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「空腹時血糖値≧126mg/dL」に合理性なし?

WHOならびにADAが採用している空腹時血糖値(FPG)正常上限「126mg/dL」は、これを超えると細小血管症のリスクが増加する値だとWHOでは解説している(WHO/NCD NCS/99.2) 。これに対しUniversity of MelbourneのTien Y Wong氏らは、Lancet 誌2008年3月1日号において、そのような閾値は存在しないと主張している。 3つの横断研究でFPGと網膜症の関係を検討同氏らが依って立つのは、大規模な横断的住民研究3件、Blue Mountains Eye(BME)研究(3,162例)、Australian Diabetes、Obesity and Lifestyle(ADOL)研究(2,182例)とMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA:6,079例)──である。これらのデータより糖尿病性網膜症の発症が増加するFPG閾値を求めたが、MESAでは明白な値が得られず、BMS研究では93.6mg/dL、ADOL研究では113.4mg/dLだった。モデルを変更して解析し直しても、閾値はやはり得られなかったという。また「FPG≧126mg/dL」の糖尿病性網膜症に対する感度は40%しかなかった。規準の見直しが必要だこれらよりWong氏らは、FPG規準の見直しが必要だと主張している。しかしWHOガイドラインが126mg/dLをFPG閾値としているのは糖負荷後2時間値の200mg/dLと相関するというのが主たる理由であり、細小血管症との相関は副次的な扱いとなっている。(宇津貴史:医学レポーター)

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国内最大級の糖尿病患者データベースを使った「糖尿病バロメーター」を発表

3月11日、ノボ ノルディスク ファーマ株式会社と有限責任中間法人糖尿病データマネジメント研究会は、糖尿病ケアの指標を示す「糖尿病バロメーター」プロジェクトを共同で開始することを発表した。「糖尿病バロメーター」プロジェクトとは、糖尿病患者の大規模実態調査をもとに、日本の糖尿病治療の現状を把握しようという試みで、主要指標としてグリコヘモグロビンA1C(HbA1c)平均値を用いて数値のモニタリングと改善を行うプロジェクト。糖尿病データマネジメント研究会が管理している国内最大級の糖尿病患者データベースから数値を導き出し、日本糖尿病学会が設定した目標値との比較において状況を評価する、という。詳細はプレスリリースへhttp://www.novonordisk.co.jp/documents/article_page/document/PR_08_02.asp

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ケアネット、「ジェネリック医薬品白書2007-2008」を発表

株式会社ケアネットは、2008年4月からのジェネリック医薬品使用促進策に関する厚生労働省の発表を受けて、医師・薬剤師のジェネリック医薬品の使用実態・使用意向に関する調査を実施、『ジェネリック医薬品白書2007-2008』としてまとめました。本白書は、2007年8月、および2008年2月に、医療専門サイト「ケアネット・ドットコム」の会員医師(延べ1,428人)・会員薬剤師(延べ530人)に対して実施した調査の結果を分析したものです。調査結果によると、2007年8月時点での処方実態は、医師からの処方箋の85%が先発医薬品名での処方であり、そのうち「後発医薬品変更可」は23%であった。「後発医薬品変更可」のうち実際ジェネリック医薬品に切替えられたのは17%。したがって、先発医薬品処方のうち、ジェネリック医薬品に切替わった処方は3%足らずである。一方、「ジェネリック医薬品推進派(切替え容認)」の推移を見ると、医師では、2007年8月の24%に対し、2008年2月には31%に増加。同様に薬剤師では16%に対し、24%に増加しており、いずれも拡大傾向にある。また、ジェネリック医薬品の使用意向は医師・薬剤師ともに拡大傾向にあるものの、ジェネリック医薬品の情報不足などの理由で、医師より薬剤師のほうが慎重な姿勢をとっていることが窺える。特にジェネリック医薬品の今後の使用意向について、21%の薬剤師は 「製薬企業からの情報提供により、先発品か後発品かを決める」 と回答。また、32%の薬剤師は「態度未定」と回答している。中でも、今後はジェネリック医薬品の使用は、大学病院や国立病院機構などの門前薬局や、個人経営の薬局などから拡大する可能性が高いことが伺えた。薬効領域別にみると、特に「消化性潰瘍治療剤」「降圧剤」などで、ジェネリック医薬品の使用が進む可能性がある結果となった。 『ジェネリック医薬品白書2007-2008』について医師、薬剤師の属性別に、ジェネリック医薬品の使用実態や使用意向、ならびに使用理由、非使用理由、在庫状況、患者への対応、製薬企業のMR活動などを詳細に分析しています。2006年から2008年までのジェネリック医薬品の使用実態・使用意向の推移データも掲載しています(全62頁)。製薬企業に限定した特別価格 1部10万円(税別)で提供する予定です。 『ジェネリック医薬品白書2007‐2008』 に関するお問合わせマーケティング調査事業部 電話:03-6801-0507

