サイト内検索|page:612

検索結果 合計:35647件 表示位置:12221 - 12240

12221.

朝の光が認知症高齢者の睡眠障害改善に及ぼす影響

 睡眠障害や概日リズムを改善するためには、光療法が効果的であるといわれている。台湾・国立陽明交通大学のChuen-Ru Liu氏らは、睡眠障害や概日リズムの改善には、一般的な照明よりも朝の明るい周囲光への曝露がより効果的であるとの仮説を立て、認知症高齢者のための新たな照射介入モデルの検討を試みた。Sleep Medicine誌オンライン版2021年10月21日号の報告。 本検討では、単盲検縦断グループ実験デザインを用いた。認知症患者は、コミュニティおよびナーシングホームより募集した。実験グループには、2,500ルクスの周囲光を、対照グループには114~307ルクスを用いた。睡眠障害および概日リズムの測定には、加速度計(XA-5)を用いた。効果反応までの時間を測定するため、縦断実験計画法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・ベンゾジアゼピンの使用と日中の総活動量の共変量を分析するため、一般化推定方程式を用いた。・実験グループでは、5週目と9週目において以下の有意な改善が認められた。 ●睡眠効率の平均増加(5週目:41.9%[p<0.001]、9週目:31.7%[p=0.002]) ●睡眠時間の増加(5週目:141分[p=0.001]、9週目:135分[p=0.008]) ●覚醒時間の減少(5週目:116分[p=0.001]、9週目:108分[p=0.002]) ●入眠開始の改善/睡眠終了の遅延(入眠開始の改善:60~84分、睡眠終了の遅延:57~79分)・4週間の明るい周囲光による介入が、最も効果的であった。 著者らは「朝の明るい周囲光は、睡眠障害の改善に有用であり、概日リズムを安定させることにより、より良い結果をもたらすと考えられる」としている。

12222.

遺伝子操作したブタの心臓をヒトに移植、米国で世界初

 米国・メリーランド大学医学部は1月10日付のリリースで、重度の心疾患を有する男性患者(57歳)に、遺伝子操作したブタの心臓を世界で初めて移植したと発表した。移植手術は7日に実施され、術後3日時点における患者の経過は順調という。今後、数週間にわたって慎重に経過観察される。今回の執刀医を務めたBartley Griffith氏は、「この画期的な手術は、臓器不足の危機の解決に一歩近づくものだ」と述べ、前例のない試みに対する手応えを示した。 リリースによると、男性患者は6週間前に不整脈で入院し、ECMOを使用していた。いくつかの主要な移植センターで、従来の心臓移植は不適応と見なされ、不整脈のため人工心臓も装着できなかった。ブタの心臓移植は、患者にとって唯一の治療の手段だったという。こうした経緯を踏まえ、米国食品医薬品局(FDA)が昨年12月31日、コンパッショネート・ユース制度(人道的使用)により移植手術を承認した。この制度は、深刻な身体障害や生命を脅かす病状に直面している患者が、利用できる唯一の選択肢である場合に特例的に使用が許可されるものだ。 今回の移植手術に当たり、バージニア州に本拠を置く再生医療会社であるRevivicorが、遺伝子組み換えブタを提供した。提供臓器は、XVIVO社(スウェーデン)が開発した還流装置を使って保護された。一方、外科チームは、異種移植による拒絶反応を防ぐために、米国のバイオ医薬品メーカーKiniksa Pharmaceuticals社製の新薬を使用した。 心臓の異種移植を巡っては、1980年代に初めて試みられた。1983年にヒヒの心臓を移植された幼児は、手術から1ヵ月以内に死亡した。しかし近年では、ウシやブタの心臓弁を、ヒトへの移植に使用することがすでに定着している。2021年9月と11月には、米国・ニューヨーク大学ランゴーン医療センターにおいて、遺伝子操作されたブタの腎臓の移植に成功している。

12223.

切除不能悪性黒色腫の1次治療、relatlimab・ニボルマブ併用が有効/NEJM

 未治療の転移のあるまたは切除不能の悪性黒色腫患者の治療において、2つの免疫チェックポイント阻害薬relatlimab(抗リンパ球活性化遺伝子3[LAG-3]抗体)とニボルマブ(抗プログラム細胞死1[PD-1]抗体)の併用は、標準治療であるニボルマブ単剤と比較して、無増悪生存期間を有意に延長し、併用による新たな安全性への懸念は認められないことが、米国・テキサス大学MD AndersonがんセンターのHussein A. Tawbi氏らが実施した「RELATIVITY-047試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年1月6日号で報告された。国際的な無作為化第II/III相試験 研究グループは、未治療の転移のあるまたは切除不能の悪性黒色腫における、relatlimabとニボルマブの併用によるLAG-3とPD-1の阻害の有効性と安全性を評価する目的で、二重盲検無作為化第II/III相試験を行った(Bristol Myers Squibbの助成による)。本試験には、北米、中米、南米、欧州、オーストラリア、ニュージーランドの111施設が参加し、2018年5月~2020年12月の期間に患者の登録が行われた。 対象は、年齢12歳以上、StageIII/IVの切除不能の悪性黒色腫で、腫瘍組織の評価でLAG-3とPD-L1の発現が認められ、治療歴のない患者であった。術後または術前治療として、PD-1阻害薬、CTLA-4阻害薬、BRAF阻害薬、MEK阻害薬、BRAF阻害薬+MEK阻害薬併用の投与を受けた患者は、再発の6ヵ月以上前に治療を終了している場合、インターフェロンの投与を受けた患者は、最終投与が無作為化の6週間以上前の場合に、対象に含まれた。 被験者は、固定用量のrelatlimab(160mg)+ニボルマブ(480mg)またはニボルマブ(480mg)単剤を、4週ごとに60分間で静脈内投与する群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、無増悪生存期間(無作為化の日から病勢進行または死亡の日までの期間)とされ、独立の中央判定委員会が盲検下に評価した。無増悪生存期間が約2倍に、リスクは25%減少 714例(年齢中央値63.0歳[範囲:20~94]、女性298例[41.7%])が登録され、relatlimab+ニボルマブ併用群に355例、ニボルマブ単剤群に359例が割り付けられた。データベースのロックの時点(2021年3月9日)で、追跡期間中央値は13.2ヵ月であった。治療中止の割合は65.8%(併用群66.8%、単剤群64.9%)で、最も多い中止の理由は病勢進行(36.3%、46.0%)だった。 無増悪生存期間中央値は、併用群が10.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.4~15.7)と、単剤群の4.6ヵ月(3.4~5.6)に比べ有意に延長した(ハザード比[HR]:0.75、95%CI:0.62~0.92、p=0.006[log-rank検定])。また、12ヵ月時の無増悪生存率は、併用群が47.7%(95%CI:41.8~53.2)、単剤群は36.0%(30.5~41.6)であった。 主なサブグループのすべてで、無増悪生存期間中央値は併用群のほうが良好であった。LAG-3発現率が≧1%の患者では、無増悪生存期間中央値は併用群で有意に優れ(12.58ヵ月vs.4.76ヵ月、HR:0.75、95%CI:0.59~0.95)、LAG-3発現率<1%の患者では併用群で良好な傾向がみられたものの有意差はなかった(4.83ヵ月vs.2.79ヵ月、0.78、0.54~1.15)。 Grade 3/4の治療関連有害事象は、併用群が18.9%、単剤群は9.7%で発現した。併用群で最も頻度の高いGrade 3/4の治療関連有害事象は、リパーゼ値上昇(1.7%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ値上昇(1.4%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ値上昇(1.4%)、疲労(1.1%)であった。治療中止の原因となった治療関連有害事象は、併用群が14.6%、単剤群は6.7%で認められた。 死亡例は、併用群が3例(0.8%、血球貪食性リンパ組織球症、急性肺水腫、肺臓炎)、単剤群は2例(0.6%、敗血症/心筋炎、肺炎)であり、いずれも担当医によって治療関連死と判定された。併用群で最も頻度の高い免疫関連有害事象は、甲状腺機能低下症/甲状腺炎(18.0%)、皮疹(9.3%)、下痢/大腸炎(6.8%)だった。併用群の1.7%で心筋炎が発現したが、全例が完全に回復した。 著者は、「併用群では、無増悪生存期間中央値の延長に伴って有害事象がわずかに増加したが、健康関連QOLは両群で同程度であった」とし、「本試験の結果は、悪性黒色腫患者における、PD-1とともにLAG-3を遮断する治療の妥当性を示しており、LAG-3はPD-1とCTLA-4に続く、臨床的有益性をもたらす第3の免疫チェックポイント経路として確立されたと考えられる」としている。

