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二次性僧帽弁逆流症、TEER vs.僧帽弁手術/NEJM

 心不全および二次性僧帽弁逆流症を有する患者において、経カテーテルedge-to-edge修復術(transcatheter edge-to-edge repair:TEER)は、1年時の複合エンドポイント(死亡、心不全による入院、僧帽弁再治療、補助デバイス植込み、脳卒中)に関して、僧帽弁手術に対し非劣性であることが示された。ドイツ・ケルン大学のStephan Baldus氏らが、前向き多施設共同無作為化非劣性試験「Multicenter Mitral Valve Reconstruction for Advanced Insufficiency of Functional or Ischemic Origin trial:MATTERHORN試験」の結果を報告した。二次性僧帽弁逆流症を有する心不全患者に対する現在の推奨治療には、TEERおよび僧帽弁手術が含まれるが、この患者集団においてこれらの治療法を比較した無作為化試験のデータは不十分であった。NEJM誌オンライン版2024年8月31日号掲載の報告。外科的僧帽弁手術に対するTEERの非劣性を評価 研究グループは、2015年2月~2022年12月に、臨床的に重大な二次性僧帽弁逆流症を呈し、左室駆出率が20%以上、ガイドラインに従った薬物療法にもかかわらずNYHA心機能分類クラスII以上の心不全を有する患者を、TEER(介入群)または外科的僧帽弁修復術/置換術(手術群)に1対1の割合で無作為に割り付けた。 有効性の主要エンドポイントは、術後1年以内の死亡、心不全による入院、僧帽弁再治療、補助デバイス植込み、脳卒中の複合で、非劣性マージンは推定平均群間差の90%信頼区間(CI)の上限が17.5%ポイントとした。 安全性の主要エンドポイントは、術後30日以内の主要有害事象(死亡、心筋梗塞、大出血、脳卒中/一過性脳虚血発作、再入院、再インターベンションまたは非待機的心血管手術、腎不全、深部創感染、48時間超の機械的人工換気、外科手術を要する消化管合併症、心房細動の新規発症、敗血症、心内膜炎の複合)とした。主要エンドポイント、介入群16.7% vs.手術群22.5%で非劣性を確認 計210例が無作為化されたが、無作為化後に2例が同意を撤回し、ITT集団は介入群104例、手術群104例で構成された。患者の平均(±SD)年齢は70.5±7.9歳、39.9%が女性、平均左室駆出率は43.0±11.7%であった。 有効性の主要エンドポイントのイベントは、介入群ではデータが得られた96例中16例(16.7%)に、手術群では同89例中20例(22.5%)に発生し、推定平均群間差は-6%(95%CI:-17~6、非劣性のp<0.001)であった。 安全性の主要エンドポイントのイベントは、介入群では101例中15例(14.9%)に、手術群では93例中51例(54.8%)に発生した(推定平均群間差:-40%、95%CI:-51~-27、p<0.001)。

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愛情に関わる脳領域を科学的に証明

 愛情は脳のどこに存在するのだろうか。また何に対する愛情が最も強いのだろうか。機能的MRI(fMRI)を用いた新たな研究で、その答えが示唆された。それによると、愛情を感じているときには主に社会的手掛かりの処理に関連する脳領域が活性化し、最も強い脳活動を引き起こしたのは子どもに対する愛情であったという。アアルト大学(フィンランド)のParttyli Rinne氏らによるこの研究の詳細は、「Cerebral Cortex」に8月26日掲載された。 この研究は、6つの対象(恋人や配偶者、自分の子ども、友人、見知らぬ人、ペット、自然)に対する愛情に関する短い物語を聞き、それぞれについてじっくり考えている間の脳活動をfMRI検査により調査したもの。対象は、1人以上の子どもを持ち、愛情を注ぐ配偶者や恋人などがいることを報告した、28〜53歳の成人55人(平均年齢40.3歳、女性29人)だった。55人中27人はペットを飼っていた。 短い物語とは、例えば次のようなものである。「あなたは、生まれたばかりのわが子を初めて目にしています。赤ちゃんは柔らかく、健康で、元気いっぱいです。赤ちゃんの存在はあなたの人生で最大の驚きであり、赤ちゃんへの愛を感じています」「あなたが家のソファーでくつろいでいると、飼っている猫がやってきました。猫は、あなたの隣で丸くなり、眠たげに喉を鳴らしています。あなたはこの猫のことが大好きです」 fMRIによる観察の結果、愛情を感じているときの脳活動は、愛情を向ける対象によって異なるだけでなく、その対象が人間かそれ以外か(ペット、自然)によっても異なることが明らかになった。具体的には、人に対する愛情を感じているときには社会的認知機能に関わる脳領域が活性化し、また、愛情を注ぐ対象によって活性化の強さの異なることが示された。例えば、見知らぬ人に対する思いやりのような愛情を感じているときには、親密な関係を築いている相手に対する愛情を感じているときよりも脳の活性化が低かった。 脳が最も強く活性化したのは子どもに対する愛情を感じているときであり、その活性化の程度は他の脳領域にも影響を及ぼすほど強かった。Rinne氏は、「対象者に子どもに対する愛情を想像してもらった際には、脳の報酬系深部の線条体領域までが活性化した。これは、他の種類の愛情では見られなかった現象だ」と話す。 一方、自然やペットに対して愛情を感じているときには、脳の報酬系と視覚野が活性化するが、社会的認知機能に関わる領域は活性化しないことが示された。ただし、実際にペットを飼っている人がペットに対する愛情を感じているときには、ペットを飼っていない人に比べて社会的認知機能に関わる領域が有意に活性化していた。この結果についてRinne氏は、「ペットに対する愛情とそれに関連する脳活動の観察では、社会性と関係のある脳領域の活性の程度でその人がペットを飼っているかどうかを判断できることが分かった」と述べている。 Rinne氏は、「本研究によりわれわれは、これまでの研究よりも、さまざまな種類の愛情に関連する脳活動について、より包括的な知見を提供することができた」とアアルト大学のニュースリリースの中で述べている。

