サイト内検索|page:776

検索結果 合計:35230件 表示位置:15501 - 15520

15501.

心筋ミオシン阻害薬の新薬、閉塞性肥大型心筋症に有効/Lancet

 閉塞性肥大型心筋症患者において、first-in-classの心筋ミオシン阻害薬mavacamtenは運動耐容能、左室流出路(LVOT)閉塞、NYHA心機能分類および健康状態を改善することが示された。イタリア・Azienda Ospedaliera Universitaria CareggiのLacopo Olivotto氏らが、mavacamtenの有効性および安全性を検証した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「EXPLORER-HCM試験」の結果を報告した。肥大型心筋症において心筋の過剰収縮は重要な病態生理学的異常であり、血行動態の変化を伴うLVOT閉塞の主たる原因となる。これまで肥大型心筋症に対する薬物療法の選択肢は、効果が乏しいか忍容性が不十分で、疾患特異的な薬物がなかった。Lancet誌オンライン版2020年8月29日号掲載の報告。mavacamtenの有効性と安全性をプラセボと比較検証 EXPLORER-HCM試験は、13ヵ国の心臓血管センター68施設において実施された。LVOT勾配50mmHg以上、NYHA心機能分類クラスII~IIIの症状を伴う肥大型心筋症患者を対象とし、mavacamten群(5mgから開始)またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、30週間投与した。患者には2~4週ごとに受診してもらい、状態を評価するとともに、心エコー、心電図、臨床検査、mavacamten血漿中濃度測定などを行った。 主要評価項目は、最大酸素摂取量(pVO2)の1.5mL/kg/分以上増加、NYHA心機能分類の1クラス以上改善、またはNYHA心機能分類の悪化なしでpVO2が3.0mL/kg/分以上増加とした。副次評価項目は、運動後LVOT勾配、pVO2、NYHA心機能分類、カンザスシティー心筋症質問票のClinical Summary Score(KCCQ-CSS)、Hypertrophic Cardiomyopathy Symptom Questionnaire Shortness-of-Breath subscore(HCMSQ-SoB)の変化とした。mavacamtenは主要評価項目を達成し、忍容性も良好 2018年5月30日~2019年7月12日の期間に、成人429例がスクリーニングされ、そのうち251例(59%)が登録された。mavacamten群が123例(49%)、プラセボ群が128例(51%)であった。 主要評価項目を達成した患者の割合は、mavacamten群が37%(45/123例)、プラセボ群が17%(22/128例)であった(群間差:+19.4%、95%信頼区間[CI]:8.7~30.1、p=0.0005)。 mavacamten群ではプラセボ群と比較し、運動後LVOT勾配(-36mmHg、95%CI:-43.2~-28.1、p<0.0001)、pVO2増加(+1.4mL/kg/分、95%CI:0.6~2.1、p=0.0006)、症状スコアの改善(KCCQ-CSS:+9.1[95%CI:5.5~12.7]、HCMSQ-SoB:-1.8[95%CI:-2.4~-1.2]、いずれもp<0.0001)において良好な結果が得られた。NYHA心機能分類の1クラス以上改善が得られた患者は、mavacamten群のほうが34%多かった(mavacamten群80/123例vs.プラセボ群40/128例、95%CI:22.2~45.4、p<0.0001)。 mavacamten群の安全性および忍容性は、プラセボ群と同等であった。治療下で発現した有害事象は概して軽度であった。死亡はプラセボ群で突然死による1例が報告された。

15502.

ビスホスホネート製剤による大腿骨近位部骨折予防効果は副作用としての非定型大腿骨骨折のリスクを上回る。(解説:細井孝之氏)-1283

 骨吸収抑制剤であるビスホスホネート製剤(以下BP製剤)は1990年代に登場した骨粗鬆症治療薬であり、確実な骨密度上昇効果と骨折予防効果によって主要な治療薬の地位を得た。一方、15年ほど前から、ある程度長く本剤を服用している者の中に大腿骨の骨幹部の非外傷性骨折がみられることが注目されてきた。このために、欧米においては本剤の使用を控える傾向がみられ、それまで減少傾向にあった大腿骨近位部骨折頻度が減り止まるという現象すらみられた。骨粗鬆症による代表的な骨折である大腿骨の骨折は大腿骨頸部や大腿骨転子部などの大腿骨近位部に発症する(hip fracture、以下HF)。これに対してBP製剤との関連で注目される大腿骨骨折は転子下、とくに骨幹部に発症するため、非定型大腿骨骨折(atypical femur fracture、以下AFF)と呼ばれている。 さて、本論文は、BP製剤とAFFとの関連を米国のKaiser Permanente Southern California health care systemに登録された大規模データをもとに詳細に検討したものである。本論文ではBP製剤の中でも最も汎用されるアレンドロン酸の効果をみているが、本剤によって予防されるHFの数と副作用によって生ずると思われるAFFの数とを比べている。その結果、白人とアジア人の両方で前者が後者を上回り、AFFという副作用を考慮してもアレンドロン酸による治療が有用であることが確認された。ただし骨粗鬆症によるHF発症頻度はアジア人よりも白人のほうが多いことが知られているが、AFFはその逆で白人よりもアジア人に多いため、アレンドロン酸の実質的な効果は白人よりもアジア人において小さいことも示されている。なお、黒人においてはAFFの発生数がきわめて少ないため、人種間の比較対象にはなっていない。骨粗鬆症による骨折、とくにHFの予防は高齢者人口が全世界的に増え続けている今日、より重要性が増しているものの、発生率や治療薬の効果には人種差も考慮する必要があること示す重要な論文である。

15503.

思い、思われ【Dr. 中島の 新・徒然草】(340)

