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mRNAワクチン、新型コロナ感染歴のある人は単回でも有効か/JAMA

 COVID-19ワクチンの不足から、一部の専門家から単回接種レジメンが提案されている。一方、COVID-19に感染すると少なくとも6ヵ月は免疫があると考えられているが、リコール応答も最適なワクチン投与レジメンも検討されていない。今回、米国・メリーランド大学のSaman Saadat氏らが医療従事者を対象に、COVID-19のmRNAワクチンを単回接種して結合価および中和力価を調べたところ、血清学的検査でCOVID-19感染歴が確認された人は、感染歴のない人よりも抗体価反応が高いことが示された。JAMA誌オンライン版2021年3月1日号リサーチレターでの報告。 2020年7~8月にメリーランド大学医療センターで実施された病院全体の血清調査研究に登録していた医療従事者を、SARS-CoV-2 IgG抗体陰性(抗体陰性)、IgG陽性の無症候性COVID-19(無症候性)、IgG陽性の症候性COVID-19(症候性)の3群に層別化し、無作為に連絡した。登録した参加者は、2020年12月~2021年1月に個人の好みや入手の可能性によりPfizer-BioNTechもしくはModernaのいずれかのワクチンの接種を受け、接種0日目(ベースライン)、7日目、14日目に採血し、50%結合価とID99ウイルス中和力価(0、14日目のみ)を調べた。50%結合価は最大結合の50%となる希釈濃度の逆数、ID99ウイルス中和力価は99%の細胞を保護できる最大の希釈濃度の逆数で表される。 主な結果は以下のとおり。・3,816人のうち無作為に151人に連絡し、59人が登録された(抗体陰性群17人、無症候性群16人、症候性群26人)。年齢中央値は、抗体陰性群38歳、無症候性群40歳、症候性群38歳で、女性の割合は、抗体陰性群71%、無症候性群75%、症候性群88%だった。・50%結合価の中央値は、抗体陰性群(0、7、14日目の順に、<50、<50、924)と比較し、無症候性群(208、29,364、34,033)および症候性群(302、32,301、35,460)で高かった(それぞれp<0.001)。・ID99ウイルス中和力価の中央値は、抗体陰性群(0、14日目の順に、<20、80)と比較し、無症候性群(80、40,960)および症候性群(320、40,960)で高かった(それぞれp<0.001)。 なお、本研究の限界としては、サンプルサイズが小さいこと、ワクチンの効果が示されていないこと、登録者が母集団を代表していないことによる潜在的なバイアスが挙げられる。この結果から、著者らは「現在の世界的なワクチン不足を考えると、COVID-19感染歴がある人を単回接種にしたり、優先接種リストの後方にしたりすることが提案される」としている。

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日本における産後のうつ症状と妊娠中の体重増加との関係

 産後のうつ症状(PPDS)と妊娠中の体重増加との関係については、依然として議論の余地が残っている。福島県立医科大学の山口 明子氏らは、産後1ヵ月のPPDSと妊娠中の体重増加との関係について、妊娠前のBMIに基づいて、調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年2月2日号の報告。 2011~14年に日本人女性8万927人を対象に、プロスペクティブコホート研究を実施した。妊娠前のBMIに基づき、対象者をG1(18.5kg/m2未満)、G2(18.5~20.0kg/m2)、G3(20.0~23.0kg/m2)、G4(23.0~25.0kg/m2)、G5(25kg/m2以上)の5グループに分類した。PPDSに関連する不十分または過剰な妊娠中の体重増加の潜在的なリスク因子を特定するため、母体年齢、教育、年間世帯収入、喫煙、出産歴、分娩方法、母乳の中止、精神的ストレス、妊娠中のエネルギー摂取量で調整した後、各グループに対して多重ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・G3の女性において、不十分な妊娠中の体重増加がPPDSのリスク因子であることが示唆された(調整オッズ比:1.24、95%CI:1.14~1.36)。・この結果は、内在的要因により変化は認められなかった。 著者らは「妊娠前のBMIが20.0~23.0kg/m2の女性では、妊娠中の不十分な体重増加がPPDSのリスク因子であるため、PPDSを早期に発見するためにも、妊娠中の体重をモニタリングすることが推奨される」としている。

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非扁平上皮NSCLC、化学療法+ニボルマブ+ベバシズマブの1次治療、日本人集団の成績(ONO-4538-52/TASUKI-52)/日本臨床腫瘍学会

 非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、ニボルマブとプラチナ含有化学療法およびベバシズマブの併用とプラチナ含有化学療法およびベ バシズマブの併用を比較検討する第III相ONO-4538-52/TASUKI-52試験。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、愛知県がんセンターの樋田 豊明氏が日本人のサブ解析結果を発表した。・対象:未治療のStage IIIB/IVの非扁平上皮NSCLC患者(PD-L1発現問わず)・試験群:ニボルマブ(360mg)+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(3週間ごと6サイクル)→ニボルマブ+ベバシズマブ(ニボルマブ群)・対象群:プラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ→プラセボ+ベバシズマブ(プラセボ群) ニボルマブ/プラセボ+ベバシズマブは、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続・評価項目:[主要評価項目]独立放射線審査委員会(IRRC)評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目 ]全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)、安全性 主な結果は以下のとおり。・全体集団550例中日本人は371例で、ニボルマブ群188例、プラセボ群183例に無作為に割り付けられた。・日本人集団の患者背景は全集団と同様であった。・日本人集団のPFS中央値はニボルマブ群13.4ヵ月、プラセボ群8.2ヵ月、1年PFS率はニボルマブ群52.9%、プラセボ群33.2%と、ニボルマブ群で良好であった(HR:0.56、95%CI:0.42~0.74)。・PD-L1発現レベル別のPFS HRは、PD-L1<1%では0.53、PD-L1 1~49%では0.75、PD-L1≧50 0.46と、PD-L1発現レベルを問わず、ニボルマブ群で良好であった。・日本人集団のIRRC評価のORRは、ニボルマブ群65.4%、プラセボ群53.0%であった(OR:1.68、95%CI:1.11~25.8)。・日本人集団の奏効期間は、ニボルマブ群12.2ヵ月、プラセボ群7.0ヵ月であった。・日本人集団のOS中央値は未達成であった。・日本人集団の治療関連有害事象はニボルマブ群99.5%(Grade3~4 83.9%)、プラセボ群100%(Grade3~4 84.2%)であった。

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サルコペニアの高齢者は死亡・要介護リスク増加、予備群は?/東京都健康長寿医療センター

 健康のバロメーターとして「筋肉」が注目される中で、高齢者におけるサルコペニアの予防・改善は、健康長寿を実現するためにも重要である。東京都健康長寿医療センター研究所・北村 明彦氏らの研究グループは、日本人の一般高齢者1,851人におけるサルコペニアの有病率、関連因子、死亡・要介護化リスクについて約6年間の追跡調査を行い、その結果をプレスリリースで発表した。75~79歳では男女ともに約2割、80歳以上では男性の約3割と女性の約半数がサルコペニアに該当し、サルコペニアになると死亡、要介護化のリスクがいずれも約2倍高まることが示された。Journal of Cachexia, Sarcopenia Muscle誌2021年2月号に掲載。サルコペニア予備群に3割が該当したが、死亡リスク・要介護リスクは高くない 研究グループは、群馬県と埼玉県において、健康診査を受けた65歳以上の日本人計1,851人(女性50.5%、平均年齢72.0±5.9歳)を対象に、平均5.8年間(最大9.5年)の追跡研究を行った。サルコペニア診断基準(AWGS 2019)に基づき定義されたサルコペニアは、筋肉量の一定の減少(四肢骨格筋指数:男性7.0kg/m2未満、女性5.7kg/m2未満)に加えて、筋力・身体機能の一定の低下(握力低値:男性28kg未満、女性18kg未満、または歩行速度の低値:男女ともに毎秒1m未満)が認められた場合に「有り」と判定された。 サルコペニアの有病率、関連因子、死亡・要介護化リスクについて調査した主な結果は以下のとおり。・サルコペニアの有病率は、男性で11.5%(105/917例)、女性で16.7%(156/934例)だった。有病率は年齢とともに上昇し、75~79歳では男女ともに約22%、80歳以上では男性の32%、女性の48%がサルコペニアに該当していた。・サルコペニアの人はそうでない人に比べて、男性では「身体活動が少ない」「血液中のアルブミン濃度が低い」「喫煙者が多い」「最近1年以内の入院が多い」(いずれもp<0.05)、女性では「うつ症状が多い」(p<0.001)、「認知機能の低下が多い」(p=0.004)ことがわかった。・サルコペニアの人は、筋肉量、筋力ともに低下していない人に比べて、男女共に総死亡リスクが高かった(男性:ハザード比[HR]=2.0、95%CI:1.2~3.5/女性:HR=2.3、95%CI:1.1~4.9)。また、要介護発生リスクも高くなる可能性が明らかになった(男性:HR=1.6、95%CI:1.0~2.7/女性:HR=1.7、95%CI:1.1~2.7)。・サルコペニア予備群(筋肉量は少なくても筋力・身体機能が一定維持されている人、および筋力・身体機能が弱くても筋肉量が一定維持されている人)には、男性で29.7%(272/917例)、女性で31.6%(295/934例)が該当したが、総死亡リスク、要介護発生リスクは共に高くならなかった。 研究者らは、「サルコペニアの高齢者は、死亡および要介護発生のリスクが高く、いわゆる自立喪失の危険性が高いことが明らかとなった。したがって、サルコペニアを早期発見し、その進行を食い止めることは健康寿命の延伸に貢献すると考えられる」と結論している。

