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夜勤明けに運転する麻酔科医の対策【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第160回

「夜勤明けに運転する麻酔科医の対策」photoACより使用医師の働き方改革が叫ばれるようになったこの頃。夜の勤務を終えた麻酔科医の、運転判断力を調べた珍しい研究を紹介しましょう。Huffmyer JL, et al.Impact of Caffeine Ingestion on the Driving Performance of Anesthesiology Residents After 6 Consecutive Overnight Work Shifts.Anesth Analg. 2020 Jan;130(1):66-75. これは、夜勤シフトの麻酔科医の6連日勤務後に、仮想現実運転シミュレーターで運転パフォーマンスを調べたもので、カフェインが160mg入ったエナジードリンクを飲む場合と、飲まない場合を比較したものです。26人のレジデントが参加し、運転シミュレーションセッションの60分前にカフェイン入り、または非カフェイン入り(プラセボ)のエナジードリンクを飲むようにランダムに割り付けられました。研究は、クロスオーバーデザインで行いました。カフェイン入りのエナジードリンクを摂取した麻酔科レジデントは、一般道において最初の10分間のスロットル、ステアリング、速度のばらつきが増加しましたが、障害物の衝突は少ないことがわかりました(p=0.03)。カフェインを含まないエナジードリンクを摂取した後の運転判断力と比較すると、カフェイン入りのエナジードリンク群では、最後の30分間で最も良好なパフォーマンスが出ました。カフェインが入った状態と入っていない状態では、平均反応時間に大きく差が見られました(278.9±29.1 vs. 294.0±36.3msec、p=0.021)。対象は麻酔科医ではありませんが、過去にも同様の研究がなされたことがあります。カフェイン200mgが入ったコーヒー、昼寝、何もしないの3群を比較して夜の高速道路の運転パフォーマンスを比較したものです1)。何もしない場合は当然、運転障害が見られましたが、コーヒーは昼寝に匹敵するくらいの覚醒力がありました。80mgと、やや少なめのカフェイン入りのコーヒーであっても、高速道路の運転パフォーマンスを改善する作用があることが示されています2)。というわけで、夜勤明けや眠たいときに運転せざるを得ない麻酔科医……に限らず、すべての医師は、カフェイン入りのドリンクを1杯飲んだほうがよさそうですね。1)Philip P, et al. The effects of coffee and napping on nighttime highway driving: a randomized trial. Ann Intern Med. 2006 Jun 6;144(11):785-791.2)Mets M, et al. Effects of coffee on driving performance during prolonged simulated highway driving. Psychopharmacology (Berl). 2012 Jul;222(2):337-342.

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長時間作用型注射剤と経口の抗精神病薬との比較

 治療継続やアドヒアランスは、精神疾患の有効なアウトカムと関連する。精神疾患患者の治療継続やアドヒアランスを改善するための最良の選択肢の1つとして、経口抗精神病薬よりも長時間作用型注射剤(LAI)が挙げられる。イタリア・ASL Pescara General HospitalのAlessia Romagnoli氏らは、抗精神病薬のアドヒアランス、治療継続、切り替えを評価し、実臨床におけるLAIと経口剤との比較を行った。Current Clinical Pharmacology誌オンライン版2020年3月9日号の報告。 2011年1月~2019年2月に、イタリア・ASL Pescara General Hospitalで抗精神病薬治療を受けたすべての患者を対象に、薬理学的非介入レトロスペクティブ観察研究を実施した。アドヒアランスは、受け取った1日量と使用した1日量の比で測定した。抗精神病薬治療の継続性は、治療開始と終了の日々の差として算出した。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール治療患者840例、パリペリドン治療患者130例、リスペリドン治療患者925例を調査した。・アドヒアランスは、以下のとおりであり、LAIは経口剤と比較し、有意に優れていた。 ●アリピプラゾールLAI:0.89 ●パリペリドンLAIとリスペリドンLAI:0.82 ●アリピプラゾール経口剤:0.78 ●パリペリドン経口剤:0.70 ●リスペリドン経口剤:0.58・治療3年間にわたる継続曲線では、統計学的に有意な差は認められなかった(p=0.3314)。・製剤に基づく継続曲線でも、統計学的に有意な差は認められなかった。・切り替えが行われた患者の割合は、アリピプラゾール治療患者7%、リスペリドン治療患者12%、パリペリドン治療患者28%であった。 著者らは「本研究のいずれの薬剤においても、経口剤よりもLAIのほうがアドヒアランスが良好であったが、治療継続については、統計学的に有意な差が認められなかった」としている。