三百四十の段 思い、思われ映画『思い、思われ、ふり、ふられ』を観ましたか?神戸高校が無茶苦茶出てきました。ほかのシーンは知らない所ばかり。ロケ地マップを見てなるほどと思いました。ある日やってきたLINEでのお知らせ。何、俺の母校が出てくるのか!これはぜひ観なくては。そう思って映画館に行く準備をしながら、ふと女房にも声を掛けました。中島「ちょっと映画館に行くけど、一緒に行ったりするかな?」女房「はあ? 映画館って、このコロナの時に行くんか!」中島「でも神戸高校が沢山出てくるらしいし」女房「アンタみたいなハゲチョロビンのA型が一番コロナにやられやすいんやで」中島「ほな僕1人で行ってくるわ」女房「何言うとんねん。1人でもアカンに決まっとるやろ!」中島「ええーっ(泣)」女房「エエわけないがな、そんなもん」というわけで、DVD発売まで待つことになりました。思い起こせば1974年2月某日。中島少年は、私立N高校の合格発表の掲示板の前で呆然と立っていました。自宅から徒歩10分の超進学校を受験して落ちたのです。「アンタには近くて遠い学校やったんやな」数十年後に女房に言われた言葉です。悔しいけど、うまい!不合格をかみしめながらN高校の外に出てきた私を待っていたのは、父親の車でした。父親「落ちとったんか。ほな、神戸高校でも見に行くか」中島「うん」車が六甲山麓を登っていくにつれ、私の視界に入ってきたのは神戸高校の校舎。何やら有難い様式の美しい建物の前で、男女の高校生が楽しそうに談笑していました。共、共学じゃん!男子校である私立N高校にまさる決定的なアドバンテージ。いやいやいや、神戸高校も悪くないっすよ。たちまち私の頭の中には青春を謳歌する未来の自分がイメージされました。もしかしてN高校に行くより良いかもしれんぞ。しか~し。共学のメリットを何ひとつ生かすことのできない3年間でした。その分、勉学に励んだはずの中島青年は、不覚にも予備校に進学。休みの日まで練習に打ち込んだ卓球も県大会予選落ちでした。まあ、現実というのはそんなもんです。さて、医学部を卒業して数年後。「中島、ちょっと神戸高校に来て授業をしてくれんか?」恩師からお声が掛かりました。進路指導の一環として、医学部受験や医師生活の実際を紹介するというものです。喜んだ私は、ここぞとばかりスライドを準備して授業に臨みました。麻酔科や脳外科の仕事を紹介しつつ、美人ナースとの写真をさりげなく織り交ぜます。そして当直のお話。中島「お医者さんにはアルバイトがつきものでして」中島「一晩の当直で安いほうだと〇〇円程度」生徒A「ええー、そんなにもらえるんですか!」生徒B「待て待て、安いほうとか言うてはったで」生徒C「ほな、高いほうはどうなるねん」中島「高い所で土日当直をすると〇〇円くらいになります」生徒A,B,C「なにーっ!! 俺、医学部に行く、絶対に行くぞー!」病める人の力になるとか立派な事も言ったんですけど、どこかに吹っ飛ばされたようです。とはいえ、どんな形でも生徒たちのヤル気に火をつけたことで恩師は大喜びでした。恩師「個人的に色々訊いてくる奴がおるかもしれんからな、またアドバイスしてやってくれ」中島「もちろんです」恩師「今日は色々ありがとう、ホンマに中島に頼んで良かったで」さらに10数年後。たまたま大学の脳外科に寄ったときに、医局長に声を掛けられました。医局長「中島先生、もしかして神戸高校で授業をしませんでしたか?」中島「うん、昭和の終わりか平成のはじめころにやった記憶があるよ」医局長「僕、あの時に教室にいたんですよ」わざわざ母校まで行って授業をした甲斐があったというものです。映画の方に話を戻しますが、男女4人が主人公とのこと。私の青春の空白を埋めてくれる美しいストーリーであることを祈ります。「こうなるはずだったんだよ、俺の高校生活は!」といった話ですね。最後に当時の神戸高校あるある話。校舎内は土足。なので下駄箱なし。そもそも神戸は公立私立や小中高関係なしに全員土足。朝、遅刻しそうになったら1つ手前の阪急六甲駅で降りてタクシーに乗る。安くすませるために、同じ制服の生徒に声を掛けて4人で同乗。このときばかりは学年性別関係なし。これを出会いのキッカケにした物語があってもよさそう。タクシーは正門に横付けしてはならないというルールあり。敷地の外で降りてから、正門まで200メートル以上ある急坂を徒歩で登らなくてはならない。この坂は地獄坂と呼ばれて、生徒全員から恐れられていた。教室から見下ろす夕暮れの神戸の景色は絶景。でも当時の自分にとっては日常風景だったのであまり有難さを感じなかった。敷地の中のアップダウンが激しく、エレベーターのない時代の先生方は難儀していたらしい。「職員室から1階まで一旦下りて、隣の校舎の4階まで上がるのは大変でした」同窓会での担任の先生のお話。もちろん高校生どもは平気だった。ということで最後に1句春が来て 思い描くは ふりふられ

15504.

原発不明がんに対するニボルマブへの期待【Oncologyインタビュー】第19回

出演:近畿大学医学部 腫瘍内科/市立岸和田病院 腫瘍内科 谷崎 潤子氏いまだ標準療法が確定していない原発不明がんに対するニボルマブの有用性を評価するNivoCUP試験がASCO2020で発表された。発表者の近畿大学医学部/市立岸和田病院の谷崎潤子氏に研究の背景や主要結果について聞いた。

15505.

第23回 ポスト安倍へ動き出す官邸官僚、厚労省の命運は誰が握る?

菅 義偉・官房長官の自民党総裁・首相就任が濃厚となる中、霞が関でも主要省庁の勢力図は大きく書き換わりそうだ。安倍 晋三内閣の下、長らく我が世の春を謳歌してきた経済産業省は落日の憂き目に。一方で、最強省庁と言われながら安倍政権との間で軋轢が生じていた財務省が復権、菅系の「官邸官僚」が医療分野で軸足を持つ厚生労働省も力を付けてくるのでは、と予想されている。第2次安倍政権では官邸に権力が集中、経産省出身者を中心とした官邸官僚が長期政権を支えた。官邸官僚は安倍首相直系の今井 尚哉・首相補佐官兼首相秘書官、佐伯 耕三・首相秘書官らと、菅官房長官直系の杉田 和博・官房副長官兼内閣人事局長、和泉 洋人・首相補佐官らの2系統がある。大まかに言えば、安倍系がアイデアを出し、菅系が実働部隊の各省を動かしてきた。しかし、安倍政権は長くても2021年秋までと政権の終わりが見えたことで、両者の思惑に食い違いが生じてきた。安倍系は憲法改正や北朝鮮による拉致問題の解決、ロシアとの平和条約の締結などレガシー(政治遺産)を遺すことを優先するようになったが、菅系は「ポスト安倍」を見据えて動き出していた。それは、あわよくば菅氏本人が後継首相になるか、別の首相の場合でも杉田氏が局長を務める内閣人事局の権限を背景に、官僚機構を統括する権力構造を維持することだ。菅氏が首相になれば、当然ながら菅系官邸官僚もスライドし、安倍系は退陣と共に一掃されることは想像に難くない。ちなみに、菅系の杉田官房副長官は警察官僚で、和泉首相補佐官は建設官僚だ。菅首相が誕生すれば、警察庁や国土交通省にとっても“朗報”になる。ところで、和泉氏と言えば、大坪 寛子・厚生労働省大臣官房審議官との不倫騒動が記憶に新しい。当時は内閣官房健康・医療戦略室の室長と次長の関係だった。和泉氏は現在も室長で、政府の健康・医療戦略推進本部に設けられ、今月2日に初会合が開かれた「再生・細胞医療・遺伝子治療開発協議会」の議長にも就いている。一方の大坪氏は、8月7日付の人事で科学技術担当から少子化担当の大臣官房審議官にスライドした。官邸の思惑に反して厚労省の筋論を通してきた鈴木 康裕氏が、先の人事で医務技監を“更迭”されたこともあり、今後は「菅-和泉-大坪」のラインで厚労省は力を付けてくると予想される。ただし、次期政権は1年後までのあくまで中継ぎとして、短期に終わる可能性は大いにある。勢力模様が有利になったからと態度や主張を変えていては、たちまち足元を掬われることになるのは、これまでの歴史が散々物語っているとおりだ。

15506.