12224.

新型コロナウイルス感染におけるDOACの意味:ランダム化比較試験か観察研究か?(解説:後藤信哉氏)

 観察研究にて、新型コロナウイルス感染による入院中の血栓イベント予防におけるDOACの価値は限定的とされた。血栓イベントリスクは退院後も高いと想定される。退院後の低分子ヘパリンの継続の根拠も確立されていない。本研究ではVTE risk 2~3以上、あるはD-dimer 500以上の症例を対象として抗凝固療法なしと1日10mgのrivaroxabanを比較するオープンラベルのランダム化比較試験である。退院後の抗凝固薬として標準治療は確立されていない。しかし、無治療と10mg rivaroxabanの比較試験の施行根拠を明確に説明することも難しい。本研究はブラジルの14の施設にて施行された。 一般的にランダム化比較試験は仮説検証試験として施行される。本研究は1国の、比較的少数(n=320)の仮説を生み出す研究である。血栓イベントリスクの高い症例が選択されているが、抗血栓薬なしの症例群でも退院後35日以内の血栓イベント発現率は9%(160例中15例)であった。この値には価値があると思う。今まで真剣に考えていなかったが、新型コロナウイルス感染の症例では退院後も油断はできない。血栓イベントリスクを評価して適切な対応が必要である。 さて、本試験では10mg/日のrivaroxabanと比較された。rivaroxaban群の血栓イベントは3%(159例中3例)と対象群よりも低かった。両群の出血イベントには差がなかった。 本研究成果を見て皆さんはどう考えるだろうか? ランダム化比較試験であるため実験的研究である。研究に必要な費用はrivaroxabanメーカーであるBayer社が負担している。オープンラベルの本研究の成果により新型コロナウイルスによる入院後の血栓リスクの高い症例の血栓イベント予防の適応にてrivaroxabanを承認するのは難しいと思われる。 ランダム化比較試験は標準治療の転換に用いられる。標準治療の転換を目指すランダム化比較試験でもボランティアは自らリスクをとって参加することになる。試験の結果に応じて次世代の標準治療が転換される。医師・患者のみならず企業、規制当局も国際共同ランダム化比較試験による科学的根拠が標準治療の転換に必要と考えている。筆者は、本研究はランダム化比較試験とするよりも新型コロナウイルス感染後の血栓イベントリスクの高い症例の観察研究でよかったと思う。観察研究では企業の資金を得られなかったかもしれない。前向き国際共同観察研究にて、新型コロナウイルス感染後の血栓イベントリスクの高い症例の血栓イベントが10%程度あることを確認し、その後に薬剤介入の効果を検証するランダム化比較試験ができればよかった。本研究には価値はあるが、筆者は被験者にはなりたくないと思ってしまう研究であった。

12225.

第85回 オミクロン株の濃厚接触者、待機期間10日に短縮/厚労省

<先週の動き>1.オミクロン株の濃厚接触者、待機期間10日に短縮/厚労省2.COVID-19入院・死亡リスク89%減、経口薬パクスロビドを承認申請3.令和2年度の救急車出動件数が減少、大きく減少したのは?4.令和4年度の診療報酬改定について諮問/厚労省5.2020年度の保険医療機関の指定取り消し19件、前年から微減6.東京大学で刺傷事件、逮捕されたのは医学部志望の高校生1.オミクロン株の濃厚接触者、待機期間10日に短縮/厚労省政府は14日に、新型コロナウイルス「オミクロン型」の濃厚接触者における待機期間を、現在の14日間から10日間に短縮すると決め、通知を出した。医療従事者などについては、待機6日目のPCR検査が陰性であれば待機を解除することも可能としている。これにより、エッセンシャルワーカーの感染増によって社会機能が低下するのを防ぐ。海外でも同様に、オミクロン株の潜伏期間が短い点から、アメリカでは感染者の隔離期間を10日間から最短5日間に変更しており、濃厚接触者でもワクチン接種を3回受けていて無症状ならば隔離を不要としている。(参考)濃厚接触者の待機期間短縮など 全国の自治体に通知 厚生労働省(NHK)新型コロナ 6日目陰性、待機解除 警察・消防・介護などの濃厚接触者(毎日新聞)濃厚接触者の待機、10日に短縮 米英より制限厳しく(日経新聞)新型コロナウイルス感染症の感染急拡大が確認された場合の対応について(厚労省 事務連絡 令和4年1月14日一部改正)2.COVID-19入院・死亡リスク89%減、経口薬パクスロビドを承認申請ファイザーは14日、COVID-19に対する経口抗ウイルス薬候補「PF-07321332/リトナビル錠(商品名:パクスロビド)」の製造販売承認を厚労省に申請した。今回の申請は特例承認を目指し、日本人も参加している国際共同第II/III相EPIC-HR試験の結果に基づいている。同試験では、外来治療の対象となる重症化リスクの高いCOVID-19患者において、本剤が入院または死亡のリスクをプラセボと比較して89%(症状発現から3日以内の服用)および88%(同5日以内)減少させることが示された。また、有害事象の発現割合は本剤とプラセボで同程度(23%vs.24%)だった。承認が得られた場合、200万人分の治療薬を供給することを日本政府と合意している。(参考)新型コロナ ファイザー、飲み薬申請 「パクスロビド」 承認なら2例目(毎日新聞)ファイザー、コロナ飲み薬を承認申請 来月にも国内承認(日経新聞)3.令和2年度の救急車出動件数が減少、大きく減少したのは?消防庁は「令和3年版 救急・救助の現況」を発表した。昨年度の救急出動件数(消防防災ヘリコプターを含む)は593万5,694件(対前年比10.6%減)で、搬送人員は529万5,727人(同11.4%減)だったことを明らかにした。うちほとんどを救急自動車による救急出動が占める。救急自動車による救急出動件数の内訳を事故種別ごとにみると、急病が64.9%(前年65.3%)、一般負傷が16.0%(同15.3%)、交通事故が6.2%(同6.5%)などとなった。前年と比較すると、軽症(外来診療)が大きく減少したとされる。救急出動件数・搬送人員ともに12年ぶりに減少していた一方で、現場到着所要時間は全国平均で約8.9分(前年比+0.2分)、病院収容所要時間(入電から医師引継ぎまでに要した時間)は約40.6分(前年比+1.1分)と延伸していた。(参考)救急車搬送人員、前年比で68万4,178人減 総務省消防庁総務省消防庁が「救急・救助の現況」公表(CBnewsマネジメント)4.令和4年度の診療報酬改定について諮問/厚労省厚労省は2022年度診療報酬改定に向けて、「議論の整理案」を12日の中医協総会で提出し、14日に出した修正版が了承された。これに対しては21日まで意見募集を行い、公聴会をオンラインで開く予定。中には、急性期病床の「医療・重症度・看護必要度」の心電図モニターの項目など、詳細が決まっていないものもあり、今後変更される可能性がある。(参考)22年度診療報酬改定を諮問、厚労相「議論の整理」了承、21日まで意見募集(CBnewsマネジメント)2022年度改定の項目固まる!急性期一般1の新加算、看護必要度、かかりつけ医機能評価などの行方は?―中医協総会(1)(Gem Med)令和4年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(厚労省)5.2020年度の保険医療機関の指定取り消し19件、前年から微減厚労省は13日、「令和2年度における保険医療機関等の指導・監査等の実施状況について」を公表した。コロナウイルスの感染拡大のため、指導・監査の件数は大幅減少したものの、保険医療機関の指定取り消しなどは19件と前年度の21件から微減にとどまり、指定取り消しの原因の内訳(架空請求、付増請求、振替請求、二重請求など)に大きな変化はなかった。厚労省は、個別指導、新規個別指導、適時調査の実施を見合わせており、実施件数は大幅に減少しているが、21年度の個別指導などは状況を見ながら実施しているという。(参考)保険医療機関の指定取り消し、20年度も例年並み 厚労省、コロナ対応で集団的個別指導はゼロ(CBnewsマネジメント)コロナ禍で指導・監査の件数は大幅減少したが、保険指定取り消し等に大きな変化なし―2020年度指導・監査実施状況(Gem Med)6.東京大学で刺傷事件、逮捕されたのは医学部志望の高校生15日、大学入学共通テストの受験生が集まる東京大学において、医学部進学を希望する高校2年生が、会場にいた高校生の男女2人と成人男性の背中を相次いで切り付けたとして殺人未遂容疑で逮捕された。医学部進学実績で有名な名古屋の私立高校に通う17歳の少年で、前日から自宅に戻らないと両親が警察に捜索願を出していた。犯行前、東京メトロ・南北線の東大前駅の複数箇所でぼや騒ぎが発生しており、少年は刃渡り12センチの包丁、ナイフ、折り畳み式ののこぎり、着火剤、可燃性の液体を所持していたという。本人は容疑を認めており、「医者になるために東大を目指して勉強を続けてきたが、1年ぐらい前から成績が上がらず自信をなくしてしまった」と学業不振を悩んでの犯行をほのめかしている。(参考)《東大刺傷》「俺は東大を受験するんだ!」凶行に及んだ男子生徒(17)は医学部進学実績全国No.1の超エリート男子校生だった(文春オンライン)「人殺して切腹しようと考えた」名古屋の17歳少年を現行犯逮捕 東大前で受験生ら刺傷事件 包丁、ナイフ、のこぎりも所持(東京新聞)東大前刺傷で逮捕の少年、直前にメトロ車内で放火図る…「うまくいかなかった」(読売新聞)

