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ニボルマブ、胃がん1次治療に国内申請/小野薬品

 小野薬品工業株は、2020年12月10日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を新たに行ったと発表した。 今回のニボルマブ胃がん1次治療の承認申請は、以下の2つの臨床試験のデータに基づき行われた。・CheckMate-649試験(ONO-4538-44):日本、韓国および台湾を含む世界規模で小野薬品およびブリストル マイヤーズ スクイブが実施した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験・ATTRACTION-4試験(ONO-4538-37):日本、韓国および台湾で実施した多施設共同無作為II/III相臨床試験

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多読、精読、速読、そしてドクドク【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第31回

第31回 多読、精読、速読、そしてドクドク多くの人にとって、英語の論文を読まねばならなくなった最初の時期は苦しいものです。小生の場合、その苦しみは医師になって2年目に浜松労災病院で訪れました。卒後に大学病院での1年間の初期研修を経て赴任となりました。その病院の循環器内科部長は、英語論文が大好きでした。月曜・火曜・木曜・金曜と週4回、朝8時から抄読会が開催されていました。各担当者が選んだ英語論文を紹介するのです。要点のみではなく、最初から最後まで全文を完全に翻訳するのがルールでした。部長や先輩医師は、論文に目を通しながら、その場で訳していました。自分にはとても無理でしたので、事前にレポート用紙に日本語の全訳を書いて準備し、それを読みながら説明していました。入職した時には自分は一番の若造なので、少なくとも週に1度は当番がまわってきます。この病院に派遣された不幸を嘆いたものです。数年だけ上級の先輩たちも参加していますが、誰も愚痴を言わないことは驚きでした。自分1人だけが脱落することはできません。歯を食いしばって参加し続けました。参加したくないから参加しないという選択肢のない時代です。不思議なことに、半年過ぎた頃から全訳の下書きは不要になりました。前もって2回か3回ほど通読するという準備だけで抄読会での役割を果たせるようになったのです。今も英語の論文を読むことに関して壁を意識しないのは、このトレーニングのお陰です。高橋 正明先生、ありがとうございます。英語の論文を読むのは、どの人にとっても最初は苦しく時間がかかる作業です。この苦労が嫌で、英語論文は読まない、そして読まないから読めないという経過をたどる人もいるでしょう。脱出が難しい悪循環です。その気持ちは理解できます。英語の論文を読む力は訓練でつきます。1つの文章を繰り返して読みこなす精読も大切ですが、量を読みこむ多読も必要です。意図的に努力すれば、必ずスピードアップします。その訓練の過程においては強制されることも必要なのでしょう。高橋 正明先生の厳しさと、厳しさが容認された時代に感謝です。精読のメリットは、英語に対して深い知識が得られることです。多読ではとにかく数多くの英文に触れることが肝要です。文全体の内容を把握することに焦点をしぼり、英語に慣れる感覚をみがきます。スムーズに全体の流れを掴むことは速読する能力の向上につながります。論文の英語は、複数の節から構成される複文であることが通常です。どこまでが1つの節なのか、節と節の関係はどうなっているのかを把握することは、文意を正しく捉えるためのコツです。節と節の関係を表す接続詞にも注意をはらいましょう。意味を理解しにくいときには、その文章の主語と、その主語に対応する動詞である述語を探すことが鍵です。比喩的な表現も少ない論文の英語は、文法的に例外が少なく読解は楽なはずです。偉そうなことを書いてしまいました。英語の論文を読むことが大好きと誤解されては困ります。苦にはならないという程度です。英語よりも、日本語の本を読むことが大好きです。多読、精読、速読・・・濫読、愛読、一読、購読、誤読、査読、熟読、素読、代読、通読、拝読、必読、未読、黙読、朗読・・・読むことに関する言葉は数えられないほど沢山あります。読書の楽しさは、だれにも邪魔されずにゆったりと時間を過ごせることです。本を読むことでその物語に入り込むことができます。読書は楽しむだけではなく勉強にもなります。ストーリーに感情移入する人もいます。他人の人生を知り、自分の人生に取り入れることもできます。自分の人生は一回だけですが、読書を通じて何人分もの人生を愉しむことができます。ドーパミンは人間を支配する快楽物質で、脳内麻薬とも呼ばれることはご存じでしょう。傍らに鎮座する猫をなでながら読書することは至福の時間です。その時の自分の脳は、ドーパミン「ドクドク」です。

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2020年「新・徒然草」の振り返り【Dr. 中島の 新・徒然草】(354)

三百五十四の段 2020年「新・徒然草」の振り返りコロナ第3波で、大阪は大変なことになっています。太陽の塔のライトアップが「非常事態」を示す赤色に染まっているだけではありません。向かいにある観覧車「レッドホース・オオサカホイール」も真っ赤に燃え上がっています。聞くところによると、通天閣も灼熱の赤なのだとか。さて、コロナに始まりコロナに終わろうとしている2020年。1年間の「新・徒然草」を振り返ってみたいと思います。まず、私の卒業した神戸高校が舞台となった映画「思い思われ、ふりふられ」です。新・徒然草では自分自身の高校時代を述べたわけですが(340の段)、母校の同窓会誌に顛末記が出ていました。ロケは学校活動に影響の少ない春休みを選んで、9日間行われたそうです。教員、生徒あわせて約120人がエキストラとして出演していました。面白いのは、映画が公開されるまで守秘義務が課せられており、SNS等での発信が禁じられていたのだとか。あわせて「有名人が来てもワーワーキャーキャー騒ぐんじゃないぞ」と指導されていたのでしょうか。淡々と接する生徒たちに、俳優さんらは「自分たちは人気がないのだろうか?」と思ったそうです。いかにも神戸高校らしいエピソードだと思いました。次に「約束のネバーランド」(351の段)読みましたよ、最後まで。一緒に育ち、生活を共にしてきた孤児院の子供たち全員を“敵”から助けようとしたエマ。やはりそれは生半可なことではなく、エマも無傷ではすみません。自らの一番大切なものを犠牲にして、抗い難い運命に立ち向かいます。そのエマの覚悟に泣けた、大泣きしました。読み終えて思うのは、性別未公開とされる原作者は、やはり女性ですね。「一番大切なもの」というのが私には想像もつかないものでした。皆さんもぜひ読んでみてください。令和に相応しい新感覚の物語です。そしてこの新・徒然草。最後の1句のグレード・アップを図っています。これまでは川柳だったのですが、何とか季語を入れて俳句に挑戦。ちょうど「人間ドックの順番争い」(339の段)から新しい試みを始めました。考えてみれば31文字の短歌と違って、俳句は17文字と短い上に季語が必要です。それだけ制約が厳しく、作るのも時間がかかって苦しい!でも、苦労した分、記憶に残るものができるような気がします。俳句は、季語という日付の入った記念写真のようなものかもしれません。たった1枚の写真に多くを語らせるわけですね。そういえば、先日の日本脳神経外科学会第79回学術総会の文化講演は、演者が俳人の夏井 いつき氏。講演当日の出席はできませんでしたが、後日、ビデオを観ることができました。ハイブリッド学会ならではの有難さですね。ということで、何やかんやあった2020年。この徒然草も、次回が今年最後になります。年の終わりに何を書くかはまだ決めていませんが、とにかく1句冬夜空 真っ赤に浮かぶ 観覧車

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あなたには帰る家がある(前編)【なんで倦怠期になるの?】Part 1

