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英語で「それは大変でしたね」は?【1分★医療英語】第33回

第33回 英語で「それは大変でしたね」は?I’ve been having knee pain in the last 2 months.(この2ヵ月間、ひざの痛みが続いています)It must’ve been difficult for you.(それは大変でしたね)《例文1》You must’ve been having a difficult time.(大変な思いをされているのでしょうね)《例文2》I understand that it is a very tough situation for you.(とてもつらい思いをされていることと思います)《解説》日常診療において、患者さんのつらさや悩みについて理解し、共感を示すことはとても大切です。日本語の「それは大変でしたね」「つらい思いをされたのですね」という表現には、例文で示した“It must’ve been difficult for you.”のほか、“having a difficult time/a tough time”というように、直訳では「大変な/つらい時間を過ごしている」という表現もよく使われます。そのほか、「経験する」という意味の“go through”を使って、“You have been going through a lot.”(いろいろ[大変]なことがあったのですね)という言い方もできます。また、“I can’t imagine how you feel.”という表現は、直訳では「どう感じられているのか想像もできません」ですが、伝えたい内容としては「想像以上に大変な思いをされていることと思います」となります。一方で、“I know how you feel.”(お気持ちはわかります)と言ってしまうと、「自分のつらい気持ちがわかるはずがない」という気持ちを抱かせる可能性があるので、とくに深刻な状況の場合には、注意して使う必要があります。そのほか、同情や労り、思いやりの気持ちを示すときには、“I’m sorry to hear that.”は、直訳では「それを聞いてとても残念です」ですが、状況によってさまざまな意味を持ち、「それは大変でしたね」という意味で用いることができます。最後に、患者さんの健康状態が改善したなど、ポジティブな報告を聞いたときには、“I’m glad to hear that!”(それは良かったですね!)といって喜びの気持ちを伝えることも大切です。講師紹介

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第117回 英国の小児の原因不明の急な肝炎は減少傾向 / 血中のアミノ酸・プロリンとうつ症状が関連

英国の小児の原因不明の急な肝炎は減少傾向今年に入ってから6月13日までに英国ではA~E型以外の原因不明の急な肝炎が260人の小児に認められており、死亡例はありませんが12人(4.6%)が肝臓移植を必要としました1)。新たな発生は続いているものの一週間当たりの数はおおむね減っています。いまだはっきりしない病原の検査ではアデノウイルスの検出が引き続き最も多く、検査した241例中156例(約65%)からアデノウイルスが見つかりました。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は入院の際の検査結果がある196人のうち34人(約17%)から検出されています。ほとんどはSARS-CoV-2ワクチン接種の対象年齢ではない5歳までの乳幼児に発生しており、SARS-CoV-2ワクチンとの関連は認められていません。英国の状況報告と時を同じくして米国からも報告があり、小児の肝炎と関連した救急科治療/入院や肝臓移植はSARS-CoV-2感染(COVID-19)流行前に比べて増えてはおらず2017年以降一定でした2)。たとえば0~4歳の小児の1ヵ月当たりの肝炎関連入院数はより最近の2021年10月~2022年3月までは22件、COVID-19流行前は19.5件であり、有意な変化はありませんでした。それに、原因不明の肝炎小児からアデノウイルス41型が検出されていますが、米国での調査ではアデノウイルス40/41型陽性の小児の割合の増加も認められませんでした(40と41型が一括りになっているのは市販の検査のほとんどがそれらを区別できないため)。だからといって小児の原因不明の肝炎はもはや心配する必要がないというわけではないと米国カリフォルニアの小児病院のリーダーRohit Kohli氏はMedscapeに話しています3)。小児肝炎の増加が認められている英国などの他の国のデータと違いがあるからです。血中のアミノ酸・プロリンが多いこととうつ症状が関連軽度~かなりのうつ病やうつでない人あわせて116人を調べたところ腸内細菌の組成に依存して血中(血漿)のアミノ酸・プロリン濃度が高いこととより重度のうつ症状の関連が認められました4-6)。プロリンはどうやらうつ発症の引き金となるらしく、マウスにプロリンを余分に与えたところうつを示す振る舞いが増えました。また、うつ症状と血漿プロリン濃度の関連が強い被験者20人の糞、つまり腸内微生物をマウスに移植したところ、血中のプロリンが多くてより重症のうつ患者の微生物が移植されたマウスほどプロリンを余分に与えた場合と同様にうつを示す振る舞いをより示しました。さらに遺伝子発現を調べたところ、微生物が移植されてよりうつになったマウスの脳ではプロリン輸送体遺伝子Slc6a20などの発現がより増えていました。そこで、プロリン輸送体のうつ症状への寄与がハエ(ショウジョウバエ)を使って調べられました。Slc6a20のショウジョウバエ同等遺伝子CG43066を抑制したショウジョウバエ、すなわち脳がプロリンを受け付けないショウジョウバエはうつを示す振る舞いを示し難くなりました。また、マウスでうつになり難いことと関連し、GABAを大量に生成する乳酸菌(ラクトバチルス プランタルム)を移植したショウジョウバエもうつ様になり難いことが確認されています。GABAやグルタミン酸はプロリンの分解で最終的に生み出されうる神経伝達物質であり、プロリンの蓄積はGABA生成やグルタミン酸放出を妨げてシナプス伝達を害しうることが先立つ研究で示されています7,8)。そういった先立つ研究と同様に今回の研究でもプロリンがGABA/グルタミン酸分泌シナプスのいくつかの経路と強く関連することが示されています。どうやら共生微生物はプロリン代謝に手出ししてグルタミン酸やGABA放出の均衡を妨害してうつに寄与しうるようであり、グルタミン酸やGABAの使われ方へのプロリンの寄与に共生微生物がどう関わるかを調べることがうつ病によく効く新しい治療の開発に必要でしょう4)。そういう今後の課題はさておき、今回の新たな研究によるとプロリンが控えめな食事をすることでうつ症状は大いに緩和できる可能性があります。参考1)Investigation into acute hepatitis of unknown aetiology in children in England: case update / gov.uk2)Kambhampati AK,et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Jun 17;71:797-802.3)Pediatric Hepatitis Has Not Increased During Pandemic: CDC / Medscape4)Mayneris-Perxachs J, et al.Cell Metab. 2022 May 3;34:681-701.5)Study Links Depression with High Levels of an Amino Acid / TheScientist6)A study confirms the relationship between an amino acid present in diet and depression / Eurekalert7)Crabtree GW, et al. Cell Rep. 2016 Oct 4;17(2):570-582.8)Wyse AT, et al. Metab Brain Dis. 2011 Sep;26:159-72.