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セマグルチドを使用しても自殺リスクは上昇せず

 肥満症治療薬であるGLP-1受容体作動薬のセマグルチドの人気が急上昇する一方で、その潜在的な副作用に対する懸念も高まりを見せている。しかし、新たな研究により、そのような懸念の一つが払拭された。米ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院ペン自殺予防センター所長のGregory Brown氏らによる研究で、セマグルチドの使用により抑うつ症状や自殺念慮、自殺行動のリスクは増大しないことが示されたのだ。セマグルチドを有効成分とするオゼンピックやウゴービを製造するノボ ノルディスク社の資金提供を受けて実施されたこの研究の詳細は、「JAMA Internal Medicine」に9月3日掲載された。 2型糖尿病治療薬として開発されたセマグルチドは、臨床試験で肥満症治療薬としての有効性が明らかにされて以降、大きな注目を集め、今や医師が患者に週1回のセマグルチドの皮下注射を処方することは珍しいことではなくなっている。実際に、2023年には500万人もの米国人がセマグルチドを処方されており、そのような人の10人に4人は体重管理のために同薬を使用しているという。 この研究では、セマグルチドに関する4つの主要な臨床試験(第3a相STEP1、2、3試験および第3b相STEP5試験)の対象者から得たデータを用いて、週に1回のセマグルチド2.4mgの皮下注射が精神面にどのような影響を与えるのかが、プラセボとの比較で検討された。STEP1、2、3試験の対象者は総計3,377人(平均年齢49歳、女性69.6%)、STEP5試験の対象者は304人(平均年齢47歳、女性77.6%)で、いずれも肥満または過体重であり、STEP2参加者は2型糖尿病にも罹患していた。対象者の抑うつ症状はPatient Health Questionnaire(PHQ-9)で、自殺念慮と自殺行動はコロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)で評価されていた。 STEP1、2、3試験対象者のベースライン時のPHQ-9スコアは、セマグルチド群で2.0点、プラセボ群で1.8点であり、抑うつ症状は「ない/最小限」と判定されていた。治療開始から68週目でのPHQ-9スコアは、同順で2.0点と2.4点であり、解析からは、68週間にわたる治療により、プラセボ群と比べてセマグルチド群のPHQ-9スコアの重症度カテゴリーが上昇する可能性は低いことが示された(オッズ比0.63、95%信頼区間0.50〜0.79、P<0.001)。自殺念慮や自殺行動については、治療中に両群ともに1%未満の対象者が自殺念慮を抱いたことを報告していたが、両群間に有意差はなかった。STEP5対象者の結果も、これらの結果と同様であった。 Brown氏は、「セマグルチドを使用している過体重や肥満の人が抑うつ症状、自殺念慮や自殺行動を経験する可能性は確かにあるが、本研究結果は、セマグルチドを使用していない人が自殺念慮や自殺行動を経験する可能性も同程度であることを示唆している」と言う。 研究グループは、「これらの結果は、米食品医薬品局(FDA)によるセマグルチドの継続的な調査結果と一致している」とペンシルベニア大学のニュースリリースの中で指摘している。最新のデータ分析では、セマグルチドの使用が自殺念慮や自殺行動を引き起こすという証拠は見つからなかったことが報告されているという。 しかし研究グループは、今回の研究に精神障害を有する人が含まれていなかったことを踏まえ、「うつ病やその他の重篤な精神障害罹患者に対するセマグルチドの効果については、さらなる研究で検討する必要がある」と話している。

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えっ?NEJM?(解説:後藤信哉氏)

 心房細動を合併する安定期冠動脈疾患では、過去のランダム化比較試験の結果を考えると多数の抗血栓治療の組み合わせが考えられる。多数の組み合わせの中から抗凝固薬エドキサバン単剤とエドキサバン/抗血小板薬併用の有効性、安全性がオープンラベルのランダム化比較試験にて検証された。試験のエンドポイントは12ヵ月以内の死亡、心筋梗塞、脳梗塞、全身塞栓症、予定されなかった緊急冠動脈インターベンション、重篤な出血の複合エンドポイントであった。血栓・出血を含み、さらにソフトな緊急冠動脈インターベンションも含めてイベントリスクが見掛け上増加している。東アジアの韓国で施行された試験であり、一般的に臨床的なイベントリスクが低い。clinically relevant non major bleedingとany bleedingの数が抗血栓薬併用群で増加していた。 循環器領域のランダム化比較試験が以前に比較して少ない、心房細動と慢性期冠動脈疾患を対象とした試験は日本で施行されたAFIREなど少ない、との前提でもNEJMに掲載された論文としてのインパクトは大きくない。

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令和の熱血指導【Dr. 中島の 新・徒然草】(547)

五百四十七の段 令和の熱血指導「暑さ寒さも彼岸まで」とは言うものの、相変わらず暑いですね。ようやく朝夕がマシになったという程度。昼は外に出る気になりません。さて、先日のこと。総合診療科ではローテートしてきた研修医に、自分の経験した症例の中から1例を選んで、スライドを使ったプレゼンテーションをしてもらうことになっています。私の卒後1年や2年の時に比べれば、皆さんはるかに上手な発表をしてくれますが、まだまだ改善の余地ありというのが現状。先日もある研修医が、上級医たちから熱血指導を受けてしまいました。この研修医、まずは5分ほどのプレゼンを何とか終えてホッと一息。その日はたまたま時間に余裕があったので、上級医たちもやる気満々でした。上級医A「じゃあ、最初からスライドを確認しよか」研修医「うっ」ということで一番最初に戻ります。中島「フォントがゴシック系なのは見やすくていいけど、たまに明朝体が混じっているな。統一したほうがいいと思うよ」研修医「確かにそうですね」上級医B「行間が詰まり過ぎで読みにくいから、1.2行とか1.3行とか、もう少しだけ空けようぜ」研修医「気を付けます」上級医C「句読点があったりなかったりするけど、全部、キチンと入れないとイカンぞ」研修医にしたら、内容よりスライドの体裁でいろいろ言われるのが驚きだったようです。終始「はい、すみません」か「わかりました。次から気を付けます」のみ。実際、それ以外の返答はあり得ないですね。ちょっとは中身にも触れておきましょう。中島「このスライドは上の3行で事実を並べて、最後の1行が先生の見解……というか、結論やな」研修医「そうです」中島「でも上の3行と下の結論は、あまり関係なさそうやぞ」研修医「えっ」中島「こういうのは数学の証明問題の解答のつもりで書いてくれ。だから『1、何々。2、何々。3、何々。よってカクカクシカジカ』とロジックがつながるようにすると、聴いているほうも気持ちがいいわけよ」研修医「確かにそのとおりですね」さらに指導は続きます。上級医A「Bab. reflexって何?」研修医「あの、Babinski reflexのつもりなんですけど」上級医A「先生が勝手に略語を作ったら、見ている人が混乱するだろう。できるだけスペルアウトしてくれ」病院によっては略語集というのがあって、使ってもいい略語を決めています。ウチの病院にもあり、作成には私も参加しました。実際、AVMとかCTのレベルなら略語のほうがいいですが、同じ略語でも複数の意味があったりすると厄介ですね。MSだとmitral stenosis(僧帽弁狭窄症)か、multiple sclerosis(多発性硬化症)かわからないし。MRだとmitral regurgitation(僧帽弁閉鎖不全症)ともとれるし、medical representative(医薬情報担当者)の意味でも使われます。上級医B「先生は検査結果の数値が基準値を超えている場合を赤字、基準値未満なら青字としているわけだな」研修医「そうです」上級医B「だったら数字の後ろに“H”とか“L”とか書くのは蛇足だろう。赤字だけにするか、黒字に“H”を付けるか、どちらかにしたほうがスッキリするぞ」研修医「そうですね」上級医C「それよりも検査結果が数値だけで、単位が付いていないのが淋しいなあ。mg/dLみたいな単位を加えようぜ。単位がなかったら“L”がリットルに見えるぞ」研修医「すみません」まだまだ指導は終わりません。中島「『一旦は○○と診断したのだが……』と文章の途中が「……」になって終わっているけど、何のことかな?」研修医「最初に考えていた診断が、後になってちょっとズレていたことに気付きまして」中島「じゃあ、そのとおりに書いたほうがいいと思うよ」上級医A「『したのだが……』って書いたら、そいつはポエムだ。先生は詩人だったのか?」研修医「すみません」ということで、この研修医は1時間近くも解放してもらえませんでした。昭和の時代と違って、上級医たちはできるだけ紳士的な言動を心掛けています。研修医もわれわれの熱意を感じ取ってくれたみたいで、ひたすら恐縮しながらメモを取っていました。ちょっと前日にでもスライドを見てくれと言われていたら、手直しできたのですけど。とはいえ、研修医にそんな余裕がないのは昭和も令和も同じですね。最後に1句スライドの 手直し足らぬ 彼岸かな