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マラウイの小児の重症の貧血に対するWHO勧告は限定的

アフリカの子供たちにとって、重症の貧血は疾病罹患や死亡の主因になっているが、この集団の貧血の原因は、これまで十分に研究されていなかった。エマ小児病院(オランダ)のJob C. Calis氏らは、ウエルカム・トラストの臨床研究プログラムの援助を得て現地調査を行い、一般に貧血の原因とされる鉄と葉酸欠乏は主因ではないとして、WHOの推奨する葉酸サプリメントの効用に疑問を投げかけている。NEJM誌2008年2月28日号より。都市部と農村部で重症貧血の原因因子を比較対照マラウイの都市部と農村部の未就学児のうち、それぞれ重症の貧血(ヘモグロビン濃度

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死亡率は低下しなかった:敗血症性ショックでのvasopressin投与

vasopressinは、難治性敗血症性ショックにおいて血圧低下を改善するカテコールアミン製剤の補助薬として一般的に用いられるが、死亡率への影響は明らかにされていない。カナダのJames A. Russell氏らVASST研究グループ(Vasopressin and Septic Shock Trial)は、低用量vasopressin投与はノルエピネフリン(ノルアドレナリン)投与と比較して死亡率を低下させる、との仮説を立て臨床試験を行った。NEJM誌2008年2月28日号より。敗血症性ショック患者に2剤を無作為に割り付け敗血症性ショックでノルエピネフリンを最小用量5μg/分の投与を受けていた計778例の患者を、低用量vasopressin(0.01~0.03U/分)を投与する群396例と、ノルエピネフリン(5~15μg/分)を投与する群382例に無作為に割り付けた多施設共同無作為化二重盲検試験が行われた。いずれもプロトコルに従い、目標血圧を維持するために漸増・漸減。主要エンドポイントは注入開始から28日後の死亡率とした。28日後、90日後の死亡率などで有意差見いだせず結果は、vasopressin群とノルエピネフリン群の投与開始28日後死亡率(それぞれ35.4%と39.3%、P = 0.26)、90日後死亡率(同43.9%と49.6%、P = 0.11)のいずれでも有意差は認められなかった。また、少なくとも1つの深刻な有害事象の発生率においても、全体として有意差は確認できなかった(同10.3%と10.5%、P = 1.00)。敗血症性ショックの重症度がより低いとされていた患者群では、vasopressin群はノルエピネフリン群より28日後の死亡率が低かった(26.5%対35.7%、P = 0.05)。一方、重篤とされていた患者群では、28日後死亡率に有意差はなかった(同44.0%と42.5%、P = 0.76)。この2階層間に不均質性の有意性は見いだされなかった(P = 0.10)。これらの結果から研究グループは、カテコールアミン系昇圧薬の投与を受けている敗血症性ショック患者に、低用量vasopressinの投与を用いても、ノルエピネフリン投与と比較して死亡率は低下しなかったと報告した。

34026.

トラコーマ排除は年2回の抗生剤大量投与で可能

トラコーマの治療エンドポイントは「排除」にあるとされる。「空飛ぶ病院」で知られるオービス・インターナショナル(エチオピア)のMuluken Melese氏らは、年2回の治療が結膜クラミジア感染を就学前児童から排除できるかどうかを、世界保健機関(WHO)が勧告する年1回治療と比較し検討した。JAMA誌2008年2月20日号より。1歳以上の就学前児童を対象に結膜クラミジア感染率と排除率を比較トラコーマは結膜がクラミジア菌感染を繰り返すことで発症し、アフリカやアジアの多発地域ではいまだに失明原因の1割程度を占めている。治療は抗生剤の反復投与が推奨されるが、トラコーマを抑制することはできても、根絶あるいは局地的排除には至らないとされている。抗生剤投与を中止すれば、クラミジアに対する免疫を失ったコミュニティで再感染が起こる懸念がある。Melese氏らは、エチオピアの16地方の村の全居住者を対象とし、2003年3月から2005年4月にかけて、大量アジスロマイシン投与の年2回対年1回のクラスタ無作為化試験を行った。1歳以上の子ども全員に、経口アジスロマイシン(日本国内商品名:ジスロマック)の単回投与を毎年または半年ごとに定期的に実施した。主要評価項目は、結膜クラミジア感染の村落出現率と、24ヵ月時点の就学前児童に対するPCR法(ベースライン出現率で補正)で、排除が確認できた率で判定した。抗生剤の年2回大量投与が有意に高い排除率示す条件を満たした16,403例のうち、14,897例(90.8%)が定期的治療を受けた。年1回投与を受けた村落では、24ヵ月目の感染出現率は平均42.6%(範囲14.7%~56.4%)から6.8%(同0.0%~22.0%)に減少した。一方、半年ごとに投与された村落での感染出現率は、投与前の31.6%(同6.1%~48.6%)から、24ヵ月目には0.9%(同0.0%~4.8%)まで減少。年2回投与のほうが出現率がより低いこと(P=0.03、ベースライン出現率で補正)が確認された。また24ヵ月目には、年2回投与の8つの村のうち6つで、年1回投与の村では8つのうち1つの村で感染が確認されなかった(P=0.049、ベースライン出現率補正後)。研究グループは、広域にわたる年2回の抗生剤大量投与を必要とするが、それによって結膜クラミジア感染多発地域であっても局地的排除が可能となると報告している。(朝田哲明:医療ライター)

