サイト内検索|page:566

検索結果 合計:35638件 表示位置:11301 - 11320

11301.

コロナワクチン接種率10%上がるごとに死亡率8%・発生率7%減/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種率が高いほど、集団レベルのCOVID-19による死亡率および発生率は低いことが、米国疾病予防管理センター(CDC)のAmitabh Bipin Suthar氏らによる観察研究の結果、示された。2022年4月11日現在、米国ではCOVID-19発症が約8,026万例、COVID-19関連死が98万3,237例報告されており、国内の死者数が1918年のスペイン風邪を上回る近年史上最悪のパンデミックとなった。COVID-19のワクチン接種が個人レベルの発症および重症化予防に有効であることは認められているが、ワクチン接種の拡大が公衆衛生に与える影響はまだほとんど明らかにされていなかった。BMJ誌2022年4月27日号掲載の報告。米国48州2,558郡のデータを解析 研究グループは、米国における集団レベルのCOVID-19による死亡率および発生率に対するワクチン接種拡大の影響を評価する目的で、2020年12月14日~2021年12月18日に報告された米国の郡レベルの症例サーベイランスデータおよびワクチン接種データを解析した。米国48州2,558郡のデータを解析対象とした。 主要評価項目は各郡の週ごとのCOVID-19死亡率(死亡数/人口10万人/郡週)、副次評価項目はCOVID-19発生率(症例数/人口10万人/郡週)である。ワクチン接種率別の比較には発生率比を用い、郡のワクチン接種率(18歳以上の成人がCOVID-19ワクチンを1回以上接種と定義)が10%改善した場合の影響を推定した。 また、新型コロナウイルスのアルファ株およびデルタ株が優勢な時期におけるワクチン接種率の影響を、接種率が「非常に低い」(0~9%)、「低い」(10~39%)、「中程度」(40~69%)および「高い」(70%以上)に分け比較検討した。ワクチン接種率が10%上昇するごとに、死亡率が8%、発生率が7%低下 合計13万2,791郡週において、COVID-19発症が3,064万3,878例、COVID-19関連死が43万9,682例観察された。ワクチン接種率が10%上昇するごとに、死亡率が8%(95%信頼区間:8~9)、発生率が7%(6~8)低下することが認められた。 アルファ株が優勢な時期では、7万189郡週においてCOVID-19発症が1,549万3,299例、COVID-19関連死が26万3,873例観察された。 また、デルタ株が優勢な時期では、6万2,602郡週においてCOVID-19発症が1,515万579例、COVID-19関連死が17万5,809例観察された。いずれの時期も、ワクチン接種率の高さが、死亡率および発生率の低下と関連していた。

11302.

親のスマートフォン依存症が子供に及ぼす影響

 青少年のスマートフォン依存症(ASA)による健康への悪影響に関する懸念は、世界的な問題となっている。中国・蘭州大学のJian Gong氏らは、親のスマートフォン依存症(PSA)がASAに及ぼす影響を調査し、これらの関連に親子関係や親の養育がどのような役割を果たすかについて評価を行った。その結果、親の過度なスマートフォン使用は子供がASAになる傾向を高め、PSAとASAの関連には親子関係や親の養育が重要な役割を果たすことが示唆された。Journal of Affective Disorders誌2022年6月15日号の報告。 10~15歳の学生およびその保護者を対象に、大規模横断調査を実施した。ASAとPSAの評価にはMobile Phone Addiction Index(MPAI)を用いた。親子関係はChild-Parent Relationship Scale-Short Form(CPRS-SF)、親の養育はParental Bonding Instrument(PBI)を用いて評価した。PSAとASAの関連および親子関係の媒介効果、親の養育の調整効果を調査するため、条件付きプロセスモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・合計9,515人の青少年およびその両親が、オンライン調査を完了した。・PSAは、ASAの有意な予測因子であることが認められた(B=0.488、p<0.001)。・親子関係には、PSAとASAの関連に対するネガティブな媒介効果が認められた(B=-0.321、p<0.001)。・親の過保護は、親子関係を介してPSAからASAへの間接的な影響を調整したが(B=-0.016、p<0.001)、親のケアによる調整効果は認められなかった(B=-0.005、p>0.05)。・過保護は、後期の媒介効果に対しポジティブな調整効果をもたらした。・親子関係を介したASAに対するPSAの間接的な影響は、過保護のレベルが低い場合と比較し、高い場合のほうが大きかった。・本研究の限界として、自己記入式質問票を用いた横断研究である点が挙げられる。

11303.

神経機能障害を伴う治療抵抗性片頭痛患者に対するフレマネズマブ治療

 既存する片頭痛予防の2~4の薬剤クラスが奏効しなかった反復性および慢性片頭痛成人患者を対象とした、ランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験の第IIIb相試験「FOCUS試験」において、カルシトニン遺伝子関連ペプチドを標的とするヒト化モノクローナル抗体フレマネズマブの安全性および有効性は明らかとなっている。今回、オーストリア・ Konventhospital Barmherzige Bruder LinzのChristian Lampl氏らは、FOCUS試験の事後分析として、前兆または同様の神経症状の有無により、フレマネズマブの有効性やQOLに対する影響に違いがあるかを検討した。その結果、フレマネズマブは、関連する神経機能症状を伴う片頭痛患者や既存の片頭痛治療薬2~4の薬剤クラスで効果不十分であった患者に対し、神経症状を呈する日数を減少させ、片頭痛を効果的に予防し、QOLを改善することが示唆された。European Journal of Neurology誌オンライン版2022年3月18日号の報告。 FOCUS試験では、既存する片頭痛予防の2~4の薬剤クラスが奏効しなかった慢性片頭痛または反復性片頭痛患者838例を、フレマネズマブを四半期ごとに投与する群、フレマネズマブを月1回投与する群、プラセボ群に1:1:1でランダムに割り付け、12週間の二重盲検治療を実施した。本事後分析は、症状に関する質問への患者の反応に基づき、ベースライン時における関連する神経機能障害の有無別に行われた。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時に神経機能障害を有する片頭痛患者では、フレマネズマブ群はプラセボ群と比較し、1ヵ月当たりの神経症状を呈する平均日数の有意な減少が認められた。 ●フレマネズマブ四半期ごと投与群:-1.7日、プラセボ群:-0.5日(p≦0.01) ●フレマネズマブ月1回投与群:-1.8日、プラセボ群:-0.5日(p≦0.01)・フレマネズマブ投与群はともに、プラセボ群と比較し、ベースライン時の神経機能障害の有無にかかわらず、12週間にわたる1ヵ月当たりの片頭痛日数の有意な減少(p<0.0001)、過去4週間のHeadache Impact Test 6(HIT-6)およびMigraine-Specific Quality of Life(MSQ)スコアの有意な改善が認められた(p<0.05)。

11304.