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COVID-19重症例、COPDや糖尿病併存が転帰不良

 中国・広州医科大学のWei-Jie Guan氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の併存疾患を層別化し、重篤な有害転帰リスクを評価した。その結果、併存疾患のない患者よりも併存疾患を有する患者で転帰が不良になることを示唆した。また、併存疾患数の多さが転帰不良と相関していたことも明らかにした。The European respiratory journal誌オンライン版3月26日号掲載の報告。 研究者らは2019年12月11日~2020年1月31日の期間、中国本土の31省・市・区の病院、575施設に入院した患者1,590例のデータを分析。複合エンドポイントはICUへの入室、侵襲的換気、死亡で、その到達リスクとして併存疾患の有無と数を比較した。 主な結果は以下のとおり。・患者の平均年齢は48.9歳、686例は女性だった。・全症例の中で重症例は16.0%だった。・全症例の中で8.2%(131例)が複合エンドポイントに到達した。・25.1%(399例)には少なくとも1つの疾患があった。・併存疾患の内訳は高血圧症が最も多く(16.9%)、次いで糖尿病(8.2%)だった。・8.2%(130例)は疾患を2つ以上有していた。・年齢と喫煙歴の調整後では、COPD (ハザード比[HR]:2.681、95%信頼区間[95%CI]:1.424~5.048)、糖尿病(HR:1.59 、95%CI:1.03~2.45)、高血圧症(HR:1.58、95%CI:1.07~2.32)、悪性腫瘍(HR:3.50、95%CI:1.60~7.64)が、複合エンドポイント到達のリスク因子だった。併存疾患数でみると、疾患1つの場合はHR:1.79(95%CI:1.16~2.77)、2つ以上では2.59(95%CI 1.61~4.17)だった。

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てんかん重積、レベチラセタムvs.ホスフェニトインvs.バルプロ酸/Lancet

 てんかん重積状態の小児・成人・高齢者は、レベチラセタム、ホスフェニトイン、バルプロ酸に対して類似した反応を示し、約半数の患者で治療が成功したことが示された。米国・国立小児病院のJames M. Chamberlain氏らが、米国の58施設の救急部門で実施した多施設共同無作為化二重盲検responsive-adaptive試験「ESETT試験」で対象を小児まで拡大した後の、3つの年齢群のアウトカムについての解析結果を報告した。ベンゾジアゼピン抵抗性あるいは確定したてんかん重積状態は、小児と成人で病態生理は同じものと考えられていたが、根本的な病因や薬力学の違いが治療に対して異なった影響を及ぼす可能性があった。結果を踏まえて著者は、「3剤のいずれもベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積状態に対する、第1、第2選択薬の候補と考えられる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2020年3月20日号掲載の報告。ベンゾジアゼピン抵抗性てんかん重積状態の患者で、年齢群別に検討 研究グループは、2歳以上で、5分以上の全身痙攣発作に対し十分量のベンゾジアゼピンで治療を受けたことがあり、救急部門にてベンゾジアゼピン系薬の最終投与後5分以上30分未満の持続性または再発性の痙攣が続く患者を対象に試験を行った。 ベイズ法を用いるとともに年齢を層別化(<18歳、18~65歳、>65歳)して、response-adaptive法によりレベチラセタム群、ホスフェニトイン群およびバルプロ酸群に無作為に割り付けた。すべての患者、治験責任医師、治験スタッフおよび薬剤師が、治療の割り付けに関して盲検化された。 有効性の主要評価項目は、薬剤投与後1時間時点での追加の抗てんかん薬を必要としない意識の改善を伴う臨床的に明らかな発作消失とし、安全性の主要評価項目は、致死的な低血圧または不整脈とした。有効性および安全性は、intention-to-treat解析で評価した。年齢群を問わず3剤への反応は同等、約半数の患者が治療成功 2015年11月3日~2018年12月29日に478例が登録され、小児225例(<18歳)、成人186例(18~65歳)、高齢者51例(>65歳)の計462例が割り付けられた。レベチラセタム群が175例(38%)、ホスフェニトイン群が142例(31%)、バルプロ酸群が145例(31%)で、ベースラインの特性は各年齢群・治療群間でバランスが取れていた。 有効性の主要評価項目を達成した患者の割合は、レベチラセタム群で小児52%(95%信頼区間[CI]:41~62)、成人44%(95%CI:33~55)、高齢者37%(95%CI:19~59)であり、ホスフェニトイン群で小児49%(95%CI:38~61)、成人46%(95%CI:34~59)、高齢者35%(95%CI:17~59)、バルプロ酸群で小児52%(95%CI:41~63)、成人46%(95%CI:34~58)、高齢者47%(95%CI:25~70)であった。 有効性または安全性の主要評価項目は、各年齢群とも治療群間で差はなかった。また、安全性の副次評価項目は、小児の気管内挿管を除いていずれの年齢群も治療群間による差は認められなかった。

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多剤耐性HIV-1感染、fostemsavirの追加が有効/NEJM