今回のキーワード夫婦関係かかあ天下型亭主関白型愛着スタイルストレンジ・シチュエーション法システム化と共感性カサンドラ症候群ジェンダーギャップ夫婦でいる皆さんやパートナーのいる皆さん、倦怠期でお困りのことはありませんか? 倦怠期とは何でしょうか? なぜ倦怠期になるのでしょうか? そもそもなぜ倦怠期は「ある」のでしょうか? そして、どうすれば良いでしょうか?これらの答えを探るために、今回は2018年のテレビドラマ「あなたには帰る家がある」を取り上げます。このドラマは、夫婦関係の「あるある」が満載であり、うまく行かなくなっていく夫婦のよくある日常を生々しく描いています。このドラマを通して、夫婦関係を発達心理学的に、進化心理学的に、そして文化心理学的に掘り下げます。そして、夫婦関係のより良いあり方(マインド)とより良いやり方(スキル)を一緒に考えていきましょう。倦怠期とは?このドラマには、2組の倦怠期の夫婦が登場します。まず、この2組の夫婦を通して、2つの典型的な夫婦の倦怠期を明らかにしてみましょう。(1)真弓と秀明-かかあ天下型1組目の夫婦は、41歳の真弓と39歳の秀明です。12歳の麗奈との3人暮らしです。真弓と秀明は、行きつけのカレー屋の店主の圭介に、別々のタイミングでそれぞれ夫婦関係の不平不満を吐き出します。真弓は、「家事のこと何にも分かってないんだよ。家のこと何にもやらないから」言います。一方、秀明は、「常に上から来るんだよ。マウンティング病だよ。玄関のドアを開けて、カバンを置く前に文句。1でも返そうもんなら、100倍になって返ってくる」と言っています。1つ目は、かかあ天下型です。これは、妻が夫より強い夫婦関係です。妻が夫を一方的に責め立てるために(攻撃性)、夫は妻を腫れ物扱いして、あえて何もしないことによる反撃をしています(受働攻撃性)。結果的に、お互いに歩み寄りができずにうんざりしている状態が続いています。しかし、子どもがいるために、かろうじて夫婦関係は維持されています。(2)亭主関白型-太郎と綾子2組目の夫婦は、47歳の太郎と43歳の綾子です。太郎の両親(舅と姑)と16歳の慎吾との5人暮らしです。太郎は、外出先でのトイレの後の手洗いでも、綾子に太郎のハンカチを持たせ、自分の手を拭かせています。そして、太郎は口癖のように「誰のおかげだ?」と綾子に尋ね、「あなたのおかげです」と言わせています。また、食事の時は、綾子は、姑や舅から「梅干し!」「ぬか漬けなかったっけ?」と注文され、けなげに給仕しています。良く言えば良妻賢母、悪く言えば召使いです。2つ目は、亭主関白型です。これは、夫が妻より強い夫婦関係です。夫が妻を言いなりにさせています。妻が我慢して反抗しないため、一見すると夫婦円満が維持されています。 倦怠期からどうなる?倦怠期とは、夫婦が、その関係性に疲れ、面倒くさくなり、嫌気が差している時期であることが分かりました。この心理は、とくに夫婦関係のストレスをため込んでいる弱い側に顕著です。それでは、倦怠期からどうなるのでしょうか? ここで、倦怠期によるリスクを大きく3つ挙げてみましょう。(1)不倫秀明の営業の担当先の家が太郎と綾子であったことから、秀明と綾子は出会い、夫婦関係による葛藤や寂しさをお互いに満たすべく、W不倫に至りました。1つ目は、不倫です。さらに、不倫がなかったとしても、子どもが成人して自立すれば、一緒にいる必要がなくなるので、その時点から離婚のリスクが高まります。また、相手の稼ぎを当てにしている場合、相手が退職した時点から離婚のリスクが高まります。いわゆる熟年離婚です。(2)母子密着真弓は、もともと専業主婦として娘の麗奈の中学受験に一緒に励んでいました。娘の第一志望の合格を自分のことのように喜んでいます。2つ目は、母子密着です。子育てに熱心であることは、それ自体良いことです。ただ、夫婦関係がうまくいっていない分、夫が仕事に没頭するように、妻は子育てに没頭します。そして、子どもを自分の分身のようにとらえ、子どもをコントロールして、子どもを心理的に自立させないようにしてしまうリスクがあります。この結果が、不登校やひきこもりです。また、子どもが巣立ってしまえば、その反動で無気力になるリスクも高まります(空の巣症候群)。(3)嫁姑問題姑(太郎の母)は、綾子を召し使い扱いするだけでなく、「だめな嫁だよ」とたびたび綾子をなじっています。3つ目は、嫁姑問題です。ただでさえ、嫁と姑の関係は危ういものなのに、夫婦関係がうまくいっていない分、姑と夫との親子関係が強まり、姑が強くなって夫婦関係に介入することで嫁(妻)が孤立するリスクがあります。次のページへ >>

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あなたには帰る家がある(前編)【なんで倦怠期になるの?】Part 2

