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ノババックスワクチン、安全性と有効性を確認/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのNVX-CoV2373(Novavax製)は、COVID-19の予防に関して安全かつ有効であることを、米国・NovavaxのLisa M. Dunkle氏らが、米国およびメキシコで行われた第III相無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。NVX-CoV2373は、英国と南アフリカで行われた第IIb・III相の試験において臨床的効果が示されていたが、北米ではまだ検討が行われていなかった。NVX-CoV2373は、サポニンベースのアジュバントを添加した遺伝子組換えスパイク蛋白ナノ粒子ワクチンで、冷蔵保管(2~8℃)が可能であることから、世界的なワクチン不足に資するワクチンと目されている。NEJM誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。2021年上旬、米国とメキシコで18歳以上を対象にプラセボ対照無作為化試験 NVX-CoV2373の有効性と安全性を評価する試験は、2021年上旬に、米国113ヵ所、メキシコ6ヵ所の医療拠点で被験者を募り行われた。被験者は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染していない18歳以上の成人(健康または慢性疾患症状が安定している有病者を含む)。 被験者は2対1の割合で無作為に2群に割り付けられ、NVX-CoV2373の2回接種またはプラセボを21日間隔で接種を受けた。 試験の主要目的は、2回接種後7日以降に発症がRT-PCR法で確認されたCOVID-19に対するワクチンの有効性を評価することであった。また、中等症~重症化に対する有効性およびさまざまな変異株への有効性も評価した。有効性は90.4%、中等症~重症化の予防効果は100% 2020年12月27日~2021年2月18日に2万9,949例が無作為化を受け、合計2万9,582例(年齢中央値47歳、65歳以上12.6%)がワクチンの1回以上の接種を受けた(NVX-CoV2373群1万9,714例、プラセボ群9,868例)。 2021年4月19日(約3ヵ月間)まで追跡を受けた有効性に関するper-protocol解析集団2万5,452例において、検査で確認されたCOVID-19の症例は、77例であった。内訳はNVX-CoV2373群14例(1,000人年当たり3.3例[95%信頼区間[CI]:1.6~6.9])、プラセボ群63例(同34.0例[20.7~55.9])であり、ワクチンの有効性は90.4%(95%CI:82.9~94.6、p<0.001)であった。 中等症例は10例、重症例は4例で、全例がプラセボ接種者で認められたものであり、中等症~重症化に対するワクチンの有効性は100%(95%CI:87.0~100)であった。 ゲノム解析で特定されたウイルスの大半(48/61例、79%)が、懸念または注視されている変異株で、なかでも最も多くを占めたのはB.1.1.7(アルファ株)であった(懸念変異株35のうち31、89%)。これら懸念または注視される変異株に対するワクチンの有効性は、92.6%(95%CI:83.6~96.7)であった。 反応原性は、ほとんどが軽度~中等度で一過性のものだった。発現頻度は、NVX-CoV2373群のほうがプラセボ群よりも高く、1回目接種後よりも2回目接種後に多く認められた。

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第92回 英国でもオミクロン株入院リスクが低いと判明

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン(Omicron)株感染者の入院リスクはデルタ株感染者に比べて20~25%低いとの英国データ解析結果(Report 50)を同国の大学Imperial College Londonが先週22日水曜日に発表しました1,2)。その入院の定義はPCR検査でのSARS-CoV-2感染(COVID-19)が判明してから14日以内の事故/救急科(Accident and Emergency department;A&E)受診を含む来院記録があることです1)。オミクロン株感染者の1泊以上の入院リスクはより小さく、デルタ株感染者を40~45%下回りました。今月中旬16日の報告(Report 49)の段階ではオミクロン株感染者の入院全般(hospitalisation attendance)や症状のデルタ株との差は認められていませんでした3)。オミクロン株感染者の入院リスクがデルタ株感染者に比べてより低いことは英国政府の保健安全保障庁(UKHSA)の解析でも示されています4)。UKHSAの報告によると今月20日までのイングランドのオミクロン株感染者数は5万6,066人で、そのうち132人が病院で治療(admitted or transferred from emergency department)を受けました。14人がオミクロン株感染判明から28日以内に死亡しました。UKHSAの報告でのオミクロン株感染者の入院リスクはImperial College Londonの解析結果よりどうやらさらに小さく、デルタ株感染者より62%(95%信頼区間では50~70%)低いことが示されました。オミクロン株感染者は救急も含む入院(emergency department attendance or admission)にも至りにくく、デルタ株感染者より38%(95%信頼区間では31~45%)少ないという結果も得られています。オミクロン株感染者の入院リスクが他の変異株感染者に比べて低いらしいことは好ましい兆候だがひとまずの結果であって更なる検討が必要だとUKHSAの長Jenny Harries氏は言っています5)。オミクロン株感染がどうやら軽症らしいのはワクチン接種の普及または先立つ感染で備わった免疫のおかげかもしれません。またはウイルス自体の変化が軽症で済むようにさせている可能性もあります6)。参考1)Report 50 - Hospitalisation risk for Omicron cases in England / Imperial College London2)Some reduction in hospitalisation for Omicron v Delta in England: early analysis / Imperial College London3)Report 49 - Growth, population distribution and immune escape of Omicron in England. MRC Centre for Global Infectious Disease Analysis / Imperial College London4)SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England / UKHSA5)UKHSA publishes updated Omicron hospitalisation and vaccine efficacy analysis / UK Health Security Agency (UKHSA) 6)Omicron cases at much lower risk of hospital admission, UK says / Reuters

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COVID-19パンデミック時の不眠症状とそれに関連する因子

 ノルウェー・オスロ大学のOyvind Halsoy氏らは、COVID-19パンデミック中の不眠症状に関連する因子について、調査を行った。Frontiers in Psychiatry誌2021年11月5日号の報告。 ノルウェーの成人4,921人を対象に、2020年3月31日~4月7日および2020年6月22日~7月13日の2つの期間において調査依頼を実施した。1回目の調査で関連するリスク因子や心理的相関を、2回目の調査で不眠症状を測定し、時間経過に伴う関連を含めた調査を行った。不眠症状の測定には、Bergen Insomnia Scale(BIS)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19によるロックダウン中の不眠症状は、2008年に実施したパンデミック前の調査結果と比較し、平均レベルが高いことが明らかとなった(p<0.0001、Cohen's d=0.29)。・ソーシャルディスタンスを守った人は、そうでない人と比較し、不眠症状の平均レベルが高かった。・女性、教育水準の低い人、職を失った人、不特定の精神疾患診断歴を有する人は、最も多くの症状を報告していた。・回帰モデル(R2=0.44)では、身体運動が不眠症状の減少と関連が示唆された。・不眠症状レベルの高さと関連していた因子は、健康不安症状、抑うつ症状、役立たない対処法、仕事や経済への懸念、高齢者であった。 著者らは「本調査結果は、とくに脆弱なグループを特定しただけでなく、不眠症状に苦しんでいる患者を支援することへの重要性を改めて示している」としている。