第99回 長年続く産科「一人医長」、医療事故で新生児死亡/輪島病院

<先週の動き>1.長年続く産科「一人医長」、医療事故で新生児死亡/輪島病院2.原因不明の小児急性肝炎「可能性例」、国内で計7例に/厚労省3.コロナ関連死の推計を初公表、直接死の最大3倍/WHO4.新型コロナワクチン、2.4兆円もの調達費を問題視5.健康保険組合の赤字額2,770億円、今後急速な財政悪化か/健保連6.クレベリンのウイルス除去効果は科学的根拠なし/大幸薬品1.長年続く産科「一人医長」、医療事故で新生児死亡/輪島病院石川県能登北部にある市立輪島病院が、昨年6月に同院産婦人科で新生児が死亡したことを記者会見で明らかにし、院長と市長が謝罪した。輪島市側は全面的に責任を認め、同日に開かれた市議会臨時会で遺族に損害賠償金5,825万円を支払う議案を可決した。病院側によると、入院した妊婦を早産と誤って判断して陣痛促進剤の投与を続けたが、実際は常位胎盤早期剥離を起こしていた。さらに母体および胎児の状態悪化に対して、帝王切開ではなく吸引分娩で対応したところ、新生児は重症新生児仮死状態で生まれた。即時、救命処置と金沢市内の病院へ緊急搬送を行ったが、翌日の早朝、搬送先の病院で亡くなった。なお、母親の容態は回復している。院内の医療事故調査委員会は、妊婦への説明が不十分なまま主治医が時間休を取得し病院を離れたこと、助産師らとの情報共有がされなかったことを主たる要因と結論付けている。再発防止策として、緊急時の体制整備と医療従事者同士の情報共有の徹底を挙げた。現在、輪島、珠洲、穴水、能登の四市町(奥能登)には、分娩に対応できる産科医がこの1人しかいない。院長は会見で「医師に負担がかかっているのは事実」と説明。地域医療の維持についても考えていかねばならないだろう。(参考)輪島市長、院長が謝罪 輪島病院誤診 遺族に賠償5825万円(北国新聞)【石川】医療事故で新生児死亡 市立輪島病院 5825万円を賠償(中日新聞)市立輪島病院における医療事故について(市立輪島病院)2.原因不明の小児急性肝炎「可能性例」、国内で計7例に/厚労省厚生労働省は、英国やアメリカなどで報告が相次いでいる原因不明の小児急性肝炎の疑い例について、国内で新たに16歳以下の入院症例4件が報告されたと発表した。累計での報告数は7例となり、このうち新型コロナウイルスとアデノウイルスのPCR検査でそれぞれ1件ずつ陽性が報告されたが、現時点で確定例はない。こうした症例について、先月から自治体等に対し注意喚起および情報提供依頼を出し、GW前には感染症サーベランスおよび積極的疫学調査についての事務連絡を発出して情報収集に当たっている。なお、アメリカでは昨年10月から109人の患者報告があり、うち5人が死亡。世界保健機関(WHO)は、各国に該当する症例の報告を求めている。(参考)“原因不明” 子どもの急性肝炎 国内で新たに4人が同様の症状(NHK)米CDC、原因不明の小児肝炎を調査 5人死亡(CNN)小児の原因不明の急性肝炎について(厚労省)3.コロナ関連死の推計を初公表、直接死の最大3倍/WHOWHOは、2020年1月~2021年12月の2年間で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連した死者数を約1,490万人とする推計結果を初めて公表した。少なくとも1,330万人、最大で1,660万人が亡くなったとされる。これに対し、各国がWHOに報告したCOVID-19が直接の死因となる人数の総計は同期間で542万人(22年も含めると624万人)であり、間接死も含めると最大3倍となる。なお、超過死亡の84%は東南アジア、ヨーロッパ、アメリカ大陸に集中しており、このうち約68%は世界全体でわずか10ヵ国に集中していた。死亡例は高齢者で多く、また女性よりも男性に多かった(男性57%、女性43%)。(参考)コロナ関連死、20~21年は最大1660万人 WHOが初推計(AFPBB News)新型コロナ死者1490万人 WHOが推計発表、米大学集計の3倍(朝日新聞)14.9 million excess deaths associated with the COVID-19 pandemic in2020 and 2021(WHO)4.新型コロナワクチン、2.4兆円もの調達費を問題視新型コロナウイルス感染対策として、政府がワクチン調達のために2兆4,000億円もの巨額な予算を使ったことについて批判の声が上がっている。先月の財政制度等審議会でも、国内で想定された接種回数を上回る8億8,200万回分のワクチンを購入したことについて指摘されており、岸田総理は「必要な費用だった」と答弁している。ワクチン購入以外にも感染対策として巨額な費用が投じられており、メディアも含め、国民が関心を寄せている。政府はもっと開示を行っていくべきと考える。(参考)不透明なコロナ支出 ワクチンや病床確保に16兆円、さらに膨らむ恐れ(毎日新聞)コロナワクチン調達費2.4兆円 不透明さの背景に「秘密保持契約」(同)岸田首相 ワクチン2兆4000億円かけ購入 “必要な費用だった”(NHK)5.健康保険組合の赤字額2,770億円、今後急速な財政悪化か/健保連大企業の社員らが加入する健康保険組合の赤字が問題となっている。健康保険組合連合会(健保連)が発表した2022年度予算の早期集計結果の概要によると、今年度の収支は2,770億円の赤字と、昨年度の5,028億円の赤字に比べて改善したものの、赤字組合の割合はいまだ7割を占める。健保連によると、収支改善は新型コロナウイルスによる高齢者の受診控えによって、一時的に高齢者の医療費を補うための拠出金が減少したためとし、次年度以降、高齢者拠出金が急増することは必至であり、今後急速な財政悪化が予想される。国民皆医療制度の持続可能性を左右する問題であり、保険料引き上げ以外にも政府が医療費抑制のために対策を打ってくるだろう。(参考)健保組合7割赤字 全体赤字額2770億円 来年度以降急激な悪化か(NHK)大企業の健保、22年度は赤字幅縮小へ コロナで医療費減(日経新聞)令和 4 年度 健康保険組合の予算早期集計結果(概要)について(健保連)6.クレベリンのウイルス除去効果は科学的根拠なし/大幸薬品大幸薬品は、主力製品「クレベリン」の広告内容について、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づいた措置命令に従って、広告内容とパッケージを変更することを明らかにした。同社はこれまで同製品について「空間のウイルス除去・除菌・消臭に使用できる」などと広告に表示していたが、その効果を疑問視する声が寄せられていた。消費者庁は広告内容について、実際の効果よりも著しく優良あるかのよう表示したことは景品表示法に違反するとした。なお、製品の販売は続けられる方針だ。(参考)大幸薬品 「クレベリン」の広告表示 景品表示法違反を認める(NHK)クレベリンの浮遊ウイルス除去効果は「根拠ない」…大幸薬品「深くおわび」「返品は受け付けず」(読売新聞)弊社商品の表示に関するお知らせ(大幸薬品)

11305.

食道扁平上皮がんに対する1次治療における新たな抗PD-L1阻害薬sintilimabの有用性(解説:上村直実氏)

 切除不能進行・再発食道扁平上皮がんに対するファーストライン治療は、シスプラチンを中心とした白金製剤と5-FUないしはパクリタキセルの2剤併用化学療法であったが、最近、1次治療から化学療法に免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-L1阻害薬)を加えたレジメンの有用性が次々と報告され、日常診療における治療方針が急激に変化している。すなわち、最近のランダム化比較試験の結果、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、camrelizumab、toripalimabと化学療法の併用群が化学療法単独群と比較して安全性に差を認めない一方、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)が有意に延長することが示されている。今回は、すでに報告されている4剤と同様の試験デザインによって、5番目の抗PD-L1阻害薬であるsintilimabの切除不能食道扁平上皮がんに対する同様の有効性がBMJ誌に報告されている。 わが国の臨床現場でも食道学会ガイドラインに記載されるとともに、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とペムブロリズマブ(同:キイトルーダ)が保険収載され、切除不能食道がんに対する1次治療における有用性が実際の診療において役に立つ体制が整備されつつあると思われる。ただ一方では、これら高価な抗PD-L1阻害薬によるOSの延長期間は3ないしは4ヵ月間であるが、コストパフォーマンスの観点からこの延命期間がコストに適合したものかどうか議論されていることも事実である。 最後に、筆者のコメントでは必ず述べているが、日本における食道がん診療は欧米と異なる保険診療体制の下「がんの早期発見」による死亡率低下に注力しており、内視鏡検査により小さな早期がんを発見し、内視鏡的切除により根治することが可能となっていることを強調したい。

11306.