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HER2陽性の胆道がんにT-DXdが有効性示す(HERB)/ASCO2022

 HER2陽性の切除不能または再発の胆道がん(BTC)に対する抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の有効性が日本で行われた医師主導第II相試験であるHERB試験で示された。米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)において、国立がん研究センター中央病院の大場 彬博氏が同試験の初回解析結果を発表した。・対象:ゲムシタビンを含むレジメンに抵抗性のHER2陽性または弱陽性切除不能・再発BTC (HER2陽性:IHC 3+またはIHC 2+/ISH+と定義し、HER2弱陽性:IHC 0/ISH+、IHC 1+/ISH-、IHC 1+/ISH+、IHC 2+/ISH-のいずれか)・介入:T-DXd 5.4mg/kg 3週間ごと病勢進行まで投与・評価項目:[主要評価項目] HER2陽性群における中央判定による奏効率(ORR)[副次評価項目] 主治医判定によるHER2陽性群とHER2弱陽性群のORR、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・2019年3月〜2020年3月に296例がスクリーニングされた。・20.6%(61例)がHER2陽性、40.5%(120例)がHER2弱陽性で、HER2陰性は38.9%であった。・HER2陽性24例とHER2弱陽性の8例が適格基準合致し、試験に登録された。HER2陽性のうち2例が除外となり、30例が主解析対象となった。・HER2陽性22例のうち、IHC 3+が45.5%、IHC 2+/ISH+が54.5%であり、原発部位は胆嚢が50%、肝外胆管が27.3%、肝内胆管が13.6%であった。前治療のレジメン数は2以上が72.2%を占めていた。・中央判定によるHER2陽性群のORRはCR9%を含む36.4%(90%信頼区間[CI]:19.6~56.1)で、p=0.01と有意な改善が認められた。・主治医判定によるHER2陽性群のORRは36.4%(95%CI:17.2~59.3)で、HER2弱陽性群のORRは12.5%(95%CI:0.3~52.7)であった。・観察期間中央値7.1ヵ月時点でのPFS中央値は、HER2陽性群で5.1ヵ月、6ヵ月時のPFS率は40.9%であり、HER2弱陽性群では中央値3.5ヵ月で、6ヵ月時PFS率は0%であった。・OS中央値は、HER2陽性群で7.1ヵ月、HER2弱陽性群では8.9ヵ月であった。6ヵ月時OS率はそれぞれ63.6%と75.0%だった。・試験に登録された全症例32例の安全性評価では、Grade3以上の有害事象で多く認められたのは、貧血53.1%、好中球減少31.3%、白血球減少31.3%であった。また、8例(25.0%)に間質性肺疾患が報告され、うち4例はGrade3以上であった。ILD発症までの期間中央値は124日であった。

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抗PD-1抗体sintilimab+化学療法のNSCLC術前補助療法、2サイクル対3サイクル/ASCO2022

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、抗PD-L1抗体薬sintilimabと化学療法による術前補助療法は、2サイクルよりも3サイクルでより高い病理学的奏効(MPR)率を示し、サブタイプ別ではとくに扁平上皮がんで良好なMPR率が得られた。無作為化単施設2群第II相比較試験の結果として、中国Zhejiang大学のFuming Qiu氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。 免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用による術前補助療法は、切除可能なNSCLC患者に対して有望な治療選択肢となっている。しかし、術前補助療法の最適な期間は明らかではなく、臨床試験では2~4サイクルで実施されていることが多い。 一方、sintilimab単剤の術前投与は良好なMPR率が報告されている。同試験では、切除可能なNSCLC患者を対象に、sintilimabと化学療法による術前補助療法の効果を2サイクルと3サイクルで比較した。・対象:未治療のStageIB~IIIA NSCLC患者(ECOG PS 0~1)60例・治療法:手術前にsintilimab+化学療法(扁平上皮がんカルボプラチン+nab-パクリタキセル、非扁平上皮がん:カルボプラチン+ペメトレキセド)3週間ごとに2サイクル行う群と3サイクル行う群に無作為に割り付け。術前補助療法終了から4週間以内に手術を施行・評価項目:[主要評価項目]MPR[副次評価項目]病理学的完全奏効(pCR)、奏効率(ORR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・年齢中央値は64.5歳、StageIB~IIBが46.7%でIIIAが53.3%、PD-L1(TPS)は1%未満が48.3%、1%以上が51.7%であった。・MPR率は3サイクル群41.4%、2サイクル群に26.9%で、3サイクル群で傾向を示した(p=0.260)。pCR率はそれぞれ24.1%、19.2%であった(p=0.660)。・ORRは3サイクル群55.2%、2サイクル群50.0%であった(p=0.701)。・組織形別にみると、非扁平上皮がんに比べて扁平上皮がんでMPR率が有意に高かった(51.6% vs.12.5%、p=0.002)。・扁平上皮がんにおけるMPR率は3サイクル群60.0%、2サイクル群43.8%であった(p=0.366)。・両群間ともに安全性に問題はなく、高い忍容性が示された。

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デュピクセント、日本人小児アトピー性皮膚炎患者に対し主要評価項目達成/サノフィ

 サノフィは2022年6月14日付のプレスリリースで、同社のデュピクセント(一般名:デュピルマブ)について、生後6ヵ月から18歳未満の日本人アトピー性皮膚炎患者を対象とした第III相試験の結果を発表した。本試験における主要評価項目EASI-75の達成割合は、プラセボ投与群と比較してデュピクセント投与群で有意に高く、小児アトピー性皮膚炎の症状軽減に対する同製剤の有効性が示された。安全性データは、これまでのデュピクセントの安全性プロファイルと一致していた。デュピクセントの小児患者のEASI-75達成割合は43%でプラセボ群は19% 中等症から重症のアトピー性皮膚炎患者は、ステロイド外用剤(TCS)やタクロリムス外用剤による適切な治療を一定期間実施しても十分な効果が得られず、高頻度かつ長期間の再燃が認められる場合がある。しかし、若年層では治療選択肢が限られており、アンメットニーズが存在している。 デュピクセントは既に、既存治療で効果不十分な、成人のアトピー性皮膚炎患者に対して薬事承認されている。今回発表された試験は、多施設共同、ランダム化、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験で、中等症から重症のアトピー性皮膚炎と診断され既存療法で効果不十分な、生後6ヵ月から18歳未満の日本人小児患者62名を対象としている。TCSを標準治療薬とし、デュピクセントを併用した群とプラセボ投与群との比較により、小児アトピー性皮膚炎に対するデュピクセントの有効性と安全性を評価した。 小児アトピー性皮膚炎に対するデュピクセントの有効性と安全性を評価した主な結果は以下の通り。・主要評価項目である、投与16週時点のベースラインからのEASI-75達成割合は、デュピクセント投与群で43%、プラセボ投与群で19%だった(p=0.0304)。・安全性データは、デュピクセントで確立している安全性プロファイルと一致するもので、新たな有害事象は報告されなかった。 本試験で確認されたデュピクセントの有効性と安全性の詳細は、今後学会で公表される見通し。現在、国内における小児アトピー性皮膚炎へのデュピクセントの使用は臨床開発中であり、今後、本試験の結果をもとに生後6ヵ月以上18歳未満の小児を対象とした、製造販売承認事項一部変更申請を国内で実施する予定としている。

