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一般市民による心肺蘇生は胸骨圧迫に集中させた方がよいか?(その1)

一般市民による心肺蘇生(CPR)について、米国ワシントン大学のThomas D. Rea氏らは、「胸骨圧迫を重視させるべきとの戦略を後押しする結果を得た」とする、胸骨圧迫単独実施と胸骨圧迫+人工呼吸実施との有効性を比較した無作為化試験の結果を報告した。全体的な生存率改善に関しては両群で有意な差はみられなかったが、発作時の臨床症状別で解析した結果で、単独実施群の生存率の方が高い傾向がみられたという。NEJM誌2010年7月29日号掲載より。通報者へのCPR指示を、胸骨圧迫単独実施群、+人工呼吸実施群に無作為化し検討一般市民によるCPRで、人工呼吸を実施することの有効性については明らかになっていない。Rea氏らは、胸骨圧迫単独実施よりも、胸骨圧迫+人工呼吸併用実施の方が、生存率を改善するであろうと仮定し、多施設共同無作為化試験(米国ワシントン州キング郡とサーストン郡、英国ロンドン市)を行った。試験は、救急医療サービスに通報があった際に、通信隊員が胸骨圧迫のみを実行するよう指示する場合、もしくは胸骨圧迫+人工呼吸を実行するよう指示する場合に無作為に割り付け実行された。対象は、18歳以上の院外心停止のケース(外傷、溺水、仮死状態は除く)で、通信隊員が、通報してきた現場に居合わせた一般市民によるCPR実行が必要と判断した場合だった。主要評価項目は、生存退院とし、副次評価項目は、神経学的転帰良好な生存退院[CPC(Cerebral Performance Category)5段階評価で1、2に該当]とされた。なお、患者に対する事前承諾は行われなかったが、生存回復後に試験に組み入れられていたことが知らされた。生存退院者割合は有意差認められず、ただし……患者登録は3地域トータルで、2004年6月1日~2009年4月15日に行われ計1,941例が試験に組み入れられた。内訳は、胸骨圧迫単独群に割り付けられたのは981例、胸骨圧迫+人工呼吸併用群は960例だった。結果、生存退院した人の割合は、単独群12.5%、併用群11.0%で、両群間に有意差は認められなかった(絶対差:1.5ポイント、95%信頼区間:-1.4~4.4、P=0.31)。副次評価項目の、神経学的転帰良好で生存退院した人の割合も両群間に有意差は認められなかった(それぞれ14.4%、11.5%、P=0.13)。ただし臨床症状別に検討した事前規定のサブグループ解析の結果、単独群の方が生存退院者の割合が高い傾向がみられた。すなわち、心原性心停止ケースにおける生存退院者の割合は、単独群15.5%に対し併用群12.3%(P=0.09)、AED適応ケースでは単独群31.9%に対し併用群25.7%(P=0.09)だった。(武藤まき:医療ライター)

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2型糖尿病治療薬rosiglitazone vs. ピオグリタゾン

65歳以上の2型糖尿病治療薬rosiglitazone服用者は、ピオグリタゾン(商品名:アクトス)服用者と比べて、脳卒中・心不全・全死亡リスクが増大、急性心筋梗塞も加えた複合イベントリスクも増大することが明らかにされた。米国食品医薬品局(FDA)のDavid J. Graham氏らが、約23万人の米国高齢者向け公的医療保険メディケア加入者について調べ報告したもので、JAMA誌2010年7月28日号(オンライン版2010年6月28日号)で発表された。これまでの研究でも、rosiglitazoneの服用が、重篤な心血管疾患イベントの発生リスク増大につながる可能性が示唆されていた。rosiglitazoneまたはピオグリタゾン服用者を最長3年間追跡同研究グループは、65歳以上でメディケアに加入し、2006年7月~2009年6月の間にrosiglitazoneまたはピオグリタゾンの服用を開始した22万7,571人について、最長3年にわたり追跡した。被験者の平均年齢は、74.4歳だった。エンドポイントは、急性心筋梗塞、脳卒中、心不全それぞれの発症と、総死亡、またそれらすべての複合イベントだった。rosiglitazone服用者は脳卒中リスク1.27倍、心不全1.25倍結果、追跡期間中のエンドポイントいずれかを発生した件数の合計は、8,667件だった。rosiglitazone服用者のピオグリタゾン服用者に対する、イベント発生に関する補正後ハザード比は、脳卒中が1.27(95%信頼区間:1.12~1.45)、心不全が1.25(同:1.16~1.34)、死亡が1.14(同:1.05~1.24)、複合イベントは1.18(同:1.12~1.23)だった。急性心筋梗塞については、1.06(同:0.96~1.18)と、有意差はなかった。また、ピオグリタゾン服用者に対するrosiglitazone服用者の、複合イベントの寄与リスクは1.68(95%信頼区間:1.27~2.08)イベント/100人・治療年だった。有害必要数は1年間で60(同:48~79)人への治療だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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34~37週未満での後期早産児、RDSなど呼吸性疾患リスク増大