診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回

第39回 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ漫画・イラスト:かたぎりもとこ医業承継において自院(承継案件)を買い手にアピールするうえで、欠かせないのが「概要書」です。概要書とは「インフォメーション・メモランダム」や「インフォメーション・パッケージ」などとも呼ばれ、「自院(承継案件)をアピールするうえで必要な情報を買い手にわかりやすくまとめたプレゼンテーション資料」を指します。【概要書の基本構成】(1)診療所名(2)経営情報―経営者プロフィール―財務情報―患者情報(科目別の構成比など)―物件情報(テナント)(3)診療圏情報―推定の1日当たり外来数―競合医院情報(4)譲渡条件 仲介会社は、まずは概要書で買い手に承継案件を提案し、その後、補足情報として生データを送付する、というのが丁寧な仲介業務です。しかし、概要書作りは手間が掛かるため、生データをそのまま買い手に見せるだけ、といった仲介会社も多いのが実情です。【生データとは】(1)診療所のホームページ(2)確定申告書(3)賃貸借契約書…買い手側が税理士など財務や医院経営に詳しい方であれば、このような生データでも解釈できるでしょうが、買い手の多くは勤務医であり、確定申告書の読み解き方などには不案内であることがほとんどです。大量の生データを見せられても、買う買わないの判断がつかない、というのが実際でしょう。よって、仲介会社は成約率を上げるため、承継案件の情報をわかりやすく、また効果的に魅力的に買い手に伝えることが重要な役割となりますが、日々の業務の忙しさからこれをしない、もしくは概要書は作ったものの、中身が薄くなっていることがあります。仲介会社を選定する際には、各社に概要書の雛形(サンプル)を提示してもらい、仕事の丁寧さを確認してから依頼するのも一手でしょう。

11307.

第49回 リスク比・オッズ比算出の基本となるクロス集計とは?【統計のそこが知りたい!】

第49回 リスク比・オッズ比算出の基本となるクロス集計とは?クロス集計(Crosstabs)は、カテゴリーデータである2つの項目(変数)をクロスして集計表を作成することにより、項目相互の関係を明らかにする解析手法です。たとえば「不整脈症状の有無の割合」、「治療満足率」など明らかにしたい事柄を「目的変数(または結果変数)」と言います。これに対し、どのような属性(性別、年代、居住地域など)の人で満足率が高いか、どのような理由(クリニックの受付の対応、治療についての説明など)で満足率が高いかを明らかにしたいときの「人々の属性」や「理由」を「説明変数(または原因変数)」と言います。クロス集計は、説明変数と目的変数との関係を明らかにする手法であり、原因と結果の関係、すなわち因果関係を解明する手法ともいえます。■2項目の具体例でひも解く2つの質問項目のそれぞれのカテゴリーデータで同時に分類し、表の該当するセル(マス目)に回答人数および回答割合を記入した表のことを、「クロス集計表」と言います。表1のクロス集計表の*印がついたセルを見てください。表1 クロス集計表上段は喫煙で「吸う」と回答した人のうち、不整脈症状が「ある」と回答した人が30名いることを示し、下段は「吸う」と回答した80名のうち、不整脈症状が「ある」と回答した30名の割合(回答割合)である37.5%を示しています。クロス集計表において、表の上側に位置する項目のことを表頭項目(あるいは集計項目)、表の左側に位置する項目を「表側項目(あるいは分類項目)」と言います。また、このようなクロス集計表を作成するとき、「表側項目と表頭項目をクロス集計する」あるいは「表頭項目を表側項目でブレークダウンする」と言います。■クロス集計の種類と見方1)クロス集計表の種類クロス集計表は一番左側の列の回答人数に対する割合を計算しているので、横の割合の合計が100%になります。この表のことを「横%表」と言います。一番上側の行の回答人数に対する割合を計算した表は「縦%表」と言います。通常、クロス集計表は横%表を適用します。縦%を求めたい場合、表側を不整脈症状有無、表頭を喫煙有無と逆転させて横%を算出します。目的によっては割合のみの表を作成することがあり、その場合、%ベースの回答人数を欄外に表記します(表記例:表2欄外)。先のクロス集計表のように回答人数と割合を併記した表を併記表、表2のように割合のみを表記する表を「分離表」と言います。表2 クロス集計表・分離表2)表頭項目、表側項目の決め方クロス集計表を横%表で作成する場合、クロス集計表の表頭は目的変数(結果変数)の項目、表側は説明変数(原因変数)の項目とします。3)クロス集計表の見方横%表は、表頭項目の任意のカテゴリーに着目し、そのカテゴリーの割合を縦に比較します。先のクロス集計表は、不整脈症状有無の「ある」に着目すると、喫煙有無の割合は、「吸う」37.5%、「吸わない」16.4%で、「吸う」は「吸わない」を上回っていると解釈します。4)%ベースのn数%ベースの回答数をn数あるいは「n」と言います。n数が30未満の場合、回答割合のブレが大きくなるので、回答割合は参考値とします。たとえばnが10で、回答数が1変化すると、%が10%も変化しますが、nが30の場合は3.3%の変化だからです(表3)。クロス集計表の見方のポイント集計は横に! 解釈は縦に!■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ統計のそこが知りたい!第11回 リスク比とオッズ比の違いは?「わかる統計教室」第2回 リスク比(相対危険度)とオッズ比セクション1 分割表とリスク比セクション2 よくあるオッズ比の間違った解釈

11308.

事例049 骨粗鬆症治療のプラリア皮下注で査定【斬らレセプト シーズン2】

解説骨粗鬆症の患者に行ったデノスマブ(商品名:プラリア皮下注)60mg(以下「同注射」)が、B事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)にて査定となりました。1筒当たりの薬価が高額のためにカルテを確認しました。カルテの前回受診日には、「次回来院予定は、6ヵ月後」と患者に説明したことが記載されていました。今回は、そろそろ6ヵ月となるからと来院された模様です。医師は、「実際には5ヵ月と少しの来院であるが、おおむね6ヵ月となるために注射は可能」と判断して実施されていました。レセプトには、前回と今回の注射施行日が記載されています。その他のコメントは記載がありませんでした。同注射の添付文書には、「骨粗鬆症の患者には60mg1筒を6ヵ月に1回、皮下注射する」と記載されています。審査支払機関では期間制限のある投与に対しては厳密に審査がなされます。このような事例では、計算時やレセプト点検時における対応ができません。大きな金額の査定につながることになります。査定対策として医師には、投与期間に期限のある薬剤に対しては患者に再度の来院を依頼していただき、医学的にやむを得ず期限を外れて必要と判断された場合には、カルテとレセプトにその旨を記載していただくことをお願いしました。

11310.

