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再発・難治慢性リンパ性白血病における、acalabrutinibの第III相試験(ASCEND)/JCO

 BTK阻害薬であるacalabrutinibの、再発/難治(R/R)慢性リンパ性白血病(CLL)を対象とした多施設無作為化非盲検第III相ASCEND試験の結果が、Jouranal of Clinial Oncology誌2020年5月27日号オンライン版で発表された。・患者:18歳以上のR/R CLL・試験薬:acalabrutinib PDまで・対照薬:治験実施医が選択した治療(iderasilib+リツキシマブ[I-R]またはベンダムスチン+リツキシマブ[B-R])・評価項目:[主要評価項目]独立レビュー委員会(IRC)評価によるITT集団の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]IRC評価の全体効率、全生存率、安全性など 主な結果は以下のとおり。・310例の患者が無作為にacalabrutinib単剤療法(15例)または治験実施医が選択した治療(155例:I-R 119例、 B-R 36例)に割り付けられた。・前治療の中央値は2回であった。・追跡期間中央値16.1ヵ月のPFS中央値は、治験実施医が選択した治療群では16.5ヵ月、acalabrutinibでは未達成で、acalabrutinib群で有意に長かった(HR:0.31、95%CI:0.20〜0.49、P

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第8回 「つぶれる前に助けてくれ!」 医療機関の叫びをどうとらえるか(前編)

病院の医業収入、前年比10%減!こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。5月25日、首都圏と北海道の緊急事態宣言が解除されました。その前の週末あたりから飲食店や飲み屋はほぼ平常運転に戻りつつありましたが、私自身はまだ街の飲み屋には行っていません。あまりにも退屈なので、話題の特別定額給付金のオンライン申請に挑戦してみました。使用したのはパソコンではなくiPhone。スマホからであればパソコン申請で必要なカードリーダーが要らずに比較的簡単にできる、と聞いたからです。実際のところはどうだったか。マイナンバーカードの読み取りエラーやSafari(iPhoneのウェブブラウザ)の設定変更など、いろいろなトラブルが重なり、やり直すこと十数回…。結局、申請完了まで2時間ほどかかってしまいました。私自身のITリテラシーの問題もありますが、マイナンバーカードのシステム全体の使い勝手の悪さは相当なものです。申請は受理されたようですが、給付金がスムーズに受け取れるのかが心配です。さて、今回気になったのは、個別の事件ではなく、新型コロナウイルス感染症の影響で医療機関の経営が苦境に陥っていると伝える、さまざまなメディアの報道です。3月末から5月にかけて、外来・入院・救急患者等が減り続け、医療機関の経営が大変だということは、折々に多くのメディアが報道してきました。ここに来て、医療関係団体の調査結果なども公表され、その厳しさを訴える声が日に日に高まっています。日本病院会・全日本病院協会・日本医療法人協会の「病院経営状況緊急調査(速報)」によると、20年4月の医業収入は前年同月比で10.5%減(有効回答病院の平均)。新型コロナウイルス感染症患者を受け入れた病院はさらに深刻で12.7%減でした。一時的に病棟を閉鎖した病院も14.9%減と大幅に落ち込みました。医業利益率もそれぞれ9.0%、11.8%、16.0%の減少です。4月分の診療報酬が基金から支払われるのは6月なので、実際に資金がショートしたり、倒産したりするケースが出るとすれば夏以降だと思われますが、その前に医療関係団体が「つぶれる前に助けてくれ!」とSOSを発した、というわけです。日医は第二次補正予算に向けて医療機関への支援を要望大学病院や診療所の経営も大変なようです。全国医学部長病院長会議によると、大学病院の経営状況も深刻で、会員大学の4月の診療報酬請求額は前年同月比で外来が7.35%、入院が10.61%減でした。入院では手術件数が1万2,780件と大きく減少したことが響いています。一方、日本医師会が4月20日の会見で公表した「新型コロナウイルス対応下での医業経営状況等アンケート調査」によると、診療所の3月の診療報酬額は前年同月比で総件数10.9%、総日数10.7%、総点数9.4%減と、各約1割の減少でした。さらに、88.0%の診療所の診療報酬が対前年比でマイナスとなり、総点数で30%減以下の診療所が7.5%ありました。こうした状況を受け、日本医師会の横倉 義武会長は5月18日、全国医学部長病院長会議の山下 英俊会長らとともに、安倍 晋三首相、萩生田 光一文科大臣、加藤 勝信厚生労働大臣らと面会、第二次補正予算に向けて新型コロナウイルス感染症対応に当たる医療機関への支援を要望しました。空床発生等に伴う支援や危険手当、PCR検査の拡充等の5本柱、総額約7兆5,213億円の要望です。診療報酬も見直しの方向だがそうした中、5月27日にも閣議決定される予定の第2次補正予算案では、新型コロナウイルスの感染長期化や第2波に備え、医療・介護の現場への支援を手厚くする方針が示されています。医療・介護の現場支援は都道府県向け交付金の拡充で対応。地域の重点病院において専用病棟を多く設置できるようにするほか、新型コロナ患者を受け入れる医療機関や介護事業所の従事者に対する最大20万円の一時手当の給付も行われる予定です。診療報酬そのものも、見直しが検討されています。日本経済新聞は5月22日付け朝刊で「厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の重症患者を受け入れる病院が受け取る診療報酬を引き上げる検討に入った」と報じました。報道では、「本来の入院料から3倍に引き上げる案が軸だ。(中略)来週にも中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)の総会を開いて了承を得る考え。(中略)例えば集中治療室(ICU)の入院料は本来1日8万~14万円程度で、これを3倍にするといった検討を進めている」としています。なお、診療報酬については、自民党の「国民医療を守る議員の会」が5月19日、加藤勝信厚労大臣に手渡した新型コロナウイルス感染症対策に向けた2次補正予算案についての緊急提言書の中で、同感染症患者以外を診療する地域医療の確保に向けて、院内感染防止対策のために基本診療料の2割引き上げを要請しています。一律の“営業保証”に疑問新型コロナウイルス感染症に懸命に対応した医療機関への資金援助は納得できます。病床を閉鎖したり、他科のスタッフを感染症対策に振り向けたりした結果としての患者減の対応も納得できます。しかし、新型コロナウイルス感染症の患者を直接診療することもなく、ただ診療所を閉めていただけのところにも、“営業保証”をするかのような基本診療料引き上げの施策はいかがなものでしょうか。診療報酬は、税金と国民一人ひとりが支払う保険料で賄われています。今回のコロナ禍による医療機関の減収分を安易に一律に補填しようとするやり方は、同じ収入減に困っている国民の納得を得られるものではないでしょう。今回はちょっと長くなり過ぎましたので、この問題については来週もう少し考えてみたいと思います。(この項続く)

