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異物の評価【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q22

異物の評価Q22症例とくに既往、アレルギー歴のない28歳男性、自宅でリンゴの皮剥きをしていた際に誤って左中指DIP腹側を切ってしまった。左中指DIP腹側に深さ3~4mm程度、長さ20mm程度の切創あり。明らかな神経障害や動脈性出血、腱損傷はなさそう。バイタルは安定しているが、止血をえられず、縫合処置が必要と判断される。外科医のいる二次救急病院に送るのも気が引ける…。初期研修ぶりだけど、自分で縫ってみるか。非滅菌手袋もつけたし、指ブロックのうえ、創部を水道水でしっかり洗ったぞ。洗いながら異物がないことも確認したし、金属やガラス片くらいしかレントゲンで写らないから、これ以上の評価の方法はないよな?

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抗菌縫合糸の使用でSSI発生率低減~日本人大腸がん患者での大規模研究

 外科手術後の閉鎖創におけるトリクロサンコーティングによる抗菌縫合糸と非コーティング糸とを比較した手術部位感染症(SSI)予防効果について、ランダム化比較試験やメタ解析などでその有用性について検討されてはいるが、各種ガイドラインでも条件付き推奨でとどまるものが多い。大阪大学の三吉 範克氏ら大阪大学消化器外科共同研究会大腸疾患分科会は、開腹/腹腔鏡下大腸がん手術における予防効果を評価するため、多施設共同前向き研究を実施。Journal of the American College of Surgeons誌2022年6月号に報告した。抗菌縫合糸の使用はSSIの発生を2.53%減少し有意な効果・対象:大腸がん(CRC)に対する待機的手術を受けた20 歳以上の患者・治療:切開後の腹部筋膜閉鎖にトリクロサンコーティングによる抗菌縫合糸もしくは非コーティング縫合糸を使用・主要評価項目:SSI発生率・副次評価項目:入院期間、外科的合併症の発生率 トリクロサンコーティングによる抗菌縫合糸の手術部位感染症予防効果を評価した主な結果は以下のとおり。・2016年7月22日~2019年7月16日に国内24施設から2,207例の患者が組み入れられ、適格基準を満たした患者に対し、傾向スコアマッチングの手法を用いて2:1の割合で抗菌縫合糸群に926例、非抗菌縫合糸群に653例が割り付けられた。・ベースライン時点での年齢中央値は両群で68歳、術式は抗菌糸縫合群で腹腔鏡93%/ロボット支援4%/開腹3%、非抗菌縫合糸群で腹腔鏡96%/ロボット支援2%/開腹2%だった。・主要評価項目のSSI発生率は、抗菌縫合糸群で4.21%、非抗菌縫合糸群6.74%だった(p=0.028)。・重篤な有害事象の発生は報告されなかった。・ロジスティック回帰分析により、いくつかの因子がSSI発生に影響することが示された:抗菌縫合糸(オッズ比[OR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.40~0.99、p=0.046)、糖尿病(OR:1.81、95%CI:1.07~3.07、p=0.026)、白血球数(OR:1.14、95%CI:1.01~1.28、p=0.046)、手術時間(OR:1.64、95%CI:1.01~2.67、p=0.046)、術中合併症(OR:6.06、95%CI:1.03~35.75、p=0.047)。・副次評価項目である入院期間と外科的合併症の発生率は、両群間で統計学的な差はみられなかった。・6つの第III相試験を含む4,797例に今回の研究を含めたメタ解析の結果、非抗菌縫合糸と比較したトリクロサンコーティングによる抗菌縫合糸はSSI予防において有意な優越性を示した(OR:0.71、95%CI:0.53~0.95、p=0.0195)。 著者らは、全体のSSI発生率は5.55%であり、SSIが依然として一般的で未解決な課題であることが示唆されたとしたうえで、トリクロサンコーティングによる抗菌縫合糸の使用はSSIの発生を2.53%減少し、有意な効果を示したと結論付けている。

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2価RSVpreFワクチン、第IIa相チャレンジ試験で有効性を確認/NEJM

 2価の呼吸器多核体ウイルス(RSV)融合前F蛋白ベース(RSVpreF)のワクチンはプラセボと比較して、症候性のRSV感染やウイルス排出の予防効果が高く、安全性に関する明らかな懸念も認めないことが、ドイツ・Pfizer PharmaのBeate Schmoele-Thoma氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年6月23日号で報告された。ワクチン接種後にウイルスを鼻腔内投与 本研究は、2価RSVpreFワクチンの有効性と安全性の評価を目的に、単施設で行われた探索的なRSVチャレンジ試験(二重盲検無作為化プラセボ対照第IIa相試験)である(米国Pfizerの助成を受けた)。 健康な成人(年齢18~50歳)が対象とされ、2価RSVpreFワクチン(120μg、アジュバントは含有されていない)の単回筋肉内注射を受ける群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。これらの参加者は、ワクチンまたはプラセボの接種から約28日の時点で、RSV-A Memphis 37bチャレンジウイルスを鼻腔内に投与され、隔離室で12日間の観察を受けた。 ウイルスの投与を受けた参加者は、ウイルス投与から28日後にフォローアップのために受診し、ワクチン注射から6ヵ月後(ウイルス投与から155日目)に最後の受診をした。 プロトコルで事前に規定された主要エンドポイントは、(1)症候性RSV感染(逆転写酵素定量的ポリメラーゼ連鎖反応[RT-qPCR]検査でウイルスRNAが少なくとも2日連続で検出)が確定され、3つのカテゴリー(上気道、下気道、全身)のうち2つ以上で重症度を問わない臨床症状が1つ以上みられるか、または1つ以上のカテゴリーでGrade2の臨床症状がみられる、(2)ウイルス投与後1日目から退院までの総症状スコア、(3)RT-qPCR検査で測定された鼻腔洗浄液検体中のRSVウイルス量のウイルス投与後2日目から退院(12日目)までの曲線下面積(AUC)とされた。ワクチン有効率86.7%、重篤・重度の有害事象はない 70例が登録され、ワクチン群に35例(スクリーニング時の年齢中央値24歳[範囲19~47]、女性10例[29%])、プラセボ群にも35例(26歳[20~50]、10例[29%])が割り付けられた。計画どおり、このうち62例(89%、両群31例ずつ)がRSV-A Memphis 37bを鼻腔内に投与され、60例が隔離観察期間を完了した。 チャレンジウイルスの投与を受けた参加者における、症候性RSV感染(ウイルスRNAの2日以上連続の検出で確定)の予防に関するワクチンの有効率は、86.7%(95%信頼区間[CI]:53.8~96.5)であった。症候性感染は、ワクチン群が6%(2/31例)、プラセボ群は48%(15/31例)で発現した。 ウイルス投与後2~12日目までのRT-qPCR検査で測定したRSVウイルス量のAUC(時間×log10コピー/mL)中央値は、ワクチン群が0.0(IQR:0.0~19.0)、プラセボ群は96.7(0.0~675.3)であった。 ワクチン群では症状の発現期間と重症度の双方で防御効果が認められ、総症状スコアの幾何平均の和は、ワクチン群の2.1に対しプラセボ群は10.8だった(比:0.26、95%CI:0.12~0.56)。 一方、RT-qPCR検査またはウイルス培養による有効性のエンドポイントの定義に基づくと、ワクチン群で症候性感染は認められず、プラセボ群で症候性感染が確定されるまでの期間中央値はRT-qPCR検査が3.3日(IQR:2.9~4.8)、ウイルス培養は4.8日(3.8~5.3)であった。また、RT-qPCR検査で定量化可能なウイルスが検出されたワクチン群8例におけるウイルス排出は、症状の有無にかかわらず、ウイルス投与後に初めてウイルスDNAが検出されてから、24時間以内にほぼ限定されていた。 免疫原性の評価では、ワクチンまたはプラセボ注射後約28日の時点でのウイルス投与直前におけるRSV-A中和抗体価のベースラインからの幾何平均上昇倍率は、ワクチン群が20.5倍(95%CI:16.6~25.3)、プラセボ群は1.1倍(0.9~1.3)で、RSV-B中和抗体価の幾何平均上昇倍率はそれぞれ20.3倍(15.6~26.4)および1.0倍(0.9~1.1)であった。 ワクチンまたはプラセボ注射後7日までに、ワクチン群が14%(5/35例)、プラセボ群は6%(2/33人)で局所反応が報告された。ワクチン群の局所反応はすべて軽度であった。最も頻度の高い局所反応は注射部位の痛みだった(ワクチン群5例、プラセボ群1例)。全身性のイベントは、ワクチン群が18例(51%)、プラセボ群は11例(33%)で発現し、疲労/倦怠感の頻度が高かった(ワクチン群14例[40%]、プラセボ群10例[30%])が、いずれも軽度であった。38℃以上の発熱は認めなかった。 注射後28日以内に、ワクチン群が34%(12/35例)、プラセボ群は29%(10/35例)で、合計25件の有害事象が発現した。1件(顎下リンパ節腫脹、ワクチン注射後26日目に発現し53日目に消退)が、ワクチン関連と判定された。ワクチン群で試験中止の原因となった有害事象が2件(検査で新型コロナウイルス感染症が陽性と心電図でQT間隔延長が1件ずつ)認められたが、いずれも試験薬との関連はないと判定された。28日までに、重篤または重度の有害事象の報告はなかった。 著者は、「これらの知見は、今後、第III相試験でRSVpreFワクチンの有効性の評価を行うことを支持するものである」としている。

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スボレキサントからレンボレキサントへの切り替え治療の睡眠障害に対する有効性