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多発性骨髄腫へのide-celのCAR-T細胞療法、奏効率70%超/NEJM

 3種のクラスの薬剤による前治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫の治療において、イデカブタジェン ビクルユーセル(ide-cel、bb2121)は高い全奏効割合をもたらし、微小残存病変(MRD)の陰性化の割合も良好であるが、多くの患者でGrade3/4の血液毒性やサイトカイン放出症候群などの有害事象が発現することが、米国・ダナ・ファーバーがん研究所のNikhil C. Munshi氏らが実施した「KarMMa試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2021年2月25日号に掲載された。3種の主要クラスの骨髄腫治療薬(免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体製剤)による治療を行っても、病勢が進行した多発性骨髄腫患者では、標準治療が確立されておらず、完全奏効(CR)はまれで、無増悪生存(PFS)期間中央値は3~4ヵ月、全生存(OS)期間中央値は8~9ヵ月と転帰は不良である。ide-celは、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であり、再発・難治性多発性骨髄腫の第I相試験で有望な有効性が報告されている。3つの用量の単群第II相試験 研究グループは、再発・難治性多発性骨髄腫患者における3つの用量のide-celの有効性と安全性を評価する目的で、単群第II相試験を行った(bluebird bioとCelgeneの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上で、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬、抗CD38抗体製剤を含む少なくとも3レジメンの治療を受け、最終レジメンの最終投与から60日以内に再発した多発性骨髄腫の患者であった。 被験者は、3つのCAR陽性T細胞の目標用量(150×106、300×106、450×106)のうち1つの投与を受け、少なくとも24ヵ月の経過観察が行われた。 主要エンドポイントは、全奏効(部分奏効[PR]以上)とした。重要な副次エンドポイントは、CR以上(CRおよび厳格なCR[sCR])であった。全奏効割合は73%、MRD陰性化割合は26% 2017年12月~2018年11月の期間に140例が登録され、白血球アフェレーシスを受けた。このうち128例がide-celの投与を受けた。150×106群が4例、300×106群が70例、450×106群は54例であった。全体の年齢中央値は61歳(範囲:33~78)、男性が76例(59%)で、診断からの経過期間中央値は6年(範囲:1~18)、前治療レジメン数中央値は6レジメン(範囲:3~16)だった。 フォローアップ期間中央値13.3ヵ月の時点で、73%(94/128例)でPR以上の奏効が得られ、このうち33%(42例)がCR以上で、最良部分奏効(VGPR)以上は52%(67例)であった。用量別の内訳は、全奏効割合は150×106群が50%(2/4例)、300×106群が69%(48/70例)、450×106群は81%(44/54例)であり、CR以上の割合はそれぞれ25%(1/4例)、29%(20/70例)、39%(21/54例)だった。 MRD陰性(有核細胞<10-5個)は128例中33例で得られ、陰性化の割合は26%であり、PR以上の42例では79%(33例)で陰性化が達成された。また、初回奏効までの期間中央値は1.0ヵ月(範囲:0.5~8.8)、CR以上達成までの期間中央値は2.8ヵ月(1.0~11.8)で、全体の奏効期間中央値は10.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:9.0~11.3)、450×106群では11.3ヵ月(10.3~11.4)であった。 全体のPFS期間中央値は8.8ヵ月(95%CI:5.6~11.6)であり、450×106群では12.1ヵ月(8.8~12.3)、CR以上では20.2ヵ月であった。また、OS期間中央値は19.4ヵ月(18.2~評価不能)で、1年OS率は78%だった。 頻度の高い毒性として、好中球減少が117例(91%)、貧血が89例(70%)、血小板減少が81例(63%)認められ、このうちGrade3/4はそれぞれ114例(89%)、77例(60%)、67例(52%)であった。サイトカイン放出症候群は107例(84%)で報告され、このうち7例(5%)でGrade3/4のイベントがみられた。神経毒性は23例(18%)で発現し、4例(3%)はGrade3であったが、Grade3を超える神経毒性はなかった。 また、細胞動態解析では、CAR陽性T細胞は、投与後6ヵ月の時点で49例中29例(59%)で、12ヵ月時には11例中4例(36%)で確認された。 著者は、「これらの知見は、CAR陽性T細胞の目標用量範囲150×106~450×106におけるide-celの実質的な抗腫瘍活性を支持するものであり、450×106は他の用量に比べ有効性がわずかに高かった」としている。

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第45回 接種後アナフィラキシー例はすべて女性、欧米の先行報告と合致

