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事例017 ジクトルテープの処方で査定【斬らレセプト シーズン3】

解説 事例では、難治性腰痛症の患者にジクロフェナクナトリウム(商品名:ジクトルテープ[以下「同剤」])を1日3枚28日分計84枚処方したところ、湿布薬と同じ1処方63枚までに査定となりました。査定はD事由(告示・通知の算定要件に合致していないと認められるもの)でした。同剤添付文書の効能または効果には「腰痛症」があります。事例の対象疾病に誤りはありません。用法・用量も範囲内に収まっています。同剤は、「鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤(薬効分類264)」に分類される湿布薬の形状ですが、「解熱鎮痛消炎剤(薬効分類114)」で薬価収載されています。第5部投薬通則5の枚数制限の対象ではないと考えていました。しかしながら、同剤は、薬価収載当時における効能または効果である「各種がんにおける疼痛」に加えて「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群および腱鞘炎における鎮痛・消炎」が追加されています。同時期に類似テープ剤が湿布薬として薬価収載されています。関連して同剤も湿布薬として扱うと判断されたものとも考えられます。関連する通知を検索しましたが見つけられませんでした。突然に審査基準が変更されることはよくあります。今回の事例では、はっきりとした通知が出るまで、湿布薬の制限枚数を上限として処方をお願いすることにしました。なお、同剤は局所用ではなく全身用であるために貼付部位が限られています。誤用されないように留意が必要です。

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toripalimabのNSCLC周術期治療が主要評価項目を達成/Junshi Biosciences

 Junshi Biosciences社は、2023年1月18日、抗PD-1抗体toripalimabによる非小細胞肺がん(NSCLC)の周術期治療が、第III相試験Neotorchの中間解析で主要評価項目を達成したと発表した。 Neotorch試験は、肺がんの術前・術後補助療法において、プラチナダブレット化学療法単独と、toripalimab+プラチナダブレット化学療法の有効性と安全性を比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相研究。 中間解析の結果、NSCLCへのtoripalimab+化学療法の手術前後の補助療法とtoripalimab単剤の地固め療法の組み合わせは、化学療法単独と比較して無病生存期間(EFS)を有意に延長する可能性を示した。toripalimabの安全性データは既知のリスクと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されていない。 世界保健機関の発表によると、2020年、中国における肺がんの新たな発症は 81万6,000例で、がん全体の17.9%を占める。また、肺がんによる死亡者は71万5,000例で、全がん死亡者の23.8%を占めた。

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オミクロン株XBB.1.5、感染力・免疫逃避能ともに増強/東大

 米国疾病予防管理センター(CDC)が発表したデータによると、米国では2022年12月より新型コロナウイルスのオミクロン株XBB.1.5の感染が急激に増加し、2023年2月4日時点で全体の66.4%を占めている。XBB.1から派生したXBB.1.5は、日本でも感染例が確認されており、今後の感染拡大が懸念されている。東京大学医科学研究所の佐藤 佳氏らの研究グループは、オミクロン株XBB.1.5のウイルス学的特徴を、流行動態、感染性、免疫抵抗性などの観点から解析し、XBB.1.5はXBB.1と比べて、実効再生産数(Re)が1.2倍高いことや感染力が高まっていること、さらに血清中の中和抗体に対してBA.2やBA.5よりもきわめて高い免疫逃避能を持つことを明らかにした。本結果は、Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2023年1月31日号のCORRESPONDENCEに掲載された。新型コロナ・オミクロン株XBB.1.5はXBB.1と比べて3倍高い感染力 新型コロナウイルスのオミクロン株XBB.1.5のウイルス学的特徴を、流行動態、感染性、免疫抵抗性などの観点から解析した主な結果は以下のとおり。・米国内のウイルスゲノム取得情報を基に、ヒト集団内におけるオミクロン株BQ.1.1、BQ.1、XBB.1、XBB.1.5のそれぞれについて実効再生産数を推定したところ、XBB.1を基準とすると、BQ.1.1、BQ.1は同等かわずかにそれ以下であったのに対し、XBB.1.5はXBB.1の1.2倍高かった。・スパイクタンパク質と感染受容体ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)との結合を検証したところ、XBB.1.5のスパイクタンパク質のACE2への結合力が、BA.2の6倍、XBB.1の4倍高かった。・ウイルスの感染性について、XBB.1.5はXBB.1と比べて3倍高い感染力を示した。・XBB.1.5の免疫逃避能について、ワクチン接種後にBA.2にブレークスルー感染した人の血清においてBA.2の20倍、BA.5にブレークスルー感染した人の血清においてBA.5の9.5倍、血清中の中和抗体に対して強い抵抗性を示した。XBB.1.5とXBB.1の抵抗性の強さは同程度だった。 著者は本結果について、新型コロナウイルスのオミクロン株XBB.1.5は、XBB.1と同様の高い免疫逃避能を保持しつつ、スパイクタンパク質に新たにS486P変異を獲得したことで、XBB.1よりも強くACE2と結合できるようになり、その感染力を高めたと考えられるという。今後、XBB.1.5の流行は全世界に拡大していくことが予想され、第9波の主体になる可能性も懸念されており、これを回避するために有効な感染対策を講じることが肝要だとしている。

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昼寝とうつ病になるリスク~メタ解析

 いまだ議論の余地が残る昼寝とうつ病リスクとの関連について、中国・江西科技師範大学のLiqing Li氏らはメタ解析を実施し、これらの関連性を明らかにしようと試みた。その結果、昼寝はうつ病の予測因子であることが示唆された。Frontiers in Psychology誌2022年12月15日号の報告。昼寝をしている人は抑うつ症状のリスクが高かった 2022年2月までに公表された研究を、PubMed、Embase、Web of Science、China National Knowledge Infrastructure databasesより検索し、解析に含めた研究のリファレンスリストの情報も併せて収集した。ランダム効果モデルを用いて、複合エフェクトサイズを推定した。 昼寝とうつ病リスクとの関連を解析した主な結果は以下のとおり。・9件の研究、64万9,111人をメタ解析に含めた。・昼寝をしている人は、抑うつ症状のリスクが高かった(プールされたオッズ比:1.15、95%信頼区間:1.01~1.31、I2=91.3%、p for heterogeneity<0.001)。・ファンネルプロット、Egger's test、Begg's testでは、明確な出版バイアスは確認されなかった。・昼寝がうつ病リスクに及ぼす影響には、個人の特性、昼寝のパターン、個別の睡眠体験により違いがみられる。