 治療の選択肢が限られた多剤耐性ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染患者において、fostemsavirはプラセボと比較して投与開始後8日間のHIV-1 RNA量を有意に減少し、その有効性は48週まで持続することが認められた。米国・イェール大学医学大学院のMichael Kozal氏らが、23ヵ国で実施中の第III相試験の結果を報告した。fostemsavirは、画期的医薬品(ファーストインクラス)として開発中のHIV-1接着阻害薬temsavirのプロドラッグである。複数の抗ウイルス療法を受け治療の選択肢が限られているHIV-1感染患者に対する、新しい作用機序を持つ新クラスの抗レトロウイルス薬が必要とされていた。NEJM誌2020年3月26日号掲載の報告。多剤耐性HIV-1感染患者約370例を対象に、2つのコホートで評価 研究グループは、多剤耐性HIV-1感染患者を、残された治療選択肢に従って2つのコホートに登録した。第1コホートでは、治療選択肢として少なくとも1剤以上の承認された抗レトロウイルス薬(1クラス以上2クラス以下)を有する患者を、失敗したレジメンにfostemsavir(600mgを1日2回)またはプラセボを8日間追加する群に3対1の割合で割り付け、その後は非盲検下でfostemsavir+最適基礎療法を行った(無作為化コホート)。 第2コホートは、対象を抗レトロウイルス薬の選択肢が残されていない患者とし、非盲検下でfostemsavir+最適基礎療法を1日目から開始した(非無作為化コホート)。 主要評価項目は、無作為化コホートにおけるHIV-1 RNA量の1日目から8日目までの平均変化量とした。fostemsavir追加で8日間のHIV-1 RNA量が有意に減少 解析対象は、治療を受けた無作為化コホート272例、非無作為化コホート99例の計371例であった。 8日時点で、HIV-1 RNA量の平均減少量は、fostemsavir群で0.79 log10コピー/mL、プラセボ群で0.17 log10コピー/mLであった(p<0.001)。48週時点でのウイルス陰性化率(HIV-1 RNA量<40コピー/mL)は、無作為化コホートで54%、非無作為化コホートで38%であり、CD4陽性T細胞数の平均増加量はそれぞれ139/mm3および64/mm3であった。 fostemsavir投与中止に至った有害事象は、7%の患者で確認された。 無作為化コホートでは、47例でウイルス学的失敗が確認され、そのうち20例(43%)で糖蛋白120(gp120)の置換が認められた。

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認知症診療医の8割強が「ケアマネとの連携は集患に有用」と認識

 高齢化の進展に比例し、認知症患者の増加は必至。潜在化したまま医療に繋がっていない患者予備軍をどう見つけ出し、早期発見・治療に結び付けるのか―。そのカギを握るのは、医療介護連携であろう。国が提唱する「地域包括ケアシステム」においても、両者連携の下、認知症治療のみならず、予防や生活支援に取り組む構想が示されている。では、実際のところ医師とケアマネジャーの連携は進んでいるのだろうか。 今回、認知症診療に当たっているCareNet.com会員医師とケアマネジャーを対象に行ったアンケート調査の結果、連携できていると考える医師は4割、ケアマネジャーは3割にとどまり、多くの医療現場で協同関係に至っていない実態が浮き彫りとなった。ただし、連携が進んでいる医師の8割が「集患に役立つ」と回答しており、ケアマネジャーとの連携がメリットとなっている側面は注目すべきだろう。 本調査は、「認知症における意識調査」として、株式会社マクロミルケアネット(東京都港区、徳田 茂二代表取締役社長)および株式会社インターネットインフィニティー(東京都品川区、別宮 圭一代表取締役社長)が2社共同で実施。アンケートは、2020年2月27日~3月2日の期間にインターネットで行われ、認知症専門医/非専門医のCareNet.com会員医師220人と、インターネットインフィニティー社が運営するケアマネジメント・オンラインの会員ケアマネジャー508人から回答を得た。 認知症の医療現場において、「医療と介護が連携できている」と回答した割合は、医師が40.9%、ケアマネジャーで30.6%となり、両者共に半数に届かなかった。認知症予防における「早期発見の重要度」については、医師は81.3%、ケアマネジャーの94.3%が重要であると回答しており、両者の認識は共通している。ただ、日常的に要介護者と接しているケアマネジャーの方がより重要性を認識していることが、この高い数字からうかがえる。 「ケアマネジャーとの連携が集患にどの程度役立つか」について、実際にケアマネジャーと連携できていると回答した医師と、連携できていないと回答した医師とで結果を比較したところ、集患に役立つと考える割合は、ケアマネジャーと連携できている医師で86.6%、連携できてない医師では63.1%となり、1.4倍のポイントの開きが見られた。 認知症患者の転倒予防に大切なこととして、医師の回答で最も多かったのが「転倒の原因となりうる薬剤の見直し」(59.5%)で、以下「環境の調整」(58.2%)、「動きづらさの改善」(49.5%)、「望ましい行動への誘導」(39.1%)などとなった。 今後、抗認知症薬を積極的に使いたいと考えているかについては、医師で78.2%、ケアマネジャーでは62.5%が使用に前向きであると回答した。【本調査に関する問い合わせ先】株式会社マクロミル コミュニケーションデザイン本部 (担当:度会)TEL: 03-6716-0707MAIL: press@macromill.comURL: https://www.macromill.com株式会社インターネットインフィニティー Webソリューション部 (担当:酒井)TEL: 03-6697-5505 FAX: 03-6779-5055

