要です。原則は医療機関から処方箋情報を送ることになりますが、もし患者さんからFAXが送られてきた場合は、その内容に疑義がなくても医療機関に確認することが求められています。患者さんが複数の薬局にFAXを送って、複数の薬局から重複して薬を受け取ることを避けるためです。薬の受け渡し方法や支払い方法は各薬局が定めることになりますが、私の周りでは宅配便で薬を配送し、支払いは再来局時などの後払いという薬局が多そうです。後で処方箋原本を受け取ることを忘れないようにしましょう。また、同日に報酬の取り扱いに関するQ&Aも発出されています。それによると、FAXなどで処方箋情報を受け付けた薬局がその処方箋情報を基に調剤を行った場合でも、調剤技術料および薬剤料は算定することができます。また、電話で服薬指導を行った場合に、その他の要件を満たしていれば、薬剤服用歴管理指導料などを算定することも可能ですので、普通の処方箋を受け付けた場合と同様の対応となりそうです。患者さんへの対応を薬歴へ記載する必要がありますので、薬局内で十分に記録を残す旨の情報共有をしましょう。2018年度の診療報酬改定でオンライン診療に関する評価が新設され、2020年度の改定でも点数構成が見直されましたが、オンライン服薬指導については国家戦略特区内で実証的に行われているのみです。今回の対応はあくまでも新型コロナウイルス対策ですが、薬機法が改正されると特区以外でもオンライン服薬指導は可能になりますので、普及きっかけになればいいなと思っています。個人的にはこのご時世にまだFAXか…というちょっと落胆した気持ちもありますが。※本コラムは2020年3月18日に掲載いたしましたが、その後2020年4月10日に新たな通知「新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて」が発出され、本コラムで紹介した通知は廃止されています。

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第16回 かなりヤバい?2020改定、処方箋単価はいくら下がるのか?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説2020年度調剤報酬改定はどこが下がって、なにが上がる?いつもの処方箋の単価はズバリいくら下がるのか、簡潔にお伝えします。またプラス要素としては薬剤師のフォロー・アセスメント・フィードバックに点数がつくようになりました。いよいよ本領発揮となる薬剤師へ狭間先生からのエール!

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がん患者が過剰摂取しやすいサプリメントは?

 多くのがん患者は、がん診断後に栄養補助食品を使い始める傾向にある。そのため、がんではない人と比べ、どのような栄養補助食品が、がんサバイバーの総栄養摂取量に寄与しているかを検証する必要がある。今回、米国・タフツ大学のMengxi Du氏らは「がんではない人と比較した結果、がんサバイバーへの栄養補助食品の普及率は高く、使用量も多い。しかし、食品からの栄養摂取量は少ない」ことを明らかにした。研究者らは、「がんサバイバーは食品からの栄養摂取が不十分である。栄養補助食品の短期~長期的使用による健康への影響について、とくに高用量の摂取では、がんサバイバー間でさらに評価する必要がある」としている。Journal of Nutrition誌オンライン版2020年2月26日号掲載の報告。 研究者らは、がんサバイバーの総栄養摂取量のうち栄養補助食品から摂取されている栄養素を調べ、がんではない人との総栄養摂取量を比較する目的で、2003~16年の米国国民健康栄養調査(NHANES)に参加した成人がんサバイバー2,772人と、がんではない3万1,310人を調査。栄養補助食品の普及率、用量および使用理由について評価した。 主な結果は以下のとおり。・がんサバイバーとがんではない人の栄養補助食品の普及率は70.4% vs.51.2%と、がんサバイバーで高かった。同じく、マルチビタミン/ミネラルの普及率は48.9% vs.36.6%で、ビタミン系11種類、ミネラル系8種類の使用の多さが報告された。・全体的に、がんサバイバーは栄養補助食品からの栄養摂取量が有意に多く、大部分の栄養素は食品からは取れていなかった。・がんサバイバーは、がんではない人と比較して食品からの栄養摂取量が少ないため、葉酸、ビタミンB6、ナイアシン、カルシウム、銅、リンの摂取量が不十分な人の割合が高かった(総栄養摂取量<平均必要量[EAR:Estimated Average Requirement]または栄養所要量[AI:Adequate Intake])。・その一方で、がんサバイバーはビタミンD、ビタミンB6、ナイアシン、カルシウム、マグネシウムおよび亜鉛を栄養補助食品から多く取っていることから、これらを過剰摂取(総栄養摂取量≧許容上限摂取量[UL:tolerable upper intake level])している割合も高かった。・栄養補助食品を摂取するほぼ半数(46.1%)は、管理栄養士・栄養士に相談せずに独自に摂取していた。