妊娠34週~37週未満の後期早産では、新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)などの呼吸器疾患発生リスクが、妊娠39~40週の満期出産に比べ有意に増大することが、米国内最新の大規模データで裏付けられた。この点に関するデータはこれまで、10年以上前の、米国外データによるものしかなかったが、米国イリノイ大学シカゴ校のJudith U. Hibbard氏らが、米国内約23万件の出産データを基にして調べ明らかにした。JAMA誌2010年7月28日号掲載より。2万弱の早産児のうち、36.5%がNICU同研究グループは、米国内の病院19ヵ所(12機関)での、2002~2008年の23万3,844件の出産について、後ろ向きに追跡した。主要評価項目は、RDS、新生児一過性多呼吸、肺炎、呼吸不全、振動換気法または通常換気法によるサポートの発症・発生だった。その結果、追跡期間内の後期早産1万9,334件のうち、7,055人(36.5%)が新生児集中治療室(NICU)入室となり、2,032人に呼吸機能障害が認められた。一方、満期出産は16万5,993人で、うちNICU入室となったのは1万1,980人(7.2%)、呼吸機能障害がみられたのは1,874人だった。RDS発症は妊娠38週の0.3%に対し34週の10.5%RDSを発症したのは、妊娠38週の0.3%(4万1,764児中140児)に対し、妊娠34週の新生児では10.5%(3,700児中390児)と大幅に高率だった。その他の呼吸器疾患について、妊娠38週と妊娠34週の新生児について比べてみると、新生児一過性多呼吸の発症率は0.4%対6.4%、肺炎は0.1%対1.5%、呼吸不全は0.2%対1.6%と、いずれも34週の群で高率だった。同傾向は、振動換気法または通常換気法によるサポートについても認められた。RDSの発症リスクは、妊娠34週から週数の増加につれて低下し(補正後オッズ比が34週40.1→38週1.1)た。妊娠37週の39~40週に対するオッズ比は3.1だったが、38週では有意差はなくなった。この傾向は、新生児一過性多呼吸(補正後オッズ比が34週14.7→38週1.0)、肺炎(同7.6→0.9)、呼吸不全(同10.5→1.4)についても認められた。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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投身自殺名所への防止柵設置で自殺は減ったか? 既遂者約1万5,000人の解析

カナダ・トロント市の投身自殺名所の橋への自殺防止柵設置によって、その橋での自殺は解消されたものの、市全体の自殺率には変化がなかったことが、Sunnybrook Health Sciences Centre and Women’s College Hospital(トロント市)のMark Sinyor氏らの調査で明らかとなった。今回の結果と同様、これまでの調査でも防止柵設置後に全体の自殺率が低下したとの報告はない。一方、柵の設置がある程度自殺を予防しているのか、あるいは単に別の橋が代用されたり別の手段で自殺が試みられているのかははっきりしていないという。BMJ誌2010年7月24日号(オンライン版2010年7月6日号)掲載の報告。自殺防止柵設置前後の自殺既遂者約1万5,000人の記録を調査研究グループは、年間の投身自殺率が「金門橋(Golden Gate Bridge、アメリカ・サンフランシスコ市)」に次いで世界で2番目に高率の橋である「ブロア通り高架橋(Bloor Street Viaduct、カナダ・トロント市)」への自殺防止柵の設置が、自殺率に変化をもたらしたかについて調査を行った。対象は、1993~2001年(自殺防止柵設置前の9年間)および2003年7月~2007年6月(設置後の4年間)のオンタリオ州主席検死官事務所の記録に記載された自殺既遂者1万4,789人。主要評価項目は、ブロア通り高架橋、その他の橋、高層建築物からの人口当たりの年間投身自殺率、および他の手段による年間自殺率とした。投身自殺への誘惑に満ちた特別の場所ではないことが判明トロント市の人口当たりの年間投身自殺率は、ブロア通り高架橋への自殺防止柵設置前が56.4、設置後が56.6であり、設置前後で全体的な変化はみられなかった(p=0.95)。防止柵設置前のブロア通り高架橋における平均年間投身自殺率は9.3であったのに対し、設置後は自殺は1件も起きていない(p<0.01)。ブロア通り高架橋以外の橋における平均年間投身自殺率は、柵設置前の8.7に対し設置後は14.2と有意に増加しており(p=0.01)、高層建築物からの投身自殺率は設置前の38.5から42.7へと増大したものの有意な差は認めなかった(p=0.32)。著者は、「ブロア通り高架橋での投身自殺は防止柵の設置によって解消されたが、トロント市全体の人口当たりの年間投身自殺率に変化はなかった。その原因は、他の橋や高層建築物からの投身自殺が代償的に増加したためと考えられる」と結論し、「これらの知見により、ブロア通り高架橋が人を自殺に誘う独特の場所ではないこと、また防止柵を設置しても近隣に代わりになる橋などがあれば絶対自殺率には影響がない可能性が示唆される」と指摘する。(菅野守:医学ライター)

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首つりした人の多くは、その後1年以内に同じ方法で自殺に成功:未遂者約5万人の解析