12226.

日本のワクチン史を変えた煉獄さん【Dr.倉原の“俺の本棚”】第50回

【第50回】日本のワクチン史を変えた煉獄さん著者の木下 喬弘先生は、”手を洗う救急医Taka”というTwitterアカウントで有名な人です。AbemaTVに出たり、議員と会ったり、いろいろな活動をされているので、目にしたことがある人も多いはずです。彼は、「こびナビ」と「みんパピ!」の副代表をされていますが、ここ最近の目標には、新型コロナワクチンの情報を適切に正しく国民に伝えること、そしてHPVワクチンの積極的勧奨の再開を進めること、がありました。後者については、「みんパピ!」の尽力もあって、本当に勧奨が再開されることになりました。政府を動かすってすごい話ですよ、みなさん。『みんなで知ろう! 新型コロナワクチンとHPVワクチンの大切な話』木下 喬弘/著. ワニブックス. 2021年11月発売Taka先生は、とにかく行動力と発言力の炎上力の塊のような人で、私には持っていないものばかりを持っているカリスマ性があります。昔はよくSNSで炎上していましたが、炎上した炎を体にまとって煉獄 杏寿郎ばりに「俺の責務を全うする!」と言いながら強くなっちゃいますから、結構無敵です。この本は、帯以外には炎は出てきませんので、落ち着いて読めます。さすがTaka先生、国民にわかりやすく丁寧な文章で書いてくれています。また、決してエビデンスを押し付けた感じにならず、ワクチンの歴史を踏まえ、どのように今後みなさんに理解してもらうかまでの戦略が細かく書かれてあります。個人的には、HPVワクチンの積極的勧奨に際し、ワクチン接種後に車いす生活になった女性の手紙を掲載しているのが心に刺さりました。数年、数十年経って、あのときワクチン事情ってこうだったんだよ、という振り返りにも役立ちそうな1冊です。『みんなで知ろう! 新型コロナワクチンとHPVワクチンの大切な話』木下 喬弘 /著.出版社名ワニブックス定価本体1,300円+税サイズ四六判刊行年2021年

12227.

N95マスク、医療従事者が知っておきたいこと

 オミクロン株の急拡大が進み、早くも医療現場の逼迫が見えている中、マスクは最も重要な個人防護具の1つである。わが国では、マスクの品質管理の一環として、日本産業規格(JIS)が2021年6月に制定された。しかし、適切な基準を満たさない製品も多く流通していることが懸念され、医療機関それぞれが対策しなければならない。そこで、N95マスクについて医療従事者が知っておくべき基本事項をまとめた。N95マスクの「N95」とは米国の防塵マスクの規格 国立感染症研究所が作成した「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理(2020年6月2日改訂版)」では、N95マスクはエアロゾルが発生する可能性のある手技(気道吸引、気管内挿管、下気道検体採取等)を行う際に装着し、使用に際しては、事前のフィットテストと着用時のシールチェックが推奨されている。正しい着用方法はN95マスクを開発したスリーエム(3M)作成の「医療従事者のためのN95マスク適正使用ガイド」が参考になる。 なお、N95マスクの「N95」とは、米国の労働安全衛生研究所で定められた防塵マスクの規格(NIOSH-42CFR84)だが、わが国では以下に示す他規格の製品についても、品質を確認し問題がなければN95マスクと同等に扱うとされている。・DS2(日本規格:厚労省2018)※労働安全衛生法に基づく防塵マスクの性能規格・FFP2、FFP3(欧州規格:EN149-2001)・KN95(中国規格:GB2626-2006) ただし、海外のN95マスクはFDAで緊急使用承認を受けたものに限られる。また、DS2マスクは、患者の血液や体液等が浸透する恐れのある手術や処置を行う場合には使用できない(検体採取は該当しないので使用可)。 安全なマスク製品かどうかの確認方法については、医療用感染防護具の適正使用を支援する一般社団法人 職業感染制御研究会が「KN95等の不良品マスクを見分ける方法」を公開している。同会ホームページでは、フィットテストの解説動画やマスクの再利用、サージカルマスクの規格基準などについても、網羅的に情報提供している。 マスクの国際規格について、3Mの技術情報によると、韓国の規格「KF94(KMOEL-2017-64)」や、オーストラリア・ニュージーランドの規格「P2(AS/NZA 1716:2012)」などもN95マスクに近い性能を持つとされるが、わが国の資料には記載されていない。

12228.

