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MTX維持療法中のolokizumab、関節リウマチの改善率は?/NEJM

 メトトレキサート(MTX)による維持療法を受けている関節リウマチ(RA)患者において、インターロイキン-6(IL-6)を直接の標的とするヒト化モノクローナル抗体であるolokizumabを併用すると、12週の時点における米国リウマチ学会基準の20%の改善(ACR20)の達成に関して、プラセボと比較して優越性を示し、ヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体アダリムマブに対し非劣性であることが、オーストリア・ウィーン医科大学のJosef S. Smolen氏らが実施した「CREDO2試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年8月25日号に掲載された。世界209施設の無作為化プラセボ対照・実薬対照第III相試験 CREDO2試験は、RA治療におけるMTXへのolokizumab追加の有効性と安全性の評価を目的とする24週間の二重盲検無作為化プラセボ対照・実薬対照第III相試験であり、2016年5月~2019年11月の期間に、米国、欧州、英国、アジア(韓国、台湾)、中南米の209施設で参加者の登録が行われた(ロシアR-Pharmの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、活動性のRAで、ACR-EULAR分類基準(2010年改訂版)を満たし、12週間以上にわたりMTX(15~25mg/週、この用量で許容されない有害事象がみられる場合は≧10mg/週[韓国は≧7.5mg/週])の効果が不十分で、66関節中腫脹関節が6ヵ所以上、68関節中圧痛関節が6ヵ所以上、C反応性蛋白>6mg/Lの患者であった。 被験者は、24週にわたり、olokizumab(64mg)を2週ごと、同4週ごと、アダリムマブ(40mg)を2週ごと、プラセボを2週ごとに投与する群に、2対2対2対1の割合で無作為に割り付けられた。全例でMTXの投与が継続された。 主要エンドポイントは、12週の時点におけるACR20(圧痛・腫脹関節数が20%以上減少、他の5つの項目のうち少なくとも3項目で20%以上の改善)の達成とされた。ACR20の達成について、olokizumab群のプラセボ群に対する優越性の評価とともに、olokizumab群のアダリムマブ群に対する非劣性の評価が行われた(非劣性マージンは、群間差の97.5%信頼区間[CI]下限値が-12ポイントとされた)。3割以上で感染症が発現 1,648例(intention-to-treat集団)が登録され、olokizumab 2週ごと投与群に464例、同4週ごと投与群に479例、アダリムマブ群に462例、プラセボ群に243例が割り付けられた。これら4つの群の平均年齢の幅は53.3~54.7歳で、女性の割合の幅は75.9~78.9%であった。1,479例(89.7%)が24週の投与を完遂した。 プラセボ群における12週時のACR20の達成割合は44.4%であった。これに対し、olokizumabの2週群のACR20達成割合は70.3%(プラセボ群との差:25.9ポイント、97.5%CI:17.1~34.1)、同4週群は71.4%(27.0ポイント、18.3~35.2)、アダリムマブ群は66.9%(22.5ポイント、95%CI:14.8~29.8)であり、2つの用量のolokizumab群はいずれも、プラセボ群に比べ有意に優れた(いずれもp<0.001)。 また、12週時のACR20の達成割合に関して、2つの用量のolokizumab群はいずれも、アダリムマブ群との差の97.5%CI下限値が-12ポイントを上回っておらず(olokizumabの2週群:3.4ポイント[97.5%CI:-3.5~10.2]、同4週群:4.5ポイント[-2.2~11.2])、2つのolokizumab群のアダリムマブ群に対する非劣性が示された。 一方、試験薬の1回目の投与以降に、初めて発現または重症度が悪化した有害事象が少なくとも1件認められた患者の割合は全体で68.0%であった(olokizumab 2週群 70.0%、同4週群70.9%、アダリムマブ群65.4%、プラセボ群 63.4%)。最も頻度の高い有害事象は、感染症(鼻咽頭炎、上気道感染症、尿路感染症など)だった(30.2%、34.0%、32.0%、34.6%)。また、試験薬の投与中止の原因となった有害事象は、それぞれ4.5%、6.3%、5.6%、3.7%で、重篤な有害事象は、4.8%、4.2%、5.6%、4.9%で認められた。 olokizumabに対する抗体は、2週群が3.8%、4週群は5.1%で検出された。 著者は、「RA患者におけるolokizumabの有効性と安全性を明らかにするには、より大規模で長期の試験が求められる」としている。

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第115回 感染症法改正、病床確保拒否する病院に罰則を/内閣府