甘くみてはいけない便秘症と便秘のみえる化/EAファーマ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)よる「巣ごもり生活」は3年目に入った。新型コロナで依然として不自由な日常生活が続く中で、運動不足や偏った食生活により「お通じに問題あり」という人が増えているという。 EAファーマ株式会社は、中島 淳氏(横浜市立大学大学院医学研究科 肝胆膵消化器病学教室 主任教授)を講師に迎え、便秘症がもたらすリスクとその治療の重要性について、講演を行った。コロナ禍で排便状況など半数以上が「変わった」と回答 中島氏は、「巣ごもり生活で注意すべき国民病、便秘症が招く思わぬリスクと治療の重要性」をテーマに、便秘症に関する最新の知見、排便の仕組み、便秘の原因、治療などについてレクチャーを行った。 新型コロナウイルスによる外出自粛と便秘について、あるアンケート調査によれば「排便やうんちの状態が変わった」と回答した人は半数以上にのぼった。また、近年の厚生労働省の調査では、若年層では女性に多く、70歳以上では男女ともに便秘の有訴者率が増加しており、高齢者になるほど便秘の比率が増えている1)。 そして、最近の研究では便秘症と生存率に関連があることも指摘され、とくにトイレの中で非外傷性心停止なども約10%報告され2)、高齢者では「いきむ」ことで血圧が上昇しやすいこと、排便回数が少ないと脳卒中の死亡リスクが高いこと、電解質異常が慢性腎臓病とも関連するなど生命予後に影響することが指摘されている。その一方で、「患者側にはこうした情報はあまり伝わっておらず、便秘症が軽くみられていることに問題がある」と中島氏は指摘する。排便回数だけでなく、便の形状も大事 次に排便について触れ、満足度の高い排便とは「迅速」かつ「完全」であることが大切であり、理想的な排便姿勢は前かがみに斜め35度、背筋を伸ばし腹筋にだけ力をいれ、両肘は太ももの上に置くのがよいとされている。また、足元に台など置くとより効果がある。同様に排出した便の形状も重要で、ブリストル便形状スケールで3または4の正常便(バナナ状)が望まれ、短時間(30秒程度)にすっきりとこうした便が排出されることが健康な状態となる。便秘などに「お通じホルモン」の胆汁酸が関係 現在診療で使用されている「慢性便秘症診療ガイドライン 2017」によれば、便秘症とは「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義している。その診断基準としては、「(排便の1/4超の頻度で)強くいきむ必要/兎糞状便または硬便である/残便感を感じる/直腸肛門の閉そく感や排便困難感/摘便などの排便介助が必要、自発的な排便回数が週に3回未満」のうち2項目以上を満たした場合を便秘症と診断する。また、慢性便秘症では、「6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間は便秘症の基準を満たしていること」を診断基準としている。 とくに高齢者では、腸管運動に関与する神経変化や生活環境の変化などにより便秘症になりやすく、便意も鈍感になる傾向にある。そして、便滞留により便が硬化、排便困難となることで便意が低下し、さらに滞便をまねくという負のスパイラルになることが危惧されている。そのため、便秘症の治療では、大腸運動の状態、便意を確認することも重要になる。 そのほか最近の研究で便秘などに胆汁酸が関係していることが明からとなり、大腸運動や大腸の水分分泌の促進などを促す、「お通じホルモン」であることがわかってきている。実際、便秘症患者は健康な人と比較し、便中胆汁酸量が少ないことが報告されている3)。便秘症治療、刺激性下剤は頓用で使う 便秘の治療では、まず「運動、食事、排便習慣」の生活習慣改善が求められる。しかし、それでも便秘状態が改善しない場合には、緩下剤(マンナなど)、強下剤(センナなど)、強強下剤(酸化マグネシウムなど)が症状に応じて使用される。 治療の際の注意点として、酸化マグネシウムの使用につき先述のガイドラインでは、「慢性便秘症に有効としながらも、定期的なマグネシウム測定を推奨する」とし、推奨の強さは「1(強い実施推奨)」、エビデンスレベルも「A(質の高いエビデンス)」となっており、高齢者では高マグネシウム血症を来す可能性が高いとされる。 ほかにも刺激性下剤の使用について同ガイドラインでは、「慢性便秘症に有効としながらも、頓用または短期間の投与を提案する」とし、推奨の強さは「2(弱い実施推奨)」、エビデンスレベルも「B(中程度の質のエビデンス)」となっており、連用での耐性、習慣性、依存性への問題回避が記され、適正使用が求められている。便秘症の診断、最近ではエコーで直腸の実施も 最後に便秘症の診断法について触れ、通常、便秘症では直腸指診が必要とされるが、最近では腹部エコーによる直腸へのエコーで慢性便秘症の診断も実施されている(なお直腸へのエコーは保険適用外)。これにより便秘診断のみえる化や患者への最適な医療が行われつつあるという。 最後に中島氏は、「現在ではスマホサイズのポケットエコーを使用すれば、在宅や往診で診療もでき、最適な便秘治療ができる時代が到来している」と語りレクチャーを終えた。

11311.

双極性障害外来患者の雇用状況と不安定な期間の関係~MUSUBI研究

 産業医科大学の池ノ内 篤子氏らは、双極性障害外来患者における不安定な期間の長さと雇用状況との関連を調査した。その結果、不安定な期間が長い双極性障害患者では、失業リスクが高いことが示唆された。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2022年4月8日号の報告。 2016年9~10月に日本精神神経科診療所協会に所属する会員のクリニック176施設を受診した双極性障害外来患者を対象に、医療記録を調査した。医療や雇用に関する詳細データを収集するため、質問票を用いた。不安定な期間の長さと失業のオッズ比(OR)は、ロジスティック回帰モデルを用いて分析した。不安定な期間の長さは、短期(1年の1~33%)、中期(34~66%)、長期(67~100%)に分類し、評価した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者816例のうち、フルタイムで継続雇用されていた患者は707例、失業していた患者は70例であった。・単変量分析によるORは、不安定な期間が長期であった患者で有意な差が認められたが、短期および中期の患者では有意な差は認められなかった。 【長期】OR:10.4、95%CI:4.48~24.28、p<0.001 【中期】OR:1.65、95%CI:0.73~3.74、p=0.231 【短期】OR:1.06、95%CI:0.56~1.98、p=0.849・多変量解析によるORも同様の結果であった。 【長期】OR:12.1、95%CI:4.37~33.3、p<0.001 【中期】OR:1.62、95%CI:0.66~3.98、p=0.290 【短期】OR:1.07、95%CI:0.55~2.07、p=0.846

11312.

COVID-19患者のリハビリテーション治療とその効果/厚生労働省

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により入院し、体力が落ちた中で患者のリハビリテーションはいつから開始するべきか、またその効果はどうなのだろう。 日本リハビリテーション医学会(理事長:久保 俊一)では、理事長声明を公開し、「新型コロナウイルス感染症の入院患者さんは狭い病室内への隔離によって運動量や活動量が低下しやすいために、隔離期間中であっても、発症早期から機能維持を目標とした適切なリハビリテーション治療を可能な限り実施していただきますよう、各医療機関での積極的な取り組みをお願いいたします。また、新型コロナウイルス感染症から回復した患者さんを受け入れる後方支援医療機関あるいは介護施設等でのリハビリテーション医療の継続とリハビリテーションマネジメントの実施を決して疎かにされませんようにお願いいたします」と早期からのリハビリテーション導入を推奨している。 また、4月13日に厚生労働省で開催された新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードで「COVID-19感染患者に対するリハビリテーション治療」が報告されている。 この報告は、田島 文博氏(日本リハビリテーション医学会副理事長/和歌山県立医科大学リハビリテーション医学講座 教授)が自施設の取り組みも含め発表したものである。新型コロナウイルス感染症患者、リハビリで運動機能維持 COVID-19感染症患者に対するリハビリテーション医療の必要性として、2020年4月に全米保健機構(PAHO)が「COVID-19感染症患者には感染予防を徹底した上で、積極的なリハビリテーション治療が必要である。患者の活動性を低下させず、治療効果を最大限に引き出し、病床の有効利用と社会的資源の活用に繋がる」と提唱したこと、同年5月に日本リハビリテーション医学会の理事長声明で「急性期の集中治療室(ICU)での肺炎患者から回復期の身体・精神機能低下に対するリハビリテーション治療までリハビリテーション医療は不可欠」と提言のあったことを示した。また、2022年2月に、日本リハビリテーション医学会は「感染対策指針(COVID-19含む)」を発表し、さらなる安全なリハビリテーション治療の導入を勧めたほか、上述の理事長声明が4月に出されたことを示した。新型コロナウイルス感染症入院早期からのリハビリで転帰も良好 田島氏の所属する和歌山県立医科大学では、ICUで人工呼吸器にて治療している重症患者に対してもリハビリテーション治療を行っている。重要なことは、「身体を起こすこと」と「運動すること」だという。これは軽症・中等症患者でも同じで、分院では屋外での訓練を含め、運動療法を主体としたリハビリテーション治療も実施している。また、高齢者でもリハビリテーション治療を行えば、隔離期間が終わると同時に退院できると報告している。 中等症・軽症コロナ病棟のリハビリテーション治療実績について、同大学リハビリテーション科では、すべての患者をリハビリテーション科医師が診察し、必要と判断した場合にリハビリテーション治療を処方している。コロナ患者には、感染対策の教育を十分に行った療法士を担当とし、同科医師の指示に基づく、可及的長時間高負荷の運動療法中心を実施している。 実際、オミクロン株流行期におけるリハビリテーション診療に現状について、70歳以上の高齢者では94人が入院し、そのうちの88人(93.6%)にリハビリテーション治療が実施された。88人の転帰では、死亡者はなく、自宅・施設退院は79人(89.8%)、転院は9人(10.2%)だった。なお、院内感染はなかった。新型コロナウイルス感染症患者にリハビリ医療を導入する取り組み 田島氏は新型コロナウイルス感染症患者へのリハビリテーション医療導入のメッセージとして次の3項目を掲げている。1)コロナ医療においても、急性期からリハビリテーション医療を理解した医師が診察し、感染対策を指導された療法士がリハビリテーション治療を行えば、運動機能の低下は防げること。2)コロナ患者に対するリハビリテーション治療では急性期からの座位・立位訓練と運動療法が必須であること。3)コロナ医療において、リハビリテーション治療対応が困難な場合、可及的速やかにリハビリテーション治療可能な医療機関などに転院させること。