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ニボルマブ+イピリムマブ、化学療法との併用で非小細胞肺がんに承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年3月26日、抗PD-L1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と抗CTLA-4抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、プラチナ製剤を含む 2 剤化学療法(プラチナ・ダブレット)との併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、小野薬品とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、化学療法未治療の進行・再発のNSCLC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法にプラチナ・ダブレット化学療法を追加した併用療法を、プラチナ・ダブレット化学療法と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-9LA試験)の結果に基づいている。 本試験の中間解析の結果、ニボルマブとイピリムマブにプラチナ・ダブレット化学療法を追加した治療群は、プラチナ・ダブレット化学療法群と比較して、主要評価項目である全生存期間の有意な延長を達成した。本試験における併用療法群の安全性プロファイルは、化学療法未治療のNSCLC治療において免疫療法と化学療法との併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。

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第1回 “コロナ・パンデミック”で見えてきた国と人間の品性

新型コロナウイルスのパンデミックを通じ、国や人間の品性が露わになってきた。中国が提唱する現代版シルクロード構想「一帯一路」の核心国、イタリアとイランなどで感染が拡大する中、中国は両国などに医療チームを派遣したり、80カ国以上の感染国に大量のマスクや検査キットを寄付したり、新型コロナ対策費を融資したりしている。「世界は中国に感謝すべきだ」と救援国のイメージを作ろうとしているが、トランプ米大統領が新型コロナを「中国ウイルス」と呼んだことに対し、「ウイルスは米軍が持ち込んだ」と反発。感染源になったことや情報の隠蔽・捏造に対する反省や謝罪どころか、責任転嫁に躍起だ。また、国内に工場を置く日系企業が100%日本向けに製造しているマスクに対し、中国当局が輸出規制を行っているという。公式にはマスク・原材料の輸出規制はしていないと言っているようだが、この企業の社長は「中国は本音と建て前を使い分けている」と話す。“マスク外交”に使われているのは、恐らくこのようなマスクなのだろう。韓国は、新型コロナに絡んだ日本の入国制限に反発、事実上の対抗措置をとった。国民健康保険公団の理事長は日本の新型コロナ対応に対し、「五輪を控え、診断と防疫をしないで隠蔽戦略をとっている。患者数は韓国よりはるかに多い可能性がある」などと批判。メディアでも、自国の新型コロナ感染者の激増をよそに、日本の感染拡大と東京五輪を結び付けた報道が続いた。本来なら、隣国同士、新型コロナ対応を協議すべき状況なのに情けない。日本政府も判断を誤った。中国の習近平国家主席の国賓訪日(当面延期)への忖度から、中国からの訪日者規制が後手に回り、国内感染者の拡大に繋がった。当の中国は日本よりも先に、日本からの入国制限を始めた。また、習主席の訪日予定日が近づく中、新型コロナ禍にあっても意に介さず、尖閣諸島への領海侵犯や領空侵犯を繰り返し、現在も続いている。一方、民間の動きには明るい話がある。日本の企業や自治体は早い段階から、大量のマスクや防護服などの支援物資を中国に送った。中国でビジネスを展開している企業や中国の都市と友好都市となっている自治体が多かったが、中国の政府や市民から謝意を示された。逆に、中国の自治体や企業によるマスクの寄付や、在日華僑によるマスクの街頭配布などが行われ、日中両国民による助け合いが見られたのは良かった。世界では、新型コロナへの不安や恐怖につけ込んだ悪徳商法やデマが相次いでいる。有害な素材を使った子ども向け偽マスクの密輸販売や、偽検査キットの訪問販売が横行したり、偽コロナウイルスマップがネット上にアップされたりしている。マスクの不足や高額転売に憤りを感じた山梨県内の中学1年の女子生徒は、自費で600枚もの手作りマスクを作り、県に寄付した。製作にかかった8万円は、これまで一度も使わずに貯めてきたお年玉だという。大人達が悪さをする中、善行を行った中学生には頭が下がる。東日本大震災の時、被災者が物資の奪い合いなどせず、支援物資の受け取りに整然と並んだり助け合ったりする姿に世界は驚嘆した。今回の新型コロナ禍も冷静に、毅然と対応したいものだ。

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MRSA菌血症におけるβラクタム薬の併用効果(解説:吉田敦氏)-1207