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大腸内視鏡、医師の腺腫検出率と検査後がんリスクが相関/JAMA

 大腸内視鏡検査は、大腸腺腫検出率(ADR)が高い医師が行うと、検出率の値の広い範囲にわたって、大腸内視鏡検査後の大腸がん(PCCRC)のリスクが有意に低く、PCCRCによる死亡も少ないことが、米国・Kaiser Permanente Bernard J. Tyson School of MedicineのJoanne E. Schottinger氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2022年6月7日号で報告された。米国73.5万例と医師383人の後ろ向きコホート研究 研究グループは、医師の大腸内視鏡によるADRと、PCCRCおよびPCCRCによる死亡との関連を評価する目的で、米国の3つの大規模ヘルスケアシステム(カイザーパーマネンテ北カリフォルニア[KPNC]、カイザーパーマネンテ南カリフォルニア[KPSC]、カイザーパーマネンテワシントン[KPWA])の統合データを用いて後ろ向きコホート研究を行った(米国国立がん研究所[NCI]のPopulation-based Research to Optimize the Screening Process[PROSPR]IIの助成を受けた)。 2011年1月~2017年6月の期間に、3つのヘルスケアシステム傘下の43ヵ所の内視鏡センターに所属する、383人の医師(100件以上の大腸内視鏡検査の経験があり、スクリーニング検査として年間25件以上を行っている)による大腸内視鏡検査でがんが検出されなかった、50~75歳の患者73万5,396例が解析に含まれた。 これら大腸内視鏡でがんが陰性であった患者の、暦年で前年のスクリーニング検査に基づき、各患者の担当医の腺腫検出率を調べた。腺腫検出率は、統計解析では連続変数として定義され、記述的解析では中央値と同じかより高い値または中央値未満の2つに分けられた。 主要アウトカムはPCCRCであり、検査の陰性結果(大腸内視鏡のすべての適応)から少なくとも6ヵ月以降に診断され、がん登録で確定された大腸腺がんとされた。副次アウトカムは、PCCRCによる死亡などであった。ADRの高い医師の患者はPCCRCのリスクが有意に低い 73万5,396例の陰性の大腸内視鏡検査85万2,624件のうち、44万0,352件(51.6%)は女性患者で、全体の年齢中央値は61.4歳(IQR:55.5~67.2)であり、追跡期間中央値は3.25年(IQR:1.56~5.01)であった。243万5,707人年の追跡期間に、PCCRCが619件、PCCRC関連死は36件認められた。 ADRの高い医師の患者は、ADRの値の広い範囲において、PCCRC(ADRの1%上昇ごとのハザード比[HR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.96~0.98)のリスクが有意に低く、3つのヘルスケアシステム地域別にみた場合も、すべてで有意な関連が認められた(KPNC:ADRの1%上昇ごとのHR:0.97[95%CI:0.96~0.98]、KPSC:0.97[0.96~0.99]、KPWA:0.96[0.93~0.99])。 また、ADRが中央値(28.3%)未満に比べ中央値以上の医師では、PCCRCのリスクが有意に低かった(1万人年当たり1.79例vs.3.10例、7年のリスクの絶対差:1万件の検査陰性当たり-12.2件[95%CI:-10.3~-13.4]、HR:0.61[95%CI:0.52~0.73])。 さらに、PCCRCのリスクは男性(ADRの1%上昇ごとのHR:0.97、95%CI:0.96~0.98)および女性(0.98、0.97~0.99)のいずれにおいても、高ADR医師の患者で有意に抑制され、性差による交互作用は認められず(pinteraction=0.18)、人種や民族によるリスクの差もなかった(pinteraction=0.60)。 一方、PCCRC関連死(ADRの1%上昇ごとのHR:0.95、95%CI:0.92~0.99)のリスクも、ADRの高い医師の患者で有意に低かった。また、ADRが中央値未満に比べ中央値以上の医師では、PCCRC関連死のリスクが抑制されていた(1万人年当たり0.05例vs.0.22例、7年のリスクの絶対差:1万件の検査陰性当たり-1.2件[95%CI:-0.80~-1.69]、HR:0.26[95%CI:0.11~0.65])。 著者は、「これらの知見は、大腸内視鏡検査の質の評価における推奨目標の設定に有益な情報をもたらす可能性がある」としている。

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精神科入院患者の重症度に応じたうつ病の薬理学的治療

 ICD-10では、うつ病を重症度に応じて分類している。また、ガイドラインでは、重症度に応じたうつ病治療に関する推奨事項を記載している。ドイツ・ハノーファー医科大学のJohanna Seifert氏らは、実臨床における精神科入院患者に対するうつ病の重症度に基づいた向精神薬の使用について評価を行った。その結果、ガイドラインの推奨事項と実臨床での薬物治療には乖離があり、精神科入院うつ病患者の治療における臨床ニーズをガイドラインに十分反映できていない可能性が示唆された。Journal of Neural Transmission誌オンライン版2022年5月7日号の報告。 精神医学における医薬品の安全性(AMSP)プログラムを用いて、うつ病の重症度に基づく薬物治療のデータを分析した。 主な結果は以下のとおり。・2001~17年に、参加病院で治療を受けた精神科入院うつ病患者は、4万3,868例であった。・多くの患者は、複数の抗うつ薬による治療を受けていた(中等度うつ病患者:85.8%、重度うつ病患者:89.8%、精神病性うつ病患者:87.9%)。・より重度の患者では、SNRIやミルタザピンで治療されることが多く、SSRIで治療されることは少なかった(各々、p<0.001)。・重症度の上昇とともに、抗精神病薬、とくに第2世代抗精神病薬使用の有意な増加が認められた(中等度うつ病患者:37.0%、重度うつ病患者:47.9%、精神病性うつ病患者:84.1%[各々、p<0.001])。・併用では、抗精神病薬+抗うつ薬が最も多く(中等度うつ病患者:32.8%、重度うつ病患者:43.6%、精神病性うつ病患者:74.4%)、次いで抗うつ薬の2剤併用であった(中等度うつ病患者:26.3%、重度うつ病患者:29.3%、精神病性うつ病患者:24.9%)。・リチウムの使用は少なかった(中等度うつ病患者:3.3%、重度うつ病患者:6.1%、精神病性うつ病患者:7.1%)。・向精神薬の数は、うつ病の重症度とともに増加が認められ、精神病性うつ病患者では、向精神薬の使用率が最も高かった(中等度うつ病患者:93.4%、重度うつ病患者:96.5%、精神病性うつ病患者:98.7%[各々、p<0.001])。・抗うつ薬単剤治療の割合は、重症度が低い場合でもあまり多くなかった(中等度うつ病患者:23.2%、重度うつ病患者:17.1%、精神病性うつ病患者:4.4%)。