11313.

新規抗体カクテル療法のAZD7442、コロナ発症予防にも有効/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防において、AZD7442はプラセボと比較して、有害事象の頻度は同程度でほとんどが軽度~中等度であり、症候性COVID-19の発生割合は有意に低いことが、米国・コロラド大学のMyron J. Levin氏らが実施した「PROVENT試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年4月20日号に掲載された。AZD7442は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染者のB細胞から分離された抗体由来の2つの完全ヒト型SARS-CoV-2中和モノクローナル抗体(tixagevimab、cilgavimab)の併用薬である。欧米5ヵ国の無作為化プラセボ対照比較試験 本研究は、COVID-19の予防におけるAZD7442の安全性と有効性の評価を目的とする進行中の二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2020年11月~2021年3月の期間に、5ヵ国(ベルギー、フランス、スペイン、英国、米国)の87施設で参加者の登録が行われた(英国AstraZenecaと米国政府の助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上で、COVID-19ワクチン接種への反応が不十分であるリスクが高い(年齢60歳以上、肥満、免疫不全状態、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、慢性腎不全、慢性肝疾患など)、またはSARS-CoV-2への曝露リスクが高い地域や環境にある(医療従事者、食肉加工などの工場労働者、軍関係者、寮生活の学生など)、あるいはこれら双方に該当し、スクリーニング時に血清を用いた臨床現場即時検査でSARS-CoV-2陰性の集団であった。 被験者は、1日目にAZD7442 300mgの単回投与(tixagevimabとcilgavimabを別個に連続して筋肉投与)を受ける群またはプラセボ群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。 安全性の主要エンドポイントはAZD7442投与後の有害事象の発生であり、有効性の主要エンドポイントはAZD7442投与後の症候性COVID-19(逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法で確定されたSARS-CoV-2感染)とされ、183日間の経過観察が行われた。症状発現までの期間も長い 計5,197例(平均[±SD]年齢53.5±15.0歳、60歳以上43.4%、女性46.1%)が登録され、AZD7442群に3,460例、プラセボ群に1,737例が割り付けられた。ベースラインで、73.3%がCOVID-19ワクチン接種への反応が不十分であるリスクが高く、52.5%がSARS-CoV-2への曝露リスクが高いと判定され、77.5%は重症COVID-19への進展リスクが高い併存疾患を有していた。主解析は、参加者の30%が、自分が割り付けられた治療群を認識した時点で行われた。 少なくとも1件の有害事象を報告した参加者の割合は、AZD7442群が35.3%(1,221/3,461例)、プラセボ群は34.2%(593/1,736例)で、重症度はほとんどが軽度~中等度であった。とくに注目すべき有害事象のうち最も頻度が高かったのは、注射部位反応(AZD7442群2.4%、プラセボ群2.1%)であった。また、重篤な有害事象の発生率は両群で同程度だった(1.4%、1.3%)。 8例(両群4例ずつ)が死亡した。プラセボ群の2例はCOVID-19による死亡とCOVID-19関連の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)による死亡だった。違法薬物の過剰摂取による死亡が両群に2例ずつ含まれ、AZD7442群では心筋梗塞と腎不全による死亡が1例ずつみられた。 一方、症候性COVID-19の発生割合は、AZD7442群が0.2%(8/3,441例)と、プラセボ群の1.0%(17/1,731例)に比べ有意に低かった(相対リスク減少率:76.7%、95%信頼区間[CI]:46.0~90.0、p<0.001)。長期の追跡(中央値で6ヵ月)における相対リスク減少率は82.8%(95%CI:65.8~91.4)であった。 severe/critical(肺炎または低酸素血症がみられ、WHO Clinical Progression Scaleのスコアが5点以上)のCOVID-19は、AZD7442群では認められず、プラセボ群では5例にみられた。 AZD7442の有効性は、すべてのサブグループで一貫して認められた。また、症状発現までの期間は、AZD7442群がプラセボ群よりも長かった(ハザード比:0.17、95%CI:0.08~0.33)。 著者は、「これらのデータは、COVID-19の免疫予防薬としてのAZD7442の使用を支持するものである」とまとめ、「本試験の臨床および薬物動態の評価は少なくとも12ヵ月間継続される見込みである。また、緊急使用許可(EUA)の下で、免疫不全状態の集団における免疫予防薬としての本薬の有効性を評価する試験も進行中である」としている。

11314.