 昭和大学 横浜市北部病院の沖野 和麿氏らは、不眠症治療におけるオレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサントからレンボレキサントへの切り替えの影響について調査を行った。その結果、スボレキサントからレンボレキサントへの切り替えで、入眠障害の改善が認められたことを報告した。Psychogeriatrics誌オンライン版2022年6月10日号の報告。スボレキサントからレンボレキサントへの切り替えで12週間後の入眠障害に有意な改善 対象は、症状が3ヵ月以上持続し、スボレキサント治療を3ヵ月以上行っている慢性不眠症患者。対象患者をスボレキサント維持群またはスボレキサントからレンボレキサントへの切り替え群の2群に割り付けた。不眠症の4つのサブタイプ(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害)について調査を行った。両群における12週間後の改善効果を評価するため、ロジスティック回帰分析を用いた。 スボレキサントからレンボレキサントへの切り替えの影響について調査を行った主な結果は以下のとおり。・対象患者は77例(スボレキサント維持群:34例、レンボレキサント切り替え群:43例)であった。・両群間の睡眠障害を比較すると、レンボレキサント切り替え群は、スボレキサント継続群と比較し、12週間後の入眠障害に有意な改善が認められた(オッズ比:0.036、p=0.008、95%CI:0.003~0.415)。・中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に両群間の有意な差は認められなかった。・スボレキサントからレンボレキサントへの切り替えによる重篤な副作用の発現は認められず、安全性および忍容性が確認された。

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オミクロン株BA.4/BA.5、BA.2より免疫逃避しやすい?/NEJM

 現在、米国ではオミクロン株BA.2.12.1、南アフリカではBA.4やBA.5といった、新たな系統への置き換わりが進んでいる。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのNicole P. Hachmann氏らが、ワクチン接種者とCOVID-19既感染者において、オミクロン株BA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.4、BA.5に対する中和抗体価を測定したところ、BA.2.12.1、BA.4、BA.5といった新系統の亜種が、ワクチンと感染による免疫から逃避する可能性があることが示された。本結果は、NEJM誌オンライン版2022年6月22日号のCORRESPONDENCEに掲載された。 本研究では、ファイザー製ワクチンを2回接種し、その後ブースター接種した27例と、オミクロン株BA.1またはBA.2に感染した27例において、パンデミック初期に米国で初めて分離された従来株(WA1/2020株)、およびオミクロン株BA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.4、BA.5に対する中和抗体価を測定し、その中央値が求められた。なお、BA.4とBA.5はスパイク蛋白の配列が同一である。 主な結果は以下のとおり。・ワクチン接種群において、6ヵ月後の中和抗体価は、WA1/2020株に対して124U/mLであったが、すべてのオミクロン株亜種に対しては20U/mL未満であった。ブースター接種2週間後の中和抗体価は、WA1/2020株に対して5,783U/mL、BA.1に対して900U/mL、BA.2に対して829U/mL、新系統のBA.2.12.1に対して410U/mL、BA.4またはBA.5に対して275U/mLとなり、いずれもブースター接種後は中和抗体価が大きく増加した。しかし、WA1/2020株に対する中和抗体価と比較すると、BA.1やBA.2は6~7分の1に低下している一方で、BA.2.12.1は14分の1、BA.4とBA.5は21分の1に中和抗体価が大幅に低下している。・オミクロン株BA.1またはBA.2の既感染群の中和抗体価は、WA1/2020株に対して1万1,050U/mL、BA.1に対して1,740U/mL、BA.2に対して1,910U/mL、BA.2.12.1に対して1,150U/mL、BA.4またはBA.5に対して590U/mLであった。WA1/2020株に対する中和抗体価と比較すると、BA.1は6.4の1、BA.2は5.8分の1、BA.2.12.1は9.6分の1、BA.4とBA.5は18.7分の1に低下している。 本研究の結果、オミクロン株新系統のBA.2.12.1、BA.4、BA.5は、現在日本で主流のBA.2よりも、ワクチン接種と感染による免疫から逃避しやすいことが示された。ワクチン接種や、BA.1やBA.2の感染既往のある集団においても、BA.2.12.1、BA.4、BA.5への感染が増加する可能性が考えられる。

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バイクに乗ってアレが目に当たるとヤバイ【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第213回

バイクに乗ってアレが目に当たるとヤバイpixabayより使用われわれ異物論文の業界では、肛門、陰部に続く異物御三家が「眼」です。眼外傷は怖いです。いくつも論文を読んでいると、意外と眼予後っていいんだなと感じます。論文化されているものは、治療が成功した報告が多いですから、成功者バイアスが入っているのかもしれませんが…。Tamilarsan SS, et al.Ocular Injuries Due to Insect Spines (Ophthalmia Nodosa): Potential Hazard to Motorcyclists.Cureus. 2022 Mar 11;14(3):e23084.バイクに乗る時は、ヘルメットの着用が義務付けられています(道路交通法第71条)。50cc以下の原付も、走行時のヘルメット着用が義務付けられています。近所の大学生などが原付に乗っているとき、ハーフキャップタイプという眼が保護されていないヘルメットを被っていることがありますが、眼鏡をつけていない人などは、眼にほこりやゴミが入ることがあり、少し危険です。この論文は、バイクを運転している人で、運転中に昆虫が目に当たって眼球を損傷した4例のケースシリーズです。男性が3人、女性が1人で、年齢は18~24歳でした。視力が0.1まで低下した人もいました。全例に昆虫の毛状突起の角膜への侵入と、前房の障害が見られました。この昆虫の皮膚にある毛状突起が厄介で、これが角膜の中に入り込んでしまうと取れません。結節性眼炎に対しては、抗菌薬とステロイドの点眼をある程度継続する必要があります。前房から後房へ移動すると、眼科的には毛状突起が観察されなくなります1)。とにかく、眼を守るものを着用してバイクに乗りましょう、ということですね。ライダードクターの皆さんはご注意を。1)Ibarra MS, et al. Intraocular caterpillar setae without subsequent vitritis or iridocyclitis. Am J Ophthalmol. 2002 Jul;134(1):118-20.

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第115回 参院選、コロナ対策で正論を打ち出したのは思いもよらぬあの政党!?