 首つり/絞首/窒息による自殺未遂歴のある者は、その後の自殺成功率がレファランス(服毒自殺未遂)の6倍以上にのぼり、87%が1年以内に目標を達成し、90%以上が未遂と同じ方法で死亡していることが、スウェーデン・カロリンスカ研究所臨床神経科学部のBo Runeson氏らが実施したコホート研究で判明した。自殺は主要な死亡原因であり、自殺のリスクがある者の評価法および治療法のいっそうの改善は一般臨床における最優先課題である。自殺未遂歴はその後の自殺既遂の強力なリスク因子であり、精神疾患と自殺企図が共存する場合は既遂リスクがさらに増大するという。BMJ氏2010年7月24日号(オンライン版2010年7月13日号)掲載の報告。初回自殺未遂の方法別の転帰を解析 研究グループは、未遂に終わった自殺の方法とその後の自殺既遂リスクの関連を検討するために、フォローアップ期間が21~31年に及ぶ全国的な長期コホート研究を実施した。 対象は、1973~1982年の入院患者のうち過去に自殺未遂歴のある4万8,649人で、1973~2003年までの自殺既遂状況を調査した。Cox多変量回帰モデルを用い、服毒を基準として初回自殺未遂の方法別の転帰について解析を行った。首つり未遂した人はその後90%以上が首つりで自殺に成功していた フォローアップ期間中に5,740人(12%)が自殺した。自殺既遂リスクは、以前に未遂に終わった自殺の方法によって大きなばらつきがみられた。 転帰が最も不良だったのは、以前に未遂に終わった自殺の方法が首つり、絞首、窒息の者であった。すなわち、この群の男性の54%(258人)および女性の57%(125人)が後に自殺に成功しており(年齢、性別、教育歴、国外からの移住状況、精神疾患の併発状況で補正後のハザード比:6.2、95%信頼区間:5.5~6.9)、87%(333人)は未遂後1年以内に目標を達成していた。 これ以外の未遂自殺の方法(ガス自殺、高所からの飛び降り、拳銃や爆薬の使用、入水)は、その後の自殺既遂リスクが首つりに比べて有意に低かったが、それでもハザード比は1.8~4.0に達していた。 刃物などで身体を切る、刺すなどの方法(補正ハザード比:1.0)、その他の方法(同:0.9)、自殺未遂の遅発効果やその他の自傷行為による損傷(同:0.7)がその後に自殺既遂に至るリスクは、レファランスカテゴリーとした服毒(未遂法の84%を占め、最も多い)とほぼ同じレベルであった。 自殺成功者のほとんどが、未遂に終わった自殺の方法と同じ方法で死亡しており、たとえば首つり未遂者はその90%以上が首つりで自殺に成功していた。著者は、「社会人口学的な交絡因子や精神疾患の併発状況で補正を行っても、未遂に終わった自殺の方法によってその後の自殺既遂リスクを予測できることが示された」と結論し、「首つり、入水、拳銃や爆薬、高所からの飛び降り、ガス自殺が未遂に終わった者には、強力なアフターケアを行うべきである」と主張している。

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患者は「明細書」をどう見ているか?

QLifeは7月30日、今年度から多くの医療機関の会計窓口で原則発行義務化された「明細書」について、患者にアンケート調査を行い、2010年4月以降に医療機関を受診した全国511名から回答を得た結果を発表した。調査は、2010年4月以降に医療機関を1度以上受診した511名を対象に、2010年7月14日~20日にインターネット上で行われた。それによると、領収書とは別に明細書が無料発行されることを患者の7割が知っており、実際に受け取ったことがあるという回答も9割近くにのぼった。ただし、第一印象は「領収書と差がない」「2回目からは不要」など様々で、内容を見ることさえしなかった人も24%いた。また「裏側を広告に使うべき」との回答が65%あった。明細書のメリットについては、「請求に安心」「医療機関に信頼感が増す」が多かった。「医療を勉強しやすく」「治療内容について医療者と話しやすく」という人も5割を超えた。患者の約半分が、過去に請求に疑問や不信感を抱いたことがあるが、質問をしなかった人も多く、こうした経験を持つ人の方が明細書の発行を高く評価していた。詳細はこちらhttp://www.qlife.co.jp/news/1322.html

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骨粗鬆症患者は、治療薬への期待と効果にギャップを感じている?

日本イーライリリー株式会社は7月30日、骨粗鬆症治療の現状を把握するため、代表的な治療薬である骨吸収抑制剤で薬物治療中の65歳以上の女性患者103名を対象に実施した、現在の病状や治療薬に関するインターネット調査の結果を発表した。調査の実施時期は2010年5月。その結果、現在治療中の患者の約半数(47.6%)は服用中の治療薬について十分な満足を感じておらず、最も不満を感じているのは「効果を実感するまでの期間」(37.5%)であることがわかった。さらに、治療を開始してから骨密度が「減っている」(4.8%)または「変わらない」(51.5%)と答えた人が半数以上(56.3%)おり、また、約1割(10.7%)の患者が治療薬服用中に骨折を経験していることも確認できたという。一方、患者の多くが、「骨密度を増やしたい」(76.7%)、「骨折をしたくない・繰り返したくない」(54.4%)、「骨粗鬆症を完治させたい」(42.7%) という目的を持って治療を開始しており、治療薬への期待と実際に感じる効果にギャップがあることが明らかになったとのこと。詳細はプレスリリースへhttps://www.lilly.co.jp/pressrelease/2010/news_2010_15.aspx

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飲用水に含まれるヒ素が死亡率を増大、バングラデシュの調査

長期にわたる飲用水を介したヒ素曝露が死亡率を増大させていることが、アメリカ・シカゴ大学のMaria Argos氏らがバングラデシュで実施したコホート研究(HEALS試験)で示された。バングラデシュ国民の350~770万人を含め、世界で数百万の人々が飲用水を介して慢性的にヒ素に曝露されている。しかし、これまでヒ素曝露と死亡率との関連について個人レベルのデータを用いてプロスペクティブに検討した調査はなかったという。Lancet誌2010年7月24日号(オンライン版2010年6月19日号)掲載の報告。 ヒ素曝露量との死亡の関連を検討する前向きコホート研究HEALS試験の研究グループは、バングラデシュ国民を対象に、長期的および直近のヒ素曝露状況の変動と、全死亡や慢性疾患死との関連について評価するために、プロスペクティブなコホート研究を実施した。バングラデシュ・アライハザール(Araihazar)在住の地域住民1万1,746人(18~75歳)を抽出し、訓練を受けた医師が面接して臨床的な評価を行った。参加者の登録は2000年10月~2002年5月に行い、2年に1回のフォローアップを実施した。2009年2月までに得られたデータにつき、交絡因子を補正のうえCox比例ハザードモデルを用いてヒ素曝露量別の死亡率のハザード比(HR)を算出した。井戸水のヒ素含有量、毎日のヒ素曝露量、尿中総ヒ素濃度と死亡率が相関2000年10月~2009年2月の間に407人の死亡が確認された。多変量解析により、ベースライン時にヒ素含有量が10.0μg/L以下の井戸水を飲用している住民との比較において、含有量10.1~50.0μg/L、50.1~150.0μg/L、150.1~864.0μg/Lの井戸水を飲用している住民の全死亡の補正HRを算出したところ、それぞれ1.34(95%信頼区間:0.99~1.82)、1.09(同:0.81~1.47)、1.68(同:1.26~2.23)であり、ヒ素曝露が死亡率を増大させていることが示唆された。同様に、毎日のヒ素曝露量や尿中総ヒ素濃度の解析でもヒ素曝露と死亡率の関連が示された。一方、直近のヒ素曝露量の変動(2年毎に測定された尿中総ヒ素濃度の差)は死亡率にさほど影響を及ぼさなかった。著者は、「飲用水を介した長期的なヒ素曝露が死亡率の増大と関連することが示された」と結論し、「このコホートのフォローアップデータは、ヒ素曝露の長期的な影響や曝露量の変動の影響を評価する際に使用できるだろう。ヒ素曝露による健康被害を軽減する方策の立案と医療資源の確保が喫緊の課題である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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1型糖尿病妊婦に対するビタミンC/E投与は、子癇前症を予防しない