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有害な妊娠アウトカム、母親の虚血性心疾患リスクが長期的に上昇/BMJ

 5つの有害な妊娠アウトカム(早産、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、妊娠高血圧腎症以外の妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病)のいずれかを経験した女性は、出産後の虚血性心疾患のリスクが高く、このリスク上昇は最長で46年持続していることが、米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のCasey Crump氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年2月1日号で報告された。スウェーデンの全国的なコホート研究 研究グループは、5つの有害な妊娠アウトカムと母親の虚血性心疾患の長期的なリスクとの関連の評価を目的に、スウェーデンにおいて全国的なコホート研究を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成を受けた)。 対象は、1973~2015年にスウェーデンで、単胎分娩による初回の出産をした女性219万5,266人であった。主要アウトカムは、全国の入院・外来診断で確認された出産から2018年までに発生した虚血性心疾患とされた。 Cox回帰を用いて、他の有害な妊娠アウトカムおよび母性因子を調整し、早産、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、他の妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病と関連した虚血性心疾患のハザード比(HR)を算出した。有害な妊娠アウトカムの数が増えるとリスクも上昇 5,360万人年の追跡期間中に、8万3,881人(3.8%)の女性が虚血性心疾患(急性心筋梗塞55.3%、狭心症38.7%)と診断された。初回出産時の年齢中央値は27.3歳、虚血性心疾患診断時の年齢中央値は58.6歳であった。 5つの有害な妊娠アウトカムはいずれも独立に、虚血性心疾患のリスク上昇と関連していた。出産後10年以内に特定の有害な妊娠アウトカムと関連した虚血性心疾患の補正HRは、他の妊娠高血圧症候群が2.09(95%信頼区間[CI]:1.77~2.46)と最も高く、次いで早産1.72(1.55~1.90)、妊娠高血圧腎症1.54(1.37~1.72)、妊娠糖尿病1.30(1.09~1.56)、在胎不当過小1.10(1.00~1.21)であった。 また、出産後30~46年が経過しても、補正後HRは有意に上昇したままであり、他の妊娠高血圧症候群が1.47(95%CI:1.30~1.66)、妊娠糖尿病が1.40(1.29~1.51)、妊娠高血圧腎症1.32(1.28~1.36)、早産1.23(1.19~1.27)、在胎不当過小は1.16(1.13~1.19)だった。 複数の有害な妊娠アウトカムを経験した女性は、さらにリスクが上昇していた。たとえば、出産後10年以内に、有害な妊娠アウトカムを1回経験した女性の虚血性心疾患の補正後HRは1.29(95%CI:1.19~1.39)であったのに対し、2回経験した女性は1.80(1.59~2.03)、3回経験した女性は2.26(1.89~2.70)であった。 著者は、「有害な妊娠アウトカムを経験した女性では、虚血性心疾患の発症を防ぐために、予防に関する早期の評価と、長期的なリスク軽減を考慮する必要がある」としている。

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ドナーの低体温療法は移植腎の機能回復遅延に有用か/NEJM

 腎移植患者(レシピエント)における移植腎の機能回復遅延のリスクは、脳死腎提供者(ドナー)への低体温療法によって低減することが示唆されており、この方法が機械灌流保存に劣らないことが示されれば、かなりの費用の削減とロジスティクスの合理化につながると考えられている。米国・オレゴン健康科学大学のDarren Malinoski氏らがこの仮説の検証を試みたが、ドナーに対する低体温療法は腎臓の機械灌流保存と比較して、移植腎の機能回復遅延の軽減に関して劣っており、低体温療法と機械灌流保存を併用しても、付加的な防御効果はみられないことが示された。研究の詳細は、NEJM誌2023年2月2日号に掲載された。米国6施設の適応的無作為化試験 本研究は、米国の6つの臓器提供施設が参加した実践的な適応的前向き無作為化試験であり、2017年8月~2020年5月の期間に実施された(Arnold Venturesの助成を受けた)。 脳死腎ドナーが、低体温療法を受ける群(低体温療法群)、体外で腎臓の低温機械灌流保存を行う群(機械灌流保存群)、これら両方を行う群(併用療法群)に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、腎移植レシピエントにおける移植腎の機能回復遅延(移植後7日間における透析開始と定義)とされた。また、低体温療法の機械灌流保存に対する非劣性、これらの併用療法のいずれかの単独療法に対する優越性について評価を行った。副次アウトカムは、移植後1年の時点での移植腎生着率などであった。併用療法群も、機械灌流保存群に比べて劣る 登録された725例のドナーから1,349個の腎臓が移植された。低体温療法群が359個、機械灌流保存群が511個、併用療法群が479個であった。機械灌流保存群のレシピエント1例が2個の腎臓の移植を受けたため、511個の腎臓が510例に移植された。平均(±SD)冷虚血時間は、機械灌流保存群(19.3±8.3時間)や併用療法群(19.1±8.0時間)よりも、低体温療法群(16.7±8.3時間)で短かった。 レシピエントにおける移植腎の機能回復遅延は、低体温療法群が109例(30%)、機械灌流保存群が99例(19%)、併用療法群は103例(22%)で発現した。移植腎機能回復遅延の、機械灌流保存群に対する低体温療法群の補正後リスク比は1.72(95%信頼区間[CI]:1.35~2.17)、併用療法群に対する低体温療法群の補正後リスク比は1.57(95%CI:1.26~1.96)、機械灌流保存群に対する併用療法群の補正後リスク比は1.09(95%CI:0.85~1.40)であった。 移植後1年の時点における移植腎の生着率は3群で同程度だった。1年時の生着不全に関して、機械灌流保存群に対する低体温療法群のハザード比(HR)は0.74(95%CI:0.33~1.66)、併用療法群に対する低体温療法群のHRは0.91(0.40~2.06)、機械灌流保存群に対する併用療法群のHRは0.82(0.40~1.67)であった。 10件の有害事象が報告され、ドナーの9例で循環不安定が、ドナーの1例で機械灌流の不良による臓器喪失が認められた。 著者は、「今回の結果は、ドナーが低体温療法を受けている場合でも、機械灌流保存は単純冷却浸漬保存に比べ、機能回復遅延に対する防御効果が高いという追加的エビデンスをもたらす。また、機械灌流保存に割り付けられた腎臓の27%(269/989個)が、移植腎の問題またはロジスティクス上の制約により処置が行われなかったことは注目に値する」としている。