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SSRI抵抗性思春期うつ病には投与薬剤変更+認知行動療法併用を

 うつ病の若者のうち、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)による初期治療に反応するのは60%程度にすぎず、その後の治療法はデータに基づく指針はない。そこで米国ピッツバーグ大学のDavid Brent 氏らは、SSRI抵抗性思春期うつ病患者に対して、4つの治療法を試験。SSRIの変更と認知行動療法の併用が、より高い臨床効果を挙げると報告している。JAMA誌2008年2月27日号より。12~18歳334例を薬剤変更と認知行動療法の有無に無作為化 初回診断で大うつ病とされ、SSRIによる2ヵ月間の初期治療に反応しなかった12~18歳の患者334例を対象としたTORDIA無作為化試験は、2000~2006年にかけて、米国の大学病院と地域の医療機関計6ヵ所で実施された。12週にわたり(1)初期治療とは異なるSSRI[パロキセチン(日本国内商品名:パキシル)、citalopramまたはfluoxetine、20~40mg]への変更、(2)異なるSSRIへの変更と認知行動療法併用、(3)選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)venlafaxine(150~225mg)への変更、(4)venlafaxineへの変更と認知行動療法併用の4群に無作為に割り付けられた。 主要評価項目は、Clinical Global Impressions-Improvement scoreが2以下(非常にまたは格段に改善)と、Children’s Depression Rating Scale-Revised (CDRS-R)が少なくとも半数の子供たちで改善していること、またCDRS-Rの経時的変化によって測定した。venlafaxine療法では血圧、脈拍数上昇と皮膚病頻発 奏効率は認知行動療法+薬剤変更群(54.8%、95%信頼区間:47~62%)のほうが、単なる薬剤変更群(40.5%、同33~48%)より高かった(P=0.009)。しかしvenlafaxine群(48.2%、同41~56%)とSSRI群(47.0%、同40~55%)に違いはなかった(p=0.83)。 CDRS-Rや、うつ症状の自己評価、自殺念慮、その他の有害事象発生率に、治療による差はなかった。ただしSSRI群と比べてvenlafaxineで、拡張期血圧と脈拍数の増大、皮膚病の頻発が確認された。 Brent 氏は「SSRIによる初期治療に反応しなかったうつ病の若者に、抗うつ薬変更と認知行動療法を組み合わせると、薬剤変更だけより高い臨床効果が得られる。またSSRI変更は、第4世代の抗うつ薬とされるvenlafaxineへの変更と同程度に有効で、副作用もより少ない」と結論付けている。

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【トピック】子供への効果的な性教育とは?

文部科学省が過激な性教育が問題化したことを受けて教員向けの性教育指針を大幅に刷新することがわかったばかりだが、ロイターによると、子供への性教育は、親子間で形式的な内容を話し合って終わりにするのではなく、性交渉の多くの側面を繰り返し話し合うべきとの調査結果を発表した、という。南カリフォルニアの11から15歳の子供312人を対象に性交渉について親との話し合いの頻度や内容をランド研究所が調べたもので、子供との話し合いが多い親は子供との距離も近い傾向にあり、話し合いの内容が思春期や性病などの一般的なものから、自慰行為や性交渉時の感覚などの個人的な内容に移行する際も比較的スムーズに進む、とのこと。最近発表された北海道学校保健審議会の調査(中高生4,330人を対象)によると、高校生3年生では男女とも4割を超える生徒が経験があり、、2001年の前回調査時から、さらに性体験の低年齢化が進んでいることがわかった。その中で性に関する情報の入手先として「雑誌、テレビなど」が減る一方、「インターネットなど」が増えている。また中高生の出会い系の利用も増えており、それらが若者の性感染症の拡大の原因にもなっていると指摘される。子供への性の情報に関して、家庭も見直しが必要なのかもしれない。記事はこちらhttp://news.ameba.jp/world/2008/03/11641.htmlどこまでが過激な性教育かディベート開催中(医師限定)http://blog.carenet.com/

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【トピック】肥満防止には朝食を食べる方が良い!