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第21回 アフターコロナも患者は戻ってこない【噂の狭研ラヂオ】

動画解説新型コロナウイルス感染症によって患者さんが病院と薬局を避ける事態になりました。今後も患者さんの受療行動がビフォーコロナのそのままの形で戻ってくることはないでしょう。例年のインフルエンザ流行も今年はありませんでした。感染症流行の特需・恐慌に揺るがない、アフターコロナを生き抜くために薬局が今やるべきこととは?

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アトピー児のタクロリムス、がんリスク増大のエビデンスなし

 アトピー性皮膚炎(AD)児におけるタクロリムス外用薬の使用は安全なのか。長期安全性を前向きに検討した「APPLES試験」から、米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らによる、タクロリムス外用薬を6週間以上使用したAD児におけるその後10年間のがん罹患率のデータが示された。観察されたがん罹患率は、年齢・性別等を適合した一般集団で予想された割合の範囲内のものであり、著者は「タクロリムス外用薬がAD児の長期がんリスクを増大するとの仮定を支持するエビデンスは見いだされなかった」と報告している。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年4月1日号掲載の報告。 APPLES(A Prospective Pediatric Longitudinal Evaluation to Assess the Long-Term Safety of Tacrolimus Ointment for the Treatment of Atopic Dermatitis)試験では、AD児におけるリンパ腫およびその他のがん発生の調査が行われた。対象は、16歳以前にタクロリムス外用薬の使用を開始し6週間以上使用したAD児で、同意を得て試験に登録された。がん既往児も適格とし、試験期間中、治療に関する制約はなく、APPLES試験を介して治療が提供されることはなかった。なお、患児の登録後のタクロリムス曝露は定量化されなかった。 研究グループは、同データから、タクロリムス外用薬を6週間以上使用したAD児における10年間の悪性腫瘍発生率を定量化する検討を行った。 がんイベントの標準化発生率比(SIR)を、性別・年齢・人種で適合した対照データ(全国がんレジストリから収集)と比較分析した。 主な結果は以下のとおり。・試験登録は2005年5月に開始され、2012年8月までに9ヵ国(オーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、ポーランド、英国、米国)の314施設で8,071例が登録された。試験は、がん発生率に大きな変化がみられないことから、FDAが早期に終了することを承認。データの収集は2019年1月31日に終了となった。・解析に包含されたのは、適格条件を満たした7,954例。登録時の平均年齢は7.1歳(中央値6.0歳)、登録のピークは3歳時であった。AD発症の平均年齢は2.3±SD 3.5歳、タクロリムスの初回曝露の平均(中央値)年齢は5.7(4.7)歳、使用から試験登録までの平均期間は1.8±SD 2.2年であった。登録前の推定平均曝露量は885±SD 1,963gであった。・7,954例のうち、7例が死亡、1,454例(18.3%)が同意を得られず、また4,368例(54.9%)が10年時点でコンタクトが取れなかったなどフォローアップが完了せず、試験を完了したのは2,125例(26.7%)であった。・4万4,629人年において、観察されたがんの発生は6例であった。1例は皮膚腫瘍(スピッツ母斑)で、その他5例は慢性骨髄性白血病、胞巣型横紋筋肉腫、虫垂カルチノイド腫瘍、脊髄腫瘍、悪性傍神経節腫であった。・SIRは1.01(95%信頼区間[CI]:0.37~2.20)であった。・リンパ腫の報告例はなかった。

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PD-L1陽性肺がんにおける二ボルマブ・イピリムマブ併用の長期生存ベネフィット(CheckMate-227)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2020年5月14日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法が、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療薬として、全生存期間(OS)ほかの有効性評価項目において持続的な改善を示した第III相CheckMate-227試験のPart1の3年間の追跡調査の結果を発表した。CheckMate-227の追跡調査、二ボルマブとイピリムマブの併用が生存ベネフィットを維持 CheckMate-227試験の中央値43.1ヵ月の追跡の結果、PD-L1発現1%以上の患者において、化学療法と比較して、二ボルマブとイピリムマブの併用療法は生存ベネフィットを維持した(HR:0.79、95%CI:0.67〜0.93)。PD-L1発現率1%以上での3年OS率は併用療法群で33%、化学療法群では22%、3年無増悪生存(PFS)率は、併用療法群で18%、化学療法群では4%であった。3年間奏効が持続したPD-L1発現1%以上の患者は、併用療法群38%、化学療法群では4%であった。 探索的解析におけるPD-L1発現1%未満の3年生存率は、併用療法群で34%、化学療法群では15%であった(HR:0.64、95% CI:0.51〜0.81)。 二ボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されたものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。 これらCheckMate-227の追跡調査の結果は、 2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、口頭発表される予定。