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寝室の環境と不眠症との関係~RHINE-IIIの横断研究

 交通騒音は睡眠障害リスクを高めるといわれているが、不眠症状に対する交通関連の大気汚染の影響については、あまり知られていない。スウェーデン・ウプサラ大学のEmma Janson氏らは、交通への近接状況および交通騒音と不眠症との関連について調査を行った。Journal of Clinical Sleep Medicine誌オンライン版2020年2月5日号の報告。 対象は、Respiratory Health in Northern Europe(RHINE)研究に含まれる、1945~73年に北欧州の7つの医療センターで生まれた男女からランダムに選択された。寝室での交通騒音、寝室の窓からの交通近接状況、不眠症状についての情報を、自己報告により収集した。交通関連の大気汚染への曝露は、寝室の窓からの交通近接状況を代替として用いた。不眠症状は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒について評価した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象者は、1万2,963例であった。・交通騒音は、3つの不眠症状と正の相関が認められた。 ●入眠障害 OR:3.54、95%CI:1.85~6.76 ●中途覚醒 OR:2.95、95%CI:1.62~5.37 ●早朝覚醒 OR:3.25、95%CI:1.97~5.37・交通騒音を伴わない交通への近接は、入眠障害(OR:1.62、95%CI:1.45~1.82)との関連が認められた。 著者らは「不眠症のリスク因子として、交通騒音の影響がさらに認められた。騒音がなくとも交通への近接状況は、入眠障害リスクの増加との関連が認められた。不眠症が、交通騒音や交通関連の大気汚染の両方と関連している可能性が示唆された」としている。

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毎日1個の卵、アジア人は心血管疾患リスク低下の可能性/BMJ

 卵の中等度の消費(最大1日1個まで)は、心血管疾患全般のリスクを増加させず、アジア人ではむしろリスクを低下させる可能性があることが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のJean-Philippe Drouin-Chartier氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2020年3月4日号に掲載された。卵の消費と心血管疾患リスクの関連は、この10年間、激しい議論を呼ぶ主題となっているが、これまでに得られた知見では結論が出ていないという。コホート研究とこれを含むアップデートメタ解析 研究グループは、卵の摂取と心血管疾患リスクの関連を評価する目的で前向きコホート研究を行い、この研究結果を含めたアップデートメタ解析を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 米国の3つのコホート研究(Nurses’ Health Study[NHS、1980~2012年]、NHS II[1991~2013年]、Health Professionals’ Follow-Up Study[HPFS、1986~2012年])のデータが用いられた。ベースライン時に心血管疾患や2型糖尿病、がんに罹患していない集団(NHS[女性]8万3,349例、NHS II[女性]9万214例、HPFS[男性]4万2,055例)が解析に含まれた。 卵摂取の頻度で6つの群(月1個未満、月1~4個未満、週1~3個未満、週3~5個未満、週5~7個未満、1日1個以上)に分けた。卵は、卵黄を含む全卵とし、焼いた製品(例 ケーキ)や液状卵、卵白のみの場合は除外された。 主要アウトカムは、初発の心血管疾患(非致死的心筋梗塞、致死的冠動脈性心疾患、脳卒中)とした。 次いで、今回の研究と既報の前向きコホート研究のアップデートメタ解析が行われた。卵消費量が相対的に低い点に留意 米国の3つのコホート研究では、最長32年のフォローアップ期間(554万人年以上)に、1万4,806例が初発の心血管疾患を発症した。卵の消費量は、多くの参加者が週に1~5個未満だった。 卵の摂取量が多い参加者ほど、BMIが高く、身体活動が少なく、喫煙者が多かった。また、卵摂取量の多い参加者は、スタチン治療の割合や心筋梗塞の家族歴が少なく、2型糖尿病が多かった。さらに、高い卵摂取量は、高いカロリー摂取量と関連し、未加工の赤身肉、ベーコン、その他の加工肉、精製穀物、ジャガイモ、高脂肪分牛乳、コーヒー、砂糖入り飲料の摂取量が多かった。 多変量統合解析では、卵摂取と関連のある生活様式や食事因子で補正すると、1日1個以上の卵消費は、初発心血管疾患のリスクと関連しなかった(1日1個以上と月1個未満の比較のハザード比[HR]:0.93、95%信頼区間[CI]:0.82~1.05、p=0.16、1日1個増加のHR:0.98、0.92~1.04)。冠動脈性心疾患(p=0.22)および脳卒中(p=0.53)にも有意な関連は認められなかった。 一方、アップデートメタ解析では、この研究を含む28件の前向きコホート研究(日本のNIPPON DATA80、NIPPON DATA90などのデータを含む)が対象となった。 このアップデートメタ解析(リスク指標[risk estimate]33個、参加者172万108例、心血管疾患イベント13万9,195件)では、1日の卵摂取が1個増えても、心血管疾患リスクは増加しなかった(統合相対リスク[RR]:0.98、95%CI:0.93~1.03、I2=62.3%)。同様に、卵摂取量が最も多い集団と少ない集団の間にも、心血管疾患リスクには差がなかった(0.99、0.93~1.06、52.9%)。 冠動脈性心疾患(リスク指標21個、参加者141万1,261例、イベント5万9,713件、統合RR:0.96、95%CI:0.91~1.03、I2=38.2%)および脳卒中(22個、105万9,315例、5万3,617件、0.99、0.91~1.07、71.5%)についても、1日の卵摂取が1個増えた場合のリスクに差はなかった。いずれの疾患も、最高摂取量集団と最低摂取量集団の間にリスクの差はみられなかった。 卵摂取の1日1個増加と心血管疾患リスクの関連に関する地理的な層別解析(相互作用のp=0.07)では、米国(RR:1.01、95%CI:0.96~1.06、I2=30.8%)と欧州(1.05、0.92~1.19、64.7%)のコホートでは関連がなかったのに対し、アジア人のコホート(リスク指標10個、参加者68万5,147例、イベント9万100件、0.92、0.85~0.99、I2=44.8%)では逆相関の関係が認められた。 著者は、「この研究に含まれるコホートの平均的な卵消費量は相対的に低い。週に1~5個未満の参加者が多く、1日1個以上の参加者は相対的に少ないため、結果を解釈する際は、この消費レベルを考慮する必要がある」と指摘している。