東北北部を除いて全国で梅雨明けし、恐ろしいほどの暑さに襲われている。正直、関東甲信越の梅雨明けの第一報を聞いた時は「今年梅雨というほど雨降ったっけ?冗談だろう」と思わずにはいられなかったのが本音である。さてそんな夏をさらに暑いというか暑苦しくさせているものがある。6月23日に公示された参議院議員選挙である。屋外を歩いていると、5分もせずに汗びっしょりになるなか、街宣カーから候補者が張り上げる声を聞くのは申し訳ないがやや苦痛である。だが、それでもつい耳を傾けてしまう自分がいる。ということで、たぶん本連載で最も読まれないであろう毎度恒例の参議院選挙の各党の政策について、衆議院選挙で各党が掲げた政策も参照(第78回、第79回、第85回)しながら、批判的吟味を加えて紹介したいと思う。まず、政党と言っても中小政党まで含むと数多くの政党が存在するため、今回も参議院に現有議席を持つ政党(会派は除く)に絞る。また、医療・福祉関連はなかなかに幅が広いので、ややポストコロナ感が見えてきた中での新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)対策に限定する。まずは、政権与党筆頭の自民党。掲げている新型コロナ対策は(1)ワクチン接種の推進(2)検査能力の拡充(3)臨時の医療施設等も含めた保健医療体制の強化(4)国産の飲み薬をはじめとする治療薬や国産ワクチンの確保(5)将来の危機に備えた司令塔機能の強化(6)本格的な移動の回復等に向けた交通機関等の感染防止対策や空港・港湾の万全な水際対策与党ということもあり、基本的には現在政府が推進している政策を提示している感が強い。厳しく言えば特徴らしい特徴がない。もっともこのうちの(5)については該当する内閣感染症危機管理庁の新設が決まった。これは昨年12月の国会での岸田首相の所信表明演説で「これまでの新型コロナ対応を徹底的に検証します。その上で、来年の6月までに、感染症危機などの健康危機に迅速・的確に対応するため、司令塔機能の強化を含めた、抜本的体制強化策を取りまとめます」と語ったのを実現したモノだ。その意味では公約通りとも言えるが、この点がやや「あざとい」のはお気づきの方もいると思う。まず、所信表明にある新型コロナ対応の徹底検証とは、「新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議」での議論のことだ。同会議は新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣に下に4月に設置が決定。実際の会合は5月上旬に始まり、わずか5回の会合のみで報告書をまとめている。2年にわたる政府の新型コロナ対策をわずか1ヵ月で検証するのは「徹底的」とは言えない。この報告書が6月15日に発表され、その日の夕方、岸田首相は「内閣感染症危機管理庁」の新設を発表している。しかも、6月は前々から日程が決まっていた今回の参議院選挙がある。要は選挙をにらんでバックキャスティングでモノを決めただけである。この件では国立感染症研究所と国立国際医療研究センターの統合による日本版CDC(アメリカ疾病予防管理センター)の創設も謳われたが、私が知っている国立感染症研究所のある職員は「寝耳に水。こちらにはまったく話がなかったんで、所内ではてんやわんやになりました」と話していた。良くも悪くも政治主導ということである。その意味では「仏に魂を入れられるかどうか」が今後のカギを握る。最後の「移動の回復と万全な水際対策」はかなり矛盾した方針である。最近では世界中で感染報告が増加しているサル痘が隣国の韓国でも確認され、日本にとっても上陸は「いつ?」ということになりつつある。水際対策を強化すれば、入国時の検疫やそのほか諸々の規制を強化しなければならず、人流の回復には障害になる。自民党と連立を組む公明党が掲げるのは、以下の3本柱。(1)新たな危機管理体制の確立(2)国産ワクチン・治療薬の開発・実用化(3)新型コロナウイルス感染症の後遺症対策前者2つは自民党の政策とほぼ同様のもので、やはり与党らしいともいえる。前回衆議院選では病床確保や検査拡充をかなり訴えていたが、それらが消えて(1)となり、(2)と(3)は前回の衆議院選から同様だが、(3)は同党が掲げているオリジナルな政策である。また、この件は現在の新型コロナ対策の中では政策的対応としてやや抜け落ちているテーマでもある。さらに同党は中小政党とはいえ与党である。これをどのように実現させるのかについては医療関係者も注視しておいて良いポイントと言えるだろう。余談だが、前回の政策を比較のため検索したら、前回衆議院選の政策集が公式ホームページから削除されていたのは公明党のみである。さてここからは野党である。最大野党の立憲民主党が掲げている新型コロナ対策は以下の通りだ。コロナ対策について国が司令塔機能を発揮できる法改正重症化リスクが高い人などが確実に医療を受けられる「コロナかかりつけ医」制度創設水際対策を徹底し、必要な時に誰でもすぐに受けられるPCR検査体制の確立政府の対策を専門的見地から客観的に検証する「コロナ対策調査委員会」の国会への設置国内でワクチン・治療薬の開発の支援体制強化COVAXファシリティへの拠出拡大を含め、コロナ対策における国際社会の取り組みへの貢献前回はほぼ1番目の司令塔強化のみが同党の新型コロナ政策だったが、今回は激増した。与党の自民党・公明党との明確な違いは「コロナかかりつけ医」制度である。新型コロナだけで、かかりつけ医というとやや突飛に見えるが、実は立憲民主党は「日常からの健康管理・相談や総合的な医療提供(プライマリ・ケア)機能を持つかかりつけ医を『家庭医』と位置付ける『日本版家庭医制度』の創設も掲げている。奇しくも政府が先ごろ閣議決定した「骨太方針2022」では「かかりつけ医」の制度化を謳っているが、自民党の強力な支援団体である日本医師会はこれに反対の立場である。立憲民主党のこの政策は珍しく政府与党の方針と親和性が高い。立憲民主党のこの政策に対する本気度は不明だが、かかりつけ医の制度化を囲む政府与党、最大野党、日本医師会の関係性がどのようになるかは気になるところだ。そして野党の中では、前回の衆議院選で改選前から3倍超も議席を伸ばした日本維新の会は、前回衆議院選では12項目もの政策を掲げ、その多くが病床確保策だったが、今回は「感染症法を改正し、治療やワクチンにかかる費用は無償を継続しながら、新型コロナウイルス感染症の感染症上の位置付けを5類感染症とする」ことをほぼ1点突破で訴えている。この辺はややうがった見方をすると、インターネット上で「新型コロナの5類相当への引き下げ」という声が少なくないことを意識したネットポピュリズムにも映る。ご存じのように新型コロナは当初感染症法では、入院勧告が可能で、治療費が公費負担になる指定感染症として同法2類相当と政令で定め、2021年2月の同法改正では1〜5類とは別の「新型インフルエンザ等感染症」に指定された。現時点では基本は全数報告で、濃厚接触者の追跡、外出自粛要請などにも根拠を与えている。確かにオミクロン株による感染が主流になってからは、感染者が激増する一方で多くが軽症であるため、現在の位置付けは保健所などを含めた地方自治体行政の中では、さまざまな局面で負担が大きいと言える。日本維新の会の政策は、5類相当になった場合に患者にとって最大のデメリットである治療費公費負担が維持できる5類相当を感染症法の改正によって実現しようとするもの。この辺にもややポピュリズム臭が漂う。もっとも新型コロナの5類相当を求める人では、新型コロナパンデミックで顕在化した診療体制の脆弱さを基に「オミクロン株は多くが軽症だから、5類相当のインフルエンザと同じくその辺のクリニックでも診察できるようにすれば良い」という主張が多く見受けられる。しかし、このウイルスはクラスターを起こしやすいという点が極めて特徴的で、今でも医療機関や高齢者施設でのクラスター発生報告は後を絶たない。そうした中で法的に5類にしたとしても、市中の幅広い医療機関が新型コロナの診療を始めるとはとても思えない。この点を踏まえてどのような形にするかは、この政策主張だけではまったく見えないのが実際のところだ。前回の衆議院選挙で議席が微増した国民民主党は前回同様の「コロナ三策」を掲げている。第3策は直接医療とは関係のない経済支援策だが、第1策が「検査の拡充『見つける』」、第2策が「感染拡大の防止『抑える』」が医療的な新型コロナ対策で、前回10項目あった第2策は6項目に整理された。当時はデルタ株での第5波収束直後ということもあり、今回消えた項目は病床や治療薬の確保や検疫強化の話が中心だ。この第2策の中で新設とも言えるのが「マスク着用の見直し」だが、官房長官発言などで屋外での感染リスクが低い局面でのマスク不要の発言を受けてもなお市中の動きは鈍い。政治からの発信のみでここが変わるかは疑問なところではある。そして第1策は前回の衆議院選とまったく変わらない。端的に言えば家庭と市中で無料検査を拡大し、感染者を見つけ出してセルフケアで感染拡大の抑止につなげることやワクチン接種歴や検査陰性データのデジタル証明の普及を謳っている。しかし、軽症者が多く、感染拡大スピードが速いオミクロン株対応では、この政策は時代遅れと言っても過言ではない。「もう少し真面目に政策を作ってください」と言いたくなるのは厳しすぎるだろうか。一方、全体的に革新色の強い日本共産党と社会民主党の政策を見てみたい。日本共産党は立憲民主党と同様にかなり多項目の政策を掲げている。高齢者施設、医療機関などでの頻回検査を国の責任で実施感染者や疑いのある人が十分な検査と医療を受けられるよう地域医療への支援を強化ワクチンの有効性・安全性の情報発信を国が前面に立って行い、希望者への安全・迅速な接種を推進地域医療構想に基づく急性期病床削減計画を中止し、拡充に切替感染症病床、救急・救命体制への国の予算を2倍にし、ICU(集中治療室)支援制度を新設し、設置数を2倍に政府が進める医師の削減計画を中止し、「臨時増員措置」を継続保健所予算を2倍にし、保健所数も職員数も増員国立感染症研究所・地方衛生研究所の研究予算を10倍化最後の3つは前回衆議院選時と変わらずだが、未だどこに予算根拠があるのかは不明である。検査体制については「『いつでも、誰でも、無料で』という大規模・頻回・無料のPCR検査を行います」「職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように、国が思い切った補助を行います」からは変化し、検査の重点を医療機関と高齢者施設に絞り込んだところには進化が見える。一方、注目点は新型コロナワクチンについて「ワクチンの有効性・安全性の情報発信を国が前面に立って行い」としている点だ。やや概念的にも思えるが、新型コロナでのワクチン政策は有効性への限界から現在曲がり角に達している。そこに新規感染者での接種歴区分に関して厚生労働省が雑な集計をしていたことが明らかになり、現在はワクチン不信がピークとも言える社会状況である。その意味で日本共産党のこの主張では与野党が協力体制を敷いても良いケースと言えないだろうか。社民党の新型コロナ対応では非常時の病床確保の観点から、2019年に厚生労働省が診療実績などに基づき再編の必要性も検討すべきとして提示した公立・公的病院436ヵ所のリスト撤回を求めるという前回同様の1本柱である。これは前回も触れたが、日本国内では従来から医療機関の幅広い分布が、逆に医師などのソフトの面での薄い配置を招き、結果として医療の質の地域間格差を生んでいる側面がある。この環境でこの政策を掲げ続けるならば、もうひと捻りが必要ではないだろうか。また、医療という幅広い領域で病床削減反対のみを掲げ続けるのも新鮮味はない。「ブレない」がウリらしい同党だが、もう少し良い意味で「ブレて」欲しいものである。国政選挙では時に台風の目になっているれいわ新選組は、前回衆議院選ではやはり検査拡大やエッセンシャルワーカーへの手当拡充を訴えていたが、今回は、新型コロナの新しい変異種に限らず、まったく新しい感染症の登場に備える感染症が拡大する恐れがある場合は災害に指定し徹底した補償を実施感染症と災害の対策司令塔としての防災庁の設置緊急時に向けて平時からの病床安定確保、国による医師・看護師、保健師など人材の増員など、保守政党や革新政党が掲げる概念的な政策を足して2で割ったような大人しさ。最後にNHK党。一般にはややおちゃらけた政党のように思われ、なおかつNHKに関する政策のみで前回は新型コロナ対策が見当たらなかったが、今回は以下のような政策を掲げている。屋外など感染リスクの低い状況での積極的なマスク外しの奨励検査の意義を考慮した上で、無駄な検査や害となりうる検査拡充に警鐘を鳴らす日本版 CDC 創設日本版 ACIP (ワクチン接種に関する諮問委員会)制度の導入米国などで導入されているナース・プラクティショナー制度導入国民民主党のところで同党が掲げる検査拡充を批判的に評価したが、それはオミクロン株のような感染力が強く、重症化もしにくいウイルスで検査を拡充すれば無駄に無症状者などを拾い上げ、結局この感染症の対策を厄介するからである。その意味でNHK党の政策は正論である。また、そのほかでもアメリカのACIP(Advisory Committee on Immunization Practices)の日本版やナース・プラクティショナー導入を掲げるなど、「あれれ、どうした?」という感じだ。誰か新たなブレーンが入ったのだろうか? いずれにせよ一番変化があったのがこの党である。もっともテストで0点だった生徒が、急に20点になったようなものかもしれない。さて皆さん、今回はどのような選択をしますか?