IDH1変異陽性AML、ivosidenib併用でEFS延長/NEJM

 イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)をコードする遺伝子に変異のある急性骨髄性白血病と新たに診断された患者の治療において、ivosidenibとアザシチジンの併用療法はプラセボとアザシチジン併用と比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に延長し、発熱性好中球減少症や感染症の発現頻度は低いものの好中球減少や出血は高いことが、スペイン・Hospital Universitari i Politecnic La FeのPau Montesinos氏らが実施した「AGILE試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年4月21日号で報告された。20ヵ国155施設の無作為化プラセボ対照第III相試験 研究グループは、IDH1変異陽性急性骨髄性白血病の治療における、アザシチジン治療へのivosidenib追加の安全性と有効性の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験を行い、2018年3月~2021年5月の期間に、20ヵ国155施設で参加者を登録した(Agios PharmaceuticalsとServier Pharmaceuticalsの助成を受けた)。 対象は、18歳以上、新規のIDH1変異陽性急性骨髄性白血病と診断され、強力な導入化学療法が適応とならず、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)performance-statusスコア(0~4点、点数が高いほど機能障害度が高い)が0~2点の患者であった。 被験者は、ivosidenib(500mg、1日1回、経口投与)+アザシチジン(75mg/m2体表面積、28日サイクルで7日間、皮下または静脈内投与)、またはプラセボ+アザシチジンの投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントはEFSであり、無作為化の時点から、治療不成功(24週までに完全寛解が達成されない)、寛解後の再発、全死因死亡のいずれかまでの期間と定義された。完全寛解、客観的奏効、IDH1変異消失の割合も良好 146例が登録され、ivosidenib群に72例(年齢中央値76.0歳[範囲:58.0~84.0]、女性42%、二次性25%)、プラセボ群に74例(75.5歳[45.0~94.0]、49%、28%)が割り付けられた。 追跡期間中央値12.4ヵ月の時点におけるEFSは、ivosidenib群がプラセボ群に比べ有意に長かった(治療不成功、寛解後の再発、死亡のハザード比[HR]:0.33、95%信頼区間[CI]:0.16~0.69、p=0.002)。また、無イベント生存割合は、ivosidenib群が6ヵ月時40%、12ヵ月時37%で、プラセボ群はそれぞれ20%および12%と推定された。 追跡期間中央値15.1ヵ月時の全生存期間中央値は、ivosidenib群が24.0ヵ月と、プラセボ群の7.9ヵ月に比し有意に延長した(死亡のHR:0.44、95%CI:0.27~0.73、p=0.001)。 完全寛解の割合は、ivosidenib群が47%(95%CI:35~59)であり、プラセボ群の15%(8~25)よりも高率だった(オッズ比[OR]:4.8、95%CI:2.2~10.5、p<0.001)。また、完全寛解の期間中央値はそれぞれ未到達(95%CI:13.0~評価不能)および11.2ヵ月(95%CI:3.2~評価不能)、12ヵ月時の完全寛解割合は88%および36%、完全寛解までの期間中央値は4.3ヵ月(範囲:1.7~9.2)および3.8ヵ月(1.9~8.5)であった。 客観的奏効(完全寛解、血球数の回復を伴わない完全寛解、部分寛解、形態学的に白血病ではない状態)の割合は、ivosidenib群が62%(95%CI:50~74)と、プラセボ群の19%(95%CI:11~30)に比べ有意に高かった(OR:7.2、95%CI:3.3~15.4、p<0.001)。奏効期間中央値は、それぞれ22.1ヵ月(95%CI:13.0~評価不能)および9.2ヵ月(6.6~14.1)だった。 完全寛解または部分的な血球数の回復を伴う完全寛解の検体におけるIDH1変異消失の割合は、ivosidenib群が52%、プラセボ群は30%であり、骨髄単核細胞からのIDH1変異消失のデータがある患者におけるIDH1変異消失を伴う完全寛解の割合は、それぞれ33%および6%(p=0.009)であった。 全グレードの有害事象は、両群で貧血(ivosidenib群31%、プラセボ群29%)、発熱性好中球減少(28%、34%)、好中球減少(28%、16%)、血小板減少(28%、21%)、悪心(42%、38%)、嘔吐(41%、26%)の頻度が高く、出血イベント(41%、29%)と感染症(28%、49%)も高頻度に認められた。Grade3以上の有害事象では、貧血(25%、26%)、発熱性好中球減少(28%、34%)、好中球減少(27%、16%)、肺炎(23%、29%)、感染症(21%、30%)の頻度が高かった。全グレードの分化症候群は、14%および8%に認められた。 著者は、「ivosidenib+アザシチジン併用療法は、優れたIDH1変異消失割合とともに持続的で深い奏効をもたらし、健康関連QOLや輸血依存離脱も良好であったことから、変異型IDH1蛋白を標的とする治療の有用性が明らかとなった」とまとめ、「今後、ベネトクラクスをベースとする治療との比較や、これらのレジメンの併用を評価する試験が期待される」としている。

11315.

人種差別と認知症(解説:岡村毅氏)

 米国の退役軍人の膨大なデータから、人種(白人、黒人、ヒスパニック、アジア系、先住民)や、住まい(米国を10地方に分けている)で認知症の発症率に差があるかを調べた研究である。 現代の日本で医療をしていると、幸か不幸か人種について思いを巡らせることはほとんどないだろう。しかし20年後はどうだろうか? たまにはこのような論文を読んで頭に衝撃を与えると、それこそ認知刺激になって良い効果があるかもしれない。 まず、言うまでもなく人種を扱う研究は、知らないうちに誰かを傷つけたり、大きな損害を与えたりする可能性があり大変危険である。さらに、地理情報を扱う研究も大変危険になりえる。たとえ研究者にそのような意図は一切なかったとしても偏見を助長してしまうのみならず、ある地域では保険料が上がったりする可能性もあるからである。 その上でこの論文を見ると、諸因子を調整した場合の白人に対するハザード比は、先住民 1.05 (95%信頼区間[CI]:0.98~1.13)、アジア系1.20 (95%CI:1.13~1.28) 、黒人1.54 (95%CI:1.51~1.57)、ヒスパニック1.92 (95%CI:1.82~2.02) となっている。 ここから著者らはどのように考察しているのであろうか。まず先住民であるが、先行研究では高いとされていたが、今回は白人と差はなかったと論じられている。同時に、先住民(いわゆるアメリカ先住民とアラスカ先住民)が、米軍においては人口比と比べて最も多い民族なのだという事実も述べられている。これは私も不勉強で知らなかった。言葉には気を付けなければならないが、かつては占領された民族が、いまや軍隊にとても多く従事しているのである。 次に、ヒスパニックや黒人で多い理由は、適切なケアを受けていないから、英語での認知機能検査での不利、たとえ意図していなくても医療従事者が非白人を認知症と診断する可能性が高い、といった可能性があることも先行研究と共に述べられている。また、この研究では教育歴は郵便番号が代用されている(地域の平均を使用している)ことも限界として述べられている。 可能な限り要因を調整しても、認知症の発症率に人種差が見られた場合、大きく2つの解釈があるだろう。第1は、「人間は基本的に同じようなものなので、この結果は社会的格差を示している」とするものである。第2は「○○人種は認知症になりやすい」とするものである。この論文の著者は、とても公平な記述を試みつつも、第1の立場であるように見える。 私には、これは科学者として当然の態度に思える。遺伝子が人間を規定する部分は確かにあるが、認知症は多因子で、人生の後半に起き、社会的要因の影響を大いに受ける事象であることを考えると、人種差が大規模データで残るとは考えにくいからである。また、これは人間としても同然の態度に思える。精神科医としてさまざまな人間のこころに接してきた経験からは、人間は多様であると同時に、最も深いところの思考の構造(あるいは精神の現象)は驚くほど共通しているように感じるし、その確信は年々増しているからである。認知症の人に接し、そして人間に接している人には、これは理解できると思うし、データには接するが人間に接していない人には理解できないかもしれない。 とはいえ、この論文を読んでどのように感じるかは、読者のあなた次第である。

11316.