なんで倦怠期になるの?倦怠期によるリスクは、不倫、母子密着、嫁姑問題であることが分かりました。それでは、なぜ倦怠期になるのでしょうか? ここから、その原因を大きく3つ挙げてみましょう。(1)不安的なコミュニケーションスタイル-愛着スタイル1つ目は、不安的なコミュニケーションスタイルです。コミュニケーションスタイルとは、発達心理学的に言うと、愛着スタイル(ストレンジ・シチュエーション法による)です。ここから、登場人物を3つの愛着スタイルに分類してみましょう。なお、ストレンジ・シチュエーション法とは、乳幼児を親との分離・再会や知らない人(ストレンジャー)との面会という新規な状況(ストレンジ・シチュエーション)にあえてさらして見られる反応を3つのタイプに分類する実験手法です。a. ガミガミ型-不安型真弓は、夫婦関係のストレスに対して過敏に反応し、秀明にたびたび激怒しています。太郎は、先回りして自分の言いなりになることを綾子にしつこく確認しています。このように、夫婦関係で強い側の真弓や太郎はガミガミ言っています。1つ目は、ガミガミ型です。愛着スタイルで言うと、不安型です。これは、乳幼児が、親との分離のあとに泣き出しますが、親と再会しても怒りから泣き止まない反応をすることです。この原因は、親の愛情が気まぐれで一貫していないことが示唆されています。真弓の父親が不倫をしていたことから、母親はその苦労で情緒不安定だったことが描かれています。ちなみに、臨床的には、反応性愛着障害脱抑制型(脱抑制型対人交流障害)につながります。この詳細については、関連記事1をご参照ください。b. ヘコヘコ型-回避型秀明は、激怒する真弓に、顔色を伺ったり、話を逸らしたり、急に作り笑いをして立ち去るなど、向き合おうとしません。綾子は、太郎のモラハラに、笑顔ですべて受け流しています。このように、夫婦関係で弱い側の秀明や真弓はヘコヘコしています。2つ目は、ヘコヘコ型です。愛着スタイルで言うと、回避型です。これは、乳幼児が、親との分離のあとに泣き出さず、親との再会でよそよそしい反応をすることです。この原因は、親の愛情が一貫して乏しいことが示唆されています。綾子の実家は、もともと綾子に対して冷たかったことが描かれています。なお、後半の綾子は、秀明に執拗に迫っていく点で一見不安型にも見えますが、秀明と同棲を始めると、それ以上の距離を縮めようとしなくなる点で、やはり回避型と言えます。ただし、回避型も、根っこの心理は不安です。不安を不安としてそのまま過剰表出するのが不安型であり、不安を抑制しているのが回避型とも言えます。ちなみに、臨床的には、反応性愛着障害抑制型につながります。この詳細については、関連記事2をご参照ください。c. どっしり型-安定型カレー屋の店主の圭介は、真弓の話も秀明の話も親身に聞き、暖かみがあります。離婚歴があるというのは意外ですが、不安型の真弓に思いを寄せていたことが判明した点で、世話焼きの性分(共依存)から前妻が依存的になりすぎて結婚生活がうまくいかなった可能性を想定できます。圭介は、相手をそのまま受け止め、体格と同じく、内面的にもどっしりしています。3つ目は、どっしり型です。愛着スタイルで言うと、安定型です。これは、乳幼児が、親との分離の後に泣き出しますが、親との再会で速やかに泣き止む反応をすることです。この原因は、親の愛情が一貫して注がれていることが示唆されています。以上から、どっしり型が安定したコミュニケーションスタイルであるのに対して、ガミガミ型とヘコヘコ型は不安定なコミュニケーションスタイルであることが分かります。これらの3つのコミュニケーションスタイルの組み合わせによる倦怠期のリスクを表1にまとめてみましょう。たとえば、夫婦の一方がどっしり型の場合は、たとえもう一方がヘコヘコ型やガミガミ型であったとしても、その包容力によって夫婦関係としては概ね安定することが分かります。ヘコヘコ型×ヘコヘコ型の組み合わせの夫婦関係は、夫婦げんかがあまり起きないので、表面的にはうまく行っているように見えます。ただし、お互いに距離が縮まらずに絆自体は深まっていないです。いわゆる仮面夫婦です。ちょうど、同棲していた時の秀明と綾子がそうでした。よって、子どもの不登校やリストラなどの夫婦関係以外のストレスによってリスクが顕在化します。ガミガミ型×ガミガミ型の夫婦関係は、お互いに攻撃し合って疲弊するので、早い段階でリスクが高まるでしょう。(2)男女の脳機能の違い-システム化と共感性2つ目は、男女の脳機能の違いです。太郎は、理屈っぽいです。秀明は、真弓とは話し合いができないから最初から話をしないと割り切る理屈があります。このように、男性は、原因と結果の因果関係である論理(システム)や結果そのものに重きを置く心理があります(システム化)。この心理の詳細については、関連記事3をご参照ください。一方、真弓は、感情に任せて言いたいことを言います。綾子は、感情に従って、しつこく秀明に迫ります。このように、女性は、感情や関係性(プロセス)に重きを置く心理があります(共感性)。この心理の詳細については、関連記事4をご参照ください。このような男女の脳の働きの違いから、男女はなかなか分かり合えないという現実があります。とくに、共感性のとても高い妻が、共感性のとても低い夫に対して、気持ちが通じないためにストレス状態になるのは、ギリシア神話の登場人物にちなんでカサンドラ症候群と呼ばれています。一方で、システム化がとても高い夫が、システム化のとても低い妻に対して、理屈が通じないためにストレス状態になることも同じようにあります。ただし、この状態にはまだとくに名前が付けられていません。よって、この記事では、「逆カサンドラ症候群」と名付けます。ちなみに、名付けがまだされていない理由としては、おそらく、このストレス状態にある多くの夫が、秀明のように理屈が通じないことを理屈で理解してあきらめているため、その不満を妻ほど表立って表出しないからでしょう。この点から、男性に多い不安定な愛着スタイルは回避型であるのに対して、女性に多い不安定な愛着スタイルは不安型であるとも言えるでしょう。(3)男女の社会的な役割の違い-ジェンダーギャップ3つ目は、男女の社会的な役割の違いです(ジェンダーギャップ)。これは、秀明や太郎が外で働き、真弓や綾子が家で家事や育児をしていることです(性別役割分業)。これには、さらに3つのポイントがあります。1つ目は、お互いに関心がなくなることです。たとえば、分業によって、必然的に夫婦が一緒に生活する時間が少なくなります。そして、お互いにやっていることの大変さが見えなくなり、ますます分かり合えなくなります。心理学的には、同じ格好をする、同じ行動をする、同じ考えをすると相手への親近感が高まることが分かっています(同調性)。逆に言えば、別々のことをしていれば、それだけ心が通じ合えなくなるというわけです。もはや夫はATM、妻は家事代行サービス兼ベビーシッターにそれぞれなり下がってしまいます。2つ目は、助け合いを避けるようになることです。たとえば、最初は分業がうまくいっていても、子どもができる(または増える)、夫がリストラされる、親の介護が必要になる、夫婦のどちらかが病気になるなど、結婚生活で状況が変わることはいくらでもありえます。この時、分業にとらわれていると「家事育児をちゃんとしない妻が悪い」「稼ぎがない夫が悪い」「先にルールを破ったあなたが悪い」という心理が働くからです。分業は、結婚生活を維持するための手段であるはずが、目的そのものになってしまい、逆に結婚生活を維持できなくなる危うさがあります。また、分業が長い期間続くことで、ますます夫は家事育児に抵抗を感じるようにもなるからです。これは、専業主婦を長らくやっている妻が再就職に抵抗を感じるのと同じです。3つ目は、上下関係ができやすくなることです。たとえば、「誰のおかげだ?」と言う太郎のセリフのように、稼いでいる側(夫)が稼いでいない側(妻)よりも、偉そうに振る舞い、夫婦の決定権を握ることです。そのわけは、稼いでいない側が経済的に自立していないことで離婚した場合に経済的に困難になるリスクを稼いでいる側が見透かし、その足元を見るようになるからです(モラルハザード)。こうして、「頼れる夫」「尽くす妻」というステレオタイプ、いゆわる「男尊女卑」が揺るぎないものになっていきます。もちろん、この逆パターンもあります。ワーキングママが専業主夫に対して「私が働いてんのよ」といびることです。かかあ天下型は、「頼れる夫」というあるべき形(ステレオタイプ)ではないことへの夫の葛藤があります。一方、亭主関白型は、「尽くす妻」というあるべき形(ステレオタイプ)が行きすぎていることへの妻の葛藤があります。さらには、この「頼れる夫」は、モラルハラスメントのリスクを高めます。これは、妻が言いなりになるため、夫がやりたい放題になることです。たとえば、家計が夫の管理下に置かれ、妻が自由に使えるお金の余裕がないことです。また、妻が家事育児の負担を一方的に強いられ、時間や労力の余裕がなくなることです。このリスクは、とくに、子どもが1人目、2人目、3人目と増えるごとに高まります。つまり、「頼れる夫」によって「尽くす妻」を強いられることです。これは、もはや奴隷と言えるでしょう。なお、モラルハラスメントの心理の詳細については、関連記事5をご参照ください。また、「尽くす妻」は、共依存のリスクを高めます。この心理の詳細については、関連記事6をご参照ください。とくに日本は、ジェンダーギャップ指数において世界121位(2019年)です。世界的にも、夫婦が、お互いに関心がなくなり、分業というルールにとらわれ、上下関係ができやすい文化であることがよく分かります。ひと言で言えば、夫婦の分業は夫婦の分断を招くと言えるでしょう。 ■関連記事1.グッドウィルハンティング【反応性愛着障害】2.八日目の蝉【なぜ人を好きになれないの?毒親だったから!?どうすれば良いの?(好きの心理)】3.「カイジ」と「アカギ」(前編)【ギャンブル依存症とギャンブル脳】4.マザーゲーム(前編)【ママ友付き合い、なんで息苦しいの?(「女心」の二面性)】Part 15.美女と野獣【実はモラハラしていた!? なぜされるの?どうすれば?(従う心理)】6.だめんず・うぉ~か~【共依存】1)夫婦という病:岡田尊司、河出書房文庫、20162)共感する女脳、システム化する男脳:サイモン・バロン=コーエン:、NHK出版、2005<< 前のページへ

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第37回 早大が統合に踏み切れない東京女子医大の事情と「三派連合」の存在

慶應義塾大学が2023年4月をめどに東京歯科大学を統合、同大11番目の学部として歯学部が誕生する見通しだ。国内の総合大学では初めて医学部、看護医療学部、薬学部、歯学部の医療系4学部が揃うことになる。一方、慶大のライバルである早稲田大学は、長年に渡って東京女子医科大学との統合話が浮上しては立ち消え、実現に至っていない。その理由として、両大学の経営状況に加え、他大学からの“妨害”があったというきな臭い話も聞こえる。まず、慶大と東京歯科大が統合するメリットとは何か。先述の通り、慶大は医療系4学部を擁する国内初の総合大学として、ブランド力が一層強化される。また、附属校から歯科医を目指す場合、これまでは他大へ出るしかなかったが、晴れて内部進学が可能になる。一方、東京歯科大は経営状態が良好で国家試験の合格率も高いが、学生数の減少や歯科医師供給過剰による競争激化が進む中、「慶應」ブランドで優秀な学生集めることができる。つまり両者の統合は、名実ともに“Win-Win”の関係で成立するのだ。早大と東京女子医大の場合はどうか。東京女子医大にとって創立120年の節目である2020年は、悪いニュースが相次いだ。7月には、約30億円の病院の赤字と職員へのボーナス不支給、それを不満とした看護師400人の大量退職が報じられた。その後、同大は慌ててボーナスを支給した。その直後、2021年度の入学生から、6年間の学費を3,400万円から1,200万円アップの4,600万円にすると突如発表し、受験生に衝撃を与えた。総額が最も高い川崎医科大学(岡山県倉敷市)の4,740万円に次ぐ高さだ。背景には、コロナ禍による大学病院の収益悪化があるとされる。また10月には、6年前の医療事故について医師6人が書類送検される事態も起きた。関係者は「大学病院の財務状況とガバナンスが不全状態にある今の東京女子医大は、早大にとっては“お荷物”だ」と打ち明ける。一方、早大関係者は「17年から基金運用を始めるなど、早大の経営状況も順風満帆ではない。歴代総長のほぼ全員が検討し、『早稲田の悲願』と言われてきた医学部設置だが、うまみのある大学でないと統合は難しい」と打ち明ける。つまり現状を見る限り、早大と東京女子医大では“Win-Win”の統合になり得ないということだ。もう1つ、早大の医学部設置が叶わない背景を知る人物は次のように話す。「約20年前に、早大が医学部を持てるようにいろいろ動いたが、慶大、日本大学、東海大学の三派連合が立ちはだかり、どうにもこうにも行かなかった」と振り返る。ましてや三派連合の一角・慶大が医療系4学部を揃えるとなれば、医療界における慶大勢力はこれまで以上に強まるだろう。「早稲田大学医学部」の実現は、さらに遠のきそうだ。