1型糖尿病の妊婦に対しサプリメントとしてビタミンCとビタミンEを投与する方法は、子癇前症のリスク低下には効果がないことが、イギリスRoyal Victoria病院(ベルファスト)のDavid R McCance氏らによる無作為化試験(DAPIT試験)で示された。子癇前症は、妊娠後期にみられる妊娠誘発性の高血圧と新規発症の蛋白尿で特徴付けられる多系統疾患であり、未経産、20歳未満、40歳以上、肥満、子癇前症の既往歴、多胎妊娠、慢性高血圧・腎疾患・自己免疫疾患・抗リン脂質症候群・糖尿病などの既存疾患がリスク因子となることが指摘されている。既存疾患のない妊婦に抗酸化物質を投与しても子癇前症は低下しないことがすでに報告されているが、糖尿病の妊婦に対するビタミン類の効果は不明だという。Lancet誌2010年7月24日号(オンライン版2010年6月26日号)掲載の報告。ビタミンC/Eとプラセボで子癇前症予防効果を評価DAPIT試験の研究グループは、1型糖尿病の妊婦を対象にサプリメントとしてのビタミンCとビタミンEの投与が子癇前症の発症に及ぼす効果を評価するために無作為化プラセボ対照比較試験を実施した。イギリスの25施設から、妊娠前に1型糖尿病に罹患しており、妊娠8~22週、単胎妊娠、16歳以上の女性が登録された。これらの妊婦が、分娩まで1日1回ビタミンC 1,000mg+ビタミンE 400IU(α-tocopherol)を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。試験関係者と参加者には、治療割り付け情報は知らされなかった。主要評価項目は、子癇前症(蛋白尿を伴う妊娠高血圧)の発症とし、modified ITT解析が行われた。子癇前症発症率:15% vs. 19%、有意差はないがベネフィットの可能性も2003年4月~2008年6月までに762人の妊婦が登録され、ビタミンC/E投与群に379人が、プラセボ群には383人が割り付けられた。子癇前症の評価は、ビタミンC/E投与群の375人、プラセボ群の374人で可能であった。子癇前症の発症率は、ビタミンC/E投与群が15%(57/375人)、プラセボ群は19%(70/374人)であり、両群間に差を認めなかった(リスク比:0.81、95%信頼区間:0.59~1.12)。母体および新生児ともに有害事象の報告はなかった。著者は、「サプリメントとしてビタミンCとビタミンEを投与する方法は、1型糖尿病の妊婦における子癇前症のリスクを低下させなかった」と結論したうえで、「ベースライン時に抗酸化物質が低下した状態にある女性では、サプリメントとしてのビタミン類の投与がベネフィットをもたらす可能性は残されているため、さらなる検討を要する」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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ストラテラ(アトモキセチン)がADHD(注意欠陥/多動性障害)18歳以降も継続使用可能に(日本イーライリリープレスセミナーより)

日本イーライリリーは、7月28日「ADHDのある子どもに、将来を見据えた支援を~小児期から、思春期・成人期への視点~」と題しプレスセミナーを開催した。セミナーでは、国立国際医療研究センター国府台病院 精神科部門 齊藤万比古氏が「ADHDの経過と支援」を、ADHD患者の親である高橋洋輔氏(仮名)が、お子さんの経過と今後についてそれぞれ発表した。セミナーの中で齊藤氏は次のように述べた。ADHDは通常幼児期または児童期に見出される障害であり、成人期には障害を残すことが少ないという理解があった。しかし、近年の欧米の研究では、58~68%のADHD患者の親が「症状は青年期以降も持続している」と評価しているとするデータも出てきており、実臨床の経験からも成人期以降も課題が残ることは明らかである。ADHDは、原疾患に行動障害や情緒障害が併存し、やがて反社会性の進行、内在化障害の進行といった二次障害に発展する。実際、多くの患者が疾患を認識する頃にはすでに二次障害を併存しており、病態は複雑化している。ADHD当事者の青年期以降の困難は、内在性障害(大うつ病、不安障害など)、抑うつパーソナリティ、アルコールなどの物質使用障害、反抗挑戦性障害のリスクが高いことにある。また、反抗挑戦性障害と薬物乱用が重なると、うつ・不安障害をきたしやすいとされる。そのため、ADHD治療は症状の改善だけでなく、社会適応上の障害がほとんど問題にならないよう支援することも目標となる。このように、青年期以降も多くの精神的社会的リスクを抱え続けることとなるADHD患者においては、児童期からの継続治療と支援は必須であるといえる。ADHDのお子さんを抱える高橋洋輔氏(仮名)は、現在の状況には光を見いだしているが、コンサータ(メチルフェニデート)とストラテラの2剤でコントロールしている症状が、18歳からはストラテラ1剤しか使用できなくなることに不安を感じるとコメントした。今回、ストラテラが18歳以降も継続使用が可能になったことは朗報であるが、ADHD治療薬が十分であるとはいえない。現在、児童期に使用できる薬剤はコンサータとストラテラだけであり、さらに18歳以降も継続使用できる薬剤はストラテラのみである。ちなみに、今回の適応は18歳以前からの継続使用であり、18歳以降にADHD罹患が判明したケースには適応できない。青年期以降の適応は現在治験進行中である。(ケアネット 細田 雅之)