急性期統合失調症に対するルラシドンの有用性~国内第III相試験のネットワークメタ解析

 急性期統合失調症に対するルラシドンの国内第III相試験の結果では、その有効性に一貫性がないことから、藤田医科大学の岸 太郎氏らは、これらの試験のシステマティックレビューおよびランダム効果モデルネットワークメタ解析を実施した。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2020年8月7日号の報告。 日本での急性期統合失調症に対する二重盲検ランダム化試験を分析対象とした。有効性のアウトカムは、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)の合計、陽性尺度、陰性尺度、総合精神病理尺度の各スコア、臨床全般印象度(CGI-S)スコアの改善および治療反応率とした。中止率および有害事象の発生率も併せて評価した。 主な結果は以下のとおり。・4研究、1,608例が分析に含まれた。・プラセボと比較し、ルラシドン40mg/日(標準平均差:-0.298、95%確信区間[CrI]:-0.420~-0.176)および80mg/日(標準平均差:-0.170、95%CrI:-0.320~-0.019)は、PANSS合計スコアの有意な改善が認められた。・ルラシドン40mg/日および80mg/日は、プラセボと比較し、PANSS陽性尺度とCGI-Sスコアの有意な改善を示した。・ルラシドン80mg/日は、プラセボと比較し、PANSS陰性尺度、総合精神病理尺度のスコアと治療反応率の改善が認められたが、同40mg/日では認められなかった。・ルラシドン40mg/日は、同80mg/日よりもPANSS総合精神病理尺度スコアの改善が優れていた。・ルラシドン40mg/日および80mg/日は、プラセボと比較し、アカシジア、傾眠、体重増加の発生率が高かった。・プラセボと比較し、ルラシドン40mg/日は体重増加の発生率(7%以上)が高く、同80mg/日ではジストニアおよび体重減少の発生率(7%以上)の高さ、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)スコアの上昇が認められた。 著者らは「日本人の急性期統合失調症患者に対するルラシドン40mg/日および80mg/日での治療は、全体的な症状改善に寄与する。ただし、ルラシドン80mg/日では、錐体外路症状のリスクに注意が必要である」としている。

15507.

新型コロナ、マスク着用で手指経由の感染も防げる?

 顔に触れることは一般的な行動であり、とくに手洗い場や消毒薬の不足などで手指衛生を保つすべがない環境では、顔を触る行為が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に影響を及ぼしている可能性がある。そのため、イランではマスクを着用して顔に触れないよう指導がなされており、この状況を踏まえ、イラン・Shiraz University of Medical SciencesのRamin Shiraly氏らが成人1,000例を対象にマスク着用が顔への接触予防に有用なのかについて研究を行った。その結果、マスク着用によって顔の粘膜部分(目、鼻、口)に触れる頻度が低下したことを明らかにした。American Journal of Infection Control誌オンライン版8月12日号掲載の報告。 研究者らは2020年4月22日~5月9日の期間、イラン・シーラーズと南イランの公共エリア(公園、クリニック、銀行、バス停)において、成人1,000人(マスク着用者:568例、非マスク着用者:432例)を対象に15〜30分間の観察を行い、1時間あたりの顔全体や粘膜部分の平均接触数をANOVA(Analysis of variance)で分析した。 主な結果は以下のとおり。・1,000例の観察場所の内訳は、公園(35%)、銀行(37%)、クリニック(26%)、バス停(2%)だった。・全体のうち半数以上(53%)が男性で、年齢構成は若者(44%)、中年(37%)、高齢者(19%)だった。・全体の92%は少なくとも1時間に1回は顔に触れていた。・1時間あたりの接触平均回数±SDは10±6回だった。・非マスク着用者はマスク着用者よりも頻繁に顔に触れており、1時間あたりの接触平均回数±SDは、11±6回 vs.8±5回(p<0.001)だった。・非マスク着用者のマスク着用者に対するオッズ比は1.5(95%信頼区間:1.2~2.0、p<0.001)で、粘膜部分に触れる可能性が高かった。

15508.

アンジェスの新型コロナワクチン、阪大病院での第I/II相試験開始

 9月8日、アンジェスは、新型コロナウイルス感染症向けDNAワクチンについて、大阪大学医学部附属病院で第I/II相試験を開始したと発表した。同社によると、開発は計画通り進んでおり、接種完了後、経過観察を経て、大阪市立大学医学部附属病院および大阪大学医学部附属病院での第I/II相試験成績を総合的に判断する速報結果を2020年第4四半期に公表する予定という。 大阪市立大学医学部附属病院における第I/II相試験(低用量群15 例および高用量群15 例、筋肉内に2週間間隔で2回接種)は、6月末に開始され、8月半ばに接種が完了している。今回の大阪大学医学部附属病院における第I/II相試験では、用量2mgで、10例による2週間間隔での2回接種、10例による4週間間隔での2回接種、10例による2週間間隔での3回接種の計30例を目標としている。試験期間は、1回目の接種から52週間のフォローアップ期間を含み、2021年9月30日までの予定。

15509.

COVID-19の急性呼吸不全、ヒドロコルチゾンは有効か?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で急性呼吸不全を呈した重症患者に対し、低用量ヒドロコルチゾンの投与はプラセボと比較して、21日時点の死亡を含む治療不成功率を有意に低減しなかった。フランス・トゥール大学のPierre-Francois Dequin氏らが、149例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果が発表された。ただし同試験は、別の試験でデキサメタゾンがCOVID-19による死亡率などを減少することを示す結果が出たことを受けて、早期に中止されており、著者は、「主要アウトカムについて、統計的および臨床的に意義のある差異を見いだすための検出力が不足していた可能性がある」と、結果の妥当性について疑義を呈している。JAMA誌オンライン版2020年9月2日号掲載の報告。21日時点での治療不成功率をプラセボと比較 研究グループは、フランスで2020年3月7日~6月1日にかけて、COVID-19による急性呼吸不全でICUでの治療を要した患者を対象に、多施設共同無作為化二重盲検逐次試験(患者50例ごとに中間解析を行う)を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方には低用量ヒドロコルチゾンを14日間(200mg/日を7日間、100mg/日を4日間、50mg/日を3日間)持続点滴静注投与し、もう一方にはプラセボを投与した。最終フォローアップは2020年6月29日だった。 主要アウトカムは、21日時点での治療不成功(死亡、人工呼吸器または高流量酸素療法への継続的依存のいずれかと定義)であった。また、事前に規定した副次アウトカムは、ベースラインで気管挿管のない患者の気管挿管、腹臥位セッション・体外式膜型人工肺(ECMO)・一酸化窒素吸入療法の21日目までの累積実施率、P/F比(PaO2/FiO2、測定:1~7日、14日、21日)、ICU入室中の2次感染発生患者の割合などだった。治療不成功、ヒドロコルチゾン群42%、プラセボ群51% 同試験は、290例登録を意図していたが、データ・安全監視委員会の勧告を受けて、被験者149例(ヒドロコルチゾン群76例、プラセボ群73例)登録後に中止された。登録被験者の平均年齢は62.2歳、女性30.2%、人工呼吸器を要した患者は81.2%だった。148例(99.3%)が試験を完了し、そのうち治療不成功は69例で、死亡はヒドロコルチゾン群11例、プラセボ群20例だった。 21日時点での治療不成功率は、ヒドロコルチゾン群42.1%(32/76例)、プラセボ群50.7%(37/73例)、両群で有意差はなかった(発生率群間差:-8.6%、95.48%信頼区間:-24.9~7.7、p=0.29)。 また、事前に規定した4つの副次アウトカムについても、有意差はみられなかった。試験治療薬に関連した重篤有害事象の発生もなかった。

15510.