 MRSA菌血症では、限られた抗菌薬の選択肢を適切に使用しても、血液培養陰性化が達成できなかったり、いったん陰性化しても再発したり、あるいは播種性病変を来してしまう割合は高い。in vitroや動物実験の結果を背景とし、抗MRSA薬にβラクタム薬を追加すれば臨床的な効果が上乗せできるのではないかと長らく期待されてきたが、実際は培養結果判明までなど短期間併用されている例は相当数存在するものの、併用のメリット・デメリットが大規模試験で前向きに評価されたことはほとんどなかった。 本試験はオーストラリアで行われ、MRSA菌血症判明例を、βラクタム薬と抗MRSA薬の併用群と抗MRSA単独投与群にランダムに割り付けた。プライマリーエンドポイントは90日後の総死亡、5日目の持続菌血症、菌血症再発、14日目以降の無菌検体からのMRSA検出とし、さらにセカンダリーエンドポイントとして14、42、90日の総死亡、2日目と5日目の持続菌血症、急性腎障害(AKI)、微生物学的な再発・治療失敗、静注抗菌薬の投与期間を解析している。なおβラクタム薬の併用期間は7日間と定めた。 最終的に、用いられた抗MRSA薬のほとんど(99%)はバンコマイシンで、3日目の血中濃度のトラフは20μg/mL程度と十分上昇しており、残りはダプトマイシンの4%であった(重複があると思われる)。βラクタム薬はflucloxacillinないしクロキサシリンが主体で、セファゾリンは少数であった。MRSA菌血症の治療効果に関する指標では、2群間で有意な差はなく、βラクタム薬による上乗せ効果は証明できなかったが、併用群でAKI発症割合が高いことが判明し、この臨床試験は途中で打ち切りとなることが決定した。なお薬剤別のAKI発症割合は、flucloxacillinは28%、クロキサシリンは24%、セファゾリンは4%であった。 途中での打ち切りのために長期的な予後や、症例数を増やした2群間差のさらなる解析は難しくなったが、仮に上乗せ効果が多少ある結果となっても、併用によってAKI発生が増加したことを鑑みると、全体としてβラクタム薬の併用を支持することにはならないと思われる。なお本研究には、抗ブドウ球菌用ペニシリンのnafcillinは含まれていない。さらに本邦は状況が異なり、クロキサシリンはアンピシリンとの合剤として発売されているのみであり、flucloxacillinとnafcillinは利用できない。現実的にはセファゾリンのデータを参考にすることになるが、セファゾリンにはそもそも中枢神経への移行が乏しいという欠点があり、黄色ブドウ球菌菌血症で中枢神経病変が合併しやすい点から好ましいとは言い難い。一方でこれまでの前向きのランダム化試験では、症例数が少ないながらバンコマイシン・flucloxacillinの併用と、バンコマイシン単剤が比較され、併用群で菌血症持続期間が短かったという1)。しかしこの菌血症持続期間は本試験ではアウトカムとされず、再現性があるかは明確にされなかった。 このように本試験自体の限界もあるが、本試験のような大規模比較試験を組み、実行することは容易ではない。過去を含めても、少なくとも併用のメリットを支持する報告(臨床的な比較試験による)が少ないのは一致するところといえ、併用療法に相当のメリットがあることが示されなければ、今後も併用に関する積極的な支持は出にくいと考える。

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総理大臣ごっこで思考を整理【Dr. 中島の 新・徒然草】(317)

三百十七の段 総理大臣ごっこで思考を整理前回はプレゼンの練習目的に「総理大臣ごっこ」をしたというお話をしました。今回は思考整理のために総理大臣ごっこをしたので、そのやりとりを紹介します。実際に声に出してやると効果抜群でした。総理大臣に扮した同僚医師に尋ねられて新型コロナ対策を答えるという想定ですが、もちろん私は感染症の専門家でもなんでもないので、回答に疑問があっても御容赦ください。総理「新型コロナにはどのように対処すればいいのでしょうか?」中島「いきなりオープン・クエスチョンですか、総理!」総理「ちょっと疲れていまして」中島「国レベル、医療機関レベル、個人レベルのどれでお答えすればいいですか?」総理「じゃあ、病院レベルではどうでしょうか?」中島「まずはコロナ陽性患者を重症、中等症、軽症に分けることから始めます」総理「分けてどうするのですか」中島「重症度によって対応を変えます。重症はレスピレーターの必要な人で当然ながら集中治療を要します。中等症は酸素吸入・点滴くらいですが、これも入院加療が必要です。いつ急変するかわかりませんからね。でもそこまでいかない人は入院させず、自宅隔離か施設隔離です」総理「施設隔離といってもそんなに沢山の施設は確保できませんよ」中島「お客さんが来なくて困っているホテルを使いましょう」総理「経営者やホテルの従業員が協力してくれるでしょうか?」中島「協力してくれる人は必ずいます。国民を信じましょう、総理。そして、隔離される人には通常のホテルのサービスを諦めてもらいます。食事はコンビニ弁当、シーツは自分で交換、バスルームは自分で清掃してもらい、ホテル従業員との接触は極力さけるべきです」実際の総理大臣ごっこはもっとグダグダなやりとりでしたが、整理するとこんな感じでしょうか。総理「これからのコロナ拡大はどうなると思いますか?」中島「私の試算では、東京が医療飽和状態に達するのが4月17日、大阪がもう少し後ですね」総理「そんなに早いのですか?」中島「そうなんですよ。現在の東京都の累積患者数は約4日ごとに2倍になっているので、このまま行くと4月17日に1万8,000人を越えることになります」総理「医療飽和状態とは、具体的にどのような状況ですか?」中島「これは失礼しました。『医療飽和状態』というのは私の造語でして、予定手術がすべてキャンセルされ、病院全体でコロナ対応する状態です」総理「コロナ以外には対応しないのですか?」中島「さすがに心筋梗塞や脳卒中には対応しますが、残り9割のリソースはコロナ対応です」現在のニューヨークがこのような状態だそうです。向こうで働いている日本人医師情報を、また聞きで知りました。総理「国として行うべきことは何かありますか?」中島「レスピレーターの増産、感染防護服の増産をお願いします」総理「トランプさんがGMにレスピレーター生産を要請していましたね」中島「あの判断は凄いです。見直しました」総理「でも、日本で同じことをやろうと思うと、法律的な縛りが色々あるのですよ」中島「助けられる国民の数はレスピレーターの台数にかかっています。法律をどうやってクリアするかは、優秀な官僚たちに考えてもらいましょう。何しろスピードが命です」総理「わかりました。ほかに国ができることが何かありますか」中島「医療機関への経済的支援です。安心してコロナと戦えるようにお願いします」総理「産業界全体への支援を考えているところですが、とくに医療機関を最優先にしましょう」中島「おそらく介護業界にも支援が必要になってくると思います」総理「なるほど、医療の次は介護ですね」大規模なクラスターが発生した医療機関や、介護施設が報道されていますが、彼らこそ最も支えるべき対象だと私は思います。総理「それにしても私は疲れました。四方八方から罵詈雑言を浴びせられるし」中島「何言ってるんですか、総理はよくやっていますよ!」総理「本当にそう思いますか?」中島「日本が何とか踏みとどまっているのは総理のお蔭です」総理「中島先生にそう言ってもらえると、少し気力が出てきました」中島「我が国の運命がかかっているのです。よろしくお願いします!」なんだか「皇国ノ興廃コノ一戦ニ在リ」という名言を思い出しました。是非、皆でこの国難を乗り越えたいですね。ということで最後に1句 各員の 奮励努力で コロナ撃て!