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ASCO2022 レポート 血液腫瘍

レポーター紹介今年のASCO 2022の年次総会も、COVID-19の影響で、昨年のASCO 2021に引き続き、ハイブリッド開催となりました。その恩恵を受けて、昨年と同様に、米国・シカゴまで行かずに、通常の病院業務をしながら、業務の合間に、時差も気にせず、オンデマンドで注目演題を聴講したり、発表スライドを閲覧したりすることができました。それらの演題の中から、今年も10の演題を選んで、発表内容をレポートしたいと思います。以下に、悪性リンパ腫(慢性リンパ性白血病含む)関連5演題、多発性骨髄腫関連3演題、白血病関連2演題を紹介します。悪性リンパ腫(慢性リンパ性白血病含む)関連First-line brentuximab vedotin plus chemotherapy to improve overall survival in patients with stage III/IV classical Hodgkin lymphoma: An updated analysis of ECHELON-1.  (Abstract #7503)ECHELON-1試験は、初発の進行期ホジキンリンパ腫患者を対象に、これまでの標準治療のABVD療法と、ブレンツキシマブベドチンとブレオマイシンを入れ替えたA-AVD療法を比較した第III相比較試験で、これまでの発表にて、A-AVD療法がABVD療法と比較し、PFSの延長効果が示されていた。今回の発表では、追跡期間の中央値が73ヵ月(約6年)の時点で、A-AVD療法の、OSについての優位性も示された(6年時点のOS:[A-AVD療法:93.9%、ABVD療法:89.4%]) (HR:0.590、95%信頼区間[CI]:0.396~0.879、p=0.009)。サブグループ解析では、IPSが4~7の患者、Stage IVの患者、節外病変が2以上の患者など、予後不良と思われる患者において、有意にA-AVD療法がABVD療法よりもOSを延長した。2次がんの発症率も、23例と32例で、A-AVD療法で少なかった。ホジキンリンパ腫については、これまで、ABVD療法に対し、OSでの優位性を示した治療法はなかったが、A-AVD療法が初めてABVD療法にOSで優ったことが示された歴史的試験結果となった。Glofitamab in patients with relapsed/refractory (R/R) diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL) and >2 prior therapies: Pivotal phase II expansion results. (Abstract #7500)R/R DLBCL患者に対し、近年、CD19-CAR-T細胞治療やポラツズマブベドチン(ADC)などの新薬が登場し、治療成績は良くなったが、それらの治療にても再発・難治となる場合もあり、さらなる新薬の開発が望まれている。本発表では、CD20とCD3(2対1の比率)に対する二重抗体薬のglofitamabの第II相試験(21日サイクルにて、最大12サイクルまでの固定期間治療であり、サイクル1のDay1には、CRS軽減のため、オビヌツズマブを投与し、Day8に2.5mg、Day15に10mgを投与、サイクル2以降はDay1に30mgを投与する)の結果が報告された。154例の2ライン以上の前治療歴(リツキシマブの治療歴を含む)のあるR/R DLBCL患者が対象となった(59.7%が3ライン以上、33.1%がCAR-T治療を受けていた)。主要評価項目のCR率は39.4%であり、副次評価項目のORRは51.6%であった。また、CAR-T治療歴のある、なしでのCR率は、それぞれ35%と42%であった。CR維持率は12ヵ月時点で77.6%であった。CRSは63%に認めたが、うち59%はG1~2であり、ほとんどがサイクル2までに認められた。glofitamabは、CAR-T既治療例を含むR/R DLBCLに対する新たな治療薬として期待できる。Influence of racial and ethnic identity on overall survival in patients with chronic lymphocytic lymphoma. (Abstract #7508)CLLは、西欧諸国では頻度の多い疾患であるが、アフリカやアジアでは少なく、発症率や予後に、人種差が影響するかどうかは、明らかではなかった。本発表では、National Cancer Databaseに2004~18年に登録されたアメリカのCLL患者を解析している。9万7,804例のうち、8万8,680例(90.7%)が白人、7,391例(7.6%)が黒人、2,478例(2.6%)がヒスパニック、613例(0.6%)がアジア人であった。今回は、この中で、白人と黒人を比較している。黒人の方が、診断時の年齢が66歳(vs.70歳)と若く、合併症を有する割合も27.9%(vs.21.3%)と多かった。さらに、次の項目(女性患者、非保険加入者、低所得者)の割合が黒人で多かった。また、CLLの治療を、診断時すぐに開始された割合も35.9%(vs.23.6%)と多く、OSは短い(中央値:7.00年vs.9.14年)ことがわかった。CLLの病態に人種差がどのように影響しているかは不明だが、経済力の差などが、診断時期や治療法の選択にも影響している可能性もあり、それがOSの差に反映していると思われる。GEMSTONE-201: Preplanned primary analysis of a multicenter, single-arm, phase 2 study of sugemalimab (suge) in patients (pts) with relapsed or refractory extranodal natural killer/T cell lymphoma (R/R ENKTL). (Abstract #7501)R/R ENKTLの予後はきわめて不良である(OS中央値は7ヵ月未満、1年OSは20%未満)。本試験では、R/R ENKTLに対する抗PDL1抗体薬(sugemalimab)の第II相試験(GEMSTONE-201試験)の最初の解析結果が報告された(追跡期間の中央値が13.4ヵ月時点)。対象となった患者は、80例(年齢中央値:48歳、男性:64%、前治療が2ライン以上:49%、前治療に抵抗性:46%)であり、Suge 1,200mgを3週に1回投与し、最長24ヵ月投与した。主要評価項目のORRは、46.2%であった。また、副次評価項目のCR率は、37.2%であり、12ヵ月時点のDORは、86%であった。探索的評価項目の全生存率は、12ヵ月時点で68.6%であった。G3以上の有害事象は39%(治療薬関連は16%、そのうち重篤な有害事象は6.3%)でみられ、最も高頻度にみられたirAEは、甲状腺機能低下症が16%にみられた。R/R ENKTLに対する抗PDL1抗体薬は、その有効性と安全性のバランスから期待できる治療薬と考える。Primary results from the double-blind, placebo-controlled, phase III SHINE study of ibrutinib in combination with bendamustine-rituximab (BR) and R maintenance as a first-line treatment for older patients with mantle cell lymphoma (MCL). Abstract #LBA7502初発の自家移植非適応の高齢MCL患者(65歳以上)に対するBRX6サイクル+R維持療法(2ヵ月ごと2年間)と、その治療に最初からイブルチニブ560mg(or プラセボ)を上乗せし、イブルチニブ(or プラセボ)は、PDあるいは毒性中止となるまで継続する治療を比較した第III相比較試験のSHINE試験の結果がLate break abstractとして報告され、同日のNEJM誌にPublishされた。イブルチニブ群259例とプラセボ群260例が治療を受けた。主要評価項目のPFSの中央値は、80.6と52.9ヵ月であり、HR:0.75(0.59~0.96)と有意にイブルチニブを併用した治療で約2年のPFSの延長がみられた。ハイリスク症例(BlastoidタイプあるいはTP53変異あり)でも、イブルチニブ群でPFSが良い傾向にあったが、症例数が少なく、有意差は認めなかった。TTNTもHR:0.48(0.34~0.66)でイブルチニブ群で延長がみられた。イブルチニブ群では、G3/4の有害事象として、出血(3.5%)、心房細動(3.9%)、高血圧(8.5%)、関節痛(1.2%)を認めた。ただし、OSについては、HR:1.07(0.81~1.40)で差を認めていない。SHINE試験で、初めて、初発の高齢MCL患者に対するイブルチニブの有用性(併用効果)が示され、今後、標準治療の変更が見込まれる結果となった。多発性骨髄腫関連Major risk factors associated with severe COVID-19 outcomes in patients with multiple myeloma: Report from the National COVID-19 Cohort Collaborative (N3C). (Abstract #8008)NCATS’ National COVID Cohort Collaborative (N3C)のデータベースを用い、MM患者におけるCOVID-19の重症化のリスクを解析している。本データベースには、2万6,064例のMM患者が登録(うちCOVID-19 陽性は8,588例)されていた。多変量解析によって、肺疾患、腎疾患の既往は重症化のリスクであったが、糖尿病、高血圧は有意なリスクとはならなかった。喫煙は、むしろリスクが低い傾向があった。造血幹細胞移植、COVID-19ワクチン接種は有意に重症化リスクを下げた。一方、IMiDs、PI、デキサメサゾン治療は死亡リスクを上昇させたが、ダラツムマブ治療はリスクとはならなかった。1.93%のMM患者がCOVID-19感染10日以内に、4.47%のMM患者が30日以内に死亡した。本発表は、世界での最大級のデータベースを解析したものであり、COVID-19流行下のMM診療に役立つと思われる。Teclistamab, a B-cell maturation antigen (BCMA) x CD3 bispecific antibody, in patients with relapsed/refractory multiple myeloma (RRMM): Updated efficacy and safety results from MajesTEC-1. (Abstract #8007)BCMAとCD3に対する二重抗体薬 teclistamabの第I/II相MajesTEC-1試験の最新のデータが発表された。対象となった患者165例(第I相:40例、第II相:125例)は、前治療のライン数が5(2~14)で74%が4ライン以上であった。また、78%がトリプルクラス抵抗性、30%がペンタドラッグ抵抗性であり、90%が最後の治療に抵抗性の状態であった。Tecは、1.5mg/kgを週1回、皮下注で投与する方法が推奨用量であった。有効性の評価では、ORRは63%で、VGPR以上は58.8%、CR以上は39.4%であった。DORの中央値は18.4ヵ月、12ヵ月時点のDORは68.5%であり、CR以上が得られた患者では80.1%であった。PFSの中央値は11.3ヵ月、OSの中央値は18.3ヵ月であった。有害事象については、CRSは、72.1%でみられたが、G3は1例(0.6%)でG4/5はなかった。CRS発現は2日目(1~6)にみられ、2日間(1~9)続いた。治療関連死は5例(COVID-19 2例、肺炎1例、肝不全1例、PML1例)、AEによる減量は1例だけであった(21サイクル目)。BCMAを標的とするCAR-T療法よりは効果が落ちるものの、Off the shelfの薬剤であり、大いに期待される。Daratumumab carfilzomib lenalidomide and dexamethasone as induction therapy in high-risk, transplant-eligible patients with newly diagnosed myeloma: Results of the phase 2 study IFM 2018-04. (Abstract #8002)フランスのグループ(IFM)で実施されたHigh riskの染色体異常(CA)(t[4;14]、 del[17p]、 t[14;16]のいずれか)を有する移植適応のある初発MM患者を対象としたDara-KRD(6サイクル)+Auto(MEL200)+Dara-KRD(4サイクル)+2回目Auto(MEL200)+Dara-Len維持療法(2年)の第II相試験(IFN 2018-04試験)の寛解導入Dara-KRD治療の結果が報告された。50例の患者がエントリーされた。Del(17p)が20例、t(4;14)が26例、t(14;16)が10例、Gain(1q)は25例、前記の2以上のCAを有しているのは34例であった。46例が6サイクル完遂でき、2例はAE(COVID-19感染と腫瘍崩壊症候群)で中止、2例はPD中止となった。6例が2回Auto分のPBSCHに失敗したため、Dara-KRD(3サイクル)後にPBSCHを実施したところ、全例、PBSCHに成功した。ORRは96%、VGPR以上は91%、MRD測定(NGS)を行った37例中、MRD陰性であったのは、62%であった。今後、この治療法は続きがあるが、寛解導入部分の有効性、安全性は評価できると考える。白血病関連Overall survival by IDH2 mutant allele (R140 or R172) in patients with late-stage mutant-IDH2 relapsed or refractory acute myeloid leukemia treated with enasidenib or conventional care regimens in the phase 3 IDHENTIFY trial. (Abstract #7005)AMLにおいて、8~19%の症例で、IDH2遺伝子変異がみられ、IDH2遺伝子変異には、R140Q変異(75%)とR172K変異(25%)がある。変異IDH2阻害剤のenasidenibは、IDH2遺伝子変異を有する高齢R/R AML患者に対し、通常の治療(AZA、CA少量、BSC)と比較しOSの延長は認められなかった(IDHENTIFY試験)。今回の解析では、R140変異とR172変異に分けて解析している。R140と比較し、R172では併存する変異遺伝子の数が、少なかった。また、R140ではSRSF2、FLT3、NPM1、RUNX1遺伝子の変異を伴うのが多かったが、R172では、DNMT3A、TP53の変異が多かった。このことが影響したためか、R140では、OSに差を認めなかったが、R172においては、有意に、enasidenibが、通常治療よりもOSを延長した(14.6ヵ月 vs.7.8ヵ月)。遺伝子変異に基づいた治療法の選択は今後、ますます重要になると思われ、興味深い発表と考える。Efficacy and safety results from ASCEMBL, a phase 3 study of asciminib versus bosutinib (BOS) in patients (pts) with chronic myeloid leukemia in chronic phase (CML-CP) after >2 prior tyrosine kinase inhibitors (TKIs): Week 96 update.  (Abstract #7004)2ライン以上のTKIによる前治療歴があり、それらのTKI治療に抵抗性・不耐容のCML患者に対し、従来のTKIが結合するATP結合サイトとは異なるミリストイルポケットを標的とするasciminibとボスチニブを比較した第III相試験のASCEMBL試験のフォローアップデータが発表された。最初の解析時点から16.5ヵ月経過した2.3年時点での結果である。157例がasciminib、76例がボスチニブに割り付けられ、84例(53.5%)と15例(19.7%)が治療継続しており、治療効果不十分のため中止となった症例は、38例(24.2%)と27例(35.5%)であった。96週時点のMMR率(副次評価項目)は、37.6%と15.8%であり、有意にasciminibが優れていた(主要評価項目の24週時点のMMR率は25.5%と13.2%であった)。内服期間の中央値も23.7ヵ月と7.0ヵ月で、asciminibが長かった。asciminibでボスチニブよりも多くみられたAEは、血小板減少であり、ボスチニブでみられる下痢、嘔気・嘔吐、皮疹、肝障害は、明らかに少なかった。今回の結果から、asciminibは、既存のTKIに抵抗性・不耐容のCML患者の長く継続できる新たな治療薬として、再認識され、現在、日本でも保険適用で使用可能となった。おわりに以上、ASCO 2022で発表された血液腫瘍領域の演題の中から10演題を紹介しました。昨年のASCO 2021でも10演題を紹介いたしましたが、今年も昨年と同様に、どの演題も今後の治療を変えていくような結果であるように思いました。来年以降も現地開催に加えてWEB開催を継続してもらえるならば、ASCO 2023にオンライン参加をしたいと考えています。(でも、もう少し参加費を安くしてほしい、特に、円安の今日この頃(笑))