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統合失調症の陽性症状に対する薬物療法と心理療法の比較~メタ解析

 統合失調症に対する薬物療法と心理療法の2つの治療戦略の効果について意義のある比較が可能か確認するため、ドイツ・ミュンヘン工科大学のIrene Bighelli氏らが、患者および研究の特性を調査した。Schizophrenia Bulletin誌2020年4月10日号の報告。 陽性症状を有する統合失調症患者を対象とした抗精神病薬治療と心理療法に関する最近の2つのメタ解析に含まれるすべてのランダム化比較試験を、EMBASE、MEDLINE、PsycINFO、Cochrane Library、ClinicalTrials.govより検索した。薬物療法と心理療法の違いを分析するために、Wilcoxon-Mann-Whitney検定およびカイ二乗検定を用いた。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析には、抗精神病薬治療の研究80件(1万8,271例)と心理療法の研究53件(4,068例)が含まれた。・心理療法の研究には、以下の特徴が認められた。 ●重症度の低い患者の多さ(p<0.0001) ●罹病期間の短さ(p=0.021) ●持続期間の長さ(p<0.0001) ●抗精神病薬併用介入の実施(p<0.0001) ●アウトカム評価の盲検化を含む一部でのバイアスリスクの高さ(p<0.0001) ●公的資金の出資頻度の高さ(p<0.0001)・抗精神病薬治療の研究には、以下の特徴が認められた。 ●サンプルサイズの大きさ(p<0.0001) ●研究センターの規模が大きい(p<0.0001) ●男性患者の多さ(p=0.0001) ●入院患者の多さ(p<0.0001) ●高齢な患者の多さ(p=0.031) ●診断運用基準のより頻繁な使用(p=0.006) ●製薬会社の支援・両研究ともに、利益相反の差は認められなかった(p=0.24)。 著者らは「研究間の主な違いは、心理療法ではバイアスリスクが高く、薬物療法ではより重篤な患者が含まれていたことだった。そのため、ネットワークメタ解析を検討する前に、患者および研究の特性を注意深く考慮する必要がある。精神薬理学者と心理療法士は、競合するのではなく、患者の利益のために治療の最適化を目指すべきである」としている。

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HER2陽性乳がんに、トラスツズマブ デルクステカン発売/第一三共

 第一三共は、トラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ)、HER2に対する抗体薬物複合体(ADC)について、2020年5月25日、国内で新発売したと発表。 同剤は、T-DM1治療を受けたHER2陽性の再発・転移性乳がん患者を対象としたグローバル第II相臨床試験(DESTINY-Breast01、北米、欧州及び日本を含むアジアで実施)の結果に基づき、2020年3月に「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳(標準的な治療が困難な場合に限る)」を適応として、国内製造販売承認を取得した。 製品概要・販売名:エンハーツ点滴静注用100mg・一般名:トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)・効能又は効果:化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳(標準的な治療が困難な場合に限る)・用法及び用量:通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。・薬価:エンハーツ点滴静注用100mg :100mg 1瓶 165,074円

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COVID-19と関連?流行期に川崎病類似疾患の集団発生/Lancet