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新型コロナ、無症状感染者の陰性化には9日間か―藤田医科大の症例報告

 国内における多くの新型コロナウイルス感染症の患者を出したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。乗員・乗客で、症状はないもののPCR検査によりSARS-CoV-2感染が確認された人(無症状病原体保有者)および感染者との濃厚接触歴が確認された人(濃厚接触者)を受け入れた藤田医科大学病院岡崎医療センター(愛知県岡崎市)が3月13日、このうち90例について日本感染症学会ホームページで経過を報告した。それによると、3月6日夜の時点で、90例中87例において2回連続のPCR陰性が確認された。初めて陽性と確認された日から起算して、陰性化に要した日数の中央値は9日(四分位範囲:6~11日、範囲:3~20日)であった。 報告の主な内容は以下のとおり。・当該施設へ感染者の受け入れは、2月18~26日に行われた。・90例の年齢中央値は59.5歳(四分位範囲:36~68歳、範囲:9~77歳)で、男性53例(59%)、女性37例(41%)。・入所後は1日2回の体温測定と酸素飽和度、自覚症状の確認のほか約48時間の間隔で鼻咽頭ぬぐい液を採取し、連続して2回のPCR陰性が確認されるまで検査を実施した。・90例のうち、81例(90%)で陰性化に6日以上を要した。・初回陽性確認日から6日目、7日目、8日目、9日目にPCR検査を行い、陰性化を確認できた累積割合は、それぞれ36%(32/90)、39%(35/90)、48%(43/90)、60%(54/90)だった。・90例中18例(20%)において、1回陰性を確認後、再度陽性となる現象が見られた。・90例中11例(12%)において、2回連続陰性が確認されるまでに15日以上を要した。 新型コロナウイルス感染症の無症状病原体保有者の退院の取扱いについて、厚生労働省は、陽性の確認から48時間後にPCR検査を行い、陰性が確認され、その検査の検体を採取した12時間以後に再度検体採取を行い、陰性が確認された場合に退院可能としている。しかし、本報告によれば、6日目までに陰性化した無症状病原体保有者は36%に留まっており、「陰性確認を行う場合の初回検査は、初回陽性PCRの検体採取日から数えて6日目以降に行い、これが陽性である場合は48時間後に再検するのが適切な可能性がある」としている。 また、本報告におけるクルーズ船上でのPCR検査は 2月13~22日に実施されており、「市中感染例などで濃厚接触後に迅速にPCR検査が行われ陽性だった場合の陰性化には、さらに日数を要する可能性もあると思われる」としている。