<先週の動き>1.接種後アナフィラキシーはすべて女性、欧米の先行報告と合致2.ワクチン供給不足で4月の高齢者優先接種は計画見直しか?3.救急車の出動件数が各地で減少、受診控えに注意4.旭川医大・学長への解任請求、第三者調査委員会設置へ5.糖尿病患者が減少、健康日本21の効果?NDB分析で明らかに/日医総研1.接種後アナフィラキシー例はすべて女性、欧米の先行報告と合致厚生労働省は、新型コロナワクチン接種の開始後に発生した副反応疑い報告について、情報公開を行っている。事例一覧によると、3月5日から8日にかけて、20~50代の女性8例でアナフィラキシーと疑われる症状が発生し、いずれも処置によって改善したことが明らかになっている。これに対し、森尾 友宏氏(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会長)は、「すべての症例が女性であることは、欧米での先行報告と合致している。4万6,000人接種の時点では、欧米の報告に比して頻度が高い印象であるが、事例の蓄積で日本におけるアナフィラキシーの頻度を明らかにし、発症者の背景などについて解析することが重要になる」などとコメントしている。これらの事例と、先月26日に接種を受けた3日後にくも膜下出血による死亡が報告された60代女性について、今後さらに情報を収集した上で、次回の審議会にて、ワクチンとの因果関係や接種後の対応方法などが検討・評価される見込み。画像を拡大する(参考)資料 新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーとして報告された事例の一覧(令和3年2月17日から令和3年3月8日までの報告分)(厚労省)新型コロナワクチンの接種後のアナフィラキシーとして報告された事例について(1例目)(同)国内2例目、ワクチン接種の20代女性にアナフィラキシー(読売新聞)ワクチン接種で3例目のアナフィラキシー…30代女性に息苦しさ・のど違和感(同)2.ワクチン供給不十分で4月の高齢者優先接種は計画見直しか?高齢者向けの新型コロナワクチン優先接種は4月以降に開始されることになっていたが、供給量が不十分となる見通しで、実施計画見直しの報道が相次いでいる。厚労省によると、高齢者向けのワクチン供給は4月1週目に100箱(各都道府県2箱、東京・神奈川・大阪は4箱)、2週目と3週目は500箱(各都道府県10箱、東京・神奈川・大阪は20箱)、4週目には1,741箱(すべての市区町村に1箱)と徐々に拡大され、6月末までに高齢者約3,600万人分(2回接種)を配布できる見込みで、接種体制の拡充が急がれる。現在行われている医療従事者の接種分については、5月前半までに約480万人に2回分の配布を完了する予定。なお、現時点で国内承認されているのは、米・ファイザーと独・ビオンテックのワクチンのみだが、すでに米・モデルナと英・アストラゼネカの2製品も厚労省に承認申請しており、早ければ5月に承認される見込み。(参考)ファイザー社の新型コロナワクチンの供給の見通し(厚労省)資料 新型コロナワクチン配送スケジュール(令和3年3月5日時点)(同)今知りたい新型コロナワクチン接種 さまざまな疑問にできる限り答えます(東京新聞)3.救急車の出動件数が各地で減少、受診控えに注意2020年の救急車の出動件数は、各地で前年に比べ減少の報告がされている。新型コロナウイルス感染拡大や緊急事態宣言による外出自粛による交通事故の減少などが要因とみられるが、「受診控え」による影響の可能性もあり、専門家は注意喚起している。また、神奈川循環器救急研究会によれば、昨年1~3月と4~12月までの期間で、患者が病院に到着してから手術までにかかった時間を調べた結果、3月までは中央値64分だったのに対し、4月以降は中央値72分と延長傾向だったという。同研究会は、現場は感染対策と緊急対応のせめぎ合いであることから、「(救急車の)受け入れ準備などには一定の時間がかかるので、心筋梗塞などが疑われるときはなるべく早く受診してほしい」と呼び掛けている。(参考)救急車の出動、一転減少 昨年、コロナ下で受診控えか「体の異変迷わず通報を」(日本経済新聞)宮崎県内救急出動9年ぶり減 20年、コロナ外出自粛影響か(Yahoo!ニュース)心筋梗塞 病院到着から手術までの時間延びる傾向に コロナ影響(NHK)4.旭川医大・学長への解任請求、第三者調査委員会設置へ大学病院でのコロナ患者受け入れを進言した病院長を解任した国立旭川医科大学において、同大の教授らが設立した「旭川医科大学の正常化を求める会」による学長の解任請求が、2月24日、同大学の学長選考会議に提出された。これを受け、同大学の学長先行会議が3月5日に開催され、審議を開始することが明らかになった。また、審議を公平なものとするため、3月末までに第三者による調査委員会も設置することが決定された。同大学の学長を巡っては、昨年11月に学内の会議において、新型コロナウイルス感染のクラスターが発生した病院について不適切な発言を行い、さらに感染患者の受け入れを進言した当時の病院長を解任したことにより、学長の職務停止の要請を全教職員の過半数が署名し、同大学の学長選考会議に要請されるなどが繰り返し報道されていた。同大学の元病院長については、復帰を求める1万5,000人の署名が3月3日に大学側に提出されており、地域医療の最後の砦となる大学病院をめぐって、住民も強い関心を持っているのがうかがえる。(参考)学長の辞職・解任を求める署名活動にご協力下さい(旭川医科大学の正常化を求める会)旭川医大 学長解任、適否審査 選考会議、教授ら署名受け/北海道(毎日新聞)5.糖尿病患者が減少、健康日本21の効果?NDB分析で明らかに/日医総研日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が、糖尿病や脳梗塞の治療状況などについて、NDBデータを用いた解析結果をワーキングペーパーにまとめた。これによると、糖尿病の治療を受けている患者数は2010年に比べて、2016年は減少傾向であることが明らかとなった。また、人工透析に至った症例の割合もいずれの年齢階級においても減少しており、厚労省の健康日本21による糖尿病重症化予防への取り組みが、効果を上げていることがうかがえる。40〜64歳の糖尿病患者の場合、脳梗塞のリスク比は11倍以上、急性心筋梗塞のリスク比は13倍以上であり、働く世代における糖尿病コントロールの重要性を示している。また、脳梗塞の治療状況における2010年と2016年の比較では、経皮的選択的脳血栓・塞栓溶解術や経皮的脳血栓回収術といった急性期脳梗塞治療の割合が増加しており、都道府県間の均てん化が進んでいる。(参考)日医総研ワーキングペーパー No.451(日医総研)糖尿病治療患者の人工透析割合が大幅減少、0.88% 日医総研がNDBデータ解析、脳梗塞・認知症リスクは高い(CBnewsマネジメント)

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法律が示す薬剤師の義務と任務、やるべきことはたくさんある【赤羽根弁護士の「薬剤師的に気になった法律問題」】第23回

これまで、「薬剤師的に気になった法律問題」ということで、時事的に気になった話題を主に取り上げてきましたが、今回は最終回ということで、薬剤師の基礎となる薬剤師法についてまとめたいと思います。以前話題にしたこともありますが、薬剤師の業務については薬剤師法の第4章に定められています。第4章 業務第19条(調剤)、第20条(名称の使用制限)、第21条(調剤の求めに応ずる義務)、第22条(調剤の場所)、第23条(処方せんによる調剤)、第24条(処方せん中の疑義)、第25条(調剤された薬剤の表示)、第25条の2(情報の提供及び指導)、第26条(処方せんへの記入等)、第27条(処方せんの保存)、第28条(調剤録)、第28条の2(薬剤師の氏名等の公表)、第28条の3(事務の区分)まず、第19条においては、調剤が薬剤師の独占業務である旨が定められています。(調剤)第十九条 薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならない。ただし、医師若しくは歯科医師が次に掲げる場合において自己の処方せんにより自ら調剤するとき、又は獣医師が自己の処方せんにより自ら調剤するときは、この限りでない。一 患者又は現にその看護に当たつている者が特にその医師又は歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合二 医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第二十二条各号の場合又は歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第二十一条各号の場合調剤が何を意味するのかという議論はあるものの、薬剤師の基本的な業務が調剤であるとともに、調剤は原則薬剤師しかできないことが示されており、重要な条文です。ただし、「薬剤師以外の者」は「してはならない」という規定なので、薬剤師以外の者の行動を制限する形になっています。一方、その他の条項は、薬剤師が行わなければならない義務を規定しているものがほとんどです。(処方せん中の疑義)第二十四条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。(情報の提供及び指導)第二十五条の二 薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。2020年9月1日から施行された第二十五条の二 第2項における服用期間中のフォローアップも同様です。第二十五条の二 第2項薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。薬剤師が法的にできないことはほとんどない実際の臨床現場では、薬剤師法で規定される以外にもさまざまな業務を行っていると思いますが、薬剤師の義務は、薬剤師法以外にも法令解釈や薬機法、薬担規則、調剤報酬の観点などから導かれるものもあります。薬剤師法では、最低限の義務が課されているにすぎません。だからこそ、薬剤師法における義務の中に服用期間中のフォローアップが追加されたことは、薬剤師にとって大きな意味があります。この改正によって、これまで記録義務がなかった指導などについて、調剤録へ記載する義務が加わりました(なお、調剤録への記載は、これまでと同様に薬歴に記すことで義務を果たすことになると通知で示されています)。対人業務についても、必ず薬剤師に行ってもらわないと困るという期待の表れかもしれません。参考)・医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の一部の施行に当たっての留意事項について(薬局・薬剤師関係)(薬生総発0831 第6号 令和2年8月31日 厚生労働省医薬・生活衛生局総務課長)・保険薬局の分割調剤及び調剤録の取扱いについて(保医発1110 第1号 令和2年11月10日)以上をまとめると、薬剤師法では、最低限薬剤師が「行わなければならない義務」が規定されていますが、注意を要するのは、「~はしてはならない」という規定にはなっていない点です。もちろん、医師法に定める医業や保健師助産師看護師法に定める療養上の世話・診療の補助は、他職種の独占業務ですので行うことはできませんが、それ以外は基本的に自由であり、調剤以外の健康サポートなど幅広い業務を行うことができます。なお、薬剤師の任務は薬剤師法第1条に以下のとおり定められています。(薬剤師の任務)第一条 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。「調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生」とありますが、最終目的は、「国民の健康な生活を確保する」ことです。この目的のために、最低限定められている以外にも、さまざまな業務を行ってこれを実現していくことが求められています。法律にもさまざまな定めがありますが、今後、薬剤師の活躍の場はどんどん増えていくことが想定されますので、最終的には「国民の健康な生活の確保になるかどうか」という意識を持っておくことは重要でしょう。今回でこのコラムも最後となりました。これまでお付き合いいただきありがとうございました。