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青年期のSNS利用と抑うつや不安症状との関連

 青年期や幼年期後期におけるソーシャルネットワーク(SNS)利用は、急激に増加している。このような変化によるメンタルヘルスへの影響は議論されているが、さらなる経験的評価が求められる。オーストラリア・メルボルン大学のLisa K. Mundy氏らは、青年期のSNS利用と抑うつ症状、不安症状との関連について調査を行った。Depression and Anxiety誌オンライン版2020年11月22日号の報告。 Childhood to Adolescence Transition Studyのデータ(1,156例)を利用し、11.9~14.8歳の4つの時点でのSNS利用時間を毎年測定した。1日1時間以上のSNS利用を、利用率が高いと定義した。SNS利用と抑うつ症状、不安症状との横断的および将来的な関連を調査した。 主な結果は以下のとおり。・年齢、社会経済的地位、メンタルヘルス罹病歴で調整した横断的分析により、SNS利用率が高い人においてメンタルヘルスリスクとの関連が認められたのは、以下のとおりであった。 ●SNS利用率が高い女性は抑うつ症状リスクが高い(オッズ比[OR]:2.15、95%信頼区間[CI]:1.58~2.91) ●SNS利用率が高い女性は不安症状リスクが高い(OR:1.99、95%CI:1.32~3.00) ●SNS利用率が高い男性は抑うつ症状リスクが高い(OR:1.60、95%CI:1.09~2.35)・女性では、利用頻度に波のない人と比較し、1つ前の波(OR:1.76、95%CI:1.11~2.78)と2つまたは3つ前の波(OR:2.06、95%CI:1.27~3.37)のSNS利用率の高さが、14.8歳時の抑うつ症状のORの増加と関連が認められた。 著者らは「SNS利用率の高い若者では、抑うつ症状や不安症状リスクの中程度の増加が認められた。初期のメンタルヘルス問題に対する予防プログラムにおいて、青年期初期のSNS利用に焦点を当てることが有用である可能性が示唆された」としている。

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冬の健康管理は3つのキープ(3K)に注目

 2020年11月18日(水)に大塚製薬株式会社より発行された、冬の健康管理についての最新情報に関するニュースレターで、「距離」「衛生」「体内の水分」の3つのキープ(3K)が冬の健康管理の新習慣として重要であること、体内の水分はイオン飲料での補給が効果的であることなどが紹介された。 その中で、東京女子医科大学 呼吸器内科学教授の多賀谷 悦子氏は「線毛輸送機能を維持し、ウイルス感染を防ぐには水分補給が重要となる。乾燥しやすい冬に効率のよい水分補給として、水分保持率の高いイオン飲料が有用である」と述べている。 ウイルスの脅威に立ち向かうため、空気の乾燥、暖房機器使用により湿度が低下した冬の水分摂取は重要である。やみくもな水分摂取ではなく、イオン飲料による効率的な水分摂取で、3つのキープ(3K)を意識した冬の健康管理が浸透することを期待したい。知らず知らずの乾燥 生活するうえで快適な湿度は40~60%といわれているが、冬の湿度は約50%、最小湿度で10~20%まで低下する。空気中の水蒸気量が少なく乾燥しやすいうえに、暖房機器の使用はさらなる乾燥を引き起こす。密閉性の高い近年の住環境も乾燥に拍車を掛けており、乾燥がウイルス活動の活性化の要因の1つとされている。冬のカラダは水分不足 私たちのカラダは1日に約2.5Lの水分を失う。皮膚や粘膜、呼気から失われる不感蒸泄は1日約900mLといわれており、気温が低く乾燥した冬の環境では消失量が増加する。夏と比較して汗をかきにくく、水分摂取の機会も減ることから、冬でも脱水を引き起こす可能性がある。ウイルスからカラダを守る「線毛運動」 線毛には、鼻やノドから入るウイルスの体内への侵入を防ぐ最前線の防御機能があり、気道に侵入したウイルスは粘液で捕らえられ線毛によって運搬・排除される。線毛は乾燥に弱く、湿度が低い環境下では運動能力が低下するため、湿度の維持とカラダの水分量を保つことが重要とされる。イオン飲料による水分補給の効果 低湿度環境下において、鼻腔粘液線毛輸送機能に対するイオン飲料の効果を「サッカリンテスト」にて検討1)したところ、「何も摂らない」「ミネラルウォーターを摂取」「イオン飲料を摂取」の3条件の中で、イオン飲料の摂取が線毛輸送機能の低下を有意に抑えた。また、イオン飲料と水を摂取し2時間後の体内保持率を比較した結果2)でもイオン飲料のほうが高く、イオン飲料は体内の水分量、線毛輸送機能を維持するために重要であると示唆されている。今冬は「3つのキープ(3K)」に注目 冬は気温が低く乾燥しやすい季節であり、ウイルス感染が心配されるため、「3つのキープ(3K)」を意識した健康管理が必要であるとして、下記の対策を大塚製薬は推奨している。・対策(1):KEEP DISTANCE(距離を保とう)・対策(2):KEEP CLEAN(衛生を保とう)・対策(3):KEEP WATER(水分を保とう)まとめ 2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、私たちの日常は大きく変化した。引き続きウイルスによる脅威に曝されている環境下にあるため、ソーシャルディスタンス、手洗い・うがいに加えて、イオン飲料による小まめな水分摂取を意識して、ウイルスに負けない健康管理に取り組む必要がある。

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なぜ・どうやって患者に禁煙をすすめるか?/日本肺学会

 11月に行われた第61回日本肺学会学術集会では、「禁煙を通して肺がん撲滅をめざす」と題したシンポジウムが行われ、この中で岡山済生会総合病院 がん化学療法センター長の川井 治之氏が「呼吸器内科医はなぜ・どうやって患者に禁煙をすすめているのか」と題した講演を行った。 冒頭に川井氏は、患者に禁煙を薦める理由として 1)喫煙は多くの呼吸器疾患の原因や悪化因子となる 2)がん治療への悪影響がある 3)がん治療後の2次(原発)がんの発生要因となる という基本事項を確認した。 1)について、今年に入って注目されたトピックスとして、COVID-19と喫煙の関係を紹介し、最新の研究を踏まえると「喫煙者は非喫煙者と比較して約2倍、新型コロナ感染症で重症化しやすい」1)というデータを共有した。 2)について、手術においては術後合併症発生率・術後死亡率・再手術の発生率がいずれも上がること、抗がん剤治療においてはイリノテカン・エルロチニブの全身曝露量を低下させ効果を減弱させる、シスプラチンの作用によるアポトーシスを阻害して耐性をもたらす、放射線治療においては治療効果の低下、治療関連毒性の増加など、各治療において広範囲に及ぶ悪影響があることを紹介した。さらに、小細胞肺がんの放射線化学療法中に喫煙を継続した場合、5年生存率が5%低下する2)、喫煙が肺がんの脳転移リスクを上昇させる3)といった研究結果も紹介した。 3)の喫煙関連の2次がんのリスク増については、喫煙者は治療後の肺がん発症リスクが6~24倍になること4)、2次がん発症のリスクが76%増加すること5)を指摘した。さらに診断時、3年以内に禁煙していた場合、現在の喫煙者と比較して死亡リスクが11%減少するというデータ6)を紹介し、喫煙の有害性、禁煙の有効性を改めて訴えた。相手に合わせて言葉を変え、あらゆる機会に介入 続けて、実際に診療にあたってどのように患者に禁煙をすすめるのかという点について、自身の実践を踏まえて紹介した。 初診時は、カルテのバイタルサイン欄に喫煙歴のチェック欄を設け、診療時に医療者が喫煙について触れる機会をつくる試みを紹介。この際、過去に喫煙歴のある患者は「(現在は)喫煙していない」と回答しがちなので、過去の喫煙歴も必ず聞くとよい、とアドバイスした。  「検診の胸部異常陰影で受診したが、CTでは異常がなかった」というケースの診療時では、「肺がんでなくてよかったですね。でもこのままタバコを吸っていると6人に1人は肺がんになります。良い機会ですから禁煙しませんか?」と伝え、40歳以下の患者であれば「喫煙者は寿命が10歳短くなりますが、今禁煙すれば寿命に対する影響をほぼなしにできますよ」と相手に響く言葉を添えたうえで禁煙外来につなぐことを紹介した。 さらに、非専門医が禁煙をすすめる際の手引きとして日本肺学会が翻訳・公開するNCCNガイドラインを推奨、自身のブログ・SNSを使った禁煙についての情報発信も紹介し、一般向けにわかりやすく禁煙の大切さを伝える重要性を訴えた。■参考1)Patanavanich R , et al. Nicotine & tobacco research. 2020 ;24:22;1653-1656.2)Videtic GMM, et al. J Clin Oncol. 2003;21:1544-9.3)Wu SY, et al. Int J Clin Exp Med. 2020;03:2174)The Health Consequences of Smoking—50 Years of Progress: A Report of the Surgeon General5)Tabuchi T, et al. Ann Oncol. 2013;24:2699-27046)Tabuchi T, et al. Int J Cancer. 2017;140:1789-1795.