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新規RNAi治療薬givosiran 、急性肝性ポルフィリン症のEU承認を取得/アルナイラム

 RNAi治療のリーディングカンパニーであるアルナイラム社は、2020年3月3日、RNAi(RNA interference:RNA干渉)治療薬givosiranが、成人および 12 歳以上の未成年者の急性肝性ポルフィリン症(AHP)治療における、アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)を標的とする皮下注射剤として、欧州委員会(EC)より製造販売承認を取得したことを発表した。  AHPは、遺伝子変異により肝臓内の特定の酵素が欠如することで生じ、体内のポルフィリンが毒性量まで蓄積する疾患。 重症の腹痛、嘔吐および痙攣などの消耗性の発作を特徴とする希少疾患であり、発作中に麻痺や呼吸停止の可能性もあることから生命を脅かす危険もある。  ALAS1を標的とする RNAi治療薬givosiranは、ALAS1メッセンジャーRNAを特異的に低下させることで、AHPの発作やその他の症状の発現に関連する毒性を減少させる。  今回のEUにおける製造販売承認は、急性肝性ポルフィリン症(AHP)患者を対象として、givosiranの有効性と安全性を評価する、無作為化二重盲検プラセボ対照国際第III相 ENVISION試験の結果に基づくもの。当第III相試験において、givosiranはプラセボと比較して、入院、緊急訪問診療などの主要評価項目を有意に低下させることが示された。

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持続血糖測定器「FreeStyle リブレ」に新たな保険適用

 アボット ジャパン合同会社は、フラッシュグルコースモニタリングシステム 「FreeStyle リブレ」(以下「リブレ」)に、2020年4月1日より新たな保険が適用されると発表した。 リブレは、組織間質液中のグルコース値を記録するセンサーと、その測定値を読み取って表示するリーダーから構成され、500円玉大のセンサーを上腕後部に装着し、グルコース値を毎分測定する。センサーは防水性で、最長14日間装着でき、リーダーをセンサーにかざしスキャンするだけで、グルコース値を測定することができる持続血糖測定器。わが国では2017年9月1日より保険適用となっている。リブレによる従来までの血糖自己測定器の保険適用も維持 今回の診療報酬改定では、これまでの血糖自己測定の回数に応じた保険項目に加え、リブレを主とした新たな「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」という項目が設定され、リブレを主とした糖尿病の日常の自己管理を行うことが、この診療報酬の枠組みの下で可能となる。 この「間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」という新規保険項目は、強化インスリン療法施行中の患者または強化インスリン療法施行後に混合型インスリン製剤を1 日2 回以上使用している患者に適用される。ただ、従来までの血糖自己測定器の保険適用も維持されるため、新規項目での保険適用の対象とならないインスリン療法を受けている患者であっても、現在と同じ基準に基づき、リブレで血糖自己測定器加算の下で保険適用となる。 今回、新たな保険項目の設定で、医療従事者は対象患者に対して、血糖自己測定の回数に縛られることなく保険適用でリブレを処方することができるようになる。