NSTEMI 、80歳以上でも侵襲的治療が優位 /Lancet

 80歳以上の非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI)患者においても、侵襲的治療は非侵襲的治療と比べて生存アドバンテージを拡大することが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAmit Kaura氏らによるルーチン臨床データをベースにしたコホート研究の結果、示された。侵襲的治療群の5年死亡リスクは約3割低減し、心不全による入院リスクも約3割低かったという。先行研究で、NSTEMI患者への侵襲的治療は非侵襲的治療よりも長期死亡リスクを低減することが示されているが、高齢患者は試験から除外されていた。Lancet誌2020年8月29日号掲載の報告。英国内5病院から80歳以上NSTEMI患者の臨床データを収集し検討 研究グループは、英国内にあるNIHR生物医学研究センターの5つの協力病院(インペリアル・カレッジ・ヘルスケア、ユニバーシティ・カレッジ・ホスピタル、オックスフォード大学病院、キングス・カレッジ・ホスピタル、聖トーマス病院)からルーチン臨床データを集めて解析を行った。2010年(ユニバーシティ・カレッジ・ホスピタルは2008年)から2017年にかけて、トロポニン値測定およびNSTEMI診断の時点で80歳以上の患者を対象に試験を行った。試験対象の5病院はいずれも、救急部門(ER)を備えた3次医療センターだった。 治療前の変数に基づく傾向スコア(患者が侵襲的治療を受ける推定確率)を、ロジスティック回帰法により導出し、侵襲的治療または非侵襲的治療を受ける確率が高い患者については、分析から除外した。トロポニン値ピーク時から3日以内に、侵襲的治療を受けずに死亡した患者は、傾向スコアに基づき侵襲的治療群または非侵襲的治療群に割り付け、イモータルタイム(不死時間)バイアスを緩和した。 侵襲的治療と非侵襲的治療の比較による死亡に関するハザード比(HR)を推算し、また、心不全による入院率を比較した。累積5年死亡率、侵襲的治療群36%、非侵襲的治療群55% NSTEMI患者1,976例のうち、トロポニン値ピーク時から3日以内の死亡は101例だった。また、傾向スコアが極端な値だった375例は解析から除外した。残る1,500例の年齢中央値は86歳(IQR:82~89)、非侵襲的治療を受けたのは845例(56%)だった。 追跡期間中央値3.0年(IQR:1.2~4.8)で、613例(41%)が死亡した。 補正後累積5年死亡率は、侵襲的治療群36%、非侵襲的治療群55%だった(補正後HR:0.68、95%信頼区間[CI]:0.55~0.84)。 侵襲的治療は、心不全による入院発生頻度の低下とも関連した(非侵襲的治療群に対する侵襲的治療群の補正後率比:0.67、95%CI:0.48~0.93)。

15511.

~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【糖尿病・内分泌疾患編】

第1回 【糖尿病】初療時のコツ第2回 【糖尿病】生活指導から薬物療法に切り替えるタイミングは?第3回 【糖尿病】糖尿病患者の血圧・脂質の管理目標と治療のゴール第4回 【糖尿病】内科で使うべき糖尿病薬のファーストチョイス第5回 【糖尿病】新規糖尿病薬の使い方第6回 【糖尿病】高齢者の治療目標第7回 【糖尿病】慢性合併症の管理第8回 【糖尿病】外来でのインスリン導入第9回 【糖尿病】一歩進んだ外来食事指導第10回 【内分泌疾患】内分泌疾患を見つけるコツ第11回 【内分泌疾患】甲状腺機能亢進症・低下症第12回 【内分泌疾患】内分泌性高血圧第13回 【内分泌疾患】内科医も知っておくべき内分泌緊急症第14回 【内分泌疾患】見落としやすい内分泌疾患 糖尿病、内分泌疾患に関する内科臨床医の疑問をスペシャリストとの対話で解決します!糖尿病については、心血管リスクを考慮した薬剤選択、非専門医が使うべきファーストチョイスなど10テーマをピックアップ。内分泌疾患については、甲状腺機能の異常などの頻繁に見る疾患だけでなく、コモンな症状に隠れている内分泌疾患をジェネラリストが見つけ治療するためのTIPSを解説します。ここでしか聞けない簡潔明解な対談で、スペシャリストの思考回路とテクニックを盗んでください!第1回 【糖尿病】初療時のコツ初回のテーマは、糖尿病の初療時に必ず確認すべき項目。初療のキモは2型糖尿病以外の疾患の除外、そして治療方針を決定するためのアセスメントです。HbA1cだけでなく、いくつかの項目を確認することでその後の治療がグッと効果的なものになります。ポイントを短時間で押さえていきましょう。第2回 【糖尿病】生活指導から薬物療法に切り替えるタイミングは?食事や運動の指導では血糖コントロールがつかず、薬物療法に移行するのは医者の敗北というのは過去の話。薬剤が進歩した現在は、早めに薬物療法を開始するほうがよいケースも多いのです。HbA1cと治療期間の目安を提示し、薬物療法に切り替えるタイミングを言い切ります。第3回 【糖尿病】糖尿病患者の血圧・脂質の管理目標と治療のゴール今回は、血圧と脂質の目標値をズバリ言い切ります。血圧、脂質をはじめとした5項目をしっかりとコントロールすれば、糖尿病であっても健常人とさほど変わらない生命予後が期待できることがわかっています。2つの目標値を確実に押えて、診療をブラッシュアップしてください。第4回 【糖尿病】内科で使うべき糖尿病薬のファーストチョイス糖尿病治療薬は数多く、ガイドラインには”患者背景に合わせて選択する”と記述されていますが、実際に何を選べばいいか困惑しませんか? 今回は、プライマリケアで必要十分なファーストチョイスの1剤、セカンドチョイスの2剤をスペシャリストが伝授します。第5回 【糖尿病】新規糖尿病薬の使い方SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は、心血管疾患等の合併がある糖尿病患者において、重要な位置付けの薬剤になっています。それぞれの薬剤の使用が推奨される患者像や、使用に際する注意点をコンパクトに解説。この2つの薬剤を押さえて糖尿病治療の常識をアップデートしてください。第6回 【糖尿病】高齢者の治療目標高齢者の治療では、低血糖を防ぐことが何より重要。患者の予後とQOLを考慮した目標値を、ガイドラインから、そしてスペシャリストが使う超シンプルな方法の2点から伝授します。SU薬などの低血糖を生じやすい薬剤を使わざるを得ない場合の注意点や、認知症がある場合の治療のポイント、在宅で有用な薬剤など、高齢者の糖尿病治療の悩みを一気に解決します。第7回 【糖尿病】慢性合併症の管理糖尿病の慢性合併症は、細小血管障害と、大血管障害に分けると、進展予防のためにコントロールすべき項目がわかりやすくなります。必要な検査の間隔と測定項目をパパっと解説します。とくに糖尿病性腎症の病期ごとの検査間隔は必ず押さえたいポイント。プライマリケアでできるタンパク制限やサルコペニア傾向の高齢者に対する指導も必見です。第8回 【糖尿病】外来でのインスリン導入いま、インスリンは早期に開始し、やめることもできる治療選択肢の1つです。ですが、これまでのイメージから、医師も患者も抵抗を感じることがあるかもしれません。今回は、外来で最も使いやすいBOTの取り入れ方、インスリン適応の判断と投与量、そして患者がインスリン治療に抵抗を示す場合の説明、専門医に紹介すべきタイミングといった、プライマリケアで導入する際に必要な知識をコンパクトに解説します。第9回 【糖尿病】一歩進んだ外来食事指導外来での食事指導では、食品交換表を使った難しい指導が上手くいかないことは先生方も実感するところではないでしょうか。今回は短い時間でできる、一歩踏み込んだ食事指導のトピックを紹介します。「3つの”あ”に注意」、「20ダイエットの勧め」、「会席料理に倣った食べる順番」など、簡単で続けられる見込みのある指導方法を身に付けましょう。第10回 【内分泌疾患】内分泌疾患を見つけるコツ40歳以上の約20%には甲状腺疾患があると知っていますか?内分泌疾患は実はコモンディジーズ。とはいえ、すべての患者で内分泌疾患を疑うのは効率的ではありません。今回は発熱や倦怠感といったありふれた症候から内分泌疾患を鑑別に挙げるためのポイントと、必要な検査項目を解説します。費用の観点からスクリーニング・精査と段階を分けて優先すべき検査項目を整理した情報は必見です。第11回 【内分泌疾患】甲状腺機能亢進症・低下症甲状腺機能亢進症といえばまずバセドウ病が想起されますが、診断には亜急性や無痛性の甲状腺炎との鑑別が必要。内科でパッと実施できる信頼性の高い検査をズバリ伝授します。専門医も行っている方法かつプライマリケアでできる、無顆粒球症のフォローアップは必見です。第12回 【内分泌疾患】内分泌性高血圧初診で高血圧患者を診るときは全例でPAC/PRAを測定してください!これは高血圧患者の5~10%といわれる原発性アルドステロン症を発見するための鍵になる検査。診断の目安となる値、そして外来で測定する際に頭を悩ませる体位についても専門医がクリアカットに解答します。そのほかに知っておくべきクッシング症候群と褐色細胞腫についてもコンパクトに解説します。第13回 【内分泌疾患】内科医も知っておくべき内分泌緊急症今回は生命に関わる内分泌緊急症4つ-甲状腺クリーゼ、副腎不全、高カルシウム血症クリーゼ、粘液水腫性昏睡を取り上げます。それぞれの疾患を疑うべき患者の特徴・対応・フォローをコンパクトに10分で解説。中でも、臨床的に副腎不全を疑うポイントは該当する患者も多いので必ず押さえたいところ。甲状腺クリーゼの初期対応も必ずチェックしてください!第14回 【内分泌疾患】見落としやすい内分泌疾患繰り返す尿管結石やピロリ菌陰性の潰瘍は、内分泌疾患を疑う所見だと知っていましたか? 見落としやすい内分泌疾患TOP5、高カルシウム血症・低カルシウム血症・中枢性尿崩症・SIADH・先端巨大症を確実に発見するために、それぞれを疑うサインと検査項目を解説します。