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日本の部位別がん死亡数

がんの種類と死亡数日本の部位別がん死亡数(2021年)口腔・咽頭 5,634胆のう、胆管 9,615喉頭 711乳房 105白血病 5,549膀胱 6,434食道男性8,864胃27,196大腸 28,080肝臓膵臓肺前立腺悪性リンパ腫その他15,91319,33453,27813,2177,6279,159皮膚 865甲状腺 656脳・中枢神経系 1,709口腔・咽頭 2,367喉頭 84食道 2,094胃女性14,428子宮体部 2,741子宮頚部 2,894多発性骨髄腫2,247胆のう、胆管 8,557大腸肝臓24,338 8,189甲状腺 1,278脳・中枢神経系 1,3280腎・尿路 6,274卵巣 5,081白血病 3,57550,000膵臓肺乳房悪性リンパ腫19,24522,93414,8036,154皮膚 853膀胱 3,009腎・尿路 3,523100,000その他 9,513多発性骨髄腫 2,050150,000200,000 (人)2021年にがんで死亡した人は38万1,505人(男性22万2,467人、女性15万9,038人)日本人ががんで死亡する確率は、男性26.2%(4人に1人)、女性17.7%(6人に1人)がん死亡数は男性では肺がんが最も多く、次いで大腸、胃、膵臓、肝臓、女性では大腸がんが最も多く、次いで肺、膵臓 、乳房、胃、男女合わせると肺がんが最も多く、次いで大腸、胃、膵臓、肝臓となっています国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)Copyright © 2023 CareNet,Inc. All rights reserved.

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第146回 5類移行もマスク着用緩和も、政府の忖度は医療者よりSNS民?

しかし、何と間の悪い時期にわかりにくいことをするのだろう。政府が来月上旬に実施予定と報じられているマスク着用推奨の変更である。「間が悪い」と言ったのは、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の感染症法上の分類を5類に移行する時期にこの「政策」を実行することである。ちなみにあえてカギカッコをつけたのは、マスク着用は以前から法的拘束力がなく、政府の呼びかけに過ぎないからである。新型コロナの5類移行は、あくまで現在の主流株であるオミクロン株亜系統の性質とワクチン接種の進展に応じた行政的取り扱いの変更が主軸である。これに対し、マスク着用のうんぬんは医学的見地からの感染リスク低減策であり、本質的に医学的な問題である。にもかかわらず、政府側が明らかに5類移行に絡めていることは「間が悪すぎる」のである。新型コロナによる重症化・死亡リスクが当初と比べかなり低下しているとは言え、感染経路が変わったわけでもなく、むしろ感染力は強まっている。そして基礎疾患を有する者や高齢者にとっては未だに命の危険にさらされる感染症である。この状況で行政上の取り扱いと医学的感染リスク低減策の緩和を同時に行えば、シンプルに「新型コロナ、もはや一切恐るるに足らず」と曲解されかねない。すでにその兆候はSNS上では見え始めている。たとえば、ちょうどこの時期にコクランがウイルス性呼吸器感染症に対する、マスクを含む各種物理的介入に関するシステマティック・レビューの結果を報告している。簡単に結果だけを見れば、サージカルマスクの着用と非着用で比較してインフルエンザや新型コロナの感染リスクはほとんど変わらないというものになる。もっともこの論文の結論の冒頭で著者が言っているのは「試験のバイアスリスクの高さ、評価項目のばらつき、物理的介入のアドヒアランスの低さなどから確たる結論を導き出せない」ということである。にもかかわらず、SNS上では「コクランがマスクは無効と認めた」とのツイートが飛び交っている。また、新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードが先ごろ入学式・卒業式でのマスク着用に対して示した考え方は、「一定の感染リスクはあるが、一生に一度の式典であるため、リスクに対する合意形成や可能な限りの対策が実施されればマスク非着用は選択肢の1つ」というものだ。医学的知見と社会的状況の両面を考えた苦心が見える着地点である。しかし、これには感染が広がるのではないかというごく当たり前の懸念と同時に、まるでマスク非着用の全面的解禁の視点になっているものもある。さらには元東京都知事で現参議院議員の猪瀬 直樹氏のように「感染症専門家たちのエラそうな言い方」との揶揄もある(私には猪瀬氏本人の言い様のほうが何十倍もエラそうに読めてしまうのは気のせいか)。この5類移行とマスク着用の緩和がほぼ同時期に実行されると、どのような事態になるだろうか? おそらく社会全体では新型コロナに対する警戒が緩み、それに伴う感染拡大は十分に想定されるシナリオだろう。だが、それ以上に医学的見地は棚上げでとにかく結論ありきでマスクを外したい人と、いまだリスクにおびえてマスクが手放せない人との間で社会的分断が一層進んでしまうことのほうがより深刻な問題となってくるだろう。政府は一応、感染リスクが高くマスク着用が望ましいシーンなどを示すとしている。しかし、そもそもこれまでもその周知が徹底していたとは言い難い。たとえば、私にしては珍しく国・お役所のやることを評価したのが、以前本連載でも取り上げた屋外でのマスク着用に関する広報CMだが、このようなものを5類移行前に十分に発信しながら、その後の状況を見て政府として緩和の方向性を考えるほうがはるかに無難だと思うのだが。しかし、現在の報道だとわずか1ヵ月後にはマスク着用の推奨基準が緩和される。ここで一気に感染対策が緩んで感染が拡大し、感染者報告がピークになり始めた時に5類移行となったらどうなるだろう? そして、すでに多くの医療従事者が指摘しているように5類移行後に新型コロナに対する医療提供体制が一気に拡大する可能性はそれほど高くない。まるで医療崩壊を意図的に起こそうとしているかのようなタイムスケジュールにも思えてしまう。そして社会各所では「うちではマスクの着用をお願いしております」vs.「政府が不要と言っただろう」のバトルが展開される。そしてより困ったケースだと、「政府はマスク不要と言っただろう」と言うのと同じ口が「政府がワクチンについて言うことは信用できない」と口にする御仁たちがわんさか湧いてくることだ。まあ、現実になってほしくないシナリオなのだが、私自身は正直かなり強い懸念を抱いている。