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RVd±ASCTとレナリドミド維持療法による新規診断多発性骨髄腫の進展抑制効果(DETERMINATION)/ASCO2022

 レナリドミド、ボルテゾミブ、デキサメサゾン併用療法(RVd)の後に自家造血幹細胞移植(ASCT)を行う治療法は、RVdと比較して無増悪生存期間(PFS)を延長するが、6年を超える追跡期間で全生存期間(OS)には差がないことが、第III相無作為化試験であるDETERMINATION 試験の結果から示された。米国・ハーバード大学のPaul G. Richardson氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。 前処置として高用量のメルファランを投与するASCTは、移植適格の新規多発性骨髄腫(NDMM)患者に対する標準治療とされてきた。その一方で、最近はRVdによる導入療法やレナリドミドによる長期維持療法などの有効性が明らかとなり、移植適格NDMM患者に対する治療法は進化している。同試験では、現在の治療においてもASCTは移植適格NDMMに対する導入療法として有用であるかが検証された。・対象:1サイクルのRVd後レナリドミド維持療法を行ったNDMM患者(722例)・試験薬:RVd+ASCT(365例)→レナリドミド維持療法(310例)・対照薬:RVd→レナリドミド維持療法(357例)・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、QOL、安全性など 主な結果は以下のとおり。・PFR中央値は試験薬群で67.7ヵ月、対照薬群で46.2ヵ月であり、試験薬群で有意に高かった(ハザード比:1.53、95%信頼区間:1.23~1.91、p<0.0001)。・6年以上におよぶ追跡期間においてOSは両群間に差が認められず、5年OS率は試験薬群で80.7%、対照薬群で79.2%であった。・試験薬群と対照薬群でそれぞれORRは97.5%、95.0%、非常に良い部分奏効(VGPR)以上は82.7%、79.6%、完全寛解(CR)以上は46.8%、42.0%であった。・維持療法開始時点での微小残存病変陰性化率は、試験薬群で54.4%、対照薬群で39.8%であった。・治療期間中を通じて有害事象(AE)の管理は可能であったが、Grade3以上の治療関連有害事象の発現率は試験薬群と治療薬群でそれぞれ41.9%と26.1%、重篤なAEの発現率は維持療法前が47.1%と40.3%、維持療法中が16.6%と11.3%であった。Grade5のAEは試験薬群で1.6%、対照薬群0.3%で発現した。

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第105回 危機管理庁や日本版CDCを新設、感染症対策を強化/内閣府

<先週の動き>1.危機管理庁や日本版CDCを新設、感染症対策を強化/内閣府2.マイナンバー保険証、来年4月から原則義務化は困難/日医3.外来医療の提供体制でかかりつけ医機能の明確化を/厚労省4.大学病院が未払いの2億円を研修医・非常勤医に支給/北大病院5.「名ばかり病床」3割、急性期神話に囚われるべからず1.危機管理庁や日本版CDCを新設、感染症対策を強化/内閣府岸田内閣は17日に新型コロナウイルス感染症対策本部を開催し、内閣官房に「内閣感染症危機管理庁(仮称)」を置いて、感染症危機に対する企画立案・総合調整の機能を強化することを明らかにした。併せて医療、公衆衛生、危機対応、研究開発等の機能を一体的に運用するため、国立感染症研究所と国立研究開発法人国立国際医療研究センターを統合し、感染症に関する科学的知見の基盤・拠点となる新たな専門家組織として、いわゆる「日本版CDC」を創設する。また、都道府県と医療機関との間であらかじめ病床や外来医療の確保等の具体的な内容に関する協定を締結する仕組みも創設する。公立・公的医療機関、特定機能病院などに対し、その機能を踏まえた協定を締結する義務を課して、平時から必要な病床を確保できる体制を整備するなど具体的な対策を進める。(参考)政府、「日本版CDC」新設決定 感染症危機の司令塔機能を強化(毎日新聞)地域拠点病院、自治体と協定義務 感染症の病床確保(日経新聞)病床確保の協定締結義務化、公的公立・大学病院などに 違反なら承認取消も検討、政府コロナ対策本部決定(CBnews)新型コロナウイルス感染症対策本部(第93回)資料2.マイナンバー保険証、来年4月から原則義務化は困難/日医日本医師会長は15日の定例記者会見で、今月に閣議決定された「骨太の方針2022(経済財政運営と改革の基本方針)」に対する見解を示した。オンライン資格確認の原則義務化について、現場感覚としては2023年4月からの原則義務化は難しいとし、健康保険証の原則廃止はマイナンバーカードの取得率が必ずしも高くない現状(2022年6月1日時点で44.7%)を反映して、マイナンバー未取得の人への配慮を求めている。このほか、リフィル処方箋については活用が進んでいないことを問題視する声もあるが、医師の処方権に変わりないことや、「症状が安定している慢性疾患の患者であっても、定期的に診察を行い疾病管理の質を保つことが『安心・安全で質の高い医療』である」として、リフィル処方箋の利用を慎重に判断するように求めた。(参考)“マイナ保険証”来年度のシステム導入は困難 日本医師会会長(NHK)オンライン資格確認来年度義務化は困難、日医会長「物理的に間に合わない」(CB news)「経済財政運営と改革の基本方針 2022」等の閣議決定を受けて(日本医師会)マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和4年6月1日現在)(総務省)3.外来医療の提供体制でかかりつけ医機能の明確化を/厚労省厚労省は、15日に第9回 第8次医療計画等に関する検討会を開催し、「かかりつけ医機能」を明確化するため、外来医療の提供体制について検討に入った。今年4月に施行された改正医療法に基づいて行われ、外来医療機能に関する情報を可視化し、二次医療圏ごとに協議の場の設置、医療機器の共同利用等を定めた「外来医療計画」の策定を行う。年内に取りまとめ、年明けに医療計画の指針作成を行い、2023年度の都道府県における医療計画の策定に盛り込まれる見込み。(参考)「かかりつけ医機能」第8次医療計画検討会で議論へ 外来の役割分担・連携推進で(CB news)高額医療機器の共同利用推進、「読影医・治療医配置なども勘案」した広範な議論求める声も-第8次医療計画検討会(Gem Med)資料 外来医療の提供体制について(厚労省)4.大学病院が未払いの2億円を研修医・非常勤医に支給/北大病院北海道大学病院が2021年度までの2年間、研修医や非常勤医師に対して約2億円の手当等を支払っていなかったことが新聞報道で明らかとなった。対象者の内訳は研修医が約190人、非常勤医師が約90人。期末手当・勤勉手当が約200人、住居手当が約280人であり、大学教職員組合の指摘により明らかとなった。大学側は「今後このようなことがないように気を付け、事務を執行したい」とコメントしている。(参考)北大病院が手当2億円未払い 非常勤医師ら280人分(産経新聞)北大病院、過去2年分の手当計2億円支給へ 非常勤医と研修医に(北海道新聞)5.「名ばかり病床」3割、急性期神話に囚われるべからず日本経済新聞と日本経済研究センターが共同で、厚労省の「病床機能報告(2019年)」のデータを用いて、病院側が急性期病床として報告した病棟において手術件数や救急入院、化学療法、ハイリスク分娩など緊急性が高い7項目の医療行為について解析した結果を報告した。その結果、急性期病床として報告された病床のうち35%が十分な診療実績を欠く「名ばかり病床」であるとされた。新型コロナ第6波ピークの今年2月中旬におけるコロナ患者受け入れ状況を見ると、急性期病床数に対するコロナ入院数は「名ばかり急性期」を持つ病院では2.9%で、それ以外の病院より1ポイント以上低かった。20日に医療改革提言の最終報告が公表され、国側に急性期病院の見直しを求める。(参考)急性期病床「名ばかり」3割、コロナ対応後手 日経分析(日経新聞)医療資源の浪費を招く「急性期神話」名ばかり病床は医療危機の一因に(日経JCER医療改革研究会)

