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新型コロナ抗体陽性者、6ヵ月は再感染リスクが低下/NEJM

 抗スパイク抗体または抗ヌクレオカプシドIgG抗体の存在は、以後6ヵ月間の重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)再感染のリスクを大幅に低下することが示された。英国・オックスフォード大学病院のSheila F. Lumley氏らが、英国の医療従事者を対象にSARS-CoV-2抗体の有無と感染発生率を調査した前向き縦断コホート研究の結果を報告した。これまで小規模な研究では、中和抗体が感染予防と関連する可能性が示唆されていたが、SARS-CoV-2抗体とその後の再感染リスクとの関連については不明であった。NEJM誌オンライン版2020年12月23日号掲載の報告。英国の医療従事者約1万2,500例対象に、抗体の有無とその後の感染率を調査 研究グループは、英国のオックスフォード大学病院における無症候性/症候性スタッフ検査に参加し血清反応が陽性/陰性の医療従事者を対象に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により確定されたSARS-CoV-2感染の発生率を調査した。 被験者のベースラインでの抗体有無を、抗スパイク抗体(スパイク蛋白に対する抗体)(主要解析)および抗ヌクレオカプシドIgG抗体(ヌクレオカプシド蛋白に対する抗体)解析により確定し、最長31週間追跡した。また、PCR検査陽性と新規症候性感染の相対発生率を、年齢・性別・発生率の経時変化で補正を行い、抗体の有無別に推定した。 合計1万2,541例の医療従事者が抗スパイクIgG抗体の測定を受けた。抗体陰性者は1万1,364例、抗体陽性者は1,265例(追跡調査中に抗体陽転が生じた88例を含む)であった。抗体陽性者の抗体陰性者に対する補正後発生率比0.11 血清抗スパイク抗体陰性でPCR検査陽性となったのは223例(リスク期間1万日当たり1.09)で、スクリーニング中に無症状が100例、有症状が123例であった。一方、血清抗スパイク抗体陽性でPCR検査陽性となったのは2例(リスク期間1万日当たり0.13)で、2例とも検査時は無症状であった(補正後発生率比:0.11、95%信頼区間[CI]:0.03~0.44、p=0.002)。 抗スパイク抗体陽性者において、症候性の感染は確認されなかった。 発生率比は、ベースラインの抗体有無を、抗ヌクレオカプシドIgG抗体検査単独で判定した場合、または抗スパイクIgG抗体検査を併用した場合で変わらなかった。 なお、著者は、「主に65歳以下の健康な医療従事者が対象であり、調査期間が短期で、一部の医療従事者は退職により追跡できなかった」ことなどを研究の限界として挙げたうえで、「小児、高齢者、免疫低下を含む併存疾患を有する患者など他の集団における感染後の免疫を評価するには、さらに研究が必要である」とまとめている。

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永続性AFのレートコントロール、ジゴキシンvs.ビソプロロール/JAMA

 永続性心房細動および心不全症状を有する患者において、低用量ジゴキシンまたはビソプロロールによる治療は、6ヵ月時のQOLについて統計学的有意差を示さなかった。英国・バーミンガム大学のDipak Kotecha氏らが、無作為化非盲検臨床試験「Rate Control Therapy Evaluation in Permanent Atrial Fibrillation trial:RATE-AF試験」の結果を報告した。永続性心房細動患者、とくに心不全を合併している患者において、心拍数調節療法の選択を支持するエビデンスはほとんど示されていないが、今回の結果について著者は、「所見は、他のエンドポイントが治療決定のベースとなりうる可能性を支持するものである」と述べている。JAMA誌2020年12月22・29日号掲載の報告。160例をジゴキシン群とビソプロロール群に無作為化、SF-36 PCSを比較 研究グループは2016~18年に、イングランドの病院および一般診療所3施設において、永続性心房細動(洞調律を回復する治療なしと定義)およびNYHA分類II以上の呼吸困難を有する60歳以上の患者160例を登録し、ジゴキシン群(80例、投与量62.5~250μg/日、平均161μg/日)と、ビソプロロール群(80例、投与量1.25~15mg/日、平均3.2mg/日)に無作為に割り付け、2019年10月まで追跡した。 主要評価項目は、健康関連QOL身体的サマリースコア(SF-36 PCS)を使用した患者報告による6ヵ月時点のQOL(範囲:0~100、スコアが高いほど良好)で、臨床的に意義のある最小変化量はSD 0.5とした。 副次評価項目は、6ヵ月時点の17項目(安静時心拍数、修正欧州不整脈学会[EHRA]症状分類、NT-proBNP値など)、12ヵ月時点の20項目、および有害事象であった。6ヵ月時のQOLに有意差なし、ただし有害事象発現率はジゴキシン群で低い 160例(平均年齢76[SD 8]歳、女性74例[46%]、ベースラインの平均心拍数:100[SD 18]回/分)のうち、145例(91%)が試験を完遂し、150例(94%)を主要評価項目の解析対象とした。 6ヵ月時における標準化SF-36 PCSの主要評価項目に、両群間で有意差は認められなかった(平均値[±SD]:ジゴキシン群31.9±11.7 vs.ビソプロロール群29.7±11.4、補正後平均群間差:1.4、95%信頼区間[CI]:-1.1~3.8、p=0.28)。 6ヵ月時の副次評価項目17項目のうち、安静時心拍数(ジゴキシン群76.9±12.1回/分vs.ビソプロロール群74.8±11.6回/分、群間差:1.5回/分、95%CI:-2.0~5.1、p=0.40)を含む16項目で有意差は確認されなかったが、修正EHRA症状分類は6ヵ月時に両群間で有意差が認められた(2クラス改善した患者の割合:ジゴキシン群53%、ビソプロロール群9%、補正後オッズ比:10.3、95%CI:4.0~26.6、p<0.001)。 12ヵ月時の副次評価項目20項目のうち、8項目で有意差が確認された(すべてジゴキシン群が良好)。NT-proBNP中央値はジゴキシン群960pg/mL(四分位範囲:626~1,531pg/mL)、ビソプロロール群1,250pg/mL(四分位範囲:847~1,890pg/mL)であった(幾何平均比:0.77、95%CI:0.64~0.92、p=0.005)。 有害事象はジゴキシン群で20例(25%)、ビソプロロール群で51例(64%)に認められた(p<0.001)。治療関連有害事象はそれぞれ29例、142例、重篤な有害事象は16例、37例であった。

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ICD/CRT-Dデバイス、謝礼金額の「影響」とは(解説:高月誠司氏)-1337