双極性障害の自殺死亡率に対する性別固有のリスクプロファイル

 双極性障害患者の自殺リスクに対する性差および併存疾患の影響についてのエビデンスは十分ではない。台湾・台北医学大学のPao-Huan Chen氏らは、自殺の発生率、医療利用状況、併存疾患の観点から、双極性障害患者における自殺リスクに対する性別固有のリスクプロファイルについて調査を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2021年8月11日号の報告。 2000年1月~2016年12月の台湾の全民健康保険研究データベースを用いて、コホート研究を実施した。対象は、双極性障害患者4万6,490例および年齢、性別を1:4の割合でマッチさせた一般集団18万5,960例。自殺死亡率の比率(MRR)は、双極性障害コホートと一般集団の自殺率で算出した。また、双極性障害コホートにおける医療利用状況、併存疾患の性別固有のリスクを調査するため、ネストされたケースコントロール研究(自殺死亡患者:1,428例、生存患者:5,710例)を実施した。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者の自殺リスクは、一般集団と比較し、非常に高かった(MRR:21.9)。とくに女性において顕著であった(MRR:35.6)。・性別層別分析では、性別間での医療利用パターンおよび身体的併存疾患のリスクプロファイルの違いが明らかであった。・女性の自殺死亡患者は、生存患者と比較し、非高血圧性心血管疾患、肺炎、慢性腎臓病、消化性潰瘍、過敏性腸症候群、敗血症のリスクが高かった。一方、男性では、慢性腎臓病と敗血症のリスクが高かった。 著者らは「双極性障害患者の自殺死亡リスクは、発生率および身体的併存疾患において、性別固有のリスクプロファイルを有していると考えられる。これらの修正可能なリスク因子を特定することは、双極性障害患者の自殺リスク減少につながる可能性がある」としている。

12229.

60歳以上の片頭痛患者に対する抗CGRP抗体フレマネズマブの有効性、安全性

 片頭痛は、高齢者において頻繁に認められる疾患ではないが、高齢片頭痛患者に対する予防的治療は、さまざまな併存疾患に対する多剤併用による治療が行われていることを考えると、より困難である場合が少なくない。また、高齢片頭痛患者に対する予防的治療の有効性、安全性、忍容性に関するエビデンスは、限られている。米国・トーマスジェファーソン大学のStephanie J. Nahas氏らは、反復性片頭痛(EM)または慢性片頭痛(CM)を有する60歳以上の臨床試験参加者を対象に、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)に選択的に作用するヒト化モノクローナル抗体フレマネズマブの有効性、安全性、忍容性を評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年11月24日号の報告。 本研究では、3つのランダム化二重盲検プラセボ対照第III相試験(HALO EM試験、HALO CM試験、FOCUS試験)のデータを分析した。対象は、3つの試験への参加者で2~4種類の片頭痛予防薬クラスで十分な治療反応が得られなかった患者246例。3つの試験いずれにおいても、CMまたはEM患者をフレマネズマブ3ヵ月に1回投与群(1ヵ月目:フレマネズマブ675mg、2ヵ月目:プラセボ、3ヵ月目:プラセボ)、フレマネズマブ月1回投与群(1ヵ月目[CM]:フレマネズマブ675mg、1ヵ月目[EM]:225mg、2ヵ月目以降:225mg)、プラセボ月1回投与群に1対1対1の割合で割り付け、12週間の治療を行った。 主な結果は以下のとおり。・フレマネズマブ治療を行った患者は、12週間にわたるベースラインからの1ヵ月当たりの片頭痛日数の減少が有意に大きかった。【最小二乗平均のベースラインからの変化】 ●フレマネズマブ四半期ごと投与:-4.3±0.59(対プラセボp<0.01) ●フレマネズマブ月1回投与:-4.6±0.54(対プラセボp<0.01) ●プラセボ月1回投与:-2.3±0.57・フレマネズマブ治療を行った患者では、毎週の片頭痛日数のベースラインからの有意な減少が、最短1週目で認められた(各々:対プラセボp<0.01)。・フレマネズマブ治療は、プラセボと比較し、1ヵ月当たりの片頭痛日数50%以上の減少割合が有意に高く、疾患およびQOLアウトカムの有意な改善が認められた(各々:対プラセボp<0.05)。・重篤な有害事象や治療中止につながる有害事象の発現率は低く、フレマネズマブ治療とプラセボで類似していた。・有効性および安全性の結果は、プールされた母集団(2,843例)と同等であった。 著者らは「本サブグループ解析において、60歳以上のEMまたはCM患者に対するフレマネズマブ治療は有効であり、12週間にわたり十分許容されることが示唆された。これらの結果は、片頭痛を有する高齢者の臨床的意思決定と予防的治療を選択するうえで、医療従事者にとって役立つであろう」としている。

12230.

乳がん患者の抑うつ、適切な治療につなげるには?/JAMA

 地域の腫瘍科診療施設で治療を受けている乳がん患者において、実装科学(implementation science)に基づき日常診療で抑うつ状態のスクリーニングを行う個別化戦略は、抑うつスクリーニング指導のみの治療戦略と比較して、行動療法への紹介に結びつく患者の割合が高く、腫瘍内科の外来受診の頻度は低下することが、米国・カイザーパーマネンテ南カリフォルニア(KPSC)のErin E. Hahn氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2022年1月4日号で報告された。米国の6つの地域施設のクラスター無作為化試験 本研究は、KPSC(南カリフォルニアの450万人以上の会員に包括的な治療を提供する統合保健システム)に所属する6つの医療センターが参加した実践的なクラスター無作為化試験であり、2017年10月1日~2018年9月30日の期間に患者の登録が行われ、最終フォローアップ日は2019年3月31日であった(Regents of the University of Californiaなどの助成を受けた)。 6つの参加施設は、抑うつ状態に対する個別化介入を受ける群(介入群)または抑うつ状態のスクリーニングの指導のみを受ける群(対照群)に、それぞれ3施設が無作為に割り付けられた。対象は、腫瘍内科で診察を受け、新規の原発性乳がんと診断された患者であった。病期や組織型、性別、人種/民族、併存疾患、その他の臨床的・人口統計学的因子による除外基準は設けられなかった。 抑うつ状態のスクリーニングプログラムでは、患者は9項目患者健康質問票(9-item Patient Health Questionnaire:PHQ-9)に回答し、アルゴリズムに基づくスコア化で軽度、中等度、重度に分けられ、これらの重症度に応じた行動学的精神保健サービスが紹介された。 介入群の施設は、抑うつ状態のスクリーニングプログラムの一般的な指導のほか、審査、パフォーマンスデータの評価、診療変更を実装するための支援を受け、診療内容は地域の状況に合わせて行われた。対照群の施設は、スクリーニングプログラムの一般的な指導のみを受けた。 主要アウトカムは、スクリーニングと紹介が適切に行われた患者の割合とされた。プライマリケア医、急病診療所、救急診療部の受診に差はない 1,436例(平均年齢61.5[SD 12.9]歳、女性99%、アジア系/太平洋諸島系18%、黒人17%、ヒスパニック系26%、白人37%、Stage 0~II乳がん82%)が登録され、介入群に744例(男性4例を含む)、対照群に692例(同3例)が割り付けられた。 抑うつのスクリーニングを受けた患者は、介入群が596例、対照群は3例で、このうち行動医療(behavioral health)へ紹介されたのはそれぞれ59例および1例だった。試験期間中に28例が死亡した(介入群19例、対照群9例、群間差:1.3%[95%信頼区間[CI]:-0.2~2.7])。 主要アウトカムのイベント発生率は、介入群が7.9%(59/744例)と、対照群の0.1%(1/692例)に比べ有意に高かった(群間差:7.8%、95%CI:5.8~9.8)。 行動医療を受けた患者は、介入群では紹介を受けた59例のうち44例(75%)、対照群は紹介を受けた1例中1例(100%)であった。 また、年齢、人種/民族、がんの病期、パートナーの有無、Charlson併存疾患指数で補正したモデルでは、介入群で腫瘍内科の外来受診患者の割合が有意に低かった(補正後率比:0.86、95%CI:0.86~0.89、p=0.001)が、プライマリケア医(1.07、0.93~1.24)、急病診療所(0.84、0.51~1.38)、救急診療部(1.16、0.84~1.62)の受診については、両群間で差は認められなかった。 著者は、「このプログラムの臨床的有益性や費用対効果を知るために、さらなる研究を要する」としている。

12231.