第107回 医療者の成功事例求む!ワクチン接種をやる気に導く方法

わが家は18歳の娘も含め家族全員が2月中に新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の3回目のワクチン接種を終えているが、2ヵ月ぶりに娘にワクチンを接種することになった。何かというと日本脳炎のワクチンである。私の娘の場合、2005年の日本脳炎ワクチン接種後に認められた「因果関係が否定できない急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の確認による接種勧奨中止」が本人の定期接種時期に当たったため、接種機会を逃していたのである。というか、接種勧奨再開時に本来通知が来ていたはずだが、私も妻もまったくに近いくらい記憶がない。私自身はちょうど勧奨再開時期に多忙を極めていたため、その点は妻に任せきりだったことも影響している。ちょうど昨年、ヒトパピロ―マウイルス(HPV)ワクチンの接種勧奨再開方針が決まった際に、改めて母子手帳を確認したところ、ワクチン接種のページに妙な空白を見つけ、未接種が発覚したというお粗末な顛末である。もっとも私が気付いた時期は、企業の製造工程不備により日本脳炎ワクチンの供給量が不安定な状態が続いていた。そんな最中にキャッチアップ対象に過ぎない娘の接種を医療機関にお願いすることもできない。昨年末に製造体制が復活したのは知っていたが供給が安定するのには時間がかかるだろうと思い、これまではずっとスタンバイ状態にしていた。最近になって流通もかなり改善しているだろうと思い、区役所に連絡を取って、支所に出向き予診票を発行してもらった次第だ。しかし、娘は大の注射嫌いで新型コロナワクチンの接種時でさえ、腕をまくって接種を待つ間、「あああ、あああ」と声を上げながらしかめっ面をし、看護師の皆さんが飛んできてなだめたほどの困ったちゃんである。とは言え、好き嫌いとは別に新型コロナに関しては、高校の大切な思い出作りの修学旅行の中止という状況まで経験しているので、本人もその必要性は認識していた。しかし、普段は病名としてすら馴染みのない日本脳炎のワクチンを改めて接種するとなるとそうもいかない。しかもすでに民法改正で成人となった18歳という年齢を考えると、幼少期のように親の一存で何も説明せずに済むとは思えない。そこで娘には率直に状況を説明した。まずは感染者のうち100~1,000人に1人が発症し、日本でも今も年間10例以内の発症者がいると話すと、「年10例? そんなんだったら必要ないじゃん」との第一声。これは予想された反応だったので、未だ首都圏周辺ですら養豚場のブタの抗体陽性率は高く、発症した場合は20~40%の人が命を落とすこと、さらに無事救命できたとしても半数前後に後遺症が出ると説明し、本人をなだめた。結局、接種当日にクリニックへ到着すると、すでに眉間にしわが寄っている。本人から「コロナのワクチンと比べて痛い?」との問い。いやー、これは答えにくい。本音を言えば、筋肉注射の新型コロナワクチンと皮下注射の日本脳炎ワクチンを比べれば、皮下注射のほうが痛みはあるに決まっている。私はそれに直接答えずに「まあ、チクっとするくらいだよ」と返した。接種を待つ間、もう18歳にもなったというのに父親の私の手を握っている。ようやく呼ばれて、私も同席して針が刺された瞬間の娘の顔は般若の形相。私は内心「あー、やっぱり痛いんだな」と思うしかない。終わって待合室に戻ってきてからは、「今までで一番痛かったよ」と半べそである。私は「まあその時々によっても差があったりするからね」と誤魔化しておいた。なんせ1週間後には2回目の接種を控えているので。ちなみに、その娘が思いもかけずワクチン接種後にニコニコしていたことがある。それは新型コロナの3回目接種の時である。この時、娘の接種が終わるまで私はクリニックの外で待っていたのだが、本人が「今日は何ともなかったわ」と言いながら、接種時の様子を頼みもしないのに話してくれた。本人によると接種をしたのは女医さんで、予診票を目を見開いて凝視しながら「あら、もしかして医療従事者?」と言われたとか。非医療従事者で娘の年齢だと、2月時点は2回接種完了から半年が経過していない例がほとんどだが、わが家の場合は自称「ワクチンマニア」の私が駆けずり回って、キャンセル待ちで緊急に受けられるところを探して登録したため、娘は同年代と比べて格段に接種時期が早い。実際、当時娘のクラスでは誰一人まだワクチンを接種しておらず、娘自身は「ズルしたかのように誤解されるのは嫌だ」ということでワクチン接種完了を担任教師にも友達にも隠していたほどだ。この女医さんが驚いたのも無理はなかろうと思う。本人も「違います」と答えたが、女医さんからは「でも、きちんとその年齢でワクチン接種に来ることはとても良いことですよ」とお褒めにあずかったらしい。筋肉注射という痛みが少ない方式だったことに加え、この褒められ効果が本人の心理に影響を与えたことは確かだったようだ。まあ、もっともこうしたことは接種というところまで辿り着いたから言えることで、問題は接種をためらう層へのアプローチである。その意味で私自身は今の状況をある種の懸念を持って眺めている。新型コロナワクチンに関しては、医学的知見を踏まえて2回接種が3回接種になり、今後は一部対象者に4回目の接種が行われようとしている。まだ未解明のことも少なくない新型コロナウイルスに対してはやむを得ないことではあるが、一般人の理解、以前も触れたが臨機応変な政策変更という状況に慣れていない日本人では、こうしたアジャイルさは必ずしも素直に受け止めてもらえるわけではない。そのことは3回目接種率の上昇の鈍さにも表れていると思う。これが新型コロナワクチンという限定的なものではなく、ワクチン全体への不安や疑念に広がってしまうと非常に厄介である。私が懸念するのはこの点だ。そしてもしこの危惧が現実になった際には、日本脳炎ワクチンのように対象の感染症自体の報告数が少ないものでは余計に「不必要論」が浸透してしまいやすいように思える。もちろん前述のように首都圏ですら養豚場の豚の抗体陽性率の高いという疫学的データから見れば、定期接種という形でややdo接種されているからこそ年間10例未満で収まっているのだと理解はできるはず。だが、一般向けの情報発信を常に行っているものとしては、そう簡単とは思えない。念のため、日本脳炎ワクチンについてTwitterなどで検索してみると、比較的接種に肯定的な親御さんは多いようだ。しかし、4月に岐阜県で日本脳炎ワクチン希望の5歳児への新型コロナワクチンの誤接種を巡って新型コロナワクチン否定派の人たちがあれやこれやと騒いでいるツイートも目にする。SNS上ではこうしたちょっとした事件が思いもかけないほど負の影響を拡大再生産することはよくあることだ。そうした中で日本脳炎ワクチンの供給量が改善してきた今、一般向けの啓発記事を書こうかとも思っているが、こうした「空気のようなワクチン」についてどのように情報発信すべきかとやや悩み始めている。その意味では接種を躊躇する方に対する医療従事者の成功事例があれば知りたいところだが、あちこち情報を検索していてもなかなかこれというものが見つからないというジレンマに陥っている(もし「こんな事例がありました」というのがあれば、ぜひ教えていただきたいとも思っている)。

11317.

ワクチン接種後の解熱鎮痛剤使用は抗体獲得に影響しない/日本感染症学会

 第96回日本感染症学会総会・学術講演会(会長:前崎 繁文氏[埼玉医科大学 感染症科・感染制御科])が、4月22日~23日の期日でオンライン開催された。 本稿では、同学術講演会の口演より、谷 直樹氏(九州大学大学院)の「BNT162b2 mRNAワクチン接種後の副反応と解熱鎮痛剤内服が抗体反応に与える影響の検討」の概要をレポートする。 新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応は一般的なワクチンの接種後と比較して出現頻度が高いことが知られており、ワクチン接種後の症状軽減のため解熱鎮痛剤が使用されることも多い。そのような背景を踏まえ、ファイザー製ワクチン(BNT162b2)接種後の副反応の程度と誘導された抗体の関係性を調査すること、解熱鎮痛剤の使用が抗体反応に与える影響を調査することを目的として本研究が実施された。 解析対象は、BNT162b2を2回接種かつ2回目接種から14日以上経過した福岡市民病院職員のうち、感染・感染疑い歴のある者、ワクチン接種24時間以内に解熱鎮痛剤を内服した者を除く335人(うち235人から副反応情報を取得)とした。2回接種後に採血を行いSARS-CoV-2特異的スパイク蛋白IgG(S-IgG)抗体価を測定し、ワクチン接種後の副反応(発熱、倦怠感、頭痛、注射部位の痛みや腫れなど計13項目)に関する質問、および副反応に対して使用した解熱鎮痛剤について調査を行った。 口演で報告された主な結果は以下のとおり。・解熱鎮痛剤は全体の約45%で使用されており、発熱を認めた集団の80%以上が使用していた。・単変量解析において、局所の副反応は抗体価と相関を示さなかった。全身性副反応のうち1回目接種後の皮疹、2回目接種後の発熱、倦怠感、頭痛、悪寒の有無が抗体価と有意な関連を示した。・単変量解析で有意になった項目を用いて多変量解析を行った結果、2回目接種後の発熱の程度(β=0.301、p<0.0001)、女性(β=0.196、p=0.0014)、年齢(β=-0.119、p=0.0495)と抗体価の相関が認められた。・2回目接種後に体温が38度以上に上昇した集団は37度未満の集団より約1.8倍抗体価が高く、性別、年齢別のいずれの解析においても、2回目接種後の発熱が強いほど抗体価がより高くなる傾向が見られた。・解熱鎮痛剤を使用しても抗体価の低下は認められず、発熱の程度による違いも認められなかった。

11318.