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副腎白質ジストロフィー〔ALD:adrenoleukodystrophy〕

1 疾患概要■ 概念・定義副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy:ALD)は、1923年に副腎萎縮を伴う進行性脱髄疾患として報告された。X連鎖性遺伝形式をとり、臨床的には男性患者で大脳半球の進行性の炎症性脱髄を特徴として、5〜10歳に発症して数年で寝たきりになる小児大脳型や、思春期以降に痙性歩行で発症するadrenomyeloneuropathy(AMN)など、遺伝子型と相関しない複数の臨床型を有している。大脳型の唯一の治療法は発症早期の造血幹細胞移植であり、予後改善には早期診断が極めて重要である。また、女性保因者でも加齢とともにAMN類似の脊髄症を発症することがある。■ 疫学2016年度に厚生労働省難治性疾患政策研究班において実施した全国調査で260人程度の国内患者の存在が推測されている。一方、米国・ニューヨーク州の3年間の新生児スクリーニングからは男女15,000出生に1人の患者が報告されている。■ 病因ペルオキシソーム膜に存在するトランスポータータンパク質をコードするABCD1の遺伝子異常によるX連鎖性の遺伝性疾患である。ABCD1タンパクは飽和極長鎖脂肪酸のペルオキシソーム内への輸送に関与し、患者では極長鎖脂肪酸のβ酸化が障害され、全身の臓器に蓄積を認める。しかし、病態はほとんど解明されておらず、脱髄の発症機序や飽和極長鎖脂肪酸蓄積による病態への関与も不明である。■ 病型分類と症状男性患者では遺伝子型や極長鎖脂肪酸値と相関しない複数の臨床病型を有している。また女性保因者発症も相関せず、いずれも同一家系内であっても発症前の予後の予測は難しい。1)小児大脳型(CCALD)発症年齢は3~10歳で、6、7歳にピークがある。性格・行動変化、視力・聴力低下、知能の障害、歩行障害などで発症し、数年で寝たきりに至ることが多い。最も多い臨床病型である。2)思春期大脳型(AdolCALD)発症年齢は11~21歳。小児大脳型に類似も、やや緩徐に進行する傾向にある。3)adrenomyeloneuropathy(AMN)10代後半~成人。痙性対麻痺で発症し、緩徐に進行する。軽度の感覚障害を伴うことがある。軽度の末梢神経障害、膀胱直腸障害、陰萎を伴うこともある。4)成人大脳型(ACALD)性格変化、認知機能低下、精神症状で発症し、小児型と同様に急速に進行して植物状態に至る。精神病、脳腫瘍、他の白質ジストロフィー、多発性硬化症などの脱髄疾患との鑑別が必要。AMNや小脳・脳幹型からACALDに進展する場合もある。5)小脳・脳幹型小脳失調、下肢の痙性などを示し、脊髄小脳変性症様の臨床症状を呈する。6)アジソン型無気力、食欲不振、体重減少、皮膚の色素沈着など副腎不全症状のみを呈する。神経症状は示さない。大脳型やAMNに進展する場合もある。7)女性発症者女性保因者の一部は加齢とともにAMNに似た臨床症状を呈する場合があり、下肢の痙縮、痛みから歩行障害を来すこともある。また、末梢神経障害や尿・便失禁の症状を呈することもある。8)発症前男性生下時より極長鎖脂肪酸は増加しており、診断は可能であるが、予後予測は不可能である。■ 予後男性大脳型患者では無治療の場合、急速に進行して数年で寝たきりになることもあるため、早く疑い、診断して、速やかに移植を実施することがその後のQOLの向上につながる。一方、AMNは緩徐に進行するが一部で大脳型に進展して急速に進行する。すべての男性ALD患者では、副腎機能を定期的に評価し、早期にステロイド補充計画を進めることは生命予後に重要である。女性保因者では、加齢とともに脊髄症状を来すことがあり、オランダの報告では軽微な症状を含めると60歳以上では80%の女性保因者で神経症状を来しているとの報告もある。一方で、副腎不全や大脳型を来すことはほとんどまれである。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)男性患者では病型ごとに発症時期や症状も多彩であるため、以下の臨床所見に留意した上で、早期に診断検査を行うことが重要である。■ 臨床所見1)高次脳機能障害小児・思春期大脳型では幼稚園や学校等での落ち着きのなさや行動異常、成績低下、書字やしゃべり方の異常から注意欠陥/多動性障害(ADHD)や学習困難として対応されている症例がみられる。成人大脳型では社会性の欠如や性格変化、行動異常、認知機能低下などの症状で発症する。2)眼科的症状(視知覚異常)小児大脳型では途中から気付く斜視や、見づらそうな様子から眼科を受診する症例もみられる。斜視や視線が合わない、見えにくそうにしている以外に、物や人にぶつかりやすい、転びやすいなどの視覚性注意障害としての症状がみられることもある。3)耳鼻科的症状(聴覚異常)聞き返しが多い、電話などでは会話が理解できないなどの症状から耳鼻科を受診する症例もみられる。4)歩行障害歩行障害は大脳型やAMN、女性発症者など比較的広くみられる。錐体路症状としての痙性麻痺以外に、視覚性注意障害として転びやすいなどの症状や小脳・脳幹型では両下肢の痙性歩行や小脳失調によるふらつき歩行がみられる。5)自律神経障害AMNや女性発症者では排尿・排便障害、AMNでは陰萎がみられることがある。6)副腎不全症状非特異的な症状である易疲労感、全身倦怠感、脱力感、筋力低下、体重減少、低血圧などさまざまな症状を訴える。■ 検査1)脳MRI検査大脳型では脳MRIで異常が検出される。典型例ではT2強調、またはFLAIR法にて後頭葉の側脳室周囲の白質から脳梁膨大部に左右対称の病変が確認される。また、ガドリニウム造影にて病変境界部が線状に造影される。一方、前頭葉から後方に進展する例も10%程度みられる。2)副腎機能検査副腎不全症状がなくても男性ALD患者の80%に副腎皮質機能不全を認めるとの報告もあり、非ストレス刺激下での早朝ACTH、コルチゾール値と迅速ACTH負荷試験を行う。3)血中極長鎖脂肪酸検査(保険収載)副腎白質ジストロフィー男性患者では血中極長鎖脂肪酸の増加を認める。一方、女性保因者では10%程度は正常範囲に入るため、極長鎖脂肪酸検査が正常だけでは保因者を否定することはできず、発端者で同定されたABCD1遺伝子変異の有無を確認する必要がある。2020年度の保険診療の改定により衛生検査所でも保険診療による検査が可能である。4)ABCD1遺伝子検査(保険収載)2020年度より副腎白質ジストロフィー遺伝学的検査が保険収載されている。かずさ遺伝子検査室などの衛生検査所以外に、岐阜大学でも「ALDペルオキシソーム病ホームページ」にて極長鎖脂肪酸検査とABCD1遺伝学的検査を病的意義などのコメントを添えて保険診療で受託しており、大脳型発症早期疑い例では数日で解析結果を提供して迅速な治療に繋げている。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)大脳型の唯一の治療法は発症早期の造血幹細胞移植で、移植の可否や時期は知的・生命予後を左右する。また、アジソン型でも早期のステロイド補充療法が予後に繋がるため早期介入が重要である。1)ステロイド補充療法副腎不全は病状や生命予後にも深くかかわるため、負荷試験も実施して定期的に副腎機能を評価しながら治療を管理していく必要がある。これは移植施行後も含めたすべてのALD男性患者に対して必要である。2)造血幹細胞移植現在、大脳型ALDに対して、唯一有効な治療法は発症早期の造血幹細胞移植で、小児・思春期以外に成人大脳型にも有効との報告がある。また、骨髄非破壊的前処置による低リスクの移植や、臍帯血による移植例も比較的良好な治療成績を挙げている。その機序はドナー由来の単球から分化したマクロファージ系細胞が脳内で機能する可能性が示唆されている。3)遺伝子改変造血幹細胞移植2009年にフランスのグループが、適合する移植ドナーが得られなかった2例の大脳型ALD患者に対して、患者本人から血液幹細胞を採取して、レンチウィルスベクターにより正常ABCD1遺伝子を導入した自己造血幹細胞移植を施行し、その後の観察にて進行停止を確認し、従来の造血幹細胞移植と同等の効果を得たことを報告した。その後、米国Bluebird bio社の支援により治験が実施されている。4 今後の展望■ 新生児スクリーニングの導入大脳型や副腎不全の進行を阻止して予後改善に繋げるにはできる限り早期の診断が望まれる。海外では新生児スクリーニングがすでに実施されており、米国・ニューヨーク州では2013年末から新生児スクリーニングが開始され全米に広がりつつあり、オランダも2019年10月より男児のみのパイロット研究が開始されている。国内でも令和3年度より一部の自治体で有償での選択的スクリーニングがパイロット研究として開始が検討されている。■ 予後予測法の開発大脳型発症の病態はほとんど解明されておらず、発症前患者の予後予測が不可能なため、定期的なMRI検査で異常を確認してから治療を施行している現状にあり、確実な発症阻止に繋げるためには、大脳型発症因子の探索から発症予測法の開発、さらには大脳型発症動物モデルの開発が重要になる。5 主たる診療科小児科、神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報ALD info(医療従事者向けのまとまった情報)岐阜大学ALD&ペルオキシソーム病ホームページ(医療従事者向けのまとまった情報)難病情報センター 副腎白質ジストロフィー(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)ALDの未来を考える会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)日本先天代謝異常学会編. 副腎白質ジストロフィー(ALD)診療ガイドライン2019. 診断と治療社.東京.2019.2)Kato K, al. Mol Genet Metab Rep. 2018;18:1-6.3)Cartier N, et al. Science. 2009;326:818-823.公開履歴初回2021年03月08日