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潰瘍性大腸炎の寛解導入および維持療法における低分子医薬品ウパダシチニブの有用性 (解説:上村直実氏)

 潰瘍性大腸炎(UC)の治療は生物学的製剤や低分子化合物の出現により大きく変化している。すなわち、抗TNF阻害薬、インターロイキン阻害薬ウステキヌマブ、インテグリン拮抗薬ベドリズマブ、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬のトファシチニブやフィルゴチニブなど新規薬剤の出現で難治性UCが次第に少なくなってきている。しかし、中等度以上の活動性を有するUC症例の中にはいまだに十分な効果が得られない患者や副作用により治療が中断される患者が少なくなく、次々に新たな作用機序を有する治療薬の追加が求められているのが現状である。 今回、新たな経口低分子化合物でJAK1選択的阻害薬であるウパダシチニブの中等度から重度UC患者を対象とした2本の寛解導入試験と引き続き施行された寛解維持試験の結果、UCの寛解導入および寛解維持に対するウパダシチニブの有効性と安全性が示された論文が2022年5月のLancet誌に掲載された。 本研究で特記すべきは有用性を検証した評価項目である。従来の臨床研究において病勢の推移に使用されてきたMayoスコア(排便回数、血便、内視鏡的粘膜所見、医師による全般評価)から主観性の高い医師による全般評価を除き内視鏡的所見と組織学的所見の評価に重点を置いたAdapted Mayoスコアを用いて、さらに粘膜の炎症状態を把握する高感度CRPと便中カルプロテクチンや患者の治療方針に影響する腸管切迫感や腹痛を新たに含む評価としている。客観的で厳密なアウトカムの評価は、試験結果の信ぴょう性を高くして、一般診療現場における有用性を期待できるものとなり、今後の臨床試験での評価モデルとなる可能性が示唆された。 JAK阻害薬であるウパダシチニブ、トファシチニブおよびフィルゴチニブは、わが国の一般診療で慢性関節リウマチ(RA)に対して比較的長い間使用されているが、UCやRAなど自己免疫性疾患に対する新規薬剤のリスクとして結核やB型肝炎ウイルスの再活性化はよく知られており、長期使用に関しては感染症および悪性疾患の発生には留意する必要がある。そのほか、血管血栓症や帯状疱疹の発生リスク上昇の可能性、進行性多巣性白質脳疾患(PML)の発現も報告されており、薬理作用に精通した患者管理が重要である。

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フェローの臨床業務は短期集中のローテーション【臨床留学通信 from NY】第34回

第34回:フェローの臨床業務は短期集中のローテーションさて、前回では循環器フェローの教育プログラムについてレクチャーを中心に説明いたしましたが、今回は臨床業務についてお話しします。アメリカと日本の研修の大きな違いは、ローテーションが目まぐるしく変わることです。多くは2週間をひと単位として、コンサルテーション、CCU、心不全、心エコー、カテーテル、不整脈、核医学を回っていきます。良くも悪くもローテーション制度なので、エコーやカテーテル検査はより集中的に取り組みます。エコーは、初期に経胸壁心エコーの検査のやり方を学び、慣れてきて解読のトレーニングになったときは、検査自体を行うわけではなく解読だけに徹します。また、コンサルテーション、CCU、心不全のときは、患者さんの診察が主です。アメリカの患者は移植前後を含めた重症心不全が多くて病状が悪く、在院日数が短いこともあり、いざ退院が決まるとその日のうちに退院させる事務処理も煩雑なため、診察だけでもハイボリュームで忙しいのです。この点では、日本の後期研修医のように、外来、病棟(CCU患者を含む診療)をしつつ、毎日カテーテル検査等に入れるほうが、技術の習得には有利かと思います。というのも、1年のうち2ヵ月カテーテルに触れただけでは進歩はさほどありません。ただし米国では、一般循環器フェローを経験した後、カテーテルフェロー(interventional cardiology fellow)、不整脈フェロー(EP fellow)が上位フェローとしてあるため、一般循環器フェローの心臓カテーテル治療、カテーテルアブレーションのトレーニングには重きが置かれていないという理由もあります。また、米国心臓病学会がトレーニングを画一化するために、3年間の循環器フェロー中に、一定のトレーニング期間を設定しています。加えて、その3年の間にエコーを6ヵ月、核医学を4ヵ月履修すると、循環器専門医以外に心エコー専門医、核医学専門医を取得できるため、そういったトレーニングにも重点が置かれています。経食道心エコーは、どこの病院でトレーニングを受けても概ね習得できるようになっているのは、日本とは違う点です。フェローの人数自体も非常に多く、私が所属する800床+400床の2つの大学病院では、主に3学年の30人のフェローが在籍しています。日本では考えられないほど多いかと思いますが、その一部(とくに1~2年目)が、コンサルテーション、CCU、心不全といった診察中心のハードな業務を担当し、そのほか(とくに3年目)は、ある意味のんびりと興味のある分野を選択し研修しています。勤務体制はシフト制で、当院では、日勤と夜勤を連続して担当した後はオフとなっているため、最大勤務時間が24時間であることも、日本よりはましかもしれません。誰かがカバーを必ずしている仕組みなので、うまく調整すれば、誰でも休暇を2週間×2回取れるのも魅力的です。最近はコロナ禍で旅行などもあまりできていませんが、それでも英語漬けの日常から離れ、仕事から離れて骨休みできるのは、非常にありがたいことです。今年の夏休みは2週間あるので、カリブ海のプエルトリコに行く予定です。Column共同執筆で取り組んだこちらの論文では、COVID-19の長期的なCT所見をまとめています(Impact Factor:6.4)。呼吸器集中治療系で臨床留学を志す人に筆頭著者として書いてもらいました。ただし、私にとっては畑違いなところもあるため、concept/methodは私が担当し、全体の内容は大学の同期に監修してもらい、まとめあげました。Watanabe A, Kuno T, et al. Respirology. 2022 Jun 12. [Epub ahead of print]

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創部の麻酔【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q20

創部の麻酔Q20症例とくに既往のない28歳男性、左中指DIP腹側に深さ3~4mm程度、長さ20mm程度の切創あり。明らかな神経障害や動脈性出血、腱損傷はなさそう。バイタルは安定しているが、止血をえられず、縫合処置が必要と判断される。外科医のいる二次救急病院に送るのもためらわれるため、自分で縫ってみる。非滅菌手袋もつけたし、1%リドカインで指神経ブロックしなきゃな。どこに何回局注するんだっけ?