15512.

高給取りのはずが…、コロナ禍で急増する金欠ドクターのパターン別処方箋【医師のためのお金の話】第36回

医師あるあるネタの1つに「金欠」があります。ちょっと何言ってるかわからない!と言い切れないのが、悲しいところですね…。月末になると給料日が待ち遠しくなる医師は少なくないことでしょう。世間一般の常識からすると、医師は高給取りのはずです。実際、同年代の会社員と比べて、破格の収入を得ていることは間違いありません。それにもかかわらず、なぜ医師は金欠になりやすいのでしょうか? 折しも時はコロナ禍の真っただ中です。患者さんの受診抑制のため、勤務医・開業医を問わず、経済的に苦しい状況が続いています。コロナ前であれば「お金がなくなれば当直アルバイトをすればいいや」という安易な考え方でもやってこれましたが、受診抑制が続く最中はアルバイト先の確保も容易ではありません。この先、こうした状況が急激に改善することも望み薄です。それでは、私たちはどうすればよいのでしょうか? 今回は、いろいろな立場別に医師が金欠になる原因と対策を考えてみたいと思います。勤務医という名の浪費家勤務医の給与水準は開業医と比べてかなり低い! コレ、医療業界の常識ですね。しかし、それでも同年代の会社員と比較すれば、多くの勤務医は2倍以上の給与をもらっています。常識的に考えれば、高給取りの勤務医が金欠になるなど想像し難い…。しかし、現実には、金欠に苦しんでいる勤務医は少なからずいます。その理由は、ズバリ「支出が多い」ことにあります。皆さんの周りの医師を見渡してみましょう。多くの医師が住み心地バツグンのエリアに住んでいるはずです。また、建物自体のスペックもかなりのものではないでしょうか? 少なくとも、昨年まで私が住んでいたような、築40年の隙間風が吹くボロ家に住んでいる医師はいないのではないでしょうか(笑)。住環境の良さはメリットも多いですが、コスト高というデメリットがあります。これ以外にも、高級車に乗っている人や、週末は外食しなければ我慢できない人など、医師は、一般的には「浪費家」とされてしまう人の比率がトンデモなく高いのです。そして、周囲も同じような人ばかりなので、自分の浪費に気付きにくい、ということもあります。いくら収入が多くても、それ以上に支出が多ければ、月末に金欠になること必定です。こうしたケースでは、アルバイトなどで収入を増やすのではなく、身の丈に合わない過分な消費を抑えることが有効です。もちろん、住まいを変えることや高級車を処分することは、すぐにできることではありません。しかし、給与が右肩上がりになる将来は考えにくい情勢です。すべてを所有し続けることは難しいかもしれないと考え、取捨選択してスリムな家計にすることを検討すべき時期かもしれません。固定費に苦しむ開業医一方の開業医はリッチなイメージがありますが、こちらも昨今のコロナ禍で苦しんでいる人が多くなっています。その理由はもちろん、受診抑制です。医業収入を単純化すると、診察した患者数に比例します。患者数が3割減になると医業収入も3割減となります。その一方で、人件費、テナント料、リース料などのいわゆる「固定費」は、変わらず毎月出ていきます。収入が3割減なのに、支出は減少しない…。こうなると、院長の取り分は3割減どころではありません。短期的には7割減などになっても不思議ではないのです。2020年8月現在、コロナ禍は終息する気配がなく、受診抑制も持続しています。開業医にとって厳しい状況はまだまだ続きそうです。院内の感染予防対策やスタッフのケアも行わなければならず、経営者として困難な時期ですが、座していても死を待つばかりです。コロナ禍での経営改善法は、ズバリ「固定費削減」に尽きるでしょう。実際に、私の知り合いの開業医たちは固定費削減に邁進しています。ある開業医はクリニックの固定費をすべて洗い出し、不要不急の固定費をバッサリ切りました。家賃の減額交渉や職員の時短勤務を推進して、現在の稼働状況に即した体制に縮小して難局を乗り切ろうとしています。すでに実行済みの方も多いと思いますが、いま一度固定費について確認してみましょう。不動産投資をしている医師それでは、少し毛色の異なる立場にいる医師について考えてみましょう。変わり種の代表は、私のように不動産投資をしている医師ではないでしょうか。皆さんあまり大っぴらに語りませんが、不動産投資をしている医師は少なくありません。なかでも多数を占めるのは「30年一括借り上げのマンション投資」でしょう。この手の不動産投資(?)は節税目的をうたい文句にしており、月々のキャッシュフローがプラスになることはありません。もともと毎月の持ち出しが前提となっているため、当然のごとく金欠が常態化しています。30年一括借り上げのマンション投資では金欠が改善する確率は皆無なので、勤務医・開業医を問わず厳しい状況に置かれている方が多いことでしょう。今回のコロナ禍を契機に、改めて将来の展望をシミュレーションしてみましょう。そして、選択の1つとなるのが、損切りしてでも所有不動産を売却して、もう一度家計をリセットすることです。数千万円単位の投資の後始末なので、おいそれと決断できないかもしれません。過激な意見だと眉をひそめる方も多いことでしょう。しかし、毎月持ち出しが発生していること自体が、おかしなことだと捉える必要があります。月々のキャッシュフローを確認しようこのように、高給取りのイメージが強い医師ですが、実際には金欠が常態化してしまい、苦しい生活を強いられている人も少なくないのが現実です。いずれのパターンにおいても、金欠を即時に解決できる術はありません。しかし、なぜ自分が金欠で苦しんでいるのかを理解することで、時間はかかっても経済的状況を改善する余地が出てきます。高給取りの自負のある医師は、自分が金欠であることを認めたくない方も多いことでしょう。しかし、コロナ禍が奇貨となり、これまでの無駄な支出を白日の下にさらす絶好の機会となるかもしれません。ここまでに挙げた各パターンの原因と解決法の例を参考に、家計とキャッシュフローを考える契機にしてはいかがでしょうか。

15513.