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日本人労働者の睡眠負債がプレゼンティズムや心理的苦痛に及ぼす影響

 健康上の問題を抱えながら仕事や業務に携わる状態を表すプレゼンティズム(presenteeism)は、生産性の低下やメンタルヘルスの問題による欠勤のリスク指標である。北海道医療大学の高野 裕太氏らは、睡眠負債、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)、不眠症状がプレゼンティズムや心理的苦痛に及ぼす影響を調査した。その結果、不眠症状は、睡眠負債や社会的時差ぼけよりも、プレゼンティズムや心理的苦痛に大きな影響を及ぼしていることが明らかとなった。プレゼンティズムや心理的苦痛に対し、睡眠負債もまた独立した影響を及ぼしているが、社会的時差ぼけの影響は認められなかった。BioPsychoSocial Medicine誌2022年6月3日号の報告。 研究参加者は、日本人労働者351人(男性:271人、女性:79人、その他:1人、平均年齢:49±9.49歳)。参加の適格基準は、フルタイム雇用、1日8時間・週5日勤務、夜勤なしとした。参加者は、睡眠負債、社会的時差ぼけ、不眠症状、プレゼンティズム、心理的苦痛を測定するための質問票に回答した。 主な結果は以下のとおり。・不眠症状は、睡眠負債や社会的時差ぼけと比較し、プレゼンティズム(調整オッズ比[aOR]:5.61、95%信頼区間[CI]:2.88~10.91)や心理的苦痛(aOR:7.29、95%CI:3.06~17.35)に対する影響が最も大きかった。・睡眠負債は、社会的時差ぼけと比較し、プレゼンティズム(aOR:1.61、95%CI:1.14~2.27)や心理的苦痛(aOR:1.68、95%CI:1.11~2.54)への影響が大きかった。・プレゼンティズム(aOR:1.04、95%CI:0.91~1.20)や心理的苦痛(aOR:0.96、95%CI:0.76~1.22)に対する社会的時差ぼけの影響は認められなかった。

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テストステロン低下が肥満のない非アルコール性脂肪性肝疾患の要因か/日本抗加齢医学会

 テストステロン欠乏により生じる病態と言えば男性更年期(疲れやすい、肥満、うつ、性欲低下…)をまず思い浮かべるが、実は、加齢による骨格筋量の減少(サルコペニア)の原因の1つであり、脂肪肝の発症にも深いかかわりがあるというー。6月17~19日に大阪で開催された第22回日本抗加齢医学会総会のシンポジウム「男性医学」において、濱口 真英氏(京都府立医科大学 内分泌・代謝内科学助教)が『脂肪肝とテストステロン』と題し、骨格筋量の低下とテストステロン欠乏、そして脂肪肝への影響について講演した。肥満のない脂肪肝なら起こる可能性-サルコペニア 肝臓と筋肉には肝筋連関というつながりがあり、2型糖尿病を例にとると、高血糖はもちろんのこと、過栄養による脂肪肝や運動不足による筋肉量低下が引き金となり糖尿病を発症する。濱口氏は「肝筋連関のせいで肝臓と筋肉が互いに足を引っ張り合ってさらなる悪循環を来し、サルコペニアが脂肪肝を助長する」と説明。これを立証するものとして、『脂肪肝と肥満と糖尿病の関係性』に関する研究1)を紹介し、「肥満でなくても脂肪肝があればサルコペニアのリスクはある。過体重を伴わない脂肪肝は、サルコペニアがあることで見掛け上の体重が減少していると考えられる」と解説した。脂肪肝指数はテストステロン高値群より低値群で高い サルコペニアにも負の影響をもたらす脂肪肝。近年では単なる内臓脂肪ではなく、筋肉、心臓、肝臓、膵臓の4つの部位に主に発生し、さまざまな細胞に障害を及ぼす “異所性脂肪蓄積”の1種として重要視されている。さらに、脂肪肝は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)へ進展することもあるため「NASHのリスク因子である男性更年期(LOH症候群)やサルコペニアを早期に改善させる必要がある」と同氏は指摘した。実際に国内の非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の年代別割合グラフ2)を見ると、男女ともに20代から増加し50~60代でピークを迎え、とくに男性の場合は50代をピークに逆U字を描く傾向にあり、「肝筋連関に加えて、血清テストステロンの低下が脂肪肝に影響しているのではないか」とコメントした。また、海外データ3)で、脂肪肝指数はテストステロン高値群より低値群で高く、トリグリセリド/HDL-C比はテストステロン高値群より低値群で高いことが示唆されている。 同氏はそれを裏付けるものとして、去勢モデルマウスとテストステロン補充に関する研究4)を示し、これによると去勢モデルにテストステロンを補充することで骨格筋量の回復、耐糖能異常の改善がみられた。さらにエストラジオールを補充することで最も高い改善が見られ、脂肪肝も抑制することが示された。ただし、「実臨床においてLOH症候群でサルコペニアと糖尿病を伴う受診者にエストラジオールを補充することの是非については議論がある」ため、同氏らはエストラジオールの代替として大豆イソフラボンおよびエクオールの可能性について検討を深めている。 最後に同氏は以上をまとめ、「テストステロンの補充で骨格筋量が回復しさらにエストラジオールの補充が脂肪肝の改善に効果を有することから、エストラジオールの代替として大豆イソフラボンを補充することは脂肪肝・サルコペニア・糖代謝改善に期待できるのではないか。今後、研究結果が待たれる」と締めくくった。