 本研究は植込み型除細動器(ICD)、同心臓再同期療法付き(CRTD)の心臓植込みデバイスの植込み件数とデバイスメーカーが植込み医師に支払った報酬(研究費除く)との関係を調べたものである。 米国において4,435人の植込み医師が3年間で計14万5,900人の患者にデバイス植込みを行った。植込み医師の中の4,152人(94%)がデバイスメーカー4社から何らかの報酬(中央値で1,211ドル)を得ていた。そして各医師は最も報酬が多かったメーカーのデバイスを選択する傾向があったという。この報酬自体は違法性のあるものではなく、また結果的に臨床上影響があったかは検証されていない。 デバイス選択に影響する因子として、MRI対応、電池寿命、デバイスの治療アルゴリズムなどが考えられるが、それぞれが医療機器として認可されており、概してメーカー間で大きな機能差はない。もちろん特定のデバイスメーカーを選択する状況も起こりうる。たとえば皮下型ICD、ペースメーカーでいえばリードレスペースメーカーやHis束ペーシングなどは決まったメーカーになるし、心房抗頻拍刺激機能なども特定のメーカーの機器で承認されている。一方で、病院によってはメーカーとの契約によって使用を制限するという場合もあるだろう。医療者の立場からすると、慣れているメーカーのものは使いやすい。というのはアルゴリズムやプログラミングの仕方、ウェブを介した遠隔モニタリングシステムなどに関して、すべてのメーカーに精通するのは難しいからである。ただし植込みデバイスは機器の不具合やリコールなどの危険があり、1社のみで回していくことはリスクがある。そうなると現実的には数社のメーカーで回すことが多いと考えられる。 本研究のデータは米国における現実を明らかにし、実に植込み医師の94%がメーカーから報酬を得ていたが、だからといって健康被害があったということではない。ただ植込みデバイスの機種選択において、メーカーからの報酬が影響していたということである。

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諺あれこれ・続き【Dr. 中島の 新・徒然草】(356)

三百五十六の段 諺あれこれ・続きついに激動の2020年から2021年になりました。果たしてコロナは落ち着くのか、さらなる混乱に襲われるのか?誰もが予想できないところです。さて、昨年暮れに「諺あれこれ」ということに述べました。昔の大学入試に出た「反対の意味を持つ諺のペアを挙げよ」というものです。その出題では人を見たら泥棒と思え渡る世間に鬼はないという組み合わせが挙げられていました。同じように相反する言い伝えをいくつか紹介したところ、蛙の子は蛙鳶(トビ)が鷹(タカ)を生むというのはどうですか?早速私信をいただきました。凡人の子は凡人にしかならない、と言われるとミもフタもありません。一方で、たいした事のない親から立派すぎる子供ができることもあります。その方が夢いっぱいでいいですね。また、船頭多くして船山に登る三人寄れば文殊の知恵を挙げてくれた人もいました。確かに良い知恵を得ようとすると、3人ぐらいで相談するのが効率的です。人が多くなると議論百出で何も決まらなくなります。さらに栴檀(せんだん)は双葉より芳し大器晩成という組み合わせもあります。前者は、できる人は最初からできる人だった、という意味。たしかにその通り。後者は、遅咲きタイプのできる人もいるという意味。レーシングドライバーで例を挙げてみましょう。誰もが知っているアイルトン・セナは、1983年に22歳でイギリスF3にデビュー。この時、広報担当のサットン氏が「5年以内にF1チャンピオンをとる」と宣言していました。なんと、まだF1ドライバーにもなっていない段階での世界制覇の予告です。でも、本当に5年後の1988年、セナは28歳でF1ドライバーズ・チャンピオンをとりました。オッサンだらけの当時のF1ドライバーの中でも彼の若さは際立ちます。3度のチャンピオンの後、残念ながら1994年にレース中の事故で亡くなりました。彼のF3開幕2連勝を報じるAUTOSPORTは、今でも自宅の本棚に眠っています。私にとって唯一無二のヒーローでした。一方、オッサン代表はファン・マヌエル・ファンジオ。なんと38歳でF1に参戦し46歳まで、実に5回のワールドチャンピオンになっています。古き良き時代のこととはいえ、凄すぎる!何をするにも遅すぎることはないということですね。さて、「栴檀は双葉より芳し」というのは「子供時代も大人になってからも素晴らしい」ということになります。一方、これと相反する「大器晩成」は、「子供時代はダメだけど、大人になったら素晴らしい」ということです。それなら、「子供時代は素晴らしいけど、大人になったらダメだ」という意味で「栴檀」と相反する諺があってもよさそう。実はピッタリの言い伝えがありました。十で神童、十五で才子、二十歳過ぎればただの人実際のところ、栴檀や大器よりこっちのほうがよっぽど多いんじゃないかな。でも、人々に安らぎを与えてくれる愛すべき存在だともいえます。ということで相反する諺シリーズ。雑談やちょっとした頭の体操にぜひどうぞ。最後に1句年新た ただの人も また一興

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J-CLEAR特別座談会(2)「心血管疾患治療薬としてのSGLT2阻害薬を検証する」

J-CLEAR特別座談会(2)「心血管疾患治療薬としてのSGLT2阻害薬を検証する」出演東京都健康長寿医療センター顧問 桑島 巖 氏NTT東日本札幌病院 院長 吉岡 成人 氏佐賀大学医学部循環器内科 教授 野出 孝一 氏横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学教室 准教授 石上 友章 氏「CLEAR!ジャーナル四天王」でおなじみのJ-CLEARメンバー4氏がweb上に集結。各々の専門領域の知見を踏まえ、「心血管疾患治療薬としてのSGLT2阻害薬」をテーマに議論を交わした座談会の模様を全4回でお届けします。なお、この番組は2020年12月4日に収録したもので、当時の情報に基づく内容であることをご留意ください。

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第39回 収束に光明?獣医学の視点から新型コロナ治療薬を展望