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見逃しがちな、「あの部分」の診察【非専門医のための緩和ケアTips】第45回

第45回 見逃しがちな、「あの部分」の診察緩和ケア診療、というとオピオイドの適切な投与や患者コミュニケーションのイメージが強いようですが、実は「身体診察」も大切だったりします。とくに意識しないと忘れてしまうのが「口腔内の診察」。これを怠ったがゆえに、痛い目に遭うことがあります。今回もいただいた質問を元に考えてみましょう。今日の質問先日、訪問診療をした患者さん。寝たきりで本人は症状を訴えられないのですが、苦しそうだと家族から相談がありました。原因がわからず、診断的治療と考えてオピオイドを導入したのですが、その後、訪問看護師より「口の中が白くなっていて、カンジダのようだ」と連絡がありました。口腔カンジダが苦痛症状の原因かははっきりしませんが、口腔内を診察しなかったことを後悔しています。はい、私も同じ経験があります。というか、皆さんもこれに近い経験はあるのではないでしょうか? 診察後に、看護師や時には家族が気付いて指摘される…。中でも緩和ケアの臨床でしばしば遭遇するのが、口腔カンジダです。口腔カンジダはご存じのとおり、免疫状態の悪化した患者さんやステロイドなどの免疫抑制状態の患者さんに生じる真菌感染症です。口腔内の症状を訴える患者さんの口の中を見ると白いポツポツと斑点がある、というイメージです。治療は抗真菌薬の含嗽剤などで行います。口腔カンジダは口腔内の痛みの原因となります。患者さんが「口の中が痛いです」と言ってくれればわかりやすいのですが、患者さんが正確に症状を訴えることができないこともしばしばです。なので、「こういう患者さんでは口腔カンジダも注意!」と忘れずに口腔内も丁寧に診察しないと、気付くことができません。見逃しやすい疾患です。このような特徴から、今回のように看護師が気付くこともしばしばです。要注意な疾患として看護師とも情報共有し、気になった点を共有できるチーム医療ができるといいですね。医師が気付くことが難しくても、職種間の連携によって患者さんに必要な医療が提供できればOKだと思います。気付いてくれた看護師に感謝を伝えつつ、ちょっとだけ反省しながら頑張っていきましょう!今回のTips今回のTipsがん患者の緩和ケアでは、口腔カンジダのことを忘れないようにしましょう。

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2月10日 フットケアの日【今日は何の日?】

【2月10日 フットケアの日】〔由来〕糖尿病や末梢動脈疾患による足病変の患者が増加していることから、足病変の予防・早期発見・早期治療の啓発を目的に、「フ(2)ット(10)=足」と読む日付の語呂合わせから日本フットケア学会、日本下肢救済・足病学会、日本メドトロニックが共同で制定した。関連コンテンツフットケアを怠ると? 足裏に潜む魔物【Dr.デルぽんの診察室観察日記】糖尿病の方はフットケアが大切です。しびれがある場合は特に注意!【使える!服薬指導箋】皮膚潰瘍と角質のケアに乾燥対策!【患者指導スライド】末梢動脈疾患(PAD)ガイドライン、7年ぶりの改訂/日本循環器学会末梢動脈疾患の在宅での歩行運動導入、歩行距離を改善/JAMA

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統合失調症患者の睡眠構造に対するブレクスピプラゾールの影響

 ブレクスピプラゾールは、日本において統合失調症治療に広く用いられている非定型抗精神病薬の1つである。これまでの研究では、睡眠変数に対するいくつかの抗精神病薬による治療効果が報告されているが、統合失調症患者の睡眠構造に対するブレクスピプラゾールの影響については、十分に検討されていない。長野・栗田病院の荒井 勇輔氏らは、統合失調症患者を対象に、睡眠構造に対するブレクスピプラゾールの影響を検討した。その結果、ブレクスピプラゾールの併用は、統合失調症患者の睡眠構造に変化を及ぼす可能性が示唆されたが、多重比較補正後では有意な差は認められなかった。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2023年1月6日号の報告。 対象は、ハロペリドール単剤で治療を行っていた統合失調症患者10例。睡眠変数は、睡眠ポリグラフを用いて測定した。研究の適格基準を満たした7例(男性:5例、女性:2例、平均年齢:59.0±10.0歳)について分析を行った。適格患者に対し、ハロペリドールにブレクスピプラゾールを併用し、4週間後に睡眠ポリグラフを繰り返し実施した。ブレクスピプラゾール併用前後の睡眠構造を比較した。 ブレクスピプラゾール併用後の睡眠構造の変化は以下のとおりであった。・REM潜時の延長・ステージN2およびN3の睡眠持続時間と割合の増加・REM睡眠ステージの持続時間と割合の減少

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加熱式タバコ、コロナ感染・重症化リスクを上昇/大阪公立大ほか