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「手伝うよ」、開業時の家族サポートにありがちなワナ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第13回

第13回 「手伝うよ」、開業時の家族サポートにありがちなワナ漫画・イラスト:かたぎりもとこ医院開業に当たって、家族・親族のサポートを受けることは非常に重要です。とくに開業直後は、家族が診療以外の間接業務を支援してくれることで、スムーズな立ち上がりにつながることも多いようです。家族のサポートを受けるためにも、家族の意見をうまく開業に組み込むことが必要でしょう。その際には、一点、注意が必要です。今回にも当てはまることですが、家族が理想とする住環境や子供の教育環境を重視するあまり、診療所の経営といったビジネス観点ではない意見や主張をして、当事者もそれに基づいた物件選定を行ってしまう、というケースです。実際に、私たちが担当した案件でも、下記のようなケースがありました。家族が「どうしても東京の世田谷区に住みたい」と主張。診療圏で見ると診療所の数が飽和しているにもかかわらず、無理に物件を見つけて開業してしまい、集患に苦労する内装を設計する際に、患者視点でのデザイン(安心・落ち着く)ではなく、家族が主張するデザイン(スタイリッシュ・非日常)を選択し、スタッフや患者から不評医師の親がアドバイスし、開業当初から高額な什器や備品をそろえた結果、その後の資金繰りに苦しむもちろん、ビジネス観点からの合理的な判断であれば、家族のサポートやアドバイスを受け入れることに問題はありません。ビジネス観点とは、具体的には下記のような項目となるでしょう。収支が見合うか競合医院との差別化につながるか患者にとってメリットがあるかスタッフの採用しやすさや、離職防止策につながるか上記のようなケースに気を付けながら、家族・親族をうまく巻き込み、開業することをお勧めします。

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第35回 標準偏差計算式の「n」と「n-1」との違いは?【統計のそこが知りたい!】

第35回 標準偏差計算式の「n」と「n-1」との違いは?今回は、「標準偏差」の「n」と「n-1」の意味について説明します。分散、標準偏差の求め方には、下記の2つの方法があります。■標準偏差計算式の「n」と「n-1」との使い分けは?観測したデータ全体のばらつきをみる場合は、(1)の公式を使います。多くの患者さんの中からランダムにサンプリングした検査など、抽出したデータから全体を推測する場合や、抽出データのばらつきをみる場合は(2)の公式を使います。たとえば、日本人全員の身長の標準偏差を知るのは不可能です。その場合、一部のデータから推測するしかないので、(2)の公式を使います。(2)で求めた分散は不偏分散とも呼ばれます。■不偏分散に関する留意点データから推測した標準偏差は、実際の母集団の標準偏差よりもやや小さい値を取ってしまうことが知られています。そのため「n-1」で割り、データから推測した標準偏差よりも少しだけ大きい値にするのが、推測値として適切なのです。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第1回 「標準偏差」と「標準誤差」の使い分けは「わかる統計教室」第4回 ギモンを解決! 一問一答質問3 標準偏差と標準誤差の違いは何か?第3回 理解しておきたい検定セクション1 母集団、n数、サンプル数、サンプルサイズとは

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遺伝子パネル検査、がん種別に見た遺伝子異常の特徴は?/日本臨床腫瘍学会

 国立がんセンターが中心となって展開する産学連携全国がんゲノムスクリーニング事業、SCRUM-Japan。2019年7月に開始した第三期プロジェクトでは、それまで消化器がんを対象としていたGI-SCREEN-Japanプロジェクトが泌尿器がん、乳がん等にも対象を拡大し、新たに血液を用いた遺伝子解析検査(リキッドバイオプシー)も取り入れた、MONSTAR-SCREENとして再始動している。参加するのは全国31施設、参加者は消化器がん、皮膚がん、乳がん、産婦人科がん、頭頸部がん、泌尿器がんなどの切除不能な固形がん患者で、腫瘍組織によるゲノム解析を受けたうえで、リキッドバイオプシー検査と腸内細菌叢(マイクロバイオーム)の検査、解析を受ける。 2月に行われた第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)Presidential Session3では、MONSTAR-SCREENの消化器・泌尿器の各サブグループが、がん種別の遺伝子変異の特徴をはじめとした、中間解析の結果を発表した。 はじめに、舛石 俊樹氏(愛知県がんセンター)が、MONSTAR SCREENの消化器がんサブグループの中間解析結果を発表した。【消化器がんサブグループ中間解析】・血中循環腫瘍DNA(ctDNA)が検出された470例のうち、消化器がんは133例、非消化器がんは337例だった。・消化器がんは非消化器がんに比べ、ctDNAレベル中央値が有意に高値であった(11.8 vs0.6%)。消化器がんの中では、大腸がんのctDNAレベルが最も高値であった。・消化器がんは非消化器がんに比べ、発がんや腫瘍増殖に関連するシグナル伝達経路の中で、p53、RTK、MAPK、Wnt経路における遺伝子異常が有意に高頻度であり、とくに多く見られた遺伝子異常はAPC、TP53変異だった。・腫瘍組織とリキッドバイオプシーにおける遺伝子異常の検出一致率は69%(81/132)であった。 続けて、野々村 祝夫氏(大阪大学)が、泌尿器がんサブグループの中間解析結果を発表した。【泌尿器がんサブグループ中間解析】・ctDNAが検出された470例のうち、泌尿器がんは70例、非泌尿器がんは400例だった。・泌尿器がんは非泌尿器がんと比べ、ctDNAレベルに有意差を認めなかったものの、腎細胞がんは全がん種において2番めに低かった(中央値:0.13%)。・腎がん、前立腺がん、尿路上皮がんにおける血中腫瘍遺伝子変異量(bTMB)中央値はそれぞれ0.44/Mb、0.88/Mb、4.39/Mbであり、尿路上皮がんは全がん種において最も高かった。・泌尿器がんは非泌尿器がんに比べ、PI3K、MAPK、Wnt経路における遺伝子異常が有意に低頻度だった。・腫瘍組織とリキッドバイオプシーにおける遺伝子異常の検出一致率は67%(10/15)であった。 両氏は、中間解析の結果から得られた示唆を活かしながら引き続き症例を蓄積し、がん種別に奏効率に関わる検討などを行い、国内外に広く発信するとしている。 JSMO Virtual2021は3月1~31日までオンデマンド配信が行われる(要参加登録)。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会

