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オラパリブ、アビラテロンとの併用で、BRCA変異陽性去勢抵抗性前立腺がんに承認/AZ・MSD

 アストラゼネカとMSDは2023年8月23日、「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺」の適応症において、オラパリブ(商品名:リムパーザ)とアビラテロンおよびプレドニゾロンとの併用療法が承認されたことを発表した。オラパリブとアビラテロンの併用療法が画像診断による無増悪生存期間延長 この承認は、BRCA遺伝子変異陽性の転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)患者において、オラパリブとアビラテロンの併用療法が、アビラテロン単独療法と比較して、画像診断による無増悪生存期間(ハザード比[HR]:0.23、95%信頼区間[CI]:0.12~0.43)および全生存期間(HR:0.39、95%CI:0.16~0.86)のいずれにおいても臨床的に意義のある延長を示した第III相PROpel試験のサブグループ解析に基づくもの。

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ソリリス、小児の全身型重症筋無力症患者に対する追加承認を取得/アレクシオン

 アレクシオンファーマは、ソリリス点滴静注300mg(一般名:エクリズマブ[遺伝子組換え]、以下「ソリリス」)が日本において、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)または血液浄化療法(PLEX)による症状の管理が困難な抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)の小児患者の治療に対する用法および用量の追加承認を、8月23日付で取得したと発表した。ソリリスが小児の難治性gMG患者に臨床的有効性を示した gMGは、筋機能および重度の筋力の低下を特徴とする希少な自己免疫疾患である。gMG患者の80%は抗AChR抗体陽性であり、神経細胞と筋肉の接着部である神経筋接合部(NMJ)のシグナル受容体に特異的に結合する自己抗体(抗AChR抗体)を産生する。この結合は、感染に対する身体の防御に不可欠な補体系を活性化し、免疫システムによるNMJの破壊が引き起こされる。これにより炎症が起こり、脳と筋肉との情報伝達の遮断につながる。gMGはどの年齢でも起こりえるが、最も一般的には40歳以下の女性および60歳以上の男性にみられる。初期症状には、構音障害、複視、眼瞼下垂、バランスの喪失などがあり、病気が進行すると、嚥下障害、息苦しさ、極度の疲労、呼吸不全など、より重篤な症状につながる可能性がある。 ソリリスは、小児および青年患者のgMGの治療薬として、日本で初めて承認された唯一の分子標的治療薬である。今回のソリリスの追加承認は、難治性gMGの小児患者を対象とした、ソリリスの第III相臨床試験の結果に基づいている。本試験では、免疫抑制療法が無効で重大な疾患症状が消失せず持続している難治性gMGの小児患者において、ソリリスの臨床的有効性が示された。ソリリスは、主要評価項目である定量的重症筋無力症(QMG)総スコア(疾患の重症度と運動機能を医師が評価する尺度)のベースラインから26週目までの変化に有意な改善を示した(-5.8[95%CI:-8.4~-3.13]、p=0.0004)。 東京女子医科大学小児科の石垣 景子氏は、「gMGの小児患者の治療において、利用できる免疫抑制薬などの現行の治療法では、疾患の進行に伴い、十分に症状をコントロールできない場合もあるなど課題があった。このたびの日本におけるソリリスの小児の適応拡大は、gMGの治療におけるC5補体阻害剤の効果を示すものであり、小児患者が運動機能を維持し、重篤な症状を軽減する可能性のある新たな治療選択肢を提供する」と述べている。また、Alexion(米国)のマーク・デュノワイエ最高経営責任者(CEO)は、「gMGと共に生きる小児患者は、標準治療に反応しなくなり、運動機能、会話、呼吸に影響を及ぼす症状が継続することがある。当社のファースト・イン・クラスのC5補体阻害剤であるソリリスは、小児患者の症状や家族の生活の質を改善する可能性がある。日本においてgMGの小児患者のコミュニティーに、最初で唯一の分子標的治療薬を届けることを誇りに思っている」と語っている。

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妊娠30~34週の硫酸Mg、児の死亡・脳性麻痺を抑制するか/JAMA

 妊娠30週未満の出産前の妊婦に、硫酸マグネシウムを静脈内投与すると、児の死亡と脳性麻痺のリスクが低下することが知られているが、30週以降の効果は不明とされていた。ニュージーランド・オークランド大学のCaroline A. Crowther氏らは、「MAGENTA試験」において、妊娠30~34週に硫酸マグネシウムを投与しても、プラセボと比較して、2年後における児の脳性麻痺のない生存の割合は改善しないことを示した。研究の詳細は、JAMA誌2023年8月15日号に掲載された。オーストラリアとニュージーランドの無作為化臨床試験 MAGENTA試験は、オーストラリアとニュージーランドの24の病院で実施された無作為化臨床試験であり、2012年1月~2018年2月に参加者の登録を行った(オーストラリア国立健康・医学研究評議会などの助成を受けた)。 対象は、妊娠30~34週の期間に早産のリスクがあり、単胎または双胎妊娠で、出産が予定されているか、24時間以内に確実に出産が予測される妊婦であった。被験者を、硫酸マグネシウム(4g)またはプラセボを30分で静脈内投与する群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、児の補正年齢2歳時までの死亡(死産、退院前の生児の死亡、退院後の補正年齢が2歳になる前の死亡)または脳性麻痺(小児科医の評価による運動機能の喪失、筋緊張と筋力の異常)とした。副次アウトカムは、妊婦と児の健康を評価する36の項目であった。 1,433例(平均年齢30.6[SD 6.6]歳、白人67.4%)の妊婦を登録し、硫酸マグネシウム群に729例、プラセボ群に704例を割り付けた。その児1,679例(マグネシウム群 858例、プラセボ群821例)のうち1,365例(691例、674例)が主要アウトカムの解析に含まれた。イベント発生率(3.3% vs.2.7%)は予測より低い 補正年齢2歳時の死亡または脳性麻痺の発生率は、硫酸マグネシウム群が3.3%(23/691例)、プラセボ群は2.7%(18/674例)であり、両群間に有意な差を認めなかった(リスク差:0.61%[95%信頼区間[CI]:-1.27~2.50]、補正後相対リスク[RR]:1.19[95%CI:0.65~2.18]、p=0.57)。 死亡は、硫酸マグネシウム群が1.4%(12/837例)、プラセボ群は0.9%(7/796例)で認められ(リスク差:0.48%[95%CI:-0.62~1.58]、補正後RR:1.50[95%CI:0.58~3.86]、p=0.40)、脳性麻痺は、それぞれ1.6%(11/679例)、1.7%(11/667例)で発現し(-0.03%[-1.39~1.33]、0.98[0.43~2.23]、p=0.96)、いずれも両群間に有意差はみられなかった。 出生時の入院期間中の新生児では、プラセボ群に比べ硫酸マグネシウム群で呼吸窮迫症候群(34%[294/858例]vs.41%[334/821例]、補正後RR:0.85[95%CI:0.76~0.95]、p=0.01)、慢性肺疾患(5.6%[48/858例]vs.8.2%[67/821例]、0.69[0.48~0.99]、p=0.04)などの発生率が低かった。 出産時の入院期間中の妊婦では、重篤な有害事象は発現しなかったが、注射による有害事象の頻度はプラセボ群に比べ硫酸マグネシウム群で高かった(77%[531/690例]vs.20%[136/667例]、補正後RR:3.76[95%CI:3.22~4.39]、p<0.001)。注射による主な有害事象は、悪心、嘔吐、ほてり、注射を受けた腕の痛み、口腔乾燥、めまい、霧視などであった。 また、帝王切開による分娩を経験した妊婦は、硫酸マグネシウム群のほうが少なかった(56%[406/729例]vs.61%[427/704例]、補正後RR:0.91[95%CI:0.84~0.99]、p=0.03)。一方、産後に大出血を発現した妊婦は、硫酸マグネシウム群で多かった(3.4%[25/729例]vs.1.7%[12/704例]、1.98[1.01~3.91]、p=0.05)。 著者は、「妊娠30~34週での硫酸マグネシウム投与に効果がなかった理由は不明である」としている。また、「本試験では、死亡と脳性麻痺のイベント発生率が予測よりも低かったため、死亡または脳性麻痺のリスクにおける、小さいものの潜在的に重大な差の検出力が不足していたと考えられる」と指摘している。