<先週の動き>1.感染症法改正、病床確保拒否する病院に罰則を/内閣府2.オミクロン株対応の新ワクチン、今月中に接種開始へ/厚労省3.病院のかかりつけ医機能は中小病院が中心に/日本病院会4.日本ようやく「結核低まん延国」に/厚労省5.世界初の高血圧の治療アプリが保険適用に/厚労省6.介護保険の給付が10兆円越え、高齢化で過去最高に/厚労省1.感染症法改正、病床確保拒否する病院に罰則を/内閣府岸田内閣は、9月2日に新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの取組を踏まえた、次の感染症危機に備えるための具体策をまとめた。この中で、感染症法の改正を行い、感染症発生・まん延時に備えて、都道府県に対してあらかじめ、各医療機関と具体的な役割・対応について協定を締結しておくことを求める。さらに、公立・公的医療機関などや特定機能病院・地域医療支援病院に対しては、感染症発生時に担うべき医療の提供を義務付け、応じない場合は罰則を盛り込む方針を明らかにした。また、次の感染症危機に対して、政府の司令塔機能の強化するため、司令塔機能を担う組織として「内閣感染症危機管理統括庁(仮称)」を設置を盛り込んだ法案をこの秋の臨時国会に改正案を提出し、次年度の設立を目指す。(参考)第97回 新型コロナウイルス感染症対策本部(首相官邸)政府が新たな感染症対策 医療機関に罰則、23年度中に司令塔組織(毎日新聞)政府、病床確保拒否に罰則 5年度に司令塔組織創設(産経新聞)大病院の病床確保へ法改正 実効性に課題(日経新聞)2.オミクロン株対応の新ワクチン、今月中に接種開始へ/厚労省厚生労働省は9月2日に開催された厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会の議論で、オミクロン株対応ワクチン接種については、接種時期や接種対象者についての方針を取りまとめた。政府はすでにオミクロン株対応ワクチンの輸入を一部前倒しして開始しており、薬事承認を経て、9月中旬開催予定の分科会において、オミクロン株対応ワクチンの接種を特例臨時接種として諮問し、オミクロン株対応ワクチン接種を開始するとしている。各自治体に対しては、接種の準備を行い、開始時期は令和4年10月半ばを目途としているが、準備ができ次第開始する。また、現在、高齢者、重症化リスクの高い人や医療従事者など4回目接種の対象者に対して行なっている従来のワクチン接種について、2価のオミクロン株対応ワクチン(BA.1対応型)へ切り替えも早期に行うこととした。(参考)第36回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(厚労省)オミクロン株に対応した新型コロナワクチンの接種体制確保について(その3)(事務連絡)新ワクチン、今月半ばにも オミクロン対応、高齢者などから(東京新聞)オミクロン株対応ワクチン、今月半ばに配送開始…高齢者ら優先で接種(読売新聞)改良ワクチン3,000万回分 オミクロン型対応 19日ごろから配送(日経新聞)3.病院のかかりつけ医機能は中小病院が中心に/日本病院会日本病院会の相澤孝夫会長は、8月29日の記者会見で「かかりつけ医機能」について、「医師個人の機能ではなく、医療機関としての機能であるとして、かかりつけ医機能を推進する病院として『地域を支えていく中小規模病院』の機能を充実・強化が必要である」と見解を述べた。具体的な機能としたのは、地域の医療機関などとの連携や在宅医療支援、介護などとの連携について示した。日本病院会では、病院のかかりつけ医機能の在り方にさらに議論を進め、厚生労働省の「第8次医療計画等に関する検討会」に見解を示す見込み。(参考)病院のかかりつけ医機能、「中小規模病院」を中心に 日病が方向性(MEDIFAX)「かかりつけ医機能」、急病対応や総合診療などが最重要要素で、中小病院で充実していくべき-日病・相澤会長(Gem Med)4.日本ようやく「結核低まん延国」に/厚労省厚生労働省は、8月30日に2021年の結核登録者情報調査年報集計結果を公表した。これによると、わが国の2021年の結核罹患率(人口10万対)について、前年と比較して0.9減少し、人口10万人あたりの活動性結核患者の発生数が10人未満の結核の低まん延国となったことが明らかとなった。わが国は過去に結核が蔓延した影響があり、結核患者の高齢化はますます進行し、新登録結核患者のうち70歳以上が占める割合は63.5%と高く、引き続き対策が求められる。(参考)2021年 結核登録者情報調査年報集計結果について(厚労省)2021(令和3)年結核年報速報(疫学情報センター)日本、結核「低まん延国」に…人口10万人あたりの患者数が初めて10人を下回る(読売新聞)国内結核患者 過去最少「結核低まん延国」に コロナ対策影響か(NHK)5.世界初の高血圧の治療アプリが保険適用に/厚労省CureApp社は、禁煙補助に続いて、世界初の高血圧治療補助アプリ「CureAppHT」を9月1日に「成人の本態性高血圧症の治療補助」で保険適用されたことを受け、即日発売した。高血圧患者の行動変容を促し、生活習慣の改善による降圧効果を図るとする医療機器として認められた。6ヵ月を限度に毎月830点(初月のみ計970点)を算定するためには200床未満の医療機関では、地域包括診療料、地域包括診療加算、高血圧症を主病とする生活習慣病管理料のいずれかの算定実績が要件とされている。一方、200床以上の医療機関では、日本高血圧学会の定める「高血圧認定研修施設」であり、かつ22年度診療報酬改定で新設された「紹介受診重点医療機関」であることが要件とされた。(参考)CureAppが高血圧の治療用アプリを承認申請、薬なしで12週後の降圧効果を確認(日経クロステック)CureApp 高血圧治療補助アプリが保険適用、即日発売 生活習慣修正をトータルサポート(ミクスオンライン)中医協総会 CureAppの高血圧治療補助アプリは「新規技術料」で評価 使用実態のフォローアップを(同)6.介護保険の給付が10兆円越え、高齢化で過去最高に/厚労省厚生労働省は、令和2年度の介護保険事業状況報告の年報を8月31日に公表した。これによると、令和2年度の保険給付関係の累計の総数は、件数1億6,303万件、費用総額10兆7,247億円と過去最高となったことが明らかになった。給付費の内訳は、居宅介護(介護予防)サービス4兆7,872億円、地域密着型介護(介護予防)サービス1兆6,459億円、施設介護サービス3兆1,629億円となっており、要介護・要支援認定者数は、令和2年度末現在で682万人と前年度より13万人増加している。介護保険の給付費は過去20年間で3倍以上の増加となっており、今後はさらに団塊の世代が75歳以上となることで、介護費の増加は加速するとみられる。(参考)令和2年度 介護保険事業状況報告(厚労省)介護給付、初めて10兆円超え 20年度、高齢化で過去最高(共同通信)介護給付費、初の10兆円超え 20年度 20年間で3倍超、厚労省(CB news)要介護・要支援認定は過去最多の682万人 厚労省が20年度の年報公表、前年度比13万人増(同)

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インフルエンザと新型コロナ:動脈血栓の視点ではどっちが怖い?(解説:後藤信哉氏)

 新型コロナウイルス感染症の特徴として、深部静脈血栓症・肺塞栓症などの静脈血栓症リスクの増加が注目された。静脈血栓症リスクは、新型コロナウイルス以外の感染症でもICU入院例では高かった。インフルエンザなど他のウイルス感染と比較して、新型コロナウイルスにはACE-2受容体を介して血管内皮細胞に感染するとの特徴があった。血管内皮細胞は血管内の血栓予防にて死活的に重要な役割を演じている。新型コロナウイルス感染により血管内皮細胞の機能が障害されれば、微小循環の過程にて血小板、白血球が活性化し全身循環する血液の血栓性は亢進する。静脈血栓症以外に、心筋梗塞・脳梗塞などの動脈血栓リスクも新型コロナウイルス感染後に増加すると想定された。また、新型コロナウイルス感染症例の心筋梗塞、脳梗塞リスクの増加を示唆する論文も多数出版されている。 本研究は米国の健康保険のデータベースの後ろ向き解析である。新型コロナウイルス感染症にて入院した症例の静脈血栓、動脈血栓リスクは高いが、われわれに十分な経験のあるインフルエンザの入院例との比較において動脈、静脈血栓リスクを評価したのが本研究の新規性である。また、新型コロナウイルスのワクチン接種のインパクトの評価も志向している。もっとも、本研究は重症の入院例に限局しているので、ワクチンの血栓イベントに及ぼす効果は評価できないことを理解する必要がある。 ワクチン普及後でも、新型コロナウイルス感染症による入院後90日以内の動脈血栓イベント発症率は16.3%(95%CI:16.0%~16.6%)と高い。新型コロナは恐ろしい。しかし、インフルエンザでも入院例では90日以内に14.4%(95%CI:13.6%~15.2%)が動脈血栓を発症している。新型コロナは恐ろしいが、インフルエンザも怖い。動脈血栓イベントリスクは年齢に依存している。高齢者であれば、新型コロナであろうとインフルエンザであろうと入院後の動脈血栓イベントには注意が必要である。本研究では血管内皮細胞への感染を特徴とする新型コロナウイルスの血栓性亢進は静脈血栓のみにて確認された。米国の保険医療データベースのラフな解析の結果である。英国などの精緻なデータが待たれる。 時に、現在まで日本は全数把握を行政が主導してきた。全数把握しながら、日本のデータベースから新型コロナウイルスに関する科学的情報の発表は乏しい。労力をかけて情報を収集するのであれば、科学的情報を発信できる情報にしなければならない。厚労省に論文出版課などができれば科学的情報解析に目が向くだろうか?

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線画編:デジタル機能を駆使して細かな線を簡単に~腹腔鏡下下行結腸切除術~【誰も教えてくれない手術記録 】第18回