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追加接種のタイミング、6ヵ月以上でより高い有効性か

 ワクチンの種類や2回目接種からの間隔の長さによって、オミクロン株に対する3回目接種の有効性は異なるのか? スペイン・公衆衛生研究所のSusana Monge氏らは、全国規模の住民登録データを用いて、オミクロン株が優勢な期間におけるワクチン有効率をいくつかのサブグループごとに推定。結果をThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2022年6月2日号で報告した。 本研究では、スペインの3つの全国的な人口登録(ワクチン接種登録、検査結果登録、および国民健康システム登録)からのデータをリンクさせて、ワクチン初回シリーズ(mRNAワクチンおよびアストラゼネカ製ワクチンは2回、ヤンセン製ワクチンは1回)をフォローアップ開始の3ヵ月前までに完了した40歳以上の個人を選択した。パンデミックの開始以降、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したことがある者(検査陽性者)は含まない。 2022年1月3日から2月6日までの毎日、mRNAワクチンの追加接種者と対照者を、性別、年齢層、郵便番号、ワクチンの種類、2回目接種からの経過時間、および以前の検査回数でマッチさせた。Kaplan-Meier法を使用して、リスク比(RR)とリスク差による群間比較を行った。ワクチン有効率は、1からRRを引いたものとして計算された。 主な結果は以下の通り。・311万1,159人ずつのマッチさせたペアが解析対象。・初回シリーズのワクチンの種類は、ファイザー製が78.4%、モデルナ製が11.8%、アストラゼネカ製が7.6%、ヤンセン製が2.2%。追加接種は、ファイザー製が26.6%、モデルナ製が73.4%だった。・全体として、追加接種後7~34日目までの推定有効率は51.3%(95%信頼区間[CI]:50.2~52.4)だった。・追加接種の種類ごとにみた推定有効率は、モデルナ製が52.5%(51.3~53.7)、ファイザー製が46.2%(43.5~48.7)だった。・初回シリーズの種類ごとにみた推定有効率は、アストラゼネカ製が58.6%(55.5~61.6)、モデルナ製が55.3%(52.3~58.2)、ファイザー製が49.7%(48.3~51.1)、ヤンセン製が48.0%(42.5~53.7)だった。・初回シリーズ後151~180日に追加接種した場合の推定有効率は43.6%(40.0~47.1)、180日を超えて追加接種した場合は52.2%(51.0~53.3)だった。 著者らは、追加接種のオミクロン株に対する推定有効率はファイザー製と比較してモデルナ製で高く、また初回シリーズ完了後追加接種までの時間とともに推定有効率が増加したとまとめている。ただし一方で、推定有効率がより間隔を空けた場合と比べやや低いとしても、オミクロン株感染が拡大している中での接種は可能な限り早い段階で感染を減らすという側面から正当化されるかもしれないと考察している。

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抗体-薬物複合免疫賦活薬(iADC)の創製で戦略的提携/アステラス・Sutro

 アステラスは2022年06月28日、Sutro Biopharma, Inc.(Sutro)と、抗体-薬物複合免疫賦活薬(immunostimulatory Antibody-Drug Conjugates、iADC)の共同研究・開発に関する全世界における戦略的提携およびライセンスに関する契約を締結した。 Sutroの抗体-薬物複合技術と、アステラス製薬のがん領域におけるグローバルな研究開発ケイパビリティを組み合わせ、次世代モダリティiADCの治療薬創製を目指す。 免疫チェックポイント阻害薬を含む主要ながん免疫療法の課題は、免疫細胞が浸潤しづらいがん微小環境にある非炎症性腫瘍に対して効果を得にくいことである。 今回の戦略的提携では、既存の治療法が有効でない患者に治療薬を届けるため、非炎症性腫瘍に効果的かつ効率的にアプローチできる可能性があると考えられる次世代モダリティのiADCの創製に取り組む。免疫を活性化する免疫賦活剤に加え、免疫原性細胞死(immunogenic cell death)を誘導する抗がん剤を抗体に結合させたiADCは、より強力な抗がん作用を発揮する可能性を有する。 この提携により、アステラスとSutroは、3つの異なる標的に対するiADCの創製を加速する、としている。

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費用対効果分析へのスポンサーバイアスは?/BMJ

 費用対効果分析(CEA)におけるスポンサーバイアスの影響力は大きく、隅々にまで及んで、さまざまな疾患や試験デザインにわたって存在することを、カナダ・マックマスター大学のFeng Xie氏らが、企業スポンサー(医薬品、医療機器、バイオテクノロジー企業)と費用対効果との関連性を検証したレジストリベースの解析結果を報告した。多くの国で、製薬企業は新薬の保険適用申請の際にCEAの提出を求められているため、過去数十年で経済性評価に関する研究が急速に拡大したが、先行研究においてCEAの約20%が製薬企業の資金提供を受けていることが示されている。また、業界の資金提供による経済評価は、スポンサーに有利な費用対効果の結果を報告する傾向にあることが、これまで一貫して示されてきた。ただし、それら研究のほとんどが、特定の疾患や治療に限定されたもので、システマティックレビューに基づく最新の分析は15年以上前に発表されたものであった。著者は今回の結果を踏まえて、「独立機関が実施するCEAを用いることで、支払者はより低価格で交渉することができる可能性がある。そのような公平性を用いることは、独自の経済分析能力が限定的で、保険適用に関する政策決定の情報を、公表されたCEAに依存する国にとって、とくに重要である」とまとめている。BMJ誌2022年6月22日号掲載の報告。1976~2021年に公表されたすべての費用対効果分析を調査・解析 研究グループは、Tufts CEA Registryを利用し1976~2021年の期間にMedlineで公表されたすべてのCEAを特定し、その中から、質調整生存年を用いた増分費用効果比(incremental cost effectiveness ratio:ICER)が報告されており、ICERの程度や位置付けについて十分な情報が提供されていた8,192件を適格とした。 記述的分析を用いて企業スポンサー有無別のCEAの特徴を描出して比較するとともに、ロジスティック回帰分析により企業スポンサーと費用対効果の関連性を、選択閾値(5万ドル、10万ドル、15万ドル)を用いて確認した。また、企業スポンサーとICERの大きさとの関連をロバスト線形回帰にて分析した。すべての回帰分析は、疾患および試験デザインの特性について調整を行った。プラスの増分費用と質調整生存年を報告したCEAでは、企業スポンサーのICERが33%低い 解析に組み込まれた8,192件のCEAのうち、2,437件(29.7%)が企業から出資を受けていた。企業がスポンサーのCEAは非企業がスポンサーのCEAと比較して、選択閾値が5万ドル未満(補正後オッズ比[aOR]:2.06、95%信頼区間[CI]:1.82~2.33)、10万ドル未満(2.95、2.52~3.44)および15万ドル未満(3.34、2.80~3.99)と、いずれにおいても、介入が比較対象よりも費用対効果が高いと結論づける傾向が認められた。 プラスの増分費用と質調整生存年を報告したCEA 5,877件において、企業がスポンサーの研究のICERは、非企業がスポンサーの研究のICERと比較して33%低かった(95%CI:-40~-26)。

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子宮内膜症、レルゴリクス併用療法が有効か/Lancet

 経口ゴナドトロピン放出ホルモン受容体拮抗薬レルゴリクス+エストラジオール+酢酸ノルエチステロン併用療法は、子宮内膜症関連疼痛を有意に改善し、忍容性も良好であることが、米国・カリフォルニア大学のLinda C. Giudice氏らが実施した2つの多施設共同無作為化二重盲検第III相試験「SPIRIT 1試験」と「SPIRIT 2試験」の結果、示された。著者は、「この経口療法は、オピオイドの使用や外科的治療の必要性を減らし、子宮内膜症の長期薬物療法に対するアンメットニーズを解決する可能性がある」とまとめている。子宮内膜症は女性の骨盤痛でよくみられる原因であり、現状では最適な治療選択肢がない。Lancet誌2022年6月18日号掲載の報告。レルゴリクス併用療法vs.プラセボvs.遅延レルゴリクス併用療法を比較検討 SPIRIT 1試験およびSPIRIT 2試験は、アフリカ、オーストララシア、欧州、北米、南米の計219施設で、組織学的確定診断の有無にかかわらず外科的または視診により診断された子宮内膜症、または組織学的確定診断のみの子宮内膜症を有する18~50歳の女性を対象に実施された。被験者の適格基準は、35日間の導入期間に月経困難症の数値的評価スケール(NRS)スコア4点以上が2日以上、非月経性骨盤痛のNRS平均スコアが2.5以上、または平均スコア1.25以上(スコア5以上を含む)が4日以上の中等度~重度の子宮内膜症関連疼痛を有する患者とした。 研究グループは被験者を、プラセボ群、レルゴリクス併用療法群(レルゴリクス40mg、エストラジオール1mg、酢酸ノルエチステロン0.5mg)、遅延レルゴリクス併用療法群(レルゴリクス40mg単剤を12週間後にレルゴリクス併用療法を12週間)の3群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、1日1回24週間経口投与した。二重盲検無作為化治療期間およびフォローアップ期間中、全患者、研究者およびスポンサーのスタッフ/代表者は、治療の割付をマスキングされた。 主要評価項目は、治療終了時(24週時)における月経困難症および非月経性骨盤痛それぞれの、NRSスコアと鎮痛剤使用に基づく奏効患者の割合(奏効率)であった。 SPRIT 1試験では、2017年12月7日~2019年12月4日の期間に638例が登録され、レルゴリクス併用療法群212例(33%)、プラセボ群213例(33%)、遅延レルゴリクス併用療法群213例(33%)に無作為化された。SPRIT 2試験では2017年11月1日~2019年10月4日の期間に623例が登録され、レルゴリクス併用療法群208例(33%)、プラセボ群208例(33%)、遅延レルゴリクス併用療法群207例(33%)に無作為化された。SPIRIT 1試験で98例(15%)、SPIRIT 2試験で115例(18%)が早期に試験を中止した。レルゴリクス併用療法で月経困難症および非月経性骨盤痛が有意に改善 月経困難症に対する奏効率は、SPIRIT 1試験でレルゴリクス併用療法群75%(158/212例)、プラセボ群27%(57/212例)(群間差:47.6%、95%信頼区間[CI]:39.3~56.0、p<0.0001)、SPIRIT 2試験でそれぞれ75%(155/206例)および30%(62/204例)(44.9%、36.2~53.5、p<0.0001)であった。 非月経性骨盤痛に対する奏効率は、SPIRIT 1試験でレルゴリクス併用療法群58%(124/212例)、プラセボ群40%(84/212例)(群間差:18.9%、95%CI:9.5~28.2、p<0.0001)、SPIRIT 2試験でそれぞれ66%(136/206例)、43%(87/204例)(23.4%、13.9~32.8、p<0.0001)であった。 最も頻度の高い有害事象は頭痛、鼻咽頭炎、ホットフラッシュであった。自殺企図は両試験で9例(プラセボ導入期2例、プラセボ群2例、レルゴリクス併用療法群2例、遅延レルゴリクス併用療法群3例)が報告されたが、死亡の報告はなかった。 腰椎骨密度の最小二乗平均変化率(レルゴリクス併用療法群vs.プラセボ群)は、SPIRIT 1試験で-0.70% vs.0.21%、SPIRIT 2試験で-0.78% vs.0.02%であった。また、遅延レルゴリクス併用療法群では、SPIRIT 1試験で-2.0%、SPIRIT 2試験で-1.9%であった。 プラセボ群と比較してレルゴリクス併用療法の2群で、オピオイド使用の減少が認められた。