朝食を食べることが推奨されるが、ロイターによると、朝食を食べる若者の方が朝食を抜く若者よりも体重が軽く、よく体を動かし、健康的な食生活を送っているとの調査結果が明らかになった、という。調査はミネソタ州に住む2,216人の若者を対象に行われ、普段朝食を食べる若者ほど肥満度を測る指数であるBMIが低いこと、常に朝食を抜く人は毎日食べる人に比べて体重が平均2.3キロ多いことがわかった。日本でも若者の間に朝食を食べない人が増えているが、ある調査では授業中にイライラしにくい子の9割が朝食を食べているのに対し、イライラしやすい子では5割以下と報告されている。食育の視点も重要視され、学校給食でも様々な取り込みがされているが、朝食となると家庭の問題がクローズアップされている。中にはお菓子のような朝食が増えているとも聞く。日本はお米と味噌汁が一番か!?記事はこちらhttp://news.ameba.jp/world/2008/03/11654.html

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直接的レニン阻害剤「ラジレス錠」国内で承認申請

ノバルティスファーマは高血圧治療薬「ラジレス錠」(アリスキレンフマル酸塩)の製造販売を承認申請したと発表した。高血圧症を引き起こすきっかけとなる酵素のレニンを直接阻害する薬剤で、承認を取得できれば、新しい作用の仕組みを持つ高血圧治療薬としては、日本で十数年ぶりの新製品になるとみられる。 すでに米国で2007年3月、欧州連合(EU)でも同8月に承認されるなど世界40カ国以上で承認を取得済み。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20080303.html

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不眠症治療薬「ラメルテオン」の承認を申請

武田薬品工業は、自社開発の不眠症治療薬「ラメルテオン」(一般名、開発コード:TAK-375)の製造販売承認を厚生労働省に申請したと発表した。ラメルテオンは脳内で睡眠と目覚めのサイクルをつかさどる「MT1/MT2受容体」に作用し、自然な睡眠をもたらすという。米国では「ロゼレム」という製品名で2005年7月に米食品医薬品局(FDA)から販売許可を取得し、同年9月から販売している。詳細はプレスリリースへhttp://www.takeda.co.jp/press/article_26201.html

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外傷性脳損傷の臨床使用可能な予後予測モデルが開発。ネットで利用可能

臨床で使用できる外傷性脳損傷の簡便な予後モデルが、Medical Research Council(MRC) CRASH(corticosteroid randomisation after significant head injury)試験の研究グループによって開発された。BMJ誌2008年2月23日号(オンライン版2008年2月12日号)で報告され、すでにインターネット上で利用可能だ(www.crash2.lshtm.ac.uk/)。毎年、世界で約150万人が外傷性脳損傷で死亡し、数百万人が緊急治療を受けているが、その90%が低~中所得国の事例という。既存のモデルは一般に方法論的な質が低く、サンプルサイズが小さく、低~中所得国を含むものは少ない。14日死亡率、6ヵ月死亡/重度身体障害率を予測MRC CRASH試験は、外傷性脳損傷患者を対象とした大規模なプロスペクティブ研究。研究グループは、14日死亡率および6ヵ月死亡/重度身体障害率を算出する臨床的な予後予測モデルを開発、その妥当性を検証した。対象は、Glasgow coma scale≦14、発症後8時間以内の外傷性脳損傷患者。2つのアウトカムに関連する変数を抽出するために多変量ロジスティック回帰分析を行った。基本モデルは背景因子および臨床所見に関連する変数に限定し、CTモデルは基本モデルにCT所見を付加した。いずれのモデルも高所得国と低~中所得国に分けて検討した。基本モデルの4つの指標、CTモデルの5つの指標を同定1万8例が登録され、8,509例で外的妥当性の検証を行った。基本モデルの予後指標は、年齢、Glasgow coma scale、瞳孔反応、大きな頭蓋外損傷(入院を要する損傷)の4つであった。また、CTモデルによる付加的指標は、点状出血、第3脳室あるいは基底槽の閉塞、くも膜下出血、正中線偏位(mid-line shift)、non-evacuatedな血腫の5つであった。誘導群(derivation sample)では、モデルの判別(discrimination)はexcellent(C統計>0.80)、較正(calibration)はgoodであった。Hosmer-Lemeshow検定でも、低~中所得国のCTモデルを除き較正はgoodと判定された。高所得国における6ヵ月の不良なアウトカムの外的妥当性は、基本およびCTモデルともにgood discrimination(両モデルともC統計=0.77)であったが、較正はpoorerであった。以上により、研究グループは「外傷性脳損傷のアウトカムを予測する簡便な予後モデルが確立された。アウトカム予測の強度は、その国の所得の高低によって変化する」と結論している。なお、インターネット上では、国名を指定したうえで、基本モデルの4つの指標を選択し、CT所見がある場合は5つの指標の有無を指定すれば、2つのアウトカムの確率と95%信頼区間が自動的に算出される。(菅野守:医学ライター)