第18回 線画編:デジタル機能を駆使して細かな線を簡単に~腹腔鏡下下行結腸切除術~こんにちは! 手術を描く外科医おぺなかです。前回の記事では、腹腔鏡下下行結腸切除術を題材にして、手術イラストを描く際にとても重要となる下書きのポイントを紹介しました。今回は次のステップである「線画作成」に進んでみましょう。デジタルツールの特性を活かす!読者の皆さんは、iPadなどのデジタルデバイスを用いてイラストを描くことが多いと思います。過去の記事でも紹介しましたが、デジタルツールには、層に分けてイラストを完成させていく「レイヤー機能」があります。複雑なイラストを描く際に非常に有用な機能なのでぜひ活用してくださいね。始めに描いた下書きのレイヤーとは別に新たなレイヤーを作成し、そこに線画を清書していきます。ポイントは、下書きのレイヤーの「不透明度」を下げておくことです。これにより下書きと線画の描画が区別されるので、線画がグンと描きやすくなります。画像を拡大する不透明度の調整使用するペンには好みやこだわりがあると思いますが、今回作成したイラストは「モノライン」というペンを用いて描いています。他には「製図ペン」「スタジオペン」などもおすすめです。下書きを元にどんどん線画を描き進めていきましょう。しかし、描き込んでいくうちに、血管や神経、膜の癒着など細かな線が必要となり、行き詰まってしまう場面もあると思います。そのようなときは「拡大機能」を活用しましょう。アナログ的に紙に描く場合と異なり、デジタルツールであれば容易に拡大することができるため、精緻なイラストが誰でも描けるようになります。デジタルならではの拡大機能また、鉗子などの手術器具のように直線を描く必要がある場合、デジタルツールに備わっている「オートシェイプ」の機能を活用するといいですよ。ゆがんだ線を自動で直線化したり、きれいなカーブに整えたりできます。僕が使用しているアプリケーションでは、線を引いた後にペンを離さずに固定しておくと、オートシェイプされるように設定しています。(左)オートシェイプ前、(右)オートシェイプ後壁にぶち当たった箇所こそこだわって描く!線画を描き進めるうちに、「ここはどうやって描けばいいのだろう…?」と手が止まる瞬間があると思います。うまく描けないところは、自身の中で視野や解剖構造のイメージが十分でない場所であり、どこよりもこだわって描くべきところです。手術書や自身の手術ビデオを振り返り、課題を突き詰めていきましょう。手術記録は手術がうまくなるために描くものですから、曖昧な線でごまかしていては意味がありません。線画をどこまで描き込むかは好みによると思いますが、僕は各臓器と血管構造、あとは臓器間のつながりや膜構造が示せていれば十分だと思っています。より精緻なイラストを描くことも可能かもしれませんが、日々仕事に追われる中ではなかなかそんな凝ったイラストを描く時間はありませんよね。今回提示したイラスト程度が描けていれば十分ではないでしょうか。完成した線画(それぞれ20分ほどで作成)まとめ線画のポイント:1.レイヤー、拡大、オートシェイプなどのデジタルツール特有の機能を活用する!2.うまく描けない場所は手術書や手術ビデオを振り返る!3.臓器の位置関係や膜構造を十分に示す!デジタルツールの機能を活かして、比較的簡単に整った線画を描くことができました。満足がいく形で線画を書き終えると、「これで完成でもいいかな…」と思ってしまいがちですが、やはりモノクロよりカラーのほうがより伝わるイラストになります。手術内容を正確に伝えることも手術イラストの目的の1つですから、できるだけカラーで仕上げるようにしましょう。次回はイラストのカラー化(着色)について深掘りしていきたいと思います。ではまた!

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サル痘患者に遭遇する前に…押さえておきたい鑑別方法とワクチン接種の注意点

 国内でも症例がじわじわと増えているサル痘。皮膚病変だけではなく、扁桃炎や口腔病変が報告され、ペットからの感染リスクも出てきているというから、医療者はいつ自分が感染者対応に追われるかわからない。そんな時のためにもサル痘やそのワクチンの知識を蓄えておく必要がありそうだ。8月2日にはKMバイオロジク社の天然痘(痘そう)ワクチンLC16「KMB」にサル痘の効能追加が承認され、順次、感染リスクの高い医療者への接種が見込まれる。しかしこのワクチン、添付文書の用法・用量を見てみると“二叉針を用いた多刺法により皮膚に接種”となかなか特徴的である。 そこで今回、氏家 無限氏(国立国際医療研究センター/国際感染症センター トラベルクリニック医長・予防接種支援センター長)に協力いただき、同氏の所属施設が医療者向けに提供する動画「天然痘ワクチンガイド」とその補足情報についてお届けする。◆参考◆ 添付文書だけではわからない!?サル痘ワクチンの打ち方――― ―接種対象者は誰ですか? 厚生労働省の資料にも挙げられていますが、とくに泌尿器科、救急部門、皮膚科、眼科、性感染症を扱うクリニックの方が対象になるでしょう。また、患者検体を扱う臨床検査技師や保健所の方も該当すると考えます。―過去に接種経験があっても接種するべきでしょうか? 痘そうワクチンは1976年に定期接種が廃止されているので、1975年以前に生まれている方は接種経験があります。しかし、今回サル痘に効能追加が承認されたLC16ワクチンは当時打っていたワクチンとは異なります。また、海外ではハイリスク者には定期的な接種が推奨されています。加えて、今回の流行における感染者には接種歴のある方も一定数いるので、適応があれば、接種を受けることが望ましいだろうと思います。―接種方法と注意すべきポイントはなんですか。 サル痘の効能追加に伴い、LC16ワクチンの添付文書の用法・用量や妊婦、産婦、授乳婦等への接種の項などが改訂されたのでここは注意が必要です。痘そう予防の時の接種方法は「初種痘で5回、その他の種痘で10回」の記載でしたが、現在は「通常、専用の二叉針を用いて15回を目安」となっています[添付文書の6.接種時の注意(4)を参照]。また、妊娠している方に接種を行わないことが明記されました。―接種後は免疫獲得の指標となる「善感反応」を確認するそうですが、これについて教えてください。 善感反応とは、種の跡がはっきりと付いて免疫が獲得されたことを示す状態(接種部位の膿疱、硬結、痂疲などの局所反応が確認できた状態)1)のことで、接種10~14日後にその反応を確認します。見た目は米国・CDC(疾病予防管理センター)のホームページに具体例が提示してあるので参考にしてください。この反応の出方も個体差が大きく、ひとつの模範例を示すのはなかなか難しいです。また、接種部位には弱毒化されたワクチンのウイルスが存在しているので、触らないようにしてください。データは乏しいですが、完全に皮膚が良くなるまでは注意が必要だと思います。―副反応はどんなものが挙げられますか。男女差はありますか? 主な副反応として、過去の臨床研究2)では接種側の腋窩リンパ節腫脹が10~20%、37.5℃以上の発熱が1~3%程度報告されています。また、一般に安全性評価の臨床研究において女性のほうが副反応を報告しやすい傾向がありますが、重篤な副反応での明らかな性差は報告されていません。―――疑わないと診断できず、診断できないと感染対策につながらない このほか、氏家氏はサル痘が4類感染症に位置付けられていることや世界情勢を踏まえ、各医療者に向けて以下について強調した。 「サル痘は4類感染症のため感染症指定医療機関のみが診療するものではなく、さまざまな症状(皮膚病変、口腔病変、眼病変など)を有することから種々の鑑別疾患が挙げられ、誰もが診る可能性のある疾患だ。現在は海外での男性同士の性的接触が感染拡大の主な原因だが、感染がさらに広がると海外渡航歴がないなど典型的ではない患者が診断されることも想定される。そのため、感染症の非専門医であっても、今回の流行で報告されている症状や感染経路(性交渉などに伴う接触感染など)、世界の感染者数増加を踏まえ、鑑別疾患に挙がる疾患(水痘、梅毒など)3)4)が典型的な経過ではない場合では、ほかの疫学情報(性別、年齢、性交渉歴など)と併せて、サル痘を疑う目を持つことが重要である。“疑わないと診断できず診断できないと感染対策につながらない”という問題を起さないためにも、社会的に感染状況を評価するためにも、常に情報を更新しながら適切な診療にあたってほしい」サル痘は4類感染症、ただちに届出を サル痘を診断あるいは検体した場合には感染症法に従い、ただちに最寄りの保健所へ届出を行う必要がある。厚生労働省は「サル痘への対応」通知において、疑い例及び接触者に関する暫定症例定義を以下のように示している。1)「疑い例」の定義:原則、下記の[1]~[2]全てを満たす者とするが、臨床的にサル痘を疑うに足るとして主治医が判断をした場合については、この限りではない。[1]少なくとも次の1つ以上の症状を呈している。・説明困難*1な急性発疹(皮疹又は粘膜疹)*1:水痘、風疹、梅毒、伝染性軟属腫、アレルギー反応、その他の急性発疹及び皮膚病変を呈する疾患によるものとして説明が困難であることをいう。ただし、これらの疾患が検査により否定されていることは必須ではない。・発熱(38.5℃以上) ・頭痛 ・背中の痛み ・重度の脱力感 ・リンパ節腫脹・筋肉痛 ・倦怠感 ・咽頭痛 ・肛門直腸痛 ・その他の皮膚粘膜病変[2]次のいずれかに該当する。・発症21日以内にサル痘常在国やサル痘症例が報告されている国に滞在歴があった。・発症21日以内にサル痘常在国やサル痘症例が報告されている国に滞在歴がある者と接触があった。・発症21日以内にサル痘の患者又は[1]及び[2]を満たす者との接触があった。・発症21日以内に複数または不特定の者と性的接触があった。・臨床的にサル痘を疑うに足るとして主治医が判断をした。感染状況を患者に聞かれたら… 9月1日現在、WHO5)がまとめた報告によると、世界で5万496例が確定、301例が可能性ありと報告され、死亡は16例にのぼる。男性同性愛者を除いた感染経路を見ても半数以上が性的接触によるもので、医療従事者の感染もほとんどが地域社会で院内感染は少ないと記されている。 これらの報告を踏まえ、患者に感染力や感染経路について聞かれた場合の説明について「麻疹などの感染症のように必要以上に日常生活での感染を恐れる必要はない。法律上でも行動範囲の規制があるわけではなく、性交渉による接触感染を筆頭に考えられ得る感染経路(性感染症、飛沫感染、エアロゾル感染など)は多々あるものの、新型コロナウイルスでも実施している、密接を避ける、手洗いをする、換気を行うといった基本的な感染対策をしていれば、感染リスクは低い」と述べた。参考1)国際医療研究センター病院:天然痘(痘そう)ワクチンについて2)Saito Tomoya, et al. JAMA. 2009;301:1025-1033.3)国立国際医療研究センター 国際感染症センター:感染症対策支援サービス4)国立感染症研究所:令和4年度緊急企画サル痘研修会(令和4年7月29日開催)5)WHO:Emergency situation reports厚生労働省:サル痘厚生労働省事務連絡:サル痘に関する情報提供及び協力依頼について