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「頭痛の診療ガイドライン」8年ぶり改訂、ポイントは

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした新規薬剤の片頭痛予防薬としての相次ぐ承認、2018年の「国際頭痛分類 第3版(ICHD-3)」の発表等、頭痛診療における重要な変化を反映する形で、8年ぶりの改訂となった「頭痛の診療ガイドライン 2021」1)が10月に刊行された。ガイドライン作成委員会委員長を務めた荒木 信夫氏(よみうりランド慶友病院院長)に、頭痛の診療ガイドライン改訂のポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。 「頭痛の診療ガイドライン 2021」は前回の「慢性頭痛の診療ガイドライン 2013」をもとに改訂が行われているが、二次性頭痛の項目を加え、その記載を大幅に拡充したことから、タイトルは従来の「慢性頭痛」から「頭痛」に変更されている。頭痛の診療ガイドライン2021で慢性片頭痛が頭痛のサブタイプに ICHD-2では慢性片頭痛は片頭痛合併症の1つとして分類されていたが、ICHD-3では片頭痛のサブタイプの1つとして分類され、その概念・診断法が明確に定義された(CQII-1-12)。荒木氏は、「CGRP関連薬剤の慢性片頭痛への有効性が明らかになり、この診断はとても重要」と話す。また、薬物の使用過多による頭痛(MOH)との鑑別において、今版では慢性片頭痛と両方の診断基準を満たす場合は両方の診断名を与えることが可能とされた。MOHについては、頭痛の診療ガイドライン旧版では薬物乱用頭痛とされていたが 「頭痛の診療ガイドライン 2021」では訳語が変更され、そのサブタイプや診断時の基準となる服薬日数などが一部変更されている(CQVI-1)。頭痛の診療ガイドライン2021における片頭痛急性期治療 今回の「頭痛の診療ガイドライン 2021」において、片頭痛の急性期治療におけるトリプタンとNSAIDsを文献から比較・分析した結果、トリプタンで有意に投与2時間後の頭痛消失率が高く、24時間以内の再発率が低いことが示された。一方で有害事象はトリプタンで多かったが、重篤なものはなく、多職種および患者代表も参加したGRADE方式による検討の結果、トリプタンを使用できない症例を適切に除外することで利益が不利益を上回るとされた。なお、推奨文の付帯事項として、片麻痺性片頭痛、脳幹性前兆を伴う片頭痛でのトリプタンの使用は非推奨となっている(CQII-2-3)。 また、トリプタンにはノンレスポンダーや血管収縮作用のために使用できない症例も存在する。そこで現在、血管収縮作用をもたない選択的5-HT1F受容体作動薬(ditan)やCGRP受容体拮抗薬(gepant)の開発が進められている。今回、米国FDAですでに認可された、ditanのlasmiditan、gepantのubrogepant、rimegepantが片頭痛急性期治療薬としてトリプタンと同じGroup 1(有効)に位置付けられた(CQII-2-1)。頭痛の診療ガイドライン2021で片頭痛予防薬にCGRP関連薬剤 2021年、本邦では抗CGRP抗体ガルカネズマブ、フレマネズマブ、および抗CGRP受容体抗体エレヌマブが片頭痛予防薬として相次いで承認された。「頭痛の診療ガイドライン 2021」でも予防薬としてGroup 1(有効)に位置付けられ(CQII-3-2)、強い推奨/エビデンスの確実性Aとされている(CQII-3-14)。「月に一度の投与で、1週間ほどで改善がみられる患者さんが多い。片頭痛治療においては、トリプタン登場以来のインパクトといえるのではないか」と荒木氏。3剤の効果はほぼ同等といえるが、初回本数の違いによるコストの違い、12週間隔を選択できることによる間隔の違いなどがある。荒木氏は、「医師がそれらの違いをしっかり説明して、合うものを選んでもらえるようにしていくことが望ましい」とした。 なお、日本頭痛学会では、ホームページ上で今回の「頭痛の診療ガイドライン 2021」とは別に「CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)」2)を公開しており、3剤それぞれの使用に関する手順や留意事項をまとめている。投与が可能な医師要件としては、日本神経学会、日本頭痛学会、日本脳神経外科学会の専門医、日本内科学会の総合内科専門医のうちいずれかを有していることなどが挙げられている。 2つのガイドラインについて荒木氏は、適正使用に関しては「CGRP関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)」、学問的な根拠については「頭痛の診療ガイドライン2021」としてそれぞれ活用してほしいと話した。 その他、CGRP受容体拮抗薬(gepant)、海外で良好な成績が報告されているA型ボツリヌス毒素、適応外使用が認められた抗うつ薬のアミトリプチリンが予防薬のGroup 1(有効)として今回新たに追加されている(CQII-3-2)。また、ニューロモデュレーションについても新たにCQが設けられ、弱い推奨/エビデンスの確実性Aとされた(CQII-3-18)。荒木氏は「日本では治験も行われていない状況だが、海外ではエビデンスが蓄積してきており、電気刺激療法についても、将来の治療法の選択肢の1つといえるだろう」と期待感を示した。頭痛の診療ガイドライン2021で片頭痛予防療法の対象を改訂 CGRP関連薬剤を含む予防療法の対象について、今回の 「頭痛の診療ガイドライン 2021」では推奨事項が変更されている。頭痛の診療ガイドライン旧版では、「片頭痛発作が月に2回以上、あるいは生活に支障をきたす頭痛が月に6日以上ある患者」とされていたが、今回「片頭痛発作が月に2回以上、生活に支障をきたす頭痛が月に3日以上ある患者」に改訂された(CQII-3-1)。海外のガイドラインなどを検証した結果、ほとんどの国で3日を超える場合として定義されており、委員会での検討のうえ変更され、より多くの患者が対象となる。頭痛の診療ガイドライン2021は小児・思春期の頭痛を大幅拡充 三叉神経・自律神経性頭痛に関しては、群発頭痛に対して在宅酸素療法(HOT)が保険適用で使えるようになったことが大きいと荒木氏。新たにCQが設けられ、強い推奨/エビデンスの確実性Aとされた(CQIV-7)。 小児・思春期の頭痛については、「頭痛の診療ガイドライン 2021」では記述が大幅に拡充され、「CQVII-7 不登校・不規則登校を伴う頭痛はどのような頭痛か、どう対処すればよいか」が加えられるなど、診療現場で重要な頭痛についてまとめられている。 今回の「頭痛の診療ガイドライン 2021」では、二次性頭痛が新項目として加えられた。頭痛の診療ガイドライン旧版ではくも膜下出血など一部しか掲載がなかったが、今版ではICHD-3の二次性頭痛をほぼ網羅、より細分化して整理している。「例えばRCVS(可逆性脳血管攣縮症候群)はICHD-2にはなかった新しい概念」と荒木氏。ICHD-3では一次性頭痛でも二次性頭痛でもない3番目の分類に位置付けられているニューロパチーやその他の顔面痛についても、本ガイドラインでは二次性頭痛の項目の1つとして取り上げ、診断・治療法を整理している。