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新型コロナワクチンを拒む一般人の割合と特徴-米国の場合

 米国では2月8日の時点で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン5,930万回分が配布され、少なくとも3,160万人が1回目のワクチン接種を行った。ワクチン開始前に実施された全米世論調査では、多くの人が新型コロナワクチンの接種をためらっていたが、2020年9月から12月にかけて、ワクチンを接種したいと回答した割合は、全体的に39.4%から49.1%に増加し、接種する「可能性が低い」と回答した割合は38.1%から32.1%に減少していたことが明らかになった。米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年2月12日に発表した。 CDCは新型コロナワクチンに対する認識と接種意思を調査する目的で、2020年9月と12月に18歳以上の米国人を代表する3,541人に対し確率に基づくサンプル(Ipsos KnowledgePanel)を用いてインターネットパネル調査を実施し、18~64歳(基礎疾患あり/なし)、65歳以上、エッセンシャルワーカー従事に分類した。“もし、新型コロナワクチンを今日無料で接種できるとしたら、接種する可能性はどのくらいありますか?”との質問内容に対し、回答選択肢を「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」「可能性がやや高い」「可能性が低い」と定めた。接種の可能性について“必ず”または“非常に高い”という回答は意思があるとし、“可能性が低い”という回答は意思がないとした。 主な結果は以下のとおり。・「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」の回答は、エッセンシャルワーカー*で8.8ポイント(37.1%→45.9%)、65歳以上で17.1ポイント(49.1%→66.2%)、基礎疾患**を有する18~64歳で5.3ポイント(36.5%→41.8%)と、9月から12月にかけて増加した。・「可能性が低い」との回答は、エッセンシャルワーカーで4.8ポイント(40.2%→35.8%)、65歳以上で11.1ポイント(29.8%→18.7%)、基礎疾患を有する18~64歳で2.1ポイント(40.4%→38.3%)減少した。・また、基礎疾患を持たずエッセンシャルワーカーではない18~64歳の場合、「必ず受ける/受ける可能性が非常に高い」の回答は9.5ポイント(38.0%→48.7%)増加し、「可能性が低い」との回答は7.6ポイント(39.8%→32.2%)減少した。・若年成人、女性、非ヒスパニック系黒人、居住区域が首都圏外、低学歴、低収入世帯(年収:3万5,000〜4万9,999ドル)、健康保険未加入の層がワクチンを接種する「可能性が低い」と最も多く回答していた。*:エッセンシャルワーカー:医療者ほかインフラ整備に必要不可欠な建設作業員など**:慢性腎臓病、心不全、COPDなどを有する者 研究者らは「新型コロナの罹患率と死亡率のリスクが高い集団の健康を保護し、健康の不平等を減らすためにもワクチン接種は重要である。国民の信頼をさらに高める戦略を実施するため、追加の取り組みが必要」としている。

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認知症リスクの人種差~メタ解析

 世界の認知症患者数は、約5,000万人といわれている。高血圧や糖尿病などの認知症のリスク因子は、黒人、アジア人、その他の少数民族においても一般的に認められるが、認知症のケア、診断、治療においては、人種間で不平等なこともある。そこで、英国・London School of Hygiene & Tropical MedicineのSuhail Ismail Shiekh氏らは、認知症の発生率や有病率に関する民族的な差異について、調査を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2021年1月30日号の報告。 2019年9月1日に、人種、認知症、発生率、有病率の検索ワードを用いて、7つのデータベースより検索した。18歳以上の成人を対象とし、2つ以上の人種の年齢を考慮した後、認知症の発生率または有病率を比較した人口ベースの研究を抽出した。適切な人種間の比較を行うため、メタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・コホート研究12件、横断研究7件をメタ解析に含めた。・米国での研究が13件、英国、シンガポール、中国の新疆ウイグル自治区での研究が各2件であった。・黒人と白人を比較した4件の研究では、認知症発生率のプールされたリスク比は、1.33(95%CI:1.07~1.65、I2:58.0%)であった。・アジア人と白人を比較した研究では、認知症発生率のプールされたリスク比は、0.86(95%CI:0.728~1.01、I2:43.9%)であった。・ラテン系と白人では、認知症発生率に差は認められなかった。 著者らは「認知症リスクに、人種的な違いがあることが示唆された。これらの違いの要因を明らかにすることは、認知症の予防や治療に役立つ可能性がある」としている。

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FDA、ロルラチニブのALK肺がん1次治療を承認/ファイザー

 米国食品医薬品局(FDA)は、2021年3月3日、ロルラチニブ(商品名:ローブレナ)の適応症を拡大し、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療を追加承認した。 ロルラチニブの今回の承認拡大は、未治療のALK陽性NSCLCを対象にクリゾチニブと比較した第III相CROWN試験の結果に基づくもの。この試験でロルラチニブはクリゾチニブに比べ、盲検独立評価委員会(BICR)評価による死亡および進行リスクを72%減少させた (PFS HR 0.28:95%CI:0.19~0.41、p<0.0001)。事前に特定された探索的研究によるBICR評価の頭蓋内奏効率 (IC-ORR) は82% (クリゾチニブ群は23%)であった。頭蓋内奏効期間12ヵ月以上持続した割合は79%(クリゾチニブ群は0%)であった。

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ロシア製COVID-19ワクチン、約2万人接種で有効率91.6%/Lancet

 ロシア国立ガマレヤ疫学・微生物学研究所(NRCEM)で開発された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の非相同組み換えアデノウイルス(rAd)ベクターワクチンGam-COVID-Vac(スプートニクV)の第III相試験中間解析の結果が、NRCEMのDenis Y. Logunov氏らによってLancet誌2021年2月20日号で報告された。COVID-19に対する有効率は91.6%と高く、2万人を超える大規模な参加者において良好な忍容性が確認された。Gam-COVID-Vacは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)完全長糖蛋白S(rAd26-SおよびrAd5-S)の遺伝子を持つrAd26型(rAd26)とrAd5型(rAd5)をベースとする複合ベクターワクチンで、prime-boost異種ワクチン接種法に基づき、先にrAd26を接種後、21日の間隔を空けてrAd5が接種される。2020年8月に終了した第I/II相試験では、良好な安全性プロファイルを示し、強力な体液性免疫および細胞性免疫の誘導が認められている。モスクワ市25施設のプラセボ対照無作為化第III相試験 研究グループは、COVID-19に対するGam-COVID-Vacの有用性の評価を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験を実施し、2020年9月7日~11月24日の期間にモスクワ市の25施設で参加者の登録を行った(ロシア・モスクワ市保健局などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、抗SARS-CoV-2 IgM/IgG抗体陰性、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法でSARS-CoV-2陰性、COVID-19歴がなく、登録前の14日間にCOVID-19患者との接触がなく、登録前30日間に他のワクチン接種歴のない参加者であった。 被験者は、ワクチン群またはプラセボ群に3対1の割合で無作為に割り付けられた。担当医、参加者を含むすべての試験関係者には、割り付け情報は知らされなかった。ワクチンは、prime-boostレジメンに基づき、1回目にrAd26が筋注され、21日の間隔を空けてrAd5が筋注された(いずれも、ウイルス粒子1011、用量0.5mL)。 主要アウトカムは、初回接種後21日(2回目接種日)以降にPCR検査で確定されたCOVID-19の参加者の割合とした。ワクチンの有効率(%)(予防効果)は、(1-オッズ比[OR])×100の式で算出された。主要アウトカムの評価は2回の接種を受けた参加者で行い、重篤な有害事象はデータベースのロック時に少なくとも1回の接種を受けた全参加者で評価した。21日以降の中等症~重症COVID-19に対する有効率は100% 2万1,977例の成人が登録され、ワクチン群に1万6,501例、プラセボ群には5,476例が割り付けられた。このうち1万9,866例(ワクチン群1万4,964例、プラセボ群4,902例)が2回の接種を受け、主要アウトカムの解析に含まれた。2回接種例の平均年齢はワクチン群が45.3(SD 12.0)歳、プラセボ群は45.3(11.9)歳であり、両群間で性別の分布、合併症の罹患率、感染リスクに差はなかった。 初回接種後21日以降に、COVID-19と確定された参加者は、ワクチン群が1万4,964例中16例(0.1%)、プラセボ群は4,902例中62例(1.3%)であり、ワクチンの有効率は91.6%(95%信頼区間[CI]:85.6~95.2、p<0.0001)であった。 5つの年齢層(18~30歳、31~40歳、41~50歳、51~60歳、60歳以上)および男性・女性の有効率はいずれも87%以上であり、とくに60歳以上の有効率は91.8%(95%CI:67.1~98.3、p=0.0004)と良好であった。また、中等症~重症COVID-19に対する有効率は、初回接種後15~21日は73.6%(p=0.048)であり、21日以降はワクチン群での発生は認められず(対照群は20例で発生)、この期間の有効率は100%(94.4~100.0、p<0.0001)だった。 初回接種後42日時におけるSARS-CoV-2糖蛋白Sの受容体結合ドメイン(RBD)特異的IgG抗体の検出率は、ワクチン群が98%(336/342検体)で、幾何平均抗体価(GMT)は8,996、抗体陽転率は98.25%であり、プラセボ群の15%(17/114検体)、30.55、14.91%と比較して有意に高かった(p<0.0001)。また、中和抗体のGMTは、ワクチン群が44.5、抗体陽転率は95.83%であり、プラセボ群の1.6、7.14%よりも有意に高値であった(p<0.0001)。これらのデータにより、ワクチンによる体液性免疫応答の誘導が確認された。 さらに、ワクチン群では、初回接種日と比較して、28日の時点における抗原再刺激によるインターフェロン-γ分泌量(中央値32.77pg/mL、p<0.0001)が有意に増加し、ワクチンによる細胞性免疫応答の誘導が認められた。プラセボ群では、このような反応はなかった。 最も頻度の高い有害事象は、インフルエンザ様疾患、注射部位反応、頭痛、無力症であった。報告された有害事象のほとんどがGrade1(94.0%[7,485/7,966例])で、Grade2は5.66%(451例)、Grade3は0.38%(30例)であった。希少な有害事象は122例(ワクチン群91例、プラセボ群31例)で報告された。 重篤な有害事象は、68例に70件認められ、ワクチン群が0.3%(45/1万6,427例)、プラセボ群は0.4%(23/5,435例)であったが、独立データ監視委員会によって、いずれもワクチン接種とは関連がないと確定された。試験期間中に4例(ワクチン群3例[<0.1%]、プラセボ群1例[<0.1%])が死亡したが、ワクチン関連のものはなかった。 著者は、「このワクチンは、他のSARS-CoV-2ワクチンとともに、SARS-CoV-2ワクチンの世界的なパイプラインの多様化に貢献すると考えられる」としている。研究グループは、現在、ワクチンの1回接種レジメンを評価する研究を進めているという。