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IgA腎症のメサンギウム領域に障害をもたらすIgA1は腸管由来が主体?(解説:浦信行氏)

 IgA腎症は糸球体メサンギウム領域を中心に、一部糸球体毛細血管係蹄にIgA1の有意な沈着を伴うメサンギウム増殖腎炎であり、最も頻度の高い原発性糸球体腎炎である。未治療で経過すると4割が末期腎不全に至る腎予後不良の疾患であり、病因解明に向けて多くの研究が行われているが、いまだにその病因の詳細は不明である。これまでは主に粘膜免疫異常がその病因候補として検討されてきた。 わが国では以前から上気道粘膜、とりわけ口蓋扁桃粘膜の関与が注目され、治療法として扁桃摘出+ステロイドパルス療法(扁摘パルス)が広範囲に行われ、その有効性が報告されている。早期介入では高率な寛解も一部の試験で報告されている。しかし欧米では扁摘パルスは必ずしも有効性は高くなく、ステロイドの副作用などの観点から推奨されていない。 欧米では、IgA腎症と炎症性腸疾患やセリアック病との合併例が多いことから、腸管における粘膜免疫異常が病因に関連する可能性が議論されてきた。Nefeconは、腸管作用型ステロイド薬のブデソニドが徐放されて腸管由来のIgA1の産生・放出を抑制する。今回のNefIgArd試験ではNefeconが著明な腎機能障害進行抑制作用を示した。また、eGFR低下が2.47mL/min/1.73m2にとどまっており、欧米における45歳以上の健康成人の年間のeGFRが約1mL/min/1.73m2であることから、とりわけ尿蛋白が1.5g/gCr未満の群では自然経過とほぼ変わりない。開始時eGFRでの層別解析でpoint of no remissionの解析や、地域差・人種差を考慮すると、アジア地区の解析もあればわが国にとってはより有益な情報となるであろう。有害事象に関しては、全身投与よりは頻度も程度も低値であろうが、ステロイドによると考えられるものがやはり主体である。

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旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回

論文にも「旬」がある!?野菜や魚介類などの食材には「旬」が存在します。特定の食材がほかの時季と比べて収穫量が多く、新鮮でおいしく食べることができる時季のことです。各時季、各地域での旬の食材に精通することが、グルメの第一歩です。では、旬の期間はどの程度かご存じでしょうか。旬という言葉の本来の意味は10日間です。1ヵ月を3分し、それぞれの10日間を上旬、中旬、下旬というのは馴染みがあると思います。旬は思ったよりも短いのです。旬が存在するのは食材だけではありません。論文にも旬が存在します。論文の旬を強く意識するのがインパクトファクター(Impact Factor:IF)について考えるときです。IFは、第42回「インパクトファクターのインパクトを考える」でも紹介したとおり、学術誌の影響度を評価する指標です。IFの算出法を復習しましょう。ある学術誌Aは、2022年の掲載論文の総数が140件、2023年が160件であったとします。2年間で計300件です。この300件から、2024年の1年間に計600回引用されたとします。ジャーナルAの2024年のIFは、600÷300=2.0となります。つまり被引用論文数が分子に、掲載論文数が分母になります。IFの高いジャーナルは被引用論文数が多い、すなわち引用に値する質の高い論文が掲載されていることを意味します。CVIT誌が悲願のインパクトファクター獲得日本心血管インターベンション治療学会は、心血管疾患患者に対する有効かつ安全なカテーテル治療の開発と発展、臨床研究の推進などを目的とする学会です。私も学会役員として発展を願っております。本学会が刊行している英文の学術誌が「Cardiovascular Intervention and Therapeutics誌」(以下:CVIT誌)です。このように学会が発行する学会誌をofficial journalといいます。CVIT誌は、和文の学術誌として創刊時からVol.24まで発行され、2010年1月に上梓されたVol.25から英文誌になりました。英文誌の編集長は、初代が住吉 徹哉先生、次いで伊苅 裕二先生、現在は3代目の小林 欣夫先生です。学術誌の価値を意義付ける大きなステップとしてIF獲得があります。CVIT誌は、長年にわたり価値ある論文を発信してきましたが、IFを持っていなかったのです。IF獲得は学会員すべての悲願でした。ここで不思議に感じる人もいることでしょう。前述の計算式に従えば、すべての学術誌は、新規刊行から3年を経れば、各々のIF値を算出することは可能だからです。しかし、これは正式なIFではないのです。実は世界的に通用し評価の対象となるIFは、正しくはジャーナル・インパクトファクター(Journal Impact Factor:JIF)を指しているのです。JIFは、Clarivate社という企業が作成するWeb of Science Core Collectionのデータを土台としてIF値が算出され、同社がJIFとして認定したもののみが正式にIFを持つ雑誌として公表することができます。2023年6月に吉報が届きました。CVIT誌にJIF 3.2が認められたのです。CVIT誌の歴代の編集長と編集委員に敬意を表します。何よりも質の高い論文を投稿してくださった皆の努力の結集によって成し遂げたことです。心より祝福いたします。Congratulations!日本発ジャーナルの価値を高める方法は?まだここで満足して立ち止まってはいけません。JIFをさらに上げてCVIT誌の価値を高め、世界と戦う素地を作っていくべきです。具体的には何をすれば良いのか。それは、皆さんが執筆する論文にCVIT誌に掲載された論文を引用することです。論文の投稿先はCVIT誌である必要はありません。2023年8月に投稿すれば、順調にいったとしても、論文が実際に掲載されるのは2024年になる可能性が高いです。その論文に引用された文献がCVIT誌のJIFの向上に貢献するのは、CVIT誌に2022~23年に掲載された論文を引用した場合のみです。ここで最初に紹介した「旬」というキーワードが効いてくるのです。IFの観点からは、論文の旬は2年間しかないのです。とにかく、最新の論文を引用することが重要です。最近、どの学術誌でもガイドラインの改訂やコンセンサスドキュメントが増えています。これは最新の論文として引用してもらい、IFの向上を狙う意味もあるのです。もちろん、引用したくなるような質の高い論文をより多く掲載することが王道です。CVIT誌と同時に、日本不整脈心電学会の発行する「Journal of Arrhythmia誌」もJIFを認められました。おめでとうございます。このほか日本に編集本拠地があるJIFを持つ循環器領域ジャーナルとして「Circulation Journal 誌」「Journal of Cardiology誌」「Heart and Vessels誌」そして「International Heart Journal誌」などがあります。掲載論文に、同誌の過去号の論文を引用することを、自己引用(self-citation)といいます。自己引用はJIFの向上につながるとはいえ、ジャーナルの国際認知度向上にはあまり効果を発揮しません。同誌での引用ではなく他誌からの引用のほうが高評価だからです。過度の自己引用は、JIFの取り消しにもつながりかねません。ジャーナルの価値を高めるには、JIFを持つほかのジャーナルに論文が引用されることが大切です。日本人が運営している学術誌に複数の英文誌があることが、アジアの中でも日本の大きな強みです。日本人は日本人の論文をあまり引用しないと言われます。制度を十分に理解したうえで、日本人が相互の論文を積極的に引用し合うことによって、お互いのジャーナルの価値を高めていくことが可能となります。ひいては日本の研究活動の学術的意義の向上に結び付くことを期待します。

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アロマターゼ欠損症〔AD:Aromatase Deficiency〕