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乾癬患者、生物学的製剤の用量低減戦略vs.通常ケア

 「生物学的製剤は、乾癬治療に革命をもたらした」。では、次なる一手として、症状が安定した後の同製剤の用量低減戦略は、通常ケアに対して非劣性なのか。オランダ・ラドバウド大学医療センターのSelma Atalay氏らによる無作為化試験の結果、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)スコアベースの評価では非劣性は示されなかったが、健康関連QOL(Dermatology Life Quality Index:DLQIなど)をベースとした評価では用量低減戦略の非劣性が示されたという。結果を踏まえて著者は、「リアルライフの設定で用量低減は可能だが、PASIとDLQIをモニタリングする厳格なスキームが不可欠である」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年2月12日号掲載の報告。 試験はオランダの6つの皮膚科部門で、2016年3月1日~2018年7月22日に行われた(実際的な非盲検前向き対照の非劣性無作為化臨床試験)。被験者は、慢性尋常性乾癬患者でアダリムマブ、エタネルセプト、ウステキヌマブによる治療を受け、疾患活動性が低く安定している120例。無作為に1対1の割合で用量低減群(60例)または通常ケア群(60例)に割り付けられ、用量低減群は皮下注投与の間隔を徐々に延長して、オリジナル投与量の67~50%となるまで用量が漸減された。 主要アウトカムは、12ヵ月時点でベースラインと比べて修正された疾患活動性スコアの群間差であり、事前規定の非劣性マージンは0.5とした。副次アウトカムは、PASIスコア、健康関連QOL(DLQI、SF-36など)、短期および持続性の発赤(PASIおよび/またはDLQIスコアの5超が3ヵ月以上と定義)を呈した患者の割合、用量漸減に成功した患者の割合であった。 主な結果は以下のとおり。・被験者120例(平均年齢54.0[SD 13.2]歳、男性82例[68%])のうち、追跡不能2例、プロトコール違反2例、プロトコール逸脱5例を除いた111例(用量低減群53例、通常ケア群58例)を対象にper-protocol解析が行われた。・12ヵ月時点のPASIスコア中央値は、用量低減群3.4(四分位範囲[IQR]:2.2~4.5)、通常ケア群2.1(0.6~3.6)で、平均群間差は1.2(95%信頼区間[CI]:0.7~1.8)であり、用量低減の通常ケアに対する非劣性は示されなかった。・12ヵ月時点のDLQIスコア中央値は、用量低減群1.0(IQR:0.0~2.0)、通常ケア群0.0(0.0~2.0)で、平均群間差は0.8(95%CI:0.3~1.3)であり、用量低減の通常ケアに対する非劣性が示された。・持続性の発赤に関して両群間に有意差は認められなかった(両群とも発生は5例)。・12ヵ月時点で用量漸減に成功していた用量低減群の被験者は28例(53%、95%CI:39~67)であった。・介入に関連した重篤な有害事象の発生は報告されなかった。

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慢性膵炎に伴う疼痛に対して内視鏡的治療か早期の外科的治療か?(解説:上村直実氏)-1203

 「慢性膵炎に伴う腹痛」に対する治療に関しては、最初に内科的保存治療(脂肪制限食+禁酒+NSAIDs、制酸剤+高用量膵酵素)が施行され、その無効例に対して砕石目的のESWLと主に狭窄部の拡張を目的とした内視鏡的治療(ステント装着および結石除去)が優先され、内視鏡的治療の無効例や再発例に対して外科的治療を選択することが一般的とされていたが、最近報告された観察研究やRCTの結果から外科的治療の有用性が見直されており、今回実施されたオランダの多施設共同RCTの結果、内視鏡的治療を先行して行う方法に比べて早期に実施する外科的治療のほうが、優れた疼痛緩和効果を示したことが再確認されている(Issa Y, et al. JAMA. 2020;323:237-247.)。 日本の『慢性膵炎診療ガイドライン2015』において「ESWLを含む内視鏡的治療は、慢性膵炎の腹痛に対して短期的にはきわめて有効であり長期的にも有効性を示すため、行うことを提案する」と、早期の内視鏡的治療を施行する有用性が記述されている。一方で「膵管の強い狭窄や屈曲蛇行などにより内視鏡的治療が容易ではないと予測される症例では起こりうる偶発症や治療期間も考慮に入れたうえで、当初より外科的治療を含めて治療方針を慎重に検討する必要がある」、さらに「慢性膵炎における膵管ステント治療の継続期間は1年前後をひとつの基準とし、無効例や腹痛が再燃する症例では外科的治療を考慮することを提案する」と、症例によっては早期の外科的治療を推奨している。以上、短期的な内視鏡的治療の有用性は明らかであるが、長期的な視野に立てば、症例によって、早期の外科的治療が考慮されるべきだと思われる。 「本論文において内視鏡的治療群の多くで内視鏡的手技が難しいために膵管の拡張を得られなかった」という成績は重要である。わが国の診療現場においても、種々の内視鏡的治療成績は技術的な施設間や術者間の格差に大きく影響されることが明白であり、今後、内視鏡的手術などの一定以上の専門技術を要する手技の有用性を検討する場合に、「施設間・術者間の技術格差」因子を加味する方法を考慮しなければならない場合もあると思われた。