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2年ごとの乳房視触診、50歳以上の乳がん死3割減/BMJ

 2年ごとの医療従事者による乳房の視触診(clinical breast examination:CBE)は、CBEを行わない場合と比べ、乳がん診断時の病期を軽減し(downstaging)、50歳以上の女性の乳がんによる死亡率を約3割抑制することが、インド・Homi Bhabha National InstituteのIndraneel Mittra氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年2月24日号で報告された。マンモグラフィによる乳がんスクリーニングは、50歳以上の女性では死亡率を抑制するが、50歳未満の女性における有効性には疑問があるとされる。また、乳がん自己検診(breast self-examination)の、乳がんの早期検出法としての有効性は証明されておらず、CBEが乳がんによる死亡を低減するかについても明らかではないという。ムンバイ市の15万人のクラスター無作為化対照比較試験 研究グループは、CBEによるスクリーニングが、CBEを行わない場合と比較して、乳がん診断時の病期を軽減させるかを検証する目的で、プロスペクティブなクラスター無作為化対照比較試験を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 インド・ムンバイ市の地理的な境界で定義された20のクラスターを、CBEによるスクリーニングを行う群またはCBEを行わない対照群に、10クラスターずつ無作為に割り付けた。登録は1998年5月に開始され、2019年3月、解析のためにデータベースがロックされた。乳がん歴のない35~64歳の女性15万1,538人が試験に参加した。 スクリーニング群(7万5,360人)は、2年ごとに、訓練を受けた女性のプライマリケア医療従事者によるCBEを4回と、がん啓発情報の提供を受け、その後は2年ごとの自宅訪問による積極的サーベイランス(active surveillance)を5回受けた。対照群(7万6,178人)は、がん啓発情報の提供を1回受け、その後は2年ごとに積極的サーベイランスを8回受けた。 主要アウトカムは、診断時における乳がんの病期の軽減および乳がん死の低減とした。50歳未満の乳がん死、全死因死亡には差がない 登録時の平均年齢は、スクリーニング群が44.84(SD 7.90)歳、対照群は44.92(8.00)歳であった。試験開始から20年(フォローアップ期間中央値18年)の時点で、スクリーニング群の640人、対照群の655人が乳がんと診断され、それぞれ213人および251人が乳がんによって死亡した。 乳がん検出時の年齢は、スクリーニング群が対照群よりも若かった(55.18[SD 9.10]歳vs.56.50[9.10]歳、p=0.01)。また、乳がん診断時の病期は、スクリーニング群でStageIII/IVの割合が有意に低かった(37%[220人]vs.47%[271人]、p=0.001)。この病期の軽減は、50歳未満(診断時StageIII/IVの割合:37%[161人]vs.47%[183人]、p=0.005)および50歳以上(35%[59人]vs.46%[88人]、p=0.05)のいずれにおいても認められた。 全体(35~64歳)では、スクリーニング群は対照群に比べ、乳がん死の割合が15%低下したが、有意な差は認められなかった(10万人年当たり20.82人[95%信頼区間[CI]:18.25~23.97]vs.24.62人[21.71~28.04]、率比[RR]:0.85[95%CI:0.71~1.01]、p=0.07)。 一方、事後的サブセット解析では、50歳以上の女性における乳がん死は、スクリーニング群で有意に約30%低下した(10万人年当たり24.62人[95%CI:20.62~29.76]vs.34.68人[27.54~44.37]、RR:0.71[95%CI:0.54~0.94]、p=0.02)。これに対し、50歳未満の女性では有意な差はみられなかった(19.53人[17.24~22.29]vs.21.03人[18.97~23.44]、0.93[0.79~1.09]、p=0.37)。 また、全死因死亡は、スクリーニング群で5%低下したが、有意差はなかった(RR:0.95[95%CI:0.81~1.10]、p=0.49)。 著者は、「低・中所得国では、乳がんのスクリーニング法としてCBEを考慮すべきと考えられる」としている。

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自宅で超重症COVID-19を診きった1例【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第182回

自宅で超重症COVID-19を診きった1例pixabayより使用日本でCOVID-19を診療する場合、基本的に肺炎があったりSpO2が低かったりすると、入院適応になります。当然、両肺に肺炎があって呼吸不全があろうものなら、即入院なわけですが……。エクアドルで報告された、自宅療養で重症例を診きった超絶症例報告を紹介しましょう。Cherrez-Ojeda I, et al.The unusual experience of managing a severe COVID-19 case at home: what can we do and where do we go?BMC Infect Dis . 2020 Nov 19;20(1):862.主人公は、60歳のエクアドル人女性です。7日前から咳と息切れが見られており、救急外来のトリアージでSpO2 86%(室内気)と両側肺炎が見られ、SARS-CoV-2 PCRが陽性になりました。呼吸数が32回/分とかなり厳しい状態だったのですが、入院する部屋がなく、外来治療を余儀なくされました。イヤ、無理でしょ…PaO2が47.70Torrと書いてあるんですが……。――とはいえ、部屋がないものはない。適切な治療プランを立て、自宅に帰さなければいけません。メチルプレドニゾロン、低分子ヘパリン、ニタゾキサニド(抗ウイルス薬)を看護師の往診で投与するよう指示しました。酸素濃縮器も自宅に設置し、鼻カニューレで酸素投与を開始しました。PubMedなどからこの論文の元文献を見てほしいのですが、両肺真っ白です。本当に真っ白のARDSです。日本だといろいろと問題視されそうですが、自宅で急死することもなく、この女性患者さんは次第に回復していきました。治療開始4日目に、危うくSpO2が80%を切るところまでいきましたが、その後復活しています。治療開始14日後の胸部CTでは、陰影の大部分が軽快しました。日本でここまでの医療逼迫に陥ることはないと信じたいですが、自宅やホテルでマネジメントする方法も考えるべき時期が来るもしれません。SpO2が低い症例に、ステロイド錠を手渡すことを検討してもよいかもしれませんが、国内の診療常識ではちょっと難しいでしょうね。