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、感染力が高いとされる「変異種」(厳密に言えば、種ではないがこう称されている)も確認され、収束の先行きが見えない。ただ、ワクチンに関しては、日本は米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカの3社から計2億9,000万回分(接種は1人につき2回)の供給を受ける。早ければ2月下旬にも医療従事者から接種を始める。また、治療薬については、別の疾患に対して開発された既存薬の中から有効な薬を探る手法で見いだす動きが進み、国内ではレムデシビルやデキサメタゾンが認められている。このような状況下、医療分野などのコンテンツ制作を行っているステラ・メディックス社長で獣医師の星 良孝氏がこのほど、新社会システム総合研究所のセミナーで、動物のコロナウイルスに対応してきた獣医学の視点を交えて、「新型コロナウイルス治療薬の展望」をテーマに講演した。まず、米国医師会雑誌に掲載された情報などを基に、新型コロナの致死率は約2%だが、年齢別致死率で見ると85歳以上が約30%と高い一方、18歳以下は0.04%と低いことを示し、若年感染者の動きが感染拡大を招いている可能性を指摘。感染した場合、重症化の予防が重要な点を強調した。続いて星氏は、獣医領域では一般的なコロナウイルスの性格について、ウイルス自身を保護し、自ら増殖する酵素を持つため“しぶとい”と評す。RNAウイルスでは最大のゲノムサイズであり、複数のサブゲノミックRNAが転写されること、エンベロープに王冠状スパイクを有するのが特徴で、一般的にウイルスは形状によって弱点が変わる点を理由として述べた。スパイクタンパクに関しては、新型コロナでは「D614G」変異が起きたことにも言及した。武漢株はスパイクタンパクの614番目のアミノ酸がアスパラギン酸(D)だったのに対し、昨年2月下旬以降、欧州株の同じ部位のアミノ酸がグルシン(G)に変異。スパイクタンパクが開裂してウイルスが侵入した結果、感染力が高まったという。現在では欧州株が世界を席巻している(なお、9月以降、英国で別の箇所での変異を増やしたものが変異種と呼ばれるようになっている)。動物でもコロナ感染の現れ方は多様新型コロナはさまざまな動物に感染しうるが、異種間感染については「まだ謎がある」と星氏は述べる。動物でも病気の現れ方は多様で、遺伝子変異でも病気の現れ方が変わるという。例えば、ネコ腸コロナウイルス(FECV)が遺伝子変異により病理性が強まると、ネコ伝染性腹膜炎(FIPV)になり、致死率は100%になる。ブタの腸コロナウイルス(TGE、PED)は、遺伝子変異により症状が変わると呼吸器コロナウイルスになり、子ブタの致死率が高くなる。1型ネココロナウイルスが1型イヌコロナウイルスと融合すると、2型ネココロナウイルスになり、種を超えて感染する可能性もある。コロナは変幻自在のようだ。新型コロナはなぜ手強いか。星氏は(1)致死率が比較的低い(2)ゲノム構造によりウイルス増殖能力が高い(3)幅広い動物に感染する(4)感染経路が多様(5)変異して病原性が変化する――を挙げた。そのため、治療薬についても“攻め手”を見極めた上で手段を構築すべきと強調する。新薬の開発期間は10〜18年、合成化合物から承認に至る確率は10万分の5と言われる中、従来のプロセスから見れば、半年や1年程度で新薬ができるわけがない。そのため、既存薬の転用から治療手段を増やし、有効性を探りつつ薬剤開発が進められている。星氏は、薬剤のターゲットとして(1)ウイルス感染により遺伝子が作り出すタンパク質の機能を阻害する(2)ウイルスの付着と侵入を止める(3)ウイルスの持つmRNAのコピーを止める(4)mRNAに基づいて作られるタンパク質の成熟を阻害する(5)ウイルスの放出を阻害する――を例示した。ウイルスと宿主それぞれに働き掛ける幸い、コロナウイルスの標的になるタンパク質と、遺伝情報の由来については全容が解明されている。ゲノムRNA約3万の配列は確定されており、SARSと82%の類似性、必須酵素は90%であることが明らかになっている。特徴となる機能を阻害すれば感染や増殖が止まり、それは治療手段になる。「鍵を握るのは、過去の研究の蓄積」と星氏。SARSの薬剤に関連する研究は、2002年から19年11月30日までに1,813件、コロナの薬剤に関連する研究は、SARS出現前年の2001年までに351件ある。また、星氏は新型コロナの臨床試験に関して、以下のような2つのアプローチと6つの柱を示した。1.ウイルスに働き掛ける(1)ウイルスに対して結合する抗体医薬(2)ウイルスの細胞への侵入、融合を阻止する薬剤(3)ウイルスの増殖を抑制する薬剤(4)ウイルスに対する免疫を強化する薬剤2.宿主側に働き掛ける(1)体内の過剰な免疫反応を調整する薬剤(2)合併症を軽減する薬剤星氏は、製薬企業24社やAMED(日本医療研究開発機構)採択課題の企業主導型・アカデミア主導型の薬剤開発動向、コンピュータを用いた「バーチャルスクリーニング」を紹介。「2021年以降、新型コロナへの対応の選択肢は増える見込み」との展望で締めくくった。新型コロナの収束につながる光が、少しずつ見えてきた。

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慢性不眠症に対する処方デジタル治療「Somryst」について

 処方デジタル治療(PDT)は、米国食品医薬品局(FDA)に承認された新たなソフトウエアベースの医療機器であり、疾患の治療に用いられる。Somrystは、慢性不眠症治療に対しFDAにより承認された最初のPDTであり、不眠症の認知行動療法(CBT-I)を、モバイルアプリケーションを通じて提供するものである。CBT-Iは、慢性不眠症のガイドラインで推奨される第1選択治療であるが、CBT-Iのセラピストには限りがあり、より多くの患者へCBT-Iを提供するニーズにSomrystは合致する。カナダ・ラバル大学のCharles M. Morin氏は、Somrystについてのレビューを報告した。Expert Review of Medical Devices誌オンライン版2020年11月23日号の報告。 本レビューでは、Somrystの作用機序や技術的特徴、FDA承認時のランダム化試験の安全性および有効性のデータを解説した。 主な結果は以下のとおり。・Somrystは、成人慢性不眠症患者の治療において優れた臨床効果が認められており、リスクを上回るベネフィットをもたらす。・FDA承認時のランダム化試験では、第1世代のCBT-IプラットフォームであるSleep Healthy Using the Internet(SHUTi)の2つの臨床試験に基づき、評価された。・Somrystや一般的なPDTは、効果的な治療へのアクセスを向上させるために、有望なデバイスである。・非接触型であるSomrystは、COVID-19パンデミックなどの安全上の理由により対面診療が利用できないまたは推奨されない場合においても、理想的な治療オプションといえる。

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オラパリブ、卵巣がん、前立腺がん、膵がんに国内承認/アストラゼネカ・MSD

 アストラゼネカとMSDは、2020年12月28日、オラパリブ(商品名:リムパーザ)について、2020年12月25日付で、「相同組換え修復欠損を有する卵巣におけるベバシズマブ(遺伝子組換え)を含む初回化学療法後の維持療法」、「gBRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺」および「gBRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」の3つの適応症を対象に厚生労働省より承認を取得したと発表。 今回の同時承認は、The New England Journal of Medicine誌にて発表された第III相PAOLA-1、PROfound、およびPOLO試験の中間解析結果に基づくもの。