 燃焼式タバコの使用は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク因子と考えられ、「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第8.1版」でも「喫煙」が「重症化のリスク因子」の項目に記載されている。COVID-19流行下において、各国でタバコ使用行動の変化がみられているが、加熱式タバコの使用は、増加しているともいわれる。しかし、加熱式タバコと新型コロナウイルス感染症の関係については、これまでほとんど検討がなされていなかった。そこで、浅井 一久氏(大阪公立大学大学院医学研究科 呼吸器内科学)らの研究グループは、加熱式タバコの使用と新型コロナウイルス感染症の関係に着目し、調査を実施した。その結果、タバコ非使用者に比べ、加熱式タバコ使用者は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染率が高く、全タバコ使用者の中でも加熱式タバコと燃焼式タバコの併用者は、感染時の症状悪化リスクが最も高かった。本研究結果は、Scientific Reports誌2023年2月2日号に掲載された。加熱式タバコが新型コロナウイルス感染時の症状悪化に関連 インターネット調査会社に登録中の日本の一般住民から、日本の人口分布に沿って無作為に選定された16~81歳の参加者3万130人を対象として、2022年2月にオンライン調査を実施した(JASTIS 2022研究)。加熱式タバコを含むタバコの使用状況と、2020年と2021年の新型コロナウイルス感染および感染時の症状悪化(入院、酸素投与)の有無、感染および悪化と関連しうる項目を抽出し、その関係性について多変量ロジスティック回帰分析を用いて解析した。 加熱式タバコと新型コロナウイルス感染症の関係を調査した主な結果は以下のとおり。・対象者のうち、24.3%が現在タバコを使用し、使用者のうち21.2%が加熱式タバコを単独で、30.1%が燃焼式タバコとの併用で使用していた。・タバコ非使用者と比較した新型コロナウイルス感染のオッズ比は、加熱式タバコ単独使用者(調整オッズ比[aOR]:1.65、95%信頼区間[CI]:1.26~2.15、p<0.001)および加熱式タバコと燃焼式タバコの併用者(aOR:4.66、95%CI:3.89~5.58、p<0.001)で有意に高かったが、過去喫煙者と燃焼式タバコ単独使用者では有意差が認められなかった。・新型コロナウイルス感染者で2020年と2021年の2年とも感染した20例を除いた1,097例の解析において、タバコ非使用者と比較した入院のオッズ比は、加熱式タバコと燃焼式タバコの併用者のみで有意に高く(aOR:3.17、95%CI:2.11~4.77、p<0.001)、過去喫煙者、燃焼式タバコ単独使用者、加熱式タバコ単独使用者では有意差が認められなかった。・酸素投与に関して、タバコ非使用者と比較したオッズ比は、過去喫煙者(aOR:1.88、95%CI:1.11~3.19、p=0.019)、燃焼式タバコ単独使用者(aOR:3.17、95%CI:1.77~5.67、p<0.001)、加熱式タバコ単独使用者(aOR:1.90、95%CI:1.01~3.59、p=0.048)、加熱式タバコと燃焼式タバコの併用者(aOR:4.15、95%CI:2.70~6.36、p<0.001)のいずれにおいても有意に高かった。 研究グループは、本研究結果について「燃焼式タバコの新型コロナウイルス感染時の症状悪化に関するリスクが再確認され、新たに加熱式タバコの使用(とくに燃焼式タバコとの併用)が新型コロナウイルス感染時の症状悪化に関連することが示唆された」とまとめ、加熱式タバコが拡大している日本の現状を踏まえ、新型コロナウイルス感染症流行下におけるタバコ使用行動の安全性を考えるきっかけとなるだろうと述べている。

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抗原検査の感度、オミクロン株感染直後は低いのか/阪大

 新型コロナウイルス感染症のオミクロン株流行下において、感染直後における抗原定性検査の感度が低下する可能性が指摘されていた。大阪大学感染症総合教育研究拠点の村上 道夫氏らの多施設共同研究グループは、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のクラブの選手やスタッフを対象に、同一日かつ同一個人に行われたPCR検査と抗原定性検査の結果を比較評価した。本研究の結果、PCR検査と比べた抗原定性検査の感度は63%(95%信頼区間[CI]:53~73%)、特異度は99.8%(95%CI:99.5~100.0%)であり、症状の有無や感染してからの日数は、PCR検査と比べた抗原定性検査の感度に影響しないことが明らかになった。BMJ Open誌2023年1月30日号に掲載の報告。 抗原定性検査はPCR検査より安価なため、頻度高く検査を行うことが可能だが、オミクロン株に対して感染直後の感度が低下する可能性が指摘されていた。本研究では、抗原定性検査とPCR検査を比較するため、2022年1月12日~3月2日の期間に、同日に採取した検体を用いて両検査656件を行い、結果を比較した。迅速抗原検査キットはアボットのPanbio COVID-19 Antigenラピッドテスト、または、ロシュ・ダイアグノスティックスのSARS-CoV-2ラピッド抗原テストを使用し、鼻腔スワブ検体を用いた。PCR検査で使用されたサンプルの種類は、唾液または鼻腔スワブであった。 主な結果は以下のとおり。・656例のうち、抗原定性検査とPCR検査の両方が陽性だったのは65例、抗原定性検査が陰性でPCR検査が陽性だったのは38例、抗原定性検査が陽性でPCR検査が陰性だったのは1例、両方が陰性だったのは552例だった。・PCR検査と比較した抗原定性検査の感度は0.63(95%CI:0.53~0.73)、特異度は0.998(95%CI:0.995~1.000)であった。・PCR検査が陽性であった103例のうち、74例(71.8%)は有症状であった。・感度と発症から検査までの期間との間に有意な関連は認められなかった(Cramer's V=0.146、p=0.837)。・感度はワクチン接種の有無と有意な関連は認められなかった(Cramer's V=0.220、p=0.073)。・ワクチン接種者(70例)を対象とした層別解析では、感度と発症から検査までの期間との間に有意な関連は認められなかった(Cramer's V=0.084、p=0.955)。同様に、アボットの迅速抗原検査キットを使用した人(45例)を対象とした層別解析(Cramer's V=0.181、p=0.688)や、PCR検査のサンプルが唾液だった人(80例)の層別解析(Cramer's V=0.087、p=0.895)でも、感度と発症から検査までの期間との間に有意な関連は認められなかった。 著者らは、抗原定性検査の特異度は、両検査で陰性であった症例数の報告が実際の数よりも少なかった可能性があり、過小評価であった可能性があるとしているが、本結果によってPCR検査の結果と比較した抗原定性検査の感度は、感染から検査までの期間や症状発現の有無とは無関係であることが示唆された。プロスポーツチームのような集団における感染リスクの低減には、抗原定性検査のコストはPCR検査の約10分の1であるためより頻繁に実施することができ、高い感染制御効果が期待できるという。