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術後せん妄予防に対するメラトニンの効果~メタ解析

 術後せん妄の予防に、メラトニンやその類似体が有効なのかは、よくわかっていない。中国・南方医科大学のYunyang Han氏らは、メラトニンやその類似体の術後せん妄に対する効果を評価するため、システマティックレビューとメタ解析を実施した。Journal of Pineal Research誌オンライン版2020年3月7日号の報告。 PubMed、Cochrane Library、Web of Science、Embase、CINAHLデータベースより検索を行った。主要アウトカムは、術後せん妄発生率とした。 主な結果は以下のとおり。・ランダム化比較試験6件、コホート研究2件、ケースコントロール研究1件をメタ解析に含めた。・メラトニンおよびその類似体のラメルテオンは、成人のすべての手術集団において、術後せん妄の発生率を低下させることが示唆された(オッズ比[OR]:0.45、95%信頼区間[CI]:0.24~0.84、p=0.01)。・高用量(5mg)メラトニン投与は、術後せん妄発生率の低下に効果的であった(OR:0.32、95%CI:0.20~0.52、p<0.00001)。・手術前に消失半減期5回未満のメラトニン投与により、術後せん妄発生率が有意に減少した(OR:0.31、95%CI:0.19~0.49、p<0.00001)。 著者らは「現在の文献では、メラトニンやその類似体のラメルテオンは、術後せん妄の予防に有効であることが支持された。しかし、本結果は、研究の有意な異質性により制限を受ける可能性がある。心臓および非心臓手術におけるせん妄発生に対するメラトニンおよびその類似体の予防効果を明らかにするためには、さらなる研究が必要である」としている。

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リキッドバイオプシーによるT790M変異のスクリーニングとオシメルチニブの効果(WJOG8815L/LPS)/Cancer

 EGFR陽性肺がんにおけるリキッドバイオプシーは、組織生検不能患者に適用される。しかし、リキッドバイオプシーにより同定されたT790M変異非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるオシメルチニブの有効性についての前向き研究はない。これらの患者集団におけるオシメルチニブの有効性と安全性を前向きに評価する第II相試験が行われた。Cancer誌オンライン版2020年2月5日号掲載の報告。対象:第1/2世代EGFR-TKIで疾患進行後、リキッドバイオプシー(Cobas EGFR Mutation Test v2またはドロップレットデジタルPCR)でEGFR T790M変異が確認された進行再発NSCLC患者介入:オシメルチニブ80mg/日で疾患進行するまで治療継続主要評価項目:Cobasアッセイによる血漿中T790M陽性患者の全奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・2016年6月〜2017年11月に、リキッドバイオプシーを用いてスクリーニングされた患者は276例、T790M陽性は74例であった(74例中試験参加は53例)。・ Cobasアッセイによる血漿中T790M陽性患者(49例)のORRは55.1%(95%信頼区間[CI]:40.2〜69.3%)であった。・評価可能な全患者(n=52)の無増悪生存期間中央値は、8.3ヵ月(95%CI:6.9〜12.6)であった。 筆者らは、この結果から、このアッセイを用いた血漿遺伝子型判定は、腫瘍からのサンプリングが不可能な場合の臨床診療における治療選択にとって有益であるとしている。

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中国のCOVID-19情報充実のサイトを開設/神戸医療産業都市推進機構医療イノベーション推進センター