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第47回 ワクチン副反応疑い報道でメディアに課せられた責務

いま、新型コロナウイルス感染症に関する報道と言えば、ワクチン接種に関するものがかなりの部分を占める。そんな中、優先接種対象者として接種した医療従事者の中で、接種3日後にくも膜下出血で死亡した事例が3月2日、厚生労働省から報告された。今回のプレスリリースには、「副反応疑い報告制度の透明性の向上及び周知等のため、当面、接種後にアナフィラキシー又は死亡の報告を受けた際に公表するものです」と但し書きが付いている。いわば因果関係が証明されたものではないし、実際リリースを読み込めば、多くの医療従事者はワクチン接種との因果関係はほぼなしと見るだろう。さて新聞各紙はこれをどう報じたか。一覧にすると次のようになる。「ワクチン接種3日後、くも膜下出血で死亡 因果関係不明」(朝日新聞)「ワクチン接種後にくも膜下出血で死亡か 因果関係は評価できず」(毎日新聞)「ワクチン接種後の初の死亡事例、因果関係不明」(日本経済新聞)「ワクチン接種した60代女性、3日後に死亡…死因はくも膜下出血か」(読売新聞)「コロナワクチン接種後、60代女性死亡 くも膜下出血か」(産経新聞)見出しはきれいにほぼ2種類に分かれた。各紙の報道内容を読めばわかるが、基本的には冷静に淡々と報じている。個人的には、前者3紙の「因果関係不明」のほうが、因果関係なしも含めて示唆する見出しのため、ここからより正確な記事内容の推定が可能になると考える。また、中でも日経は記事の第2パラグラフというかなり早めの段階で「海外の接種事例でワクチンとくも膜下出血の関連を明確に示す報告はないとみられ、偶発的な事案の可能性もある」とより具体的に記述し、「死亡」というキーワードに感覚的に反応しやすい読者に暗に冷静さを求めている。この件については、「わざわざ報じなくとも良いではないか」との意見もあることは承知している。ただ、今回の新型コロナは現代ではまれに見るほど全世界で人々の日常生活をマヒさせており、国や医療関係者もより多くの人にできるだけ早期にワクチンを接種してほしいと願っていると考えて差し支えないだろう。一方、現状で使用可能になったmRNAワクチンは、今回が初の実戦投入。しかも、当初、ワクチン登場まで相当時間がかかるとみられていた中で、わずか1年で臨床現場に出てきたことから、一般人にとっては「期待半分、疑心半分」が本音ではないだろうか?そのような状況下では、たとえ誤解であったとしても国民の一部から「情報隠ぺい」と捉えられるような事態が起これば、一気にワクチンに対する信頼性は低下し、「より多くの国民にできるだけ早期の接種」という目標はあっという間に瓦解する。だからこそ敢えて因果関係の確定までのプロセスも含めてなるべく公開することで信頼性を担保しようという、ある種「苦渋」の決断と考えられる。そしてメディアの側も事情は似たようなものだ。日本中が注目しているワクチンに関して、国が公開している情報を完全に無視すれば「メディアは意図的にワクチンの安全性に目をつぶっている」と言われてしまう。ただ、今回のワクチンに関する安全性をめぐる報道に関しては、メディア側は最終結果も報じる必要があると感じている。最終結果とは因果関係の推定がほぼ終了した時点である。今回の事例で言えば、もしワクチン接種と因果関係がないだろうとの結論になった時点で「3月2日に厚生労働省が発表したワクチン接種後にくも膜下出血を起こして死亡したケースは、死亡とワクチン接種との間に因果関係はない可能性が高いと専門家は判断した」という感じできちんとフォローアップ報道を行うということだ。そうでないと、読者・視聴者は「死亡」という事実のみを脳内に刻み込んでネガティブイメージが維持されるからだ。そのうえで今回のワクチン接種を契機に私たちメディアだけでなく、医療従事者、行政関係者が一致して伝えなければならない情報があると考えている。それは「有害事象」と「副反応」の違いである。もちろん、この記事を目にするであろう方々に「有害事象とはワクチン接種後、その影響があると考えられる期間に起こったネガティブな反応全て。そのうちワクチンとの因果関係が濃厚とされたものが副反応」と説明するのは釈迦に説法である。ところが医療に縁のない一般人にとって、この違いは説明されればその場で理解はできるものの、知識としてはなかなか定着しない。だが、この違いを多くの国民が理解すれば、副反応に対する漠然とした恐怖の一部は緩和できる可能性があると考える。実は先日、ある国会議員と意見交換した時に「今回のワクチン接種を契機に各自治体のワクチン接種に関するHPに<有害事象とは?><副反応とは?>という基礎的な用語集を付記するように働きかけてはいかがか?」と提案した。するとこの国会議員からは「実はその働きかけはすでに行われているのだが、自治体ごとの温度差が大きい」との反応が返ってきた。まあ、さもありなんである。だからといって行政関係者が悪いなどと言うつもりはない。ただ、行政関係者に温度差があるからこそ、その隙間を医療従事者、メディア関係者が埋めなければならないとも思う。さまざまなチャネルからシャワーのように同じこと繰り返し伝えることが、知識としての定着の第一歩であることは、「PCR検査」という言葉が日常的に使われるようになった現在が端的な証明となっている。このように書くと「そうはいってもPCR検査の中身を正確に理解していない人がほとんどだろう」という指摘があることは承知している。ただ、言葉として定着しなければ、知識としての定着はあり得ない。目で見て読めない英単語を耳で聞いても分かるわけはないのと同じである。そして「有害事象」と「副反応」の違いが国民の間に定着してくれば、今回発表されたようなワクチン接種直後の死亡例の公表の仕方、報道の仕方も必然的に変わってくる。新型コロナのワクチン接種開始は、そうした好ましい変化を獲得するための、またとない機会でもある。

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うつ病治療アプリに対する医師や患者の期待

 スマートフォンアプリが増加し続けている現代社会において、アプリによる治療ツールの有効性は十分に実証されておらず、導入率も依然として不十分である。フランス・クレルモン・オーベルニュ大学のMarie-Camille Patoz氏らは、アドヒアランス向上に関連する効率的なアプリ開発を行うため、ユーザー中心のアプローチを通じて設計した架空のうつ病治療アプリに対する患者および医師の期待を特定することを目的とし、本研究を行った。BMC Psychiatry誌2021年1月29日号の報告。 精神科医および一般開業医、過去12ヵ月間でうつ病を経験した患者を対象に、フォーカスグループ法を用いて、半構造化面接を実施した。録音したインタビューの音声を文字起こしし、定性的な内容分析を用いて分析した。 主な結果は以下のとおり。・分析対象は、医師26人および患者24人。・フォーカスグループは、性別と年齢のバランスの取れた分布を示した。・対象者のほとんどはスマートフォンを所有しており(医師:96.1%、患者:83.3%)、アプリも使用していた(医師:96.1%、患者:79.2%)。・定性的な内容分析では、内容、操作特性、アプリ使用に対する障壁といった3つの主なテーマが明らかとなった。それぞれの内容は、以下のとおりであった。【期待される内容】 ●アプリにより収集された患者情報に関するデータ ●心理教育に関する情報提供 ●治療ツールに関する情報提供 ●日常生活のマネジメントを支援する機能 ●このツールに期待される機能【操作特性】 ●アプリの目的 ●潜在的なターゲットユーザー ●使用方法 ●アクセシビリティ ●セキュリティ【アプリ使用に対する障壁】 ●潜在的なアプリユーザーに関する懸念 ●潜在的なユーザーのアクセシビリティ ●安全性、副反応、有用性 ●機能性・テーマやカテゴリに関しては、医師と患者で共通であった。 著者らは「架空のうつ病治療アプリは、医師、患者ともに期待値が高く、うつ病治療において重要な役割を担う可能性がある。このようなツールにユーザーが期待する重要なポイントとして、簡単かつ直感的な使い方とパーソナライズされたコンテンツが挙げられる。うつ病治療においては、うつ病に関する情報提供、自己モニタリング機能、緊急時の支援を可能とするアプリが求められている」としている。

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