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重労働介護による背部痛は、アドバイスやトレーニングでは予防できない

重量物の持ち上げ作業に従事する労働者の背部痛の予防に、仕事技術およびリフティング設備に関するアドバイスやトレーニングは効果がないことが、フィンランド労働衛生研究所(ヘルシンキ)のKari-Pekka Martimo氏らが実施した系統的レビューによって明らかとなった。このようなアドバイスやトレーニングは、背部痛リスクの管理法として広く行われているが、その効果は疑問視されていた。BMJ誌2008年2月23日号(オンライン版2008年1月31日号)掲載の報告。無作為化対照比較試験とコホート研究が解析対象研究グループは、Cochrane Back Group’s specialised registerなど9つのデータベースを検索した。1次解析では無作為化対照比較試験に、2次解析では同時対照群が設定されたコホート研究に焦点を当てた。介入は、重量物や患者の持ち上げ作業技術の修正を目的とするものとし、主要評価項目として背部痛の測定、その結果としての身体機能障害、病気休暇を含む試験を解析の対象とした。2名の研究者が別個に試験の適格性および方法の質を評価した。データを統合するために類似の介入法を比較した試験の結果を集約し、メタ解析における結果の統合にはオッズ比および効果サイズ(effect size)を用いた。最終的に、1次解析と2次解析の結果の比較を行った。1次、2次解析ともに有意差を認めず6つの無作為化試験および5つのコホート研究が選択規準を満たした。2つの無作為化試験とすべてのコホート研究は質が高いと判定された。8つの試験が重量物の持ち上げ作業や患者の搬送を、3つの試験は手荷物運搬員あるいは郵便作業員を対象としていた。対照群は、非介入あるいはトレーニング、身体運動、back beltの使用を最小限にしていた。無作為化試験(合計登録例数:1万7,720例)では介入群と対照群に有意な差は認めなかった。コホート研究(同:772例)に関する2次解析でも有意差を認めず、無作為化試験の結果を支持するものであった。Martimo氏は、「リフティング設備の有無にかかわらず、背部痛あるいはその結果としての身体機能障害の予防法として、仕事技術のアドバイスやトレーニングを支持するエビデンスは存在しない」と結論し、「この知見は、現在広く行われている正しいリフティング技術に関するアドバイスに異論を唱えるもの」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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むしろ死亡率が上昇、重症急性膵炎に対するプロバイオティクス予防投与

 急性膵炎の感染合併症に対する予防治療としてのプロバイオティクス腸内投与はむしろ死亡率を高めることが、オランダUtrecht大学医療センター外科のMarc G H Besselink氏らDutch Acute Pancreatitis Study Groupの研究によって明らかとなった。急性膵炎では感染合併症とその関連死が大きな問題となるが、プロバイオティクスは細菌の過増殖を抑制することで感染合併症を予防し、消化管のバリア機能を修復して免疫系を調整する可能性が指摘され、期待を集めていた。Lancet誌2008年2月23日号(オンライン版2008年2月14日付け)掲載の報告。多菌種混合プロバイオティクス製剤腸内投与の感染合併症予防効果を評価 本研究は、重症急性膵炎に対するプロバイオティクス予防投与の効果を評価する多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験。対象は、急性膵炎と診断され、重症化が予測される[Acute Physiology and Chronic Health Evaluation (APACHE II)スコア≧8、Imrie/modified Glasgowスコア≧3、C反応性蛋白>150mg/L]症例とした。 症例は発症72時間以内に、多菌種混合プロバイオティクス製剤(153例)あるいはプラセボ(145例)に無作為に割り付けられ、28日間にわたり1日2回腸内投与された。主要評価項目は、入院期間およびフォローアップ期間(90日)における複合感染合併症(感染性膵壊死、菌血症、肺炎、尿路性敗血症、感染性腹水)の発現とした。プロバイオティクス群で感染合併症が低下せず、死亡率は有意に上昇 プロバイオティクス群152例、プラセボ群144例が解析の対象となった。両群間でベースライン時の患者背景および疾患重症度に差は見られなかった。 感染合併症の発症率はプロバイオティクス群が30%(46例)、プラセボ群が28%(41例)であった(相対リスク:1.06、95%信頼区間:0.75~1.51)。死亡率はそれぞれ16%(24例)、6%(9例)とプロバイオティクス群で有意に高かった(2.53、1.22~5.25)。プロバイオティクス群の9例が腸虚血をきたし、そのうち8例が死亡したのに対し、プラセボ群では腸虚血は認めなかった(p=0.004)。 Besselink氏は、「今回用いた菌種の組み合わせによるプロバイオティクス製剤の予防投与は重症急性膵炎の感染合併症のリスクを低減させず、死亡リスクはむしろ上昇した」と結論し、「他の菌種を用いた場合は異なる結果が得られる可能性があるが、基礎的メカニズムが明らかとなるまでは使用すべきでない。最も重要な点は、もはやプロバイオティクスは経腸栄養の補助療法として無害とはいえないことだ」と考察している。