1 疾患概要■ 定義エストロゲン合成酵素(アロマターゼ)の活性欠損・低下により、エストロゲン欠乏とアンドロゲン過剰とによる症状を呈する遺伝性疾患である。染色体核型が女性型の場合は、性分化疾患(46,XX DSD)に分類される。生理的にエストロゲン合成が亢進する妊娠中と思春期~性成熟期に症状が顕性化する。女性患者と男性患者とで表現型が異なる。■ 疫学10万人に1人以下のまれな疾患である。これまでに30家系50人を超える患者が報告されている。当初はヨーロッパとヨーロッパからアメリカ大陸への移民者の報告が多かったが、最近ではアジア(中国やインド)からの報告も増えている。わが国からの報告はこれまでのところ1例のみである。■ 病因アロマターゼは、アンドロゲンを基質としてエストロゲンを産生する酵素である。アロマターゼ活性欠損により、エストロゲンが産生されずアンドロゲンが蓄積する。その結果、女性でエストロゲンの欠乏と男性ホルモンの過剰による症状が生じる。これに対し、男性ではエストロゲン欠乏による症状のみが生じる。■ 症状1)胎児ヒト胎児副腎は大量の副腎性アンドロゲン(dehydroepiandrosterone)を産生し、これが胎盤(胎児に由来する)のアロマターゼによりエストロゲンに転換される。胎児がアロマターゼ欠損症の場合には、アンドロゲンが蓄積して母体と胎児に男性化が生じる。胎児が女性の場合は、外性器が男性化する。母体では、妊娠中に男性化症状が増悪し、分娩後に軽快する。残存するアロマターゼ活性が1%を越えると、母体に男性化はみられないとされる。2)女性エストロゲンによって生じる二次性徴(初経や乳腺発育・女性型の皮下脂肪など)は欠如する。しかし、活性低下が軽い変異を有する症例では、初経発来や規則月経を呈することがある。エストロゲン補充が行われていない女性では、リモデリングの亢進を示す骨粗鬆症が認められる。女児では、外性器の男性化(Prader 分類II~IV/IV)が全例に認められる。ゴナドトロピンが上昇する前思春期頃から、卵巣に多房性嚢胞(一部は出血性)をみることがある。活性低下の強い症例(truncated type)では索状性腺をみることがある。3)男性男性患者では、出生時に症状はない。思春期に生理的な身長急伸を欠如するとともに、その後の伸長停止(骨端閉鎖)も欠如するのが特徴である。本来伸長が停止する16歳頃を過ぎても身長が伸び続け、高身長(時に2mを超える)・骨粗鬆症となって20歳台後半で診断される例が多い。しばしば、外反膝・類宦官症体型が認められる。肥満、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症などの代謝異常を示すことも少なくない。また、巨精巣症・小精巣の報告もある。精子数減少を示唆する報告もあるが妊孕性の喪失はない。■ 分類初期の報告例は、アロマターゼ活性低下が高度でエストロゲンがほぼ欠損し、二次性徴を完全に欠如する症例(古典型)であった。その後、エストロゲン欠乏が軽度で、乳腺発育や月経発来といった二次性徴が部分的にみられる症例(非古典型)が報告された。遺伝子変異をtruncated variantsとnon-truncated variantとに分けて検討し、前者ではエストロゲン欠乏に関連する症状(原発性無月経や索状性腺)が強く、後者では症状が軽いとする報告もある。■ 予後本症の長期予後については不明であるが、これまでの情報を総合すると生命予後に直接影響を与えないと思われる。その一方で、エストロゲン低下に伴って生じる骨粗鬆症や脂質異常症などの代謝異常に対して、適切な管理を行い予防する必要がある。アロマターゼ活性低下の強い症例では、女性の妊孕能は低下する。活性低下の軽い症例の女性の妊孕性については不明である。男性患者では妊孕性の低下はみられない。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 臨床症状1)女性女性患者では、本症と診断されないまま無月経に対してエストロゲン投与が継続されていることがあり、その場合、臨床症状から本症を想定することは困難である。患児が本症に罹患している場合、妊娠中に母体の進行性男性化(活性低下の軽い例では欠如)と胎児外陰の男性化(全例にみられる)が診断の手掛かりになる。妊娠母体の男性化は、P450酸化還元酵素欠損症や妊娠黄体腫(母体卵巣)にもみられ鑑別が必要である。P450酸化還元酵素欠損症では、アロマターゼのほか複数のステロイド産生酵素の活性も低下し、性ステロイド以外のホルモンによる症状が出現する。2)男性妊娠母体の男性化症状とエストロゲン低値から胎児の罹患が疑われて、出生後早期に診断された男性患者も報告されているが、実際に出生時に診断される例は少ない。弟妹の女性発端者が手がかりとなって診断されることもある。思春期以降に身長の伸びが止まらず、高身長となって成人期に初めて診断されることが多い。思春期の身長急伸の欠如、成人期の骨端線閉鎖の欠如、高身長、骨粗鬆症が、本症を推定する手がかりとなる。肥満、内臓脂肪の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症などの代謝異常の合併も診断の参考となる。■ ホルモン検査1)女性ゴナドトロピン値(FSH、LH)は成人に至るまで一貫して高値を示す。とくにFSH優位の高値を示すのが特徴である。一般に、出生後数週~6ヵ月頃にかけて、視床下部下垂体性腺系は生理的活性化(mini-puberty)を示し、ゴナドトロピンは一過性に上昇する。その後、視床下部下垂体性腺系は強く抑制される時期に入り、ゴナドトロピンは低値となる。前思春期に入ると抑制が徐々に解除され、ゴナドトロピンは上昇に転ずる。アロマターゼ欠損症のゴナドトロピンも同様の二相性変動を示すが、常に同年齢対照より高値を示す。アンドロゲン値も同年齢対照者より高く、同様の二相性の変動を示す。血中エストラジオールは一貫して同年齢対照より低値を示すが、基準域に近い値を示す症例もみられる。測定感度の問題もあり、エストラジオール単独での診断は難しい。FSH値の上昇は、エストロゲン欠乏や表現型の強さを反映し治療効果の指標になる可能性がある。2)男性FSHが高値を示す例は男性では60%で女性よりFSHの診断意義は低い。E2が測定感度以下となるのは男性患者の80%であり、除外診断には注意を要する。LHが高値を示す例は20%、Tが高値となるのは30%と少なく、除外診断には使いにくい。■ 遺伝子型本症の確定診断には、15q21.2にあるCYP19A1に活性喪失変異(loss-of-function mutation)を同定する。これまでに、1塩基置換によるミスセンス変異、ナンセンス変異、スプライシング異常の他、1〜数塩基の欠失や挿入などさまざまな変異が報告されている。ヘテロは無症状で、ホモまたは複合ヘテロで症状が認められ、常染色体潜性(劣性)遺伝を示す。変異は酵素活性に関連するエクソン9に比較的多く認められるが、エクソン2を除きすべてのエクソンにほぼ均等に認められる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)根本的な治療法はない。欠乏するエストロゲンによる諸症状・疾病の発生を予防するために長期のエストロゲン補充が行われる。■ 46,XX DSDほとんどが女性として育てられている。性自認は女性である。外陰形成術が施行される。性腺摘除が併施されることもある。二次性徴や骨量の獲得と維持を目的にエストロゲン(子宮を有する性成熟期女性ではプロゲスチンを併用)投与を行う。エストロゲン投与により、血清ゴナドトロピン値が正常化し、卵巣嚢胞は消失する。骨量も増加する。■ 46,XY最終身長の適正化と骨量増加・骨粗鬆症の予防を目的にエストロゲン投与を行う。思春期前からの治療では、少量のエストロゲン投与から開始し、漸増させて生理的時期での骨端閉鎖を促す。骨端閉鎖後は、経皮的にエストラジオール25μg/日を生涯にわたって投与する。思春期症例にエストロゲンを投与すると、身長の急伸、骨端閉鎖、骨量の増加といった生理的骨成長と同様の変化が認められる。成人では維持量の投与により、ゴナドトロピン値の正常化、脂質異常の改善、インスリン抵抗性の改善なども期待できる。4 今後の展望本症の発見は、骨におけるエストロゲンの生理的役割などの解明に大きく貢献した。エストロゲン補充により、症状の多くは軽減されるが、女性患者の妊孕性については回復が認められていない。本症の患者数は少なく、系統的な研究が困難である。5 主たる診療科内科、小児科、婦人科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター アンドロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症及びゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)アロマターゼ欠損症は、小児慢性特定疾病対策事業においてアンドロゲン過剰症(ゴナドトロピン依存性思春期早発症およびゴナドトロピン非依存性思春期早発症を除く)の原因疾患の1つに包含されている。(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Shozu M, et al. J Clin Endocrinol Metab. 1991;72:560-566.2)Singhania P, et al. Bone Reports. 2022;17:101642.3)Stumper NA, et al. Clin Exp Rheumatol. 2023;41:1434-1442.4)Rochira V,et al. Nature Reviews Endocrinology 2009;5:559-568.公開履歴初回2023年8月29日