 イタリア・ロンバルディア州・ベルガモ県は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の流行の影響を広範囲に受けており、小児では川崎病類似疾患の集団発生が確認されている。同国パパ・ジョバンニ23世病院のLucio Verdoni氏らは、COVID-19流行期に診断を受けた川崎病類似疾患患者の発生状況と臨床的特徴を調査した。その結果、過去5年間と比較して、COVID-19流行期の2ヵ月間で月間発生率が30倍以上に増えており、患児は比較的年齢が高く、心臓の障害が多く、マクロファージ活性化症候群(MAS)の特徴を呈する患者が多く、重症川崎病の発生率が高いことが示された。川崎病は、急性の中型血管炎で、ほぼ小児のみが罹患する。急性期の患児は血行動態が不安定となる可能性があり、これは重症の病型である川崎病ショック症候群(Kawasaki disease shock syndrome:KDSS)として知られる。また、MASの判定基準を満たす場合があり、2次性の血球貪食性リンパ組織球症に類似の症状を呈する。原因は不明だが、感染性の病原体が、本症を引き起こすカスケードの引き金となることが示唆されている。Lancet誌オンライン版2020年5月13日号掲載の報告。流行の前後で発生状況を比較 研究グループは、COVID-19流行期の川崎病類似疾患の発生状況を評価する目的で後ろ向きコホート研究を行った(特定の研究助成は受けていない)。 過去5年間に、ベルガモ市のパパ・ジョバンニ23世病院の一般小児科で川崎病類似疾患と診断された患児を、COVID-19流行の開始前(I群)と後(II群)に分けて解析した。 川崎病類似症状を呈した患児は、米国心臓協会(AHA)の適応症に準じて川崎病として管理された。KDSSは、収縮期動脈低血圧、基礎収縮期血圧の20%以上の低下、または末梢循環不全の徴候を伴う川崎病と定義された。MASの診断は、小児リウマチ国際試験機関(PRINTO)の判定基準に準拠した。 鼻咽頭および口咽頭ぬぐい液を用いた定量的な逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)と、SARS-CoV-2のIgMとIgGを検出する血清学的定性検査により、現在と過去の感染の有無を調べた。 II群の患児は、全例が免疫グロブリン療法(2g/kg)を受け、RAISE試験(Kobayashiスコア)のリスク層別化に基づく治療を受けた。PCR陽性は2例のみ、IgG陽性8例、IgM陽性3例 2015年1月1日~2020年2月17日の期間に、川崎病類似疾患と診断されたI群の患者は19例(男児7例、女児12例、平均年齢3.0[SD 2.5]歳)であった。発熱から入院までの平均期間は6日(範囲4~11日)で、定型が13例(68%)、不全型川崎病が6例(31%)であった。低血圧や低灌流の徴候などはみられず、MASと診断された患児もいなかった。全例が、冠動脈瘤の残存もなく完全に回復した。 一方、2020年2月18日~4月20日の期間に診断されたII群の患児は10例(男児7例、女児3例、平均年齢7.5[SD 3.5]歳)であった。このうちPCR検査陽性は2例で、8例がIgG陽性、3例はIgMも陽性だった(血清学的検査が陰性の2例のうち1例は、大量免疫グロブリン療法後に検査を受けた)。 II群の10例の発熱から入院までの平均期間は6日(範囲4~8日)であった。5例(50%)は定型、残りの5例(50%)は不全型の川崎病であった。胸部X線検査は全例で行われ、5例(50%)で肺炎が認められた。このうち胸部CT検査を受けた2例では、両肺底部の肥厚が確認された。 II群の5例(50%)には、低血圧と低灌流の臨床徴候が認められ、KDSSの判定基準を満たした。また、5例(50%)がMASと診断された。II群の患者は全例が退院し、アスピリン治療を継続している。他の流行国でも、同様の集団発生が予測される I群に比べII群では、川崎病の月間発生率が30倍以上高かった(I群0.3例/月vs.II群10例/月、p<0.0001)。また、II群は、発症時の平均年齢が高く(3.0[SD 2.5]歳vs.7.5[3.5]歳、p=0.0003)、平均BMIも高値を示した(15.93[SD 1.72])vs.19.11[3.21]、p=0.0016)。II群の10例中5例(50%)に、COVID-19確定例との接触が認められた。 I群に比べII群は、白血球数(19.4[SD 6.4]×109/L vs.10.8[6.1]×109/L、p=0.0017)、リンパ球数(3.0[SD 1.8]×109/L vs.0.86[0.4]×109/L、p=0.0012)および血小板数(457[SD 96]×109/L vs.130[32]×109/L、p<0.00001)の値が低かった。 また、II群は、心エコー図の異常(2/19例[10%]6/10例[60%]、p=0.0089)の割合が高く、KDSS(0/19例[0%]vs.5/10例[50%]、p=0.021)およびMAS(0/19例[0%]vs.5/10例[50%]、p=0.021)の頻度が高かった。 Kobayashiスコア≧5点の患児(2/19例[10%]vs.7/10例[70%]、p=0.0021)の割合はII群で高く、ステロイドによる補助治療の必要性(3/19例[16%]vs.8/10例[80%]、p=0.0045)も、II群の患児で高かった。 著者は、「SARS-CoV-2流行国では、同様の川崎病または類似症候群の集団発生が予測される」としている。

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持続性AF へのコンタクトフォース感知型カテーテルアブレーション【Dr.河田pick up】

 発作性AFに対するカテーテルアブレーション治療の安全性および有効性が確立されている一方で、持続性AFに関するデータは限られている。そのため、持続性AFに対しFDAが承認しているカテーテルはない。米国でも実際には、何年も前から持続性AFに対し、コンタクトフォースカテーテルアブレーションが使われているが、いわゆるオフレーベルの使用である。 この研究は、米国・Massachusetts General HospitalのMoussa Mansour氏ら研究グループが、持続性AFに対する多孔性先端コンタクトフォース感知型カテーテル安全性および有効性を評価するために実施した。なお本研究では、CARTO3およびサーモクールスマートタッチSFカテーテル(Biosense Webster、カリフォルニア州アーバイン)が使用された。JACC誌オンライン版2020年5月8日号に掲載。 米国・カナダの27施設、381例の持続性AF患者で実施されたPRECEPT研究 本研究は前向き多施設非無作為化研究(PRECEPT研究)で、米国とカナダの27施設で実施された。記録された症候性の持続性AFで、1種類以上の抗不整脈薬(Class IまたはIII)が無効もしくは忍容できない患者381例が試験に組み込まれた。それぞれの患者の治療には肺静脈隔離(PVI)および施設内で認められた肺静脈以外のターゲットへのアブレーションが含まれた。治療の成績を最適化するためにアブレーション後3ヵ月の投薬調節期間(0~3ヵ月)、そしてそれに続く3ヵ月の治療強化期間(3~6ヵ月)が含まれている。不整脈の再発は、月ごとに厳格にモニタリングされ、症状に応じて電話転送型のモニター、心電図、ホルター心電図によりアブレーション後15ヵ月間フォローされた。成功率はPVI群61.7%、PVI+肺静脈外のアブレーション群80.4% 81例中、348例がカテーテルを用いたアブレーションを受けた。主要有害事象の発生は全体の3.8%に認められ、13例で14のイベントが発生した(心タンポナーデ:5[1.5%]、脳卒中:1[0.3%]、TIA:1[0.3%]、横隔膜麻痺:1[0.3%]、肺水腫:1[0.3%]、心外膜炎:2[0.6%]、穿刺部位の合併症:3[0.9%])。カプランマイヤー生存曲線分析による15ヵ月時点での主要治療成功率は、PVIのみの群が61.7%、PVIと肺静脈外のアブレーションを加えた群が80.4%だった。 本研究の結果は、持続性AFに対するコンタクトフォース感知型の技術を用いたアブレーションが安全で有効であることを証明した。主な合併症は想定範囲内であり、これまでに報告された発作性AFのアブレーションと類似した結果であった。 また本研究により、前向き、多施設研究においてスマートタッチを用いたカテーテルの安全性が示された。ただし、本研究は異なるアブレーションの戦略(PVIのみおよびPVIに加えた基質アブレーション)を比較するための試験ではなく、患者の約半数で肺静脈以外のアブレーションも行われていた。また、15ヵ月後においてPVI群が61.7%、PVI+肺静脈外のアブレーション群が80.4%という成功率は、実臨床に近いものと考えられるが、15ヵ月という観察期間は短く、治療戦略に基づくアブレーションの成績を評価するには、さらなる観察が必要であると考えらえる。(Oregon Heart and Vascular Institute  河田 宏)■関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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イソ吉草酸血症〔IVA:isovaleric aciduria〕