34035.

政策評価には質の高い研究が不足、低~中所得国の医療の人的資源対策

低~中所得国の医療の人的資源に関する政策を評価するには、改善策の有効性を検討した質の高い総合的な研究が不足していることが、南アフリカ医療研究評議会(ケープタウン)医療システム研究科のMickey Chopra氏らの研究で明らかとなった。訓練された医療従事者の適切な供給と配置、そして医療サービスを提供する能力の管理は、特に低~中所得国において政策立案者が直面する喫緊の課題とされる。Lancet誌2008年2月23日号掲載の報告。人的資源に関する政策の効果を評価した研究を収集研究グループは、MedlineおよびEmbase(1979~2006年9月)、Cochrane Library、Human Resources for Health Global Resource Centerのデータベース、5つの関連専門誌10年分を検索し、専門家にも問い合わせてデータを収集した。解析対象には、医療従事者の訓練、配置、規制、経済、管理、組織、能力に影響を及ぼす政策を評価した英語の系統的レビューも含めた。2名の研究者が別個に、レビューの適格性および質を評価し、政策の有効性に関するデータを系統的に抽出した。政策の効果の公正性、スケールアップの適合性、低~中所得国への適用性について評価を行った。低~中所得国の試験は数編のみ759編の系統的レビューのうち28編が適格規準を満たしたが、このうち低~中所得国の試験は数編のみで、質の低いものも含まれた。医療の人的資源に影響を及ぼす国レベルの広範な政策に関するレビューはひとつもなかった。人的資源の組織メカニズム(個々の医療職間の代用や仕事の変更など)、役割の拡大、能力増強策(質の改善や生涯教育の戦略など)、チームワークの促進、ワークフローの変更については多くのエビデンスが認められた。Chopra氏は、「低~中所得国の政策立案者が医療の人的資源の計画・管理を目的に導入した介入策を評価したり、政策立案者の参考となる研究成果を提供するには、これらの国における人的資源の改善策の有効性を検討した質の高い総合的な研究がもっと必要なことが明らかとなった」と結論している。(菅野守:医学ライター)

34036.

冠動脈バイパス術でのアプロチニン投与は死亡率を高める

アプロチニン(商品名:トラジロール、バイエル社)は、冠動脈バイパス術(CABG)において出血を抑えるために投与されるが、この治療によって死亡率が高まることを示唆するエビデンスが次々と寄せられた。バイエル社はすでに2007年11月5日、同製剤の一時販売停止を発表。日本国内でも同11月7日付けで商品名「トラジロール5万単位」が一時販売停止となっている。本論は、ハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院のSebastian Schneeweiss氏らによる報告で、NEJM誌2008年2月21日号に掲載された。3タイプの解析法で死亡率を検討Schneeweiss氏らの研究は、CABG施行日にアプロチニン投与またはアミノカプロン酸投与が確認された患者を対象に行われた。対象の死亡退院者数を表数化し、3タイプの解析法を実施。1つは一次解析として「多変量ロジスティック回帰分析」を、2つ目がサブ患者コホートでの「傾向スコア分析」。サブ患者コホートには、試験薬を全量投与受けた者で、試験期間中50例以上のCABGを行った外科医により施術を受けた者、手術が入院3日目以降だったため共変量に関する10の追加情報が入手可能だった者の条件に見合った者が選択された。3つ目が「操作変数因子分析」で、担当外科医の嗜好が2つの試験薬の選択時に強くあらわれていた患者からのデータを対象としたもの。患者・外科医の特性、交絡因子補正後もアプロチニンの死亡率の高さは変わらずアプロチニン投与患者は総計33,517例、アミノカプロン酸投与患者は総計44,682例で、死亡はそれぞれ1,512例(4.5%)、1,101例(2.5%)だった。患者および病院特性41項目補正後の推定死亡リスクは、アプロチニン投与群でアミノカプロン酸投与群より64%高かった(相対リスク1.64)。また手術後7日間のアプロチニン投与群の院内死亡リスクは1.78。傾向スコア法による相対リスクは1.32だった。そして操作変数因子分析から、アプロチニンの使用は、患者100人あたり1.59件の超過死亡リスクと関連していることが判明した(95%信頼区間:0.14~3.04)。術後の血管再生と透析の施行も、アプロチニン投与群のほうがアミノカプロン酸投与群より頻度が高かった。以上からSchneeweiss氏らは、「アミノカプロン酸よりもアプロチニン投与を受けた患者のほうが死亡率は高率だった。患者あるいは外科医の特性による差異は見られず、対照群との交絡因子を調整するいかなる解析を試みた結果でも変わりはなかった」と結論づけた。(朝田哲明:医療ライター)