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静脈血栓塞栓症の治療に難渋した肺がんの一例(後編)【見落とさない!がんの心毒性】第24回

※本症例は、患者さんのプライバシーに配慮し一部改変を加えております。あくまで臨床医学教育の普及を目的とした情報提供であり、すべての症例が類似の症状経過を示すわけではありません。前回は、深部静脈血栓塞栓症に対する治療選択、がん関連血栓塞栓症のリスクとして注目すべき患者背景について解説を行いました。今回は同じ症例でのDVT治療継続における問題点を考えてみましょう。《今回の症例》年齢・性別30代・男性既往歴なし併存症健康診断で高血圧症、脂質異常症を指摘され経過観察喫煙歴なし現病歴発熱と咳嗽が出現し、かかりつけ医で吸入薬や経口ステロイド剤が処方されたが改善せず。腹痛が出現し、総合病院を紹介され受診した。胸部~骨盤部造影CTで右下葉に結節影と縦隔リンパ節腫大、肝臓に腫瘤影を認めた。肝生検の結果、原発性肺腺がんcT1cN3M1c(肝転移) stage IVB、ALK融合遺伝子陽性と診断した。右下肢の疼痛と浮腫があり下肢静脈エコーを実施したところ両側深部静脈血栓塞栓症(deep vein thrombosis:DVT)を認めた。肺がんに伴う咳嗽以外に呼吸器症状なし、胸部造影CTでも肺塞栓症(pulmonary embolism:PE)は認めなかった。体重65kg、肝・腎機能問題なし、血圧132/84 mmHg、脈拍数82回/min。肺がんに対する一次治療としてアレクチニブの投与を開始した。画像所見を図1に、採血データを表1に示す。(図1)中枢性DVT診断時の画像所見画像を拡大する(表1)診断時の血液検査所見画像を拡大するアレクチニブと直接作用型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant:DOAC)の内服を継続したが、6ヵ月後に心膜播種・胸膜播種の出現と肝転移・縦隔リンパ節転移の増悪を認めた。ALK阻害薬の効果持続が短期間であったことから、がん治療について、ALK阻害薬から細胞傷害性抗がん薬への変更を提案したが本人が希望しなかった。よって、ALK阻害薬をアレクチニブからロルラチニブへ変更した。深部静脈血栓症(Venous Thromboembolism:VTE)に関しては悪化を認めなかったためDOACは変更せず内服を継続した。その後、肺がんの病勢は小康状態を保っていたが、1ヵ月後に胸部レントゲン写真で左下肺野にすりガラス陰影が出現し、造影CTを実施したところ新規に左下葉肺動脈のPEを認めた(図2)。(図2)PE発症時の画像所見画像を拡大する【問題】DOAC内服中にVTEが増悪した場合、どのような対応を行うか?1)Farge D, et al. Lancet Oncol. 2022;23:e334-e347.講師紹介

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英語で「詳細を教えてください」は?【1分★医療英語】第95回

第95回 英語で「詳細を教えてください」は?I don’t feel like eating recently.(最近、食欲がないんです)Could you elaborate on that?(もう少し詳しく教えてもらえますか?)《例文1》Could you explain further?(もっと説明してもらえますか?)《例文2》Could you tell me more about it?(それについてもう少し話してもらえますか?)《解説》問診において患者さんからオープンクエスチョンで情報収集することは非常に大切ですが、なかなか具体的な説明が伴わないこともよくあります。「もっと情報が欲しい」というときは、“Could you tell me more about it?”(それについて、もう少し話してもらえますか?)または“Could you explain further?”(もっと説明してもらえますか?)といった表現があります。そして、「もっと詳細を教えてほしい」と言いたい場合には、“Could you elaborate on that?”(それについて、もう少し詳しく教えてもらえますか?)、“Could you tell me in detail?”(詳細について話してもらえますか?)、“Could you break it down for me?”(詳しく教えてもらえますか?)などと表現することができます。“break it down”は「かみ砕いて話す」という意味になりますので、さらに内容を詳しく教えてほしいと言いたいときに使いやすい表現です。また、周辺の状況や背景について説明をしてほしい場合には、“Could you please give me a bit more background?”(もう少し状況について教えてもらえますか?)という言い方もできます。講師紹介

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第178回 老化に伴う難聴を脳のコレステロール補強で防ぎうる

老化に伴う難聴を脳のコレステロール補強で防ぎうる老化と関連する難聴は大問題であり、65歳を超える高齢者の約3人に1人が多かれ少なかれそうなります。難聴は聞こえにくくなるという不便さを強いることに加えて認知機能低下が早まることや認知症リスクの上昇とも密接に関連します。そういう大きな問題をはらむ老化関連難聴を脳のコレステロール補強といういとも手軽な方法で防げるかもしれないことがアルゼンチンのチームによるマウス実験で示されました1)。ちまたではコレステロールといえば悪者と相場が決まっていますが、神経細胞膜の要員の1つであり、神経細胞や膜連携タンパク質の機能に不可欠です。コレステロールはシナプス膜に豊富で、タンパク質複合体の数々に結合したり影響を及ぼしたりしてそれらの構造や振る舞い、活性を調節することが最近の研究で示されています。シナプス形成、細胞間相互作用、細胞内伝達に与するコレステロールを中枢神経系(CNS)は手ずから生成します。というのも末梢のコレステロールは血液脳関門(BBB)を通過できず、CNSは他所から調達することができないからです。ゆえに脳のコレステロール濃度は厳密に調節されており、その調節の乱れは認知機能障害や種々の神経変性疾患と関連することが知られています。脳のコレステロールは老化の影響も受けます。たとえば老化に伴って海馬のコレステロールが減ります。また、老人や神経変性疾患患者の脳のコレステロールは乏しいという検体解析結果も報告されています。老化と関連するコレステロール減少の原因の1つは海馬でのコレステロール水酸化酵素CYP46A1の増加です。マウス海馬シナプスの老化に伴うコレステロール減少が主にCYP46A1亢進に起因し、シナプス受容体の行き来や陥入を立ち行かなくし、記憶障害をもたらすことが確認されています。注目すべきことに、脳のコレステロールを底上げすることで老化マウスのシナプスや認知機能の不備を減らしうることが示されています。また、神経変性疾患の治療効果もあるらしく、ハンチントン病マウスのシナプスや認知機能が脳へのコレステロール運搬粒子で改善しました。老化関連難聴は内耳の蝸牛の外有毛細胞(OHC)の損失を発端の1つとします。音信号の増幅に携わるOHCの側壁は厳密な管理下のコレステロールを含み、OHC側壁のコレステロール含量の変化はOHC側壁内のモータータンパク質プレスチンの機能や配置に影響を及ぼすようです。しかし内耳の病変にコレステロール変動がどう寄与しているかはこれまで調べられたことはありません。そこでアルゼンチン・ブエノスアイレス大学のチームはコレステロール欠乏が内耳蝸牛の老化病変に寄与するとの仮説を立て、若いマウスと老化マウスの内耳のCYP46A1とコレステロール量を調べてみました。すると予想どおり高齢マウスの内耳のCYP46A1は若いマウスに比べて多く、コレステロールは逆に減っていました。続いて若いマウスのCYP46A1を過剰に活性化するとどうなるかが調べられました。その実験にはCYP46A1を活性化することが知られるHIV治療薬エファビレンツが使われました。若いマウスにエファビレンツを投与したところOHCのコレステロールが減り、プレスチンも乏しくなって配置が変わり、難聴がもたらされました。そして研究は脳のコレステロール補強の効果検討というクライマックスを迎えます。若いマウスへのエファビレンツ投与に伴う難聴を脳のコレステロール補強で防げるかどうかが調べられました。上述のとおりコレステロールは血中から脳に入れません。そこでコレステロールに似た構造と働きをし、BBBを通過して脳に到達できる植物ステロールに白羽の矢が立てられました。ここでも狙いどおりの結果が得られ、エファビレンツ投与マウスに植物ステロールを食べさせたところOHC機能が改善し、プレスチンの分布も正常化しました。最近ではエファビレンツが一翼を担うことが多い抗レトロウイルス薬ひとそろいを使用するHIV/AIDS患者に聴覚障害が多いことが報告されています。今回の結果によると植物ステロールがその予防や治療に役立つかもしれません。また、植物ステロールの服用は老化と関連する難聴の手軽な予防法となる可能性もあり2)、動物やヒトでのさらなる検討が期待されます。参考1)Sodero SO, et al. PLoS Biol. 2023;21:e3002257.2)Common supplements might reduce natural hearing loss / Eurekalert