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心血管疾患2次予防にインフルエンザワクチンは必要か

 急性冠症候群の治療期間中における早期のインフルエンザワクチン接種によって、12ヵ月後の心血管イベント転帰改善が示唆された。本研究は、スウェーデン・Orebro UniversityのOle Frobert氏らにより欧州心臓病学会(ESC 2021)にて報告された。Circulation誌2021年11月2日号に掲載。 実施された国際多施設共同二重盲検ランダム化比較試験(IAMI trial)は、2016年10月1日~20年3月1日の4シーズンに8ヵ国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、ラトビア、英国、チェコ、バングラデシュ、オーストラリア)30施設で参加者を登録。急性心筋梗塞(MI)または高リスクの冠動脈疾患患者を対象に、入院から72時間以内にインフルエンザワクチンまたはプラセボを接種する群に1:1でランダムに割り付けた。 なお、過去12ヵ月間にインフルエンザワクチン接種を受けた者、入院したシーズン中にワクチン接種を受ける意思がある者は除外された。 主な結果は以下のとおり。・試験には2,571例が参加し、ワクチン群1,272例、プラセボ群1,260例に割り付けられた。 ・登録患者の平均年齢は59.9±11.2歳で、女性18.2%、男性81.8%だった。また喫煙者が35.5%含まれ、21.1%が糖尿病を合併していた。両群に有意な差はなかった。・参加者のうち、1,348例(54.5%)がST上昇型心筋梗塞、1,119例(45.2%)が非ST上昇型心筋梗塞、8例(0.3%)が安定冠動脈疾患で入院していた。・主要評価項目である12ヵ月後の全死亡、MI、ステント血栓症の複合発生率は、プラセボ群7.2%(91例)に対し、ワクチン群では5.3%(67例)と有意にリスクが低下した。(ハザード比[HR]:0.72、95%CI:0.52~0.99、P=0.040)。・それぞれの発生率について、全死亡はワクチン群2.9%(37例)vs.プラセボ群4.9%(61例)、心血管死はそれぞれ2.7%(34例)vs. 4.5%(56例)で、いずれのリスクもワクチン群で有意に低下した(全死亡のHR:0.59、95%CI:0.39~0.89、p=0.010/心血管死のHR:0.59、95%CI:0.39~0.90、p=0.014)。・MIの発生率はワクチン群2.0%(25例)vs.プラセボ群2.4%(29例)で両群に有意な差はなかった(HR:0.86、95%CI:0.50~1.46、p=0.57)。 この結果により、研究者らは心血管疾患患者における毎年の季節性インフルエンザワクチン接種の重要性を強調している。 なお、本試験は登録患者4,400例を目標にしていたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響で、目標の58%が登録された時点(2020年4月7日)でデータ安全監視委員会(DSMB)により早期中止された。

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抗HER3抗体薬物複合体HER3-DXd、EGFR変異陽性非小細胞肺がんでFDAブレークスルーセラピーに指定/第一三共

 第一三共は、2021年12月24日、パトリツマブ デルクステカン (U3-1402/HER3-DXd)が、米国食品 医薬品局(FDA)より、第3世代EGFR-TKIおよびプラチナ製剤併用療法の治療歴のあるEGFR遺伝子変異陽性で転移のある非小細胞肺がんを対象とした「ブレークスルーセラピー」指定を受けたと発表。 今回の指定は、2021年6月開催の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2021)で発表された、EGFR遺伝子変異を有する転移または切除不能な非小細胞肺がんを対象とした第I相臨 床試験の結果に基づくものである。

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PFO閉鎖術で脳梗塞再発予防効果が得られる患者は?/JAMA

 18~60歳の卵円孔開存(PFO)関連脳梗塞患者において、PFOのデバイス閉鎖による脳梗塞再発リスクの低減効果は、脳梗塞とPFOの因果関係の確率で分類されたグループにより異なることが示された。この分類法は個別の治療意思決定に役立つ可能性があるという。米国・タフツ医療センターのDavid M. Kent氏らが、「Systematic, Collaborative, PFO Closure Evaluation(SCOPE)コンソーシアム」によるメタ解析の結果を報告した。PFOに関連する脳梗塞は、18~60歳の成人における脳梗塞の約10%を占める。PFOのデバイス閉鎖は脳梗塞の再発リスクを減少させるが、どのような治療法が最適かは不明であった。JAMA誌2021年12月14日号掲載の報告。再発例をPFO閉鎖術+内科的治療vs.内科的治療単独で比較 研究グループは、脳梗塞再発に対するPFO閉鎖術の治療効果の異質性を、これまでに開発されたスコアリングシステムに基づいて評価する目的で、2021年9月までに発表された脳梗塞再発予防のためのPFO閉鎖術と内科的治療を比較したすべての無作為化第III相試験について、個人データのメタ解析を行った。 有効性の主要評価項目は脳梗塞の再発で、PFO閉鎖術+内科的治療と内科的治療単独を比較するとともに、RoPE(Risk of Paradoxical Embolism)スコアおよびPASCAL(PFO-Associated Stroke Causal Likelihood)分類システムを用いたサブグループ解析を行った。 RoPEスコア(1~10点)は、原因不明の脳梗塞で発見されたPFOが、偶発的所見ではなく脳梗塞の原因である確率を示すもので、RoPEが高いほど若年でその確率が高いことを反映する。また、PASCAL分類システムは、RoPEスコアと高リスクPFOの特徴(心房中隔瘤またはシャント量増大のいずれか)を組み合わせ、因果関係を「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」の3つのカテゴリーに分類するものである。 2000年から2017年にかけて世界的に実施された無作為化臨床試験6件、計3,740例が解析に組み込まれた。脳梗塞の原因がPFOである可能性が高いほど、デバイス閉鎖の効果あり 追跡期間中央値57ヵ月(四分位範囲:24~64)において、3,740例中121件のイベントが認められた。脳梗塞の年間発生率は、内科的治療が1.09%(95%信頼区間[CI]:0.88~1.36)に対して、デバイス閉鎖併用では0.47%(0.35~0.65)であった(補正後ハザード比[HR]:0.41、95%CI:0.28~0.60)。 サブグループ解析では、統計学的に有意な交互作用が認められた。HRは、RoPEスコア低値の患者で0.61(95%CI:0.37~1.00)、高値の患者で0.21(0.11~0.42)であった(交互作用のp=0.02)。また、PASCAL分類システムで「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」と分類された患者のHRは、それぞれ1.14(95%CI:0.53~2.46)、0.38(0.22~0.65)、0.10(0.03~0.35)であった(相互作用のp=0.003)。2年間の絶対リスク減少は、PASCAL分類システムの「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」でそれぞれ-0.7%(95%CI:-4.0~2.6)、2.1%(0.6~3.6)、2.1%(0.9~3.4)であった。 デバイス関連有害事象は、「可能性が低い」と分類された患者で高く、無作為化後45日目以降の心房細動の絶対リスク増加は、「可能性が低い」「可能性あり」「可能性が高い」でそれぞれ4.41%(95%CI:1.02~7.80)、1.53%(0.33~2.72)、0.65%(-0.41~1.71)であった。

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第83回 診療報酬、人件費増も全体マイナス、医療費は1.35%減