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標準治療に不応または不耐のGISTにHSP90阻害薬ピミテスピブ発売/大鵬

 大鵬薬品工業は2022年8月30日、経口HSP(Heat Shock Protein)90阻害薬ピミテスピブ(製品名:ジェセリ)を発売したと発表した。 ピミテスピブは大鵬薬品が創製した化合物で、HSP90を阻害することによりがんの増殖や生存などに関与するKIT、PDGFRA、HER2やEGFRなどのタンパクを不安定化し、減少させることで抗腫瘍効果を示す。 今回の承認は標準治療薬に不応または不耐と判断されたGIST患者において、同剤とプラセボを比較した無作為化二重盲検第III相臨床試験(CHAPTER-GIST-301試験)の結果に基づいたもの。2022年6月に同適応症で製造販売承認を取得していた。

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人工関節置換術後のVTE予防、アスピリンvs.エノキサパリン/JAMA

 股関節または膝関節の変形性関節症で人工関節置換術を受けた患者における静脈血栓塞栓症(VTE)の予防では、アスピリンはエノキサパリンと比較して、90日以内の症候性VTEの発現率が統計学的に有意に高く、死亡や大出血、再入院、再手術の頻度には差がないことが、オーストラリア・インガム応用医学研究所のVerinder S. Sidhu氏らが実施した「CRISTAL試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2022年8月23日号に掲載された。オーストラリアのレジストリ内クラスター無作為化非劣性試験 CRISTAL試験は、人工股関節置換術(THA)および人工膝関節置換術(TKA)に伴うVTEの予防における、アスピリンのエノキサパリン(低分子量ヘパリン)に対する非劣性の検証を目的とするレジストリ内クラスター無作為化クロスオーバー試験であり、2019年4月~2020年12月の期間に、オーストラリアの31の病院で参加者の登録が行われた(オーストラリア連邦政府の助成を受けた)。 クラスターは、参加施設募集の前年に年間250件以上のTHAまたはTKAを行っている病院とされた。対象は、年齢18歳以上で、試験参加施設でTHAまたはTKAを受けた患者であった。術前に抗凝固薬の投与を受けた患者や、試験薬が禁忌の患者は除外された。 試験参加施設は、THA施行後は35日間、TKA施行後は14日間、アスピリン(100mg/日、経口投与)またはエノキサパリン(40mg/日、皮下投与)の投与を行う群に無作為に割り付けられた。また、試験参加施設は、無作為割り付けされた薬剤群で目標登録患者数が達成された時点で、試験薬をクロスオーバーするよう求められた。 主要アウトカムは、術後90日以内の症候性VTE(肺塞栓症[PE]、膝下または膝上の深部静脈血栓症[DVT])であり、非劣性マージンは1%とされた。副次アウトカムは、90日以内の死亡や大出血など6項目が設定された。解析は、クロスオーバー前の無作為化された薬剤群で行われた。 本試験は、2回目の中間解析(2020年12月)で停止規則が満たされたため、データ安全性監視委員会により患者の登録の中止が勧告され、早期中止となった。膝下DVTがアスピリン群で有意に多い 本試験の当初の目標登録患者数は1万5,562例(各群251例ずつ×31施設)で、9,711例(62%)(年齢中央値68歳、女性56.8%)が登録された時点で中止となった。このうち9,203例(95%)が試験を完遂した。アスピリン群に5,675例、エノキサパリン群に4,036例が割り付けられた。 術後90日以内に、256例で症候性VTEが発現し、PEが79例、膝上のDVTが18例、膝下のDVTは174例で認められた。 90日以内の症候性VTE発現率は、アスピリン群が3.45%(187/5,416例)、エノキサパリン群は1.82%(69/3,787例)であり(推定群間差:1.97%、95%信頼区間[CI]:0.54~3.41)、アスピリン群の非劣性基準は満たされず、エノキサパリン群で統計学的に有意な優越性が示された(p=0.007)。 主要アウトカムの構成要件のうち、90日以内のPE、PEとDVTの双方、膝上のDVTの発現には有意差はなかったが、全DVT(p=0.003)と膝下のDVT(p=0.004)がエノキサパリン群で有意に少なかった。 また、副次アウトカムである90日以内の死亡、大出血、再入院、再手術、6ヵ月以内の再手術、薬剤アドヒアランスには、両群間に有意な差は認められなかった。 著者は、「最近のVTE予防に関する国際的なコンセンサス会議のガイドラインでは、アスピリンの使用が強く推奨されているが、これは症候性VTEと無症候性VTEを区別していない後ろ向き観察研究を多く含むネットワークメタ解析に基づいている」と指摘し、「これらの結果の解釈では、両群間のVTE発生の差は主に膝下のDVTの差によるもので、膝下DVTは膝上DVTやPEに比べ臨床的な重要性が低いことから、今回の知見の臨床的重要性は明確ではない」としている。

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再発性多発性硬化症の再発率をublituximabが低減/NEJM