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【セミナー開催のお知らせ】一般公開シンポジウム 終末期医療と人の死を考える

 生き方 死に方を考える社会フォーラムは医療人文学研究会と共催で、2010年8月7日(日)に大阪府の豊中市千里公民館にて「一般公開シンポジウム 終末期医療と人の死を考える」を開催する。 開催概要は以下の通り。日時:2010年8月7日(日)14:00~17:00会場:豊中市千里公民館 3F 第一講座室料金:入場無料(どなたでもご自由にご参加ください)◆ゲスト恒藤 暁(大阪大学大学院医学系研究科教授・緩和医療学)「緩和ケアからみる現代医療の光と影」森岡 正博「日本人の死生観と現代に求められる死の哲学」◆ホスト大村 英昭(関西学院大学社会学部教授)石蔵 文信(大阪大学大学院医学系研究科准教授)主催: 生き方 死に方を考える社会フォーラム共催:医療人文学研究会連絡先: 大阪大学人間科学研究科文化社会学研究室山中浩司 Tel/Fax:06-6879-8078 e-mail:yamanaka@hus.osaka-u.ac.jp詳細は「医療人文学研究会」ウェブサイトへhttp://bunka.hus.osaka-u.ac.jp/medical_humanities/meeting.html

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血糖センサー付インスリンポンプ、1型糖尿病患者の血糖コントロール有意に改善

近年、1型糖尿病患者向けにインスリン治療器具が様々に開発され、従来の注射療法に代わる、小型携帯型24時間自動注入可能なインスリンポンプ、さらには血糖センサー付インスリンポンプが登場した。本論は、米国ミネアポリスにあるPark Nicollet国際糖尿病センターのRichard M. Bergenstal氏ら「STAR 3」研究グループが、最新の血糖センサー付インスリンポンプについて、従来の注射療法との有効性を比較した1年にわたる多施設共同無作為化試験結果の報告で、小児、成人とも有意に血糖コントロールが改善し、目標血糖値達成割合も高かったという。これまでも、インスリンポンプが注射療法よりも有効であることは明らかにされていたが、小児については結果にバラつきがあった。NEJM誌2010年7月22日号(オンライン版2010年6月29日号)掲載より。成人329例、小児156例を、最新ポンプ療法群と従来注射療法群に無作為化試験は、1型糖尿病で血糖コントロール不良の、成人(19~70歳)329例と小児(7~18歳)156例の計485例を、血糖センサー付インスリンポンプで治療する群(ポンプ療法群、成人166例、小児78例)と、1日複数回の注射療法群(成人163例、小児78例)とに無作為化して行われた。主要エンドポイントは、追跡1年時点の血糖値(HbA1c)の、ベースラインからの変化。患者は、遺伝子組み換え型インスリンアナログ製剤を投与され、専門家医療チームが管理指導にあたった。1年時点の血糖値低下、7%未満達成割合ともにポンプ療法群に軍配ベースラインでの両群の平均HbA1c値はともに、8.3%だった。1年時点で、その値は、ポンプ療法群は7.5%と、注射療法群の8.1%よりも有意に低下していた(P<0.001)。<7%目標達成患者の割合は、注射療法群よりもポンプ療法群で大きかった(27%対10%、P<0.001)。重症低血糖発生は、ポンプ療法群は100人・年につき13.31例、注射療法群は100人・年につき13.48例で、有意差は認められなかった(P=0.58)。また、両群とも体重増加はみられなかった。(医療ライター:武藤まき)

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膝前十字靱帯断裂の急性期は、まずリハビリを

米国では毎年20万件以上の膝前十字靱帯(ACL)再建手術が行われ、直接医療費は約30億ドルに上ると推計されるが、ACL再建が他の治療に比べて優れているとのエビデンスは、質の高い無作為化試験によっても明らかにはなっていない。ACL断裂は、若年者の活動性に重大な損傷をもたらすため、特にスポーツ愛好者・選手は、スポーツ再開を望み断裂修復こそが最良であるとみなし手術を受けるが、治療の中心はあくまで保存療法(体系的リハビリテーション)である。ただし現状では必ずしもリハビリは行われていない。そこで、スウェーデンのランド大学臨床科学整形学部門のRichard B. Frobell氏らは、ACL断裂の至適な治療戦略に関する検討を行った。NEJM誌2010年7月22日号掲載より。リハビリ+早期ACL再建 vs.リハビリ+必要に応じたACL再建Frobell氏らが検討した治療戦略は、体系的リハビリテーション+早期ACL再建(早期再建術群)と、体系的リハビリテーション+必要に応じて行うACL再建(待機的再建術群)の2つで、無作為化試験にて行われた。対象は急性期のACL断裂を有した活動的な若年者121例。主要アウトカムは、ベースラインから2年時点までの、KOOS(Knee Injury and Osteoarthritis Outcome Score)の、4つのサブスケール(疼痛、症状、スポーツ・レクリエーション時の機能、膝に関係するQOL)の平均スコア(0~100;点が高いほど良好)の変化とした。副次アウトカムには、KOOSのサブスケール5つすべて(前述+ADL機能)、SF-36健康調査票の結果、Tegner Activity Scaleスコアを含んだ。2年時の主要アウトカムの差は0.2ポイント早期再建術群に割り付けられた被験者62例のうち、1例は手術を受けなかった。一方、待機的再建術群に割り付けられた被験者59例は、手術を受けたのは23例で、36例はリハビリテーションのみで手術は必要としなかった。KOOS(4)の平均スコアの変化は、2年時点で、早期再建術群が39.2ポイント、待機的再建術群が39.4ポイントで、両群の絶対差は0.2ポイント(95%信頼区間:-6.5~6.8、P=0.96)だった。副次アウトカムについても、両群治療戦略間に有意な違いは認められなかった。有害事象は両群で同等に認められた。実際に行われた治療に基づき分析した結果も同様だった。これらからFrobell氏は、「ACL断裂を有した活動的な若年者では、リハビリ+早期ACL再建術の治療戦略が、リハビリ+必要に応じたACL再建術の治療戦略と比べ、優れているとは認められなかった。また後者の治療戦略を取ることで、再建手術がかなり減った」と結論している。(医療ライター:武藤まき)