「ヘルベッサー」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第16回

第16回 「ヘルベッサー」の名称の由来は?販売名ヘルベッサー®錠30/60※注射剤、カプセル剤は錠剤のインタビューフォームと異なるため、今回は情報を割愛しています。ご了承ください一般名(和名[命名法])ジルチアゼム塩酸塩(JAN) 効能又は効果狭心症、異型狭心症本態性高血圧症(軽症~中等症)用法及び用量狭心症、異型狭心症通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回30mgを1日3回経口投与する。効果不十分な場合には、1回60mgを1日3回まで増量することができる。本態性高血圧症(軽症~中等症)通常、成人にはジルチアゼム塩酸塩として1回30~60mgを1日3回経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない(現段階では定められていない)禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌 (次の患者には投与しないこと)】(1)重篤なうっ血性心不全の患者〔心不全症状を悪化させるおそれがある。〕(2)2度以上の房室ブロック、洞不全症候群(持続性の洞性徐脈[50拍/分未満]、洞停止、 洞房ブロック等)のある患者〔本剤の心刺激生成抑制作用、心伝導抑制作用が過度にあらわれるおそれがある。〕 (3)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者(4)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人※本内容は2020年9月9日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2016年2月改訂(第11版)医薬品インタビューフォーム「ヘルベッサー®錠30/60 」2)田辺三菱製薬:製品情報

15514.

第23回 実は病院経営に詳しい菅氏。総理大臣になったらグイグイ推し進めるだろうこと(前編)

「地方を大切にしたい」と菅官房長官こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。菅 義偉官房長官が自民党の総裁選に出馬することを正式に表明しました。記者会見では自らの叩き上げの人生(秋田の農家に生まれ、農業を継ぎたくなくて集団就職で上京、法政大学の夜間を卒業し、サラリーマンに…)について触れた後、「地方を大切にしたいという気持ちが脈々と流れており、活力ある地方をつくっていきたいとの思いを常に抱きながら政策を実行してきた」と語りました。次いで「私自身、国の基本というのは、自助、共助、公助であると思っております。自分でできることはまず自分でやってみる、そして、地域や自治体が助け合う。その上で、政府が責任をもって対応する」とも述べました。「自助、共助、公助」については菅氏の総裁選のキーワードのようで、9月5日に自身のブログで公表した政策の中でも「自助・共助・公助、そして絆」がスローガンに掲げられています。この記者会見を聞きながら、私は約40年前、仙台の大学に入った時の教養部のクラスオリエンテーションのことを思い出しました(東北新幹線開業前です)。右隣に秋田県の大館鳳鳴高校出身のS君が座っていました。彼が私に何か質問してくるのですが、何を言っているのかまったくわかりません。同じ東北弁でも県によって難易度が大きく異なり、秋田や青森は難しい部類に入ります。S君の話が普通に理解できるようになるのに数ヵ月かかりました(ちなみに私もS君たち東北人から「おめの名古屋弁もわがんね」とからかわれていました)。菅氏は秋田県の内陸、雄勝町(現在の湯沢市)出身とのことです。高校を出て上京(もちろん、東北新幹線も山形新幹線もない時代です)して直後は、おそらくコミュニケーションには相当苦労されたのではないでしょうか。上京後、半世紀を経ての、ほぼ訛りを感じさせない日々の会見は、ある意味、田舎から東京に出てきた東北人の意地を感じさせます。440公立・公的病院リストラリストの大元それはさておき、もし菅政権になったら、医療関係者はまずどんな政策を気にしなければならないでしょうか? 安倍政権の路線を踏襲した、「新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る」方針については、「まあそうだろうなあ」と、とくに意外性はありません。では何か。第1に予想できるのは、「地方、都市部含めて、公立・公的病院の再編・統合が今まで以上に強硬かつ急速に進められるのではないか」ということです。なぜならば、菅氏こそが、今、全国各地で進められようとしている公立・公的病院改革の大元とも言える存在だからです。厚労省は昨年9月、急性期病床を持つ公立・公的病院のがん、心疾患などの診療実績を分析。全国と比較してとくに実績が少ないなどの424病院(2020年1月に約440病院に修正)のリストを公表し、全国の病院経営者や自治体の首長に大きな衝撃を与えました。この時、リスト公表とともに、急性期病床の規模縮小やリハビリ病床などへの転換などを含む地域の病院の再編・統合を各地で議論を行うことを要請し、今年9月までに結論を出すよう定めていました。「公立病院改革ガイドライン」を仕切った菅総務大臣このリストラリスト公表に至るきっかけとなったのが、2015年3月に出た「新公立病院改革ガイドライン」(平成27年3月31日 総財準第59号 総務省自治財政局長通知)です。「新」となっているのは、「旧」があるからです。最初の「公立病院改革ガイドライン」(平成19年12月24日 総財経第134号 総務省自治財政局長通知)が出されたのは2007年12月のことでした。2007年の旧ガイドラインは、2007年5月に開かれた経済財政諮問会議で菅総務大臣(第一次安倍内閣で初入閣)が公立病院改革に取り組むことを表明したことをきっかけに策定されました(12月の公表時は増田寛也総務大臣)。背景には医師不足や経営悪化にあえぐ公立病院がありました。なぜ、総務大臣が?と思われる方がいるかもしれませんが、公立病院は地方公共団体が経営する病院事業という位置づけであり、その管轄は厚生労働省ではなく、総務省の自治財政局準公営企業室だからです。「民間にできることは民間に」2007年の「旧ガイドライン」の大きなポイントは、公立病院の役割を「地域において提供されることが必要な医療のうち、採算性等の面から民間医療機関による提供が困難な医療を提供することにある」と定義、「民間にできることは民間に任せろ」としたことです。そのうえで「経営効率化」「再編・ネットワーク化」「経営形態見直し」の3つの柱を提示、病院を開設する地方公共団体に対して改革プランの策定を要請しました。この時は、「アメとムチ」とも言える政策も取られました。とくに、経営主体の統合や病床削減をするケースには、手厚い交付税措置が行われることになったため、苦境に陥っていた公立病院は、病院統合や病床削減を選択していきました。続く2015年の「新ガイドライン」では「旧ガイドライン」によっても進まなかった公立病院改革を、前述の3つの柱を維持しつつ、厚生労働省が主導する「地域医療構想」と連携させながら進めていくために策定されました。菅氏(この時は官房長官)がよく強調する「省庁の垣根を超えた政策」ということもできます。この「新ガイドライン」では、地方公共団体に新たに新公立病院改革プランの策定を求めるとともに、病院の再編・統合に当たっての都道府県の役割・責任の強化も行われています。なお、公立病院の改革プランと地域医療構想調整会議の合意事項との間に齟齬が生じた場合は改革プランの方を修正すること、となっており、地域医療構想の実現が最優先課題とされています。地域医療構想調整会議が各地で進んでいく中、「公立病院だけでなく公的病院も対象に加えろ」という議論の流れとなり、2018年6月には「経済財政運営と改革の基本方針2018」において「公立・公的病院については、地域の民間病院では担うことのできない高度急性期・急性期医療や不採算部門、過疎地等の医療等に重点化するよう医療機能を見直し、これを達成するために再編・統合の議論を進める」と明記されました。そして、1年3ヵ月後の2019年9月に424病院のリスト公表に至ったわけです。ちなみに公的病院とは、日赤・済生会・厚生連が開設する病院や、独立行政法人国立病院機構、独立行政法人地域医療機能推進機構などの公的法人が開設する病院などのことです。再編・統合についての報告期限は延期にところで、厚生労働省は8月31日、「具体的対応方針の再検証等の期限について」と題する医政局長通知(医政発0831第3号)を各都道府県知事に発出、今年9月末までに結論を出すよう定めていた全国約440の公立・公的病院を対象とする再編・統合について、都道府県から国への報告期限を今年10月以降に延期することを通知しました。新型コロナウイルス感染症の影響で議論が進んでいないことや、7月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2020」に「感染症への対応の視点も含めて、質が高く効率的で持続可能な医療提供体制の整備を進めるため、可能な限り早期に工程の具体化を図る」と、今後の再編・統合を考えるうえで「感染症への対応」を盛り込むことが明記されたことなどが理由と見られます。徹底的に効率化してなんとか生きながらえさせるこうした延期で、ひとまずほっとした病院や自治体も多いと思いますが、新しい総理大臣からどのような指示が飛ぶかが注目されます。菅氏は9月2日、異次元金融緩和に関して聞かれた際に「地方の銀行は将来的に多すぎる。再編も1つの選択肢になる」と語り、9月5日の日本経済新聞のインタビューに対しては、中小企業について「足腰を強くしないと立ちゆかなくなってしまう。中小の再編を必要であればできるような形にしたい」とこちらも統合・再編を促進する考えを述べています。これらは、公立・公的病院改革と全く同じロジックだと言えます。こう見てくると、菅氏が出馬会見で語った「地方を大切にしたいという気持ち」とは、「地方を今までのままで大切にしていく」ことではなく、地方のあらゆるリソースを「徹底的に効率化してなんとか生きながらえさせる」ことだということがわかります。病院経営者や自治体の首長も、そのことはしっかりと頭に入れておいた方がよさそうです。新政権が第2に進めるであろうことですが、今回は長くなり過ぎましたので、来週にもう少し考えてみたいと思います(この項続く)。