 再発性多発性硬化症の治療において、抗CD20モノクローナル抗体ublituximabはピリミジン合成阻害薬teriflunomideと比較して、96週の期間における年間再発率を低下させ、MRI上の脳病変を減少させる一方で、障害の悪化リスクを抑制せず、インフュージョンリアクションを増加させることが、米国・スタンフォード大学のLawrence Steinman氏らが実施した「ULTIMATE I/II試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年8月25日号で報告された。10ヵ国の無作為化実薬対照第III相試験 ULTIMATE I/II試験は、再発性多発性硬化症患者におけるublituximabの有効性と安全性を、teriflunomideとの比較において評価することを目的とする、同一デザインの2つの二重盲検ダブルダミー無作為化実薬対照第III相試験であり、2017年9月~2018年10月の期間に、10ヵ国の104の施設で参加者の登録が行われた(米国・TG Therapeuticsの助成による)。 対象は、年齢18~55歳、再発性多発性硬化症(McDonald診断基準[2010年改訂版]を満たす)と診断され、過去2年間に少なくとも2回の再発がみられるか、スクリーニングの前年に1回の再発またはMRI検査で少なくとも1つのガドリニウム増強病変(あるいはこれら双方)が認められ、脳MRIで多発性硬化症に一致する異常所見が確認された患者であった。 被験者は、ublituximabの静脈内投与(1日目に150mg、それ以降は15日、24週、48週、72週目に450mg)とプラセボの経口投与を受ける群、またはteriflunomideの経口投与(14mg、1日1回、95週目の最終日まで)とプラセボの静脈内投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは多発性硬化症の年率換算の再発率とされ、1人年当たりの確定再発数と定義された。階層的に順序付けされた6項目の副次エンドポイントが設定された。約半数でインフュージョンリアクションが発現 ULTIMATE I試験に549例(ublituximab群274例、teriflunomide群275例)、ULTIMATE II試験に545例(272例、273例)が登録された。modified intention-to-treat集団における4つの群の平均年齢の幅は34.5~37.0歳で、女性の割合の幅は61.3~65.4%であった。追跡期間中央値は95週だった。 年間再発率は、ULTIMATE I試験ではublituximab群が0.08、teriflunomide群は0.19(率比:0.41、95%信頼区間[CI]:0.27~0.62、p<0.001)、ULTIMATE II試験ではそれぞれ0.09および0.18(0.51、0.33~0.78、p=0.002)であり、両試験ともublituximab群で有意に低かった。 ガドリニウム増強病変数の平均値は、ULTIMATE I試験ではublituximab群が0.02、teriflunomide群は0.49(率比:0.03、95%CI:0.02~0.06、p<0.001)、ULTIMATE II試験ではそれぞれ0.01および0.25(0.04、0.02~0.06、p<0.001)であり、いずれの試験でもublituximab群で有意に少なかった。 2つの試験の統合解析では、12週の時点での障害の悪化の割合は、ublituximab群が5.2%、teriflunomide群は5.9%(ハザード比[HR]:0.84、95%CI:0.50~1.41、p=0.51)、24週時はそれぞれ3.3%および4.8%(0.66、0.36~1.21)であり、いずれも両群間に有意な差は認められなかった。 有害事象の統合解析では、ublituximab群の89.2%、teriflunomide群の91.4%で少なくとも1件の有害事象が発現し、Grade3以上の有害事象はそれぞれ21.3%および14.1%で認められた。 最も頻度の高い有害事象は、ublituximab群がインフュージョンリアクション(47.7%)で、次いで頭痛(34.3%)、鼻咽頭炎(18.3%)、発熱(13.9%)、悪心(10.6%)の順であり、teriflunomide群は頭痛(26.6%)、鼻咽頭炎(17.9%)、脱毛(15.3%)、インフュージョンリアクション(12.2%)、下痢(10.6%)の順であった。重篤な有害事象はそれぞれ10.8%および7.3%で、重篤な感染症は5.0%および2.9%で発現し、いずれもublituximab群で多かった。 著者は、「2つの試験とも、teriflunomideの先行研究に比べ障害の悪化の割合が低かったが、これは両試験の2つの群とも年率に換算した再発率が低かったため、再発に伴う障害の悪化の割合が低くなったことが原因の可能性がある」と指摘し、「既存の抗CD20モノクローナル抗体などの疾患修飾薬による治療との比較を含め、再発性多発性硬化症におけるublituximabの有効性と安全性を明らかにするために、より大規模で長期の試験が求められる」としている。

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COVID-19パンデミック中のスマホ依存症とその後の自殺リスク

 COVID-19パンデミックによるロックダウン中、青少年のスマートフォン依存症や自殺率の増加が認められた。しかし、スマートフォン依存症と自殺リスクとの関係、その根底にある心理的メカニズムについてはよくわかっていない。中国・四川大学のGangqin Li氏らは、ロックダウンの最初の1ヵ月間における青少年のスマートフォン依存症と、その後5ヵ月間の自殺リスクとの関連を評価した。その結果、スマートフォン依存症の青少年における自殺リスクを減少するためには、日中の眠気や抑うつ症状の改善を目的とした介入プログラムがとくに有用である可能性が示唆された。BMC Public Health誌2022年8月12日号の報告。 中国の高等学校の生徒1,609人を対象に、Webベースの短期縦断調査を実施した。第1段階(T1)の調査では、2020年2月24日~28日(パンデミックのピーク時)に中国・四川省で、スマートフォン依存症の重症度および基本的な人口統計学的データを収集した。第2段階(T2)の調査では、T1の5ヵ月後に当たる7月11日~23日に、過去5ヵ月間のスマートフォン依存症、日中の眠気、抑うつ症状、自殺傾向を測定した。 主な結果は以下のとおり。・回帰分析により、隔離期間中のスマートフォン依存症は、抑うつ症状や日中の眠気で調整した後においても、その後5ヵ月間の自殺傾向の直接的な予測因子であることが明らかとなった。・一方、T1でのスマートフォン依存症は、T2での自殺傾向も間接的に予測し、抑うつ症状や日中の眠気はこの関連性を仲介していた。

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世界初の高血圧治療補助アプリが保険適用/CureApp

 CureAppの開発した治療アプリ「CureApp HT 高血圧治療補助アプリ」が2022年9月1日に保険適用された。高血圧領域での治療アプリの保険適用は世界初。保険診療において、治療アプリ・血圧測定・医師の指導による「三位一体の6ヵ月指導プログラム」の処方・提供が可能となり、患者ごとに行動変容を促して生活習慣を修正することが期待されている。 本アプリを用いた治療の流れは、まず医師が診察においてアプリ利用の合意を得て処方コードを発行し、患者がアプリをインストール・セットアップすることから始まる。通院と通院の間は行動目標の実践や家庭血圧などの記録をアプリがサポートし、医師はその記録情報をもとに治療の継続や見直しを行う。アプリと血圧計はBluetooth接続され、情報が医師と共有される。 患者の自己負担額は、3割負担の場合で月々2,490円(初回のみ2,910円)で、初診・再診料などの他の診察費用は別途必要となる。保険算定・初回使用日の属する月B100 禁煙治療補助システム指導管理加算を準用して算定 140点C150 血糖自己測定器加算(「4」月60回以上測定する場合)を準用して算定 830点・2ヵ月目~6ヵ月目C150 血糖自己測定器加算(「4」月60回以上測定する場合)を準用して算定 830点(月1回に限り算定)なお、前回算定日から、平均して7日間のうち5日以上血圧値がアプリに入力されている場合のみ算定することができる。

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高層マンションの心停止は生存率が低い【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第217回