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標準治療耐性のEGFR陽性肺がんに対するamivantamab+lazertinibの成績(CHRYSALIS-2)/ASCO2022

 EGFRとMETの二重特異性抗体amivantamabと第3世代EGFR-TKIであるlazertinibとの併用が、オシメルチニブおよび化学療法後に進行したEGFR陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)に有効であることが、CHRYSALIS-2試験の結果から示された。米国・コロンビア大学のCatherine A. Shu氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で報告した。 EGFR変異陽性NSCLC 患者に対するamivantamabとlazertinibの併用療法の有効性はオシメルチニブ耐性例で示されている。今回は、オシメルチニブとプラチナベース化学療法による後治療などの標準治療全体に耐性のEGFR陽性NSCLCに対する同レジメンを評価したCHRYSALIS-2試験の拡大コホートAのアップデート結果である。・対象:拡大コホートAに登録された、オシメルチニブまたは第1/2世代EGFR-TKIとその後プラチナベース化学療法、あるいは強度の高い他の治療で進行したEGFR陽性(del19またはL858R)NCSLC(162例)・方法:amivantamab(最初の28日間は週1回、その後は2週に1回)+lazertinib連日投与した。・評価項目:[主要評価項目]奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DoR)、クリニカルベネフィット率(CBR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、有害事象(AE)など 主な結果は以下のとおり。・年齢中央値は61.5歳、男性35%、66例、脳転移あり41%(未治療30例、既治療36例)。・前治療数中央値は3(オシメルチニブ→プラチナベース化学療法23%、第1/2世代EGFR-TKI→オシメルチニブ→プラチナベース化学療法42%、他治療35%)であった。・観察期間10.0ヵ月におけるORRは33%であった。・PFS中央値5.1ヵ月、OSの中央値14.8ヵ月、DoR中央値は9.6ヵ月であった。・AEはほとんどGrade1/2であり、毒性のために投与中断となった患者は57例(35%)、減量された患者は15例(9%)で、2剤とも投与を中止した患者は12例(7%)であった。安全性プロファイルは過去の報告と一致しており、新たな問題は示されなかった。

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腎細胞がんに対するエベロリムスの術後療法は無再発生存期間を改善する可能性(EVEREST)/ASCO2022

 腎細胞がん(RCC)の術後療法としてのmTOR阻害薬のエベロリムスは無再発生存期間(RFS)を改善する可能性があることが、米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)において米国・Oregon Health & Science UniversityのChristopher W. Ryan氏から発表された。米国で行われた無作為化比較の第III相試験であるEVEREST試験(SWOG S0931)の最終解析結果である。・対象:腎部分または完全切除術を施行されたRCC症例1,545例登録症例のリスクカテゴリーは([中高リスク]pT1bではGrade3~4でN0、pT2では全GradeでN0、pT3aではGrade1~2でN0と定義、[超高リスク]pT3aではGrade3~4でN0、pT3b-c/T4では全GradeでN0、N+の場合は全pTで全Gradeと定義)・試験群:エベロリムス10mg/日連日投与54週 (Evero群:775例)・対照群:プラセボ連日投与54週 (Pla群:770例)・評価項目:[主要評価項目] RFS[副次評価項目] 全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・登録期間は2011年4月~2016年9月、追跡期間中央値は76ヵ月であった。・年齢中央値は両群共に約58歳、男性が約70%であり、中高リスクが両群ともに45%、超高リスクは55%、非淡明細胞型が16-17%であった。・治療期間中央値はEvero群で9.3ヵ月、Pla群で12.6ヵ月で、減量はEvero群で37%、Pla群で7%にあった。・病勢進行や死亡ではない治療中止は、Evero群で47%、Pla群で17%であった。・RFSは両群共に中央値未到達。5年RFS率はEvero群67%、Pla群63%、ハザード比(HR)は0.85(95%信頼区間[CI]:0.72~1.00、片側検定p=0.025)であったが、事前に設定された片側有意水準0.022を満たさなかった。・リスク別のRFSでは、超高リスク群ではHR0.79(95%CI:0.65~0.97)、片側検p=0.011であった。中高リスク群ではHR0.99(95%CI:0.73~1.35)、片側検定p=0.48であった。・5年OS率はEvero群87%、Pla群85%、HRは0.90(95%CI:0.71~1.13)、片側検定p=0.178で、カプランマイヤー曲線も重なっていた。・Evero群における新たなる安全性の懸念はなかったが、Grade3以上の有害事象は、Evero群46%で、Pla群は11%であった。主なGrade3以上の有害事象は口内炎で、Evero群14%、Pla群0%、高トリグリセリド血症が11%と2%、肺炎が1%と0%であった。 演者は最後に「RCCの術後療法としてのエベロリムスは、RFSの改善は示したが、統計学的な有意差を出すところまでは至らなかった。しかしその有効性は超高リスク症例群においては特に顕著だった。」と述べた。

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12~18歳の新型コロナワクチン有害事象、女子に高リスク傾向/日本化学療法学会