ホルモン薬避妊は子供の中枢神経系腫瘍リスクと関連?/JAMA

 ホルモン薬による避妊を行った母親の子供における中枢神経系の腫瘍のリスクは、ホルモン薬避妊法の経験のない母親の子供と比較して増加せず、ホルモン薬の種類ごとのリスクにも差はないことが、デンマーク・Cancer Society Research CenterのMarie Hargreave氏らの調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌2022年1月4日号に掲載された。デンマークの全国的なコホート研究 研究グループは、デンマークにおける母親のホルモン薬避妊法の使用と子供の中枢神経系腫瘍の関連を評価する目的で、全国的なコホート研究を行った(Danish Cancer Research Foundationなどの助成を受けた)。 解析には、デンマークの人口ベースの登録データが用いられた。1996年1月1日~2014年12月31日の期間にデンマークで出生した子供が、中枢神経系腫瘍の診断に関して追跡された(最終追跡日2018年12月31日)。 ホルモン薬避妊は、レジメン(エストロゲン・プロゲスチン混合型、プロゲスチン単独型)と投与経路(経口、非経口)で分けられ、最近の使用(妊娠の過去3ヵ月以内または妊娠中)、以前の使用(妊娠の3ヵ月以上前)、非使用に分類された。注射薬、インプラント、子宮内避妊具は、使用時期に応じて分類が適切に変更された。 主要アウトカムは、20歳までに診断された中枢神経系腫瘍のハザード比(HR)および罹患率差(IRD)とされた。10万人年当たりの罹患率:最近使用5.0人、以前使用4.5人、非使用5.3人 118万5,063人の子供が解析に含まれた。1,533万5,990人年の追跡期間(平均12.9年)に725人が中枢神経系腫瘍と診断された。内訳は、ホルモン薬避妊法を最近使用した母親の子供が84人、以前に使用した母親の子供が421人、非使用の母親の子供は220人であった。診断時の子供の平均年齢は7歳で、342人(47.2%)が女児だった。 中枢神経系腫瘍の10万人年当たりの補正後罹患率は、ホルモン薬避妊法を最近使用した母親(13万6,022人)の子供が5.0人、以前使用した母親(77万8,843人)の子供が4.5人、非使用の母親(27万198人)の子供は5.3人であった。 非使用の母親の子供と比較した中枢神経系腫瘍の発生のHRは、最近使用した母親の子供が0.95(95%信頼区間[CI]:0.74~1.23、IRD:-0.3[95%CI:-1.6~1.0])、以前使用した母親の子供は0.86(0.72~1.02、-0.8[-1.7~0.0])であり、いずれも有意な差は認められなかった。 また、経口混合型、非経口混合型、経口プロゲスチン単独型、非経口薬に分けて解析しても、非使用の母親に比べ最近使用および以前使用の母親で、子供の中枢神経系腫瘍の発生に統計学的に有意な差はなかった。 著者は、「ホルモン薬避妊と子供の中枢神経系腫瘍の関連には相反する報告があるが、経口避妊薬のホルモン含有量は時とともに変動しており(たとえば、高用量から低用量へ)、本研究は以前の研究よりも最近のデータに基づくため、今回の結果も別のものとなる可能性がある」としている。

12232.

経口コロナ治療薬の国内製造販売承認を申請/ファイザー

 ファイザーは1月14日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19) に対する経口抗ウイルス薬候補「PF-07321332/リトナビル錠」(米国での商品名:Paxlovid)の製造販売承認を厚生労働省に申請したことを発表した。日本も参加した国際共同第II/III相試験(EPIC-HR)の結果に基づくもので、特例承認による迅速な使用開始を目指す。 EPIC-HR試験は、重症化リスクが高く、入院していないCOVID-19成人患者を対象としたランダム化二重盲検試験。EPIC-HR試験の最終データでは、外来治療の対象となる重症化リスクの高い COVID-19患者において、本剤がプラセボと比較して入院または死亡のリスクを89%(症状発現から3日以内)および88%(症状発現から5日以内)減少させることが示された。有害事象の発現割合は、本剤(23%)とプラセボ(24%)では同程度であり、おおむね軽度だったという。 ファイザーでは、本剤の承認が得られた場合、200万人分を供給することを日本政府と合意している。本剤を巡っては、米国や韓国、イスラエルなどで昨年12月、相次いで緊急使用が認められ、EUにおいても加盟国の使用を容認する見解が発表されており、各国で薬剤確保の動きが進んでいる。

12233.

6時間以上経過した脳主幹動脈閉塞患者に対する血管内治療の有効性について、さらに強いエビデンスとなる結果(解説:高梨成彦氏)

 本研究は発症から6~24時間経過した主幹動脈閉塞患者に対する経皮的脳血栓回収術についての6試験のデータを対象としたメタアナリシスである。505症例のデータが解析され、主要評価項目である90日後のmRSの改善について血管内治療の有効性が確認され、調整済みオッズ比は2.54と高いものであった。また副次評価項目である90日後の死亡率および症候性頭蓋内出血の発生率には差はなかった。 本試験の意義はサブグループにおいても均一な結果が示されたことで、年齢(<70/70~80/>80)、性別、脳卒中の重症度(NIHSS ≦17/≧18)、閉塞部位(ICA/M1)、ASPECTS(≦7/≧8)、発症形態(眼前発症/wake-up stroke)、いずれの群でも血管内治療の有効性が示された。すでに脳卒中ガイドラインにもあるように、発症から6時間以上経過した患者についての血管内治療は実施されているものの、高齢者や重症患者であっても治療をためらう必要はないということが明確に示された意義は大きい。ただし、軽症群にNIHSS 5点以下の患者は含まれておらず、ASPECTSが低値の群に0~5点は含まれていないことは留意する必要がある。 虚血コア体積を評価して治療適応を決定するに当たってDAWN、DEFUSE 3はRAPIDの使用が必須となっており、他の4試験は単純CTまたはMRI検査のASPECTSスコアによる判定が条件となっている。興味深いことに評価方法が違う2群間でも血管内治療の効果に差がなかった。この結果からただちに単純CTまたはMRI検査のみによる判定が有効であるとは言えないものの、RAPIDシステムが普及していない本邦ではclinical-ASPECTS mismatchによる判定が広く行われており、スコアの閾値設定など参考になる結果といえるだろう。 発症から6~12時間と12~24時間の患者群で比較したところ、後者のほうが血管内治療の効果が高かった。この結果は自然再開通が起きる可能性が時間経過とともに低くなることや、6時間未満に治療を受けた群ではtPA投与を受けた患者が多いことが影響している可能性がある。

12234.