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脊椎管狭窄症をめぐる手術 vs 非手術の比較研究

Spine Patient Outcomes Research Trial(SPORT)は、全米11州13医療施設(脊椎専門クリニック)から集まった研修者によって立ち上げられたスタディで、脊椎診療に関する多方面からの研究を行っている。本論は同研究チームからの、脊柱管狭窄症をめぐる外科的治療 vs 非外科的治療の比較研究の報告。脊椎管狭窄症手術は広く行われているが、非外科的治療との効果の検証結果はこれまで示されていなかった。NEJM誌2008年2月21日号に掲載。外科的治療対象者を無作為コホートあるいは観察コホートに割り付け2年追跡比較研究は無作為化試験にて、13の脊椎専門クリニックの患者を対象に行われた。最低でも12週にわたる症状を訴え、脊椎管狭窄症の既往歴があり、画像診断で脊椎すべり症ではないと確認され外科的治療の候補となった患者を、無作為コホートもしくは観察コホートのいずれかに登録。治療は減圧術か一般的な非外科的治療が施された。主要評価項目は、36項目からなるQOL評価票SF-36(Medical Outcomes Study 36-item Short-Form General Health Survey6)を用いて身体的疼痛スコアと身体機能スコアを、および腰痛評価法で用いられるOswestry Disability Index(ODI)にて評価。6週、3ヵ月、6ヵ月、1年、2年の時点におけるスコアおよび指標が測定された。手術の治療効果が有意に高い各群の登録患者は、無作為コホート289例、観察コホート365例。2年時点において、手術群に無作為割り付けされた患者のうち、実際に手術を受けたのは67%。非外科的治療に割り付けられた患者も43%が手術を受けていた。無作為コホートの全例解析からは、対象者が割り付けられた治療を完結していない、あるいははじめから受けていないといった割合が高かったにもかかわらず、手術の治療効果が有意に高いことが示された。SF-36の身体疼痛スコアのベースラインからの変化の平均差は7.8(95%信頼区間:1.5~14.1)に上る。ただし身体機能スコアやODIに有意差はなかった。また両コホートを統合し因子を補正した上で行われたas-treated解析からは、3ヵ月時点まで、すべての主要評価項目について手術のほうが有意に優れていることが示され、その有意性は2年の時点まで保たれていた。研究チームは、「手術を受けた患者のほうが、非外科的治療患者よりすべての主要評価項目について有意な改善を示した」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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甲状腺切除後の投与はレボチロキシンのみでT3投与は必要ない