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手術見学で何も教えてもらえない【医学生お悩み相談ラヂオ】第6回

動画解説第6回は、医学部5年生の男性から。外科志望にもかかわらず、手術見学で縫合の練習しかさせてもらえないと、臨床実習に対する不安の声が届きました。多くの医学生や研修医の悩みに向き合ってきた民谷先生が、解決に導くある工夫を提案します。

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PCI後のステント血栓症、P2Y12阻害薬+コルヒチンで減少~MACT Pilot Study

 PCI後の急性冠症候群(ACS)患者において、PCI翌日からアスピリンを中止、P2Y12阻害薬(チカグレロルまたはプラスグレル)に低用量コルヒチン(0.6mg/日)の併用が有効であることがMACT (Mono Antiplatelet and Colchicine Therapy) Pilot Studyより明らかになった。Journal of the American College of Cardiology Cardiovascular Interventions誌2023年8月14日号掲載の報告。 韓国・高麗大学九老病院のSeung-Yul Lee氏らは、ACS患者に対しPCI直後のP2Y12阻害薬単独療法へのコルヒチン併用は実行可能性があるものなのかを調査するために本研究を行った。対象者は薬剤溶出性ステントで治療されたACS患者を含む200例。PCI翌日、アスピリンは中止し、P2Y12阻害薬による維持療法に加え低用量コルヒチンを投与した。 主要評価項目は、3ヵ月後のステント血栓症の発生で、重要な副次評価項目は、退院前にVerifyNowで測定した血小板反応性と、高感度C反応性蛋白(hs-CRP)の1ヵ月後の減少率。 主な結果は以下のとおり。・登録症例200例中190例(95.0%)で3ヵ月の追跡調査を完了し、その間にステント血栓症(1例)とステント血栓症疑い(1例)が発生した(計2例、1.0%)。・全体の血小板反応性レベル(P2Y12反応単位[PRU]で測定)は27±42 PRUであり、血小板反応性が高い(>208 PRU)患者は1例のみだった。・hs-CRPレベルは、PCI後24時間の6.1mg/L(IQR:2.6~15.9)から1ヵ月後の0.6mg/L(IQR:0.4~1.2)に減少した(p<0.001)。・高炎症(hs-CRP≧2mg/L)の発生率は81.8%から11.8%に減少した(p<0.001)。

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ビタミンD、p53免疫反応性の消化管がんの再発/死亡を抑制

 最近発表された無作為化試験のメタ解析では、ビタミンD3補充ががん死亡率に有益な影響を与えることが明らかになっている1)。今回、東京慈恵会医科大学の菅野 万規氏らの研究で、p53免疫反応性を有する消化管がん患者において、ビタミンD補充が再発/死亡リスクを低下させることが明らかになった。JAMA Network Open誌2023年8月22日号に掲載。 本研究は、ビタミンD補充の効果をプラセボと比較した無作為化二重盲検試験であるAMATERASU試験のp53免疫反応性を有する患者における事後解析。AMATERASU試験は、単施設(国際医療福祉大学病院)において2010年1月~2018年2月に消化管がんを発症した患者を対象に、ビタミンD3カプセル(2,000IU/日)もしくはプラセボを投与し、中央値で3.5年(四分位範囲:2.5~5.3年)追跡した試験である。今回は、試験参加者417例のうち残存血清検体が得られた患者を対象とし、2022年10月20日~11月24日に解析した。主要評価項目は5年後の再発/死亡で、p53免疫反応性は、血清中の抗p53抗体陽性とがん細胞の99%以上におけるがん抑制タンパク質p53の核内蓄積と定義した。 主な結果は以下のとおり。・消化管がん392例(平均年齢66歳、男性66.3%)のうち、食道がん37例(9.4%)、胃がん170例(43.4%)、小腸がん2例(0.5%)、大腸がん183例(46.7%)であった。・血清抗p53抗体は142例(36.2%)で検出され、p53免疫組織化学的悪性度は血清抗p53抗体レベルと正の関連を示した(係数:0.19、p<0.001)。・p53免疫反応性の80例の5年無再発生存率(RFS)は、ビタミンD群(80.9%)がプラセボ群(30.6%)より有意に高かった(ハザード比[HR]:0.27、95%信頼区間[CI]:0.11~0.61、p=0.002)。・一方、非p53免疫反応性の272例の5年RFSは、ビタミンD群(22.2%)はプラセボ群(21.1%)と有意な差がなく(HR:1.09、95%CI:0.65~1.84)、p53免疫反応性におけるビタミンDの効果とは有意に異なっていた(交互作用のp=0.005)。

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頻繁な入浴で長期的な抑うつリスク低減

 湯に浸かる入浴(浴槽入浴)の頻度と長期的な抑うつ発症との関連を調査した6年にわたるコホート研究の結果、冬に浴槽入浴を頻繁に行う高齢者では新たな抑うつの発症が有意に少ないことを、東京都市大学の早坂 信哉氏らの研究グループが明らかにした。日本温泉気候物理医学会雑誌2023年オンライン版7月24日号掲載の報告。 これまでの研究において、頻繁な浴槽入浴が高い自己評価と関連していることや、介護保険が必要になる可能性が低いことなどが報告されているが、生活習慣としての浴槽入浴が健康にどのような影響を及ぼすかについてはまだ十分に解明されていない。 そこで、研究グループは、日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study:JAGES)の2010年および2016年調査の対象となった65歳以上の1万1,882人のうち、夏の入浴頻度の記録がある6,452人と冬の入浴頻度の記録がある6,465人をそれぞれ解析した。すべての解析対象者は要介護認定を受けておらず、老年期うつ病評価尺度スコアが4点以下でうつ病ではなかった。 浴槽入浴が0~6回/週のグループと、7回以上/週のグループの6年後のGDSによる抑うつの発症割合を求めた。浴槽入浴と抑うつの関連をロジスティック回帰分析によって年齢、性別、治療中の病気の有無、飲酒の有無、喫煙の有無、婚姻状況、教育年数、所得を調整して多変量解析を行い、オッズ比(OR)を求めた。 主な結果は以下のとおり。・夏の浴槽入浴が0~6回/週のグループの抑うつ新規発症率は12.9%、7回以上/週のグループは11.2%であった(p=0.192)。・冬の浴槽入浴が0~6回/週のグループの抑うつ新規発症率は13.9%、7回以上/週のグループは10.6%で有意差が認められた(p=0.007)。・共変量で調整した多変量解析において、夏の浴槽入浴が0~6回/週のグループを基準とした場合、7回以上/週のグループの抑うつ新規発症のORは0.84(95%信頼区間[CI]:0.64~1.10)で、浴槽入浴の頻度が高いほど抑うつの新規発症が少ない傾向にあった(p=0.213)。・冬の浴槽入浴では、7回以上/週のグループの抑うつ新規発症のORは0.76(95%CI:0.59~0.98)で、統計学的に有意に少なかった(p=0.033)。 これらの結果より、研究グループは「習慣的な浴槽入浴の温熱作用を介した自律神経のバランス調整などによる抑うつ予防作用による結果の可能性があり、健康維持のため高齢者へ浴槽入浴が勧められることが示唆された」とまとめた。