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COVID-19治療でシクレソニドの推奨見直し/厚生労働省

 2020年12月25日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第4.1版」を公開した。 同手引きは診療の手引き検討委員会が中心となって作成され、第1版は3月17日に、第2版は5月18日に、第3版は9月4日に、第4版は12月4日に公表され、今回重要事項について大きく3点で加筆が行われた(なお、この手引きは2020年12月23日現在の情報を基に作成。今後の知見に応じ、内容に修正が必要となる場合がある)。■主な改訂点【病原体・疫学】・国内発生状況の内容を追記(12月23日までの情報に更新)【臨床像】・「重症化のリスク因子」の中で、重症化のリスク因子に「悪性腫瘍」「2型糖尿病」「脂質異常症」「喫煙」「固形臓器移植後の免疫不全」を追記【薬物療法】・「薬物療法」中の「その他の薬剤例」でシクレソニドにつき、「無症状・軽症の患者には推奨されない」を追記

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パーキンソン病の運動症状、集束超音波視床下核破壊術で改善/NEJM

 パーキンソン病による明らかな非対称性が認められ、薬物療法ではコントロール不良の運動徴候が認められるか、脳深部刺激療法が非適応の患者において、片側半球への集束超音波視床下核破壊術は、4ヵ月後の運動症状の改善に結び付いたことが示された。スペイン・CEU San Pablo UniversityのRaul Martinez-Fernandez氏らが、40例を対象に行った無作為化比較試験の結果を報告した。視床下核は、パーキンソン病の主要な運動症状を治療するための脳深部刺激に関して、好ましい神経外科的標的とされる。集束超音波は、視床下核などの脳深部の構造に、治療的病変を作成するための画像ガイド法であり、研究グループは、同技術を活用した手術の有効性を検討した。NEJM誌2020年12月24日号掲載の報告。施術4ヵ月後の運動スコア改善を比較 研究グループは、パーキンソン病による明らかな非対称性が認められ、薬物療法でコントロール不良の運動徴候があるか、脳深部刺激療法が非適応の患者を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2対1の2群に分け、一方には運動徴候優位側の対側に集束超音波視床下核破壊術を行い(実治療群)、もう一方には偽処置を行った(対照群)。 有効性に関する主要アウトカムは、休薬状態における優位側の運動障害疾患学会・パーキンソン病統一スケール(MDS-UPDRS)運動スコア(パートIII、0~44:高スコアほどパーキンソン病様症状が重いことを示す)の4ヵ月後までの変化の群間差とした。 安全性に関する主要アウトカムは、手技に関連する合併症で、4ヵ月時点で評価した。MDS-UPDRS-IIIスコア平均、実治療群で9.8ポイント低下 被験者40例のうち、実治療群は27例、対照群は13例だった。 優位側のMDS-UPDRS-IIIスコア平均は、実治療群はベースライン時19.9から4ヵ月後には9.9に低下した(最小二乗平均差:9.8ポイント、95%信頼区間[CI]:8.6~11.1)。対照群は同18.7から17.1への低下で(1.7ポイント、0.0~3.5)、群間差は8.1ポイント(95%CI:6.0~10.3、p<0.001)だった。 実治療群の有害事象としては、ジスキネジアが休薬状態・投薬状態ともに6例発生し、4ヵ月時点で持続していたのはそれぞれ3例と1例だった。また、治療側の脱力が5例(4ヵ月時点で2例持続)、構音障害が15例(同3例)、顔面脱力が3例(同1例)、歩行障害が13例(同2例)で認められた。実治療群の6例について、これらの障害の一部が12ヵ月時点でも認められた。

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動脈瘤性クモ膜下出血、トラネキサム酸の超早期投与で改善する?/Lancet

 CTで確認された動脈瘤性クモ膜下出血患者において、超早期のトラネキサム酸による短期間の抗線溶療法は、修正Rankinスケールで測定した6ヵ月後の臨床アウトカム改善に結び付かなかったことが示された。オランダ・アムステルダム大学のRene Post氏らが、約1,000例の患者を対象に行った多施設共同前向き無作為化非盲検試験「ULTRA試験」の結果を、Lancet誌オンライン版2020年12月21日号で発表した。動脈瘤性クモ膜下出血患者において、トラネキサム酸による短期間の抗線溶療法は、再出血リスクを軽減することが示されている。一方で、同療法が臨床アウトカムを改善するかについては不明であった。6ヵ月後の臨床アウトカムを評価 試験は、オランダ24ヵ所の医療施設(治療センター8ヵ所、紹介型病院16ヵ所)を通じて、CTで確認された動脈瘤性クモ膜下出血患者を対象に行われた。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には、診断直後に通常の治療に加えトラネキサム酸投与を開始し、脳動脈瘤治療の直前または投与開始24時間後のいずれか早い時点で中止した(1gボーラス投与、その後1g/8時間で静注)。もう一方の群には、通常の治療のみを行った。 主要エンドポイントは6ヵ月後の臨床アウトカムで、修正Rankinスケールで評価し、良好(0~3点)と不良(4~6点)に二分し評価した。臨床アウトカム良好は両群とも約6割 2013年7月24日~2019年7月29日に、955例が登録された(トラネキサム酸群480例、対照群475例)。 ITT解析の結果、臨床アウトカムが良好だったのはトラネキサム酸群60%(475例中287例)、対照群64%(470例中300例)と、有意差はなかった(治療センターで補正後のオッズ比[OR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.66~1.12)。 無作為化後から動脈瘤治療前までの再出血は、トラネキサム酸群49例(10%)、対照群66例(14%)だった(OR:0.71、95%CI:0.48~1.04)。その他の重篤な有害イベントもまた、両群で同等だった。

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新型コロナの医療従事者への感染:院内感染と非院内感染が混在(解説:山口佳寿博氏)-1336