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早期TN乳がんの術前化療+アテゾリズマブにおける患者報告アウトカム(IMpassion031)/SABCS2020

 未治療の早期トリプルネガティブ(TN)乳がんの術前化学療法に、免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブの追加を検討したIMpassion031試験における患者報告アウトカムの解析結果が報告された。米国・Brigham and Women's Hospital Dana-Farber Cancer InstituteのElizabeth A. Mittendorf氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2020)で発表した。 本試験では、18歳以上で未治療のStageII~IIIのTN乳がん患者333例を、アテゾリズマブ(840mg、2週ごと)+nab-パクリタキセル(アテゾリズマブ群)またはプラセボ+nab-パクリタキセル(プラセボ群)に1対1で無作為に割り付けた。12週間(3サイクル)投与後、ドキソルビシン+シクロホスファミド(AC)との併用で8週間(2サイクル)投与し、手術を実施した。術後、アテゾリズマブ群はアテゾリズマブ(1,200mg、3週ごと)を11回投与し、プラセボ群は経過観察を行った。主要評価項目の病理学的完全奏効(pCR)率については、PD-L1の有無にかかわらず、アテゾリズマブ群が57.6%とプラセボ群41.1%に比べて有意に改善(p=0.0044)したことがすでに報告されている。 患者報告アウトカムの測定は、EORTC Quality of Life Questionnaire Core 30(QLQ-C30)およびFunctional Assessment of Cancer Therapy-General(FACT-G)single item GP5の質問票を用いて、術前療法および術後療法の各サイクルのベースライン・1日目・治療終了時、観察期間には1年目は3ヵ月ごと、2~3年目は6ヵ月ごと、その後は年に1回実施した。 主な結果は以下のとおり。・両群のQLQ-C30完了率(ITT解析)は、ベースラインは100%、術前療法期間では90%以上、術後療法期間(16サイクルまで)では89%以上、GP5完了率は、ベースライン(2サイクル1日目)で98%以上、術前療法期間および術後療法期間で88%以上であった。・ベースラインの平均値(95%CI)は、身体機能がアテゾリズマブ群91%(89~93)、プラセボ群90%(88~92)、役割機能がアテゾリズマブ群89%(86~93)、プラセボ群89%(86~92)、健康関連(HR)QOLがアテゾリズマブ群79%(76~82)、プラセボ群76%(73~79)と高かった。・16サイクルまでの治療評価期間、観察期間を通じ、身体機能、役割機能、HRQOLの平均値とベースライン値からの平均変化は両群で類似していた。・平均身体機能は、両群で3~5サイクル目の術前療法期間中に臨床的に重要な低下を示したが、術後療法期間に回復し、7サイクル目の開始を安定させた。・平均役割機能は、アテゾリズマブ群では2サイクル目から、プラセボ群では3サイクル目から5サイクル目までの術前療法期間で臨床的に重要な低下を示したが、術後療法期間に回復し、プラセボ群のみ9サイクル目で安定した。・平均HRQOLは、両群で3~5サイクル目の術前療法期間で臨床的に重要な低下を示したが、術後療法期間で回復し、6サイクル目から安定した。・術前療法期間の疲労、下痢、悪心・嘔吐は、機能およびHRQOLにおけるベースライン値からの平均および平均変化と類似した傾向で、両群とも5サイクルを通じて悪化した。術後療法期間の平均症状スコアは、疲労を除いて両群ともベースラインと同様であった。 Mittendorf氏は、「両群の治療関連症状は類似しており、化学療法へのアテゾリズマブの追加は新たな副作用はみられず忍容性があった。この解析結果から、nab-パクリタキセル後にACを投与する術前化学療法にアテゾリズマブを追加することで、患者に新たな治療負担を与えることなくpCRを改善することが示された」と述べた。

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Pfizer社の新型コロナワクチンの第III相試験結果/NEJM

 ファイザーとビオンテックによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」について、16歳以上における30μgの2回投与の有効率は95%で、同有効率は年齢や性別、基礎疾患の有無といったサブグループでも同程度であった。また、中央値2ヵ月間の安全性は、その他のウイルスワクチンと類似していた。アルゼンチン・Fundacion INFANTのFernando P. Polack氏らによる、進行中の第II/III相国際共同プラセボ対照観察者盲検化pivotal有効性試験の結果で、NEJM誌オンライン版2020年12月10日号で発表した。BNT162b2は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のfull-lengthスパイクタンパク質をコードする脂質ナノ粒子製剤・修飾ヌクレオシドmRNAワクチンである。第III相試験はコロナワクチンBNT162b2を3週間隔で2回投与 第III相試験は、16歳以上の健康な男女を無作為に2群に分け、一方には新型コロナウイルスワクチンBNT162b2(30μg)を、もう一方にはプラセボを、それぞれ21日間隔で2回投与した。 主要エンドポイントは、検査によって確認されたCOVID-19に対するワクチンの有効性および安全性だった。第III相試験での新型コロナウイルスワクチンの有効率は95% 第III相試験では合計4万3,548例が無作為化を受け、4万3,448例が注射投与を受けた。新型コロナウイルスワクチンのBNT162b2群が2万1,720例、プラセボ群は2万1,728例だった。 2回目投与後7日以降にCOVID-19の発症が確認されたのは、プラセボ群が162例だったのに対し、BNT162b2群は8例で、BNT162b2の有効率は95%だった(95%信用区間[Crl]:90.3~97.6)。 ワクチン有効率は、65~75歳未満で94.7%であり、年齢や性別、人種、民族、ベースラインのBMI、基礎疾患の有無で分類したサブグループにおいて類似していた(概して90~100%)。 安全性プロファイルは、注射部位の短期的な軽度~中等度の疼痛、倦怠感、頭痛で特徴付けられた。重度有害イベントの発現頻度は低く、両群で類似していた。

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PD-L1陽性TN乳がん1次治療、ペムブロリズマブの上乗せ効果は?(KEYNOTE-355)/Lancet