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レビー小体型認知症のパーキンソニズムに対するゾニサミド補助療法

 レビー小体型認知症(DLB)患者のパーキンソニズムに対してレボドパで効果不十分な場合、レボドパの増量とゾニサミド併用の効果および安全性の違いについては、よくわかっていない。大阪大学の池田 学氏らは、レボドパ300mg/日以下で治療されたパーキンソニズムを伴うDLB患者を対象に、ゾニサミド25mg/日併用療法とレボドパ100mg/日増量療法の比較を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌オンライン版2023年7月20日号の報告。 本DUEL研究は、多施設共同ランダム化非盲検並行群間非劣性試験として実施された。観察期間中、レボドパ300mg/日以下で4週間投与を行った。その後患者は、ゾニサミド25mg/日併用群またはレボドパ100mg/日増量群にランダムに割り付けられた。主要評価項目は、16週目および24週目のMDS-UPDRS Part III総スコアの平均変化とした。 主な結果は以下のとおり。・16週目および24週目のMDS-UPDRS Part III総スコアの調整平均変化は以下のとおりであった。【ゾニサミド併用群】16週目:-6.3、24週目:-4.4【レボドパ増量群】16週目:-0.8、24週目:2.0・24週目の調整平均差は、-6.4(95%信頼区間:-13.5~0.7)であり、信頼区間の上限値は、非劣性マージン(3.0)よりも低かった。・MDS-UPDRS Part II、Eating Questionnaire、EuroQol-5 dimension-5 level (EQ-5D-5L)、Zarit介護負担尺度、その他の副次的評価項目の総スコアは、両群間で差は認められなかった。・有害事象の発生率は、両群間で差は認められなかった。 その結果を踏まえて著者らは、「レボドパで効果不十分な場合、ゾニサミド25mg/日を併用することで、DLB患者の運動症状に中程度の効果が期待できる。しかし、本研究では、レボドパ増量が想定されているほどの効果が得られなかったため、ゾニサミド25mg/日併用がレボドパ100mg/日と同程度の効果があるかは、検証できなかった」としている。

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オミクロン感染した高齢者、再感染リスクが高い!?

 高齢者は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンの接種率が高いにもかかわらず、SARS-CoV-2オミクロン株への感染および重症化のリスクが高く、とくに介護施設などで共同生活をしている高齢者はそのリスクが高いことが知られている。また、高齢者において、SARS-CoV-2オミクロン株感染後のハイブリッド免疫(ワクチン接種と感染をいずれも経験した人の免疫)の再感染に対する予防効果は明らかになっていない。そこで、カナダ・McMaster UniversityのJessica A. Breznik氏らの研究グループは、介護施設や老人ホームに入所しているワクチン接種済みの高齢者を対象に、SARS-CoV-2感染リスクに関連する因子を検討した。その結果、SARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する高齢者は再感染リスクが低下せず、むしろ高かったことが明らかになった。本研究結果は、eClinicalMedicine誌オンライン版2023年8月21日号で報告された。 カナダ・オンタリオ州の介護施設または老人ホームに入所している高齢者で、ワクチン接種を4回受けている750例を対象に、2022年7月1日~9月13日の期間におけるSARS-CoV-2感染率を後ろ向きに調査し、感染リスクに関連する因子を検討した。また、観察期間前3ヵ月(2022年4月1日~6月30日)において、318例を対象に体液性免疫とT細胞免疫について検討した。 主な結果は以下のとおり。・対象者の年齢中央値は87.0歳、女性の割合は64.4%(483例)、介護施設入所者の割合は57.1%(428例)であった。・観察期間において、750例中133例(17.7%)にSARS-CoV-2感染が確認された。・観察期間においてSARS-CoV-2感染が認められなかった617例のうち、観察期間前にSARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する割合は8.9%(55例)であった。一方、観察期間に感染が認められた133例のうち、観察期間前にSARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する割合は57.1%(76例)であった。・Cox比例ハザードモデルを用いてSARS-CoV-2感染リスクに関連する因子を検討した結果、SARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する人は、観察開始9~29日後におけるSARS-CoV-2感染リスクが有意に高かった(ハザード比[HR]:47.67、95%信頼区間:23.73~95.76、p<0.0001)。また、mRNA-1273とBNT162b2を組み合わせてワクチンを4回接種した人は、BNT162b2のみで4回接種した人よりも、観察期間中のSARS-CoV-2感染リスクが低かった(同:0.49、0.26~0.90、p=0.023)。・一方、年齢、性別、居住形態、過去の居住地でのアウトブレイクの有無、オミクロン株以前の株への感染歴、4回目のワクチン接種日は、観察期間中のSARS-CoV-2感染リスクとの関連が認められなかった。・SARS-CoV-2オミクロン株への感染歴を有する人のうち、再感染が認められた人は血清中の抗SARS-CoV-2受容体結合ドメインIgG抗体価、抗スパイクタンパク質IgA抗体価が有意に低く(それぞれp=0.0009、0.0072)、オミクロン株BA.1に対する中和抗体価も低かった(p=0.0072)。すなわち、再感染者は体液性免疫応答の誘導が弱かった。

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看護師による簡易型睡眠制限療法が、不眠症に有効/Lancet

 プライマリケアでの不眠症の治療において、看護師による簡易型の睡眠制限療法は、これを行わない場合と比較して、不眠症状を軽減し、費用対効果が優れる可能性があることが、英国・オックスフォード大学のSimon D. Kyle氏らが実施した「HABIT試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年8月10日号で報告された。イングランドの実践的無作為化対照比較試験 HABIT試験は、イングランドの35の総合診療施設で実施された優越性を検証する実践的な非盲検無作為化対照比較試験であり、2018年8月~2020年3月に参加者の登録を行った(英国国立健康研究所[NIHR]の医療技術評価プログラムによる助成を受けた)。 DSM-5の不眠の判定基準を満たした成人を、看護師による睡眠制限療法4セッション+睡眠衛生に関する小冊子を提供する群、または睡眠衛生小冊子の提供のみの群に1対1の割合で無作為化に割り付けた。両群とも通常ケアに対する制限はなかった。 アウトカムを3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月時点で評価。主要エンドポイントは、不眠重症度指数(ISI)で測定した6ヵ月後の自己申告による不眠の重症度であった。ISIは、夜間および日中の不眠を評価するための7つの項目から成り、スコアの範囲は0~28点で、点数が高いほど症状が重症であることを示す。 642例を登録し、睡眠制限療法群に321例、睡眠衛生療法群に321例を割り付けた。全体の平均年齢は55.4(SD 15.9)歳で、489例(76.2%)が女性、624例(97.2%)が白人であった。段階的治療アプローチの一環となる可能性も ベースラインの平均ISIスコアは17.5(SD 4.1)点、不眠の罹患期間中央値は10.0年(四分位範囲[IQR]:4.5~20.0)であり、486例(76%)はすでに不眠に関して医師の診察を受け、163例(25%)は最近、睡眠薬を処方されていた。少なくとも1つのアウトカムのデータが得られた580例(90.3%、睡眠制限療法群275例、睡眠衛生療法群305例)を主解析に含めた。 6ヵ月の時点での平均ISIスコアは、睡眠衛生療法群が13.9(SD 5.2)点であったのに対し、睡眠制限療法群は10.9(SD 5.5)点と有意に低く(補正後平均群間差:-3.05点、95%信頼区間[CI]:-3.83~-2.28、p<0.0001、Cohen’s d:-0.74)、不眠症の重症度を改善することが示された。また、抑うつ症状、精神的健康関連および睡眠関連のQOL、仕事の生産性についても、睡眠制限療法群で有意な治療効果を認めた。 睡眠衛生療法と比較した睡眠制限療法に関連する費用の増分は43.59ポンド(95%CI:-18.41~105.59)、質調整生存年(QALY)の増分は0.021(95%CI:0.0002~0.042)であった。獲得QALY当たりの増分費用効果比(ICER)の平均値は2,075.71ポンドで、睡眠制限療法が英国国立医療技術評価機構(NICE)の費用対効果の閾値である2万ポンド/QALYを達成する確率は95.3%であり、金銭的な純益の平均値は377.84ポンドだった。 事前に定義した有害事象の発現については、両群間に差はなかった。また、重篤な有害事象は各群とも8例で発生したが、介入に関連すると判定されたものはなかった。 著者は、「睡眠制限療法は、不眠症の第1選択の治療法として広く実施される可能性がある。また、不眠症の段階的治療(stepped-care)アプローチの一環となる可能性があり、国際的なガイドラインの実践を促進し、エビデンスに基づく介入の利用機会を増加させるのに役立つと考えられる」としている。