 新型コロナが中国・武漢で発生してから約1年が経過し、手探りで始まった本感染症における臨床所見の把握、診断法、治療法(抗ウイルス薬剤、抗炎症薬/サイトカイン・ストーム抑制薬、ECMOなどの呼吸管理法)、予防法(有効ワクチン)の確立に関し多くの知見が集積されつつある。感染症発生初期には、感染症の本体(感染性、播種性、重症化因子)が十分に把握できず、医療従事者の防御法(PPE:Personal Protective Equipment)も不完全で医療施設内での医療従事者を巻き込んだ感染クラスターの発生など、種々の社会的問題が発生した。これらの諸問題は時間経過と共に沈静化しつつあるが、現在施行されている医療従事者の一般的PPEが本当に正しいかどうかに関する検証はなされていない。もし、医療従事者のPPEが正しいならば、医療従事者の新型コロナ感染率は一般住民のそれと同等であるはずである。この問題に対する確実な答えを見つけておくことは、今後のコロナ感染症の診断/治療に当たるわれわれ医療従事者にとって重要な問題である。医療従事者はコロナ感染症患者に的確に対処すると同時に、1人の一般人として自らを取り巻く家族にも責任を持たなくてはならない。本論評では医療従事者における新型コロナ感染症の感染率、入院率について、現在までに報告された知見を基に考察する。 医療従事者における新型コロナ感染率は、中国・武漢における感染初期(2020年1月1日~2月3日)の院内感染データを基に初めて報告された(Wang D, et al. JAMA. 2020;323:1061-1069. )。感染症発症後間もない時期の疫学データで、PCR確定入院肺炎患者138例のうち57例(41%)が院内感染による肺炎であった。他疾患で入院中の患者における院内感染関連の肺炎発症は17例(12%)、医療従事者のそれは40例(29%)であった。これらの値は非常に高く、感染発症初期段階における院内感染予防策の稚拙さを物語っている。 感染が世界に広がり、PPEの重要性が医療現場に浸透しだした2020年2月12日から4月9日までのデータを基に、米国CDCは、39万5,030例のPCR確定患者のうち医療従事者の感染者数は9,286例(感染率:2.35%)であると報告した(Washington Post, USA Today, 2020年4月9日)。この医療従事者の感染率は新型コロナ発生の最も初期に中国・武漢の医療施設から報告された値の約10分の1であり、医療従事者におけるPPEの厳密度が時間経過に伴い上昇していることを示している。米国CDCの報告で重要な点は、医療従事者の感染者のうち45%は感染経路が不明で、院内感染など感染患者との接触歴を認めなかったことである。すなわち、医療従事者の多くは、医療現場で感染したわけではなく、通勤、買い物、あるいは、家族内など一般人と同じ経路で感染したことを物語っている。 同年4月22日から4月30日に集積されたデータを基に、ベルギーの単一施設におけるIgG抗体に基づく医療従事者の感染率が報告された(Steensels D, et al. JAMA. 2020;324:195-197.)。この報告によると、3,056例の医療従事者のうち197例(6.4%)でN蛋白に対するIgG抗体が陽性であった。ベルギーにおける一般人口のN蛋白IgG抗体陽性率は報告されていないが、欧州各国の一般人口におけるIgG抗体陽性率が人口の5~10%であることを考慮すると、ベルギーにおける医療従事者のIgG抗体陽性率は一般人口のそれとほぼ同等と考えてよい。この解析から得られた興味深い知見は、医療従事者のIgG抗体陽性がコロナ患者との院内接触歴ではなく、感染した家族との接触歴が関連した事実である。この結果も、医療従事者への感染は、一般人と同様に医療現場ではなく家族内感染が重要な役割を果たしていること示している。 同年3月1日から6月6日までに集積されたデータを基に、英国・スコットランド全域における医療従事者(15万8,445人)とその家族(22万9,905人)のコロナ感染による入院率が検討された(Shah ASV, et al. BMJ. 2020;371:m3582.)。医療現場を含めた何らかの仕事に従事する“Working age(18~65歳)”の入院総数は2,097例、そのうち医療従事者は243例(11.6%)、医療従事者の家族は117例(5.6%)であった。以上を医療従事者の仕事内容(患者対面職[patient facing]、患者非対面職[non-patient facing])で層別化すると、患者非対面職の医療従事者とその家族の入院リスクは非医療従事者(一般人)のそれと同等であった。一方、患者対面職医療従事者の入院リスクは患者非対面職医療従事者の3.3倍、患者対面職医療従事者の家族における入院リスクは患者非対面職医療従事者家族の1.8倍であった。救急隊員、集中治療室勤務、呼吸器内科医師/看護師など患者対面職の中で“最前線医療従事者(front door staffs)”と位置付けられる人たちの入院リスクは非最前線医療従事者の2.1倍であった。 以上の報告をまとめると、(1)医療従事者におけるコロナ感染は、医療施設内におけるコロナ患者との接触(院内感染)に起因するもの(~55%)と医療施設内患者接触とは無関係なもの(~45%)が混在する。(2)患者非対面職医療従事者(その家族を含む)のコロナ感染症による入院リスクは非医療従事者(一般人)のそれと同等である。(3)医療施設内での患者接触は、患者対面職医療従事者の入院リスクを有意に上昇させる。(4)同時に、感染した医療従事者からの感染を介してその家族の入院リスクを上昇させる。(5)患者対面職にあって最前線医療従事者の入院リスクは、一般的な患者対面職医療従事者に比べ有意に高い。以上より、一般的PPEは医療施設内での感染予防に貢献しているが、患者対面職の医療従事者、とくに、最前線医療従事者にあっては一般的PPEでは不十分で、さらに厳密なPPEが必要であることが示唆される。

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「エクセラーゼ」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第33回

第33回 「エクセラーゼ」の名称の由来は?販売名エクセラーゼ®配合錠一般名(洋名[命名法])効能又は効果消化異常症状の改善用法及び用量通常、成人1回1錠を1日3回食後直ちに経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由禁忌(次の患者には投与しないこと)(1)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(2)ウシ又はブタたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年1月6日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年4月改訂(第5版)医薬品インタビューフォーム「エクセラーゼ®配合錠」2)Meiji Seika ファルマ:製品情報

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第39回 三浦瑠麗氏の痛烈発言から見えてくる、日本の医療体制分断の実像