15515.

第28回 おいしいお米が地域一体型NSTの落とし穴【噂の狭研ラヂオ】

動画解説ほし薬局の星利佳先生が実現させたいのは地域一体型NST(栄養サポートチーム)。患者さんが退院して自宅に戻ると、どうしても栄養不足になってしまう。星先生曰く、山形のお米が美味しいのでついついどんぶり飯でお腹を満たしてしまいがちなのだとか。せめて卵と納豆を食べさせよう!他職種チームのチャレンジについてお聞きします。

15516.

FDA、がん種横断的遺伝子検査にリキッドバイオプシー承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年8月7日、Guardant HealthのGuardant360 CDxを、同年8月26日、Foundation MedicineのFoundationOne Liquid CDxを、固形がん患者に対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP)用のリキッドバイオプシー検査として承認した。 Guardant360 CDxは、EGFR変異非小細胞肺がん患者におけるオシメルチニブのコンパニオン診断としても承認されていた。FoundationOne Liquid CDxについては、今回、プロファイリング検査に加え、BRCA1/2変異陽性去勢抵抗性前立腺がん患者におけるrucaparibを含む4種のPARP阻害薬、EGFR変異陽性の非小細胞肺がん1次治療における3つのEGFR-TKIのコンパニオン診断薬としても承認された。

15517.

慢性期統合失調症患者における喫煙と認知機能障害との関係

 これまでの研究において、統合失調症患者は喫煙率が高く、認知機能が低下していることが知られている。しかし、喫煙と認知機能障害との関係については、一貫した結論に至っていない。中国・中国科学院大学のShuochi Wei氏らは、中国人男性の統合失調症患者の認知機能に対する喫煙の影響を調査するため、MATRICS認知機能評価バッテリー(MCCB)を用いて検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2020年8月5日号の報告。 対象は、慢性期統合失調症患者164例、健康対照者82例。喫煙状況に関する面談を、すべての対象者に実施した。認知機能は、MCCBとストループテストにより評価した。患者の臨床症状の評価には、陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・統合失調症患者は、対照群と比較し、全項目のMCCBスコアが低かった(すべてp<0.05)。・統合失調症患者において、喫煙患者は非喫煙患者と比較し、以下のスコアが低かった(すべてp<0.05、エフェクトサイズ:0.28~0.45)。 ●空間スパンテスト:42.3±11.6 ●デジタルシークエンステスト:42.9±10.6 ●ホプキンス言語学習テスト:42.2±10.1・ロジスティック回帰分析では、統合失調症患者の喫煙状況と、デジタルシークエンステストのスコアとの相関が示唆された(p<0.05、OR=1.072、95%CI:1.013~1.134)。・多変量回帰分析では、統合失調症患者の喫煙期間と、空間スパンテストの合計スコアとの関連が示唆された(β=-0.26、t=-2.74、p<0.001)。 著者らは「喫煙している慢性期統合失調症患者は、とくにワーキングメモリや実行機能などの認知機能に重大な問題を抱えていることが示唆された」としている。

15518.

COVID-19に対するスタチンの影響~メタ解析

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床経過に対するスタチンの影響については、相反する報告・見解が示されている。炎症反応の進行や肺損傷に対し保護的な役割を果たすというものと、逆に重症化やサイトカインストームに寄与しうるというものである。マレーシア・International Medical UniversityのChia Siang Kow氏らは、COVID-19の臨床転帰に対するスタチンの影響に関する4報の後ろ向き研究結果を用いてメタ解析を行った。American Journal of Cardiology誌オンライン版2020年8月12日号のCORRESPONDENCEへの報告より。スタチン使用者で新型コロナによる死亡または重症化のリスクが大幅に減少 2020年7月27日までに、スタチン使用者と非使用者との間でCOVID-19の重症度および/または死亡のリスクを評価した研究について、PubMed、Google Scholar、およびmedRxivデータベースを検索・抽出した。観察研究の質は、Newcastle-Ottawa Scale13を用いて評価された。 新型コロナに対するスタチンの影響を解析した主な結果は以下のとおり。・計8,990例のCOVID-19患者を対象とした4つの研究(中国2報、米国、イタリア)が抽出された。・プール解析の結果、スタチン非使用者と比較して、スタチン使用者では死亡または重症化のリスクが大幅に減少した(プール解析でのハザード比:0.70、95%信頼区間:0.53~0.94)。 著者らは、本解析において、COVID-19患者におけるスタチン使用による有害性は示唆されなかったとし、中強度から高強度のスタチン療法が新型コロナに効果的である可能性が示されたとしている。そのうえで、無作為化比較試験による評価が必要としている。

15519.