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急性腎障害、造影剤は腎予後に影響せず

 急性腎障害(AKI)の既往を有する患者における、造影剤使用と腎予後の関係に関するエビデンスは不足しているのが現状である。そこで、米国・ジョンズ・ホプキンス大学のMichael R. Ehmann氏らは、AKI患者に対する造影剤静注とAKI持続の関係を検討し、造影剤は腎予後に影響を及ぼさなかったことを報告した。Intensive Care Medicine誌オンライン版2023年1月30日号掲載の報告。 2017年7月1日~2021年6月30日の間に救急受診し、入院した18歳以上の患者のうち、KDIGO(Kidney Disease Improving Global Outcomes)基準のクレアチニン値に基づいてAKI(血清クレアチニン値が0.3mg/dL以上上昇もしくは1.5倍以上に上昇)と診断された1万4,449例を対象として、後ろ向きに追跡した。評価項目は、退院時のAKI持続、180日以内の透析開始などであった。傾向スコア重み付け法やエントロピーバランス法を用いて、造影剤静注あり群となし群の背景因子を調整して解析した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者1万4,449例中、12.8%が集中治療室に入室した。造影剤静注を受けた患者の割合は18.4%、退院前にAKIから回復した患者の割合は69.1%であった。・多変量ロジスティック回帰モデル(オッズ比[OR]:1.00、95%信頼区間[CI]:0.89~1.11)、傾向スコア重み付け法(OR:0.93、95%CI:0.83~1.05)、エントロピーバランス法(OR:0.94、95%CI:0.83~1.05)のいずれの方法を用いても、造影剤静注と退院時のAKI持続に関連は認められなかった。・集中治療室に入室した患者サブグループにおいても、AKI持続に関する結果は同様であった。・180日以内の透析開始は対象患者の5.4%にみられたが、造影剤静注と180日以内の透析開始リスクとの関連は認められなかった。

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がん診断後の急速な身体機能低下はいつまで続く?

 高齢がん患者の身体機能の推移をがん診断の前後10年にわたって調査したところ、がん患者の身体機能はがん診断後に加速度的に低下し、5年後であっても非がん患者のコントロール群と比べて低いままであることが、Elizabeth M. Cespedes Feliciano氏らによって明らかになった。JAMA Oncology誌オンライン版2023年1月19日号掲載の報告。 これまで、非がん患者と比較して、がん患者のがん部位や進行度、治療が身体機能へ与える長期的な影響を調べた研究はなかった。そこで研究グループは、がん診断の前後10年間の身体機能を調査するために前向きコホート研究を実施した。 研究には、一般閉経後女性を対象とした臨床試験である「The Women's Health Initiative」から9,203例のがん患者(乳がん5,989例、大腸がん1,352例、子宮体がん960例、肺がん902例)と年齢でマッチさせた非がん患者(コントロール群)4万5,358例が組み込まれた。参加者は1993~98年に登録され、2020年12月まで追跡された。がん診断時と1年後のRAND-36項目健康調査(0~100、点数が高いほど身体機能が良好)による身体機能を線形混合モデルを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・がん患者群のがん診断時の平均年齢は73.0歳(±7.6歳)であった。・臨床進行度が限局のがん患者の身体機能の低下は、がん診断前はコントロール群と同程度であったが、がん診断後はコントロール群と比較して加速度的に低下し、RAND-36項目健康調査のスコアは年1~2ポイント低下した。・がん診断の翌年の身体機能の低下は、臨床進行度が領域浸潤のがん患者で最も顕著であった(限局の乳がん患者−2.8ポイント/年[95%信頼区間[CI]:−3.4~−2.3]vs.領域浸潤の乳がん患者−5.3ポイント/年[同:−6.4~−4.3])。・また、全身療法を受けている患者でも身体機能の低下が顕著であった(何らかの化学療法を受けている限局の子宮体がん患者−7.9ポイント[95%CI:−12.2~−3.6]vs.放射線療法単独の限局の子宮内膜がん患者−3.1ポイント[同:−6.0~−0.3])。・がん患者の身体機能の低下は診断後の追跡後期に緩徐になったが、5年後であってもコントロール群の身体機能を大幅に下回っていた。 これらの結果から、研究グループは「本前向きコホート研究において、がん患者群ではがん診断後に加速度的に身体機能が低下し、数年後であってもコントロール群よりも低かった。がん患者には身体機能を維持するための支持的介入が有用である可能性がある」とまとめた。

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6つの“健康的な生活習慣”で高齢者の記憶力低下が遅延/BMJ