 現在、12~18歳の約75%が新型コロナウイルスワクチンの2回接種を終えているという。この年齢層での新型コロナウイルスワクチンの有害事象の調査結果について、大阪医科薬科大学の小川 拓氏が、2022年6月3日~5日に開催された第70回日本化学療法学会総会にて発表した。ワクチン接種による有害事象は12~18歳も成人データと大きく変わらない 本研究では、中学校・高等学校の生徒のうち、新型コロナウイルスワクチンの接種を、希望者469人に対して、2021年9月25日~10月28日に職域接種として行った。1回目はすべてモデルナ製ワクチン(0.1mg)であったが、若年男性に心筋炎・心膜炎のリスクがあることが厚生労働省から発表されたことを受け、2回目は男子に限りモデルナ製に加え、ファイザー製ワクチン(0.225mg)も選択可能とした。男子108人(うち2回目ファイザー製72人)、女子44人の計152人が研究に参加した。被験者に、新型コロナウイルスワクチンの有害事象でよく見られる症状を記載したアンケート形式の健康観察票に、2週間分を記録してもらった。 1回目接種後の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の主な調査結果は以下のとおり。・男女ともに、接種部の局所反応と全身反応ともに、症状の持続期間の中央値3日であった。接種部疼痛や腫脹などの局所反応は、長くても10日程度で治まっていた。・新型コロナウイルスワクチンの有害事象の頻度として多いものは、接種部疼痛(男子89.8%、女子97.7%)、接種部腫脹(男子39.8%、女子50.0%)、37.1℃以上の発熱(男子38.9%、女子50.0%)、倦怠感(男子41.7%、女子40.9%)、頭痛(男子24.1%、女子40.9%)であった。・男女で統計学的に有意な差が見られた新型コロナウイルスワクチンの有害事象は、38.1℃以上の発熱(男子3.7%、女子18.2%)、頭痛(男子24.1%、女子40.9%)であり、女子のほうに多く見られた。・1回目接種の3日後に、14歳男子1例が虫垂炎のために入院した。・接種後の待機時間中に男子1例が腕のしびれを発症したが、速やかに改善した。 2回目接種後の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の主な調査結果は以下のとおり。・新型コロナウイルスワクチンの有害事象の頻度として多いものは、接種部疼痛(男子・ファイザー製80.6%、男子・モデルナ製78.3%、女子100.0%)、37.1℃以上の発熱(男子・ファイザー製77.8%、男子・モデルナ製82.6%、女子92.1%)、38.1℃以上の発熱(男子・ファイザー製38.9%、男子・モデルナ製52.2%、女子89.5%)、頭痛(男子・ファイザー製52.8%、男子・モデルナ製60.9%、女子89.5%)、悪寒(男子・ファイザー製20.8%、男子・モデルナ製21.7%、女子44.7%)であり、1回目よりも2回目接種後のほうが各項目の新型コロナウイルスワクチンの有害事象の発生頻度が高く、男子よりも女子のほうが発生頻度が高かった。・ファイザー製を接種した男子4例が、遷延する咳嗽(2例)、めまい(1例)、嘔吐(1例)のため通院したが、いずれも速やかに回復した。・接種後の待機時間中に男子1例が指のしびれを発症したが、12時間以内に消失した。 小川氏は本結果について「12~18歳のワクチン接種による有害事象について、日本における成人のデータと傾向は大きく変わらず、症状の持続期間の中央値はいずれも3日程度で、すべての有害事象が10日目までに消失している。頭痛は月経のある世代では、男性よりも女性に多く報告されており、交絡因子の可能性がある」と述べている。また、本研究では、接種者469人のうち約3割の152人しか研究に参加しなかったこともあり、サンプルサイズが小さいため、モデルナ製ワクチンの若年男性に発生頻度が高いとされる心筋炎や心膜炎については評価できなかったという。

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ミスマッチ修復機能欠損の局所進行直腸がん、PD-1阻害薬単独で治癒?/NEJM

 ミスマッチ修復機能欠損を有する局所進行直腸がんは、PD-1阻害薬のみの治療で治癒する可能性が高いことが、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのAndrea Cercek氏らが行った、前向き第II相試験の結果、示された。局所進行直腸がんは、術前化学療法と放射線療法、その後の手術療法が標準治療となっているが、ミスマッチ修復機能欠損を有する局所進行直腸がんでは、標準的な化学療法では十分な奏効を得られないことが示されていた。一方で、転移を有する患者および治療抵抗性の患者における免疫チェックポイント阻害薬のみの客観的奏効率は33~55%と、第一選択薬として非常に有効であることが報告されており、研究グループはこれらの知見に基づき、PD-1阻害薬の単剤投与が、ミスマッチ修復機能欠損の局所進行直腸がんに有益であるとの仮説を立て、dostarlimabによる術前化学療法の奏効率を調べる試験を行った。NEJM誌オンライン版2022年6月5日号掲載の報告。dostarlimabを単独投与しCRを評価 試験は、ミスマッチ修復機能欠損を有するStageIIまたはIIIの直腸腺がんの患者を対象とし、抗PD-1モノクローナル抗体dostarlimab単剤を3週ごと6ヵ月間(9サイクル)投与した。 患者は本治療後に、標準化学放射線療法と手術療法が行われたが、dostarlimab療法で臨床的完全奏効(cCR)を示した患者には、その後の治療は行われなかった。 主要評価項目は、dostarlimab療法後12ヵ月の持続的cCR、または化学放射線療法の有無を問わないdostarlimab療法後の病理学的CR、および化学放射線療法の有無を問わないdostarlimab術前療法の全奏効(OR)であった。治療完遂12例全例でCRを示し、フォローアップ25ヵ月時点で進行/再発例なし 計16例の患者が登録された。年齢中央値は54歳(範囲:26~78)、女性62%、臨床Stageは15例がIII、腫瘍StageはT3が9例(56%)、T4が3例(19%)で、腫瘍遺伝子変異量は37.9~103.0/Mb(平均60.0)と高値であった。 このうち12例がdostarlimab療法を完遂し、少なくとも6ヵ月時点のフォローアップを受けた。 全12例がCRを示し(100%、95%信頼区間[CI]:74~100)、MRI、18F-FDG PET、内視鏡評価、直腸指診または生検で、腫瘍は認められなかった。 本報告時点で、化学放射線療法または手術を受けた患者はおらず、追跡期間中(範囲:6~25ヵ月)に進行または再発が報告された症例はなかった。 Grade3以上の有害事象の報告はなかった。 なお、今回の試験の結果を踏まえて著者は、「さらなる追跡を行い、奏効の期間を評価する必要がある」と述べている。

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高齢未治療MCL、標準化学免疫療法へのイブルチニブ上乗せでPFS延長(SHINE)/NEJM