9つの医療団体が開いた異例の合同記者会見こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。年始年末は実家のある愛知に帰り、一人暮らしの父親のために雑煮を作るなどしていました。世間の風潮は「帰省は自粛」でしたが、89歳の父親がモチを喉に詰まらせるリスクや、私がコロナを感染させるリスクなどのさまざまな要因を勘案した結果、万全の対策を取ったうえで帰省することにしました。帰りしなに約50年ぶりに父親からお年玉をもらったので、帰省してよかったとは思います。あとは10日間ほど何事もなければ…。さて、本年も当コラムをよろしくお願いします。政府は首都圏1都3県に今週中にも緊急事態宣言を出す方向で調整に入りました。それだけ新型コロナウイルス感染症の患者数が増え、医療体制が逼迫してきたということですが、年末にこれにまつわる興味深いニュースがありました。12月21日に日本医師会をはじめとする9つの医療団体のトップが異例の合同記者会見を開いた、翌22日のことです。21日の合同記者会見では、日本医師会の中川 俊男会長が「全国の医療提供体制がひっ迫の一途をたどり、日本が世界に誇る医療制度が風前のともし火になっている。過酷な医療の現場にも思いをはせ、今できる対策は全部実行してほしい」と述べ、「医療の緊急事態」を宣言し、一層の感染防止対策に協力を呼び掛けました。また、日本病院会の相澤 孝夫氏会長も「折れそうな心を支えながら、必死に医療を提供してきたわれわれの努力は、これ以上、感染者が増えては、まったく報われない。国が先頭に立って、国民の移動や行動を制限することを、政策として掲げてほしい」と述べました。合同記者会見には、東京都医師会の尾崎 治夫会長、日本歯科医師会の堀 憲郎会長、日本薬剤師会の山本 信夫会長、日本看護協会の福井 トシ子会長、全日本病院協会の猪口 雄二会長、日本精神科病院協会の長瀬 輝龍副会長、日本医療法人協会の伊藤 伸一会長代行も出席していました。「重要なことが隠された会見」翌22日、テレビのワイドショーなどで活躍する国際政治学者(らしいです)の三浦 瑠麗氏がフジテレビの朝の番組「とくダネ!」で、この合同記者会見に噛みつきました。メインキャスターの小倉 智昭氏にコメントを求められた三浦氏は、「重要なことが隠された会見だったと思います」と切り出し、「コロナ患者を診ている公立病院を中心とした一部の志ある病院と、主に会見に出て話されたコロナ患者について受け入れを拒否されている私立病院の大半の方々との間で、全然違う環境にあるにもかかわらず、“我々医療従事者は”と仰る」と、中川会長らの発言を皮肉ったのです。さらに三浦氏は、旭川医科大学の学長が、同じ旭川市でクラスターが発生し、機能停止に陥った吉田病院からの患者受け入れを「経営難に陥るから」という理由で拒否し、吉田病院が「なくなればいい」と暴言を吐いたという週刊文春の記事を紹介。「もっと致死率が高くて感染力の高いウイルス持つ感染症患者が来ても、これまで“聖職者です”と言ってきた医療従事者は拒否するんですか? そういったことを曖昧にしたまま、すべてを国民の責任にしてますよね」と語り、「なぜ医療体制がこんなに簡単に崩壊してしまうのか、という分析は1つもない。ごく少数の病院が医療崩壊すれば医療崩壊と言うが、その他の病院が医療崩壊しているわけではない。ごく少数の病院だけにコロナ患者を集中させたことで、そこが悲鳴を上げている」と現在のコロナ患者受け入れ体制を批判しました。三浦氏の発言はネット上でも話題に三浦氏の認識には一部誤解もあるようですが、ある部分は的を射ており、医療関係者の中には「痛いところを突かれた」と思った方もいるのではないでしょうか。医療団体の代表が集まって国民にお願いをしているが、最初の緊急事態宣言の頃から、医療提供体制の拡充のために何をやってきたかについて詳しい説明がない、というのは確かに三浦氏の言う通りです。大手マスコミは医療者の代表の意見として、中川会長の発言を取り上げますが、その中身を批判することはまずありません。しかしながら、日本医師会自体は主に診療所開業医を中心とする団体です。コロナ患者の急性期医療に携わっている会員医療機関は、三浦氏も指摘したようにごく一部だと思われます。もちろん、地区医師会有志によるPCR検査の実施など、コロナ医療に貢献している医師会員は少なくないと見られますが、それとコロナ診療最前線の医療崩壊とは、少々次元の違う話です。なお、この三浦氏の発言はネット上でも話題となりました。22日付のライブドアニュースは、「『とくダネ!』三浦 瑠麗氏、医師会の会見に「全てを国民の責任にしている」痛烈批判で賛否の声」と報じ、SNS上での「よくぞ言ってくれた。感謝!! 日本医師会の欺瞞を暴いてくれた。この勇気に感服。前線で身体を張って頑張っている医療従事者には感謝しか無いが、その人たちの代表は日本医師会では断じて無い」といった声を紹介しています。医療提供体制の“分断”が顕在化新型コロナ感染症の感染拡大で徐々に明らかになってきたのは、日本の医療提供体制における“分断”ではないでしょうか。日本には国民皆保険制度があり、かつ誰もがどこの医療機関にもかかれるフリーアクセスが確保されているので、平時であれば国民は医療機関探しに困ることはほとんどありません。しかし、今回のような有事になると、平時には見えなかった医療機関間の能力差、キャパシティ、経営方針の違いなどが一気に顕在化し、アクセスが難しくなります。さらには、本当に必要とされている医療を提供しない(できない)医療機関が現れると、局所的に医療崩壊の危険性が高まります。12月29日付の日本経済新聞は「コロナ危機対応 浮かんだ課題」と題する特集記事を掲載、医療体制の問題点を指摘しています。同記事はコロナ患者受け入れについて「厚労省の9月末時点の調査では、全国の病院のうち受け入れ実績があったのは2割だけだった。容体が急変しやすい急性期の治療を担う病院の受入状況は数の少ない公立・公的病院の受け入れ率が過半を超えるのに対し、数の多い民間病院では1割強にとどまった。民間は経営への影響を恐れ、後ろ向きになりがちだ」と書いています。また、こうした公民の差だけでなく、大学病院間でも受け入れ態勢に差があるようです。たとえば、東京都文京区には国立大学病院が2つありますが、コロナ患者に対応する病床数には大きな開きがあると聞いています。もちろん、コロナ対応だけが大学病院の使命ではありません。しかし、国難とも言える緊急事態への対応として、もっと機能的で強制的な病床活用の仕方があってもいいでしょう。そのあたりは、これからの地域医療構想の議論とも関連してくることですが、「将来」ではなく「今」どうするかを早急に考えないと、本当の医療崩壊が始まってしまいます。日本病院会会長だけの記者会見でもよかったのでは「三浦氏はテレビのコメンテーターに過ぎず、その発言を気にすることはない」という声もあるようです。しかし、今回は意外と核心を突いた発言だと言えます。こうした意見が厳然とあることを医療関係者(とくにトップ)は頭に入れておく必要があるでしょう。今後、さらに医療体制が深刻化したとき、彼女は同様の発言を繰り返すに違いありません。ちなみに三浦氏は自民党政権とも近く、政府の成長戦略会議の有識者委員も務めています。最後に、今回の合同記者会見ですが、医療に詳しい人であればあるほど、茶番にしか見えなかったのではないでしょうか。日頃、診療報酬のパイを奪い合っている者同士が神妙な面持ちで座り、ただただ国民にお願いをし、正論を述べていただけなのですから…。私としては、あの会見は日本病院会の相澤会長が単独でやるべきではなかったかと思います。重症例を含め、新型コロナウイルス感染症の患者を最も多く受け入れているのは日本病院会の会員施設だからです。医療者の団体にはいろいろなしがらみがあるでしょうが、国民に心から訴えるには、やはり茶番では無理だと感じた年末年始でした。※本記事の内容は筆者の見解であり、ケアネットの見解を述べるものではございません。