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世界初の低侵襲処置で鼓膜の再生を促す治療剤「リティンパ耳科用250μgセット」【下平博士のDIノート】第45回

世界初の低侵襲処置で鼓膜の再生を促す治療剤「リティンパ耳科用250μgセット」今回は、鼓膜穿孔治療薬「トラフェルミン製剤(商品名:リティンパ耳科用250μgセット、製造販売元:ノーベルファーマ)」を紹介します。本剤は、自然閉鎖が見込めない鼓膜穿孔患者に対し、低侵襲な処置で鼓膜の再生を促し、聴力を回復させることが期待されています。<効能・効果>本剤は鼓膜穿孔の適応で、2019年9月20日に承認され、2019年12月9日より販売されています。<用法・用量>鼓膜用ゼラチンスポンジに100μg/mLトラフェルミン溶液全量を浸潤させて成形し、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部を隙間なくふさぐように留置します。本剤の投与4週間後を目安に鼓膜穿孔の閉鎖の有無を確認し、完全に閉鎖しなかった場合は、必要に応じて片耳あたり合計4回まで同様の投与を行うことができます。ただし、再投与にあたっては、各投与前に鼓膜、鼓室などの状態を確認した上で、穿孔の閉鎖傾向が認められないなど、本剤による鼓膜の閉鎖が見込まれない場合には、ほかの治療法への切替えを考慮する必要があります。<安全性>鼓膜穿孔6ヵ月以上経過した自然閉鎖が認められない鼓膜穿孔患者を対象とした臨床試験では、全解析対象例20症例中13例(65.0%)に、臨床検査値異常を含む有害事象が認められました(承認時)。主な有害事象は、耳漏7例(35.0%)、耳咽頭炎3例(15.0%)、喘息2例(10.0%)でした。なお、重篤な有害事象、中止に至った有害事象および死亡に至った有害事象は認められていません。<患者さんへの指導例>1.穿孔が生じた鼓膜を再生し、閉鎖するための治療法です。鼓膜細胞の増殖と鼓膜への血流量増加によって鼓膜の再生を促します。2.耳だれ、全身発赤、冷や汗、立ちくらみなどが起こる場合は受診してください。3.鼻を強くかんだり、すすったりするなど、耳に圧力がかかるようなことはしないでください。くしゃみ、咳は我慢せず自然に行い、鼻を手で押さえないでください。4.飛行機、高層エレベーターなどの気圧が大きく変化する乗り物はできるだけ避けてください。5.必要以上に耳に触れず、洗髪や入浴時は耳に水が入らないようにしてください。6.ゼラチンスポンジが外れたり、薬剤が溶け出したりすると、鼓膜の再生ができなくなることがあるので、処置後4週間はとくに注意してください。<Shimo's eyes>本剤は、世界初の鼓膜穿孔治療薬です。主成分のトラフェルミンを含有する外用薬としては、褥瘡・皮膚潰瘍(熱傷潰瘍、下腿潰瘍)治療薬(商品名:フィブラストスプレー)、歯周組織再生薬(同:リグロス)がすでに承認されています。鼓膜穿孔は、中耳炎、鼓膜チューブ挿入術、外傷などが原因で生じ、通常は自然に閉鎖します。状態によっては自然閉鎖が見込めない場合があり、その際は鼓膜形成術、鼓膜穿孔閉鎖術などが行われていますが、侵襲性が高いこと、聴力が低下する恐れがあること、複雑な形状の穿孔や大きな穿孔を閉鎖することができないなどの課題がありました。本剤を用いた治療は、従来必要とされていた外科手術を受けずとも、さまざまな穿孔の大きさや形状に幅広く対応することができます。使用方法は、鼓膜用ゼラチンスポンジに溶液を浸潤させて成形し、鼓膜穿孔縁の新鮮創化後、鼓膜穿孔部を隙間なく塞ぐように留置します。本剤の投与4週間後を目安に鼓膜穿孔の閉鎖の有無を確認し、閉鎖していない場合は片耳につき4回まで投与が可能です。鼓膜穿孔6ヵ月以上経過した自然閉鎖が認められていない鼓膜穿孔患者20例を対象とした国内第III相試験において、観察期16週目における鼓膜穿孔閉鎖の有無に基づく鼓膜閉鎖割合は75.0%、観察期16週目の聴力改善割合は100.0%でした。また、慢性鼓膜穿孔患者56例63耳を対象としたプラセボ対照比較試験において、鼓膜閉鎖割合は実薬群で98.1%、プラセボ群で10.0%であり、実薬群は、1回⽬で⿎膜閉鎖を認めた割合は77.4%、2回⽬は13.2%、3回⽬が5.7%、4回⽬が1.9%でした。元の状態に近い聴力の回復が見込めるため、鼓膜穿孔によって聞こえにくさや補聴器の効果不足を感じていた患者さんにとっては、非常に喜ばしいことでしょう。なお、海外において耳科用剤として本薬が承認されている国はありません。(2020年2月現在)参考1)PMDA リティンパ耳科用250μgセット