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梅雨が明けた?【Dr. 中島の 新・徒然草】(432)

四百三十二の段 梅雨が明けた?気象庁「ごめん。もう梅雨明けかもしれない…」そういうタイトルが、6月24日のネットニュースにありました。ほんまかいな。確かに日中は異常な暑さで、太陽がギラギラ照りつけています。病院の冷房も効きが悪い。が、一方で異論を唱える人もいます。ウチの女房がそうです。「蝉が鳴いていないぞ」「まだ空気がジメッとしている」そう言われりゃ確かにそうです。晴れていても中途半端な天気。で、実際には、近畿地方は6月28日に梅雨明け宣言がされました。例年は7月19日頃になる梅雨明け宣言が、6月になされたのは観測史上初。遅く始まった梅雨が早く終わったということで、実に14日間だけの梅雨でした。普通は44日間程度なのに、観測史上最短の梅雨になってしまったそうです。私が子供の頃は、毎日雨が降っていた梅雨の記憶しかありません。一体全体、日本はどうなってしまったのでしょうか。蝉といえば、日本に住んだ外国人の3大ビックリというのがあるそうです。外国人といっても地球の裏側から来た人たちではありません。大陸や半島のような、日本に近いところの出身者です。彼らにとっては、同じ東アジアだから大きな違いはないと思っていたのでしょう。しか~し。蝉がうるさい。カラスがでかい。料理が塩辛い。日本人の立場から見ると、一々心当たりがあります。夏の朝は、蝉が目覚まし時計代わり。カラスがでかくて、戦っても勝てる気がしません。塩分5グラム制限なんか無理無理。どうもすみません。さて、梅雨が明けたらいよいよ熱中症の季節。暑い日の救急外来は、常に点滴セットを準備しておかなくてはなりません。高齢者が、高校生が、サラリーマンが、際限なく担ぎ込まれてきます。皆さん、迎え撃つ覚悟はよろしいでしょうか。最後に1句梅雨明けて 熱中症よ かかってこい★スマホで読む人のために、最近は改行を多めにしています。自分で試した結果では、こちらのほうがスマホでもPCでも読みやすい気がします。

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「S状結腸切除術」をいろんな画風で描いてみた【誰も教えてくれない手術記録 】第16回

第16回 「S状結腸切除術」をいろんな画風で描いてみたこんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。皆さんは普段、どんなスタイル(画風)でオペレコを描いていますか? 僕が本連載でお見せしているのはカラーのデジタルオペレコが中心ですが、世の中にはデジタルでも色を入れないモノクロ派や、紙とペンで手書きのアナログ派も大勢いることでしょう。デジタルの利点を幅広く活かして、かつ時短につながるオペレコ作成術をどんどん広めたいところですが、オペレコの描き方にはそれぞれ描き慣れたスタイルがあって当然です。オペレコの正しい描き方は決まっていませんし、オペレコとしての役割が十分に果たせていれば、どんなスタイルでも問題ないと思います。とはいえ、まだ自身のスタイルが定まっていない先生もいるかと思いますので、今回は、僕がさまざまなデジタルのスタイルで「S状結腸切除術」の一場面を描いてみました。それぞれのイラストを見比べて、好みのスタイルを見つけてくださいね。参考に、それぞれにかかった時間も付記しておきます。※今回紹介するイラストは、すべてペイントアプリProcreateを使用して描きました。(1)ラフ画(モノクロ)こちらは「鉛筆ツール」で描いたラフスケッチです。ササっと描けるので、腫瘍の位置や血管の走行、切離部など、最低限の情報は伝えられますが、あまり“映える”イラストではないですね。ちなみに、アナログでもデジタルでも使えるスタイルです。[所要時間:2分](2)鉛筆画(モノクロ)鉛筆ツールで影の濃淡を描き込んで描写しました。ペイントアプリには線をぼかす機能があるので、それで陰影をつけました。モノクロならではの画風で、臓器の質感が表現できているでしょうか? 見栄えは良いですが、少々時間がかかるのが難点です。[30分](3)太さが均一な線画(モノクロ)「モノライン」というペンを使用して描きました。均一な線が引けるので、柔らかいカーブの描写に優れています。細かな線や文字を描く場合は手ぶれ補正機能をオフにしたほうがよいです。[5分](4)筆圧が反映された線画(モノクロ)僕が最も頻用する「製図ペン」という種類を使用しています。筆圧や筆致が正確に反映されるので、細かな描写に優れています。[10分](5)円ブラシのみ(カラー)スタイルを大きく変えて、カラーの円ブラシで色を塗りながら描写し、線画なしで描いてみました。少し影をつけるだけでも立体的に見えるので、まるでCGのようで、まさしくデジタルイラストらしい印象です。[10分](6)線画+塗りつぶし(カラー)(3)の「モノライン」で書いた線画をベースに着色しました。ペイントアプリの「カラードロップ(塗りつぶし)機能」を用いています。簡便かつキレイに着色が可能で、均質で視認性に優れたイラストに仕上がります。ただし、塗りつぶしだけでは立体感や臓器の質感まで表現しきれません。[10分](7)線画+着色(カラー)(4)の「製図ペン」で描いた線画をベースに「ソフトエアーブラシ」を用いて着色しました。僕が一番愛用している方法で、この連載で紹介したイラストの大半はこの描き方をしています。少々慣れが必要ですが、簡単に立体感のあるイラストが描けますよ。[20分]まとめ今回、7パターンのスタイルをご紹介しましたが、気に入ったものはありましたか? 冒頭でお伝えしたように、手術イラストに正解はありません。手術イラストの目的、すなわち「手術を正確に記録でき、自身の振り返りにつながり、他者が見て伝わるイラスト」が果たせていれば、どんなスタイルでも問題ないと思います。自身の気に入ったスタイルを突き詰めて、早く正確にわかりやすいイラストが描けるようになると良いですね。一点注意しておきたいのは、手術イラスト作成はあくまで手術上達における1つの手段にすぎないという点です。手術イラストの作成にこだわるあまり、ほかのトレーニング(手術ビデオの振り返り/手術手技シミュレーションなど)をおろそかにしては、手術の上達は見込めないでしょう。何事もバランスが大切です。オペレコにおける手術イラストの意義、手術上達における立ち位置を十分に理解し、自身のスタイルを確立してくださいね!

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第115回 日医の一致団結と信頼回復に期待、松本新会長のミッション

日本医師会(日医)が6月25日に行った役員選挙で、常任理事の松本 吉郎氏が会長に初当選した。松本キャビネットの副会長3人、常任理事10人の候補者も全員当選。大方の予想通りの結果となった。2年前の前回選挙では中川 俊男氏と横倉 義武氏が日医内を二分し、遺恨が残ったが、今回は松本キャビネットが圧倒的な支持を得たことで、日医の一致団結、信頼回復が期待される。松本キャビネットは全員当選会長選では松本氏と、副会長の松原 謙二氏の一騎打ちとなった。松本氏310票、松原氏は64票で、松本氏の圧勝だった。無効と白票は各1票。副会長選(定員3人)では、茂松 茂人氏(大阪府医師会会長、265票)、猪口 雄二氏(全日本病院協会〈全日病〉会長、262票)、角田 徹氏(東京都医師会副会長、250票)と松本キャビネットの3人が当選した。現職の副会長の今村 聡氏(227票)も200票を超える票を集めたが、敗れた。投票総数は1,125票。無効0票、白票121票だった。常任理事選(定員10人)には11人が立候補したが、松本氏の当選に伴い、新人で松原キャビネットの玉元 弘次氏(千葉)が立候補を辞退したため、松本キャビネットの10人が無投票で当選した。常任理事は以下の通りだ。▽釜萢 敏氏(群馬県)▽城守 国斗氏(京都府)▽長島 公之氏(栃木県)▽江澤 和彦氏(岡山県)▽宮川 政昭氏(神奈川県)▽渡辺 弘司氏(広島県)▽神村 裕子氏(山形県)▽細川 秀一氏(愛知県、新人)▽今村 英仁氏(鹿児島県、新人)▽黒瀬 巌氏(東京都、新人)。ちなみに、代議員会議長は愛知県医師会会長の柵木 充明氏、副議長は栃木県医師会会長の太田 照男氏がそれぞれ無投票で選ばれた。また、監事には河野 雅行氏(宮崎県医師会会長)、馬瀬 大助氏(富山県医師会会長)、平川 博之氏(日本精神神経科診療所協会副会長、東京都医師会副会長)が就いた。以上、会長以下執行部19人の出身を都道府県別に見ると、以下の14に分かれる。東京4人(猪口氏を含む)、栃木2人、愛知2人、大阪2人、山形、富山、群馬、埼玉、神奈川、京都、岡山、広島、宮崎、鹿児島各1人。「国民の信頼」を盛り込んだ柱と公約と初記者会見話を松本氏に戻す。松本氏は1954年山口県生まれ。1980年浜松医科大学卒業。1988年松本皮膚科形成外科医院(埼玉県現・さいたま市)開業、理事長・院長。埼玉県医師会常任理事や大宮医師会長などを歴任。2016年から日医常任理事。2017年7月~21年10月まで中央社会保険医療協議会委員を務めた。松本氏が選挙時に掲げた医師会運営の4つの柱と8つの公約を改めて見てみる。医師会運営の柱(1)地域から中央へ(2)国民の信頼を得られる医師会へ(3)医師の期待に応えられる医師会へ(4)一致団結する強い医師会へ公約(1)国民の健康と生命を守る(2)現場からの情報収集と連携(3)組織力強化(4)新興感染症および新型コロナウイルス感染症への対応(5)国民皆保険制度と医療提供体制の堅持と持続性の確保(6)超高齢社会への対応(7)医師の働き方改革(8)国民の信頼回復のための情報発信医師会会員や医師だけでなく、国民としても覚えておきたい。松本氏は当選後の記者会見で、「日本医師会の役割は国民の命と健康をしっかりと守っていくことだと考えている。そのためには、やはり現場の意見を汲み取り、地域社会のいろいろなご提言、ご意見を賜りながら、日医で検討し、いろいろな選択につなげていくことが大事だと思っている」と述べた。そのうえで、「それにはまず会員、医師の方々の信頼に応えることができる医師会になるように努力していきたい。それがひいては、国民の皆さん方の信頼を得ることにつながると思っている。行政、政界、財界、いろいろな関係職種の方々も含めて、連携し、コミュニケーションを取って、日医の使命を果たすべく努力していきたい」と「信頼」を強調した。医療現場の声に基づいた情報発信を筆者は昨年春、ある医療情報誌のインタビュー記事で松本氏を取材している。コロナ禍で医療従事者や労働者のメンタルヘルスに影響が出ていることや、女性を中心に自殺者が増えていること、対策として産業医活動の重要性などの話を伺った。その時は、医療現場の実態を把握していると感じた。日医の会長になっても、政治的な思惑や私利私欲ではなく、医療現場の声に基づいた状況を国に伝えていってもらいたい。追伸 私の連載はこの回が最後になります。スタートから2年間はあっという間でした。これまでお読みいただきましてありがとうございました。またどこかで皆様とご縁がいただければと思っています。皆様のご健康とご発展をお祈りしております。