甲状腺ホルモンにはトリヨードサイロニン(T3)とサイロキシン(T4)があり、細胞活性はT3が数倍強いが、血中を循環するのはおもにT4といわれる。また甲状腺を切除した患者ではT3の産生が望めず、その欠乏は避けられないとされ、切除患者には甲状腺ホルモン剤レボチロキシン(LT4)投与とT3投与の併用療法が行われる。しかしT3を併用投与することの効果は確認されていない。そこでジョージタウン大学医療センターのJacqueline Jonklaas氏らは、標準的なLT4療法を受けた患者のT3産生レベルが、甲状腺切除前より本当に下がるのかどうかを評価するプロスペクティブ研究を行った。JAMA誌2008年2月20日号より。血中T3レベルを全摘の前と後で比較本研究は2004年1月30日から2007年6月20日にかけて行われた。試験参加患者は18~65歳の甲状腺機能は正常だが、甲状腺腫、良性小結節、甲状腺の疑い、または診断が確定したため甲状腺全摘を予定していた50例。摘除後にLT4を投与。術後血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)レベルの維持に留意し、良性の甲状腺疾患患者にはTSHレベルを正常に保つよう、甲状腺患者にはTSHレベルを抑制するよう、LT4投与量は必要に応じて調整された。主要評価項目はT4、T3、TSHの各レベルとし、術前・術後に各2回測定された。LT4による標準治療でT3レベルは維持された研究終了までにLT4を投与された患者のT3レベルは、術前と比較して、有意な低下はみられなかった(平均値:術前129.3ng/dL、術後127.2ng/dL、P=0.64)。低値を示していることが確認されたのは、血中TSH濃度が4.5mIU/Lまたはそれ以下にならなかった患者群(P<0.001)。しかし患者の94%は試験終了までに正常値の4.5mIU/Lまたはそれ以下に達している。一方T4レベルは、もともとのT4レベルと比較して有意に高いことが確認された(平均値:術前1.05ng/dL、術後1.41ng/dL、P<0.001)。これらの結果から研究グループは、甲状腺のほとんどあるいは全部を摘除した患者ではLT4投与のみの標準治療で正常なT3レベルは維持されており、このことは血中T3レベルを術前の内生レベルに維持するのにT3投与は必要でないことを示唆していると結論づけている。(朝田哲明:医療ライター)

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入院患者の心停止からの生存率は「夜間」「週末」は低い

入院患者の心停止の発生・生存状況について、これまで時刻や曜日に着目した検討はされていなかった。Virginia Commonwealth UniversityのMary Ann Peberdy氏らは、夜間および週末では異なる発生・生存パターンがあるのではないかと仮定し、確認を試みた。JAMA誌2008年2月20日号にて掲載されている。全米86,748人の登録データを解析検討は、「夜間」および「週末」に起きた心停止後の結果が、「日/夕方」「平日」と比較して異なるかどうか、心停止から1時間ごとの生存率を調査し行われた。「日/夕方」:午前7時00分~午後10時59分、「夜間」:午後11時00分~午前6時59分、そして「週末」:金曜日午後11時00分~月曜日午前6時59分と定義。全米507医療施設からの心停止イベント記録が登録されているNational Registry of Cardiopulmonary Resuscitationから、2000年1月1日~2007年2月1日の成人86,748人のデータが解析された。主要転帰は「退院生存」、第2転帰は「生存(20分以上の自発循環回復)」「24時間生存」「神経学的転帰良好」とし、オッズ比と多変量ロジスティック回帰分析を用いて比較された。退院生存:夜間14.7% 対 日/夕方19.8%。週末格差はなし時間帯で見ると、「日/夕方」発生が58,593例(平日43,483例、週末15,110例)、「夜間」発生は28,155例だった(平日20,365例、週末7,790例)。退院生存は「夜間」14.7%に対し「日/夕方」19.8%、20分以上の自発循環回復44.7%対51.1%、24時間生存28.9%対35.4%、神経学的転帰良好11.0%対15.2%で、「夜間」のほうが「日/夕方」に比べて実質的に低かった(すべてP<0.001)。また「夜間」の発生パターンとして、不全収縮が頻繁だったこと(39.6%対33.5%、P<0.001)、心室細動が少なかったこと(19.8%対22.9%、P<0.001)が確認された。「日/夕方」発生の生存を「平日」と「週末」で比較してみると、前者のほうが高い(20.6%対17.4%、オッズ比:1.15)。ただし「夜間」発生の退院生存は、「平日」と「週末」でほとんど違いはみられなかった(14.6%対14.8%、オッズ比1.02)。以上から Peberdy氏らは、「患者、イベント、病院特性因子を調整しても、入院患者の心停止からの生存率は、夜間と週末でより低い」と結論づけている。(武藤まき:医療ライター)

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【トピック】約半数が「自分はメタボ」と自覚

 民間のネットリサーチ会社のディムスドライブが行った「特定健康診査・特定保健指導」に関するアンケートによると、半数の人が「自分はメタボリックシンドローム・予備群だと思う」という結果が出た。調査は2008年1月23日~1月31日にかけて行い、10代から60代以上まで全国のモニター9,863人から回答を得たもので、「メタボリックシンドロームだと思う」は16.0%、「メタボリックシンドロームの予備群だと思う」は32.6%、その合計は48.6%に及んだ。 特に40代男性で多く、65.8%に上った。また50代男性も65.2%あった。 あくまでも本人の意識であり、適正な診断を受けたものではないが、メタボに対する意識は高いようである。

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