 神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター(センター長:福島雅典氏)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する特設ページを3月18日に公開した。 COVID-19による重症肺炎が最初に蔓延した中国では、すでに膨大な研究が行われ、多くの論文が発表されている。そして、それらの知見を取り入れたガイドラインが改訂・出版されている中で、このウェブサイトでは中国における診療ガイドラインや臨床試験情報などへのリンクを紹介している。センターでは随時更新を行う予定。主な掲載内容(日本語の翻訳あり)・中華人民共和国国家衛生健康委員会発行「新型コロナウイルス関連肺炎診療ガイドライン(試行第7版)」「新型コロナウイルス関連肺炎から回復した患者の回復期血漿を用いた臨床治療のガイドライン」・中華伝染病雑誌発行 上海市における新型コロナウイルス感染症の包括的治療に関するエキスパートコンセンサス・臨床試験情報へのリンク 中国臨床試験登録センター など・論文情報へのリンク LitCovid など*医療イノベーション推進センター(TRI)とは、日本で初めてのデータセンター・解析センターとして、文部科学省と神戸市によって2003年に創設。臨床研究を主導するすべての研究者と医師に対して、研究相談を受け付け、計画の策定から解析までを一貫して支援する組織。現在までに支援してきた臨床試験・臨床研究は401件にのぼり、掲載論文数は265編(2020年3月末時点)。

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SGLT2阻害薬の手術前の休薬は3~4日、FDAが承認

 2020年3月17日、米国食品医薬品局(FDA)は、2型糖尿病治療として使用されるすべてのSGLT2阻害薬において、術前休薬に関する添付文書の変更を承認した。手術前のSGLT2阻害薬休薬後は血糖値を注意深く監視 当局は、「カナグリフロジン(商品名:カナグル)、ダパグリフロジン(同:フォシーガ)、エンパグリフロジン(同:ジャディアンス)は少なくとも予定手術の3日前、エルツグリフロジン(国内未承認)は少なくとも4日前に休薬する必要がある」とプレスリリースを配信した。また、手術前のSGLT2阻害薬休薬後は血糖値を注意深く監視し、適切に管理すべき、と記している。 「患者の経口摂取が通常に戻り、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)・その他の危険因子が解決したら、SGLT2阻害薬を再開できるだろう」と当局は付け加えている。 今回の変更の承認理由は、手術により患者がDKAを発症するリスクが高まるためである。DKAの症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、疲労感、呼吸困難など。 このほか、SGLT2阻害薬の副作用は各薬剤によって異なるが、尿路・性器感染症、低血糖、急性腎障害、会陰の壊死性筋膜炎、下肢切断リスクの上昇などが報告されている。当局は、重度の腎機能障害もしくは末期腎不全の患者、透析治療中の患者、薬物過敏症患者には、SGLT2阻害薬を使用しないよう求めた。

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1日の歩数が多いほど、死亡リスクは低下/JAMA

 1日に歩く歩数が多いほど全死因死亡リスクは低下することが、米国・国立衛生研究所(NIH)のPedro F. Saint-Maurice氏らによる、同国サンプル成人をベースとした検討で示された。一方で、1日の総歩数で調整後の、歩行強度と死亡とには有意な関連はみられなかったという。JAMA誌2020年3月24日号掲載の報告。加速度計装着評価を受けた4,840例を対象に、歩数、歩行強度と死亡の関連を評価 研究グループは、歩行数と歩行強度および死亡との用量依存の関連を調べるため、全米健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)の被験者で、2003~06年に最長7日間加速度計による装着測定評価を受けた4,840例を対象に試験を行った。 加速度計測定による1日の歩数、歩行強度を調べ、全死因死亡リスクの関連を検証した(死亡については2015年12月まで追跡)。歩行強度(歩調[歩/分])の評価は3要素(歩調の延長[60歩/分で2分以上など]、30分間最大値[peak30]、1分間最大値[peak1])を用いた。加速度計測定データは、ベースラインの7日間で入手できたものをベースとした。 主要アウトカムは、全死因死亡だった。副次アウトカムは、心血管疾患(CVD)死とがん死だった。ハザード比(HR)、死亡率、および95%信頼区間(CI)は、年齢、性別、人種/民族、教育レベル、食事状況、喫煙状態、BMI、自己申告の健康状態、運動能の制限、病歴(糖尿病、脳卒中、心疾患、心不全、がん、慢性気管支炎、肺気腫)で補正し、3次スプラインと四分位分類を用いて推算した。歩行強度と死亡の関連はみられず 被験者は総計4,840例(平均年齢56.8歳、女性は2,435例[54%]、肥満者1,732例[36%])で、加速度計の装着期間は平均5.7日、1日平均14.4時間で、1日平均歩数は9,124歩だった。平均追跡期間10.1年中の死亡は1,165例で、うちCVDが406例、がんは283例だった。 補正前全死因死亡率は、1日の歩数が4,000歩未満の群(655例、うち死亡419例)で76.7/1,000人年、同4,000~7,999歩群(1,727例、488例)で21.4/1,000人年、同8,000~1万1,999歩群(1,539例、176例)で6.9/1,000人年、同1万2,000歩以上群(919例、82例)で4.8/1,000人年だった。4,000歩/日群と比べて、8,000歩/日群(HR:0.49、95%CI:0.44~0.55)、1万2,000歩以上群(0.35、0.28~0.45)は、全死因死亡リスクが有意に低かった。 一方で、peak30別にみた補整前全死因死亡率は、18.5~56.0歩/分群(1,080例、うち死亡406例)で32.9/1,000人年、56.1~69.2歩/分群(1,153例、207例)で12.6/1,000人年、69.3~82.8歩/分群(1,074例、124例)で6.8/1,000人年、82.9~149.5歩/分群(1,037例、108例)で5.3/1,000人年だった。総歩行数/日で補正後、歩行強度が増大しても死亡の低下はみられなかった(peak30の最高vs.最低四分位範囲の死亡HR:0.90、95%CI:0.65~1.27、傾向のp=0.34)。