第91回 モルヌピラビル承認報道、新聞各紙が伝え損ねた重要ポイント

年末からここ最近にかけてどうにも報道での扱いが気になって仕方がないものがある。新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の軽症患者でも使える世界初の経口薬・モルヌピラビル(商品名・ラゲブリオ)のことである。これまで軽症者で使える経口薬がなかったせいもあり、メディアではまさにフィーバー状態だ。一方、SNS上では虚実入り混じった情報が飛び交う。正直溜息が出て仕方がない。まず、各社の第一報を見てみよう。「『モルヌピラビル』新型コロナの飲み薬として正式に承認」(NHK)「メルク製のコロナ飲み薬を厚労省が特例承認 軽症者向け、国内初」(朝日新聞)「国内初、コロナ飲み薬を承認 米メルク製」(産経新聞)「厚労省、コロナ飲み薬初承認 軽症、中等症向けモルヌピラビル」(毎日新聞)「コロナ軽症飲み薬、国内初承認 週明けにも使用開始」(日本経済新聞)「国内初のコロナ飲み薬『モルヌピラビル』を特例承認…厚労省、年内分として20万回分配送へ」(読売新聞)ご存じのようにモルヌピラビルは(1)軽症・中等症I、(2)重症化リスク因子が1つでもある、(3)発症から5日以内の投与に限定、(4)催奇形性があるため妊婦には使えない、という縛りがある。私個人がもし第一報を書くとしても、この4点は最低限であり、かつ読者に具体的にイメージを沸かせるためには、重症化リスクは最低でも1つは例示し、催奇形性についても噛み砕いて触れることをポイントに挙げる。これらを踏まえたうえで、4項目に各1点、合計4点満点で各社の第一報を採点すると、満点はなく3点がNHK、2点が朝日新聞、読売新聞、1点が産経新聞、毎日新聞、日本経済新聞。NHKは重症化の具体例にまったく言及がなく、朝日新聞は発症から5日以内の点と催奇形性の表現への甘さ、読売新聞は重症化リスクの具体例の言及がなく、催奇形性に具体的には言及していないところが減点。残りの3社には言及するのも疲れる。多くの人が知っているように、読者は記事を読み流すので一度に全部書いたとて覚えてはくれない。たとえば、繰り返し“重症化リスクがある人のみ”と書いても、重症化リスクがない新型コロナの軽症感染者が「先生、あの新聞に書いてあった飲み薬出してください」というのは目に見えている。それだからこそ重要な点については繰り返し触れる必要があり、第一報はそれなりに情報を盛り込んでおかねばならないはずだ。また、読者に与える印象からも表現は問われる。たとえば、発症から5日以内の部分も読売新聞の「発症5日目までに飲み始める必要がある」と、朝日新聞の「発症から5日以内で効果が期待できる」では読者の受ける印象は相当違う。ちなみに私は今回の件で『重症化リスクの具体例提示』と『発症5日以内の服用開始必須』を一般読者に伝えることはかなり重要だと思っている。というのも重症化リスクのある人が、新型コロナを疑われる症状を自覚しながら放置や我慢で受診を先延ばしすると、せっかくの服用機会を逃し、ワクチン未接種者では致命的になる恐れさえもあるからだ。だからこそ報道は読者自身が「重症化リスクのある人間に該当するかどうか」をイメージできる具体例が必要であり、5日以内という切迫感も伝えねばならない。また、流通が律速段階になることも忘れてはならない。新型コロナ患者が発生する可能性がある医療機関や薬局は国から供給委託を受けたMSD社が開設した「ラゲブリオ登録センター」に事前登録し、必要になったらセンターに供給を依頼して、1~2日で医薬品卸を通じて薬が届けられるという「タイムラグ」がある。これを考慮すると余計のこと、発症から5日目までの服用という情報は大きな意味を持つ。さて、一方SNS上では、「まあよくもそんなモノを…」と思いたくなる重箱の隅突きのような情報も飛び交っている。こうした情報は「アンチ・モルヌピラビル派=ファビピラビル・イベルメクチン礼賛派」による「外資系薬叩き」が主なものだ。その第一の槍玉にあげられているのが「催奇形性」である。実際、モルヌピラビルの添付文書では、妊娠したラットでの実験から、器官形成期のラットで、ヒトでのモルヌピラビル代謝成分(NHC:N-ヒドロキシシチジン)の臨床曝露量の8倍で催奇形性や胚・胎児の死、3倍以上で胎児の発育の遅れ、器官形成期の妊娠ウサギでは18倍以上で胎児体重が低値になることがわかっている。一般的に催奇形性実験では、ヒトで臨床曝露量の10倍以内で催奇形性が示される場合は要注意であることは確かだ。その意味ではモルヌピラビルでは注意が必要で、実際妊婦や妊娠している可能性がある女性での投与は禁止されている。また、同じ理由で妊娠可能な女性が服用する際は投与中と投与終了後一定期間(臨床試験段階では最低4日間)の避妊が求められている。もっともこうしたモルヌピラビルを批判する人たちの一部が擁護するファビピラビルでも催奇形性が指摘されているのは周知のことで、しかもこちらの場合はヒトの臨床曝露量以下でマウス、ラット、ウサギに加え、ヒトに近い霊長類のサルでも催奇形性が認められているのだからはるかに危険である。また、やはりSNS上で騒がれているのが、モルヌピラビルの変異原性試験の結果である。ご存じのように遺伝子に突然変異を起こす可能性、いわば発がん性を評価する試験だが、添付文書では細菌を使って行うと陽性反応が認められ、げっ歯類を用いた2種の変異原性試験で変異原性は認められず、in vitroとラットで染色体異常を起こすかどうか調べた小核試験は陰性だったことが記載されている。もともと細胞の世代交代の早い細菌ではごくごく小さな突然変異は起こりやすい。しかし、細胞の世代交代が遅い齧歯類で実験した結果では異常は認められないため、この試験結果があってもヒトではとくに問題がないと考えるのが妥当な解釈である。さらに言えば、モルヌピラビルの服用期間が最大5日間ということを考えても、突然変異が継続して発がんに至る可能性は極めて低いということになる。いやはや皆さん、こんな揚げ足取りをするのだと感心してしまったが、逆に言えば報道がより正確な情報を伝えるためには、場合によってこうした非臨床試験の結果にも目を配り、その解釈も伝える必要があるという点では冷ややかに横目で眺めているわけにもいかないと、気を引き締め始めている。

12235.