 健康的な生活習慣(喫煙をしない、飲酒をしない、健康的な食事、定期的な運動、活発な認知活動と社会的接触を組み合わせた)は、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型保有者においても、記憶力低下の進行を遅らせることを、中国・首都医科大学のJianping Jia氏らが地域住民を対象とした10年間の前向きコホート研究「China Cognition and Ageing Study(COAST)」の結果、報告した。健康的な生活習慣が認知機能に及ぼす影響に関する研究は増えているが、記憶力への影響に目を向けた研究は少なく、長期にわたる健康的な生活習慣と記憶力低下との関係を評価するには不十分なものであり、また遺伝的リスクとの相互作用は考慮されていなかった。著者は、「今回の研究は、記憶力の低下から高齢者を守るための重要な情報を提供するだろう」とまとめている。BMJ誌2023年1月25日号掲載の報告。10年間追跡、6つの健康的な生活習慣と記憶力低下の関連を検討 研究グループは、中国・北部、南部および西部の代表的な12省の計96地域(都市部48地域、農村部48地域)において、2009年5月8日より認知機能が正常でAPOE遺伝子型の検査を受けた60歳以上の個人を登録し、2019年12月26日まで追跡した。ベースラインおよび各追跡調査時(2012、2014、2016および2019年)に、記憶力(WHO/UCLA聴覚性言語学習検査[AVLT])、認知機能(ミニメンタルステート検査[MMSE])、生活習慣(健康行動質問票による)を評価した。 主要アウトカムは、健康的な生活習慣6項目の記憶力への影響で、生活習慣について好ましい(健康的な生活習慣の該当項目が4~6項目)、平均的(2~3項目)、好ましくない(0~1項目)に分類し、線形混合モデルを用いて解析した。 健康的な生活習慣とは、健康的な食事(12品目[果物、野菜、魚、肉、乳製品、塩、油、卵、穀類、豆類、ナッツ、茶]中7品目以上を毎日推奨された量を摂取)、定期的な運動(中強度150分/週以上、または強強度75分/週以上)、活発な社会的接触(週2回以上)、活発な認知活動(週2回以上)、喫煙なし(喫煙未経験または少なくとも3年前に禁煙)、飲酒なし(まったく飲まない、または時々飲む)とした。APOEε4遺伝子型有無にかかわらず、健康的な生活習慣で記憶力低下が遅延 5万6,894例がスクリーニングされ、ベースラインでAPOE遺伝子型検査を受けた認知機能が正常な2万9,072例が登録された(平均年齢72.23歳、女性48.54%、APOEε4保有者20.43%)。 10年の追跡期間において、全体集団では生活習慣が好ましくない群と比較して好ましい群で記憶力の低下が遅かった(0.028点/年、95%信頼区間[CI]:0.023~0.032、p<0.001)。 APOEε4を保有している集団では、好ましくない群と比較して、好ましい群(0.027点/年、95%CI:0.023~0.031)および平均的な群(同:0.014、0.010~0.019)で記憶力の低下が遅かった。APOEε4を保有していない集団でも同様の結果がみられ、好ましくない群と比較し、好ましい群(同:0.029、0.019~0.039)ならびに平均的な群(同:0.019、0.011~0.027)で記憶力の低下が遅かった。 APOEε4の保有状況と生活習慣は、記憶力低下に対する有意な相互作用を示さなかった(p=0.52)。

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子宮外妊娠、MTXへのゲフィチニブ上乗せ効果は?/Lancet

 卵管異所性妊娠(子宮外妊娠)の女性において、MTX(メトトレキサート)筋肉内投与にゲフィチニブ経口投与を上乗せしても、メトトレキサートを超える臨床的有用性は認められない一方、軽度の副作用が増加した。英国・エディンバラ大学のAndrew W. Horne氏らが、英国の病院50施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Gefitinib for Ectopic pregnancy Management:GEM3」試験の結果を報告した。卵管異所性妊娠は、重大な病的状態の原因となる可能性があり、死に至ることさえある。現在の治療法はメトトレキサートまたは手術であるが、メトトレキサートの治療では約30%が失敗し、その後レスキュー手術が必要となる。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ゲフィチニブは、メトトレキサートの有効性を改善させる可能性が示唆されていた。Lancet誌オンライン版2023年2月1日号掲載の報告。ゲフィチニブ250mg/日7日間経口投与上乗せをプラセボと比較 研究グループは、卵管異所性妊娠と診断された18~50歳の女性で、メトトレキサートによる内科的管理が適切と判断された患者を、メトトレキサート(50mg/m2単回筋肉内投与)+ゲフィチニブ(250mg 1日1回7日間経口投与)群、またはメトトレキサート(同)+プラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、異所性妊娠に対する外科的介入(腹腔鏡または開腹による卵管切除術または卵管開口術)とし、intention-to-treat解析を行った。副次評価項目は、内科的管理による異所性妊娠の治癒(血清hCG値が妊娠前最低値15 IU/L以下に低下)までの期間、重篤な有害事象などとした。外科的介入率は、ゲフィチニブ群30% vs.プラセボ群29% 2016年11月2日~2021年10月6日の期間に、計328例をメトトレキサート+ゲフィチニブ群(165例、以下ゲフィチニブ群)またはメトトレキサート+プラセボ群(163例、以下プラセボ群)に割り付けた。プラセボ群の3例が同意を撤回したため、有効性解析対象集団はゲフィチニブ群165例、プラセボ群160例となった。 主要評価項目である外科的介入率は、ゲフィチニブ群30%(50/165例)、プラセボ群29%(47/160例)であり、両群に有意差は認められなかった(補正後リスク比:1.15[95%信頼区間[CI]:0.85~1.58]、補正後群間リスク差:-0.01[95%CI:-0.10~0.09]、p=0.37)。 内科的管理による異所性妊娠の治癒までの期間(中央値)は、ゲフィチニブ群28.0日(四分位範囲[IQR]:23.5~36.0、108例)、プラセボ群28.0日(21.0~36.5、108例)であった(原因特異的ハザード比[HR]:0.96[95%CI:0.69~1.33]、部分分布HR:1.03[95%CI:0.75~1.40])。 重篤な有害事象は、ゲフィチニブ群165例中5例(3%)、プラセボ群162例中6例(4%)が認められた。下痢および発疹の発現率は、プラセボ群に比べ、ゲフィチニブ群で高かった。

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日本の部位別がん罹患数

1年間で新たにがんと診断される患者さんの数は日本の部位別がん罹患数(2019年)口腔・咽頭 16,463胆のう、胆管 11,964喉頭 4,688乳房 670白血病 8,396肝臓 25,339男性悪性リンパ腫食道胃大腸膵臓肺前立腺21,71985,32587,87222,28584,32594,74819,311その他20,308腎・尿路 20,678甲状腺 4,888脳・中枢神経系 3,116口腔・咽頭 7,208喉頭 423食道 4,663胃女性38,994皮膚 12,815子宮頚部 10,879子宮体部 17,880胆のう、胆管 10,195多発性骨髄腫 4,052白血病 5,922悪性リンパ腫肝臓 11,957大腸67,753膀胱 17,498肺膵臓 42,22117,325乳房卵巣97,14213,388その他16,81721,579甲状腺 13,892脳・中枢神経系 2,7330100,000200,000皮膚 12,432膀胱 5,885300,000400,000多発性骨髄腫 3,539腎・尿路 9,780500,000600,000(人)(2019年のデータに基づき)日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.5%、女性51.2%男性は前立腺がん(11.0%*)が最も多く、次いで大腸がん(10.3%) 、胃がん・肺がん(ともに10.0%)の順、女性は乳がん(11.2%)が最も多く、次いで大腸がん(8.1%) 、肺がん(5.0%)の順になっています*()内の%は生涯罹患リスク国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)Copyright © 2023 CareNet,Inc. All rights reserved.