 未治療の局所再発手術不適応または転移のあるPD-L1 CPS 10以上のトリプルネガティブ乳がん患者において、ペムブロリズマブ+化学療法はプラセボ+化学療法と比べて、無増悪生存(PFS)期間が有意かつ臨床的意義のある改善を示した。スペイン・Quiron GroupのJavier Cortes氏らによる第III相の国際多施設共同プラセボ対照二重盲検試験「KEYNOTE-355試験」の結果で、Lancet誌2020年12月5日号で発表された。著者は、「今回示された結果は、転移のあるトリプルネガティブ乳がんの1次治療について、標準治療へのペムブロリズマブ上乗せの意義を示すものである」と述べている。先行研究で同患者へのペムブロリズマブ単剤療法が、持続的な抗腫瘍活性と管理可能な安全性を示しており、研究グループは、同患者へのペムブロリズマブの上乗せが、化学療法の抗腫瘍活性を増強するかを検討した。29ヵ国209ヵ所の医療機関で試験 KEYNOTE-355試験は、29ヵ国209ヵ所の医療機関を通じ、未治療の局所再発手術不適応または転移を有するトリプルネガティブ乳がん患者を無作為に2対1の2群に割り付け、一方にはペムブロリズマブ(200mg、3週間ごと)+化学療法(nabパクリタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン+カルボプラチンのいずれか)、もう一方にはプラセボ+化学療法を行った。無作為化は、ブロック法(ブロックサイズは6つ)および統合Web応答機能付き対話型音声応答システムを用い、化学療法のタイプ(タキサン系またはゲムシタビン+カルボプラチン)、ベースラインでのPD-L1発現(CPS 1以上または1未満)、同クラス薬剤による化学療法歴(術前・術後)で層別化も行った。 適格基準は、18歳以上、トリプルネガティブ乳がんを中央施設で確認、測定可能病変が1つ以上、中央検査施設でトリプルネガティブ乳がんの状態およびPD-L1の状態を免疫組織学的に検査するための新たな腫瘍病変が提供可能、ECOG PSが0または1、十分な臓器機能であった。試験のスポンサー、研究者、そのほか各地の試験スタッフ(マスクされなかった薬剤師は除く)および患者は、ペムブロリズマブまたはプラセボ投与について知らされず、患者ごとのPD-L1バイオマーカーの結果も知らされなかった。 主要評価項目は2つで、PD-L1 CPSが10以上の患者、CPSが1以上の患者、ITT集団のそれぞれにおけるPFSと全生存(OS)だった。PFSは今回の中間解析で評価し、OSの評価は追跡を継続している。PFSの評価には階層テスト戦略が用いられ、最初にPD-L1 CPSが10以上の患者で行われ(今回の中間解析の事前規定の統計学的基準はα=0.00411)、その後にCPSが1以上の患者(今回の中間解析のα=0.00111、CPSが10以上の患者のPFSからの部分的α値を含む)、最後にITT集団(今回の中間解析のα=0.00111)で評価した。CPS 10以上の無増悪生存、ペムブロリズマブ群9.7ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月 2017年1月9日~2018年6月12日に1,372例がスクリーニングを受け、847例が無作為に割り付けられた(ペムブロリズマブ群566例、プラセボ群281例)。2次中間解析(データカットオフは2019年12月11日)での追跡期間中央値は、ペムブロリズマブ群25.9ヵ月(IQR:22.8~29.9)、プラセボ群26.3ヵ月(22.7~29.7)だった。 CPS 10以上の患者群では、PFS期間中央値はペムブロリズマブ群9.7ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月だった(病勢進行または死亡に関するハザード比[HR]:0.65、95%信頼区間[CI]:0.49~0.86、片側p=0.0012)。 CPS 1以上の患者群では、PFS期間中央値はそれぞれ7.6ヵ月、5.6ヵ月で有意差は示されなかった(HR:0.74、95%CI:0.61~0.90、片側p=0.0014)。ITT集団では、それぞれ7.5ヵ月、5.6ヵ月だった(0.82、0.69~0.97、有意性の検定は未実施)。 ペムブロリズマブの治療効果として、PD-L1誘発の増大が確認された。 Grade3~5の治療関連有害イベントの発生率は、ペムブロリズマブ群68%、プラセボ群67%だった。そのうち、死亡はペムブロリズマブ群1%未満、プラセボ群0%だった。

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今年はさみしいクリスマスマーケット【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第23回

冬の長いドイツでは、12月になると日照時間も短くなり、1日の大半が夜のようになります。寒いし暗いし、正直外に出るのがかなり億劫になっちゃいます。ですが、12月は1ヵ月まるまるクリスマスマーケットが行われます(ドイツ語では“Weihnachtsmarkt”「ヴァイナハツマルクト」と呼ばれます)。大都市ニュルンベルクなどのクリスマスマーケットは規模が大きく有名なのですが、クリスマスマーケット自体はどの街でも行われています。毎年この時期の週末は、近隣の街にも足を伸ばして「ご当地クリスマスマーケット巡り」に出かけていました。もちろん、わがグライフスバルトでもクリスマスマーケットは行われます。小さな街なのですが、広場には所狭しと出店が並び、子供用のカートレース場や即席観覧車なんかも作られたりします(画像の真ん中あたりに観覧車の上半分が写っています)。ところが…新型コロナウイルス感染症の強烈な第2波がやってきたドイツでは、現在ロックダウンが行われており、各地でクリスマスマーケットの中止が発表されています。当地ではこれは結構大きな事件のようで、地域のネットの掲示板も悲しみの声で溢れかえっていました。数年前、テロ事件でヨーロッパがお騒ぎになったときでも、セキュリティを厳重にすることでクリスマスマーケットは敢行されていたのですが…流石に今回は難しかったようです。広場にポツンとグライフスバルトでは、「せめてクリスマスツリーだけでも」と広場にポツンとツリーだけが飾られました。(「単にキャンセルができなかっただけ」との意見もちらほら聞かれていますが…)。これはこれで風情があって、悪くないと思いましたが、地元の方々は「クリスマスマーケットをやらないなら、ただ転倒のリスクがあるだけだ」と、ネット掲示板でプチ炎上していました…まあ正直どうでもいいんですが。イベントがないと、冬のドイツの夜は長過ぎですから…。クリスマスマーケット、来年は無事再開されるといいな…。

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「リコモジュリン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第30回

第30回 「リコモジュリン」の名称の由来は?販売名リコモジュリン®点滴静注用12800一般名(和名[命名法])トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)(JAN)効能又は効果汎発性血管内血液凝固症(DIC)用法及び用量通常、成人には、トロンボモデュリン アルファとして1日1回380U/kgを約30分かけて 点滴静注する。なお、症状に応じ適宜減量する。警告内容とその理由該当しない。禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)禁忌(次の患者には投与しないこと)1.頭蓋内出血、肺出血、消化管出血(継続的な吐血・下血、消化管潰瘍による出血)のある患者[出血を助長するおそれがある。]2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人※本内容は2020年12月16日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年11月改訂(第15版)医薬品インタビューフォーム「リコモジュリン®点滴静注用12800」2)旭化成ファーマ:医療関係者向け情報

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第37回 「論文は査読前ですので…」、時代遅れ過ぎる閣僚たちのコメント