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HIVワクチン接種者の4割で血清反応陽性

HIVワクチン接種者の血清反応陽性(VISP)頻度について調査が行われた。HIVワクチンは過去20年間で様々なアプローチ、ターゲット、投与タイプの製品開発が進められ、3万人以上に臨床試験が行われている。そのためHIV検査の解釈に混乱が生じている可能性があるとして行われた。米国シアトルにあるFred Hutchinsonがん研究センターHIV/AIDS戦略部門のCristine J. Cooper氏らによるもので、JAMA誌2010年7月21日号にて掲載されている。過去10年間のワクチン接種非感染者2,176例を対象調査は、2000~2010年の間に、米国、南米、タイ、アフリカで実施・完了したHIVワクチン臨床試験(phase 1:25試験、phase 2a:2試験)に参加し、血清反応陰性だった2,176例を対象に行われた。VISP判定には、FDA認可の一般的な三つのEIAキットが使われ、HIVのルーチン診断アルゴリズムを用いてVISP頻度が評価された。主要評価項目は、EIAキットで反応があり(一つ以上)、ウエスタンブロット法陰性あるいは境界型/非定型陽性、核酸検査HIV-1陰性と定義されたVISPの頻度とした。ワクチンの種類で異なる対象2,176例のうち、908例(41.7%、95%信頼区間:39.6%~43.8%)でVISPが認められた。VISPの頻度はワクチンの種類によって異なることが認められた。アデノウイルス5型ワクチンでは86.7%(95%信頼区間:83.3%~89.7%、399/460例)、ポックスウイルスワクチン単独あるいはブースト接種では53.4%(同:49.2%~57.7%、295/552例)、DNA単独ワクチンでは6.3%(同:4.4%~8.7%、35/555例)だった。また全体で、VISPの占める割合が最も多かったのは、HIV 1/2(rDNA)EIAキットで40.9%(891/2,176検査)、rLAV EIAキットは21.4%(150/700検査)、HIV-1 Plus O Microelisa Systemキットは14.7%(193/1,309検査)、HIV 1/2 PeptideキットとHIV 1/2 Plus Oキット合わせて8.8%(189/2,150検査)だった。なお、VISPだった908例のうち、HIV 1/2(rDNA)EIAキットで反応なしだった被験者は17例(1.9%)だった。グリコプロテイン140ワクチン接種者(70例)は全例でVISPが認められた。そのうち94.3%が三つすべてのEIAキットで反応がみられた。VISPでウエスタンブロット法の結果を有していた901例について、92例(10.2%)がウエスタンブロット法陽性(ワクチン製品タイプによらず非定型陽性)、592(65.7%)が同境界型陽性だった。VISPだった被験者のうち、エンベロープ遺伝子を含まないワクチンを接種されたのは8例だけだった。これらからCooper氏は、「HIVワクチン接種者のVISPはよくみられることで、特にHIV-1エンベロープ遺伝子と集団特異的なコア抗原遺伝子タンパクを含むワクチンで多い。VISPの発現はワクチンによる免疫獲得によるもので、EIA法での検出が有用であることが明らかになった」と結論している。(医療ライター:朝田哲明)

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救急外来でのルーチンな強制HIVスクリーニングの効果は?

米国疾病管理予防センター(CDC)は、救急外来部門を含む医療機関での、ルーチン(無目標)強制迅速HIVスクリーニングを行うことを推奨している。このアプローチにより発見される診断未確定のHIV感染は0.1%に上るというが、これまで救急部門だけをみた場合の実施の有用性は明らかになっていない。そこで、デンバーヘルス医療センター救急部門Jason S. Haukoos氏らが救急部門のみを対象とする調査を行った。結果、若干だが識別できた患者が増えていたことが明らかになった。ただし病期は進行していたという。JAMA誌2010年7月21日号掲載より。4ヵ月おきに強制スクリーニング期間を設定し特定できた患者数を調査調査は、デンバーヘルス医療センター(477床)救急部門で行われ、無目標強制迅速HIVスクリーニングが、医師が確定診断のため迅速検査を依頼した場合と比べて、より多くの新規患者を特定できるかどうかについて検討された。都市部の公的セイフティネット病院としての役割を担う同センター救急部門には、年間約5万5,000人の患者が訪れる。そのうち検査に同意を示すことが可能だった16歳以上の患者を対象に、2007年4月15日から2009年4月15日の間、4ヵ月おきに強制スクリーニング期間を設け実施した。合間の4ヵ月間は、医師が診断を必要とした場合のみ実施。主要評価項目は、新規に診断されたHIV感染者数と、スクリーニングおよび診断検査との関連とした。無目標強制迅速HIVスクリーニングと新規HIV診断は独立して相関強制スクリーニング期間における適格患者の合計は2万8,043人だった。そのうち6,933人(25%)がHIV検査を受けた。内訳は、強制的に受けた人6,702人(スクリーニング群)、強制期間中だったが医師が診断確定のため必要と判断し受けた人231人(必要診断検査群)だった。このうち新規HIV患者は、スクリーニング群10/6,702人・0.15%(95%信頼区間:0.07%~0.27%)、必要診断検査群5/231人・2.2%(同0.7%~5.0%)で特定された。一方、必要診断検査期間における適格患者の合計は2万9,925人。そのうち243人(0.8%)が検査を受け、特定された新規HIV患者は4/243人・1.6%(95%信頼区間:0.5%~4.2%)だった。強制期間における新規HIV患者の有病率は、15/28,043人・0.05%(同:0.03%~0.09%)、必要診断期間における有病率は、4/29,925人・0.01%(同:0.004%~0.03%)で、無目的強制迅速HIVスクリーニングと新規HIV診断は、母集団、保険種別、必要診断が強制期間中だったかどうかについて補正後も、独立した相関が示された(リスク比:3.6、95%信頼区間:1.2~10.8)。新規診断患者のCD4細胞数の中央値は、強制期間群で特定された患者の場合は69/microL(IQR:17~430)、必要診断期間群は13/microL(IQR:11~15)だった。(医療ライター:朝田哲明)