<先週の動き>1.診療報酬、人件費増も全体マイナス、医療費は1.35%減2.ノババックス製ワクチン、WHOが緊急使用許可3.来年度からリフィル処方箋導入へ、具体的ルール策定に進む4.研修医の募集枠、定員上限をさらに縮小へ/厚労省5.後発品医薬品メーカーの相次ぐ不祥事、改善を求める声1.診療報酬、人件費増も全体マイナス、医療費は1.35%減22日、厚生労働大臣と財務相の閣僚折衝が行われた。来年度の診療報酬の改定率は、医師・看護師などの人件費を見込んで本体部分を0.43%増、薬価改定率を医療費ベースで1.35%減とすることで合意した。国費削減額は1,600億円程度。全体では0.94%のマイナスとなった。中川 俊男日本医師会長はこれを受け、「厳しい国家財政の中、必ずしも満足するものではないが、プラス改定となったことについて率直に評価する」と定例記者会見で語った。(参考)令和4年度診療報酬改定率の決定を受けて―中川俊男会長定例記者会見(日医)診療報酬0.94%下げ 医師人件費はプラス―国費1320億円削減・22年度改定(時事通信)資料 診療報酬改定について(厚労省)2.ノババックス製ワクチン、WHOが緊急使用許可世界保健機関(WHO)は21日、米・ノババックス製新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。緊急使用が認められたワクチンは10例目。なお、同ワクチンで製造パートナーであるインド・セラム インスティチュート オブ インディアが製造するものは先立って17日に承認されている。本剤は「組み換えタンパクワクチン」に分類され、英国や米国などで行われた試験によると、有効性は90%で、WHOは18歳以上を対象に3~4週間あけて2回の接種を勧めている。冷蔵保管可能なこともあり、COVAXを通じた途上国などへの分配加速につながることが期待されている。(参考)ノババックス製のワクチン、WHOが承認…日本では武田薬品が申請中(読売新聞)WHO 米ノババックス社製ワクチンを緊急使用リストに追加(NHK)3.来年度からリフィル処方箋導入へ、具体的ルール策定に進む厚労省は22日に中医協の総会を開催し、2022年度の診療報酬改定で、一定期間内に一回分の処方箋を繰り返し利用できる「リフィル処方箋」の導入を決めた。これは、今年の6月に閣議決定された骨太方針2021で「症状が安定している患者について、医師及び薬剤師の適切な連携により、医療機関に行かずとも、一定期間内に処方箋を反復利用できる方策を検討し、患者の通院負担を軽減する」とされていたもの。厚労省は本方針を踏まえ、「分割調剤の指示、分割調剤に係る処方箋様式の在り方」を論点として提示していた。今後、詳細についてはさらに検討し、来年4月以降の導入に向けて具体的な方針が示される見込み。(参考)処方箋の反復利用可能に 22年度から―診療報酬改定(時事通信)処方箋の反復利用導入へ 政府、医療費の膨張抑制(日経新聞)資料 経済財政運営と改革の基本方針2021(内閣府)4.研修医の募集枠、定員上限をさらに縮小へ/厚労省厚労省は、22日に第2回医道審議会医師分科会医師臨床研修部会を開催した。これまでは国が過去の受け入れ実績などによって研修医の募集枠設定を行っていたが、地域の必要数と募集定員数との乖離が指摘されたため、昨年度に定員の設定権限を都道府県へ移譲している。臨床研修が必修化されて以降、研修医の募集定員が研修希望者の1.3倍を超える規模まで拡大したため、2010年度からは募集定員について上限を設定しているが、近年は縮小の動きがある。2020年度には約1.1倍であり、今後2025年度には約1.05倍まで縮小させる見込み。(参考)資料 都道府県による令和4年度の臨床研修病院の募集定員設定について(厚労省)資料 令和3年度都道府県別募集定員上限について(同)5.後発品医薬品メーカーの相次ぐ不祥事、改善を求める声厚労省は、22日に医薬品等行政評価・監視委員会を開催し、今年はじめに発覚した小林化工の事件をきっかけに相次ぐ後発品メーカーの行政処分について触れた。承認書で規定された内容と異なる方法で製造・出荷するなど薬機法違反により業務停止、業務改善などの処分により、数多くの後発品に欠品が生じている状況を鑑み、無通告立ち入り検査の実施などを行い、適切な品質管理体制を確保し再発防止を図ることを求めた。(参考)資料 後発医薬品等の製造管理及び品質管理について(厚労省)ジェネリック医薬品が相次ぐ欠品 持病の薬が値上げも…背景に何が?(NHK)

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統合失調症患者およびその介護者に対するCOVID-19の影響

 チリ・タラパカ大学のAlejandra Caqueo-Urizar氏らは、統合失調症患者とその介護者に対するCOVID-19パンデミックの心理社会的影響について、分析を行った。Frontiers in Psychology誌2021年11月5日号の報告。 対象は、チリ北部の都市アリカに在住する統合失調症患者120例およびその介護者(対照群)。次の3点の仮説について検討を行った。(1)患者と介護者の間でCOVID-19パンデミックの影響に関する自己報告には正の相関が認められる、(2)介護者は、パンデミックが日常生活に及ぼす影響が大きいと感じている、(3)COVID-19に感染した患者は、メンタルヘルスの改善レベルが不良で、心理的苦痛レベルが高い。これらの仮説は、相関、平均差、エフェクトサイズ(Cohen's d)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・約1年間隔離された統合失調症患者は、健康および日常生活について、介護者と同レベルの懸念を抱いていた。・介護者は、統合失調症患者と比較し、収入、懸念、雇用について有意な差が認められた。・COVID-19に感染した患者は、ウェルビーイングレベルが低く、精神的リカバリーの不良が認められた。 著者らは「本検討において、パンデミック時における統合失調症患者の介護者に対するメンタルヘルス介入の必要性が示唆された。また、COVID-19感染は、統合失調症患者のリカバリーやウェルビーイングに大きな影響を及ぼすことが示唆された」としている。

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押さえておきたいリアルタイムCGMの使用要件/日本糖尿病学会