「Go To トラベル」、全国一斉停止へこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。私は今週末も自粛して、スポーツ観戦で過ごしました。楽しみにしていたのは、ゴルフの全米女子オープン、ではなく、アメリカンフットボールの大学日本一を決める甲子園ボウルです。12月13日に行われた甲子園ボウルは、関西学院大対日本大の対戦でした。ユニフォームの色から「青対赤」と呼ばれる伝統の一戦です。日大は2017年の悪質タックル問題で、18年度は公式戦出場停止、19年度は下位リーグ降格と厳しい状況が続きましたが、立命館大OBの橋詰 功監督の下、再び力を取り戻し、今年度1部リーグに復帰、甲子園ボウル出場を決めたのです。試合相手が悪質タックルを行った関学大であり、“被害者”であったクオーターバックの奥野 耕世選手も出場するということで、“因縁対決”と話題になりました。結果はランとパスを自在に使い分け6つのタッチダウンを奪った関学大が、42対24で日大を下しました。関学大の圧勝でしたが、あの日大が甲子園ボウルに戻ってきたことに感慨深いものがありました。日大フェニックスは1989年〜1991年、故・篠竹 幹夫監督の下、甲子園ボウルどころか、社会人チームと対戦し、日本一を決めるライスボウルで3連覇しています。フェニックス(不死鳥)のように、再び強い日大となって、社会人を倒す日がやってくることを願っています。さて、新型コロナウイルスの感染拡大が止まりません。政府はやっと重い腰を上げて、「Go To トラベル」を12月28日から全国一斉に一時停止することを決めました。すでに停止している北海道・札幌市と大阪市については延長、27日までは東京と愛知・名古屋市が新たに停止対象とされました。国の「経済優先」という強い意向はわかるのですが、そこにこだわるあまり、これまでなぜ「Go To トラベル」を継続したのか、一時停止の対象が一部の大都市だけだったのか、政府が国民に対して理論だった説明をしてこなかったことを、とてももどかしく感じます。それにしても、今から12日後の28日からの一斉停止で大丈夫なのでしょうか。とても心配です。「Go Toトラベル」利用者のほうが関連症状多い12月7日、「GoToトラベル」を利用した人は新型コロナへの感染リスクが高いとする調査結果を東京大学や大阪国際がんセンターなどの共同研究チームが発表、新聞やテレビなどの各メディアが報道し、話題となりました。しかし、こうした研究成果に対し、政府は正対した意見を言いません。印象的だったのは、閣僚たちの「査読前の論文ですので…」というちょっと“時代遅れ”のコメントです。この研究は、東京大学大学院医学系研究科の宮脇 敦士・助教、大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部の田淵 貴大・副部長らによるもので、12月4日付でプレプリント・サーバー「medRxiv (メッドアーカイヴ)」に「査読前原稿」(This article is a preprint and has not been peer-reviewed)の記載とともに公開されました1)。その概要は以下のようなものです。同研究チームは、15〜79歳を対象とした大規模なインターネット調査を2020年8月末〜9月末に実施。2カ月以内の「Go Toトラベル」の利用経験と、過去1カ月以内の新型コロナを示唆する「発熱」「咽頭痛」「咳」「頭痛」「嗅覚/味覚異常」の経験の割合との関連性の調査を行いました。その結果、性別・年齢・社会経済状態・健康状態などの影響を統計的に取り除いた上での数字は、発熱:利用者4.8% vs.非利用者3.7%、咽頭痛:20.0% vs.11.3%、咳:19.2% vs.11.2%、頭痛:29.4% vs.25.5%、嗅覚/味覚異常:2.6% vs.11.7%だった、とのことです。つまり、「Go Toトラベル」を利用したことがある人は、利用経験のない人に比べて、より多くの人が関連症状を認めていたことがわかったのです。研究チームは、「Go Toトラベル」の利用者は非利用者よりも新型コロナに感染するリスクが高いことを示す結果であり、「Go Toトラベル」が新型コロナ感染拡大に寄与している可能性があることが示唆された、としています。高齢者や基礎疾患のある人を外すのは有効ではない?さらに、「Go Toトラベル」利用者の有症率については、65歳以上の高齢者よりも65歳未満の非高齢者が顕著であったことや、基礎疾患の有無によって「Go Toトラベル」利用者の有症率は変わらないことも示唆されたとしています。こうした結果から、高齢者や基礎疾患のある人を「Go Toトラベル」の対象外とするこれまでの方法は、新型コロナの感染拡大防止にあまり有効ではない可能性がある、としています。なお、同研究は発症ではなく症状を聞いただけであることや、「Go Toトラベル」利用と症状の発生率との間の時系列的関係が不明であることなどから、研究として限界があることを踏まえつつも、「感染者数の抑制のためには、対象者の設定や利用のルールなどについて検討することが期待される」としています。「査読も終わっておらず評価のしようがない」この調査結果に対する関係閣僚たちのコメントを各紙の報道から拾ってみました。「エビデンスといえるものなのかどうなのか、ちょっと査読も終わっていないという話ですし。評価のしようがない」(田村 憲久厚生労働相)。「著者以外の専門家から科学的検討、査読を受ける前段階のもの。慎重な評価が必要」(西村 康稔経済再生担当相)「正式に査読前という話もありましたし。現時点では全くコメントする段階でない」(赤羽 一嘉国土交通相)。「著者自らも、研究方法の限界として、『Go Toトラベル』の利用が、直接的に新型コロナ症状の増加につながったという因果関係は断定できないと書いている。引き続き、専門家の意見を伺いながら事業を適切に運用していく」(加藤 勝信官房長官)。査読前、という点に“こだわる風”を装う閣僚が何人もいた点がとても興味深いです。査読前論文とは、そんなに価値が低いものなのでしょうか?拡大する「プレプリント・サーバー」論文が正式に公開されるまでには、査読と修正等を含め、長い時間と手間暇がかかります。そのため、査読の過程を経ないで素早く論文を公開できる「プレプリント・サーバー」という仕組みが、広がりを見せています。「medRxiv」もその1つです。プレプリント・サーバーは、1990年代から数学・物理学分野やIT分野を中心に利用され始めました。近年は、研究成果の共有といった意味合いから、生命科学や医学分野でも、研究者に広く使われるようになってきています。とくに、新型コロナウイルス感染症については、研究成果を論文発表まで読めないのでは、感染症対策を世界レベルで進めていく意味でもマイナスです。今回のコロナ禍で、医学分野のプレプリント・サーバー利用や注目度が今まで以上に進んだ、との見方もあります。ちなみに生命科学、医学分野では紹介した「medRxiv」(2019年開始)と「BioRxiv(バイオアーカイヴ)」(2013年開始)が代表的です。時代遅れでダサい対応もちろん査読前ですから、過誤や捏造が含まれている可能性はそれなりに高いと言えます。とは言え、「査読された論文だから大丈夫」とも言えない現実があります。世界的な研究者数の増大と論文数の増加で査読者の絶対数が不足しており、査読完了までの時間が非常に長くなっています。また、査読者による研究成果盗用などの不正、さらには権威ある論文誌の高額な掲載料などもかねてから問題視されています。そういったさまざまな理由から、多くの分野でプレプリント・サーバーの存在感が増してきているわけです。「査読前だから」という理由だけで「参考にならない」という考え方は、もはや古過ぎると言えるでしょう。これからは、いち早く発表された研究成果が、正しそうかどうかを自分たちで判断し、必要ならば参考にするという姿勢が、研究者のみならず、政策を担当する人間にも必要でしょう。「やるべきことをスピード感を持って、ちゅうちょなく実行に移す」(内閣発足1ヵ月後の菅総理の言葉)はずの政権が、単純に「査読前だから」を理由にしていたのは、ちょっと時代遅れでダサいですね。もっとも、12月11日のニコニコ生放送の番組「菅 義偉総理が国民の質問に答える生放送」の番組冒頭の菅総理の「みなさん、こんにちは。ガースーです」の挨拶も、相当時代遅れでダサかったと思いますが…。参考1)Association between Participation in Government Subsidy Program for Domestic Travel and Symptoms Indicative of COVID-19 Infection. medRxiv. December 05, 2020.

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治療抵抗性うつ病発症リスクに関連する臨床的特徴と併存疾患

 うつ病患者の治療抵抗性うつ病(TRD)リスクを評価するため、臨床的特徴、初期の処方パターン、初期および生涯の併存疾患との関連について、台湾・国立台湾大学のShiau-Shian Huang氏らが調査を行った。BMC Psychiatry誌2020年11月17日号の報告。 うつ病入院患者3万1,422例を対象に、診断開始から10年以上のフォローアップを行った。TRDの定義は、2回以上の抗うつ薬治療レジメン変更または異なる2種類以上の抗うつ薬治療後の入院とした。人口統計学的共変量で調整した後、身体的および精神医学的併存疾患、精神疾患、処方パターンとTRDリスクとの関連を評価するため、多重ロジスティック回帰モデルを用いた。重要なTRD関連の臨床変数について、生存分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・女性うつ病患者(21.24%)は男性(14.02%)よりも、TRDの割合が高かった。・TRD患者は、非TRD患者と比較し、初期の不安症が認められる割合が高かった(81.48% vs.58.96%、p<0.0001)。・人口寄与割合(population attributable fraction)が最も高かったのは、生涯不安症であった(42.87%)。・複数の精神医学的併存疾患を有する患者の70%は、フォローアップ期間中にTRDへ進展した。・Cox回帰分析により、機能性胃腸症がTRDリスクを有意に増加させることを特定した(aHR:1.19)。・うつ病初期における抗うつ薬、ベンゾジアゼピン薬、Z薬の高用量使用は、TRDリスク増加と関連が認められた(p<0.0001)。 著者らは「TRDリスクと関連するうつ病患者の併存疾患や多剤併用パターンは、注意深くモニタリングする必要がある」としている。

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「523遺伝子を搭載した国内完結型がん遺伝子パネル検査」先進医療に承認/岡山大学

 新たながん遺伝子パネル検査に関する厚生労働省・先進医療技術【先進医療B】研究として、「国内完結型個別化医療に向けたマルチプレックス遺伝子パネル検査研究」が厚生労働省より承認され、2020年12月1日より、岡山大学病院が全国で初めて実施することになった。523遺伝子を搭載した国内では最多となるがん遺伝子パネル検査となる。 わが国で保険適応されている遺伝子パネル検査は2種類で、それぞれ114、324個の遺伝子を対象にしていた。しかし、がん種によっては十分な遺伝子が調べられないこともあった。  今回、同研究で使用する新たな遺伝子パネルTruSightTM Oncology500(TSO500) は、 523遺伝子を調べることが可能。また、遺伝子の数が多いほど精度が高くなることが示されていることから、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果を予測指標の1つである腫瘍遺伝子変異量(TMB)についても、より正確に測定することができるという。 同研究の対象は、抗がん剤による標準治療を実施後の固形がんと診断された、16歳以上で腫瘍組織が得られる患者。研究は、2020年12月1日(予定)~2022年3月31日までの期間で実施し、予定参加患者は250人である。先進医療にかかる医療費は全額患者負担となり、約60万円程度。