1 疾患概要■ 概念・定義イソ吉草酸血症(isovaleric aciduria:IVA)は、ミトコンドリアマトリックスに存在するロイシンの中間代謝過程におけるイソバレリルCoA脱水素酵素(IVDH)の障害によって生じる有機酸代謝異常症であり、常染色体劣性の遺伝性疾患である。■ 疫学わが国における罹患頻度は約65万出生に1人と推定されている。非常にまれだと思われていたが、新生児マススクリーニング(タンデムマススクリーニング)が開始されてから無症状の患児や母体が見つかっている。欧米では新生児スクリーニングで診断された患者の約2/3でc.932C>T(p.A282V)変異を認めており、この変異とのホモ接合体もしくは複合へテロ接合体を持つ場合、無症候性が多い。■ 病因遺伝性疾患であり原因遺伝子はIVD(isovaleryl-CoA dehydrogenase)であり、15q14-15にコードされている。この変異によってIVDH活性が低下することに起因する。IVDHはイソバレリルCoAから3-メチルクロトニルCoAが生成する反応を触媒している。この代謝経路は、飢餓やストレスによりエネルギー需要が高まるとロイシン異化によりクエン酸回路へアセチルCoAを供給してエネルギー産生を行うが、本症ではIVDH活性が低下しているためイソ吉草酸などの急激な蓄積とエネルギー産生低下を来し、尿素サイクル機能不全による高アンモニア血症や骨髄抑制を伴う代謝性アシドーシスを引き起こす。■ 症状1)特有の臭い急性期に「足が蒸れた」とか「汗臭い」と表現される強烈な体臭がある。2)呼吸障害急性期に見られ多呼吸や努力性呼吸、無呼吸を呈する。3)中枢神経症状意識障害、無呼吸、筋緊張低下、けいれんなどで発症する。急性期以降、もしくは慢性進行性に発達遅滞を認めることがある。4)消化器症状、食癖哺乳不良や嘔吐を急性期に呈することは多い。また、しばしば高タンパク食品を嫌う傾向がある。5)骨髄抑制汎血球減少、好中球減少、血小板減少がしばしばみられる。6)その他急性膵炎や不整脈の報告がある。■ 分類臨床病型は主に3つ(発症前型、急性発症型、慢性進行型)に分かれる。1)発症前型新生児マススクリーニングや、家族内に発症者がいる場合の家族検索などで発見される無症状例を指す。発作の重症度はさまざまである。2)急性発症型出生後、通常2週間以内に嘔吐や哺乳不良、意識障害、けいれん、低体温などで発症し、代謝性アシドーシス、ケトーシス、高アンモニア血症、低血糖、高乳酸血症などの検査異常を呈する。有症状例の約3/4を占めたとする報告がある。また、生後1年以内に感染やタンパクの過剰摂取などを契機に発症する症例もある。3)慢性進行型発達遅滞や体重増加不良を契機に診断される症例を指す。経過中に急性発症型の症状を呈することもある。■ 予後新生児・乳児の高アンモニア血症、代謝性アシドーシスをうまく予防・治療できればその後の神経学的予後は良好である。本症発症の女性の出産例も知られている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 一般検査急性発症時にはアニオンギャップの開大する代謝性アシドーシス、高アンモニア血症、高血糖、低血糖、低カルシウム血症を認める。高アンモニア血症の程度で他の有機酸血症や尿素サイクル異常症と区別をすることはできない。汎血球減少、好中球減少、血小板減少もしばしば見られる。高アンモニア血症は、細胞内のアセチル-CoAの減少によりN-アセチルグルタミン酸合成酵素活性が阻害され、尿素サイクルを障害するためと考えられている。■ 血中アシルカルニチン分析(タンデムマス法)イソバレリルカルニチン(C5)の上昇が特徴的である。■ 尿中有機酸分析イソバレリルグリシン、3-ヒドロキシイソ吉草酸の著明な排泄増加が見られる。■ 酵素活性末梢血リンパ球や皮膚線維芽細胞などを用いた酵素活性測定による診断が可能であるが、国内で実際に施行できる施設はほぼない。■ 遺伝子解析原因遺伝子のIVDの解析を行う。日本人患者8例のIVD解析では15アレルに点変異、1アレルにスプライス変異が同定されているが、同一変異はない。欧米におけるp.A282Vのような高頻度変異は報告されていない。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 急性期の治療診断を行いつつ、下記の治療を進め代謝クライシスを脱する。1)状態の安定化(1)気管挿管を含めた呼吸管理、(2)血液浄化療法を見据えた静脈ルート確保、(3)血圧の維持(昇圧剤の使用)、(4)生食などボリュームの確保2)タンパク摂取の中止最初の24時間はすべてのタンパク摂取を中止する。24~48時間以内にタンパク摂取を開始。3)異化亢進の抑制十分なカロリーを投与する(80kcal/kg/日)。糖利用を進めるためにインスリンを使用することもある。脂肪製剤の投与も行う(2.0g/kg/日まで可)。4)L-カルニチンの投与有機酸の排泄を図る。100mg/kgをボーラスで投与後、維持量として100~200mg/kg/日で投与。5)グリシンの投与イソ吉草酸とグリシン抱合させ、排泄を促す。150~250mg/kg/日分3。6)高アンモニア血症の治療迷わずカルグルミン酸(商品名:カーバグル)の投与を開始する(100mg/kgを初回投与し、その後100~250mg/kg/日で維持。経口、分2-4)。フェニル酪酸Naや安息香酸Naを100~250mg/kg/日で使用しても良い。7)代謝性アシドーシスの補正炭酸水素ナトリウム(同:メイロン)で行い、改善しない場合は血液浄化療法も行う。8)血液浄化療法上記治療を数時間行っても代謝性アシドーシスや高アンモニア血症が改善しない場合は躊躇なく行う。■ 未発症期・慢性期の治療ロイシンを制限することでイソバレリルCoAの蓄積を防ぐことを目的とするが、食事制限の効果は不定である。1)自然タンパクの制限:1.0~2.0g/kg/日程度にする。2)L-カルニチン内服:100~200mg/kg/日分3で投与。3)グリシンの投与:150~250mg/kg/日分3で投与。4)シック・デイの対応:感染症などの際に早めに医療機関を受診させ、ブドウ糖などの投与を行い異化の亢進を抑制させる。本疾患は急性期に適切な診断・治療がなされれば、比較的予後は良好であり思春期以降に代謝クライシスを起こすことは非常にまれである。急性期を乗り切った後(または未発症期)に、本疾患児をフォローしていく際は、一般に精神運動発達の評価と成長の評価が中心となる。■ 成人期の課題1)食事療法一般に小児期よりはタンパク制限の必要性は低いと思われるが、十分なエビデンスがない。2)飲酒・運動体調悪化の誘因となり得るため、アルコール摂取や過度な運動は避けた方が良い。3)妊娠・出産ほとんどエビデンスがない。今後の症例の積み重ねが必要である。4)医療費の問題カルニチンの内服は続けていく必要がある。2015年から指定難病の対象疾患となり、公的助成を受けられるようになった。4 今後の展望本症はタンデムマススクリーニングの対象疾患に入っている。一例一例を確実に積み重ねることにより、今後わが国での臨床型や重症度と遺伝子型などの関連が明らかになってくると思われる。5 主たる診療科代謝科、新生児科、小児科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本先天代謝異常学会ホームページ(新生児マススクリーニング診療ガイドラインは有用)公開履歴初回2020年05月26日