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低用量アスピリンによる胃潰瘍リスク低減の提案薬【うまくいく!処方提案プラクティス】第30回

 今回は、意外と見落としがちな低用量アスピリンによる消化管出血の予防についてです。低用量アスピリンはNSAIDsと同様に消化管障害の危険因子であり、原疾患の治療で継続的な服用が避けられない場合には、予防投与としてPPI(プロトンポンプ阻害薬)やH2受容体拮抗薬の併用が必要となります。その際は、年齢や腎・肝機能によって薬剤を使い分けましょう。患者情報96歳、男性(施設入居)基礎疾患陳旧性心筋梗塞、慢性心不全、前立腺肥大症、気分障害、右前胸部皮下腫瘤、大腸がん(ESD後の狭窄あり)介護度要介護4訪問診療の間隔2週間に1回処方内容1.フロセミド錠20mg 2錠 分2 朝昼食後2.アスピリン錠100mg 1錠 分1 朝食後3.ミラベグロン錠50mg 1錠 分1 朝食後4.プレガバリン口腔内崩壊錠25mg 2錠 分2 朝夕食後5.アセトアミノフェン錠200mg 2錠 分1 就寝前6.アルプラゾラム錠0.4mg 1錠 分1 就寝前7.センノシド錠12mg 1錠 分1 夕食後8.ピコスルファート内用液0.75% 便秘時 5滴から調節本症例のポイントこの患者さんは、施設入居前に上記を含む多数の薬剤を服用していましたが、別の薬剤師の介入により薬剤数が減り、定期内服薬は7種類となりました。今回、私が初めて訪問診療に同行することになりましたが、陳旧性心筋梗塞の既往から低用量アスピリンを継続的に服用し続けているにもかかわらず、消化管出血予防の支持療法が併用されていないことが気になりました。胃痛や胃部不快感、黒色便などの自覚症状こそないものの、もし消化管障害を併発した場合は超高齢で基礎疾患の増悪などリスクが高いと考え、医師と直接話すことにしました。なお、過去にPPIやH2受容体拮抗薬を服用していたかどうかは、薬歴やお薬手帳を確認しても不明でした。処方提案と経過同行時、この患者さんの部屋に入る前に医師に処方内容について相談がある旨を伝え、時間をもらいました。そこで、陳旧性心筋梗塞を基礎疾患として低用量アスピリンの服用を継続しているため、消化性潰瘍の支持療法の検討は必要かどうかを確認しました。現在はとくに自覚症状もなく困っているわけではありませんが、もし低用量アスピリン服用による消化性潰瘍を併発した場合にクリティカルになりかねず、患者さんもできるだけ長く施設で余生を過ごしたいと思っていることを伝えたところ、医師よりそもそもの消化性潰瘍の予防薬が入っていないことを見落としていたと返答がありました。そこで、併用薬についてはPPIのランソプラゾール口腔内崩壊錠15mgの処方追加を提案しました。H2受容体拮抗薬を提案しなかったのは、高齢者においては認知機能低下の懸念があり、この患者さんは腎機能が低下(Scr:1.86mg/dL)しているため肝代謝を主としたPPIのほうが望ましいと考えたからです。医師より提案事項の承認を得ることができ、早々にランソプラゾールを開始することになりました。その後、とくに胃部不快感などの症状や、下痢や肝機能障害などのPPIによる有害事象の出現もなく経過しています。Sugano K, et al. J Gastroenterol. 2011;46:724-735.

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日本人うつ病就労者における職場での主観的事例の性差

 日本におけるうつ病患者数は、増加を続けている。うつ病による経済的影響には、アブセンティズム(欠勤や遅刻、早退など)とプレゼンティズム(心身の問題によるパフォーマンスの低下)の両方を介した生産性の低下がある。また、うつ病の有病率、発症経緯、自覚症状には、男女間で差があるといわれている。大阪市立大学の仁木 晃大氏らは、日本人うつ病就労者が、職場における問題をどのように認識しているかを調査し、うつ病の初期段階における職場での主観的な機能レベルの性差について検討を行った。Occupational Medicine誌オンライン版2020年11月28日号の報告。 日本人うつ病就労者を対象に、横断的研究を実施した。対象者の職場における主観的な機能レベルの変化は、初回診断後に調査した。対象者が最初に感じた機能レベルの変化に対する性別の影響は、カイ二乗検定および残差分析を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・調査対象者は、147人であった。・男性では、女性と比較し、仕事の効率が低下したと報告する割合が有意に高かった。・女性では、男性と比較し、同僚や上司との人間関係の問題を報告する割合が有意に高かった。 著者らは「男性では仕事の効率低下、女性では社内での人間関係の問題に注意することが、メンタルヘルスのセルフケアにおいて重要な要素であることが示唆された。管理職に携わる人は、従業員の機能レベルに注意し、適切な社会的支援を提供する必要がある」としている。

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COVID-19入院時、ビタミンD欠乏で死亡オッズ比3.9