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統合失調症治療におけるパリペリドン戦略の展望

 2020年10月22日(木)にヤンセンファーマ主催による、持続性抗精神病剤パリペリドンパルミチン酸エステル(商品名:ゼプリオンTRI)の製造販売承認メディアセミナーが開催され、統合失調症治療薬の安全性情報や統合失調症治療におけるパリペリドン戦略の展望、持効性注射剤の適正使用推進について語られた。 同社の研究開発本部クリニカルサイエンス統括部統括部長を務める藤野 忠弘氏は、「ゼプリオンTRIは国内で承認された最長の投与間隔となる注射剤であり、服薬負担を軽減し、社会復帰のために確実に治療を行うメリットがある。一方で副作用発現時に急な中止ができないため、適切な患者さんを選択し適正使用を図ることが重要となる」と述べた。 ゼプリオンTRIの登場で急性期から安定期まで一貫したパリペリドン治療が可能となり、統合失調症の治療を継続するうえで重要となる服薬アドヒアランスも向上することで、再発予防、社会活動への復帰につながることが期待される。統合失調症の治療目標と再発予防の重要性 統合失調症の治療目的は、症状改善、再発予防にある。薬物療法は急性期から開始され、安定期に入っても再発予防のため治療継続が必要となる。5年以内の再発は約80%1)といわれ、再発を繰り返すと精神機能の低下に伴い社会復帰が困難となり、効果も減弱することから、いかに予防するかが重要となる。服薬アドヒアランスの影響 再発を防ぐには抗精神病薬の持続服用が重要であるが、統合失調症患者の服薬アドヒアランスは他の疾患と比較して低い。服薬に関する調査でも看護師と患者で「飲んでいる」認識に大きな差があることが報告されている。統合失調症患者においては、病識がない、または服薬・継続服薬の重要性を理解できていない割合も高いため、持効性薬剤はアドヒアランス向上に有用な剤形の1つであるといえる。持効性注射剤ゼプリオンTRIの有効性 2013年に承認された4週間に1回のゼプリオンは、急性期を脱して安定化期に入った患者に対して、症状の維持を目的とした持効性注射剤である。その状態をより長期的に維持させて再発予防、リカバリーを期待して、12週間に1回のゼプリオンTRIが開発された。ゼプリオンTRIを使用した2つの第III相試験の結果ではゼプリオンとの非劣性が証明され、再発までの期間もプラセボと比較し有意に延長した。安全性についてはゼプリオンでも報告されている安全性情報と同等であり、新規または予期せぬ事象は認められなかった。統合失調症治療における今後のビジョン パリペリドン製剤が目指す治療ポジションとして、急性期は幻覚・妄想に対し早期改善が期待できるインヴェガを、安定化期にはさらなる状態維持のため4週間に1回のゼプリオンを、そしてゼプリオンTRIの承認によって安定期での使用と、一貫したパリペリドン治療の実現が可能となった。治療のゴールとして、再発予防を通じて患者さん一人ひとりの自己実現につながることが期待される。まとめ 統合失調症は長期的な付き合いが必要となる難しい疾患であり、薬物治療も長期間のコントロールが要求される。再発を予防しながら社会での活躍を目指すうえで、ゼプリオンTRIの登場によって、患者さんの負担の軽減や、病気に対するより前向きな付き合いができるようになると考える。

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ロルラチニブ、進行ALK陽性NSCLCの1次治療で有効/NEJM

 未治療の進行未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者では、ロルラチニブの投与はクリゾチニブと比較して、無増悪生存(PFS)期間が有意に延長し頭蓋内奏効の割合が優れるが、Grade3または4の有害事象(主に脂質値の異常)の発生頻度は高いことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのAlice T. Shaw氏らが行った「CROWN試験」の中間解析で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年11月19日号で報告された。ロルラチニブは第3世代のALK阻害薬で、血液脳関門を通過して中枢神経系に到達するようデザインされており、第Iおよび第II相試験では、第1・第2世代ALK阻害薬による治療が失敗した患者において強力な抗腫瘍活性が確認されている。第1世代ALK阻害薬クリゾチニブは、本試験開始時の標準的な1次治療薬であった。23ヵ国104施設が参加した無作為化第III相試験 研究グループは、進行ALK陽性NSCLC患者の1次治療におけるロルラチニブの有用性をクリゾチニブと比較する目的で、国際的な無作為化第III相試験を実施した(Pfizerの助成による)。23ヵ国104施設が参加し、2017年5月~2019年2月の期間に参加者の無作為割り付けが行われた。今回は、中間解析の結果が報告された。 対象は、年齢18歳または20歳以上(参加施設の地域の法令に準拠)で、組織学的/細胞学的に局所進行または転移を有するNSCLCと確定され、ALK陽性で、転移を有する疾患に対する全身治療歴のない患者であった。被験者は、ロルラチニブ(100mg/日)またはクリゾチニブ(250mg×2回/日)の経口投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントはPFS期間とし、盲検下で独立した中央判定によって評価された。副次エンドポイントは、独立した評価による客観的奏効や頭蓋内奏効などであった。有効性の中間解析は、病勢進行または死亡の期待件数177件の約75%(133件)が発生した時点で行われた。1年後の病勢進行または死亡のリスクが72%減少 296例が登録され、149例がロルラチニブ群(平均年齢[±SD]59.1±13.1歳、女性56%)、147例がクリゾチニブ群(55.6±13.5歳、62%)に割り付けられた。ベースラインで、ロルラチニブ群の26%、クリゾチニブ群の27%で脳転移が認められた。PFSのフォローアップ期間中央値は、ロルラチニブ群が18.3ヵ月、クリゾチニブ群は14.8ヵ月だった。 12ヵ月の時点におけるPFS患者の割合は、ロルラチニブ群が78%(95%信頼区間[CI]:70~84)と、クリゾチニブ群の39%(30~48)に比べ有意に優れた(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.28、95%CI:0.19~0.41、p<0.001)。 客観的奏効の割合は、ロルラチニブ群が76%(95%CI:68~83)と、クリゾチニブ群の58%(49~66)と比較して良好であった(オッズ比[OR]:2.25、95%CI:1.35~3.89)。また、ベースライン時に脳転移が認められた患者(測定可能か否かを問わず)における頭蓋内奏効割合は、ロルラチニブ群が66%、クリゾチニブ群は20%であり(OR:8.41、95%CI:2.59~27.23)、測定可能病変を有していた患者の頭蓋内奏効割合はそれぞれ82%および23%であった(16.83、1.95~163.23)。測定可能病変を有していた患者の頭蓋内完全奏効は、それぞれ71%および8%で達成された。 12ヵ月の時点で、脳転移の進行のない生存割合は、ロルラチニブ群が96%と、クリゾチニブ群の60%よりも良好であった(HR:0.07、95%CI:0.03~0.17)。また、同時点での初回イベントとしての脳転移の進行の累積発生率は、ロルラチニブ群が3%、クリゾチニブ群は33%だった(0.06、0.02~0.18)。 ロルラチニブ群でとくに頻度の高い有害事象として、高コレステロール血症(ロルラチニブ群70% vs.クリゾチニブ群4%)、高トリグリセライド血症(64% vs.6%)、高脂血症(11% vs.0%)、浮腫(55% vs.39%)、体重増加(38% vs.13%)、末梢性ニューロパチー(34% vs.15%)、認知障害(21% vs.6%)、高血圧(18% vs.2%)、気分障害(16% vs.5%)が認められた。また、ロルラチニブ群はクリゾチニブ群と比較して、Grade3または4の有害事象(主に脂質値の異常)が多かった(72% vs.56%)。有害事象による治療中止は、それぞれ7%および9%で発生した。 著者は、「ロルラチニブは、複数の前臨床研究で第1・第2世代のALK阻害薬よりも強力にALKを阻害することが示され、既知のすべての単一ALK耐性変異に対する効力を保持している。これらの点が、今回の1次治療におけるロルラチニブの顕著な有効性の要因と考えられる」としている。

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