高齢者の認知症発症率、人種や民族で異なる/JAMA

 55歳以上の約187万人を平均約10年間追跡したところ、認知症発症率は人種/民族によって有意に異なることが認められた。米国・カリフォルニア大学のErica Kornblith氏らが、米国退役軍人保健局(VHA)医療センターで治療を受けた患者を対象とした後ろ向きコホート研究の結果を報告した。米国では、VHAで治療を受ける患者を含めて人種/民族の多様化が進んでおり、公衆衛生上の重要な課題である認知症は人種/民族的マイノリティの高齢者で発症率が高くなる可能性が示唆されていた。著者は、「人種/民族による差異の原因機序を理解するためには、さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA誌2022年4月19日号掲載の報告。55歳以上の約187万人について人種/民族と認知症発症との関連性を検討 研究グループは、1999年10月1日から2019年9月30日(最終追跡調査日)までにVHA医療センターで治療を受けた55歳以上の成人患者計949万9,811例から、各年度5%を無作為抽出(重複者は除外)し、無作為抽出日(ベースライン)前2年間ならびに追跡期間にそれぞれ1回以上の診察を受けた適格患者186万9,090例について解析した。 National Patient Care Databasesから人口統計学的情報と認知症診断、Vital Status File Databasesから死亡に関する情報を入手し、居住地の郵便番号から米国疾病予防管理センター(CDC)による地域区分を特定した。人種/民族は、アメリカ先住民/アラスカ先住民、アジア人、黒人、ヒスパニック系、および白人の5つに分類した。ベースライン期間に認知症が認められた人、性別のデータが欠損している人、人種/民族が“その他”または不明の人は解析から除外した。 主要評価項目は、認知症の診断(ICD-9または10)。年齢を時間軸とし、死亡の競合リスクを考慮したFine-Gray比例ハザードモデルを用い、人種/民族と認知症診断までの時間との関連を検討した。平均約10年間追跡、人種/民族間で有意差あり、黒人とヒスパニック系で高い 解析対象186万9,090例の患者背景は平均(±SD)年齢69.4±7.9歳、女性4万2,870例(2%)、アメリカ先住民/アラスカ先住民6,865例(0.4%)、アジア人9,391例(0.5%)、黒人17万6,795例(9.5%)、ヒスパニック系2万663例(1.0%)、白人165万5,376例(88.6%)であった。 平均追跡調査期間10.1年において、24万3,272例(13%)が認知症を発症した。年齢調整後の認知症発症率(1,000人年当たり)は、アメリカ先住民/アラスカ先住民14.2(95%信頼区間[CI]:13.3~15.1)、アジア人12.4例(11.7~13.1)、黒人19.4例(19.2~19.6)、ヒスパニック系20.7例(20.1~21.3)、白人11.5例(11.4~11.6)であった。 白人に対する完全補正後ハザード比は、アメリカ先住民/アラスカ先住民1.05(95%CI:0.98~1.13)、アジア人1.20(1.13~1.28)、黒人1.54(1.51~1.57)、ヒスパニック系1.92(1.82~2.02)であった。米国のほとんどの地域で、年齢補正後認知症発症率は黒人およびヒスパニック系で高く、アメリカ先住民/アラスカ先住民、アジア人および白人は類似していた。

11319.

進行食道扁平上皮がん1次治療、化療にsintilimab併用でOS延長/BMJ

 進行または転移のある食道扁平上皮がんの1次治療において、シスプラチン+パクリタキセル併用療法へのsintilimab上乗せは、プラセボと比較し全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間を有意に延長することが示された。中国・Peking University Cancer Hospital and InstituteのZhihao Lu氏らが多施設共同無作為化二重盲検第III相試験「ORIENT-15試験」の結果を報告した。進行または転移のある食道扁平上皮がんの1次治療は、これまで標準ガイドラインに従いプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法に限られてきたが、一部の無作為化試験では、1次化学療法後に進行した食道扁平上皮がんに対して抗PD-1抗体単剤療法が有効であることが示されていた。BMJ誌2022年4月19日号掲載の報告。進行食道扁平上皮がん患者659例においてOSを評価 研究グループは、2018年12月14日~2021年4月9日の期間に、中国の66施設および中国外(フランス、スペイン、米国、オーストラリア)の13施設において、18歳以上の未治療進行または転移のある食道扁平上皮がん成人患者659例を、化学療法に加えてsintilimab(体重60kg未満は3mg/kg、体重60kg以上は200mg)またはプラセボを投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けた(sintilimab群327例、プラセボ群332例)。化学療法は、当初、シスプラチン75mg/m2+パクリタキセル175mg/m2の3週間ごと併用投与であったが、後に治験担当医師がシスプラチン+パクリタキセルまたはシスプラチン+5-FU(800mg/m2、1~5日目)のいずれかを選択できるよう修正された。 主要評価項目は、全患者およびPD-L1陽性(CPS≧10)患者におけるOSであった。 無作為化された659例中、616例(93%)がシスプラチン+パクリタキセル、43例(7%)がシスプラチン+5-FUの投与を受けた。sintilimab+化学療法群のOS期間、4ヵ月以上有意に延長 中間解析(データカットオフ日2021年4月9日)において、OS期間中央値は全患者でsintilimab群16.7ヵ月、プラセボ群12.5ヵ月(ハザード比[HR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.51~0.78、p<0.001)、PD-L1陽性患者でそれぞれ17.2ヵ月、13.6ヵ月(0.64、0.48~0.85、p=0.002)であり、いずれもsintilimab群で有意に延長した。 また、PFS期間中央値も、全患者でsintilimab群7.2ヵ月、プラセボ群5.7ヵ月(HR:0.56、95%CI:0.46~0.68、p<0.001)、PD-L1陽性患者でそれぞれ8.3ヵ月、6.4ヵ月(0.58、0.45~0.75、p<0.001)であり、いずれもsintilimab群で有意に延長した。 治療関連有害事象の発現率は、sintilimab群98%(321/327例)、プラセボ群98%(326/332例)、Grade3以上の治療関連有害事象の発現率はそれぞれ60%(196/327例)、55%(181/332例)であった。

11320.

アルツハイマー病治療に対する薬物療法の組み合わせ

 認知症の中で最も頻度が高いアルツハイマー病の治療薬として現在本邦で承認されている薬剤は、3種類のコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)とメマンチンの4剤である。実臨床においては、神経変性疾患の多因子性病因に対応するため、単剤療法後の次のステップとして併用療法が用いられる。また、2021年6月に米国で迅速承認されたaducanumabは、脳内のアミロイドβ(Aβ)カスケードを標的とする初の疾患修飾療法(DMT)として注目されている。東京慈恵会医科大学の永田 智行氏らは、アルツハイマー病治療に対する薬物療法の組み合わせについて報告した。Expert Opinion on Pharmacotherapy誌2022年4月号の掲載。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー病の病因は、コリン作動性仮説とアミロイドカスケード仮説が提唱されている。・これらの仮説に基づく単剤療法の有効性は限られており、推定原因であるタンパク質関連の神経変性、神経伝達物質、神経炎症など、複雑なアルツハイマー病の病因に対し包括的に対処するためには、併用療法によるアプローチが有用な可能性がある。・神経変性プロセスおよび機能低下に対する初回または併用療法によるアプローチ上乗せの有効性を調査したところ、対症療法として承認されている抗認知症薬4剤のうち、1種類のChEIとメマンチンの併用療法は、症状重症度が中程度の患者における機能改善に有効であることが示唆されている。・今後、DMT、対症療法、神経再生などを組み合わせた治療戦略が有用となることが期待される。

検索結果 合計:35638件 表示位置:11301 - 11320