 糖尿病診療で広く活用されてきているリアルタイム持続グルコース測定(リアルタイムCGM)。2018年12月からはリアルタイムCGMが保険適用となり、CGM機は施設基準を満たした医療機関で、適用患者も限定され使用されている。 日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎)は、2019年に発表した「『リアルタイムCGM適正使用指針』について」の内容を改訂し、12月16日に公表した。リアルタイムCGM適正使用指針の主な改訂点【2.使用できる施設】・インスリンポンプ一体型リアルタイムCGMと同様にインスリンポンプ治療を行っている施設で、糖尿病治療経験5年以上の糖尿病専門医が1名以上常勤していることに加えて、インスリンポンプ治療の経験を2年以上有する常勤の看護師や薬剤師(糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師など)が1名以上配置されている施設に限定される。・糖尿病専門医や糖尿病療養指導士、糖尿病看護認定看護師に対しては、日本糖尿病学会が行うSAPやCGMのe-learningの受講を必須。【3.適応と注意点】 ・本機器は、(1)急性発症1型または劇症1型の糖尿病患者で、低血糖対策と血糖コントロールの両立が強く求められるが就労や生活環境上の理由でインスリンポンプ一体型リアルタイムCGM(SAP)を使用できない者、(2)2型の糖尿病患者でも内因性インスリン分泌が欠乏(空腹時血清Cペプチド 0.5ng/mL未満)しており、インスリン治療を行っていても低血糖発作など重篤な有害事象がおきている血糖コントロール不安定な者が適応となる。具体的にはインスリン頻回注射またはSAP以外のインスリンポンプ治療と1日最低2回以上のSMBGを行っているが、血糖が不安定で予期せぬ低血糖や著明な高血糖を繰り返す者で、上記に示した施設基準を満たす医療機関を受診している者が適応となる。・低血糖リスクが乏しく、血糖コントロールの安定している者または医師の指導に従わず、SMBG を行わない患者等は適応外である。【4.アラートの設定閾値】(1)低グルコースのアラート低グルコースアラートを使用する場合は使い始めてしばらくは60~70mg/dLに設定する。(2)高グルコースのアラート高グルコースアラートを使用する場合は使い始めてしばらくは250~300mg/dLに設定する。(3)その他のアラート機能これらのアラ―ト機能の内容、使い方、対処法については、患者の特性を考慮して個別的に設定、説明、指導を行う。【5.アラート鳴動時の対応】1)患者・原則として、アラート鳴動後にSMBGを行い、その結果をもとに糖尿病専門医、および糖尿病療養指導士や糖尿病看護認定看護師による事前の指導に従った対応を取ることが求められる。・医師は本機器での測定結果を過信せず、SMBGで血糖値を確認することが推奨されることを患者に対して教育する必要がある。また患者によってはアラート鳴動時以外にも本機器の数値に対して過剰に反応し、ブドウ糖の摂取やインスリン追加注射などを自己判断で行ってしまう可能性もあることから、低血糖・高血糖への対応については日常的な継続指導が必要である。2)患者家族等・患者自身が対応を取ることが難しく、かつ患者家族等が患者の傍にいる場合には、患者に代わって事前の医師の指導に従って対応を行うことを指導しておく必要がある。 なお、実際の使用開始に際しては学会が作成するeラーニングの受講が必須とされているので注意を願いたい。

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イサツキシマブ、再発難治多発性骨髄腫に対する3レジメンが追加承認/サノフィ

 2021年11月、サノフィは再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療薬である抗CD38モノクローナル抗体イサツキシマブ(商品名:サークリサ)における、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法、単剤療法およびデキサメタゾン併用療法に関する承認事項一部変更を発表した。 12月17日に行われたプレスセミナーでは、日本赤十字社医療センターの鈴木 憲史氏、岡山医療センターの角南 一貴氏がイサツキシマブの各療法の承認に至った試験概要や新たな治療法への期待について講演した。イサツキシマブがIsaPdレジメンに加えて3レジメンに追加承認 多発性骨髄腫は日本における新規罹患者数は約7,700人(2018年)、死亡者数は約4,400人(2019年)、比較的高齢者に多く発症する。治療法は移植と薬物療法が中心で、複数の治療薬が承認されており、ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンのVRd療法をはじめとした多くの併用レジメンがある。薬剤の発達により予後は改善しているが、細胞遺伝学的高リスクや腎機能障害を合併などでは予後不良となるケースが多く、再発難治には患者背景に合わせた複数の治療オプションが求められていた。 今回の承認によって再発難治の多発性骨髄腫に対するイサツキシマブのレジメンは以下の4つとなった(スラッシュ以下は承認の基となった試験名)。・イサツキシマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン(IsaPd)/ICARIA-MM試験・イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾン(IsaKd)/IKEMA試験・イサツキシマブ+デキサメタゾン(Isa+d)/TED10893試験・イサツキシマブ単剤/ISLANDs試験 「多発性骨髄腫は、再発ごとに治療可能期間が減少するため、早い段階で無増悪生存期間を最大化できる戦略が求められる。また、単剤ではなかなか制御できない疾患であり、薬剤の役割分担も重要。イサツキシマブは直接的な細胞死を誘導する作用機序があり、強力かつ長い効果が期待できる。駅伝でいえば花の2区走者になれるのではないか」(鈴木氏)。 「ISLANDs試験は日本人を対象とした日本発のエビデンスであり、抗体薬単剤のレジメンは国内初で、承認も日本のみとなっている。IsaPdやIsaKdの3剤併用レジメンはそれなりに強力なので、 Isa+dと単剤療法はフレイルの患者やポマリドミド・カルフィルゾミブが使いにくい患者の選択肢になるだろう」(角南氏)。

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COVID-19退院後の血栓イベント予防に、抗凝固療法が有用/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で入院した高リスク患者において、退院後のリバーロキサバン10mg/日投与は抗凝固療法を行わない場合と比較し35日後の臨床アウトカムを改善することが、無作為化非盲検試験「MICHELLE試験」で示された。ブラジル・Science Valley Research InstituteのEduardo Ramacciotti氏らが報告した。COVID-19で入院した患者は、退院後に血栓イベントのリスクがあるが、この集団における血栓予防の効果は不明であった。Lancet誌オンライン版2021年12月15日号掲載の報告。退院時にリバーロキサバン10mg/日投与と抗凝固療法なしに無作為化、35日間追跡 研究グループは、ブラジルの14施設において、COVID-19により入院し、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが高い患者(VTE予防のための国際登録「IMPROVE」のVTEスコア≧4、または2~3でDダイマー>500ng/mL)を、退院時にリバーロキサバン10mg/日を投与する群(リバーロキサバン群)と抗凝固療法を行わない群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 有効性の主要評価項目は、35日目における症候性または致死性VTE、両側下肢静脈超音波検査およびCT肺血管造影による無症候性VTE、症候性動脈血栓塞栓症、および心血管死の複合とし、盲検下で判定した。安全性の主要評価項目は大出血。いずれもintention-to-treat解析を行った。リバーロキサバン群で血栓イベントリスクが67%低下 2020年10月8日~2021年6月29日の間に997例がスクリーニングされ、このうち適格基準を満たした320例が登録され、リバーロキサバン群(160例、50%)または対照群(160例、50%)に無作為に割り付けられた。 全例、入院中は標準用量のヘパリンによる血栓予防を行った。165例(52%)は入院中に集中治療室に入室しており、197例(62%)はIMPROVEのVTEスコアが2~3のDダイマー高値例、121例(38%)は同スコア≧4であった。2例(各群1例)は、同意を撤回したため追跡調査ができず、解析から除外された。 有効性主要評価項目の複合イベントは、リバーロキサバン群で159例中5例(3%)、対照群で159例中15例(9%)に発生し、相対リスクは0.33(95%信頼区間[CI]:0.12~0.90、p=0.0293)であった。 両群とも大出血は認められなかった。リバーロキサバン群で2例(1%)にアレルギー反応が報告された。