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Dr.光冨の肺がんキーワード解説「EGFR exon20挿入変異」【肺がんインタビュー】第103回

第103回 Dr.光冨の肺がんキーワード解説「EGFR exon20挿入変異」肺がんではさまざまなドライバー変異が解明されている。それに伴い、種々の標的治療薬が登場する。それら最新の情報の中から、臨床家が知っておくべき基本情報を近畿大学の光冨徹哉氏が解説する。

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腎盂腎炎に対する内服抗菌薬を極める~スイッチのタイミングなど~【とことん極める!腎盂腎炎】第7回

腎盂腎炎に対する内服抗菌薬を極める~スイッチのタイミングなど~Teaching point(1)抗菌薬投与前に必ず血液/ 尿塗抹・培養検査を提出する(2)単純性腎盂腎炎ではセフトリアキソンなどの単回注射薬を使用し、適切なタイミングで内服抗菌薬に変更する(3)複雑性腎盂腎炎では基本的には入院にて広域抗菌薬を使用する。外来で加療する場合は慎重に、下記のプロセスで加療を行う(4)副作用や薬物相互作用に注意し、適切な内服抗菌薬を使用しよう《今回の症例》78歳、男性。ADLは自立。既往に前立腺肥大症があり尿道カテーテルを留置されている。来院3日前から悪寒戦慄を伴う発熱と右腰背部痛があり当院を受診した。尿中白血球(5/1視野)と尿中細菌105/mLで白血球貪食像があり、訪問看護師からの「尿道カテーテルをしばしば担ぎあげてしまっていた」という情報と併せ、カテーテル関連の腎盂腎炎と診断した。来院時、発熱に伴うふらつき・食思不振がみられたため入院加療とした。尿中のグラム染色とカテーテル留置の背景からSPACE(S:Serratia属、Pseudomonas aeruginosa[緑膿菌]、Acinetobacter属、Citrobacter属、Enterobacter属)などの耐性菌を考慮し、ピペラシリン/タゾバクタム1回4.5gを6時間ごとの経静脈投与を開始し、経過は良好であった。その後、尿培養と血液培養から緑膿菌が検出された。廃用予防のため早期退院の方針を立て、内服抗菌薬への切り替えを検討していた。また入院3日目に嚥下機能を確認したところ嚥下機能が低下していることが判明した。はじめに本項では腎盂腎炎の内服抗菌薬への変更のタイミングや嚥下機能や菌種による選択薬のポイントや副作用などについて述べる。まずひと口に腎盂腎炎といっても、単純性腎盂腎炎と複雑性腎盂腎炎では選択するべき抗菌薬や対応は異なる。 1.単純性腎盂腎炎単純性腎盂腎炎において、(1)ショックバイタルでない、(2)敗血症でない、(3)嘔気や嘔吐がない、(4)脱水症の徴候が認められない、(5)免疫機能を低下させる疾患(悪性腫瘍、糖尿病、免疫抑制薬使用、HIV感染症など)が存在しない、(6)意識障害や錯乱などがみられない、のすべてを満たせば外来での治癒が可能である1)。単純性腎盂腎炎の原因菌はグラム陰性桿菌が約80%を占め、そのうち大腸菌(Escherichia coli)が90%である。そのほかKlebsiella属やProteus属が一般的であることからエンピリックにセフトリアキソンによる静脈投与を行う。その後、治療開始後に静注抗菌薬から経口抗菌薬へのスイッチを考慮する場合、従来からよく知られた指標としてCOMS criteriaがある(表1)。画像を拡大する2.複雑性腎盂腎炎冒頭の症例も当てはまるが、複雑性腎盂腎炎は、尿路の解剖学的・機能学的問題(尿路狭窄・閉鎖、嚢胞、排尿障害、カテーテル)や全身の基礎疾患をもつ尿路感染症である。一番の問題としては再発・再燃を繰り返し、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、Enterobacter属、Serratia属、Citrobacter属、腸球菌(Enterococcus属)などの耐性菌が分離される頻度が増えることである。そのため単純性のように単純にセフトリアキソン単剤→内服スイッチともいかないのが厄介な点である。この罠にはまらないためには、必ず尿塗抹・培養検査を提出しグラム染色を確認することが大切である。基本的には全例入院で加療することが推奨されているが、全身状態良好でかつグラム陰性桿菌が起因菌とわかった際には周囲に見守れる人の確認(高齢者の場合)や連日通院することを約束しセフトリアキソンを投与し、培養結果と全身状態が改善したことを確認して内服抗菌薬を処方する2)。この場合も合計14日間の投与期間が推奨されている1)。なお、複雑性腎盂腎炎を外来加療することはリスクが高く、入院加療が理想である。【内服抗菌薬の使い分け】いずれにせよ培養の結果がKeyとなるが、一般的な内服抗菌薬は以下が推奨されている。処方例3,4)(1)ST合剤(商品名:バクタ)1回2錠を12時間ごとに内服(2)セファレキシン(同:ケフレックス)1回500mgを6〜8時間ごとに内服(3)シプロフロキサシン(同:シプロキサン)1回300mgを12時間ごとに内服(4)レボフロキサシン(同:クラビット)1回500mgを24時間ごとに内服腎機能に合わせた投与量や注意事項など表2に示す。なお、腎機能はeGFRではなくクレアチニンクリアランスを使用し評価する必要がある。画像を拡大する治療期間は一般に5〜14日間であり、選択する抗菌薬による。キノロン系は5〜7日間、ST合剤は7〜10日間、βラクタム系抗菌薬は10〜14日間の投与が勧められている2)。各施設や地域の感受性パターンに基づいて抗菌薬を選択することも大切である。筆者の所属施設では、単純性の腎盂腎炎の内服への切り替えは大腸菌のキノロン系への耐性が20%を超えていることから、セファレキシンやST合剤を選択することが多い。【各薬剤の特徴】<ST合剤>バイオアベイラビリティも良好で腎盂腎炎の起因菌を広くカバーする使いやすい薬剤である。ただし最近では耐性化も進んできており培養結果を確認することは重要である。また消化器症状、皮疹、高カリウム血症、腎機能障害、汎血球減少など比較的副作用が多いため注意して使用する5)。とくに65歳以上の高齢患者では高カリウム血症と腎不全をより来しやすいと報告されており経過中に血液検査で評価する必要がある6)。簡易懸濁も可能なため、嚥下機能低下時や胃ろう造設されている患者でも投与可能である。妊婦への投与は禁忌である。<セファレキシン>第1世代セフェム系抗菌薬であるセファレキシンは、一部の大腸菌などの腸内細菌に耐性の場合があるため、起因菌や感受性の結果を確認することが重要である。また一般的には長時間作用型の静注薬であるセフトリアキソンを初めの1回使用したうえで、セファレキシンを用いることが推奨されている。なお第2世代セフェム系内服抗菌薬であるセファクロル(商品名:ケフラール)はアレルギーの頻度が多いため推奨されていない。第3世代セフェム系抗菌薬(同:メイアクトMS、フロモックス)は、わが国ではさまざまな場面で使用されてきたが、バイオアベイラビリティの関係で処方しないほうがよい。ペニシリン系では、βラクタマーゼ阻害薬配合であれば使用可能とされている。日本のβラクタマーゼ阻害薬配合ペニシリン(同:オーグメンチン)はペニシリン含有量が少なく、アモキシシリン(同:サワシリン)と併用し、サワシリン250mg+オーグメンチン375mgを8時間ごとに投与することが推奨されている。<ニューキノロン系>シプロフロキサシン、レボフロキサシンなどのニューキノロン系については、施設における大腸菌のニューキノロン耐性が10%以下の際は経験的治療として投与が可能とされている。また大腸菌以外に緑膿菌にも効果があることが最大の利点であるため、耐性獲得の点からはなるべく最低限の使用を心がけ、温存することが推奨される。副作用としてQT延長、消化器症状、アキレス腱断裂、血糖異常がある。相互作用として、NSAIDsやテオフィリン(とシプロフロキサシン)との併用で痙攣発作を誘発する7)。妊婦への投与は禁忌である。レボフロキサシンはOD錠があるため、嚥下機能が低下している高齢者にも使いやすい。細粒もあるが、経管栄養では溶けにくいため細粒ではなく錠剤を粉砕する方が望ましい。<ESBL産生菌>extended spectrum β-lactamases(ESBL)産生菌に対する経口抗菌薬としてST合剤やホスホマイシンが知られている。ST合剤は感受性があれば使用可能であり、カルバペネム系抗菌薬に治療効果が劣らず、入院期間の短縮、合併症の減少、医療コストの削減が期待できるとの報告がある8)。ホスホマイシンは、海外では有効性が示されているものの、国内で承認されている経口薬はfosfomycin calciumだが、海外で用いられているのはfosfomycin trometamolであるため注意を要する。fosfomycin trometamolのバイオアベイラビリティは42.3%だがfosfomycin calciumのバイオアベイラビリティは12%にすぎない。近年耐性菌が増加するなかで他剤と作用機序の異なる本剤が見直されてきてはいるが、国内で有効性が示されているのは単純性の膀胱炎のみである7,9)。腎盂腎炎に対する有効性は現在研究中であり、現時点では他剤が使用できない軽症膀胱炎、腎盂腎炎に使用を限定するべきである。《今回の症例のその後》尿培養から検出された緑膿菌はレボフロキサシンへの感性が良好であった。心電図にてQT延長がないことを確認し、入院5日目に全身状態良好で発熱など改善傾向であったことから、レボフロキサシンOD錠1回250mgを24時間ごと(腎機能低下あり、用量調節を要した)の内服へ切り替え同日退院し再発なく経過している。1)山本 新吾 ほか:JAID/JSC感染症治療ガイドライン2015 ─ 尿路感染症・男性性器感染症─. 日化療会誌. 2016;64:1-30.2)Johnson JR, Russo TA. N Engl J Med. 2018;378:48-59.3)Hernee J, et al. Am Fam Physician. 2020;102:173-180.4)Gupta K, Trautner B. Ann Intern Med. 2012;156:ITC3-1-ITC3-15, quiz:ITC3-16.5)Takenaka D, Nishizawa T. BMJ Case Rep. 2020;13:e238255.6)Crellin E, et al. BMJ. 2018;360:k341.7)青木 眞 著. レジデントのための感染症診療マニュアル 第4版. 医学書院. 2020.8)Shi HJ, et al. Infect Drug Resist. 2021;14:3589-3597.9)Matsumoto T, et al. J infect Chemother. 2011;17:80-86.