欠損データはシステマティックレビューへの影響大/BMJ

 システマティックレビューに包含する無作為化試験に、欠損データ(missing data)が含まれていると、結果に偏りが出る可能性があるといわれるが、レバノン・ベイルート・アメリカン大学医療センターのLara A. Kahale氏らによる検討で、欠損データはシステマティックレビューの結果に潜在的な影響を与えることが明らかにされた。システマティックレビューでバイアスリスクを評価する場合と、臨床試験結果へ欠損データを反映する場合にその影響が認められるという。結果を踏まえて著者は、「システマティックレビューの著者は、効果推定値への欠損アウトカムデータの潜在的影響を示しておかなくてはならない。また、その影響について、バイアスリスクのGRADE(grading of recommendations assessment, development, and evaluation)を用いて検証し、結果の解釈を示す必要がある」とまとめている。BMJ誌2020年8月26日号掲載の報告。8つの仮定を適用し、それぞれの効果推定値への影響を検証 研究グループは欠損値補完研究(Imputation study)にて、システマティックレビューにおける欠損アウトカムデータとバイアスリスクの関連を調べた。患者にとって重要な二項対立の有効性アウトカムをグループレベルでメタ解析し、統計学的に有意な効果があることを報告していた100件のシステマティックレビューを対象に検証した。 主要評価項目は、(1)4つの一般的に議論されたが妥当ではない仮定(最良のケースシナリオ、イベントなし、すべてイベントあり、最悪のケースシナリオ)、(2)IMOR(informative missingness odds ratio)法(IMOR 1.5[最もずさん]、IMOR 2、IMOR 3、IMOR 5[最も厳密])に基づく欠損データの4つのもっともらしい仮定を、それぞれ適用した場合の相対的効果推定値における変化の割合の中央値であった。また、各手法によって、無効果(null effect)の閾値が変わったメタ解析の割合、効果の方向性が質的に変わったメタ解析の割合も評価した。欠損データを処理する8つの方法に基づく感度解析も行った。もっともらしい仮定の適用でもメタ解析の22%で無効果の閾値が変動 100件のシステマティックレビューには653件の無作為化試験が含まれていた。 (1)を適用した場合、相対的効果推定値の変化の中央値は0%~30.4%にわたった。無効果の閾値が変わったメタ解析の割合は、1%(最良のケースシナリオ)~60%(最悪のケースシナリオ)にわたり、26%が最悪のケースシナリオで効果の方向性が変わった。 (2)を適用した場合、相対的効果推定値の変化の中央値は1.4%~7.0%にわたった。無効果の閾値が変わったメタ解析の割合は、6%(IMOR 1.5)~22%(IMOR 5)にわたり、2%が最も厳密な仮定(IMOR 5)で効果の方向性が変わった。

15520.

第22回 めまい part2:頭部CT撮ればいいんでしょ? 【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)CT、MRI陰性でも中枢性めまいは否定できない!2)年齢などのリスクの有無よりも、Hi-Phy-Viを意識し、鑑別を!3)歩くことができなければ要注意!【症例】68歳女性。来院当日の起床時からめまいを自覚した。しばらく横になり、その後トイレにいこうと歩き始めたところ、再度症状が出現し、嘔気・嘔吐も伴い救急車を要請した。病院到着時、嘔気の訴えはあるがめまい症状は消失していた。しかし、病院のストレッチャーへ移動すると再びめまいが。。。●受診時のバイタルサイン意識清明血圧158/85mmHg脈拍95回/分(整)呼吸18回/分SpO298%(RA)体温36.1℃瞳孔開眼困難で評価できず既往歴高血圧、脂質異常症、虫垂炎危険なめまいを見逃す5つの理由めまい診療が苦手な方は多いですよね。前回第21回お話しした通り、最も頻度の高い良性発作性頭位めまい症(BPPV)について自信を持って診断できるようになると、だいぶマネジメントし易くなりますから、特徴は頭に入れておいてください。今回は、誰もが陥りやすい点から、めまいの具体的なアプローチを整理しておきましょう。めまい診療を難しく、そしてエラーしがちになる5つの理由を表にまとめました1)。表 誤診の5つの理由 -判断を誤るのには理由がある-画像を拡大する(1)症状の質を過度に依存してしまうこれは前回お話ししましたね。回転性、浮動性という患者さんの訴えは当てになりません。また、つらい患者さんに対して、「グルグル回るようなめまいですか? それともフワフワする感じですか?」と問診しても正確な答えはそもそも返ってきません。参考にはなりますが、絶対的なものではないことを改めて理解しておきましょう。(2)時間や誘発因子の未活用BPPVの最大の特徴はなんでしたか? 持続時間でしたね。安静の状態で1分以内におさまるめまい、それがBPPVの最大の特徴です。1回1回のめまいの持続時間を確認するのでしたね。誘発因子では、寝返りで症状が引き起こされる場合には「BPPV」、起き上がると症状を認めるのが「起立性低血圧」です。姿勢によらずめまいが持続している場合には、急性前庭症候群(Acute vestivular syndrome:AVS)を考え、前庭神経炎や脳梗塞を考えます。それ以外にも考えることがありますが、まずはこの大枠を頭に入れておくことをお勧めします。(3)身体診察に精通していない急性前庭症候群を前庭神経炎か脳梗塞かを見極めるためには、CT、MRIも重要ですが後述の(5)の理由から絶対的な指標とはなり得ません。重要なこと、それが身体診察ということになります。主に、“head impulse”、“nystagmus”、“test of skew”の3項目を評価し見極めます。詳細はここでは述べませんが、眼振はまずは典型的な眼振を頭に入れてしまいましょう。ただ、例外はいくらでもありますので、後半規管型/水平半規管型BPPV、前庭神経炎の際の眼振を繰り返し動画サイトなどで確認し、目に焼き付けてください。実際の臨床現場では可能な限りフレンツェル眼鏡を使用しましょう。(4)年齢や血管危険因子などのリスクを過大評価救急外来で研修医と診療にあたっていると、よく聞く台詞が「高齢者なので中枢性が否定できないと思うのでCTを撮影します」というのがあります。しかし、頻度の高いBPPVは、高齢者であってもめまいの原因として多いのです。年齢のみを理由に頭部CTをオーダーしてはいけませんよ。(5)CT・MRIへの依存、評価の見誤り小脳出血など出血性病変であれば、頭部CTで白黒つけることはほぼできますが、脳梗塞、特に急性期脳梗塞はCTでは判断できず、MRIを撮影しても必ずしも異常を指摘できません。発症1〜2日以内の後方循環系の脳梗塞のMRIでは10~20%見逃してしまうのです2-4)。実践的アプローチ5)これらを意識して、実際のアプローチは図の通りとなります。前回のアプローチで鑑別すべき疾患を頭に入れながらこのアプローチをみると、より実践的な対応ができると思います。そもそも安静時にめまいが持続している場合には、頻度の高いBPPVの可能性がぐっと下がり、逆に持続時間からBPPVらしければ、年齢や基礎疾患に依らず積極的にBPPVを疑い対応するのです。片頭痛性めまいなど診断に苦渋する場合もありますが、対応が変わるわけではありませんので、目の前の患者さんに対して何をするべきかは判断できるようになるでしょう。図 急性めまい患者へのアプローチ画像を拡大する歩けなかったら要注意最後に、末梢性めまいと判断し帰宅可能とする場合には、普段と同様のADLであることを確認する必要があります。普段歩行可能な方であれば、実際に歩けるか否かを必ず確認しましょう。ストレッチャー上でめまいが消失したからといって安心してはいけません。  体幹失調の有無をきちんと評価し、問題ないことを確認しなければ、小脳梗塞を見逃します。1)Kerber KA,et al. Neurol Clin. 2015;33:565-575.2)Choi JH, et al. Neurol Clin Pract. 2014;4:410-418.3)Kattah JC, et al. Stroke. 2009;40:3504-3510.4)Saber Tehrani AS, et al. Neurology. 2014;83:169-173.5)Jonathan A, et al. J Emerg Med. 2018;54:469-483.

検索結果 合計:35230件 表示位置:15501 - 15520