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モデルナワクチン2回接種、変異株ごとの有効性/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンmRNA-1273(Moderna製)の2回接種は、デルタ変異株、ミュー変異株を含む新たに出現した変異株に対して有効性を示し、とくにCOVID-19による入院に対して高い効果が認められることが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC、統合型ヘルスケアシスム)のKatia J. Bruxvoort氏らにより報告された。KPSCメンバーの接種者を対象としたtest negativeケースコントロール試験の結果で、これまでmRNA-1273ワクチンの特異的変異株に対する有効性を検討した試験はほとんどなく、今回の試験を行ったという。mRNAベースのCOVID-19ワクチンについてはデルタ変異株への有効性が低く、保護効果の減弱が報告されていた。BMJ誌2021年12月15日号掲載の報告。変異株ごとに感染および入院への有効性を評価 研究グループは、2021年3月1日~7月27日に、全ゲノムシークエンスによるSARS-CoV-2陽性検査または陰性検査を受けた成人KPSCメンバーを対象に、mRNA-1273ワクチンのSARS-CoV-2感染に対する有効性を調べ、また接種後の時間経過によるデルタ変異株への有効性を評価した。対象は、検体採取の14日以上前にmRNA-1273ワクチン2回または1回の接種者と、COVID-19ワクチン非接種者とした。 アウトカムにはSARS-CoV-2感染およびCOVID-19による入院を含み、事前規定の各変異株の解析では、年齢、性別、人種/民族、検体採取日で検査陽性例と検査陰性例を1対5の割合でマッチングし、交絡因子を補正したうえで、条件付きロジスティック回帰を用いて症例vs.対照のワクチン接種のオッズ比を算出。ワクチンの有効性は、(1-オッズ比)×100%として算出した。デルタ変異株感染への2回接種の有効性は86.7% 試験には、検査陽性8,153例(症例)が包含された。7,442例(91.3%)がワクチン非接種者で、112例(1.4%)は1回接種者であり、2回接種者は599例(7.3%)であった。また、全ゲノムシークエンスが有効であった検査陽性者は5,186例(63.6%)だった。 5,186例について変異株別にみると、デルタ変異株陽性は2,042例(39.4%)、アルファ変異株1,436例(27.7%)、イプシロン変異株590例(11.4%)、ガンマ変異株357例(6.9%)、イオタ変異株115例(2.2%)、ミュー変異株71例(1.4%)、その他575例(11.1%)であった。2回接種者では、デルタ変異株の陽性が大部分を占めていた(85.0%)。また、2回接種者では、COVID-19による入院(1.8%)はほとんどみられず、院内での死亡(0.0%)はなかった。 2回接種のワクチン有効性は、デルタ変異株の感染に対しては86.7%(95%信頼区間[CI]:84.3~88.7)、アルファ変異株に対しては98.4%(96.9~99.1)、ミュー変異株に対しては90.4%(73.9~96.5)、その他の識別された変異株に対しては96~98%であった。また、非識別の変異株(つまり、シークエンスに失敗した検体)に対しては79.9%(76.9~82.5)であった。 デルタ変異株による入院へのワクチン有効性は97.5%(95%CI:92.7~99.2)だった。デルタ変異株感染へのワクチンの有効性は、ワクチン接種後14~60日で94.1%(90.5~96.3)だったが、ワクチン接種後151~180日で80.0%(70.2~86.6)に低下していた。なお、デルタ以外の変異株では、有効性の減弱はそれほど顕著ではなかった。 デルタ変異株感染へのワクチン有効性は、65歳以上は75.2%(95%CI:59.6~84.8)で、18~64歳の87.9%(85.5~89.9)と比べて低かった。 また、デルタ変異株感染への1回接種のワクチン有効性は、77.0%(95%CI:60.7~86.5)だった。

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HER2+進行乳がん2次治療、T-DXdが脳転移例にも良好な結果(DESTINY-Breast03)/SABCS2021

 HER2陽性の切除不能または転移を有する乳がん(mBC)患者に対する2次治療として、脳転移の有無にかかわらずトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)がトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)と比較し高い有効性を示した。米国・カリフォルニア大学のSara A. Hurvitz氏がサンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS 2021)で第III相DESTINY-Breast03試験のサブグループ解析結果を発表した。 DESTINY-Breast03試験については、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2021)で中間解析結果が発表され、主要評価項目のPFS中央値は、T-Dxd群NR(95%信頼区間[CI]:18.5~NE) vs.T-DM1群6.8ヵ月(95%CI:5.6~8.2)、ハザード比(HR):0.28(95%CI:0.22~0.37、p=7.8×10-22)でT-Dxd群の有意な延長が報告されている。・対象:トラスツズマブとタキサンによる治療歴のあるHER2+mBC患者・試験群:以下の2群に1対1の割合で無作為に割り付けT-DXd群:3週間間隔で5.4mg/kg投与 261例T-DM1群:3週間間隔で3.6mg/kg投与 263例・層別化因子:ホルモン受容体の状態、ペルツズマブ治療歴、内臓転移の有無、治療ライン数(0~1、≧2)、脳転移の有無・評価項目:[主要評価項目]盲検化独立中央評価委員会(BICR)による無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]OS、BICRおよび治験実施医師評価による客観的奏効率(ORR)、BICR評価による奏効期間(DOR)、治験実施医師評価によるPFS、安全性 主な結果は以下のとおり。・データカットオフは2021年5月21日、追跡期間中央値は15.9ヵ月。・ベースライン時点で、脳転移を有する患者はT-DXd群43例(16.5%)vs. T-DM1群39例(14.8%)だった。・ホルモン受容体の状態、ペルツズマブ治療歴、内臓転移の有無、治療ライン数、脳転移の有無別のいずれのサブグループにおいても、T-DM1群と比較してT-DXd群ではPFS中央値とORRが大きく改善していた。・ベースライン時点で脳転移を有する症例でのPFS中央値はT-Dxd群15.0ヵ月(95%CI:12.5~22.2) vs.T-DM1群3.0ヵ月(95%CI:2.8~5.8)、HR:0.25(95%CI:0.13~0.45)。脳転移のない症例でのPFS中央値はNE(95%CI:22.2~NE)vs. 7.1ヵ月(95%CI:5.6~9.7)、HR:0.30(95%CI:0.22~0.40)だった。・ベースライン時点で脳転移を有する症例でのORRはT-Dxd群67.4% vs.T-DM1群20.5%。CRは4.7% vs.0%、PRは62.8% vs.20.5%。脳転移のない症例でのORRは82.1% vs. 36.6%。CRは18.3% vs.10.3%、PRは63.8% vs.26.3%だった。・ベースライン時点で脳転移を有する症例での頭蓋内奏効は、CRがT-Dxd群27.8% vs. T-DM1群2.8%、PRは36.1% vs.30.6%だった。・中間解析において治療中止に関連した有害事象としてT-Dxd群で最も多かったのはILD/肺炎であったが、Grade4以上の報告はなく、またアジア人サブグループと非アジア人サブグループの間で差は認められなかった(10.9% vs.10.0%)。