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新型コロナ、2021年初頭にもワクチンを世界規模供給へ―米国J&J

 世界規模で感染拡大に歯止めがかからない新型コロナウイルス。その予防に向けた最初の突破口になり得るのか。米国のジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下、J&J社)は3月31日、最初の製造ステップに進むための新型コロナウイルスのリードワクチン候補を同定。2021年初頭にも10億回分超のワクチンを世界規模で供給することを目指し、生産態勢の強化を急ピッチで進めることを発表した。 新型コロナウイルスを巡っては、現段階では他疾患に使用されている既存薬の転用で治療が進められており、予防ワクチンも存在しないため、各国で研究・開発が急がれている。WHOは今年2月の段階で、ワクチン開発には18ヵ月要するとの見解を示している。 J&Jは、新型コロナウイルスの配列を入手した今年1月から、有望なワクチン候補の調査を開始。J&Jの医薬品部門であるヤンセンファーマシューティカルカンパニーズ(以下、ヤンセン)の研究チームとハーバード大学医学部附属病院ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター(BIDMC)と共同で、複数のワクチン候補の試作とテストを重ねてきた。その結果、最初の製造ステップに進む、新型コロナウイルスのリードワクチン候補(2つの予備候補あり)を同定した。 今後の見通しとしては、今年9月に第I相臨床試験を開始することを目指しており、安全性と有効性に関する臨床データは年末までに入手可能となる。J&Jによると、緊急用ワクチンは2021年初頭にも利用できるようになる見込みとのこと。生産態勢の整備においては、ヤンセンと米国生物医学先端研究開発局(BARDA)との提携を強化し、10億回分を超えるワクチンを世界規模で供給することを目指す。

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前立腺がんの術前検査、PSMA PET-CT vs.従来CT+骨スキャン/Lancet

 前立腺がん患者に対する根治目的の手術や放射線療法前に行う病期分類のための画像検査について、新規の画像診断法であるガリウム-68・前立腺特異的膜抗原(PSMA)11を用いたPET-CT検査は、従来のCTと骨スキャニングの組み合わせ検査に比べ精度が優れており、代替検査として適切であることが示された。オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのMichael S. Hofman氏らが、302例を対象に行った、第III相の多施設共同無作為化比較試験の結果で、Lancet誌オンライン版2020年3月22日号で発表された。従来のCT+骨スキャニングでは、ハイリスクの限局性前立腺がんの病期分類の感度が不十分であることが指摘されていた。 オーストラリアの10病院で302例を対象に無作為化試験 研究グループは、PSMA PET-CTが、画像診断の精度を改善し治療に影響を及ぼすかどうかを調べる検討を行った。オーストラリアの10病院で、生検によりハイリスクな前立腺がんと確定診断された男性患者を集めて試験を行った。 被験者を無作為に2群に割り付け、一方には従来のCT検査と骨スキャニングを、もう一方の群にはPSMA PET-CT検査を実施した。初回の画像検査は無作為化後21日以内に行われ、遠隔転移が3ヵ所以上認められない場合には被験者はクロスオーバーし、もう一方の画像検査を行った。 主要アウトカムは、初回画像診断による骨盤リンパ節または遠隔転移の検出精度で、6ヵ月後の病理組織や画像、生化学検査など、事前に規定した基準を用いて受信者動作特性(ROC)曲線で定義した。PSMA PET-CT群、感度85%、特異度98% 2017年3月22日~2018年11月2日に339例が適格性の評価を受け、302例(従来画像検査群152例[50%]、PSMA PET-CT群150例[50%])が無作為化を受けた。 追跡評価を行った295例(98%)のうち、87例(30%)で骨盤リンパ節または遠隔転移が認められた。検査精度は、従来画像検査群65%(95%信頼区間[CI]:60~69)に対して、PSMA PET-CT群92%(88~95)と27%(95%CI:23~31)高かった(p<0.0001)。 従来画像検査群はPSMA PET-CT群と比べて、感度(38%[24~52]vs.85%[74~96])、特異度(91%[85~97]vs.98%[95~100])のいずれも低かった。 サブグループ解析でも、骨盤リンパ節転移に関するROC曲線下面積が、従来画像検査群59%に対しPSMA PET-CT群91%(絶対差:32%[95%CI:28~35])、遠隔転移に関する同面積はそれぞれ74%と95%(同:22%[18~26])であり、PSMA PET-CT群の精度の優越性が示された。 初回従来画像検査群は、同PSMA PET-CT群に比べ、その結果が治療方針の変更につながる割合は低く(23例[15%、95%CI:10~22]vs.41例[28%、21~36]、p=0.008)、また結果が曖昧な割合が高かった(23%[17~31]vs.7%[4~13])。

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