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新型コロナ感染後、発症前の2次感染が多い可能性

 新型コロナウイルスの連鎖感染の連続症例の発症間隔について、北海道大学の西浦 博氏らが28ペアの連続症例のデータから推計したところ、潜伏期間中央値(約5日)と同等もしくはそれより短かった。この結果は、感染から発症までの間に、多くの2次感染が起こっている可能性を示唆している。International Journal of Infectious Diseases誌オンライン版2020年3月4日号に掲載。 流行初期に湖北省武漢市で報告されたデータを使用した疫学研究(Li Q, et al. N Engl J Med. 2020 Jan 29. [Epub ahead of print])では、連続症例の発症間隔は平均7.5日と推計されている。しかし、このデータには連続症例が6ペアしかなく、サンプリングバイアスがもたらされている可能性がある。 著者らは、公表されている研究論文と症例調査報告から、1次症例(infector)と2次症例(infectee)の発症日を収集。データの信頼性を主観的にランク付けし、すべてのデータ(n=28)およびデータの確実性が高いペアのサブセット(n=18)について分析した。さらに流行がまだ拡大期にあるため、データの右側切り捨てを調整した。 右側切り捨てを考慮し分析した結果、すべてのペアのデータにおいて連続症例の発症間隔の中央値は4.0日(95%信頼区間:3.1~4.9)、データの確実性が高いペアのデータに絞ると4.6日(同:3.5~5.9)と推計された。 著者らは、「COVID-19の発症間隔は、重症急性呼吸器症候群(SARS)よりも短く、SARSの発症間隔を用いた計算はバイアスをもたらす可能性がある」と指摘している。

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インスリンポンプ療法に特化したQOL尺度を新規開発

 最近の1型糖尿病に対する先進的な糖尿病関連デバイスは、持続血糖モニタリング(CGM)や持続皮下インスリン注入療法(CSII)など、めざましい進歩を遂げている。 とくにインスリンポンプ療法は、毎回煩雑な手順を踏んで注射しなくてよいため、食事の際や高血糖時など、目標の血糖まで速やかに修正できるなどのメリットがある。一方、常に装着しておかなければならず、装着部位のかゆみや服の制約などのデメリットもある。 従来、インスリンポンプ療法の使用に関して、全般的なQOL尺度しかなかった。そこで、坂根 直樹氏(京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室)は、村田 敬氏(同、糖尿病センター)、利根 淳仁氏(岡山済生会総合病院)、豊田 雅夫氏(東海大学医学部)らと共に、インスリンポンプ療法に特化したQOL尺度を新規に開発した。 対象となったのは、インスリンポンプ療法を行っている15歳以上の1型糖尿病患者50例(男性28%、平均年齢:47.6±17.0歳、糖尿病歴:14.7±9.7年、CSII歴:6.1±3.3年、平均HbA1c:7.4±0.8%)。 CSIIに関するQOLを評価するために、28項目のCSII-QOLを準備した。各質問は、5点のリッカート尺度(0=まったくそうではない、1=そうではない、2=どちらともいえない、3=そのとおりだ、4=まったくそのとおりだ)を使用し、負の影響項目の逆スコアリングとして回答を得た。 主な結果は以下のとおり。・28項目について因子分析を行ったところ、「インスリンポンプ療法は高血糖の修正に役立つ」など「利便性」について6項目、「インスリンポンプの療法のために余暇の活動(レジャーや趣味)が制限される」など「社会的制約」が9項目、「インスリンポンプの装着は不快である」「自動車やバイク運転時の低血糖が不安である」など「心理的負担」が10項目の計3因子、25項目が抽出された。・サンプルサイズの妥当性は許容範囲内(Kaiser-Meyer-Olkin=0.669)であり、内部一貫性(クロンバックのα信頼性係数=0.870)も妥当であった。・Intra-class correlation coefficients(ICC)=0.65であり、相当な再現性(0.61以上)も得られた。・糖尿病問題領質問表(PAID)とCSII-QOLとの間には、有意な負の相関があった(Kendall's Tau-b=0.468、p<0.001)。・HbA1cとCSII-QOLに、有意な相関関係はみられなかった。 坂根氏は「今までは全般的なQOL尺度しかなかったが、本尺度を用いることでインスリンポンプ療法の比較や介入による効果も測定することができるようになった。ぜひ、活用していただきたい」とこれからの展望を述べた。