そろそろ旅行に!本当にお得な航空券の予約法教えます【医師のためのお金の話】第52回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。私の最近のマイブームは旅行です。コロナ禍に何を不謹慎な!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、旅行業界は感染予防のために不断の努力を続けています。厚労省の指導も入っているので、感染症予防対策も格段に進歩しました。医療者は昨年から大変な思いをして働いてきた方も多く、かつほぼ全員がワクチン接種済みですから、たまに息抜きしても罰は当たらないでしょう。中~遠距離の旅行でお世話になるのは航空機です。医師の皆さんはANAかJALの国内大手キャリアのマイレージサービス会員が多いと思います。学会出張などで国内路線を多用するヘビーユーザーはそちらがお得ですが、旅行ぐらいしか利用しない私のような層には、格安航空会社(LCC)が選択肢に入ります。LCC料金に最も影響を与えるオプションとは!?私はコロナ禍前には毎年2~3回ほど国内外に家族旅行に行っていました。大人数で利用するため、航空料金はシビアに見ます。最近では国内大手キャリアもかなり安くなりましたが、それでもまだLCCのほうが安いケースが多いようです。LCCの基本料金は劇的に安く設定されていますが、そこからどこまで「オプション」を付けるのかが悩みの種です。LCCは席の指定や規定以上の荷物持ち込みなど、さまざまなものが「オプション」となって追加料金がかかることが多いのですが、料金に最も大きな影響を与えるのは「日程変更可能プラン」のオプションです。ホテルや新幹線では当たり前のこの「無料の日程変更」、航空会社では不可のことが多いです。数ヵ月先の予約をすることも多いので、日程変更ができないのは大きなストレス要因です。私たち医師は、受け持ち患者さんの急変等で予定どおりに出発できない可能性が一般の方よりも高く、そのリスクを考えると、できれば日程変更が可能なプランにしておきたいところです。長年オプション料金を払い続けていたのに…私も例に漏れず、安心感を求めて日程変更が可能なオプションを付けることが多かったです。幸いにも緊急事態が発生することはなかったのですが、今年になって日程変更をせざるを得ない事件が発生しました。むむっ。でも、この日のためにこれまでオプション料金を払い続けてきたようなものです。自分の先見の明を誇らしく思いながら日程を変更しようとすると、トンデモナイ事実が発覚しました。そのオプションの内容をよく見ると、確かに日程変更の手数料は無料なのですが、その際には「“現在の料金”と“購入時の料金”の差額が必要」だったのです。予定日直前の変更なので現在の料金はハンパなく高騰していました。結果、購入時の料金とほぼ同額の追加料金を請求されたのです…。今回のケースでは、変更手数料無料のオプション料金は2,800円で、オプションなしの基本プランの変更手数料は3,000円でした。オプションを追加すると何度でも無料で変更可能でお得だと思っていたのですが、まさか差額が必要だとは…。日程変更は、料金が高騰する出発直前であることが多いでしょう。3,000円の日程変更手数料より追加料金のほうが圧倒的に高くなります。日程変更無料のオプションはほとんど意味がなかったのです…。1回1名当たりのオプション料金は3,000円ですが、往復×家族の人数分の合計金額となるとばかになりません。しかも実質的には使えないオプションを毎回付けており、かなりの金額をドブに捨てていたことになります。これはいただけないですね。潔く最安の基本プランでいこう!LCCはかなり安い金額で移動できるのでとても便利です。しかし、航空料金に大きな影響を与える日程変更オプションは、実質的にはほとんど使えないので追加する必要はないでしょう。これまで何十回も格安航空会社を利用してきたにもかかわらず、このことを知らなかったのは非常にもったいなかったと反省しました。皆さんもLCCを検討する際には、潔くオプションを付けない最安の基本プランにすることをお薦めします!

12236.

手術の理解度が伝わるオペレコ~腹腔鏡下胆嚢摘出術を例に~【誰も教えてくれない手術記録 】第10回

第10回 手術の理解度が伝わるオペレコ~腹腔鏡下胆嚢摘出術を例に~こんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。前回に続き、僕の実際のオペレコ※からこだわりポイントをご紹介します。題材としては、若手外科医が最初に取り組むことの多い腹腔鏡手術の中から「腹腔鏡下胆嚢摘出術」を取り上げました。若手のうちはこの手術のオペレコを描く機会も多いと思いますが、オペレコを上級医に見せたときに「わかってるな…!」と認めてもられるようなものが描けるといいですよね。今回はそんな“理解度が伝わる”オペレコを描くためのこだわりポイントを2つ紹介したいと思います!※個人情報保護の観点から、オペレコは本連載用に描き下ろしています。《術式解説》腹腔鏡下胆嚢摘出術は、急性胆嚢炎や胆石症に対する標準的な術式です。胆嚢管と胆嚢動脈を切り離し、肝から胆嚢を剥離し摘出します。肝門部を中心に損傷を避けるべき脈管があり、慎重な操作を要します。例:腹腔鏡下胆嚢摘出術のオペレコ(完成図)こだわり1:対象臓器だけではなく周辺構造や鉗子も描き込む胆嚢を単体で描いてもオペレコの形としては成立しますが、本当に手術のことを理解しているのかどうかは伝わりにくいです。今回のオペレコでは、肝臓、肝門部、十二指腸、横行結腸などの周辺臓器と、操作鉗子を描き込んでいます。どの手術にもいえることですが、摘出の対象臓器だけでなく、それを取り巻く周辺臓器の構造や位置関係も把握していることが大切です。「胆嚢周囲の解剖構造は何も見なくても描けるくらいイメージができています!」と言えたら、上級医も安心するでしょう。参考:胆嚢周囲の臓器と操作鉗子を描き込んだ図こだわり2:CVSなど、手術の「重要な場面」をかならず明示胆嚢摘出術における重要な術野展開の一つに、「Critical view of safety(CVS)」があります(下図参照)。CVSは胆道損傷を回避し、安全な胆嚢摘出であることを示すために必要な術野ですが、もしその場面がオペレコに描かれていなければ、「CVSの重要性が理解できていないのでは」と思われてしまうかもしれません。CVSをオペレコにしっかり盛り込むことで、上級医に「わかってる感」をアピールしましょう。胆嚢摘出術だけではなく、どの手術においてもキーポイントとなる重要な場面があります。描くべき術野をきちんと提示できるようになるとよいですね。参考:CVS(Critical view of safety)の場面オペレコは、術者の手術への理解度を写し出すものです。今回の例だけではなく、どのような手術においても解剖構造や手術のキーポイントを押さえたオペレコが描けると、上級医に理解力を認められ、さらなるステップアップのチャンスが舞い込んでくるかもしれませんよ!それでは、次回もお楽しみに!

12237.

日本におけるコミュニティレベルの学力と認知症リスク

 コミュニティレベルの学力と認知症リスクとの関連は、あまり知られていない。浜松医科大学の高杉 友氏らは、認知症発症リスクに対し、コミュニティレベルでの低学歴の割合が影響を及ぼすかについて、検討を行った。また、都市部と非都市部における潜在的な関連性の違いについても、併せて検討した。BMC Geriatrics誌2021年11月23日号の報告。 日本老年学的評価研究(JAGES)より、2010~12年にベースラインデータを収集し、6年間のプロスペクティブコホートを実施した研究のデータを分析した。対象は、7県16市町村のコニュニティ346ヵ所の身体的および認知機能的な問題を有していない65歳以上の高齢者5万1,186人(男性:2万3,785人、女性:2万7,401人)。認知症発症率は、日本の介護保険制度から入手したデータを用いて評価した。教育年数を9年以下と10年以上に分類し、個々の学力レベルをコミュニティレベルの独立変数として集計した。共変量は、まず年齢および性別を用い(モデル1)、次いで収入、居住年数、疾患、アルコール、喫煙、社会的孤立、人口密集度を追加した(モデル2)。欠落データに対する対処として、複数の代入を行った。コミュニティおよび個人における2つのレベルでの生存分析を実施し、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中の認知症の累積発症率は、10.6%であった。・教育年数が9年以下であった平均割合、40.8%(範囲:5.1~87.3%)であった。・コミュニティレベルでの低学力は、認知症発症率の上昇と有意な関連が認められた(HR:1.04、95%CI:1.01~1.07)。・個人の教育年数と共変量で調整した後、低学歴による認知症リスクの上昇は10ポイントと推定された。・非都市部では有意な関連性が認められたが(HR:1.07、95%CI:1.02~1.13)、都市部では認められなかった(HR:1.03、95%CI:0.99~1.06)。 著者らは「コミュニティレベルでの学歴の低さは、そうでない地域と比較し、高齢者の認知症発症リスクが高く、非都市部では有意な関連が認められた。そのため、認知症予防の観点から、とくに都市部以外の地域において青年期の教育を確保することは、極めて重要な課題であると考えられる」としている。

12238.