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多発性骨髄腫に対する二重特異性抗体薬teclistamabの有用性(MajesTEC-1)/ASCO2022

 再発難治の多発性骨髄腫(RR/MM)に対してBCMAとCD3に対する二重特異性抗体薬teclistamabの有用性を見た第I/II相MajesTEC-1試験。昨年のASH2021(米国血液学会)で発表された本試験の最新データを、米国エモリー大学のAjay K. Nooka氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)で発表し、同日にNEJM誌に掲載された。・対象:プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の3剤併用を含む3ライン以上の治療歴のあるRR/MM患者・試験群:teclistamab:0.06と0.3mg/kgのステップアップ投与後、1.5mg/kgの皮下注・評価項目:[主要評価項目]全奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DOR)、微小残存病変(MRD)の有無、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)など 主な結果は以下のとおり。・165例が組み入れられた。年齢中央値は64(33〜84)歳、うち75歳以上が14.5%、58%が男性で、前治療回数の中央値は5(2〜14)だった。・追跡期間中央値14.1ヵ月におけるORRは63.0%(95%信頼区間[CI]:55.2~70.4)、65例(39.4%)が完全奏効(CR)以上だった。44例(26.7%)はMRD陰性で、CR以上におけるMRD陰性率は46.2%だった。・DOR中央値は18.4ヵ月(95%CI:14.9~推定不能)、PFS中央値は11.3ヵ月(95%CI:8.8~17.1)だった。・主な有害事象は、サイトカイン放出症候群(CRS)が72.1%(Grade3が0.6%、Grade4なし)、好中球減少症が70.9%(Grade3/4が64.2%)、貧血が52.1%(Grade3/4、37.0%)、血小板減少症が40.0%(Grade3/4が21.2%)などだった。感染症は76.4%(Grade3/4が44.8%)で発生し、有害事象による試験中止は2例、減量が1例だった。 著者らは「teclistamabはRR/MM患者において高い確率で持続的で深い奏効をもたらした。好中球減少症と感染症が多くみられたが、T細胞応答に一致する毒性作用はほとんどがGrade1/2で、新たな毒性は見られなかった。現在第III相試験に向けた準備が進んでいる」としている。

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高齢者の多疾患罹患とうつ病に関する性差

 これまでの研究では、多疾患罹患はうつ病リスクが高いといわれている。しかし、うつ病と多疾患罹患との関連において、性差を調査した研究はほとんどなかった。韓国・乙支大学校のSeoYeon Hwang氏らは、男女間でうつ病と多疾患罹患の関連に違いがあるかを調査した。その結果、韓国の高齢者において、多疾患罹患とうつ病との関連に性差が認められたとし、多疾患罹患の高齢者におけるうつ病の軽減には、性別ごとの適切なケアを提供する必要があることを報告した。Epidemiology and Health誌オンライン版2022年5月24日号の報告。 対象は、韓国の高齢者調査(2011~17年)より得られた65歳以上の3万138例。うつ病の評価には、老年期うつ病評価尺度の韓国語版(GDS-K)を用いた。多疾患罹患患者の定義は、関節炎、糖尿病、心臓病、高血圧、肺疾患、がん、脳卒中、骨粗鬆症のうち2つ以上の慢性疾患を有する患者とした。うつ病と多疾患罹患との関連を分析するため、多重ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・多疾患罹患患者のうつ病有病率は、男性で22.17%、女性で30.67%であった。・多疾患罹患患者は、そうでない人と比較し、うつ病リスクが高く、男性のリスク差は女性よりも大きかった。・とくに女性において、年齢はモデレーターである可能性が高かった。・統合分析では肺疾患、脳卒中、がんの影響が大きかったが、性差は、心臓病を有する患者の慢性疾患数で認められた。

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ガイドライン無料化を医師の3割が希望/1,000人アンケート

 診療の標準・均てん化とエビデンスに根ざした診療を普及させるために、さまざまな診療ガイドラインや診療の手引き、取り扱い規約などが作成され、日々の診療に活用されている。今春の学術集会でも新しいガイドラインの発表や改訂などが行なわれた。 実際、日常診療でガイドラインはどの程度活用され、医療者が望むガイドラインとはどのようなものなのか、今回医師会員1,000人にアンケートを行なった。 アンケートは、5月26日にCareNet.comはWEBアンケートで会員医師1,000人にその現況を調査。アンケートでは、0~19床と20床以上に分け、6つの質問に対して回答を募集した。【回答者内訳】・年代:20代(7%)、30代(17%)、40代(23%)、50代(26%)、60代(22%)、70代以上(5%)・病床数:0床(46%)、1~19床(4%)、20~99床(9%)、100~199床(3%)、200床以上(38%)・診療科[回答数の多い10診療科]:内科(247人)、外科・乳腺外科(76人)、研修医・その他(71人)、循環器内科・心臓血管外科(63人)、精神科(56人)、消化器内科(55人)、整形外科(40人)、皮膚科(39人)、小児科(37人)、糖尿病・代謝・内分泌科(32人)ガイドライン「無料化」「ダイジェスト版の作成」の声が多かった 質問1で「専門領域における日常診療でガイドラインなどを活用しているか」(単数回答)を尋ねたところ、回答者全体の集計では「部分的に活用」が51%、「大いに活用している」が40%、「あまり活用していない」が8%、「まったく活用していない」が1%の順だった。とくに19床未満と20床以上の比較では、20床以上所属の回答者の46%が「大いに活用している」に対し、19床未満では35%と医療機関の規模でガイドラインなどの活用の度合いが分かれた。 質問2で「ガイドラインなどの新規発行や改訂などの情報はどのように入手しているか」(複数回答)を尋ねたところ、全体で「所属学会の案内」が64%、「CareNet.comなどのWEB媒体」が52%、「学術集会の場」が18%の順だった。とくに規模別で「CareNet.comなどのWEB媒体」について、19床未満所属では59%であるのに対し、20床以上は45%といわゆるクリニックなどの医師会員ほどWEBなどをガイドラインの情報源にしていることがうかがわれた。 質問3で「ガイドラインなどはどの程度の領域を用意/集めているか」(単数回答)を尋ねたところ、回答者全体の集計では「自分の専門領域とその周辺領域すべて」が31%、「必要なときに入手」が27%、「自分の専門領域の一部」が20%の順だった。規模別に大きな違いはなかったが、診療で必要な都度にガイドラインを用意していることがうかがえた。 質問4で「ガイドラインなどで参考する項目について」(回答3つまで)を尋ねたところ、「治療(治療薬などの図表なども含む)」が75%、「診断(診断チャート含む)」が66%、「疾患概要(病態・疫学など)」が31%の順だった。とくに規模別でガイドラインの「クリニカルクエッション(CQ)」について全体では23%だったが、20床以上所属では27%であるのに対し、19床未満では19%と大きく差がひらいた。 質問5では「ガイドラインなどで今後改善すべきと思う点について」(複数回答)を尋ねたところ、「非学会員への配布無料化」が32%、「PDF・アプリなどへの電子化」が31%、「図表や臨床画像の多用」と「非専門医、一般向けのダイジェスト版の作成」がともに30%の順だった。とくに規模別では、「PDF・アプリなどへの電子化」について20床以上が36%と回答していたのに対し、19床未満は27%とガイドラインのデジタル化への要望につき差がでていた。 質問6では自由記載として「ガイドラインなどに関するエピソード」について尋ねたところ、ガイドラインの活用では、「診療で迷った際の指針」だけでなく、「患者への説明」や「後輩への指導の教材」などでの使用も多かった。また、ガイドラインなどの改善点として「無料化」「ダイジェスト版の作成」の声が多かった。参考診療ガイドラインを活用していますか?/会員医師1,000人アンケート

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