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特発性頭蓋内圧亢進症への低エネルギー食介入、3ヵ月で有意に改善

特発性頭蓋内圧亢進症を有する女性への、食事療法(低エネルギー食)介入は、有意に頭蓋内圧を低下し、耳鳴りなどの症状、乳頭浮腫も改善することが、英国バーミンガム大学免疫・感染症スクール眼科教育部門のAlexandra J Sinclair氏らによる前向きコホート研究の結果、報告された。食事療法終了後も3ヵ月間、効果は持続していたことも確認された。BMJ誌2010年7月17日号(オンライン版2010年7月7日号)掲載より。425kcal/日の低エネルギー食介入後の、頭蓋内圧の低下を観察試験は、英国内の病院の外来および臨床研究施設から被験者を集め行われた。被験者は、BMIが>25、乳頭浮腫を呈し、頭蓋内圧>25cmH2O、慢性(3ヵ月超)特発性頭蓋内圧亢進症の女性25人だった。手術治療を受けた患者は除外された。被験者は試験登録後、3ヵ月間は新規介入を受けず(ステージ1)、続く3ヵ月間は低エネルギー食(1,777kJ/日、425kcal/日)の介入を(ステージ2)、その後3ヵ月間は追跡期間とされた(ステージ3)。主要評価項目は、食事療法介入後の頭蓋内圧の低下。副次評価項目には、頭痛(headache impact test-6)スコア、乳頭浮腫[超音波測定(視神経乳頭腫脹、神経鞘腫直径)、OCT測定(乳頭周囲網膜厚)]、ハンフリー視野の平均偏差、LogMAR視力、その他症状を含んだ。評価は、基線、3、6、9ヵ月時点で行われ、また頭蓋内圧は、腰椎穿刺にて、基線、3、6ヵ月時点で測定された。体重、頭蓋内圧、頭痛、乳頭浮腫が有意に低下ステージ1の間は、各値に変化はみられなかった。ステージ2の間では、体重[平均15.7(SD:8.0)kg、P

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究めたい専門があっても卒後1年目からキャリアを積める医師は約半数

志向する専門キャリアを卒後すぐに積み上げることは難しい状況にあることが、英国オックスフォード大学公衆衛生学部UKメディカルキャリア研究グループのMichael J Goldacre氏らの調査で明らかになった。1974~1996年の間に医師となった1万5千人超の、卒後10年間に選択してきた専門キャリアと最終的に目指す専門キャリアについてアンケート調査を行った結果、約4分の1の医師の10年時点の就業している専門が、卒後1~3年の選択キャリアとは異なっていた。調査対象期間に英国では、より高い専門性を短期で身につけることを目的とした卒後研修プログラムの改革が行われてきたが、改革プログラムの効果はみられなかったという。BMJ誌2010年7月17日号(オンライン版2010年7月6日号)掲載より。医師1万5千人超の、卒後10年間の経年専門キャリアと目標専門キャリアを調査調査はアンケート形式で行われ、1974、1977、1983、1993、1996年に医師免許を取得した合計1万5,759人の、卒後10年のキャリアを調査した。卒後1、3年時点のキャリアについては1万5,759人全員を対象に、卒業5年時点については1万2,108人を対象に調査された。各時点のキャリアが把握できたのは、1年時点64%(n=1,0154)、3年時点62%(n=9,702)、5年時点61%(n=7,429)だった。最終目標と経年選択キャリアとの一致率、1年時54%、3年時70%、5年時83%1993、1996年のコホート群の、10年時の目標キャリアとの一致率は、1年時選択キャリアとは54%(1,890/3,508人)、3年時とは70%(2,494/3,579人)、5年時とは83%(2,916/3,524人)だった。上の年代のコホート群(1974、1977、1983年)についても、一致率は同様で、それぞれ、53%(3,310/6,264人)、74%(4,233/5,752人)、82%(2,976/3,646人)だった。ただし、たとえば外科の一致率は一貫して高いなど、専門別による一致率の違いが認められた。1年時選択専門キャリアと最終目標専門キャリアが一致していた医師のうち74%(722/982人)は、卒後1年目に明確に(未確実、不確定よりは強く)、希望する専門を有していた。しかし約半数が、病院の専門部門で働くことを希望したものの結局はかなわず、10年時点まで一般診療所(GP)で働いていた。結果を受けGoldacre氏は、「卒後研修は希望する専門を確実に受けられるという前提を有し、明確な専門選択を有したら速やかにその専門キャリアを積める。一方で、後から選択した人も学べるという柔軟性のあるものに一刻も早くしなければならない」と結論している。