 ビタミンD欠乏症と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の関連は、これまでもさまざまな報告があるが、依然として情報は不足している。今回、ベルギー・AZ Delta Medical LaboratoriesのDieter De Smet氏らが、入院時の血清ビタミンDレベルとCOVID-19の病期および肺炎の転帰との関連を調査した。その結果、COVID-19で入院した患者の59%がビタミンD欠乏症であり、COVID-19による死亡オッズ比は3.9であることが示された。American Journal of Clinical Pathology誌2020年11月25日号での報告。入院時のビタミンD欠乏症とCOVID-19起因肺炎による死亡率との関連 研究者らは、2020年3月1日~4月7日にAZ Delta General Hospitalに入院したSARS-CoV-2感染(PCR陽性)者186例を対象に、入院時の胸部コンピューター断層撮影(CT)と25(OH)D測定を組み合わせた後ろ向き観察試験を実施した。また、ビタミンD欠乏症(25(OH)D<20ng/mL)が交絡する併存疾患に関係なく生存率と相関するかどうかを調べるために、多変量回帰分析が実施された。 なお、CT結果による病期は、すりガラス状陰影(初期、病期1)、すりガラス状陰影内部に網状影を伴うcrazy-paving pattern(進行期、病期2)、浸潤影を呈するconsolidation(ピーク期、病期3)とした。COVID-19による肺炎の影響を受けた肺組織の割合は、CT重症度スコア(0~25)として表された。 入院時の血清ビタミンDレベルとCOVID-19の病期および肺炎の転帰との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・PCRで確認されたSARS-CoV-2感染者186例が入院し、そのうち男性が109例(58.6%)、女性が77例(41.4%)、年齢中央値はそれぞれ68歳(四分位範囲[IQR]:53~79歳)および71歳(IQR:65〜74歳)だった。・入院時に測定された結果によると、186例中85例(46%)は病期3(ピーク期)、病期2(進行期)は30%、病期1(初期)は25%で、男女比に差は見られなかった。・186例中109例(59%)は、入院時にビタミンD欠乏症(25(OH)D<20ng/mL)であり、男性では67%、女性では47%だった。・男性患者では、CTによる病期が進むにつれて徐々に25(OH)Dの中央値が低くなり、ビタミンD欠乏率は、病期1の55%から病期2では67%、病期3では74%に増加した(p=0.0010)。一方、女性患者ではそのような病期依存の25(OH)D値変動は見られなかった。・入院時の25(OH)D値と死亡率の関連を調べた結果、COVID-19患者186例のうち、27例(15%)が死亡し、そのうち67%が男性だった。・死亡した患者は生存者と比べて、年齢(中央値:81歳vs.67歳、p<0.0001)、慢性肺疾患有病率(33% vs.12%、p=0.01)、冠動脈疾患有病率(82% vs.55%、p=0.02)、CT重症度スコア(15 vs.11、p=0.046)が高く、25(OH)D値(中央値:15.2 vs.18.9ng/mL、p=0.02)は低かった。・二変量ロジスティック回帰分析によると、死亡率は年齢の上昇(オッズ比[OR]:1.09、95%信頼区間[CI]:1.03~1.14)、CT重症度スコアの上昇(OR:1.12、95%CI:1.01~1.25)、慢性肺疾患の存在(OR:3.61、95%CI:1.18~11.09)、およびビタミンD欠乏症の存在(OR:3.87、95%CI:1.30~11.55)とは独立して関連しており、性別、糖尿病および冠動脈疾患の有病率、CTによる病期とは関連していなかった。 著者らは、「本研究は、慢性肺疾患、冠動脈疾患、糖尿病など、ビタミンDの影響を受ける併存疾患とは無関係に、入院時のビタミンD欠乏症とCOVID-19起因肺炎による死亡率との関連を示した。これは、とくにビタミンD欠乏症の患者を対象とする無作為化比較試験の必要性を強調し、SARS-CoV-2パンデミックの安全かつ安価で実施可能な軽減策として、世間一般にビタミンD欠乏の回避を呼びかけるものだ」と結論している。※本文中に誤りがあったため、一部訂正いたしました(2021年1月18日10時)。

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循環器科医のためのCOVID-19解説サイト/ライフサイエンス出版

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界の日常を一変させ、12月現在、わが国でも感染者数・重症者数ともに増加し、深刻な状況となっている。 そのような状況のなか、ライフサイエンス出版は、特設サイト「循環器科医のためのCOVID-19超解説」を開設した。 COVID-19と循環器疾患との関連は非常に注目されるトピックである。本サイトでは、わが国を代表する循環器領域の専門家が、「川崎病」「血栓症」「心不全」「高血圧」をテーマに解説している。また、COVID-19は、ウイルス感染に起因する炎症反応が重要なキーワードとなっているため、免疫領域の専門家による解説も予定している。 今後の順次公開されるコンテンツに期待をいただきたい。公開されている解説記事第1回「COVID-19における小児の川崎病類似症例」深澤 隆治氏(日本医科大学)第2回「COVID-19の病態としての免疫異常と血栓症」西垣 和彦氏(岐阜市民病院)第3回「コロナ禍における心不全患者の予防と治療・管理、終末期の緩和ケア」安斉 俊久氏(北海道大学)公開予定の解説記事第4回「自然免疫応答とサイトカインストーム」米山 光俊氏(千葉大学)第5回「高血圧」松澤 泰志氏(横浜市立大学)第6回「交差免疫」吉村 昭彦氏(慶應義塾大学)

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免疫チェックポイント阻害薬関連の乾癬、重症度や対処法は?

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に関連した乾癬について、ギリシャ・アテネ大学のVasiliki Nikolaou氏らが欧州9施設から報告された115例について、重症度等のデータを明らかにし、段階的な治療アルゴリズムの提案を検討した。ICIに関連した乾癬は、診断上および治療上の重大な課題をもたらすが、検討によりacitretin、アプレミラスト、メトトレキサートは安全で効果的な治療法であり、ほとんどの場合でICI投与を中断することなく完了できることを示した。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年12月3日号掲載の報告。 研究グループは、前例のない最大コホートから報告されたICIに関連した乾癬に関するデータを報告し、段階的な治療アルゴリズムを提案するため、欧州の9施設で組織するEuropean Network for Cutaneous ADverse Event to Oncologic drugs(ENCADO)のデータを用いて検討した。 9施設からの、ICIに関連した乾癬を呈した全患者の医療記録をレトロスペクティブにレビューした。 主な結果は以下のとおり。・コホートに包含した患者は115例であった。・報告された疾患重症度は、グレード1が60/105例(57.1%、10例は欠損データ)、グレード2が34/105例(32.4%)、グレード3が11/105例(10.5%)であった。・乾癬の新規症例と悪化症例の比率は21/90例(23.3%)であった。・最も一般的な全身療法はacitretin(23例、20.1%)であり、続いて全身ステロイド(8例、7%)、アプレミラスト(7例、6.1%)、メトトレキサート(5例、4.3%)、生物学的製剤(4例、3.6%)であった。・全体として、乾癬のためにICIを中断したのは29/112例(25.9%)であり、永久中止となったのは20/111例(18%)であった。・ベースラインで、BSA>10%の場合、ICI治療の変更リスクは3.6倍(オッズ比[OR]:3.64、95%信頼区間[CI]:1.27~10.45、p=0.03)、永久中止のリスクは6.4倍(6.41、2.40~17.11、p<0.001)それぞれ増大することが示された。・滴状乾癬およびグレード2/3が、ICIの抗腫瘍反応の有意な陽性予測因子であった。一方で、そう痒症は陰性予測因子であった。・本検討は、後ろ向きデザインという点で結果は限定的なものである。

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