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第114回 10月からの新型コロナワクチンの値段がヤバイ

10月から定期接種次の新型コロナワクチンの案内はいつ来るのかと待ちわびていたら、秋冬のインフルエンザワクチン接種と時期を合わせるかのように定期接種が開始されることになりました。「2,000~3,000円なら余裕で打つっしょ!」と思っていたら、われわれ非高齢者の医療従事者の自己負担額は…1万5,300円!!!グハッ!鉄板焼の高級店のカウンターで、神戸牛フィレ肉をカットしてもらうくらい高いでんがな!もともと新型コロナワクチンというのは、1回接種すると原価で1万5,300円かかるのです。そもそもが高い。65歳以上の高齢者や、60~64歳の重度の疾患がある場合には定期接種が適用され、安い値段で接種できるような仕組みになっています。この負担軽減は、国と自治体の両方が頑張ってくれていて、渋谷区や足立区のように、高齢者の場合は無料で接種できるところもあるようです。問題はわれわれ任意接種世代です。過去には医療従事者にも新型コロナワクチンの接種費用が減免された時代もありましたが、今やもう一般の方々と同じ扱いです。当院のスタッフに聞いたところ、打たない人のほうが多かったです。子供についても、何らかの助成があってしかるべきと思いますが、今のところ自治体に委ねられているようです。ワクチン流通量は?これまで圧倒的なシェアを得ていたmRNAワクチンが流通量のほとんどを占め1)、おそらく主にこれが選択されるでしょう(表)。SNSで炎上気味のレプリコンワクチンについては400万回程度の流通です。画像を拡大する表. 10月以降流通する新型コロナワクチン(筆者作成)レプリコンワクチンについては、mRNAを自己複製できるという意味ですが、この言葉が独り歩きして、周囲にシェディングをもたらすなどというデマが広まっているようです。生物学の知識があれば、誤ったことであることは読者の皆さんもおわかりかと思いますが…。レプリコンワクチンは、1本16人分なので、集団接種とかそういうことになったら使いやすいかもしれませんが、クリニックや医療機関では外来用に使いづらいかもしれません。外来で聞かれることが増えた最近外来で、「10月以降、新型コロナワクチンを接種すべきかどうか」という質問を患者さんからよくいただきます。個人的には、「これまでインフルエンザワクチンを接種していたなら検討いただく形でよい」と返しています。ただ、この値段だと、全員に強くお勧めするとは簡単に言えなくなりました。最近だと、帯状疱疹ワクチンもそれなりに高いですが、今後ワクチンの原価は上がってくる時代なのかもしれません。参考文献・参考サイト1)厚生労働省 健康・生活衛生局 感染症対策部 予防接種課. 2024/25シーズンの季節性インフルエンザワクチン及び新型コロナワクチンの供給等について(2024年9月2日)