高層マンションの心停止は生存率が低いいらすとやより使用医師の中には高層マンションに住んでいる人も多いと思いますが、25階以上に住んでいる人はちょっと要注意です。そんな話をご紹介しましょう。Han MX, et al.Cardiac Arrest Occurring in High-Rise Buildings: A Scoping Review.J Clin Med . 2021 Oct 13;10(20):4684.高層ビルで発生した院外心停止(OHCA)は、結構問題です。そもそも閉鎖空間であり人手が集まりにくいこと、そして救急搬送が難しいことがしばしばあるためです。最近は広いエレベーターも多いですが、救急隊のストレッチャーを入れるのにエレベーターのトランクルームを開けないといけない高層ビルもまだまだ多いです。マンションやビルのエレベーターには、急病人をストレッチャーに乗せて運搬できるよう、エレベーター内にトランクルームが設置してあります。一見わからないことが多いですが、壁にマットが貼り付けてあったり、鏡が観音開きになる仕様になっています。搬送に時間がかかってしまうことから、高層マンションに住む場合、よくよく検討しましょう。高層階が低層階よりも搬送に時間がかかることはすでに報告されています1)。今回の研究は、高層ビルにおけるOHCAに関する文献を収集したもので、23件がレビューされました。4件の研究では、循環動態の回復率が有意に低く、7件の研究では、退院までの生存率(n=3)および神経学的に良好な生存率(n=4)が、高層階で有意に低くなっていることが明らかにされています。ダメじゃん、怖いじゃん!OHCA7,842例を扱った大規模な研究1)では、5,998例(76.5%)が3階以下、1,844例(23.5%)が3階以上で、たったこの階層差だけでも低層階のほうが生存率は高かったと報告されています(4.2% vs.2.6%、p=0.002)。階を重ねるごとに生存率は低下し、16階以上で0.9%、25階以上でなんと0%と報告されています。25階以上に住んではいけないのか…ガクブル。この論文では、高層階におけるOHCAのアプローチとして、AEDの設置台数を増やしたり、機械的な胸部圧迫装置を常備したりするなどの策が提案されています。1)Drennan IR, et al. Out-of-hospital cardiac arrest in high-rise buildings: delays to patient care and effect on survival. CMAJ. 2016 Apr 5;188(6):413-419.

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第124回 全数把握見直し、流れ弾に当たるのは肥満の自覚がない自宅療養者

新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まって以来、保健所や医療機関の負担増になっていたと言われる全数把握の見直しが31日にスタートした。今回の措置は厚生労働省がわざわざ「緊急避難措置」と銘打っているが、申し出を行った都道府県では新型コロナ発生届を簡略化できる。具体的には、全数把握から患者発生届義務の対象者を▽65歳以上▽入院を要する▽重症化リスクがあり、新型コロナ治療薬の投与が必要▽重症化リスクがあり、罹患により新たに酸素投与が必要▽妊婦、の範囲に限定する。9月2日からのスタート第1陣に名乗りを上げたのは宮城、茨城、鳥取、佐賀の4県。各地で不満がたまっていただろうと思われたわりには、手を挙げた自治体は思いのほか少なかった。さて今回の緊急避難措置に関する厚生労働省の事務連絡通知を眺めてみると、やはり急ごしらえである感は否めない。たとえば新制度に切り替えた都道府県では、前述のように発生届対象は限定されるが、対象外を含めた毎日の患者総数と年代別の内訳はなるべく把握するよう求められている。この点について事務連絡通知では以下のような記述がある。「医療機関が紙又はExcelで作成し、FAX又はメールで提出を求めることが想定される。ただし、報告様式や提出方法についてはこれに限るものではなく、都道府県において工夫し、より効率的な方法で行っていただくことは差し支えない。この際、都道府県が医療機関から直接報告を受ける等、効率的な運用を工夫いただきたい」もちろん、従来の全患者を把握するために厚生労働省が開発した「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(My HER-SYS)」への入力に比べれば、対象を限定し、それ以外は総数と年代別内訳を報告すれば良いという新制度で医療機関の負荷は改善されるだろう。しかし、HER-SYSと総数報告の2ルートでの報告が必要になるわけで、それ相当に現場は混乱するだろう。しかもこれを「都道府県が医療機関から直接報告を受ける等」となると、都道府県側は紙ベース、電子ベース、あるいはその混合の膨大なデータを集計することになり、事務方で汗水を流す作業が発生することになる。それを避けるためには都道府県が独自の電子集計システムを構築し、それを各医療機関に公開して入力してもらうという手が考えられる。しかし、そのためには予算確保と実際のシステム構築、運用テストが必要であり、一朝一夕に対応できるものではない。実際にシステムが運用できる段階になったとしても医療機関への周知徹底はこれまた大変な作業である。現在、都道府県単位でみると最も医療機関数が少ない鳥取県ですら984施設もある。もちろん各地域の医師会などを通じればやや効率的だが、それでも医療機関数が1万施設を超える首都圏や近畿圏の各自治体となると、かなり労力を割かねばならなくなる。この辺が今のところ手を挙げたのが4県にとどまる1つの理由かもしれない。そしてこの新たな発生届の対象でもやや面倒が生じる可能性がある。その代表例が報告対象となる「重症化リスクがあり、新型コロナ治療薬の投与が必要」という基準だ。通知では「新型コロナ治療薬」の範囲も厚生労働省作成の「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き」に記載された治療薬がすべて網羅されており、文言上は至極まっとうだ。しかし、昨年のデルタ株による第5波で自宅療養者が増えた際にかなり問題となったのが、「隠れ重症化リスク」とでもいうべき肥満者の存在である。保健所のフォローアップ中に若年で重症化リスクはないと思われていたものの、実際に容体が急変して医師が駆け付けると肥満者で、血液検査を実施すると血糖値も高く、医療機関を受診したこともなかったので本人も気づいていなかったというケースだ。血糖値が高ければ、当然ながら緊急避難的なステロイド薬も使いにくい。一応、これまでの新型コロナワクチン接種の初回優先接種対象者や4回目接種対象者で「BMI 30以上」と規定はあるものの、そもそも一般人の多くは日常的に自分のBMIを計算しているわけではない。そのため自分が該当者と自覚していない人がそれなりに存在すると考えられる。というか、薄々気づいていても認めたくない人も少なくないだろう。医療従事者も「あなたは肥満ですか?」とは尋ねにくいケースも少なからず想定される。いずれにせよ、この部分は新制度では抜け落ちる危険性がある。そして都道府県による手挙げにした結果として、隣接する自治体で対応が変わってしまうケースも起こりえる。とくに首都圏のように居住地、勤務地が自治体をまたぐことが普通の地域では、そのことに伴う混乱も想定しなければならない。さらにすでに多くの自治体が懸念を示しているのが無症状・軽症者の自宅療養者の取り扱いだ。新制度を使えば、こうした人はMy HER-SYSへの登録が不要となるため、療養証明を入手できなくなる。すでに新型コロナに関わる民間医療保険では、新制度の報告対象者以外は保険金支払いの対象外にする見込みだと報じられているが、その場合、非対象者が支払った保険料の扱いはどうなるのか? さらに、勤務先などに療養証明提出などは求めないように国は再三呼び掛けているものの、それも十分ではない。ここに挙げた懸念はほんの一部に過ぎない。私個人は以前から新興感染症では逐次最適化、今風に言えば「アジャイル」な対応が必要だと主張しているが、第7波真っ盛りの中で、これほど多くの問題を置き去りにして進む今回の新制度に関しては「アジャイル」ではなく完全な「泥縄」だと言わざるを得ない。

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超加工食品の摂取と認知症リスク

 超加工食品の摂取が、うつ病、心血管疾患、すべての原因による死亡といった健康への悪影響と関連することを示唆するエビデンスが増加している。しかし、超加工食品が認知症と関連しているかは、よくわかっていない。中国・天津医科大学のHuiping Li氏らは、UK Biobankのデータを用いて、超加工食品と認知症発症との関連を調査した。その結果、超加工食品の摂取量が多いほど認知症リスクが上昇し、超加工食品の一部を未加工食品または最小限の加工食品に置き換えることで、認知症リスクが低下することを報告した。Neurology誌オンライン版2022年7月27日号の報告。 ベースライン時に認知症でない55歳以上の参加者7万2,083人を対象に、2回以上の24時間食事評価を行い、2021年3月までフォローアップした。超加工食品の定義は、NOVA分類に従った。アルツハイマー病および血管性認知症を含むすべての原因による認知症は、病院と死亡の電子記録を連携させることにより確認した。食事の超加工食品の割合とその後の認知症リスクとの関連を推定するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。超加工食品を同等の割合で未加工食品または最小限の加工食品に置き換えた場合の認知症リスクを推定するため、代替分析法を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間(71万7,333人年、中央値:10.0年)に認知症を発症した参加者は518例であり、そのうちアルツハイマー病は287例、血管性認知症は119例で認められた。・完全調整モデルでは、超加工食品の摂取と認知症リスクとの関連が認められた。 ●すべての原因による認知症(超加工食品の摂取量が10%増加した場合のハザード比[HR]:1.25、95%信頼区間[CI]:1.14~1.37) ●アルツハイマー病(HR:1.14、95%CI:1.00~1.30) ●血管性認知症(HR:1.28、95%CI:1.06~1.55)・食事の超加工食品の10%に当たる量を未加工食品または最小限の加工食品に置き換えた場合、認知症リスクが19%低下すると推定された(HR:0.81、95%CI:0.74~0.89)。

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サル痘+コロナ+HIVのトリプル感染が初報告、臨床経過は?