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現場に即した新型コロナ対策シンポジウムを配信/ファイザー

 ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区)は、新型コロナウイルス感染症に関する情報提供の一環として、3月23日(月)、31日(火)に医療者向けインターネットシンポジウムを開催する。両日とも、現場の第一線で活躍する忽那 賢志氏らが講演を行う予定で、同社の無料会員制サイト『PfizerPRO』から視聴可能である。 詳細は以下のとおり。(1)COVID-19セミナー 現場に届け、緊急新型コロナ対策 演題名:「新型コロナ:今分かっている事、出来る事」  日時:2020年3月23日(月) 18:00~19:30(質疑応答を含む)  セミナーコーディネーター:青木 眞氏(感染症コンサルタント)  演者:忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター国際感染症対策室 医長 国際診療部 副部長[兼任])  演者:坂本 史衣氏(聖路加国際病院QIセンター感染管理室 マネジャー) (2)若手医師セミナー(若手医師以外も視聴可) 演題名:「新型コロナウイルス:その現状と対策 疫学・臨床・感染管理それぞれの視点から」 日時:2020年3月31日(火) 19:00~20:15(質疑応答を含む) セミナーコーディネーター:青木 眞 先生(感染症コンサルタント) 演者:神谷 元氏(国立感染症研究所 感染症疫学センター)  演者:忽那 賢志氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター国際感染症対策室 医長 国際診療部 副部長[兼任])  演者:坂本 史衣氏(聖路加国際病院QIセンター感染管理室 マネジャー)

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マンモグラフィ、AIと医師一人読影の併用で高精度に

 人工知能(AI)は人間によるマンモグラフィ読影の限界を克服できるのだろうか。今回、米国・セージバイオネットワークスのThomas Schaffter氏らが検討したところ、AI単独では放射線科医を上回ることはなかったが、放射線科医の一人読影との併用で精度が改善することが示された。JAMA Network Open誌2020年3月2日号で発表した。 診断精度に関する本研究は2016年9月~2017年11月に実施され、マンモグラフィ検診の読影に絞ったAIアルゴリズム開発を促進するために、国際的なクラウドソーシングチャレンジが開催された。44ヵ国126チーム、1,100人以上が参加し、2016年11月18日に分析を開始した。 アルゴリズムは、画像単独、もしくは、画像、以前の検査(利用可能な場合)、および臨床的・人口統計学的危険因子データを組み合わせて使用し、12ヵ月以内のがんの有無を表すスコアをアウトプットした。アルゴリズムの乳がん検出の精度は、曲線下面積(AUC)およびアルゴリズムの特異度(放射線科医の感度を85.9%[米国]および83.9%[スウェーデン]に設定したときの放射線科医の特異度と比較)で評価した。 主な結果は以下のとおり。・8万5,580人の米国人女性(952人が検診後12ヵ月以内にがん陽性)における14万4,231件、および6万8,008人(780人ががん陽性)のスウェーデン人女性における16万6,578件の乳房X線写真を用いて、アルゴリズムのトレーニングと検証を行った。・最も精度が高かったアルゴリズムは、AUCが0.858(米国)および0.903(スウェーデン)、放射線科医の感度における特異度が66.2%(米国)および81.2%(スウェーデン)で、地域医療の放射線科医における特異度の90.5%(米国)および98.5%(スウェーデン)より低かった。・最も精度の高かったアルゴリズムと米国の放射線科医の判定を併用すると、AUCは0.942と上昇し、同感度における特異性は92.0%と大幅に改善した。

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