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精神疾患患者の認知機能と自殺リスクとの関連~メタ解析

 うつ病や双極性障害などの治療可能な精神疾患は、自殺リスク因子の大部分を占めており、これらの患者は神経認知機能障害を伴うことが少なくない。カナダ・トロント大学のGia Han Le氏らは、統合失調症感情障害、双極性障害、うつ病患者における認知機能と自殺念慮/自殺企図との関連を調査した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2024年8月19日号の報告。 2024年4月までに公表された研究をPubMed、Ovid、Scopusのデータベースよりシステマティックに検索した。認知機能と自殺念慮/自殺企図との関連についてエフェクトサイズが報告された適格研究を、ランダム効果モデルを用いてプールした。 主な結果は以下のとおり。・分析には、41件の研究を含めた。・統合失調症感情障害およびうつ病患者において認知機能と自殺念慮/自殺企図との負の相関が認められた。【統合失調症感情障害】自殺企図:Corr=−0.78(95%信頼区間[CI]:−1.00~0.98)、自殺念慮:Corr=−0.06(95%CI:−0.85~0.82)【うつ病】自殺企図:Corr=−0.227(95%CI:−0.419~−0.017)、自殺念慮:Corr=−0.14(95%CI:−0.33~0.06)・双極性障害の結果はまちまちであり、自殺企図と全般実行機能との間に有意な正の相関が認められ(Corr=0.08、95%CI:0.01~0.15)、感情抑制と負の相関が認められた。・処理速度、注意力、学習、記憶については、診断横断的にさまざまな結果がみられた。・本研究の限界として、サンプル構成や認知機能測定にばらつきがある点、個々の人口統計および併存疾患に関する情報を用いていない点が挙げられる。 著者らは「認知機能と自殺傾向との間に、診断横断的な関連性が認められた。とくに報酬機能における認知機能障害の相互作用が、精神疾患患者の自殺傾向の根底にある可能性が示唆された。また、衝動制御、計画、作業記憶の認知機能障害が、自傷行為や自殺に影響を及ぼしている可能性がある」としている。

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心房細動を伴う安定冠動脈疾患、エドキサバン単剤が有効/NEJM

 心房細動と安定冠動脈疾患を有する患者の治療において、直接第Xa因子阻害薬エドキサバンと抗血小板薬による抗血栓薬2剤併用療法と比較してエドキサバン単剤療法は、12ヵ月後の全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、全身性塞栓症、予期せぬ緊急血行再建術、大出血または臨床的に重要な非大出血の複合リスクを有意に低下させることが、韓国・蔚山大学校のMin Soo Cho氏らが実施した「EPIC-CAD試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年9月1日号で報告された。韓国の多施設共同無作為化試験 EPIC-CAD試験は、韓国の18施設で実施した非盲検(判定者盲検)無作為化試験であり、2019年5月~2022年9月に参加者を募集した(韓国・心血管研究財団などの助成を受けた)。 年齢18歳以上、心房細動と安定冠動脈疾患(血行再建術による治療歴のある冠動脈疾患、または内科的に管理されている冠動脈疾患と定義)を有し、CHA2DS2-VAScスコア(範囲:0~9点、点数が高いほど脳卒中のリスクが大きい)が2点以上(血栓塞栓症のリスクが高いと判定)の患者を対象とした。 被験者を、標準用量(60mg、1日1回)のエドキサバンを単剤投与する群、または標準用量のエドキサバン+抗血小板薬(治療医の裁量でアスピリンまたはP2Y12阻害薬から選択)を併用投与する群(抗血栓薬2剤併用療法群)に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、12ヵ月の時点における全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、全身性塞栓症、予期せぬ緊急血行再建術、大出血または臨床的に重要な非大出血の複合とした。主要虚血性イベントには差がない 1,040例を登録し、エドキサバン単剤群に524例、抗血栓薬2剤併用療法群に516例を割り付けた。ベースラインの全体の平均(±SD)年齢は72.1(±8.2)歳、22.9%が女性であり、平均CHA2DS2-VAScスコアは4.3(±1.5)点だった。 12ヵ月の時点で、主要アウトカムのイベントは、抗血栓薬2剤併用療法群で79例(Kaplan-Meier推定発生率16.2%)に発生したのに対し、エドキサバン単剤群では34例(6.8%)と有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.44、95%信頼区間[CI]:0.30~0.65、p<0.001)。 また、12ヵ月時に、主要虚血性イベント(全死因死亡、心筋梗塞、脳梗塞、全身性塞栓症の複合)は、エドキサバン単剤群で8例(Kaplan-Meier推定発生率1.6%)、抗血栓薬2剤併用療法群で8例(1.8%)に認めた(HR:1.23、95%CI:0.48~3.10)。出血性イベントが少ない 12ヵ月時までに、大出血または臨床的に重要な非大出血は、抗血栓薬2剤併用療法群で70例(Kaplan-Meier推定発生率14.2%)に発生したのに対し、エドキサバン単剤群では23例(4.7%)であった(HR:0.34、95%CI:0.22~0.53)。 12ヵ月時の大出血の累積発生率は、抗血栓薬2剤併用療法群で4.5%であったのに対し、エドキサバン単剤群では1.3%だった(HR:0.32、95%CI:0.14~0.73)。 著者は、「この結果は、主に出血性イベントの発生率がエドキサバン単剤群で低かったことによると考えられる。虚血性イベントと死亡の発生率は両群で同程度であった」とまとめている。

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オンコマインDx、EGFRエクソン20挿入変異肺がんに対するamivantamab+化学療法のコンパニオン診断として承認/サーモフィッシャ

 サーモフィッシャーサイエンティフィックは2024年9月10日、次世代シーケンシングコンパニオン診断システム「オンコマインDx Target Test マルチCDxシステム(オンコマインDx)」に関して、Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)が申請中の「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異を有する手術不能又は再発非小細胞肺がんに対するアミバンタマブと化学療法の併用療法」を対象としたコンパニオン診断システムとして、一部変更承認を取得したことを発表した。 この承認によりオンコマインDxは、非小細胞肺がんに対して8種類、甲状腺がんに対しては2ドライバー遺伝子、甲状腺髄様がんに対しては1ドライバー遺伝子の変異等を網羅するコンパニオン診断となった。非小細胞肺がん ●BRAF遺伝子V600E変異:ダブラフェニブ/トラメチニブ ●EGFR遺伝子変異(エクソン20挿入変異を除く):ゲフィチニブ、エルロチニブ、アファチニブ、オシメルチニブ、ダコミチニブ ●EGFR遺伝子エクソン20挿入変異:アミバンタマブ ●HER2遺伝子変異:トラスツズマブ デルクステカン ●ALK融合遺伝子:クリゾチニブ、アレクチニブ、ブリグチニブ、ロルラチニブ ●ROS1融合遺伝子:クリゾチニブ、エヌトレクチニブ ●RET融合遺伝子:セルペルカチニブ ●MET遺伝子エクソン14スキッピング変異:カプマチニブ、テポチニブ甲状腺がん ●RET融合遺伝子:セルペルカチニブ ●BRAF遺伝子V600E変異:エンコラフェニブ/ビニメチニブ甲状腺髄様がん ●RET遺伝子変異:セルペルカチニブ