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医療・介護施設にも最適 業務用空気清浄機『光クリエール』を新発売

ダイキン工業株式会社は22日、ウイルスの活動を抑制する当社独自の「光速ストリーマ」技術を搭載した業務用空気清浄機『光クリエール』を10月25日より発売すると発表した。空気清浄機は一般家庭だけでなく、医療・介護施設や学校など、人が集まる空間でのニオイや菌・ウイルス除去へのニーズが急速に伸びている。2009年に発売した「光速ストリーマ」技術搭載の店舗・オフィスエアコンやバス車内用ウイルス除去システムにも活用されている。今回新たに発売される商品は、大風量かつ高速電子から生まれる活性種によってウイルス抑制、除菌、脱臭効果を発揮する同社の「光速ストリーマ」技術を搭載することで、100ミリ平方メートルの大空間を1台で除菌できるという。詳細はプレスリリースへhttp://www.daikin.co.jp/press/2010/100722/index.html

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開業医たちは漢方薬の処方に積極的? 9割が日常診療で処方経験あり

株式会社QLife(キューライフ)は27日、開業医の漢方薬処方の背景や今後の意向についてアンケート調査結果を発表した。回答したのは診療所の院長200名。調査は、2010年5月25日~6月1日にインターネット上で行われた。調査結果によると、日常の診療において漢方薬を使っている医院は89%にのぼった。「患者の5人に1人以上」に処方している医師も13%いた。逆に「過去に処方していたが今はしていない」という回答もあった(8%)。また、漢方薬の処方に積極的なのは「収益好調な」医院に多い傾向があった。また、漢方薬の処方は治療効果以外にも、患者との関係や再診率向上にもメリットがあったと回答した開業医が多かった。特に「患者層に更年期女性が多い」医院では大きな効果がみられたようだ。さらに、3人に1人は今後「漢方薬を増やす」と回答し、すでに積極的に処方している医師ほど増やす意向が強かった。主な理由は「西洋薬のみでは限界」「エビデンス情報の増加」など。その一方で、「エビデンス・メカニズムが不明確」「効果に疑問」「剤形の選択肢が乏しい」などの点で増やしにくいと考える医師も少なくなかった。詳細はプレスリリースへhttp://www.qlife.co.jp/news/1312.html

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服薬量の自己調節+遠隔モニタリングで、良好な血圧コントロールを達成

高血圧患者自身による服薬量の自己調節と血圧の遠隔モニタリングにより、プライマリ・ケアにおいて良好な血圧コントロールが達成可能なことが、イギリスBirmingham大学プライマリ・ケア臨床科学部のRichard J McManus氏らが行った無作為化試験で示された。血圧のコントロールは心血管疾患の予防の要であるが、ライフスタイルへの介入や薬物療法の進歩にもかかわらず、現在の推奨治療で良好な血圧コントロールが得られる高血圧患者は約半数にすぎない。それゆえ、特に降圧治療の主たる現場であるプラマリ・ケアにおける新たな介入法の開発が必要とされており、患者自身による自己管理はその有望なアプローチだという。Lancet誌2010年7月17日号(オンライン版2010年7月8日号)掲載の報告。血圧コントロールが不良な高血圧患者で、自己管理と通常ケアを比較TASMINH2の研究グループは、コントロール不良な高血圧患者による自己管理が、通常のケアに比し良好な血圧コントロールをもたらすか否かについて検討する無作為化対照比較試験を実施した。イギリス国内の24のプライマリ・ケア施設が参加した。対象は、降圧治療を行っても血圧が140/90mmHg以上に達し、自己管理に同意した35~85歳の高血圧患者であった。これらの患者が、血圧を自己測定して降圧薬の服薬量を自分で調節し、家庭血圧の測定値の遠隔モニタリングを行う群あるいは通常ケア群に1対1の割合になるよう無作為に割り付けられた。治療の割り付け情報は患者にも担当医師にも知らされなかった。主要評価項目は、治療6ヵ月および12ヵ月の時点におけるベースラインからの平均収縮期血圧の変化とした。欠測したデータの補完は行わず、無作為割り付けの対象となり6ヵ月、12ヵ月に受診して評価項目のデータが得られたすべての患者が解析に含まれた。治療6ヵ月の血圧低下:自己管理群12.9、対照群9.2mmHg、12ヵ月:17.6、12.2mmHg527例が登録され自己管理群に263例が、対照群に264例が割り付けられた。主要評価項目の解析が可能であったのは480例(91%)で、自己管理群234例、対照群246例であった。治療6ヵ月における自己管理群の平均収縮期血圧はベースラインに比べ12.9mmHg(95%信頼区間:10.4~15.5)低下したのに対し、対照群では9.2mmHg(同:6.7~11.8)低下し、その差3.7mmHg(同:0.8~6.6)は統計学的に有意であった(p=0.013)。治療12ヵ月では、自己管理群における平均収縮期血圧のベースラインからの低下が17.6mmHg(95%信頼区間:14.9~20.3)であったのに対し、対照群の低下は12.2mmHg(同:9.5~14.9)と5.4mmHg(同:2.4~8.5)の差がみられ、有意差を認めた(p=0.0004)。下肢のむくみが自己管理群で32%(74/234例)と対照群の22%(55/246例)に比べ有意に多くみられたが、これ以外の一般的な有害事象の頻度は両群間に差を認めなかった。著者は、「患者による高血圧の自己管理と血圧測定の遠隔モニタリングを併用するアプローチは、プライマリ・ケアにおける高血圧のコントロールの新たな治療選択肢として重要であることが示された」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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