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経口コロナ治療薬モルヌピラビルを特例承認/厚労省

 厚生労働省は12月24日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する経口抗ウイルス薬モルヌピラビル(商品名:ラゲブリオカプセル200mg)について、国内における販売を特例承認した。日本における申請者はMSD。重症化リスク因子を有し、軽症~中等症の入院していない18歳以上の患者が投与対象となる。ただし、動物実験において胎児毒性が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある女性には投与しない旨が、モルヌピラビルの添付文書に「禁忌」として明記されている。モルヌピラビルは11月10日、メルクと日本政府との間で約160万回分を提供することですでに合意しており、今回の承認を受け、速やかに提供が開始される見通しだ。新型コロナに特化した経口治療薬の承認はモルヌピラビルが初めてとなる。モルヌピラビルを巡って各国の対応は分かれる モルヌピラビルは、経口投与が可能な強力なリボヌクレオシドアナログで、SARS-CoV-2を含むさまざまなRNAウイルスの複製を阻害する。SARS-CoV-2の予防投与、治療、感染防止などのいくつかの前臨床モデル、またSARS-CoV-1、MERSに対する活性が認められている。 モルヌピラビルを巡っては、12月23日付で米FDAが緊急使用を許可した一方、フランスでは臨床試験の結果に鑑み、政府が購入見送りを決めるなど、判断が分かれている。<製品概要>販売名:ラゲブリオカプセル200mg一般名:モルヌピラビル効能又は効果: SARS-CoV-2 による感染症用法及び用量: 通常、18歳以上の患者には、モルヌピラビルとして1回800mgを1日2回、5日間経口投与する。

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コロナに感染してもワクチン接種していると、コロナ入院リスクも重症化リスクも死亡リスクも低い(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による第5波の後、日本では感染者は激減して、多くの医療機関では今後押し寄せるだろう第6波に向けて、粛々と感染対策の見直しやコロナワクチンのブースター接種の業務を進めていることだろう。日本では水際対策が功を奏しているからかどうかはわからないが、世界で話題になっているSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統、通称オミクロン株の大きな流行は12月中旬現在では認められていない。ただし米国の一部の地域や英国などでは冬になりオミクロン株が猛威を振るっている状況であり、日本でも感染対策の手を緩め過ぎることのないようにされたい。 ファイザー製コロナワクチンBNT162b2の効果としては、最初に95%の発症予防効果(Polack FP, et al. N Engl J Med. 2020;383:2603-2615.)が示された。その後もリアルワールドデータが数多く報告され、感染予防効果率:92%、重症化予防効果率:92%、入院予防効果率:87%(Dagan N, et al. N Engl J Med. 2021;384:1412-1423.)と多くの臨床的有用性がすでに判明している。さらに12~15歳の若年者での報告においては、BNT162b2コロナワクチンを2回接種後にCOVID-19を発症した症例は1例も認めないという高い有効性や安全性も示されている(Frenck RW Jr, et al. N Engl J Med. 2021;385:239-250.)。このような高い有効性を示す新型コロナワクチンであるが、本邦では12月中旬に1回目のワクチン接種完了者が1億人を超え、2回目接種完了者も約9,800万人と、国民の78%がワクチンで守られていることも、現在日本でコロナの状況が落ち着いている1つの要因であろうと考えられる。 ワクチン接種完了者における新規感染を、ワクチン接種を突破して発生した感染であることから「ブレークスルー感染」と一般的に呼称している。ブレークスルー感染を惹起したウイルスの種類は、その国や地域のその時点で流行している背景ウイルスに規定される(山口,田中. CareNet論評-1422)。2020年12月から2021年4月に米国でワクチン接種群と非接種群を比較した研究(Thompson MG, et al. N Engl J Med. 2021;385:320-329.)では、(1)ワクチン2回接種群の感染予防効果は91%(ファイザー製コロナワクチンBNT162b2:93%、モデルナ製コロナワクチンmRNA-1273:82%)、(2)ワクチン接種後のブレークスルー感染におけるウイルスRNA量はワクチン非接種群の感染と比較して40%低く、ウイルス検出期間はワクチン非接種群より66%低下したことが示され、以前の論評で取り上げた。これらの結果からワクチン接種群では、ブレークスルー感染を起こした場合においてもウイルスの病原性はワクチン非接種群よりも低く抑えられ、ワクチン接種の重要な効果の1つと考えている。 また、最近まで世界を席巻していたデルタ株によるブレークスルー感染については、米国CDCが詳細に報告(MMWR 2021;70:1170-1176., MMWR 2021;70:1059-1062.)している。デルタ株に起因するブレークスルー感染の発生率は10万人当たり63.8人(0.06%)、入院率は10万人当たり1人(0.001%)と報告されており、ワクチン未接種者でのそれぞれ0.32%、0.03%と比較して有意に少ないことが示された。 2021年11月に南アフリカでオミクロン株(B.1.1.529系統)が検出され、WHOでも日本でも新しい懸念すべき変異株VOC(variant of concern)として位置付けている。オミクロン株に対するデータはまだ限られているが、ファイザー製コロナワクチンBNT162b2のオミクロン株におけるコロナ発症予防効果が英国から報告(UKHSA publications gateway number GOV-10645.)されている。コロナワクチン接種後24週間後にはワクチンによるコロナ発症予防効果がデルタ株においては約60%程度まで低下してしまうが、オミクロン株では約40%程度にまでさらに低下してしまうことが示されている。ただし、ワクチンのブースター接種によりオミクロン株であったとしても約80%にまで回復していることや、まだ少数例での報告のため今後の大規模な報告や実臨床での検討が待たれるところである。 今回取り上げたTenfordeらが報告した論文は、2021年3月11日~8月15日までに米国21施設で入院した4,513例を解析の対象とした症例コントロール研究である。4,513例中新型コロナ感染で入院した1,983例と他の診断で入院した2,530例が比較検討されているが、コロナ入院症例中84.2%に当たる1,669例が新型コロナワクチン未接種者であった。コロナによる入院はワクチン未接種と有意な関連(補正後オッズ比:0.15)があり、アルファ株であろうがデルタ株であろうが同様の結果であった。また3月14日~7月14日に登録された1,197例においては、28日までの死亡や人工呼吸器管理は、ワクチン接種者の12.0%に比べワクチン未接種者が24.7%と有意な関連(補正後オッズ比:0.33)があり、死亡に限ってもワクチン接種者は6.3%であるのに比べ、未接種者は8.6%と有意に関連(補正後オッズ比:0.41)があった。また本研究では退院までの日数もカプランマイヤー曲線で示されており、免疫抑制状態の症例であろうがなかろうが、高齢者であろうがなかろうが、ワクチン接種群が非接種群に比べて有意に早く回復し退院できていることも重要な結果であろうと考える。 本研究の解析は、ワクチン接種率が37.7%にとどまっている時点での報告である。コロナ感染群におけるワクチン接種済みの症例のブレークスルー感染に該当する症例は、65歳以上の高齢者、心疾患や肺疾患、免疫抑制状態の症例が多く含まれており、逆にコロナ感染者でワクチン未接種者は若年者や基礎疾患のない症例が多く含まれ、ワクチン接種群と未接種群のコロナ感染の比較をしても大きく患者背景が異なっていることを考えて解釈すべきだろう。解析では入院日の違い、年齢や性別、人種差などに関してはロジスティック回帰モデルの要素として取り上げられているが、心臓や肺の基礎疾患を併存する症例に関しては考慮されていない。ワクチン接種したコロナ感染群では心疾患を併存している症例が75.2%含まれているのに対し、ワクチン未接種のコロナ感染群では心疾患を持つ症例が48.8%にとどまっている。一般的なコロナ重症化因子として考えられている心疾患や肺疾患が多く含まれている集団なのにもかかわらず、コロナワクチンを接種していると、重症化リスクの少ない集団でのコロナ感染よりもコロナによる入院・重症化・死亡リスクが少ないということは特筆すべき結果と捉えることができる。 今回の解析はすべて入院症例のデータであり、入院を必要としない軽症者には当てはめることができない。またサンプルサイズの関係で、ワクチンの種類ごとの解析や変異ウイルス別での層別化は困難であることはTenfordeらも懸念しているところである。 現在、日本にも押し寄せるだろうオミクロン株を迎え撃つために、粛々と世の中のワクチン未接種者に対してワクチンの正しい理解を深めるような啓発活動を続けつつ、医療者のブースター接種も進めている状況である。今回ワクチンで守られていない症例群が重症化や死亡リスクに深く関わっていることを勉強したが、今後、オミクロン株に対してもワクチン未接種の危険性やブレークスルー感染での重症度や死亡リスクなどが明らかになると、さらに有効なコロナ対策ができうるものと想像している。