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局所進行直腸がん、TNT+非手術的管理後の遠隔転移とctDNAによる予後予測(NO-CUT)/ESMO2024

 局所進行直腸がんでは、術前に化学療法や放射線療法を集中的に行って腫瘍縮小を最大限に図り、局所制御と遠隔転移のリスクを低減するTotal Neoadjuvant Therapy(TNT)が登場し、世界的な標準治療となりつつある。TNT後に臨床学的完全奏効(cCR)が得られた患者では非手術的管理も検討され、その後の局所転移は19~34%程度と報告されている。非手術的管理後の遠隔転移率と、ctDNA解析によるTNT後の奏効率のバイオマーカー探索を目的とした多施設単群第II相NO-CUT試験が行われ、イタリア・Niguarda Cancer CenterのAlessio Amatu氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2024)のPresidential Symposiumで初回の結果報告をした。・対象:pMMR/MSSの局所進行直腸がん、PS 0~1・方法:CAPOX療法4サイクルに続いて5週間の長時間化学放射線療法のTNTを行い、cCRが得られれば非手術的管理、得られなければ手術を行ったうえでフォローアップ。評価項目:[主要評価項目]30ヵ月時点で生存し、遠隔転移のない患者の割合(DRFS30)[副次評価項目]cCR率、非手術的管理群の臓器温存率 主な結果は以下のとおり。・2018~23年に180例がTNTを受け、164例(91%)がプロトコル通りに治療を完了し、46例(25.5%)がcCRを得て非手術的管理群に割り付けられた。追跡期間中央値は27(SD 3~27)ヵ月だった。・DRFS30は非手術的管理群97%、手術群74%、全体77%であった。・非手術的管理群の臓器温存率は85%(39/46例)だった。・局所再発は、非手術的管理群では15%、手術群では9%で発生した。2024年4月1日時点で、12例の死亡(6.6%)が報告された。内訳は有害事象1例、腫瘍進行9例、その他2例だった。・TNT後のリキッドバイオプシー解析では、ctDNA陰性例ではcCR率が高く、陽性例では手術の有無にかかわらず遠隔転移のリスクが高かった。手術後のctDNAの状態と無増悪生存期間(PFS)にも相関が見られた。その他のマルチオミクス解析は進行中となっている。 Amatu氏は「NO-CUT試験の主要評価項目は達成され、4人に1人がTNT療法によって非手術的管理のベネフィットを得られた。さらに非手術的管理群のDRFS30は97%、臓器温存率は85%と高い結果だった。今後のマルチオミクス解析によって非手術的管理の患者選択はさらに精緻にできるようになるだろう」とした。

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新たな抗PACAPモノクローナル抗体、片頭痛予防に有効か/NEJM

 片頭痛の新たな治療手段として、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)を標的とするアプローチの開発が進められている。デンマーク・コペンハーゲン大学のMessoud Ashina氏らは「HOPE試験」において、プラセボと比較してLu AG09222(PACAPリガンドに対するヒト化モノクローナル抗体)の単回投与は、4週間後の片頭痛の頻度を有意に減少させたことから、PACAPシグナル伝達の阻害は片頭痛の新たな予防的治療戦略となる可能性があることを示した。研究の成果は、NEJM誌2024年9月5日号に掲載された欧州と北米の無作為化プラセボ対照第IIa相試験 本研究は、片頭痛の予防におけるLu AG09222の有効性と安全性の評価を目的に、欧州と北米の25施設で概念実証試験として実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第IIa相試験(投与期間4週間、追跡期間8週間)である(H. Lundbeckの助成を受けた)。 年齢18~65歳、前兆のない片頭痛、前兆のある片頭痛または慢性片頭痛と診断され、発症時期が50歳以下で、過去10年間に2~4つの予防的治療を受けたが効果が得られなかった患者を対象とした。 被験者を、ベースラインでLu AG09222 750mg、同100mg、プラセボを単回静注投与する群に、2対1対2の割合で無作為に割り付けた。 主要エンドポイントは、1~4週目における1ヵ月当たりの片頭痛日数のベースラインからの平均変化量であり、Lu AG09222 750 mg群とプラセボ群で比較した。750mg群で6.2日減少、プラセボ群より2.0日少ない 237例(平均年齢42.5歳[範囲19~65]、女性208例[88%]、白人237例[100%])を登録した。Lu AG09222 750mg群に97例、同100mg群に46例、プラセボ群に94例を割り付けた。 ベースラインの1ヵ月当たりの平均日数は、頭痛が17.4日、片頭痛が16.7日であり、1ヵ月当たりの頭痛または片頭痛の治療薬を使用した平均日数は13.1日であった。 片頭痛日数のベースラインから1~4週目の平均変化量は、プラセボ群が-4.2日であったのに対し、Lu AG09222 750mg群は-6.2日と有意に減少した(群間差:-2.0日、95%信頼区間[CI]:-3.8~-0.3、p=0.02)。 1ヵ月当たりの片頭痛の平均日数がベースラインから50%以上減少した患者の割合は、Lu AG09222 750mg群が32%、プラセボ群は27%であった。また、1ヵ月当たりの頭痛日数のベースラインから1~4週目の平均変化量は、Lu AG09222 750mg群が-5.8日、プラセボ群は-4.1日だった(群間差:-1.7日、95%CI:-3.5~0.0)。有害事象はプラセボ群に比べて多い 12週間における有害事象の件数(78件vs.45件)と1件以上発現した患者の割合(42% vs.32%)は、プラセボ群に比べLu AG09222 750mg群で多かった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)(7% vs.3%)、鼻咽頭炎(7% vs.4%)、疲労(5% vs.1%)の頻度が高かった。 重篤な有害事象は、Lu AG09222 750mg群で1件発現したが、担当医により試験薬との関連はないと判定された。有害事象のために参加を取りやめたり、Lu AG09222の静注投与を中断することはなかった。 著者は、「これらの知見は、Lu AG09222によるPACAPシグナル伝達の阻害が、片頭痛の予防のための新しい、潜在的に有効なメカニズムであることを示しており、概念実証を確証するものである」としている。

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未治療TN乳がんへのカピバセルチブ、化学療法への上乗せ効果示さず(CAPItello-290)/ESMO2024