 サル痘、新型コロナ、HIV感染症に同時に感染した症例がイタリアで報告された。患者の男性は、発熱や咽頭痛などが生じて新型コロナ陽性の診断を受け、皮膚病変が発現・悪化したため入院し、サル痘とHIVの陽性が判明した。イタリア・カターニア大学のSanti Nolasco氏らによる、The Journal of infection誌オンライン版2022年8月19日号掲載の報告。 本患者は、イタリア人の男性(35歳)で、スペインに2022年6月16日~20日の5日間滞在していた。その間、避妊具なしで男性と性交渉を行ったという。主な臨床経過は以下のとおり。2022年6月29日・発熱(39.0℃)、咽頭痛、倦怠感、頭痛、右鼠径リンパ節肥大が発現。2022年7月2日・新型コロナ陽性の診断。・午後には左腕に発疹が生じ始める。2022年7月3日・痛みを伴う小さな発疹が体幹、下肢、顔、臀部に生じる。2022年7月5日・発疹は広がり、凹状の局面に進行したため、男性は大学病院の救急科を受診し、感染症病棟に入院した。・発熱(37.5℃)、咽喉痛、倦怠感、頭痛は続いていた。<入院時の聴取事項>・2019年に梅毒の治療を行っていた。・2021年9月の検査ではHIVは陰性であった。・双極性障害のため、日常的にカルバマゼピン200mg/日を服用していた。・2021年12月に2回目のSARS-CoV-2ワクチン(ファイザー製)を接種していたが、2022年1月には新型コロナ陽性となっていた。<入院時の検査結果>・右手掌や肛門部を含む男性の体には、さまざまな進行段階の水疱、膿疱、凹状の局面などの皮膚病変が見られた。・両側の扁桃肥大以外の口腔粘膜は正常であった。・軽度の肝脾腫、右鼠径部の可動性かつ痛みを伴うリンパ節肥大があった。・C反応性蛋白の上昇(69mg/L[正常:0.0~5.0mg/L])、フィブリノゲン上昇(713mg/dL[正常:170~400mg/dL])、プロトロンビン時間の延長(1.21[正常:0.8~1.2])。・胸部X線では右肺野の透過性の低下が見られた。2022年7月6日(入院2日目)・皮膚病変やスペインの滞在歴により、サル痘の疑いが強くなったため皮膚病変の浸出液および鼻咽頭分泌物のスワブを採取して検査したところ、サル痘と新型コロナの陽性を確認した。・血清学的検査では、単純ヘルペス、淋病、クラミジア、リンパ肉芽腫は陰性であったが、HIVは陽性であった(ウイルス量23万4,000コピー/mL)。2022年7月7日(入院3日目)・ほぼすべての皮膚病変は痂皮に変化し始めていた。・新型コロナ治療のため、ソトロビマブ500mgが静脈内投与された。2022年7月9日(入院5日目)・ほぼすべての体調不良は回復し、臨床検査値も正常化した。2022年7月11日(入院7日目)・新しい皮膚病変はなかったが、口腔咽頭スワブでサル痘と新型コロナは陽性であった。・症状が改善したため、患者は退院し、自宅隔離となった。2022年7月19日・検査のため受診、口腔咽頭スワブでサル痘は陽性のままであった。・痂皮はほぼ完治し、小さな跡が残るのみであった。・HIV治療のため、ドルテグラビル、アバカビル、ラミブジンの3剤併用療法を開始した。 著者らは、「口腔咽頭スワブでサル痘ウイルスは20日後も陽性であった。患者は症状消失後も数日間は感染リスクがある可能性がある」と述べるとともに、「広く利用できる治療法や予防方法がないため、リスクが高い患者に対しては迅速に診断・検査を行う必要がある」とまとめている。

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がん負担の世界最大のリスク因子は喫煙/Lancet

 2019年の世界におけるがん負担に寄与した最大のリスク因子は喫煙であり、また、2010年から2019年にかけて最も増大したのは代謝関連のリスク因子(高BMI、空腹時高血糖)であることが、米国・ワシントン大学のChristopher J. L. Murray氏ら世界疾病負荷研究(Global Burden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study:GBD)2019 Cancer Risk Factors Collaboratorsの解析で明らかとなった。Lancet誌2022年8月20日号掲載の報告。GBD 2019を用いリスク因子に起因するがん負担について解析 研究グループは、GBD 2019の比較リスク評価フレームワークを用い、行動、環境・職業および代謝に関連したリスク因子に起因するがん負担について、2019年のがん死亡および障害調整生存年(DALY)を推定するとともに、これらの2010年から2019年までの変化を検討した。 比較リスク評価フレームワークには、23のがん種と世界がん研究基金の基準を用いて特定した34のリスク因子から成る82のがんリスクと転帰の組み合わせが含まれている。リスク因子起因がん死亡数は10年で約20%増加、主なリスク因子は喫煙、飲酒、高BMI 2019年の推定されたすべてのリスク因子に起因する世界のがん死亡数は、男女合わせて445万人(95%不確定区間[UI]:401万~494万)で、全がん死亡の44.4%(95%UI:41.3~48.4)を占めた。男女別では、男性288万人(95%UI:260万~318万)、女性158万人(95%UI:136万~184万)であり、それぞれ男性の全がん死亡の50.6%(95%UI:47.8~54.1)、女性の全がん死亡の36.3%(95%UI:32.5~41.3)であった。 また、推定されたすべてのリスク因子に起因する世界のがんDALYは、男女合わせて1億500万(95%UI:9,500万~1億1,600万)で、全がんDALYの42.0%(95%UI:39.1~45.6)を占めた。 2019年のリスク因子に起因するがん死亡とがんDALYに関して、世界全体でこれらに寄与する主なリスク因子は、男女合わせると、喫煙、飲酒、高BMIの順であった。リスク因子によるがん負担は、地域および社会人口統計学的指標(SDI)によって異なり、低SDI地域では2019年のリスク因子によるがんDALYの3大リスクは喫煙、危険な性行為、飲酒の順であったが、高SDI地域では世界のリスク因子の上位3つと同じであった。 2010~19年に、リスク因子に起因する世界のがん死亡数は20.4%(95%UI:12.6~28.4)、DALYは16.8%(95%UI:8.8~25.0)増加した。これらの増加率が最も高かったリスク因子は、代謝関連リスク(高BMI、空腹時血糖高値)であり、これらに起因する死亡数は34.7%(95%UI:27.9~42.8)、DALYは33.3%(95%UI:25.8~42.0)増加した。 著者は、「世界的にがん負担が増加していることを踏まえると、今回の解析結果は、世界、地域および国レベルでがん負担を減らす努力目標となる重要で修正可能なリスク因子を、政策立案者や研究者が特定するのに役立つと考えられる」とまとめている。

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米国成人の脂質値は改善傾向だがアジア人は変化なし/JAMA