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奈良公園のシカ外傷49例の検討【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第200回

奈良公園のシカ外傷49例の検討ぱくたそより使用奈良公園の近くにある会場で学会があったとき、ついでに奈良公園に立ち寄ることがあります。シカせんべいを買ったらシカが突進してくるので、私は買わないようにしています。川口竜助, 他.奈良公園の鹿が関係した外傷症例49例の検討:記述疫学研究.日救急医会誌2021; 32: 543-548.奈良公園には約1,200頭の野生のニホンジカがいるそうです。そんなにいたんだ……。一応、街中にいるんですけど、あれは野生なんですね。この論文の考察にも餌付けされているが「野生」と断言されていました。文明慣れしているのか、横断歩道の赤信号を待っているシカもいますよね。2014年1月1日~2018年12月31日の5年間に、奈良公園とその周辺に生息するシカが関連した外傷の救急搬送例を49例(男性18例、女性31例)集めて、まとめたのがこの報告です。驚くべきことに、5年間で搬送例が3.6倍と急増していることがわかりました。全体の86%が旅行者で、奈良市の居住者は少なかったそうです。やはりこれは、生活の慣れというやつでしょうか。角による外傷が多かったですが、シカを避けようとしたりして接触せずに倒れて搬送された症例が、全体の3分の1を占めました。シカせんべいによる外傷なら咬傷が多いのではと思いましたが、咬傷例は4%とマイノリティでした。シカせんべいを与える際、じらす行為をスマホで撮影するなどの行為が増えており、それによってシカ外傷のリスクは高くなると思います。症例が集まれば、独立リスク因子かどうか検討していただきたいところですね。小児の非接触外傷が多くを占めていたため、シカが近付いても慌てず動かないでね、と教えることが重要だそうです。でも、シカがノッシノッシ近付いてきたら、子どもはやっぱり逃げちゃいますよね!

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コロナ最前線のナースの記録【Dr.倉原の“俺の本棚”】第49回

【第49回】コロナ最前線のナースの記録Dr.倉原の“俺の本棚”と書いておきながら、自分の書籍を宣伝するしたたかさ!これじゃあ「俺の本棚」ではなく「俺の本だぜ」になってしまいますね。ケアネット編集長、すいません!『新型コロナ病棟ナース戦記 最前線の現場で起きていたこと』倉原 優/著. メディカ出版. 2021年12月発売いや、これにはワケがあってですね。この本、そもそも私が主人公ではないんですよ。コロナ病棟の最前線にいたのって、私たち医師よりも看護師のほうが多かったんですが、彼ら・彼女らに光が当たらないのをコロナ禍でずーっと見てきたので、どうにか看護職のすばらしさを世に伝える本を出したくて、この本を執筆したわけです。これほどコロナ禍が長く続くなんて、2020年1月には予想すらしていませんでした。長くても1年くらいじゃないかと思っていました。2021年夏頃から、SNSも含め全国津々浦々120人の看護師からヒアリングを行いました。ほとんどがメールかZoomでしたが、15分程度の短いヒアリングでよいですとお伝えしても、やめられない止まらない、1時間話し続けた看護師もいました。抱腹絶倒エピソードから、号泣感動秘話までてんこ盛りに詰め込んだ53コラム、約200ページの力作です。歌舞伎町周辺の夜の街関連の新型コロナでは、「ちょマジかよ」というエピソードもあったのですが、出版規制がかかるレベルで、ボツネタになった話もありました。コロナ病棟では個人防護具(PPE)を着けているから誰が誰だかわからず、先輩に「こっちきてよ」とタメ口で話し掛けてしまった看護師。病棟から棺桶を出すときに、荷物から家族の写真が出てきて「ああ、こんな家族がいたんだな」と涙がこぼれる看護師。笑いと涙がたくさん詰まった1冊になっています。この先、変異ウイルスがどのくらい世界を苦しめるのかはわかりませんが、コロナ禍で汗を流しながら頑張ったすべての看護師に、この本を送りたいと思います。『新型コロナ病棟ナース戦記 最前線の現場で起きていたこと』倉原 優 /著.出版社名メディカ出版定価本体1,800円+税サイズA5判刊行年2021年

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譲れない条件は? 案件探しは「婚活」だ!【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第32回

第32回 譲れない条件は? 案件探しは「婚活」だ!漫画・イラスト:かたぎりもとこ私たちが医業承継での開業を希望される方に必ずする質問があります。それは「何年後に開業する予定ですか?」というものです。結果論ですが、返答が「1年以内」など具体的な年数で回答する方は承継開業に成功し、「良い案件が見つかり次第」と回答する方は結局、承継開業をしない傾向があります。「良い案件が見つかり次第」と回答する方に「良い案件」の定義を確認していくと、めったに出てこない、理想が高過ぎる条件になっているケースがほとんどです。たとえば、こんな感じです。人気の開業エリアに位置しており売上が高い(年間1億円以上)利益が出ている(役員報酬4,000万円が見込める)売り主が長期間引き継ぎを支援してくれる1年後に引き継げる(自分の退職可能時期を前提に)割安(1,500万円で買いたい)このような条件は、弊社でも過去に1件も目にしたことがありません。つまり、現実には存在しない案件なのです。話し合い可能な方であれば、上記のような事実をお伝えしたうえで「妥協できる点」をディスカッションします。一方で事実を認めようとせず、条件を変えることなく案件を探し続ける方もいるのです。冒頭で紹介した「具体的な年数」で回答する方は、ほとんどがこの「妥協できる点」をすでにクリアにされています。言い換えるならば、「これだけは譲れない」という条件を数個に絞っており、目標よりも開業時期を延ばすことは機会損失となる(今開業しなければ、今後はどんどんできなくなる)という事実をよく理解されているのです。「承継は結婚ととてもよく似ている」とこのコラムでは繰り返しお伝えしてきましたが、案件探しは「婚活」によく似ています。自分の譲れない条件を絞り込み、あとは妥協して目標の時期までに成立させる…。基本は同じなのです。

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