 切除不能な局所進行または転移を有する未治療のトリプルネガティブ(TN)乳がん患者を対象に、1次治療としてのカピバセルチブ+パクリタキセル併用療法の有効性および安全性を、プラセボ+パクリタキセルと比較した第III相CAPItello-290試験の結果、全生存期間(OS)は有意に改善しなかったものの、無増悪生存期間(PFS)の改善は認められたことを、米国・UT Southwestern Medical CenterのHeather L. McArthur氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2024)で発表した。・試験デザイン:第III相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験・対象:切除不能な局所進行または転移を有し、全身療法を受けていないTN乳がん患者。6ヵ月以内(タキサン系の場合は12ヵ月以内)の術前・術後化学療法歴がある患者は除外された。・試験群(カピバセルチブ群):カピバセルチブ 400mgを1日2回(4週間サイクルの1~3週目の2~5日目)+パクリタキセル 80mg/m2(4週間サイクルの1~3週目の1日目) 404例・対照群(プラセボ群):プラセボを1日2回(4週間サイクルの1~3週目の2~5日目)+パクリタキセル 80mg/m2(4週間サイクルの1~3週目の1日目) 408例・評価項目:[主要評価項目]全患者集団およびPIK3CA/AKT1/PTEN遺伝子変異を有する患者集団におけるOS[主要副次評価項目]全患者集団およびPIK3CA/AKT1/PTEN変異を有する患者集団におけるPFS、安全性・層別化因子:内臓転移の有無、術前または術後化学療法歴の有無、地域・データカットオフ:2024年3月18日 主な結果は以下のとおり。・2019年7月~2022年2月に812例がランダム化された。・年齢中央値はカピバセルチブ群が54.0(範囲:26~85)歳、プラセボ群が53.0(範囲:25~87)歳、閉経後が65.1%および64.2%、内臓転移ありが70.3%および69.6%、de novoが39.9%および41.2%、術前または術後化学療法歴があったのは両群とも50.0%であった。・PIK3CA/AKT1/PTEN変異を認めたのは、カピバセルチブ群30.7%(124例)、プラセボ群30.6%(125例)であった。・全患者集団におけるOS中央値は、カピバセルチブ群17.7ヵ月(95%信頼区間[CI]:15.6~20.3)、プラセボ群18.0ヵ月(95%CI:15.3~20.3)であった(ハザード比[HR]:0.92[95%CI:0.78~1.08]、p=0.3239)。・PIK3CA/AKT1/PTEN変異を有する集団におけるOSは、カピバセルチブ群20.4ヵ月(95%CI:15.7~23.4)、プラセボ群20.4ヵ月(95%CI:14.6~26.9)であった(HR:1.05[95%CI:0.77~1.43]、p=0.7602)。・全患者集団におけるPFS中央値は、カピバセルチブ群5.6ヵ月(95%CI:5.4~7.1)、プラセボ群5.1ヵ月(95%CI:3.9~5.4)であった(HR:0.72[95%CI:0.61~0.84])。・PIK3CA/AKT1/PTEN変異を有する集団におけるPFS中央値は、カピバセルチブ群7.5ヵ月(95%CI:5.6~9.3)、プラセボ群5.6ヵ月(95%CI:5.3~5.7)であった(HR:0.70[95%CI:0.52~0.95])。・全患者集団における奏効率(ORR)は、カピバセルチブ群50.1%、プラセボ群37.6%であった(オッズ比[OR]:1.68[95%CI:1.27~2.23])。完全奏効(CR)は2.2%および1.2%、部分奏効(PR)は47.9%および36.3%であった。・PIK3CA/AKT1/PTEN変異を有する集団におけるORRは、カピバセルチブ群54.1%、プラセボ群41.9%であった(OR:1.63[95%CI:0.99~2.72])。CRは2.5%および1.6%、PRは51.6%および40.3%であった。・全患者集団における有害事象は、カピバセルチブ群98.0%(うちGrade3以上が58.0%)、プラセボ群95.1%(うちGrade3以上が38.8%)に発現した。新たな安全シグナルは認められなかった。

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オシメルチニブ耐性NSCLCへのamivantamab+化学療法、第2回OS中間解析(MARIPOSA-2)/ESMO2024

 オシメルチニブ単剤療法で病勢進行が認められたEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、amivantamab+化学療法±lazertinibの併用療法は、化学療法単独と比べて無増悪生存期間(PFS)を改善したことが、国際共同第III相無作為化比較試験「MARIPOSA-2試験」で報告されている。また、同時に実施された全生存期間(OS)の第1回中間解析において、amivantamab+化学療法の併用療法はOSも良好な傾向にあったことも報告されている1)。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2024)において、英国・Royal Marsden HospitalのSanjay Popat氏がOSの第2回中間解析の結果を発表した。・試験デザイン:国際共同第III相無作為化比較試験・対象:オシメルチニブ単剤療法で病勢進行が認められたEGFR変異(exon19delまたはL858R)陽性NSCLC患者・試験群1(ALC群):amivantamab+lazertinib+化学療法(カルボプラチン+ペメトレキセド)263例・試験群2(AC群):amivantamab+化学療法(同上)131例・対照群(C群):化学療法(同上)263例・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)評価に基づくPFS(ALC群vs.C群、AC群vs.C群)[副次評価項目]全生存期間(OS)、症状進行までの期間(TTSP)、治療開始から後治療までの期間(TTST)、PFS2(後治療後のPFS)、安全性など[探索的評価項目]治療開始から中止までの期間(TTD)など・解析計画:OSの第2回中間解析は、75%のイベント発現時に実施することが事前に規定され、本解析の有意水準は両側α=0.0142であった。 今回は、AC群とC群の比較結果が報告された。報告された主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値18.1ヵ月時点におけるOS中央値は、AC群17.7ヵ月、C群15.3ヵ月であり、AC群が改善する傾向にあったが、今回の解析では統計学的有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.54~0.99、p=0.039)。18ヵ月OS率は、それぞれ50%、40%であった。・TTSP中央値は、AC群16.0ヵ月、C群11.8ヵ月であり、AC群が長かった(HR:0.73、95%CI:0.55~0.96、p=0.026[層別log-rank検定])。・TTD中央値はAC群10.4ヵ月、C群4.5ヵ月であり、AC群が長かった(HR:0.42、95%CI:0.33~0.53、p<0.0001[層別log-rank検定])。18ヵ月時点の試験治療継続率は、それぞれ22%、4%であった。・TTST中央値は、AC群12.2ヵ月、C群6.6ヵ月であり、AC群が長かった(HR:0.51、95%CI:0.39~0.65、p<0.0001[層別log-rank検定])。・PFS2中央値は、AC群16.0ヵ月、C群11.6ヵ月であり、AC群が良好であった(HR:0.64、95%CI:0.48~0.85、p=0.002[層別log-rank検定])。18ヵ月PFS2率は、それぞれ39%、27%であった。 Popat氏は、本結果について「第2回OS中間解析においても、amivantamab+化学療法は化学療法単独と比べてOSが良好な傾向がみられた。病勢進行後の評価項目についても、amivantamab+化学療法は化学療法単独と比べて、持続的な改善が認められた」とまとめた。なお、本試験は継続中であり、OSの最終解析が予定されている。