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電子カルテとの闘い!!【森野コジカの研修医室からこんにちは!】第2回

第2回 電子カルテとの闘い!!こんにちは! まだ電子カルテの操作に慣れない初期研修医・森野コジカです。研修が始まってからというもの、大半が電カル打ち込みの日々・・・。毎日大変な思いをしながら入力していますが、各方面から度々、日付や単位などの訂正依頼をいただきます。申し訳ない気持ちもありつつ、連絡をもらうたびに、自分がたくさんの人に見守られながら研修していることをあらためて実感します。病院のスタッフの皆さん、いつも本当にありがとうございます…!少しずつではありますが、早く一人前になれるように頑張りたいと思います!!

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コロナ患者への薬の配達費補助 宅配便なら全額でスタッフ持参だと300円の違和感【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第47回

緊急事態宣言が一部地域で解除され、新型コロナウイルス感染症の国内での流行は収束に向かいつつありますが、今もなお医療現場は大変な状況です。特例的ではあってもオンライン診療・服薬指導が進むことはありがたいのですが、緊急事態宣言前の3月あたりから患者さんの来局が減って処方箋単価も下がっている実感がある中で、この状況が続くと薬剤の配送費や手間がばかにならない…と思っている薬局経営者の方も少なくないのではないでしょうか。そんな薬局経営者の声が届いたのでしょうか。4月30日に国会で成立した新型コロナウイルス感染症に関する緊急経済対策の補正予算の中に、「薬局における薬剤交付支援事業」という項目があり、新型コロナウイルス感染症患者やオンライン服薬指導を受けた患者への薬剤配送料や薬局スタッフが薬剤を届けた場合の交通費および人件費が補助されるようになりました。予算成立と同日に、厚生労働省より「電話や情報通信機器を用いた服薬指導等の実施に伴う薬局における 薬剤交付支援事業について」という事務連絡が発出され、5月8日には日本薬剤師会から「薬局における薬剤交付支援事業の実施に当たっての留意点」が発出されました。厚生労働省からの事務連絡の内容は以下のとおりです。支援事業の実施団体は都道府県薬剤師会である。支援の対象は、4月30日以降に行った処方薬の配送料、配送に係る費用。薬局スタッフが直接届けることを基本とし、それが困難な場合に配送業者の利用を検討する。支援の申請時には、患者に配送料を請求していない分も含めてオンライン服薬指導を実施した内容を報告する。日本薬剤師会からの文書には、より具体的に薬局が行う対応が記されています。対象処方箋は、「CoV宿泊」「CoV自宅」のグループと「0410対応」の2種類に分けられる。処方箋の備考欄に「CoV宿泊」または「CoV自宅」と記載されている場合:薬局スタッフが宿泊施設や患者宅に届けた場合は、距離を問わず1件につき300円を薬剤師会に請求することができる。1施設で複数人分を届けた場合も1件のカウントとする。配送業者によって配送を行った場合は、配送料全額を請求できる。いずれの場合も患者負担はない。処方箋の備考欄に「0410対応」と記載されている場合:患者負担として200円を患者から徴収する。薬局スタッフが患者宅に届けた場合は100円を薬剤師会に請求でき、配送業者による配送を行った場合は患者負担の200円を差し引いた全額を請求できる。請求の手続きは、各都道府県の薬剤師会に従って、翌月15日までにデータを送信する。処方箋の写しや配送料の金額がわかる伝票などの資料は薬局に保存する。処方箋に「0410対応」と記載されていても、患者が来局して受け取った場合には請求できない。予算の上限に達した場合は、その時点で終了する。この対応で私が気になった点は、処方箋の備考欄に「CoV宿泊」または「CoV自宅」とあり、薬局スタッフがその施設や自宅まで薬を届けた場合は、距離に関係なく300円しか請求できない、という点です。もし、患者さんがコロナ陽性となりホテルで療養されている場合はかかりつけの薬剤師がオンライン服薬指導を行い、自ら足を運んで届けることも考えられますが、その場合でも一律300円です。配送業者に頼んだ場合は費用の全額を請求できるのに…と少し違和感を覚えますが、これらの対応によって、患者さんの負担が明確になり、薬局の運営でも助かる部分があると思います。なお、東京都薬剤師会からの通知には、予算利用上限金額は1薬局5,000円程度と記載されており、このほかにも地域の取り決めがある可能性がありますので、ぜひ各都道府県薬剤師会のホームページなどで詳細をご確認ください。オンライン服薬指導では薬をお届けする方法など確認することが多くて煩雑ですが、患者さんも慣れない状況や方法で大変だと思います。感染拡大を防止するためにオンライン診療を使用した意識の高さを褒めてみてはどうでしょうか。実際、私は電話で診察してもらった医師に「今後どうなるかわからないので、いつもより多く薬を出してほしい」と伝えたところ、危機管理の意識が高いと褒められてちょっとうれしくなりました。初診も可能となったオンライン診療の特例はもうしばらく続くと思いますので、患者さんのモチベーションを上げながら一緒にこのコロナ禍を乗り切りましょう。