ペムブロリズマブの非小細胞肺がん術後アジュバント、無病生存率を改善/Merck

 Merck社は、2022年1月10日、EORTCおよびETOPとともに、第III相KEYNOTE-091(EORTC-1416-LCG / ETOP-8-15 - PEARLS)試験の結果を発表した。  独立データモニタリング委員会による中間分析では、主要要評価項目の1つであるステージIB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)全集団のDFS(無病生存期間)について、ペムブロリズマブ治療群はプラセボ群と比較して、PD-L1発現を問わず、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示した。 ただし、もう1つの主要評価項目である高PD-L1発現(TPS≥50%)集団のDFSは、事前に指定された統計計画による統計的有意を示さなかった。高PD-L1発現患者のDFSは引き続き分析される、また副次的評価項目である全生存期間(OS)も評価される。 同試験におけるペムブロリズマブの安全性プロファイルは、以前に報告されたものと一致していた。結果は、今後の医学会議で発表され、規制当局に提出される。 KEYNOTE-091試験は、ステージIB~IIIAの肺葉切除または肺切除後(±補助化学療法)のNSCLC患者の補助治療において、ペムブロリズマブをプラセボと比較する無作為化第III相試験。主要評価項目は、全集団および高PD-L1発現患者のDFSである。副次的評価項目は、OSおよび肺がん特異的死亡率など。

12239.

コロナワクチンの感染抑制効果、デルタ株では低下/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へのワクチン接種について、アルファ変異株と比較してデルタ変異株のほうが感染減少が少なく、ワクチンの有効性は経時的に低下したことが示された。また、感染発端患者の診断時PCRサイクル閾値(Ct)値は、感染減少を部分的に説明するのみであることも明らかにされた。英国・オックスフォード大学のDavid W. Eyre氏らが、後ろ向き観察コホート研究の結果を報告した。SARS-CoV-2のデルタ(B.1.617.2)変異株の出現以前は、ワクチン接種によりウイルス量が減少し、感染したワクチン接種者からのSARS-CoV-2の伝播が抑制したとみなされていた。ワクチン接種により感染リスクはさらに低下しているが、デルタ変異株に感染したワクチン接種者と未接種者のウイルス量は同程度であることが判明し、ワクチン接種が感染をどの程度予防するのか疑問視されていた。NEJM誌オンライン版2022年1月5日号掲載の報告。SARS-CoV-2感染患者約11万人とその接触者約15万人について解析 研究グループは、英国の接触者検査データを用い、SARS-CoV-2に感染した成人患者(発端患者)と、その接触者を対象に後ろ向き観察コホート研究を実施した。 多変量ポアソン回帰法により、ウイルス感染とワクチン接種状況(発端患者および接触者について)の関連を調べるとともに、この関連性がアルファ(B.1.1.7)変異株およびデルタ変異株で、また2回目のワクチン接種からの経過期間によってどう変化するのかを検討した。 発端患者10万8,498例と、その接触者で検査を受けた14万6,243例のうち、5万4,667例(37%)がPCR検査でSARS-CoV-2陽性であった。ワクチン接種後の感染患者からの感染減少は、アルファ変異株と比べデルタ株で低下 ワクチン接種済みでアルファ変異株に感染した発端患者では、BNT162b2ワクチン(Pfizer/BioNTech製)またはChAdxOx1 nCoV-19(AZD1222)(AstraZeneca製)の2回接種は、いずれのワクチンでもワクチン未接種者と比較し、接触者のPCR陽性率の低下と関連していることが認められた(BNT162b2の補正後率比:0.32[95%信頼区間[CI]:0.21~0.48]、ChAdxOx1 nCoV-19の同0.48[0.30~0.78])。 ワクチン接種によるデルタ変異株の感染減少は、アルファ変異株と比較して小幅であった。その感染減少幅は、BNT162b2ワクチン2回接種後(未接種者と比較した補正後率比:0.50、95%CI:0.39~0.65)のほうが、ChAdxOx1ワクチン2回接種後(0.76、0.70~0.82)より大きかった。 ワクチンに関連した2つの変異株の感染率低下について、発端患者のCt値(ウイルス量の指標)の変化が占める割合は7~23%であった。デルタ変異株の感染減少は、ワクチン2回接種後に経時的に低下し、ChAdxOx1 nCoV-19ワクチン接種を受けた発端患者では12週までにワクチン未接種者と同等レベルとなり、BNT162b2ワクチン接種を受けた発端患者では大幅な減弱が認められた。接触者におけるワクチン予防効果は、ワクチン2回接種後3ヵ月間で同様に低下した。

12240.

再生不良性貧血に免疫抑制療法+エルトロンボパグが有効/NEJM

 未治療の重症再生不良性貧血患者において、エルトロンボパグと標準免疫抑制療法の併用は、血液学的奏効の得られる割合、速さ、大きさを改善し、さらなる毒性は認められなかった。フランス・パリ大学のRegis Peffault de Latour氏らが、未治療の重症再生不良性貧血患者を対象に、標準免疫抑制療法とエルトロンボパグの併用について検討した、研究者主導の無作為化非盲検第III相試験「RACE試験」の結果を報告した。重症再生不良性貧血患者を対象とした第I/II相試験において、エルトロンボパグは、ウマ抗胸腺細胞グロブリン(ATG)+シクロスポリンを含む標準免疫抑制療法の有効性を改善することが示されていた。NEJM誌2022年1月6日号掲載の報告。標準免疫抑制療法+エルトロンボパグ併用の有効性を標準免疫抑制療法単独と比較 研究グループは、2015年7月~2019年4月の期間に、新たに診断された15歳以上の重症再生不良性貧血患者205例を登録した。このうち、登録後に死亡した2例および再生不良性貧血以外の診断を受けた6例を除く、重症再生不良性貧血と確定診断された197例を、免疫抑制療法(ウマATG+シクロスポリン)単独群(A群、101例)、または免疫抑制療法+エルトロンボパグ併用群(B群、96例)に無作為に割り付けた。 主要評価項目は、3ヵ月時の血液学的完全奏効(CHR)で、intention-to-treat解析を実施した。エルトロンボパグ併用で3ヵ月時の完全奏効率が2倍に 3ヵ月時のCHR率は、A群10%、B群22%であった(オッズ比:3.2、95%信頼区間[CI]:1.3~7.8、p=0.01)。また、副次評価項目である6ヵ月時の全奏効率(完全奏効または部分奏効に至った患者の割合)は、A群で41%、B群で68%であり、初回奏効までの期間中央値はA群8.8ヵ月、B群3.0ヵ月であった。 重篤な有害事象の発現率は、両群で類似していた。追跡期間中央値24ヵ月において、骨髄異形成症候群に分類される核型異常が、A群1例およびB群2例に確認され、無イベント生存率はそれぞれ34%および46%であった。体細胞変異は、ベースラインでA群29%、B群31%が検出され、6ヵ月時にはそれぞれ66%、55%に増加したが、血液学的奏効および2年アウトカムへの影響は認められなかった。

検索結果 合計:35647件 表示位置:12221 - 12240