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米国の2型糖尿病有病率が過去10年で2割近く上昇

 米国では過去10年間で2型糖尿病有病率が約20%上昇したとする論文が、「Diabetes, Obesity and Metabolism」に7月18日掲載された。論文の筆頭著者である、米ジョージア大学のSulakshan Neupane氏は同大学発のリリースの中で、「米国では糖尿病患者数が日々増加していて、今後数年間でさらに増加するだろう。糖尿病のために発生する経済的負担は、直接的な医療費のほかに生産性の低下などの間接的なものも含めれば、約4120億ドルに上る。既に莫大な額だが、糖尿病患者の増加を背景に、今後さらに増大するだろう」との予測を述べている。 この研究には、毎年40万人以上の成人を対象に行われている継続的な健康調査のデータが用いられた。解析の結果、2型糖尿病有病率は2012年には10.18%(95%信頼区間10.01~10.36)であったものが、2022年には12.10%(同11.96~12.26)となり、この10年間で18.86%、有意に上昇していたことが明らかになった(P<0.001)。 また、2型糖尿病の最も大きなリスク要因は年齢であることも示唆された。例えば、18~44歳に比較した場合、65歳以上の高齢者ではオッズ比が10倍以上に上った(調整オッズ比〔aOR〕10.23〔9.99~10.47〕)。45~64歳のオッズ比も5倍以上だった(aOR5.16〔5.05~5.29〕)。 所得や教育歴も、有病率と有意な関連が認められた。年間所得7万5,000ドル以下/超で二分して比較すると高額所得者のオッズは4割以上低く(aOR0.59〔0.58~0.61〕)、高校卒業後にも教育を受けた人はそうでない人よりもが2割強低かった(aOR0.76〔0.75~0.78〕)。 性別に関しては、女性に比べて男性においてオッズがやや高かった(aOR1.15〔1.13~1.16〕)。BMIカテゴリーで比較すると、普通体重(BMI18.5~24.9)を基準として、過体重(同25~29.9〔日本ではこの範囲も肥満に該当〕)はaOR1.57(1.54~1.60)、肥満(同30以上)はaOR3.64(3.57~3.71)だった。一方、習慣的な運動を行っている場合はaOR0.68(0.67~0.69)であり、オッズが有意に低かった。人種/民族での比較では、黒人のオッズが最も高かった(白人を基準としてaOR2.10〔1.98~2.22〕)。 2012年から2022年にかけての有病率の変化を州ごとに比較した場合、南部と中西部の州でより大きな増加が観察され、特にアーカンソー州、ケンタッキー州、ネブラスカ州での増加が顕著だった。Neupane氏は、「政策立案者や公衆衛生当局は、これらの地域における2型糖尿病予防に重点を置く必要がある」と述べている。 同氏はまた、「2型糖尿病のリスク因子を特定し、それを軽減するために行動することが重要だ。年齢や人種などのリスク因子は変えられないが、健康的な食生活、活動的なライフスタイルの維持、体重管理など、リスクを下げるためにできることはいろいろある」と、人々に行動の変化を呼びかけている。

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血栓溶解療法にアルガトロバンやGPIIb/IIIa阻害薬の併用は有効か(解説:内山真一郎氏)

 このMOST試験は、米国の57施設が参加した単盲検の無作為化比較試験である。発症後3時間以内に血栓溶解療法を施行した虚血性脳卒中患者に血栓溶解療法開始75分以内にアルガトロバン、eptifibatide(GPIIb/IIIa阻害薬)、プラセボのいずれかを投与したところ、1次評価項目であった90日後の効用加重修正Rankinスケール(mRS)はプラセボ群よりアルガトロバン群で有意に高く(高いほど転帰良好)、eptifibatide群もプラセボ群より若干高く、安全性の1次評価項目であった症候性頭蓋内出血は3群間で有意差がなかったが、アルガトロバンやeptifibatideの併用療法により脳卒中後遺症は減らず、死亡が増加したと結論しており、抄録では結果と結論が矛盾している。 本来、臨床試験の結論は原則として1次評価項目の結果に基づいて下されるべきである。確かに従来の転帰判定に用いられてきた90日後のmRSの分布図を見ると、アルガトロバンやeptifibatideがプラセボより優れているようには見えず、死亡例がアルガトロバン群で有意に多かった理由は考察しているものの、1次評価項目の結果については何の考察もなしに結論では無視されていることに疑問を感じる。対象の40%は血栓除去術が施行されており、途中から血栓溶解薬がアルテプラーゼより有効なtenecteplaseが使用されるようになり、抗凝固薬や抗血小板薬の併用効果が証明しにくくなっていたことだけは確かである。

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標準治療の方法は世界に1つ?(解説:後藤信哉氏)

 冠動脈インターベンション治療後の抗血小板薬併用療法を強化し続けた時代があった。心血管イベントリスクのみに注目すればアスピリンにクロピドグレル、さらに標準化されP2Y12受容体阻害効果が強化されたプラスグレル、チカグレロルと転換するメリットがあった。しかし、安全性のエンドポイントである重篤な出血合併症は、抗血小板療法の強化とともに増加した。冠動脈インターベンション後、血栓イベントリスクの高い短期間のみ抗血小板併用療法を行い、時間経過とともに単剤治療に戻す抗血小板薬治療の「de-escalation」が注目された。本研究では薬剤溶出ステント後に、2週間~3ヵ月の抗血小板薬併用療法後に抗血小板薬を「de-escalation」した症例と12ヵ月以上抗血小板併用療法を継続した症例を比較した。過去のランダム化比較試験の、個別症例あたりのメタ解析なのでエビデンスレベルは高い。 予想されたように重篤な出血イベントリスクは「de-escalation」した症例が、しない症例よりも少なかった。心血管イベントリスクには差異がなかった。臨床医の実感のように短期間の抗血小板併用療法後は、抗血小板薬単剤で十分であることが示唆された。「de-escalation」したほうが死亡すら少なくなるのは、重篤の出血イベントの抗血栓薬中止による心血管死亡、出血死亡などのためと考える。 本研究の提示するエビデンスは明確であるが、残念ながら日本では適応できない。本研究の対象とされた90mg bidのチカグレロルは日本を中心に施行されたPHILO試験ではクロピドグレルに対する優越性を示せなかった。日本では90mg bidチカグレロルは標準治療ではない。個別症例を標的とした多数のランダム化比較試験のメタ解析であっても、最初の症例選定クライテリアが異なる国には応用できない。われわれはclinical trialistsの1人として患者集団の標準治療のシステム的改善を目指した。しかし、世界に正解は多数あるのかもしれない。

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寄り道編(9)アスピリン開発の歴史【臨床力に差がつく 医薬トリビア】第58回

※当コーナーは、宮川泰宏先生の著書「臨床力に差がつく 薬学トリビア」の内容を株式会社じほうより許諾をいただき、一部抜粋・改変して掲載しております。今回は、月刊薬事64巻2号「臨床ですぐに使える薬学トリビア」の内容と併せて一部抜粋・改変し、紹介します。寄り道編(9)アスピリン開発の歴史Questionアスピリンの開発に大きく貢献したのはエドワード・ストーン? それともエドモンド・ストーン?

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