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コロナにやられて耳が聞こえない!【Dr. 中島の 新・徒然草】(463)

四百六十三の段 コロナにやられて耳が聞こえない!コロナ第8波も収まりつつあるようです。大阪府では、直近1週間の人口10万人あたり新規陽性者数は、2023年1月11日がピークでした。その後は徐々に低下し、現在は3分の1以下です。また、第8波の山の高さも第7波に比べて低くなり、第6波と同程度でした。あと何回かの波で沈静化することを願うばかりです。私の住んでいるマンションでも、そろそろ4月の花見を再開しようか、という話が出ています。もちろん、その時のコロナ次第ですけど。さて、外来通院している女性の患者さんから聞いた話です。患者「先生、去年の暮れにコロナになってもた」中島「やられましたか」コロナにかかりました、という話も近頃は珍しくないので適当に聞き流していました。患者「コロナなんか大したことあらへんって思っててん」中島「そう言う人もおられますけどね」患者「年末にゴルフに行って、その後、大宴会やったんよ」そりゃ、油断しすぎですがな。患者「マスクもせずに『ジャーンケーンポーン!』とかやってたら」中島「……」患者「14人中7人がかかってもた」やはり恐るべし、コロナ。患者「熱とか咳とかよりも、耳が聴こえなくなったんよ」中島「コロナの後からですか?」患者「うん、コロナになってから」中島「両方?」患者「いや、右側だけ」コロナ後遺症って何かの論文に40ほど出ていたけど、その中に聴力低下ってあったかな?改めて調べてみると、多いほうから疲労感、頭痛、四肢の脱力、筋肉痛、集中力低下、脱毛とありましたが、聴力低下はありませんでした。他の五感では味覚障害と嗅覚障害が有名ですが、触覚障害もあるようです。患者「お母ちゃんが私ぐらいの年齢のときに突発性難聴になったけど、関係あるんかな」中島「耳が弱点という体質が遺伝しているんですかね」患者「やっぱり!」中島「コロナっていうのは、その人の弱点を炙り出すような気がしますよ」単なる印象ですけどね。頭痛持ちは頭痛がひどくなり、眠れない人は余計に不眠になるような気がします。幸いなことに、お母さんの突発性難聴は治ったそうです。この患者さんの難聴も治ることを期待したいですね。最後に1句如月や コロナ談義で 盛り上がり

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第31回 介護事業者の倒産は過去最多、面会緩和はどう影響する?

厚労省は高齢者施設の面会を勧奨皆さんの勤務されている医療機関では、全面的に面会が緩和されているところは多くないと思います。全国の大学病院を調べてみると、コロナ禍初期に比べると緩和されたとはいえ、面会人数・面会時間などを厳しく制限しているところが多いと思います。日本語とは難しいもので、「コロナ禍当初の厳しい制限と比べるとずいぶん緩和された」と捉えるのか「いまだに面会に一部制限を設けている」と捉えるのかで、国民の心証も変わるのかもしれません。厚生労働省は1月31日、「高齢者施設等での面会の再開・推進を図ることは重要」と位置付けたうえで、高齢者施設における面会の注意点などをまとめた動画やリーフレットを自治体に向けて通知しました1)。これ以上面会を制限しないでいただきたい、という強いメッセージと受け取ってよいでしょう。とはいえ、面会制限をイケイケドンドンで緩和しろというわけではありません。面会者に感染症状がある場合には面会を控えてもらい、マスク着用や手洗い・手指消毒を心掛けていただくことが重要ということがパンフレットでも図示されています(図)。画像を拡大する図. 面会のポイント(参考1より引用)これを見たとき、「あまり緩和している感じはないな」と感じました。面会は認めるが、かなり制限がかかっている印象は否めず、多くの高齢者施設・医療機関が現時点で講じている対策とそう変わらないからです。高齢者施設は感染対策と「BCP」を天秤に高齢者施設クラスターが起こる背景は、ADLが不良でケアを要する頻度が高く、認知症の患者さんが多いためです。いつの間にか、フロア全体に広がっているというのは、コロナ禍でよくある光景でしょう。これに対して、「感染対策がなっとらん」と批判することは簡単ですが、限られた人員でオミクロン株とガチで戦えない施設が複数あることは、想像に難くありません。個人的な印象ですが、大手介護チェーンの高齢者施設は、保健所の介入をあまり好みません。ヒエラルキー、と書くと語弊がありますが、上層部や本部からの指示で動きますので、個別の感染対策があまり容認されていない施設が多いように思います。さて、「BCP(Business Continuity Plan)」を皆さんはご存知でしょうか。日本語で「事業継続計画」といいますが、自然災害、大火災、テロ攻撃、そして感染症パンデミックなどの緊急事態に遭遇した場合に、被害を最小限に食い止めながら、その事業を継続させることを指します。たとえば、警察、消防、病院などはその必然性が高い事業といえるでしょう。2021年4月に「令和3年度介護報酬改定における改定事項について」2)の中で、2024年から介護でのBCP策定が義務付けられました。現在は猶予期間にありますが、来年の4月にはすべての介護事業所にBCP策定が必須となります。この背景に、「老人福祉・介護事業」の倒産が増えていることがあります。コロナ禍で、経営が維持できないのです。介護保険制度が始まった2000年以降で、現在最多記録を更新し続けています。感染対策を講じながら、経営を守るという、なかなか無理難題を突き付けられているのが現在の高齢者施設なのです。高齢者の入所者が行き場を失うわけですから、政府としても「介護事業者」倒産を止めたいという思惑もあるのでしょう。参考文献・参考サイト1)厚生労働省:高齢者施設における面会の実施に関する取組について2)厚生労働省:令和3年度介護報酬改定における改定事項について

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