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第161回 新型コロナワクチンの秋接種、9月から全世代対象で/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナワクチンの秋接種、9月から全世代対象で/厚労省2.医師の過労死問題に加藤厚労相「適切な労働時間管理」を求める/兵庫県3.新型コロナ診療手引き改訂、医療従事者の就業制限と治療薬の使用を明確化/厚労省4.感染症対策の体制を大幅刷新、尾身 茂氏が一線を退く/政府5.看護師不足とハラスメント対策に、看護師確保の基本指針を初改定へ/厚労省6.人材不足が深刻化する日本の医療・福祉業界、対策を模索/厚労省1.新型コロナワクチンの秋接種、9月から全世代対象で/厚労省厚生労働省は、全世代を対象にした追加接種を9月から開始すると発表した。対象となるのは、生後6ヵ月以上のすべての人で、新たに承認申請されたオミクロン株の亜系統「XBB」に対応するワクチンを使用する。これまで高齢者や基礎疾患のある人には「努力義務」が適用されていたが、9月からの接種では、この「努力義務」は適用されない見通し。なお、接種は今年度内は無料で行われるが、来年度以降の接種費用については、「定期接種」に変更される可能性があり、場合によっては接種費用の一部自己負担が必要となる可能性がある。東京都では9月20日から接種を開始すると発表しており、接種会場は都庁の北展望室をはじめとした複数の場所で行われる見込み。予約はインターネットで8月28日から開始され、使用するワクチンは米ファイザー製、米モデルナ製、および米ノババックス製の3種類とされている。政府は、早めの予約と各自治体からの最新情報に注意を払うよう呼びかけている。参考1)新型コロナワクチンの接種について(厚労省)2)コロナワクチン追加接種は9月20日から 全世代で「XBB」対応へ(朝日新聞)3)東京都、9月20日から新型コロナワクチンの秋接種開始(日経新聞)4)9月からのコロナワクチン接種 子ども含め幅広く対象に【Q&A】(NHK)2.医師の過労死問題に加藤厚労相「適切な労働時間管理」を求める/兵庫県2022年、神戸市の甲南医療センターで勤務していた26歳の医師が自殺した事件が労災と認定された件について、加藤 勝信厚生労働大臣は8月25日の閣議後の記者会見で「医師の健康確保のために適切な労働時間管理が必要」とコメントした。遺族は当時、学会発表の準備に追われていたと指摘しているが、病院側は業務時間外の自己研鑽であると主張。これに対し、加藤大臣は「医師の研究時間が労働時間に含まれるかどうかの指針を明確化している」と説明した。厚生労働省の調査によると、病院勤務の医師の約2割が「過労死ライン」とされる年960時間以上の残業をしていることが明らかになった。とくに脳神経外科、救急科、外科、産婦人科などでこの傾向が顕著である一方で、働き方改革により長時間労働は減少傾向にあり、一部の施設では患者や家族への病状説明を診療時間内に限定するなどの取り組みが進んでいる。調査代表の自治医科大学の小池 創一教授は「勤務時間は短くなったが、新しい医療の研究や若手教育の時間も減っている。どうやって働き方改革を進めていくのかが課題」と指摘している。また、2019年に施行された働き方改革関連法の医師への適用が24年度に迫っており、この問題はさらに注目されている。以上の状況を受けて、厚労相は「過労死は許されない。医師が健康であることが国民に対して適切な医療が確実に提供される基盤になる」と強調。労働時間管理の支援を含め、引き続き必要な対応を図ると明言している。参考1)医師の専門性を考慮した勤務実態を踏まえた需給等に関する研究(厚労省)2)医師自殺で労災認定 “労働時間管理 支援含め対応” 厚労相(NHK)3)勤務医2割、なお過労死ライン 残業推計「年960時間超」 長時間労働、是正傾向も・厚労省研究班(時事通信)3.新型コロナ診療手引き改訂、医療従事者の就業制限と治療薬の使用を明確化/厚労省厚生労働省は、8月21日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する診療の手引き第10.0版を公表した。今回は、新型コロナが5類(一般感染症)に移行した後の初の改訂で、医療従事者の就業制限や治療薬の使用指針について新たな規定が盛り込まれている。今回の手引きでは、医療従事者に対する就業制限は感染症法に基づく制限がないものの、厚労省は医療機関や高齢者福祉施設に対して、「発症日を0日目として5日間、かつ症状が軽快してから24時間以上経過するまで」の就業制限を考慮するよう呼びかけている。また、家庭内に感染者がいる場合や10日目までの期間には、マスク着用や黙食などの感染防止策を徹底するよう推奨している。治療薬に関しては、ファビピラビル(商品名:アビガン錠)やイベルメクチン(同:ストロメクトール)などのコロナ治療効果が認められず、使用は推奨されていないと明示している。そのほか、新たな重症化リスク因子、小児例や妊婦例の特徴、各種薬物療法についての情報が更新されている。また、診療の手引きには「G-MIS(病床管理システム)を活用した入院調整」が新たに盛り込まれ、このシステムの導入により、地域の病床状況が可視化され、保健所との照会が不要になるなどのメリットが挙げられている。今回の改訂は、とくに九州地方や沖縄県でのコロナ再燃や日本全体での感染再拡大が懸念される中で行われたもので、感染拡大を防ぐための配慮が依然として求められている。厚労省では今後も状況に応じた指針の更新を行うとしている。参考1)新型コロナウイルス感染症COVID-19診療の手引き 第10.0版(厚労省)2)新型コロナウイルス感染症 診療の手引き・第10.0版 改定のポイント(同)3)5類移行後初改訂、医療従事者の就業制限など追加 厚労省がコロナ診療の手引きを事務連絡(CB news)4)コロナ5類移行後、初の「診療の手引き」改訂!法定就業制限はないが、医療機関等では感染拡大への配慮を―厚労省(Gem Med)4.感染症対策の体制を大幅刷新、尾身 茂氏が一線を退く/政府2023年8月25日、政府は新型コロナウイルスを含む感染症対策の一層の強化を目的として、いくつかの新たな組織と体制の変更を発表した。9月1日に発足する「内閣感染症危機管理統括庁」は、政府の感染症対策の司令塔となる。この統括庁には約5億2,000万円の2024年度予算が割り当てられる予定で、約60人の職員が配置される。厚生労働省も同日、新たに「感染症対策部」を設置すると発表した。この新組織は、統括庁と連携し、新たな感染症危機に備える。さらに、医薬・生活衛生局と健康局が改組され、食品衛生基準業務と水道業務はそれぞれ消費者庁、国土交通省と環境省に移管される。内閣感染症危機管理統括庁のトップには栗生 俊一官房副長官が就任することが決まっており、担当大臣としては後藤 茂之コロナ担当相が務める。そのほかの主要な役職には厚労省の迫井 正深医務技監や中村 博治新型コロナウイルス等感染症対策推進室長も名を連ねる。この一連の発表と同時に、新型コロナ対策の専門家として活躍してきた尾身 茂氏が一線から退くことが明らかになった。尾身氏は、新体制のもとで「新型インフルエンザ等対策推進会議」の委員数が35人から15人に減り、議長から外れる形となった。尾身氏は、今後「葛藤の記録を残したい」と語り、この間の活動を書籍にまとめる予定だ。政府は、新たな体制のもとで感染症対策の連携と効率を高めることを目指しており、この体制変更は、新型コロナウイルスによる緊急事態が一段落ついた今、次の感染症危機に備える重要なステップとなる。尾身氏の引退は、新たな体制のスタートとともに、これまでの感染症対策の一区切りとも言えるタイミングでの出来事となる。参考1)尾身氏、コロナ対策一線退く「葛藤の記録残したい」 政府が体制刷新(朝日新聞)2)厚労省に新組織「感染症対策部」 司令塔「統括庁」発足にあわせ(同)3)感染症統括庁トップに栗生俊一氏…コロナ分科会は廃止(読売新聞)5.看護師不足とハラスメント対策に、看護師確保の基本指針を初改定へ/厚労省厚生労働省は、看護師を確保するための基本指針を31年ぶりに全面改定すると発表した。今回の改定は、看護師不足の解消、新たな感染症に備えた専門知識のある看護師の養成、ハラスメント対策、処遇改善、業務負担軽減など多岐にわたる要素が盛り込まれる方針。看護系の人材不足はとくに都市部と訪問看護ステーションで深刻で、労働時間短縮や業務負担の軽減が必要とされている。具体的には、国の基金を活用し、夜勤業務の負担軽減、仮眠や休憩ができる場所の設置など、看護職員の処遇改善を進めるとともに、業務のデジタル化なども計画されている。さらに、訪問看護の現場でのハラスメントの危険性が高いことから、暴力やハラスメント対策の支援も進められる予定のほか、タスク・シフトやタスク・シェアの推進、特定行為研修の推進なども改定に含まれており、年次有給休暇の取得を可能とするような勤務割の長期計画も盛り込まれ、雇用管理の責任体制も明確化される方向となっている。看護師確保の基本指針は、1992年に作成されており、高齢化社会の本格化とともに、2040年にはさらに多くの看護職員が必要とされる看護職の環境の変化を反映して、今回初めて見直しを受け、今年の秋にも正式に告示される予定。参考1)第3回医道審議会保健師助産師看護師分科会看護師等確保基本指針検討部会 [資料]看護師等確保基本指針の改定について(厚労省)2)看護師確保の指針、30年ぶり改定へ 感染症、ハラスメントに対応(朝日新聞)3)看護師確保の基本指針改定を諮問、秋ごろ告示 厚労相・文科科相(CB news)6.人材不足が深刻化する日本の医療・福祉業界、対策を模索/厚労省厚生労働省が発表した令和4年の雇用動向調査の結果によると、2022年に「医療、福祉」分野で入職超過率が初めてマイナスとなるなど、国内で医療介護業界での人材不足が深刻化していることが明らかとなった。厚労省によれば、医療、福祉業界への入職者数は昨年度の約113万8,100人、一方で離職者数は約121万人、入職超過率は0.9ポイントのマイナスとなった。全産業を合わせた場合の入職超過率は0.2ポイントのプラスであり、医療・福祉業界は全産業平均を下回っていた。とくに介護職員の離職率は14.4%と過去最低水準を維持しているが、事業所間での格差も大きい状況であり、小規模や新設の事業所では離職率が高く、「職場の人間関係」や「事業所の理念や運営に不満」などが離職の主な理由とされている。訪問介護の現場でも人手不足が顕著で、担当者の38%が60歳以上、7人に1人は70歳以上とスタッフの高齢化が進行していた。厚労省は2024年に施設職員を訪問介護にも活用できるようにする計画を進めている。この複合型サービスは、訪問と通所の両方を利用する場合に効率の良い介護を提供する可能性がある。しかし、介護業界全体で人材確保が難しく、とくに訪問介護員の有効求人倍率は過去最高の15.53倍に達している。今後、団塊の世代が後期高齢者に移行することで、介護保険の給付は一段と増えると見込まれ、人材不足問題の解決が急募となっている。参考1)令和4年 雇用動向調査結果の概要(厚労省)2)介護職員の離職率、14.4% 過去最低並みを維持 事業所間で2極化の傾向=介護労働実態調査(JOINT)3)訪問介護でも「老々」拡大 利用者10年で2割増/担い手70歳以上13% 厚労省、施設職員活用へ(日経新聞)4)「医療、福祉」入職超過率、初のマイナスに 厚労省概況、現行統計の2009年以降で(CB news)