 米国成人において、2007~08年から2017~18年の10年間で脂質値は改善しており、この傾向は非ヒスパニック系アジア人を除くすべての人種・民族のサブグループで一貫していたことが、米国・ハーバード大学医学大学院のRahul Aggarwal氏らの解析で明らかとなった。脂質高値は、心血管疾患の修正可能なリスク因子であるが、米国成人における過去10年の脂質値および脂質コントロールの傾向や、性別や人種・民族別の差異はほとんど知られていなかった。JAMA誌2022年8月23・30日号掲載の報告。2007~08年から2017~18年のNHANESから約3万3千人について分析 研究グループは、米国の国民健康栄養調査(NHANES)の2007~08年から2017~18年のデータを用い、米国成人を代表するよう重み付けされた20歳以上の米国成人3万3,040例を対象に、連続横断分析を行った。 主要評価項目は脂質値(総コレステロール、HDL-C、LDL-C、および中性脂肪[TG])、副次評価項目はスタチン治療を受けている成人における脂質コントロール率(総コレステロール200mg/dL以下を達成と定義)であった。 解析対象集団は、平均年齢47.4歳、女性51.4%、非ヒスパニック系黒人12.0%、メキシコ系アメリカ人10.3%、他のヒスパニック系アメリカ人6.4%、非ヒスパニック系白人62.7%、他の人種・民族(非ヒスパニック系アジア人など)8.5%であった。脂質値は10年で改善も、スタチン服用者の脂質コントロール率には変化なし 米国成人の年齢調整総コレステロール値は、2007~08年の197mg/dLから、2017~18年には189mg/dLに有意に改善した(群間差:-8.6mg/dL、95%信頼区間[CI]:-12.2~-4.9mg/dL、傾向のp<0.001)。男女別でも同様の傾向であった。黒人、メキシコ系アメリカ人、他のヒスパニック系アメリカ人および白人では、総コレステロール値の有意な改善を認めたが、アジア人では有意な変化はみられなかった。 スタチン服用者における年齢調整脂質コントロール率は、2007~08年で78.5%、2017~18年で79.5%であり、有意な変化は認められなかった(群間差:1.1%、95%CI:-3.7~5.8、傾向のp=0.27)。この傾向は男女別でも類似していた。人種・民族別では、メキシコ系アメリカ人のみ有意な改善が確認された(2007~08年73.0%、2017~18年86.5%、群間差;13.5%、95%CI:-2.6%~29.6%、傾向のp=0.008)。 2015~18年の年齢調整脂質コントロール率は、男性より女性のほうが有意に低く(オッズ比[OR]:0.54、95%CI:0.40~0.72)、また、白人と比較して黒人(OR:0.66、95%CI:0.47~0.94)ならびに他のヒスパニック系(OR:0.59、95%CI:0.37~0.95)で有意に低かった。

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朝食時刻と乳がんリスクが関連

 1日の食事のサイクルと乳がんの関連が指摘されている。スペイン・Barcelona Institute for Global HealthのAnna Palomar-Cros氏らが朝食時刻および夜間絶食時間と乳がんリスクとの関連について検討したところ、閉経前女性では朝食時刻が遅いほど乳がんリスクが高いことが示唆された。Frontiers in Nutrition誌2022年8月11日号に掲載。 本研究では、2008~13年に実施されたスペインのマルチケースコントロール研究(MCC-Spain)における乳がん症例1,181例と対照1,326例のデータを解析した。中年期の毎日の食事のサイクルは電話インタビューで聴取した。朝食時刻および夜間絶食時間と乳がんリスクとの関連について、ロジスティック回帰を用いてオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定した。年齢、センター、教育、乳がん家族歴、初経年齢、子供の数、母乳育児、初産年齢、BMI、避妊薬使用、ホルモン補充療法で調整し、閉経状態で層別した。 主な結果は以下のとおり。・朝食時刻が遅くなるほど乳がんリスクが増加したが、有意ではなかった(1時間当たりのOR:1.05、95% CI:0.95~1.16)。・この関連は閉経前女性で強く、朝食時刻が1時間遅くなるごとに乳がんリスクが18%増加した(OR:1.18、95%CI:1.01~1.40)。閉経後女性ではこの関連はみられなかった。・朝食時刻を調整しても、夜間絶食時間と乳がんリスクとの関連はみられなかった。

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モデルナとファイザーのBA.4/5対応追加接種用2価ワクチンを承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は8月31日付のプレスリリースで、モデルナとファイザーの新型コロナワクチンの緊急使用許可(EUA)を改訂し、野生株とオミクロン株BA.4/BA.5に対応した2価ワクチンで、既存の1価ワクチンの初回シリーズまたは追加接種から少なくとも2ヵ月後に、追加接種としての使用を承認したことを発表した。このたび緊急使用許可された2価ワクチンは「アップデートブースター(updated boosters)」とも呼ばれる。モデルナの2価ワクチンは18歳以上への単回追加接種、ファイザーの2価ワクチンは12歳以上への単回追加接種が承認されている。また、今回の承認に伴い、既存の1価ワクチンは、12歳以上への追加接種として使用できなくなる。 今回のFDAによる承認は、現在流通している1価ワクチンの安全性および有効性のデータ、オミクロン株BA.1に対応した2価ワクチンの臨床試験から得られた安全性および免疫原性データ、BA.4/BA.5に対応した2価ワクチンの非臨床データに基づいているという。BA.4/BA.5対応2価ワクチンは、既存の1価ワクチンおよびBA.1対応2価ワクチンと同じ製造プロセスのため、安全性のデータは相関するとしている。 モデルナのBA.1対応2価ワクチン追加接種における有効性の評価では、同社の1価ワクチン初回シリーズと追加接種1回を受けた18歳以上の約600例を対象とし、1価ワクチンもしくはBA.1対応2価ワクチンを2回目の追加接種として、1回目の追加接種から少なくとも3ヵ月後に投与した。2回目追加接種後28日時点で、2価ワクチンを接種した被験者では、BA.1に対する免疫反応が、1価ワクチン接種者よりも良好だったとしている。 モデルナのBA.1対応2価ワクチン追加接種における安全性の評価では、同社の1価ワクチン初回シリーズと追加接種1回を受けた18歳以上の約800例を対象とし、1価ワクチンもしくはBA.1対応2価ワクチンを2回目の追加接種として、1回目の追加接種から少なくとも3ヵ月後に投与した。2価ワクチンを接種した被験者において、最も多く報告された副反応として、注射部位の痛み、発赤、腫脹、疲労、頭痛、筋肉痛、関節痛、悪寒、注射した腕のリンパ節腫脹、悪心/嘔吐、発熱などがあった。 ファイザーのBA.1対応2価ワクチン追加接種における有効性と安全性の評価では、同社の1価ワクチン初回シリーズと追加接種1回を受けた55歳以上の約600例を対象とし、1価ワクチンもしくはBA.1対応2価ワクチンを2回目の追加接種として、1回目の追加接種から4.7~13.1ヵ月後に投与した。2回目追加接種後1ヵ月時点で、2価ワクチンを接種した被験者では、BA.1に対する免疫反応が、1価ワクチン接種者よりも良好だったとしている。また、2価ワクチンを接種した被験者において、最も多く報告された副反応として、注射部位の痛み、発赤、腫脹、疲労、頭痛、筋肉痛、悪寒、関節痛、発熱などがあった。 今回の2価ワクチン承認に伴い、モデルナおよびファイザーの既存の1価ワクチンは、モデルナの場合は18歳以上、ファイザーの場合は12歳以上に対する追加接種としての使用ができなくなる。既存の1価ワクチンは、引き続き、生後6ヵ月以上に対する初回シリーズの接種に使用することが許可されている。また、ファイザーの1価ワクチンは、5~11歳に対して、初回シリーズ接種の少なくとも5ヵ月後に追加接種として使用することができるとしている。

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