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第9回 今や54人に1人、自閉症の増加はおそらく環境要因によるものではない

スウェーデンの多数の双子を調べた新たな試験1,2)の結果、自閉症のほとんどは生来の遺伝情報に起因しているようであり、自閉症への生来の遺伝情報と環境の関与のほどは数十年変わっておらず、自閉症の増加はおそらく環境要因によるものではないと示唆されました。今回の試験では、1982~2008年に生まれた双子22,678組と、1992~2008年に生まれた双子15,280組が調べられました。その結果、それらの2群のうち前者では約24%、後者では約30%を占める一卵性双生児のどちらもが自閉症である割合は一卵性双生児ではない双子に比べて一貫して高く、およそ93%の自閉症と61~73%の自閉症特徴は生来の遺伝情報に起因すると示唆されました。今回の結果は5ヵ国の小児200万人超を解析した最近の試験報告3,4)とほぼ一致しています。昨年9月にJAMA Psychiatry誌に掲載されたその試験では、自閉症の80%ほどが遺伝情報に起因すると推定されました。自閉症の生じやすさへの親譲りの遺伝情報の寄与は、出産時の親の年齢と子の自閉症の関連の研究などで示唆されています。東京大学のWalid Yassin氏らが昨年報告した自閉症成人39人とそうでない男性37人の死後脳解析では、生まれた時の父親の年齢がより高齢な男性には、自閉症と関連する脳白質異常がより認められました5,6)。また、今年初めにCell Stem Cell誌に掲載された研究では自閉症の特徴の一つである脳肥大に寄与するらしい神経前駆細胞(NPC)過剰増殖とDNA損傷の関連が示されています7,8)。その翌月2月のNature Neuroscience誌掲載の報告では、神経の軸索を覆って絶縁し、脳内の高速の信号伝達を可能にしている脂質の鞘・ミエリンの形成に携わる細胞・オリゴデンドロサイト(OL)成熟不良と自閉症の関連が示唆されました9,10)。自閉症はここ数年で増加しています。この3月に発表された米国疾病管理予防センター(CDC)の推定では、米国の2016年の8歳児の54人に1人が自閉症であり、2014年のその割合(59人に1人)に比べて10%ほど上昇しています11)。同時に発表された4歳児の統計結果によるとより幼くして自閉症が見つかることが多くなっていることが伺われ、その傾向が続けば8歳児の自閉症有病率はおそらく今後更に上昇します。小児の自閉症が増えていることは自閉症の成人により目を向ける必要があることも示唆しています。米国でおそらく毎年75,000人ほど増えている自閉症の成人の社会参画に取り組まなければならないと、ジョージア州アトランタ市のEmory Autism Centerの長Catherine Rice氏は言っています。Rice氏は屈指の自閉症ニュースサイトSpectrumに続けてこう言っています。「ほとんどの地域には自閉症の人の数々の苦労にあまねく対処する取り組みがない。社会の一翼を担う自閉症成人が健やかに過ごせるようにする手立てが必要だ」また、上述したような研究が進めば、自閉症の負担そのものを解消する手立てもやがて見つかるでしょう。たとえばOL成熟不良と自閉症の関連が示されたことを受け、次はミエリン形成異常を示す人工脳を使ってミエリン形成を増やす化合物探しが期待できます9)。小児の自閉症が早期診断され、治療で症状が治まるようになることを同研究の著者らは望んでいます。参考1)Environmental Factors Don’t Explain Rise in Autism Prevalence / TheScientist2)Taylor MJ, et al. JAMA Psychiatry. 2020 May 6. [Epub ahead of print]3)Bai D, et al. JAMA Psychiatry. JAMA Psychiatry. 2019 Jul 17;76:1035-1043.4)Majority of autism risk resides in genes, multinational study suggests / Spectrum5)Paternal Age Linked to Brain Abnormalities Associated with Autism / TheScientist6)Yassin W, et al. Psychiatry Clin Neurosci. 2019 Oct;73(10):649-659.7)DNA Damage Linked to Brain Overgrowth in Autism / TheScientist8)Wang M, et al. Cell Stem Cell. 2020 Feb 6;26:221-233.e6.9)Phan BN, et al. Nat Neurosci. 2020 Mar;23:375-385.10)Inadequate Myelination of Neurons Tied to Autism: Study / TheScientist11)New U.S. data show similar autism prevalence among racial groups / Spectrum