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便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症

便秘症の定義から治療まで最新知見を盛り込み、6年ぶりに改訂日本消化管学会編集による『便通異常症診療ガイドライン2023』の「慢性便秘症」編。Mindsの作成マニュアルに準拠し、臨床上の疑問をCQ(clinical question)、BQ(background question)、FRQ(future research question)に分けて解説。冒頭には診断・治療のためのフローチャートを掲載し、便秘症の定義・分類・診断基準から疫学、病態生理、診断検査、内科的治療について、前版以降の進歩や最新知見を盛り込み、日常診療に必携の1冊となっている。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    便通異常症診療ガイドライン2023―慢性便秘症定価3,300円(税込)判型B5判頁数144頁発行2023年7月編集日本消化管学会電子版でご購入の場合はこちら

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ネオアジュバント/サンドイッチ療法レビュー【忙しい医師のための肺がんササッと解説】第16回

第16回 ネオアジュバント/サンドイッチ療法レビュー参考John V Heymach JV,et al. Design and Rationale for a Phase III, Double-Blind, Placebo-Controlled Study of Neoadjuvant Durvalumab + Chemotherapy Followed by Adjuvant Durvalumab for the Treatment of Patients With Resectable Stages II and III non-small-cell Lung Cancer: The AEGEAN Trial. Clin Lung Cancer.2022;233:e247-e251. 術前デュルバルマブ・NAC併用+術後デュルバルマブによるNSCLCのEFS延長(AEGEAN)/AACR2023Wakelee H, et.al.Perioperative Pembrolizumab for Early-Stage Non-Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med.2023;389:491-503.NSCLC周術期のペムブロリズマブ、EFS改善が明らかに(KEYNOTE-671)/ASCO2023Patrick M Forde PM,et.al. Neoadjuvant Nivolumab plus Chemotherapy in Resectable Lung Cancer. N Engl J Med.2022;386:1973-1985.NSCLCの術前補助療法、ニボルマブ追加でEFS延長(CheckMate-816)/NEJM周術期非小細胞肺がんに対する化学療法+toripalimabのEFS中間解析(Neotorch)/ASCO2023

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外傷の処置(3)陥入爪【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q81

外傷の処置(3)陥入爪Q81総合病院の休診日の日直バイト中、高血圧、糖尿病既往の40歳男性が左母趾の痛みを主訴に受診した。痛みは急性経過で、歩行も困難だという。きっと痛風だろうと思いながら靴下を脱がしたが、MTP関節の腫脹、発赤、熱感はない。左母趾爪の側縁の陥入と側爪郭の腫脹発赤がみられた。院内では簡単な小外科対応しかできず、専門医もいない。どうする?

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