 未治療のマントル細胞リンパ腫(MCL)高齢患者において、標準化学免疫療法(ベンダムスチン+リツキシマブ:BR療法)へのブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬イブルチニブの上乗せは、プラセボとの比較において、無増悪生存(PFS)期間を有意に延長したことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMichael L. Wang氏らによる国際無作為化二重盲検第III相試験「SHINE試験」の結果、示された。これまでに未治療/再発/難治性MCLの患者17例を対象とした第Ib相試験で、BR療法へのイブルチニブ上乗せは、患者の76%が完全奏効(CR)を有し、安全かつ有効であることが示されていた。NEJM誌オンライン版2022年6月3日号掲載の報告。BR療法+イブルチニブを対プラセボで評価 SHINE試験の対象は、中央施設でMCLと診断された65歳以上、未治療で疾患StageII~IV、最長径1.5cm以上の測定可能な病変1つ以上、Eastern Cooperative Oncology Groupパフォーマンスステータススコア0または1(スケール範囲:0~5、数値が大きいほど障害が大きいことを示す)、十分な臓器機能を有する患者であった。 研究グループは、被験者を無作為に1対1の割合で、イブルチニブ560mgを1日1回経口投与する群またはプラセボ群に割り付け、両群に、ベンダムスチン90mg/m2(体表面積)(28日として定義された各サイクルの1日目と2日目に投与)およびリツキシマブ375mg/m2(各サイクルの1日目に投与)を4週ごと6サイクル併用投与した。また、客観的奏効(完全または部分的奏効)を示した患者には、リツキシマブ維持療法を8週ごと最大12回追加投与した。 主要評価項目は、治験責任医師が評価したPFSであった。全生存(OS)および安全性も評価した。PFSはイブルチニブ群80.6ヵ月vs.プラセボ群52.9ヵ月で有意差、OSは同等 2013年5月~2014年11月の間に、北米、南米、欧州、アジア太平洋地域の183の試験地(日本を含む)で計523例が無作為化を受け、261例がイブルチニブ群に、262例がプラセボ群に割り付けられた。 追跡期間中央値84.7ヵ月(主要解析のデータカットオフ日2021年6月30日)の時点における疾患の進行または死亡は、イブルチニブ群116例(44.4%)、プラセボ群は152例(58.0%)であった。PFS期間中央値はイブルチニブ群80.6ヵ月、プラセボ群52.9ヵ月であった(疾患の進行または死亡のハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.59~0.96、p=0.01)。 CRを示した患者は、イブルチニブ群171例(65.5%)、プラセボ群151例(57.6%)であった(p=0.06)。客観的奏効が認められた患者の割合は、両群で同等であった(それぞれ89.7%、88.5%)。 データカットオフ日の時点で、死亡はイブルチニブ群104例(39.8%)、プラセボ群107例(40.8%)。OSは両群で同等であった(HR:1.07、95%CI:0.81~1.40)。7年時点のOSは、イブルチニブ群55.0%、プラセボ群56.8%。一方で、疾患の進行による死亡は、イブルチニブ群30例(11.5%)、プラセボ群54例(20.6%)であった。 治療期間中のGrade3/4の有害事象の発生率は、イブルチニブ群81.5%、プラセボ群77.3%であった。最も頻度の高かったGrade3/4の有害事象(各群で10%以上を占めたものと定義)は好中球減少症(イブルチニブ群122例[47.1%]、プラセボ群125例[48.1%])で、肺炎(それぞれ20.1%、14.2%)、リンパ球減少症(16.2%、11.9%)、貧血(15.4%、8.8%)、血小板減少症(12.7%、13.1%)、発疹(12.0%、1.9%)、および白血球減少症(10.0%、11.2%)が報告された。

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Luminal Aの低リスク乳がん患者、術後放射線療法を省略できる可能性(LUMINA)/ASCO2022

 乳房温存術後、内分泌療法のみで治療された55歳以上のLuminal A(Ki67低値)、T1N0の女性乳がん患者では、5年局所再発リスクが非常に低く、放射線療法を省略できる可能性が示唆された。通常、術後放射線療法は局所再発リスクを減らすために実施されるが、急性および晩期毒性が報告されている。カナダ・マクマスター大学のTimothy Joseph Whelan氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)で前向き多施設共同コホート研究の結果を報告した。Luminal Aで乳房温存術後、内分泌療法で治療された乳がん患者の再発率・対象:Luminal A(ER≧1%、PR>20%、HER2陰性)、≧55歳、切除マージン≧1mm、組織学的グレード1~2、内分泌療法歴と乳房温存術歴のあるT1N0浸潤性乳管がん患者・試験デザイン:International Ki67 Working Groupの推奨に従い、免疫組織染色法でKi67を検出、Ki67≦13.25%の患者を試験に登録し、放射線療法なしの群に割り当てた・治療とフォローアップ:内分泌療法はアロマターゼ阻害薬あるいはタモキシフェンを5年以上投与。はじめの2年は半年に一度、以降は年に1回のフォローアップを実施、また年1回のマンモグラフィを実施した・評価項目:[主要評価項目]局所再発(LR:浸潤がんもしくは非浸潤がん)[副次評価項目]対側乳がん、いずれかの再発、全生存期間(OS)、無病生存期間(DFS) 乳房温存術後、内分泌療法のみで治療された55歳以上のLuminal A(Ki67低値)、T1N0の女性乳がん患者の再発リスクを研究した主な結果は以下のとおり。・2013年8月~2017年7月まで、カナダの26施設から500例が解析対象とされた。追跡期間中央値は5年。・ベースライン特性は、年齢中央値が67歳、腫瘍径中央値は1.1cm、組織学的グレード1が66%、内分泌療法はアロマターゼ阻害薬が59%だった。・5年時点のLR率は2.3%(95%信頼区間[CI]:1.3~3.8)で、事前に設定された境界値(<5%)を満たした。・5年時点の対側乳がん率は1.9%(95%CI:1.1~3.2)、いずれかの再発率が2.7%(95%CI:1.6~4.1)だった。・5年OS率は97.2%(95%CI:95.9~98.4)、5年DFS率は89.9%(95%CI:87.5~92.2)だった。

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銃所持者と一緒に住むと殺されるリスクが上昇【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第212回

銃所持者と一緒に住むと殺されるリスクが上昇photo-pixabayより使用ニューヨークの地下鉄で銃を乱射した事件が先日報道され、パネェなと思っていたところで、タイミングよくAnnals of Internal Medicineというトップジャーナルから銃による殺人の論文が出ました。前回に引き続き、なんか物騒な話題で申し訳ありませんが。Studdert DM, et al.Homicide Deaths Among Adult Cohabitants of Handgun Owners in California, 2004 to 2016FREE A Cohort Study.Ann Intern Med . 2022 Apr 5. doi: 10.7326/M21-3762.アメリカで銃を購入する目的は、基本的に「自己防衛」のためです。ただ、諸刃の剣でもあり、銃を持っている家の人たちは殺人被害に遭いやすいという見解もあります。この後ろ向きコホート研究では、カリフォルニア州の住民約1,760万人をかなり長期間追跡し、合法的に銃を所持している人と同居することが、殺人被害のリスクを高めるかどうかを推定しました。銃を所持している人と同居した約60万人のうち、3分の2が女性でした。カリフォルニア州全体の殺人は2,293人で、殺人の割合は銃所持者と同居している人のほうがそうでない人よりも2倍高いという結果でした(調整ハザード比[aHR]:2.33、95%信頼区間[CI]:1.78~3.05)。家庭で発生した殺人だけを見てみると、銃所持者の同居人は、配偶者や親密なパートナーによって発砲される割合が7倍高いことがわかりました(aHR:7.16、95%CI:4.04~12.69)。犠牲者の84%が女性でした。アメリカに住んでいる知り合いに聞いたところ、銃を所持しているかどうか、というのは実際にはわからないこともあるそうです。となると、「隠れ銃所持者」もこの研究に含まれている可能性があります。女性は、ちょっと気性の荒い銃所持者の男性と一緒に住むのは、控えたほうがよいのかもしれません。とくに、ドメスティックバイオレンス傾向のある男性は、衝動的に発砲してしまうリスクが高そうです。

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