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FDA、アテゾリズマブ単剤を非小細胞肺がん1次療法に承認/ロシュ

 ロシュ社は、2020年5月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、アテゾリズマブを転移を有する成人のPD-L1高発現(TC≧50%またはIC≧10%)非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として承認したことを発表した。  この承認は、第IIIのIMpower110試験の中間解析の結果に基づくもの。 IMpower110は、PD-L1選択、化学療法未治療のStage IV 非扁平上皮または非扁平上皮NSCLCにおいて、アテゾリズマブ単剤療法と化学療法(シスプラチン/カルボプラチンとペメトレキセド/ゲムシタビンの併用)を比較する第III相無作為化非盲検試験。アテゾリズマブ単剤療法により、PD-L1高発現患者の全生存期間(OS)が化学療法と比較して、7.1ヵ月改善した(OS中央値:20.2ヵ月対13.1ヵ月、HR:0.59、95%CI:0.40〜0.89、p=0.0106)。

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双極性障害患者の睡眠に対するブルーライトカット眼鏡の効果

 最近の研究において、夜間のブルーライトは、睡眠や概日リズムの異常と関連していることが示唆されている。藤田医科大学の江崎 悠一氏らは、双極性障害患者の睡眠や概日リズムに対するブルーライトカット眼鏡の効果について検討を行った。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年4月10日号の報告。 本研究は、ランダム化プラセボ対照二重盲検デザインで実施した。不眠症を有する双極性障害患者を対象に、オレンジ色のブルーライトカット眼鏡(BB群)または透明な眼鏡(対照群)を用いる群にランダムに割り付け、20時から就寝の間にそれぞれの眼鏡を使用させた。主要アウトカムは、ビジュアルアナログスケール(VAS)で測定された睡眠の質のベースラインから介入後までの変化とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は43例(BB群:21例、対照群:22例)であった。・VASによる睡眠の質の変化は、両群間で有意な差は認められなかった(95%信頼区間[CI]:-3.34~24.72、p=0.13)。・朝型夜型質問紙(Morningness-Eveningness Questionnaire)のスコアでは、BB群はリズムが早く変化し、対照群は遅く変化しており、これらの変化には統計学的に有意な差が認められた(95%CI:1.69~7.45、p=0.003)。・アクチグラフィー睡眠パラメータや気分症状の変化は、両群間で有意な差は認められなかった。 著者らは「薬物治療の併用が影響を及ぼした可能性がある」としながらも「双極性障害患者の概日リズムの異常に対し、ブルーライトカット眼鏡による補助療法が役立つ可能性があることが示唆された」としている。

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乳がん患者、治療開始の遅れが生存に及ぼす影響

 早期乳がん患者では、乳がんと診断されてから術前化学療法開始までが61日以上となると、死亡リスクの増加と関連することが示唆された。これまでに、手術や術後化学療法開始の遅れが生存に影響することが報告されてきたが、術前化学療法を必要とする患者は一般的に高リスクの腫瘍を有するため、より影響が大きい可能性が考えられた。ブラジル・Hospital Beneficencia PortuguesaのDebora de Melo Gagliato氏らは、米国・MDアンダーソンがんセンターで術前化学療法を受けた早期乳がん患者のデータを解析した。Oncologist誌オンライン版2020年5月20日号掲載の報告より。 研究者らは、1995年1月~2015年12月にMDアンダーソンがんセンターで術前化学療法を受けた原発性浸潤性乳がん患者(Stage I~III)を特定。乳がんと診断されてから術前化学療法までの時間(日数)に従って、3つのサブグループに分類した:0~30日、31~60日、および≧61日。主要評価項目は全生存期間(OS)、記述統計とCox比例ハザードモデルが用いられた。 主な結果は以下のとおり。・5,137例の患者が登録された。追跡期間中央値は6.5年。・5年OSの推定値は、診断から術前化学療法までの時間ごとに、0~30日:87%、31~60日:85%、≧61日:83%であった(p=0.006)。・多変量解析では、0~30日と比較して61日以上となると死亡リスクが増加した(31~60日:ハザード比[HR]=1.05、95%信頼区間[CI]=0.92~1.19、≧61日:HR = 1.28、95%CI=1.06~1.54)。・層別解析では、術前化学療法開始の遅れと死亡リスク増加との関連は、Stage I、II(31~60日:HR=1.22、95%CI=1.02~1.47、≧61日:HR =1.41、95%CI=1.07~1.86)およびHER2陽性(≧61日:HR=1.86、95%CI:1.21~2.86)の患者で有意に認められた。

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